説明

遊技機に搭載する演出ユニット、およびこれを搭載する遊技機、遊技機に搭載する演出ユニットとこれを搭載する遊技機とを備えた遊技システム。

【課題】遊技機本体の製造コストの増加を抑制しつつ、遊技の興趣を高めることが可能な演出ユニット、これを搭載する遊技機、演出ユニットとこれを搭載する遊技機とを備えた遊技システムを提供する。
【解決手段】演出用フィギュア90は、抽選処理を行なう主制御部60と、遊技の進行に応じて演出制御信号を外部へ発信するLED部32と、を有するパチンコ遊技機2に搭載されている。演出用フィギュア90は、受光センサ107、ROM100B、制御部100、を有する本体部91を備えている。受光センサ107は、LED部32から発信される演出制御信号を受信する。ROM100Bは、演出制御信号に対応する演出を記憶する。制御部100は、演出制御信号に基づいて演出を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に搭載する演出ユニット、およびこれを搭載する遊技機、遊技機に搭載する演出ユニットとこれを搭載する遊技機とを備えた遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機には、演出を行なう可動体が設けられているものがある。また、法規制の強化等によって、遊技性が著しく制限される状況下においては、独自性を創出するために、この可動体を用いた演出に工夫を凝らしたものが主流になりつつある。そして、抽選処理と関連した演出を可動体によって行なうことで、遊技者の興趣を高めている。
【0003】
しかし、遊技機において、可動体を用いた演出が主流になるに伴って、可動体の大型化、高機能化が進行し、遊技機本体の製造コストの増加を招いている。
【0004】
また、役物の大型化によって、遊技機内のスペースが制約される問題も生じており、特に、パチンコ遊技機においては、遊技機を弾発する盤面の狭小化などの原因となっている。さらに、可動体の構造や動きの複雑化により、機種毎で異なる演出の遊技性を理解するまでに必要とする時間が多くなり、これが遊技機の客付きを阻害する要因となっていた。
【0005】
また、特許文献1に示す情報提供システムでは、遊技情報を遊技者が所有する報知手段に送信し報知させるものが開示されている。
【0006】
さらに、特許文献2に示す遊技機では、可視光通信を用いて携帯電話に遊技情報を送信し、情報の受信完了と情報の種類を遊技者が確認できるものが開示されている。
【特許文献1】特開2005−296456号公報
【特許文献2】特開2006−296990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1、2に示す情報提供システムおよび遊技機は、遊技情報として、有利な遊技台を教える推奨台情報や、出玉情報などを教えるものであり、現在遊技中の遊技機の演出について情報を得ることができるものではない。これらの演出が遊技進行上、どれだけの意味を持っているのかなどは、現在は、書籍などで提供される遊技機の機種解析情報などに頼っているのが専らである。
【0008】
また、製造コストが増大すれば、遊技機を購入する経営者側としては、高価な遊技機を買った収支を合わせる為に、遊技盤面の釘等の調整により、遊技者が弾発した遊技球あたりの抽選を行なうための始動口への入球率を低下させるといった措置を行なわざるを得なくなる。このため、始動口へ遊技球が入球し、液晶画面等で演出が行なわれる頻度が低下する。そして、抽選によって行なわれる演出の時間が従来のままである場合は、演出が行なわれない時間が生じてしまい、遊技者の興趣を殺ぐおそれがあった。こうした背景の下、一度の抽選によって行なわれる演出は長時間化する傾向にあり、また複雑なものとなっている。そのため、製造コストが増大するにもかかわらず遊技者の興趣を効果的に高めることができないという問題があった。
【0009】
なお、複雑化した演出を理解し、それによって楽しむ事ができるのは、上記のような書籍によって情報を得ている一部の遊技者のみであり、初めてその機種を遊技する遊技者にとっては、このような複雑化した演出は馴染みにくいという問題もあった。これらの演出に関する遊技上の利益との関連性は固定のものであって、これらの関係性を遊技者側の操作によって変化させることは殆どできないため、遊技方法のバリエーションに欠けるという問題もあった。
【0010】
そこで、本発明では、遊技機本体の製造コストの増加を抑制しつつ、遊技の興趣を高めることが可能な演出ユニット、及びこれを搭載する遊技機、さらに前記演出ユニットとこれを搭載する遊技機とを備えた遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の演出ユニットは、抽選処理を行なう抽選処理部と、遊技の進行に応じて演出制御信号を外部へ発信する発信部と、を有する遊技機に搭載されている。演出ユニットは、受信部、記憶部、演出制御部、を有する本体部を備えている。受信部は、発信部から発信される演出制御信号を受信する。記憶部は、演出制御信号に対応する演出を記憶する。演出制御部は、演出制御信号に基づいて演出を実行する。ここで、演出ユニットとは、遊技機とは物理的に独立しており、携帯可能な形状に構成されて、演出を知覚可能な形式で表現する機能を持つものをいう。なお、知覚可能とは、視覚、聴覚、等の五感によって認識できる、例えば、可動部分の動き、発光、音、振動等によって認識できるものを意味する。
【0012】
この構成では、演出ユニットは、発信部から発信される演出制御信号に対応する演出を実行する。このため、本体部を用いて遊技の進行に応じた演出を行なうことができる。
【0013】
この構成において、演出ユニットは、遊技機に設けられた台座に着脱自在に取り付けられる保持部をさらに備えていても良い。これにより、保持部を台座に取り付けて遊技の進行に応じた演出を行なうことができる。
【0014】
なお、本体部は、演出制御部に駆動される可動部をさらに備えていても良い。これにより、可動部を駆動して演出を行なうことができる。
【0015】
また、保持部は、本体部が所定の位置に搭載されているか否かを検知する設置センサを有していても良い。演出制御部は、設置センサによって本体部が所定の位置に搭載されているのを検知したときに演出を実行する。このため、演出制御部は、本体部が所定の位置に設置されている場合にだけ演出を実行することができる。
【0016】
さらに、受信部は、発信部が有するLEDが生成する可視光信号を受光するようにしても良い。これにより、受信部は可視光信号によって演出制御信号を受信することができる。
【0017】
また、可視光信号は60Hz以上の速さで変調する可視光によって形成されていても良い。
【0018】
ここで、変調とは、明るさを段階的に変化させる、波長を変化させる等、可視光信号の明滅を切り替える制御を含む意味である。
【0019】
一般に、60Hz以上の速さで可視光が変調する場合には、残像効果によって人間は可視光の変調を認識することが殆どできない。
【0020】
このため、可視光信号による光の変調を遊技者に認識させず、例えば、可視光信号の発信部を遊技機本体の演出表示部に含んで構成した場合には、周囲の演出との違和感を無くすことができ、遊技の興趣を低下させない効果を得ることができる。
【0021】
なお、演出制御部は、抽選処理の結果が特定の結果であるときに制御部が発信部から発する特定の演出制御信号を受信部が受信した場合に、演出を実行する。これにより、特定の演出制御信号を受信したときに、演出制御部は演出を実行することができる。
【0022】
この発明の遊技機は、上記発明のいずれかに係る演出ユニットを取り付ける台座と、抽選処理を行なう抽選処理部と、遊技の進行に応じて演出制御信号を外部へ発信する発信部と、を備えている。これにより、本発明に係る遊技機において、上記発明に係る演出ユニットを用いて演出を行なうことができる。
【0023】
この発明の遊技システムは、上記発明に係る遊技機と、上記発明に係る演出ユニットと、を備えている。これにより、本発明に係る遊技システムにおいて上記発明に係る遊技機および上記発明に係る演出ユニットと同様の効果を得ることができる。すなわち、遊技者の興趣を演出ユニットによる演出によって高めつつ、遊技機本体の製造コストの増加を抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、遊技機本体の製造コストの増加を抑制しつつ、演出ユニットによって遊技の興趣を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、この発明の一実施形態に係るパチンコ遊技システム1について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、パチンコ遊技システム1の全体構成を示す図である。図2は、図1に含まれるパチンコ遊技機2の遊技盤4およびその周辺の構成を模式的に示す図である。図3は、パチンコ遊技機2における各部の信号の流れを模式的に示す図である。
【0027】
パチンコ遊技システム1は、パチンコ遊技機2および演出用フィギュア90を備えており、演出用フィギュア90によって各種の演出を行なう。
【0028】
パチンコ遊技機2は、主として、筐体3、遊技盤4、制御部50、演出図柄表示部30、演出用フィギュア90、LED部32、を備えている。
【0029】
正面視において、筐体3は、縦長の長方形状に形成されており、図1に示すように、側面を形成する外枠3Aと、遊技盤4の正面側を形成する遊技盤カバー4Aと、を有している。
【0030】
遊技盤カバー4Aは、正面側の中央部に円形の開口部が形成されており、この開口部には円状のガラス板が嵌め込まれている。
【0031】
遊技盤4は、演出図柄表示部30、始動口40、普通入賞口41、ゲート42、大入賞口44、遊技釘等を正面側に配設している。なお、図1において遊技釘は図示を省略している。
【0032】
演出図柄表示部30は遊技盤4の正面側中央部上方に配置されており、各種の演出を表示する。始動口40は、演出図柄表示部30の下方に配置されており、始動口駆動部40Dを有し、始動口センサ40Sが内蔵されている。始動口40の左右両端にはハネ40Aがそれぞれ設けられている。ハネ40Aは、ゲート42を遊技球(パチンコ球)が通過すると、始動口駆動部40Dによって駆動され所定のタイミングで開閉する。
【0033】
複数の普通入賞口41は、遊技盤4の左右両側に2つずつ配置されている。そして、各普通入賞口41には、それぞれ普通入賞口センサ41Sが内蔵されている。
【0034】
ゲート42は、遊技盤4の左上方に配置されておりゲートセンサ42Sが内蔵されている。ゲートセンサ42Sは、遊技球がゲート42を通過したのを検知する。
【0035】
大入賞口44は、始動口40の直下方に配置されており、大入賞口44を覆う板状パネル44Aと、板状パネルを駆動する大入賞口駆動部44Dと、大入賞口センサ44Sと、を有している。
【0036】
なお、始動口センサ40S、普通入賞口センサ41S、大入賞口センサ44Sは、遊技球が各入賞口へ入ったことを検知する。
【0037】
受け皿6Aは、遊技盤4の直下方に位置する遊技盤カバー4Aを正面側に突き出して形成されており、賞球払い出し口から払い出された遊技球を貯留する。また、受け皿6Bは、受け皿6Aの下方に配置されており、受け皿6Aと同様に遊技球を貯留する。また、受け皿6Aの正面側の側面には、左ボタン33A、中ボタン33B、右ボタン33Cが設けられている。
【0038】
発射ハンドル10は、受け皿6Bに右側に位置しており、正面視において回転自在に筐体3に取り付けられている。そして、発射ハンドル10を正面側から見て右回転させると遊技球が遊技盤4へと打ち出される。
【0039】
台座31Aは、正面視において遊技盤4の左下近傍に位置しており、筐体3から正面側に突き出し長方形状に形成されている。台座31Aの上面には、上面視において四角形状に形成された凹部31Bが設けられている。なお、本実施形態では、筐体3に台座31Aが設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、パチンコ遊技機2が台間機等の付属装置を備えていている場合には、台間機の筐体に突出部を設けても良い。
【0040】
また、台座31Aを遊技盤4に設けても良い。この場合には、演出用フィギュア90を筐体内に設置して演出を行なうことができる。
【0041】
LED部32は、台座31Aの直上方に配置されており、可視光を所定の点滅パターンで発光させることで生成される演出制御信号を送信する。また、演出制御信号は60Hz以上の速さで点滅を繰り返す。なお、点滅回数をさらに増加させることによってデータの転送速度の向上を図ることができる。また、複数の色、例えば、赤、青、緑を用いて演出制御信号を送信することでもデータの転送速度を向上させることができる。
【0042】
一般に、60Hz以上の速さで可視光が点滅を繰り返す場合には、人間の目には可視光の点滅は見えない。そして、人間には可視光が継続的に点灯しているように見える。
【0043】
このため、本実施形態では、演出制御信号の点滅による明るさの変化が遊技者に認識できないようにすることができる。
【0044】
また、LED部32に演出映像を表示させつつ、その演出制御信号に紛れ込ませて演出制御信号を送信するといったことも考えられる。この場合には、演出用フィギュア90を台座31Aに設置しない状態で遊技者がゲームを行なう場合にも演出を遊技者が楽しむことができる。また、LED部32において、データの送信開始を示すLEDと、データを送信するLEDと、を別々に設けても良い。
【0045】
なお、他の無線方式で通信を行なう場合と比較して、近接距離で可視光信号を用いて通信を行うことで他の通信と混信するといったおそれが少ないという効果もある。さらに、可視光信号を用いることで、遊技者が演出制御信号を直接見ても問題がないという効果もある。
【0046】
また、パチンコ遊技機2では、可視光信号を用いて演出用制御信号を送信する例を挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。演出制御信号として赤外線信号等の可視光信号以外の他の光無線信号を用いても良いし、可視光信号を用いる場合であっても60Hz以下の信号を用いて良い。
【0047】
演出用フィギュア90は、図1に示すように、正面視において遊技盤4の左下の周縁部近傍に配置されている。そして、演出用フィギュア90は、図4および図7に示すように、本体部91と、突出部105と、を備えている。本体部91は、図4に示すように、制御部100、演出ランプ103、スピーカ104、設置センサ106、受光センサ107、可動部108、接続端子部109、を有している。なお、本実施形態では、演出用ユニットとして演出用フィギュア90を用いる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、演出ユニットは、旗、ジュースの缶、楽器、あるいは動物等を模した演出ユニットであっても良い。
【0048】
演出用フィギュア90を台座31Aへと載置する際に、突出部105を凹部31Bへ嵌合させて台座31Aに保持させる。
【0049】
制御部100は、受光センサ107から受信した可視光信号に基づいて、演出ランプ103、スピーカ104、可動部108、接続端子部109をそれぞれ制御する。
【0050】
突出部105は、本体部91下部から下方へと延び、本体部91を台座31Aに載置する際に本体部91を所定の位置に保持する長方形状の保持部材である。
【0051】
ここで、上記所定の位置に本体部91を保持させると、本体部91の背面に設けられた受光センサ107がLED部32と面する位置となる。これにより、LED部32から発信される演出制御信号を受光センサ107が受信可能となる。
【0052】
図7(A)に示すように、突出部105の左右両側面には水平方向、すなわち設置センサ106の長手方向と交差する方向に移動可能な設置センサ106が設けられている。設置センサ106は図示しないバネによって水平方向に付勢されており、水平方向内向きに押圧されていないときには突出部105から水平方向外向きに突出した状態となるように突出部105に取り付けられている。
【0053】
図7(B)に示すように、突出部105を凹部31Bに嵌め込むと、設置センサ106は凹部31Bの側面に当接して突出部105の内部へと押し込まれる。これにより、設置センサ106が台座31Aに突出部105が設置されたのを検知して、OFF状態からON状態へと切り替わる。また、制御部100もOFF状態からON状態に切り替わる。
【0054】
なお、凹部31Bを突出部105から取り外すと突出部105が外側へと突き出してON状態からOFF状態へと切り替わる。
【0055】
なお、例えば、左右両側面に設けられた設置センサ106の両方が突出部105の中心方向に押し込まれず、一方の設置センサ106だけが押し込まれているような場合にも、制御部100はOFF状態からON状態に切り替わる。そして、制御部100は、本体部91が台座31Aの所定の位置に設置されていないと判断して警告音を出力させる。ここで、所定の位置とは、図7(B)に示すように、台座31Aを凹部31Bの下部まで突出部105を差し込んだときの本体部91の位置である。これにより、遊技者が所定の位置に本体部91を設置できていない場合や、演出動作中に所定の位置から外れてしまった場合に、遊技者に所定の位置に本体部91を設置できていないことを報知することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、演出用フィギュア90は突出部105を備えている例を挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、突出部によって演出用フィギュアを保持する必要がない場合には、突出部105を設けなくても良い。
【0057】
また、本実施形態では、本体部91は可動部108を備えている例を挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、可動部を備えていない演出用フィギュアを用いても良い。
【0058】
受光センサ107は、本体部91の背面に設けられており、可視光信号を受光する受光素子を有している。ここで、受光素子は、CCD(Charge Coupled Device)によって形成されている。また、受光素子として、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いても良い。
【0059】
演出ランプ103は、本体部91の両眼部分に内蔵されており、種々のパターンで点灯する。
【0060】
スピーカ104は、本体部91の口部分近傍に内蔵されており、種々の効果音や警告音を出力する。
【0061】
図7(A)、(B)に示すように、可動部108は両腕部分から成り、種々のパターンで上下左右に駆動される。
【0062】
接続端子部109は、背面側に位置する受光センサ107の下部に設けられており、ROM100B、RAM100Cに記憶されている各種のデータを書き換えるときに、外部機器と接続するための接続デバイスである。これにより、パチンコ遊技機の機種に応じた動作パターンデータ111、動作パターン設定プログラム112、音声パターンデータ1
13をそれぞれ新たにROM100B、RAM100Cに書き込むことができる。
【0063】
ここで、図3は、パチンコ遊技機2全体の構成と、パチンコ遊技機2における制御信号の流れと、を模式的に示すブロック図である。
【0064】
制御部50は、機体各部の動作を統括制御し、主制御部60、第1副制御部70、第2副制御部80、を有している。
【0065】
主制御部60は、CPU60A、ROM60B、RAM60C等の電子デバイスが実装されている。そして、主制御部60は、遊技球の通過を検知したときに、始動口センサ40S、普通入賞口センサ41S、ゲートセンサ42S、大入賞口センサ44S、からI/OポートP1を介して送信される信号を受信し、抽選処理を実行する。さらに、主制御部60は、抽選処理の結果に基づいて、特別図柄表示部30A、普通図柄表示部30B、特別図柄用保留表示部30C、普通図柄用保留表示部30D、始動口駆動部40D、大入賞口駆動部44Dへドライバ回路D1を介して制御信号を送信して制御する。
【0066】
具体的には、主制御部60は、始動口40への入球に伴って乱数値を取得し、この乱数値と抽選結果とを対応付けた抽選テーブルに基づいて抽選処理(特別図柄抽選処理)を行なう。そして、特別図柄表示部30Aの表示を所定時間変動させた後、抽選結果を確定表示させる。そして、第1副制御部70には、演出図柄表示部30にて行なう演出を指定するための指令信号を送信し、特別図柄表示部30Aの確定表示と同時に演出図柄表示部30に抽選結果に関する表示態様も表示させて演出を終了させる制御を行なう。特別図柄表示部30Aの抽選結果の表示は、表示態様と抽選結果が一対一で対応するように実行されるが、演出図柄表示部30で行なわれる表示態様は、必ずしも抽選結果と一対一に対応している必要は無い。また、演出図柄表示部30で行なわれる演出は、1〜9等の数字図柄の変動であっても良いし、キャラクタ等の対決演出であっても良い。また、始動口40への入球があった場合には、上記した抽選処理の他に、所定個数、例えば、3球の遊技球の払い出しが行なわれる。そして、抽選処理の結果が大当たりの場合には、特別図柄表示部30Aおよび、演出図柄表示部30の停止後に、大入賞口44を所定回数、例えば、15回開閉する大当たり遊技が行われるようになっている。この大当たり遊技は、演出図柄表示部30にて祝福音を伴うファンファーレ演出後に行なわれ、大当たり遊技中において演出図柄表示部30には大当たり遊技中を示す演出が表示される。そして、大当たり遊技中に開放されている大入賞口44に遊技球が入球すると、1球あたり所定数、例えば15球の払い出しが行なわれるようになっている。大当たり遊技中の1回の開閉は一般的にラウンドと呼ばれる。1回のラウンドは、所定時間、例えば、30秒の時間経過あるいは所定個数、例えば、10球の遊技球の入球により終了するようになっている。このため、大当たり遊技中は、遊技者にとっては大量の遊技球の払い出しを得る機会となり有利な状態である。
【0067】
第1副制御部70は、CPU70A、ROM70B、RAM70C等の電子デバイスが実装されている。そして、第1副制御部70は、主制御部60から送信される制御信号と、左ボタン33A、中ボタン33B、右ボタン33CからI/OポートP2を介して送信される信号に基づいてLED部32、演出図柄表示部30等を制御する。具体的には、主制御部60にて決定された演出指令信号を受けて、ROM70Bから演出データを読み出して演出図柄表示部30に表示する制御を行なう。そして、選択された演出が押しボタン操作を伴う場合には、演出中の所定時間が押しボタン演出の時間として予め設定されているので、この所定時間の開始とともに各ボタン33A〜33Cの操作状態の監視を行なう。そして、操作を受け付けた場合は、この操作の態様に応じて演出を変動させる制御を行なう。また、所定時間が終了した場合、各ボタン33A〜33Cの操作状態の監視を終了する。選択された演出の時間が経過した後、主制御部60からは演出図柄表示部30の表示を所定の状態で停止させる確定図柄停止コマンドが送信されるが、第1副制御部70では、このコマンドを受けて演出図柄表示部30の表示を所定の状態で停止させる。例えば、数字図柄の変動を行なっている場合は、この表示を所定の組み合わせ、例えば、「7‐7‐7」等で停止させる表示を行なう。この停止表示の態様は、主制御部60にて、演出の決定とともに抽選処理の結果に関連して定められている。本実施形態では、主制御部60からの確定図柄停止コマンドを受信した場合に、第1副制御部70は演出用フィギュア90にて行なっている演出を停止させるためのコマンドを可視光通信にて送信するが、この制御については後段にて詳述する。
【0068】
ROM70Bは、可視光通信制御プログラム71、通信用データ72、LED表示演出用データ73等のデータが記録されている。
【0069】
RAM70Cは、可視光通信状態データ74、可視光通信通信用データ75等のデータが記録されている。
【0070】
CPU70Aは、ROM70B、RAM70Cに記憶されている各プログラムや各データを読み出して実行処理する。
【0071】
第2副制御部80は、CPU80A、ROM80B、RAM80C等の電子デバイスが実装されており、第1副制御部70から送信される制御信号に基づいて、スピーカ31、LED部32、演出ランプ34等を制御する。
【0072】
ここで、図4は、演出用フィギュア90の全体構成と、演出用フィギュア90における制御信号の流れと、を模式的に示すブロック図である。
【0073】
制御部100は、受光センサ107および設置センサ106からI/OポートP3を介して送信される信号を基づいて、ドライバ回路D5、D6、D7を介して可動部108、演出ランプ103、スピーカ104、接続端子部109、へ制御信号を送信する。
【0074】
なお、制御部100は、CPU100A、ROM100B、RAM100C等の電子デバイスが実装されている。
【0075】
ROM100Bは、信号解析プログラム110、動作パターンデータ111、動作パターン設定プログラム112、音声パターンデータ113等のデータが記録されている。
【0076】
ここで、制御部100における演出制御について、図8(A)(B)を用いてより具体的に説明すると以下の通りである。図8(A)は、パチンコ遊技機2に対応する演出制御を示す図である。また、図8(B)は、図示しない他のパチンコ遊技機に対応する演出制御を示す図である。
【0077】
図8(A)に示すように、制御部100は、信号解析プログラム110がCPU100Aによって実行処理されLED部32から発信される演出制御信号を解析したときに、演出番号が000014、000020、000024等に該当する場合には、動作パターンAで演出用フィギュア90を動作させる。また、演出番号が000023、000035、000135等に該当する場合には、動作パターンBで演出用フィギュア90を動作させる。
【0078】
図8(B)に示すように、制御部100は、信号解析プログラム110がCPU100Aによって実行処理されLED部32から発信される演出制御信号を解析したときに、演出番号が000010、000120、000033等に該当する場合には、動作パターンAで演出用フィギュア90を動作させる。また、演出番号が000055、000099、000273等に該当する場合には、動作パターンBで演出用フィギュア90を動作させる。
【0079】
このように、パチンコ遊技機の機種ごとに異なる演出を制御部100が実行することにより、遊技者の興趣を高めることができる。
【0080】
また、上記実施形態では、パチンコ遊技機2から演出番号を送信し、演出用フィギュア90がこの演出番号を解析して、所定の動作パターンで動作する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、パチンコ遊技機2側が演出用フィギュア90の動作パターンを可視光通信にて指令する構成としても良い。このような構成とした場合のパチンコ遊技機2のROM70B、および、演出用フィギュア90のROM100Bに記憶される演出テーブルの例を模式的に図9(A)、(B)にそれぞれ示す。
【0081】
図9(A)はパチンコ遊技機2側で行なわれる演出の演出テーブルの例を示したものである。演出パターン1は、例えば、リーチ演出であり、主制御部60における抽選処理が大当たりとなった場合に所定の確率で選択されるパターンである。演出パターン1’は、演出パターン1と同様に、所定の確率で選択されるリーチ演出であり、演出パターン1と途中までの演出を共通なものとする演出パターンである。すなわち、演出パターン1と演出パターン1’、演出パターン2と演出パターン2’等、数字が対と成っているものは、共通の演出を含み、対応する抽選結果及び、演出の終了形態(例えば、演出図柄表示部30に表示される図画が揃うか否か)が異なるものである。ここでは、上記演出パターンの組み合わせを共通演出パターンと呼ぶものとする。各共通演出パターンでは、このパターンが表示された場合に所定の抽選結果、例えば、当たりとなる確率が所定の値となるように設定されている。この確率は、各共通演出パターンにおける演出パターンの出現頻度が所定の比率であることによって定められている。ここで、出現頻度とは、(出現頻度)=(抽選において所定の抽選結果となる確率)×(所定の抽選結果となる場合に演出パターンが選択される確率)で示される値とする。
【0082】
例えば、共通演出パターン1においては、(演出パターン1の出現頻度):(演出パターン1’の出現頻度)=9:1となるように設定されている。つまり、共通演出パターン1が選択された場合に当たりとなる確率は、90%となる。この確率は、共通演出パターン2では80%、共通演出パターン3では60%、共通演出パターン4では50%、共通演出パターン5では30%、共通演出パターン6では20%となるように設定されている。そして、それぞれの演出が演出図柄表示部30にて開始される時点で、所定のパターンの可視光通信信号が演出用フィギュア90に向けて発信されるようになっている。共通演出パターン1、2では信号パターンIの信号が、共通演出パターン3、4では信号パターンIIの信号が、共通演出パターン5、6では信号パターンIIIの信号が発信される。また、信号パターンXは各演出の図柄停止時(演出図柄表示部30における表示を確定表示させる時)のタイミングで送信される信号である。つまり、当たりとなる確率が80%以上の場合は信号パターンIが、50%以上の場合は信号パターンIIが、20%以上の場合は信号パターンIIIが送信され、当たりとなる確率に対応して異なる信号が送信されるようになっている。
【0083】
図9(B)は演出用フィギュア90側で行なわれる演出の演出テーブルの例を示したものである。
【0084】
演出用フィギュア90は、信号パターンIを受信したときには動作パターンAに基づく動作を行なう。そして、信号パターンIIを受信したときには動作パターンBに基づく動作を行なう。一方、信号パターンIIIを受信した場合には動作を行なわない。これにより、当たりとなる確率が50%以上となる場合にのみ演出用フィギュア90に何らかの動作を行なわせることができる。信号パターンXを受信した場合には演出動作を停止する。また、信号パターンIIIを受信したときに、別の動作パターン、例えば、動作パターンCを行なうようにしても良い。
【0085】
演出用フィギュア90は、各信号パターンのうち、信号パターンIを受信したときにのみ動作パターンAに基づく動作を行なうようにしても良い。この場合には、当たりとなる確率80%以上の場合にのみ、演出用フィギュア90に動作パターンAに基づく動作を行なわせることができる。
【0086】
ここで、上記演出用フィギュア90が各動作パターンに基づく動作を行なうときに、当たりとなる確率を簡単のため報知確率と表記する。演出用フィギュアの種類ごとに報知確率が異なるようにしても良い。また、演出用フィギュア90に調節部を設け、この調節部の操作によって、報知確率を可変に設定できる構成としても良い。このような構成とした
場合、遊技者の好みによって報知確率を設定することができるので、自分の楽しみたい遊
技形態で遊技を行なうことができ、より遊技に馴染みのある遊技とすることができる。また、信号パターンXを受信した場合に演出を終了させる構成に代えて、各演出を指令する可視光通信の信号パターンの送信時に、演出図柄表示部30の演出時間に基づいて、演出用フィギュア90側の動作演出の継続時間を同時に信号として送信する構成としても良い。
【0087】
ここで、動作パターンと主制御部60における抽選処理の結果とを関連づけるといったことも考えられる。例えば、抽選処理の結果、大入賞口駆動部44Dによって板状パネル44Aが前方へと回転駆動され大入賞口44が所定回数開放される大当たり役に当選した場合にのみ動作パターンAによる演出が実行されるようにしても良い。さらに、動作パターンBによる演出が2回実行されると、そのうち1回は上記大当たり役が実行されるようにしても良い。
【0088】
また、特定の動作パターンをハネ40Aが開放されるタイミングの直前に演出し、遊技者にハネ40Aが開かられるということを報知するといったことも考えられる。
【0089】
RAM100Cは、演出用フィギュア90の動作状態を記録する動作状態データ114が記録されている。
【0090】
CPU100Aは、ROM100B、RAM100Cに記録されている各プログラムや各データを読み出して実行処理を行なう。
【0091】
ここで、図5は、第1副制御部70がLED部32へ演出データを送信する際の制御の流れを示すフローチャートである。
【0092】
ステップS1では、第1副制御部70はLED部32に対する送信を主制御部60からの制御信号に応じていつでも実行できる送信待機モードになる。
【0093】
ステップS2では、第1副制御部70は演出用フィギュア90へ信号を送信するタイミングか否かを判定する。例えば、主制御部60において抽選処理が実行されて大当たり役に当選したタイミングで、主制御部60から第1副制御部70へ大当たりの演出を実行するための制御信号が送信される。そして、第1副制御部70は上記制御信号を受信するとLED部32へ大当たり役の演出を実行する演出制御信号を送信し、ステップS3の処理へと進む。なお、ここでは、上記大当たり役への当選を契機とする例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0094】
ステップS3では、第1副制御部70は、送信する演出データを選択し、選択した演出データの送信を実行する。ここで、第1副制御部70は、ステップS2において第1副制御部70から送信された制御信号に対応する演出データをLED表示演出用データ73の中から選択してLED部32へと送信する。
【0095】
ステップS4では、第1副制御部70は、演出データの送信を所定回数実行したか否かを判定する。ここで、所定回数とは3回である。このように、1回の送信で演出用フィギュア90側が演出データを受信できなかった場合でも、複数回送信を行なうことでより確実に演出用フィギュア90側にデータを送信することができる。そして、第1副制御部70は演出データを所定回数送信すると一連の処理を終了する。
【0096】
図6は、制御部100がLED部32から制御信号を受信する際の制御の流れを示すフローチャートである。
【0097】
ステップS10では、制御部100は突出部105が台座31Aに形成された凹部31Bに適切に嵌め込まれているか否かを判定する。より具体的には、突出部105の左右両側面に設けられている設置センサ106のうち、一方だけが突出部105の内部に押し込まれている場合には、制御部100は設置センサ106が正常に設置されていないと判断しステップS11の処理へと進む。また、設置センサ106が正常に設置されていると制御部100が判断した場合には、ステップS12の処理へと進む。
【0098】
ステップS11では、制御部100はエラー音をスピーカ104から出力させる。これにより、本体部91が所定の位置に載置されていない場合には、警告音を鳴らして遊技者に所定の位置に載置されていないことを報知することができる。このため、受光センサ107がLED部32と対向する位置に位置されていないために、LED部32から発信される演出制御信号を受信できないといったことを防止することができる。
【0099】
ステップS12では、制御部100はLED部32から発信される演出制御信号を受光センサ107から受信可能な受信待機モードになる。
【0100】
ステップS13では、制御部100はLED部32から送信される信号の有無を検知する。より具体的には、制御部100は、LED部32から演出制御信号の送信を開始するスタート信号の有無を検知する。そして、スタート信号を検知すると、制御部100はステップS14の処理へと進む。
【0101】
ステップS14では、制御部100は受信処理を実行する。より具体的には、受光センサ107から演出制御信号を1ビットずつ受信する。
【0102】
ステップS15では、制御部100はLED部32から送信された演出制御信号の受信が完了したか否かを判断する。受信が完了していない場合には、再びステップS14の処理へと戻る。
【0103】
なお、例えば、LED部32から演出制御信号の受信が完了したことを制御部100へ伝えるエンド信号を送信するようにしても良い。
【0104】
ステップS16では、制御部100はステップS14において受信した演出制御信号の信号パターンを信号解析プログラム110によって解析する。そして、動作パターン設定プログラム112によって実行する動作パターンデータ111を設定する。そして、制御部100は、動作パターンデータ111に基づいて演出を実行する。
【0105】
ステップS17では、設置センサ106がOFF状態となっているか否かを判定する。そして、設置センサ106がOFF状態になると、制御部100もOFF状態となり一連の処理を終了する。
【0106】
このように、パチンコ遊技システム1では、演出用フィギュア90をパチンコ遊技機2に着脱自在に搭載することができる。これにより、パチンコ遊技機2の製造コストを抑制しつつ、ゲームの演出を演出用フィギュア90によって行なうことができる。この結果、パチンコ遊技機2の製造コストを抑制しつつ、遊技の興趣を高めることができる。
【0107】
また、パチンコ遊技システム1において、パチンコ遊技機2を他の機種に入れ替える場合でも、演出用フィギュア90は接続端子部109を介して他の機種に対応するデータを書き込むことで継続して使用することができるといった効果もある。
【0108】
また、パチンコ遊技システム1において、遊技者が演出用フィギュア90を購入する遊技形態としても良い。この場合には、遊技者は所有している演出用フィギュア90を用いて、遊技を楽しむことができる。さらに、パチンコ遊技システム1に対応したパチンコ遊技機であればどれでも遊技することができるので、初めて遊技するパチンコ遊技機の機種であってもスムーズに遊技の演出を楽しむことができる。
【0109】
この結果、遊技者がパチンコ遊技機2を初めて遊技する場合においても、パチンコ遊技機2における遊技を馴染み易いものとすることができる。また、パチンコ遊技機2に対する遊技方法のバリエーションを多彩なものとすることができるといった効果を得ることもできる。このため、演出用フィギュア90によって遊技の興趣をさらに高めることができる。
【0110】
上記では、本発明に係る一実施形態に係るパチンコ遊技機2に演出用フィギュア90を搭載する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0111】
例えば、可動入賞役物を遊技盤上に設けているパチンコ遊技機に本発明に係る演出用フィギュア90を搭載しても良い。例として、いわゆるハネ物と呼ばれるパチンコ遊技機がある。図10に示すパチンコ遊技機200に演出用フィギュア90を搭載する例を挙げてより具体的に説明すると以下の通りである。なお、パチンコ遊技機200は、遊技盤204以外の構成についてはパチンコ遊技機2とほぼ同一の構成であるため説明は省略する。以下において、パチンコ遊技機2と異なる構成についてのみ説明する。
【0112】
ゲート242は、遊技盤204の左上に位置し、遊技球の通過を検出するゲートセンサ242Sを内蔵している。
【0113】
始動口241はゲート242の直下方に配置されており、上面に開口部が形成されている。そして、開口部には遊技球の通過を検知する始動口センサ241Sが設けられている。
【0114】
始動口243は、始動口241の直下方に配置されており始動口241と同様に上面に開口部が形成されており、遊技球の通過を検知する始動口センサ243Sが内蔵されている。
【0115】
可動入賞役物240は、遊技盤204の中央部に配設されており、左右両側にハネ240Aを有している。
【0116】
制御部250は、制御部50とほぼ同様の機能を有する制御部である。制御部250は始動口センサ241Sが遊技球の通過を検知すると、1球当たりの所定球数、例えば、3球の遊技球を賞球として払い出すとともに抽選処理を実行する。この抽選処理では、大当たり、小当たり、ハズレを少なくとも含む抽選が行なわれる。そして、抽選処理の結果が小当たりである場合には、ハネ240Aを図10に実線で示す位置から破線で示す位置まで回転させて可動入賞役物240を開放させる。これにより可動入賞役物240内に遊技球が入るようになる。そして、開かれたハネ240Aから可動入賞役物240内に遊技球が入ると、1球あたり所定数、例えば、10球の遊技球が賞球として払い出される。可動入賞役物240内に入った遊技球が、さらに、特定入賞口240Bに入った場合、制御部250は大入賞口244を覆う板状パネル244Aを前方へと図示しない大入賞口駆動部によって回転駆動させて大入賞口244を開放する処理を予め定められた所定回数行なうことによる特別遊技を行なう。
【0117】
一方、可動入賞役物240内に入った遊技球が特定入賞口240Bではなく、周囲のハズレ孔に入った場合には、大入賞口244の開放処理は行なわれない。また、抽選処理の結果が大当たりである場合には、制御部250は大入賞口244を所定回数開閉することにより、特別遊技を行なう。大入賞口244内に遊技球が入球した場合には、1球あたり所定数、例えば、15球の遊技球が賞球として払い出される。
【0118】
ここで、制御部250は、演出用フィギュア90によって、ハネ240Aが開放されるタイミングで特定の演出を実行させるようにしても良い。また、ハネ240Aが開放されるタイミングよりも少し早いタイミング、例えば、1秒前に上記特定の演出を実行させるといったことも考えられる。この場合、演出用フィギュア90に調節部を設け、ハネ240Aが開放されるタイミングより何秒早く演出を行なうかを所定範囲、例えば、0.5〜3秒の範囲で段階的あるいは連続的に可変設定できるようにすることが好ましい。この場合、遊技者は自分の反応速度に合わせて演出の行なわれるタイミングを可変設定することができるため、遊技をより楽しむことができる。また、ハネ240Aが1回開放される場合と2回開放される場合によって演出を異なるものとしても良い。これにより、遊技者はハネ240Aが開かれるタイミングを推測して遊技を進めることができる。さらに、上記特定の演出をハネ240Aが開放されない場合にも実行することにより、演出に曖昧さを持たせるといったことも考えられる。これにより、遊技者は演出からハネ240Aが開かれるか否かを推測して遊技を楽しむことができる。
【0119】
上記では、本発明に係る一実施形態のパチンコ遊技システム1について説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、演出用フィギュア90をスロットマシン301に搭載するスロットマシン遊技システム300であっても良い。この場合にも上記実施形態に係るパチンコ遊技システム1と同様の効果を得ることができる。
【0120】
ここで、スロットマシン遊技システム300の構成について説明すると以下の通りである。
【0121】
図11および図12に示すように、スロットマシン301は、主として、筐体302、リール308A、308B、308C、操作部312、LED部332、制御部350、等を備えている。また、操作部312は、始動レバー314、停止ボタン315A、315B、315C、ベットボタン319を有している。
【0122】
筐体302は、制御部350、を格納し、正面視において筐体302の中央部上部には開口部310が形成されており、開口部310には長方形状の正面パネル311が嵌め込まれている。
【0123】
リール308A、308B、308Cは、正面視において、左側から右側へと順に開口部310に面するように配置されており、ビッグボーナス等の役を示す図柄が描かれている。
【0124】
始動レバー314は、正面側に突き出すように形成された棒状の部材によって形成されており、押下することによりリール308A、308B、308Cが回転し始める。
【0125】
停止ボタン315A、315B、315Cは、リール308A、308B、308Cの回転を停止させるボタンであり、始動レバー314の右側に水平方向に並んで配置されている。
【0126】
ベットボタン319は、発光部を有し、始動レバー314の上側に配置されている。ベットボタン319は、ゲームごとに遊技者が賭ける遊技用コインの数を決定するボタンである。遊技者がベットボタン319を押下した回数ごとに、遊技用コインの賭け数が一枚ずつ増加する。そして、遊技用コインの賭け数に応じて、入賞ライン(所定の位置)が設定される。なお、入賞ライン上に所定の図柄を並べることでその図柄の並び方に応じた役の入賞が成立する。そして、遊技用コインの払い出しのある役の場合には、メダル放出口317からメダルが払い出される。なお、本実施形態では、遊技用コインが1枚の場合には、入賞ラインL1が入賞ラインとして設定される。また、遊技用コインが2枚の場合には、入賞ラインL1、L2が入賞ラインとして設定される。さらに、遊技用コインが3枚の場合には、入賞ラインL1〜L3が入賞ラインとして設定される。
【0127】
また、制御部350は、操作部312からの操作入力に基づいて、リール308A、308B、308C、の駆動を制御するとともに、演出用フィギュア90等を制御して各種の演出を実行する。
【0128】
また、制御部350は、複数の制御基板を有し、各制御基板にはCPU、ROM、RAM等の電子デバイスが実装されている。ROM、RAMに記憶されている制御プログラムや、各種データテーブルがCPUによって実行処理されることで、図12に示すように、記憶部351、抽選処理部352、演出処理部353等の機能ブロックが形成される。
【0129】
記憶部351は、遊技者の投入したコインの枚数(クレジット数)や各種の制御用テーブルや設定データ等を記憶している。
【0130】
抽選処理部352は、ゲームごとに設定に応じた確率で当選するように、ビッグボーナス役や小役等の抽選処理を行う。そして、ビッグボーナス役や小役等に当選した場合において、さらに、遊技者が入賞ライン上にビッグボーナス役や小役を示す図柄を並べて停止させることで入賞が成立する。そして、入賞が成立すると、制御部350は、各役に応じた枚数の遊技用コインの払い出しを行なう。
【0131】
また、抽選処理部352における抽選処理の際に、複数のゲームモード、例えば、小役が当選し易くなるゲームモードが設定されている場合には、演出用フィギュア90にゲームモードごとに異なる演出を実行させるといったことも考えられる。これにより、遊技者はゲームモードを推測しながら遊技を行なうことができる。
【0132】
演出処理部353は、演出用フィギュア90、正面パネル311に取り付けられている液晶画面、スピーカ等を制御して各種の演出を実行する。
【0133】
LED部332は、突出部331Aの直上方に配置されており、演出処理部353から送信される制御信号に基づいて演出制御信号を送信する。
【0134】
突出部331Aは、正面視において正面パネル311の左側に位置しており、筐体302を前後方向に突き出して長方形状に形成されている。突出部331Aの上面には、上面視において四角形状に形成された凹部331Bが設けられている。凹部331Bは凹部31Bと同様に突出部105を保持する。
【0135】
なお、演出用フィギュア90による演出を抽選処理部352における抽選処理の結果と関連付けて実行させるといったことも考えられる。より具体的には、演出処理部353は、抽選処理部352における抽選処理の結果、何らかの役に当選した場合には、当選役を示唆する特有の演出を演出用フィギュア90に実行させるといったことも考えられる。例えば、ビッグボーナス役に当選した場合には、ビッグボーナス役に当選している場合にのみ実行される特有の演出を行なう。さらに、上記特有の演出をビッグボーナス役に当選していない場合にも実行し、上記演出が必ずしもビッグボーナス役の当選を示す演出ではないように設定するといったことも考えられる。これにより、演出用フィギュア90の演出によって遊技者は抽選処理の結果を推測して遊技を楽しむことができる。
【0136】
また、ビッグボーナス役等のボーナス役に当選し、内部でボーナスフラグが成立していたにも関わらず、入賞が成立しなかったときに、次ゲームにボーナスフラグの成立状態を持ち越し、優先的にボーナス役の図柄を入賞させるように、リール308A、308B、308Cを制御する、いわゆる持ち越し状態が発生した場合には、持ち越し状態が発生していることを示す演出を実行するといったこと考えられる。これにより、遊技者は、持ち越し状態の発生を演出から推測して楽しむことができる。
【0137】
さらに、停止ボタン315a、315b、315cを押下するタイミングを報知する演出を演出用フィギュア90によって実行させるといったことも考えられる。
【0138】
また、上記実施形態では、演出用フィギュア90を用いて演出を行なう例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図13(A)〜(E)に示すように複数種類の演出用フィギュアを用いても良い。この場合には、遊技者は自分の好みにあった演出用フィギュアを用いて遊技を楽しむことができる。また、演出用フィギュアごとに演出動作パターンを変えるといったことも考えられ。これにより、遊技者は演出動作パターンが好みに合うものを選択することができ、より一層遊技を楽しむことができる。
【0139】
なお、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】この発明の一実施形態に係る演出用フィギュアを搭載したパチンコ遊技機の正面視における全体構成を示す図である。
【図2】図1に示すパチンコ遊技機に含まれる遊技盤およびその周辺の構成を模式的に示す図である。
【図3】図1に示すパチンコ遊技機全体の構成を模式的に示す図である。
【図4】図1に示す演出用フィギュアの構成を模式的に示す図である。
【図5】図3に示すパチンコ遊技機の制御部において、演出用フィギュアへ演出制御信号を送信するときの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図4に示す演出用フィギュアの制御部において、パチンコ遊技機から演出制御信号を受信するときの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図1に示す演出用フィギュアの構成と演出用フィギュアを取り付ける突出部周辺の構成とを模式的に示す図である。
【図8】図8(A)、(B)は、演出番号と、対応する動作パターンと、をパチンコ遊技機の機種ごとに示す図である。
【図9】図1に示すパチンコ遊技機のROM、および、演出用フィギュアのROMに記憶される演出テーブルの一例を(A)、(B)にそれぞれ模式的に示す図である。
【図10】この発明の演出用フィギュアを搭載した他の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面視における全体構成を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るスロットマシンに演出用フィギュアを搭載した一例を示す図である。
【図12】図11に示すスロットマシンの制御部に形成される機能ブロックを示す図である。
【図13】図1に示す演出用フィギュア以外の他の演出用フィギュアを示す図である。
【符号の説明】
【0141】
1 パチンコ遊技システム
2 パチンコ遊技機
3A 外枠
3 筐体
4 遊技盤
4A 遊技盤カバー
6A、6B 皿
31A 台座
31B 凹部
32 LED部
50 制御部
60 主制御部
70 第1副制御部
71 可視光通信制御プログラム
90 演出用フィギュア
91本体部
100 制御部
100B ROM
105 突出部
106 設置センサ
107 受光センサ
108 可動部
111 動作パターンデータ
112 動作パターン設定プログラム
113 音声パターンデータ
200 パチンコ遊技機
204 遊技盤
240 可動入賞役物
250 制御部
252 抽選処理部
253 演出処理部
300 スロットマシン遊技システム
301 スロットマシン
332 LED部
350 制御部
352 抽選処理部
353 演出処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽選処理を行なう抽選処理部と、遊技の進行に応じて演出制御信号を外部へ発信する発信部と、を有する遊技機に搭載され、
前記発信部から発信される演出制御信号を受信する受信部と、前記演出制御信号に対応する演出を記憶する記憶部と、前記演出制御信号に基づいて前記演出を実行する演出制御部と、を有する本体部を備えている演出ユニット。
【請求項2】
前記遊技機に設けられた台座に着脱自在に取り付けられる保持部をさらに備えている、請求項1記載の演出ユニット。
【請求項3】
前記本体部は、前記演出制御部に駆動される可動部をさらに備えている、
請求項1または2に記載の演出ユニット。
【請求項4】
前記保持部は、前記本体部が所定の位置に搭載されているか否かを検知する設置センサを有し、
前記演出制御部は、前記設置センサによって前記本体部が前記所定の位置に搭載されているのを検知したときに演出を実行する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の演出ユニット。
【請求項5】
前記受信部は、前記発信部が有するLEDが生成する可視光信号を受光する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の演出ユニット。
【請求項6】
前記可視光信号は60Hz以上の速さで変調する可視光によって形成される、
請求項5に記載の演出ユニット。
【請求項7】
前記演出制御部は、前記抽選処理の結果が特定の結果であるときに前記制御部が前記発信部から発する特定の演出制御信号を前記受信部が受信した場合に、演出を実行する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の演出ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出ユニットを取り付ける台座と、
前記抽選処理を行なう抽選処理部と、
前記遊技の進行に応じて演出制御信号を外部へ発信する発信部と、
を備えている遊技機。
【請求項9】
請求項8に記載の遊技機と、
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出ユニットと、
を備えている遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−28230(P2009−28230A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194640(P2007−194640)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000169477)アビリット株式会社 (294)
【Fターム(参考)】