過酷な環境のための発光ダイオード
過酷な環境のための発光ダイオードは、実質的に透光性の基板と、基板の底面上に配置されている半導体層と、半導体層に結合され、基板の底面上に形成されている数個の接合パッドと、各接合パッド上に形成され、発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続するマイクロ・ポストとを含む。基板の底面とプリント回路ボードの上面との間に、発光ダイオード基板下における水浸透を低減するために、アンダーフィル層を設けてもよい。加えて、上面を通って放出される光を拡散させるために、発光ダイオードの上面にディフューザを取り付けてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年3月8日に出願した米国仮特許出願第60/905,590号の優先権を主張する。その内容は、ここで引用したことにより、その全てが本願にも含まれるものとする。
【0002】
本発明は、一般的には、発光ダイオードに関する。更に特定すれば、本発明は、過酷な環境のための発光ダイオードに関する。
【従来技術】
【0003】
発光ダイオード、即ち、LEDは、半導体デバイスであり、LEDのアノード端子およびカソード端子間に順方向バイアスを印加すると、特定のスペクトルのインコヒーレント光を放出する。LEDを形成するには、半導体材料に種々の不純物をドープして、p−n接合を形成する。p−n接合は、電流が接合のp−側(アノード)から接合のn−側(カソード)に流れると、光子を放出する。LEDが放出する光の色または波長は、ダイオードのp−n接合を形成する材料によって異なる。例えば、砒化アルミニウム・ガリウム(AlGaAs)で作られたLEDは、赤外線および赤色光を放射し、燐化アルミニウム・ガリウム(AlGaP)で作られたLEDは、緑色光を放射し、窒化ガリウム(GaN)で作られたLEDは緑および青色光を放射し、窒化インディウム・ガリウム(InGaN)で作られたLEDは近紫外線、青緑、および青色光を放射する等である。
【0004】
一般に、LEDを形成するには、n−型基板上にp−型層を堆積する。p−型層に結合したアノード・パッドをLEDチップの上面上に取り付け、n−型基板に結合したカソード・パッドを同様にLEDチップの上面に取り付ける。また、サファイア(Al2O3)のような透光性基板上にLEDを形成してもよい。例えば、サファイア上GaN LEDでは、最初にサファイア基板の上側面上に少なくとも1つのn−型層を形成し、ついで、p−型層を含む1つ以上の追加層を上側面上に形成して、p−n接合を作成する。これらの層を形成するためには、例えば、金属誘起化学蒸着(MOCVD)、プラズマ堆積のような、多くの周知のプロセスを用いればよい。下に向けて放出された光を反射させ逆に上面を通過させるために、サファイア基板の底面上に反射性金属層を形成する。
【0005】
図1は、プリント回路ボード10上に取り付けた先行技術のLEDダイ1、即ち、「ボード上チップ」(chip-on-board)設計を示す。サファイア基板3の上面上にp−n接合2を形成し、サファイア基板3の底面上に反射性金属層4を形成する。LEDダイ1の上面にあるアノード・パッド5およびカソード・パッド6に(それぞれ)ワイヤ7、8を接合し、同様に、プリント回路ボード10上にある対応するアノード・パッド11およびカソード・パッド12にも(それぞれ)接合する。熱圧縮、熱音響(thermosonic)、超音波等のような接合が、ワイヤ7、8をLEDパッド5、11およびプリント回路ボードのパッド6、12に(それぞれ)接合する標準的な方法である。金属層4は、p−n接合2からの下向きに放出される光を上に向けて反射させ、理想的にはLEDダイ1の上面を通過させる。その結果、p−n接合2によって放出される光の一部はサファイア基板3の側面を通って逃げる可能性があるものの、光の殆どがLEDダイ1の上面から放出されることになる。図2は、プリント回路ボード10上に取り付けられたLEDダイ1の上面図であり、LEDパッド5、6に(それぞれ)接合されたワイヤ7、8を示す。
【0006】
LEDは、生体内では、密閉封止でないセンサの中で用いられており、これらの用途では、プリント回路ボード10は通常セラミック(アルミナ)またはセラミック複合材であり、一方LED基板3は、通例サファイア、シリコン、またはその他の同様の材料である。これらの材料は一般に水または水蒸気に対しては不浸透性であるが、ワイヤ7および8、LEDパッド5および6、ならびにプリント回路ボード・パッド11および12は、人体の過酷な環境から保護しなければならない。その結果、これらの構成部品は通例ポリマ材の中に包囲されるが、生憎、ポリマ材は水または水蒸気の浸透が生じやすい。時が経つに連れて、この望ましくない水浸透性は、ポリマの性状に影響を及ぼすだけでなく、例えば、誘電係数低下、酸化、電気的短絡、空隙空間形成、基板上における金パッドの剥離等を含む、種々のメカニズムによってLEDの早期故障を促進させる。
【0007】
図3は、プリント回路ボードに取り付けられた先行技術のLEDダイ上における水浸透の影響を示す。プリント回路ボードの電気接続は、ポリマ材料内に包囲されている。プリント回路ボード10は水が底面からLEDダイ1への電気接続に浸透するのを効果的に防止するが、水は、図3に示すように、それ以外の方向からポリマ材15内部に侵入する虞れがある。水浸透の問題を強調するために、図3ではポリマ材15のサイズを誇張している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LEDを逆にして、即ち、「フリップ・チップ」配向でプリント回路ボードに取り付けることができることは知られているが、これらの先行技術は、それら自体が、LEDを過酷な環境に展開するときの水浸透性の問題を克服することができない。更に、標準的なボード上チップ設計と比較すると、フリップ・チップLEDの方が放出する光が少なくなる。何故なら、LEDの下側面、即ち、プリント回路ボードに最も近い表面を通じて放出される光は、一般に散乱する、即ち、反射してLED内に戻って上側面を通じて出射しないからである。その結果、先行技術のフリップ・チップLEDは、生体内の非密閉封止センサにおける水浸透性の問題に対処できないだけでなく、標準的なボード上チップ設計よりも放出する光が少なくなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、非密閉封止回路パッケージ、筐体、および容器を含む、過酷な環境に耐えるように設計された半導体LEDデバイス、チップ、およびボード上チップ回路全般について開示する。一実施形態では、半導体LEDデバイスは、実質的に透光性の基板と、基板の底面上に堆積した半導体層と、基板の底面上に形成され、半導体層に結合されている数個の接合パッドと、各接合パッド上に形成され、LEDをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストとを含む。基板の底面とプリント回路ボードの上面との間に、基板の下における水浸透を低減するアンダーフィル層を設けてもよい。別の実施形態では、発光ダイオード基板の上面に、その上面を通じて放出される光を拡散させるディフューザを取り付けてもよい。
【0010】
別の実施形態では、埋め込み可能センサ(グルコース・センサのような)において用いるために、半導体LEDデバイスを構成、LEDは非密閉容易に内蔵され、埋め込みセンサは、過酷な環境に露出されたまま長期間にわたって動作する。一実施形態では、媒体内における分析物の存在または濃度を判定するための光学系センサは、光導波路として機能する透光性センサ本体を備えており、センサ本体は、当該センサ本体を包囲する外面を有する。更に、センサは、センサ本体内にあり、センサ本体内において放射光を放出する放射光源を含み、この放射光源は、実質的に透光性の基板と、基板の底面上に堆積した半導体層と、基板の底面上に形成され、半導体層に結合されている複数の接合パッドと、接合パッド上に形成され、発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストとを含む。更に、センサは、分析物の存在または濃度による影響を受ける光学特性を有する指示エレメントを備えており、この指示エレメントは、放射光源から進行する放射光を受光するようにセンサ本体上に位置付けられており、放射光源はセンサ本体内に放射光を入射させる。また、センサは、センサ本体内に配置され、センサ内において放射光を受光するように位置付けられており、指示エレメントから受光する放射光に応答して、信号を放出する感光性エレメントを含む。
【0011】
別の実施形態では、発光ダイオードをプリント回路ボードにフリップ・チップ配向で取り付ける方法を開示する。この方法は、(1)発光ダイオードの第1面から反射層を除去するステップと、(2)発光ダイオードの第2面上において、各接合パッドにマイクロ・ポストを接合するステップであって、第2面が第1面に対向する、ステップと、(3)発光ダイオードがフリップ・チップ配向で取り付けられるように、プリント回路ボード上において、マイクロ・ポストを対応するボンディング・パッドに接合するステップと、(4)発光ダイオードの第1面を通して放出される光を拡散するために、発光ダイオードの第1面上にディフューザを取り付けるステップとを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の以上の利点およびその他の利点は、以下の発明の説明および添付図面から一層明らかとなろう。
【図1】図1は、プリント回路ボード上に取り付けられた先行技術のLEDを示す。
【図2】図2は、プリント回路ボードに取り付けられた先行技術のLEDの上面図を表す。
【図3】図3は、プリント回路ボードに取り付けられ、構成部品にポリマ材が被覆されている、先行技術のLEDダイに対する水浸透の効果を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による、プリント回路ボード上に取り付けられたフリップ・チップLEDダイに対する水浸透の効果抑制を示す。
【図5A】図5Aは、被覆しない先行技術のプリント回路ボードを示す。
【図5B】図5Bは、本発明の一実施形態にしたがって被覆したプリント回路ボードを示す。
【図6】図6は、本発明の一実施形態にしたがって、熱音響接合を用いてプリント回路ボード上にLEDダイをフリップ・チップ配向で取り付けるプロセスを示す。
【図7】図7は、本発明の一実施形態による、ガラス・マイクロバルーンおよびシアン酸エステルの混合物を含有するアンダーフィルを示す電子マイクログラフを表す。
【図8】図8は、本発明の一実施形態にしたがって、アンダーフィル層を有するプリント回路ボードに熱音響接合したフリップ・チップLEDを示す。
【図9】図9は、本発明の一実施形態によるフリップ・チップLEDに取り付けたディフューザの模式図を表す。
【図10A】図10Aは、本発明の一実施形態による、非付勢状態における、ディフューザを有するフリップ・チップLEDの図を示す。
【図10B】図10Bは、本発明の一実施形態による、付勢状態における、ディフューザを有するフリップ・チップLEDの図を示す。
【図11】図11は、本発明の一実施形態にしたがって、センサ内部に取り付けたフリップ・チップLEDを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、非密閉、疑似密閉、回路パッケージ、筐体、および容器内において過酷な環境に耐えるように設計された半導体LEDデバイス、チップ、およびボード上チップ回路、ならびに最大数のセンサ指示分子を励起するために、LEDが放出する光を有利に拡散させるディフューザを提供する。
【0014】
本発明が想定する過酷な環境とは、例えば、水中または海中センサのような潜水用途、グルコース・センサのような埋め込み医療用途、過度な湿度および雨を受ける戸外用途等のような、種々の水分を含む環境または吸湿性の環境を含む。LEDデバイスは、これらの過酷な環境内において水または水蒸気に対する連続的および間欠的露出を受ける可能性がある。
【0015】
本発明の好適な実施形態は、プリント回路ボード基板に接合するフリップ・チップLEDダイ、水の浸透を防止し光反射率を高めるためにフリップ・チップLEDダイとプリント回路ボード基板との間にあるアンダーフィルを提供する。更に別の好適な実施形態では、本発明は、光の分散を強化するためのディフューザを利用するフリップ・チップLEDを提供する。フリップ・チップ配向は、LEDの遠場放射パターンを増大させ、LEDダイの大部分をLEDダイとプリント回路ボードとの間の接合よりも上に位置付け、これによってこれらの電気接続を過酷な環境から堅固に保護するという利点がある。先に注記したように、好適な実施形態は、グルコースのような、体内における種々の対象分析物を検出する埋め込み可能センサの中に用いることができる。この実施形態では、フリップ・チップLEDは、非密閉、または疑似密閉容器の中に収容され、過酷な環境、即ち、人の体内において長期間動作する。フリップ・チップをプリント回路ボード基板に接合するには、熱音響接合、熱圧縮接合、超音波接合、溶接などのような、多数の技法のいずれでも用いられる。金を金に溶接するには超音波エネルギを用いるので、熱音響接合は、例えば、先行技術において説明したように、はんだ付けよりも重要な利点を医療的使用に提供する。勿論、金は生物学的に不活性である。
【0016】
図4は、本発明の一実施形態にしたがって、プリント回路ボード20上に取り付けられたフリップ・チップLEDダイ30を示す。フリップ・チップLEDダイ30は、サファイア基板33上に形成されたp−n接合32、p−n接合32に結合されている金のアノード・・パッド5およびカソード・パッド6、LEDパッド5、6に熱音響接合されている金のマイクロ・ポスト27、28、ならびに金のプリント回路ボード・パッド21、22(それぞれ)を含む。また、図4は、プリント回路ボード20に取り付けられたフリップ・チップLED30に対する水浸透効果の抑制も示す。プリント回路ボード20が、熱音響接合した接続部に水が底面から浸透するのを阻止するだけでなく、LED基板33自体もこれらの接続に水が浸透するのも阻止する。
【0017】
水浸透性は、拡散性材料の表面積に依存するので、図4に示すように、露出した狭い拡散性表面域16のみを過酷な環境に対して表出させる。一実施形態では、LED基板33とプリント回路ボード20との間におけるギャップの高さは、好ましくは、約20から60μm、更に好ましくは約30から50μm、そして最も好ましくは約40μmである。一実施形態では、フリップ・チップLED30の拡散性表面域16は、好ましくは約0.01mm2から約1mm2、更に好ましくは約0.02mm2から約0.09mm2、そして最も好ましくは約0.05mm2である。このギャップ高およびダイ周囲の長さを作ることによって得られる拡散性表面域は、図3内に表す先行技術のLEDダイ1の表面積よりも大幅に狭い(例えば、1/103)。
【0018】
一般に、プリント回路ボード20は、金属導体トレースの露出を最小限に抑えるように設計され、好ましくは、基板上に取り付けられる構成部品、即ち、フリップ・チップLED、支持チップ、受動回路素子等の直下にある接触領域のみを露出するように設計されている。一実施形態では、例えば、高インピーダンス・トレース、パッド、回路信号経路などのような、肝要なメタライゼーションのみを露出する。これを遂行するには、必須の構成部品を電気的に接続するために絶対的に必要な金属のみを露出するように、全ての金属導体を注意深く配置し隠蔽する。露出される金属は、プリント回路ボード基板の表面上に取り付けられている構成部品によって実質的に覆われるという利点がある。図5Aは、被覆されていない、先行技術のプリント回路ボード10を示し、パッド17を有する。図5Bは、パッド23を有し、本発明の一実施形態にしたがって被覆されているプリント回路ボード20を示す。
【0019】
図6は、本発明の一実施形態にしたがって、熱音響接合を用いて、商用LEDダイをプリント回路ボード上にフリップ・チップ配向で取り付けるプロセスを示す。一実施形態では、商用LEDダイ1は、例えば、Nichia 377 nm LEDダイ、Fox 360 nmLEDダイ等のように、p−n接合2、サファイア基板3、金属層4、およびパッド5、6を含む。好適な実施形態では、LEDのダイ・サイズは約310μmから320μmであるが、他の実施形態では、ダイ・サイズはそれよりも大きくても小さくてもよい。パッド5、6は、好ましくは、約5mm程離れている。ステップ1において、例えば、硫酸および過酸化水素の混合物(即ち、ピラニア・バス)を含む酸エッチング、塩基エッチング等のような、当業者には周知のしかるべき方法を用いて、底面金属層4をLED基板3から除去する。ステップ2において、金マイクロ・ポスト27、28をパッド5、6に(それぞれ)溶接、例えば、熱音響接合する。図Aは、パッド5、6に接合した後におけるマイクロ・ポスト27、28の図を表す。ステップ3において、フリップ・チップLEDダイ30となるようにLEDダイ1を反転させ、金マイクロ・ポスト27、28を、プリント回路ボード20上の金パッド21、22に熱音響接合する。
【0020】
先行技術におけるフリップ・チップの応用では、フリップ・チップとプリント回路ボードとの間にアンダーフィル材料を設けることもある。このアンダーフィル材料の目的は、フリップ・チップとプリント回路ボードとの間における熱膨張不整合を補償すること、そしてプリント回路ボードにはんだ付けされたフリップ・チップの接着を補強することである。先に論じた先行技術のポリマ被覆材料と同様に、水または水蒸気はこのアンダーフィル材料内に浸透し、アンダーフィル材料の誘電率を変化させ、先行技術のフリップ・チップの早期故障の原因となる可能性がある。典型的な商用アンダーフィル材料では、相当な水蒸気の拡散が可能であり、過酷な環境に用いるためには適用することができない。
【0021】
本発明の実施形態は、水蒸気拡散に対して実質的に不浸透性であり、したがって過酷な環境に用いるのに適しているアンダーフィル材料を提供する。言い換えると、本発明は、浸透性を著しく低下させ、最小の浸透性を有するアンダーフィル材料を提供する。一般に、アンダーフィル材料は、例えば、シアン酸エステル、Epo-Tek301-2等のようなポリマであり、これに、例えば、固体または気体充填ガラス・マイクロバルーン、ガラスまたはラテックス微小球体、白色アルミナ・セラミック、酸化チタン(IV)等のようなフィラーを添加する。複合体の総重量に対するフィラーの重量百分率は、一般に、約5%から約70%w/wであり、複合体の総重量に対する対応するポリマの重量百分率は、約95%から約30%w/wである。好適な実施形態では、フィラーは約30%w/wであり、ポリマは約70%w/wである。
【0022】
一実施形態では、アンダーフィル材料は、シンタクチック・フォームであり、ガラス・マイクロバルーンを、シアン酸エステルのような、誘電率が非常に低く固有水蒸気拡散性が非常に低いポリマに添加することによって形成する。この実施形態では、固体ガラスまたはセラミック・マクロバルーンが蒸気の注入を防止し、誘電率の最適化(dielectric optimization)が得られるように、効果的に作用する。これについては、以下で論ずる。マイクロバルーンは、適したサイズであればいずれでも有することができる。例えば、マイクロバルーンは、断面が約2μm程の小さいものから約11μm程の大きいものまで可能である。一実施形態では、接着促進剤を用いて、シンタクチック・フォームの有機成分および無機成分間における接着を高めてもよい。
【0023】
好適な実施形態では、ガラス・マイクロバルーンとシアン酸エステルとの間における接着を促進するために、シランを用いる。この実施形態では、95%エタノールおよび5%水の溶液を約5のpHレベルに調節し、約2%体積−体積(v/v)のグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPS:Glycidoxypropyltrimethoxysilane)を添加する。この溶液を収容するビーカーにマイクロバルーンを追加し、激しく揺すり(例えば、撹拌し)、真空濾過によって溶液から分離し、約1時間の間約110゜Cで乾燥させ、次いで少量の追加のGPS、および任意に、少量の着色剤と共に、シアン酸エステルに添加する。別のシラン系接着促進剤、非シラン系接着促進剤、橋架試薬等も用いてもよい。
【0024】
一般に、誘電体は、2つの導体間における絶縁媒体、即ち、電気的絶縁体である材料と定義される。物質の比誘電率(dielectric constant)は、当該物質の誘電率の自由空間の誘電率に対する比率と定義され、優れた絶縁体の比誘電率は、5未満である。例えば、空気の比誘電率は1、固体ポリプロピレンは2.18、FR−4(一般的な回路ボード複合体)は4.5、水は80、シアン酸エステルは2.7、氷は3.2、パラフィンは2、そしてガラスは3.8である。物質の混合物の比誘電率は、単純に、成分の比誘電率の加重平均である。例えば、先に羅列した値から、氷、水、および空気から成る雪の比誘電率は、次のように表すことができる。(%空気)*(1)+(%水)*(80)+(%氷)*(3.2)。空気および氷双方は5未満の相応しい絶縁値を有するが、水の相対的百分率が、氷の最終的な絶縁性に対して最も影響が強いことは自明である。
【0025】
好適な高インピーダンス実施形態では、比誘電率が2.7のシアン酸エステル、比誘電率が3.8のガラス、および比誘電率が1の空気からアンダーフィル層を作る。これらの比誘電率は全て、5未満である。反射率を最大にするためには、高インピーダンス保護を必要としない場合であれば、酸化チタンをアンダーフィル層に含ませるとよい。水蒸気が通常の拡散の下でアンダーフィル層に侵入すると、アンダーフィル層の比誘電率に影響を及ぼす。一実施形態では、各ガラス・マイクロバルーンが空気充填球体となっており、その直径は約11μm、壁厚は約1μmである。シアン酸エステルにマイクロバルーンを充填する(例えば、約30%)と、これらのガラス球体は、水蒸気に浸透され得る体積が減少する。勿論、ガラス球体が固体であれば、これは同一である。マイクロバルーン内部にある空気は乾燥し安定したままであり、誘電率の値は非常に低い(即ち、1)。つまり、水蒸気に浸透され得るアンダーフィル層の量(fraction)は大幅に減少する。即ち、シアン酸エステル材のみであり、マイクロバルーンは含まれない。アンダーフィル層の比誘電率は、以下のように表すことができる。(%空気)*(1)+(%シアン酸エステル)*(2.7)+(%ガラス)*(3.8)
【0026】
この実施形態では、シアン酸エステルの割合だけが、水蒸気の侵入によって変動する可能性がある。ガラスおよびガラス内に封止されている空気は、水蒸気の影響を受けない。先に注記したように、シアン酸エステルの水蒸気浸透係数も非常に低い。水が侵入すると、シアン酸エステルの実際の値はいくらか増大する。しかしながら、この増大は、高く(high)、乾燥し、そして安定な空気成分によって大きく相殺され、複合体は、水蒸気の最大飽和において5未満に維持され、つまり優れた絶縁性を維持する。
【0027】
図7は、本発明の一実施形態による、ガラス・マイクロバルーンおよびシアン酸エステルの混合物を含有するアンダーフィルを示す電子マイクログラフを表す。この実施形態では、ガラス・マイクロバルーンには空気が充填されており、直径が約11μmおよび壁厚が約1μmであり、前述のように、シアン酸エステルとの接着性を改善するために、シランによって前処理されている。この実施形態の重量百分率は、マイクロバルーンが約30%w/w、シアン酸エステルが67%w/w、GPSが2%w/w、そして黒着色剤が1%w/wである。
【0028】
別の実施形態では、アンダーフィル層を形成する際、酸化チタン(IV)、ガラス微小球体等のような、光散乱フィラーを、Epo-Tek 301-2のような光エポキシに添加する。この実施形態では、光散乱フィラーがアンダーフィル層の反射率を高めるという利点がある。また、接着促進剤も用いてもよい。
【0029】
図8は、本発明の一実施形態にしたがって、アンダーフィル層を有するプリント回路ボードに熱音響接合したフリップ・チップLEDダイを示す。アンダーフィル層40は、水または水蒸気がLEDマイクロ・ポスト27、28およびパッド5、6、ならびにプリント回路ボードのパッド21、22に浸透するのを実質的に防止する。アンダーフィル層40は、微小電子ダイ、共通集積回路、ASIC等のような、プリント回路ボード20上に取り付けられる他の回路構成素子のために、水の侵入を防止するように、フリップ・チップの取付配向と組み合わせるとよい。本明細書において記載するグルコース・センサの種々の構成部品は、丁度このようにして取り付けることができる。
【0030】
図9は、本発明の一実施形態にしたがって、フリップ・チップLEDに取り付けられたディフューザの模式図を表す。フリップ・チップLEDダイ30は、プリント回路ボード20に熱音響接合されており、その上側面上にはアンダーフィル層40およびディフューザ50が取り付けられている。一実施形態では、ディフューザ50は、フリップ・チップLEDダイ30の上側面を通って放出される光をより広い面積に分散するために、ドーム即ち半球状に形成されており、例えば、Epo-Teck 301-2のようなポリマで全体的に作られている。別の実施形態では、ディフューザ50は、光分散を改善するのであれば、他の形状を有することもできる。加えて、ガラス・マイクロバルーン、酸化チタン(IV)等のような光散乱フィラーをディフューザ50に組み入れて、先に論じたアンダーフィル層と同様に、光分散を改善することもできる。図10Aおよび図10Bは、非付勢状態(図10A)および付勢状態(図10B)における、ディフューザを有するフリップ・チップLEDの図を示す。本発明のディフューザは、LEDダイからの光の遠場放出パターンを増大させ、その結果対称性を高めた光の分散が得られる。ディフューザは、ピペット等を用いて所定量のポリマ/フィラー混合物をフリップ・チップLED30の上側面に転移させることによって、フリップ・チップLED30上に直接形成することができ、あるいは、予め形成してあるディフューザをフリップ・チップLED30の上側面に取り付けることもできる。
【0031】
図11は、本発明の一実施形態にしたがって、センサ内部に取り付けたフリップ・チップLEDを表す。この実施形態では、センサ60は、被験者内において、例えば、グルコース・レベルのような、生体内対称分析物を監視するためのセンサである。フリップ・チップLED30が、先に説明した技法にしたがって、プリント回路ボード基板62の上面に取り付けられている。光検出器64および支持電子回路66も、好ましくは、先に説明した技法にしたがって、プリント回路ボード20上に取り付けられる。プリント回路ボード62は、非密閉封止筐体68によって包囲され、筐体の外側面の一部または全部に蛍光指示分子(fluorescent indicator molecules)70を固着させる。フリップ・チップLEDダイ30は、被験者の身体における特定の分析物(例えば、グルコース)の濃度に基づいて、異なる波長で蛍光する、特定の波長の指示分子70を照明する。蛍光指示分子70から放出される蛍光光は、光検出器64によって測定され、次いで被験者の身体の外側に配置された受信機によって信号を検出する。多くの異なるセンサ・アーキテクチャが本発明の教示から便益を得ることができ、その中には、例えば、米国特許第6,330,464号(Colvin et al.(コルヴィンその他)が含まれる。その開示内容は、ここで引用したことにより、その全体が本願にも含まれるものとする。この実施形態では、ディフューザを有するLEDダイは、光分散の対称性を高めるように構成されており、これによってセンサの表面上にある指示分子をより多く励起させる。
【0032】
種々の実施形態では、本発明は、基板プリント回路、集積チップ回路、そして具体的には、LEDダイが、非密閉または疑似密閉ポリマ容器を用いていても、過酷な環境や浸水を伴う用途に耐えることを可能にする。また、本発明は、通例製造にかかる費用が少なくて済み、微小化の度合いを大きくすることができ、医療用埋め込み用途に一層適合させることができる非密閉回路容器の使用を可能にする。更に、本発明の種々の実施形態は、先行技術のフリップ・フロップ用途において記載したようなはんだやフラックスをフリップ・チップの実装に用いることを排除する。例えば、本発明の実施形態は、はんだやフラックスの代わりに、金溶接マイクロ・ポストを用いる。これは、鉛のようなはんだ成分を侵出させないので、医療的使用では重要である。また、フラックス残留物のため、ならびにはんだバンピング(solder bumping)と共に存在するフラックス残留物を基板およびチップ直下からしかるべく浄化することが困難または不可能であるため、これは過酷な環境において電子的信頼性を高めるのに有益である。
【0033】
また、本発明の種々の実施形態は、チップ本体自体を水分拡散障壁として用いてボード・レベルのメタライゼーションの本質的な保護に備え、露出されるポリマ複合体アンダーフィルの拡散性表面域を極力抑え、20〜70ミクロン×チップの周囲とする。この結果、露出しデバイスの外側からの水蒸気拡散の攻撃を受けやすいポリマの面積が、1/100および1/1000に縮小する。
【0034】
更に別の実施形態では、アンダーフィルに先だって、接着促進剤によってあらゆるフリップ・チップ・ダイおよび/または回路ボードを前処理することにより、特に過酷な環境下において、前処理しなければ水がアンダーフィルの剥離の原因となり得る場合であっても、無機/有機界面の接合力が増大する。
【0035】
更に別の実施形態では、LEDダイ上に形成されたディフューザによって、埋め込みセンサ構造内部における励起光の分散を改善し、より多くの指示分子を励起させ、センサに対する信号対ノイズ比を著しく高めることが可能となる。
【0036】
本発明の別の便益には、電子的信頼性向上が含まれる。本発明の一態様の実施形態では、これは金メタライゼーションおよび熱音響溶接の使用によって遂行され、生体適合性を高め、経時的な金属酸化が発生し難く、はんだのように有毒金属がない。
【0037】
本発明の更に別の実施形態では、フリップ・チップ状LEDダイのためのアンダーフィル複合材料は、最大の反射率を提供し、光の歩留まりを最適化し、水蒸気の侵入を最少に抑えるように設計されている。また、アンダーフィル複合材料は、過酷な環境における用途に合わせて設計され、水蒸気の侵入を最少に抑え、最適な誘電率値を維持する。
【0038】
本発明の更に別の態様では、過酷な環境において用いられる回路基板即ち微小回路「ボード上チップ」基板の設計方法、および過酷な環境を意図した回路の組立プロセスも開示する。また、LEDからの「レッド・テール」放出を濾過するロー・パス・フィルタ、および品質を高めた帯域幅放出にも備えている。
【0039】
以上、具体的な実施形態と共に、本発明について説明したが、多くの代替、修正、および変形が当業者には明白であろう。したがって、本明細書に明記した本発明の好適な実施形態は、限定ではなく、例示と見なすことを意図している。本明細書に明記した本発明の真の主旨や最大の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うこともできる。
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年3月8日に出願した米国仮特許出願第60/905,590号の優先権を主張する。その内容は、ここで引用したことにより、その全てが本願にも含まれるものとする。
【0002】
本発明は、一般的には、発光ダイオードに関する。更に特定すれば、本発明は、過酷な環境のための発光ダイオードに関する。
【従来技術】
【0003】
発光ダイオード、即ち、LEDは、半導体デバイスであり、LEDのアノード端子およびカソード端子間に順方向バイアスを印加すると、特定のスペクトルのインコヒーレント光を放出する。LEDを形成するには、半導体材料に種々の不純物をドープして、p−n接合を形成する。p−n接合は、電流が接合のp−側(アノード)から接合のn−側(カソード)に流れると、光子を放出する。LEDが放出する光の色または波長は、ダイオードのp−n接合を形成する材料によって異なる。例えば、砒化アルミニウム・ガリウム(AlGaAs)で作られたLEDは、赤外線および赤色光を放射し、燐化アルミニウム・ガリウム(AlGaP)で作られたLEDは、緑色光を放射し、窒化ガリウム(GaN)で作られたLEDは緑および青色光を放射し、窒化インディウム・ガリウム(InGaN)で作られたLEDは近紫外線、青緑、および青色光を放射する等である。
【0004】
一般に、LEDを形成するには、n−型基板上にp−型層を堆積する。p−型層に結合したアノード・パッドをLEDチップの上面上に取り付け、n−型基板に結合したカソード・パッドを同様にLEDチップの上面に取り付ける。また、サファイア(Al2O3)のような透光性基板上にLEDを形成してもよい。例えば、サファイア上GaN LEDでは、最初にサファイア基板の上側面上に少なくとも1つのn−型層を形成し、ついで、p−型層を含む1つ以上の追加層を上側面上に形成して、p−n接合を作成する。これらの層を形成するためには、例えば、金属誘起化学蒸着(MOCVD)、プラズマ堆積のような、多くの周知のプロセスを用いればよい。下に向けて放出された光を反射させ逆に上面を通過させるために、サファイア基板の底面上に反射性金属層を形成する。
【0005】
図1は、プリント回路ボード10上に取り付けた先行技術のLEDダイ1、即ち、「ボード上チップ」(chip-on-board)設計を示す。サファイア基板3の上面上にp−n接合2を形成し、サファイア基板3の底面上に反射性金属層4を形成する。LEDダイ1の上面にあるアノード・パッド5およびカソード・パッド6に(それぞれ)ワイヤ7、8を接合し、同様に、プリント回路ボード10上にある対応するアノード・パッド11およびカソード・パッド12にも(それぞれ)接合する。熱圧縮、熱音響(thermosonic)、超音波等のような接合が、ワイヤ7、8をLEDパッド5、11およびプリント回路ボードのパッド6、12に(それぞれ)接合する標準的な方法である。金属層4は、p−n接合2からの下向きに放出される光を上に向けて反射させ、理想的にはLEDダイ1の上面を通過させる。その結果、p−n接合2によって放出される光の一部はサファイア基板3の側面を通って逃げる可能性があるものの、光の殆どがLEDダイ1の上面から放出されることになる。図2は、プリント回路ボード10上に取り付けられたLEDダイ1の上面図であり、LEDパッド5、6に(それぞれ)接合されたワイヤ7、8を示す。
【0006】
LEDは、生体内では、密閉封止でないセンサの中で用いられており、これらの用途では、プリント回路ボード10は通常セラミック(アルミナ)またはセラミック複合材であり、一方LED基板3は、通例サファイア、シリコン、またはその他の同様の材料である。これらの材料は一般に水または水蒸気に対しては不浸透性であるが、ワイヤ7および8、LEDパッド5および6、ならびにプリント回路ボード・パッド11および12は、人体の過酷な環境から保護しなければならない。その結果、これらの構成部品は通例ポリマ材の中に包囲されるが、生憎、ポリマ材は水または水蒸気の浸透が生じやすい。時が経つに連れて、この望ましくない水浸透性は、ポリマの性状に影響を及ぼすだけでなく、例えば、誘電係数低下、酸化、電気的短絡、空隙空間形成、基板上における金パッドの剥離等を含む、種々のメカニズムによってLEDの早期故障を促進させる。
【0007】
図3は、プリント回路ボードに取り付けられた先行技術のLEDダイ上における水浸透の影響を示す。プリント回路ボードの電気接続は、ポリマ材料内に包囲されている。プリント回路ボード10は水が底面からLEDダイ1への電気接続に浸透するのを効果的に防止するが、水は、図3に示すように、それ以外の方向からポリマ材15内部に侵入する虞れがある。水浸透の問題を強調するために、図3ではポリマ材15のサイズを誇張している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LEDを逆にして、即ち、「フリップ・チップ」配向でプリント回路ボードに取り付けることができることは知られているが、これらの先行技術は、それら自体が、LEDを過酷な環境に展開するときの水浸透性の問題を克服することができない。更に、標準的なボード上チップ設計と比較すると、フリップ・チップLEDの方が放出する光が少なくなる。何故なら、LEDの下側面、即ち、プリント回路ボードに最も近い表面を通じて放出される光は、一般に散乱する、即ち、反射してLED内に戻って上側面を通じて出射しないからである。その結果、先行技術のフリップ・チップLEDは、生体内の非密閉封止センサにおける水浸透性の問題に対処できないだけでなく、標準的なボード上チップ設計よりも放出する光が少なくなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、非密閉封止回路パッケージ、筐体、および容器を含む、過酷な環境に耐えるように設計された半導体LEDデバイス、チップ、およびボード上チップ回路全般について開示する。一実施形態では、半導体LEDデバイスは、実質的に透光性の基板と、基板の底面上に堆積した半導体層と、基板の底面上に形成され、半導体層に結合されている数個の接合パッドと、各接合パッド上に形成され、LEDをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストとを含む。基板の底面とプリント回路ボードの上面との間に、基板の下における水浸透を低減するアンダーフィル層を設けてもよい。別の実施形態では、発光ダイオード基板の上面に、その上面を通じて放出される光を拡散させるディフューザを取り付けてもよい。
【0010】
別の実施形態では、埋め込み可能センサ(グルコース・センサのような)において用いるために、半導体LEDデバイスを構成、LEDは非密閉容易に内蔵され、埋め込みセンサは、過酷な環境に露出されたまま長期間にわたって動作する。一実施形態では、媒体内における分析物の存在または濃度を判定するための光学系センサは、光導波路として機能する透光性センサ本体を備えており、センサ本体は、当該センサ本体を包囲する外面を有する。更に、センサは、センサ本体内にあり、センサ本体内において放射光を放出する放射光源を含み、この放射光源は、実質的に透光性の基板と、基板の底面上に堆積した半導体層と、基板の底面上に形成され、半導体層に結合されている複数の接合パッドと、接合パッド上に形成され、発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストとを含む。更に、センサは、分析物の存在または濃度による影響を受ける光学特性を有する指示エレメントを備えており、この指示エレメントは、放射光源から進行する放射光を受光するようにセンサ本体上に位置付けられており、放射光源はセンサ本体内に放射光を入射させる。また、センサは、センサ本体内に配置され、センサ内において放射光を受光するように位置付けられており、指示エレメントから受光する放射光に応答して、信号を放出する感光性エレメントを含む。
【0011】
別の実施形態では、発光ダイオードをプリント回路ボードにフリップ・チップ配向で取り付ける方法を開示する。この方法は、(1)発光ダイオードの第1面から反射層を除去するステップと、(2)発光ダイオードの第2面上において、各接合パッドにマイクロ・ポストを接合するステップであって、第2面が第1面に対向する、ステップと、(3)発光ダイオードがフリップ・チップ配向で取り付けられるように、プリント回路ボード上において、マイクロ・ポストを対応するボンディング・パッドに接合するステップと、(4)発光ダイオードの第1面を通して放出される光を拡散するために、発光ダイオードの第1面上にディフューザを取り付けるステップとを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の以上の利点およびその他の利点は、以下の発明の説明および添付図面から一層明らかとなろう。
【図1】図1は、プリント回路ボード上に取り付けられた先行技術のLEDを示す。
【図2】図2は、プリント回路ボードに取り付けられた先行技術のLEDの上面図を表す。
【図3】図3は、プリント回路ボードに取り付けられ、構成部品にポリマ材が被覆されている、先行技術のLEDダイに対する水浸透の効果を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による、プリント回路ボード上に取り付けられたフリップ・チップLEDダイに対する水浸透の効果抑制を示す。
【図5A】図5Aは、被覆しない先行技術のプリント回路ボードを示す。
【図5B】図5Bは、本発明の一実施形態にしたがって被覆したプリント回路ボードを示す。
【図6】図6は、本発明の一実施形態にしたがって、熱音響接合を用いてプリント回路ボード上にLEDダイをフリップ・チップ配向で取り付けるプロセスを示す。
【図7】図7は、本発明の一実施形態による、ガラス・マイクロバルーンおよびシアン酸エステルの混合物を含有するアンダーフィルを示す電子マイクログラフを表す。
【図8】図8は、本発明の一実施形態にしたがって、アンダーフィル層を有するプリント回路ボードに熱音響接合したフリップ・チップLEDを示す。
【図9】図9は、本発明の一実施形態によるフリップ・チップLEDに取り付けたディフューザの模式図を表す。
【図10A】図10Aは、本発明の一実施形態による、非付勢状態における、ディフューザを有するフリップ・チップLEDの図を示す。
【図10B】図10Bは、本発明の一実施形態による、付勢状態における、ディフューザを有するフリップ・チップLEDの図を示す。
【図11】図11は、本発明の一実施形態にしたがって、センサ内部に取り付けたフリップ・チップLEDを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、非密閉、疑似密閉、回路パッケージ、筐体、および容器内において過酷な環境に耐えるように設計された半導体LEDデバイス、チップ、およびボード上チップ回路、ならびに最大数のセンサ指示分子を励起するために、LEDが放出する光を有利に拡散させるディフューザを提供する。
【0014】
本発明が想定する過酷な環境とは、例えば、水中または海中センサのような潜水用途、グルコース・センサのような埋め込み医療用途、過度な湿度および雨を受ける戸外用途等のような、種々の水分を含む環境または吸湿性の環境を含む。LEDデバイスは、これらの過酷な環境内において水または水蒸気に対する連続的および間欠的露出を受ける可能性がある。
【0015】
本発明の好適な実施形態は、プリント回路ボード基板に接合するフリップ・チップLEDダイ、水の浸透を防止し光反射率を高めるためにフリップ・チップLEDダイとプリント回路ボード基板との間にあるアンダーフィルを提供する。更に別の好適な実施形態では、本発明は、光の分散を強化するためのディフューザを利用するフリップ・チップLEDを提供する。フリップ・チップ配向は、LEDの遠場放射パターンを増大させ、LEDダイの大部分をLEDダイとプリント回路ボードとの間の接合よりも上に位置付け、これによってこれらの電気接続を過酷な環境から堅固に保護するという利点がある。先に注記したように、好適な実施形態は、グルコースのような、体内における種々の対象分析物を検出する埋め込み可能センサの中に用いることができる。この実施形態では、フリップ・チップLEDは、非密閉、または疑似密閉容器の中に収容され、過酷な環境、即ち、人の体内において長期間動作する。フリップ・チップをプリント回路ボード基板に接合するには、熱音響接合、熱圧縮接合、超音波接合、溶接などのような、多数の技法のいずれでも用いられる。金を金に溶接するには超音波エネルギを用いるので、熱音響接合は、例えば、先行技術において説明したように、はんだ付けよりも重要な利点を医療的使用に提供する。勿論、金は生物学的に不活性である。
【0016】
図4は、本発明の一実施形態にしたがって、プリント回路ボード20上に取り付けられたフリップ・チップLEDダイ30を示す。フリップ・チップLEDダイ30は、サファイア基板33上に形成されたp−n接合32、p−n接合32に結合されている金のアノード・・パッド5およびカソード・パッド6、LEDパッド5、6に熱音響接合されている金のマイクロ・ポスト27、28、ならびに金のプリント回路ボード・パッド21、22(それぞれ)を含む。また、図4は、プリント回路ボード20に取り付けられたフリップ・チップLED30に対する水浸透効果の抑制も示す。プリント回路ボード20が、熱音響接合した接続部に水が底面から浸透するのを阻止するだけでなく、LED基板33自体もこれらの接続に水が浸透するのも阻止する。
【0017】
水浸透性は、拡散性材料の表面積に依存するので、図4に示すように、露出した狭い拡散性表面域16のみを過酷な環境に対して表出させる。一実施形態では、LED基板33とプリント回路ボード20との間におけるギャップの高さは、好ましくは、約20から60μm、更に好ましくは約30から50μm、そして最も好ましくは約40μmである。一実施形態では、フリップ・チップLED30の拡散性表面域16は、好ましくは約0.01mm2から約1mm2、更に好ましくは約0.02mm2から約0.09mm2、そして最も好ましくは約0.05mm2である。このギャップ高およびダイ周囲の長さを作ることによって得られる拡散性表面域は、図3内に表す先行技術のLEDダイ1の表面積よりも大幅に狭い(例えば、1/103)。
【0018】
一般に、プリント回路ボード20は、金属導体トレースの露出を最小限に抑えるように設計され、好ましくは、基板上に取り付けられる構成部品、即ち、フリップ・チップLED、支持チップ、受動回路素子等の直下にある接触領域のみを露出するように設計されている。一実施形態では、例えば、高インピーダンス・トレース、パッド、回路信号経路などのような、肝要なメタライゼーションのみを露出する。これを遂行するには、必須の構成部品を電気的に接続するために絶対的に必要な金属のみを露出するように、全ての金属導体を注意深く配置し隠蔽する。露出される金属は、プリント回路ボード基板の表面上に取り付けられている構成部品によって実質的に覆われるという利点がある。図5Aは、被覆されていない、先行技術のプリント回路ボード10を示し、パッド17を有する。図5Bは、パッド23を有し、本発明の一実施形態にしたがって被覆されているプリント回路ボード20を示す。
【0019】
図6は、本発明の一実施形態にしたがって、熱音響接合を用いて、商用LEDダイをプリント回路ボード上にフリップ・チップ配向で取り付けるプロセスを示す。一実施形態では、商用LEDダイ1は、例えば、Nichia 377 nm LEDダイ、Fox 360 nmLEDダイ等のように、p−n接合2、サファイア基板3、金属層4、およびパッド5、6を含む。好適な実施形態では、LEDのダイ・サイズは約310μmから320μmであるが、他の実施形態では、ダイ・サイズはそれよりも大きくても小さくてもよい。パッド5、6は、好ましくは、約5mm程離れている。ステップ1において、例えば、硫酸および過酸化水素の混合物(即ち、ピラニア・バス)を含む酸エッチング、塩基エッチング等のような、当業者には周知のしかるべき方法を用いて、底面金属層4をLED基板3から除去する。ステップ2において、金マイクロ・ポスト27、28をパッド5、6に(それぞれ)溶接、例えば、熱音響接合する。図Aは、パッド5、6に接合した後におけるマイクロ・ポスト27、28の図を表す。ステップ3において、フリップ・チップLEDダイ30となるようにLEDダイ1を反転させ、金マイクロ・ポスト27、28を、プリント回路ボード20上の金パッド21、22に熱音響接合する。
【0020】
先行技術におけるフリップ・チップの応用では、フリップ・チップとプリント回路ボードとの間にアンダーフィル材料を設けることもある。このアンダーフィル材料の目的は、フリップ・チップとプリント回路ボードとの間における熱膨張不整合を補償すること、そしてプリント回路ボードにはんだ付けされたフリップ・チップの接着を補強することである。先に論じた先行技術のポリマ被覆材料と同様に、水または水蒸気はこのアンダーフィル材料内に浸透し、アンダーフィル材料の誘電率を変化させ、先行技術のフリップ・チップの早期故障の原因となる可能性がある。典型的な商用アンダーフィル材料では、相当な水蒸気の拡散が可能であり、過酷な環境に用いるためには適用することができない。
【0021】
本発明の実施形態は、水蒸気拡散に対して実質的に不浸透性であり、したがって過酷な環境に用いるのに適しているアンダーフィル材料を提供する。言い換えると、本発明は、浸透性を著しく低下させ、最小の浸透性を有するアンダーフィル材料を提供する。一般に、アンダーフィル材料は、例えば、シアン酸エステル、Epo-Tek301-2等のようなポリマであり、これに、例えば、固体または気体充填ガラス・マイクロバルーン、ガラスまたはラテックス微小球体、白色アルミナ・セラミック、酸化チタン(IV)等のようなフィラーを添加する。複合体の総重量に対するフィラーの重量百分率は、一般に、約5%から約70%w/wであり、複合体の総重量に対する対応するポリマの重量百分率は、約95%から約30%w/wである。好適な実施形態では、フィラーは約30%w/wであり、ポリマは約70%w/wである。
【0022】
一実施形態では、アンダーフィル材料は、シンタクチック・フォームであり、ガラス・マイクロバルーンを、シアン酸エステルのような、誘電率が非常に低く固有水蒸気拡散性が非常に低いポリマに添加することによって形成する。この実施形態では、固体ガラスまたはセラミック・マクロバルーンが蒸気の注入を防止し、誘電率の最適化(dielectric optimization)が得られるように、効果的に作用する。これについては、以下で論ずる。マイクロバルーンは、適したサイズであればいずれでも有することができる。例えば、マイクロバルーンは、断面が約2μm程の小さいものから約11μm程の大きいものまで可能である。一実施形態では、接着促進剤を用いて、シンタクチック・フォームの有機成分および無機成分間における接着を高めてもよい。
【0023】
好適な実施形態では、ガラス・マイクロバルーンとシアン酸エステルとの間における接着を促進するために、シランを用いる。この実施形態では、95%エタノールおよび5%水の溶液を約5のpHレベルに調節し、約2%体積−体積(v/v)のグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPS:Glycidoxypropyltrimethoxysilane)を添加する。この溶液を収容するビーカーにマイクロバルーンを追加し、激しく揺すり(例えば、撹拌し)、真空濾過によって溶液から分離し、約1時間の間約110゜Cで乾燥させ、次いで少量の追加のGPS、および任意に、少量の着色剤と共に、シアン酸エステルに添加する。別のシラン系接着促進剤、非シラン系接着促進剤、橋架試薬等も用いてもよい。
【0024】
一般に、誘電体は、2つの導体間における絶縁媒体、即ち、電気的絶縁体である材料と定義される。物質の比誘電率(dielectric constant)は、当該物質の誘電率の自由空間の誘電率に対する比率と定義され、優れた絶縁体の比誘電率は、5未満である。例えば、空気の比誘電率は1、固体ポリプロピレンは2.18、FR−4(一般的な回路ボード複合体)は4.5、水は80、シアン酸エステルは2.7、氷は3.2、パラフィンは2、そしてガラスは3.8である。物質の混合物の比誘電率は、単純に、成分の比誘電率の加重平均である。例えば、先に羅列した値から、氷、水、および空気から成る雪の比誘電率は、次のように表すことができる。(%空気)*(1)+(%水)*(80)+(%氷)*(3.2)。空気および氷双方は5未満の相応しい絶縁値を有するが、水の相対的百分率が、氷の最終的な絶縁性に対して最も影響が強いことは自明である。
【0025】
好適な高インピーダンス実施形態では、比誘電率が2.7のシアン酸エステル、比誘電率が3.8のガラス、および比誘電率が1の空気からアンダーフィル層を作る。これらの比誘電率は全て、5未満である。反射率を最大にするためには、高インピーダンス保護を必要としない場合であれば、酸化チタンをアンダーフィル層に含ませるとよい。水蒸気が通常の拡散の下でアンダーフィル層に侵入すると、アンダーフィル層の比誘電率に影響を及ぼす。一実施形態では、各ガラス・マイクロバルーンが空気充填球体となっており、その直径は約11μm、壁厚は約1μmである。シアン酸エステルにマイクロバルーンを充填する(例えば、約30%)と、これらのガラス球体は、水蒸気に浸透され得る体積が減少する。勿論、ガラス球体が固体であれば、これは同一である。マイクロバルーン内部にある空気は乾燥し安定したままであり、誘電率の値は非常に低い(即ち、1)。つまり、水蒸気に浸透され得るアンダーフィル層の量(fraction)は大幅に減少する。即ち、シアン酸エステル材のみであり、マイクロバルーンは含まれない。アンダーフィル層の比誘電率は、以下のように表すことができる。(%空気)*(1)+(%シアン酸エステル)*(2.7)+(%ガラス)*(3.8)
【0026】
この実施形態では、シアン酸エステルの割合だけが、水蒸気の侵入によって変動する可能性がある。ガラスおよびガラス内に封止されている空気は、水蒸気の影響を受けない。先に注記したように、シアン酸エステルの水蒸気浸透係数も非常に低い。水が侵入すると、シアン酸エステルの実際の値はいくらか増大する。しかしながら、この増大は、高く(high)、乾燥し、そして安定な空気成分によって大きく相殺され、複合体は、水蒸気の最大飽和において5未満に維持され、つまり優れた絶縁性を維持する。
【0027】
図7は、本発明の一実施形態による、ガラス・マイクロバルーンおよびシアン酸エステルの混合物を含有するアンダーフィルを示す電子マイクログラフを表す。この実施形態では、ガラス・マイクロバルーンには空気が充填されており、直径が約11μmおよび壁厚が約1μmであり、前述のように、シアン酸エステルとの接着性を改善するために、シランによって前処理されている。この実施形態の重量百分率は、マイクロバルーンが約30%w/w、シアン酸エステルが67%w/w、GPSが2%w/w、そして黒着色剤が1%w/wである。
【0028】
別の実施形態では、アンダーフィル層を形成する際、酸化チタン(IV)、ガラス微小球体等のような、光散乱フィラーを、Epo-Tek 301-2のような光エポキシに添加する。この実施形態では、光散乱フィラーがアンダーフィル層の反射率を高めるという利点がある。また、接着促進剤も用いてもよい。
【0029】
図8は、本発明の一実施形態にしたがって、アンダーフィル層を有するプリント回路ボードに熱音響接合したフリップ・チップLEDダイを示す。アンダーフィル層40は、水または水蒸気がLEDマイクロ・ポスト27、28およびパッド5、6、ならびにプリント回路ボードのパッド21、22に浸透するのを実質的に防止する。アンダーフィル層40は、微小電子ダイ、共通集積回路、ASIC等のような、プリント回路ボード20上に取り付けられる他の回路構成素子のために、水の侵入を防止するように、フリップ・チップの取付配向と組み合わせるとよい。本明細書において記載するグルコース・センサの種々の構成部品は、丁度このようにして取り付けることができる。
【0030】
図9は、本発明の一実施形態にしたがって、フリップ・チップLEDに取り付けられたディフューザの模式図を表す。フリップ・チップLEDダイ30は、プリント回路ボード20に熱音響接合されており、その上側面上にはアンダーフィル層40およびディフューザ50が取り付けられている。一実施形態では、ディフューザ50は、フリップ・チップLEDダイ30の上側面を通って放出される光をより広い面積に分散するために、ドーム即ち半球状に形成されており、例えば、Epo-Teck 301-2のようなポリマで全体的に作られている。別の実施形態では、ディフューザ50は、光分散を改善するのであれば、他の形状を有することもできる。加えて、ガラス・マイクロバルーン、酸化チタン(IV)等のような光散乱フィラーをディフューザ50に組み入れて、先に論じたアンダーフィル層と同様に、光分散を改善することもできる。図10Aおよび図10Bは、非付勢状態(図10A)および付勢状態(図10B)における、ディフューザを有するフリップ・チップLEDの図を示す。本発明のディフューザは、LEDダイからの光の遠場放出パターンを増大させ、その結果対称性を高めた光の分散が得られる。ディフューザは、ピペット等を用いて所定量のポリマ/フィラー混合物をフリップ・チップLED30の上側面に転移させることによって、フリップ・チップLED30上に直接形成することができ、あるいは、予め形成してあるディフューザをフリップ・チップLED30の上側面に取り付けることもできる。
【0031】
図11は、本発明の一実施形態にしたがって、センサ内部に取り付けたフリップ・チップLEDを表す。この実施形態では、センサ60は、被験者内において、例えば、グルコース・レベルのような、生体内対称分析物を監視するためのセンサである。フリップ・チップLED30が、先に説明した技法にしたがって、プリント回路ボード基板62の上面に取り付けられている。光検出器64および支持電子回路66も、好ましくは、先に説明した技法にしたがって、プリント回路ボード20上に取り付けられる。プリント回路ボード62は、非密閉封止筐体68によって包囲され、筐体の外側面の一部または全部に蛍光指示分子(fluorescent indicator molecules)70を固着させる。フリップ・チップLEDダイ30は、被験者の身体における特定の分析物(例えば、グルコース)の濃度に基づいて、異なる波長で蛍光する、特定の波長の指示分子70を照明する。蛍光指示分子70から放出される蛍光光は、光検出器64によって測定され、次いで被験者の身体の外側に配置された受信機によって信号を検出する。多くの異なるセンサ・アーキテクチャが本発明の教示から便益を得ることができ、その中には、例えば、米国特許第6,330,464号(Colvin et al.(コルヴィンその他)が含まれる。その開示内容は、ここで引用したことにより、その全体が本願にも含まれるものとする。この実施形態では、ディフューザを有するLEDダイは、光分散の対称性を高めるように構成されており、これによってセンサの表面上にある指示分子をより多く励起させる。
【0032】
種々の実施形態では、本発明は、基板プリント回路、集積チップ回路、そして具体的には、LEDダイが、非密閉または疑似密閉ポリマ容器を用いていても、過酷な環境や浸水を伴う用途に耐えることを可能にする。また、本発明は、通例製造にかかる費用が少なくて済み、微小化の度合いを大きくすることができ、医療用埋め込み用途に一層適合させることができる非密閉回路容器の使用を可能にする。更に、本発明の種々の実施形態は、先行技術のフリップ・フロップ用途において記載したようなはんだやフラックスをフリップ・チップの実装に用いることを排除する。例えば、本発明の実施形態は、はんだやフラックスの代わりに、金溶接マイクロ・ポストを用いる。これは、鉛のようなはんだ成分を侵出させないので、医療的使用では重要である。また、フラックス残留物のため、ならびにはんだバンピング(solder bumping)と共に存在するフラックス残留物を基板およびチップ直下からしかるべく浄化することが困難または不可能であるため、これは過酷な環境において電子的信頼性を高めるのに有益である。
【0033】
また、本発明の種々の実施形態は、チップ本体自体を水分拡散障壁として用いてボード・レベルのメタライゼーションの本質的な保護に備え、露出されるポリマ複合体アンダーフィルの拡散性表面域を極力抑え、20〜70ミクロン×チップの周囲とする。この結果、露出しデバイスの外側からの水蒸気拡散の攻撃を受けやすいポリマの面積が、1/100および1/1000に縮小する。
【0034】
更に別の実施形態では、アンダーフィルに先だって、接着促進剤によってあらゆるフリップ・チップ・ダイおよび/または回路ボードを前処理することにより、特に過酷な環境下において、前処理しなければ水がアンダーフィルの剥離の原因となり得る場合であっても、無機/有機界面の接合力が増大する。
【0035】
更に別の実施形態では、LEDダイ上に形成されたディフューザによって、埋め込みセンサ構造内部における励起光の分散を改善し、より多くの指示分子を励起させ、センサに対する信号対ノイズ比を著しく高めることが可能となる。
【0036】
本発明の別の便益には、電子的信頼性向上が含まれる。本発明の一態様の実施形態では、これは金メタライゼーションおよび熱音響溶接の使用によって遂行され、生体適合性を高め、経時的な金属酸化が発生し難く、はんだのように有毒金属がない。
【0037】
本発明の更に別の実施形態では、フリップ・チップ状LEDダイのためのアンダーフィル複合材料は、最大の反射率を提供し、光の歩留まりを最適化し、水蒸気の侵入を最少に抑えるように設計されている。また、アンダーフィル複合材料は、過酷な環境における用途に合わせて設計され、水蒸気の侵入を最少に抑え、最適な誘電率値を維持する。
【0038】
本発明の更に別の態様では、過酷な環境において用いられる回路基板即ち微小回路「ボード上チップ」基板の設計方法、および過酷な環境を意図した回路の組立プロセスも開示する。また、LEDからの「レッド・テール」放出を濾過するロー・パス・フィルタ、および品質を高めた帯域幅放出にも備えている。
【0039】
以上、具体的な実施形態と共に、本発明について説明したが、多くの代替、修正、および変形が当業者には明白であろう。したがって、本明細書に明記した本発明の好適な実施形態は、限定ではなく、例示と見なすことを意図している。本明細書に明記した本発明の真の主旨や最大の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うこともできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酷な環境のための発光ダイオードであって、
実質的に透光性の基板と、
前記基板の底面上に堆積した半導体層と、
前記基板の底面上に形成され、前記半導体層に結合されている複数の接合パッドと、
前記接合パッド上に形成され、前記発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストと、
を備えている、発光ダイオード。
【請求項2】
請求項1記載の発光ダイオードにおいて、前記基板はサファイアである、発光ダイオード。
【請求項3】
請求項1記載の発光ダイオードにおいて、前記半導体層は、少なくとも1つのp−n接合を含む、発光ダイオード。
【請求項4】
請求項1記載の発光ダイオードにおいて、前記複数の接合パッドおよび前記複数のマイクロ・ポストは金である、発光ダイオード。
【請求項5】
請求項4記載の発光ダイオードにおいて、前記複数のマイクロ・ポストは、前記複数の接合パッドと、前記プリント回路ボード上の複数の金接合パッドのそれぞれに、各接合パッド対にマイクロ・ポスト1つずつ、接合されている、発光ダイオード。
【請求項6】
請求項5記載の発光ダイオードにおいて、前記マイクロ・ポストは、熱圧縮接合、熱音響接合、超音波接合、または溶接を用いて、前記接合パッドに接合されている、発光ダイオード。
【請求項7】
請求項1記載の発光ダイオードであって、更に、前記基板の上面に取り付けられ、前記基板の上面を通じて放出される光を拡散させるディフューザを備えている、発光ダイオード。
【請求項8】
請求項1記載の発光ダイオードであって、更に、ポリマとフィラーとを含み、前記基板の底面と前記プリント回路ボードの上面との間に配置され、基板の下における水浸透を低減するアンダーフィル層を備えている、発光ダイオード。
【請求項9】
請求項8記載の発光ダイオードにおいて、前記フィラーは複数のマイクロバルーンを含み、前記ポリマはシアン酸エステルである、発光ダイオード。
【請求項10】
請求項8記載の発光ダイオードにおいて、前記フィラーは光散乱フィラーであり、前記ポリマは光エポキシである、発光ダイオード。
【請求項11】
請求項8記載の発光ダイオードにおいて、前記アンダーフィル層は、約70%重量のポリマと約30%重量のフィラーである、発光ダイオード。
【請求項12】
請求項9記載の発光ダイオードにおいて、各マイクロバルーンは、約2μmから約11μmまでの直径を有する、発光ダイオード。
【請求項13】
請求項9記載の発光ダイオードにおいて、各マイクロバルーンは、約11μmの直径および約1μmの厚さを有する、気体充填球体である、発光ダイオード。
【請求項14】
請求項7記載の発光ダイオードにおいて、前記ディフューザは、光反射率を高めるために、酸化チタン(IV)を含む、発光ダイオード。
【請求項15】
請求項7記載の発光ダイオードにおいて、前記ディフューザは、光反射率を高めるために、マイクロバルーンを含む、発光ダイオード。
【請求項16】
請求項8記載の発光ダイオードにおいて、前記光散乱フィラーは、酸化チタン(IV)であり、前記光エポキシはEpo-Tek 301-2である、発光ダイオード。
【請求項17】
請求項9記載の発光ダイオードにおいて、前記マイクロバルーンは、接着促進剤によって前処理されている、発光ダイオード。
【請求項18】
請求項17記載の発光ダイオードにおいて、前記接着促進剤はシランである、発光ダイオード。
【請求項19】
請求項7記載の発光ダイオードにおいて、前記ディフューザは実質的に透光性の半球状ディフューザである、発光ダイオード。
【請求項20】
過酷な環境のための半導体デバイスであって、
複数の金接合パッドを備えた上面を有するプリント回路ボードと、
発光ダイオードであって、
実質的に透光性の基板と、
前記基板の底面上に堆積した半導体層と、
前記基板の底面上に形成され、前記半導体層に結合されている複数の接合パッドと、
前記接合パッド上に形成され、前記発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストと、
を含む、発光ダイオードと、
ポリマおよびフィラーを含み、前記基板の底面と前記プリント回路ボードの表面との間に配置され、前記発光ダイオード基板下における水浸透を低減するアンダーフィラー層と、
前記基板の上面上に取り付けられ、前記基板の上面を通って放出される光を拡散させる、実質的に透光性で半球体のディフューザと、
を備えている、半導体デバイス。
【請求項21】
請求項20記載の半導体デバイスにおいて、前記フィラーは、複数の気体充填、ガラス・マイクロバルーンを含み、前記ポリマはシアン酸エステルである、半導体デバイス。
【請求項22】
請求項20記載の半導体デバイスにおいて、前記アンダーフィル層は、約70%重量のポリマと約30%重量のフィラーである、半導体デバイス。
【請求項23】
請求項21記載の半導体デバイスにおいて、各マイクロバルーンは、約11μmの直径および約1μmの厚さを有する、気体充填球体である、半導体デバイス。
【請求項24】
請求項20記載の半導体デバイスにおいて、前記フィラーは光散乱フィラーであり、前記ポリマは光エポキシである、半導体デバイス。
【請求項25】
請求項24記載の半導体デバイスにおいて、前記光散乱フィラーは、酸化チタン(IV)であり、前記光エポキシはEpo-Tek 301-2である、半導体デバイス。
【請求項26】
請求項20記載の半導体デバイスにおいて、前記マイクロ・ポストは、熱圧縮接合、熱音響接合、超音波接合、または溶接を用いて、前記接合パッドに接合されている、半導体デバイス。
【請求項27】
請求項21記載の半導体デバイスにおいて、前記マイクロバルーンは、接着促進剤によって前処理されている、半導体デバイス。
【請求項28】
請求項27記載の半導体デバイスにおいて、前記接着促進剤はシランである、半導体デバイス。
【請求項29】
媒体内における分析物の存在または濃度を判定するための光学系センサであって、
光導波路として機能する透光性センサ本体であって、当該センサ本体を包囲する外面を有する、センサ本体と、
前記センサ本体内にあり、前記センサ本体内において放射光を放出する放射光源であって、
実質的に透光性の基板と、
前記基板の底面上に堆積した半導体層と、
前記基板の底面上に形成され、前記半導体層に結合されている複数の接合パッドと、
前記接合パッド上に形成され、前記発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストと、
を含む、放射光源と、
分析物の存在または濃度による影響を受ける光学特性を有する指示エレメントであって、前記センサ本体内に放射光を入射させる前記放射光源から進行する放射光を受光するように前記センサ本体上に位置付けられている、指示エレメントと、
前記センサ本体内に配置され、前記センサ内において放射光を受光するように位置付けられており、前記指示エレメントから受光する放射光に応答して、信号を放出する感光性エレメントと、
を備えている、光学系センサ。
【請求項30】
請求項29記載のセンサであって、更に、ポリマおよびフィラーを含み、前記基板の底面と前記プリント回路ボードの表面との間に配置され、前記発光ダイオード基板下における水浸透を低減するアンダーフィラー層を備えている、センサ。
【請求項31】
請求項30記載のセンサにおいて、前記フィラーは複数のマイクロバルーンを含み、前記ポリマはシアン酸エステルである、センサ。
【請求項32】
請求項30記載のセンサにおいて、前記フィラーは光散乱フィラーであり、前記ポリマは光エポキシである、発光ダイオード。
【請求項33】
請求項30記載のセンサにおいて、前記アンダーフィル層は、約70%重量のポリマと約30%重量のフィラーである、センサ。
【請求項34】
請求項31記載のセンサにおいて、各マイクロバルーンは、約2μmから約11μmまでの直径を有する、センサ。
【請求項35】
請求項31記載のセンサにおいて、各マイクロバルーンは、約11μmの直径および約1μmの厚さを有する、気体充填球体である、センサ。
【請求項36】
請求項29記載のセンサであって、更に、前記放射光源の基板の上面に取り付けられ、前記放射光源の基板の上面を通して放出される光を分散させる、実質的に透光性であり、半球状のディフューザを備えている、センサ。
【請求項37】
請求項36記載のセンサにおいて、前記ディフューザは、光反射率を高めるために、酸化チタンを含む、センサ。
【請求項38】
請求項36記載のセンサにおいて、前記ディフューザは、光反射率を高めるために、マイクロバルーンを含む、センサ。
【請求項39】
請求項31記載のセンサにおいて、前記光散乱フィラーは、酸化チタン(IV)であり、前記光エポキシはEpo-Tek301-2である、センサ。
【請求項40】
請求項30記載のセンサにおいて、前記マイクロバルーンは、接着促進剤によって前処理されている、センサ。
【請求項41】
請求項40記載のセンサにおいて、前記接着促進剤はシランである、センサ。
【請求項42】
発光ダイオードをプリント回路ボードにフリップ・チップ配向で取り付ける方法であって、
前記発光ダイオードの第1面から反射層を除去するステップと、
前記発光ダイオードの第2面上において、各接合パッドにマイクロ・ポストを接合するステップであって、前記第2面が前記第1面に対向する、ステップと、
前記発光ダイオードがフリップ・チップ配向で取り付けられるように、前記プリント回路ボード上において、前記マイクロ・ポストを対応するボンディング・パッドに接合するステップと、
前記発光ダイオードの第1面を通して放出される光を拡散するために、前記発光ダイオードの第1面上にディフューザを取り付けるステップと、
を備えている、方法。
【請求項1】
過酷な環境のための発光ダイオードであって、
実質的に透光性の基板と、
前記基板の底面上に堆積した半導体層と、
前記基板の底面上に形成され、前記半導体層に結合されている複数の接合パッドと、
前記接合パッド上に形成され、前記発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストと、
を備えている、発光ダイオード。
【請求項2】
請求項1記載の発光ダイオードにおいて、前記基板はサファイアである、発光ダイオード。
【請求項3】
請求項1記載の発光ダイオードにおいて、前記半導体層は、少なくとも1つのp−n接合を含む、発光ダイオード。
【請求項4】
請求項1記載の発光ダイオードにおいて、前記複数の接合パッドおよび前記複数のマイクロ・ポストは金である、発光ダイオード。
【請求項5】
請求項4記載の発光ダイオードにおいて、前記複数のマイクロ・ポストは、前記複数の接合パッドと、前記プリント回路ボード上の複数の金接合パッドのそれぞれに、各接合パッド対にマイクロ・ポスト1つずつ、接合されている、発光ダイオード。
【請求項6】
請求項5記載の発光ダイオードにおいて、前記マイクロ・ポストは、熱圧縮接合、熱音響接合、超音波接合、または溶接を用いて、前記接合パッドに接合されている、発光ダイオード。
【請求項7】
請求項1記載の発光ダイオードであって、更に、前記基板の上面に取り付けられ、前記基板の上面を通じて放出される光を拡散させるディフューザを備えている、発光ダイオード。
【請求項8】
請求項1記載の発光ダイオードであって、更に、ポリマとフィラーとを含み、前記基板の底面と前記プリント回路ボードの上面との間に配置され、基板の下における水浸透を低減するアンダーフィル層を備えている、発光ダイオード。
【請求項9】
請求項8記載の発光ダイオードにおいて、前記フィラーは複数のマイクロバルーンを含み、前記ポリマはシアン酸エステルである、発光ダイオード。
【請求項10】
請求項8記載の発光ダイオードにおいて、前記フィラーは光散乱フィラーであり、前記ポリマは光エポキシである、発光ダイオード。
【請求項11】
請求項8記載の発光ダイオードにおいて、前記アンダーフィル層は、約70%重量のポリマと約30%重量のフィラーである、発光ダイオード。
【請求項12】
請求項9記載の発光ダイオードにおいて、各マイクロバルーンは、約2μmから約11μmまでの直径を有する、発光ダイオード。
【請求項13】
請求項9記載の発光ダイオードにおいて、各マイクロバルーンは、約11μmの直径および約1μmの厚さを有する、気体充填球体である、発光ダイオード。
【請求項14】
請求項7記載の発光ダイオードにおいて、前記ディフューザは、光反射率を高めるために、酸化チタン(IV)を含む、発光ダイオード。
【請求項15】
請求項7記載の発光ダイオードにおいて、前記ディフューザは、光反射率を高めるために、マイクロバルーンを含む、発光ダイオード。
【請求項16】
請求項8記載の発光ダイオードにおいて、前記光散乱フィラーは、酸化チタン(IV)であり、前記光エポキシはEpo-Tek 301-2である、発光ダイオード。
【請求項17】
請求項9記載の発光ダイオードにおいて、前記マイクロバルーンは、接着促進剤によって前処理されている、発光ダイオード。
【請求項18】
請求項17記載の発光ダイオードにおいて、前記接着促進剤はシランである、発光ダイオード。
【請求項19】
請求項7記載の発光ダイオードにおいて、前記ディフューザは実質的に透光性の半球状ディフューザである、発光ダイオード。
【請求項20】
過酷な環境のための半導体デバイスであって、
複数の金接合パッドを備えた上面を有するプリント回路ボードと、
発光ダイオードであって、
実質的に透光性の基板と、
前記基板の底面上に堆積した半導体層と、
前記基板の底面上に形成され、前記半導体層に結合されている複数の接合パッドと、
前記接合パッド上に形成され、前記発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストと、
を含む、発光ダイオードと、
ポリマおよびフィラーを含み、前記基板の底面と前記プリント回路ボードの表面との間に配置され、前記発光ダイオード基板下における水浸透を低減するアンダーフィラー層と、
前記基板の上面上に取り付けられ、前記基板の上面を通って放出される光を拡散させる、実質的に透光性で半球体のディフューザと、
を備えている、半導体デバイス。
【請求項21】
請求項20記載の半導体デバイスにおいて、前記フィラーは、複数の気体充填、ガラス・マイクロバルーンを含み、前記ポリマはシアン酸エステルである、半導体デバイス。
【請求項22】
請求項20記載の半導体デバイスにおいて、前記アンダーフィル層は、約70%重量のポリマと約30%重量のフィラーである、半導体デバイス。
【請求項23】
請求項21記載の半導体デバイスにおいて、各マイクロバルーンは、約11μmの直径および約1μmの厚さを有する、気体充填球体である、半導体デバイス。
【請求項24】
請求項20記載の半導体デバイスにおいて、前記フィラーは光散乱フィラーであり、前記ポリマは光エポキシである、半導体デバイス。
【請求項25】
請求項24記載の半導体デバイスにおいて、前記光散乱フィラーは、酸化チタン(IV)であり、前記光エポキシはEpo-Tek 301-2である、半導体デバイス。
【請求項26】
請求項20記載の半導体デバイスにおいて、前記マイクロ・ポストは、熱圧縮接合、熱音響接合、超音波接合、または溶接を用いて、前記接合パッドに接合されている、半導体デバイス。
【請求項27】
請求項21記載の半導体デバイスにおいて、前記マイクロバルーンは、接着促進剤によって前処理されている、半導体デバイス。
【請求項28】
請求項27記載の半導体デバイスにおいて、前記接着促進剤はシランである、半導体デバイス。
【請求項29】
媒体内における分析物の存在または濃度を判定するための光学系センサであって、
光導波路として機能する透光性センサ本体であって、当該センサ本体を包囲する外面を有する、センサ本体と、
前記センサ本体内にあり、前記センサ本体内において放射光を放出する放射光源であって、
実質的に透光性の基板と、
前記基板の底面上に堆積した半導体層と、
前記基板の底面上に形成され、前記半導体層に結合されている複数の接合パッドと、
前記接合パッド上に形成され、前記発光ダイオードをプリント回路ボードに電気的に接続する複数のマイクロ・ポストと、
を含む、放射光源と、
分析物の存在または濃度による影響を受ける光学特性を有する指示エレメントであって、前記センサ本体内に放射光を入射させる前記放射光源から進行する放射光を受光するように前記センサ本体上に位置付けられている、指示エレメントと、
前記センサ本体内に配置され、前記センサ内において放射光を受光するように位置付けられており、前記指示エレメントから受光する放射光に応答して、信号を放出する感光性エレメントと、
を備えている、光学系センサ。
【請求項30】
請求項29記載のセンサであって、更に、ポリマおよびフィラーを含み、前記基板の底面と前記プリント回路ボードの表面との間に配置され、前記発光ダイオード基板下における水浸透を低減するアンダーフィラー層を備えている、センサ。
【請求項31】
請求項30記載のセンサにおいて、前記フィラーは複数のマイクロバルーンを含み、前記ポリマはシアン酸エステルである、センサ。
【請求項32】
請求項30記載のセンサにおいて、前記フィラーは光散乱フィラーであり、前記ポリマは光エポキシである、発光ダイオード。
【請求項33】
請求項30記載のセンサにおいて、前記アンダーフィル層は、約70%重量のポリマと約30%重量のフィラーである、センサ。
【請求項34】
請求項31記載のセンサにおいて、各マイクロバルーンは、約2μmから約11μmまでの直径を有する、センサ。
【請求項35】
請求項31記載のセンサにおいて、各マイクロバルーンは、約11μmの直径および約1μmの厚さを有する、気体充填球体である、センサ。
【請求項36】
請求項29記載のセンサであって、更に、前記放射光源の基板の上面に取り付けられ、前記放射光源の基板の上面を通して放出される光を分散させる、実質的に透光性であり、半球状のディフューザを備えている、センサ。
【請求項37】
請求項36記載のセンサにおいて、前記ディフューザは、光反射率を高めるために、酸化チタンを含む、センサ。
【請求項38】
請求項36記載のセンサにおいて、前記ディフューザは、光反射率を高めるために、マイクロバルーンを含む、センサ。
【請求項39】
請求項31記載のセンサにおいて、前記光散乱フィラーは、酸化チタン(IV)であり、前記光エポキシはEpo-Tek301-2である、センサ。
【請求項40】
請求項30記載のセンサにおいて、前記マイクロバルーンは、接着促進剤によって前処理されている、センサ。
【請求項41】
請求項40記載のセンサにおいて、前記接着促進剤はシランである、センサ。
【請求項42】
発光ダイオードをプリント回路ボードにフリップ・チップ配向で取り付ける方法であって、
前記発光ダイオードの第1面から反射層を除去するステップと、
前記発光ダイオードの第2面上において、各接合パッドにマイクロ・ポストを接合するステップであって、前記第2面が前記第1面に対向する、ステップと、
前記発光ダイオードがフリップ・チップ配向で取り付けられるように、前記プリント回路ボード上において、前記マイクロ・ポストを対応するボンディング・パッドに接合するステップと、
前記発光ダイオードの第1面を通して放出される光を拡散するために、前記発光ダイオードの第1面上にディフューザを取り付けるステップと、
を備えている、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【公表番号】特表2010−520643(P2010−520643A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552736(P2009−552736)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/002999
【国際公開番号】WO2008/112128
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(501078166)センサーズ・フォー・メデセン・アンド・サイエンス・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/002999
【国際公開番号】WO2008/112128
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(501078166)センサーズ・フォー・メデセン・アンド・サイエンス・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】
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