説明

通信システム、情報端末装置、通信方法およびそのプログラム

本発明は、通信システムを提供する。該通信システムは、機器に関する機器情報を収集する情報収集部を少なくとも備えた情報端末装置と、前記情報端末装置との間で送受信可能な情報処理サーバ装置および通信装置と、前記情報端末装置と前記情報処理サーバ装置とを接続する第1の通信回線網及び第2の通信回線網とを備える。前記第1の通信回線網は高速デジタル伝送技術を利用する通信形態であり、前記第2の通信回線網は電話加入者に対する通信サービスを行う通信形態である。更に、前記情報端末装置は、前記第1の通信回線網を用いて前記機器情報を前記情報処理サーバ装置に対して通信するが、特定の機器情報を前記通信装置に対して送受信する場合のみ前記第2の通信回線網を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、家屋内の一つまたは複数の機器の情報を収集することができる情報端末装置に関する。特に、前記機器の一部がセンサ機器から構成されている通信システム、情報端末装置、通信方法およびそのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
近年、ピッキング等の家屋侵入による窃盗犯罪の増加に伴い、住居における監視システムの需要が増加している。従来この種の監視システムは、侵入者検知用の複数のセンサ機器とその情報を収集し警報を発する中央処理装置との組み合わせであった。また最近では、警備モードを記憶し警報内容を表示する情報装置も開発され始めている(特開平5−6490号公報参照)。さらに、中央処理装置でのさまざまな処理を暗証番号を入力することによって行う監視システムもある(特開2000−200396公報参照)。また、防災システムとして複数の伝送手段により通信ネットワークを介して外部に情報を送信するシステムもある(特開2002−298250公報参照)。
しかしながら、前記従来の構成のうち、侵入者検知用の複数のセンサ機器とその情報を収集し警報を発する中央処理装置との組み合わせの場合、居住者が外出した場合に外部から侵入者があると、確かにその家屋や家屋の周りには警報等で不審人物の存在が通知される。けれども、外出中の居住者はその時点では発生事象を把握できず、家に帰ってきて初めて事情を知るということがある。
また、複数の伝送手段により通信ネットワークを介して外部に情報を送信するシステムでは、ある1つの伝送手段が情報送信で利用されているためその伝送手段が使用できないという事情が生じると、その事情の発生が観察手段により観察されて、例えばタイムアウトエラーの発生後、ようやく他の伝送手段に切り替られる。この間、外部に送信されるべき情報が、即座には送信され得ないことになってしまう。
ところで、家屋内の情報機器に関連して整備されるべきインフラストラクチャの中でも、上述したセンサ情報の通知には極めて確実性を要求される。更に、センサ機器情報の中には危険を回避するための管理情報も含まれている。このため、このようなセンサ機器情報は、居住者が外出しているとしても、確実に所定の外部の者に伝えられることが求められる。
しかし、上記の通知経路を、専ら情報通信回路網(例えばインターネット網)へのダイヤルアップ接続に頼る構成では、プロバイダー等の中継局へのアクセス状況や他者からの妨害などによって、接続状態やリアルタイム性に問題が発生する可能性がある。この場合に上記の情報通信回路網へのダイヤルアップ接続に頼る構成では、通信の信頼性の低下は不可避であり、特に緊急時に課題となり得る。本発明は、このような問題意識に端を発している。
上記の情報通信回路網とは、例えば、接続時間に関わりなく月額2千円が課金されるなどという(非従量課金の)高速デジタル伝送技術による通信形態である。つまり、ADSL等のインターネット通信などが代表例であり、通信速度の速さを誇る。コストの低さから常時通信が接続されていることも多いが、外部からの不法アクセスにさらされやすいというリスクや、中継局へのアクセス状況の影響を受けやすいというリスクを持つ。一方、従来から存在する、接続時間1分間あたり10円が課金されるなどという従量課金の通信形態、即ち、アナログ電話網などのように電話加入者に対する通信サービスによる通信形態では、必要時にのみ接続するので高いセキュリティ及び確実性が保障される反面、大量データにおける通信速度に難が生じる。また、当然ながら、通信の利用者は電話をかけないと通信ができない。即ち、常時接続に不向きな通信形態である。
発明の概要
本発明は、上記の問題点を解決するために為されたものである。
本発明に係る好適な実施の形態は、通信システムである。当該通信システムは、機器に関する機器情報を収集する情報収集部を少なくとも備えた情報端末装置と、前記情報端末装置との間で送受信可能な情報処理サーバ装置および通信装置と、前記情報端末装置と前記情報処理サーバ装置とを接続する第1の通信回線網と、前記情報端末装置と前記通信装置とを接続する第2の通信回線網とを備える。前記第1の通信回線網は高速デジタル伝送技術を利用する通信形態であり、前記第2の通信回線網は電話加入者に対する通信サービスを行う通信形態である。更に、前記情報端末装置は、前記第1の通信回線網を用いて前記機器情報を前記情報処理サーバ装置に対して通信するが、特定の機器情報を前記通信装置に対して送受信する場合のみ前記第2の通信回線網を使用する。
本発明に係る別の好適な実施の形態は、通信端末装置である。当該通信端末装置は、機器に関する機器情報を収集する情報収集部と、情報処理サーバ装置又は通信装置との間で、前記の収集した機器情報の送受信を行うために、第1の通信回線網に接続する第1の送受信部及び第2の通信回線網に接続する第2の送受信部と、特定の機器情報を通信装置に対して送受信する場合のみ前記第2の通信回線網に切り替える情報処理部とを、具備する。
本発明に係る更なる好適な実施の形態は、通信方法である。当該通信方法は、機器に関する機器情報を情報端末装置において収集する収集ステップと、収集した機器情報を第1の通信回線網を用いて情報処理サーバ装置に送信する第1の送信ステップと、特定の機器情報を前記情報端末装置から通信装置に対して送受信する場合のみ第2の通信回線網を使用する第2の送信ステップとを具備する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシステム全体を概略的に示す構成説明図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る情報端末装置の機能ブロック図である。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るシステム全体を概略的に示す構成説明図である。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る情報端末装置の機能ブロック図である。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る通信処理手順の例を示すフローチャートである。
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るシステムの処理手順を示す図である。
図7は、本発明の第4の実施の形態に係るシステムの処理手順を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムを概略的に示す構成説明図を示す。
該通信システムは、情報端末装置2、情報端末装置2を外部に接続するためのルータ4、回線接続手段6、外部のネットワークである宅外回線網24、電話等の外部での通信装置22、及び情報処理サーバ装置20とから成る。上記情報端末装置2は、各家屋100に設置される冷蔵庫30、エアコン32等の家電機器や、人感センサ34、開閉センサ36等のセキュリティ機器と、無線通信を介して接続する。
上記情報端末装置2に係る通信回線網は、高速デジタル伝送技術を利用する通信形態であるインターネット回線網26と、電話加入者に対する通信サービスを行なう通信形態である電話回線網28とから成っている。ここでの高速デジタル伝送技術とは、伝送速度が数百kbps以上のものをいう。
上記情報端末装置2は、各家電機器及び各セキュリティ機器からのデータ収集と、それら機器に対するデータ送信を行う。これらの収集されたデータや別途入力手段によって入力されたデータ等を処理し、ルータ4、回線接続手段6及び宅外回線網24を経由して、外部にある情報処理サーバ装置20及び通信装置22と送受信する。
まず、情報端末装置2は、高速デジタル伝送技術を利用する通信形態であるインターネット回線網26を介して外部とのデータ送受信を行える。具体的には、アナログ電話回線網を用いて回線接続手段6であるモデム、スプリッタ等を介してISP(インターネットサービスプロバイダ)にダイヤルアップ接続(PPP接続)し、そこから宅外回線網(WEB)を通じて情報処理サーバ装置20にTCP/IP接続することにより、外部とのデータ送受信がなされる。また、別のブロードバンドであるADSL回線網を用いてルータ4、回線接続手段6を介して直接に情報処理サーバ装置20にADSL接続することによっても、外部とのデータ送受信がなされる。さらに、情報端末装置2の外部とのデータ送受信の接続回線網は、FTTHのような光ファイバー網や、ケーブルテレビ回線でもよい。
ここで、上記情報端末装置2において、特定の機器情報を外部に送信する場合に電話回線網28を用いる。この「特定の機器情報」は、例えば、緊急の対処を要する事象の発生を示す情報である。即ち、例えば、家屋100内に人が現存しない時間帯であることが情報端末装置2に設定されているとする。このとき、人感センサ34が人体の存在を検知すると、その検知信号(情報)が情報端末装置2に無線送信され、情報端末装置2から直接に電話回線網28により、外部の通信装置22である携帯電話に接続及び通知を行う。このときに電話回線網28が利用されるのは、その確実性・高信頼性を理由とする。
上記の「特定の機器情報」には、
(1)人感センサ34の人体の検知信号、
(2)ドアや戸の開きを検知する開閉センサ36の検知信号
が含まれる。これらの信号を情報端末装置2が受信すれば、電話回線網28により例えば家人の携帯電話に検知事象を示す信号が通知される。
また、上記の特定の機器情報には、
(3)家電機器(例えば冷蔵庫30)の故障発生を示す信号、
(4)家電機器(例えばエアコン32)にメンテナンスを施すことを必要とする旨を示す該家電機器が発する信号
が含まれる。これらの信号を情報端末装置2が受信すれば、電話回線網28により例えば家人の携帯電話と共に、家電機器についての故障修繕契約やメンテナンス契約を締結している業者の通信機器(FAXなど)に、発生事象を示す信号が通知される。
更に、情報端末装置2から電話回線網28を用いて情報処理サーバ装置20へも接続され得る。すると、上記の緊急の対処を要する事象の発生を示す情報は、該情報処理サーバ20の記憶部にて履歴データとして記録されることが可能である。
また、電話回線網28を介して情報端末装置2と接続される通信装置の携帯電話を用いて、情報端末装置2若しくは人感センサ34などから、音声を発生させることができる。但し、この場合情報端末装置2や人感センサ34などに、(従来技術の)音声処理機能が必要である。音声を発生できれば、不審者への威嚇を行うことなどもできる。
上記の外部の通信装置22には、ノートパソコンやPDA等も含まれてもよい。
続いて、第1の実施の形態に係る情報端末装置2について、図2により説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態で利用される情報端末装置2の機能ブロック図を示す。
図2の情報端末装置2は、インターネット回線網40へのデータ送受信を行う第1の送受信部46、電話回線網42へのデータ送受信を行う第2の送受信部48、情報処理部50、情報収集部52、及び情報送信部54とから構成されている。該情報端末装置2は、各家電機器等からの情報収集を情報収集部52によって行い、各家電機器等へのデータ送信を情報送信部54によって行う。これらの収集された情報等は情報処理部50によって処理され、第1の送受信部46または第2の送受信部48を使用して、ルータ4、回線接続手段6を経由して外部に送受信する。ここでの通信回線網は、電話回線網42とインターネット回線網40とである。
この情報端末装置2が各機器等からの情報を情報処理部50で処理した場合に、上記の「特定の機器情報」であると判断すれば、その特定の機器情報を外部に送信するには電話回線網42を用いる。即ち、例えば、家電機器等の通常の情報送信にはインターネット回線網40が使用されるが、開閉センサ36が戸の開閉を検知し検知信号を情報端末装置2に無線送信すると、情報端末装置2は緊急の対処を要する事象発生であると判断して、直接に電話回線網42により外部の通信装置22である携帯電話に接続を行う。
なお、センサ機器は、ガスセンサ、匂いセンサ若しくは圧力センサなどでもよい。更に、ガスメータ、電力メータ若しくは水道メータに備わる使用異常検知を行うセンサでもよい。要するに、家屋内で使用可能なセンサであればいかなるものでもよい。
第1の実施の形態を利用することにより、センサ機器からの情報など緊急の対応を要する事象の発生を示す情報は、外出中の居住者に確実に伝送され得る。その他の、家電機器の設定情報等の特別な配慮を要しない事象の通信の場合には、非従量課金であるインターネット回線網26を用いて低コストで行えばよい。
第2の実施の形態
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る通信システム全体を概略的に示す構成説明図を示す。図3の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と略同様の構成である。よって、同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
図3に示す第2の実施の形態の通信システムは、家屋内のセキュリティ機器として緊急コールボタン38を備える。
図3の情報端末装置2は、センサ機器の中で緊急コールボタン38からの発呼信号を受け取ると、この発呼信号の外部への送信を最優先させる。つまり、情報端末装置2は、(1)電話回線網28を利用し、(2)受け取ると即時に外部へ送信する。
このとき、他のセンサ機器の情報を基に情報端末装置2から外部の携帯電話等の通信装置22への接続が先に存在しているような場合、情報端末装置2はその接続を切断又は一時停止し、緊急コールボタン38の緊急連絡先への接続を確立し通知してもよい。
上記緊急コールボタン38とは、高齢者や身体に障害を備える人が持ち、自らの身体の危険時に他の人の助けを求めるために簡単な操作で緊急信号を発する通信手段である。また、上記の「緊急連絡先」に係るデータは、情報処理部50の記憶部に記録されている、例えば、同居者や医療・介護関係者の携帯電話等の電話番号である。
本実施の形態では、緊急コールボタン38からの緊急情報は、情報端末装置2から電話回線網28を用いて外部の通信手段に接続を行い、確実且つ迅速に、外部の連絡先に情報が伝送される。
本実施の形態においても、電話回線網28を介して情報端末装置2と接続される通信装置22の携帯電話(等)を用いて、情報端末装置2などから音声を発生させ、よって緊急コールボタン38の所持者の安全を確認することができる。但し、この場合情報端末装置2などに、(従来技術の)音声処理機能が必要である。
続いて、第2の実施の形態に係る情報端末装置2、及び端末機器(家電機器、セキュリティ機器、緊急コールボタン)について、図4により説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態で利用される情報端末装置2および端末機器の機能ブロック図を示す。
図4の情報端末装置2は、インターネット回線網40へのデータ送受信を行う第1の送受信部46、電話回線網42へのデータ送受信を行う第2の送受信部48、情報処理部50、情報収集部52、及び情報送信部54とから構成されている。該情報端末装置2と無線通信56によって接続されている端末機器62、72、82は、情報受信部68、78、88、情報送信部66、76、86、センサ検知部70、80、90とから構成されている。各端末機器62、72、82がセンサ検知部70、80、90で感知した内容は、情報送信部66、76、86から送信され、情報端末装置2の情報収集部52によって情報収集を行う。また、各端末機器62、72、82へのデータ送信は情報送信部54によって行われる。これらの収集された情報等は情報処理部50によって処理され、第1の送受信部46または第2の送受信部48を使用して、ルータ4、回線接続手段6を経由して外部に送受信する。ここでの通信回線網は、電話回線網42とインターネット回線網40とである。
この情報端末装置2が各機器等からの情報を情報処理部50で処理した場合に、上記の第1の実施の形態と同様に「特定の機器情報」であると判断すれば、その特定の機器情報を外部に送信するには電話回線網42を用いる。即ち、例えば、家電機器等の通常の情報送信にはインターネット回線網40が使用されるが、端末機器72の開閉センサが扉の開閉を検知し検知信号を情報端末装置2に無線送信すると、情報端末装置2は緊急の対処を要する事象発生であると判断して、直接に電話回線網42を用いて外部の通信装置である携帯電話に接続を行うことが可能である。
さらに、端末機器の中でも緊急コールボタン82からの発呼信号を受け取ると、この発呼信号の外部への送信を最優先させる。つまり、情報端末装置2は、(1)電話回線網42を利用し、(2)受け取ると即時に外部へ送信する。このとき、他のセンサ機器の情報を基に情報端末装置2から外部の携帯電話等の通信装置22への接続が先に存在しているような場合、情報端末装置2はその接続を切断又は一時停止し、緊急コールボタン82の緊急連絡先への接続を確立し通知してもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る通信処理手順の例を示す図5のフローチャートを説明する。
情報端末機器2は、端末機器からの情報発生を常時待機している(ステップS02)。端末機器からの情報発生があれば、「特定の機器情報」であるか否かを判断する(ステップS04)。「特定の機器情報」でなければインターネット回線網(例えば、ADSL回線網)を用いて情報処理サーバ装置等にデータ送信を行う(ステップS08)。「特定の機器情報」であれば、緊急コールボタンからのボタン押下信号であるか否かを判断する(ステップS06)。緊急コールボタンからのボタン押下信号である場合、電話回線網がその時点で利用されていたとしてもその通信を切断又は一時停止する(ステップS10)。このときこの直後の通信(ステップS12での電話回線による通信)の品質を確保するために、ADSL回線網も、通信を切断又は一時停止してもよい。そして、電話回線網によって緊急コールボタンが押下されたことを外部に通信する(ステップS12)。(ステップS06にて)緊急コールボタンからのボタン押下信号では無い場合であっても、少なくとも、緊急の対応を要する事象が発生したことに相違は無いため、電話回線網によってその事象発生を外部に通信する(ステップS12)。
情報端末機器2において、終了処理が為されれば終了する(ステップS14、ステップS16)。
なお、図5に示すフローチャートはあくまで例示に過ぎず、本実施の形態を実現するものは勿論他にも想定し得る。
第3の実施の形態
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る通信システムの処理手順を示すフロー図の例である。以下に該フロー図を説明する。
まず、家庭内の洗濯機、エアコン等の家電機器や人感センサ、開閉センサ等のセキュリティ機器の動作の開始を行う。家電機器の状態が変化する、例えばエアコンが故障したりすると(ステップS42)、家電機器の情報送信部からその家電機器の情報が送信され、情報端末装置の情報受信部がそれらの情報を受信する(ステップS44)。情報端末機器はこれらの収集した情報をインターネット回線網であるADSL回線網を用いて情報処理サーバ装置に送信することができる(ステップS46)。例えば、エアコンが故障した時や、冷蔵庫のメンテナンスが必要な時、これらの情報が各家電機器から送信され、情報端末装置でそれらの情報を収集し、ADSL回線網を用いて情報処理サーバ装置に送信することができる。
次に、センサ機器から何らかの反応・検知があった時、例えば人感センサが人体を検知した時(ステップS48)、これらセンサ機器の情報送信部からそのセンサ機器の検知内容の情報が送信され、情報端末装置の情報受信部がそれらの情報を受信する(ステップS50)。これらセンサ機器の情報を収集した情報端末装置は情報をインターネット回線網であるADSL回線網を用いず、電話回線網を用いて外部の携帯電話等の通信装置に送信することができる(ステップS52)。例えば、人感センサが人体を検知した時や、開閉センサが扉の開閉を検知した時、これらの情報が各センサ機器から送信され、情報端末装置でそれらの情報を収集し、情報端末装置ではこれらの情報がセンサ情報であることを判断して、電話回線網を用いて携帯電話に送信する。また、その後これらのセンサからの緊急情報が情報端末装置から情報処理サーバ装置に送信される(ステップS54)。このときこれらセンサからの緊急情報のうち主要なものを第一報として、情報端末装置から電話回線網を用いて情報処理サーバ装置に送信してもよい。このときの第一報の内容は、発信場所の電話番号、住所、氏名等の、送信における迅速性及び確実性が求められるものである。情報処理サーバ装置に利用場所の電話番号、住所、氏名などのデータが記録されているならば、第一報の内容は発信場所の電話番号だけでもよい。続いて、情報端末装置から情報通信回線網であるインターネット回線網を用いて情報処理サーバ装置に接続して、これらのセンサからの副次的な緊急情報を第二報として送信する。このときの第二報の内容は、例えば異常事態の詳細な情報である。これらの第一報及び第二報の内容は、履歴データとして情報処理サーバ装置に記録されてもよい。
第4の実施の形態
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る通信システムの処理手順を示すフロー図の例である。以下に該フロー図を説明する。
まず、家庭内の洗濯機、エアコン等の家電機器や人感センサ、開閉センサ等のセキュリティ機器の動作の開始を行う。家電機器の状態が変化する、例えばエアコンが故障したりすると(ステップS62)、家電機器の情報送信部からその家電機器の情報が送信され、情報端末装置の情報受信部でそれらの情報を受信する(ステップS64)。情報端末機器はこれらの収集した情報をインターネット回線網であるADSL回線網を用いて情報処理サーバ装置に送信することができる(ステップS66)。例えば、エアコンが故障した時や、冷蔵庫のメンテナンスが必要な時、これらの情報が各家電機器から送信され、情報端末装置でそれらの情報を収集し、ADSL回線網を用いて情報処理サーバ装置に送信することができる。
次に、センサ機器から何らかの反応・検知があった時、例えば人感センサが人体を検知した時(ステップS68)、これらセンサ機器の情報送信部からそのセンサ機器の検知内容の情報が送信され、情報端末装置の情報受信部でそれらの情報を受信する(ステップS70)。これらセンサ機器の情報を収集した情報端末装置は情報をインターネット回線網であるADSL回線網を用いず、電話回線網を用いて外部の携帯電話等の通信装置に送信することができる(ステップS72)。例えば、人感センサが人体を検知した時や、開閉センサが扉の開閉を検知した時、これらの情報が各センサ機器から送信され、情報端末装置でそれらの情報を収集し、情報端末装置ではこれらの情報がセンサ情報であることを判断して、電話回線網を用いて携帯電話に送信することができる。
この時、緊急連絡先である携帯電話が既に別途使用中であり、情報端末装置からのセンサ情報を受信不可であれば、情報端末装置はその電話を切り、情報端末装置の記憶部に登録されている別の緊急連絡先の通信装置(携帯電話)に送信することができる(ステップS74)。
以上のような構成では、緊急連絡先である通信装置を複数箇所登録することができるので、1つの緊急連絡先がセンサ情報(等)を受信することができなくても、すぐに次候補の通信装置に送信することができる。
その他の実施の形態
本発明では、通信装置としては通常のアナログ電話のみならず携帯電話やディジタル回線のPHS等も含むことができる。
また、外部の携帯電話等の通信装置を用いて、上記の情報端末装置及び通信システムを実施するためには、情報端末装置内のCPUに実行させるためのコンピュータ読み取り可能な独自のプログラムが必要である。
【発明の効果】
以上のように本発明では、家屋内に設置した機器に関する機器情報を収集する情報収集部を備えた情報端末装置が、通常、情報処理サーバ装置に接続する時には第1の通信回線網を用いるが、センサ機器等の特定の機器情報を収集した場合には通信装置に第2の通信回線網を用いて接続する。このことによって、家人が外出していても確実に家の状況を把握することができる。特に人体の在不在を検知することができる人感センサや、窓や扉が開いたことを検知することができる開閉センサ、居住者が常に携帯していて体調が悪くなった時に使用する緊急コールボタン等のセンサ機器からの機器情報を収集した場合、情報端末装置から通信装置に接続する時には第2の通信回線網を用いることによって、これらのセンサ機器からの機器情報を確実に、高信頼性で、すぐに通信装置に伝送することができる。
従って、センサ機器からの情報は家人が外出していても確実に家人に伝送することができる。また、安全に関する重要な情報が外出している家人に伝わらないといった事態を低減させ、安全管理に係るシステムの信頼性を確実に向上させる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に関する機器情報を収集する情報収集部を少なくとも備えた情報端末装置と、前記情報端末装置との間で送受信可能な情報処理サーバ装置および通信装置と、前記情報端末装置と前記情報処理サーバ装置とを接続する第1の通信回線網及び第2の通信回線網とを備え、
前記第1の通信回線網は高速デジタル伝送技術を利用する通信形態であり、前記第2の通信回線網は電話加入者に対する通信サービスを行う通信形態であり、
前記情報端末装置は、前記第1の通信回線網を用いて前記機器情報を前記情報処理サーバ装置に対して通信するが、特定の機器情報を前記通信装置に対して送受信する場合のみ前記第2の通信回線網を使用する、
通信システム。
【請求項2】
機器に関する機器情報を収集する情報収集部を少なくとも備えた情報端末装置と、前記情報端末装置との間で送受信可能な情報処理サーバ装置および通信装置と、前記情報端末装置と前記情報処理サーバ装置とを接続する第1の通信回線網と、前記情報端末装置と前記通信装置とを接続する第2の通信回線網とを備え、
前記第1の通信回線網は高速デジタル伝送技術を利用する通信形態であり、前記第2の通信回線網は電話加入者に対する通信サービスを行う通信形態であり、
前記情報端末装置は、前記第1の通信回線網を用いて前記機器情報を前記情報処理サーバ装置に対して通信するが、特定の機器情報を前記通信装置に対して送受信する場合のみ前記第2の通信回線網を使用する、
通信システム。
【請求項3】
特定の機器情報を前記通信装置に対して送受信する場合に前記第2の通信回線網を使用するとき、その直前において、
前記情報端末装置は、その直前の時点で前記第2の通信回線網又は前記第1の通信回線網が既に使用されていれば、その第2の通信回線網又は第1の通信回線網における既存の通信を切断又は一時停止する、
請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記情報端末装置は、
前記情報処理サーバ装置に対して、前記第2の通信回線網を介する通信を接続し、特定の機器情報に関連する情報の第1の部分を、前記第2の通信回線網を使用して送信し、
更に、前記情報処理サーバ装置に対して、前記第1の通信回線網を介する通信を接続し、特定の機器情報に関連する情報の第2の部分を、前記第1の通信回線網を使用して送信する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項5】
特定の機器情報が、センサ機器からの緊急の対処を要する事象の発生を示す情報であり、
該情報が、第2の通信回線網を通じて、前記情報処理サーバ装置または前記通信装置に伝送される、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項6】
センサ機器からの緊急の対処を要する事象の発生を示す情報が、緊急コールボタンからのボタン押下信号である場合に、前記情報端末装置が、第2の通信回線にて、前記の緊急緊急コールボタン押下信号の送信を最優先させる、
請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
複数の通信装置の接続に係るデータが、前記情報端末装置の記憶部に優先順位を付されて記録され、
前記情報端末装置は前記優先順位に従い通信装置への通信を試み、
ある優先順位の通信装置への接続が完遂しなければ、次の優先順位の通信装置への接続を試みる、
請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項8】
機器に関する機器情報を収集する情報収集部と、
情報処理サーバ装置又は通信装置との間で、前記の収集した機器情報の送受信を行うために、第1の通信回線網に接続する第1の送受信部及び第2の通信回線網に接続する第2の送受信部と、
特定の機器情報を通信装置に対して送受信する場合のみ前記第2の通信回線網に切り替える情報処理部とを具備し、
前記第1の通信回線網は高速デジタル伝送技術を利用する通信形態であり、前記第2の通信回線網は電話加入者に対する通信サービスを行う通信形態である、情報端末装置。
【請求項9】
特定の機器情報を前記通信装置に対して送受信する場合に前記第2の通信回線網を使用するとき、その直前において、
前記第2の通信回線網又は前記第1の通信回線網が既に使用されていれば、その第2の通信回線網又は第1の通信回線網における既存の通信を切断又は一時停止する、
請求項8に記載の情報端末装置。
【請求項10】
前記情報処理サーバ装置に対して、前記第2の通信回線網を介する通信を接続し、特定の機器情報に関連する情報の第1の部分を、前記第2の通信回線網を使用して送信し、
更に、前記情報処理サーバ装置に対して、前記第1の通信回線網を介する通信を接続し、特定の機器情報に関連する情報の第2の部分を、前記第1の通信回線網を使用して送信する、
請求項8又は請求項9に記載の情報端末装置。
【請求項11】
特定の機器情報が、センサ機器からの緊急の対処を要する事象の発生を示す情報であり、
該情報が、第2の通信回線網を通じて、前記情報処理サーバ装置または前記通信装置に伝送される、
請求項8乃至請求項10のいずれか一つに記載の情報端末装置。
【請求項12】
センサ機器からの緊急の対処を要する事象の発生を示す情報が、緊急コールボタンからのボタン押下信号である場合に、
第2の通信回線にて、前記の緊急緊急コールボタン押下信号の送信を最優先させる、
請求項11に記載の情報端末装置。
【請求項13】
複数の通信装置の接続に係るデータが、前記情報端末装置の記憶部に優先順位を付されて記録され、
前記優先順位に従い通信装置への通信を試み、
ある優先順位の通信装置への接続が完遂しなければ、次の優先順位の通信装置への接続を試みる、
請求項8乃至請求項12のいずれか一つに記載の情報端末装置。
【請求項14】
機器に関する機器情報を情報端末装置において収集する収集ステップと、
収集した機器情報を、高速デジタル伝送技術を利用する通信形態である第1の通信回線網を用いて情報処理サーバ装置に送信する第1の送信ステップと、
特定の機器情報を前記情報端末装置から通信装置に対して送受信する場合のみ、電話加入者に対する通信サービスを行う通信形態である第2の通信回線網を使用する第2の送信ステップとを具備する、
通信方法。
【請求項15】
特定の機器情報を前記通信装置に対して送受信する場合に前記第2の通信回線網を使用する第2の送信ステップの直前において、
前記情報端末装置が、その直前の時点で前記第2の通信回線網又は前記第1の通信回線網が既に使用されていれば、その第2の通信回線網又は第1の通信回線網における既存の通信を切断又は一時停止する第1の停止ステップを備える、
請求項14に記載の通信方法。
【請求項16】
前記情報処理サーバ装置に対して、前記第2の通信回線網を介する通信を接続し、特定の機器情報に関連する情報の第1の部分を、前記第2の通信回線網を使用して送信する第1の報告ステップと、
更に、前記情報処理サーバ装置に対して、前記第1の通信回線網を介する通信を接続し、特定の機器情報に関連する情報の第2の部分を、前記第1の通信回線網を使用して送信する第2の報告ステップとを備える、
請求項14又は請求項15に記載の通信方法。
【請求項17】
複数の通信装置の接続に係るデータを、情報端末装置の記憶部に優先順位を付して記録する記録ステップと、
機器に関する機器情報を前記情報端末装置において収集する収集ステップと、
収集した機器情報を、高速デジタル伝送技術を利用する通信形態である第1の通信回線網を用いて情報処理サーバ装置に送信する第1の送信ステップと、
特定の機器情報を前記情報端末装置から通信装置に対して送受信する場合のみ、電話加入者に対する通信サービスを行う通信形態である第2の通信回線網を使用し、且つ前記優先順位に従い通信装置への通信を試みる第2の送信ステップと、
ある優先順位の通信装置への接続が完遂しなければ、次の優先順位の通信装置への接続を試みる第3の送信ステップとを具備する、
通信方法。
【請求項18】
機器に関する機器情報を収集する情報収集部と、
情報処理サーバ装置又は通信装置との間で、前記の収集した機器情報の送受信を行うために、高速デジタル伝送技術を利用する通信形態である第1の通信回線網に接続する第1の送受信部、及び電話加入者に対する通信サービスを行う通信形態である第2の通信回線網に接続する第2の送受信部と、
特定の機器情報を通信装置に対して送受信する場合のみ前記第2の通信回線網に切り替える情報処理部とを具備する情報端末装置において、
上記各部の機能をコンピュータに実行せしめるコンピュータプログラム。

【国際公開番号】WO2004/080049
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【発行日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569112(P2004−569112)
【国際出願番号】PCT/JP2003/005300
【国際出願日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】