説明

通信システムおよび通信方法

【課題】情報端末が記憶する電話番号情報を通信端末に対して無線通信インターフェースを介して転送し、通信端末が電話番号情報に基づいて自動的に有線通信網へ発呼する。
【解決手段】通信システム10は赤外線通信により通信する情報端末である携帯電話20と通信端末であるコードレス電話機(30,40)とからなる。携帯電話20は選択した電話番号情報を含み、当該電話番号情報に基づいてコードレス電話装置が自動発呼処理を行うためのコマンドを生成するコマンド生成部212と、赤外線通信を介してコマンドを送信する赤外線通信部213を備え、コードレス電話装置は、赤外線通信を介してコマンドを受信する赤外線通信部310と、受信したコマンドに従って、当該コマンドに含まれる電話番号情報に基づいて自動発呼処理を行う電話回路制御部49を備え、コードレス電話装置は携帯電話20から送られてきた電話番号情報によって有線通信網へ発呼する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有線通信網を介して通信を行う通信システムに関するものである。特に、電話番号情報を記憶する記憶手段を備えた情報端末と、有線通信網を介して通信を行う通信端末とを、相互に情報の送受信が可能な近距離無線通信インターフェースを介して接続される通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ほとんどの携帯電話機に、他の携帯電話機などに対して近距離無線通信を行う、例えばIrDA(Infrared Data Association)規格の赤外線通信機能が搭載されている。そして、この赤外線通信機能を使用することにより、他の携帯電話機に対して、例えば、個人情報、電話帳内にある電話番号情報などの様々なデータを通信することが可能になっている。
【0003】
このような携帯電話機は、例えば、下記の特許文献1(2001−177876号公報)に開示されている。この特許文献1に開示された携帯電話機は、近くにある他の携帯電話機やパソコンと直接データのやりとりを行うことができるようにしたものである。
【0004】
すなわち、この携帯電話機は、ユーザがデータ表示を指示するキー操作をすると、CPUがRAMからデータを読み出し、表示部に表示させる。ユーザはこの表示を見て、データを操作部のキーによって選択し、転送を指示するキーを操作する。CPUはデータを赤外線送受信装置へ出力する。赤外線送受信部はCPUから出力されたデータに赤外線を変調し、放射する。他の携帯電話機またはパソコンから転送されるデータを受ける場合は、まず、赤外線送受信装置が他の携帯電話機またはパソコンからの赤外線信号を受信する。赤外線送受信装置は、受信した赤外線信号からデータを復調し、CPUへ出力する。CPUはこのデータをRAMの特定データエリアに書き込むように構成されたものである。
【0005】
このように構成することにより、近くにある他の携帯電話機またはパソコンへRAM内のデータを直接転送できる携帯電話機を提供することができる。
【特許文献1】特開2001−177876号公報(段落[0010]、[0011]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、携帯電話機の通話料金プランは、携帯電話機同士の通話料金は比較的割安な料金体系に設定されているものの、携帯電話機と固定電話機との間で通話する場合には、固定電話機同士で通話するよりも料金体系が割高に設定されており、ユーザ負担が大きくなる場合がある。このため、携帯電話機を所持しているユーザの中には、固定電話機のある自宅や職場などから電話をかける際に利用する電話機について相手先の電話機種別(相手先の電話番号)に応じて携帯電話機あるいは固定電話機を使い分けている場合がある。
【0007】
このような状況において、相手先の電話番号と、その電話番号を識別するための個人情報(例えば、相手先の名称など)とを関連付けて登録し、登録した電話番号を参照してその電話番号に対して発信することができる、いわゆる電話帳機能が、近年の携帯電話機および固定電話機には内蔵されているのが一般的である。ところが、携帯電話機の電話帳の内容に対しては、携帯電話機端末の交換(機種変更)により旧い電話機端末から新しい電話機端末へ電話帳を引き継ぐ際に最新データをその内容に反映するなど比較的良くメンテナンスが行われるものの、固定電話機の電話帳の内容に対してはあまりメンテナンスが行われない傾向にある。
【0008】
従って、最新データが電話帳の内容に反映されていない固定電話機を利用する場合には、携帯電話機の電話帳を参照して相手先の最新の電話番号をユーザが入力しなければ発呼できないといった問題がった。
【0009】
さらに、上記特許文献1に開示された携帯電話機間で赤外線を用いて電話番号データの送受信を行う技術では、他の携帯電話機から赤外線通信のよって受けた電話番号データによって電話発信する場合には、ユーザの指示によりRAMの特定データエリアから電話番号データを呼び出し、表示部に表示させる。そして、ユーザはこの表示をチェックした後、発信ボタンを押すことによって発呼されるため、ユーザに対しては、必ずしも利便性の高いものではなかった。
【0010】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、情報端末が記憶する電話番号情報を通信端末に対して無線通信インターフェースを介して転送し、通信端末が電話番号情報に基づいて自動的に有線通信網へ発呼するようになせば、上記の問題点を解消し得ることを想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、情報端末が記憶する電話番号情報の中から選択された電話番号情報を、無線通信インターフェースを介して接続された通信端末に対して転送し、通信端末が電話番号情報に基づいて自動的に有線通信網へ発呼する通信システムおよび通信方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、回線と接続された親機と無線接続可能な第1の通信端末と、当該第1の通信端末へ電話番号のデータを送信可能な第2の通信端末とからなる通信システムであり、前記第2の通信端末が前記第1の通信端末へ電話番号のデータを送信すると、前記第1の通信端末が受信した電話番号のデータを前記親機へ送信し、親機へ送信された電話番号のデータは回線へ送出されることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、回線と接続された親機と無線接続可能な第1の通信端末と、当該第1の通信端末へ電話番号のデータを送信可能な第2の通信端末とからなる通信システムであり、前記第2の通信端末は、複数の電話番号データを格納する格納手段と、当該格納手段に格納されている複数の電話番号から電話番号を選択する選択手段と、を有し、前記第2の通信端末の選択手段により前記格納手段に格納されている複数の電話番号データから電話番号データが選択され、当該選択された電話番号データが前記第2の通信端末から前記第1の通信端末へ送信されると、前記第1の通信端末が受信した電話番号のデータを前記親機へ送信し、親機へ送信された電話番号のデータは回線へ送出されることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の通信システムであり、前記第2の通信端末は携帯電話装置であり、前記第1の通信端末と親機は、コードレス電話装置であることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の通信システムであり、前記第2の通信端末から前記第1の通信端末へは赤外線通信により電話番号のデータが送信され、前記第1の通信端末から前記親機へは、アナログコードレス電話又はデジタルコードレス電話の通信プロトコルに基づいて電話番号のデータが送信されることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、回線と接続された親機と無線接続可能な第1の通信端末と、当該第1の通信端末へ電話番号のデータを送信可能な第2の通信端末とからなる通信システムの通信方法であって、前記第2の通信端末において、前記第1の通信端末へ送信する電話番号のデータを生成するデータ生成工程と、前記データ生成工程にて生成された電話番号のデータを送信する送信工程と、前記送信された電話番号のデータを前記第1の通信端末が受信する受信工程と、当該受信工程により受信された電話番号のデータを前記親機を介して回線へ送信する発呼工程と、を行うことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、回線と接続された親機と無線接続可能な第1の通信端末と、当該第1の通信端末へ電話番号のデータを送信可能な第2の通信端末とからなる通信システムの通信方法であって、前記第2の通信端末は電話番号のデータを複数格納可能な格納手段を有しており、前記第2の通信端末において、前記第1の通信端末へ送信する電話番号のデータを前記格納手段から選択し、生成するデータ生成工程と、前記データ生成工程にて生成された電話番号のデータを送信する送信工程と、前記送信された電話番号のデータを前記第1の通信端末が受信する受信工程と、当該受信工程により受信された電話番号のデータを前記親機を介して回線へ送信する発呼工程と、を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願発明では、第2の通信端末から第1の通信端末へ電話番号のデータを送信すると、親機を介して第1の通信端末から回線へ電話番号のデータが送信される為、例えば電話番号のデータを第2の通信端末から第1の通信端末へ送信すると、第1の通信端末から回線へ発呼動作を行うことができ、相手側が着信に応答すれば、第1の通信端末を用いて通話を行うことができる。
【0014】
又、請求項2及び6に記載の発明では、第2の通信端末に例えば電話帳メモリや着信履歴メモリ等のメモリを設け、この電話帳メモリに格納されている電話番号からユーザが所望の電話番号を選択し、第1の通信端末へ送信することにより、第1の通信端末から選択された電話番号へ発呼動作が行われる。この為、ユーザが第2の通信端末(例えば携帯電話)の電話帳メモリに格納されている宛先へコードレス電話の子機のような第1の通信端末を用いて発呼を行いたいが、所望の電話番号が第1の通信端末に格納されていない場合、第2の通信端末から第1の通信端末へ電話番号を送信することにより、第1の通信端末を用いて発呼動作を行うことが可能である。勿論、相手側が着信に応答すれば第1の通信端末を用いて通話が可能となる。
【0015】
更に、請求項3では、第2の通信端末が携帯電話装置であり、第1の通信端末がコードレス電話の子機である。この為、ユーザが携帯電話の電話帳メモリに格納されている宛先へコードレス電話の子機を用いて発呼を行いたいが、所望の電話番号が子機に格納されていない場合、携帯電話から子機へ電話番号を送信することにより、子機を用いて発呼動作を行うことが可能である。勿論、相手側が着信に応答すれば子機を用いて通話が可能となる。
【0016】
又、請求項4では、携帯電話から子機へは赤外線通信により電話番号のデータ送信を可能にしている。この為、従来の電話帳データを送信する為の赤外線送信回路を本願発明の技術に兼用することができ、電話番号データの送信の為の新たな回路を別途設ける必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための通信システムを例示するものであって、本発明をこの通信システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の通信システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の実施例にかかる通信システム10の構成を示すシステム構成図である。本発明の実施例にかかる通信システム10は、情報端末である携帯電話20と、この携帯電話20と赤外線通信などの近距離無線通信11を介して接続される通信端末であるコードレス電話装置の子機30と、子機30と無線通信12を介して接続され、公衆電話回線網などの有線通信網13と接続された該コードレス電話装置の親機40と、を備えて構成されている。
【0019】
図2は、本発明の実施例にかかる携帯電話20の構成を示すブロック図である。携帯電話20は、制御部201、ROM202、RAM203、電波通信部204、アンテナ205、ベースバンド部206、マイクロホン207、スピーカ208、211、表示部209、操作部210、コマンド生成部212、赤外線通信部213などを備えて構成されている。
【0020】
制御部201は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にROM201、RAM203などのメモリと接続されており、ROM201に格納されている各種制御プログラムを読み出し、RAM203内のプログラム格納領域に展開し、該制御プログラムに従って各部の動作を制御する。またRAM203には、制御部201の動作に必要な情報である電話帳203−1が記憶されている。電話帳203−1には、名称、電話番号、メールアドレス、住所、生年月日、血液型などの個人情報が記憶可能である。
【0021】
電波通信部204は、アンテナ205と接続され、ベースバンド部206からの信号をアンテナ205を介して基地局へ送信するとともに、基地局からの電波をアンテナ205を介して受信する。
【0022】
ベースバンド部206は、CDMA(Code Division Multiple Access)処理部206−1と音声コーデック206−2などにより構成されている。ここで、CDMA処理部206−1は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、およびタイミング検出を行う。また、音声コーデック206−2は、音声の圧縮(符号化)、音声の伸長(復号化)、アナログディジタル変換を行ったり、内部の増幅回路によりマイクロホン207の感度やスピーカ208の受話音量を変更したりする。
【0023】
マイクロホン207は、通話に使用され、電気信号に変換した音声を増幅回路で増幅してベースバンド部206に出力するためのものである。
【0024】
スピーカ208は、通話に使用され、増幅回路で増幅されたベースバンド部206の電気信号を音声に変換して出力するためのものである。また、スピーカ211は、アンプと接続され、呼び出し音などの音を出力する。
【0025】
表示部209は、液晶パネルなどから構成される表示ユニットであり、制御部201からの制御信号に応じて、電話帳203−1から読み出した電話番号や相手先の名称などのテキストデータ、画像データを表示する。
【0026】
操作部210は、図示は省略しているが、数字や文字の入力などを行うテンキー210−1、発呼および通話の開始などを操作する通話キー210−2、通話の終了などを操作する終話キー210−3、電話帳の登録・検索を操作する電話帳キー210−4、メールの発信・受信の操作を行うメールキー210−5、自動発呼を指示するモードなどを設定するための操作を行うモード設定キー210−6、各種機能の選択を操作するスクロールキー(上下左右の矢印キー)210−7などからなり、テンキーやスクロールキーを操作し、発呼などの各種操作を行うものである。
【0027】
コマンド生成部212は、制御部201の制御によりRAM203に記憶された電話帳203−1の中から電話番号に対する発呼処理を指示するための発呼指示コマンドを作成する。
【0028】
本発明においては、情報端末である携帯電話が記憶する電話番号情報のうち、通信したい所望の電話番号を選択して通信端末であるコードレス電話機に対して無線通信インターフェースを介して転送し、通信端末であるコードレス電話機が転送された電話番号情報に基づいて自動的に有線通信網へ発呼する。
【0029】
図5は、本発明の実施例にかかる自動発呼指示コマンドのフレーム構成を示す図である。
【0030】
図5に示すように、自動発呼指示コマンドは、先頭から、フレームデータの開始を表す開始フラグ(1バイト)からなるフレーム開始部分(BOF)51と、フレームの宛先アドレス(1バイト)を格納するアドレスフィールド(AF)52と、電話番号情報に対する発呼処理を指定するデータ(1バイト)を含んだコマンドフィールド(CF)53と、発呼処理する電話番号情報(M×1バイト)を格納するデータフィールド(DF)54と、フレーム転送中にエラー発生が無いかチェックするために使用されるフィールド(2×1バイト)フレーム検査シーケンスフィールド(FCS)55と、フレームデータの終了を表す終了フラグ(1バイト)からなるフレーム終了部(EOF)56とから構成されている。なお、フレームを構成するデータには、1バイト単位にスタートビットと、ストップビットが付加されている。
【0031】
また、アドレスフィールド52には、自動発呼指示コマンドが送信される送信先であるコードレス電話装置の子機30を示すアドレスが宛先アドレスとして格納されている。
【0032】
携帯電話20の赤外線通信部213は、赤外線投光素子/受光素子を備え、コードレス電話装置の子機30、他の携帯電話などの赤外線通信機能を備えた機器との間で赤外線によりデータ通信を行うためのものである。赤外線通信部213は、コマンド生成部212において生成された自動発呼指示コマンドを赤外線通信でコードレス電話装置の子機30に送信し、子機30から赤外線通信で伝送されてくるコマンドに対する応答信号を受信する。
【0033】
次に、本発明にかかる携帯電話20の動作について説明する。
【0034】
図6は、本発明にかかる携帯電話の動作を示すフローチャートである。なお、図6に示す動作は制御部201に接続されたROM202に格納されている制御プログラムを実行することで実現される。
【0035】
図6のステップ60において、モード設定キー210−6を操作して携帯電話20から電話番号情報を転送して自動発呼を行うモード、あるいは通常の無線回線を用いた通話のための発呼を行うモードを設定する。ステップ61において、ユーザがある被呼者と通話するため被呼者の電話番号をテンキー201−1から入力し、あるいは電話帳キー210−4を操作して電話帳203−1を呼び出して表示し、相手方の電話番号を選択入力し、ステップ62において、通話キー210−2を操作して発呼を指示する。
【0036】
ステップ63において、ステップ60において自動発呼モードが設定されているか否か判定し、自動発呼モードが設定されていると判定した場合にはステップ64に進み、自動発呼モードが設定されていないと判定した場合にはステップ67に進む。
【0037】
ステップ64において、電話帳203−1を参照し、選択された被呼者の電話番号情報を読み出し、読み出された電話番号情報に基づいて、コマンド生成回路16において自動発呼指示コマンドを生成する。そして、ステップ65において、生成された自動発呼指示コマンドは、赤外線通信部213を介してコードレス電話装置の子機30へ出力し、処理を終了する。
【0038】
一方、ステップ66において、電話帳203−1を参照し、選択された被呼者の電話番号情報を読み出し、読み出された電話番号情報に基づいて、バースバンド部206において通常の無線回線を用いた通信接続処理が行われ、ステップ67において、携帯電話20と選択された被呼者の端末との間に通信回線が形成される。
【0039】
そして、ステップ68において、通信回線が形成された被呼者との通話が終了し、終話キー210−3が操作されたか否か判定され、終話キー210−3が操作されていない場合にはステップ68の処理に戻り、終話キー210−3が操作された場合には処理を終了する。
【0040】
図3は、本発明の実施例にかかるコードレス電話装置の子機30の構成を示すブロック図である。コードレス電話装置の子機30は、制御部301、無線部302、アンテナ303、音声信号処理部304、マイクロホン305、スピーカ306、309、表示部307、操作部308、赤外線通信部310などを備えて構成されている。
【0041】
制御部301は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にROM、RAMなどのメモリを備えており、ROMに格納されている各種制御プログラムを読み出し、RAM内のプログラム格納領域に展開し、該制御プログラムに従って各部の動作を制御する。またRAMには、制御部301の動作に必要な情報である電話帳が記憶されている。この電話帳には、名称、電話番号、メールアドレス、住所、生年月日、血液型などの個人情報が記憶可能である。
【0042】
無線部302は、アンテナ303と接続され、親機40との間に無線による通話リンクを確立させて、音声信号処理部304からの信号を、アンテナ303を介して親機40へ送信するとともに、親機40からの無線信号を、アンテナ303を介して受信する。
【0043】
音声信号処理部304は、無線部302の送受信周波数を変更するPLL回路などを備え、無線部302からの音声信号を処理したり、内部の増幅回路によりマイクロホン305の感度やスピーカ306の受話音量を変更したりする。
【0044】
マイクロホン305は、通話に使用され、電気信号に変換した音声を増幅回路で増幅して音声信号処理部304に出力するためのものである。
【0045】
スピーカ306は、通話に使用され、増幅回路で増幅された音声信号処理部304の電気信号を音声に変換して出力するためのものである。また、スピーカ309は、アンプと接続され、呼び出し音などの音を出力する。
【0046】
表示部307は、液晶パネルなどから構成される表示ユニットであり、制御部301からの制御信号に応じて、電話帳から読み出した電話番号や相手先の名称、通話時間、通話料金などのテキストデータ、画像データを表示する。
【0047】
操作部308は、数字や文字の入力などを行うテンキー308−1、発呼および通話の開始などを操作する通話キー308−2、通話の終了などを操作する終話キー308−3、電話帳の登録・検索を操作する電話帳キー308−4、赤外線通信を可能とする受光モードを設定するための操作を行うモード設定キー308−5などからなり、テンキーや操作キーを操作し、発呼などの各種操作を行うものである。
【0048】
赤外線通信部310は、赤外線投光素子/受光素子を備え、携帯電話20との間で赤外線によりデータ通信を行うためのものである。赤外線通信部310は、携帯電話20から赤外線通信で伝送されてくる自動発呼指示コマンドを受信し、このコマンドに対する応答信号を赤外線通信で携帯電話20に送信する。
【0049】
次に、本発明にかかるコードレス電話装置の子機30の動作について説明する。
【0050】
図7は、本発明にかかるコードレス電話装置の子機の動作を示すフローチャートである。
【0051】
なお、図7に示す動作は制御部301に備えられたROMに格納されている制御プログラムを実行することで実現される。
【0052】
図7のステップ70において、モード設定キー308−5を操作して携帯電話20から出力される自動発呼指示コマンドを赤外線通信部310において受信できるように赤外線通信が可能となる受光モードをオンに設定する。ステップ71において、赤外線通信部310を介して携帯電話20から自動発呼指示コマンドを受信する。
【0053】
ステップ72において、受信した自動発呼指示コマンドのコマンドフィールド53に含まれた発呼処理を指定したデータに基づいてデータフィールド54から読み出した電話番号情報とともに発呼要求を、無線部302を介して親機40へ送信する。
【0054】
そして、ステップ73において、親機40を通じて被呼者の端末との間に有線通信網13を介した通信回線が形成され、ステップ74において、通信回線が形成された被呼者との通話が終了し、終話キーが操作されたか否か判定され、終話キーが操作されていない場合にはステップ74の処理に戻り、終話キーが操作された場合には処理を終了する。
【0055】
なお、上記実施例では、ユーザによるモード設定キーの操作によって子機の赤外線通信が可能となる受光モードをオンにしているが、これに限られることはなく、いつでも赤外線通信が可能なように受光モードを常時オンにしておいてもよい。
【0056】
図4は、本発明の実施例にかかるコードレス電話装置の親機40の構成を示すブロック図である。コードレス電話装置の親機40は、制御部41、無線部42、アンテナ43、音声信号処理部44、ハンドセット部45、スピーカ46、表示部47、操作部48、電話回線制御部49などを備えて構成されている。
【0057】
制御部41は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にROM、RAMなどのメモリを備えており、ROMに格納されている各種制御プログラムを読み出し、RAM内のプログラム格納領域に展開し、該制御プログラムに従って各部の動作を制御する。またRAMには、制御部41の動作に必要な情報である電話帳が記憶されている。この電話帳には、名称、電話番号、メールアドレス、住所、生年月日、血液型などの個人情報が記憶可能である。
【0058】
無線部42は、アンテナ43と接続され、子機30との間に無線による通話リンクを確立させて、音声信号処理部44からの信号をアンテナ43を介して子機30へ送信するとともに、子機30からの無線信号をアンテナ43を介して受信する。
【0059】
音声信号処理部44は、無線部42の送受信周波数を変更するPLL回路などを備え、無線部42で受信された音声信号の変調および復調などの音声信号処理を行ったり、内部の増幅回路によりハンドセット部45のマイクロホンの感度やスピーカの受話音量を変更したりする。
【0060】
ハンドセット部45は、通話に使用され、電気信号に変換した音声を増幅回路で増幅して音声信号処理部44に出力するマイクロホンと、通話に使用され、増幅回路で増幅された音声信号処理部304の電気信号を音声に変換して出力するスピーカを有している。
【0061】
スピーカ46は、アンプと接続され、呼び出し音などの音を出力する。
【0062】
表示部47は、液晶パネルなどから構成される表示ユニットであり、制御部41からの制御信号に応じて、電話帳から読み出した電話番号や相手先の名称、通話時間、通話料金などのテキストデータ、画像データを表示する。
【0063】
操作部48は、数字や文字の入力などを行うテンキー、発呼および通話の開始などを操作する通話キー、通話の終了などを操作する終話キー、電話帳の登録・検索を操作する電話帳キーなどからなり、テンキーや操作キーを操作し、発呼などの各種操作を行うものである。
【0064】
電話回線制御部49は、有線通信網13(電話回線L)に接続され、着信信号をパルス信号に波形整形して出力する着信検出回路、電話局より電話回線Lを介して発呼者の電話番号(発呼者番号)を検出する発呼者番号検出回路、電話回線Lに接続されて回線の解放・閉結を行うための極性反転検出回路、電話帳に記憶されている電話番号情報あるいは子機30から転送された電話番号情報に基づいて発呼処理を行うダイヤル発信回路などから構成されている。
【0065】
次に、本発明の実施例にかかる通信システム10の動作について説明する。
【0066】
図8は、本実施例にかかる自動発呼処理時の通信システム10の動作を説明するシーケンス図である。
【0067】
ユーザが携帯電話20に記憶されている電話帳203−1にある電話番号情報を利用してコードレス電話装置から発信する場合、コードレス電話装置の子機30の操作部308に設けられたモード設定キー308−5を操作して、携帯電話20から出力される自動発呼指示コマンドを赤外線通信部310において受信できるように赤外線通信が可能となる受光モードをオン状態に設定され、自動発呼指示コマンドを受信するための待機待ちになる。
【0068】
ここで、待機状態にある携帯電話20の操作部210に設けられたモード設定キー210−6を操作して、自動発呼モードをオン状態に設定され、電話帳203−1から読み出された所望の電話番号情報に対する発呼指示として通話キー210−2がオン状態にされると、携帯電話20は、コードレス電話装置の子機30に自動発呼指示コマンドの送信要求を送信する。これに応答してコードレス電話装置の子機30はACKを携帯電話20に返す。
【0069】
ACKを受け取った携帯電話20は、ユーザによって指定された電話番号情報を含んだ自動発呼指示コマンドをコードレス電話装置の子機30に送信する。コードレス電話装置の子機30は、正しく自動発呼指示コマンドを受信するとACKを携帯電話20に返すとともに、待機状態にあるコードレス電話装置の親機40に自動発呼指示コマンドに含まれている電話番号情報と発呼要求を送信する。ここで、自動発呼指示コマンドが正しく送信された後に、携帯電話20の操作部210に設けられた終話キー210−3がオン状態にされると、携帯電話20は待機状態となる。
【0070】
発呼要求を受け取ったコードレス電話装置の親機40は、電話番号情報に基づいて有線電話網13(電話回線L)に対して発呼をかける。その後、コードレス電話装置の子機30と親機40との間に無線による通話リンクを確立し、ACKを子機30に返す。これによって、コードレス電話装置の子機30が通話モードとなり、子機30と親機40との間で音声が送受信されて、親機40を通じて被呼者の端末との間で有線通信網13を介した通話が行われる。
【0071】
その後、コードレス電話装置の子機30の操作部308に設けられた終話キー308−3がオン状態にされると、子機30は親機40に通話終了要求を送信する。これに応答して親機40はACKを子機30に返す。これによって、子機30と親機40は相互に通話を送受話できない待機状態となる。
【0072】
以上説明したように本発明にかかる通信システムによれば、ユーザ操作などによって、携帯電話の電話帳に登録されている電話番号情報を赤外線通信インターフェースを介して有線通信網と接続されたコードレス電話装置に転送することができ、この電話番号情報に基づいて、コードレス電話装置において自動的に有線通信網へ発呼を行うことができる。
【0073】
このため、コードレス電話装置である固定電話機の電話帳に電話番号を登録していなくても携帯電話の電話帳から簡単に発信するこができる。さらに、家庭内にいて電話代が安い固定電話で電話する際に、携帯電話の電話帳に比べて固定電話の電話帳をあまりこまめにメンテナンスしていないために携帯電話の電話帳を参照しながら固定電話のダイヤリングを行う手間をとる必要がなくなる。したがって、ユーザによる発呼操作の無駄を省くことができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0074】
特に、携帯電話から着信メロディデータを赤外線通信で受信できる機能(mupass機能)を備えた近年のデジタルコードレス電話機には、赤外線通信機能を搭載しているため、本発明を活用することができる。
【0075】
なお、上記実施例では、通信端末としてコードレス電話装置を使用した場合について説明したが、コードレス電話装置に限られることはなく、有線通信網と接続され、携帯電話と赤外線通信可能な電話装置に適用することも可能である。
【0076】
また、上記実施例では、近距離無線通信として赤外線通信を使用した場合について説明したが、赤外線通信に限られることなく、Bluetoothなどの携帯電話に実装可能な他の近距離通信に適用することも可能である。
【0077】
更に、コードレス電話としてはデジタルコードレス、アナログコードレス電話、どちらにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施例にかかる通信システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例にかかる携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかるコードレス電話装置の子機の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例にかかるコードレス電話装置の親機の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例にかかる自動発呼指示コマンドのフレーム構成を示す図である。
【図6】本実施例にかかる携帯電話の動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施例にかかるコードレス電話装置の子機の動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施例にかかる通信システムの動作を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0079】
10・・・・通信システム
11・・・・近距離無線通信
12・・・・無線通信
13・・・・有線通信網
20・・・・携帯電話
201、301、41・・・・制御部
202・・・・ROM
203・・・・RAM
204・・・・電波通信部
205、303、43・・・・アンテナ
206・・・・ベースバンド部
207、305・・・・マイクロホン
208、211、306、309、46・・・・スピーカ
209、307、47・・・・表示部
210、308、48・・・・操作部
212・・・・コマンド生成部
213、310・・・・赤外線通信部
30・・・・子機(コードレス電話装置)
302、42・・・・無線部
304、44・・・・音声信号処理部
40・・・・親機(コードレス電話装置)
45・・・・ハンドセット部
49・・・・電話回線制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線と接続された親機と無線接続可能な第1の通信端末と、当該第1の通信端末へ電話番号のデータを送信可能な第2の通信端末とからなる通信システムであり、
前記第2の通信端末が前記第1の通信端末へ電話番号のデータを送信すると、前記第1の通信端末が受信した電話番号のデータを前記親機へ送信し、親機へ送信された電話番号のデータは回線へ送出されることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
回線と接続された親機と無線接続可能な第1の通信端末と、当該第1の通信端末へ電話番号のデータを送信可能な第2の通信端末とからなる通信システムであり、
前記第2の通信端末は、複数の電話番号データを格納する格納手段と、当該格納手段に格納されている複数の電話番号から電話番号を選択する選択手段と、を有し、
前記第2の通信端末の選択手段により前記格納手段に格納されている複数の電話番号データから電話番号データが選択され、当該選択された電話番号データが前記第2の通信端末から前記第1の通信端末へ送信されると、前記第1の通信端末が受信した電話番号のデータを前記親機へ送信し、親機へ送信された電話番号のデータは回線へ送出されることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信システムであり、前記第2の通信端末は携帯電話装置であり、前記第1の通信端末と親機は、コードレス電話装置であることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の通信システムであり、前記第2の通信端末から前記第1の通信端末へは赤外線通信により電話番号のデータが送信され、前記第1の通信端末から前記親機へは、アナログコードレス電話又はデジタルコードレス電話の通信プロトコルに基づいて電話番号のデータが送信されることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
回線と接続された親機と無線接続可能な第1の通信端末と、当該第1の通信端末へ電話番号のデータを送信可能な第2の通信端末とからなる通信システムの通信方法であって、
前記第2の通信端末において、前記第1の通信端末へ送信する電話番号のデータを生成するデータ生成工程と、
前記データ生成工程にて生成された電話番号のデータを送信する送信工程と、
前記送信された電話番号のデータを前記第1の通信端末が受信する受信工程と、
当該受信工程により受信された電話番号のデータを前記親機を介して回線へ送信する発呼工程と、
を行うことを特徴とする通信方法。
【請求項6】
回線と接続された親機と無線接続可能な第1の通信端末と、当該第1の通信端末へ電話番号のデータを送信可能な第2の通信端末とからなる通信システムの通信方法であって、前記第2の通信端末は電話番号のデータを複数格納可能な格納手段を有しており、
前記第2の通信端末において、前記第1の通信端末へ送信する電話番号のデータを前記格納手段から選択し、生成するデータ生成工程と、
前記データ生成工程にて生成された電話番号のデータを送信する送信工程と、
前記送信された電話番号のデータを前記第1の通信端末が受信する受信工程と、
当該受信工程により受信された電話番号のデータを前記親機を介して回線へ送信する発呼工程と、
を行うことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−5001(P2009−5001A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162787(P2007−162787)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】