説明

通信機器及び記憶媒体

【課題】 本発明の課題は、表示形式の異なる通信機器間で、電子メール等の送受信を行う際に、通信相手の表示形式に適応させて、メッセージを作成あるいは表示することを可能とする通信機器を提供することである。
【解決手段】 通信機器1は、送信相手が使用する通信機器に関する情報(端末情報)を当該送信相手のメールアドレス等と対応づけて記憶部に記憶する。そして、通信機器1は、表示画面の大きさ、表示桁数等の異なる通信機器どうしで電子メール等の送受信を行う場合に、送信相手のメールアドレス等により特定されるこの端末情報を参照し、当該端末情報に基づいて、表示部6に送信相手の通信機器(送信先機器)における画面イメージを表示し、併せて、送信先機器20の受信可能文字数等の各種情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子メール等のメッセージを交換する通信機器等に係り、詳細には、他の通信機器の表示形式に適応したメッセージを作成・表示する通信機器等に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信ネットワークの発達に伴い、PC(Personal Computer)、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)あるいは携帯電話等により、テキストデータ等の情報の送受信が盛んに行われ、とりわけ、LAN(Local AreaNetwork)や電話回線を利用した電子メールが盛んに利用されている。この電子メールは、通信ネットワークを介して、PC、携帯情報端末、携帯電話等の異なる通信機器同士で送受信が可能である。例えば、PCと携帯電話の間で互いに電子メールの送受信が可能である。
【0003】そして、この電子メールは、送信者側の通信機器における電子メールの作成と受信者側の通信機器における電子メールの表示が、それぞれ独立して行われる。即ち、送信者側の通信機器上で任意に作成された電子メールがデータ化されて送信されると、当該データが受信者側の通信機器上で受信され、表示される。
【0004】ところで、近年の移動体通信ネットワークの発展により、携帯情報端末に代表されるように、通信機器が携帯されるようになった。これに伴って、通信機器の小型化が進み、情報を表示する表示画面も小型化している。
【0005】このような場合、表示画面の大きさ、表示桁数の違い等により、送信者側の通信機器と受信者側の通信機器では、表示画面形式が異なる場合が生じる。図1111および図12は、このように、表示画面形式の異なる通信機器間で電子メール等の送受信を行った場合の表示画面の一例を示す図である。図11は、表示画面の大きな通信機器を使用するユーザが、表示画面の小さな通信機器にメッセージを送信した場合の一例を示す図である。この場合、従来の通信機器は、受信者側の通信機器の表示画面において、送信者側の通信機器の表示画面と、表示桁数、表示可能文字数等が異なるため、文章の途中で強制的に改行が行われる場合が生じる。あるいは、表示画面において1度に表示できる文字数を超えてメッセージが送信されることにより表示画面に表示しきれない部分のメッセージを表示させるために、画面をスクロールさせる操作が必要となる場合等が生じる。
【0006】また、図12は、表示画面の大きな通信機器を使用するユーザが、表示画面の小さな通信機器から送信されたメッセージを受信した場合の一例を示す図である。この場合、従来の通信機器は、受信者側の通信機器で受信したメッセージは、送信者側の通信機器の表示画面において改行されている位置で改行されない。そのため、メッセージ中の送信者が改行を想定した位置で改行が行われず、送信者が改行を利用して入力したメッセージ(例えば、顔文字等。)が、送信者の意図した形式で表示されない。このように、従来の通信機器においては、送信者側の表示画面と受信者側の表示画面との整合性がなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば顔文字に代表される、記号等を組み合わせることによって作成される絵などの、改行を意図的に行い、文字の配列を意識した文章を送受信する場合においては、文章の途中で強制的に改行が行われると、送信者の意図する形式で文章が表示されない。さらに、不適切な位置で強制的に改行が行われるため、表示されたメッセージが読みづらいものとなる。
【0008】また、送信者側の通信機器と受信者側の通信機器とで表示可能文字数が異なるため、送信者が送信した文字数より受信者側の通信機器の表示可能文字数が少ない場合には、表示しきれない分の文字を表示するために、受信者は、画面のスクロール操作をしなければならず、一見して全文書を把握できなかった。そして、表示画面をスクロールして全文書を表示する場合に、受信者は、スクロールボタンを押す等、煩雑な操作を行わなければならなかった。
【0009】さらに、通信機器によって半角、全角、カタカナ等の表示可能文字種が異なる場合があり、受信者側で適切にメッセージが表示されないことが生じていた。また、このような場合に、送信者は、受信者側の通信機器における表示に不都合が生じることを把握できなかった。
【0010】本発明の課題は、表示形式の異なる通信機器間で、電子メール等の送受信を行う際に、通信相手の表示形式に適応させて、メッセージを作成あるいは表示することを可能とする通信機器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、ネットワークを介してメールの送信を行う通信機器において、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とが関連づけられて記憶されている記憶手段(例えば、図1のCPU2、記憶部7および記憶媒体8)と、前記記憶手段に記憶されたメールアドレスを送信先として指定する送信先指定手段(例えば、図1のCPU2、入力部3およびRAM4)と、前記送信先指定手段により指定されたメールアドレスに関連づけられた前記機器情報を検知する機器情報検知手段(例えば、図1R>1のCPU2、記憶部7および記憶媒体8;図4のステップS503)と、前記機器情報検知手段により検知された前記機器情報に基づいてメールを作成する作成手段(例えば、図1のCPU2、入力部3および表示部6;図4のステップS504〜ステップS511)と、を備えたことを特徴としている。
【0012】この請求項1記載の発明によれば、ネットワークを介してメールの送信を行う通信機器において、記憶手段は、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とを関連づけられて記憶し、送信先指定手段は、前記記憶手段に記憶されたメールアドレスを送信先として指定し、機器情報検知手段は、前記送信先指定手段により指定されたメールアドレスに関連づけられた前記機器情報を検知し、作成手段は、前記機器情報検知手段により検知された前記機器情報に基づいてメールを作成する。
【0013】また、請求項6記載の記憶媒体は、ネットワークを介してメールの送信を行うための制御プログラムを格納した記憶媒体であって、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とを関連づけて記憶させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、前記記憶されたメールアドレスを送信先として指定させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、前記指定されたメールアドレスに関連づけられた前記機器情報を検知させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、前記検知された前記機器情報に基づいてメールを作成させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、を含むプログラムを格納したことを特徴としている。
【0014】この請求項6記載の記憶媒体によれば、ネットワークを介してメールの送信を行うための制御プログラムを格納した記憶媒体であって、この記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより、コンピュータは、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とを関連づけて記憶させた後、前記記憶されたメールアドレスを送信先として指定させ、前記指定されたメールアドレスに関連づけられた前記機器情報を検知させ、前記検知された前記機器情報に基づいてメールを作成させる。
【0015】したがって、この請求項1及び請求項6記載の発明によって、表示画面形式の異なる通信機器にメッセージを作成・送信する際に、送信相手の使用する通信機器の表示画面形式を反映させてメッセージを作成することが可能となり、送信者側の通信機器の表示画面と受信者側の通信機器の表示画面との間で整合を図ることができる。
【0016】さらに、請求項2記載の発明のように、請求項1記載の通信機器において、前記作成手段は、前記機器情報に基づいてメール入力画面を表示する入力画面表示手段と、この入力画面表示手段に表示された入力画面に、前記機器情報に基づいて入力する入力手段により構成され、前記機器情報は、表示桁数、表示行数、送信可能文字数、表示可能文字種および添付ファイルの可否の情報により構成されることとしてもよい。
【0017】この請求項2記載の発明によれば、送信先機器の表示画面の表示桁数および表示行数、当該通信機器に対して送信可能な文字数、当該通信機器において、表示が可能な文字種およびオープンが可能な添付ファイルの種別を送信者が考慮しながら、メッセージを作成できる。そのため、送信者は、送信者側の通信機器で作成・送信したメッセージが、送信先機器において、どのように受信・表示されるかをより的確に把握しながらメッセージを作成することができる。
【0018】請求項3記載の発明のように、請求項1または2記載の通信機器において、前記機器情報検知手段は、前記送信先指定手段により送信先として指定された複数のメールアドレスに関連づけられた各機器情報の中で、最も制限された機器情報を検知することとして構成してもよい。
【0019】この請求項3記載の発明によれば、複数の送信先に、同時に同一内容のメッセージを送信する場合に、複数送信先の機器情報の中で、表示桁、表示行等の条件が、最も制限された送信先の機器情報に合わせて、メッセージを作成することが可能となる。そのため、いずれの送信先機器においても、表示画面の大きさに起因して、メッセージ中の不適切な位置で改行が行われる等の問題を防ぐことができ、また、いずれの送信先においても、送信されたメッセージが、表示不可能となることを防ぐことができる。
【0020】請求項4記載の発明は、ネットワークを介してメールの受信を行う通信機器において、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とが関連づけられて記憶されている記憶手段(例えば、図1のCPU2、記憶部7および記憶媒体8)と、受信したメールアドレスと関連づけられた前記機器情報を検知する機器情報検知手段(例えば、図1のCPU2、記憶部7および記憶媒体8;図9のステップS805)と、前記機器情報検知手段により検知された機器情報に基づいて、受信メールを表示する受信メール表示手段(図1のCPU2および表示部6;図9のステップS807およびステップS809)と、を備えたことを特徴としている。
【0021】この請求項4記載の発明によれば、ネットワークを介してメールの受信を行う通信機器において、記憶手段は、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とを関連づけて記憶し、機器情報検知手段は、受信したメールアドレスと関連づけられた前記機器情報を検知し、受信メール表示手段は、前記機器情報検知手段により検知された機器情報に基づいて、受信メールを表示する。
【0022】また、請求項7記載の記憶媒体は、ネットワークを介してメールの受信を行うための制御プログラムを格納した記憶媒体であって、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とを関連づけて記憶させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、受信したメールアドレスと関連づけられた前記機器情報を検知させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、前記検知された機器情報に基づいて、受信メールを表示させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、を含むプログラムを格納したことを特徴としている。
【0023】この請求項7記載の記憶媒体によれば、ネットワークを介してメールの受信を行うための制御プログラムを格納した記憶媒体であって、この記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより、コンピュータは、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とを関連づけて記憶させた後、受信したメールアドレスと関連づけられた前記機器情報を検知させ、前記検知された機器情報に基づいて、受信メールを表示させる。
【0024】したがって、この請求項4および請求項7記載の発明によって、表示画面形式の異なる通信機器からメッセージを受信・表示する際に、送信者が使用する通信機器の表示画面形式を反映させてメッセージを表示することが可能となり、送信者側の通信機器の表示画面と受信者側の通信機器の表示画面との間で整合を図ることができる。
【0025】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4記載の通信機器において、ネットワークに接続された通信手段(例えば、図1の通信部5)をさらに備え、前記記憶手段は、着脱自在な記憶媒体(例えば、図1の記憶媒体8)をさらに備え、前記通信手段および前記記憶媒体を介して取得した機器情報とメールアドレスとの関連を設定する設定手段(例えば、図1のCPU2、入力部3、記憶部7および記憶媒体8)をさらに備えたことを特徴としている。
【0026】この請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4記載の発明において、通信手段は、ネットワークに接続され、記憶媒体は、前記記憶手段に着脱自在に備えられ、設定手段は、前記通信手段および前記記憶媒体を介して取得した機器情報とメールアドレスとの関連を設定する。
【0027】したがって、この請求項5記載の発明によって、機器情報をネットワークを介してデータベースからダウンロードして取得することができ、また、機器情報が記憶された記憶媒体を介して取得することができる。さらに、取得した機器情報とメールアドレスを関連づけることが可能となるため、通信相手の使用する通信機器が変化した場合にも、柔軟に対応することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図10を参照して本発明に係る通信機器の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)図1〜図8は、本発明を適用した第1の実施の形態における通信機器1を示す図である。
【0029】通信機器1は、送信相手が使用する通信機器に関する情報(以下、端末情報81という。)を当該送信相手のメールアドレス等と対応づけて記憶部7に記憶する。そして、通信機器1は、表示画面の大きさ、表示桁数等の異なる通信機器どうしで電子メール等の送受信を行う場合に、送信相手のメールアドレス等により特定されるこの端末情報81を参照し、当該端末情報81に基づいて、表示部6に送信相手の通信機器(以下、送信先機器20という。)における画面イメージを表示し、併せて、送信先機器20の受信可能文字数等の各種情報を表示する。このように、通信機器1は、送信者側の通信機器において、受信者側の通信機器の端末情報81を反映させて電子メール等のメッセージを作成できるため、送信者側の通信機器の表示画面と受信者側の通信機器の表示画面の間での整合を図ることができる通信機器である。
【0030】まず構成を説明する。図1は、本第1の実施の形態における通信機器1の内部構成を示すブロック図である。この図1において、通信機器1は、CPU2と、入力部3と、RAM4と、通信部5と、表示部6と、記憶部7と、記憶媒体8とから構成されており、記憶媒体8を除く各部はバス9によって接続されている。さらに、通信部5は、通信回線に接続されている。
【0031】CPU(Central Processing Unit)2は、記憶部7内の記憶媒体8に記憶されている当該通信機器1に対応する各種アプリケーションプログラムの中から指定されたアプリケーションプログラムや、入力部3から入力される各種指示信号に応じた各種データ等をRAM4内に格納する。そして、この指示信号等に応じて、RAM4内に格納したアプリケーションプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM4内に格納するとともに、表示部6に出力して表示する。そして、CPU2は、RAM4内に格納した処理結果を入力部3から入力指示される記憶部7内の記憶媒体8の保存先に保存する。さらに、CPU2は、入力部3から入力される各種指示信号あるいはRAM4内に格納したアプリケーションプログラムに応じて、各種データを通信部5を介して送受信する。
【0032】また、CPU2は、ユーザによって、入力部3から電子メール等の送信・編集指示が入力された場合、記憶部7の記憶媒体8からメール送信・編集処理プログラムを読み出し、メール送信・編集処理を実行することにより、表示部6に送信先機器20における表示画面イメージおよび送信先機器20の受信可能文字数等を表示する。さらに、CPU2は、電子メールのメッセージが編集される際、メッセージの送信先のメールアドレスに基づいて、記憶媒体8に記憶された端末情報81を特定し、当該端末情報81を読み出して、RAM4に格納する。そして、CPU2は、編集されているメッセージが、送信先機器20における受信可能文字数を越えて入力されている場合等、端末情報81として記憶されている条件に違反した場合に、それぞれの違反に応じて、表示部6に警告表示を行う。
【0033】入力部3は、カーソルキーや数字入力キー等を備えたキーボード及びマウス等のポインティングデバイスを含み、キーボードにおいて押下されたキーの押下信号やマウスの位置信号をCPU2に出力する。
【0034】RAM(Random Access Memory)4は、CPU2が上記各種アプリケーションプログラムを実行する際に各種データを展開するプログラム格納領域を形成すると共に、CPU2が上記メール送信・編集処理(図4R>4参照)を実行する際に、送信先機器20の端末情報81等を一時的に格納するためのメモリ領域を形成する。表示部6は、CRT(Cathode Ray Tube)等により構成され、CPU2から入力される表示データを表示する。
【0035】記憶部7は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記憶媒体8を有しており、この記憶媒体8は磁気的、光学的記憶媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体8は記憶部7に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、この記憶媒体8にはメール送信・編集処理プログラム、通信機器1に対応する各種アプリケーションプログラムを記憶され、また、これらの各種処理プログラムで処理されたデータ等を記憶されている。
【0036】さらに、記憶媒体8には、送信先機器20に関する情報、即ち、送信先機器20の製品名称を表す端末名称、送信先機器20を製造したメーカ名、送信先機器20の詳細な製品コードを表す機種コード、送信先機器20の表示画面における表示桁数、表示行数および受信制限文字数等から構成される端末情報81(図2参照)が、送信先機器20毎に記憶されている。また、記憶媒体8には、通信相手の名前、メールアドレスおよび通信相手が使用する端末名称等からなるアドレスデータ82(図3参照)が記憶されている。
【0037】ここで、図2および図3を参照して、記憶媒体8に記憶された端末情報81およびアドレスデータ82について説明する。
【0038】図2は、1つの送信先機器20に関する端末情報81の構成を示す図である。上記の通り、端末情報81は、送信先機器20毎に異なるものであり、これら送信先機器20毎の端末情報81は、予め通信機器1に記憶されていることとしてもよく、また、ユーザによって、新たに入力・記憶されることとしてもよい。この図2において、端末情報81には、当該端末情報81を特定するための端末ID、送信先機器20の製品名称を表す端末名称、送信先機器20を製造したメーカ名、送信先機器20の詳細な製品コードを表す機種コードが記憶されており、さらに、当該送信先機器の表示画面における表示桁数および表示行数、当該送信先機器が受信可能な文字数、当該送信先機器が対応している文字種別(例えば、1byteコードや2byteコード、あるいは、日本語漢字やアラビア文字等)が記憶されている。また、当該送信先機器の仕様により、半角表示のみ可能である文字コード(半角対応文字コード)や記号コード(記号対応文字コード)、あるいは、当該送信先機器において、オープンが可能な添付ファイルの形式(添付ファイル対応形式)が記憶されている。
【0039】図3は、アドレスデータ82の構成を示す図であり、このアドレスデータ82は、各送信相手の名前やメールアドレス等の一連のデータを各送信者毎に複数連結して構成される。この各送信者毎の一連のデータを以下宛先プロパティと呼ぶ。この図3において、アドレスデータ82には、送信相手の名前、送信相手のメールアドレス、送信相手が使用している送信先機器の端末情報81を指し示す端末ID等が記憶されている。そして、メール送信・編集処理において、送信相手のメールアドレスが入力されると、CPU2は、このアドレスに対応した端末IDをアドレスデータ82から読み出し、送信先機器の端末情報を判別する。そして、判別した端末情報81に基づいて、メッセージの表示形式を変更し、表示部6に送信先機器の表示画面を想定した画面イメージ(以下、宛先画面イメージという。)を表示する。
【0040】また、通信部5は、バス9と通信回線とを接続して、CPU2によって実行されるメール送信・編集処理(図4参照)に係るデータをバス9と通信回線間で送受信する。この通信回線は、通信機器1におけるメールの送受信が可能な既存の電話回線であってもよいし、メールの送受信が可能であれば任意のネットワークであってもよい。
【0041】次に動作を説明する。まず、メール送信・編集処理について図4を参照して説明する。図4は、CPU2によって実行されるメール送信・編集処理の動作を示すフローチャートである。
【0042】図4において、CPU2は、入力部3からメール送信・編集処理が指示され、宛先として電子メールの送信先メールアドレス等の入力が行われると(ステップS501)、記憶媒体8のアドレスデータ82の中に、送信先のメールアドレスに対応したデータ(宛先プロパティ)があるか否かの判断を行う(ステップS502)。
【0043】ステップS502において、CPU2は、宛先プロパティがあると判断した場合、記憶媒体8から宛先プロパティを読み出し、当該宛先プロパティの端末IDに基づいて、端末情報81を読み出す(ステップS503)。そして、読み出した端末情報81を宛先画面イメージのパラメータとする(ステップS504)。そして、CPU2は、当該パラメータに基づいて、宛先画面イメージエリア6b(メッセージを除いた宛先画面イメージ)を表示する(ステップS505)。
【0044】ステップS502において、宛先プロパティに端末IDがないと判断した場合には、CPU2は、予め定められたデフォルト値を宛先画面イメージのパラメータとし(ステップS506)、ステップS505に移行する。
【0045】次に、CPU2は、メッセージの編集を行うための、入力・編集モードに移行する(ステップS507)。そして、メッセージが宛先画面イメージエリア6bに入力されると、CPU2は、端末情報81に基づいて、入力された文字数が送信先機器20の受信可能文字数以内であるか否かの判断を行う(ステップS508)。
【0046】ステップS508において、入力された文字数が送信先機器20の受信可能文字数以内である場合、CPU2は、入力された文字数(記入文字数)および送信可能文字数を表示する(ステップS509)。
【0047】ステップS508において、CPU2は、入力された文字数が送信先機器20の受信可能文字数を超えていると判断した場合、入力文字数が、送信先機器20の受信可能文字数を超えていることを示す警告表示を行い(ステップS510)、ステップS509に移行する。
【0048】ここで、メール送信・編集処理に従ってメッセージが作成され、表示画面形式の異なる送信先機器に送信された場合の表示画面の構成について、図5を参照して説明する。図5(a)は、メール送信・編集処理に従って宛先画面イメージが表示され、メッセージが編集された表示画面の一例を示す図であり、入力された文字数および送信先機器20の受信可能文字数が表示部分6aに表示されている。この図5(a)において、メッセージが入力されると、宛先の画面イメージの中に当該メッセージが表示されるため、ユーザは、送信先機器20において表示される画面の形式を想定しながら、メッセージを作成することが可能である。そして、入力された文字数が、受信可能文字数を超えた場合、警告表示が行われる。
【0049】また、図5(b)は、図5(a)において作成・送信されたメッセージを、送信先機器20が、受信・表示した時の表示画面の一例を示す図である。この図5(b)において、作成・送信されたメッセージは、通信機器1において、予め送信者によって送信先機器20の表示画面形式に適合した形式で入力されるため、メッセージ中の適切な位置で改行が行われ、スクロールを必要としないように、1画面の中で表示できる文字数で記載されている。
【0050】図4において、ステップS509の処理の後、CPU2は、入力・編集モードが終了したか否かの判断を行う(ステップS511)。CPU2は、入力・編集モードが終了していないと判断した場合、ステップS507に移行する。また、ステップS511において、CPU2は、入力・編集モードが終了したと判断した場合、メール送信・編集処理を終了する。
【0051】以上のように、本第1の実施の形態における通信機器1は、送信先機器20の端末情報81を記憶しており、電子メールのメッセージを作成する際に、送信先のメールアドレスにより端末情報81を特定し、送信先機器20における表示画面を想定した宛先画面イメージエリア6bが表示される。
【0052】したがって、従来の通信機器は、送信者側において、送信先機器における表示画面形式に適合させた電子メールのメッセージを作成することは困難であったが、通信機器1は、送信者側の通信機器において、送信先機器20の端末情報81を反映させて電子メールのメッセージを作成できるため、送信者側の通信機器の表示画面と送信先機器20の表示画面の間での整合を図ることができる。
【0053】尚、図4に示したメール送信・編集処理において、送信先機器20で表示できない文字(以下、この文字コードを禁止文字コードという。)が入力された場合に警告表示を行うこととしてもよい。さらに、送信先機器20で半角あるいは全角の文字コードが表示可能であるかを判断し、入力された文字を送信先機器20で表示可能な文字コードに変換して、通信機器1の表示画面に表示する処理を行うこととしてもよい。図6は、このメール送信・編集処理の変形例1を示すフローチャートである。
【0054】図6において、図4のフローチャートと異なる部分は、ステップS509とステップS511間に新たな処理が加えられた部分であるため、図4のフローチャートと同一ステップには同一の符番を付して、同一ステップの説明は省略する。
【0055】図6において、ステップS509の後、CPU2は、メッセージ作成中に、禁止文字コードが入力されたか否かの判断を行う(ステップS601)。
【0056】ステップS601において、禁止文字コードが入力されていないと判断した場合、CPU2は、送信先機器20で半角あるいは全角の文字コードが制限されているか否かの判断を行う(ステップS602)。ステップS601において、CPU2は、禁止文字コードが入力されたと判断した場合、警告表示を行い(ステップS603)、ステップS507に移行する。
【0057】ステップS602において、送信先機器20の半角あるいは全角の制限された文字コードに該当する文字コードが入力されていないと判断した場合、CPU2は、入力された文字をそのまま宛先画面イメージに表示し、ステップS511に移行する。
【0058】ステップS602において、入力された文字が半角文字であり、かつ、送信先機器20において、半角の文字コードが制限されていると判断した場合、CPU2は、入力された文字を全角文字に変換して、宛先画面イメージに表示する(ステップS604)。
【0059】ステップS602において、入力された文字が全角文字であり、かつ、送信先機器20において、全角の文字コードが制限されていると判断した場合、CPU2は、入力された文字を半角文字に変換して、宛先画面イメージに表示する(ステップS605)。
【0060】次いで、CPU2は、ステップS511に移行する。以上が、メール送信・編集処理の変形例1である。
【0061】このように、メール送信・編集処理を変形することにより、送信先機器20において、表示不可能な文字が作成中のメッセージに入力された場合に、入力された文字が送信先機器20において表示不可能であることを示す警告が表示される。さらに、半角あるいは全角の一方の文字コードでのみ表示可能な文字が作成中のメッセージに入力された場合に、当該文字が送信先機器20において表示可能な文字コードに変換されて表示される。
【0062】したがって、送信者は、送信先機器20において表示不可能な文字の送信を未然に防ぐことができる。また、送信先機器20において半角あるいは全角の一方の文字コードでのみ表示可能な文字をメッセージに入力した場合にも、送信者は、送信先機器20における画面イメージを的確に想定することができるため、送信者の意図する改行位置と異なる位置で改行される等の不都合を防ぐことができる。
【0063】さらに、図4に示したメール送信・編集処理において、複数の宛先に、同時に同一内容のメッセージを送信する場合に、複数の送信先機器20の内、最も制限された表示桁数および表示行数の送信先機器20を宛先画面イメージとし、この宛先画面イメージに適合するように、メッセージ中に改行コードを挿入することとしてもよい。図7は、このメール送信・編集処理の変形例2を示すフローチャートである。
【0064】図7において、図4のフローチャートと同一ステップには同一の符番を付しており、同一ステップの説明は省略する。
【0065】図7において、ステップS502において、それぞれの宛先プロパティにおいて端末IDの有無を判断し、端末IDがないと判断した場合には、CPU2は、端末IDがないと判断した宛先について、当該宛先の端末情報にデフォルト値をセットする(ステップS701)。次いで、CPU2は、ステップS702に移行する。
【0066】ステップS503又はS701の処理の後、CPU2は、各宛先の端末情報の中で、表示桁数および表示行数が最も小さい端末情報を検索・取得し(ステップS702)、検索されたそれぞれの表示桁数および表示行数を宛先の画面イメージとする(ステップS703)。次いで、CPU2は、ステップS505に移行し、さらに、ステップS507に移行する。そして、ステップS507において、メッセージが入力されると、宛先画面イメージに適合するように、強制的に改行コードを挿入する。以上が、メール送信・編集処理の変形例2である。
【0067】このように変形したメール送信・編集処理を行うことにより、複数の送信先に、同時に同一内容のメッセージを送信する場合に、複数の送信先機器20の端末情報81の中で、表示桁、表示行等の条件が、最も制限された送信先機器20の端末情報81に合わせて、通信機器1の表示画面に画面イメージが表示される。
【0068】したがって、全ての送信先機器20において、表示画面の大きさに起因して、メッセージ中の不適切な位置で改行が行われる等の問題を防ぐことができる。
【0069】なお、メール送信・編集処理の変形例2において、複数の送信先機器20の中で、宛先プロパティに端末IDがない送信先機器20については、デフォルト値を当該送信先機器20の端末情報81として設定した上で、全送信先機器20の端末情報81の条件を比較する処理を行うこととしたが、宛先プロパティに端末IDのある送信先機器20については、これらの端末情報81の中で条件を比較し、画面イメージを表示して、メッセージの作成・送信を行う。そして、宛先プロパティに端末IDのない送信先機器20については、デフォルト値を端末情報81として設定し、画面イメージを表示して、メッセージを作成した後に、再度送信を行うこととしてもよい。
【0070】また、本第1の実施の形態において、端末情報81は、送信先機器20のメーカ毎にグループに分け、データベースとして管理することとしてもよい。図8R>8は、一つのメーカに対して、複数の端末情報81が格納された端末情報データベースの概略構成を示す図である。
【0071】端末情報81は、予め通信機器1の記憶媒体8に記憶されているか、ユーザが、マニュアル操作により入力することとして説明したが、通信機器1内でこのような端末情報データベースを管理することとしてもよく、また、通信部5を介して、ネットワークに接続し、ホームページ等のデータベースからダウンロードして取得することとしてもよい。
【0072】(第2の実施の形態)次に、本発明を適用した第2の実施の形態における通信機器100について、図9および図10を参照して説明する。
【0073】本第2の実施の形態における通信機器100の要部構成は、記憶媒体8に記憶されるメール受信簿および受信メールの送信者に関する情報(以下、送信者プロパティという。)を除いて、図1に示す第1の実施の形態における通信機器1の要部構成と同様のものであるため、他の構成部分については、説明を省略するとともに、第1の実施の形態の要部と同一の符番を付して説明する。
【0074】本第2の実施の形態における通信機器100は、表示画面形式の異なる他の通信機器から送信された電子メール等のメッセージを受信した場合に、記憶媒体8に記憶された端末情報81に基づいて、送信元機器30の表示画面における画面イメージ(以下、送信元画面イメージという。)を表示し、送信元画面イメージに適合させた形式で、メッセージを表示するものである。従って、第1の実施の形態との相違点である、このメール受信・表示処理(図9参照)を中心として以下説明する。
【0075】まず、記憶媒体8に記憶されるメール受信簿および送信者プロパティについて説明する。通信機器100の記憶媒体8には、メール受信簿が記憶されており、メール受信簿には、通信機器100が過去に受信した電子メールが蓄積して記憶されている。また、記憶媒体8には、第1の実施例において示した、アドレスデータ82が記憶されるが、このアドレスデータ82には、宛先プロパティが格納される。但し、送信者プロパティと宛先プロパティとはデータ構成が同一であり、送信者プロパティ内の端末IDが、送信元となる通信機器(以下、送信元機器30という。)の端末情報81を指し示している。
【0076】次に、通信機器100の動作を説明する。図9は、通信機器100のCPU2が行うメール受信・表示処理の動作を示すフローチャートである。図9において、CPU2は、入力部3を介して、メール受信・表示処理の実行が指示されると、ユーザにメール受信指示または受信簿確認指示の入力を促す表示を行う(ステップS801)。
【0077】ステップS801において、ユーザにより受信簿確認指示が入力されたと判断した場合、CPU2は、メール受信簿にアクセスし、メール受信簿の一覧を表示する。そして、CPU2は、ユーザに、メール受信簿の一覧の中から、メッセージを表示するメールの選択を促す指示を行う(ステップS802)。また、メール受信指示が入力されたと判断した場合、CPU2は、メールを受信する処理を行い(ステップS804)、ステップS802に移行する。
【0078】ステップS802において、ユーザにより、メッセージを表示するメールが選択されると、CPU2は、選択されたメールの送信者プロパティにアクセスし、送信者プロパティに端末IDがあるか否かの判断を行う(ステップS803)。
【0079】ステップS803において、送信者プロパティに端末IDがあると判断した場合、CPU2は、当該端末IDに基づいて、端末情報81を読み出し(ステップS805)、読み出した端末情報81を送信元画面イメージのパラメータとする(ステップS806)。
【0080】次いで、CPU2は、当該パラメータに基づいて送信元画面イメージエリア(メッセージを除く送信元画面イメージ)6cを表示する(ステップS807)。
【0081】ステップS803において、送信者プロパティに端末IDがないと判断した場合、CPU2は、予め定められたデフォルト値を送信元画面イメージのパラメータとし(ステップS808)、ステップS807に移行する。
【0082】ステップS807の後、CPU2は、送信元画面イメージエリア6cにメッセージを表示する(ステップS809)。
【0083】ここで、図10を参照して、メール受信・表示処理に従って送信されたメッセージが表示された例について説明する。
【0084】図10は、送信元機器30から通信機器100にメッセージが送信され、メール受信・表示処理に従って送信されたメッセージが表示された場合の表示画面を示す図である。
【0085】この図10において、送信元機器30でメッセージが作成・送信されると、通信機器100は、送信されたメッセージを受信・表示する。この際、通信機器100の記憶媒体8の中から、送信元機器30に該当する端末情報81が読み出され、読み出された端末情報81に基づいて、通信機器100の表示部6に送信元画面イメージエリア6cが表示される。そして、表示された送信元画面イメージエリア6cの中に、受信したメッセージが送信元機器30の表示形式を反映させた形式で表示される。
【0086】図9においてステップ809の処理の後、CPU2は、メール受信・表示処理の終了が指示されたか否かの判断を行う(ステップS810)。
【0087】そして、CPU2は、ユーザにより、終了指示が入力されていないと判断した場合、ステップS809に移行し、終了指示が入力されたと判断した場合、メール受信・表示処理を終了する。
【0088】以上のように、本第2の実施の形態における通信機器100は、送信元機器30の端末情報81を記憶しており、受信した電子メールのメッセージを表示する際に、送信元のメールアドレスに基づいて端末情報81を特定し、送信元機器30における表示画面を想定した画面イメージを表示する。
【0089】したがって、従来の通信機器は、受信者側において、送信元機器における表示画面形式に適合させた電子メールのメッセージを表示することは困難であったが、通信機器100は、受信者側の通信機器において、送信元機器30の端末情報81を反映させて電子メールのメッセージを表示できるため、受信者側の通信機器の表示画面と送信元機器30の表示画面の間での整合を図ることができる。
【0090】なお、送信元機器30が、第1の実施の形態における通信機器1である場合において、送信元機器30から機種の異なる複数の通信機器100を送信先機器20として、同時に、同一内容のメッセージを送信することが考えられる。このとき、送信元機器30(通信機器1)において、複数の送信先機器20(通信機器100)の端末情報81の中で、表示桁数および表示行数が最も小さい端末情報81を検索・取得し、この端末情報81に適合させて、メッセージが作成・送信される。
【0091】次いで、送信先機器20(通信機器100)は、送信された当該メッセージを受信・表示する。この際、送信元機器30(通信機器1)が送信する電子メールには宛先となる全ての送信先機器20(通信機器100)のメールアドレスが記載されている。そして、メッセージを受信した通信機器100において、受信メールに記載されたメールアドレスについて、送信者プロパティが記憶されている場合には、当該送信者プロパティの中の端末IDを取得する。さらに、取得した端末IDに基づいて、宛先となっているメールアドレスの端末情報81を比較し、それらの中で、最も表示桁および表示行が小さい端末情報81を検索・取得して受信メッセージを表示する。通信機器100を以上のように構成することとしてもよい。
【0092】この場合には、通信機器100を含む各送信先機器20において、受信した電子メールの宛先となっているメールアドレスから端末情報81を取得し、それらの中で最も表示桁数および表示行数が制限された端末情報81に基づいて、メッセージが表示される。
【0093】したがって、通信機器1が送信元機器30となり、複数の宛先に送信した場合に、送信先機器20となる通信機器100において、送信者がメッセージを入力した画面形式と同一の画面形式で受信メッセージを表示することができる。
【0094】また、第1の実施の形態および第2の実施の形態における通信機器1、100は、予め端末情報81を記憶媒体8に記憶しておき、この端末情報81に基づいてメッセージを作成あるいは表示することとして説明したが、端末情報81を、以下のようにして取得することとしてもよい。即ち、メッセージを送信する際に、送信者側の通信機器は、当該通信機器の端末情報81もメッセージと共に送信し、この送信された端末情報81に基づいて、受信者側の通信機器が受信したメッセージを表示することとしてもよい。
【0095】例えば、送信元機器30から複数の宛先に送信する場合に、送信元機器30において、送信先の端末情報81の中で最も制限された端末情報81の条件に基づいて、メッセージが作成される。そして、当該メッセージと当該端末情報81を一つの電子メールとして共に送信し、通信機器100において、受信した電子メールから当該端末情報81を読み出し、送信元画面イメージのパラメータとしてもよい。
【0096】この場合には、通信機器100の表示画面より表示行数等の条件が制限されたメッセージが作成・送信された場合にも、通信機器100において、作成された条件と同条件でメッセージが表示されるため、送信者の意図を反映して、適切にメッセージが表示される。
【0097】また、端末情報81をメッセージと共に送信することにより、さらに次のような効果が得られる。即ち、複数の通信機器を持つユーザが、異なる通信機器において、同一のメールアドレスを用いた電子メールを送信する場合、メッセージの送信に使用した通信機器の端末情報が電子メールを送信する毎に受信者側に送信される。そのため、受信者側の通信機器において、同一のメールアドレスでありながら、受信メールのメッセージが、常に適切に表示される。
【0098】また、端末情報81のみを送受信し、各通信相手の端末情報を取得することとしてもよく、さらに、端末情報81は、メーカ等がネットワークを介して、あるいは記憶媒体により配布することとしてもよい。
【0099】
【発明の効果】請求項1及び請求項6記載の発明によれば、表示画面形式の異なる通信機器にメッセージを作成・送信する際に、送信相手の使用する通信機器の表示画面形式を反映させてメッセージを作成することが可能となり、送信者側の通信機器の表示画面と受信者側の通信機器の表示画面との間で整合を図ることができる。
【0100】請求項2記載の発明によれば、送信先機器の表示画面の表示桁数および表示行数、当該通信機器に対して送信可能な文字数、当該通信機器において、表示が可能な文字種およびオープンが可能な添付ファイルの種別を送信者が考慮しながら、メッセージを作成できる。そのため、送信者は、送信者側の通信機器で作成・送信したメッセージが、送信先機器において、どのように受信・表示されるかをより的確に把握しながらメッセージを作成することができる。
【0101】請求項3記載の発明によれば、複数の送信先に、同時に同一内容のメッセージを送信する場合に、複数送信先の機器情報の中で、表示桁、表示行等の条件が、最も制限された送信先の機器情報に合わせて、メッセージを作成することが可能となる。そのため、いずれの送信先機器においても、表示画面の大きさに起因して、メッセージ中の不適切な位置で改行が行われる等の問題を防ぐことができ、また、いずれの送信先においても、送信されたメッセージが、表示不可能となることを防ぐことができる。
【0102】請求項4及び請求項7記載の発明によれば、表示画面形式の異なる通信機器からメッセージを受信・表示する際に、送信者が使用する通信機器の表示画面形式を反映させてメッセージを表示することが可能となり、送信者側の通信機器の表示画面と受信者側の通信機器の表示画面との間で整合を図ることができる。
【0103】請求項5記載の発明によれば、機器情報をネットワークを介してデータベースからダウンロードして取得することができ、また、機器情報が記憶された記憶媒体を介して取得することができる。さらに、取得した機器情報とメールアドレスを関連づけることが可能となるため、通信相手の使用する通信機器が変化した場合にも、柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信機器1の内部構成を示すブロック図。
【図2】記憶媒体8に記憶された端末情報81の構成を示す図。
【図3】記憶媒体8に記憶されたアドレスデータ82の構成を示す図。
【図4】通信機器1のCPU2によって実行されるメール送信・編集処理の動作を示すフローチャート。
【図5】(a)は、通信機器1において、メール送信・編集処理に従って宛先画面イメージが表示され、メッセージが編集された表示画面の一例を示す図。(b)は、通信機器1において作成・送信されたメッセージを、送信先機器20が、受信・表示した時の表示画面の一例を示す図。
【図6】通信機器1のCPU2によって実行されるメール送信・編集処理の変形例1を示すフローチャート。
【図7】通信機器1のCPU2によって実行されるメール送信・編集処理の変形例2を示すフローチャート。
【図8】一つのメーカに対して、複数の端末情報81が格納された端末情報データベースの概略構成を示す図。
【図9】通信機器100のCPU2が行うメール受信・表示処理の動作を示すフローチャート。
【図10】送信元機器30から通信機器100にメッセージが送信され、メール受信・表示処理に従って送信されたメッセージが表示された場合の表示画面を示す図。
【図11】表示画面の大きな通信機器を使用するユーザが、表示画面の小さな通信機器にメッセージを送信した場合の一例を示す図。
【図12】表示画面の大きな通信機器を使用するユーザが、表示画面の小さな通信機器から送信されたメッセージを受信した場合の一例を示す図。
【符号の説明】
1、100 通信機器
2 CPU
3 入力部
4 RAM
5 通信部
6 表示部
6a 表示部分
6b 宛先画面イメージエリア
6c 送信元画面イメージエリア
7 記憶部
8 記憶媒体
81 端末情報
82 アドレスデータ
9 バス
20 送信先機器
30 送信元機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】ネットワークを介してメールの送信を行う通信機器において、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とが関連づけられて記憶されている記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたメールアドレスを送信先として指定する送信先指定手段と、前記送信先指定手段により指定されたメールアドレスに関連づけられた前記機器情報を検知する機器情報検知手段と、前記機器情報検知手段により検知された前記機器情報に基づいてメールを作成する作成手段と、を備えたことを特徴とする通信機器。
【請求項2】前記作成手段は、前記機器情報に基づいてメール入力画面を表示する入力画面表示手段と、この入力画面表示手段に表示された入力画面に、前記機器情報に基づいて入力する入力手段により構成され、前記機器情報は、表示桁数、表示行数、送信可能文字数、表示可能文字種および添付ファイルの可否の情報により構成されることを特徴とする請求項1記載の通信機器。
【請求項3】前記機器情報検知手段は、前記送信先指定手段により送信先として指定された複数のメールアドレスに関連づけられた各機器情報の中で、最も制限された機器情報を検知することを特徴とする請求項1または2記載の通信機器。
【請求項4】ネットワークを介してメールの受信を行う通信機器において、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とが関連づけられて記憶されている記憶手段と、受信したメールアドレスと関連づけられた前記機器情報を検知する機器情報検知手段と、前記機器情報検知手段により検知された機器情報に基づいて、受信メールを表示する受信メール表示手段と、を備えたことを特徴とする通信機器。
【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載の通信機器であって、ネットワークに接続された通信手段をさらに備え、前記記憶手段は、着脱自在な記憶媒体をさらに備え、前記通信手段および前記記憶媒体を介して取得した機器情報とメールアドレスとの関連を設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする通信機器。
【請求項6】ネットワークを介してメールの送信を行うための制御プログラムを格納した記憶媒体であって、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とを関連づけて記憶させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、前記記憶されたメールアドレスを送信先として指定させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、前記指定されたメールアドレスに関連づけられた前記機器情報を検知させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、前記検知された前記機器情報に基づいてメールを作成させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、を含むプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
【請求項7】ネットワークを介してメールの受信を行うための制御プログラムを格納した記憶媒体であって、メールアドレスと当該メールアドレスに対応する機器情報とを関連づけて記憶させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、受信したメールアドレスと関連づけられた前記機器情報を検知させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、前記検知された機器情報に基づいて、受信メールを表示させるためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、を含むプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図8】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2001−56790(P2001−56790A)
【公開日】平成13年2月27日(2001.2.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−231769
【出願日】平成11年8月18日(1999.8.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】