説明

運動変換駆動装置及びその運動変換駆動装置を備えた車両用シート装置

【課題】モータの出力軸の回転運動を往復直進運動に変換して出力する小型かつ簡易な構成の運動変換駆動装置及びその運動変換駆動装置を備えた車両用シート装置を提供する。
【解決手段】運動変換駆動装置64は、ハウジングケース76に固定されたモータ66の回転運動を減速機構67A及びねじ機構68Aを介して往復直進運動に変換する。減速機構は、ハウジングケースに支承されモータの出力軸と同軸線上で回転連結された2乃至4歯のハスバのピニオン72と、回転軸線がピニオンの回転軸線と平行で近接するようにハウジングケースに支承されピニオンと噛合するギヤ73を有し、ねじ機構の雌ねじ部75又は雄ねじ部74がギヤに同軸に形成されている。よって小型かつ簡易な構成とすることができ、噛み合い率を確保してウォーム及びウォームホイールと同等の高減速比を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの出力軸の回転運動を減速機構及びねじ機構を介して往復直進運動に変換して出力する運動変換駆動装置、及び上下方向に分割されているシートバックの上部を該運動変換駆動装置により前方に傾動可能とした車両用シート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された自動車のシートの調節ユニットにおいては、ハウジングの一側から突出する駆動シャフトの一端は、モータの出力軸に連結されている。ハウジングの外側に位置するハブの一端部は、スピンドルナットの一端面に接合されている。スピンドルナットには、シートに連結することで回転が阻止されたネジ付きスピンドルが螺合されている。ハウジングの内側に位置するハブの他端部には、ウォームホイールが形成されている。ウォームホイールは、駆動シャフトの他端に設けられているウォームと噛み合わされている。このような駆動シャフトは、ハブの長手方向軸線と直角に交差するように配置されることになる。以上のような構成によれば、モータが回転すると駆動シャフトと共にウォームが回転し、ウォームホイールとスピンドルナットが回転し、ネジ付きスピンドルが軸方向に移動してシートが前後に移動する。
【0003】
特許文献2に記載された自動車のパワーシートのフロントバーチカル機構においては、ギアボックス内部には、ナット部材が軸方向移動不可の状態で回転可能に設けられている。ナット部材の外周側には、ウォームホイールが形成されている。ウォームホイールには、モータの出力軸に設けられたウォームが噛み合わされている。ナット部材の内周側には、ネジ棒が螺合されている。ネジ棒の一端部側は、ピンによりリンクに回転可能に取り付けられている。このようなネジ棒は、モータと直角に交差するように配置されることになる。以上のような構成によれば、モータが回転するとウォームが回転し、ウォームホイールと共にナット部材が回転してネジ棒が軸方向に移動し、リンクが回転してピンを中心にシートクッションの前部が昇降する。
【0004】
特許文献3に記載された自動車のシート用パワーユニットのシートリフタにおいては、ギアボックス内部には、ウォームホイールと第1のネジ歯車が同軸一体で回転可能に支承されていると共に、第1のネジ歯車と直交して噛合する第2のネジ歯車が回転可能に支承されている。ウォームホイールには、モータの出力軸に設けられたウォームが噛み合わされている。第2のネジ歯車には、スクリュウ軸が軸着されている。スクリュウ軸には、レバー及びリンクが連結されたナットブロックが螺合されている。このようなスクリュウ軸は、モータと平行に配置されることになる。以上のような構成によれば、モータが回転するとウォームが回転し、ウォームホイールと共に第1のネジ歯車が回転して第2のネジ歯車と共にスクリュウ軸が回転し、ナットブロックが軸方向に移動してレバーを回動させると共にリンクを傾動させてシートリフタを昇降させる。
【特許文献1】特公平6−71868号公報(段落0014,0023,0026、図2など参照)
【特許文献2】特開2005−28955号公報(段落0021,0031、図1、図3など参照)
【特許文献3】実公平6−11227号公報(第2頁右欄第28行乃至第3頁左欄第10行、図4など参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された機構では、モータとネジ付きスピンドルの配置はL形もしくはT形となる。このような機構を、例えばシートバックの上部角度調整装置に適用するために、シートバック側部からシートバック中央に向けて配置すると、乗員が機構に接触するおそれがあるため、機構をシートバック側部からシートバック後方へ突出して配置して乗員が機構に接触しないようにする必要がある。このため、シートバックの厚みが増して室内空間が狭められる等のレイアウトデザインに悪影響を及ぼすことになる。また、特許文献2に記載された機構でも、モータとネジ棒の配置はL形もしくはT形となるため、シートバックの上部角度調整装置に適用した場合は上記問題が発生する。特許文献3に記載された機構では、モータとスクリュウ軸の配置は平行となるが、軸方向から見た機構の投影面積は大きく、シートバックの上部角度調整装置に適用した場合は上記問題が発生する。また、ウォーム、ウォームホイール及び一対のネジ歯車を必要とするため、部品点数が多くなってコスト高となる。
【0006】
本発明は、モータの出力軸の回転運動を往復直進運動に変換して出力する小型かつ簡易な構成の運動変換駆動装置及びその運動変換駆動装置を備えた車両用シート装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ハウジングケースに固定されたモータの出力軸の回転運動を減速機構及びねじ機構を介して往復直進運動に変換して出力する運動変換駆動装置において、前記減速機構は、ハウジングケースに回転可能に支承され前記モータの出力軸と同軸線上で回転連結された2乃至4歯のハスバのピニオンと、回転軸線が前記ピニオンの回転軸線と平行で近接するように前記ハウジングに回転可能に支承され前記ピニオンと噛合するギヤを有し、前記ねじ機構の雌ねじ部又は雄ねじ部が前記ギヤに一体的に同軸に形成されていることである。
【0008】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記ねじ機構は、前記ギヤに回転軸線上に形成された雌ねじ部と、該雌ねじ部に螺合する雄ねじ部が形成されたリードスクリュウで構成され、前記リードスクリュウは、軸方向から見たときの該リードスクリュウの投影面が前記モータの投影面と重なり、かつ前記往復直進運動により前記リードスクリュウの端部が前記モータに最接近したときに該モータと接触しないように配置されていることである。
【0009】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、シートクッション及びシートバックを備えた車両用シート装置において、前記シートバックは、前記シートクッション内に配設されたシートクッションフレームの後端部に対して傾動可能に下端部で支持されたサイドフレーム、該サイドフレームの上部に配設されたアッパークロスメンバ、前記サイドフレーム及び前記アッパークロスメンバの間を前方に折れ曲がり可能に連結する中折れ機構、及び前記サイドフレームの内側にサイドフレームと平行に固定され、前記中折れ機構を駆動する請求項1又は2に記載の運動変換駆動装置を備えていることである。
【0010】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、前記中折れ機構は、前記サイドフレーム及び前記アッパークロスメンバを対向するリンクとして含む非平行四節リンク機構であることである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、モータの出力軸とねじ機構を2乃至4歯のハスバのピニオンを有する減速機構を介して連結するので、ウォーム及びウォームホイールを使用した場合と比べてモータの出力軸とねじ機構をより近接させて平行配置することができ、部品点数が少なく小型かつ簡素な構成とすることができる。そして、2乃至4歯のハスバのピニオンを使用しているため噛み合い率を確保してウォーム及びウォームホイールと同等の高減速比を実現することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、軸方向から見たときのモータの投影面内にリードスクリュウの投影面が含まれるようにモータの出力軸とリードスクリュウを近接させて平行配置、即ちモータと減速機構及びねじ機構とを略I形配置するので、ウォーム及びウォームホイールを使用した場合と比べて軸方向から見た装置の投影面積を小さくして小型化することができ、例えば車両用シート装置への搭載性を向上させることができる。そして、リードスクリュウが軸方向に往復移動したときにモータと干渉しないように配置するので、小型で確実な運動伝達を実現することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、サイドフレームとそのサイドフレームの上部に配設されたアッパークロスメンバとそれらサイドフレーム及びアッパークロスメンバの間を前方に折れ曲がり可能に連結する中折れ機構とを有するシートバックにおけるアッパークロスメンバが傾動する際の駆動機構に上記運動変換駆動装置を適用しているので、該装置をサイドフレームの内側に平行に固定してもサイドフレームの中央や後方へ飛び出ることはない。よって、乗員が装置と接触することはなく、また、シートバックの厚みの増加を抑えて室内空間におけるレイアウトデザインの自由度を高めることができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、中折れ機構として、サイドフレーム及びアッパークロスメンバを対向するリンクとして含む非平行四節リンク機構を採用することによって、傾動の回転中心をシートバック表皮の前方の任意の位置に配置することが可能になり、アッパークロスメンバが傾動する際の動きが乗員が前方に屈曲する際の動きに近くなってシートバック表皮と乗員の背中とのズレの発生を小さくでき、乗員に与える違和感を少なくすることができる。また、リンク機構を採用することにより、サイドフレームとアッパークロスメンバとの間の連結を堅固にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る運動変換装置を備えた車両用シート装置を、自動車の前席シートに搭載される車両用シート装置に具体化した場合について、図1乃至図3に従って説明する。なお、本明細書中において使用する「前後、左右(幅)、上下」の方向は車両のそれを基準として記述する。
【0016】
本実施形態の車両用シート装置10は、図1に示すように、シートクッション1とシートバック2とを有する。シートバック2はその下端部が、シートクッション1の後端部に前後方向に傾動自在に支持されている。シートバック2は、シートバック下部21とシートバック上部22とヘッドレスト23とを有する。シートバック下部21は、下端部にてシートクッション1の後端部に前後方向に傾動自在に支持されており、シートバック2全体をシートクッション1に接続している。シートバック上部22は、下端部にてシートバック下部21の上端部に前後方向に傾動自在に支持されている。ヘッドレスト23は、シートバック上部22の上端部にて上下方向の間隔を伸縮自在に支持されている。
【0017】
シートバック下部21及びシートバック上部22の間には、中折れ機構5及び中折れ機構駆動装置6が配設されている。図1及び図2に示すように、中折れ機構5はシートバック上部22をシートバック下部21に対して前後方向に傾動させる機構であり、中折れ機構駆動装置6は中折れ機構5を駆動してシートバック上部22をシートバック下部21に対して前後方向に傾動させる手段である。即ち、中折れ機構5は、中折れ機構駆動装置6により駆動されてヘッドレスト23を含むシートバック上部22を図1に示す位置と図2に示す位置との間で揺動させる。
【0018】
さらに各部の構成を詳述すると、図1及び図3に示すように、シートバック2におけるシートバック下部21内にはサイドフレーム3が配設され、シートバック上部22内にはアッパークロスメンバ4が配設されている。サイドフレーム3とアッパークロスメンバ4との間にはアッパークロスメンバ4をサイドフレーム3に対して傾動させる機構である中折れ機構5が配設されている。中折れ機構5は、中折れ機構駆動装置6にて駆動されてアッパークロスメンバ4をサイドフレーム3から傾動させる。
【0019】
サイドフレーム3は、シートバック下部21の幅方向の両端部に互いに面が対向するように1つずつ設けられた板状体であるサイドフレーム本体部31,32から構成されており、サイドフレーム本体部31,32はその下端部が、シートクッション1内に配設されるシートクッションフレーム7の後端部に傾動自在に支持されるリクライニング機構8に固定されている。
【0020】
アッパークロスメンバ4は、シートバック上部22の幅方向の両端部に互いに面が対向するように1つずつ設けられた板状体であるアッパークロスメンバ本体部41,42とそれらアッパークロスメンバ本体部41,42の上端部の間に跨設され両者の間を連結するパイプフレーム43とから構成されており、パイプフレーム43の上方にはヘッドレスト23を上下方向の間隔を伸縮自在に保持可能なヘッドレスト保持機構(図略)の保持部43aが配設されている。
【0021】
中折れ機構5は、サイドフレーム本体部31とアッパークロスメンバ本体部41の間、及びサイドフレーム本体部32とアッパークロスメンバ本体部42の間をそれぞれ連結して非平行四節リンクをそれぞれ形成する2組のリンク51a,52a及びリンク51b,52bを有する。アッパークロスメンバ4が傾動していない状態において、リンク51a,52aは概ね前後方向に延設されており、前端部がサイドフレーム本体部31に回動自在に支承され、後端部がアッパークロスメンバ本体部41に回動自在に支承されている。リンク51b,52bも、リンク51a,52aと同様に、概ね前後方向に延設されており、前端部がサイドフレーム本体部32に揺動自在に支承され、後端部がアッパークロスメンバ本体部42に揺動自在に支承されている。図3に示すように、リンク51a,51bは、それらのアッパークロスメンバ本体部41,42への枢着点より先端側においてロッド61で一体的に連結され連動するようになっている。
【0022】
つまり、サイドフレーム本体部31,32の上端部は、アッパークロスメンバ本体部41,42のそれぞれの下端部の前方に位置するように配設されている。ここで、リンク51a,51bは同じ長さを有し、リンク52a,52bも同じ長さを有する。リンク52a,52bはリンク51a,51bよりも僅かに長い。そして、サイドフレーム本体部31,32にてリンク51a及び52a,リンク51b及び52bを支承する間隔は、アッパークロスメンバ本体部41,42にてリンク51a及び52a,リンク51b及び52bを支承する間隔よりも短くなっている。従って、リンク51a及び52a,リンク51b及び52bが図1における反時計回りに回動することで、アッパークロスメンバ本体部41,42が反時計回りに傾動することになる。
【0023】
この中折れ機構5の動作を図1及び図2を参照してさらに説明する。まず、図1に示すように、アッパークロスメンバ本体部41,42が傾動せずにサイドフレーム本体部31,32と平行に配置されている場合には、リンク52a,52bの傾きがリンク51a,51bよりも大きくなっている。これはリンク51a及び52a,リンク51b及び52bの前端部をサイドフレーム本体部31,32にて支承する間隔xが、後端部をアッパークロスメンバ本体部41,42にて支承する間隔yよりも短く、且つ、リンク51a,51bの長さがリンク52a,52bよりも短くなっていることに起因する。
【0024】
次いで、リンク51a,51bを反時計回り(図2に示す矢印方向)に揺動させていくと、リンク52a,52bも反時計回り(図2に示す矢印方向)に揺動し、徐々にリンク51a,51bの傾きとリンク52a,52bの傾きとが近づくことになる。すると、サイドフレーム本体部31,32とアッパークロスメンバ本体部41,42との相対関係は、リンク52a,52bにて接続されている下方の間隔が相対的に長くなり、アッパークロスメンバ本体部41,42が徐々に反時計回りに傾動して図2に示す位置まで達することになる。この場合に、アッパークロスメンバ本体部41,42の傾動における回転中心はリンク51a及び52a,リンク51b及び52bそれぞれの延長線が交わる交点に存在することになり、最初は図1に示す位置TAにあったものがリンク51a及び52a,リンク51b及び52bの揺動に従って徐々に図2に示す位置TBに移動する。
【0025】
位置TA〜位置TBは、図1及び図2より明らかなように、サイドフレーム本体部31,32よりも前方に存在することはもちろん、シートバック表皮よりも前方に位置している。回転中心の位置はリンク51a及び52a,リンク51b及び52bの前端部をサイドフレーム本体部31,32に支承する間隔xを後端部をアッパーサイドフレーム本体部41,42に支承する間隔yに対して相対的に短くすることでサイドフレーム本体部31,32に近づけることができる。また、リンク52a,52bに対してリンク51a,51bの長さを相対的に短くすることで、リンク51a,51bを揺動させる角度に対してアッパークロスメンバ本体部41,42が傾動する回転中心が移動する大きさを相対的に大きくすることができる。
【0026】
アッパークロスメンバ本体部41,42、延いてはアッパークロスメンバ4を揺動させる中折れ機構駆動装置6は、サイドフレーム本体部31に保持ブラケット63を介して固定されモータ66の出力軸(図5、図8に示すモータ軸66a)の回転運動を上下方向の往復直進運動に変換して出力する運動変換駆動装置64と、一端部がアッパークロスメンバ本体部41に回動自在に支承され、他端部が運動変換駆動装置64の出力部材(図4に示すリードスクリュウ74、図7に示すリードナット93)に接続されて軸方向の双方向に直進運動可能なトラベルリンク65とを有する。
【0027】
このような運動変換駆動装置64の第1の実施形態の構成について図4乃至図6を参照して詳述する。第1の実施形態の運動変換駆動装置64Aは、図4(B)及び図5(B)に示すように、ハウジングケース76と、モータ66と、減速機構67Aと、ねじ機構68Aから構成されている。
モータ66のモータハウジング70は、モータ軸66a側の端面70pで、ハウジングケース76の基部76Aに固定されている。これにより、モータ66は、図3に示すようにモータ軸66aを上方向に向けてサイドフレーム本体部31側に配設される。モータ66は、乗員が操作する操作スイッチにより正逆両方向の回転を指令する図示しないモータ駆動装置により駆動制御される。
【0028】
減速機構67Aは、第1ピニオン72、この第1ピニオン72と噛み合う第2ピニオン73で構成され、ねじ機構68Aは、リードスクリュウ74及びこのリードスクリュウ74と噛み合うリードナット75で構成され、これらがハウジングケース76内に収納されている。ハウジングケース76の基部76Aには、右端面76pに設けられた連結穴76a内にモータハウジング70の右端面70pに設けられた連結突起70aが嵌入され、両端面70p、76pを当接させてモータハウジング70がネジ止めされている。ハウジングケース76は、基部76Aと基部76Aの端部に固定される支承部76Bとで構成され、図5に示すように支承部76Bの右端面76tが基部76Aの左端面76qと合わされてネジで一体に締結されている。
【0029】
第1ピニオン72は、2〜4歯の小数歯のハスバ歯車であり、この例では図5(A)の拡大断面図に示すような45°の捩れ角を有する3歯のハスバ歯車が使用されている。3歯のハスバ歯車を使用することが小型軽量化の観点から最も好ましい。この第1ピニオン72の右側の突出端部72pに設けられた連結穴72aには、フレキシブルな連結シャフト71の一端が嵌入されている。連結シャフト71の他端は、モータ66の出力軸66a先端に設けられた角穴66bに嵌入されている。これにより、第1ピニオン72の回転軸とモータ66のモータ軸66aとは直線上に配置されることになる。
【0030】
第1ピニオン72は、基部76Aの左端面76qから連結穴76a底面に連通する収納穴76b内に突出端部72p側から挿入され、該突出端部72pの外周は、基部76Aの連結穴76aに嵌め込まれている軸受78の内周に嵌入されて抜け止めされている。第1ピニオン72の左側の突出端部72qは、支承部76Bの右端面76tに設けられた収納穴76e内に挿入され、該突出端部72qの外周は、支承部76Bの収納穴76e底面に設けられた取付穴76fに嵌め込まれている軸受ブッシュ79の内周に嵌入されている。これにより、第1ピニオン72は、モータ66のモータ軸66aの回転に同期して回転する。
【0031】
第2ピニオン73は、第1ピニオン72と噛み合うハスバ歯車であり、この例では24歯のハスバ歯車が使用されている。第2ピニオン73の回転軸と第1ピニオン72の回転軸とは平行に配置されることになる。なお、第1ピニオン72が4歯のハスバ歯車である場合、第2ピニオン73は32歯のハスバ歯車が使用される。
【0032】
第2ピニオン73の右側の突出端部73pは、基部76Aの左端面76qに設けられた収納穴76c内に挿入され、該突出端部73pの外周は、基部76Aの右端面76rから収納穴76c底面に連通する軸受穴76d内に嵌合されて回転可能に支承されている。そして、第2ピニオン73の中間端面73rと収納穴76c底面との間には、スラストワッシャ80が介在されている。第2ピニオン73の左側の突出端部73qは、支承部76Bの収納穴76e内に挿入され、該突出端部73qの外周は、支承部76Bの左端面76uから収納穴76e底面に連通する軸受穴76g内に嵌合されて回転可能に支承されている。そして、第2ピニオン73の左端面73sと収納穴76e底面との間には、スラストワッシャ81が介在され、第2ピニオン73はスラストワッシャ80,81により軸方向に支承されている。これにより、第2ピニオン73は、第1ピニオン72の回転に同期して回転する。
【0033】
リードスクリュウ74の左端には、トラベルリンク65の一端がピン結合されるリンク結合部82が突設されていると共に、ストップ部83がフランジ状に形成されている。リードスクリュウ74の右端には、リードスクリュウ74より小径のネジ部74aが設けられており、このネジ部74aにリング状のストップ部材84が挿入されナット85により締結され固定されている。
【0034】
リードナット75は、第2ピニオン73の左側の突出端部73qの内周に形成されている。即ち、リードナット75と第2ピニオン73は一体化されている。そして、リードナット75には、リードスクリュウ74が螺合されている。スリードスクリュウ74の軸と第2ピニオン73の回転軸は直線上に配置され、これらと第1ピニオン72の回転軸とは平行に配置されることになる。これにより、リードナット75は第2ピニオン73と共に回転するので、図5(B)及び図6に示すように、リードスクリュウ74はリードナット75の回転に同期して第1ストッパ83と第2ストッパ84の間を軸方向に往復直線移動する。この移動量を制御することで中折れ機構5の揺動範囲を規定することが可能になってシートバック上部22の傾動の範囲を任意に設定可能となる。
【0035】
以上のような構成の運動変換駆動装置64Aによれば、小数歯のハスバ歯車である第1ピニオン72及び第2ピニオン73の軸間距離は、従来のウォーム及びウォームホイールの軸間距離よりも小さくすることができる。よって、かかる第1ピニオン72を介して連結されるモータ66のモータ軸66aとリードスクリュウ74とをより近接させて平行配置することができる。具体的には、図4(A)に示すように、軸方向から見たときのモータ66のモータハウジング70の投影面内にリードスクリュウ74の投影面が含まれるようにモータ66のモータ軸66aとリードスクリュウ74とを近接させて平行配置することができる。この場合、図5(B)に示すように、リードスクリュウ74がストップ部83により移動規制されたとき、リードスクリュウ74のネジ部74aの右端がモータハウジング70の左端面70pと干渉しないようにリードスクリュウ74の長さが設定され、小型で確実な運動伝達を実現可能としている。
【0036】
このように、モータ66と減速機構67A及びねじ機構68Aとを略I形に配置することができるので、ウォーム及びウォームホイールを使用した場合と比べて軸方向から見た運動変換駆動装置64Aの投影面積を小さく、即ちモータハウジング70の略断面積の大きさにすることができる。このため、運動変換駆動装置64Aを小型かつ簡素な構成とすることができ、車両用シート装置10への搭載性を向上させることができる。また、小数歯のハスバ歯車を使用しているため第1ピニオン72と第2ピニオン73の噛み合い率を確保することができ、ウォーム及びウォームホイールと同等の高減速比を実現することができる。また、第1ピニオン72、第2ピニオン73、リードスクリュウ74、リードナット75及びモータ66という少数の部品により運動変換駆動装置64Aを構成することができるので、コストを低く抑えることができる。
【0037】
次に、上記運動変換駆動装置64の第2の実施形態の構成について図7乃至図9を参照して詳述する。第2の実施形態の運動変換駆動装置64Bは、減速機構67B及びねじ機構68Bの一部が第1の実施形態の運動変換駆動装置64Aの減速機構67A及びねじ機構68Aの一部と異なる構成となっており、第1の実施形態の運動変換駆動装置64Aと同一構成部分は同一番号を付して詳しい説明を省略する。
【0038】
減速機構67Bは、第1ピニオン72、この第1ピニオン72と噛み合う第2ピニオン91で構成され、ねじ機構68Bは、リードスクリュウ92、このリードスクリュウ92と噛み合うリードナット93で構成され、これらがハウジングケース95に支承されている。ハウジングケース95の基部95Aは、右端面95pに設けられた連結穴95a内にモータハウジング70の右端面70pに設けられた連結突起70aが嵌入され、モータハウジング70の右端面70pにネジ止め連結されている。ハウジングケース95は、基部95Aと基部95Aの端部に固定される支承部95Bとで構成され、図8に示すように支承部95Bの右端面95rが基部95Aの左端面95qと合わされてネジ止めされている。
【0039】
第1ピニオン72の構成及びその取付けは、第1の実施形態の運動変換駆動装置64Aと同一であるため、ここでの説明は省略する。
第2ピニオン91は、歯数3の第1ピニオン72と噛み合うハスバ歯車であり、この例では24歯のハスバ歯車が使用されている。第2ピニオン91の回転軸と第1ピニオン72の回転軸とは平行に配置されることになる。
【0040】
第2ピニオン91の右端の突出端部91pは、基部95Aの左端面95qに設けられた収納穴95c内に挿入され、該突出端部91pの外周は、基部95Aの中間端面95rから収納穴95c底面に連通する軸受穴95d内に嵌合されて回転可能に支承されている。そして、第2ピニオン91の右端面91rと収納穴95c底面との間には、スラストワッシャ97が介在されている。第2ピニオン91の左側の突出端部91qの外周は、支承部95Bの右端面95rから左端面95sに貫通する軸受穴95b内に嵌合されて回転可能に支承されている。そして、第2ピニオン91の左端面91sと支承部95Bの右端面95rとの間には、スラストワッシャ98が介在されている。これにより、第2ピニオン91は、第1ピニオン72の回転に同期して回転する。第2ピニオン91の内周には、後述するリードスクリュウ92の軸部92aに形成されているセレーション92bが嵌入されるセレーション穴91eが穿孔されている。なお、セレーション92b及びセレーション穴91eの代わりに断面が多角形状、半月形状、2面取り形状とした軸及び穴としても良い。
【0041】
リードスクリュウ92の右端には、リードスクリュウ92より小径のセレーション92bが形成された軸部92aが設けられている。リードスクリュウ92のネジ部分と軸部92aの間には、ストップ部99がリング状に形成され、ネジ部分の左端には、リング状のストップ部材100が挿入されナット101により締結され固定されている。そして、軸部92aの左端にワッシャ102が当接され、セレーション92bが第2ピニオン91のセレーション穴91eに挿入され、軸部92aの右端に設けられているネジ部92cにワッシャ103が挿入されナット104により締結され固定されている。
【0042】
リードナット93の雌ねじ93aは、円柱体105の中央部円周面を貫通するように形成され、円柱体105の両端には、出力リンク94の二股に分割された先端部が固定され、左方向に延在され、出力リンク94の左端基部には、トラベルリンク65の一端がピン結合されるリンク結合部94aが設けられて、リードナット93が構成されている。そして、リードナット93には、リードスクリュウ92が螺合されている。リードナット93とリードスクリュウ92の軸と第2ピニオン91の回転軸は直線上に配置され、これらと第1ピニオン72とは平行に配置されることになる。これにより、リードスクリュウ92は第2ピニオン91と共に回転するので、図8(B)及び図9に示すように、リードナット93はリードスクリュウ92の回転に同期してストップ部99とストップ部材100の間を軸方向に往復直線移動する。この移動量を制御することで中折れ機構5の揺動範囲を規定することが可能になってシートバック上部22の傾動の範囲を任意に設定可能となる。
【0043】
以上のような構成の運動変換駆動装置64Bによれば、ハウジングケース95を大型化することなくリードスクリュウ92の長さを長くすることが可能となり、特に稼動範囲を長くする必要がある場合に有効である。そして、小数歯のハスバ歯車である第1ピニオン72及び第2ピニオン91の軸間距離は、従来のウォーム及びウォームホイールの軸間距離よりも小さくすることができる。よって、かかる第1ピニオン72を介して連結されるモータ66のモータ軸66aとリードスクリュウ92に螺合されたリードナット93とをより近接させて平行配置することができる。具体的には、図7(A)に示すように、軸方向から見たときのモータ66のモータハウジング70の投影面内にリードスクリュウ92及びリードナット93の略全部の投影面が含まれるようにモータ66のモータ軸66aとリードスクリュウ92に螺合されたリードナット93とを近接させて平行配置することができる。
【0044】
このように、モータ66と減速機構67B及びねじ機構68Bとを略I形に配置することができるので、ウォーム及びウォームホイールを使用した場合と比べて軸方向から見た運動変換駆動装置64Bの投影面積を小さく、即ちモータハウジング70の略断面積の大きさにすることができる。このため、運動変換駆動装置64Bを小型かつ簡易な構成とすることができ、車両用シート装置10への搭載性を向上させることができる。また、小数歯のハスバ歯車を使用しているため第1ピニオン72と第2ピニオン91の噛み合い率を確保することができ、ウォーム及びウォームホイールと同等の高減速比を実現することができる。また、第1ピニオン72、第2ピニオン91、リードスクリュウ92、リードナット93、及びモータ66という少数の部品により運動変換駆動装置64Bを構成することができるので、コストを低く抑えることができる。
【0045】
以上のような構成の車両用シート装置10の動作を説明する。シートバック2のアッパークロスメンバ22を前方に傾動させるために、乗員が操作スイッチを操作すると、モータ駆動装置がモータ66を所定方向に回転させる。すると、モータ66の出力は運動変換駆動装置64A又は64Bの第1ピニオン72を回転させるので、噛合する第2ピニオン73又は91も第1ピニオン72の回転によって所定方向に回転する。リードスクリュウ74又はリードナット93は、軸周りに回転が制限されているので、第2ピニオン73又は91の回転により軸方向(上方向)に移動して、トラベルリンク65を介してアッパークロスメンバ本体部41を上方に移動させる。よって、アッパークロスメンバ本体部41は、中折れ機構5により上昇しながら前方に(図2における反時計回り)に揺動する。
【0046】
アッパークロスメンバ本体部41の上方への揺動により、リンク51a及び52a、サイドフレーム本体部31そしてアッパークロスメンバ本体部41にて形成される非平行四節リンク機構(中折れ機構)の作用により、アッパークロスメンバ本体部41、延いてはアッパークロスメンバ4が前方に傾動することになる。ここで、アッパークロスメンバ本体部42は回転伝達軸61によってアッパークロスメンバ本体部41と連動して同様に揺動し、アッパークロスメンバ本体部41と同様の軌跡を描いて前方に傾動することになる。
【0047】
シートバック上部22は、アッパークロスメンバ4の傾動に従い図1に二点鎖線にて示す位置から図2に二点鎖線にて示す位置まで移動する。その際に、シートバック上部22の前面にあるシートバック表皮は乗員の背中を押し、乗員の上半身は背中から屈曲して移動することになる。この場合にシートバック上部22の傾動における回転中心はシートバック表皮より前方であって乗員の脊柱部が屈曲する部位の近傍である位置に存在する。従って、シートバック上部22に押されて乗員の背中が屈曲する際に、シートバック上部22前面のシートバック表皮は乗員の背中の動きに従って移動することになって、背中とシートバック表皮との間に発生するずれの量を小さくすることができる。つまり、背中の表面は、シートバック表皮より前方であって概ね脊柱部内の位置を回転中心にして回転しているものと推測されるので、シートバック上部22についても乗員の脊柱部内の位置である位置を回転中心として傾動させている。
【0048】
シートバック上部22の傾動時における回転中心としてはシートバック表皮より僅かでも離れていれば充分に違和感を減らすことができる。例えば、シートバック表皮の前方20cm以内、15cm以内、10cm以内などの距離を採用可能である。特に、乗員が前屈みになるときの傾動動作の回転中心近傍に設けることが望ましい。回転中心の上下方向についても乗員の前屈み時における回転中心近傍、例えば胸部や胸部及び腹部の境界部に設けることが望ましい。このように、中折れ機構5によれば、シートバック上部22の傾動における回転中心をシート表皮より前方にすることができる。反対にシートバック上部22の傾動を元に戻してシートバック下部21に対する前傾を無くすためには乗員が操作スイッチを操作してモータ66を逆回転させることにより、前述の動作と反対に作動してシートバック上部22が後に傾動することになる。
【0049】
なお、上述した実施形態では、運動変換駆動装置64を車両用シート装置10のシートバック上部22をシートバック下部21に対して傾動させる中折れ機構駆動装置6に適用した場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば車両用シート装置10のシートクッション1内に配設されるリクライニング機構8、シートクッション1の前後、上下のスライド機構、シートクッション1の長さ調整機構、オットマン機構等に適用可能である。また、車両用シート装置10に限定されるものではなく、例えばステアリング装置のチルト調整機構、ロック機構等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】車両用シート装置の構成の概要を示す概略図である。
【図2】図1に示す車両用シート装置の動作の概要を示す概略図である。
【図3】図1に示す車両用シート装置におけるシートバックを構成する各部材の構成を示す斜視図である。
【図4】運動変換駆動装置の第1の実施形態の構成を示す図であり、(A)は軸方向から見た図、(B)は軸に直交する方向から見た図である。
【図5】図4に示す運動変換駆動装置の断面図であり、(A)は(B)のB−B線断面図、(B)は図4(A)のA−A線断面図及びa−a線断面図である。
【図6】図5(B)に対応して示す運動変換駆動装置の動作を示す断面図である。
【図7】運動変換駆動装置の第2の実施形態の構成を示す図であり、(A)は軸方向から見た図、(B)は軸に直交する方向から見た図である。
【図8】図7に示す運動変換駆動装置の断面図であり、(A)は(B)のB−B線断面図、(B)は図7(A)のA−A線断面図及びa−a線断面図である。
【図9】図8(B)に対応して示す運動変換駆動装置の動作を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…シートクッション 2…シートバック 3…サイドフレーム 31、32…サイドフレーム本体部 4…アッパークロスメンバ 41、42…アッパークロスメンバ本体部 5…中折れ機構 6…中折れ機構駆動装置 51a、51b、52a、52b…リンク 61…ロッド 64,64A,64B…運動変換駆動装置 65…トラベルリンク 66…モータ 66a…モータ軸 67A,67B…減速機構 68A,68B…ねじ機構 70…モータハウジング 72…第1ピニオン 73,91…第2ピニオン 74,92…リードスクリュウ 75,93…リードナット 94…出力リンク 76,95…ハウジングケース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングケースに固定されたモータの出力軸の回転運動を減速機構及びねじ機構を介して往復直進運動に変換して出力する運動変換駆動装置において、
前記減速機構は、ハウジングケースに回転可能に支承され前記モータの出力軸と同軸線上で回転連結された2乃至4歯のハスバのピニオンと、回転軸線が前記ピニオンの回転軸線と平行で近接するように前記ハウジングに回転可能に支承され前記ピニオンと噛合するギヤを有し、
前記ねじ機構の雌ねじ部又は雄ねじ部が前記ギヤに一体的に同軸に形成されていることを特徴とする運動変換駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ねじ機構は、前記ギヤに回転軸線上に形成された雌ねじ部と、該雌ねじ部に螺合する雄ねじ部が形成されたリードスクリュウで構成され、前記リードスクリュウは、軸方向から見たときの該リードスクリュウの投影面が前記モータの投影面と重なり、かつ前記往復直進運動により前記リードスクリュウの端部が前記モータに最接近したときに該モータと接触しないように配置されていることを特徴とする運動変換駆動装置。
【請求項3】
シートクッション及びシートバックを備えた車両用シート装置において、
前記シートバックは、前記シートクッション内に配設されたシートクッションフレームの後端部に対して傾動可能に下端部で支持されたサイドフレーム、該サイドフレームの上部に配設されたアッパークロスメンバ、前記サイドフレーム及び前記アッパークロスメンバの間を前方に折れ曲がり可能に連結する中折れ機構、及び前記サイドフレームの内側にサイドフレームと平行に固定され、前記中折れ機構を駆動する請求項1又は2に記載の運動変換駆動装置を備えていることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項4】
請求項3において、前記中折れ機構は、前記サイドフレーム及び前記アッパークロスメンバを対向するリンクとして含む非平行四節リンク機構であることを特徴とする車両用シート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−226982(P2009−226982A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71957(P2008−71957)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】