説明

通信装置

【課題】PHSなどの携帯電話にポケットベルの機能を組み込むと共に、ポケットベルでメッセージなどを受信した場合に、携帯電話の機能を有効に活用する。
【解決手段】携帯電話システムによる情報の送受信が可能な携帯電話送受信機能部と、広域伝達情報の受信が可能なポケットベル機能部20とを備えている。ポケットベル機能部20で着信を検出したとき、予め特定された定型文を用いてメール文を生成するメール文生成手段25と、このメール文に、予め特定された属性データ32を付加して、携帯電話送受信機能部の、受信メール記憶部16に記憶するメール文書き込み手段33とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PHSなどの携帯電話とポケットベルとを組み合わせた通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、中国においては、都会ではPHSシステム、郊外ではポケットベルシステムが普及している。ポケットベルシステムは、非常に広い範囲(半径数十キロメートル)に対して、一定のメッセージを送信する機能に優れた通信システムである。ポケットベルシステムでは、メッセージの送信希望者は、電話機等でメッセージを管理センターに送信する。管理センターでは、そのメッセージを所定のフォーマットの電文にして、基地局から送信する。受信者は、簡単な受信機能のみを備える端末を使用して、そのメッセージを受信する。単に、呼び出しがあったことだけを伝えるものや、呼び出し側の電話番号や簡単なメッセージをディスプレイに表示するものがある(特許文献1参照)。
【0003】
ポケットベルのネットワークは、中国国内の広範囲の領域をカバーしている。システム全体のコストダウンを図り、端末の構成の簡素化を図るため、双方向通信は行われていない。
一方、PHSシステムは、狭いセル範囲(100メートル程度)に少なくとも1台ずつ送受信アンテナを配置し、これらの送受信アンテナを基地局に接続する。PHS端末は最寄りの送受信アンテナを介して基地局と接続され、双方向通信をする。このシステムは、基地局やアンテナ等の設備も端末も高額になるため、経済効率上、都会のみがサービス対象地域になっている。
【特許文献1】特開2000−20422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
都会でPHSのような携帯電話システムを利用している利用者が、PHSの送受信可能範囲外に出向くことがある。こうした場合に、全く連絡が取れなくなる、といった問い問題が発生する。PHSのような携帯電話とポケットベルの両方を所持すればよいが、これは、取り扱いが煩雑になり、管理費用もかかる。
【0005】
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、PHSなどの携帯電話にポケットベルの機能を組み込むと共に、ポケットベルでメッセージなどを受信した場合に、携帯電話の機能を有効に活用する通信装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は次の構成により上記の課題を解決する。
〈構成1〉
携帯電話システムによる情報の送受信が可能な携帯電話送受信機能部と、広域伝達情報の受信が可能なポケットベル機能部とを備え、上記ポケットベル機能部で、着信を検出したとき、予め特定された定型文を用いてメール文を生成するメール文生成手段と、このメール文に、予め特定された属性データを付加して、上記携帯電話送受信機能部の、受信メール記憶部に記憶するメール文書き込み手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
【0007】
〈構成2〉
構成1に記載の通信装置において、上記メール文生成手段は、ポケットベルシステムによる上記広域伝達情報の送信元のメールアドレスを含む電話番号簿を参照して、上記メール文の属性データを生成することを特徴とする通信装置。
【0008】
〈構成3〉
携帯電話システムによる情報の送受信が可能な携帯電話送受信機能部と、広域伝達情報の受信が可能なポケットベル機能部とを備え、上記ポケットベル機能部で、着信を検出したとき、予め特定され数値化された定型情報を、上記携帯電話送受信機能部の、着信履歴番号記憶部に記憶するメール文書き込み手段を備えたことを特徴とする通信装置。
【0009】
〈構成4〉
携帯電話システムによる情報の送受信が可能な携帯電話送受信機能部と、広域伝達情報の受信が可能なポケットベル機能部とを備え、上記ポケットベル機能部で、着信を検出したとき、ポケットベルシステムによる上記広域伝達情報の送信元のメールアドレスを含む電話番号簿を参照して、その送信元の電話番号を、着信履歴番号記憶部に記憶するメール文書き込み手段を備えたことを特徴とする通信装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の通信装置の具体例を示すブロック図である。
図1のブロックは、例えば、1台の携帯電話の中に組み込まれている。この携帯電話は、例えば、PHSネットワークを利用して、通信を行うPHS機能部10を備えている。
なお、本発明では携帯電話の例として、PHSシステムを利用したものを説明するが、他の方式による携帯電話機能部を設けるようにしても差し支えない。さらに、この携帯電話には、通常利用されているポケットベルと同様のポケットベル機能部20を備えている。なお、PHS機能部10には、ディスプレイ11、制御キー12、送受信部13、表示制御部14、メール着信レジスタ15、受信メール記憶部16、着信番号記憶部17などが設けられている。
【0012】
ディスプレイ11は、携帯電話を操作するために様々な画面を表示するためのものである。制御キー12は、電話番号を入力したり、あるいは、携帯電話の機能を活用するために操作するためのキーである。なお、ディスプレイ11や制御キー12の具体的な外観図は、既知の携帯電話と全く同様のため、図示を省略している。送受信部13は、PHS機能部10による電話の送信あるいは受信を提供するための部分である。表示制御部14は、ディスプレイ11に文字や図形、その他を表示するための制御を行う部分である。
【0013】
メール着信レジスタ15は、メールを受信した場合に、受信順にメール文とその属性データを記憶する部分である。このメール文の記憶機能は、既存の携帯電話に設けられたものと全く同様でよい。属性データというのは、メールの送信元などを示すデータのことで、メール文は、メール本文のことである。メール着信レジスタ15は、メールを受信した時有効になり、受信したメールを利用者が表示して読み終わった時に無効になるデータレジスタである。着信番号記憶部17は、電話が着信した場合に、発信者番号通知機能に基づいて発信者の電話番号を記憶しておく部分である。
【0014】
本発明では、メール着信レジスタ15を有効にして、ポケットベルの着信を利用者に伝える。ポケットベルの着信によって想定される固定メッセージや具体的にポケットベル機能部において受信したメッセージをメール文にして受信メール記憶部16に記憶する。
こうして、第1の実施例では、メール文を用いてポケットベルによるメッセージを受信する。
【0015】
ポケットベル機能部20には、受信部21、着信制御部22、着信フラグレジスタ23、及び着信データレジスタ24が設けられている。受信部21は、ポケットベルシステムによる広域伝達情報、すなわち、ポケットベルを利用したメッセージその他の情報を受信した時その情報を転送したり受信する機能を持つ。
【0016】
着信制御部22は、着信したメッセージなどを処理する機能を持つ。着信フラグレジスタ23は、ポケットベルに対する情報が着信した時に有効になり、これによりメール文生成手段25を起動する機能を持つ。着信データレジスタ24は、受信部21と着信制御部22を経て入力するメッセージである着信データを一時記憶する記憶装置である。
【0017】
メール文生成手段25とメール文書き込み手段33とは、本発明の携帯電話に新たに設けられた部分である。メール文生成手段25は、ポケットベル機能部20がポケットベルメッセージを受信したとき、着信フラグレジスタ23でこれを検出し、着信データレジスタ24に記憶されたメッセージを取り込む。そして、電話番号簿40を参照し、定型文データ26と組み合わせることによってメール文31を生成する。また、電話番号簿40から属性データ32を読み出す。
【0018】
そして、PHS機能部10のメール着信レジスタ15を有効にすると共に、メール文31と属性データ32をメール文書き込み手段33が、受信メール記憶部16に書き込む。PHS機能部10では、一定時間おきにメール着信レジスタ15を監視し、メール着信レジスタ15が有効になっている場合には、ディスプレイ11にメール着信があった旨のアイコンなどを表示する。ここで、メール閲覧処理を行うと、受信メール記憶部16に記憶された該当するメール文31がディスプレイ11に表示される。その後、そのメール文の閲覧が終了すると、メール着信レジスタ15が無効化される。
【0019】
なお、レジスタというのは、予め桁数等が指定され、一定の目的のために用意された記憶領域のことである。従って、一般のデータ記憶用の記憶領域と物理的に区別されるものではない。プログラムによって、一般の記憶領域中に割り付けられた特定の領域であればよい。上記の例では、例えば、着信があったときは、着信表示フラグを有効にし、発信者電話番号を該当するレジスタに記憶するという処理をして、着信制御を終了させる。その一方で、定期的に着信表示フラグをチェックするプログラムが動作して、着信表示フラグが有効ならば、着信通知のためのアイコンを表示したり、発信者電話番号の表示制御を行うようにする。こうすれば、携帯電話の着信時も、ポケットベルの着信時も、共通のレジスタを使用すればよく、携帯電話の設計を大幅に変更することなく、ボケットベルとの連携動作を実現できるという効果がある。
【0020】
以上のような動作によって、ポケットベルで所定のメッセージを受信したとき、メール文が生成され、これをPHS機能部10において閲覧する、といった動作を行う。
なお、電話番号簿40は、PHS機能部10に従来より設けられている電話番号簿をそのまま利用しても構わない。なお、一般にポケットベルは、メッセージの送信者が限定されており、そのメッセージの内容もほぼ固定されている。もちろん、自由文を送信することができるポケットベルシステムもある。
【0021】
図1に示したものは、いずれの場合にも対応できる。電話番号簿には、ポケットベル送信元からポケットベルのメッセージが受信されたとき、必ず参照されるようにポケベルフラグ41が設けられている。このフラグを認識することによって、一般の携帯電話の相手方のために作られた電話番号簿以外の電話番号簿がポケベル受信制御に利用される。ここには、ポケットベルメッセージの送信元の名前42、電話番号43、メールアドレス44などが記録されている。
【0022】
図2は、上記のようなシステムで具体的にその通信装置に表示される情報の例を説明する説明図である。
図2(a)は、着信番号表示を利用した通信装置の動作例を説明するものである。まず、ポケットベル機能部20の着信制御部22が着信を検出したとき、2種類の方法のいずれかを採用する。例えば、図2(a)の左側に示す電話番号簿40を参照する。特定の相手方からのメッセージであることは、予め分かっている。従って、ポケベルフラグ41が「01」と表示された電話番号簿を検索して取り出す。
【0023】
これは、当初から1組だけ用意されているものとする。ここに、広域伝達情報の送信元の、名前42と電話番号43とメールアドレス44とが含まれている。ここで送信元の電話番号43を取り出して、これを図1に示した着信番号記憶部17に記憶させる。同時にPHS機能部10に対し、着信制御を行うとPHS機能部10では、着信音を選択し、利用者に対し着信音を聞かせる。さらに、ディスプレイに着信があった旨の表示をする。利用者は、着信番号表示50をディスプレイ11に表示させ、ポケットベルによるメッセージが着信したことを知る。
【0024】
また、通信装置に電話番号簿を検索する機能がない場合がある。この場合、ポケットベル機能部20の着信制御部22は、着信後直ちに、予め特定され数値化された定型情報として定型文データ26を取得する。これは、通信装置のいずれかの不揮発性メモリに記憶されていればよい。これをそのまま取り出して、着信番号記憶部17に記憶させる。こうして、ディスプレイ11に着信番号表示50がなされる。この表示は、通常の電話番号とは異なる特殊な表示になる。従って、この表示を見ただけで、ポケベルによる呼び出しがあったことを利用者が確認できる。
【0025】
上記のような方法で着信番号表示を行うようにすれば、ポケットベルによる最も簡単な呼び出し処理を携帯電話機にそのまま取り込むことができる。また、このとき、着信番号表示のように簡単に情報を表示できる機能を利用するので、携帯電話送受信機能部とポケットベル機能部とを効率的に組み合わせた通信装置を提供することができる。
【0026】
図2(b)では、ポケットベル機能部により受信したメッセージをメール文として取り扱う。
上記のように着信番号表示を利用すれば、簡単にポケットベル機能部による着信があったことを表示するだけでなく、返信操作を行うことによって着信番号表示でなされた具体的な電話番号に対し、返信を行うことが可能になる。これによりポケットベル機能を持ちながら携帯電話で電話を受けたのと同様にして返信処理ができる、という特徴を持たせることができる。これによって単に携帯電話端末とポケットベル端末を組み合わせてディスプレイを共用したというだけでない効果が期待できる。
【0027】
図2(b)の例では、メールとしてポケットベルに対するメッセージを受信するので、メールによる返信には便利なものとなる。すなわち、ポケットベル受信機能部で着信があると、着信制御部22は、既に説明した電話番号簿40を参照し、相手方の名称42と送信元アドレス44を取得する。この他、メール文生成用の定型文データ27を参照する。そして、送信元の名称42と定型文27とを組み合わせて新たなメール文31を生成する。
【0028】
これによりどこからのメッセージが受信されたかということと、通常のメールではなくポケットベルの呼び出しであるということを明確に表示できる。このメール文を既に説明した通り受信メール記憶部16に記憶させる。なお、ポケットベル受信メッセージに意味のあるメッセージが含まれているような場合には、生成されるメール文31にその受信したメッセージを追加した状態でメール文を生成すればよい。
【0029】
図3は、上記のような本発明の通信装置の概念図である。
図3に示すように、従来広く利用されているPHS受信機や携帯電話などの端末1とポケットベル端末2との機能を合体し、新たな通信装置3を得る。この通信装置3は、そのディスプレイ4をポケットベル端末2と共用しているように動作する。
【0030】
しかしながら、実際にはポケットベル端末2の出力をそのままディスプレイ4に表示しようとすると、携帯端末機能部の制御との衝突、その他様々な条件をクリアした新たな設計が必要になる。一方、上記のようにポケットベル端末2で受信した情報に基づいて着信番号表示のための信号やあるいは電子メールのための情報を生成し、これを携帯電話機能部に送り込み、あたかも携帯電話で様々な情報を受信したように動作させるので、両者の合体による複雑な弊害が発生しない。
【0031】
すなわち、両者を良好に組み合わせ、両者の機能を有効に生かした端末装置を提供できる。すなわち、携帯電話システムによる情報の送受信が可能な携帯電話送受信機能部と広域伝達情報の受信が可能なポケットベル機能部とを1台の通信装置に含め、携帯電話送受信機能部とポケットベル機能部とがあたかもディスプレイを共用するように動作させることができる。
【0032】
また、ポケットベル機能部で着信を検出したときに、予め特定された定型文、すなわち、ポケットベルの送信元として特定される相手方からのメッセージであることを区別できる定型文を用いてメール文を自動的に生成し、これを携帯電話で表示するようにしたので、携帯電話で他の電子メールなどと区別して携帯電話の情報を受け付けることができる。また、このメール文に、電話番号簿などで取得した特定の属性データを付加しておけば、メールの返信機能などを用いて受信したメッセージに簡単に応答できる。
すなわち、メール文生成手段として、ポケットベルシステムによる広域伝達情報の送信元のメールアドレスを含む電話番号簿を参照して、メール文の属性データを生成することができる。
【0033】
図4〜図6は、本発明の通信装置の具体的な動作例を示すフローチャートである。
まず、図4(a)は、メッセージ送信機能を持つポケットベルシステムでメッセージを受信した場合の動作例を示す。
始めにステップS1で、着信があったかどうかを判断する。すなわち、ステップS1は着信待ち状態のことである。次にステップS2で着信後、その着信フラグをフラグレジスタに格納する。すなわち、着信があった時は、フラグレジスタを有効にする。そして、ステップS3で着信したデータを着信データレジスタに格納する。ステップS4で着信フラグの内容を確認する。
着信フラグが有効であれば、ステップS5で着信メッセージを確認する。着信メッセージがなければ、処理Aを実行する。着信メッセージがあれば、ステップS6において処理Bを実行する。
【0034】
図4(b)は処理Aの内容を示す。図4(c)は処理Bの内容を示す。
処理AではステップS11において、定形データを用いてメール文と属性データとを生成する。もちろんこの時、電話番号を参照する。ステップS12では、メール文の着信音を選択制御する。この着信音選択機能は、携帯電話受信機能部側に設けられているものを利用する。ステップS13では、メール着信レジスタを有効にする。
こうして、メールがあったことを利用者に通知し、メール本文からポケットベルによるメッセージであることを伝える。また、ポケットベルのメッセージがそのままメール文に含まれるので、ポケットベルと全く同様の利用方法が実現する。
図4(c)の処理Bでは、着信メッセージによってメール文を生成し、定形データによって属性データを生成する。
【0035】
処理Aと処理Bとが異なるのは、ステップS11とステップS16の差のみである。ステップS11では、送信元からメッセージが到着しないので、予め決められた定型データによって自動的にメール文が生成される。ステップS16の場合には、自動的にメール文を生成すると共に着信したメッセージをそのメール文に追加する。以上のような処理によってメッセージ送信機能を持つポケットベルシステムでは、メール着信と同様の操作でポケットベル着信メッセージをディスプレイに表示することができる。
【0036】
図5は、メッセージ送信機能が全くないポケットベルシステムの場合の説明図である。
図5(a)はその動作フローチャートである。まず、ステップS21で着信を検出すると、ステップS22で、予め特定され数値化された定形データを、着信履歴番号記憶部である着信履歴電話番号レジスタに記録する。着信履歴電話番号レジスタには数値のみが格納されて表示される。従って、予め定めたユニークな数値をポケットベル着信表示に利用する。
その後、ステップS23では、着信音の選択制御を行い、ステップS24で着信レジスタを有効にする。すなわち、通常の電話が着信したのと同様に着信表示を行い、ポケットベルのメッセージが受信された旨を利用者に伝える。
【0037】
図5の(b)と(c)は、PHS機能部における動作を説明するフローチャートである。ステップS26では、メール着信レジスタが有効かどうかを判断する。メール着信レジスタが有効であれば、ステップS27でメール着信表示を行う。これは、メール着信のとき、指定された着信音を出力し、あるいはメール着信表示アイコンをディスプレイに表示したりする動作である。
図5(c)の例では、まず、ステップS28で着信レジスタが有効かどうかを判断する。着信レジスタが有効であれば、ステップS29に進み、選択された着信音を出力する。着信があった旨を知らせる着信音やあるいは着信表示を行うことによって利用者は、着信履歴電話番号レジスタの内容を閲覧する。これにより必要な情報が利用者に伝わる。
【0038】
図6は、数字のみ送信する機能を持つポケットベルシステムの場合の具体的な動作フローチャートである。
ポケットベルシステムでは、単に着信の有無を示すものと、数字情報のみを伝達できるものと、一定の字数以下の任意の文字情報を送信できるものと、様々なシステムがある。数字のみ送信する機能を持つポケットベルシステムでは、図6(a)に示すようにまず、ステップS31で着信を検出し、ステップS32で着信フラグをフラグレジスタに格納し、ステップS33で着信データを着信データレジスタに格納した後、着信フラグが有効かどうかを判断する(ステップS34)。ここで、ステップS35、36の処理を実行する。着信数値データがなければ処理Aを実行する。着信数値データがあれば処理Bを実行する。
【0039】
図6(b)に示す処理は、処理Aの内容である。ステップS41において、数値化された定形データを着信履歴電話番号レジスタに記録する。ステップS42では、着信音を選択制御し、ステップS43では、着信レジスタを有効にする。
また、着信数値データがあった場合には、図6(c)に示す処理Bにおいて受信数字を着信履歴電話番号レジスタに記録する。相手方のメッセージが数値であれば、着信電話の電話番号表示と同様にしてそのメッセージを表示することができる。ステップS47、ステップS48は、ステップS42、S43と同様に、着信音を選択制御し着信レジスタを有効にする。
【0040】
このようにして、着信数値データを、着信履歴電話番号表示で表示すれば、すばやくメッセージの内容を見ることが可能になる。メール本文の閲覧よりもはるかにスピーディーにメッセージを読み取ることが可能になる。また、この場合にも相手方から送信された数値が電話番号であれば、返信に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の通信装置の具体例を示すブロック図である。
【図2】本発明の通信装置に表示される情報の例を説明する図で、(a)は通信装置の動作例を示す説明図、(b)はポケットベル機能部により受信したメッセージを示す説明図である。
【図3】本発明の通信装置の概念図である。
【図4】本発明の通信装置の具体的な動作例を示すフローチャートで、(a)はメッセージを受信した場合の動作例を示す説明図、(b)は(a)での処理Aの内容を示す説明図、(c)は(a)での処理Bの内容を示す説明図である。
【図5】メッセージ送信機能が全くないポケットベルシステムを示すフローチャートで、(a)はその動作説明図、(b)と(c)はPHS機能部における動作説明図である。
【図6】数字のみ送信する機能を持つポケットベルシステムの具体的な動作フローチャートで、(a)はその動作説明図、(b)は(a)での処理Aの内容を示す説明図、(c)は(a)での処理Bの内容を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
10 PHS機能部
11 ディスプレイ
12 制御キー
13 送受信部
14 表示制御部
15 メール着信レジスタ
16 受信メール記憶部
17 着信番号記憶部
20 ポケットベル機能部
21 受信部
22 着信制御部
23 着信フラグレジスタ
24 着信データレジスタ
25 メール文生成手段
26 定型文データ
31 メール文
32 属性データ
33 メール文書き込み手段
40 電話番号簿
41 ポケベルフラグ
42 送信元の名前
43 電話番号
44 メールアドレス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話システムによる情報の送受信が可能な携帯電話送受信機能部と、広域伝達情報の受信が可能なポケットベル機能部とを備え、
前記ポケットベル機能部で、着信を検出したとき、予め特定された定型文を用いてメール文を生成するメール文生成手段と、このメール文に、予め特定された属性データを付加して、前記携帯電話送受信機能部の、受信メール記憶部に記憶するメール文書き込み手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記メール文生成手段は、ポケットベルシステムによる前記広域伝達情報の送信元のメールアドレスを含む電話番号簿を参照して、前記メール文の属性データを生成することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
携帯電話システムによる情報の送受信が可能な携帯電話送受信機能部と、広域伝達情報の受信が可能なポケットベル機能部とを備え、
前記ポケットベル機能部で、着信を検出したとき、予め特定され数値化された定型情報を、前記携帯電話送受信機能部の、着信履歴番号記憶部に記憶するメール文書き込み手段を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項4】
携帯電話システムによる情報の送受信が可能な携帯電話送受信機能部と、広域伝達情報の受信が可能なポケットベル機能部とを備え、
前記ポケットベル機能部で、着信を検出したとき、ポケットベルシステムによる前記広域伝達情報の送信元のメールアドレスを含む電話番号簿を参照して、その送信元の電話番号を、着信履歴番号記憶部に記憶するメール文書き込み手段を備えたことを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2005−101725(P2005−101725A)
【公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−329840(P2003−329840)
【出願日】平成15年9月22日(2003.9.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポケットベル
【出願人】(000002255)昭和電線電纜株式会社 (71)
【Fターム(参考)】