説明

通過管理システム

【課題】物品の搬入搬出時や来客時などの特定の場合には不正な通過を検知する動作を一時的に停止させることを可能として利便性を向上させる。
【解決手段】通口に隣接して認証を行う認証装置3が配置される。人監視装置1は、通口を含む通口の近辺を撮像する撮像手段11と、撮像した画像から通口を通過する通過人数を計数する通過人数計数手段12とを備える。また、人監視装置1に設けた信号処理手段10は、認証装置3により認証した認証数と通過人数計数手段12により計数した通過人数とを比較判定し認証数と通過人数とが整合しないときに警報出力装置5に警報報知を指示する。人監視装置1には警報出力装置5への警報報知の指示の有効と無効とを選択する停止手段14が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通過に認証を要する通口を通過する人数を確認することにより通口の不正な通過を抑止する通過管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、入場に認証を要する管理区域(たとえば、特定の室内や特定の建物内)への入場を制限するために、管理区域への通口に電気制御により施錠状態と解錠状態とが選択される扉装置を設けておき、常時は扉装置を施錠状態とし、IDカードやバイオメトリックによる個人認証を行って入場権限のある個人を認証したときにのみ扉装置を解錠状態に制御する技術が採用されている。
【0003】
ただし、この種の通過管理システムでは、扉装置を解錠状態に制御した後に認証された人が通過できる程度の一定の開時間は解錠状態を維持しているから、この間に認証を受けていない人が管理区域に侵入する可能性がある。この種の不正な入場には、認証された人数より多くの人が入場する「後追い」、管理区域から人が退場する際に非管理区域の人が入場する「すれ違い」、管理区域の人が扉装置を解錠状態にしたときに非管理区域から人が入場する「誘い込み」の3種類が考えられる。なお、管理区域からの退場の際にも認証を要する場合には、管理区域から非管理区域への退場の際に、同様の動作で不正な退場が生じる可能性がある。
【0004】
この種の不正な入場を抑止するために、入退場する人を撮像手段により撮像して得られる画像を用いて、人を個別に分離して監視する技術を併用することが考えられている(たとえば、特許文献1参照)。この技術では、撮像手段により撮像した画像から人を抽出し、通口附近に設定した検知エリアに滞在する人数や通口を通過する人数を計数する。
【0005】
不正な入場を未然に防止する技術としては、通口附近に設定した検知エリアに滞在する人数を計数し、この人数が1人であって、認証装置により認証した人数が1人であるときにのみ扉装置を解錠することが考えられている。検知エリアは、非管理区域において撮像手段の視野内で設定することができるが、さらに安全性を高めるために、管理区域の外で通口附近に非管理区域と仕切った認証室を設けるとともに、認証室への通口にも施解錠が可能な扉装置を設けることも考えられている。認証室を設けた構成では、認証室に滞在する人が1人でなければ管理区域への入場が許可されず、また、管理区域への入場には非管理区域と認証室との間の通口と、認証室と管理区域との間の通口との2箇所を通過しなければならないから、不正な入場が不可能になる。
【0006】
一方、不正な入場を抑止する技術としては、扉装置の解錠後に通口を通過する人数とを計数し、認証装置により認証した人数と整合していないときに警報を発報する技術が考えられている。この技術では、複数人が通口を通過しようとするときに、認証装置により1人が認証されて扉装置が解錠状態となっている間に、他の人も次々と認証装置で認証されるだけで扉装置の解錠状態が維持されて通口を通過することができる。一方、認証装置で認証された人数よりも通過した人数が多くなると警報が発報されるから、不正な入場があったことが報知され、不正な入場を抑止することが可能になる。
【特許文献1】特開2006−243972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、撮像手段により撮像した画像では、人と同程度のサイズの物品を人と区別することはできないから、人と同程度のサイズの物品を管理区域に搬入する場合には人と誤検知されて不正な入場とみなされることになり、また入場権限のある人が入場権限のない来客などを伴って管理区域に入ろうとする場合にも不正な入場とみなされることになる。管理区域の種類にもよるが、この種の入場形態は日常的に生じる可能性があるから、これらの入場形態が禁止されていると利便性を欠くことになる。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、物品の搬入搬出時や来客時などの特定の場合には不正な通過を検知する動作を一時的に停止させることを可能として利便性を向上させた通過管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、通過に認証を要する通口に隣接して配置され通口の通過者の認証を行う認証装置と、通口を含む通口の近辺の画像を撮像する撮像手段を有し撮像した画像から人の存在領域を抽出する人監視装置とを備え、人監視装置は、通口を通過する通過人数を計数する通過人数計数手段と、認証装置により認証した認証数と通過人数計数手段により計数した通過人数とを比較判定し認証数と通過人数とが整合しないときに警報出力手段に警報報知を指示する信号処理手段と、警報出力手段への警報報知の指示の有効と無効とを選択する停止手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記通口を開閉するように配置され電気制御により施解錠が可能な錠手段を備えた扉装置と、認証装置による認証結果を用いて錠手段に施解錠を指示する錠制御手段を備えた出入管理装置とが付加され、前記人監視装置は、錠手段の解錠前に前記画像から抽出した人の存在領域に基づいて通口に対して認証装置が配置されている方の空間に設定した検知エリア内に滞在する人数を計数する滞在人数計数手段を備え、錠制御手段は、認証装置が認証したときに滞在人数計数手段で計数した滞在人数が規定範囲内であるときに錠手段を解錠することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記停止手段は、制御信号が与えられることにより有効と無効とが選択されることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記停止手段は、前記認証装置から制御信号が入力されることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明では、請求項3の発明において、前記錠制御手段は、錠手段を解錠した後に扉装置が閉じるか一定の開時間が経過すると施錠を指示する自動閉モードと、錠手段を解錠した後に施錠しない連続開モードと、錠手段を施錠している状態において認証装置で認証されると解錠を指示し錠手段を解錠している状態において認証装置で認証されると施錠を指示する繰り返し開閉モードとが外部から入力されるモード選択信号により選択可能であって、前記人監視装置は、連続開モードと繰り返し開閉モードとを選択するモード選択信号を前記制御信号に用いることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明では、請求項3の発明において、前記錠制御手段は、錠手段を解錠した後に扉装置が閉じるか一定の開時間が経過すると施錠を指示する自動閉モードと、錠手段を解錠した後に施錠しない連続開モードと、錠手段を施錠している状態において認証装置で認証されると解錠を指示し錠手段を解錠している状態において認証装置で認証されると施錠を指示する繰り返し開閉モードとが外部から入力されるモード選択信号により選択可能であって、前記出入管理装置は、自動閉モードが選択されている間には認証装置での認証毎にパルス信号を出力し、連続開モードまたは繰り返し開閉モードが選択されている間にオンになる接点信号を出力する認証出力手段を備え、前記人監視装置における前記信号処理手段は、パルス信号と接点信号とを識別し接点信号が入力されている間は前記停止手段を有効にすることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、前記モード選択信号の各モードをタイムスケジュールに従って変更するスケジューラが付加されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明では、請求項1ないし請求項7のいずれかの発明において、前記撮像手段は、強度変調光を投光する発光源と、撮像手段の各画素で検出した強度変調光の位相から物体までの距離を各画素の画素値として検出する距離画像生成部とを備え、前記信号処理手段は、距離画像生成部で得られた画素値に基づいて視野内に存在する人の存在領域を個別に抽出して滞在人数計数手段および通過人数計数手段による人の計数に用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明の構成によれば、停止手段を設けたことにより、警報出力手段による警報報知を行うか行わないかを選択することができるから、管理区域への物品の搬入時や来客時などの特定の場合には、警報報知を一時的に停止させて不正な通過か否かを問わずに通口を通過することが可能になり、運用上の利便性が向上する。
【0018】
請求項2の発明の構成によれば、通口に扉装置を備え、錠手段の解錠前には認証装置で認証されても検知エリアの滞在人数が規定範囲以上であれば錠手段を解錠しないから、たとえば、滞在人数を1人に規定することによって、認証を受けない人が通口を通過することが防止される。
【0019】
請求項3の発明の構成によれば、停止手段が制御信号により制御されるから、管理用のコンピュータや通過管理システムを構築する他装置を用いて停止手段の有効と無効との指示を遠方から制御することが可能になる。
【0020】
請求項4の発明の構成によれば、認証装置を用いて停止手段の有効・無効を制御するから、停止手段を制御するために他の装置を設ける必要がなく、大型の物品を通過させる場合や、認証装置で認証される人が認証されない来客などに付き添って通過する場合に、簡単な作業での停止手段を有効にすることができる。なお、この動作は一時的であるから、自動的に元の状態に復帰させるのが望ましい。
【0021】
請求項5の発明の構成によれば、錠手段を制御する動作モードを選択することで停止手段の有効・無効を自動的に選択することができ、錠手段を制御する動作モードと連動した形で停止手段を動作させることができる。
【0022】
請求項6の発明の構成によれば、錠手段を制御する動作モードに応じて人監視手段に対して停止手段の有効・無効を通知することができるから、通過人数や滞在人数の計数の要否も停止手段の有効・無効と連動させることができる。また、出入管理装置で選択された動作モードに応じてパルス信号と接点信号とのいずれかを人監視装置に送り、人監視装置ではパルス信号か接点信号かを識別して停止手段の有効・無効を決定するから、認証数を計数するためのパルス信号を送るための接続線と、停止手段を制御するための接点信号を送るための接続線とが兼用されることになり、結果的に人監視装置に接続する接続線の本数を低減することができる。
【0023】
請求項7の発明の構成によれば、タイムスケジュールに従って停止手段の有効・無効を切り替えるから、認証を必要としない時間帯と認証が必要な時間帯とに分けて両時間帯を自動的に切り替えることが可能になる。
【0024】
請求項8の発明の構成によれば、撮像手段が発光源から光を投光するアクティブ型の距離画像センサを構成しているから、検知エリア内の人の服装と背景との色が似通っていても距離の相違によって、人の存在領域を背景から容易に分離することができる。また、ステレオ画像法のように複数個の撮像素子を必要としないから、使用時の調整が容易であるとともに、ステレオ画像法を採用する場合よりも低コストで実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(実施形態1)
本実施形態では、本発明のもっとも単純な構成として、図2に示すように、管理区域D1と非管理区域D2との間の通口21が開放されている例を示す。
【0026】
非管理区域D2の天井Cには、通口21を含む通口21の近辺の画像を撮像する撮像手段11(図1参照)を備えた人監視装置1が配置される。また、非管理区域D2において通口21に隣接する壁面Wには認証装置3を配置している。
【0027】
認証装置3は、RFID(いわゆる、ICチップ)によるIDカードを用いるものを想定するが、磁気カード式のIDカードや、指紋などのバイオメトリックによる認証を行う構成を採用することも可能である。認証装置3は、出入管理装置4を介して人監視装置1に接続され、出入管理装置4には認証装置3での認証毎に1個のパルス信号を出力して人監視装置1に通知する認証出力手段41が設けられる。
【0028】
人監視装置1に設けた撮像装置11の視野には平面視で矩形領域である検知エリアA1が設定される。検知エリアA1は、通口21側において少なくとも通口21の上端までを含むように設定される。人監視装置1は、撮像手段11で撮像した画像から人の存在領域を抽出する信号処理手段10と、信号処理手段10で抽出した検知エリアA1に存在する人の存在領域を追跡することにより通口21の通過を判断するとともに通口21を通って管理区域D1に入場した人数を計数する通過人数計数手段12とを備える。
【0029】
撮像手段11で撮像した画像から人の存在領域を抽出する技術としては、濃淡画像を用いて背景と人とを分離する技術を採用することができるが、たとえば床面の色と人の着衣とが同系色であると、濃淡画像では両者を見分けにくい場合がある。そこで、撮像手段11の各画素に対応する物体までの距離を各画素の画素値とした距離画像を用いる。距離画像を用いれば、背景と人の着衣との色には関係なく、人を抽出することができ、また人が接近している場合でも頭部の位置やサイズの情報を用いることにより、各人を個別に分離することが可能になる。つまり、距離画像を採用することにより検知エリアA1の人を個別に抽出して人数を確実に計数することが可能になる。
【0030】
本実施形態では、発光ダイオードのような発光源(図示せず)から強度変調光を投光するアクティブ型の構成を採用している。この技術は、各画素において、それぞれ強度変調光の特定の複数の位相区間における受光光量を求め、得られた複数の受光光量から投受光の位相差を求めるものである。強度変調光は、一定周波数の変調信号で強度を変調した光であり、投受光の位相差は物体までの距離に換算することができる。
【0031】
この技術について簡単に説明する。いま、発光源から図3(a)のように強度変調光を対象空間に投光し、撮像手段11の1つの画素に入射する光の強度が図3(b)のように変化しているとすると、同位相の時間差Δtは物体までの距離Lを反映しているから、光速をc[m/s]として、時間差Δt[s]を用いると、物体までの距離Lは、L=c・Δt/2で表される。光の強度を変調する変調信号の周波数をf[Hz]とし、位相差をφ[rad]とすれば、時間差Δtは、Δt=φ/2πfであるから、位相差φを求めることにより距離Lを求めることができるのである。
【0032】
この位相差φは、発光源を駆動する変調信号と撮像手段11の各画素への入射光との位相差とみなしてよい。そこで、撮像手段11への入射光の受光強度を変調信号の複数の異なる位相について求め、求めた位相の関係と受光強度とから入射光と変調信号との位相差φを求める。具体的には、撮像手段11において所定の位相幅(時間幅)を有する位相区間ごとの受光光量を検出し、この受光光量に相当する受光出力を位相差φの演算に用いる。各位相区間を90度間隔とすれば、変調信号の1周期について等位相間隔の4つの位相区間が周期的に得られ、各位相区間の受光光量A0〜A3を用いることによって、位相差φは、φ=tan−1{(A0−A2)/(A1−A3)}と表すことができる。なお、受光光量A0〜A3を変調信号のどの位相に対応させるかによって、位相差φの符号は変化する。また、図3に示す例では、各位相区間を90度の位相幅に設定しているが、位相幅は適宜に設定することができる。
【0033】
信号処理手段10は、認証出力手段41から得られたパルス信号を計数することにより認証数を計数し、通過人数計数手段12により計数された通過人数と認証数とを比較し、通過人数が認証数よりも多いときには警報出力装置(警報出力手段)5に対して警報の発報を指示する機能を有する(この機能については後述する)。ただし、人監視装置1は、上記機能を停止させるための停止手段14も備える。停止手段14により上記機能の停止が指示されると、信号処理手段10では、通過人数計数手段12で計数した通過人数と認証数との比較判定を行わないか、あるいは警出力装置4への警報の発報の指示を行わないようにする。なお、人監視装置1において、信号処理手段10および通過人数計数手段12は、マイクロコンピュータを用いて実現される。
【0034】
停止手段14は、ディップスイッチのような機械式スイッチを用いることが可能であるが、人監視装置1に外部からの制御信号を受ける端子を設けておき、制御信号の入力によって停止手段14により上記機能(警報の発報を指示する機能)の有効・無効を選択するようにすれば、上記機能の有効・無効を、通過管理システムを構築する他装置やシステムを統括するコンピュータなどの装置を用いて遠方から指示することが可能になり利便性が高くなる。以下に説明する各実施形態では、外部からの制御信号を受けることにより上記機能の有効・無効を選択する構成を用いるものとする。
【0035】
上記機能の手順について一例を図4に示す。まず、動作を開始すると、認証数および通過人数を0に初期化し(S1)、認証の有無を待機する(S2)。認証装置3により認証されると(S2)、認証毎に認証出力手段41からパルス信号が信号処理手段10に通知されるから、パルス信号が入力されるたびに認証数を計数し(S3)、信号処理手段10では、制限時間を時限するタイマにトリガを与え(S4)、タイマによる制限時間の時限を行う(S5)。
【0036】
タイマは再トリガ可能であって、トリガが与えられるたびにトリガから一定時間である制限時間を時限する。この制限時間は、認証装置3による認証から通口21を通過するまでの制限時間であり、認証装置3により認証されても制限時間内に通口21を通過しなければ認証は無効になる。つまり、認証を受けてから制限時間が経過しても通口21を通過しなければ、通過人数を0に初期化する(S6)。
【0037】
通過人数計数手段12により制限時間内の通過人数が検出されると(S7)、通過人数を計数し(S8)、認証数から通過人数を減算する(S9)。認証数よりも通過人数が多い場合(つまり、認証数から通過人数を減算した値が負である場合)には(S10)、認証されない人が通過したことになるから、警報出力装置5に対して警報の報知を指示し(S11)、認証数および通過人数を0に初期化する(S12)。ステップS10において通過人数が認証数の範囲内であるときには、ステップS2に戻り、次の認証の有無を待機する。なお、図示していないが、警報出力装置5への警報報知の指示は適宜操作でリセットすることができ、リセットにより警報報知を停止させることができる。
【0038】
図4に示す手順の処理によって、認証数と通過人数との比較判定を行い、認証数よりも通過人数が多い場合に警報出力装置5から警報を報知させることが可能になる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態では、停止手段14を設けたことによって、警報報知装置5による警報の報知を行わない状態を選択することが可能であるから、たとえば、大型の物品を管理区域D1に搬入する際や、認証装置3での認証登録がなされていない人を伴って管理区域D1に入場する場合には、停止手段14によって警報報知装置5による警報報知の動作を一時的に停止させることができ、常時は管理区域D1への入場を制限して安全性を高めながらも利便性の高い運用が可能になる。
【0040】
(実施形態2)
実施形態1では、通口21が開放されている例を示したが、本実施形態は、図6に示すように、通口21に扉装置2を配置した例を示す。扉装置2は錠手段22を備え、図5に示すように、錠手段22の解錠と施錠とは、出入管理装置4に設けた錠制御手段42から指示される。錠制御手段42は、人監視装置1の信号処理手段10と認証装置3を接続した認証出力手段41とからの指示を総合して錠手段22の開閉を制御する。
【0041】
ここに、錠手段22の施錠は閉鎖状態に維持することを意味しており、錠手段22としては、扉装置2をロックして閉鎖状態に維持することができる構成であれば電気錠のようにデッドボルトを備える構成以外でも採用することができる。また、扉装置2はモータのような駆動源を用いて開閉される構成を採用し、錠手段22の解錠とともに扉装置2を自動的に開放したり、扉装置2の閉鎖を自動的に行うようにしたりするものでもよい。さらに、扉装置2の閉鎖に伴って錠手段22が自動的に施錠される構成を採用するのが望ましい。
【0042】
人監視装置1は、通口21を通過する人数を計数する通過人数計数手段12だけでなく、検知エリアA1に存在する人数を計数する滞在人数計数手段13も備えている。滞在人数計数手段13により計数する滞在人数を利用するか否かは停止手段14と同様に外部からの制御信号による指示で選択可能になっている。滞在人数計数手段13で計数する滞在人数を利用しなければ、実施形態1と同様の動作になり、通過人数計数手段12で計数する通過人数を認証数と比較判定し、警報出力装置5への指示を行うことになる。
【0043】
ただし、本実施形態では錠手段22を有する扉装置2を備えているから、制限時間による時限は不要であり、錠手段22が施錠された状態から解錠され、次にふたたび施錠されるまでの期間において通過人数の計数を行う。すなわち、図7に示すように、動作を開始すると、認証数および通過人数を0に初期化し(S1)、認証の有無を待機する(S2)。認証装置3により認証されると(S2)、認証装置3での認証毎に認証出力手段41からパルス信号が信号処理手段10に通知されるから、パルス信号の入力毎に認証数を計数する(S3)。
【0044】
認証後に他の条件も満たされていれば錠手段22は解錠するから(S4)、通過人数計数手段12により通口21の通過が検出されると(S5)、信号処理手段10では通過人数を計数し(S6)、認証数から通過人数を減算する(S7)。認証数よりも通過人数数が多い場合(つまり、認証数から通過人数を減算した値が負である場合)には(S8)、解錠中において認証されない人が通過したことになるから、警報出力装置5に対して警報の報知を指示し(S9)、認証数および通過人数を0に初期化する(S10)。ステップS8において通過人数が認証数の範囲内であるときには、警報報知および初期化を行わずに、錠手段22の施錠の有無を確認し(S11)、解錠中であればステップS2に戻り、次の認証の有無を待機する。
【0045】
一方、滞在人数計数手段13により計数した滞在人数を利用する場合は、滞在人数によって錠手段22の解錠を禁止する。すなわち、管理区域D1への不正な入場を抑止するために管理区域D1に1人ずつ入場するようにし、錠制御手段42では、錠手段22が施錠されているときには、検知エリアA1に滞在する人が1人でなければ、錠手段22を解錠させるための他の条件が成立しても、錠手段22を解錠させない構成を採用している。
【0046】
さらに具体的に説明する。いま、錠手段22が施錠状態であるものとする。認証装置3により認証される人は検知エリアA1に存在しているから、認証装置3による認証の際に検知エリアA1に複数人が存在すれば、認証される人以外の人が通口21から管理区域D1に入場することが可能になる。そこで、認証装置3による認証の時点において検知エリアA1に複数人が存在するときには、錠制御手段42では錠手段22の解錠を行わずに施錠状態を維持する。
【0047】
一方、認証装置3による認証の際に検知エリアA1に1人だけ滞在するときには、錠手段22を解錠し、認証された人が通口21を通過するのを許可する。ここで、錠手段22の解錠状態は一定の開時間まで継続可能であり、開時間の経過後には扉装置2が自動的に閉鎖される。つまり、錠手段22は自動的に施錠される。また、開時間の経過前に扉装置2を閉じたときにも錠手段22は自動的に施錠され、錠手段22を解錠した後に扉装置2を開かなければ開時間の経過時点で錠手段22は自動的に施錠される。
【0048】
上述の動作により、認証装置3により認証される際に検知エリアA1に滞在する人が1人であるときにのみ錠手段22が解錠され、それ以外の場合には錠手段22が解錠されないから、不正な入場を未然に防止できる可能性が高くなる。
【0049】
なお、1人が認証され錠手段22が解錠された後に他の人が管理区域D1に入場する可能性もあるが、その場合は、実施形態1と同様に、人監視装置1において、通過人数と認証数(この場合は1)との比較判定により警報出力装置5に警報報知を指示する。
【0050】
ところで、本実施形態のように、錠手段22を備える場合には、停止手段14により、錠手段22を解錠した状態に維持する必要がある。ただし、停止手段14は、人監視装置1に設けているから、停止手段14からの指示を錠制御手段42に直接与えることはできない。
【0051】
そこで、停止手段14により警報出力装置5からの警報発報の停止が指示されると信号処理手段10では、滞在人数計数手段13により計数された滞在人数によらず認証出力手段41での検出結果のみで錠手段22の解錠を行うように錠制御手段42に指示を与える。この指示によって錠制御手段42は、認証出力手段41での認証が成立すると錠手段22を解錠する。また、扉装置2を自動的に閉鎖する機能も停止させる。
【0052】
停止手段14により警報出力装置5からの警報発報の停止が指示されたときに、滞在人数が1人である場合と同じ指示を錠制御手段42に与えるようにすることも可能である。この場合、滞在人数が複数人であっても1人とみなされているから、錠制御手段42では錠手段22を解錠し、扉装置2が開かれた後に閉じられるか一定の開時間が経過すると扉装置2が閉鎖されることになる。
【0053】
言い換えると、認証装置3により1人が認証されると、以後、開時間には通口21の通過が可能になる。つまり、1人が認証されることにより管理区域D1に複数人が入場可能になる。この動作の場合には、錠手段22を解錠してから施錠すると、停止手段14による停止状態は解除される。
【0054】
本実施形態の構成では、停止手段14により停止が指示されると、認証装置3により1人が認証されるだけで、滞在人数によらずに錠手段22を解錠することが可能になり、しかも、通過人数によらず警報出力装置5から警報が発報されるのを禁止することができる。
【0055】
ところで、実施形態1にも記載したように停止手段14は、外部からの制御信号の入力によって機能の有効・無効を選択する構成を採用するのが望ましい。図6に示す構成例では、認証装置3を用いて停止手段14に指示を与える構成を採用している。認証装置3から停止手段14に指示を与える構成としては、以下のいずれかの構成を採用することができる。
【0056】
認証装置3がIDカードを読み取る構成のみを備えている場合は、特定のIDを有するIDカードを用いたときに停止手段14の機能を有効にする構成を採用する。また、停止手段14の機能が有効になった後に無効にする指示が必要な場合には、別途の特定のIDを有するIDカードを用いたときに停止手段14の機能を無効にする。
【0057】
また、認証装置3に停止手段14の有効・無効を指示するスイッチを付設しておき、IDカードやバイオメトリックにより認証された後の開時間内にスイッチを操作したときにのみ停止手段14の有効・無効を選択できる構成としてもよい。この構成において特定のIDのIDカードを用いる構成を採用することもできる。
【0058】
さらにまた、認証装置3にテンキーを設け、暗証番号を入力することによって停止手段14の有効・無効を指示する構成を採用することもできる。上述のスイッチに代えて暗証番号を入力する構成を採用すれば、認証と暗証番号との両方を用いることになるから、停止手段14を機能させるための条件が多くなり、停止手段14の機能が安易に用いられるのを防止することが可能になる。
【0059】
上述したように、停止手段14が無効であるときには、検知エリアA1に1人だけ存在するときに解錠を許可する制御になり、停止手段14が有効であるときには、検知エリアA1に複数人が存在していても滞在人数を無視し認証装置3による認証のみで解錠を許可する制御になる。
【0060】
停止手段14が無効であるときには、錠手段22が解錠してから施錠されるまでの間に通口21の通過を許可されるのは1人だけであり、停止手段14が有効であるときには、錠手段22が解錠してから施錠されるまでの間に通口21に複数人が通過することが許容される。
【0061】
そこで、停止手段14が無効である場合には、認証装置3による認証後に錠手段22を解錠すると、錠手段22が施錠されるまでの間に認証装置3による認証を禁止するのが望ましい。つまり、1人目が認証された後に認証を禁止することにより、1人目が通口21を通過した後で解錠中に他の人が通口21を通過しようとすれば非認証での通過になり通過人数と認証数との不一致が生じて警報出力手段5が駆動される。
【0062】
一方、停止手段14が有効である場合には、認証装置3が1人目を認証して錠手段22が解錠されると、続けて複数人が認証装置3による認証を受けて通口21を通過する動作を可能とし、認証装置3による認証の処理を常時行う。つまり、認証装置3により1人が認証された後にも認証装置3の動作は停止させず、認証毎に認証出力手段41から人監視装置1にパルス信号を与えるのである。
【0063】
ただし、後者の制御であっても、1人目の認証後に認証装置3による認証(またはパルス信号の発生)を停止する構成を採用してもよい。認証の停止後、通過人数検出手段12により人の通過が検出されるか、または錠手段22が施錠されるかのいずれかの条件(通過と施錠との論理和)の成立時に、認証装置3による認証を再開するように規定すると、錠手段22の施錠までに複数人の通過を許容しながらも確実に1人ずつを通過させることが可能になる。つまり、短時間に複数人がかたまって認証を受けるのを抑制し、認証数の計数の信頼性を高めることができる。
【0064】
なお、認証の再開を、通過と施錠との論理和ではなく、認証の時間間隔を規定するための一定時間が経過するか、または錠手段22が施錠されるかのいずれかの条件(時間経過と施錠との論理和)の成立時とすることも可能である。この動作でも認証数の計数の信頼性を高めることができる。
【0065】
(実施形態3)
上述したように、錠制御手段42では、人監視装置1からの指示を無視すれば、基本的な動作としては、錠手段22が施錠状態であるときに認証装置3で認証されると錠手段22の解錠を指示し、扉装置2を開いてから閉じるか、一定の開時間が経過すると、自動的に施錠状態に復帰するという動作になる(図9参照)。以下ではこの動作モードを「自動施錠モード」と呼ぶ。自動施錠モードは、錠手段22の解錠後に扉装置2を開いて閉じない場合でも開時間が経過すると扉装置2を閉じて錠手段22を施錠するから、錠手段22が解錠されている期間は最大でも認証装置3による認証の後の開時間のみになる。
【0066】
本実施形態では、錠制御手段42に、自動施錠モードのほか、図10に示すように、認証装置3に認証を受けることなく錠手段22を解錠し、扉装置2の開閉にかかわらず錠手段22の解錠を維持する「連続解錠モード」と、図11に示すように、錠手段22が施錠状態であるときに認証装置3で認証されると錠手段22を解錠し、錠手段22が解錠されているときに認証されると錠手段22を施錠する「繰り返し施解錠モード」との動作モードを設けている。また、図8に示すように、出入管理装置4に外部装置を接続するためのインターフェイス43を設け、外部装置からの指示により動作モードの選択を可能にしている。
【0067】
上述したように、外部装置を出入管理装置4に接続するから、停止手段14に対しては錠制御手段42から指示を与えるようにし、自動施錠モードが選択されているときには停止手段14の機能を無効にし、連続解錠モードあるいは繰り返し施解錠モードが選択されているときには停止手段14の機能を有効にする。錠制御手段42の動作モードが選択可能である点と、停止手段14に指示を与える装置として出入管理装置4を用いる点以外は実施形態2と同様の構成および動作になる。
【0068】
そして、自動施錠モードが選択されているときには、実施形態2において停止手段14の機能を無効にしている場合と同様の動作になり、検知エリアA1の滞在人数により錠手段22の解錠が制限され、認証装置3による認証数と通口21の通過人数との比較判定により警報出力装置5による警報報知が制御される。
【0069】
一方、連続解錠モードが選択されるときには、錠手段22はつねに解錠状態に維持されているから、停止手段14に機能を有効にするように指示し、滞在人数に関係なく錠手段22を解錠する。また、繰り返し施解錠モードが選択されるときは、認証装置3による認証により解錠と施錠とが選択されるから、解錠されている期間には停止手段14の機能を有効にし、施錠されている期間には停止手段14の機能を無効にする。
【0070】
連続解錠モードと繰り返し施解錠モードとのいずれにおいても外部装置が錠制御手段42に指示を与えているから、人監視装置1の信号処理手段10から錠制御手段42に対して、情報を与える必要はないが、検知エリアA1の滞在人数によらず認証出力手段41での検出結果のみを用いるか、滞在人数計数手段13により計数された滞在人数によらず1人として扱うように、信号処理手段10から錠制御手段42に情報を与えてもよい。
【0071】
上述したように繰り返し施解錠モードでは、施錠している期間に停止手段14の機能を無効にしているから、通過人数計数手段12による通過人数と認証装置3による認証数との比較判定がなされ、認証装置3を用いずに鍵やサムターンにより錠手段22を解錠したり、錠手段22をこじ開けたりすると、管理区域D1の入場者が認証されていないことにより、警報出力装置5による警報報知がなされることになる。
【0072】
上述の例では、繰り返し施解錠モードにおいて、施錠と解除とに連動させて停止手段14の有効と無効とを選択する構成を例示したが、繰り返し施解錠モードにおいて、連続解錠モードと同様に、停止手段14をつねに有効にすることも可能である。他の構成および動作は実施形態2と同様である。
【0073】
(実施形態4)
実施形態3において説明した構成では、動作モードに応じて停止手段14の機能の有効・無効を選択するために錠制御手段42と停止手段14との間の接続線が必要になるから、人監視装置1に接続する配線数が実施形態2の構成に比較して増加するという問題がある。本実施形態は、図12に示すように、出入監視装置4から停止手段14に指示を与える構成を採用しながらも、実施形態2の構成に比較して配線数の増加を防止するために、認証出力手段41と人監視装置1とを接続する接続線を利用して、出入監視装置4から停止手段14への指示を与える構成を採用している。
【0074】
すなわち、認証出力手段41と人監視装置1とを接続する接続線は、認証装置3での認証数と停止手段14の有効・無効の指示との2種類の情報に兼用しているから、人監視装置1の信号処理手段10では、どちらの情報であるかを区別する必要がある。認証出力手段14から出力される信号は、図13に示すように2値信号を用いる。また、認証装置3で認証されたことを通知する際にはパルス幅の短いパルス信号を用い、停止手段14への指示は持続する信号を用いる(接点信号と呼ぶ)。したがって、信号処理手段10では、信号の立ち上がりからの継続時間を計測し、規定した時間範囲内(図13の時間Ta1と時間Ta2の範囲内)で立ち下がる信号はパルス信号とみなし、別に設定した時間(図13のTb)を超えて継続する信号は接点信号とみなす。パルス幅の計測に上限と下限とを設定しているのはノイズと分離するためである。
【0075】
したがって、図13に示すように、自動施錠モードでは、パルス信号が入力されることにより、停止手段14を無効にする状態に保ち、検知エリアA1の滞在人数による錠手段22の解錠の禁止や通過人数による警報報知を行うことができる。また、外部装置により連続解錠モードを選択すれば、接点信号が出力されることにより停止手段14が有効になり、認証装置3での認証にかかわりなく通口21の通過が可能になる。なお、繰り返し施解錠モードでは、認証装置3による認証毎に錠手段22の施錠と解錠とを切り替えるから、実施形態3において説明したように、解錠時には停止手段14を有効にし、施錠時には停止手段14を無効にするように、接点信号を発生させればよい。また、繰り返し施解錠モードにおいて、錠手段22の施解錠にかかわらず停止手段14をつねに有効に保つ場合には、認証毎に錠手段22を施解錠すること以外は連続解錠モードと同様の動作になる。
【0076】
本実施形態の他の構成および動作は実施形態3と同様であって、出入管理装置4と人監視装置1との間の配線数が実施形態2と同数になり、また図13の動作から明らかなように、連続解錠モードにおける接点信号は錠手段22の施解錠を指示する信号を流用することができるから、コスト増なく実現することができる。
【0077】
本実施形態の構成は錠制御手段42において複数の動作モードを選択する場合だけではなく、単に停止手段14の有効・無効を選択するためにのみ用いることも可能である。
【0078】
実施形態3、4では錠制御装置42の動作モードを外部装置で制御することにより停止手段14の有効・無効も選択されるから、外部装置としてタイムスケジュールに従って動作モードを選択するタイマ装置やコンピュータを用いると、時間帯ごとに動作モードを切り替え、かつ動作モードに連動させて停止手段14の有効・無効を選択することが可能になる(図13参照)。たとえば、店舗などにおいて、来客のある開店中の時間帯には認証の不要な連続解錠モードとし、閉店中の時間帯や休日には自動施錠モードとして不正な侵入を防止する動作を自動的に切り替えることが可能になる。つまり、タイマ装置やコンピュータはタイマ手段として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施形態1を示すブロック図である。
【図2】同上の使用例を示す斜視図である。
【図3】同上に用いる撮像手段の動作説明図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】実施形態2を示すブロック図である。
【図6】同上の使用例を示す斜視図である。
【図7】同上の動作説明図である。
【図8】実施形態3を示すブロック図である。
【図9】自動施錠モードの動作説明図である。
【図10】連続解錠モードの動作説明図である。
【図11】繰り返し施解錠モードの動作説明図である。
【図12】実施形態4を示すブロック図である。
【図13】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1 人監視装置
2 扉装置
3 認証装置
4 出入管理装置
5 警報出力装置(警報出力手段)
10 信号処理手段
11 撮像手段
12 通過人数計数手段
13 滞在人数計数手段
14 停止手段
21 通口
22 錠手段
41 認証出力手段
42 錠制御手段
A1 検知エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過に認証を要する通口に隣接して配置され通口の通過者の認証を行う認証装置と、通口を含む通口の近辺の画像を撮像する撮像手段を有し撮像した画像から人の存在領域を抽出する人監視装置とを備え、人監視装置は、通口を通過する通過人数を計数する通過人数計数手段と、認証装置により認証した認証数と通過人数計数手段により計数した通過人数とを比較判定し認証数と通過人数とが整合しないときに警報出力手段に警報報知を指示する信号処理手段と、警報出力手段への警報報知の指示の有効と無効とを選択する停止手段とを備えることを特徴とする通過管理システム。
【請求項2】
前記通口を開閉するように配置され電気制御により施解錠が可能な錠手段を備えた扉装置と、認証装置による認証結果を用いて錠手段に施解錠を指示する錠制御手段を備えた出入管理装置とが付加され、前記人監視装置は、錠手段の解錠前に前記画像から抽出した人の存在領域に基づいて通口に対して認証装置が配置されている方の空間に設定した検知エリア内に滞在する人数を計数する滞在人数計数手段を備え、錠制御手段は、認証装置が認証したときに滞在人数計数手段で計数した滞在人数が規定範囲内であるときに錠手段を解錠することを特徴とする請求項1記載の通過管理システム。
【請求項3】
前記停止手段は、制御信号が与えられることにより有効と無効とを選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の通過管理システム。
【請求項4】
前記停止手段は、前記認証装置から制御信号が入力されることを特徴とする請求項3記載の通過管理システム。
【請求項5】
前記錠制御手段は、錠手段を解錠した後に扉装置が閉じるか一定の開時間が経過すると施錠を指示する自動閉モードと、錠手段を解錠した後に施錠しない連続開モードと、錠手段を施錠している状態において認証装置で認証されると解錠を指示し錠手段を解錠している状態において認証装置で認証されると施錠を指示する繰り返し開閉モードとが外部から入力されるモード選択信号により選択可能であって、前記人監視装置は、連続開モードと繰り返し開閉モードとを選択するモード選択信号を前記制御信号に用いることを特徴とする請求項3記載の通過管理システム。
【請求項6】
前記錠制御手段は、錠手段を解錠した後に扉装置が閉じるか一定の開時間が経過すると施錠を指示する自動閉モードと、錠手段を解錠した後に施錠しない連続開モードと、錠手段を施錠している状態において認証装置で認証されると解錠を指示し錠手段を解錠している状態において認証装置で認証されると施錠を指示する繰り返し開閉モードとが外部から入力されるモード選択信号により選択可能であって、前記出入管理装置は、自動閉モードが選択されている間には認証装置での認証毎にパルス信号を出力し、連続開モードまたは繰り返し開閉モードが選択されている間にオンになる接点信号を出力する認証出力手段を備え、前記人監視装置における前記信号処理手段は、パルス信号と接点信号とを識別し接点信号が入力されている間は前記停止手段を有効にすることを特徴とする請求項3記載の通過管理システム。
【請求項7】
前記モード選択信号の各モードをタイムスケジュールに従って変更するタイマ手段が付加されていることを特徴とする請求項6記載の通過管理システム。
【請求項8】
前記撮像手段は、強度変調光を投光する発光源と、撮像手段の各画素で検出した強度変調光の位相から物体までの距離を各画素の画素値として検出する距離画像生成部とを備え、前記信号処理手段は、距離画像生成部で得られた画素値に基づいて視野内に存在する人の存在領域を個別に抽出して滞在人数計数手段および通過人数計数手段による人の計数に用いることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の通過管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−134730(P2008−134730A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319070(P2006−319070)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】