説明

追跡方法及び装置

人又は動物を追跡する方法を開示する。移動体装置は人又は動物によって運ばれ、この移動体装置は、少なくとも1つの慣性センサと、移動体装置から基地局へデータを送信するための無線送信機とを含む。慣性センサの出力データは人又は動物によって移動される歩数の計数に使用され、移動される歩数と人又は動物の歩幅データとに基づいて人又は動物の位置が予測される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人又は動物を追跡するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS等の複数の無線測位システムが公知であるが、これらのシステムは、典型的には優れた長期精度を有するものの、その短期精度は、特にクラッタ(反射妨害)のあるマルチパス環境において低くなる可能性がある。航空機、船舶及び潜水艦のナビゲーションに使用され、また最近では自動車やトラック等の乗物のナビゲーションに使用される無線測位システムの性能を向上させるためには、慣性センサを組み込むことが利用されてきた。速度データを捕捉するために加速度計のデータが積分されることが可能であり、2度目の積分の結果が変位となる。同様に、レートジャイロのデータを積分すると、角度又は進行方向(heading)のデータがもたらされる。三軸センサを使用すれば、三次元運動の追跡が可能となる。このような位置データの一つの重要な特徴は優れた短期精度にあるが、センサデータにおける小さな誤差は、長期精度が低くなることを意味している。従って、全体的な精度は、相補的な性能を有する無線測位データとセンサデータとを組み合わせることにより改善される。
【0003】
本発明は、人又は動物の追跡に関する。このような追跡システムには、屋内及び屋外の両方について多数のアプリケーションが存在する。ここに提案する方法の好適なアプリケーションは、無線測位の性能が劣悪であるか又は存在しない屋内にある。例えばGPSは建物の内部では機能しない。潜在的なアプリケーションには、オフィス環境や、病院/看護施設や、人の追跡可能性が極めて重要である高セキュリティ環境や、建物内での消火活動が含まれる。本発明を効果的に使用できる屋外のアプリケーションは、GPS等の広域ナビゲーションシステムを利用できない状況である。潜在的なアプリケーション分野としてスポーツがある。スポーツ分野でのアプリケーションは多様であり、トラック上の複数の競走馬、もしくはトラック又は運動競技場における複数の運動選手を追跡することを含む。スポーツのアプリケーションの変形例は、これらのスポーツに関連付けられたトレーニング活動にあり、この場合の主な目的は、健康な状態に関する生物医学的データを取得することにある。この場合、位置データは医学的センサデータと組み合わされ、既存の技術では目下入手できない追加情報を提供することができる。これらのアプリケーションのすべてにおいて、位置データは、このデータに基づく動画表示を生成するために使用可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、人又は動物の追跡に関しては、航空機、船舶又は自動車を追跡するように設計された他のシステムに関連した場合には存在しない多数の問題点がある。第1に、このようなシステムが使用される可能性のある屋内環境の場合、複数の信号経路によって引き起こされるエラーにより無線測位が不正確にされるという問題がある。
【0005】
また、携帯電話機等の移動体装置に含まれる任意の慣性センサは、人又は動物による容易な持ち運びを可能にするには同装置が小型かつ軽量でなければならないので、非常に小さなものでなければならない。センサのサイズが小さいということはその性能を制限し、ゆえにその精度は、従来の慣性航法システムに使用されるセンサよりもずっと悪くなる。センサの精度の低さに起因して、積分時間は、例えば数メートルの位置精度に対して最大10秒といった、比較的短い期間に制限される。
【0006】
さらに、この装置を身体にしっかりと取り付けることは不可能であり、そのためセンサの正確な向きは未知である。実際、この向きはシステムを使用する毎に変わる可能性があり、そのためシステムは使用される毎に再較正される必要がある。本装置は異なる人々により異なる方法で運ばれる可能性があり、例えば、男性は典型的には本装置をベルトに付けたりコートのポケットに入れたりするが、女性は典型的には本装置をバッグに入れて持ち運ぶ。使用されるセンサは、典型的にはバイアスのオフセットにおいて低い安定性を有し、そのため、積分されたセンサ出力が実際に何らかに使用されるべきものであれば、何らかの形式のリアルタイム補償が必要である。さらに、人体の動きは航空機等の剛体よりずっと複雑であり、そのため、センサの出力は、典型的には、位置の変化に関連付けられた加速によってではなく、歩行等の活動に関連付けられた加速及び回転によって支配される。
【0007】
要するに、センサ及び動作環境の差異に起因して、慣性データ及びセンサデータを積分する従来方法の適用は、人又は動物の追跡には適切でない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、人又は動物を追跡する方法は、
上記人又は動物によって運ばれる移動体装置を提供することを含み、上記移動体装置は、少なくとも1つの慣性センサと、上記移動体装置から基地局へデータを送信するための無線送信機とを含み、
上記慣性センサの出力データを使用して、上記人又は動物によって移動された歩数を計数することと、
上記移動された歩数と、上記人又は動物の歩幅データとに基づいて、上記人又は動物の位置を予測することとを含む。
【0009】
本方法において、人又は動物によって移動される歩数は、加速度計又はレートジャイロ等の慣性センサのデータから決定可能である。トラック上の運動選手又は競走馬のように、人又は動物が既知の経路をたどっていれば、その人又は動物の位置を予測するために向きのデータは必ずしも必要ではない。しかしながら、移動体装置は、移動の方向を検出するためのセンサを含むことが好適である。2つの磁力計を使用すれば地球の磁場を直交する2方向で測定することが可能であり、これらのデータを組み合わせれば、進行方向の角度を決定することができる。さらに、人又は動物の回転を検出するために、レートジャイロが使用可能である。屋内では、地球の磁場が磁気異常の影響を受ける可能性があるので、進行方向の角度を決定する精度を高めるために、これらの2タイプのセンサを組み合わせて効果的に使用可能である。特に、磁力計データの異常をフィルタリングして除去するために、好適にはレートジャイロのデータが使用可能である。
【0010】
慣性センサのみを使用する方法の長期精度は低い可能性があるので、好適には本方法は、基準点(チェックポイント)との比較により位置データを定期的に補正することを含む。この機能は、GPS等の無線測位システムで位置を定期的にモニタリングすることにより達成可能である。それに代わって、又はそれに加えて、予測された位置が建物地図等の地図上に位置決めされて適宜補正されるマップマッチング技術が使用されてもよい。マップマッチングは、建物の地図上における特定のチェックポイントの識別を必要とするが、この識別は人又は動物の特徴的な挙動に基づくことが可能である。この特徴的な挙動は、慣性センサにより検出されるものであってもよい。特徴的な挙動の例には、90度の回転(建物内では非常に一般的である。)や、階段を昇降する歩行(これは歩行とは区別されるパターンを有する。)を含むことができる。このような事象が検出されると、推測した位置がチェックポイントの位置と比較され、誤差が十分に小さければ(例えば5メートル)、その移動体の位置はチェックポイントの位置に補正される。さらなる可能性として、さらなるシステムを参照することにより定期的に位置をチェックしてもよく、例えば屋内では、ドアの通過にキー又はカードが必要とされるセキュリティシステムを参照することにより定期的に位置をチェックしてもよい。
【0011】
歩数の計数値から十分に正確な推定変位を得るためには、歩幅の平均長が既知である必要がある。ユーザの歩幅は測定されてパラメータとして入力されることが可能であるが、好適にはシステムがこのパラメータを自動的に決定する。既知の2つの位置間の歩数が測定されると、歩幅の平均長を決定することができる。既知の位置は、正確な無線測位に基づくことが可能であり、及び/又は、マップマッチング技術によるものであることが可能である。好適には、この歩幅パラメータは定期的に更新される。
【0012】
ある好適な実施形態では、本システムはスポーツのトレーニングに適用され、移動体装置は、健康状態に関連付けられた生物医学的データを取得するための少なくとも1つのバイオセンサをさらに含む。例としては、心拍数モニタ又は呼吸数モニタが含まれる。歩幅及び単位時間当たりの歩数(stride rate)、速度、ラップタイム等のパラメータを導出するためには、位置データ及び慣性センサデータを組み合わせることが可能であり、これは、心拍数及び呼吸数等のバイオセンサデータと整合されることが可能である。実際には、位置/慣性データは「入力」であり、バイオセンサの測定値は「出力」である。これらの2つのデータセットを組み合わせることは、身体の健康状態に関する優れた情報を提供する。本システムは、成果のリアルタイムの観測結果に基づいてコーチの要求通りに成果タスクを適応化可能であるように、コーチと選手とのリアルタイムの相互作用を可能にする。運動選手へのバイオフィードバックには無線も使用可能であり、与えられたタスクにおいて選手をガイドするために音声による助言を用いることができる。
【0013】
本方法は、地図上に人又は動物の位置を示す動画表示を生成することを含んでもよい。地図は、建物又はスポーツのトラック又は競技場のものである可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0015】
好適な本実施形態は屋内の位置決定に関し、特に建物内での位置決定に関する。慣性データを用いた屋内運用の基礎は、歩数を計数することと、(レートジャイロデータによって補正された)コンパスを用いて進行方向を測定することとにより、軌跡(経路)を推定することにある。歩数は、加速度計データから決定可能である。図1は、人の歩行のx軸1、y軸2及びz軸3上での加速度計データの一例を示し、個別の各一歩は3つの軸のすべてで検出可能であるが、歩行動作はz軸上の加速度計においてより明らかにそれと認められることがはっきりと分かる。さらに本データは人が静止しているときを検出することにも使用可能であり、よって移動状態及び静止状態の両方を導出することが可能である。
【0016】
図2に示すように、使用される第2のタイプのセンサデータは、コンパス又は進行方向の角度である。地球の磁場を直交する2方向で測定するために2つの磁力計が使用され、これらのデータを組み合わせることにより進行方向の角度の推定値が決定される。図2には磁力計データ4が示され、この磁力計データ4には複数の異常のあることが分かる。この挙動は、屋内では地球の磁場が磁気異常の影響を受ける可能性があり、これにより典型的には、建物内をあちこちに移動するときに、計算される進行方向の角度に局所的な変動が生じることに起因する。これらの短期的な変動は相補フィルタの適用により最小化可能であるが、これは、レートジャイロの短期的な安定性とコンパスの長期的な安定性とを利用してより精度の高い進行方向データを取得する。図2はフィルタリングされたデータ5を示し、ここでは異常が大幅に除去されている。
【0017】
歩数の計数から推測される変位と、進行方向データとを組み合わせることにより、時間の関数としての推定位置を決定することができる。これらの位置データは最初の出発地点に対して相対的なものであるが、(無線測位又は他の何らかの技術の使用により)この点が既知であれば、位置は絶対的なものとして決定可能であるということに留意されたい。この技術は、「推測航法(dead-reckoning)」と呼ばれる。
【0018】
歩行動作の各一歩を計数することから適度に正確な推定変位を取得するためには、歩幅の平均長が既知である必要がある。個人(移動体装置のユーザ)の歩幅は独立して測定されかつパラメータとして入力されることが可能であるが、よりよいアプローチは、このパラメータをシステムが自動的に決定することである。歩幅の平均長は、既知の2地点(位置)間の歩数が測定されれば決定可能である。これら既知の地点は、正確な無線測位に基づくこと、又は詳細後述するマップマッチング技術によるものであることが可能である。従って、「真の」変位と歩数とを組み合わせて、歩幅の平均長を決定することが可能である。次にこの歩幅推定値は、別の既知の地点に到達するまで、推測航法によりさらなる位置推定のために使用可能である。位置決めの精度は、歩幅の変動及び進行方向の精度に関連する。例えば、1メートルである歩幅の平均長が5パーセントの精度を有していれば、毎秒1歩である典型的な歩行を行う場合、1分歩行した後には位置の誤差は±3メートルになる。推測航法による位置推定が1分毎に補正されれば、位置の誤差の上限は常に±3メートルに制限されることが可能である。この屋内での精度は、(例えば)屋外のGPSに勝るとも劣らない。図3は、図1及び図2の加速度計データ及びコンパスデータに示されたデータから積分された未処理のデータ6と、実際の経路7との例を示している。複数の円は、歩行動作の各一歩である。
【0019】
屋内の位置決定システムの重要な要素は、「既知の」位置又はチェックポイントにおいて、推測航法による推定位置を定期的に更新することにある。1つのアプローチは無線測位を使用することであり、例えば人が基地局の近くにいれば、その位置は、タイミングレンジのデータ及び/又は信号強度のデータのいずれかを使用して数メートル以内で決定可能である。このレンジ(距離又は範囲)は、基地局から移動体に至りかつ基地局へと戻る往復にかかる遅延を測定することにより決定可能である。装置内の遅延を明らかにすることにより、電波の既知の伝搬速度を用いて、双方向に伝搬する際の遅延は距離に変換されることが可能である。
【0020】
図4にこのことを示す。本図面は、先に挙げた例に関する基地局から移動体装置までの距離を示す。軌跡は約8秒の時点で基地局の近く(2メートル)を通過し、よってこの位置はこの時点で2メートル以内であることが分かる。こうして位置は、基地局の場所をチェックポイントとして用いて更新されることが可能である。測定レンジにおけるノイズは、屋内での精度を数メートルに制限する。このような2つの基地局までの距離が測定されれば、その位置は決定可能となる。しかしながら、精度は距離に依存し、距離が増大するにつれて低下する。オフィスビル内部で距離が40メートルであるときの典型的な精度は、約10メートルである。
【0021】
しかしながら実際に実装した場合、基地局の数は制限される。よって、より正確な位置決定方法は「マップマッチング」である。建物の地図から、マップマッチングのタスクのための複数のチェックポイントが抽出される。チェックポイントとしては、90度及び180度の方向転換のための地点と、階段と、出入り口等の制限地点と、カード又は他のセキュリティ装置を必要とするセキュリティポイントにおける建物の入口と、共通の休息地点(事務所内のデスク、もしくは家庭内の椅子又はベッド)とを含むことができる。いくつかのチェックポイントはさらに、基地局までの距離の測定に関連付けられてもよい。建物の地図が推測航法による位置推定とともに使用されれば、位置は、この地図と、移動体/人の移動とから推測されることが可能である。例えば、最初から位置が既知であれば、この位置を建物の地図上へ位置決めすることができる。人が建物を歩いて通過するとき、この位置は地図上へプロットされることが可能である。しかしながら、経路は(例えば)壁を突き抜けるわけにはいかないので、この位置を任意のものとすることはできない。経路は、所定のポイントで出入り口等の制限地点を通過する。この時点で推測航法により推定された位置が(例えば)±3メートルの精度であるとすると、出入り口は地図上で誤差なしに位置決めされることが可能であり、よってこの時点での位置が正確に分かる。この手順は位置の定期的な補正に使用可能であり、こうして誤差が経時的に無限に増大することが防止される。
【0022】
位置決定システムは、本システムが位置とともに活動及び方向を計測するように、さらに拡張可能である。例えば、加速度計のデータから人の姿勢を決定可能であり、よって、じっと立っている状態と、歩いている状態と、座っている状態と、横臥している状態との違いを決定することができる。これらの活動はさらに、人の位置を評価することに使用可能である。例えば、人が既知の室内でコンピュータでの作業に関連付けられた方向を向いて座っていれば、その人が実際にコンピュータ/机/椅子の場所に存在していると合理的に想定することができる。この技術は特定の人について活動/場所を整合させるために使用可能であり、従って、その人の位置/軌跡とともに、その人の活動プロフィールが提供される。このタイプのシステムは、危険な場所にいる人々、又は(例えば)自宅内の老人達をモニタリングすることを含む、様々なアプリケーションに使用可能である。いかなる異常な活動も、警報を鳴らすために使用可能である。活動に関する統計データはまた健康に関する有益な指標でもあり、よって本技術の医療アプリケーションも想到できる。
【0023】
提案したシステムに係る好適な実施形態は、位置データを得るために無線測位、センサデータ及び他の関連情報のリソースを組み合わせることが可能な、屋内の位置決定アプリケーションに関するものである。しかしながら本方法は屋外のアプリケーションにも拡張されることが可能であり、特に無線測位データ及びセンサデータの積分は従来技術を使用して実行可能である。例えば、屋外ではGPS装置が(センサデータを用いて補正された)無線測位データを供給可能であり、一方屋内では、代替の無線測位システムが使用される。こうして、組み合わされたシステムが、屋内及び屋外の両方でシームレスな動作を提供することができる。
【0024】
本明細書において従来技術文献に言及したことは、オーストラリア及び他の任意の国においてその文献が技術上の共通の一般知識の一部を形成していると承認するものではない点は理解されるべきである。
【0025】
添付の請求の範囲及び添付の発明の要約においては、明示的な語又は必然的な含意によりそうでないことを要求する文脈を除いて、「を備える」という用語は「を含む」という意味合いで使用される。すなわち指定される特徴は、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴に関連付けられることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】人の歩行に関する加速度計の3軸上の測定データを示す図である。
【図2】コンパスで示される進行方向の測定データと、レートジャイロデータを用いた補正の効果とを示す図である。
【図3】測定された経路を示す図である。
【図4】図3の例に関する、移動体装置から基地局までの距離を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人又は動物を追跡する方法であって、
上記人又は動物によって運ばれる移動体装置を提供することを含み、上記移動体装置は、慣性データを生成する少なくとも1つの慣性センサと、上記移動体装置から基地局へ上記慣性データを送信する無線送信機とを含み、
上記基地局において、上記慣性データを使用して、上記人又は動物によって移動された歩数を計数することと、
上記移動された歩数と、上記人又は動物の歩幅データとに基づいて、上記人又は動物の位置を予測することとを含む方法。
【請求項2】
上記移動体装置は移動の方向を検出するセンサを含む請求項1記載の人又は動物を追跡する方法。
【請求項3】
上記移動の方向を検出するセンサは、地球の磁場を直交する2つの方向で測定する2つの磁力計を備えた請求項2記載の人又は動物を追跡する方法。
【請求項4】
上記装置はレートジャイロを含み、
上記方法は、上記レートジャイロを相補的に使用することによって上記磁力計のデータをフィルタリングし、上記磁力計のデータにおける異常を除去するステップを含む請求項3記載の人又は動物を追跡する方法。
【請求項5】
既知の位置において定期的に位置データを補正するステップを含む、先行する請求項のいずれか1つに記載の人又は動物を追跡する方法。
【請求項6】
上記位置データを補正するステップは、無線測位システムによって位置を定期的にモニタリングすることを含む請求項5記載の人又は動物を追跡する方法。
【請求項7】
上記位置データを補正するステップは、
予測された位置を地図上へ位置決めすることと、
上記位置データを適宜補正することとを含む請求項5又は6記載の人又は動物を追跡する方法。
【請求項8】
上記方法は、既知の2位置間で移動される際の歩数に基づいて上記歩幅を決定するステップを含む、先行する請求項のいずれか1つに記載の人又は動物を追跡する方法。
【請求項9】
人又は動物を追跡するシステムであって、
上記人又は動物によって運ばれる移動体装置を備え、上記移動体装置は、慣性データを生成する少なくとも1つの慣性センサと、上記移動体装置から上記慣性データを送信する無線送信機とを含み、
上記移動体装置からデータを受信する基地局とを備え、
上記基地局は、
上記慣性データから、上記人又は動物によって移動された歩数を計数する手段と、
上記移動された歩数と、上記人又は動物の歩幅データとに基づいて、上記人又は動物の位置を予測する手段とを備えたシステム。
【請求項10】
上記移動体装置は移動の方向を検出するセンサを含む請求項9記載の人又は動物を追跡するシステム
【請求項11】
上記移動の方向を検出するセンサは、地球の磁場を直交する2つの方向で測定する2つの磁力計を備えた請求項10記載の人又は動物を追跡するシステム
【請求項12】
上記移動体装置はレートジャイロを含み、
上記システムは、上記レートジャイロを相補的に使用して上記磁力計のデータをフィルタリングし、上記磁力計のデータにおける異常を除去する手段を含む請求項11記載の人又は動物を追跡するシステム
【請求項13】
人又は動物により運ばれかつ上記人又は動物を追跡する移動体装置であって、
少なくとも1つの慣性センサと、上記移動体装置から基地局へデータを送信する送信機とを備えた移動体装置。
【請求項14】
上記人又は動物の移動の方向を検出するセンサを含む請求項13記載の移動体装置。
【請求項15】
上記移動の方向を検出するセンサは、地球の磁場を直交する2つの方向で測定する2つの磁力計を備えた請求項14記載の移動体装置。
【請求項16】
レートジャイロをさらに含む請求項15記載の移動体装置。
【請求項17】
上記基地局からの信号の到達時間を測定しかつローカルなクロックを上記基地局のクロックに同期させるように調節する手段をさらに含み、
伝搬遅延と、上記基地局の送信機及び上記移動体の受信機における遅延との組み合わせされた影響により遅延される請求項16記載の移動体装置。
【請求項18】
上記移動体装置のローカルなクロックに同期された送信機をさらに含む請求項16記載の移動体装置。
【請求項19】
人又は動物を追跡する基地局であって、
上記人又は動物によって運ばれる移動体装置から慣性センサの出力データを受信する受信機と、
上記慣性データから、上記人又は動物によって移動された歩数を計数する手段と、
上記移動された歩数と、上記人又は動物の歩幅データとに基づいて、上記人又は動物の位置を予測する手段とを備えた基地局。
【請求項20】
上記受信機は、上記移動体装置から磁力計及びレートジャイロの出力データを受信し、
上記基地局は、
上記レートジャイロのデータからフィルタを導出する手段と、
上記磁力計のデータをフィルタリングして上記磁力計のデータにおける異常を除去する手段とを含み、これにより上記人又は動物の移動の方向を導出する請求項19記載の基地局。
【請求項21】
上記移動体装置からの信号の到達時間を決定する手段と、
往復遅延の測定値と、上記基地局及び上記移動体装置における遅延とを認識して、上記移動体装置の距離を決定する手段とをさらに含む請求項20記載の基地局。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2006−521601(P2006−521601A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501376(P2006−501376)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/AU2004/000239
【国際公開番号】WO2004/077374
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(591269435)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (23)
【氏名又は名称原語表記】COMMONWEALTH SCIENTIFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH ORGANIZATION
【Fターム(参考)】