説明

遊技機

【課題】多様な遊技状態への移行を実現しつつ、リールの図柄配置に対する自由度を高めることのできる遊技機を提供すること。
【解決手段】パチスロ(1)のメインCPU(31)は、リール(3L,3C,3R)の回転が停止すると、有効ラインに沿ってRT移行図柄が表示されているか否かを判定し、RT移行図柄が表示されている場合には、RT移行図柄に関する情報をメインRAM(33)のRT情報格納領域に記憶する。そして、メインCPU(31)は、RT情報格納領域に記憶された情報、例えば、RT移行図柄の組合せ情報やRT移行図柄の個数情報に基づいて、遊技状態を移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の図柄が夫々の表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(以下、「メダル等」という)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールの夫々に対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールの夫々に対応して設けられ、夫々の駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行うリール制御部と、を備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。
【0003】
このような遊技機として、特定の図柄組合せ(RT移行図柄)が停止表示されることを条件に、遊技状態を再遊技に係るリプレイが内部当籤役として決定される確率が高いRT遊技状態に移行させる遊技機が知られている。RT遊技状態へ移行する遊技機として、特許文献1には、1のゲームにおいて特定の図柄組合せが同時に複数停止表示された場合に、予め定められた優先順位の高い特定の図柄組合せに対応するRT遊技状態へ移行する遊技機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−5956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来における遊技機では、RT遊技状態への移行は、停止表示された特定の図柄組合せに1対1で対応したRT遊技状態のみに行われるものであった。遊技性が多様化した今日においては、遊技者のみならず開発者や遊技店関係者から、遊技の興趣を向上させるために多様な遊技状態へ移行可能な遊技機が望まれている。
【0006】
ここで、従来のように特定の図柄組合せに1対1で対応したRT遊技状態のみに移行する遊技機では、多様な遊技状態への移行を可能にするためには、多数の特定の図柄組合せを設けなければならない。しかしながら、多数の特定の図柄組合せを設けた場合には、開発者の遊技機の開発(特に、リールの図柄配置)に制限が課せられてしまう。具体的には、遊技機では、遊技状態を移行すべき場合に適切に遊技状態を移行する必要がある一方で、遊技状態を移行すべきでない場合に遊技状態を移行しないようにすることが求められる。この点、多数の特定の図柄組合せを設けることで、多様な遊技状態への移行は容易になるが、遊技状態の移行を行うべきでない状態で特定の図柄組合せが停止表示されることを防止することが困難になるという新たな問題が生ずる。このような問題を解決するためには、リールの図柄配置を単調にし(例えば、「リプレイ−ベル−スイカ−7」のグループを繰り返し配置する等)、遊技状態の移行を行うべきでない状態で特定の図柄組合せが停止表示されないようにすることが考えられるが、遊技性を多様にするために多様な遊技状態への移行を可能にしたにも関わらず、リールの図柄配置が単調になる結果、遊技が単調になってしまうという問題が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、多様な遊技状態への移行を実現しつつ、リールの図柄配置に対する自由度を高めることの可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の図柄が周面に夫々配された複数のリール(例えば、後述のリール3L,3C,3R)と、前記複数のリールの周面に配された複数の図柄の一部を表示する表示窓(後述の表示窓21L,21C,21R)と、前記表示窓において各リールの1つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される複数の有効ライン(例えば、後述のクロスアップライン8a、トップライン8b、ボトムライン8c、クロスダウンライン8d)と、所定の開始条件が成立したことに基づいて、前記リールを回転させることにより、前記表示窓に表示されている図柄を変動させるリール回転手段(例えば、後述のメインCPU31、モータ駆動回路39)と、複数の遊技状態に対応して設けられ、所定の役の抽籤値が複数の遊技状態の夫々で異なるように規定される複数の内部抽籤テーブルと、前記所定の開始条件を契機として、現在の遊技状態に対応する内部抽籤テーブルを参照して、前記複数の役から内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、後述のメインCPU31)と、複数の前記表示窓の夫々に対応して設けられ遊技者の停止操作を受け付ける複数の停止操作手段(例えば、後述のストップボタン7L,7C,7R)と、遊技者により前記停止操作手段が操作されることに応じて、操作された前記停止操作手段に対応する前記表示窓で変動表示する図柄の停止を指令する停止指令信号を出力する停止指令手段(例えば、後述のストップスイッチ7S)と、前記停止指令信号が出力されたことに応じて、前記表示窓での図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、後述のメインCPU31)と、前記停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、複数の前記有効ラインの夫々について、当該有効ラインに沿って表示された図柄組合せを判定する有効ライン判定手段(例えば、後述のメインCPU31)と、前記有効ライン判定手段により前記有効ラインに沿って特定の図柄組合せが表示されていると判定されることを条件に、前記特定の図柄組合せに関する情報を記憶する特定図柄記憶手段(例えば、後述のメインRAM33、後述のRT情報格納領域)と、前記特定図柄記憶手段に記憶された前記特定の図柄組合せに関する情報に基づいて、複数の前記遊技状態を切り換える遊技状態切換手段(例えば、後述のメインCPU31)と、を備え、前記特定の図柄組合せを複数種類設け、前記遊技状態切換手段は、前記有効ラインに沿って1の前記特定の図柄組合せが表示された場合に、1の前記特定の図柄組合せに対応し、前記所定の役の当籤確率が相対的に高くなる所定の遊技状態に切り換え(例えば、リプレイ1が表示された場合に、RT1遊技状態に切り換え)、複数の前記有効ラインに沿って1の前記特定の図柄組合せを含む複数種類の前記特定の図柄組合せが表示された場合に、表示された複数種類の前記特定の図柄組合せの組合せの種類に応じて前記所定の遊技状態よりも前記所定の役の当籤確率が高くなる特定の遊技状態に切り換える(例えば、リプレイ1及びリプレイ2が表示された場合に、RT3遊技状態に切り換える)。
【0009】
このような発明によれば、設けられた特定の図柄組合せ(RT移行図柄)よりも多くの遊技状態に移行可能な遊技機を提供できる。すなわち、特定の図柄組合せの組合せの種別の分だけ移行可能な遊技状態を設けることができる。また、特定の図柄組合せの個数に基づいて遊技状態を移行することで、特定の図柄組合せを1種類しか設けない場合であっても、複数の遊技状態に移行可能とすることができる。よって、本発明によれば、設けられた特定の図柄組合せの数よりも多くの遊技状態へ移行することができ、結果として、多様な遊技状態への移行を実現しつつ、リールの図柄配置に対する自由度を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多様な遊技状態への移行を実現しつつ、リールの図柄配置に対する自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】機能フローを示す図。
【図2】パチスロの外部構造を示す図。
【図3】パチスロの内部構造を示す図。
【図4】主制御回路の構成を示す図。
【図5】副制御回路の構成を示す図。
【図6】図柄配置テーブルを示す図。
【図7】図柄組合せテーブルを示す図。
【図8】ボーナス作動時テーブルを示す図。
【図9】内部抽籤テーブルを示す図。
【図10】内部抽籤テーブルを示す図。
【図11】内部当籤役決定テーブルを示す図。
【図12】内部当籤役決定テーブルを示す図。
【図13】RAMの各種領域を示す図。
【図14】RAMの各種領域を示す図。
【図15】RAMの各種領域を示す図。
【図16】RAMの各種領域を示す図。
【図17】RT数カウント表を示す図。
【図18】メインCPUが行う主な処理を示すメインフローチャート。
【図19】メダル受付・スタートチェック処理を示すメインフローチャート。
【図20】内部抽籤処理を示すフローチャート。
【図21】リール停止制御処理を示すフローチャート。
【図22】有効ラインチェック処理を示すフローチャート。
【図23】RT情報加算処理を示すフローチャート。
【図24】ボーナス終了チェック処理を示すフローチャート。
【図25】RT制御処理を示すフローチャート。
【図26】ボーナス作動チェック処理を示すフローチャート。
【図27】メインCPUの制御による割込処理を示すフローチャート。
【図28】RT移行図柄の停止例を示す図。
【図29】別実施形態に係るRT遊技状態移行先表を示す図。
【図30】別実施形態に係るRT情報加算処理を示すフローチャート。
【図31】別実施形態に係る有効ラインチェック処理を示すフローチャート。
【図32】別実施形態に係るRT制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。
【0013】
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0014】
内部抽籤手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の有効ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
【0015】
続いて、複数のリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
【0016】
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
【0017】
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
【0018】
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
【0019】
なお、本実施の形態では、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
【0020】
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、ランプ14により行う光の出力、スピーカ9L,9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
【0021】
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
【0022】
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述の液晶表示装置5、後述のスピーカ9L,9R、後述のランプ14)は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、各リール3L,3C,3Rの回転が夫々停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
【0023】
<遊技状態の移行>
ここで、本実施の形態では、遊技状態が異なる場合には、抽出された乱数値が同一であっても決定される内部当籤役が異なることがある。本実施の形態では、このような遊技状態として一般遊技状態、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態(以下、RT0〜RT3遊技状態を総称して「RT遊技状態」とする場合がある)、及びBB遊技状態(RB遊技状態と等価の遊技状態である)を設けている。
【0024】
一般遊技状態及びRT遊技状態では、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる確率が夫々異なる。すなわち、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、及び「リプレイ4」(以下、区別しない場合は「リプレイ」とする)を内部当籤役として決定する確率が夫々異なる。RT0〜RT3遊技状態は、後述するRT作動中フラグ(後述の図15参照)が「1:オン」に更新されることにより移行する。言い換えると、RT作動中フラグがオンに更新されると、リプレイタイム(RT)が作動し、リプレイを内部当籤役として決定する確率が変更される。なお、本実施の形態では、RT作動中フラグがオンに更新されると、リプレイを内部当籤役として決定される確率が高くなるが、リプレイを内部当籤役として決定される確率が低くなることとしてもよい。RT作動中フラグがオンに更新されることに伴うリプレイの内部当籤確率の変更は、設計者が任意に設定することができる。
【0025】
また、BB(RB)遊技状態は、ビッグボーナスの作動が行われることにより移行し、1ゲーム(単位遊技)あたりのメダルの払出しが相対的に多い状態が複数のゲームの間継続する遊技状態である。BB1又はBB2(以下、区別しない場合は「BB」とする)が内部当籤役として決定され入賞するとビッグボーナスの作動が行われる。なお、BBは、内部当籤役として決定されると入賞するまで持ち越される持越役であり、いわゆるボーナス役に該当する。このようなボーナス役が持ち越されている状態を、以下では「フラグ間」とする場合がある。なお、ボーナス役として、本実施形態では、BB1又はBB2(ビッグボーナス)を設けることとしているが、ボーナス役の種類については適宜設定可能であり、レギュラーボーナスやミドルボーナスを設けることとしてもよい。
【0026】
続いて、RT遊技状態への移行条件について説明する。RT遊技状態へは、RT移行図柄が後述の有効ライン上に沿って停止することを条件に移行する。ここで、「RT移行図柄」は、「特定の図柄組合せ」として機能し、「リプレイ1」及び「リプレイ2」が相当する。
第1実施形態では、有効ライン上に沿って停止したRT移行図柄の組合せの種別に応じて、RT遊技状態へ移行する。例えば、図17に示すように、有効ラインに沿って「リプレイ1」が停止した場合には、RT1遊技状態へ移行し、「リプレイ2」が停止した場合には、RT2遊技状態へ移行する。また、有効ラインに沿って「リプレイ1」及び「リプレイ2」が停止した場合には、RT3遊技状態へ移行する。
また、別の実施形態(第2実施形態)では、有効ライン上に沿って停止したRT移行図柄の数に応じて、RT遊技状態へ移行する。例えば、図29に示すように、有効ラインに沿って停止したRT移行図柄の数が「1」である場合には、RT1遊技状態へ移行し、「2」である場合には、RT2遊技状態へ移行し、「3」である場合には、RT3遊技状態へ移行する。
すなわち、「前記特定図柄記憶手段に記憶された前記特定の図柄組合せに関する情報」とは、有効ライン上に沿って停止したRT移行図柄の組合せの種別情報、及び、有効ライン上に沿って停止したRT移行図柄の個数情報、を含む。
【0027】
RT0遊技状態は、フラグ間にリプレイを内部当籤役として決定する確率を上昇させるための遊技状態であり、フラグ間に移行すること(ボーナス役が内部当籤役として決定されること)を条件に移行する。
【0028】
なお、本実施の形態では、RT移行図柄として、「リプレイ1」及び「リプレイ2」を設けることとしているが、RT移行図柄は、設計者が任意に設定することができ、例えば、「小役(メダルの払い出しが行われる役)」、「ボーナス役」、「ハズレ目」、「リーチ目」、「内部当籤役と同時に表示される目」等を用いることとしてもよい。例えば、「RT移行図柄」として、「ボーナス役」及び「ボーナス役と同時に表示される目(ボーナス役が停止した有効ライン以外の有効ラインに表示された図柄の組合せ)」を用いた場合には、ボーナス入賞時の停止形でその後のRT遊技状態を多様にすることができる。
【0029】
[第1実施形態]
パチスロ1の機能フローについての説明は以上である。続いて、図2〜図28を参照して、第1実施形態に係るパチスロ1について説明する。
【0030】
[パチスロの構造]
図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
【0031】
<パチスロの外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
【0032】
(リールと表示窓)
パチスロ1は、リール3L,3C,3Rや回路基板等を収容するキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。各リール3L,3C,3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
【0033】
フロントドア2の中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域21L,21C,21Rを含む表示画面5aを備え、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域21L,21C,21Rは、3つのリール3L,3C,3Rの夫々に対応して設けられており、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成を備えている。
【0034】
つまり、図柄表示領域21L,21C,21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域21L,21C,21Rを含めた表示画面5aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
【0035】
図柄表示領域(以下、表示窓)21L,21C,21Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域に夫々1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓21L,21C,21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかを夫々組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(有効ライン)として定義する。
【0036】
本実施の形態では、各表示窓21L,21C,21Rの上段を組合せてなるトップライン8b、各表示窓21L,21C,21Rの下段を組合せてなるボトムライン8c、左表示窓21Lの上段、中表示窓21Cの中段及び右表示窓21Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン8d、左表示窓21Lの下段、中表示窓21Cの中段及び右表示窓21Rの上段を組合せてなるクロスアップライン8aの4つを有効ラインとして設けている。なお、有効ラインは複数設けられていればよく、その数は任意に設計可能である。
【0037】
(操作装置)
フロントドア2には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
【0038】
ベットボタン11は、パチスロ1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン12は、パチスロ1内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
【0039】
スタートレバー6は、全てのリール3L,3C,3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L,7C,7Rは、3つのリール3L,3C,3Rの夫々に対応づけられ、対応するリール3L,3C,3Rの回転を停止するために設けられる。
【0040】
(その他装置)
7セグ表示器13は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
【0041】
ランプ(LED等)14は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ9L,9Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、後述のメダル払出装置40(後述の図3参照)の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
【0042】
<パチスロの内部構造>
図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の内部構造を示す。フロントドア2が開放され、フロントドア2の裏面側の構造及びキャビネット1a内部の構造が現れた状態が示されている。
【0043】
キャビネット1a内部の上方には、主制御回路71(後述の図4参照)が形成された基板(以下、主基板71A)が設けられている。主制御回路71は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路71の具体的な構成は後述する。
【0044】
キャビネット1a内部の中央には、3つのリール3L,3C,3Rが設けられている。リール3L,3C,3Rの夫々には、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ49L,49C,49R(後述の図4参照)が接続されている。
【0045】
3つのリール3L,3C,3Rの左側には、副制御回路72(後述の図4参照)が形成された基板(以下、副基板72A)が設けられている。副制御回路72は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路72の具体的な構成は後述する。
【0046】
キャビネット1a内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置(以下、ホッパー)40が設けられている。ホッパー40の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置43が設けられている。
【0047】
フロントドア2裏側の中央、表示窓21L,21C,21Rの下方には、セレクタ42が設けられている。セレクタ42は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口10に受け入れられた適正なメダルをホッパー40へ案内する。なお、セレクタ42内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ42S(後述の図4参照)が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
【0048】
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0049】
<主制御回路>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路71の構成を示す。
【0050】
(マイクロコンピュータ)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
【0051】
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム(後述の図18〜図27参照)、内部抽籤テーブル(後述の図9及び図10参照)等のデータテーブル(後述の図6〜図10、図17参照)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域(後述の図11〜図16参照)が設けられる。
【0052】
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
【0053】
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rの夫々が遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
【0054】
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルが前述のセレクタ42内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
【0055】
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R、7セグ表示器13及びホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0056】
モータ駆動回路39は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
【0057】
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
【0058】
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リール3L,3C,3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0059】
表示部駆動回路48は、7セグ表示器13の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0060】
<副制御回路>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路72の構成を示す。
【0061】
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ87、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91を含んで構成されている。
【0062】
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0063】
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ14による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
【0064】
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
【0065】
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ9L,9R及びランプ14が接続されている。
【0066】
サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファ86を含む)及びドライバ87は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
【0067】
また、サブCPU81、DSP88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L,9Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ14の点灯及び消灯を行う。
【0068】
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
【0069】
[図柄配置テーブル]
図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
【0070】
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓21L,21C,21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」を夫々割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓21L,21C,21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
【0071】
[図柄組合せテーブル]
図7を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、有効ラインに沿って各リール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
【0072】
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
【0073】
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータ(データ1は、ボーナス役以外の表示役の管理に用いられ、データ2は、ボーナス役の管理に用いられる)として表される。例えば、各リール3L,3C,3Rの図柄「ベル」が有効ラインに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
【0074】
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
【0075】
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ビッグボーナスの作動が行われる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
【0076】
[ボーナス作動時テーブル]
図8を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM33に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
【0077】
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
【0078】
BBの作動は、規定枚数(本実施の形態では、346枚)に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数(本実施の形態では、12回)に達する遊技が行われた場合、規定回数(本実施の形態では、8回)に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
【0079】
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
【0080】
[内部抽籤テーブル]
図9及び図10を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブル(後述の図11及び図12参照)により規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
【0081】
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
【0082】
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
【0083】
図9(1)は、一般遊技状態において参照される一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示し、図9(2)は、RT1遊技状態において参照されるRT1作動中用内部抽籤テーブルを示し、図9(3)は、RT2遊技状態において参照されるRT2作動中用内部抽籤テーブルを示す。また、図10(1)は、RT3遊技状態において参照されるRT3作動中用内部抽籤テーブルを示し、図10(2)は、RT0遊技状態において参照されるRT0作動中用内部抽籤テーブルを示し、図10(3)は、BB(RB)遊技状態において参照されるRB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、RTやボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
【0084】
[内部当籤役決定テーブル]
図11及び図12を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
【0085】
内部当籤役は、有効ラインに沿って表示を許可する各リール3L,3C,3Lの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。なお、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
【0086】
図11は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図12は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
【0087】
[メインRAMに設けられる格納領域の構成]
次に、図13〜図16を参照して、メインRAM33に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
【0088】
[内部当籤役格納領域]
図13を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。なお、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
【0089】
なお、メインRAM33には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたことになる。
【0090】
[持越役格納領域]
図14を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
【0091】
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(持越役)は、対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果に関わらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
【0092】
[作動中フラグ格納領域]
図15を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
【0093】
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。なお、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
【0094】
[RT情報格納領域]
図16を参照して、RT情報格納領域の構成について説明する。
【0095】
RT情報格納領域は、1バイトからなるRT移行図柄に関する情報(RT情報)、すなわち、有効ライン上に表示されたRT移行図柄、を格納する。RT情報格納領域に格納されている情報に基づいて、RTの作動(RT遊技状態への移行)が行われる。
【0096】
[RT数カウント表]
RTの作動について、図17を参照して、具体的に説明する。図17は、メインROM32に設けられているRT数カウント表である。
【0097】
RTカウント表は、有効ライン上に表示されたRT移行図柄に対して、RTゲーム数カウンタ値、及び移行先のRT遊技状態が割り当てられている。RTゲーム数カウンタ値は、RT遊技状態の継続ゲーム数を示し、メインRAM33の所定の領域に設けられたRTゲーム数カウンタにより計数される。例えば、有効ライン上にリプレイ1が表示された場合には、RT1遊技状態に移行し、100ゲームの間RT1遊技状態で遊技が行われる。ここで、有効ライン上に表示されたRT移行図柄の判定は、図16のRT情報格納領域に格納された情報に基づいて行われる。例えば、RT情報格納領域のビット7に「1」が立っている状態では、有効ライン上にリプレイ1が表示されていると判定され、また、RT情報格納領域のビット0及びビット5に「1」が立っている状態では、有効ライン上にリプレイ1及びリプレイ2が表示されていると判定される。
【0098】
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
図18〜図27を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0099】
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
まず、図18を参照して、メインCPU31の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU31は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU31は、メインRAM33における指定格納領域のクリアを行う(S2)。この処理では、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
【0100】
次に、メインCPU31は、後で図18を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェック等が行われる。
【0101】
次に、メインCPU31は、乱数値を抽出し、メインRAM33に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU31は、後で図20を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0102】
次に、メインCPU31は、全リール3L,3C,3Rの回転開始を要求する(S7)。なお、全リール3L,3C,3Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図27参照)によってステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。
【0103】
次に、メインCPU31は、後で図21を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチ7Sの入力のチェックが行われ、ストップボタンが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
【0104】
次に、メインCPU31は、後で、図22を参照して説明する有効ラインチェック処理を行う(S9)。この処理では、リールの回転が停止されることに伴い有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する。検索の結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブル(図7参照)により規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU31は、表示コマンドを副制御回路72に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0105】
次に、メインCPU31は、メダル払出処理を行う(S11)。この処理では、決定された払出枚数に基づいて、ホッパー40の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。この処理では、払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
【0106】
次に、メインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図24を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S14)。この処理では、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
【0107】
メインCPU31は、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図25を参照して説明するRT制御処理を行う(S15)。この処理では、RT遊技状態のゲーム数を計数するRTゲーム数カウンタを更新する。次に、メインCPU31は、後で、図26を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S16)。この処理では、ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
【0108】
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図19を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、自動投入枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S31)。自動投入枚数カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S32)。この処理では、セレクタ42のソレノイドの駆動が行われ、セレクタ42内のメダルの通過が促される。
【0109】
メインCPU31は、自動投入枚数カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入枚数カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S33)。次に、メインCPU31は、自動投入枚数カウンタをクリアする(S34)。S33及びS34は再遊技を行うための処理である。
【0110】
メインCPU31は、S32又はS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S35)。次に、メインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S36)。メインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(S37)。この処理では、例えば、最大値が2に変更される。
【0111】
メインCPU31は、S37の後、又は、S36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S38)。メインCPU31は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S39)。メインCPU31は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S40)。次に、メインCPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(S41)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
【0112】
メインCPU31は、S39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S42)。メインCPU31は、S42の後、S41の後、又は、S38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチ11Sのチェックを行う(S43)。この処理では、ベットボタン11に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
【0113】
次に、メインCPU31は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S44)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、S38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(S45)。
【0114】
メインCPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、S38に移る一方で、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S46)。この処理では、セレクタ42のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
【0115】
[内部抽籤処理]
次に、図20を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、内部抽籤テーブル(図9及び図10参照)及び抽籤回数を決定する(S61)。この処理では、作動中フラグ格納領域(図15参照)が参照され、RT及びボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。なお、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
【0116】
次に、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(S62)。次に、メインCPU31は、当籤番号の初期値として1をセットする(S63)。
【0117】
次に、メインCPU31は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S64)。次に、メインCPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S65)。次に、メインCPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する(S66)。メインCPU31は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S67)。
【0118】
次に、メインCPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S68)。メインCPU31は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、S64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S69)。
【0119】
メインCPU31は、S66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S70)。メインCPU31は、S70又はS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図11参照)を参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S71)。
【0120】
次に、メインCPU31は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域(図13参照)に格納する(S72)。次に、メインCPU31は、持越役格納領域(図14参照)に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S73)。メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図12参照)を参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S74)。次に、メインCPU31は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S75)。
【0121】
次に、メインCPU31は、持越役格納領域(図14参照)に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S76)。メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0でないと判別したときは、RT1〜RT3作動中フラグの何れかがオンであれば、RT作動中フラグ及びRTゲーム数カウンタをクリアする。次に、メインCPU31は、作動中フラグ格納領域(図15参照)のRT0作動中フラグに対応するビット5を「オン:1」に更新する(S78)。つまり、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことに基づいて、RT0遊技状態に移行する。
【0122】
メインCPU31は、S78の後、S76において持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したとき、又は、S73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域(図13参照)との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S79)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
【0123】
[リール停止制御処理]
次に、図21を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S91)。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
【0124】
メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、該当ストップボタンの操作を無効化する(S92)。各ストップボタン7L,7C,7Rの有効及び無効の状態は、メインRAM33に設けられた所定の格納領域において管理される。
【0125】
次に、メインCPU31は、チェック回数として5をセットする(S93)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
【0126】
次に、メインCPU31は、内部当籤役に基づいて、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(S94)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、有効ライン沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
【0127】
次に、メインCPU31は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(S95)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU31は、停止予定位置待ちへ移行する(S96)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理(後述の図27参照)によってステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓の中段に到達するのを待って該当リールの回転が停止される。
【0128】
次に、メインCPU31は、リール停止コマンドを副制御回路72に対して送信する(S97)。リール停止コマンドは、停止したリールの種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
【0129】
次に、メインCPU31は、操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(S98)。つまり、まだ回転中のリールがあるか否かが判別される。メインCPU31は、操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、S91に移る一方で、操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
【0130】
[有効ラインチェック処理]
次に、図22を参照して、有効ラインチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、有効ラインカウンタの初期値として「4」を取得する(S111)。本実施の形態では、有効ラインとしてクロスアップライン8a、トップライン8b、ボトムライン8c、クロスダウンライン8dの4つを有効ラインとして設けている。有効ラインカウンタ「4」は、クロスアップライン8aに対応し、有効ラインカウンタ「3」は、トップライン8bに対応し、有効ラインカウンタ「2」は、ボトムライン8cに対応し、有効ラインカウンタ「1」は、クロスダウンライン8dに対応する。
【0131】
次に、メインCPU31は、有効ラインカウンタは0か否かを判別する(S112)。メインCPU31は、有効ラインカウンタは0でないと判別したときには、図柄組合せテーブル(図7参照)に基づいて、有効ラインカウンタに対応する有効ライン上に停止した図柄の組合せから表示役を決定する(S113)。
【0132】
次に、メインCPU31は、表示役と表示役格納領域の論理和を表示役格納領域に格納し(S114)、続いて、表示役と投入枚数とに基づいて払出枚数を更新する(S115)。次に、メインCPU31は、作動中フラグ格納領域(図15)を参照してRT0作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S116)。メインCPU31は、RT0作動中フラグは0でないと判別したときには、チェック中の有効ラインカウンタに対応する対象有効ラインにRT移行図柄は表示されているか否かを判別する(S117)。メインCPU31は、対象有効ラインにRT移行図柄は表示されていると判別したときには、対象有効ライン及び表示されたRT移行図柄の種別に基づいて、RT情報をRT情報格納領域(図16)に格納する。例えば、リプレイ1がクロスダウンライン8dに表示され、リプレイ2がクロスアップライン8aに表示されている場合には、メインCPU31は、RT情報格納領域のビット5及びビット0をオンに更新する(「1」を格納する)。
【0133】
メインCPU31は、S118の後、S117において対象有効ラインにRT移行図柄は表示されていないと判別したとき、又は、S116においてRT0作動中フラグはオンであると判別したときには、有効ラインカウンタを1減算し(S119)、続いて、S112に戻る。
【0134】
メインCPU31は、S112において有効ラインカウンタは0であると判別したときには、後で、図23を参照して説明するRT情報加算処理を行い(S120)、有効ラインチェック処理を終了する。
【0135】
[RT情報加算処理]
次に、図23を参照して、RT情報加算処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、RT情報格納領域(図16)のRT情報を取得する(S141)。次に、メインCPU31は、取得したRT情報に基づいて、RT数カウント表(図17)のRTゲーム数カウンタ値を取得し、RTゲーム数カウンタに取得したゲーム数をセットする(S142)。次に、メインCPU31は、取得したRT情報に基づいて、RT数カウント表の移行先情報を取得し、作動中フラグ格納領域(図15)の対応する作動中フラグをオンに更新し(S143)、RT情報加算処理を終了する。具体的には、RT情報格納領域のビット5及びビット0がオンである場合には(リプレイ1及びリプレイ2が表示されている場合には)、メインCPU31は、RTゲーム数カウンタに300をセットし、RT3作動中フラグをオンに更新する。
【0136】
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図24を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S161)。メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(S162)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU31は、ボーナス終了コマンドを副制御回路72に対して送信する(S163)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0137】
メインCPU31は、S161においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(S164)。この処理では、遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU31は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S165)。
【0138】
メインCPU31は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(S166)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0139】
[RT制御処理]
次に、図25を参照して、RT制御処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、RT作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S181)。メインCPU31は、RT作動中フラグはオンでないと判別したときには、RT制御処理を終了する一方で、RT作動中フラグはオンであると判別したときには、RT0作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S182)。
【0140】
このとき、メインCPU31は、RT0作動中フラグはオンであると判別したときには、RT制御処理を終了する一方で、RT0作動中フラグはオンでないと判別したときには、RTゲーム数カウンタを1減算する(S183)。次に、メインCPU31は、RTゲーム数カウンタは0であるか否かを判別する(S184)。メインCPU31は、RTゲーム数カウンタは0でないと判別したときには、RT制御処理を終了する一方で、RTゲーム数カウンタは0であると判別したときには、RT作動中フラグ(RT1〜RT3作動中フラグのいずれか)をオフに更新し(S185)、RT制御処理を終了する。
【0141】
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図26を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、表示役はBBであるか否かを判別する(S201)。メインCPU31は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブル(図8参照)を参照し、BB作動時処理を行う(S202)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
【0142】
次に、メインCPU31は、持越役格納領域(図14参照)をクリアする(S203)。次に、メインCPU31は、ボーナス開始コマンドを副制御回路72に対して送信する(S204)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0143】
メインCPU31は、S201において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(S205)。メインCPU31は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入枚数カウンタに複写する(S206)。
【0144】
メインCPU31は、S205において表示役はリプレイではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S207)。メインCPU31は、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S208)。
【0145】
メインCPU31は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブル(図8参照)を参照し、RB作動時処理を行う(S209)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0146】
[メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)]
次に、図27を参照して、メインCPU31の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(S221)。次に、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(S222)。この処理では、ストップスイッチ7S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
【0147】
次に、メインCPU31は、リール制御処理を行う(S223)。この処理では、全リール3L,3C,3Rの回転開始が要求されたときに、各リール3L,3C,3Rの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リールの回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動が制御される。
【0148】
次に、メインCPU31は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S224)。次に、メインCPU31は、レジスタの復帰を行う(S225)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
【0149】
[パチスロ1の効果]
以上説明したように、パチスロ1では、有効ライン上に表示されたRT移行図柄に基づいて異なるRT遊技状態に移行する。具体的には、パチスロ1では、有効ラインに沿ってリプレイ1が表示された場合にはRT1遊技状態に移行し、リプレイ2が表示された場合にはRT2遊技状態に移行する。ここで、パチスロ1では、有効ライン上に同時に複数のRT移行図柄が表示された場合には、夫々のRT移行図柄が単独で表示された場合とは異なる遊技状態に移行する。すなわち、パチスロ1では、リプレイ1及びリプレイ2が同時に表示された場合には、RT1遊技状態及びRT2遊技状態とは異なるRT3遊技状態に移行する。
【0150】
これにより、パチスロ1では、少ないRT移行図柄でも遊技状態を多様に移行、すなわち、設けられたRT移行図柄よりも多くの状態に移行させることができるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0151】
また、多様な遊技状態の移行に際しRT移行図柄の種類を少なくすることができる結果、リールの図柄配置に対する自由度を高めることができ、開発が容易になる。この点について、図28を参照して具体的に説明する。
【0152】
図28(1)は、左のリール3Lの上段から順に図柄位置「19,18,17」の図柄が停止し、中央のリール3Cの上段から順に図柄位置「20,19,18」の図柄が停止し、右のリール3Rの上段から順に図柄位置「19,18,17」の図柄が停止した際の停止例1を示す図である。また、図28(2)は、左のリール3Lの上段から順に図柄位置「13,12,11」の図柄が停止し、中央のリール3Cの上段から順に図柄位置「20,19,18」の図柄が停止し、右のリール3Rの上段から順に図柄位置「19,18,17」の図柄が停止した際の停止例2を示す図である。停止例1及び停止例2では、クロスアップライン8a及びクロスダウンライン8dに沿ってリプレイ1及びリプレイ2が表示されているため、停止例1及び停止例2では、共にRT3遊技状態に移行する。
【0153】
ところで、停止例1において、例えば、リール3L,3C,3R夫々の中段に停止された「ベル−リプレイ−ベル」を契機として(すなわち、新たなRT移行図柄として)RT3遊技状態に移行していると見ることもできる。しかしながら、「ベル−リプレイ−ベル」を新たなRT移行図柄とした場合には、RT3遊技状態に移行させるためには、この新たなRT移行図柄を表示させなければならない。この点について、本実施の形態では、同じくRT3遊技状態に移行する停止例2において、「ベル−リプレイ−ベル」を表示させることなく、RT3遊技状態への移行を実現している。そのため、RT3遊技状態へ移行するために、新たなRT移行図柄が表示しなければならないような図柄配置が強制されることなく、リールの図柄配置に対する自由度を高めることができる。
【0154】
なお、「ベル−リプレイ−ベル」に加えて、停止例2のリール3L,3C,3R夫々の中段に停止された「BAR−リプレイ−ベル」やその他の図柄の組合せをRT3遊技状態へ移行するための新たなRT移行図柄として捉えることで、リールの図柄配置に対する自由度を確保することも一見可能に見える。しかしながら、このような場合には、新たに設けられた複数のRT移行図柄をチェックするための処理を行わなければならず、制御負荷が増大する。また、RT3遊技状態へ移行するためのRT移行図柄を新たに設けた場合には、RT3遊技状態へ移行すべきでない状況において新たなRT移行図柄が表示されることを防止しなければならないため、別途リールの図柄配置に対する制限が課せられることになり、結果としてリールの図柄配置に対する自由度を高めることはできない。
【0155】
以上のように、本実施の形態では、設けられたRT移行図柄の組合せによって移行するRT遊技状態を異ならせることとし、設けられたRT移行図柄よりも多くの状態に移行させることとしたため、多様な遊技状態への移行を実現しつつ、リールの図柄配置に対する自由度を高めることができる。
【0156】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態のパチスロ1Aについて、図29及び図30を参照して説明する。第1実施形態のパチスロ1では、表示されたRT移行図柄の種別に基づいてRT遊技状態へ移行することとしているが、第2実施形態のパチスロ1Aでは、表示されたRT移行図柄の数に基づいてRT遊技状態へ移行することとしている。
【0157】
[RT遊技状態移行先表]
図29は、第1実施形態のパチスロ1のRT数カウント表(図17)に換えて、第2実施形態のパチスロ1AのメインROM32に設けられたRT遊技状態移行先表である。
【0158】
RT遊技状態移行先表は、有効ライン上に表示されたRT移行図柄の個数に対して、RTゲーム数カウンタ値、及び移行先のRT遊技状態が割り当てられている。例えば、有効ライン上にRT移行図柄が1つ表示された場合には、RT1遊技状態に移行し、100ゲームの間RT1遊技状態で遊技が行われる。なお、説明を容易にするため、リプレイ1及びリプレイ2をRT移行図柄としているが、第2実施形態ではRT移行図柄を1つだけとすることも可能である。
【0159】
[RT情報加算処理A]
図30は、第1実施形態のパチスロ1のRT情報加算処理(図23)に換えて、第2実施形態のパチスロ1Aが行うRT情報加算処理Aを示すフローチャートである。第1実施形態のRT情報加算処理と同じ処理については、符号を同一にし、詳細な説明を省略する。
【0160】
RT情報加算処理Aでは、メインCPU31は、S141で取得したRT情報に基づいて、RT遊技状態移行先表のRTゲーム数カウンタ値を取得し、RTゲーム数をセットすると共に(S142A)、RT遊技状態移行先表の移行先情報を取得し、対応する作動中フラグをオンに更新する(S143A)。具体的には、RT情報格納領域(図16)において「1」が格納されているビットの個数に基づいて、移行先のRT遊技状態及びRTゲーム数をセットする。
【0161】
以上のような第2実施形態のパチスロ1Aによっても、設けられたRT移行図柄よりも多くの状態に移行させることができ、多様な遊技状態への移行を実現しつつ、リールの図柄配置に対する自由度を高めることができる。
【0162】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態のパチスロ1Bについて、図31を参照して説明する。第1実施形態のパチスロ1では、複数のRT移行図柄が表示された場合には単独のRT移行図柄が表示された場合とは異なるRT遊技状態へ移行することとしているが、第3実施形態のパチスロ1Bでは、複数のRT移行図柄が表示された場合に、有効ラインの検索順序に基づいて、逐次遊技状態を移行させることとしている。
【0163】
[有効ラインチェック処理B]
図31は、第1実施形態のパチスロ1の有効ラインチェック処理(図22)に換えて、第3実施形態のパチスロ1Bが行う有効ラインチェック処理Bを示すフローチャートである。第1実施形態のRT情報加算処理と同じ処理については、符号を同一にし、詳細な説明を省略する。
【0164】
有効ラインカウンタをセットし(S111)、対象有効ラインにRT移行図柄が表示されていると判別されると(S117でYES)、メインCPU31は、表示されたRT移行図柄の種別とRT数カウント表(図17)とに基づいて、対応する遊技状態へ移行(RTゲーム数のセット、RT作動中フラグの更新)する(S118B)。続いて、有効ラインカウンタを1減算し(S119)、再び、S112〜S118Bの処理を行う。
【0165】
このように、第3実施形態の有効ラインチェック処理Bでは、チェックする有効ラインにRT移行図柄が表示されている度にRT遊技状態への移行を行う。そのため、例えば、クロスアップライン8aにリプレイ1が表示され、クロスダウンライン8dにリプレイ2が表示されている場合には、クロスアップライン8aのチェック時にRT1遊技状態へ移行し、その後、クロスダウンライン8dのチェック時にRT2遊技状態へ移行する。
【0166】
この場合において、有効ラインのチェック順序は、予め定められた順序に限らず、抽籤によりチェック順序を決定することとするのが好適である。これにより、同じ停止態様であっても、チェック順序が異なれば最終的に移行するRT遊技状態も異なることになり、どのRT遊技状態に移行するか判別することが困難になるため、興趣の向上を図ることができる。
【0167】
[第4実施形態]
続いて、第4実施形態のパチスロ1Cについて、図32を参照して説明する。第1実施形態のパチスロ1では、RT遊技状態への移行を有効ラインチェック処理(図18のS9)の中のRT情報加算処理(図22のS120、図23)において行うこととしているが、第4実施形態のパチスロ1Cでは、RT制御処理(図18のS15)において行うこととしている。
【0168】
[RT制御処理C]
図32は、第1実施形態のパチスロ1のRT制御処理(図25)に換えて、第4実施形態のパチスロ1Cが行うRT制御処理Cを示すフローチャートである。
【0169】
はじめに、メインCPU31は、RT0作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S181C)。メインCPU31は、RT0作動中フラグがオンであるときには、RT制御処理を終了する一方で、RT0作動中フラグがオンでないときには、RT1作動中フラグ〜RT3作動中フラグのいずれかがオンであるか否かを判別する(S182C)。
【0170】
このとき、RT1作動中フラグ〜RT3作動中フラグのいずれかがオンであるときには、メインCPU31は、RTゲーム数カウンタを1減算する(S183C)。次に、メインCPU31は、RTゲーム数カウンタは0であるか否かを判別する(S184C)。メインCPU31は、RTゲーム数カウンタは0でないときには、RT制御処理を終了する一方で、RTゲーム数カウンタは0であるときには、オンであるRT作動中フラグをオフに更新し(S185C)、RT制御処理を終了する。
【0171】
メインCPU31は、S182CにおいてRT1作動中フラグ〜RT3作動中フラグのいずれかがオンでないと判別したときには、リプレイ1が有効ラインに沿って表示されているか否かを判別する(S186C)。このとき、リプレイ1が有効ラインに沿って表示されているときには、メインCPU31は、リプレイ2が有効ラインに沿って表示されているか否かを判別する(S187C)。メインCPU31は、リプレイ2が有効ラインに沿って表示されているときには、RTゲーム数カウンタに300をセットし、RT3作動中フラグをオンに更新し(S188C)、RT制御処理を終了する。他方、S187Cにおいてリプレイ2が有効ラインに沿って表示されていないときには、メインCPU31は、RTゲーム数カウンタに100をセットし、RT1作動中フラグをオンに更新し(S189C)、RT制御処理を終了する。
【0172】
また、S186Cにおいて、リプレイ1が有効ラインに沿って表示されていないときには、メインCPU31は、リプレイ2が有効ラインに沿って表示されているか否かを判別する(S189C)。このとき、メインCPU31は、リプレイ2が有効ラインに沿って表示されていないときには、RT制御処理を終了する一方で、リプレイ2が有効ラインに沿って表示されているときには、RTゲーム数カウンタに200をセットし、RT2作動中フラグをオンに更新し(S190C)、RT制御処理を終了する。
【0173】
このように、RT遊技状態への移行のタイミングは、第1実施形態のように有効ラインチェック処理(図18のS9)に限られず、その後の任意のタイミング(一例としては第4実施形態に示すRT制御処理(図18のS15))で行うことができる。
【0174】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。
例えば、上記実施形態では、RT3遊技状態で参照するRT3作動中用内部抽籤テーブル(図10(1))において、リプレイ3及びリプレイ4(当籤番号「4」「5」)についての抽籤値を予め定めておくこととしているが、これに限られるものではなく、遊技状態がRT3遊技状態へ切り換えられることが決定した際に表示されているRT移行図柄に関する情報を用いて決定することとしてもよい。具体的には、表示されているRT移行図柄が有する抽籤値の値を加算した値を、RT3遊技状態におけるリプレイ3及びリプレイ4としてもよい。例えば、リプレイ1が抽籤値として「8000」を有し、リプレイ2抽籤値として「20000」を有する場合、リプレイ1及びリプレイ2が有効ラインに沿って表示されたときには、リプレイ3及びリプレイ4の抽籤値として各々「28000(=8000+20000)」とし、リプレイ1及びリプレイ1が有効ラインに沿って表示されたときには、リプレイ3及びリプレイ4の抽籤値として各々「16000(=8000+8000)」としてもよい(なお、理解を容易にするため、リプレイ1が2つ有効ラインに沿って表示された場合にRT3遊技状態へ移行することを前提としている)。
なお、上記第2実施形態に適用する場合には、RT3作動中用内部抽籤テーブルだけでなく、RT1作動中用内部抽籤テーブル及びRT2作動中用内部抽籤テーブルについてもリプレイ3及びリプレイ4の抽籤値を定めないこととしてもよい。例えば、リプレイ1が1つ有効ラインに沿って表示されたときには、100ゲーム継続するRT1遊技状態へ移行し、抽籤値は「8000」となるが、リプレイ2が1つ有効ラインに沿って表示されたときには、200ゲーム継続するRT2遊技状態へ移行し、抽籤値は「20000」となる。同様に、リプレイ1が2つ有効ラインに沿って表示されたときには、200ゲーム継続するRT2遊技状態へ移行し、抽籤値は「16000」となり、リプレイ1及びリプレイ2が2つ有効ラインに沿って表示されたときには、200ゲーム継続するRT2遊技状態へ移行し、抽籤値は「28000」となる。
【0175】
例えば、上記実施形態では、RT遊技状態は、ボーナス役が内部当籤役として決定されることを条件に終了することとしている(図20のS76でNOのとき、RT作動中フラグをクリアしている)が、これに限られるものではなく、RT遊技状態がBB(RB)遊技状態と並列して作動するボーナス貫通型のRT遊技状態であってもよい。具体的には、BB作動中フラグとRT作動中フラグとの両方のフラグがオンである状態で、BB(RB)遊技状態が行われることとしてもよい。
【0176】
また、上記実施形態では、RT遊技状態のゲーム数を主制御回路71(メインRAM33に設けられたRTゲーム数カウンタ)により管理することとしているが、副制御回路72により管理することとしてもよい。具体的には、RT遊技状態が終了する停止形態を設け(例えば、チェリーが表示されるとRT遊技状態が終了する)、この停止形態が表示されることを回避するための報知(ナビ)を副制御回路72が行うこととしてもよい。一例としては、所定回数のゲームの間(例えば、50ゲーム)、RT遊技状態が終了する停止形態が表示されることを回避するための報知を行うことにより、副制御回路72がRT遊技状態のゲーム数を管理することができる。
【0177】
また、図17に示すRT数カウント表や図28に示すRT遊技状態移行先表に基づいてRT遊技状態の移行を行っているが、同表に記載されたRTゲーム数カウンタ値及び移行先は一例であり、これに限られるものではない。例えば、図17に示すRT数カウント表において、リプレイ1が有効ラインに沿って表示された場合には、RT遊技状態の移行を行わず、リプレイ2が有効ラインに沿って表示された場合には、RT1遊技状態に移行し、リプレイ1及びリプレイ2が有効ラインに沿って表示された場合には、RT2遊技状態に移行する、等任意に設定することができる。すなわち、RT移行図柄が単独で表示された場合には、遊技状態の移行を行わないこと等も本発明は含むものである。
【0178】
また、上記実施形態では、内部当籤役のみに応じて停止制御を行っているが、これに限られるものではない。例えば、遊技者の停止操作のタイミングや停止操作の順序に基づいて停止制御を行うこととしてもよい。また、内部当籤役、停止操作のタイミング、及び停止操作の順序のいずれか(全て)を組み合わせて停止制御を行うこととしてもよい。
【0179】
さらに、上記実施形態のようなパチスロ1の他、他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、パチスロ1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【符号の説明】
【0180】
1 パチスロ
3L,3C,3R リール
6 スタートレバー
7L,7C,7R ストップボタン
71 主制御回路
31 メインCPU
32 メインROM
33 メインRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄が周面に夫々配された複数のリールと、
前記複数のリールの周面に配された複数の図柄の一部を表示する表示窓と、
前記表示窓において各リールの1つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される複数の有効ラインと、
所定の開始条件が成立したことに基づいて、前記リールを回転させることにより、前記表示窓に表示されている図柄を変動させるリール回転手段と、
複数の遊技状態に対応して設けられ、所定の役の抽籤値が複数の遊技状態の夫々で異なるように規定される複数の内部抽籤テーブルと、
前記所定の開始条件を契機として、現在の遊技状態に対応する内部抽籤テーブルを参照して、前記複数の役から内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
複数の前記表示窓の夫々に対応して設けられ遊技者の停止操作を受け付ける複数の停止操作手段と、
遊技者により前記停止操作手段が操作されることに応じて、操作された前記停止操作手段に対応する前記表示窓で変動表示する図柄の停止を指令する停止指令信号を出力する停止指令手段と、
前記停止指令信号が出力されたことに応じて、前記表示窓での図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
前記停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、複数の前記有効ラインの夫々について、当該有効ラインに沿って表示された図柄組合せを判定する有効ライン判定手段と、
前記有効ライン判定手段により前記有効ラインに沿って特定の図柄組合せが表示されていると判定されることを条件に、前記特定の図柄組合せに関する情報を記憶する特定図柄記憶手段と、
前記特定図柄記憶手段に記憶された前記特定の図柄組合せに関する情報に基づいて、複数の前記遊技状態を切り換える遊技状態切換手段と、
を備え、
前記特定の図柄組合せを複数種類設け、
前記遊技状態切換手段は、
前記有効ラインに沿って1の前記特定の図柄組合せが表示された場合に、1の前記特定の図柄組合せに対応し、前記所定の役の当籤確率が相対的に高くなる所定の遊技状態に切り換え、
複数の前記有効ラインに沿って1の前記特定の図柄組合せを含む複数種類の前記特定の図柄組合せが表示された場合に、表示された複数種類の前記特定の図柄組合せの組合せの種類に応じて前記所定の遊技状態よりも前記所定の役の当籤確率が高くなる特定の遊技状態に切り換えることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2013−48925(P2013−48925A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−245708(P2012−245708)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【分割の表示】特願2010−219295(P2010−219295)の分割
【原出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】