説明

近距離無線通信装置

【課題】データ通信相手が省電力モードで動作中であったことに起因して問題が発生したとしても、その発生した問題を速やかに解消する。
【解決手段】車載装置2は、BTモジュール5と通信相手である携帯電話機3のBTモジュール24とが両者の間で例えば仮想シリアルポート化したデータ通信を規定するSPPを接続中であると、省電力モード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信する。データ通信相手であるBTモジュール24が省電力モードで動作中であったとしても、その省電力モードで動作中のBTモジュール24を省電力モードから通常モードへ速やかに遷移させて通常モードで動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力モードで動作中に省電力モード解除信号を受信したことを条件として省電力モードから通常モードへ遷移して動作する通信相手装置との間でデータ通信を規定するデータ通信プロトコルを、近距離無線通信回線を通じて接続する接続手段を備えた近距離無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信機能を有する例えば携帯電話機等の電子機器に搭載されている近距離無線通信モジュールは、その仕様により通常モード(非省電力モード)と当該通常モードよりも電力消費が少ない省電力モード(低消費電力モード)との間を遷移して(切換えて)動作可能となっている。この種の近距離無線通信モジュールは、通常モードで動作中に例えばユーザからの操作入力が一定時間連続して行われないと、通常モードから省電力モードへ遷移し、電力消費を抑制するようになっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−87359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した省電力モードは、通常モードよりも電力消費が少ない分、通常モードよりもデータの処理速度が遅いという事情がある。このような事情から、近距離無線通信機能を有する近距離無線通信装置において、通信相手装置の近距離無線通信モジュールが上記したような通常モードと省電力モードとの間を遷移して動作可能である場合に、その通信相手装置の近距離無線通信モジュールが省電力モードで動作中にデータ通信の開始要求が発生すると、通信相手装置の近距離無線通信モジュールがデータ通信に係る通信処理を省電力モードで実行することになる。その結果、通信相手装置の近距離無線通信モジュールにおけるデータ通信に係る通信処理の処理速度が遅くなり、近距離無線通信装置と通信相手装置との間でのデータ通信速度が低下する等の問題が発生する。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、データ通信相手である通信相手装置が省電力モードで動作中であったことに起因してデータ通信速度が低下する等の問題が発生したとしても、その発生した問題を速やかに解消することができる近距離無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、接続手段は、省電力モードで動作中に省電力モード解除信号を受信したことを条件として省電力モードから通常モード(非省電力モード)へ遷移して動作する通信相手装置との間でデータ通信を規定するデータ通信プロトコルを、近距離無線通信回線を通じて接続する。制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であると判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させる。
【0007】
これにより、データ通信プロトコルを接続手段と通信相手装置との間で接続中であり、即ち、データ通信プロトコルによるデータ通信を両者の間で実行する可能性がある状況において、省電力モード解除信号を送信させることにより、データ通信相手である通信相手装置が省電力モードで動作中であったとしても、その省電力モードで動作中の通信相手装置を省電力モードから通常モードへ速やかに遷移させて(復帰させて)通常モードで動作させることができる。その結果、通信相手装置が省電力モードで動作中であったことに起因して問題が発生したとしても、その発生した問題を速やかに解消することができる。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であると判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ所定周期で繰返して送信させる。これにより、所定周期を設定することで、省電力モード解除信号を当該所定周期で繰返して送信させることができ、省電力モードで動作中の通信相手装置を当該所定周期で省電力モードから通常モードへ遷移させることができる。
【0009】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行する際に当該接続手段から当該通信相手装置へ送信されるデータ量に基づいて所定周期を設定する。これにより、接続手段から通信相手装置へ送信されるデータ量に基づいて所定周期を設定することで、省電力モード解除信号を当該データ量に基づいた所定周期で送信させることができ、省電力モードで動作中の通信相手装置を当該データ量に基づいた所定周期で省電力モードから通常モードへ遷移させることができる。
【0010】
請求項4に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であり、且つ通信相手装置が省電力モードで動作中であると判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させる。これにより、通信相手装置が省電力モードで動作中であることを条件として省電力モード解除信号を送信させることにより、省電力モードで動作中の通信相手装置を省電力モードから通常モードへ遷移させることができる。この場合は、通信相手装置が通常モードで動作中であり(省電力モードで動作中でなく)、即ち、省電力モード解除信号を送信させる必要がないにも拘らず省電力モード解除信号を送信させてしまうことを未然に回避することができ、省電力モード解除信号を送信させるのに必要な帯域を無駄に占有してしまうことを未然に回避することができる。
【0011】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であり、且つ通信相手装置が通常モードから省電力モードへ遷移したと判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させる。これにより、通信相手装置が通常モードから省電力モードへ遷移したことを条件として省電力モード解除信号を送信させることにより、省電力モードで動作中の通信相手装置を省電力モードから通常モードへ遷移させることができる。この場合も、上記した請求項4に記載した発明と同様に、通信相手装置が通常モードで動作中であり(省電力モードで動作中でなく)、即ち、省電力モード解除信号を送信させる必要がないにも拘らず省電力モード解除信号を送信させてしまうことを未然に回避することができ、省電力モード解除信号を送信させるのに必要な帯域を無駄に占有してしまうことを未然に回避することができる。又、この場合は、通信相手装置が通常モードから省電力モードへ遷移した直後に省電力モード解除信号を送信させることにより、通信相手装置が省電力モードで動作する期間を極力短くすることができる。
【0012】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であり、且つ接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中であると判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させる。これにより、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中であることを条件として省電力モード解除信号を送信させることにより、データ通信相手である通信相手装置が省電力モードで動作中であったとしても、データ通信を実行中の通信相手装置を省電力モードから通常モードへ速やかに遷移させることができ、例えば省電力モードで動作中であることに起因してデータ通信速度が低下していた等の問題を速やかに解消することができる。
【0013】
請求項7に記載した発明よれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であり、且つ接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中でなくても、データ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していないと判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させる。これにより、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していないことを条件として省電力モード解除信号を送信させることにより、データ通信相手である通信相手装置が省電力モードで動作中であるとしても、例えばユーザが操作入力を一時的に休止していることでデータ通信を休止しているような場合であれば、データ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していない通信相手装置を省電力モードから通常モードへ速やかに遷移させることができ、例えばユーザが操作入力を再開したことでデータ通信を再開した直後のデータ通信速度が低下する等の問題を速やかに解消することができる。
【0014】
請求項8に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であっても、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過したと判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させない。これにより、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過すれば、データ通信を実行中でない通信相手装置を省電力モードのままに維持しておくことにより、通信相手装置における電力消費を抑制することができる。
【0015】
請求項9に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であり、且つ通信相手装置が充電中であると判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させる。これにより、通信相手装置が充電中であることを条件として省電力モード解除信号を送信させることにより、通信相手装置を省電力モードから通常モードへ遷移させることができ、通信相手装置の動作電力が確保されている状態では、通信相手装置を通常モードで極力動作させることができる。
【0016】
請求項10に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であっても、通信相手装置が充電中でないと判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させない。これにより、通信相手装置が充電中でなければ、通信相手装置を省電力モードのままに維持しておくことにより、通信相手装置における電力消費を抑制することができる。
【0017】
請求項11に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であり、且つ通信相手装置の充電容量が所定容量以上であると判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させる。これにより、通信相手装置の充電容量が所定容量以上であることを条件として省電力モード解除信号を送信させることにより、通信相手装置を省電力モードから通常モードへ遷移させることができ、上記した請求項9に記載した発明と同様に、通信相手装置の動作電力が確保されている状態では、通信相手装置を通常モードで極力動作させることができる。
【0018】
請求項12に記載した発明によれば、制御手段は、接続手段と通信相手装置とが両者の間でデータ通信プロトコルを接続中であっても、通信相手装置の充電容量が所定容量未満であると判定すると、省電力モード解除信号を送信手段から通信相手装置へ送信させない。これにより、通信相手装置の充電容量が所定容量未満であれば、通信相手装置を省電力モードのままに維持しておくことにより、通信相手装置における電力消費を抑制することができる。
【0019】
請求項13に記載した発明によれば、接続手段は、ユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信、通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信、及び通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信のうち何れかを規定するデータ通信プロトコルを通信相手装置との間で接続する。これにより、ユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルを接続する場合であれば、そのユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信速度を高めることができ、ユーザ操作に対する応答を速やかに提示することができる。又、通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルを接続する場合であれば、その通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信速度を高めることができ、通信網から通信相手装置への着信をユーザに対して速やかに通知することができる。又、通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルを接続する場合であれば、その通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信速度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】車載装置が実行する処理及び携帯電話機が実行する処理を示すフローチャート
【図3】図2相当図
【図4】図2相当図
【図5】図2相当図
【図6】図2相当図
【図7】図2相当図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明をBluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)通信機能を有するBT対応の車載装置(以下、単に車載装置と称する)に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。尚、ここでは、車載装置が搭載されている車両の車室内に、BT通信機能を有するBT対応の携帯電話機(以下、単に携帯電話機と称する)が車室内に持込まれ、車載装置と携帯電話機とがBT通信可能な状態にある場合を説明する。
【0022】
BT通信システム1は、車両に搭載されている車載装置2(本発明でいう近距離無線通信装置に相当)と、車室内に持込まれた携帯電話機3(本発明でいう通信相手装置に相当)とから構成される。車載装置2は、制御部4(本発明でいう制御手段に相当)と、BTモジュール5(本発明でいう接続手段、送信手段に相当)と、USB(Universal Serial Bus)モジュール6と、記憶部7と、音声処理部8と、表示制御部9と、操作入力部10と、信号入力部11等を備えて構成されている。制御部4と、USBモジュール6と、記憶部7と、音声処理部8と、表示制御部9と、操作入力部10と、信号入力部11とは、制御基板12に物理的に実装されており、BTモジュール5は、制御基板12とは別部材であるBTモジュール基板13に物理的に実装されている。制御部4とBTモジュール5とはUSB接続されている。
【0023】
制御部4は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、車載装置2の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。BTモジュール5は、後述する携帯電話機3のBTモジュールとの間でBT通信回線(本発明でいう近距離無線通信回線に相当)を接続し、BT通信回線を通じてBT通信を実行する機能を有する。BTモジュール5は、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルとして、ハンズフリー通話を規定するHFP(Hands Free Profile)、電子メールデータの転送を規定するMAP(Message Access Profile)、仮想シリアルポート化したデータ通信を規定するSPP(Serial Port Profile)、インターネットへのダイヤルアップ接続を規定するDUN(Dial-up Networking Profile)、音データの転送を規定するA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)、音データの制御に係る制御データの転送を規定するAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)等を同時接続(所謂マルチ接続)可能に構成されている。これらHFP、MAP、SPP、DUN、A2DP、AVRCP等は機能毎に定義されたデータ通信プロトコルを意味している。尚、HFP、MAP、SPP、DUN、A2DP、AVRCP等に加え、電話帳データの転送を規定するPBAP(Phone Book Access Profile)、OPP(Object Push Profile)等を接続可能に構成されていても良い。
【0024】
USBモジュール6は、USB接続ケーブル14の接続端子14aを着脱可能な接続端子6aを有し、USB接続ケーブル14の一方の接続端子14aが接続端子6aに接続され、且つUSB接続ケーブル14の他方の接続端子14bが後述する携帯電話機3のUSBモジュールの接続端子に接続されている状態で、USB通信回線を携帯電話機3のUSBモジュールとの間で接続し、USB通信回線を通じてUSB通信を実行する機能を有する。
【0025】
記憶部7は、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。この場合、BTモジュール5が携帯電話機3のBTモジュールとの間でMAPを接続すれば、携帯電話機3からBTモジュール5へ転送された電子メールデータ(電子メールの発信先を特定可能な差出人情報、電子メールが携帯電話機3へ受信された日時を特定可能な受信日時情報、電子メールの種別を特定可能な種別情報、例えば差出人が入力した電子メールの件名を特定可能な件名情報等)が記憶部7に記憶される。又、BTモジュール5が携帯電話機3のBTモジュールとの間でPBAPを接続すれば、携帯電話機3からBTモジュール5へ転送された電話帳データ、車載装置2からの発信動作又は当該車載装置2との間でHFPを接続している携帯電話機3からの発信動作に係る発信時刻と発信電話番号との対応を表す発信履歴データ、車載装置2との間でHFPを接続している携帯電話機3の着信動作に係る着信時刻と着信電話番号との対応を表す着信履歴データ等が記憶部7に記憶される。
【0026】
音声処理部8には車室内にあって例えばハンドルの近傍等のユーザが発した音声を集音し易い部位に配置されているマイクロホン15が接続されていると共に、車載装置2の外部に配置されているオーディオアンプ16が接続されており、オーディオアンプ16にはスピーカ17a、17bが接続されている。
【0027】
音声処理部8は、BTモジュール5と後述する携帯電話機3のBTモジュールとが両者の間でHFPを接続している状態では、ユーザが発した音声をマイクロホン15から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理してBTモジュール5へ出力し、BTモジュール5から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをオーディオアンプ16へ出力する。
【0028】
又、音声処理部8は、BTモジュール5と後述する携帯電話機3のBTモジュールとが両者の間でA2DP及びAVRCPを接続している状態では、携帯電話機3のBTモジュールからA2DP及びAVRCPによりBTモジュール5へ転送された音データをオーディオアンプ16へ出力する。又、音声処理部8は、USBモジュール6と後述する携帯電話機3のUSBモジュールとが両者の間でUSB通信を実行可能な状態では、携帯電話機3のUSBモジュールからUSB通信回線によりUSBモジュール6へ転送された音データをオーディオアンプ16へ出力する。
【0029】
オーディオアンプ16は、音声処理部8から受話音声データや音データを入力すると、その入力した受話音声データや音データを増幅してスピーカ17a、17bから出力させる。又、オーディオアンプ16にはチューナーデッキ18も接続されており、オーディオアンプ16は、チューナーデッキ18が例えば音楽用記録媒体から再生した楽曲データを当該チューナーデッキ18から入力すると、その入力した楽曲データをも増幅してスピーカ17a、17bから出力させる。
【0030】
ディスプレイ装置19は、各種表示画面を表示する表示装置20と、表示画面上にタッチスイッチを形成する操作装置21とを備えて構成されている。表示制御部9は、制御部4から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいてディスプレイ装置19における表示装置20の表示動作を制御する。操作入力部10は、ユーザが表示画面上に形成されているタッチスイッチを操作したことに応じて操作装置21から操作検出信号を入力すると、その入力した操作検出信号を制御部4へ出力し、制御部4は、操作入力部10から入力した操作検出信号を解析してユーザの操作を特定する。
【0031】
信号入力部11は、車両に搭載されているACC(アクセサリ)スイッチに接続されており、ACCスイッチから出力されたACC信号を入力すると、その入力したACC信号を制御部4へ出力し、制御部4は、信号入力部11から入力したACC信号のオンオフに基づいて装置電源をオンオフする。即ち、制御部4は、ACC信号がオフからオンに遷移したタイミングで装置電源をオンし(車載装置2を起動し)、ACC信号がオンからオフに遷移したタイミングで装置電源をオフする(車載装置2を停止する)。
【0032】
携帯電話機3は、制御部22と、電話通信部23と、BTモジュール24と、USBモジュール25と、キー入力部26と、記憶部27と、表示部28と、マイクロホン29と、スピーカ30と、電力供給部31等を備えて構成されている。
【0033】
制御部22は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、携帯電話機3の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。電話通信部23は、通信網33との間で電話通信を実行する。尚、通信網33は携帯電話基地局や基地局制御装置等の周知の携帯電話通信サービスを提供する設備を含むものである。BTモジュール24は、前述した車載装置2のBTモジュール5との間でBT通信回線を接続し、BT通信回線を通じてBT通信を実行する機能を有し、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルとして、HFP、MAP、SPP、DUN、A2DP、AVRCP等を同時接続可能に構成されている。
【0034】
USBモジュール25は、USB接続ケーブル14の接続端子14bを着脱可能な接続端子25aを有し、USB接続ケーブル14の一方の接続端子14aが車載装置2のUSBモジュール6の接続端子6aに接続され、且つUSB接続ケーブル14の他方の接続端子14bが接続端子25aに接続されている状態で、USB通信回線を車載装置2のUSBモジュール6との間で接続し、USB通信回線を通じてUSB通信を実行する機能を有する。
【0035】
キー入力部26は、ユーザが操作可能な各種キーを備え、ユーザがキーを操作したことに応じて操作検出信号を制御部22へ出力し、制御部22は、キー入力部26から入力した操作検出信号を解析してユーザの操作を特定する。記憶部27は、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。表示部28は、制御部22から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいて各種表示画面を表示する。又、制御部22は、ユーザが発した音声をマイクロホン29から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理し、電話通信部23から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをスピーカ30から音声として出力させる。電力供給部31は、本体に対して着脱可能なバッテリ32から放電される電力を動作電力として各機能ブロックへ供給する。
【0036】
上記した構成では、車載装置2のBTモジュール5のデータ通信相手である携帯電話機3のBTモジュール24は、バッテリ32から動作電力が供給されている起動状態では、通常モード(非省電力モード)と省電力モード(低消費電力モード)との間を遷移して(切換えて)動作可能である。省電力モードとは、通常モードよりも電力消費が少ない状態で動作するモードであり、通常モードよりも電力消費が少ない分、通常モードよりもデータの処理速度が遅いモードである。BTの通信規格では、ホールドモード、スニフモード、パークモードが省電力モードとして規定されている。即ち、BTモジュール24は、通常モードからホールドモード、スニフモード、パークモードのうち何れかへ遷移して動作することで電力消費を抑制する。ホールドモードは、BTモジュール24がマスタ(制御機能を有するBTモジュール)及びスレーブ(マスタ以外のBTモジュール)のうち何れで動作する場合でも通常モードから遷移可能な省電力モードである。一方、スニフモード及びパークモードは、BTモジュール24がスレーブとして動作する場合に限って通常モードから遷移可能な省電力モードである。
【0037】
携帯電話機3において、制御部22は、BTモジュール24が通常モードで動作中にユーザからのキー入力部26への操作入力が一定時間連続して行われないと判定すると、BTモジュール24を通常モードから省電力モードへ遷移させる。BTモジュール24は、通常モードから省電力モードへ遷移した後では、外部から省電力モード解除信号をBT通信回線を通じて受信したことを条件として省電力モードから通常モードへ遷移して動作する(復帰する)。尚、BTモジュール24は、通常モードから省電力モードへ遷移した後では、外部から省電力モード解除信号をBT通信回線を通じて受信したことに加え、ユーザからのキー入力部26への省電力モードの解除操作が行われた場合にも、省電力モードから通常モードへ遷移して動作する。
【0038】
車載装置2において、BTモジュール5は、上記したようにHFP、MAP、SPP、DUN、A2DP、AVRCP等をBTモジュール24との間で同時接続する機能を有していることに加え、制御部4から省電力モード解除指令を入力すると、上記した省電力モード解除信号をBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信する機能を有している。
【0039】
又、上記した構成では、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でSPPを接続している状態でユーザが例えば携帯電話機3との間でのデータ通信を目的とする操作を操作装置21にて実行すると、そのユーザ操作に応じたデータがBTモジュール5とBTモジュール24との間でSPPにより転送される。即ち、SPPは本発明でいうユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルである。
【0040】
又、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でHFPを接続している状態で通信網33から携帯電話機3への音声着信が発生すると、音声着信が発生したことを携帯電話機3から車載装置2へ通知するためのデータ(音声着信通知データ)がBTモジュール24からBTモジュール5へHFPにより転送される。又、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でMAPを接続している状態で通信網33から携帯電話機3への電子メール着信が発生すると、電子メール着信が発生したことを携帯電話機3から車載装置2へ通知するためのデータ(電子メール着信通知データ)がBTモジュール24からBTモジュール5へMAPにより転送される。即ち、HFP及びMAPは本発明でいう通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルである。
【0041】
又、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でDUNを接続している状態でユーザが例えば携帯電話機3から通信網33へのダイヤルアップ接続を目的とする操作を操作装置21にて実行すると、ダイヤルアップ接続に必要なデータがBTモジュール5とBTモジュール24との間でDUNにより転送される。即ち、DUNは本発明でいう通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルである。
【0042】
次に、上記した構成の作用について、図2乃至図7を参照して説明する。図2乃至図7は車載装置2の制御部4及びBTモジュール5が実行する処理と、携帯電話機3のBTモジュール24が実行する処理とをフローチャートにより示している。尚、ここでは、携帯電話機3のBTモジュール24が省電力モードとしてスニフモードで動作し、BTモジュール24が外部から省電力モード解除信号としてスニフモード解除信号を受信したことを条件としてスニフモードから通常モードへ遷移する(復帰する)場合を説明する。
【0043】
本実施形態では、車載装置2の制御部4がスニフモード解除信号をBTモジュール5から携帯電話機3のBTモジュール24へ送信させる条件として以下に示す場合がある。
(1)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つ予め設定している送信タイミングの周期になったと判定した場合
(2)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つBTモジュール24がスニフモードで動作中であると判定した場合
(3)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つBTモジュール24が通常モードからスニフモードへ遷移したと判定した場合
(4)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つBTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中であると判定した場合、又はデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していないと判定した場合
(5)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つ携帯電話機3のバッテリ32が充電中であると判定した場合、又は携帯電話機3のバッテリ32の充電容量が所定容量以上であると判定した場合
以下、これらの場合について順次説明する。
【0044】
(1)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つ予め設定している送信タイミングの周期になったと判定した場合(図2参照)。
この場合は、車載装置2の制御部4は、車載装置2の装置電源がオン(ACCスイッチがオン)している状態ではメイン処理を実行し、メイン処理におけるサブ処理としてプロファイル接続監視処理を一定周期で定期的に実行する。車載装置2のBTモジュール5は、車載装置2の装置電源がオンしている状態ではメイン処理を実行し、メイン処理におけるサブ処理としてスニフモード解除指令入力処理、及びスニフモード解除信号送信処理を一定周期で定期的に実行する。車載装置2の制御部4とBTモジュール5とは、各々のメイン処理やサブ処理を同期して実行しても良い。又、携帯電話機3のBTモジュール24は、携帯電話機3の機器電源がオンしている状態ではメイン処理を実行し、メイン処理におけるサブ処理としてスニフモード解除信号受信処理を一定周期で定期的に実行する。
【0045】
車載装置2において、制御部4は、メイン処理からプロファイル接続監視処理へ移行し、プロファイル接続監視処理を開始すると、BTモジュール5のプロファイルの接続状態を判定し、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップA1)。制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップA1にて「YES」)、予め設定している送信タイミングの周期になったか否かを判定する(ステップA2)。制御部4は、予め設定している送信タイミングの周期(本発明でいう所定周期に相当、例えば1秒)になったと判定すると(ステップA2にて「YES」)、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力し(ステップA3)、プロファイル接続監視処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0046】
車載装置2において、BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除指令入力処理へ移行し、スニフモード解除指令入力処理を開始すると、BTモジュール24との間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップB1)。BTモジュール5は、BTモジュール24との間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップB1にて「YES」)、制御部4からスニフモード解除指令を入力したか否かを判定する(ステップB2)。BTモジュール5は、制御部4からスニフモード解除指令を入力したと判定すると(ステップB2にて「YES」)、スニフモード解除信号の送信を待機することを示す送信待機フラグを設定し(ステップB3)、スニフモード解除指令入力処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0047】
又、BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除信号送信処理へ移行し、スニフモード解除信号送信処理を開始すると、BTモジュール24との間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップB11)。BTモジュール5は、BTモジュール24との間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップB11にて「YES」)、送信待機フラグを設定中であるか否か、即ち、制御部4からスニフモード解除指令を入力したことでスニフモード解除信号の送信を待機しているか否かを判定する(ステップB12)。
【0048】
BTモジュール5は、送信待機フラグを設定中である、即ち、スニフモード解除信号の送信を待機していると判定すると(ステップB12にて「YES」)、スニフモード解除信号をBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信し(ステップB13)、送信待機フラグを解除し(ステップB14)、スニフモード解除信号送信処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0049】
携帯電話機3において、BTモジュール24は、メイン処理からスニフモード解除信号受信処理へ移行し、スニフモード解除信号受信処理を開始すると、BTモジュール5からスニフモード解除信号をBT通信回線を通じて受信したか否かを判定する(ステップC1)。BTモジュール24は、BTモジュール5からスニフモード解除信号をBT通信回線を通じて受信したと判定すると(ステップC1にて「YES」)、スニフモードで動作中であるか否かを判定し(ステップC2)、スニフモードで動作中であると判定すると(ステップC2にて「YES」)、スニフモードから通常モードへ遷移し(スニフモードを解除し)(ステップC3)、スニフモード解除信号受信処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0050】
制御部4は、上記した一連の処理を繰返して実行することで、スニフモード解除信号を予め設定している送信タイミングの周期でBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させることにより、BTモジュール24がスニフモードで動作中であれば、そのスニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させる。即ち、制御部4は、スニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ早期に遷移させることができる。又、BTモジュール24が通常モードで動作中であっても、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ繰返して送信させることにより、BTモジュール24が通常モードからスニフモードへ遷移することを抑制することができる。
【0051】
尚、この場合、制御部4は、BTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるデータ量に基づいて送信タイミングの周期を設定しても良い。制御部4は、BTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるデータ量が所定量以上であれば(相対的に多ければ)、送信タイミングの周期を相対的に短く設定し、BTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させるタイミングを早めることで、BTモジュール24を通常モードで極力動作させる。一方、制御部4は、BTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるデータ量が所定量未満であれば(相対的に少なければ)、送信タイミングの周期を相対的に長く設定し、BTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させるタイミングを遅らせることで、BTモジュール24をスニフモードで極力動作させる。即ち、BTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるデータ量が所定量以上であれば、データ通信速度の低下による影響が相対的に大きいことから、BTモジュール24を通常モードで極力動作させることで、データ通信の遅延を防止し、一方、BTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるデータ量が所定量未満であれば、データ通信速度の低下による影響が相対的に小さいことから、BTモジュール24をスニフモードで極力動作させることで、携帯電話機3の電力消費を抑制する。
【0052】
(2)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つBTモジュール24がスニフモードで動作中であると判定した場合(図3及び図4参照)。
この場合は、車載装置2のBTモジュール5は、メイン処理におけるサブ処理としてスニフモード解除指令入力処理、及びスニフモード解除信号送信処理を実行することに加え、状態取得処理を一定周期で定期的に実行する。携帯電話機3のBTモジュール24は、メイン処理におけるサブ処理としてスニフモード解除信号受信処理を実行することに加え、状態通知処理を一定周期で定期的に実行する。
【0053】
携帯電話機3において、BTモジュール24は、メイン処理から状態通知処理へ移行し、状態通知処理を開始すると、スニフモードで動作中であるか否かを判定する(ステップC21)。BTモジュール24は、スニフモードで動作中であると判定すると(ステップC21にて「YES」)、スニフモードで動作中であることを示すスニフモード動作中信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信し(ステップC22)、状態通知処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0054】
車載装置2において、BTモジュール5は、メイン処理から状態取得処理へ移行し、状態取得処理を開始すると、BTモジュール24との間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップB21)。BTモジュール5は、携帯電話機3のBTモジュール24との間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップB21にて「YES」)、BTモジュール24からスニフモード動作中信号をBT通信回線を通じて受信したか否かを判定する(ステップB22)。BTモジュール5は、BTモジュール24からスニフモード動作中信号をBT通信回線を通じて受信したと判定すると(ステップB22にて「YES」)、その受信したスニフモード動作中信号を制御部4へ出力し(ステップB23)、状態取得処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0055】
制御部4は、メイン処理からプロファイル接続監視処理へ移行し、プロファイル接続監視処理を開始すると、BTモジュール5のプロファイルの接続状態を判定し、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップA21)。制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップA21にて「YES」)、BTモジュール5からスニフモード動作中信号を入力したかを判定する(ステップA22)。制御部4は、BTモジュール5からスニフモード動作中信号を入力したと判定すると(ステップA22にて「YES」)、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力し(ステップA23)、プロファイル接続監視処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0056】
BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除指令入力処理へ移行し、スニフモード解除指令入力処理を開始すると、上記した(1)で説明したステップB1乃至B3を実行する。又、BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除信号送信処理へ移行し、スニフモード解除信号送信処理を開始すると、上記した(1)で説明したステップB11乃至B14を実行する。
【0057】
携帯電話機3において、BTモジュール24は、メイン処理からスニフモード解除信号受信処理へ移行し、スニフモード解除信号受信処理を開始し、BTモジュール5からスニフモード解除信号を受信したと判定すると(ステップC31にて「YES」)、上記した(1)で説明した処理とは異なり、スニフモードで動作中であるか否かを判定することなく、スニフモードから通常モードへ遷移し(ステップC32)、スニフモード解除信号受信処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0058】
制御部4は、上記した一連の処理を繰返して実行することで、BTモジュール24がスニフモードで動作中であると判定すると、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させることにより、スニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させる。
【0059】
尚、以上は、BTモジュール24がスニフモードで動作中であることを示すスニフモード動作中信号を自発的にBTモジュール5へ送信する場合を説明したが、制御部4において、スニフモード及び通常モードの何れで動作中であるかを問合せる状態問合信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ、BTモジュール24からスニフモードで動作中であることを示すスニフモード動作中信号及び通常モードで動作中であることを示す通常モード動作中信号の何れかをBTモジュール5により受信させることで、BTモジュール24がスニフモードで動作中であるか通常モードで動作中であるかを判定しても良い。又、BTモジュール5は、BTモジュール24からスニフモード動作中信号をBT通信回線を通じて受信したと判定すると(ステップB22にて「YES」)、その直後に、スニフモード解除信号をBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信しても良い(ステップB13)。
【0060】
(3)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つBTモジュール24が通常モードからスニフモードへ遷移したと判定した場合(図5参照)。
この場合も、車載装置2のBTモジュール5は、メイン処理におけるサブ処理としてスニフモード解除指令入力処理、及びスニフモード解除信号送信処理を実行することに加え、状態取得処理を一定周期で定期的に実行する。携帯電話機3のBTモジュール24は、メイン処理におけるサブ処理としてスニフモード解除信号受信処理を実行することに加え、状態通知処理を一定周期で定期的に実行する。
【0061】
携帯電話機3において、BTモジュール24は、メイン処理から状態通知処理へ移行し、状態通知処理を開始すると、通常モードからスニフモードへ遷移したか否かを判定する(ステップC41)。BTモジュール24は、通常モードからスニフモードへ遷移したと判定すると(ステップC41にて「YES」)、スニフモード遷移信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信し(ステップC42)、状態通知処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0062】
車載装置2において、BTモジュール5は、メイン処理から状態取得処理へ移行し、状態取得処理を開始すると、BTモジュール24との間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップB41)。BTモジュール5は、携帯電話機3のBTモジュール24との間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップB41にて「YES」)、BTモジュール24からスニフモード遷移信号をBT通信回線を通じて受信したか否かを判定する(ステップB42)。BTモジュール5は、BTモジュール24からスニフモード遷移信号をBT通信回線を通じて受信したと判定すると(ステップB42にて「YES」)、その受信したスニフモード遷移信号を制御部4へ出力し(ステップB43)、状態取得処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0063】
制御部4は、メイン処理からプロファイル接続監視処理へ移行し、プロファイル接続監視処理を開始すると、BTモジュール5のプロファイルの接続状態を判定し、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップA41)。ここで、制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップA41にて「YES」)、BTモジュール5からスニフモード遷移信号を入力したかを判定する(ステップA42)。制御部4は、BTモジュール5からスニフモード遷移信号を入力したと判定すると(ステップA42にて「YES」)、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力し(ステップA43)、プロファイル接続監視処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0064】
BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除指令入力処理へ移行し、スニフモード解除指令入力処理を開始すると、上記した(1)で説明したステップB1乃至B3を実行する。又、BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除信号送信処理へ移行し、スニフモード解除信号送信処理を開始すると、上記した(1)で説明したステップB11乃至B14を実行する(図4参照)。
【0065】
携帯電話機3において、BTモジュール24は、メイン処理からスニフモード解除信号受信処理へ移行し、スニフモード解除信号受信処理を開始し、上記した(2)で説明したステップC31及びC32を実行する(図4参照)。
【0066】
制御部4は、上記した一連の処理を繰返して実行することで、BTモジュール24が通常モードからスニフモードへ遷移したと判定すると、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させることにより、スニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させる。又、BTモジュール5は、BTモジュール24からスニフモード遷移信号をBT通信回線を通じて受信したと判定すると(ステップB42にて「YES」)、その直後に、スニフモード解除信号をBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信しても良い(ステップB13)。
【0067】
(4)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つBTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中であると判定した場合、又はデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していないと判定した場合(図6参照)。
車載装置2において、制御部4は、メイン処理からプロファイル接続監視処理へ移行し、プロファイル接続監視処理を開始すると、BTモジュール5のプロファイルの接続状態を判定し、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップA51)。制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップA51にて「YES」)、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中であるか否かを判定する(ステップA52)。この場合、制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータを送受信している場合、及び例えばユーザ操作を契機としてこれからデータを送受信する場合も含めて、データ通信を実行中であると判定する。
【0068】
制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中であると判定すると(ステップA52にて「YES」)、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力し(ステップA54)、プロファイル接続監視処理を終了してメイン処理へリターンする。又、制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中でないと判定すると(ステップA52にて「NO」)、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過しているか否かを判定する(ステップA53)。制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していないと判定すると(ステップA53にて「NO」)、この場合も、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力し(ステップA54)、プロファイル接続監視処理を終了してメイン処理へリターンする。一方、制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過したと判定すると(ステップA53にて「YES」)、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力しない。
【0069】
BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除指令入力処理へ移行し、スニフモード解除指令入力処理を開始すると、上記した(1)で説明したステップB1乃至B3を実行する。又、BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除信号送信処理へ移行し、スニフモード解除信号送信処理を開始すると、上記した(1)で説明したステップB11乃至B14を実行する(図2参照)。
【0070】
携帯電話機3において、BTモジュール24は、メイン処理からスニフモード解除信号受信処理へ移行し、スニフモード解除信号受信処理を開始し、上記した(1)で説明したステップC1乃至C3を実行する(図2参照)。
【0071】
制御部4は、上記した一連の処理を繰返して実行することで、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中であると判定すると、又はBTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していないと判定すると、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させることにより、BTモジュール24がスニフモードで動作中であれば、そのスニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させる。又、制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していると判定すると、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させないことで、BTモジュール24をスニフモードに維持し、BTモジュール24の電力消費を抑制する(省電力化する)。
【0072】
(5)BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であり、且つ携帯電話機3のバッテリ32が充電中であると判定した場合、又は携帯電話機3のバッテリ32の充電容量が所定容量以上であると判定した場合(図7参照)。
この場合は、車載装置2のBTモジュール5は、メイン処理におけるサブ処理としてスニフモード解除指令入力処理、及びスニフモード解除信号送信処理を実行することに加え、充電容量取得処理を一定周期で定期的に実行する。携帯電話機3のBTモジュール24は、メイン処理におけるサブ処理としてスニフモード解除信号受信処理を実行することに加え、充電容量通知処理を一定周期で定期的に実行する。
【0073】
携帯電話機3において、BTモジュール24は、メイン処理から充電容量通知処理へ移行し、充電容量通知処理を開始すると、その直前に制御部22が検出した最新のバッテリ32の充電容量を当該制御部22から取得し(ステップC61)、その取得した充電容量を示す充電容量信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信し(ステップC62)、充電容量通知処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0074】
車載装置2において、BTモジュール5は、メイン処理から充電容量取得処理へ移行し、充電容量取得処理を開始すると、BTモジュール24との間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップB61)。BTモジュール5は、携帯電話機3のBTモジュール24との間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップB61にて「YES」)、BTモジュール24から充電容量信号を受信したか否かを判定する(ステップB62)。BTモジュール5は、BTモジュール24から充電容量信号を受信したと判定すると(ステップB62にて「YES」)、その受信した充電容量信号を制御部4へ出力し(ステップB63)、充電容量取得処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0075】
制御部4は、メイン処理からプロファイル接続監視処理へ移行し、プロファイル接続監視処理を開始すると、BTモジュール5のプロファイルの接続状態を判定し、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイル(例えば上記したSPP等)を接続中であるか否かを判定する(ステップA61)。制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であると判定すると(ステップA61にて「YES」)、BTモジュール5から充電容量信号を入力したかを判定する(ステップA62)。制御部4は、BTモジュール5から充電容量信号を入力したと判定すると(ステップA62にて「YES」)、その入力した充電容量信号に基づいてバッテリ32が充電中であるか否かを判定する(ステップA63)。
【0076】
ここで、制御部4は、バッテリ32の充電容量が時系列的に増加していると判定し、バッテリ32が充電中であると判定すると(ステップA63にて「YES」)、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力し(ステップA65)、プロファイル接続監視処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0077】
又、制御部4は、バッテリ32の充電容量が時系列的に増加していないと判定し、バッテリ32が充電中でないと判定すると(ステップA63にて「NO」)、バッテリ32の充電容量が所定容量(例えば満充電の80%)以上であるか否かを判定し(ステップA64)、バッテリ32の充電容量が所定容量以上であると判定すると(ステップA64にて「YES」)、この場合も、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力し(ステップA65)、プロファイル接続監視処理を終了してメイン処理へリターンする。一方、制御部4は、バッテリ32の充電容量が所定容量以上でないと判定すると(ステップA64にて「NO」)、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力しない。
【0078】
BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除指令入力処理へ移行し、スニフモード解除指令入力処理を開始すると、上記した(1)で説明したステップB1乃至B3を実行する。又、BTモジュール5は、メイン処理からスニフモード解除信号送信処理へ移行し、スニフモード解除信号送信処理を開始すると、上記した(1)で説明したステップB11乃至B14を実行する(図2参照)。
【0079】
携帯電話機3において、BTモジュール24は、メイン処理からスニフモード解除信号受信処理へ移行し、スニフモード解除信号受信処理を開始し、上記した(1)で説明したステップC1乃至C3を実行する(図2参照)。
【0080】
制御部4は、上記した一連の処理を繰返して実行することで、バッテリ32が充電中であると判定すると、又はバッテリ32の充電容量が所定容量以上であると判定すると、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させることにより、BTモジュール24がスニフモードで動作中であれば、そのスニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させる。又、制御部4は、バッテリ32が充電中でなく、且つバッテリ32の充電容量が所定容量以上でないと判定すると、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させないことで、BTモジュール24をスニフモードに維持し、BTモジュール24の電力消費を抑制する。
【0081】
尚、以上は、BTモジュール24が充電容量を示す充電容量信号を自発的にBTモジュール5へ送信する場合を説明したが、制御部4において、バッテリ32の充電容量を問合せる充電容量問合信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ、BTモジュール24から充電容量信号をBTモジュール5により受信させることで、バッテリ32の充電容量を判定しても良い。又、制御部4は、バッテリ32が充電中でないと判定すると、バッテリ32の充電容量に拘らず、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させないことで、BTモジュール24をスニフモードに維持し、BTモジュール24の電力消費を抑制するようにしても良い。又、制御部4において、USB通信回線がUSBモジュール6と携帯電話機3のUSBモジュール25との間で接続されているか否かを判定し、USB通信回線が接続されていると判定することで、バッテリ32が充電中であると判定しても良い。
【0082】
ところで、制御部4は、上記した(1)乃至(5)で説明した複数の条件のうち幾つかを組み合わせ、それら複数の条件のうち幾つかが成立したことを条件としてスニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるようにしても良い。即ち、制御部4は、例えば上記した(2)及び(4)の条件を組み合わせた場合であれば、BTモジュール5からスニフモード動作中信号を入力したと判定し、且つBTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中であると判定する、又はBTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していないと判定すると、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力することで、スニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させるようにしても良い。
【0083】
又、制御部4は、例えば上記した(2)及び(5)の条件を組み合わせた場合であれば、BTモジュール5からスニフモード動作中信号を入力したと判定し、且つバッテリ32が充電中であると判定する、又はバッテリ32の充電容量が所定容量以上であると判定すると、スニフモード解除指令をBTモジュール5へ出力することで、スニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ遷移させるようにしても良い。
【0084】
尚、以上は、BTモジュール24が省電力モードとしてスニフモードで動作し、スニフモードで動作中のBTモジュール24がスニフモード解除信号を受信したことを条件としてスニフモードから通常モードへ遷移する場合を説明したが、BTモジュール24が省電力モードとしてパークモードやホールドで動作する場合も同様である。即ち、BTモジュール24がパークモードで動作する場合であれば、パークモードで動作中のBTモジュール24がパークモード解除信号を受信したことを条件としてパークモードから通常モードへ遷移する構成であっても良いし、BTモジュール24がホールドモードで動作する場合であれば、ホールドモードで動作中のBTモジュール24がホールドモード解除信号を受信したことを条件としてホールドモードから通常モードへ遷移する構成であっても良い。
【0085】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載装置2において、BTモジュール5とデータ通信相手である携帯電話機3のBTモジュール24とが両者の間で特定のプロファイルを接続中であると、スニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるようにしたので、データ通信相手であるBTモジュール24がスニフモードで動作中であったとしても、そのスニフモードで動作中のBTモジュール24をスニフモードから通常モードへ速やかに遷移させて(復帰させて)通常モードで動作させることができる。その結果、BTモジュール24がスニフモードで動作中であったことに起因して問題が発生したとしても、その発生した問題を速やかに解消することができる。又、BTモジュール24がスニフモードで動作中であることに起因する問題の発生を未然に回避することができる。
【0086】
上記した特定のプロファイルがSPPであり、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でSPPを接続中である場合に適用すれば、ユーザ操作に対する応答を速やかに提示することができる。又、上記した特定のプロファイルがHFPであり、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でHFPを接続中である場合に適用すれば、通信網33から携帯電話機3への音声着信が発生したことを車載装置2からユーザに対して速やかに通知することができる。又、上記した特定のプロファイルがMAPであり、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でMAPを接続中である場合に適用すれば、通信網33から携帯電話機3への電子メール着信が発生したことを車載装置2からユーザに対して速やかに通知することができる。
【0087】
更に、上記した特定のプロファイルがDUNであり、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でDUNを接続中である場合に適用すれば、ダイヤルアップ接続に必要なデータをBTモジュール5とBTモジュール24との間で速やかに転送させることができ、ダイヤルアップ接続を速やかに終了することができる。特に、電話通信部23と通信網33との間での広域通信回線の接続時間に応じてユーザに対して課金が発生する従量課金制度の下ではダイヤルアップ接続を速やかに終了することで、ユーザが負担するコスト面での効果を期待することができる。
【0088】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
近距離無線通信装置は、車載装置2に限らず、BTモジュール5と同等の機能を有するBTモジュールを備える構成であれば、周知のナビゲーション機能を有するナビゲーション装置等であっても良く、又、車両に搭載されない装置であっても良い。又、近距離無線通信装置のデータ通信相手である通信相手装置は、携帯電話機3に限らず、BTモジュール24と同等の機能を有するBTモジュールを備える構成であれば、携帯情報端末等であっても良く、又、ユーザが携帯不可能な固定端末であっても良い。
【0089】
車載装置2において、送信タイミングの周期であるか否か、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でデータ通信を実行中であるか否か、バッテリ32が充電中であるか否か等を制御部4が判定する場合を説明したが、これらをBTモジュール5が判定するようにしても良い。
【0090】
BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でSPP、HFP、MAP、DUNを接続中に、制御部4がスニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるようにしたが、スニフモードで動作中であることに起因して問題が発生し得るプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で接続中である場合に適用しても良く、例えばPBAPやOPP等を接続中である場合に適用し、BTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間でPBAPやOPP等を接続中に制御部4がスニフモード解除信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0091】
図面中、2は車載装置(近距離無線通信装置)、3は携帯電話機(通信相手装置)、4は制御部(制御手段)、5はBTモジュール(接続手段、送信手段)、33は通信網である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
省電力モードで動作中に省電力モード解除信号を受信したことを条件として前記省電力モードから通常モードへ遷移して動作する通信相手装置との間でデータ通信を規定するデータ通信プロトコルを近距離無線通信回線を通じて接続する接続手段と、
前記省電力モード解除信号を前記通信相手装置へ送信する送信手段と、
前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であると判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させる制御手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であると判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ所定周期で繰返して送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行する際に当該接続手段から当該通信相手装置へ送信されるデータ量に基づいて前記所定周期を設定することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であり、且つ前記通信相手装置が前記省電力モードで動作中であると判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であり、且つ前記通信相手装置が前記通常モードから前記省電力モードへ遷移したと判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であり、且つ前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中であると判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であり、且つ前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中でなくても、データ通信を実行中でない期間が所定期間を経過していないと判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であっても、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間でデータ通信を実行中でない期間が所定期間を経過したと判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させないことを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であり、且つ前記通信相手装置が充電中であると判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項10】
請求項9に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であっても、前記通信相手装置が充電中でないと判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させないことを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であり、且つ前記通信相手装置の充電容量が所定容量以上であると判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項12】
請求項11に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記接続手段と前記通信相手装置とが両者の間で前記データ通信プロトコルを接続中であっても、前記通信相手装置の充電容量が所定容量未満であると判定した場合に、前記省電力モード解除信号を前記送信手段から前記通信相手装置へ送信させないことを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記接続手段は、ユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信、通信網から前記通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信、及び前記通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信のうち何れかを規定するデータ通信プロトコルを前記通信相手装置との間で接続することを特徴とする近距離無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−13010(P2013−13010A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145780(P2011−145780)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】