説明

通信装置および操作確認方法

【課題】 本発明は海外において使用できる携帯電話などの通信装置の操作確認をユーザに報知することができる通信装置および操作確認方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 通信処理部103は、通信接続しようとする通信網における基地局から配信される報知情報から国番号を抽出する。判断部106は、電源投入時にUSIM管理部104により取得されていた国番号と通信処理部103により取得された国番号とを比較する。そして、判断部106は、一致しないと判断すると、メッセージ生成部108は、操作確認をユーザに報知するためのヘルプ情報を生成し、ディスプレイ109に出力する。ディスプレイ109は、ヘルプ情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作確認をユーザに対して報知する通信装置および操作確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、海外で使用することができる携帯電話が開発・販売されている。この携帯電話は、ローミングなどの処理を行うことにより、海外の通信事業者により提供される無線通信網と接続することにより通信を行うものである。例えば、下記特許文献1における従来の技術の欄には、海外においても国内で使用している携帯電話が使用できる国際ローミングサービスが実施されていることが示されている。
【特許文献1】特開2005−12398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に示されているように海外の通信事業者と国内の通信事業者との間では、音声圧縮方式のみならずそのほか提供されるサービス等において様々な相違する点がある。例えば、ある国においては電子メールが使用できない、またテレビ電話が使用できないなどである。
【0004】
さらに、携帯電話は、知人、友人などの電話番号を予め登録しているアドレス帳を備えており、通常、ユーザはこのアドレス帳を用いて、電話番号をすべて入力することなく発信処理を行っている。しかしながら、通常アドレス帳に登録している電話番号は国内で使用することを前提に登録することが多いものと考えられ、海外で使用することを前提に電話番号を登録しておくことはしていない。したがって、海外からアドレス帳を用いた発信処理を行おうとする場合、登録されている電話番号の形式が異なる、すなわち電話番号の桁数が異なる、国コードが必要などにより発信処理ができないという問題がある。
【0005】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明は海外において使用できる携帯電話などの通信装置の操作確認をユーザに報知することができる通信装置および操作確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の通信装置は、通信接続しようとする通信網の地域を示す地域情報を認識する認識手段と、発信処理が行われると、前記認識手段により認識された地域が、予め定めた地域であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記認識手段により認識された地域が、予め定めた地域ではない場合には、その旨を報知する報知手段と、を備えている。
【0007】
また、本発明の操作確認方法は、通信接続しようとする通信網の地域を示す地域情報を認識する認識ステップと、発信処理が行われると、前記認識ステップにより認識された地域情報が、予め定めた地域情報であるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより前記認識手段により認識された地域情報が予め定めた地域情報ではない場合には、その旨を報知する報知ステップと、を備えている。
【0008】
この発明によれば、通信接続しようとする通信網の地域を示す地域情報を認識し、発信処理が行われると、認識された地域情報が、予め定めた地域情報であるか否かを判断する。そして、認識された地域情報が予め定めた地域情報ではない場合には、その旨を報知することができる。これにより、ユーザは発信処理に先立って予め定めた地域にいないことを認識することができ、例えば、外国にいた場合でかつ、アドレス帳を使って発信をしようとした場合に、いわゆるホーム網の国にいないことを認識することができ、発信処理が正常にできなくなることを防止または低減することができる。
【0009】
また、本発明の通信装置における報知手段は、操作確認を行うようユーザに報知することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、操作確認を行うようユーザに報知することができ、誤った発信処理を行わないようにユーザに認識させることができる。したがって、例えば、外国にいた場合でかつ、アドレス帳を使って発信をしようとした場合に、国コードを入力する必要がある、入力した電話番号に0は不要であるなどの操作確認を行わせることができ、発信処理が正常にできなくなることを防止または低減することができる。
【0011】
また、本発明の通信装置は、契約している通信事業者を示す事業者情報および当該通信事業者が属している地域を示す地域情報を記憶する加入者情報記憶手段をさらに備え、前記判断手段は、前記認識手段により認識された地域情報は前記加入者情報記憶手段に記憶されている前記地域情報であるか否かを判断することが好ましい。
【0012】
この発明によれば、USIMなどの加入者情報記憶手段において、契約している通信事業者を示す事業者情報および当該通信事業者が属している地域を示す地域情報を記憶しておき、認識された地域情報と記憶されている地域情報とを比較することで、ユーザは海外など通常いない地域で通信装置を使用しようとした場合に通常在圏している地域にいないことを認識することができる。
【0013】
また、本発明の通信装置は、地域と当該地域において提供される通信事業者とを示すデータベースを記憶する記憶手段をさらに備え、前記認識手段は、地域情報を認識することに加えて、通信事業者情報を認識し、前記判断手段は、前記認識手段により認識された地域情報が、予め定めた地域情報ではあるか否かを判断することに加えて、前記認識手段により認識された事業者情報が予め定めた事業者情報であるか否かを判断し、報知手段は、前記判断手段により、地域情報および事業者情報ともに、予め定めた地域情報および事業者情報ではないと判断された場合には、前記認識手段により認識された地域情報で示される地域において通信事業を提供する通信事業者を前記記憶手段に記憶されているデータベースに基づいてユーザに報知することが好ましい。
【0014】
この発明によれば認識された地域情報が、予め定めた地域情報ではあるか否かを判断することに加えて、認識された事業者情報が予め定めた事業者情報であるか否かを判断し、地域情報および事業者情報ともに、予め定めた地域情報および事業者情報ではないと判断された場合には、認識された地域情報で示される地域において通信事業を提供する事業者情報をデータベースに基づいてユーザに報知することができる。よって、ユーザは、現在位置している場所ではどの通信事業者がサービスを提供しているかを知ることができ、何故発信処理を行うことができないかを把握することができる。
【0015】
また、本発明の通信装置における記憶手段は、さらに通信事業者において提供可能なサービスを示すサービスリストの要求先を示す宛先情報を前記通信事業者に対応付けて記憶し、前記判断手段により、認識手段により認識された地域情報が予め定めた地域情報ではなく、前記認識手段により認識された事業者情報が予め定めた事業者情報であると判断された場合に、認識手段により認識された事業者情報の宛先情報を前記記憶手段から取得し、取得した宛先情報に基づいてサービスリストを取得する取得手段をさらに備えることが好ましい。
【0016】
この発明によれば、認識された地域情報が予め定めた地域情報ではなく、認識された事業者情報が予め定めた事業者情報であると判断された場合に、認識された事業者情報に対応する宛先情報を取得し、取得した宛先情報に基づいてサービスリストを取得することができる。よって、ユーザが現在位置している場所ではどのようなサービスを受けることができるかを知ることができ、使い勝手のよい通信装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザは発信に先立って予め定めた地域にいないことを認識することができ、例えば、外国にいた場合でかつ、アドレス帳を使って発信をしようとした場合に、いわゆるホーム網の国にいないことを認識することができ、発信処理が正常にできなくなることを防止または低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、一実施形態のために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本実施形態の通信装置100の機能を示すブロック構成図である。図1に示すように、通信装置100は、アンテナ101a、RF部101、操作部102、通信処理部103、USIM管理部104、USIM(User Subscriber Identity Module)105、判断部106、メモリ107、メッセージ生成部108、およびディスプレイ109を含んで構成されている。
【0020】
この通信装置100は、例えば携帯電話などローミングサービスを受けることができる携帯端末であり、図2に示すようなハードウェアにより構成されている。図2は、通信装置100のハードウェア構成を示すハードウェア構成図である。通信装置100は、物理的には、図2に示すように、CPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、移動体通信網と通信接続することができる無線通信モジュール14、ハードディスク等の補助記憶装置15、入力デバイスであるテンキーなどの入力装置16、ディスプレイ等の出力装置17、USIM18などを含む装置として構成されている。図1において説明した各機能は、図2に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで無線通信モジュール14、入力装置16、出力装置17を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置15におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。また、CPU11は、通信する際は、USIM18に記憶されている加入者情報を用いて認証処理などを行い、無線通信モジュール14を用いた通信を行うことができる。なお、ここではUSIM18とUSIM105とは同じものを指す。以下、図1に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0021】
RF部101は、アンテナ101aを介して受信した無線信号を処理する部分であり、処理した無線信号を通信処理部103に出力する。本実施形態においては、RF部101は、音声信号、データ信号などからなる無線信号のほか、移動体通信網に接続するための基地局が報知する報知情報を受信し通信処理部103に出力する部分である。この基地局が出力する報知情報には、国番号、事業者コード、および基地局情報が含まれている。国番号は、基地局が位置している(あるいはサービスの提供を受ける)国を示す情報であり、事業者コードは通信サービスを提供する通信事業者を示すコード情報であり、基地局情報は複数ある基地局を特定するための識別情報である。
【0022】
操作部102は、テンキーなどの通信装置100を操作する部分であり、通話を行うための発信処理を行う場合には、電話番号を受け付け、または発信指示を受け付ける。電話番号および発信指示を受け付けると、操作部102は、通信処理部103にその旨指示し、通信接続処理を行わせる。操作部102は、そのほかユーザからの入力を受け付ける。
【0023】
通信処理部103は、基地局から受信した報知情報から、通信装置100が位置している国を示している国番号、事業者コード、および基地局情報を抽出する部分である。抽出した国番号、事業者コード、および基地局情報を判断部106に出力する。また、通信処理部103は、操作部102からの操作により、発信指示を受け付けると、発信処理および通信処理を行う。
【0024】
USIM管理部104は、通信装置100の電源が投入されたときなど、所定の条件を満たしたときに、USIM105に対して認識処理を行う部分である。USIM管理部104は、認識処理後、USIM105に記憶されている国番号、事業者コードを含むIMSI(International Mobile Subscriber Identity:国際移動通信加入者識別子)を抽出し、一時的に記憶する部分である。USIM管理部104は、操作部102から発信指示を受け付けると、判断部106に国番号を出力し、判断部106に国番号の一致・不一致を判断させる。
【0025】
USIM105は、ユーザID、電話番号などの加入者情報、並びにIMSI、すなわち契約した通信事業者を示す事業者コード、その通信事業者が属する国を示す国番号を記憶する記憶部である。このUSIM105は、通信装置100に対して着脱自在に備えられている。また、このUSIM105に記憶されている国番号は、主契約している通信事業者が属する国、いわゆるホーム網の国を示す。以下で記されるホーム網は、その意味で使用される。
【0026】
判断部106は、通信処理部103から出力された国番号、事業者コードに基づいて、USIM105に記憶されている情報と異なっているか否かを判断する部分である。すなわち、判断部106は、通信処理部103から出力された国番号とUSIM105に記憶されている国番号とを比較する。判断部106は、国番号が異なっていると判断する場合には、メッセージ生成部108にメッセージを生成するよう指示を出力する。
【0027】
メモリ107は、予め定められた定型ヘルプ情報を記憶する部分であり、判断部106による判断結果に応じたメッセージであるヘルプ情報を複数記憶する部分である。例えば、国番号が異なっていると判断される場合には、「先頭に+及び国番号を付けて、先頭の0をとって下さい。」などのメッセージを提供できるように記憶する。この定型ヘルプ情報は、「国名称」または「ホーム網の国」を、国番号などに基づいて国名称に置き換えることができるように作られており、これら鍵括弧で囲まれている部分には、実際の国の名称が貼り付けられることになる。
【0028】
また、メモリ107は、図3に示すとおり、国番号と国名称とを対応付けたデータベースを記憶している。なお、図では国番号は×××などのように省略した形で示している。上述のヘルプ情報は、このデータベースに基づいて国番号から国名称が読み出され、ヘルプ情報の該当する部分に国名称が貼り付けられることになる。
【0029】
メッセージ生成部108は、このメモリ107に記憶されている定型ヘルプ情報を用いてユーザに通信装置の状態および操作確認のためなどのメッセージであるヘルプ情報を生成する部分である。メッセージ生成部108は、USIM105に記憶されている国番号に基づいて国名称を読み出し、定型ヘルプ情報における「ホーム網の国」の欄に読み出された国名称を貼り付けてヘルプ情報を生成する。また、同様に、通信処理部103により取得された国番号を、データベースにしたがった国名称を定型ヘルプ情報の「国名称」に貼り付けてヘルプ情報を生成する。メッセージ生成部108は、生成したヘルプ情報をディスプレイ109に出力する。
【0030】
メッセージ生成部108は、例えば、図5に示されているヘルプ情報のメッセージを生成することになる。図5は、ヘルプ情報を表示するディスプレイ109の画面例(メッセージの例)を示す図であり、図5によると、「ホーム網の国」に対して発信処理をする場合には、電話番号の先頭に国際発信識別符号「+」および国番号を付加する旨、さらに国内発信時の市外局番を表す0は不要であるメッセージがユーザに報知される。また、在圏している国(国名称)に対して発信処理する場合には、そのまま発信処理すればよい旨が表示される。
【0031】
ここで、メッセージ生成部108により、USIM105に記憶されている国番号に基づいて、この国番号に対応する国名称がメモリ107のデータベースから読み出される。そして、読み出された国名称が定型ヘルプ情報の「ホーム網の国」欄に貼り付けられてヘルプ情報が生成されることになる。また、報知情報から取得した国番号に基づいた国名称がデータベースから読み出され、読み出された国名称は定型ヘルプ情報の「国名称」欄に貼り付けられ、ヘルプ情報が生成されることになる。
【0032】
なお、図5において、「先頭に・・・取って下さい。」および「このままで結構です。」の部分に下線が引かれているが、この部分についてはアンカーが設定されている。よって、ユーザがこの部分をクリックまたは選択することにより、通信装置100は所望のWebページ(オンライン又はオフラインのいずれも可とする)にアクセスすることができ、この部分に関する説明をユーザはみることができる。
【0033】
また、このヘルプ情報は、操作確認を行わせるためのほか、国番号が異なっている、ホーム網の国と異なっているなどの海外にいることをあらためてユーザに認識させるための情報を操作確認のための情報としてもよい。少なくとも現に在圏している国がいつもいる国(例えばホーム網の国)と異なっていることをユーザが認識できれば、ユーザは操作確認を行うことができるからである。
【0034】
ディスプレイ109は、メッセージ生成部108により生成されたヘルプ情報を表示する部分である。そのほか、ディスプレイ109は、操作部102により入力された電話番号を表示する。
【0035】
つぎに、このように構成された通信装置100の動作について説明する。図4は、国番号に基づいたヘルプ情報を表示するときの通信装置100の動作を示すフローチャートである。
【0036】
電源投入されるなど所定の処理が行われると、USIM管理部104によりUSIM105の認識が行われ(S101)、IMSIに含まれるホーム網の国番号が読み出され、USIM管理部104において記憶される(S102)。つぎに、RF部101により基地局から報知情報が受信され、通信処理部103により報知情報に含まれている国番号が把握される(S103)。
【0037】
判断部106により、通信処理部103において把握されている国番号とUSIM管理部104において記憶されている国番号(USIM105に記憶されている国番号)とが比較される(S104)。ここで、判断部106により国番号が一致していると判断されると(S104:NO)、待機状態(例えば受信待ち受け状態)を継続し、定期的に受信される報知情報の把握処理が行われる。なお、この間で着信処理、発信処理があった場合には、それぞれの処理が行われることになる。
【0038】
また、判断部106により国番号が不一致であると判断されると(S104:YES)、判断部106によりメモリ107に記憶されている複数の定型ヘルプ情報のうち、国番号のみが異なった場合に対応する定型ヘルプ情報が読み出されるようにフラグが立てられる(S105)。その後、操作部102からユーザの操作により発信操作が受け付けられると(S106)、通信処理部103においては発信動作を一旦停止する処理が行われ(S107)、メッセージ生成部108によりホーム網の国番号および在圏している国番号に基づいたヘルプ情報が生成され、当該ヘルプ情報がディスプレイ109に表示される(S108)。
【0039】
ディスプレイ109にヘルプ情報が表示されると、ユーザは発信動作の継続の認識を行うことができ、操作部102において、継続しない旨の操作がユーザにより行われた場合には(S109:NO)、操作部102におけるユーザの操作により所定の変更、例えば、入力した電話番号の変更処理が行われ、通信処理部103により、変更された電話番号宛に発信処理が行われる(S110)。また、継続する操作がユーザにより行われた場合には(S109:YES)、そのまま発信動作を継続し、通信処理部103により、操作部102によりS106の処理で入力された電話番号宛に発信処理が行われる(S111)。
【0040】
以上の通り、国番号に基づいて、通信装置100が海外のローミングサービスエリアにいると判断される場合には、発信操作に注意を促すヘルプ情報を表示することができる。よって、発信間違いを防止または低減することができ、使い勝手のよい通信装置100を提供することができる。
【0041】
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。この変形においては、国番号に加えて、事業者コードの一致をもみて、ヘルプ情報を表示しようとするものである。この変形例における通信装置100の機能ブロックは、本実施形態の通信装置100と同じであるが、一部の構成については以下の相違を有するものとなっている。すなわち、このような処理を行うために、通信装置100においては、USIM管理部104は、USIM105から国番号に加えて事業者コードを抽出し、判断部106は、国番号の一致・不一致を判断するとともに、事業者コードの一致・不一致を判断する処理を行う。また、メモリ107は、図6に示されるデータベースを記憶する必要がある。図6は、変形例における通信装置100のメモリ107のデータベースの具体例を示す説明図である。図6に示すように、このデータベースには、国番号および国名称に加えて、提携事業者コードおよび提携事業者名称が対応付けて記憶されている。例えば、ここでは、国番号“×××”、国名称“韓国”には、提携事業者コード“aaa”、提携事業者名称“○○テレコム”と、提携事業者コード“bbb”、提携事業者名称“××フォン”が対応付けて記憶されていることが示されている。
【0042】
判断部106は、事業者コードが一致していると判断する場合には、その旨をメッセージ生成部108に出力し、メッセージ生成部108は図5に示すヘルプ情報(すなわち本実施形態におけるヘルプ情報)を生成し、ディスプレイ109に表示させることになる。また、判断部106は、事業者コードが一致していないと判断する場合には、その旨をメッセージ生成部108に出力し、メッセージ生成部108は、図7に示されるヘルプ情報(すなわち変形例におけるヘルプ情報)を生成し、ディスプレイ109に表示させることになる。
【0043】
具体的には、メッセージ生成部108は、図7における『「国名称」内では、「提携事業者名称」のエリア内のみでのサービスとなります。・・・』と記述されている定型ヘルプ情報の内、鍵括弧(「国名称」、「提携事業者名称」)で示されている部分については、USIM105から取得した国番号および事業者コードを用いてメモリ107に記憶されているデータベースから、当該国番号に対応する国名称および当該事業者コードに対応する提携事業者名称を取得し、それぞれ国名称、提携事業者名称を定型ヘルプ情報に貼り付け、ヘルプ情報を生成する。すなわち、メッセージ生成部108は、取得した国名称および提携事業者名称を図7で示されている定型ヘルプ情報の「国名称」欄および「提携事業者名称」欄に貼り付けて、ヘルプ情報を生成することになる。なお、図7に示すヘルプ情報に限るものではなく、通信装置100が現に位置する国でサービスを受けることができる通信事業者をヘルプ情報で表示すればよい。また、サービスエリア外のため利用できない旨をヘルプ情報に入れておくことも好ましい。
【0044】
このように変形例における通信装置100では、判断部106が国番号に加えて事業者コードの一致・不一致を判断することで、事業者コードに基づいたヘルプ情報の表示を行うことができる。
【0045】
つぎに、この変形例における通信装置100の動作について説明する。図8は、事業者コードを用いてヘルプ情報を表示するときの通信装置100の動作を示すフローチャートである。
【0046】
電源投入されるなど所定の処理が行われると、USIM管理部104によりUSIM105の認識が行われ(S201)、IMSIに含まれるホーム網の国番号および事業者コードが読み出され、USIM管理部104において記憶される(S202)。つぎに、RF部101により基地局から報知情報が受信され、通信処理部103により報知情報に含まれている国番号および事業者コードが把握される(S203)。
【0047】
判断部106により、通信処理部103において把握されている国番号とUSIM管理部104において記憶されている国番号(USIM105に記憶されている国番号)とが比較される(S204)。ここで、判断部106により国番号が一致していると判断されると(S204:NO)、待機状態(例えば受信待ち受け状態)を継続し、定期的に受信される報知情報の把握処理が行われる。なお、この間で着信処理、発信処理があった場合には、それぞれの処理が行われることになる。
【0048】
また、判断部106により国番号が不一致であると判断されると(S204:YES)、さらに、通信処理部103により受信された事業者コードが提携事業者コードと一致するか否かが判断部106により判断される(S205)。ここで、事業者コードが一致すると判断されると(S205:NO)、国番号が不一致である場合のヘルプ情報の表示処理が行われる。具体的には、図4におけるS105〜S111の処理が行われることになる。
【0049】
また、事業者コードが不一致であると判断されると(S205:YES)、国番号および事業者コードが異なった場合のヘルプ情報を表示するよう、そのヘルプ情報を表示することができるよう対応する定型ヘルプ情報にフラグが立てられる。その後、ユーザ操作により操作部102から発信指示が受け付けられると(S206)、通信処理部103による発信動作を一旦停止する処理が実行され(S207)、ディスプレイ109にフラグの立てられたヘルプ情報が表示される(S208)。ここでは、図7に示されるヘルプ情報がディスプレイ109に表示されることになり、通信処理部103による発信動作は終了する(S209)。
【0050】
以上の通り、国番号が異なっている場合であって、事業者コードが提携事業者コードと異なっている場合には、ユーザが現在位置している場所ではサービスエリアの対象外である旨を報知することにより、ユーザに何故通信することができないのかを報知することができる。よって、使い勝手のよい通信装置100を提供することができる。
【0051】
つぎに、本実施形態における第2の変形例について説明する。この第2の変形例における通信装置100の機能ブロックは、本実施形態の通信装置100と同じ構成であるが、一部の構成について以下の相違を有するものとなっている。
【0052】
すなわち、第2の変形例における通信装置100のメモリ107は、図9に示すデータベースを記憶している。図9は、そのデータベースの具体例を示す説明図である。図9から明らかな通り、第2の変形例においては国番号、国名称、提携事業者コード、および提携事業者名称に加えて、SMS(Short Message Service)発信先番号が対応付けて記憶されている。後述するとおり、通信処理部103は、このSMS発信先番号を用いてサービスリストの要求を行うことができる。
【0053】
また、メモリ107は、サービスリストの要求を行うためのSMSの要求メッセージを記憶している。
【0054】
さらに、メモリ107は、図5および図7で示されているヘルプ情報に加えて、図10に示されるヘルプ情報を記憶している。図10は、第2の変形例におけるヘルプ情報を表示するディスプレイ109の画面例を示す図である。図10によると、第2の変形例においては、現在の「提携事業者名称」をヘルプ情報に入れることで、ユーザに現在どの提携事業者と接続できるかを報知することができるものである。さらに、図10で示されるヘルプ情報は、サービスリストを、SMSを用いて取得できることをユーザに通知することができる。ユーザは、操作部102を操作することにより、YES/NOを選択することができ、サービスリストの要求を選択した場合、通信処理部103は以下の処理を行う。
【0055】
すなわち、通信処理部103は、メッセージ生成部108によるメッセージの生成およびディスプレイ109によるヘルプ情報の表示後に、メモリ107に記憶されている要求メッセージを取得し、SMSによるメール送信およびその要求メッセージの応答であるリストデータの受信を行う機能が追加されている。通信処理部103は、受信したリストデータをディスプレイ109に表示することで、ユーザに現サービスエリアで使用できるサービスを知らしめることができる。サービスリスト表示後、ユーザが操作部102を操作することにより、行おうとしていた発信処理を継続するか、または発信処理を中断するかを、通信処理部103に指示することができる。通信処理部103は、その指示に応じて発信処理を継続し、または中断する処理を行う。
【0056】
また、メッセージ生成部108は、メモリ107のデータベースから、通信処理部102により受信された報知情報の事業者コードに対応する提携事業者名称を取得し、メモリ107に記憶されているヘルプ情報の「提携事業者名称」欄に報知情報に含まれている事業者コードに基づいた事業者名称を貼り付けて、ヘルプ情報を生成することができる。
【0057】
このように構成された第2の変形例の通信装置100の動作について説明する。図11は、第2の変形例の通信装置100の動作を示すフローチャートである。電源投入されるなど所定の処理が行われると、USIM管理部104によりUSIM105の認識が行われ(S301)、IMSIに含まれるホーム網の国番号および事業者コードが読み出され、USIM管理部104において記憶される(S302)。つぎに、RF部101により基地局から報知情報が受信され、通信処理部103により報知情報に含まれている国番号および事業者コードが把握される(S303)。
【0058】
判断部106により、通信処理部103において把握されている国番号とUSIM管理部104において記憶されている国番号(USIM105に記憶されている国番号)とが比較される(S304)。ここで、判断部106により国番号が一致していると判断されると(S304:NO)、待機状態(例えば受信待ち受け状態)を継続し、定期的に受信される報知情報の把握処理が行われる。なお、この間で着信処理、発信処理があった場合には、それぞれの処理が行われることになる。
【0059】
また、判断部106により国番号が不一致であると判断されると(S304:YES)、さらに、通信処理部103により受信された事業者コードが提携事業者コードと一致するか否かが判断部106により判断される(S305)。ここで、事業者コードが一致しないと判断されると(S305:YES)、国番号が不一致でかつ事業者コードも不一致である場合のヘルプ情報の表示処理が行われる(S306)。具体的には、図8におけるS206〜S209の処理が行われることになる。すなわち、発信処理が停止され、報知情報で取得した国番号で示された国では、USIM105に記憶され契約している事業者のエリア内でのみ使用可能である旨、および現在の場所ではエリア外であり使用不可である旨のヘルプ情報が表示される。
【0060】
判断部106により事業者コードが一致すると判断されると(S305:NO)、SMSを用いたサービスリストの要求処理を行うよう、サービス要求を行うための定型ヘルプ情報にフラグが立てられる。その後、ユーザ操作により操作部102から発信指示が受け付けられると(S307)、通信処理部103による発信動作を一旦停止する処理が実行され(S308)、ディスプレイ109にフラグの立てられた定型ヘルプ情報に基づいて生成されたヘルプ情報が表示される。ここでは、上述したとおり、図10で示されるヘルプ情報がディスプレイ109に表示され、SMSによるサービスリストの要求を行うか否かの問合せが行われる(S309)。なお、サービスリストの要求は予め定められたサーバに送信される。サーバではサービスリストの要求を示すメッセージを受け取ると、契約者による契約内容に基づいて提供できるサービスを抽出し、抽出したサービス名をサービスリストにして、返信することになる。
【0061】
ここで、ユーザによりSMSを用いたサービスリストの要求がなされ、その応答を受信することができない場合、またはサービスリストの要求がなされない場合(S310:NO)、図5に示されるヘルプ情報が表示され、その後発信処理を継続して行うか否かが、ユーザから受け付けられる。そして、ユーザの操作に応じて、発信動作を継続し、または所定の変更を付加した発信処理が行われる。これら処理は図4におけるS108〜S111の処理と同じである。
【0062】
また、SMSを用いたサービスリストの要求に対する応答であるサービスリストが通信処理部103により受信されると(S310:YES)、そのサービスリストはディスプレイ109に表示され(S312)、その後、発信処理を継続して行うか否かが、ユーザから受け付けられる(S313)。そして、ユーザの操作により、継続する旨の指示が操作部102により受け付けられると(S313:YES)、通信処理部103により発信動作は継続し、発信処理が行われる(S314)。継続しない旨の指示が受け付けられると(S313:NO)、通信処理部103による発信処理は中止される。その後、ユーザはサービスリストを参照して、任意のサービスを受けることができるように発信処理またはデータ通信接続処理を行うよう通信処理部103に指示を出すことができる。
【0063】
以上の処理を行うことにより、通信装置100が位置しているエリアで受けることができるサービスを示すサービスリストをユーザはSMSを用いて要求することで、どのようなサービスを受けることができるかを知ることができる。
【0064】
つぎに、本実施形態の通信装置100の作用効果について説明する。本実施形態の通信装置100において、通信処理部103は、通信接続しようとする通信網における基地局から配信される報知情報から国番号を抽出する。判断部106は、電源投入時にUSIM管理部104により取得されていた国番号と通信処理部103により取得された国番号とを比較する。そして、判断部106は、一致しないと判断すると、メッセージ生成部108は、操作確認をユーザに報知するためのヘルプ情報を生成し、ディスプレイ109に出力する。このヘルプ情報は、操作確認を行わせるためのほか、国番号が異なっている、ホーム網の国と異なっているなどの海外にいることをあらためてユーザに認識させるための情報であってもよい。ディスプレイ109は、そのヘルプ情報を表示する。これにより、ユーザは通信装置100を使用しようとした場合に予め定めた地域にいないことを認識することができ、例えば、外国にいた場合に、アドレス帳を使って発信をしようとした場合に、いわゆるホーム網の国にいないことを認識することができ、発信処理が正常にできなくなることを防止または低減することができる。さらに具体的には、外国にいた場合で、アドレス帳を使って発信をしようとした場合に、国コードを入力する必要がある、入力した電話番号に0は不要であるなどの操作確認を行わせることができ、発信処理が正常にできなくなることを防止または低減することができる。
【0065】
また、本実施形態の変形例における通信装置100において、報知情報から抽出された国番号が、USIM管理部104に記憶されている国番号ではあるか否かを、判断部106が判断することに加えて、報知情報から抽出された事業者コードがUSIM管理部104に記憶されている事業者コードであるか否かを判断する。ここで、判断部106が、国番号および事業者コードともに、USIM管理部104に記憶されている国番号および事業者コードではないと判断した場合には、報知情報から抽出された国番号で示される国において提供される通信事業者を、記憶部107に記憶されているデータベースに基づいてユーザにディスプレイ109に表示することで報知することができる。よって、ユーザは、現在位置している場所ではどの通信事業者がサービスを提供しているかを知ることができ、何故発信処理を行うことができないかを把握することができる。
【0066】
本実施形態の第2の変形例における通信装置100において、報知情報から抽出された国番号がUSIM管理部104に記憶された国番号ではなく、報知情報から抽出した事業者コードがUSIM管理部104に記憶された事業者コードであると判断部106が判断すると、通信処理部103は抽出された事業者コードに対応する宛先情報を、メモリ107のデータベースから取得する。そして、通信処理部103は取得した宛先情報に基づいて、ユーザが現にいる国において利用できるサービスを示したサービスリストを取得することができる。よって、ユーザが現在位置している場所ではどのようなサービスを受けることができるかを知ることができ、使い勝手のよい通信装置100を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態の通信装置100の機能を示すブロック構成図である。
【図2】通信装置100のハードウェア構成を示すハードウェエア構成図である。
【図3】メモリ107に記憶されているデータベースを示す説明図である。
【図4】国番号に基づいたヘルプ情報を表示するときの通信装置100の動作を示すフローチャートである。
【図5】ヘルプ情報を表示するディスプレイ109の画面例を示す図である。
【図6】変形例における通信装置100のメモリ107のデータベースの具体例を示す説明図である。
【図7】変形例におけるヘルプ情報を表示するディスプレイ109の画面例を示す図である。
【図8】事業者コードを用いてヘルプ情報を表示するときの通信装置100の動作を示すフローチャートである。
【図9】第2の変形例における通信装置100のメモリ107のデータベースの具体例を示す説明図である。
【図10】第2の変形例におけるヘルプ情報を表示するディスプレイ109の画面例を示す図である。
【図11】第2の変形例の通信装置100の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
100…通信装置、101a…アンテナ、101…RF部、102…操作部、103…通信処理部、104…USIM管理部、105…USIM、106…判断部、107…メモリ、108…メッセージ生成部、109…ディスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信接続しようとする通信網の地域を示す地域情報を認識する認識手段と、
発信処理が行われると、前記認識手段により認識された地域情報が、予め定めた地域情報であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記認識手段により認識された地域情報が予め定めた地域情報ではない場合には、その旨を報知する報知手段と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記報知手段は、操作確認を行うようユーザに報知することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
契約している通信事業者を示す事業者情報および当該通信事業者が属している地域を示す地域情報を記憶する加入者情報記憶手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記認識手段により認識された地域情報は前記加入者情報記憶手段に記憶されている前記地域情報であるか否かを判断することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
地域と当該地域において提供される通信事業者とを示すデータベースを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記認識手段は、地域情報を認識することに加えて、通信事業者を示す事業者情報を認識し、
前記判断手段は、前記認識手段により認識された地域情報が、予め定めた地域情報ではあるか否かを判断することに加えて、前記認識手段により認識された事業者情報が予め定めた事業者情報であるか否かを判断し、
報知手段は、前記判断手段により、地域情報および事業者情報ともに、予め定めた地域情報および事業者情報ではないと判断された場合には、前記認識手段により認識された地域情報で示される地域において通信事業を提供する通信事業者を前記記憶手段に記憶されているデータベースに基づいてユーザに報知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、さらに通信事業者において提供可能なサービスを示すサービスリストの要求先を示す宛先情報を前記事業者情報に対応付けて記憶し、
前記判断手段により、認識手段により認識された地域情報が予め定めた地域ではなく、認識手段により事業者情報が予め定めた事業者情報であると判断された場合に、認識手段により認識された事業者情報に対応する宛先情報を前記記憶手段から取得し、取得した宛先情報に基づいてサービスリストを取得する取得手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
通信接続しようとする通信網の地域を示す地域情報を認識する認識ステップと、
発信処理が行われると、前記認識ステップにより認識された地域情報が、予め定めた地域情報ではあるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより前記認識手段により認識された地域情報が予め定めた地域情報ではない場合には、その旨を報知する報知ステップと、
を備える操作確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−244513(P2008−244513A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−77581(P2007−77581)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】