説明

酵素PDE10A阻害剤としての新規のフェニルイミダゾール誘導体

本発明は、酵素PDE10A阻害剤である化合物に関する。本発明は、治療的有効量の本発明の化合物および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、式(I)の化合物を調製するためのプロセスも提供する。本発明はさらに、神経変性障害に罹患している対象を治療する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、薬物嗜癖に罹患している対象を治療する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物を対象に投与するステップを含む方法も提供する。本発明はさらに、精神障害に罹患している対象を治療する方法であって、治療的有効量の式(I)の化合物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酵素PDE10A阻害剤でありしたがって、神経変性障害および精神障害を治療するために有用である化合物を提供する。特に、本発明は、他のPDEサブタイプよりもPDE10に対して選択性の強い化合物を提供する。本発明はまた、本発明の化合物を含む医薬組成物、および本発明の化合物を使用する障害の治療方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
本出願の全体にわたって、多様な刊行物を完全な形で参照する。本発明が属する技術分野の技術水準をさらに十分に記載するために、これらの刊行物の開示内容が参照により本出願に組み込まれる。
【0003】
環状ヌクレオチドである環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)は、ニューロンにおいて数多くのプロセスを調節する細胞内セカンドメッセンジャーとして作用する。細胞内cAMPおよびcGMPは、アデニルおよびグアニルシクラーゼにより産出され、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)によって分解される。cAMPおよびcGMPの細胞内レベルは細胞内シグナル伝達によって制御され、GPCRの活性化に応答するアデニルおよびグアニルシクラーゼの刺激/抑制は、環状ヌクレオチドの濃度を制御するための方法として十分に特徴づけられている(Antoni, F. A. Front. Neuroendocrinol. 2000、21、103〜132頁(非特許文献1))。これに続いて、cAMPおよびcGMPレベルによって、cAMPおよびcGMP依存性のキナーゼと、環状ヌクレオチド応答要素を有する他のタンパク質との活性が制御され、それらが、続いて起こるタンパク質のリン酸化および他のプロセスを介して、シナプス伝達、ニューロンの分化および生存等のニューロンの重要な機能を調節する。
【0004】
ホスホジエステラーゼ遺伝子は21種あり、これらを11の遺伝子ファミリーに分類することができる。10ファミリーのアデニリルシクラーゼ、2ファミリーのグアニリルシクラーゼ、11ファミリーのホスホジエステラーゼがある。PDEは1クラスの細胞内酵素であり、環状ヌクレオチドをそれらのヌクレオチド一リン酸に加水分解することによってcAMPおよびcGMPのレベルを調節する。いくつかのPDEはcAMPを分解し、いくつかはcGMPを分解し、いくつかは両方を分解する。PDEは、広く発現していて多くの組織において働くものが大部分であるが、より組織特異的なものもある。
【0005】
ホスホジエステラーゼ10A(PDE10A)は、cAMPをAMPに、cGMPをGMPに変換することができる二重特異性ホスホジエステラーゼである(Loughney, K.ら、Gene 1999、234、109〜117頁(非特許文献2)、Fujishige, K.ら、Eur. J. Biochem. 1999、266、1118〜1127頁(非特許文献3)、およびSoderling, S.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. 1999、96、7071〜7076頁(非特許文献4))。PDE10Aは主に、線条体、側坐核および嗅結節のニューロンに発現している(Kotera, J.ら、Biochem. Biophys. Res. Comm. 1999、261、551〜557頁(非特許文献5)、およびSeeger, T. F.ら、Brain Research、2003、985、113〜126頁(非特許文献6))。
【0006】
マウスPDE10Aは、ホスホジエステラーゼのPDE10ファミリーの中で最初に同定されたメンバーであり(Fujishige, K.ら、J. Biol. Chem. 1999、274、18438〜18445頁(非特許文献7)、およびLoughney, K.ら、Gene 1999、234、109〜117頁(非特許文献2))、ラットおよびヒトの遺伝子のN末端のスプライシング・バリアントが同定されている(Kotera, J.ら、Biochem. Biophys. Res. Comm. 1999、261、551〜557頁(非特許文献5)およびFujishige, K.ら、Eur. J. Biochem. 1999、266、1118〜1127頁(非特許文献3))。種の間における相同性が高い。PDE10Aは、他のPDEファミリーと比べて、哺乳動物において特徴的に局在している。PDE10のmRNAは精巣および脳に多く発現している(Loughney, K.ら、Gene 1999、234、109〜117頁(非特許文献2)、Fujishige, K.ら、Eur. J. Biochem. 1999、266、1118〜1127頁(非特許文献3)およびSoderling, S.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. 1999、96、7071〜7076頁(非特許文献4))。これらの研究により、脳におけるPDE10の発現は線条体(尾状核および被殻)、側坐核および嗅結節において最も高いということが示される。近年、げっ歯類の脳におけるPDE10A mRNA(Seeger, T. F.ら、Abst. Soc. Neurosci. 2000、26、345.10(非特許文献8))およびPDE10Aタンパク質(Menniti, F. S.ら、William Harvey Research Conference 「Phosphodiesterase in Health and Disease」、Porto、Portugal、2001年12月5〜7日(非特許文献9))の発現パターンについて分析されている。
【0007】
PDE10Aは、尾状核、側坐核の中型有棘神経細胞(MSN)および嗅結節の対応するニューロンにおいて高レベルで発現している。これらは基底核系の中心(core)を構成する。MSNは皮質−基底核−視床皮質ループにおいて重要な役割をもち、輻輳性の皮質/視床の入力を統合し、統合された情報を皮質に送り返す。MSNは機能的分類による2クラスのニューロンを発現しており、DクラスはDドーパミン受容体を発現し、DクラスはDドーパミン受容体を発現する。Dクラスのニューロンは線条体出力の「直接」経路の一部であって、行動反応を促進するよう広く作用する。Dクラスのニューロンは線条体出力の「間接」経路の一部であって、行動反応を抑制するよう作用し、「直接」経路が行動反応を促進するのと競合する。これらの競合する経路は、自動車のブレーキとアクセルのように作用する。簡潔に言えば、パーキンソン病において動きが悪くなるのは「間接」経路が過剰に働くことに起因し、一方でハンチントン病等の障害において動きが過剰になるのは直接経路が過剰に働くことを表している。これらのニューロンの樹状突起区画におけるcAMPおよび/またはcGMPのシグナル伝達のPDE10Aによる調節は、皮質/視床からMSNへの入力の選別に関与していてもよい。さらに、PDE10Aは、黒質および淡蒼球におけるGABA放出の調節に関与していてもよい(Seeger, T. F.ら、Brain Research、2003、985、113〜126頁(非特許文献6))。
【0008】
ドーパミンD受容体拮抗作用は、統合失調症の治療において十分に確立されている。1950年代以降、ドーパミンD受容体拮抗作用は精神病の治療において主力であり、効果的な抗精神病薬はいずれもD受容体に拮抗する。Dの効果には主に線条体、側坐核および嗅結節のニューロンが介在していると考えられ、このことは、これらの領域においてドーパミン投射を最も強く受け、かつD受容体が最も強く発現していることによるものである(Konradi, C. and Heckers, S.、Society of Biological Psychiatry、2001、50、729〜742頁(非特許文献10))。ドーパミンD受容体アゴニズムにより、アデニル酸シクラーゼの阻害を介してそれが発現されている細胞内のcAMPレベルが減少し、これらがDシグナル伝達を構成している(Stoof, J. C.; Kebabian J. W. Nature 1981、294、366〜368頁(非特許文献11)、およびNeve, K. A.ら、Journal of Receptors and Signal Transduction 2004、24、165〜205頁(非特許文献12))。逆に、D受容体拮抗作用はcAMPレベルを効果的に増加させ、この効果はcAMPを分解するホスホジエステラーゼの阻害によって模倣できるであろう。
【0009】
21種あるホスホジエステラーゼ遺伝子の多くは広く発現しているため、阻害による副作用も起こりやすい。このような状況において、PDE10Aは線条体、側坐核および嗅結節のニューロンにおける発現が高くまた比較的特異的であるという望ましい発現プロファイルを有しているため、PDE10Aの阻害はD受容体拮抗作用に類似する効果を有すると考えられ、したがって抗精神病効果を有すると考えられる。
【0010】
PDE10Aの阻害はD受容体拮抗作用と部分的によく似ていることが予期されるが、異なるプロファイルを有することが予期されてもよい。D受容体はcAMP以外にもシグナル伝達構成要素を有するため(Neve, K. A.ら、Journal of Receptors and Signal Transduction 2004、24、165〜205頁(非特許文献12))、PDE10Aの阻害がcAMPに及ぼす影響は、D受容体を介するドーパミン・シグナル伝達に直接拮抗するというよりこれを負の方向に調節するものであってもよい。このことによって、D拮抗作用が強い場合に見られる錐体外路の副作用のリスクが低減されてもよい。逆に、PDE10Aの阻害は、D受容体拮抗作用には見られない効果を有していてもよい。PDE10Aは、D受容体を発現する線条体のニューロンにおいても発現している(Seeger, T. F.ら、Brain Research、2003、985、113〜126頁(非特許文献6))。D受容体アゴニズムによりアデニル酸シクラーゼの刺激が導かれ、その結果cAMPレベルが増加するため、PDE10Aの阻害は、D受容体アゴニズムによく似た効果をも有すると考えられる。最後に、PDE10Aは二重特異性ホスホジエステラーゼであるため、PDE10Aを阻害することにより細胞内のcAMPが増加するだけでなく、cGMPレベルも増加することが予期され得る。cGMPは、cAMP等の細胞内の多くの標的タンパク質を活性化し、また、cAMPシグナル伝達経路と相互に影響し合う。結論として、PDE10Aの阻害はD受容体拮抗作用と部分的によく似ており、したがって抗精神病効果を有すると考えられるが、伝統的なD受容体拮抗薬について観察されるプロファイルとは異なるプロファイルを有するかもしれない。
【0011】
PDE10A阻害剤であるパパベリンは、抗精神病性のモデルのいくつかにおいて有効であることが示されている。パパベリンはD受容体拮抗薬であるハロペリドールのラットにおけるカタレプシー効果を増大させたが、パパベリン単独ではカタレプシーを引き起こさなかった(国際公開第03/093499号(特許文献1))。パパベリンはPCPにより誘導されたラットにおける多動を低減したが、アンフェタミンにより誘導された多動については少ししか低減しなかった(特許文献1)。これらのモデルは、PDE10Aの阻害が理論的考察から予期され得る典型的な抗精神病性の効果を有することを示唆する。特許文献1はさらに、関連性のある神経および精神障害の治療に対して、選択的なPDE10阻害剤を使用することを開示する。さらに、PDE10Aの阻害は、ラットの注意セットの移行(attentional set−shifting)においてPCPに誘発される亜慢性の障害を逆転させる(Rodeferら、Eur. J. Neurosci. 2005、4、1070〜1076頁(非特許文献13))。このモデルは、PDE10Aの阻害により統合失調症に関連する認知障害を緩和できるかもしれないということを示唆する。
【0012】
PDE10Aの組織分布から、PDE10A阻害剤を使用すれば、酵素PDE10を発現する細胞、特に基底核を含むニューロンにおけるcAMPおよび/またはcGMPのレベルを上昇させることができるということが示され、したがって本発明のPDE10A阻害剤は、基底核に関与する多様な関連性のある神経精神的状態、例えば神経および精神障害、統合失調症、双極性障害、強迫性障害等の治療に有用であろうし、また、市販されている現行の療法に付随する望ましくない副作用を有さないという利点を有することができる。
【0013】
さらに、最近の公報および刊行物(特許文献2、特許文献3、非特許文献14)は、PDE10A阻害剤は肥満および非インスリン依存性糖尿病の治療に対して有用であってもよいということを示唆する。
【0014】
PDE10A阻害剤に関して、特許文献4は、特定の神経および精神障害の治療に対する、一般的には選択的なPDE10阻害剤、具体的にはパパベリンの使用を開示する。
【0015】
特許文献5は、ホスホジエステラーゼ、特に2型および4型ホスホジエステラーゼの阻害剤としてのベンゾジアゼピン立体特異的化合物、ならびに中枢神経系および/または末梢障害を伴う病状の予防および治療を開示する。特許文献6は、ベンゾジアゼピン誘導体および治療分野におけるホスホジエステラーゼ、特に4型ホスホジエステラーゼの阻害剤としてのその使用を開示する。特許文献7は、ベンゾジアゼピノン誘導体および治療分野におけるホスホジエステラーゼ、特に2型ホスホジエステラーゼの阻害剤としてのその使用を開示する。
【0016】
特許文献8および特許文献9において、ピロロジヒドロイソキノリンおよびその変異型がPDE10阻害剤として開示される。PDE10阻害剤として働くピペリジニル置換されたキナゾリンおよびイソキノリンが特許文献10中に開示される。特許文献11は、PDE10阻害剤として働く置換されたキナゾリンおよびイソキノリン化合物を開示する。特許文献12は、効果的なホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤として働くキナゾリンおよびイソキノリンの置換されたテトラヒドロイソキノリニル誘導体を開示する。特に、特許文献12は、選択的なPDE10阻害剤である上述の化合物に関する。同様に、特許文献13は、効果的なホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤として働くキナゾリンおよびイソキノリンのピペリジン誘導体を開示する。特許文献13はまた、選択的なPDE10阻害剤である化合物にも関する。特許文献14は、精神および神経症候群の治療に対する10型ホスホジエステラーゼの阻害剤としてのシンノリン誘導体を開示する。
【0017】
これらの開示内容はしかし、既知のPDE10阻害剤のいずれにも構造上関連がなく(Kehler, J.ら、Expert Opin. Ther. Patents 2007、17、147〜158頁(非特許文献15))、非常に活性で選択的なPDE10A酵素阻害剤であることが本発明者らにより見出されている本発明の化合物とは関連しない。
【0018】
化合物2−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾール(CAS登録番号348125−42−8)および2−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル−スルファニルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール(CAS登録番号296791−07−6)がそれぞれScientific Exchange、Inc.およびZelinsky Institute of Organic Chemistryの化学ライブラリ中にあるが、薬理学的データは発表されていないようである。両化合物は本発明の範囲から除外(disclaimed)する。
【0019】
本発明の化合物は、神経変性障害および/または精神障害に対する、全ての患者にとって効能があるというわけではない、市販されている現行の治療に代わるものを提供することができる。以上のことから、代替的な治療方法が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】国際公開第03/093499号
【特許文献2】国際公開第2005/120514号
【特許文献3】国際公開第2005012485号
【特許文献4】EP1250923
【特許文献5】国際公開第05/113517号
【特許文献6】国際公開第02/88096号
【特許文献7】国際公開第04/41258号
【特許文献8】国際公開第05/03129号
【特許文献9】国際公開第05/02579号
【特許文献10】国際公開第05/82883号
【特許文献11】国際公開第06/11040号
【特許文献12】US20050182079
【特許文献13】US20060019975
【特許文献14】国際公開第06/028957号
【特許文献15】国際公開第96/01826号
【特許文献16】JP59176277
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】Antoni, F. A. Front. Neuroendocrinol. 2000、21、103〜132頁
【非特許文献2】Loughney, K.ら、Gene 1999、234、109〜117頁
【非特許文献3】Fujishige, K.ら、Eur. J. Biochem. 1999、266、1118〜1127頁
【非特許文献4】Soderling, S.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. 1999、96、7071〜7076頁
【非特許文献5】Kotera, J.ら、Biochem. Biophys. Res. Comm. 1999、261、551〜557頁
【非特許文献6】Seeger, T. F.ら、Brain Research、2003、985、113〜126頁
【非特許文献7】Fujishige, K.ら、J. Biol. Chem. 1999、274、18438〜18445頁
【非特許文献8】Seeger, T. F.ら、Abst. Soc. Neurosci. 2000、26、345.10
【非特許文献9】Menniti, F. S.ら、William Harvey Research Conference 「Phosphodiesterase in Health and Disease」、Porto、Portugal、2001年12月5〜7日
【非特許文献10】Konradi, C. and Heckers, S.、Society of Biological Psychiatry、2001、50、729〜742頁
【非特許文献11】Stoof, J. C.; Kebabian J. W. Nature 1981、294、366〜368頁
【非特許文献12】Neve, K. A.ら、Journal of Receptors and Signal Transduction 2004、24、165〜205頁
【非特許文献13】Rodeferら、Eur. J. Neurosci. 2005、4、1070〜1076頁
【非特許文献14】Cantinら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 17 (2007) 2869〜2873頁
【非特許文献15】Kehler, J.ら、Expert Opin. Ther. Patents 2007、17、147〜158頁
【非特許文献16】Berge, S. M.ら、J. Pharm. Sci. 1977、66、2
【非特許文献17】Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th Edition、Gennaro、Ed.、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1995
【非特許文献18】The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、Fourth Edition (DSM-IV)
【非特許文献19】Brownら、Aust. J. Chem. 1978、31、397〜404頁
【非特許文献20】Yutilovら、Khim. Geter. Soedin. 1988、799〜804頁
【非特許文献21】Wildeら、Bioorg. Med. Chem. Lett. 1995、5、167〜172頁
【非特許文献22】Kidwaiら、J. Korean Chem. Soc. 2005、49、288〜291頁
【非特許文献23】Magdolen, P; Vasella, A. Helv. Chim. Acta 2005、88、2454〜2469頁
【非特許文献24】Song, Z.ら、J. Org. Chem. 1999、64、1859〜1867頁
【非特許文献25】Tsuchiya, T.; Sashida, H. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1980、1109〜1110頁
【非特許文献26】Tsuchiya, T.; Sashida, H; Konoshita, A. Chem. Pharm. Bull. 1983、31、4568〜4572頁
【非特許文献27】Kjellin, G; Sandstroem, J.、Acta Chem. Scand. 1969、23、2879〜2887頁
【非特許文献28】Laufer, S. A.ら、Synthesis 2008、253〜266頁
【非特許文献29】「The ACS Style guide: 「A manual for authors and editors」 Janet S. Dodd、Ed. 1997、ISBN: 0841234620」
【非特許文献30】Songら、J. Org. Chem. 1999、64、1859頁
【非特許文献31】Hydeら、J. Am. Chem. Soc. 1928、50、2287〜2292頁
【非特許文献32】Shangら、Chem. Eur. J. 2007、13、7780〜7784頁
【非特許文献33】Henzeら、J. Org. Chem 1952、17、1320〜1327頁
【非特許文献34】Vanelleら、Tetrahedron 1991、47、5173〜5184頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、選択的な酵素PDE10A阻害剤である化合物を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、このような活性を有し、先行技術における化合物と比較して溶解度、代謝安定性および/または生物学的利用能が改善された化合物を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、神経および精神障害に対する現行の療法に典型的に付随する副作用を引き起こすことなく、ヒトの患者に対しての効果的な治療、特に長期の治療を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、本明細書を読むことによって明白となろう。
【課題を解決するための手段】
【0026】
したがって、ある態様において本発明は、2−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾールまたは2−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル−スルファニルメチル)−1H−ベンゾイミダゾールではないことを条件とする、式Iの化合物
【0027】
【化1】

[式中、HETは、窒素原子2〜4個を含有する式IIの複素芳香族基であり、
【0028】
【化2】

ここで、YはNまたはCHであることができ、ZはNまたはCであることができ、HETは、H;Me等のC〜Cアルキル;塩素および臭素等のハロゲン;シアノ;トリフルオロメチル等のハロ(C〜C)アルキル;フェニル等のアリール;メトキシ、ジメトキシ、エトキシ、メトキシ−エトキシおよびエトキシ−メトキシ等のアルコキシ、好ましくはC〜Cアルコキシ;およびCHCHOH等のC〜Cヒドロキシアルキルから個別に選択される置換基R7、R8およびR9の上限3つまでで任意に置換されていてもよく、は結合点を表し、
−L−は、−S−CH−、−CH−S−、−CH−CH−または−CH=CH−から選択されるリンカーであり、
R1は、H;メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、イソブチル等のC〜Cアルキル;シクロプロピルメチル等のC〜Cアルキル(C〜C)シクロアルキル;ヒドロキシエチル等のC〜Cヒドロキシアルキル;CHCN;CHC(O)NH;ベンジルおよび4−クロロベンジル等のC〜Cアリールアルキル;ならびにテトラヒドロピラン−4−イル−メチルおよび2−モルホリン−4−イル−エチル等のC〜Cアルキル−ヘテロシクロアルキルから選択され、
R2〜R6は、H;メトキシ等のC〜Cアルコキシ;ならびに塩素またはフッ素等のハロゲンからそれぞれ独立して選択される]、
ならびにその互変異性体および薬学的に許容可能な酸付加塩、およびその多形体に関する。
【0029】
特定の実施形態において、本発明は、単一の互変異性体または多形体の形態にある式Iの化合物に関する。
【0030】
本発明の別個の実施形態において、式Iの化合物は、本明細書中の実験に関する項に開示される特定の化合物から選択される。
【0031】
本発明はさらに、医薬として使用するための式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な酸付加塩を提供する。
【0032】
別の態様において、本発明は、治療的有効量の式Iの化合物および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0033】
本発明はさらに、神経変性または精神障害の治療用の医薬を製造するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な酸付加塩の使用を提供する。
【0034】
さらに、本発明は、さらに別の態様において、神経変性障害に罹患している対象を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。別のさらなる態様において、本発明は、精神障害に罹患している対象を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、アルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン剤嗜癖等の薬物嗜癖に罹患している対象を治療する方法を提供する。
【0035】
本発明の詳細な説明
置換基の定義
本発明の範囲内において使用される場合、用語「ハロ」および「ハロゲン」は、区別なく使用され、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
【0036】
用語「C〜Cアルキル」は、包括的に、炭素原子1〜6個を有する直鎖または分枝状の飽和炭化水素の全てを指す。このような基の例はメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、およびn−ヘキシルを含むが、これらに限定されない。表現「C〜Cヒドロキシアルキル」は、1つのヒドロキシ基で置換された、上記に定義されるC〜Cアルキル基を指す。用語「ハロ(C〜C)アルキル」は、トリフルオロメチル等のハロゲン原子の上限3つまでで置換された、上記に定義されるC〜Cアルキル基を指す。
【0037】
表現「C〜Cアルコキシ」は、包括的に、炭素原子1〜6個を有し、酸素上に空原子価を有する直鎖または分枝状の飽和アルコキシ基の全てを指す。このような基の例は、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、2−メチル−ペントキシおよびn−ヘキシルオキシを含むが、これらに限定されない。
【0038】
用語「C〜Cシクロアルキル」は、典型的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを指す。表現「C〜Cアルキル(C〜C)シクロアルキル」は、直鎖または分枝状のC〜Cアルキルで置換された、上記に定義されるC〜Cシクロアルキルを指す。このような基の例は、シクロプロピルメチルを含むが、これに限定されない。
【0039】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、炭素原子およびN、OまたはS原子の上限3つまでを含有する4〜8員環を指し、ただし、該4〜8員環は隣接するO原子または隣接するS原子を含有しない。空原子価はヘテロ原子または炭素原子のいずれかにある。このような基の例は、アゼチジニル、オキセタニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよび[1,4]ジアゼパニルを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシヘテロシクロアルキル」は、1つのヒドロキシ基で置換された、上記に定義されるヘテロシクロアルキルを指す。用語「C〜Cアルキル−ヘテロシクロアルキル」は、C〜Cアルキル基で置換された、上記に定義されるヘテロシクロアルキルを指す。このような基の例は、テトラヒドロピラン−4−イル−メチルおよび2−モルホリン−4−イル−エチルを含むが、これらに限定されない。
【0040】
用語「アリール」は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロ(C〜C)アルキルで任意に置換された、上記に定義されるフェニル環を指す。このような基の例は、フェニルおよび4−クロロフェニルを含むが、これらに限定されない。
【0041】
用語「C〜Cアリールアルキル」は、直鎖または分枝状のC〜Cアルキルで置換された、上記に定義されるアリールを指す。このような基の例は、ベンジルおよび4−クロロベンジルを含むが、これらに限定されない。
【0042】
さらに、本発明は、以下に記載される本発明の特定の実施形態も提供する。
【0043】
本発明のある実施形態において、HETは、2つの窒素原子を含有する式IIの複素芳香族基である。本発明の別の実施形態において、HETは、3つの窒素原子を含有する式IIの複素芳香族基である。本発明のさらに別の実施形態において、HETは、4つの窒素原子を含有する式IIの複素芳香族基である。
【0044】
HETは、好ましくは以下の複素芳香族基から選択され、式中、「」は結合点を表す。
【0045】
【化3】

さらなる実施形態において、複素芳香族基HETは、H;メチル等のC〜Cアルキル;塩素または臭素等のハロゲン;シアノ;トリフルオロメチル等のハロ(C〜C)アルキル;フェニル等のアリール;およびCHCHOH等のC〜Cヒドロキシアルキルから選択される1つの置換基R7で置換されている。別の実施形態において、HETは、H;メチル等のC〜Cアルキル;塩素または臭素等のハロゲン;シアノ;トリフルオロメチル等のハロ(C〜C)アルキル;フェニル等のアリール;およびCHCHOH等のC〜Cヒドロキシアルキルから個別に選択される2つの置換基R7およびR8で置換されている。さらなる実施形態において、HETは、H;メチル等のC〜Cアルキル;塩素または臭素等のハロゲン;シアノ;トリフルオロメチル等のハロ(C〜C)アルキル;フェニル等のアリール;およびCHCHOH等のC〜Cヒドロキシアルキルから個別に選択される3つの置換基R7、R8およびR9で置換されている。
【0046】
特定の実施形態において、R、RおよびRは全て水素である。異なる実施形態において、R、RおよびRの少なくとも1つは、メチル等のC〜Cアルキルである。さらなる実施形態において、R、RおよびRの少なくとも1つは塩素または臭素等のハロゲンである。
【0047】
HET基が誘導体である化合物の特定の実施形態は以下に付与される。
【0048】
特定の実施形態において、HETはイミダゾ[1,2−a]ピリミジンである。第2の特定の実施形態において、HETは[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンである。第3の特定の実施形態において、HETはイミダゾ[1,2−a]ピリジンである。第4の特定の実施形態において、HETはイミダゾ[4,5−b]ピリミジンである。第5の特定の実施形態において、HETはピラゾロ[1,5−a]ピリジンである。第6の特定の実施形態において、HETは[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンである。第7の特定の実施形態において、HETは[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンである。第8の特定の実施形態において、HETは[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンである。
【0049】
別の特定の実施形態において、HETは[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンである。別の特定の実施形態において、HETは[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−カルボニトリルである。別の特定の実施形態において、HETは1−メチル−1H−ベンゾイミダゾールである。別の特定の実施形態において、HETは1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾールである。別の特定の実施形態において、HETは2−(6−クロロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エタノールである。別の特定の実施形態において、HETは5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは5−トリフルオロメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは6−ブロモ−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは6−ブロモ−7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは6−クロロ−8−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは6−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETは8−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジンである。別の特定の実施形態において、HETはイミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−カルボニトリルである。別の特定の実施形態において、HETは5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンである。
【0050】
典型的には、HETは、5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジンまたは[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンまたは[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジンである。
【0051】
本発明の別の実施形態において、−L−は−S−CH−である。さらなる実施形態において、−L−は−CH−S−である。さらに別の実施形態において、−L−は−CH−CH−である。別のさらなる実施形態において、−L−は−CH=CH−である。
【0052】
本発明のさらなる実施形態において、RはHである。別の実施形態において、RはC〜C直鎖または分枝鎖状のアルキルである。別の実施形態において、RはC〜Cヒドロキシアルキルである。別の実施形態において、RはC〜Cアルキル(C〜C)シクロアルキルである。さらなる実施形態において、RはC〜Cアルキル−ヘテロシクロアルキルである。別の実施形態において、RはC〜Cアリールアルキルである。さらなる実施形態において、RはCHCNである。別のさらなる実施形態において、RはCHC(O)NHである。
【0053】
特定の実施形態において、Rはメチルである。別の特定の実施形態において、Rはエチルである。別の特定の実施形態において、Rは1−プロピルである。別の特定の実施形態において、Rは2−プロピルである。別の特定の実施形態において、Rはイソブチルである。別の特定の実施形態において、Rはヒドロキシエチルである。別の特定の実施形態において、Rはシクロプロピルメチルである。別の特定の実施形態において、Rはテトラヒドロピラン−4−イル−メチルである。別の特定の実施形態において、Rは2−モルホリン−4−イル−エチルである。別の特定の実施形態において、Rはベンジルである。別の特定の実施形態において、Rは4−クロロベンジルである。別の特定の実施形態において、RはCHCNである。別の特定の実施形態において、RはCHC(O)NHである。
【0054】
本発明のある実施形態において、R、R、R、RおよびRは全て水素である。別の実施形態において、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、メトキシ等のC〜Cアルコキシである。本発明のさらなる実施形態において、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、塩素またはフッ素等のハロゲンである。
【0055】
本発明のある実施形態において、Rは水素である。別の実施形態において、Rはメトキシ等のC〜Cアルコキシである。さらなる実施形態において、Rは塩素またはフッ素等のハロゲンである。
【0056】
本発明のある実施形態において、Rは水素である。別の実施形態において、Rはメトキシ等のC〜Cアルコキシである。さらなる実施形態において、Rは塩素またはフッ素等のハロゲンである。
【0057】
本発明のある実施形態において、Rは水素である。別の実施形態において、Rはメトキシ等のC〜Cアルコキシである。さらなる実施形態において、Rは塩素またはフッ素等のハロゲンである。
【0058】
本発明のある実施形態において、Rは水素である。別の実施形態において、Rはメトキシ等のC〜Cアルコキシである。さらなる実施形態において、Rは塩素またはフッ素等のハロゲンである。
【0059】
本発明のある実施形態において、Rは水素である。別の実施形態において、Rはメトキシ等のC〜Cアルコキシである。さらなる実施形態において、Rは塩素またはフッ素等のハロゲンである。
【0060】
本明細書中で挙げられる本発明の多様な態様、実施形態、実施および特徴は、以下の非限定的な例によって例示されるように、別個に、または任意の組合せとして請求され得ることを理解するべきである。
【0061】
特定の実施形態において、HETは5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジンであり、−L−は−S−CH2−または−CH2−S−であり、Rは水素、メチル、1−プロピル、イソブチル、シクロプロピルメチル、ベンジルおよび2−モルホリン−4−イル−エチルから選択され、R〜Rは全て水素である。
【0062】
別の特定の実施形態において、HETは5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン、5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、5−トリフルオロメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンおよび6−クロロ−8−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンから選択され、−L−は−S−CH2−、−CH2−S−および−CH2CH2−から選択され、Rは水素、メチル、エチル、2−プロピル、CHCNおよびテトラヒドロピラン−4−イル−メチルから選択され、R〜Rは全て水素である。
【0063】
本発明の別個の実施形態において、式Iの化合物は、遊離塩基、その1つもしくは2つ以上の互変異性体またはその薬学的に許容可能な酸付加塩の形態における以下の特定の化合物から選択される。表1に、本発明の化合物、および「PDE10Aの阻害アッセイ」の項に記載された通りに決定された、対応するIC50値を列記する。各化合物により本発明の個々の実施形態が構成される。
【0064】
【表1】






【0065】
本発明の特定の実施形態において、本発明の化合物は50nM未満、例えば0.2〜20nMの範囲、特に0.2〜10nMの範囲、例えば0.2〜5nMの範囲または0.2〜1nMの範囲のIC50値を有する。
【0066】
選択された化合物について、フェンシクリジン(PCP)に誘導された多動を逆転させることができるか否かを調べる試験を行った。PCP効果の逆転は、「フェンシクリジン(PCP)に誘導された多動」の項に記載される通りに測定される。
【0067】
実験の結果から、試験された本発明の化合物が、PCPに誘導された多動を表中に示された%値まで逆転させるインビボにおいて活性な化合物であることが示された。
【0068】
【表2】

【0069】
薬学的に許容可能な塩
本発明はまた、化合物の塩、典型的には薬学的に許容可能な塩を含む。このような塩は、薬学的に許容可能な酸付加塩を含む。酸付加塩は、無機酸および有機酸の塩を含む。
【0070】
適切な無機酸の代表的な例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸等を含む。適切な有機酸の代表的な例は、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、イタコン酸、乳酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、テオフィリン酢酸、および8−ハロテオフィリン、例えば8−ブロモテオフィリン等を含む。薬学的に許容可能な無機または有機酸付加塩のさらなる例は、Berge, S. M.ら、J. Pharm. Sci. 1977、66、2(非特許文献16)に列記される薬学的に許容可能な塩を含み、この文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
さらに、本発明の化合物は、溶媒和されていない形態、および水、エタノール等の薬学的に許容可能な溶媒と溶媒和された形態で存在してもよい。一般的に、本発明の目的において、溶媒和された形態は溶媒和されていない形態と同等であると考えられる。
【0072】
医薬組成物
本発明はさらに、治療的有効量の式Iの化合物および薬学的に許容可能な担体または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、本明細書中の実験に関する項に開示される特定の化合物の1つの治療的有効量および薬学的に許容可能な担体または希釈剤を含む医薬組成物も提供する。
【0073】
本発明の化合物は、単独でまたは薬学的に許容可能な担体、希釈剤もしくは賦形剤との組合せで、単回または反復投与のいずれかによって投与されてもよい。本発明の医薬組成物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th Edition、Gennaro、Ed.、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1995(非特許文献17)中に開示される技術等の従来の技術に従って、薬学的に許容可能な担体または希釈剤ならびに任意の他の既知の佐剤および賦形剤と共に製剤化されてもよい。
【0074】
医薬組成物は、経口、直腸内、点鼻、経肺、局所的(口腔内および舌下を含む)、経皮、槽内、腹腔内、経膣および非経口(皮下、筋肉内、くも膜下腔内、静脈内および皮内を含む)経路等の任意の適切な経路による投与のために特に製剤化されてもよい。経路は、治療する対象の全身状態および年齢、治療する状態および有効成分の種類に依存することが理解されよう。
【0075】
経口投与用の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、糖剤、丸剤、ロゼンジ剤、散剤および顆粒剤等の固体の剤型を含む。必要に応じて、組成物は、腸溶性コーティング剤等の被覆剤と共に調製されてもよいし、または、組成物は、当技術分野で公知の方法に従って持続または長時間放出等の有効成分の放出制御を提供するよう製剤化されてもよい。経口投与用の液体の投与形態は、溶液、乳剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。
【0076】
非経口投与用の医薬組成物は、滅菌された水性および非水性注射液、分散液、懸濁液剤または乳剤、ならびに使用前に滅菌注射液または分散液中に再構成される滅菌散剤を含む。他の適切な投与形態は、坐剤、スプレー剤、軟こう剤、クリーム、ゲル剤、吸入剤、経皮吸収パッチおよび移植片を含むが、これらに限定されない。
【0077】
典型的な経口投薬量は、1日当たり約0.001〜約100mg/kg体重の範囲である。典型的な経口投薬量はまた、1日当たり約0.01〜約50mg/kg体重の範囲である。典型的な経口投薬量はさらに、1日当たり約0.05〜約10mg/kg体重の範囲である。経口投薬量は通常、1回または複数回の投薬、典型的には、1日当たり1〜3回の投薬で投与される。厳密な投薬量は、投与頻度および様式、治療する対象の性別、年齢、体重および全身状態、治療する状態の種類および重症度、ならびに治療する任意の併存疾患、そのほか当業者には明らかである他の因子に依存するであろう。
【0078】
調製物はまた、当業者に既知の方法によって単位投与形態として提示されてもよい。例示として、経口投与用の典型的な単位投与形態は、約0.01〜約1000mg、約0.05〜約500mg、または約0.5mg〜約200mgを含有してもよい。
【0079】
静脈内、くも膜下腔内、筋肉内および類似する投与等の非経口経路について、典型的な用量は、経口投与に使用される用量のほぼ半分である。
【0080】
本発明はまた、治療的有効量の式Iの化合物を少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体または希釈剤と混合することを含む、医薬組成物を作るための方法も提供する。本発明の実施形態において、上述の方法において利用される化合物は、本明細書中の実験に関する項に開示される特定の化合物の1つである。
【0081】
本発明の化合物は、一般的に、遊離の物質として、またはその薬学的に許容可能な塩として利用される。1つの例としては、遊離塩基の有用性を有する化合物の酸付加塩がある。式Iの化合物が遊離塩基を含有する場合、このような塩は、従来の手法で、式Iの遊離塩基の溶液または懸濁液を薬学的に許容可能な酸のモル当量と共に処理することによって調製される。適切な有機および無機酸の代表的な例は上述される。
【0082】
非経口投与について、式Iの化合物の滅菌水溶液、水性プロピレングリコール、水性ビタミンEまたはゴマもしくはピーナッツ油中における溶液を使用してもよい。このような水溶液は必要であれば適切に緩衝されるべきであり、また液体の希釈剤は最初に十分な生理食塩水またはグルコースにより等張とされるべきである。水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与について特に適切である。式Iの化合物は、当業者に既知の標準的な技術を使用して、既知の滅菌水性媒体中に容易に組み込まれてもよい。
【0083】
適切な医薬担体は、不活性の固体の希釈剤または増量剤、滅菌水溶液および多様な有機溶媒を含む。固体の担体の例は、ラクトース、白土、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびセルロースの低級アルキルエーテルを含む。液体の担体の例は、シロップ剤、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水を含むが、これらに限定されない。同様に、担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の当技術分野で公知の任意の持続放出性の材料を、単独でまたはワックスと混合して含んでもよい。次いで、式Iの化合物と薬学的に許容可能な担体とを組み合わせて形成される医薬組成物は、開示される投与経路について適切である多様な投与形態において容易に投与される。調製物は、薬学分野で公知の方法によって単位投与形態として都合よく提示されてもよい。
【0084】
経口投与について適切な本発明の調製物は、所定量の有効成分、および任意に適切な賦形剤をそれぞれ含有する、カプセル剤または錠剤等の独立した単位として提示されてもよい。さらに、経口的に許容可能な調製物は、散剤または顆粒剤、水性もしくは非水性の液体中における溶液もしくは懸濁液剤、または水中油型もしくは油中水型乳濁液の形態であってもよい。
【0085】
経口投与に固体の担体が使用される場合、製剤は、錠剤化されていてもよく、散剤もしくはペレットの形態でハードゼラチンカプセル剤とされてもよく、またはトローチ剤もしくはロゼンジ剤の形態であってもよい。固体の担体の量は広い範囲で変動するであろうが、投薬単位当たり約25mg〜約1gの範囲であろう。液体の担体が使用される場合、製剤は、シロップ剤、乳剤、ソフトゼラチンカプセル剤、または水性もしくは非水性の液体中における懸濁液剤もしくは溶液等の滅菌注射液の形態であってもよい。
【0086】
本発明の医薬組成物は、先行技術における従来の方法によって調製されてもよい。例えば、錠剤は、有効成分を通常の佐剤および/または希釈剤と混合し、続いて混合物を従来の打錠機で圧縮することによって錠剤として調製されてもよい。佐剤または希釈剤の例は、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラクトース、ゴム等を含む。このような目的で通常使用される着色料、着香料、防腐剤等の任意の他の佐剤または添加剤を、これらが有効成分と相溶性であるという条件において使用してもよい。
【0087】
障害の治療
上述するように、式Iの化合物は酵素PDE10A阻害剤であり、酵素PDE10A阻害剤である式Iの化合物は、関連性のある神経および精神障害を治療するために有用である。
【0088】
したがって、本発明は、ヒトを含む哺乳動物における神経変性障害、精神障害または薬物嗜癖の治療において使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な酸付加塩、およびこのような化合物を含有する医薬組成物であって、神経変性障害が、アルツハイマー病、多発脳梗塞性痴呆、アルコール性痴呆または他の薬物関連痴呆、頭蓋内腫瘍もしくは脳損傷に関連する痴呆、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する痴呆、またはAIDS関連痴呆;譫妄;健忘性障害;心的外傷後ストレス障害;精神遅滞;学習障害、例えば読字障害、算数障害、または書字表出障害;注意欠陥多動性障害;および加齢関連認知低下からなる群より選択され、精神障害が、例えば妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型または残遺型の統合失調症;統合失調症様障害、例えば妄想型または抑うつ型の統合失調感情障害;妄想性障害、物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンにより誘導される精神病;妄想型人格障害;および統合失調質人格障害からなる群より選択され、薬物嗜癖が、アルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン剤嗜癖である、式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な酸付加塩、およびこのような化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0089】
式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、本発明の化合物が有用性を有する疾患または状態の治療において1種または2種以上の他の薬物との組合せで使用されてもよく、薬物同士を組み合わせることは、各々の薬物単独の場合と比べてより安全でありより効果的である。さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用または毒性を治療する、予防する、管理する、軽減する、またはそのリスクを低減するための1種または2種以上の他の薬物との組合せで使用されてもよい。このような他の薬品はこれらの薬品に対して一般的に使用される経路および量において、本発明の化合物と同じ時にまたは逐次的に投与されてもよい。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて1つまたは2種以上の他の有効成分を含有するものを含む。組合せは、単位投与形態を組み合わせた製品の一部として、または治療計画の一部として1つもしくは2つ以上の追加の薬品が独立した投与形態で投与されるキットもしくは治療プロトコールとして投与されてもよい。
【0090】
本発明は、認知障害または運動障害から選択される神経変性障害に罹患しているヒトを含む哺乳動物を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0091】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における神経変性障害または状態を治療する方法であって、PDE10の阻害に効果的な量の式Iの化合物を上記哺乳動物に投与することを含む方法も提供する。
【0092】
本発明はまた、精神障害に罹患している対象を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む方法も提供する。本発明に従って治療できる精神障害の例は、例えば妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型または残遺型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば妄想型または抑うつ型の統合失調感情障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンにより誘導される精神病;妄想型人格障害;および統合失調質人格障害;ならびに、パニック障害、広場恐怖症、特定の恐怖、社会恐怖、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、および全般性不安障害から選択される不安障害を含むが、これらに限定されない。
【0093】
式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、有利には、統合失調症等の精神障害の改善された治療を提供するために、少なくとも1つの神経弛緩薬(定型または非定型抗精神病薬であってもよい)との組合せで投与されてもよいことが見出された。本発明の治療の組合せ、使用および方法はまた、他の既知の治療に対して十分に応答しないまたは他の既知の治療に対して抵抗力のある患者の治療における利点も提供することができる。
【0094】
したがって、本発明は、統合失調症等の精神障害に罹患している哺乳動物を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を単独でまたは少なくとも1つの神経弛緩薬との併用療法として哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0095】
本明細書中において使用される用語「神経弛緩薬」は、認知に対して効果を有し、精神病患者における錯乱、妄想、幻覚、および精神運動性激越を低減する抗精神病薬の挙動を有する薬品を指す。強力精神安定剤および抗精神病薬としても知られる神経弛緩薬は、フェノチアジン、さらに細かい分類として脂肪族フェノチアジン、ピペリジン系フェノチアジン、およびピペラジン系フェノチアジン、チオキサンテン(例えば、シソルジノール(cisordinol))、ブチロフェノン(例えば、ハロペリドール)、ジベンゾキサゼピン(例えば、ロキサピン)、ジヒドロインドロン(例えば、モリンドン)、ジフェニルブチルピペリジン(例えば、ピモジド)を含む定型抗精神病薬、ならびにベンズイソキサゾール(例えば、リスペリドン)、セルチンドール、オランザピン、クエチアピン、オサネタント(osanetant)およびジプラシドンを含む非定型抗精神病薬を含むが、これらに限定されない。
【0096】
本発明において使用するための特に好ましい神経弛緩薬は、セルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタントである。
【0097】
本発明はさらに、認知障害に罹患している対象を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。本発明に従って治療できる認知障害の例は、アルツハイマー病、多発脳梗塞性痴呆、アルコール性痴呆または他の薬物関連痴呆、頭蓋内腫瘍もしくは脳損傷に関連する痴呆、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する痴呆、またはAIDS関連痴呆;譫妄;健忘性障害;心的外傷後ストレス障害;精神遅滞;学習障害、例えば読字障害、算数障害、または書字表出障害;注意欠陥多動性障害;および加齢関連認知低下を含むが、これらに限定されない。
【0098】
本発明はまた、運動障害を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む方法も提供する。本発明に従って治療できる運動障害の例は、ハンチントン病およびドーパミン作動薬療法に関連するジスキネジーを含むが、これらに限定されない。本発明はさらに、パーキンソン病および不穏下肢症候群から選択される運動障害を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0099】
本発明はまた、気分障害を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む方法も提供する。本発明に従って治療できる気分障害および気分エピソードの例は、軽度、中等度または重度の大うつ病エピソード、躁病または混合性気分エピソード(manic or mixed mood episode)、軽躁病気分エピソード(hypomanic mood episode)、典型的な特徴を有するうつ病エピソード;メランコリックな特徴を有するうつ病エピソード;緊張性の特徴を有するうつ病エピソード;分娩後に発症する気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;気分変調性障害;小うつ病性障害;月経前不快気分障害;統合失調症の精神病後うつ病性障害;妄想性障害または統合失調症等の精神病性障害が重なる大うつ病性障害;双極性障害、例えば双極I型障害、双極II型障害、および気分循環性障害を含むが、これらに限定されない。気分障害は精神障害であると理解される。
【0100】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における薬物嗜癖、例えばアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン剤嗜癖を治療する方法であって、薬物嗜癖の治療に効果的な量の式Iの化合物を上記哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0101】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における薬物嗜癖、例えばアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン剤嗜癖を治療する方法であって、PDE10の阻害に効果的な量の式Iの化合物を上記哺乳動物に投与することを含む方法も提供する。
【0102】
本明細書中において使用される用語「薬物嗜癖」は薬物に対する異常な欲求を意味し、一般的に、動機付け障害(motivational disturbance)、例えば所望の薬物の摂取に対する強迫および強い薬物渇望のエピソードを特徴とする。
【0103】
薬物嗜癖は病的状態であると広く考えられる。嗜癖障害は、急性の薬物使用が進行して、薬物探索行動が生じ、再発しやすく、本来有意義であるはずの刺激に対して応答する能力が低下して鈍くなることを伴う。例えば、The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、Fourth Edition (DSM-IV)(非特許文献18)では嗜癖を3段階、すなわち、没頭/予期(anticipation)、耽溺/中毒、および離脱/陰性感情に類別している。これらの段階はそれぞれ、あらゆる場合において、その物質を得たいという絶え間ない渇望および没頭、その物質を必要量以上使用することによる中毒作用の経験、ならびに耐性、離脱症状、および通常の生活活動に対する動機付けの低下の経験を特徴とする。
【0104】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における注意力および/または認知の欠如を症状として含む障害を治療する方法であって、上記障害の治療に効果的な量の式Iの化合物を上記哺乳動物に投与することを含む方法も提供する。
【0105】
本発明に従って治療できる他の障害は、強迫性障害、トゥレット症候群および他のチック障害である。
【0106】
本明細書中において使用される場合、特に記載がなければ、「神経変性障害または状態」は、中枢神経系におけるニューロンの機能不全および/または死により引き起こされる障害または状態を指す。これらの障害および状態の治療は、これらの障害もしくは状態において危険な状態にあるニューロンの機能不全もしくは死を予防する、および/または危険な状態にあるニューロンの機能不全もしくは死によって引き起こされる機能の低下を補填するために損傷を受けたニューロンもしくは健康なニューロンの機能を増大させる薬剤の投与によって促進することができる。本明細書中において使用される用語「神経栄養物質」は、これらの特性のいくつかまたは全てを有する物質または薬剤を指す。
【0107】
本発明に従って治療できる神経変性障害および状態の例は、パーキンソン病;ハンチントン病;痴呆、例えばアルツハイマー病、多発脳梗塞性痴呆、AIDS関連痴呆;および前頭側頭型認知症;脳損傷に関連する神経変性;脳卒中に関連する神経変性、脳梗塞に関連する神経変性;低血糖に誘導される神経変性;てんかん発作に関連する神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;および多系統萎縮を含むが、これらに限定されない。
【0108】
本発明のある実施形態において、神経変性障害または状態は、ヒトを含む哺乳動物における線条体中型有刺神経細胞(striatal medium spiny neuron)の神経変性を伴う。
【0109】
本発明のさらなる実施形態において、神経変性障害または状態はハンチントン病である。
【0110】
別の実施形態において、本発明は、対象を治療して体脂肪または体重を低減させる、またはインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、代謝性症候群、または耐糖能障害を治療する方法であって、治療的有効量の式Iの化合物をそれを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。好ましい実施形態において、対象はヒトであり、対象は太り過ぎまたは肥満体であり、拮抗薬は経口的に投与される。別の好ましい実施形態において、方法はさらに、第2の治療用薬剤、好ましくは抗肥満薬、例えば、リモナバント、オルリスタット、シブトラミン、ブロモクリプチン、エフェドリン、レプチン、プソイドエフェドリン、またはペプチドYY3−36、またはそれらの類似体を対象に投与することを含む。
【0111】
本明細書中において使用される用語「代謝性症候群」は、人を冠動脈疾患のリスクが高い状態とする状態の群を指す。これらの状態は、2型糖尿病、肥満、高血圧症、および高LDL(「悪玉」)コレステロール、低HDL(「善玉」)コレステロールおよび高トリグリセリドを伴う不良な脂質プロファイルを含む。これらの状態はいずれも、高い血中インスリンレベルに関連する。代謝性症候群における根本的な異常は脂肪組織および筋肉の両方におけるインスリン抵抗性である。
【0112】
本明細書中で引用される、刊行物、特許出願および特許を含む参考資料はいずれもそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれており、個々の参考資料がそれぞれ個々に参照により組み込まれて示され、その全体が記載されるのと同等とされる(法で認められる最大限の範囲において)。
【0113】
見出しおよび小見出しは本明細書中で便宜上使用されているのみであり、本発明を制限するものと解釈されてはならない。
【0114】
本明細書中におけるあらゆる例または例示的表現(「例えば(for instance)」、「例えば(for example)」、「例えば(e.g.)」、および「等(as such)」を含む)は、本発明をより明確に説明することのみを意図して使用されるものであり、特に記載がなければ、発明の範囲を限定するものではない。
【0115】
本明細書中における特許文献の引用および組み込みは便宜上なされているのみであって、このような特許文献についての有効性、特許性および/または権利行使可能性に関する見解を何ら表すものではない。
【0116】
本発明は、準拠法で認められる範囲において、本明細書に付属の請求項に記載された主題の全ての改変および等価物を含む。
【実施例】
【0117】
実験に関する項
本発明の化合物の調製
【0118】
【化4】

本発明の一般式Iの化合物は、下記反応スキーム中に記載されるように調製されてもよい。特に記載がなければ、反応スキームおよびそれに続く議論において、HET、R〜R、−L−、ZおよびYは上記に定義される通りである。
【0119】
−L−が−S−CH−である式Iの化合物は、スキーム1中に示される通り、式IIIまたはIIIaの求核剤を、Xが脱離基、例えばCl、Br、I、メタンスルホニル、4−トルエンスルホニルである式IVの求電子剤と結合させることによって調製することができる。IIIaとIVとの反応において、IIIaの硫黄原子のIVによるアルキル化、および閉環によるトリアゾール環の形成はいずれも、ワンポット合成法において同一の反応条件下で起こる。
【0120】
【化5】

この反応は、典型的には、1−プロパノール、トルエン、DMF、またはアセトニトリル等の溶媒中において、任意に炭酸カリウム等の炭酸塩塩基またはトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)等の第三アミン塩基の存在下において、約0℃〜約200℃の範囲の温度において、任意に密閉容器中で加圧下において実施される。他の適切な溶媒は、ベンゼン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、2−プロパノールおよびキシレンを含む。一方、トルエン/2−プロパノール等の混合溶媒を使用することができる。
【0121】
式IIIの化合物は、市販されているか、または文献中に記載される通りに調製することができ、例えば、Brownら、Aust. J. Chem. 1978、31、397〜404頁(非特許文献19)、Yutilovら、Khim. Geter. Soedin. 1988、799〜804頁(非特許文献20)、Wildeら、Bioorg. Med. Chem. Lett. 1995、5、167〜172頁(非特許文献21)、Kidwaiら、J. Korean Chem. Soc. 2005、49、288〜291頁(非特許文献22)を参照のこと。式IIIaの化合物は、国際公開第96/01826号(特許文献15)中に記載される通りに、クロロホルム等の適切な溶媒中で、室温または+40℃等の適切な温度において、対応する1,2−ジアミノピリジンからチオカルボニルジイミダゾールとの反応によって調製することができる。必須である1,2−ジアミノピリジンは、クロロホルム等の適切な溶媒中で、0℃または室温等の適切な温度において、対応する市販の2−アミノピリジンから、O−(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン等の適切なN−アミノ化試薬との反応によって容易に入手でき、国際公開第96/01826号(特許文献15)を参照のこと。
【0122】
式IVの2−ハロメチル−4−(アリール)−1H−イミダゾールは、当技術分野において熟練した化学者に既知の方法により、適切な試薬、例えば塩化チオニル、三塩化リン、または三臭化リンを使用して、任意にジクロロメタン等の適切な溶媒を使用して、対応する2−ヒドロキシメチル−4−(アリール)−1H−イミダゾールのハロゲン化によって調製することができる。必須である2−ヒドロキシメチル−4−(アリール)−1H−イミダゾールは、当技術分野で公知の方法によって調製することができる(例えば、Magdolen, P; Vasella, A. Helv. Chim. Acta 2005、88、2454〜2469頁(非特許文献23)、Song, Z.ら、J. Org. Chem. 1999、64、1859〜1867頁(非特許文献24)を参照。)。
【0123】
−L−が−CH−S−である式Iの化合物は、スキーム2中に示される通り、式Xの求核剤を式VIの求電子剤と結合させることによって調製することができる。
【0124】
【化6】

この反応は、典型的には、1−プロパノール、トルエン、DMF、またはアセトニトリル等の溶媒中で、任意に炭酸カリウム等の炭酸塩塩基またはトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)等の第三アミン塩基の存在下において、約0℃〜約200℃の範囲の温度において、任意に密閉容器中で加圧下において実施される。他の適切な溶媒は、ベンゼン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、2−プロパノールおよびキシレンを含む。一方、トルエン/2−プロパノール等の混合溶媒を使用することができる。
【0125】
式VIの求電子剤は市販されているものもあり、また、それ以外の多くは当技術分野で公知であり、例えばJP59176277(特許文献16)を参照。Xが脱離基、例えばCl、Br、I、メタンスルホニル、4−トルエンスルホニルである求電子剤VIはまた、当技術分野において熟練した化学者に既知の方法により、式Vの化合物の第一アルコールを上記脱離基に変換することによって調製することもできる。上記方法は、例えば、式Vの化合物を塩化チオニル、三塩化リン、三臭化リン、メタンスルホニルクロリド、または4−トルエンスルホニルクロリドと、任意にジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタン等の適切な溶媒の存在下において、任意にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、またはピリジン等の塩基の存在下において反応させることから選択することができる。一方、式VIの求電子剤は、市販の式VIIの芳香族アミンを式IXの1,3−ジハロアセトン、例えば1,3−ジクロロアセトンと、1,2−ジメトキシエタンまたはエタノール等の適切な溶媒中で、室温または還流等の適切な温度において反応させることによって調製することができる。式Vの求電子剤は市販されているものもあり、また、それ以外の多くは当技術分野で公知であり、例えば、Tsuchiya, T.; Sashida, H. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1980、1109〜1110頁(非特許文献25)、Tsuchiya, T.; Sashida, H; Konoshita, A. Chem. Pharm. Bull. 1983、31、4568〜4572頁(非特許文献26)を参照。一方、式Vのアルコールは、市販の式VIIの芳香族アミンをO−(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン等の適切なN−アミノ化試薬と、クロロホルム等の適切な溶媒中で、0℃または室温等の適切な温度において反応させることによって調製することができ(国際公開第96/01826号(特許文献15)を参照)、式VIIIの化合物を産出する。上記式VIIIの化合物は、グリコール酸メチルとの反応に続き、水素化アルミニウムリチウム等の適切な還元剤を使用して、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン等の適切な溶媒中で、当技術分野において熟練した化学者に既知の方法を使用して、メチルエステルを必須であるアルコールに還元することによって、式Vの化合物に変換することができる。
【0126】
式Xの化合物は、市販されているか、または文献中に記載される通りに調製することができ、例えば、Kjellin, G; Sandstroem, J.、Acta Chem. Scand. 1969、23、2879〜2887頁(非特許文献27)、Laufer, S. A.ら、Synthesis 2008、253〜266頁(非特許文献28)を参照。
【0127】
R1が水素でない式Iの化合物は、スキーム3中に示される通り、R1が水素である式Iの化合物を式XIのハロゲン化アルキルを用いてアルキル化することによって調製することができる。
【0128】
【化7】

この反応は、典型的には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはアセトニトリル等の適切な溶媒中で、炭酸塩塩基、例えば炭酸カリウム、または第三アミン塩基、例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)等の適切な塩基の存在下において、約0℃〜約100℃の範囲の温度において実施される。
【0129】
−L−が−CH=CH−または−CH−CH−である式Iの化合物は、スキーム4中に示される反応順序によって調製することができる。
【0130】
【化8】

具体的には、−L−が−CH−CH−である式Iの化合物は、−L−が−CH=CH−である式Iのアルケンを、パラジウム金属等の遷移金属触媒を使用して、水素ガス、炭酸水素アンモニウム、またはシクロヘキサジエン等の水素供給源と共に水素化して還元することによって調製することができる。−L−が−CH=CH−である上記式Iのアルケンは、テトラヒドロフラン等の適切な溶媒中で、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の適切な塩基の存在下において、式XIIのホスホニウム塩と式XIIIのアルデヒドとのウィッティヒ反応によって調製することができる。式XIIのホスホニウム塩は、当技術分野において熟練した化学者に既知の方法により、式VIの化合物(上述のスキーム2を参照)をトリフェニルホスフィンと反応させることによって容易に入手できる。式XIIIのアルデヒドは、当技術分野において熟練した化学者に既知の方法により式Vのアルコール(上述のスキーム2を参照)を酸化することによって、例えば、式Vのアルコールを、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタン等の適切な溶媒中で、デス・マーチン・ペルヨージナン等の適切な酸化剤と反応させることによって容易に入手できる。
【0131】
本明細書中に開示される発明は、以下の非限定的な例によってさらに例示される。
【0132】
一般的な方法
LC−MS分析データが、下記方法の1つを使用して得られた。
【0133】
方法A
大気圧光イオン化を用いた、Shimadzu LC−8A/SLC−10A LCシステムを備えるPE Sciex API 150EX装置を使用した。カラムは4.6×30mm Waters Symmetry C18カラム、粒子サイズ3.5μm、カラム温度は60℃、溶媒系はA=水/トリフルオロ酢酸(100:0.05)およびB=水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(5:95:0.035)、方法はA:B=90:10〜0:100、2.4分間および流速3.3mL/分による直線勾配溶出。
【0134】
方法B
G1946CまたはG1946A質量検出器を備えるAgilent 1100 LCMSシステムを使用した。カラムは2.0×50mm YMC ODS−AQ、粒子サイズ5μm、カラム温度は50℃、溶媒系はA=水/トリフルオロ酢酸(99.9:0.1)およびB=アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(99.95:0.05)、方法はA:B=95:5〜0:100、3.5分間および流速0.8mL/分による直線勾配溶出。
【0135】
方法C
大気圧光イオン化を用いた、Waters UPLCシステムを備えるPE Sciex API 300装置を使用した。カラムはAcquity UPLC BEH C18 1.7μm、2.1×50mm(Waters)、カラム温度は60℃、溶媒系はA=水/トリフルオロ酢酸(100:0.05)およびB=水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(5:95:0.035)、方法はA:B=90:10〜0:100、1.0分間および流速1.2mL/分による直線勾配溶出。
【0136】
方法D
G1946CまたはG1946A質量検出器を備えるAgilent 1100 LCMSシステムを使用した。カラムは2.0×50mm YMC ODS−AQ、粒子サイズ5μm、カラム温度は50℃、溶媒系はA=水/トリフルオロ酢酸(99.9:0.1)およびB=アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(99.95:0.05)、方法はA:B=90:10〜0:100、3.4分間および流速0.8mL/分による直線勾配溶出。
【0137】
方法E
大気圧光イオン化を用いた、Shimadzu LC−8A/SLC−10A LCシステムを備えるPE Sciex API 150EX装置を使用した。カラムは4.6×30mm Waters Symmetry C18カラム、粒子サイズ3.5μm、カラム温度は60℃、溶媒系はA=水/トリフルオロ酢酸(99.95:0.05)およびB=メタノール/トリフルオロ酢酸(99.965:0.035)、方法はA:B=83:17〜0:100、2.4分間および流速3.0mL/分による直線勾配溶出。
【0138】
分取LC−MS精製を大気圧化学イオン化を用いるPE Sciex API 150EX装置によって実行した。カラムは50×20mm YMC ODS−A、粒子サイズ5μm、方法はA:B=80:20〜0:100、7分間および流速22.7mL/分による直線勾配溶出。画分の回収は分流MS検出によって実行した。
【0139】
H NMRスペクトルを、500.13MHzにおいてBruker Avance AV500装置によって、または250.13MHzにおいてBruker Avance DPX250装置によって記録した。TMSを内部参照標準として使用した。化学シフト値はppmで表される。NMRシグナルの多重度について以下の省略形が使用される。s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、qui=クインテット、h=ヘプテット、dd=ダブル・ダブレット、dt=ダブル・トリプレット、dq=ダブル・カルテット、tt=トリプレットのトリプレット、m=マルチプレット、br s=ブロード・シングレットおよびbr=ブロードなシグナル。
【0140】
省略形は、「The ACS Style guide: 「A manual for authors and editors」 Janet S. Dodd、Ed. 1997、ISBN: 0841234620」(非特許文献29)に従う。
【0141】
中間体の調製
2−クロロメチル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール
【0142】
【化9】

Songら、J. Org. Chem. 1999、64、1859頁(非特許文献30)に記載される方法を改変した方法を使用した。窒素注入口、ブリーチ・スクラバー(bleach scrubber)に連結されたガス排出口および温度プローブを備えた丸底フラスコにDMSO(113mL)およびアセトフェノン1(10g、83.2mmol)を投入した。溶液を60℃に加熱し、反応温度を60℃〜68℃に維持しながら、HBr水溶液を添加漏斗を用いてゆっくりと添加した。ジメチルスルフィドが生成した際にこれを除去するため、窒素スイープ(nitrogen sweep)を使用した。HBr添加の終了後、反応が終了するまで、外部から加熱することにより内部の温度を65℃に維持した。反応混合物を水中に注入することによって反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、2,2−ジヒドロキシ−1−フェニル−エタノン2が得られた。反応をTLCによって監視した。
【0143】
メタノール(30mL)中の2−ヒドロキシ−2−メトキシ酢酸メチル(2.14g、25.9mmol)および酢酸アンモニウム(4.108g、52mmol)を投入した丸底フラスコに、酢酸(30mL)を滴下し、続いて、撹拌しながら、2,2−ジヒドロキシ−1−フェニルエタノン2(2g、13mmol)のメタノール溶液を添加した。1.5時間後、反応混合物を真空下において濃縮し、次いで0.5N塩酸と混合した。溶液を酢酸エチルで洗浄した。水層を5N水酸化ナトリウムで塩基性化してpH=9とし、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせて、NaSOによって乾燥させた。溶液を濃縮乾固させ、化合物4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸メチルエステル3を得た。
【0144】
化合物3(1.0g、5mmol)のDMF(20mL)中の溶液にヨードメタン(4mL、7.5mmol)およびKCO(1.0g、7.5mmol)を添加し、TLC(石油エーテル/EtOAc=5/1)により化合物3が完全に消費されたことが示されるまで混合物を60℃において1時間にわたって撹拌した。反応混合物を鹹水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機層を合わせて無水NaSOによって乾燥させ、ろ過し、真空下において濃縮し、化合物4(0.83g、78%)が得られた。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.81〜7.78(m,2H)、7.39〜7.35(m,2H)、7.32(s,1H)、7.29〜7.25(m,1H)、4.05(s,3H)、3.97(s,3H)。
【0145】
化合物4(0.8g、3.7mmol)のTHF(8mL)中の溶液にLiAlH(0.21g、5.5mmol)を−5℃においてN下で添加した。混合物を−10℃において2時間にわたって撹拌し、NHCl水溶液を0℃においてpHが6に到達するまで添加して反応を停止させた。得られる混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、有機層を合わせて鹹水(30mL)で洗浄し、NaSOによって乾燥させ、ろ過し、減圧下において濃縮し、化合物5(0.5g、75%)が得られた。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.69〜7.67(m,2H)、7.53(s,1H)、7.30(t,J=7.6Hz,2H)、7.15〜7.12(m,1H)、5.30(t,J=5.6Hz,1H)、4.48(d,J=5.6Hz,2H)、3.65(s,3H)。
【0146】
(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−メタノール5(0.2g、0.097mmol)の溶液にSOCl(0.14g、0.121mmol)を添加し、混合物を室温において一晩撹拌した。混合物を蒸発させ、2−クロロメチル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール6が得られ、これを精製することなく使用した。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.24(s,1H)、7.87(d,J=6.8Hz,2H)、7.54〜7.49(m,2H)、7.43〜7.41(m,1H)、5.24(s,2H)、3.89(s,3H)。
【0147】
以下の中間体を類似の方法によって調製した。
2−クロロメチル−1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール
95%収率、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.36(s,1H)、7.92〜7.89(m,2H)、7.51〜7.47(m,2H)、7.43〜7.39(m,1H)、5.26(s,2H)、4.24(q,J=7.2Hz,2H)、1.46(t,J=7.2Hz,3H)。
2−クロロメチル−1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール
100%収率、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.54(s,1H)、7.93(d,J=7.6Hz,2H)、7.52〜7.29(m,3H)、5.28(s,2H)、4.84〜4.75(m,1H)、1.50(d,J=6.8Hz,6H)。
2−クロロメチル−4−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
80%収率、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.06〜8.02(m,1H)、7.91(d,J=3.2Hz,1H)、7.41〜7.38(m,1H)、7.34〜7.29(m,2H)、5.12(s,2H)、3.84(s,3H)。
2−クロロメチル−4−(3−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
89%収率、H NMR(400MHz,メタノール−d):δ8.07(s,1H)、7.58〜7.51(m,3H)、7.27〜7.23(m,1H)、5.11(s,2H)、4.01(s,3H)。
2−クロロメチル−4−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
74%収率、HNMR(400MHz,DMSO−d):δ8.19(s,1H)、7.94〜7.91(m,2H)、7.37〜7.33(m,2H)、5.20(s,2H)、3.86(s,3H)。
2−クロロメチル−4−(2−クロロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
74%収率、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.11(s,1H)、7.89(dd,J=7.6Hz,1.6Hz,1H)、7.59(d,J=7.6Hz,1H)、7.48〜7.38(m,2H)、5.13(s,2H)、3.87(s,3H)。
2−クロロメチル−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
99%収率、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.30(s,1H)、8.00〜7.99(m,1H)、7.84(m,1H)、7.52〜7.43(m,2H)、5.20(s,2H)、3.86(s,3H)。
2−クロロメチル−4−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
80%収率、H NMR(400MHz,メタノール−d):δ8.00(s,1H)、7.71(d,J=8.4Hz,2H)、7.56(d,J=8.4Hz,2H)、5.10(s,2H)、4.01(s,3H)。
2−クロロメチル−4−(2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
93%収率、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.12(s,1H)、7.98(dd,J=8.0Hz,1.6Hz,1H)、7.45〜7.40(m,1H)、7.20(d,J=8.0Hz,1H)、7.13〜7.06(m,1H)、5.27(s,2H)、3.93(s,3H)、3.90(s,3H)。
2−クロロメチル−4−(3−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
90%収率、H NMR(300MHz,メタノール−d):δ8.05(s,1H)、7.55〜7.44(m,1H)、7.32〜7.24(m,2H)、7.14〜7.06(m,1H)、5.12(s,2H)、4.03(s,3H)、3.90(s,3H)。
2−クロロメチル−4−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール
97%収率、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.10(s,1H)、7.79(d,J=8.8Hz,2H)、7.02(d,J=8.8Hz,2H)、5.20(s,2H)、3.83(s,3H)、3.75(s,3H)。
2−クロロメチル−4−フェニル−1H−イミダゾール(メチル化ステップの省略による)
81%収率、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.21(s,1H)、7.96〜7.92(m,2H)、7.59〜7.55(m,2H)、7.50〜7.47(m,1H)、5.12(s,2H)。
【0148】
1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド
【0149】
【化10】

Ar下の(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−メタノール5(50.0mg、0.266mmol)の1,2−ジクロロエタン(4.0mL)中の溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(124mg、0.292mmol)を添加し、混合物を室温において2時間にわたって撹拌した。飽和NaHCO溶液を添加し、有機層を分離し、水層を1,2−ジクロロエタンで抽出した。有機層を合わせてNaSOによって乾燥させ、揮発性物質を蒸発させ、FlashMasterシステムに装備されるシリカゲルクロマトグラフィー(勾配溶出、ヘプタン中に0〜100%酢酸エチル)によって残渣を精製し、標題化合物が白色固体として得られた(39.1mg、79%)。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ9.76(s,1H)、8.11(s,1H)、7.84(d,J=7.7Hz,2H)、7.42(t,J=7.6Hz,2H)、7.30(t,J=7.4Hz,1H)、3.99(s,3H)。
【0150】
イミダゾール−1−カルボチオ酸(2−イミノ−4,6−ジメチル−2H−ピリジン−1−イル)−アミド
【0151】
【化11】

国際公開第96/01826号(特許文献15)中に記載される方法を改変した方法を使用した。氷浴(8〜9℃で凍結)中で冷却したO−メシチルスルホニルアセトヒドロキサム酸エチル7(1.7g、6.0mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)中の溶液に、内部の温度を15℃より低く維持しながら、70%過塩素酸(7.5mL)を15分間かけて滴下した。次いで、混合物を氷水(100mL)で希釈して生成物O−(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン8を沈殿させ、この生成物をろ過し、水で入念に洗浄し、濡れたままの状態で速やかにクロロホルム(10mL)中に溶解させた(注意!8は乾燥時には起爆性である!)。有機層を分離し、フリット・シリンジ(fritted syringe)中のNaSOプラグを通過させて水を除去した。こうして得られたO−(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン8の溶液を、氷浴中で冷却した2−アミノ−4,6−ジメチルピリジン9(0.611g、5.00mmol)のクロロホルム(10mL)中の溶液に滴下した。次いで、混合物を室温に加温し、2時間にわたって撹拌することによって中間体10に変換させた。次いで、反応混合物中に1,1’−チオカルボニルジイミダゾール11(1.16g、6.5mmol)を添加し、得られる混合物を40℃において一晩撹拌した。揮発性物質を蒸発させ、残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル100:0→0:100の勾配溶出)にかけることによって、イミダゾール−1−カルボチオ酸(2−イミノ−4,6−ジメチル−2H−ピリジン−1−イル)−アミド12を、微量の残留イミダゾールを含有する灰色がかった白色の固体(0.50g、40%)として産出した。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ7.88(s,1H)、7.64(s,1H)、7.42(br s,2H)、6.93(s,1H)、6.69(s,1H)、6.67(s,1H)、2.28(s,3H)、2.27(s,3H)。
【0152】
以下の中間体を類似の方法で調製し、これらの中間体は事前に精製または特徴の決定をすることなく最終化合物の調製に使用した。
イミダゾール−1−カルボチオ酸(5−ブロモ−2−イミノ−4−メチル−2H−ピリジン−1−イル)−アミド
イミダゾール−1−カルボチオ酸(5−ブロモ−2−イミノ−4,6−ジメチル−2H−ピリジン−1−イル)−アミド
イミダゾール−1−カルボチオ酸(5−クロロ−2−イミノ−3−メチル−2H−ピリジン−1−イル)−アミド
イミダゾール−1−カルボチオ酸(5−シアノ−2−イミノ−2H−ピリジン−1−イル)−アミド
【0153】
1−メチル−4−フェニル−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−チオン
【0154】
【化12】

Kjellin, G; Sandstroem, J.、Acta Chem. Scand. 1969、23、2879〜2887頁(非特許文献27)により報告された方法を改変した方法を使用した。2−メチルアミノ−1−フェニル−エタノン塩酸塩(0.754g、4.06mmol)(例えば、Hydeら、J. Am. Chem. Soc. 1928、50、2287〜2292頁(非特許文献31)、Shangら、Chem. Eur. J. 2007、13、7780〜7784頁(非特許文献32)を参照)およびチオシアン酸カリウム(0.434g、4.46mmol)の酢酸(12mL)中の混合物を、マイクロ波シンセサイザを使用して140℃において10分間にわたって加熱した。水(50mL)で希釈し、氷浴中で冷却することによって、生成物の沈殿が生じた。生成物の沈殿をろ過によって採取し、水で洗浄し、真空乾燥することによって、純粋な標題化合物(0.365g、47%)を灰色がかった白色の固体として産出した。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ12.66(br s,1H)、7.65(d,J=7.6Hz,2H)、7.60(s,1H)、7.39(t,J=7.8Hz,2H)、7.27(t,J=7.4Hz,1H)、3.49(s,3H)。
【0155】
以下の中間体を類似の方法で調製した。
【0156】
4−フェニル−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−チオン
収率80%、H NMR(500MHz,DMSO−d):δ12.53(br s,1H)、12.15(br s,1H)、7.69〜7.65(m,2H)、7.41〜7.35(m,3H)7.27(t,J=7.4Hz,1H)。
【0157】
4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド
【0158】
【化13】

フェニルグリオキサール一水和物(102g、0.67mol)およびグリオキサールジメチルアセタール(60%水溶液、232mL、1.54mol)のメタノール(1.1L)中の溶液を酢酸アンモニウム8202g、2.61mol)のメタノール(1.1L)中の溶液で処理し、得られる溶液を室温において16時間にわたって撹拌した。揮発性物質を真空下において除去し、残渣を2N HCl溶液(1.1L)中にスラリーとし、80℃において30分間にわたって加熱した。冷却した溶液をEtOAc(200mL)で抽出し、分離した水層を9N NaOH溶液で塩基性化してpH9とした。固体をろ過し、水で洗浄し、真空下において乾燥させることによって、標題化合物(97.2g、84%)を薄褐色固体として産出した。LC−MS:m/z=173.0(MH)、t=0.66分、方法C
【0159】
1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド
【0160】
【化14】

密閉容器中で、4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド(200mg、1.16mmol)および炭酸ナトリウム(60mg、0.6mmol)のエタノール(4mL)中のスラリーを酸化プロピレン(170μL、2.4mmol)で処理し、100℃において3時間にわたって加熱した。冷却した溶液をろ過し、固体をDCMで洗浄した。揮発性物質を真空下において除去することによって、粗製の標題化合物を産出し、これをさらに精製することなく使用した(250mg、63%)。LC−MS:m/z=231.5(MH)、t=0.41分、方法A
【0161】
以下の中間体を類似の方法で調製し、これらの中間体は事前に精製または特徴の決定をすることなく最終化合物の調製に使用した。
(S)−1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド
(R)−1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド
1−クロロ−2−メチル−2−プロパノールから1−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド。
【0162】
2−クロロメチル−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン
【0163】
【化15】

2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン(2.46g、20.0mmol)および1,3−ジクロロ−2−プロパノン(2.67g、21.0mmol)の1,2−ジメトキシエタン(20mL)中の溶液を45℃において一晩撹拌した。沈殿が形成され、この沈殿をろ過によって採取し、次いでエタノール(15mL)で2時間にわたって還流させた。室温まで冷却した後、生成物が白色の針状結晶として沈殿し、この白色の針状結晶をろ過によって採取し、真空乾燥することによって、純粋な標題化合物をその塩酸塩(883mg、19%)として産出した。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ7.84(s,1H)、6.88(s,1H)、4.84(s,2H)、2.60(s,3H)、2.49(s,3H)。
【0164】
以下の中間体を、第1ステップの反応温度を90℃とする以外は類似の方法で調製した。
【0165】
2−クロロメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン塩酸塩
収率62%、LC−MS:m/z=168.2(MH)、t=0.13分、方法A。
【0166】
2−クロロメチル−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【0167】
【化16】

4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イルアミン(25g、200mmol)のCHCl 400mL中の溶液に、ヒドロキシルアミン−2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホン酸塩(105g、488mmol)のCHCl 300mL中の溶液を0℃において滴下し、混合物を0℃において1時間にわたって撹拌し、ろ過した。採取した固体をCHCl(100mL)で洗浄することによって、1−アミノ−4,6−ジメチル−1H−ピリミジン−2−イリデン−アンモニウム2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホン酸塩(40g、収率:62%)を得た。
【0168】
1−アミノ−4,6−ジメチル−1H−ピリミジン−2−イリデン−アンモニウム2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホン酸塩(40g、0.1mol)およびNaOH(10g、0.2mol)のEtOH 500mL中の混合物を50〜60℃において1時間にわたって撹拌した。クロロ酢酸メチルエステル(16.6g、0.15mol)を添加した後、得られる混合物を還流によって4時間にわたって撹拌した。減圧下において濃縮した後、残渣を水(1000mL)で希釈し、CHCl(300mL×3)で抽出した。有機層を合わせて鹹水(200mL)で洗浄し、NaSOによって乾燥させ、ろ過し、真空下において濃縮した。残渣をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=2/1)により精製することによって、2−クロロメチル−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン2gを収率9%において得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.55(s,1H)、6.25(s,2H)、4.05(s,3H)、3.95(s,3H);LC−MS(MH):m/z=196.9,t(分,方法A)=0.52
【0169】
以下の中間体を類似の方法で調製した。
【0170】
6−クロロ−2,5−ジメチル−ピリミジン−4−イルアミンから7−クロロ−2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、Henzeら、J. Org. Chem 1952、17、1320〜1327頁(非特許文献33)に記載される通りに調製した。収率3.2%、LC−MS:m/z=231.5(MH)、t=1.13分、方法E
【0171】
2−アミノ−3,6−ジメチルピラジンから2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピラジン。収率60%、H NMR(500MHz,CDCl):δ7.91(s,1H)、4.87(s,2H)、2.91(s,3H)、2.74(s,3H)、LC−MS:m/z=196.9(MH)、t=0.64分、方法A
【0172】
6−クロロ−5−エチル−2−メチル−ピリミジン−4−イルアミンから2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。収率21%、LC−MS:m/z=245.0(MH)、t=0.72分、方法A
【0173】
3−メトキシ−6−メチル−ピリジン−2−イルアミンから2−クロロメチル−8−メトキシ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0174】
2−クロロメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【0175】
【化17】

Vanelleら、Tetrahedron 1991、47、5173〜5184頁(非特許文献34)の方法を使用した。1,3−ジクロロ−2−プロパノン(2.69g、21.2mmol)の1,2−ジメトキシエタン(5mL)中の溶液に2−アミノピリジンを添加し、混合物を室温において2時間にわたって撹拌した。この間に厚い沈殿が形成され、この沈殿をろ過によって採取した。沈殿を無水エタノール中において2時間にわたって還流させ、その後、蒸発によって揮発性物質を除去した。残渣を水(30mL)中に溶解させ、固体NaHCOを添加することによって混合物を中和した。白色沈殿が形成され、この沈殿をろ過によって採取し、水で洗浄し、真空乾燥することによって、純粋な標題化合物をクリームがかった白色の固体(1.43g、42%)として産出した。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.08(d,J=6.7Hz,1H)、7.62(s,1H)、7.58(d,J=9.0Hz,1H)、7.17〜7.22(m,1H)、6.80(t,J=6.8Hz,1H)、4.78(s,2H)。
【0176】
以下の中間体を類似の方法で調製した。
【0177】
2−クロロメチル−8−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン
収率53%、H NMR(500MHz,CDCl):δ7.95(d,J=6.9Hz,1H)、7.61(s,1H)、6.97(dt,J=7.0Hz,1.1Hz,1H)、6.70(t,J=6.8Hz,1H)、4.80(s,2H)、2.60(s,3H)。
【0178】
2−クロロメチル−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0179】
【化18】

水酸化ナトリウム0.79gのエタノール(20mL)中の溶液に2−イミノ−4,6−ジメチル−2H−ピリジン−1−イルアミン(1.7g、0.012mol、中間体10のHPLC精製によって得られる)を添加した。50〜60℃において1時間にわたって撹拌した後、グリコール酸メチル(1.4g、0.016mol)を添加し、得られる混合物を還流によって6時間にわたって撹拌した。減圧下において溶媒を除去した後、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製することによって、(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−メタノール(0.2g、10%)が得られた。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ7.39(s,1H)、6.87(s,1H)、5.38(t,J=6.3Hz,1H)、4.59(d,J=6.3Hz,2H)、2.64(s,3H)、2.38(s,3H)。この化合物(31mg、0.175mmol)およびSOCl(10mL)の無水CHCl(10mL)中の混合物を室温において2時間にわたって撹拌した。溶媒および過剰なSOClを真空下において蒸発させることによって、標題化合物を粗生成物として産出し、これを精製または特徴の決定をすることなく最終化合物の調製に使用した。
【0180】
以下の化合物は当技術分野で公知である。
2−クロロメチル−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(JP59176277(特許文献16))。
1−メチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−チオン(Wildeら、Bioorg. Med. Chem. Lett. 1995、5、167〜172頁(非特許文献21))。
1−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−チオン(Kidwaiら、J. Korean Chem. Soc. 2005、49、288〜291頁(非特許文献22))。
[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−チオン(Brownら、Aust. J. Chem. 1978、31、397〜404頁(非特許文献19))。
1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−チオン(Yutilovら、Khim. Geter. Soedin. 1988、799〜804頁(非特許文献20))。
ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル−メタノール(Tsuchiya, T.; Sashida, H. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1980、1109〜1110頁(非特許文献25)およびTsuchiya, T.; Sashida, H; Konoshita, A. Chem. Pharm. Bull. 1983、31、4568〜4572頁(非特許文献26))。
【0181】
本発明の化合物の調製
例1
【0182】
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0183】
【化19】

国際公開第96/01826(特許文献15)中に記載される方法を改変した方法を使用した。イミダゾール−1−カルボチオ酸(2−イミノ−2H−ピリジン−1−イル)−アミド(200mg、1.37mmol)および2−クロロメチル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール6(300mg、1.46mmol)を1−プロパノール(25mL)中に溶解させ、混合物を2時間にわたって加熱還流させた。溶媒を減圧下において除去し、残渣をジクロロメタン中に溶解させた。溶液を水で洗浄し、有機層をNaSOによって乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製することによって、標題化合物(273mg、62%)が黄色固体として得られた。LC−MS:m/z=322.1(MH)、t=2.29分、方法B。
【0184】
以下の本発明の化合物を類似の方法で調製した。
【0185】
7−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(イミダゾール−1−カルボチオ酸(2−イミノ−4−メチル−2H−ピリジン−1−イル)−アミド(国際公開第96/01826(特許文献15)を参照)および2−クロロメチル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール6から)。LC−MS:m/z=336.5(MH)、t=0.71分、方法A。
【0186】
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(イミダゾール−1−カルボチオ酸(2−イミノ−4,6−ジメチル−2H−ピリジン−1−イル)−アミド12および2−クロロメチル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール6から)。LC−MS:m/z=350.3(MH)、t=0.79分、方法A。
【0187】
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−チオール(市販、Brownら、Aust. J. Chem. 1978、31、397〜404頁(非特許文献19)も参照)および2−クロロメチル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール6から)。LC−MS:m/z=323.1(MH)、t=2.07分、方法B。
【0188】
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−チオン(市販、Yutilovら、Khim. Geter. Soedin. 1988、799〜804頁(非特許文献20)も参照)および2−クロロメチル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール6から)。LC−MS:m/z=322.1(MH)、t=2.01分、方法B。
例2
【0189】
2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0190】
【化20】

イミダゾール−1−カルボチオ酸(2−イミノ−2H−ピリジン−1−イル)−アミド(18mg、0.080mmol)のDMF(0.5mL)中の溶液を2−クロロメチル−5−フェニル−1H−イミダゾール(23mg、0.12mmol)に添加し、混合物を100℃において一晩加熱した。揮発性物質を蒸発させ、残渣を分取LC−MSによって精製することによって、標題化合物を産出した。LC−MS:m/z=308.2(MH)、t=0.67分、方法A。
【0191】
以下の本発明の化合物を類似の方法で調製した。
2−[4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=356.4(MH)、t=0.76分、方法A。
2−(1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=336.4(MH)、t=0.69分、方法A。
2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=350.3(MH)、t=0.77分、方法A。
2−[4−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=368.2(MH)、t=0.83分、方法A。
2−[4−(3−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=368.3(MH)、t=0.84分、方法A。
2−[4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=384.3(MH)、t=0.93分、方法A。
2−(1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=364.4(MH)、t=0.88分、方法A。
5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=336.4(MH)、t=0.78分、方法A。
2−[4−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=340.3(MH)、t=0.65分、方法A。
2−[4−(3−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=340.3(MH)、t=0.65分、方法A。
2−[4−(4−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=384.4(MH)、t=0.94分、方法A。
6−ブロモ−7−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)[1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=414.1(MH)、t=0.89分、方法A。
6−ブロモ−5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)[1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=428.0(MH)、t=1.00分、方法A。
6−クロロ−8−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=370.1(MH)、t=0.87分、方法A。
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−カルボニトリル。LC−MS:m/z=347.0(MH)、t=0.64分、方法A。
2−[4−(2−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=384.3(MH)、t=0.87分、方法A。
2−[4−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=368.4(MH)、t=0.83分、方法A。
2−[4−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=380.6(MH)、t=0.84分、方法A。
2−[4−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=380.4(MH)、t=0.85分、方法A。
2−[4−(2−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=380.5(MH)、t=0.86分、方法A。
例3
【0192】
1−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【0193】
【化21】

1−メチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−チオン(28mg、0.18mmol)のDMF(1.6mL)中の溶液に、DIPEA(80μL、0.44mmol)および2−クロロメチル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール(40mg、0.19mmol)を添加した。混合物を、マイクロ波シンセサイザを使用して90℃において10分間にわたって加熱した。揮発性物質を蒸発させ、残渣を分取LC−MSによって精製することによって、標題化合物を産出した。LC−MS:m/z=335.3(MH)、t=0.51分、方法C。
【0194】
以下の本発明の化合物を類似の方法で調製した。
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール。LC−MS:m/z=396.9(MH)、t=0.65分、方法C。
2−[4−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=381.5、t(分,方法A)=0.68
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=351.4、t(分,方法A)=0.62
例4
【0195】
5−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジンの調製
【0196】
【化22】

1,3−ジクロロアセトン(0.01mL、0.11mmol)を6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミン(0.016g、0.10mmol)の1,2−ジメトキシエタン(1.0mL)中の溶液に滴下し、混合物を室温において2時間にわたって撹拌した。溶媒を真空下において除去し、得られる残渣をエタノール(1.0mL)中に再び溶解させた。続いて、反応混合物を還流下で2時間にわたって加熱し、溶媒を減圧下において除去した。DIPEA(0.05mL、0.25mmol)および1−メチル−4フェニル−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−チオン(0.017g、0.09mmol)を、粗生成物のDMF(1.0mL)中の溶液に逐次的に添加した。次いで、反応混合物を60℃において2時間にわたって加熱し、その後、LC−MSにより、出発原料が完全に消費されたことが示された。溶媒を減圧下において除去し、粗生成物を分取LC−MSを使用して精製することによって、標題化合物を産出した。LC−MS:m/z=389.1(MH+)、t=0.52分、方法C。
【0197】
以下の本発明の化合物を類似の方法で調製した。
5−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン。LC−MS:m/z=335.4(MH)、t=0.54分、方法A。
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン。LC−MS:m/z=349.1(MH)、t=0.61分、方法A。
5−クロロ−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン。LC−MS:m/z=355.4(MH)、t=0.69分、方法A。
6−クロロ−8−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン。LC−MS:m/z=369.2(MH)、t=0.76分、方法A。
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−カルボニトリル。LC−MS:m/z=346.2(MH)、t=0.66分、方法A。
例5
【0198】
5,7−ジメチル−2−((1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルチオ)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン
【0199】
【化23】

2−クロロメチル−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(1.55g、0.8mmol)、1−メチル−4−フェニル−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−チオン(1.5g、0.8mmol)およびKCO(3.31g、2.4mmol)の無水DMF(20mL)中の混合物をN下で室温において一晩撹拌した。真空下において溶媒を除去した後、残渣を分取HPLCによって精製することによって、標題化合物(1.31g、47%)が白色固体として得られた。LC−MS:m/z=350.2(MH)、t=2.14分、方法D。
【0200】
以下の本発明の化合物を類似の方法で調製した。
【0201】
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=350.3(MH)、t=0.76分、方法A。
【0202】
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(この反応はDIPEAを塩基として使用して行った)。LC−MS:m/z=396.8(MH)、t=0.60分、方法C。
【0203】
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(この反応はDIPEAを塩基として使用して70℃において一晩行った)。LC−MS:m/z=322.1(MH)、t=0.36分、方法C。
【0204】
8−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン(この反応はDIPEAを塩基として使用して60℃において1時間にわたって行った)。LC−MS:m/z=335.3(MH)、t=0.55分、方法A。
【0205】
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン(この反応はDIPEAを塩基として使用して60℃において1時間にわたって行った)。LC−MS:m/z=321.0(MH)、t=0.47分、方法A。
【0206】
8−メチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン(この反応はDIPEAを塩基として使用して60℃において1時間にわたって行った)。LC−MS:m/z=321.2(MH)、t=0.48分、方法A。
【0207】
2−[4−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(この反応はDIPEAを塩基として使用して60℃において2時間にわたって行った)。LC−MS:m/z=380.6(MH)、t=0.65分、方法A。
【0208】
5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(この反応はDIPEAを塩基として使用して70℃において1時間にわたって行った)。LC−MS:m/z=336.3(MH)、t=0.54分、方法A。
【0209】
5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=337.4、t(分、方法A)=0.58
【0210】
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=351.4、t(分、方法A)=0.58
【0211】
5−エチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH):m/z=350.5、t(分、方法A)=0.76
例6
【0212】
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン
【0213】
【化24】

メタンスルホニルクロリド(0.149g、0.13mmol)のジクロロメタン(2mL)中の溶液を、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル−メタノール(0.148g、0.1mmol)およびトリエチルアミン(0.303g、0.3mmol)のジクロロメタン(3mL)中の溶液に−10℃においてN下で添加した。添加の終了後、混合物を−10℃において1時間にわたって撹拌した。氷水(10mL)を添加し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空下において濃縮することによって、メタンスルホン酸ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルメチルエステルを黄色油として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。この物質(0.22g、0.1mmol)の無水ジクロロメタン(2mL)中の溶液を、1−メチル−4−フェニル−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−チオン(0.190g、0.1mmol)およびDIPEA(0.303g、0.3mmol)の無水DMF(3mL)中の溶液に−10℃においてN下で添加した。混合物を0℃において2時間にわたって撹拌し、次いで減圧下において濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することによって、標題化合物(50mg、15%)が得られた。LC−MS:m/z=321.1(MH)、t=2.16分、方法F。
例7
【0214】
2−(1−ベンジル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0215】
【化25】

5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(15mg、0.045mmol)のDMF(0.5mL)中の溶液に臭化ベンジル(5.4μL、0.045mmol)および炭酸カリウム(9.3mg、0.067mmol)を添加し、得られる混合物を75℃において一晩撹拌した。揮発性物質を蒸発させ、残渣を分取LC−MSによって精製することによって、標題化合物を産出した。LC−MS:m/z=426.3(MH)、t=1.06分、方法A。
【0216】
以下の本発明の化合物を類似の方法で調製した。
2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=460.7(MH)、t=1.16分、方法A。
5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1−プロピル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。LC−MS:m/z=378.6(MH)、t=0.80分、方法A。
2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。LC−MS:m/z=378.6(MH)、t=0.78分、方法A。
2−(1−シクロプロピルメチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。LC−MS:m/z=390.4(MH)、t=0.83分、方法A。
5,7−ジメチル−2−[1−(3−メチル−ブチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。LC−MS:m/z=406.6(MH)、t=0.99分、方法A。
2−[2−(5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−アセトアミド。LC−MS:m/z=393.5(MH)、t=0.52分、方法A。
5,7−ジメチル−2−[4−フェニル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。LC−MS:m/z=434.6(MH)、t=0.77分、方法A。
[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルスルファニルメチル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−アセトニトリル。LC−MS:m/z=375.2(MH)、t=0.70分、方法A。
2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−5,7−ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=378.5(MH)、t=0.79分、方法A。
2−(1−シクロプロピルメチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。LC−MS:m/z=390.5(MH)、t=0.85分、方法A。
2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルスルファニルメチル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−アセトアミド。LC−MS:m/z=393.5(MH)、t=0.51分、方法A。
[2−(5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−アセトニトリル。LC−MS:m/z=375.2(MH)、t=0.93分、方法A。
2−(1−ベンジル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。LC−MS:m/z=426.2(MH)、t=1.08分、方法A。
2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。LC−MS:m/z=460.5(MH)、t=1.18分、方法A。
2−(1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。LC−MS:m/z=364.5(MH)、t=0.70分、方法A。
例8
【0217】
5,7−ジメチル−2−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン
【0218】
【化26】

メチルリチウムのエーテル中の溶液(1.60M、0.205mL、0.328mmol)をジメチルスルホキシド(2.00mL、28.2mmol)に滴下し、混合物を40分間にわたって室温において撹拌した。5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(0.100g、0.298mmol)およびN−(2−クロロエチル)モルホリン(0.0666g、0.358mmol)のジメチルスルホキシド中の溶液を、生成したジムシルアニオンに滴下した。得られる混合物を80℃において45分間にわたって撹拌した。室温まで冷却した後、水を注意深く添加し、混合物を酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下において除去した。酢酸エチル:メタノール(95:5v/v)を使用して粗生成物をカラムクロマトグラフィーにかけることによって、生成物を黄色油として得た。生成物をできるだけ少ない量のメタノール中に溶解させ、エーテル性塩化水素を滴下することによって、標題化合物の塩酸塩を黄色固体として沈殿させ、この黄色固体をろ過によって採取し、エーテル(71mg、49%)で洗浄した。LC−MS:m/z=449.3(MH)、t=0.37分、方法C。
【0219】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
4−(2−(2−((8−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メチルチオ)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)モルホリン、LC−MS(MH):m/z=456.0、t(分,方法A)=2.08
4−(2−(2−((5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メチルチオ)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)モルホリン、LC−MS(MH):m/z=456.0、t(分,方法A)=2.16
2−(1−イソブチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=393.5、t(分,方法A)=0.88
5,7−ジメチル−2−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=450.6、t(分,方法A)=0.55
1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−エチル}−3−メチル−イミダゾリジン−2−オン、LC−MS(MH):m/z=463.6、t(分,方法A)=0.66
4−(2−(2−((8−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メチルチオ)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)モルホリン、LC−MS(MH):m/z=417.5、t(分,方法A)=2.26
4−(2−(2−((5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メチルチオ)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)モルホリン、LC−MS(MH):m/z=417.5、t(分,方法A)=2.22
4−(2−(2−(2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)モルホリン、LC−MS(MH):m/z=431.6、t(分,方法A)=2.26
2−(2−(1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH):m/z=346.4、t(分,方法A)=2.5
5,7−ジメチル−2−(2−(4−フェニル−1−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH):m/z=360.5、t(分,方法A)=2.53
2−[2−(1−イソブチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH):m/z=360.5、t(分,方法A)=0.88
2−[2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH):m/z=346.4、t(分,方法A)=0.79
1−メチル−3−(2−{2−[2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−エチル)−イミダゾリジン−2−オン、LC−MS(MH):m/z=430.5、t(分,方法A)=0.99
5−メチル−2−{2−[4−フェニル−1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH):m/z=429.6、t(分,方法A)=0.38
5,7−ジメチル−2−{2−[4−フェニル−1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=430.6、t(分,方法A)=0.46
2−[2−(1−イソブチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=375.5、t(分,方法A)=0.8
2−[2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=361.5、t(分,方法A)=0.7
1−(2−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−エチル)−3−メチル−イミダゾリジン−2−オン、LC−MS(MH):m/z=445.5、t(分,方法A)=0.61
5,7−ジメチル−2−{2−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=432.5、t(分,方法A)=0.44
5,7−ジメチル−2−[2−(4−フェニル−1−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH):m/z=361.5、t(分,方法A)=0.71
例9
【0220】
trans−5,7−ジメチル−2−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−イミダゾ[1,2−a]−ピリミジン
【0221】
【化27】

マイクロ波バイアルに2−クロロメチル−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン塩酸塩(500mg、2.15mmol)、および1,2−ジクロロエタン(16mL)を投入し、混合物中にアルゴンを気泡注入した。この混合物に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.350mL、2.34mmol)およびトリフェニルホスフィン(848mg、3.23mmol)を添加した。バイアルをクリンプキャップで密閉し、混合物を、マイクロ波シンセサイザを使用して140℃において1時間にわたって加熱した。揮発性物質を蒸発させることによって、粗製(5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリドが濃い灰色の固体(1.976g)として得られ、これを精製することなく使用した。
【0222】
1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド(109mg、0.585mmol)の無水THF中の溶液をアルゴン下で(5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムクロリド(536mg、0.585mmol)に添加し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(87.5μL、0.585mmol)を添加した。反応混合物を室温において3日間にわたって撹拌し、その後、これをCelite(登録商標)により蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配溶出、A:B 0:100→100:0、Aは酢酸エチル中に10%メタノール、Bはヘプタン)によって標題化合物およびホスホニウム出発原料の混合物が得られた。この混合物を無水THF中に溶解させ、一晩の反応時間、室温でアルデヒド120mgおよびジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン90μlを使用する反応条件に再び供した。上述の条件によるクロマトグラフィーによって、標題化合物(35mg、18%)が褐色固体として得られた。LC−MS:m/z=329.8(MH)、t=0.36分、方法C。
【0223】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
8−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
5,7−ジメチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ビニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
6,8−ジメチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ビニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
5,7−ジメチル−2−(2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ビニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
5,7−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
5,7−ジメチル−2−[2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
5−メチル−2−[2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
5,6,7−トリメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−7−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
5−メチル−2−{2−[4−フェニル−1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビニル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
例10
【0224】
5,7−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン
【0225】
【化28】

trans−5,7−ジメチル−2−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(13.0mg、0.0395mmol)のエタノール(4mL)中の溶液に、10%パラジウム炭素(9mg)を添加した。任意に、触媒量の酸、例えばトリフルオロ酢酸を添加することができる。水素ガスを流して気泡注入し、撹拌しながら水素雰囲気下で反応を一晩保持した。揮発性物質をろ過し蒸発させることによって、標題化合物(9.8mg、75%)が得られた。LC−MS:m/z=332.3(MH)、t=0.37分、方法A。
【0226】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
8−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH+):m/z=318.4、tR(分,方法A)=2.2
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH+):m/z=318.4、tR(分,方法A)=2.44
5,7−ジメチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH+):m/z=332.4、tR(分,方法A)=2.57
6,8−ジメチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH+):m/z=332.4、tR(分,方法A)=2.65
5,7−ジメチル−2−(2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンLC−MS(MH+):m/z=318.4、tR(分,方法A)=2.61
5,7−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH+):m/z=333.4、tR(分,方法A)=0.57
5,7−ジメチル−2−[2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH+):m/z=319.4、tR(分,方法A)=0.57
5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH+):m/z=332.4、tR(分,方法A)=0.71
5−メチル−2−[2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH+):m/z=304.4、tR(分,方法A)=0.6
5,6,7−トリメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH+):m/z=347.4、tR(分,方法A)=0.63
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−7−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS(MH+):m/z=395.5、tR(分,方法A)=0.8
5−メチル−2−{2−[4−フェニル−1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS(MH+):m/z=415.6、tR(分,方法A)=0.5
例11
【0227】
trans−5,8−ジメチル−2−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン
【0228】
【化29】

2−クロロメチル−5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(1.351g、6.87mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.80g、6.87mmol)のアセトニトリル150mL中の溶液を12時間にわたって加熱還流させた。溶媒を真空下において除去し、残渣をエーテル中にスラリーとし、ろ過し、乾燥させることによって、(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムの塩化物を灰色がかった白色の固体(2.412g、74.9%)として産出した。LC−MS:m/z=423.2([M−Cl]+)、tR=0.86分、方法A。
【0229】
1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド(220mg、1.18mmol)の無水THF中の溶液を、アルゴン下で(5,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルメチル)−トリフェニル−ホスホニウムの塩化物(500mg、1.18mmol)に添加し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(176μL、1.18mmol)を添加した。反応混合物を室温において2時間にわたって撹拌し、その後、この反応混合物をシリカゲル(2g)上で蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配溶出、A:B 50:50→100:0、Aは酢酸エチル、Bはヘプタン)によって、標題化合物(334mg、79%)が灰色がかった白色の固体として得られた。LC−MS:m/z=331.4(MH)、t=0.65分、方法A。
【0230】
以下の化合物を類似の方法で調製し、事前に精製または特徴の決定をすることなく最終化合物の調製に使用した。
trans−1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−ビニル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール
trans−(S)−1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−ビニル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール
trans−8−メトキシ−5−メチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ビニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
trans−(R)−1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−ビニル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール
trans−8−フルオロ−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ビニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
trans−1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−ビニル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−2−メチル−プロパン−2−オール
trans−8−エチル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン
trans−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−7−プロピル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
trans−7−メトキシ−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン
trans−7−イソプロピル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
trans−2−{2−[4−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビニル}−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
trans−7−メトキシ−5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン
trans−5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン
trans−2−{2−[4−(2−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビニル}−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
trans−{5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル}−メタノール
trans−8−エチル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
trans−5,8−ジメトキシ−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
例12
【0231】
5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン
【0232】
【化30】

trans−5,8−ジメチル−2−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−イミダゾ[1,2−a]ピラジン(330mg、1.0mmol)のメタノール(50mL)中の溶液を、H−Cube(登録商標)連続水素化反応装置(ThalesNano)の10%Pd/Cの小型カートリッジ(THS01111)に、流速1mL/分、内部温度25℃、および水素圧1バールで通過させた。揮発性物質を蒸発させることによって、標題化合物(178mg、51%)が得られた。LC−MS:m/z=333.2(MH)、t=0.57分、方法A。
【0233】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−イミダゾ[1,2−c]ピリミジン、LC−MS:m/z=333.2(MH)、t=0.67分、方法E。
1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール、LC−MS:m/z=377.4(MH)、t=0.58分、方法A。
(S)−1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール、LC−MS:m/z=377.4(MH)、t=0.58分、方法A。
(R)−1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール、LC−MS:m/z=377.4(MH)、t=0.59分、方法A。
1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−2−メチル−プロパン−2−オール、LC−MS:m/z=391.8(MH)、t=0.64分、方法A。
8−メトキシ−5−メチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=348.4([M−Cl])、t=0.77分、方法E。
8−フルオロ−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=322.4(MH)、t=0.60分、方法A。
8−エチル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、LC−MS:m/z=347.4(MH)、t=0.67分、方法A。
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−7−プロピル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS:m/z=361.5(MH)、t=0.74分、方法A。
7−メトキシ−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、LC−MS:m/z=349.4(MH)、t=0.63分、方法A。
7−イソプロピル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS:m/z=361.5(MH)、t=0.74分、方法A。
2−{2−[4−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS:m/z=369.4(MH)、t=0.64分、方法A。
7−メトキシ−5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、LC−MS:m/z=363.4(MH)、t=0.78分、方法A。
5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、LC−MS:m/z=333.4(MH)、t=0.58分、方法A。
2−{2−[4−(2−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、LC−MS:m/z=363.4(MH)、t=0.62分、方法A。
{5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル}−メタノール、LC−MS:m/z=349.4(MH)、t=0.47分、方法A。
8−エチル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=346.4(MH)、t=0.93分、方法E。
5,8−ジメトキシ−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、LC−MS:m/z=364.4(MH)、t=0.70分、方法E。
【0234】
薬理学的試験
酵素PDE10A
活性のある酵素PDE10Aを、PDEアッセイで使用するために多様な方法によって調製する(Loughney, K.ら、Gene 1999、234、109〜117頁(非特許文献2)、Fujishige, K.ら、Eur. J. Biochem. 1999、266、1118〜1127頁(非特許文献3)、およびSoderling, S.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. 1999、96、7071〜7076頁(非特許文献4))。PDE10Aは、それらが触媒ドメインを発現する限り、完全長タンパク質としても切断型タンパク質(truncated protein)としても発現することができる。PDE10Aは、細胞型の異なる細胞、例えば昆虫の細胞またはE.coliにおいて調製することができる。触媒活性のあるPDE10Aを得る方法の例は以下である。ヒトPDE10A(受託番号(accession number)NP006652の配列に由来するアミノ酸440〜779)の触媒ドメインを完全なヒト脳の全RNAから標準的RT−PCRによって増幅し、pET28aベクター(Novagen)のBamH1およびXho1部位中にクローニングする。coliにおける発現は、標準的なプロトコールに従って実行する。簡潔には、発現プラスミドでBL21(DE3)E.coli株を形質転換し、細胞を播種した培養物50mLをOD600が0.4〜0.6になるまで増殖させ、続いてタンパク質発現を0.5mM IPTGによって誘導する。誘導に続いて、細胞を室温において一晩インキュベートし、その後、細胞を遠心分離によって採取する。PDE10Aを発現する細胞を12mL(50mM Tris−HCl pH8.0、1mM MgClおよびプロテアーゼ阻害剤)中に再懸濁する。細胞を音波処理によって溶解し、全ての細胞が溶解された後、Novagenのプロトコールに従ってTritonX100を添加する。PDE10AをQセファロースで一部精製し、最も活性の高い画分を取り置いた。
【0235】
PDE10Aの阻害アッセイ
PDE10Aアッセイは、例えば以下のように実行されてもよい。固定量の関連するPDE酵素(環状ヌクレオチド基質の20〜25%を十分に変換できる量)、緩衝液(50mM HEPES7.6、10mM MgCl、0.02% Tween20)、0.1mg/ml BSA、H標識環状ヌクレオチド基質225pCi、最終濃度が上限5nMであるトリチウム標識cAMPおよび多様な量の阻害剤を含有する試料60uL中でアッセイを実行する。環状ヌクレオチド基質を添加することによって反応を開始し、反応を室温において1時間進行させた後、8mg/mLケイ酸イットリウムSPAビーズ(Amersham)15uLと混合することによって停止させる。ビーズを1時間にわたって暗所に置いた後、プレートをWallac 1450 Microbetaカウンタによってカウントする。測定されたシグナルを未阻害のコントロール(100%)に対する活性に変換することができ、EXCELの拡張機能であるXlfitを使用してIC50値を計算することができる。
【0236】
本発明の関連では、H−cAMP 10nMの20〜25%を十分に変換できる量のPDE10Aおよび多様な量の阻害剤を含有するアッセイ緩衝液(50mM HEPES pH7.6、10mM MgCl、0.02% Tween20)60uL中でアッセイを実行した。1時間インキュベートした後、8mg/mLケイ酸イットリウムSPAビーズ(Amersham)15uLを添加することによって反応を停止させた。ビーズを1時間にわたって暗所に置いた後、プレートをWallac 1450 Microbetaカウンタによってカウントした。IC50値をXLfit(IDBS)を使用して非線形回帰によって計算した。
【0237】
実験の結果は、試験した本発明の化合物は酵素PDE10AをIC50値700nM未満で阻害するということを示した。
【0238】
実験の結果は、本発明の化合物の大部分は1500nMより小さいIC50値を有し、化合物の多くは100nMより小さいIC50値を、化合物のいくつかは50nMより小さいIC50値を有し、10nMより小さいIC50値を有するものもあるということを示した。
【0239】
フェンシクリジン(PCP)に誘導される多動
体重20〜25gの雄マウス(NMRI、Charles River)を使用する。各群につきマウス8匹を使用し、各群は、試験化合物(5mg/kg)に加えてPCP(2.3mg/kg)を投与する群と、同時試験用のコントロール群として試験化合物のビヒクルに加えてPCPを投与する群またはビヒクル注射のみの群を含む。注射用量は10ml/kgである。実験は、標準的な光条件において静かな部屋で行う。皮下投与によりPCP注射する60分前に、試験物質を経口的に注入する。
【0240】
PCP注射後速やかに、特殊設計された試験用ケージ(20cm×32cm)中にマウスを個別に入れる。4cm間隔で配置された5×8赤外光源および光電セルによって活性を測定する。光線は、ケージ底から上1.8cmのところでケージを横切る。運動性のカウントを記録するには近接する光線を妨げる必要があり、したがって、静止しているマウスの動きに誘導されたカウントを除外する。
【0241】
運動性を5分間隔で1時間にわたって記録する。1時間の行動試験中におけるカウントの合計をもとに、薬品の効果を以下の手法によって計算する。PCPの非存在下においてビヒクル治療によって誘導された運動性の平均をベースラインとして使用する。そして、100パーセントとしてのPCPの効果を、運動性のカウントの合計からベースラインを差し引いたものとして計算する。このように、運動性のカウントの合計からベースラインを差し引くことによって、試験化合物を投与した群における応答を決定し、同時試験用のPCPコントロール群について記録された同類の結果に対するパーセントで表す。パーセント応答をパーセント阻害に変換する。
【0242】
実験の結果は、試験した本発明の化合物は、PCPに誘導された多動を上述の表2中に示す%値まで阻害するインビボにおいて有効な化合物であるということを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾールまたは2−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル−スルファニル−メチル)−1H−ベンゾイミダゾールではないことを条件として、構造Iを有する化合物
【化1】

[式中、HETは、窒素原子2〜4個を含有する式IIの複素芳香族基であり、
【化2】

ここで、YはNまたはCHであることができ、ZはNまたはCであることができ、そしてHETは場合により、水素、C〜Cアルキル、ハロゲン、シアノ、ハロ(C〜C)アルキル、アリール、アルコキシおよびC〜Cヒドロキシアルキルから個別に選択される置換基R〜Rの上限3つまでで置換されていてもよく、そしては結合点を表し、
−L−は、−CH−CH−、−S−CH−、−CH−S−または−CH=CH−から選択されるリンカーであり、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル(C〜C)シクロアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、CHCN、CHC(O)NH、C〜CアリールアルキルおよびC〜Cアルキル−ヘテロシクロアルキルから選択され、
〜Rは、H、C〜Cアルコキシおよびハロゲンから個別に選択される]、
ならびにその互変異性体および薬学的に許容可能な酸付加塩、およびその多形体。
【請求項2】
HETが、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン、イミダゾ[1,2−a]ピリミジン、イミダゾ[4,5−b]ピリミジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンおよび5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジンからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
HETが、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン、5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、5−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、5−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、5−トリフルオロメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、6−ブロモ−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、6−ブロモ−7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、6−クロロ−8−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、6−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、7−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンおよび8−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジンからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
HETが1−メチル−1H−ベンゾイミダゾールおよび1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾールからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
HETが[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−カルボニトリルまたはイミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−カルボニトリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
HETが2−(6−クロロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エタノールである請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
−L−が−CH−CH−である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項8】
−L−が−CH−S−である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項9】
−L−が−S−CH−である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項10】
−L−が−CH=CH−である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項11】
R1が水素である、請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項12】
R1が水素ではない、請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項13】
、R、R、RおよびRが全て水素である、請求項1〜12のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項14】
、R、R、RおよびRの少なくとも1つがメトキシ等のC〜Cアルコキシである、請求項1〜12のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項15】
、R、R、RおよびRの少なくとも1つが塩素またはフッ素等のハロゲンである、請求項1〜12のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項16】
、RおよびRが全て水素である、請求項1〜15のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項17】
、RおよびRの少なくとも1つがメチル等のC〜Cアルキルである、請求項1〜15のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項18】
、RおよびRの少なくとも1つがC〜Cアルコキシである、請求項1〜15のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項19】
、RおよびRの少なくとも1つが塩素または臭素等のハロゲンである、請求項1〜15のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項20】
化合物が、
5,7−ジメチル−2−[1−(3−メチル−ブチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1−プロピル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
2−(1−シクロプロピルメチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
5,7−ジメチル−2−((1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルチオ)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
5,7−ジメチル−2−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン:
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−シクロプロピルメチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−ベンジル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
[2−(5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−アセトニトリル;
5,7−ジメチル−2−[4−フェニル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5−トリフルオロメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン;
2−(1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5,7−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルスルファニルメチル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−アセトニトリル;
2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−ベンジル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
6−クロロ−8−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
trans−5,7−ジメチル−2−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−イミダゾ[1,2−a]−ピリミジン;
2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
2−[4−(3−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
2−(5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イルアミン;
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン;
2−[4−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
7−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−[4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−[4−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルスルファニルメチル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−アセトアミド;
2−[4−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
5−クロロ−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン;
8−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン;
2−[4−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−[4−(2−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−[2−(5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−アセトアミド;
2−(1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(2−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−カルボニトリル
2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
6−ブロモ−5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−[4−(3−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン;
5−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン;
2−[4−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(6−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イルアミン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン;
6−クロロ−8−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン;
2−[4−(4−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
6−ブロモ−7−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
2−[2−(1−アミノ−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−6−クロロ−ベンゾイミダゾール−1−イル]−エタノール;
2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イルアミン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−カルボニトリル;
2−[4−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
1−メチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
8−メチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン;
2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−5,7−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
4−(2−(2−((8−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メチルチオ)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)モルホリン;
8−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
8−メチル−2−{2−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5−メチル−2−{2−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
4−(2−(2−((5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メチルチオ)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)モルホリン;
5,7−ジメチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
4−(2−(2−(2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)モルホリン;
6,8−ジメチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5,7−ジメチル−2−(2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5,7−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
2−(2−(1−エチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5,7−ジメチル−2−(2−(4−フェニル−1−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5,7−ジメチル−2−[2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5,7−ジメチル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5−メチル−2−[2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−(1−イソブチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5,7−ジメチル−2−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−7−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
2−[2−(1−イソブチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−[2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
1−メチル−3−(2−{2−[2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−エチル)−イミダゾリジン−2−オン;
5−メチル−2−{2−[4−フェニル−1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
ジイソプロピル−(2−{2−[2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−エチル)−アミン;
8−メトキシ−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イルメチルスルファニル)−4−フェニル−イミダゾール−1−イル]−エチル}−3−メチル−イミダゾリジン−2−オン;
5,6,7−トリメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−7−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5−メチル−2−{2−[4−フェニル−1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
2−[4−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5−エチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
5,7−ジメチル−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5,7−ジメチル−2−{2−[4−フェニル−1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
2−[2−(1−イソブチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
2−[2−(1−イソプロピル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
1−(2−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−エチル)−3−メチル−イミダゾリジン−2−オン;
(2−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−エチル)−ジイソプロピル−アミン;
5,7−ジメチル−2−{2−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5,7−ジメチル−2−[2−(4−フェニル−1−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール;
(S)−1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール;
8−メトキシ−5−メチル−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
(R)−1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−プロパン−2−オール;
8−フルオロ−2−(2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン;
1−{2−[2−(5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−エチル]−4−フェニル−イミダゾール−1−イル}−2−メチル−プロパン−2−オール;
8−エチル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;
5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−7−プロピル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン;
7−メトキシ−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;
7−イソプロピル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
2−{2−[4−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
7−メトキシ−5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;
5,8−ジメチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン;
2−{2−[4−(2−メトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル]−エチル}−5,7−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
{5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル}−メタノール;
8−エチル−5−メチル−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、および
5,8−ジメトキシ−2−[2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物、
およびその薬学的に許容可能な酸付加塩。
【請求項21】
医薬としての請求項1〜20のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項22】
単独でまたはセルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタント等の1つもしくは2つ以上の神経弛緩薬との組合せで、神経変性障害または精神障害の治療において使用するための、条件を除いた請求項1〜20のいずれか一つに記載の化合物であって、前記神経変性障害が、アルツハイマー病、多発脳梗塞性痴呆、アルコール性痴呆または他の薬物関連痴呆、頭蓋内腫瘍もしくは脳損傷に関連する痴呆、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する痴呆、またはAIDS関連痴呆;譫妄;健忘性障害;心的外傷後ストレス障害;精神遅滞;学習障害、例えば読字障害、算数障害、または書字表出障害;注意欠陥多動性障害;および加齢関連認知低下からなる群より選択され、前記精神障害が、例えば妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型または残遺型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば妄想型または抑うつ型の統合失調感情障害;妄想性障害;双極性障害、例えば双極I型障害、双極II型障害、および気分循環性障害;物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンにより誘導される精神病;妄想型人格障害;および統合失調質人格障害からなる群より選択される、化合物。
【請求項23】
ヒトを含む哺乳動物におけるアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン剤嗜癖等の薬物嗜癖の治療において使用するための、条件を除いた請求項1〜20のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項24】
ヒトを含む哺乳動物におけるアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン剤嗜癖等の薬物嗜癖の治療において使用するための医薬を製造するための、条件を除いた請求項1〜20のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項25】
神経変性障害または精神障害の治療において使用するための医薬を製造するための、条件を除いた請求項1〜20のいずれか一つに記載の化合物であって、前記神経変性障害が、アルツハイマー病、多発脳梗塞性痴呆、アルコール性痴呆または他の薬物関連痴呆、頭蓋内腫瘍もしくは脳損傷に関連する痴呆、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する痴呆、またはAIDS関連痴呆;譫妄;健忘性障害;心的外傷後ストレス障害;精神遅滞;学習障害、例えば読字障害、算数障害、または書字表出障害;注意欠陥多動性障害;および加齢関連認知低下からなる群より選択され、前記精神障害が、例えば妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型または残遺型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば妄想型または抑うつ型の統合失調感情障害;妄想性障害;双極性障害、例えば双極I型障害、双極II型障害、および気分循環性障害;物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンにより誘導される精神病;妄想型人格障害;および統合失調質人格障害からなる群より選択される、化合物。
【請求項26】
請求項25に記載の治療において使用するための医薬を製造するための化合物であって、精神障害の治療が、セルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタント等の神経弛緩薬の併用投与を含む、化合物。
【請求項27】
神経変性障害または精神障害に罹患している対象を治療する方法であって、前記神経変性障害が、アルツハイマー病、多発脳梗塞性痴呆、アルコール性痴呆または他の薬物関連痴呆、頭蓋内腫瘍もしくは脳損傷に関連する痴呆、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する痴呆、またはAIDS関連痴呆;譫妄;健忘性障害;心的外傷後ストレス障害;精神遅滞;学習障害、例えば読字障害、算数障害、または書字表出障害;注意欠陥多動性障害;および加齢関連認知低下からなる群より選択され、前記精神障害が、例えば妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型または残遺型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば妄想型または抑うつ型の統合失調感情障害;妄想性障害;双極性障害、例えば双極I型障害、双極II型障害、および気分循環性障害;物質誘発性精神病性障害、例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイドまたはフェンシクリジンにより誘導される精神病;妄想型人格障害;および統合失調質人格障害からなる群より選択され、条件を除いた請求項1〜20のいずれか一つに記載の化合物の有効量を、単独で、またはセルチンドール、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタント等の神経弛緩薬の1つもしくは2つ以上との組合せで投与することを含む方法。
【請求項28】
ヒトを含む哺乳動物において、薬物嗜癖、例えばアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン剤嗜癖に罹患している対象を治療する方法であって、薬物嗜癖の治療に効果的な量の式Iの化合物を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項29】
ヒトを含む哺乳動物において、薬物嗜癖、例えばアルコール、アンフェタミン、コカインまたはアヘン剤嗜癖に罹患している対象を治療する方法であって、PDE10Aの阻害に効果的な量の式Iの化合物を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項30】
条件を除いた請求項1〜20のいずれか一つに記載の化合物の治療的有効量、ならびに1種または2種以上の薬学的に許容可能な担体、希釈剤および賦形剤を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2011−524381(P2011−524381A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513878(P2011−513878)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050134
【国際公開番号】WO2009/152825
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(591143065)ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット (129)
【Fターム(参考)】