説明

酸感応性、現像剤可溶性の下層反射防止膜

酸感応性、現像剤可溶性の下層反射防止膜組成物、その組成物の使用方法、および組成物から形成されるマイクロエレクトロニクス構造を提供する。組成物は好ましくは、溶剤系に溶解または分散された架橋可能なポリマーを含む。ポリマーは好ましくはアダマンチル基を有する繰り返しモノマー単位を含む。また組成物は、好ましくは、ポリマーと共に溶剤系中に分散または溶解しているビニルエーテル架橋剤のような架橋剤を含む。いくつかの実施態様では、組成物は光酸発生剤(PAG)および/または消光剤を含むこともある。下層反射防止膜組成物は、熱的に架橋可能であるが、酸の存在下では脱架橋し、現像剤可溶性にさせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は2009年2月19日提出の、第61/153,909号「ANTI−REFLECTIVE COATINGS WITH ACID−CLEAVABLE,ADAMANTIL MONOMER IN BINDER POLYMER(結合剤ポリマー中に、酸開裂性、アダマンチルモノマーを含有する、反射防止膜)」の優先権の利益を主張するものであり、当該出願を引用として本明細書に含める。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ポリマー中にアダマンチルモノマーを用いて形成され、優れた反射制御および良好なフォトレジスト適合性を有する、新規の湿式現像可能な下層反射防止膜に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路(IC)業界が、形状寸法を微細化し情報格納容量を増大化する動きを継続するにつれて、193−nmリソグラフィーに必要とされる限界寸法(CD)制御を提供するために、優れた反射防止技術が求められてくる。下層反射防止膜は、臨界的適用にも注入などの非臨界的適用にさえも選択される反射防止材料であろう。45−、32−、および22−nmノードの注入層にとっては、上部反射防止膜を有する染色レジストを使用することは十分ではない。45−nmノードのための注入に所望されるCDは約150nmであり、32−および22−nmノードのための注入に所望されるCDは約130nmである。
【0004】
現在多くの適用で用いられている下層反射防止膜はプラズマ現像される(乾式)が、あまり用いられていない現像剤可溶性(湿式)の下層反射防止膜は、乾式現像では必要となる反応性イオンエッチング(RlE)工程を省略し、積層中のプラズマ感応性層に対する潜在的なダメージを軽減する、などの一定の利点を提供する。露光したレジストと、現像剤可溶性の下層反射防止膜が、同じ工程でフォトレジスト現像剤(例えば、水性テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH))を用いて除去される。これら現像剤可溶性反射防止膜は、下層反射防止膜の現像工程中に、露光していないレジストの除去を最小化することによって、エッチング域を増大させる。しかし、現像剤可溶性下層反射防止膜は、乾式下層反射防止膜によって達成可能な解像度を常に提供するとは限らず、通常は、解像度がそれほど厳しく求められない注入層のような非臨界的適用を目的とする。
【0005】
感光性、ポジ型の現像剤可溶性下層反射防止膜を作製するために、多くの様々な化学的プラットフォームが既に論じられている。これらの下層反射防止膜は、通常、熱硬化性であって、(a)ポリマー結合剤を用いた、染料−充填、下層反射防止膜、(b)ポリマー結合した発色団を持つ、酸分解性、ハイパーブランチポリマーを用いて形成された膜、または(c)染料−結合、線形ポリマーを用いて形成された膜、を含有する。上述の3種類のアプローチでは、ポリマー膜は、ホットプレート焼成工程中に、溶剤不溶性になる(架橋される)。適切な光源に露光し、その後露光後焼成(PEB)を行うと、これらは分解して現像剤−または水―可溶性物質になる。それにもかかわらず、臨界的なマイクロリソグラフィーの適用に必要な改善された解像度と処理許容度とを有する下層反射防止膜プラットフォームに対する必要性は今なお存在する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、広くマイクロエレクトロニクス構造の形成方法に関する。本発明の方法は、表面を有する基板を準備する工程と、基板表面の上に反射防止層を形成する工程と、反射防止層にフォトレジストを塗布し、画像形成層を形成する工程とを含む。反射防止層は、溶剤系中に溶解または分散された架橋可能なポリマーを含有する反射防止組成物から形成される。該ポリマーはアダマンチル基を有する繰り返しモノマー単位を含む。
【0007】
また本発明は、表面を有する基板と、前記基板表面に隣接する硬化した反射防止層と、該反射防止層に隣接するフォトレジスト層と、を含むマイクロエレクトロニクス構造に関する。反射防止層は、溶剤系中に溶解または分散された架橋可能なポリマーを含有する反射防止膜組成物から形成される。該ポリマーはアダマンチル基を有する繰り返しモノマー単位を含む。
【0008】
また、溶剤系中に溶解または分散された架橋可能なポリマーと架橋剤とを含む、反射防止膜組成物を提供する。ポリマーは、アダマンチル基を持つ繰り返しモノマー単位と、酸基を持つ繰り返しモノマー単位とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の組成物およびプロセスによって形成された構造を示す概略図(スケール表記なし)である。
【図2】図2の(a)は、実施例の項の、実施例2、5、8、14、および16のために作製された、フォトレジスト無しで露光し、110℃のPEBを用いた、様々な下層反射防止膜の対比曲線のグラフである。図2の(b)は、実施例の項の、実施例2、5、8、14、および16のために作製された、フォトレジスト無しで露光し、120℃のPEBを用いた、様々な下層反射防止膜の対比曲線のグラフである。図2の(c)は、実施例の項の、実施例2、5、8、14、および16のために作製された、フォトレジストで覆って露光し、110℃のPEBを用いた、様々な下層反射防止膜の対比曲線のグラフである。
【図3】図3は、表示された露光時間で、各種の下層反射防止膜を用いて、実施例2、5、8、および14において実施された193−nmリソグラフィーの走査型電子顕微鏡(SEM)断面写真である。
【図4】図4は、実施例3において実施された193−nmリソグラフィーのSEM断面写真であり(a)は各露光時間において38nmの下層反射防止膜を用いたものであり、(b)は各露光時間において54〜55nmの下層反射防止膜を用いたものである。
【図5】図5は、各露光時間で、実施例6で作製した下層反射防止膜を用いて実施された193−nmリソグラフィーのSEM断面写真である。
【図6】図6は、各露光時間で、実施例10で作製した下層反射防止膜を用いて実施された193−nmリソグラフィーのSEM断面写真である。
【図7】図7は、各露光時間で、実施例17で作製した下層反射防止膜を用いて実施された193−nmリソグラフィーのSEM断面写真である。
【図8】図8の(a)は、各露光時間で、実施例18で作製した下層反射防止膜を用いて実施した193−nmリソグラフィーの、密集(dense)または孤立(isolated)ラインのSEM断面の写真である。図8の(b)は、図8の(a)の密集および孤立ラインの最も良好なSEM断面の拡大図である。
【図9】図9の(a)は、各露光時間で、実施例20で作製した下層反射防止膜を用いて実施した193−nmリソグラフィーの、密集または孤立ラインの、SEM断面写真である。図9の(b)は、図9の(a)の密集および孤立ラインの最良のSEM断面拡大図である。
【図10】図10は、、各露光時間で、実施例21で作製した下層反射防止膜および市販されている2種のフォトレジスト(a)TarF−Pi6−001(TOK社製)および(b)SAIL−X−181(Shin−Etsu社製)を用いて実施した193−nmリソグラフィーのSEM断面写真である。
【図11】図11は実施例22で作製した下層反射防止膜の、時間経過による昇華物を、2種の市販の193−nm乾式下層反射防止膜と比較したグラフである。
【図12】図12は、各反射防止膜について、実施例22において回収した総昇華物の棒グラフである。
【図13】図13は、各露光線量において、実施例23の本発明の下層反射防止膜の、シリコンウエハ上の現像後残滓と、市販の湿式現像可能な反射防止膜の残滓とを比較した2種類のグラフである。
【図14】図14は、実施例24の、本発明の下層反射防止膜の窒化ケイ素上の、現像後の残滓を市販の湿式現像可能な反射防止膜の残滓と比較したグラフである。
【図15】図15の(a)は、解像度が110nm〜160nmで、PEB温度が106℃の、実施例25の193−nmリソグラフィーの、密集、半密集および孤立ラインの、SEM断面写真である。図15の(b)は、異なるPEB温度を用いた、実施例25で実施した193nmリソグラフィーのSEM断面写真である。
【図16】図16は、本発明の反射防止膜組成物を用いて、異なるPEB温度を用いた、実施例26で実施した193nmリソグラフィーのSEM断面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は新規な下層反射防止膜組成物、これらの組成物の使用方法、およびこれらの組成物から形成される構造に関する。組成物は、硬化すると、好ましくは、有機溶剤およびフォトレジスト現像剤の双方において、不溶性であるが、酸の存在下では、脱架橋可能であり、現像剤を用いて除去できる。いくつかの態様では、硬化した(すなわち、架橋した)反射防止膜組成物は、放射線に露光し、その後PEBを行うことによって、脱架橋する。すなわち、組成物は感光性である。別の態様では、組成物は、本質的には感光性ではないが、露光中、別の層(例えば、フォトレジスト)からの酸拡散に依存して、硬化した組成物を脱架橋させる。いずれの場合でも、これにより、反射防止膜に、溶解速度の異なる、露光された部分と露光されない部分ができ、それによって露光されていない部分を除去することなく、露光された部分を除去することが可能になる。従って、これら両態様においては、本発明の下層反射防止膜組成物は、湿式現像可能である。本明細書中で用いられる、「現像剤可溶性」または「湿式現像可能」という用語は、組成物が、脱架橋すると、塩基性現像剤中または水中で、可溶化されうるための、本書中に記載されるような従来の水性現像剤または水によって、実質的に、除去されうるという意味である。
【0011】
組成物は、溶剤系中に溶解または分散された、架橋可能なポリマー(ポリマー結合剤)を含有することが好ましく、熱的に架橋可能なポリマーを含有することがより好ましい。また、組成物は溶剤系中にポリマーと共に分散または溶解した架橋剤(架橋用薬剤と称することもある)を含有することが好ましい。いくつかの実施態様では、組成物は、また、光酸発生剤(PAG)および/または消光剤を含有することもある。
【0012】
ポリマーは、好ましくは、アダマンチル基を有する繰り返しモノマー単位を含む。アダマンチル基はポリマーの主鎖の一部であってもよく、または側鎖のアダマンチル基であってもよい。1つの実施態様では、アダマンチル基は、好ましくは、連結基(例えば、エステル、またはエーテルなど)を介してポリマー主鎖に結合する。アダマンチル基は、好ましくは、酸に不安定(開裂性)である。本明細書中、「酸に不安定な」または「酸開裂性」アダマンチルとは、ポリマーへの連結基上の酸素に結合した炭素(α−炭素)のところに、置換基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、またはシアノメチル)を持つアダマンチル基を意味する。アダマンチル基を持つ繰り返しモノマー単位は、好ましくは、熱的架橋中は、ポリマーの架橋に関与しない。また、アダマンチル基は、それ自体、酸基を含まない(例えば、−OH基がない)ことが好ましい。ポリマーの形成に用いるのに特に好ましいアダマンチルモノマーとしては、アダマンチルアクリレートおよびメタクリレートが含まれ、ここで、アダマンチルメタクリレートが特に好ましく、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート(IPM)、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート(EM)、(2−アダマンチロキシ)メチルメタクリレート(AM)、2−(シアノメチル)−2−アダマンチルメタクリレート(CAM)、および2−[(2−メチル−アダマンチル)−オキシ]−カルボニルメチルメタクリレート(MACM)から成る群から選択される。アダマンチルモノマーは、ポリマーの総重量を100重量%とするときに、好ましくは約10重量%以上、より好ましくは約10重量%〜約60重量%、更により好ましくは約15重量%〜約55重量%のレベルでポリマー中に存在する。
【0013】
また、好ましいポリマーは、酸官能基を有する繰り返しモノマー単位を含む(すなわち、側鎖に酸性官能性を持つ)ことがある。好ましい酸基は、ヒドロキシル基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、フェノール樹脂(−Ar−OH)、フルオロアルコール(−C(CFOH)、およびそれらの混合物から成る群から選択される。上述したように、側鎖アダマンチル基は、好ましくは、酸含有ではない。同様に、本発明では、酸性官能性を有する繰り返しモノマー単位は、好ましくは、非アダマンチルを主体とするモノマーである(すなわち、アダマンチルを含まない)。好ましくは酸基は、ポリマーの総重量を100重量%とするときに、約3重量%以上、好ましくは約4重量%〜約30重量%、さらにより好ましくは約5重量%〜約25重量%のレベルでポリマー中に存在する。先行技術の組成物と異なり、架橋部位(または架橋部分)として機能する酸基は、保護基によって保護されていないことが好ましい。すなわち、酸基の約95%以上、好ましくは約98%以上、好ましくは約100%が保護基を含まない。保護基とは、酸基が反応するのを防ぐ基である。
【0014】
このように、特に好ましいポリマーは、次の繰り返しモノマー単位を含む。
【化1】

式中、各Rlは、−H、分岐および非分岐アルキル(好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはC〜Cアルキル)、および環状基(複素環を含む;好ましくは3〜12環員、より好ましくは4〜8環員)から成る群から選択される。各R2は、−OH、−L−OH、−COOH、−L−COOH、および−L−C(CFOH、から成る群から独立に選択され、ここで、Lは任意の適切な連結基(例えば、分岐および非分岐アルキル(C〜C100、好ましくはC〜C20、更に好ましくはC〜C)、芳香族(−Ar)、またはアミド)でありうる。各R3は、以下から成る群から独立に選択される。
【0015】
【化2】

式中、各R4は、分岐および非分岐アルキル(C〜Cアルキル、好ましくはC〜Cアルキル)、およびシアノアルキル、から成る群から独立に選択される。ポリマー中のx、yのパーセントモル比は、好ましくは約90:10〜約30:70、より好ましくは約85:15〜約60:40である。
【0016】
あるいは、側鎖アダマンチル基を有する繰り返しモノマー単位の代わりに、またはそれに追加して、酸に不安定なアダマンチル基を上述の方法でポリマーの主鎖に組み込んでもよい。当業者であれば、別の重合技術を用いて、例えば次のようなポリマーに1つの基を含むこともできるであろう。
【0017】
【化3】

式中、各R4は、上記で定義したものと同じであるが、R4基の1つは、−Hであってもよい。各R5基は重合可能な官能基を含む。また、異なるレベルの、酸に不安定な、感応度を示す、異なるモノマーを選択することもできる。
【0018】
染料(例えば、光減衰部分、または化合物または発色団)を、組成物中に含むこともできる。染料は、例えば、ポリマーを用いて、染料を、溶剤系中に溶解または分散させることなどによって、簡単に反射防止組成物の中に物理的に混合することができる。染料を組成物中に物理的に混合するときは、適切な染料としては、低分子の、およびオリゴマーまたはポリマーの発色団(例えば、分岐ポリ(4−ヒドロキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸);3,7−ジヒドロキシ2−ナフトエ酸;3,7−ジヒドロキシ2−ナフトエ酸−結合トリス(2、3−エポキシプロピル)イソシアネート(TEPIC);スチレン−無水マレイン酸共重合体、9−アントラセンカルボン酸:ヒドロキシ−安息香酸−結合TEPIC;シアノ安息香酸−結合TEPIC:およびそれらの混合物、のような、ポリ(ヒドロキシスチレン))が含まれる。
【0019】
より好ましくは、染料は、ポリマーの官能基に結合している、または更により好ましくは、ポリマーの主鎖に直接(すなわち、それ自体のモノマー繰り返し単位から)結合している。また、染料はポリマー主鎖に組み込むことができる(すなわち、上述の方法でモノマー単位の一部として、またはそれ自体追加のモノマー単位として)。反射防止膜組成物に用いるのに適切な染料は、好ましくは、スチレン、フェニル、ナフタレン、アントラセン、それらの誘導体およびそれらの組合せ、から成る群から選択される。染料が結合される実施態様に関しては、染料は、好ましくは、ポリマーの総重量を100重量%とするときに、約15重量%以上、好ましくは約18重量%〜約65重量%、更により好ましくは約20重量%〜約55重量%のレベルでポリマー中に存在する。
【0020】
更に詳細には、ポリマーは好ましくは、アダマンチルアクリレートおよびアダマンチルメタクリレートから成る群から選択される第1の化合物と、スチレン、アクリル、メタクリル、ビニル、ビニルエーテル、それらの誘導体、およびそれらの組合せ、から成る群から選択される、少なくとも1つの、第2の化合物との重合から形成される。
【0021】
ポリマー中に組み込むことができる追加のモノマーとしては、架橋部位に加えて、側鎖多環式芳香族官能基、または任意の潜在的に酸の架橋基、または、その他の基、例えば、ポリマーの極性または疎水性を変換することができ、反射防止膜の架橋密度、疎水性、または極性を修正するのに用いることができ、それによって、膜を更に脱架橋が困難にすることができ、かつ/または、より疎水性になり、そして膜の露光していない領域は、現像剤の影響をより受けなくすることを可能にするような基が含まれる。適切なモノマーは、2−ナフトエ酸−3−メタクリレート(NAMA)、モノ−2−(メタクリロイロキシ)エチルサクシネート、フッ化アルコールメタクリレート、およびt−Boc−オキシスチレン(tBSM)、から成る群から選択される。存在するときは、これらのモノマーは、好ましくは、ポリマーの総重量を100重量%とするときに、約0.5重量%〜約50重量%、より好ましくは約2重量%〜約22重量%、更により好ましくは約3重量%〜約20重量%、そして最も好ましくは約4重量%〜約15重量%のレベルでポリマー中に存在する。
【0022】
更なる実施態様において、本発明に用いる特に好ましいポリマーは、本質的に、アダマンチル基を持つ繰り返し第1のモノマー単位と、酸基を持つ繰り返し第2のモノマー単位と、染料を持つ繰り返し第3のモノマー単位とから成る。
【0023】
実施態様にかかわらず、ポリマーは、反射防止組成物の総重量を100重量%とするときに、約10重量%以下、好ましくは約0.6重量%〜約3.6重量%、より好ましくは約0.7重量%〜約3.2重量%、そして更により好ましくは約0.8重量%〜約3重量%のレベルで、反射防止組成物中に存在する。また、好ましくは、ポリマーの重量平均分子量(M)は、約100,000g/mol以下、より好ましくは約2,500g/mol〜約70,000g/mol、そして更により好ましくは約4,000g/mol〜約60,000g/molである。
【0024】
上述したように、組成物は、また、好ましくは、架橋剤を含有する。好ましい架橋剤はビニルエーテル架橋剤である。架橋剤が多官能性(2−、3−、および4−官能性)であることが特に好ましい。市販のビニルエーテルの例としては、商品名VECTomer(TM)(Aldrich社、St.Louis、MO州)として販売されているものが含まれる。適切なビニルエーテル架橋剤は、本明細書の記載に従って作製することができる。架橋剤は、好ましくは、組成物の総重量を100重量%とするときに、約0.15重量%〜約1.08重量%、好ましくは約0.2重量%〜約0.9重量%、そして更により好ましくは約0.22重量%〜約0.8重量%のレベルで組成物中に存在する。
【0025】
より好ましくは、ビニルエーテル架橋剤は、存在する場合は、次の一般式を持つ。
−(X−O−CH=CH
式中、Rは、アリール(好ましくはC〜C14)およびアルキル(好ましくはC〜C18、およびより好ましくはC〜C10)から成る群から選択される。各Xは、アルキル(好ましくはC〜C18、より好ましくはC〜C10)、アルコキシ(好ましくはC〜C18、より好ましくはC〜C10)、カルボニル、およびそれらの2種またはそれ以上の組合せから成る群から独立に選択される。nは2以上であり、好ましくは2〜6である。最も好ましいビニルエーテルは、エチレングリコールビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、およびそれらの混合物から成る群から選択されるものを含む。他の好ましいビニルエーテルは、以下から成る群から選択される一般式を持つ。
【0026】
【化4】


【0027】
反射防止組成物に用いられるのに好ましいPAGは:オニウム塩(例えば、TPSノナフレート、TPSトリフレート、TPSトシレートのような、トリフェニルスルフォニウムペルフルオロスルフォネート、およびそれらの置換基、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルフォニウムペルフルオロ−1−ブタンスルフォネート(アルキル−置換FPSモノフレート)のような、それらの置換された形態(すべて、Sigma−Aldrich社から市販されているもの));オキシム−スルフォネート(例えば、商品名CGl(R)としてCIBA社から市販されているもの);トリアジン(例えば、TAZ108(R)としてMidori Kagaku Company社から市販されているもの);サクシニミジル主体のスルフォネート(Midori Kagaku Company社);ナフタリミジル主体のスルフォネート(Midori Kdgaku Company社);ヨードニウム塩、およびそれらの組合せ、から成る群から選択される。存在する時は、PAGは、組成物の総重量を100重量%とするときに、約0.005重量%〜約0.08重量%、好ましくは約0.008重量%〜約0.07重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約0.06重量%のレベルで組成物に存在するものとする。
【0028】
いくつかの実施態様において、反射防止組成物は、好ましくは、実質的に酸発生剤(PAGまたは熱的酸発生剤(TAG))を含まず、従って、非感光性である。すなわち、膜組成物は、好ましくは約0.01重量%未満の酸発生剤、より好ましくは約0.005重量%未満の酸発生剤、より好ましくは約0重量%の酸発生剤を含む。そのような実施態様において、上述したように、反射防止膜は、積層中の他の層からの酸拡散に依存して、脱架橋反応を開始し、組成物を現像剤可溶性にさせる。
【0029】
組成物に用いるのに好ましい消光剤は、好ましくは、主鎖または側鎖部分の一部として塩基官能性を有する、アミンまたはポリマーのような低分子である。適切な消光剤は、1−Boc−4−ヒドロキシピペリジン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメタノールアミン、トリメチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−t−ブタノールアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリ−n−ブタノールアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメタノールアミン、ジメチルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−t−ブタノールアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−n−ブタノールアミン、ジ−n−ブチルアミン、エタノールアミン、エチルアミン、メタノールアミン、メチルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、t−ブタノールアミン、t−ブチルアミン、n−ブタノールアミン、およびn−ブチルアミン、t−Boc−オキシスチレン/4−ビニルピリジン共重合体、および4−ビニルピリジンをモノマーとして用いる任意のポリマー、およびそれらの組合せ、から成る群から選択されるものを含む。
【0030】
反射防止膜組成物が存在する場合は、組成物の総重量を100重量%とするときに、好ましくは約0.05重量%未満の消光剤、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.02重量%の消光剤、より好ましくは約0.00025重量%〜約0.018重量%、更により好ましくは約0.0003重量%〜約0.017重量%、を含有することになる。また、反射防止膜組成物は、実質的に消光剤を含まないこともある。それらの実施態様において、組成物は、好ましくは、約0.0001重量%未満の消光剤、より好ましくは、約0.00005重量%未満の消光剤、更により好ましくは約0重量%の消光剤を含有する。
【0031】
組成物中に随意的に含有しうる他の成分としては、界面活性剤、接着促進剤、抗酸化剤、光開始剤、拡散促進剤、溶解阻害剤、およびそれらの組合せが含まれる。
【0032】
実施態様にかかわらず、反射防止膜組成物は、好ましくは周囲条件で、実質的に均質な溶液を形成するように十分な時間をかけて、ポリマーを適切な溶剤系中に分散または溶解することによって簡単に形成される。ポリマーと一緒に、任意の付加的な成分を溶剤系中に分散することも好ましい。
【0033】
好ましい溶剤系としては、エチルラクテート(EL)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールn−プロピルエーテル(PnP)、シクロヘキサノン、ガンマブチロラクテートおよびそれらの混合物から成る群から選択される溶剤が含まれる。好ましくは、溶剤系の沸点は、約118℃〜約160℃であり、より好ましくは約118℃〜約146℃である。溶剤系は、組成物の総重量を100重量%とするときに、約90重量%以上、好ましくは約96.5重量%〜約99.4重量%、より好ましくは約96.9重量%〜約99.2重量%、更により好ましくは約97.5重量%〜約99重量%のレベルで用いられるべきである。組成物は、好ましくは、組成物の総重量を100重量%とするときに、約0.6重量%〜約3.5重量%、好ましくは約0.8重量%〜約31重量%、更により好ましくは約1重量%〜約2.5重量%、の固形物を含む。
【0034】
図1の(A)〜(D)は本発明の新規な反射防止膜を用いて構造を形成する方法を示す。この方法では、表面10aを有する基板10を準備する。本発明では、任意のマイクロエレクトロニクス基板を使用することができる。好ましい基板としては、ケイ素、SiGe、SiO、Si、アルミニウム、タングステン、ケイ化タングステン、ガリウム砒素、ゲルマニウム、タンタル、窒化タンタル、サンゴ、ブラックダイヤ、リンまたはホウ酸ドープガラス、イオン注入層、窒化チタン、酸化ハフニウム、酸窒化ケイ素、およびそれらの混合物から成る群から選択されるものが含まれる。方法は、一定量の本発明の反射防止組成物を基板10の上に塗布し、基板10の表面10aの上に組成物の層12を形成する工程を含む。組成物は、任意の公知の方法によって塗布することができるが、好ましい方法の1つは、組成物を、約750rpm〜約5,000rpm(好ましくは約750rpm〜約4,000rpm、より好ましくは約1,000rpm〜約3.500rpm)の速度で、約20秒〜約90秒(好ましくは約30秒〜約60秒)の間スピンコートすることである。基板10は、平坦な表面を備えることもあり、あるいはトポグラフィー特徴(ビア孔、トレンチ、コンタクトホール、隆起構造的特徴、線など)を備えることもある。本書中「トポグラフィー」とは、基板表面の中あるいは上にある構造の高さまたは深さを意味する。例えば、基板10は、ホールと定義される構造を備えることができ、それは側壁と下層壁とを持つ。このように、反射防止組成物を基板に塗布する方法は、好ましくは、組成物を、これらホールの側壁と下層壁と一部分以上に、塗布することを含む。
【0035】
所望の被覆を達成した後、熱的架橋を誘引するために、組成物の層12を焼成して、硬化した層12を形成する。好ましい焼成条件は、温度が約125℃以上、好ましくは約150℃〜約230℃、より好ましくは約150℃〜約205℃、更により好ましくは約155℃〜約180℃であり、時間は、約30秒〜約90秒(好ましくは約45秒〜約75秒)間である。焼成後の反射防止膜層12の厚みは、好ましくは約20nm〜約85nm、より好ましくは約30nm〜約75nm、更により好ましくは約32nm〜約70nm、最も好ましくは約33nm〜約65nmである。基板表面10aが、トポグラフィーを備える場合は、反射防止膜12は、その厚みが十分で、実質的に基板のトポグラフィーを覆うような厚みで塗布することが好ましい。
【0036】
ポリマーの酸基がカルボン酸基であり、架橋剤がビニルエーテル架橋剤である実施態様おいて、架橋したポリマーは、次の一般式を持つアセタール結合を含む。
【化5】

式中、Rは、アリール(好ましくは約C〜約C12)、−CO−、および分岐および非分岐、アルキル、から成る群から選択される。上述したように、アダマンチル基を持つ繰り返しモノマー単位は、好ましくは、架橋には、関与しない。
【0037】
架橋した層12は、十分に架橋しているので、一般のフォトレジスト溶剤には、実質的に不溶性である。従って剥離試験を行うと、本発明の膜層の剥離率は約5%未満、好ましくは約1%未満、更により好ましくは約0%になる。剥離試験では、先ず硬化層の(異なる5箇所の測定値の平均を取ることによって)厚みを決定する。これが初期平均層厚である。次に、エチルラクテート(EL)を硬化した膜に約20秒間塗り付け、その後約3,000rpmで約30秒間スピンドライを行い溶剤を除去する。偏光解析法を用いてウエハ上の異なる5箇所の厚みを再度測定し、これらの測定値の平均を算出する。これが最終平均膜厚である。初期と最終の平均膜厚の差が剥離量である。剥離率は、下記式で求められる。
%剥離率=(剥離量/初期の平均膜厚)×100
【0038】
また、架橋した層12は、好ましくは、記載したように、一般的なフォトレジスト現像剤中では、実質的に不溶性である。架橋した反射防止膜の現像剤中の溶解度は、上述の剥離試験と同じ手順と計算を用いて評価するが、フォトレジスト溶剤(EL)の代わりに現像剤を用いる。架橋した層に、また、110℃で60秒間のPEBを行う。次に、0.26N TMAH現像剤を、層の上に、45秒間塗り付け、その後、5秒間脱イオン水のすすぎ洗いを行い、スピンドライを行う。硬化した層の厚みにおけるいかなる損失も、「暗損失」として定義する。硬化した層の暗損失は、約5%未満、好ましくは約1.5%未満、より好ましくは約1%未満、更により好ましくは約0.8%未満、最も好ましくは約0%となる。
【0039】
また、膜の湿式現像は、剥離試験と同様の手順と計算を用いて評価することができる。硬化した層を、最初にOriel(TM)DUV広帯域露光装置上で、広帯域光を用いて、20mJ/cmで露光する。次いで露光された層に、130℃で90秒間PEBを行う。次に、フォトレジスト現像剤(0.26N TMAH)を膜の上に60秒間塗り付け、その後、300rpmで回転させながら、5秒間の脱イオン水すすぎ洗いを行い、次いで約3,000rpmで約30秒間スピンドライを行って、現像剤を除去する。再び層の厚みを測定し、%現像率を算出する。感光性反射防止膜の、%現像率は、好ましくは、約95%〜約100%、より好ましくは約99%〜約100%になる。反射防止膜組成物が、非−感光性である実施態様において、%湿式現像は、好ましくは約1.5%未満、好ましくは約0.8%未満、更により好ましくは約0%になる。
【0040】
硬化した反射防止層または膜12の屈折率(n値)は、約1.3以上、好ましくは約1.4〜約2、より好ましくは約1.45〜約1.8、更により好ましくは約1.5〜約1.75になる。また好ましくは反射防止膜層12の吸光係数(k値)は、使用波長(例えば、193nm、248nm、または365nm)において、約0.2以上、好ましくは約0.25〜約0.65、更に好ましくは約0.3〜約0.6である。
【0041】
図1の(B)を参照すると、フォトレジスト組成物を硬化した層12に塗布して、画像形成層14を形成し、その結果、積層16を形成することができる。次に画像形成層14は、約95℃以上、好ましくは約100℃〜約135℃、より好ましくは約100℃〜約130℃の温度で、約45秒間〜約75秒間の間、塗布後焼成(PAB)を行うことが好ましい。画像形成層14の厚みは、約50nm〜約2,000nmの範囲でありうる、ことが理解されるであろう。好ましくは、画像形成層14の厚みは、約100nm〜約250nm、より好ましくは約120nm〜約240nm、更により好ましくは約130nm〜約230nm、最も好ましくは約170nm〜約225nmである。適切な画像形成組成物としては、市販されているフォトレジスト(例えば、TarF−Pi6−001、TOK社、神奈川県川崎市(日本)から販売);ARX3001JN、ARX3340J、およびAM2073J、JSR Micro社、Sunnyvale、CA州;SAlL−X−181、Shin−Etsu社、東京(日本))、またはその他の感光性組成物が含まれる。反射防止膜組成物が、本質的に感光性ではない(すなわち、PAG−無し、反射防止膜)場合、適切なフォトレジスト組成物は、酸発生剤(好ましくはPAG)を含有することが好ましく、また、後述するように、隣接する反射防止膜を、脱架橋および脱保護し、それによって現像剤可溶性にするのに十分な酸を発生可能であることが好ましい。
【0042】
画像形成層14は、適切な波長の光に露光し、その後、露光したフォトレジストを現像することによってパターン形成することができる。更に詳細には、図1の(C)を参照すると、画像形成層14は、画像形成層14の表面の上に配置したマスク18を用いて露光する。マスク18は、放射線(hν)がマスク18を通過し、画像形成層14に接触するように設計された、開口領域18aを有する。マスク18の残りの固形部分18bは、一定部分の画像形成層14の表面に、放射線が接触するのを防ぐように、設計されている。画像形成層14の中に、そして最終的には基板10の中に形成すべき所望のパターンに基づいて開口領域10aおよび固形部分10bの配置が設計されることは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0043】
有利なこととして、画像形成層14が放射線(すなわち、光)に露光すると、本発明の反射防止膜層12も露光する。光に露光すると、PAG(反射防止膜自体の中の、またはフォトレジスト組成物中からの)から酸が発生し、この酸が反射防止膜層12のポリマーを「脱架橋」する。すなわち、反射防止膜が本質的に感光性でなくても、画像形成層14の露光した部分から、画像形成層14に隣接する反射防止層12の対応する部分へ酸が拡散することによって、反射防止膜層12の露光した部分は、光に露光すると、現像剤可溶性になる。酸(フォトレジストまたは反射防止膜のどちらからでも)が、熱的架橋によって反射防止膜のポリマーと架橋剤との間に形成された結合を破壊する。例えば、カルボン酸がポリマー上の酸基である場合は、脱架橋することによって、次の一般式を持つリンク結合の結合()が破壊される。
【0044】
【化6】

【0045】
また、酸は、酸に不安定なアダマンチル基を開裂し、ポリマーの可溶性を更に促進するすることが好ましい。このように、反射防止層12の露光した部分は、遊離アダマンチルを含有し、これらは現像中に除去される。現像後、画像形成層14および反射防止膜層12は、好ましくは、約85℃〜約140℃、より好ましくは約95℃〜約135℃、より好ましくは約105℃〜約130℃の温度で、約45秒間〜約75秒間の間、PEBを行う。
【0046】
上述のプロセスにより可溶性にされた画像形成層14および反射防止膜層12の露光部分は、次に現像剤に接触し、露光部分が除去される。画像形成層14の露光部分の下側の、反射防止膜層12の露光部分は、画像形成層14が除去されるときに、現像剤によって除去され、画像形成層14および反射防止膜層12に、同時に、所望のパターン20を形成する。パターン20は、エッチングまたはイオン注入プロセスを用いて最終的に、基板10へ転写される、ビア穴、トレンチ、線、スペース、などでありうる。好ましくは、画像形成層14および反射防止膜層12の露光部分の約95%以上が除去され、より好ましくは約99%以上、更に好ましくは約100%が現像剤によって除去される。
【0047】
適切な現像剤は、水酸化カリウム(KOH)、TMAH、のような有機、または無機の、アルカリ性溶液であり、好ましくは、濃度0.26Nまたはそれ以下のTMAHの水溶液を含有する。これらの現像剤のいくつかは、PD523AD(Moses Lake Industries、Inc社、Moses Lake、WA州、から入手可能)、MF−319(Shipley社、Massachusettsから入手可能)、MF−320(Shipley社から入手可能)、およびNMD3(TOK社、日本、から入手可能)の商品名で市販されている。
【0048】
別の実施態様において、フォトレジストにパターン形成するのに、ArF浸漬リトグラフィー(図示せず)を用いることもできる。空気(従来のリソグラフィーの場合)の代わりに、露光中、放射線が通過する媒体は、液体である。リソグラフ系の光学投影要素(すなわち、レンズ)を介して、少なくとも、そのリソグラフ系の光学要素の1部分と、構造の一部分(すなわち、積層)に、浸漬液を、接触させながら、画像形成層を、放射線に露光する。更に、より好ましくは、リソグラフ系の、最後の、光学要素と、画像形成層との間の空間に、浸漬液を満たして、その光学要素がを浸漬液中に浸漬するようにする。適切な、浸漬液は、好ましくは、その屈折率が、1より大きく(好ましくは、約1〜約2、より好ましくは約1.3〜約1.4)、そして、水(好ましくは純水)または有機溶剤から成る群から選択される。この分野で公知の浸漬リソグラフィー系としては、Amphibian(TM) Systems社(Rochester、NY州)製のAmphibian 干渉計、およびASML社(Veldhoven、オランダ)製の1900iが含まれる。
【0049】
実施態様に関係なく、次に、パターン形成された積層の上に、従来のエッチング、メタライゼーション等を実施して、デバイス製造を完成させることができる。また、多重の露光プロセスを所望するときは、パターン形成された反射防止膜に隣接して第2の画像形成層を塗布して、露光−現像プロセスを、繰り返すことができる。
【実施例】
【0050】
以下の実施例では、本発明に係る方法を記載する。しかしながら、これらの実施例は、説明のために提供されるものであり、本発明の全体の範囲を制限するものではないことを理解されたい。
【実施例1】
【0051】
(ターポリマーIの合成およびその沈殿)
【化7】

【0052】
この手順では、12.9mol%のIPM、メタクリル酸およびスチレンを用いて、ターポリマーを合成し、その後沈殿させた。磁気攪拌棒および温度計を備える500−ml三つ口フラスコに、9.08g(105.5mmol)のメタクリル酸(Sigma−Aldrich社、St.Louis、MO州)、12,38g(118.9mmol)のスチレン(Sigma−Aldrich社、St.Louis、MO州)、8.71g(33.2mmol)のAdamantate(R)X−M−105(IPM;出光興産、東京、日本)、および203.72gのPGMEを投入した。この混合物を室温で5分間攪拌し、溶液を生成した。次に、窒素吸気アダプタを備える滴下漏斗と、窒素排気アダプタを備える凝縮機をフラスコに取り付けた。
【0053】
透明の125−mlナルゲンボトルに、0.68g(4.14mmol)の2.2’−アゾビスイソブチルニトリル(AIBN、Sigma−Aldrich社、St.Louis、MO州)および67.63gのPGMEを投入した。この混合物を室温で0.64時間の間混転して、溶液を生成した。フラスコに取付けられている滴下漏斗に、AIBN溶液を投入し、そして次に反応系を、室温で2.0時間の間、窒素でパージした。次にフラスコを102.5〜103℃のオイルバス中に浸漬した。反応混合物を窒素下で攪拌した。反応溶液温度が103℃で、AIBN溶液を3分間にわたり徐々に反応フラスコに加えた。その結果の反応混合物を、次に、98℃〜105℃で24時間の間、窒素下で攪拌した。収量は、299.5g溶液(99%回収)、10.18重量%のポリマー固形物であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による溶液中のターポリマーIのMは15,150g/mol、分散度(D)は2.8であった。
【0054】
溶液からターポリマーIを沈殿させるために、頭上攪拌器と攪拌棒とを備えた4−リットルビーカーに2リットルのヘキサンを投入した。滴下漏斗に、200.7gのIPM ターポリマー溶液を投入し、これを次に、漏斗から攪拌されたヘキサンへ、0.5時間の間、滴下添加した。混合物を、室温で更に5分間攪拌し、次に沈降させた。真空ろ過によって溶剤を除去した。次にターポリマー固形物を、200mlの新鮮なヘキサンを用いて、2分間攪拌し、その後、真空ろ過によって溶剤を除去した。再び202mlの新鮮なヘキサンを用いて、ターポリマー固形物を5分間の間攪拌し、その後、真空ろ過によって溶剤を除去した。ターポリマー固形物を40℃の真空オーブンの中で乾燥し、乳鉢と乳棒を用いて粉砕して粉末にし、40℃の真空オーブン中で乾燥して、恒量にした。収量は、12.6g粉末(62%収率)であった。GPCによるターポリマーのMは、16,050g/mol、Dは2.1であった。
【実施例2】
【0055】
(ターポリマーIを用いる下層反射防止膜の作製)
この手順では、上述の実施例1のターポリマーI(IPM)を、PAGおよび消光剤と共に用いて、下層反射防止膜を作製した。250−mlアンバーナルゲンボトルに、0.718gの自製ビニルエーテル架橋剤(実施例27参照)、2.423gのターポリマーI、156.1861gのPGME、および39.36gのPGMEAを投入した。この混合物を室温で15.2時間混転した。次に、PGME溶液中の、1.2596gの1%消光剤(l−Boc−4−ヒドロキシピペリジン:Sigma Aldrich社、St.Louis、MO州)を加え、その後、0.0423gのCGITPS−Cl(Ciba社、Tarrytown、NY州)を加えた。次にボトルを室温で一晩混転し、その内容物を、0.1μmのエンドポイントフィルタを通して2回ろ過して、4個の60mlアンバーナルゲンボトルに入れた。
【0056】
その結果の下層反射防止膜の様々な特性について試験した。光学および膜特性の試験では、下層反射防止膜を、最初に1.500rpmで30秒または60秒間の間、シリコンウエハにスピン塗布し、熱硬化させた(すなわち、160℃で60秒間焼成した)。その結果の膜の初期厚みを、ガートナーエリプソメータを用いて測定し、記録した。
【0057】
層の耐溶剤性を試験するために、フォトレジスト溶剤(エチルラクテート)を膜に20秒間塗り付け、その後、約3,000rpmで約30秒間スピン乾燥させ、溶剤を除去した。再び、エリプソメータを用いて厚みを測定し、上述の方法で、%剥離率または隆起率を計算した。
【0058】
露光していない(暗損失)膜の上のフォトレジスト現像剤(0.26N 水性TMAH)の効果も測定した。暗損失を評価するために、別のウエハを反射防止膜でコーティングし、上述の方法で焼成し、膜の初期厚みを測定し、記録した。露光していない層に、110℃で60秒間、PEBを行った。次にフォトレジスト現像剤(0.26N TMAH)を膜の上に45秒間塗り付け、その後5−秒間の脱イオン水によるすすぎ洗いを行い、スピン乾燥を行った。エリプソメータを用いて層の厚みを測定し、暗損失を計算した。EL剥離試験、または暗損失について、正の数値は、膜の隆起を意味する。
【0059】
次に、J.A.Woollam Co.Inc社のVASE(R)エリプソメータを用いて、193nmにおいて、膜のnおよびk値を測定した。この下層反射防止膜の膜および光学特性を、実施例1〜17の結果の表2に示す。
【0060】
光が248−nmのバンドパスフィルタを介してから露光する、Oriel(TM) DUV 露光装置を用い、下層反射防止膜の対比曲線を決定した。下層反射防止膜を、シリコンウエハに、1.500rpmで30または60秒間スピン塗布し、160℃で60秒間焼成した。2つのウエハを露光し、その後100℃で60秒間、または120℃で60秒間、PEBを行った。次に膜用レジスト(ARX3001JN;JSR Micro社)を195−nmの厚みで塗布し、その後、110℃で60秒間のPABを行い,露光し、そして、110℃で60秒間のPEBを行った。レジストを含むものと、含まないものの、双方のPEBの対比曲線の結果を、図2の(a)〜(c)に示す。この下層反射防止膜は、図2の(a)〜(c)に示す下層反射防止膜の中で、最も低いEを示した。
【0061】
次に、膜用レジスト(ARX3001JN)を用い、リソグラフィーのための193−nm露光を実施した。その際、Amphibian XIS 干渉計(Amphibian Systems社)の上で、図3に示すように各種の露光時間で露光し、110℃で60秒間のPABおよびPEBを行った。150−nmL/S(1:1)は崩れた。
【実施例3】
【0062】
(ターポリマーIを用いる、PAG−無し、下層反射防止膜の作製)
この手順では、ターポリマーI(IPM)を用い、PAGまたは消光剤を用いずに、下層反射防止膜を作製した。125−mlアンバーナルゲンボトルに、1.2156gのターポリマーI、0.359gの実施例27の架橋剤、74.309gのPGME、および19,679gのPGMEA、を投入した。混合物を、室温で一晩混転し、次に、0.1−umフィルタを用いて、エンドポイントろ過した。その結果の下層反射防止膜を、(a)1,500rpmで30〜60秒間、または(b)2.738rpmで30または60秒間、のいずれかでシリコンウエハにスピン塗布し、それぞれ、その後160℃で60秒間焼成を行った。スピンパラメータ(a)は、54〜55nmの熱硬化下層反射防止膜を生成し、スピンパラメータ(b)は、38nmの熱硬化下層反射防止膜を生成した。次に、膜用レジストARX3001JNを、195−nmの厚みで用いて、実施例2に記載した方法で、193−nmリソグラフィーを実施した。SEM写真(Carl Zeiss SMT Inc社製のLEO1560を用いて作成したもの)を、図4に示す。双方の厚みに関し、非常に良好な150−nm L/S(1:1)が得られた。
【0063】
次に、この下層反射防止膜の膜および光学特性を、実施例2に記載した方法で、決定した。結果を表2に示す。
【実施例4】
【0064】
(ターポリマーIIの合成およびその沈殿)
【化8】

【0065】
この手順では、12.9mol%EM、メタクリル酸、およびスチレンを用いて、ターポリマーを合成した。磁気攪拌棒と温度計を備える500−ml三つ口フラスコに、9.1g(106mmol)のメタクリル酸、12.40g(119.15mmol)のスチレン、8.26g(33.3mmol)のAdamantate(R) EM(出光興産、東京、日本)、および200.78gのPGMEを投入した。混合物を、室温で、6分間攪拌し、溶液を得た。窒素排気アダプタを備える凝縮器と、窒素吸気アダプタを備える滴下漏斗を、フラスコに取り付けた。
【0066】
次に、125−mlナルゲンボトルに、0.654g(3.98mmol)のAIBNおよび66.88gのPGMEを投入した。混合物を、室温で0.6時間、混転し、溶液を生成した。AIBN溶液を、次に、滴下漏斗に移した。反応系は、窒素で15分間、フラッシし、そして、次にフラスコをI00℃のオイルバス中に浸漬した。混合物を窒素下で、24時間、98℃〜104℃で攪拌した。収量は、294.4gの溶液(99%回収)、10.18重量%のポリマー固形物であった。GPCによる、溶液中の、ターポリマーのMは15,250g/mol、Dは2.5であった。
【0067】
溶液からターポリマーIIを沈殿させるために、4−リットルビーカーに、2.00リットルのヘキサンを投入した。滴下漏斗に、199.8gのターポリマーII溶液を投入し、それを次に、室温で13.2分間、攪拌したヘキサンに滴下添加した。次に、混合物を更に6分間室温で攪拌した。溶剤を真空ろ過によって除去した。約200mlの新鮮なヘキサンを、すすぎ洗い液として、ターポリマーに加え、混合物を更に6分間攪拌し、その後、再び、真空ろ過によって溶剤を除去した。追加の200mlの新鮮なヘキサンを加え、混合物を5分間攪拌した。溶剤を、再び、真空ろ過によって除去した。40℃の真空オーブンでターポリマーを恒量まで乾燥した。収量は14.0g(69%回収)であった。GPCによるターポリマーのMは16,850g/mol、Dは2.1であった。
【実施例5】
【0068】
(ターポリマーIIを用いる、下層反射防止膜の作製)
この手順では、上述の実施例4のターポリマーII(EM)、PAGおよび消光剤を用いて、下層反射防止膜を作製した。250−mlナルゲンボトルに、0.5353gの実施例27の架橋剤、1.8215gのターポリマーII、117.1579gのPGME、29.5210gのPGMEA、PGME中の0.9456gの1%消光剤(1−Boc−4−ヒドロキシピペリジン)、および0.0316gのTPS−C1、を投入した。混合物を、一晩混転し、次に、0.1μmのエンドポイントフィルタを通してろ過した。
【0069】
次にターポリマーIIの下層反射防止膜の膜および光学特性を、上述の実施例2に記載の方法で決定した。その結果を表2に示す。
【0070】
また、ターポリマーII下層反射防止膜の対比曲線を、実施例2の記載の方法で、決定した。それを図2に示す。次に、実施例2の記載の方法で、193−nmリソグラフィーを実施した。各露光時間のSEM写真(Carl Zeiss SMT Inc社製のLEO 1560を用いて作成した)を、図3に示す。図3からわかるように、膜厚が、52〜56nmのときに、1.2−秒露光から、150−nm L/S(1:1)が得られた。
【実施例6】
【0071】
(ターポリマーIIを用いる、PAG−無し、下層反射防止膜の作製)
この手順では、実施例4のターポリマーII(EM)を用いて、PAGまたは消光剤を用いずに、下層反射防止膜を作製した。250−mlアンバーナルゲンボトルに、0.359gの実施例27の架橋剤、78.715gのPGME、19.676gのPGMEA、1.214gのターポリマーII、を投入した。混合物を、室温で、3.5時間より長く、混転した。次に、膜を0.1−μmエンドポイントフィルタを通してろ過した。
【0072】
この反射防止膜の膜および光学特性を、決定し、その後、上述の方法で、193−nmリソグラフィーを実施した。この反射防止膜の膜および光学特性を表2に示す。SEM写真を、図5に示す。
【実施例7】
【0073】
(ターポリマーIIIの合成およびその沈殿)
【化9】

この手順では、12.9mol%のAM、メタクリル酸、およびスチレンを用いて、ターポリマーを合成した。磁気攪拌棒および温度計を備える、500−ml三つ口フラスコに、9,07g(105.4mmol)のメタクリル酸、12.37g(118.8mmol)のスチレン、8.32g(33.2mmol)のAdamantate(R)M−101(AM;出光興産、東京、日本)、および200.94gのPGMEを投入した。混合物を室温で約3分間攪拌した。窒素排気アダプタ付の凝縮器、および窒素吸気アダプタ付の滴下漏斗を三つ口フラスコに取付けた。
【0074】
次に、60−mlナルゲンボトルに、0.68g(4.14mmol)のAIBNおよび54.595gのPGMEを投入した。混合物を2時間室温で混転し、溶液を生成し、次にその溶液を滴下漏斗に加えた。約12.11gのPGMEを60mlナルゲンボトルに加え、ボトルの内部を完全にすすぎ洗いし、このすすぎ液を、また、滴下漏斗に加えた。反応系を、窒素で15分間室温でフラッシし、次にそのフラスコを99.5℃のオイルバス中に浸漬した。反応混合物を、窒素雰囲気下で攪拌した。反応溶液の温度を102.5℃にし、AIBN溶液を、フラスコに、約3分間にわたり、滴下添加した。反応混合物を、窒素下で24時間約97℃〜105℃で攪拌した。収量は、295.4gの溶液(99%回収)、10.17重量%の固形物であった。GPCによる溶液中の、ターポリマーIIIのMは、18,650g/mol、Dは2.6であった。
【0075】
溶液からターポリマーを沈殿させるために、4−リットルビーカーに、2.0リットルのヘキサンを投入した。約199.9gのターポリマーIII溶液を、攪拌したヘキサンに、0.5時間にわたり滴下して加えた。次に混合物を室温で5分間攪拌した。真空ろ過を用いて、ターポリマー固形物から溶剤を除去した。新鮮な200mlのヘキサンを用いて、ターポリマー固形物を室温で5分間攪拌し、再び、真空ろ過によって溶剤を除去した。その後、別の200mlのヘキサンを続いて5分間攪拌しながら加えた。溶剤のすすぎ液を真空ろ過によって除去した。ターポリマーを40℃の真空オーブン中で乾燥させ、乳鉢と乳棒を用いて粉砕して粉末にし、そして40℃の真空オーブン中で恒量まで乾燥させた。収量は、15.4g(76%回収)であった。GPCによるターポリマーIIIのMは、19.150g/mol、Dは2,3であった。
【実施例8】
【0076】
(ターポリマーIIIを用いる下層反射防止膜の作製)
この手順では、実施例7のターポリマーIII(AM)、PAG、および消光剤を用いて、下層反射防止膜を作製した。250−mlアンバーナルゲンボトルに、0.715gの実施例27の架橋剤、2.421gのターポリマーIII、157.060gのPGME、および39.54gのPGMEAを投入した。
【0077】
次に、PGMF溶液中の約1.256gの1%消光剤(1−Boc−4−ヒドロキシピペリジン)を加え、その後、0.0427gのTPS−Clを加えた。混合物を一晩室温で混転し、次に、0.1μmのエンドポイントフィルタを通してろ過した。
【0078】
次に、ターポリマーIII下層反射防止膜の膜および光学特性を、実施例2で記載した方法で決定した。それを後の結果の表2に示す。
【0079】
ターポリマーIII下層反射防止膜の対比曲線を、上述した方法で、決定した。それを図2に示す。
【0080】
次に、193−nmリソグラフィーを、実施例2で記載した方法で、実施した。図3のSEM写真から、150−nm L/S(1:1)は、1.2−および1.4−秒間の露光の後に存在したことがわかる。
【実施例9】
【0081】
(ターポリマーIVの合成およびその沈殿)
【化10】

【0082】
この手順では、12.9mol%のCAM、メタクリル酸、およびスチレンを用いてターポリマーを合成した。磁気攪拌棒および温度計を備える500−ml三つ口フラスコに、8.59g(33.1mmol)のAdamantate(R)M−102(CAM:出光興産、東京、日本)、9.10g(105.7mmol)のメタクリル酸、12.38g(118.9mmol)のスチレン、および202.70gのPGME、を投入した。混合物を2分間攪拌して溶液を生成した。窒素排気アダプタ付の凝縮器および窒素吸気アダプタ付の滴下漏斗を、三つ口フラスコに取付けた。
【0083】
次に、60−mlナルゲンボトルに、0.65g(3.96mmol)のAIBNおよび、54.91gのPGMEを投入した。混合物を室温で0.5時間混転し、溶液を得た。溶液を滴下漏斗に加えた。約12.19gのPGMEを用いて、ナルゲンボトルをすすぎ洗いし、PGMEすすぎ液を滴下漏斗に加えた。反応系を、窒素で15分間フラッシュし、次にフラスコを103.5℃のオイルバス中に浸漬した。反応混合物を窒素雰囲気下で攪拌した。反応溶液の温度を101.5℃にし、AIBN溶液を約3分間にわたりフラスコに滴下添加した。反応溶液を窒素下で24時間97℃〜106℃で攪拌した。収量は、295.9gの溶液(98.5%回収)、10.19重量%のポリマー固形物であった。GPCによる、溶液中の、ターポリマーIVのMは、14,850g/mol、Dは2.6であった。
【0084】
溶液からターポリマーを沈殿させるために、頭上攪拌器を備える4−リットルビーカーに2リットルのヘキサンを投入した。滴下漏斗に200.0gのターポリマーIV溶液を投入した。ターポリマー溶液を、攪拌したヘキサンに、17分間にわたり滴下添加した。混合物を室温で更に7分間攪拌し、その後、真空ろ過により溶剤を除去した。200mlの新鮮なヘキサンをフラスコに加えて、このプロセスを繰り返し、その後、7.5分間攪拌し、真空ろ過により溶剤を除去した。最終すすぎ洗いでは、200mlのヘキサンをターポリマー固形物に加え、混合物を8分間攪拌し、その後、真空ろ過により溶剤を除去した。ターポリマーを40℃の真空オーブン中で乾燥させ、乳鉢と乳棒を用いて粉砕して粉末にし、次に40℃で真空下で恒量まで乾燥させた。収量は、14.0g(69%回収)であった。GPCによる、ターポリマーIVのMは14,950g/mol、Dは2.2であった。
【実施例10】
【0085】
(ターポリマーIVを用いる下層反射防止膜の作製)
この手順では、上述の実施例9のターポリマーIV(CAM)、PAG、および消光剤を用いて、下層反射防止膜を作製した。125−mlアンバーナルゲンボトルに、0.3585gの実施例27の架橋剤、PGME中の、0.6335gの1.001%消光剤(l−Boc−4−ヒドロキシピペリジン)、1.213gのターポリマーIV、78.0985gのPGME、および9.687gのPGMEA、を投入した。混合物を室温で33分間混転し、その後、20.9mgのTPS−Clを加えた。混合物を室温でおよそ72時間混転し、その後、0.1−μmのエンドポイントフィルタを通してろ過した。
【0086】
その結果の下層反射防止膜の膜および光学特性を、上述の実施例2に記載した方法で、決定した。それを後の結果の表2に示す。
【0087】
次に、195−nmの厚みのARX3001JNを用いて、上述の実施例2に記載した方法で、193−nmリソグラフィーを実施した。SEM写真を、図6に示す。
【実施例11】
【0088】
(ターポリマーVの合成およびその沈殿)
【化11】

【0089】
この手順では、12.9mol%のMACM、メタクリル酸、およびスチレンを用いて、ターポリマーを合成した。温度計と磁気攪拌棒を備えた500−ml三つ口フラスコに、9.09g(105.6mmol)のメタクリル酸、9.70g(33.2mmol)のAdamantate(R)M−103(MACM:出光興産、東京、日本)、12.365g(118.7mmol)のスチレン、および209.93gのPGMEを投入した。混合物を室温で3分間攪拌した。窒素吸気アダプタを備える滴下漏斗および窒素排気アダプタを備える凝縮器をフラスコに取付けた。
【0090】
次に、125−mlナルゲンボトルに、0.650g(3.96mmol)のAIBNおよび69.65gのPGMEを投入した。混合物を0.65時間混転し、溶液を生成し、次に、滴下漏斗に投入した。反応系を、窒素を用いて0.4時間およそ室温でパージし、そして次にフラスコを99.5℃のオイルバス中に浸漬した。反応混合物を窒素下で攪拌した。攪拌した溶液の温度を102℃にし、窒素を流して、AIBN溶液を、反応溶液に2.75分間にわたり徐々に加えた。次に、反応溶液を約95℃〜106℃で24時間窒素下で攪拌した。収量は、308.5gの溶液(99%回収)、10.18重量%のポリマー固形物であった。GPCによる、溶液中のターポリマーVのMは、17,900g/mol、Dは2.6であった。
【0091】
溶液からターポリマーを沈殿させるために、滴下漏斗に92.0gのターポリマーV溶液を投入し、頭上攪拌器を備える1−リットルビーカーに875mlのヘキサンを投入した。ターポリマー溶液を攪拌したヘキサンに、8.5分間の間滴下添加した。次に、混合物を更に0.2時間攪拌し、その後、真空ろ過により溶剤を除去した。約85mlのヘキサンをビーカーへ加え、室温で5分間攪拌することにより、ターポリマーをすすぎ洗いした。真空ろ過により溶剤を除去した。87mlの新鮮なヘキサンを用いて、室温で0.12時間攪拌することにより、プロセスを繰り返した。真空ろ過により溶剤を除去した。ターポリマーを40℃の真空オーブンで乾燥させ、乳鉢と乳棒を用いて粉砕して粉末にし、40℃の真空オーブンで恒量まで乾燥させた。収量は、7.28g(78%回収)であった。GPCによる、ターポリマーVのMは17,900g/mol、Dは2.2であった。
【実施例12】
【0092】
(ターポリマーVを用いる下層反射防止膜の作製)
この手順では、実施例11のターポリマーV(MACM)、PAG、および消光剤を用いて、下層反射防止膜を作製した。250−mlアンバーナルゲンボトルに、0.535gの実施例27の架橋剤、1.812gのターポリマーV、117.131gのPGME、および29.517gのPGMEA、を投入した。混合物を室温で2.1時間混転し、その後、PGME中の、0.943gの1.001重量%消光剤(1−Boc−4−ヒドロキシピペリジン)を加えた。混合物を室温で0.5時間、混転し、その後、32.0mgのTPS−Clを加えた。生成物を約72時間室温で混転し、0.1−μmのエンドポイントフィルタを通してろ過した。
【0093】
その結果の下層反射防止膜の膜および光学特性を、実施例2に記載の方法で、決定した。それを後の結果の表2に示す。
【実施例13】
【0094】
(ターポリマーVIの合成およびその沈殿)
この手順では、比較のために、12.9mol%のt−ブチルメタクリレート、メタクリル酸、およびスチレンを用いて、従来の、酸に不安定なターポリマーを合成した。磁気攪拌棒、温度計、窒素吸気付きの追加の漏斗、および窒素排気付きの凝縮器、を備える、三つ口フラスコに、25.98g(301.8mmol)のメタクリル酸、13.5g(94.9mmol)のt−ブチルメタクリレート、35.37g(339.6mmol)のスチレン、および505.11gのPGMEを投入した。
【0095】
別の容器において、168,3gのPGME中の約1.864g(11.35mmol)のAIBNの混合物を、室温で作製し、溶液を生成した。AIBN溶液を、滴下漏斗に加えた。反応系を、窒素で15分間周囲条件でパージし、そして次にフラスコを、窒素下で攪拌しながら、〜103℃のオイルバス中に浸漬した。反応溶液の温度が100℃に達した時に、滴下漏斗からAIBN溶液を、高速で滴下して添加した。攪拌した混合物を、窒素下で約100℃で24時間維持した。GPCによる、溶液中の、ターポリマーVIのMは、17,900g/molであり、Dは2.5であった。
【0096】
溶液からターポリマーを沈殿させるために、ターポリマーVI溶液の一部分(〜300ml)を、攪拌棒を備え約1,200mlのヘキサンを収容した、4−リットルフラスコに加えた。ターポリマーがフラスコの下層に張り付くので、ヘキサンをこぼして捨て、ターポリマーを別のフラスコの中に回収した。残りの重合溶液を用いて、沈殿を繰り返した。溶液から残りのターポリマーが沈殿した後、その物質をヘキサンで2回すすいだ。ターポリマーを室温で1時間1−リットルビーカー内で乾燥させ、次に、50℃の真空オーブン内に置いて、乾燥させた。GPCによる、ターポリマーVIのMは、19,600g/molであり、Dは2.1であった。
【実施例14】
【0097】
(ターポリマーVIを用いる下層反射防止膜の作製)
この手順では、実施例13のターポリマーVI、PAG、および消光剤を用いて、下層反射防止膜を作製した。容器に、1.2136gのターポリマーVI、0.3588gの実施例27の架橋剤、78.720gのPGME、19.680gのPGMEA、0.0063gの消光剤(1−Boc−4−ヒドロキシピペリジン)、および0.0213gのTPS−Cl、を投入した。混合物を室温で攪拌し、溶液を生成し、次にそれを0.l−μmのエンドポイントフィルタを通してろ過した。
次に、その結果の下層反射防止膜の膜および光学特性を、実施例2に記載の方法で、決定した。それを後の結果の表2に示す。
ターポリマーIII下層反射防止膜の対比曲線を、上述の方法で、決定した。それを図2に示す。
次に、実施例2に記載した方法で、193−nmリソグラフィーを実施した。その結果、図3に示す。
【実施例15】
【0098】
(ターポリマーVIIの合成およびその沈殿)
この手順では、21.9mol%のEM、メタクリル酸、およびスチレンを用いて、ターポリマーを合成した。磁気攪拌棒と温度計を備える500−ml三つ口フラスコに、17.72g(71.3mmol)のAdamantate(R) EM、15.84g(152.1mmol)のスチレン、8.80g(102.2mmol)のメタクリル酸、および267.66gのPGME、を投入した。窒素排気アダプタ付きの凝縮器と窒素吸気アダプタ付きの滴下漏斗を、フラスコに取付けた。
【0099】
次に、125−mlナルゲンボトルに、0.837g(5.10mmol)のAIBNおよび89.196gのPGMEを投入した。これらの物質を室温で溶解するまで混合し、次に、滴下漏斗に加えた。反応フラスコを105℃のオイルバス中に浸漬した。反応溶液の温度が約100℃に達した時に、AIBN溶液を、高速で滴下し、加えた。反応混合物を24時間、温度を保ち、次に冷却させた。GPCによる、溶液中のターポリマー VIIのMは13,300g/mol、Dは2.3であった。
【0100】
ターポリマーVII溶液の一部(〜380g)が、1,900mlのヘキサン中に沈殿した。このターポリマーを、〜50mlアリコートのヘキサンを用いて、3回すすぎ洗いし、次に、40℃の真空オーブンで乾燥させた。収量は、16.65g(〜44%回収)であった。GPCによる、ターポリマーVIlのMは15,700g/mol、Dは1.7であった。
【実施例16】
【0101】
(ターポリマーVIIを用いる下層反射防止膜の作製)
この手順では、実施例15のターポリマーVII(21.9mol%EM)、PAG、および消光剤を用いて、下層反射防止膜を作製した。容器に、1.2129gのターポリマーVII、0.360gの実施例27の架橋剤、78.08gのPGME、19.67gのPGMEA、PGME中の0.639gの1%消光剤(1−Boc−4−ヒドロキシピペリジン)、および0.0220gのTPS−Cl、を投入した。混合物を室温で攪拌し、溶液を生成し、次に、0.1μmのエンドポイントフィルタを通して、ろ過した。
【0102】
次に、ターポリマーVII下層反射防止膜の膜および光学特性を、実施例2に記載の方法で、決定した。その結果を表2に示す。
【0103】
また、ターポリマーVII下層反射防止膜の対比曲線を、実施例2に記載の方法で、決定した。それを図2に示す。
【実施例17】
【0104】
(ターポリマーVIIを用いるPAG−無し、下層反射防止膜の作製)
この手順では、実施例15のターポリマーVIIを用いて、PAGまたは消光剤を用いずに、下層反射防止膜を作製した。125−mlアンバーナルゲンボトルに、1.2133gのターポリマーVII、0.183gの実施例27の架橋剤、68.679gのPGME、および17.169gのPGMEA、を投入した。混合物を、室温で、4.1時間、混転し、次に、0.1μmのエンドポイントフィルタを通して、ろ過した。
【0105】
その結果の下層反射防止膜を、1500rpmで30または60秒間、シリコンウエハにスピン塗布し、160℃で60秒間焼成した。その結果、膜厚は53.3nmであった。レジストARX3001JNを用い、110℃、60秒間のPAB/PEBを用いる、この下層反射防止膜の193−nmリソグラフィーを図7に示す。
【0106】
(実施例1〜17の結果)
高活性化エネルギーグループである、t−ブチルエステルのような、従来の酸に不安定なモノマー(実施例13および14参照)を、実施例1〜12および15〜17では、活性化エネルギーが低くてよいアダマンチルメタクリレートモノマーに置き換えた。酸に不安定なモノマーが全体のポリマーに占めるパーセンテージが低いことを考慮すると、この小規模の変更によって、(1)誘導された下層反射防止膜の対比曲線と、ドーズツークリア(dose−to−clear(クリアにするのに必要な線量))(E):および(2)193−nmリソグラフィーにおける、下層反射防止膜の性能、において、劇的な、予想外の変化が起った。
【0107】
【表1】

【0108】
【表2】

【実施例18】
【0109】
(ターポリマーIおよびポリマーアミン添加剤を用いる、PAG−無し、下層反射防止膜の作製)
この手順では、実施例1のターポリマーI(IPM)を、ポリマーアミン添加剤(消光剤)と共に用いて、PAG−無し、下層反射防止膜を作製した。250−mlアンバーナルゲンボトルに、0.536gの実施例27の架橋剤、4−ビニルピリジンとt−Boc−オキシスチレン(自社合成)の0.52mgの1:1molの共重合体、116.710gのPGME、29.186gのPGMEA、および1.817gのターポリマーI、を投入した。混合物を室温で17時間混転し、溶液を生成した。次に、0.1μmのエンドポイントフィルタを通して2回ろ過した。
【0110】
その結果の下層反射防止膜を、1,500rpmで60秒間、シリコンウエハにスピン塗布し、次に、160℃で60秒間焼成した。その結果の下層反射防止膜の光学および膜特性を、上述の実施例3(アミン添加剤無し)の手順に従って作製した、PAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜の特性と共に、下の表3に示す。
【0111】
193−nmリソグラフィーのために、この反射防止膜をシリコンウエハ上に1,500rpmで30秒間スピン塗布し、その後、160℃で60秒間焼成した。その結果の膜の厚みは、約52nmであった。フォトレジスト(190nmのARX3001JN)を塗布し、その後、110℃で60秒間PABを行った。露光にはASML1100−ArFスキャナを用い、その後106℃で60秒間PEBを行った。露光条件は次のとおりである。
【0112】
照明様式− 環状(annular)
NA− 0.75
シグマ− 0.85/0.57
目標CD− 130−nmL/260−nmP(明視野)
現像 − 45秒間のOPD262
TMAH、ARCH Semiconductor Chemicals社
【0113】
図8の(a)および図8の(b)に示すように、130−nmの密集(1:1)および孤立ラインは、僅かなアンダーカットを示した。露光線量が27mJ/cmのときの、密集または孤立ラインの双方の、焦点深度(DOF)は約0.3μmであった。密集パターンに、いくつかのレジストのマイクロブリッジングが観察されたほかは、スペースはクリーンであった。この下層反射防止膜は、更なるCDの低減化への潜在性を示した。
【実施例19】
【0114】
(NAMAを含むアダマンチルポリマーの合成)
この手順では、第4のモノマー、2−ナフトエ酸−3−メタクリレート(NAMA)を、ターポリマーI結合剤に、モノマー混合物の14重量%の量で、組み込むことによって、新規なポリマー溶液を作製した。磁気攪拌棒および温度計を備える500−ml三つ口フラスコに、9.09g(105.6mmol)のメタクリル酸、10.56g(101.4mmol)のスチレン、8.72g(33.2mmol)のAdamantate(R)M−105(IPM;出光興産、東京、日本)、4.56g(17.8mmol)のNAMA、および221.55gのPGME、を投入した。窒素排気アダプタ付きの凝縮器および窒素吸気アダプタ滴下漏斗を、フラスコに取付けた。混合物を室温で約4.5分間攪拌し、塵状の懸濁剤/溶液を得た。
【0115】
73.60gのPGME中で、0.680g(4.14mmol)のAIBNの溶液を作製し、滴下漏斗に投入した。反応混合物を室温で約15分間、窒素でパージし、次にフラスコを106℃のオイルバスに浸漬した。攪拌した反応溶液が104℃に到達した時に、AIBN溶液を2分間にわたり滴下添加した。反応混合物を、約96〜104℃で24時間攪拌し、次に冷却させた。収量は、321.1gの溶液(98%回収)、10.19重量%のポリマー固形物であった。GPCによる、溶液中の、NAMA−アダマンチルポリマーのMは、13.200g/mol、Dは2.34であった。
【0116】
溶液からポリマーを沈殿させるために、頭上攪拌器と攪拌棒を備える4−リットルビーカーに、1リットルのヘキサンを投入した。滴下漏斗に、100.5gのポリマー溶液を投入し、次に、攪拌したヘキサンに、9分間にわたって滴下添加し、室温で更に10分間攪拌した。真空ろ過によって溶剤を除去した。ポリマーの入ったビーカーを50℃の真空オーブンに0.5時間入れ、その後、室温で3日間乾燥した。次にビーカーを50℃の真空オーブンに戻し、21.5時間、静置した。次に、ポリマーを乳鉢と乳棒で粉砕して粉末にし、その後50℃の真空オーブン内で、恒量まで乾燥した。収量は、6.36g(62%回収)であった。GPCによる、沈殿したポリマーのMは、13,450g/mol、Dは2.16であった。
【実施例20】
【0117】
(NAMA−アダマンチルポリマーからの下層反射防止膜の作製)
この手順では、実施例20で作製したNAMA−含有アダマンチルポリマーを用いて、下層反射防止膜を作製した。250−mlアンバーナルゲンボトルに、0.542gの実施例27の架橋剤、1.826gのNAMAポリマー、118.011gのPGME、および29.169gのPGMEAを投入した。混合物を室温で一晩混転し、次に、0.1μmのエンドポイントフィルタを通して、2回ろ過した。
【0118】
その結果の下層反射防止膜を、シリコンウエハに、1,500rpmで30秒間スピン塗布し、その後、160℃で60秒間焼成した。その結果のNAMA−含有アダマンチル下層反射防止膜の膜および光学特性を、上述の実施例3の手順に従って作製したPAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜の特性と共に、表3に示す。
【0119】
次に、ASML 1100−ArFスキャナを用いて、193−nmリソグラフィーを実施した。この反射防止膜をシリコンウエハに1,500rpmで30秒間、スピン塗布し、その後、160℃で60秒間焼成した。その結果生成された膜の厚みは、約49nmであった。フォトレジスト(190nmのARX3001JN)を塗布し、PABおよびPEBを、双方とも、110℃で60秒間行った。106℃で60秒間のPEBを行うと、密集L/Sおよび孤立ラインの双方とも、スペースがより汚損することが見出された。露光条件は、次のとおりである。
【0120】
照明様式− 環状(annular)
NA− 0.75
シグマ− 0.85/0.567
目標CD− 130−nmL/260−nmP(明視野)
現像 − 45秒間のOPD262
【0121】
図9の(a)および図9の(b)SLM断面写真でわかるように、露光線量25mJ/cmのときに、密集および孤立ラインの双方ともに約0.2μmのDOFを用いて、良好な130−nm L/S(1:1および孤立ライン)が、得られた。
【0122】
(膜および光学結果、実施例18〜20)
表示した膜厚は、EL剥離に用いたウエハからのみのものである。暗損失評価のために、溶剤を塗り付ける前に、膜に110℃で60秒間PEBを実施した。
【0123】
【表3】

【実施例21】
【0124】
(PAG−無し、ターポリマーI反射防止膜および追加の193−nmフォトレジストを用いたリソグラフィー比較)
この手順では、2種の市販のフォトレジストおよび、上述の実施例3の手順に従って作製したPAG−無し、下層反射防止膜(IMPターポリマーI)を用いて、選択したリソグラフィーを実施した。各試験のために、下層反射防止膜を1,500rpmで30秒間シリコンウエハにスピン塗布し、その後160℃で60秒間焼成した。膜の厚みは、55nmであった。次に市販のフォトレジスト(TArF−Pi6−001、TOK社製;またはSAIL−X−I81、Shin−Etsu社製)を、この膜に塗布した。各フォトレジトの条件および露光パラメータを以下に示す。
【0125】
(TArF−Pi6−001) (SAIL−X−181)
PAB 110℃で60秒間 105℃で60秒間
レジスト厚み 130nm 155nm
照明様式 従来式 ダイポール35Y
NA 0.75 0.75
シグマ 0.89 0.89:0.65
目標CD 130-nm L/260-nm P(明視野) 80-nm L/l60-nm P(明視野)
PEB 114℃で60秒間 110℃で60 秒間
現像 OPD262 45秒間 OPD262 45秒間
【0126】
露光には、ASML 1100−ArFスキャナを使用した。SEM断面写真を、図10に示す。レジストTArF−Pi6−001(a)については、0.0μm焦点での、選択した解像度毎(through−resolution)のリソグラフィーの結果を、示す。レジストSAIL−X−181(b)については、0.0および+0.1μm焦点で、1:1および1:1.5 L/Sにおいて、解像度は130nmであった。このレジストは、より少ない、光酸拡散/活性を示す。
【0127】
全般的には、この実施例は、本発明のPAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜が、様々なレジストとの、驚くべき適合性を示すことを明らかに示した。
【実施例22】
【0128】
(PAG−無し、ターポリマーIの反射防止膜の昇華物)
この手順では、実施例3の手順に従って作製されたPAG−無し、反射防止膜からの、焼成工程中の、昇華物を、2種の市販の193−nmの乾式下層反射防止膜からの、昇華物と比較した。ガラスのベルジャーに取付けられたノズルの上に、水晶振動子の微量天秤(QCM)を取付けた。回収のために、真空を適用して昇華物を水晶まで上に移動させた。そこで凝縮昇華物を、水晶振動の変化に基づいて、記録する。凝縮しない溶剤は測定されない。電極を水晶に接続し、次に、データをコンピュータに転送し、コンピュータは振動の変化を、リアルタイムでグラフ化する。これを計算して、昇華物対加熱時間(秒)のナノグラムにした。標準の193−nm乾式現像下層反射防止膜コントロールは、ARC(R) 29A−8およびARC(R)162−304−2(双方ともBrewer Science Inc社製,RoIk、MO州)であった。焼成パラメータは、PAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜(厚みは49.5nm)に関しては、160℃で120秒間であり、乾式下層反射防止膜(厚みは、それぞれ75.3nmおよび39.1nm)に関しては、205℃で120秒間であった。昇華物回収のために、ホットプレートを指定された温度でおよそ1分間保持してから、コーティングしたばかりのウエハを、ガラスベルジャーの下の配置した。その結果および比較を図1〜12に示す。PAG−無し、ターポリマー1下層反射防止膜の昇華物は、乾式下層反射防止膜ARC(R)29A−8に比べてかなり低く、乾式下層反射防止膜ARC(R)162−304−2の昇華物とほぼ同じレベルであった。
【実施例23】
【0129】
(シリコンウエハ上の現像後残滓の比較)
この手順では、実施例3に従って作製されたPAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜のシリコン基板上の現像後の残滓の量を、市販の湿式現像可能な反射防止膜の残滓と比較した。膜ウエハは、PAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜、およびARC(R)DS−A520(Brewer Science Inc社製)の双方とも、フォトレジスト(ARX3001JN)を用いて作製し、そしてACT8TelトラックおよびASML PAS5500(TM)/1100スキャナを用いて露光を行った。膜厚は、双方の反射防止膜とも、同じ(55nm)であった。PAG−無し、下層反射防止膜のPEBは、106℃で60秒間であったが、一方ARC(R)DS−A520には110℃で60秒間のPEBを行った。フォトレジスト膜の厚みは190nm〜200nmの範囲であり、PABはI10℃で60秒間であった。従来の照明を用いて、オープンフレーム露光を用いて、蛇行(meandering)線量マトリックスを作成した。OPD262で、45秒間、現像した後、Woollam M2000エリプソメータを用いて、残りの有機残滓を測定した。
【0130】
結果を図13に示したが、シリコン基板上のPAG−無し、下層反射防止膜の現像後残滓は、前世代のARC(R)DS−A520に比べると、初期膜厚に対する依存度がはるかに低いことを証明している。PAG−無し、ターポリマーI反射防止膜については、膜厚が増加すると、残滓が減少するという傾向が僅かに見られる。露光線量毎(through−exposure dose)の測定から同じような傾向が観察された。基板上のトポグラフィーの厚みの変化は、本発明のPAG−無し、下層反射防止膜が、従来の湿式現像膜より、残滓の問題が少ないことを示す結果を示している。15mJ/cm〜61mJ/cmの範囲の放射線エネルギーの変化がARC(R)DS−A520を用いる場合の現像後残滓に変化をもたらした。しかし、レジストARX3001JNおよびPAG−無し、下層反射防止膜を用いる場合は、15mJ/cm〜61mJ/cmの露光線量範囲にわたり、現像後残滓には最小限の変化しかなかった。
【実施例24】
【0131】
(窒化ケイ素基板上の現像後残滓の比較)
この手順では、窒化ケイ素を蒸着したシリコン基板上の残滓の量を、2種の湿式現像可能な反射防止膜を用いて比較した。実施例3に従って作製されたPAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜およびARC(R)DS−A520(Brewer Science Inc社製)を、同一の窒化ケイ素基板にスピン塗布し、次に各組成物に関し、160℃で60秒間焼成し、比較のために、膜厚を55nmにした。次に双方の膜ウエハを、フォトレジスト(ARX3001JN)でスピンコートし、その結果、110℃で60秒間のPABの後、190nmのレジスト膜を得た。オープンフレームArF放射を、Nikon NSR−S307E装置を用いて、実施し、その後、106℃で60秒間のPEBを、本発明のPAG−無し、下層反射防止膜に行い、114℃で60秒間のPEBを、ARC(R)DS−A520に行った。露光した積層を、次に、NMD−3 2.38%(TMAH;Ohka America, Inc社、 Milpitas、CA州)を60秒間用いて現像した。双方の下層反射防止膜に関する残滓データを残滓厚み対露光線量として、図14に図示する。各データポイント測定値で、またはその近くで、窒化物の厚みを測定した。PAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜からの残滓は、漸近線が18mJ/cm近辺に到達するまでは、線量毎に、急速に減少し、その後、残滓の量は、線量毎に、安定してとどまった。従って、14〜25mJ/cmのArF露光線量に関しては、PAG−無し、ターポリマーI下層反射防止は、窒化ケイ素基板上の従来の湿式現像可能な膜に比べて、より少ない残滓を生成すると予想される。また、本発明のPAG−無し、下層反射防止膜が、特に、ドーズツークリア(E)において、最も少ない残滓を生成したことも観察された。
【実施例25】
【0132】
(PAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜を用いる、追加のリソグラフィー)
この手順では、フォトレジストARX3001JN(190−nmの厚み)を用いて、実施例3に従って作製したPAG−無し、アダマンチルI下層反射防止膜の解像度性能を試験した。ASML 1100−ArFスキャナを用いて、露光し、110℃で60秒間のPABを行い、様々な温度(102℃、106℃、110℃、114℃)で、60秒間のPEBを行った。露光条件は、次のとおりである。
【0133】
照明様式− 従来式
NA− 0.75
シグマ− 0.89
目標CD− 130−nmL/260−nmP(明視野)
現像 − 45秒間のOPD262
【0134】
SEM断面で識別した最良の露光線量である25mJ/cm、および0.0μm焦点で、断面のSEM写真を作成した。106℃のPEBの、解像度110nm〜160nmの写真を図15の(a)に示す。解像度130−、140−、150−、および160−nmにおいて、許容可能なL/S(1:1、1:3、および孤立ライン)が得られた。密集(1:1)L/Sは、解像度120−nmにおいて、許容可能であったが、孤立ラインは損失した。最少量の残滓が開口領域において観察された。
【0135】
解像度130−nmにおいて、KLA 8100XPを用いたCD−SEMによる、孤立/密集のバイアスは、約10nmであった。これは、1:3L/Sおよび孤立ラインに関し、目標CDの10%以内である。表示したSEM写真のすべてにおいて、解像度120nm〜160nmにおいて、ラインは、その基部でアンダーカット、またはピンチを示した。102℃および106℃のPEBのDOFは、0.30μmであり、一方110℃のPEBは0.40μmという僅かに高いDOFを示した。PEBにおける上昇とともにアンダーカットが増加するので、114℃のPEBは0.10μmのDOFを示した。図15の(b)にはPEB毎(through−PEB)に行った試験に関するリソグラフィーの結果が、示されている。これらのデータは、PEBが上昇すると、下層反射防止膜は、更に厳しいアンダーカットが発生し、それによって露光していない部分への実質的な酸拡散を示すことを証明している。この反射防止膜とフォトレジストとの組合せは、約8℃のPEBウインドウを持つと考えられる。図15(a)〜(b)のプロファイルに示すように、このフォトレジストは下層反射防止膜への一貫した酸拡散をもたらしている。
【実施例26】
【0136】
(PAG−無し、ターポリマーI下層反射防止膜を用いる、追加のリソグラフィー)
この手順では、フォトレジスト ARX3340J(JSR Micro社)を230−nmの厚みで用いて、実施例3に従って作製したPAG−無し、ターポリマー1下層反射防止膜の解像度性能を試験した。ASML 1250−ArFスキャナを用いて、露光し、110℃で60秒間のPABを行い、様々な温度(106℃、110℃、114℃および118℃)で、60秒間のPEBを行った。露光条件は、次のとおりである。
【0137】
照明様式− 従来式
NA− 0.85
シグマ− 0.5
目標CD− 150−nmS/375−nmP(暗視野)
現像 − 45秒間のOPD262
【0138】
その結果生成された断面のSEM写真を図16に示す。これらのパターンは、露光線量がそれぞれ21、20、および20mJ/cmであり、PEB温度が低い、3種すべてについては、DOFが約0.25μmであったが、露光線量が20mJ/cmで、PEB温度が最も高い場合は、DOFは僅か約0.10μmであった。これらの結果は、8℃のPEBウインドウを示している。レジストラインの上側はインデントする傾向があった。また、ラインの基部において、いくつかの僅かなアンダーカットが発生した。しかしながらアンダーカットの出現は、フォトレジストARX3001JNを用いたときよりも、はるかに少なかった。PEB温度が上昇したとしても、反射防止膜のアンダーカットは、図15(b)に示すように、フォトレジストARX3001JNを用いたときの行動よりも一貫性が高い。概して、フォトレジストARX3340Jは、反射防止膜との良好な適合性を有し、それによって、酸が膜の脱架橋および脱保護を行うことに、十分貢献し、一方、露光していない部分へのアンダーカットを限定するように維持することを示した。従って、PEBウインドウはフォトレジストARX3001JNの場合と同等であるが、一方、下層反射防止膜プロファイルの行動は改善された。
【実施例27】
【0139】
(ビニルエーテル架橋剤の調合)
【化12】

【0140】
この手順では、25.15gのテトラメチレングリコールモノビニルエーテル(Aldrich社、St Louis、MO州)、22.91gのトリエチルアミン(Aldrich社、St Louis、MO州)、および250mlのテトラヒドロフラン(THF;Aldrich社、St Louis、MO州)を、500−ml二口フラスコに添加することによって、実施例2、3、5、6、8、10、12、14、16〜18、および20で用いられる、自製のビニルエーテル架橋剤(トリス[4−(ビニロキシ)ブチル]−ベンゼントリカボキシレート)を作製した。フラスコは、攪拌棒、追加の漏斗、凝縮器、および窒素吸気および排気を備える。フラスコを冷水槽に浸漬し、溶液を窒素流下で攪拌した。
【0141】
次に、20.00gの1、3、5−ベンゼントリカルボニルトリクロリド(Aldrich社、St Louis、MO州)を250−mlエリレンメイヤーフラスコ中の、50mlのTHFに溶解した。この溶液を、500−ml二口フラスコの追加の漏斗に移し、攪拌中のテトラメチレングリコールモノビニルエーテル/トリエチルアミン/THF溶液に、約15分間の間、滴下添加し、添加を完了させた。接触により、白色の沈殿が形成された。次にフラスコを氷槽から取り出し、フラスコ内でスラリーが室温になるように放置した。それにはおよそ16時間を要した。次にスラリーを加熱して、4時間還流した。フラスコを加熱から外し、室温まで冷却させた。次に吸引ろ過装置を用いてスラリーをろ過し、ロータリーエバポレータを用いて、凝縮し、粘性の黄色い液体を得た。
【0142】
この液体を、100mlのジエチルエーテル(Aldrich社、St Louis、MO州)中に溶解し、25−ml部の水、12.5%のTMAH(Aldrich社、St Louis、MO州)、を用いて、2回洗浄した。エーテル層を、分液漏斗を用いて抽出し、次に、50−ml部の脱イオン水を用いて、2回洗浄した。次にエーテル層を沈降させ回収した。5.0gの活性塩基性アルミナと混合することによって、エーテル層を乾燥した。混合物を1時間攪拌し、重力ろ過した。ロータバップ中に、透明の黄色い液体が凝縮し、黄色の粘性のオイルを得た。全体の歩留まりは、およそ、29.28g(77%収率)であった。
【実施例28】
【0143】
(追加のビニルエーテル架橋剤の調合)
【化13】

【0144】
この実施例では、別の架橋剤の作製を記載する。架橋剤は、24.70gの2−(ビニロキシ)エタノール、27.44gのトリエチルアミン、および300mlのTHFを、500−ml二口フラスコに添加することによって作製しうる。溶液を氷水槽中に浸漬し、窒素流下で攪拌する。
【0145】
次に、24.01gの1、3、5−ベンゼントリカルボニルトリクロリドを、250−mlエルレンメイヤーフラスコ中の、100mlのTHF中に、溶解する。次にこの溶液を、2−(ビニロキシ)エタノール/トリエチルアミン/THF溶液に、、滴下添加し、添加を完了させる。次に、スラリーを室温にさせ、加熱し、約4時間還流させる。スラリーを、室温まで冷却させ、次に、吸引ろ過装置を用いてろ過する。次に、この溶液を、ロータリーエバポレータを用いて、凝縮させ、粘性の黄色の液体を得る。
【0146】
次に、この液体を、100mlのエーテルに溶解し、50−ml部の水性TMAHを用いて、2回洗浄する。次に、エーテル層を抽出し、50−ml部の脱イオン水を用いて、2回洗浄する。次に、エーテル層を無水硫酸マグネシウムの上で乾燥させる。最後に、圧力下で溶剤を除去する。
【図1(A)】

【図1(B)】

【図1(C)】

【図1(D)】

【図2a】

【図2b】

【図2c】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、マイクロエレクトロニクス構造を形成する方法:
(a) 表面を有する基板を準備する工程;
(b) 前記表面の上に反射防止層を形成する工程であって、前記反射防止層は、溶剤系中に溶解または分散されたポリマーを含有する反射防止組成物から形成され、前記ポリマーはアダマンチル基を有する繰り返しモノマー単位を含む、工程;および
(c) 前記反射防止層にフォトレジストを塗布し、画像形成層を形成する工程。
【請求項2】
前記アダマンチル基は酸に不安定である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反射防止組成物はビニルエーテル架橋剤を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記形成工程(b)の後に、前記反射防止層を架橋する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記架橋工程は、フォトレジスト溶剤に実質的に不溶性である反射防止層を生成する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記アダマンチル基は、前記架橋工程には、関与しない、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
以下の工程を更に含む、請求項4に記載の方法:
(d) 前記画像形成層および前記反射防止層を放射線に露光して、前記画像形成層および前記反射防止層に露光部分を、生成する工程。
【請求項8】
以下の工程を更に含む、請求項7に記載の方法:
(c) 前記画像形成層および前記反射防止層を、現像剤に接触させ、前記基板表面から前記露光部分を除去する工程。
【請求項9】
前記露光工程は、前記反射防止層に脱架橋をもたらす、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記脱架橋した反射防止層は遊離アダマンチルを含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記反射防止層は、塩基性現像剤中で、初期溶解度を有し、前記露光工程(d)の後、前記反射防止層の前記露光部分は、塩基性現像剤中で、最終溶解度を有し、前記最終溶解度は、前記初期溶解度よりも大きい、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記反射防止組成物は、実質的に、酸発生剤を含まず、前記画像形成層は、前記露光工程(d)の間に酸を発生し、それによって、前記反射防止層の前記露光部分を脱架橋する、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリマーは、アダマンチルアクリレートおよびアダマンチルメタクリレートから成る群から選択される第1の化合物と、スチレン、アクリル、メタクリル、ビニル、ビニルエーテル、それらの誘導体,およびそれらの組合せ、から成る群から選択される第2の化合物との重合から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
以下を含む、マイクロエレクトロニクス構造:
表面を有する基板;
前記基板表面に隣接する、硬化した反射防止層であって、該反射防止層は、溶剤系中に溶解または分散されたポリマーを含有する反射防止組成物から形成され、前記ポリマーはアダマンチル基を有する繰り返しモノマー単位を含む、反射防止層;および
前記反射防止層に隣接するフォトレジスト層。
【請求項15】
前記反射防止組成物は、ビニルエーテル架橋剤を更に含む、請求項14に記載の構造。
【請求項16】
前記反射防止組成物は、実質的に酸発生剤を含まない、請求項14に記載の構造。
【請求項17】
前記反射防止層は湿式現像可能である、請求項16に記載の構造。
【請求項18】
前記アダマンチル基は、酸に不安定である、請求項14に記載の構造。
【請求項19】
前記基板は、ケイ素、SiGe、SiO、Si、アルミニウム、タングステン、ケイ化タングステン、ガリウム砒素、ゲルマニウム、タンタル、窒化タンタル、サンゴ、ブラックダイヤ、リンまたはホウ酸ドープガラス、イオン注入層、窒化チタン、酸化ハフニウム、酸窒化ケイ素、およびそれらの混合物、から成る群から選択される、請求項14に記載の構造。
【請求項20】
溶剤系中に溶解または分散された架橋可能なポリマーと架橋剤とを含有する反射防止組成物であって、前記ポリマーはアダマンチル基を有する繰り返しモノマー単位と、酸基を有する繰り返しモノマー単位とを含む、反射防止組成物。
【請求項21】
前記アダマンチル基は、酸に不安定である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記酸基を有する繰り返しモノマー単位は、以下から成る群から選択される、請求項20に記載の組成物:
【化1】

式中、
各Rlは、−H、分岐および非分岐アルキル、および環状系、から成る群から選択され;
各R2は、−OH、−L−OH、−COOH、L−COOH、および−L−C(CFOH、から成る群から独立に選択され、ここでLは、任意の適切な連結基でありうる。
【請求項23】
前記繰り返しモノマー単位は、以下から成る群から選択されるアダマンチル基を有する、請求項20に記載の組成物:
【化2】

式中:
各Rlは、−H、分岐および非分岐アルキル、および環状系、から成る群から選択され:そして
各R3は、以下から成る群から独立に選択され、
【化3】

式中、
R4は、分岐および非分岐アルキルおよびシアノアルキルから成る群から独立に選択される。
【請求項24】
前記ポリマーは以下の繰り返しモノマーを含有する請求項20に記載の組成物:
【化4】

式中:
各Rlは、−H、分岐および非分岐アルキル、および環状系、から成る群から選択され;
各R2は、−OH、−L−OH、−COOH、−L−COOH、および−L−C(CFOH、から成る群から独立に選択され、ここで、Lは、任意の適切な連結基であり;そして
各R3は、以下から成る群から独立に選択され、
【化5】

式中、
R4は、分岐および非分岐アルキルおよびシアノアルキルから成る群から独立に選択される。
【請求項25】
染料を更に含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項26】
前記染料は前記ポリマーに結合している、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記架橋剤はビニルエーテル架橋剤である、請求項20に記載の組成物。
【請求項28】
前記溶剤系中に分散または溶解した光酸発生剤を更に含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項29】
実質的に酸発生剤を含まない、請求項20に記載の組成物。
【請求項30】
前記溶剤系は、エチルラクテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール n−プロピル エーテル、シクロヘキサノン、ガンマ‐ブチロラクテーン、およびそれらの混合物、から成る群から選択される、請求項20に記載の組成物。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16】
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【公表番号】特表2012−518812(P2012−518812A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551236(P2011−551236)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/024664
【国際公開番号】WO2010/096615
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(500499508)ブルーワー サイエンス アイ エヌ シー. (45)
【Fターム(参考)】