量子ドット型赤外線検知器及び赤外線イメージセンサ
【課題】量子ドット型赤外線検知器の感度を向上させること。
【解決手段】量子ドットと、前記量子ドットを覆い、エネルギーギャップが前記量子ドットより広い第1の障壁層と、前記第1の障壁層の上側および前記量子ドットの下側に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い中間層と、前記第1の障壁層内に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い量子井戸層とを有する光電変換層と、前記光電変換層の両側に設けられた電極層を備えた量子ドット型赤外線検知器。
【解決手段】量子ドットと、前記量子ドットを覆い、エネルギーギャップが前記量子ドットより広い第1の障壁層と、前記第1の障壁層の上側および前記量子ドットの下側に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い中間層と、前記第1の障壁層内に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い量子井戸層とを有する光電変換層と、前記光電変換層の両側に設けられた電極層を備えた量子ドット型赤外線検知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子ドット型赤外線検知器及び赤外線イメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
量子ドット型赤外線検知器は、量子ドットのサブバンド間遷移を利用した赤外線光検出器である。量子ドットに赤外線が照射されると、量子ドットの遷移元準位に束縛されていた電子が光励起され、遷移先準位にサブバンド間遷移する。サブバンドに光励起された電子は、熱的な励起やトンネル効果によって量子ドットの束縛から脱し、印加された電圧によって電極に集められ、光電流を形成する。この光電流を外部回路で検出することで、赤外線を検知することができる。尚、量子井戸のサブバンド間遷移を利用した量子井戸赤外線検出器も存在する。しかし、量子井戸赤外線検出器は、垂直入射光には応答しないので適用範囲が限られている。
【0003】
量子ドット型赤外線検知器は、光電変換層と、光電変換層の上面及び下面に設けられた電極層を有している。更に、光電変換層は、量子ドットと、量子ドットを囲む中間層を有している。ここで、中間層のエネルギーギャップ(伝導帯の底と価電子帯の頂上のエネルギー差)は、量子ドットより広い。従って、中間層が、量子ドットの伝導帯内電子に対してエネルギー障壁となり、量子ドット内に量子準位を生成する。
【0004】
量子ドットと中間層だけを有する光電変換層からなる基礎的な量子ドット型赤外線検知器は、十分な光電流を生成することができず、感度(信号に相当)が低くいという問題を有していた。
【0005】
この問題を解決するため、エネルギーギャップが中間層より広い半導体層(以下、障壁層と呼ぶ)で、量子ドットを囲んだ量子ドット型光検出器が開発された。この障壁層により、量子ドットにおける量子閉じ込め効果が強くなり、光で励起された電子が遷移し易くなり、その結果量子ドット型赤外線検知器の感度が改善された。
【0006】
赤外線検知器の特性としては、感度が大きく、信号と雑音の比(S/N)が小さいことが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−65141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、量子ドット型赤外線検知器の感度を、更に向上させることは、容易でない。例えば、励起準位の量子閉じ込め効果を高めるために障壁層を厚くすると、感度は逆に低下してしまう。これは、厚くなった障壁層が、励起準位に遷移した電子(以下、励起電子と呼ぶ)の中間層へのトンネルによる脱出を抑制してしまうためである。
【0009】
そこで、本発明の目的は、中間層への電子の脱出を容易にして感度を高めた、量子ドット型赤外線検知器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本装置の第1の観点によれば、量子ドットと、前記量子ドットを覆い、エネルギーギャップが前記量子ドットより広い第1の障壁層と、前記第1の障壁層の上側および前記量子ドットの下側に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い中間層と、前記第1の障壁層内に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い量子井戸層とを有する光電変換層と、前記光電変換層の両側に設けられた電極層を備えた量子ドット型赤外線検知器が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本量子ドット型赤外線検知器によれば、障壁層を有する量子ドット型赤外線検知器の感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器の構造を説明する概略図である。
【図2】実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層の構造を説明する断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図3のIV-IV線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
【図5】第1の障壁層に量子井戸層が設けられてない光電変換層の部分拡大図である。
【図6】図5のVI-VI線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
【図7】量子井戸層の厚さと、実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器の感度の関係を説明する図である。
【図8】量子井戸層の厚さと、実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器のS/N比の関係を説明する図である。
【図9】図3のIX-IX線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
【図10】実施の形態2の赤外線イメージセンサの断面を説明する概略図である。
【図11】実施の形態3の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する部分拡大図である。
【図12】図11のXII-XII線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
【図13】実施の形態4の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する概略図である。
【図14】実施の形態5の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。尚、図面が異なっても対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0014】
(実施の形態1)
(1)構造及び動作
―全体構造―
図1は、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器2の構造を説明する概略図である。図1には、量子ドット型赤外線検知器2の動作を説明するため、電源10と電流検出器12も図示されている。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器2は、光電変換層4と、光電変換層4の両側に設けられた電極層6a,6bを有している。この電極層6a,6bは、例えば、n型の低抵抗半導体層である。ここで、下部電極層6a、光電変換層4、及び上部電極層6bは、半導体基板9の上に、この順番で積層されている。
【0016】
下部電極層6a及び上部電極層6bには、夫々、金属電極8a,8bが設けられている。これら金属電極8a,8bを介して電極層6a,6bの間に、一定の電圧を供給する電源10を接続する。従って、光電変換層4に、一定の電圧が印加される。
【0017】
検知対象の赤外線12は、半導体基板9の裏面から入射する。次に、赤外線12は、光電変換層4に到達し、一部が光電変換層4で吸収される。その後、赤外線12は、上側の金属電極8bにより反射される。これにより、赤外線12は、光電変換層4に再入射し、光電変換層4により再度吸収される。
【0018】
光電変換層4で吸収された赤外線は、ホトキャリアを生成する。光電変換層4に印加した電圧により、このホトキャリアが光電流となって、外部に取り出される。この光電流を電流検出器12により検出して、赤外線を検知する。
【0019】
―光電変換層―
図2は、本量子ドット型赤外線検知器2の光電変換層4の構造を説明する断面図である。図3は、図2の部分拡大図である。尚、図2には、参考のため、電極層6a,6bも図示してある。
【0020】
光電変換層4は、図2及び図3に示すように、複数の量子ドット14と、量子ドット14を覆う第1の障壁層16と、この第1の障壁層16内に設けられた量子井戸層18を有している。ここで、量子井戸層18は、量子ドット14に接している。
【0021】
更に、光電変換層4は、量子ドット14の底面に接する第2の障壁層20を有している。また、光電変換層4は、第1の障壁層16の上側(第1の障壁層16の一面側)及び量子ドット14の下側(前記一面の反対側)に設けられた中間層22(すなわち、第1の障壁層16の両側に設けられた中間層22)を有している。
【0022】
図4は、図3のIV-IV線に沿った、光電変換層4のエネルギーバンド図である。縦軸24は、電子のエネルギーである。横軸26は、半導体基板9に垂直な方向の位置に対応している(以下、同様)。図4には、量子ドット14等の伝導帯の底のエネルギーECと、価電子帯の頂上のエネルギーEVが図示されている。また、図4の上部には、量子ドット14等の位置が図示されている。
【0023】
図4に示すように、第1の障壁層16のエネルギーギャップEgは、量子ドット14のエネルギーギャップより広い。同様に、第2の障壁層20のエネルギーギャップも、量子ドット14のエネルギーギャップより広い。一方、中間層22のエネルギーギャップは、量子ドット14より広く、且つ第1の障壁層16及び第2の障壁層20より狭い。そして、量子井戸層18のエネルギーギャップは、量子ドット14より広く、且つ第1の障壁層16及び第2の障壁層20より狭い。
【0024】
すなわち、第1の障壁層16の伝導帯の底は、量子ドット14の伝導帯の底より高い。同様に、第2の障壁層20の伝導帯の底も、量子ドット14の伝導帯の底より高い。一方、中間層22の伝導帯の底は、量子ドット14より高く、且つ第1の障壁層16及び第2の障壁層20より低い。そして、量子井戸層18の伝導帯の底は、量子ドット14より高く、且つ第1の障壁層16及び第2の障壁層20より低い。
【0025】
この光電変換層4に赤外線が入射すると、量子ドット14の遷移元準位28に束縛されていた電子30が、赤外線を吸収して、量子井戸層18の量子準位に遷移する。次に、量子井戸層に励起された電子32は、トンネル効果又は熱励起により、量子井戸層18を脱出して、ホトキャリア34になる。その後、光電変換層4に印加された電圧により、このホトキャリア34が光電流となって、外部に取り出される。
【0026】
図5は、第1の障壁層16に量子井戸層18が設けられていない光電変換層の部分拡大図である。図6は、図5のVI-VI線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。この光電変換層に赤外線が入射すると、量子ドット14の遷移元準位28に束縛されていた電子30は、赤外線を吸収して、量子ドット14の励起準位36に遷移する。次に、励起された電子38の一部が、トンネル効果又は熱励起により、量子ドット14を脱出して、ホトキャリアになる。しかし、多くの励起電子38は、遷移元準位28に緩和して、中間層に脱出することができない。このため、図5のように、量子ドット14を第1の障壁層16で覆っただけの構造では、励起電子38が中間層22に脱出し難く、量子ドット型赤外線検知器の感度を十分に高めることはできない。
【0027】
一方、本量子ドット型赤外線検知器2では、図4に示すように、赤外線を吸収した電子32は、量子ドット14とは空間的に分離した量子井戸層18に遷移する(又は、量子ドット14の励起準位に遷移した後、量子井戸18に移動する)。従って、励起電子32が、量子ドット14の遷移元準位28に容易に緩和することはない。このため、励起電子の量子井戸における滞在時間が長くなり、励起電子が中間層に脱出し易くなる。故に、本量子ドット型赤外線検知器2の感度は高くなる。
【0028】
図7は、量子井戸層18の厚さと、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器2の感度の関係を説明する図である。横軸は、量子井戸層18の厚さ(任意単位)である。縦軸は、量子ドット型赤外線検知器2の感度(任意単位)である。図7に示すように、量子ドット型赤外線検知器2の感度は、量子井戸層18が薄い間はあまり変化しないが、量子井戸層18が厚くなると増加し、やがて最大値に達す。その後、量子ドット型赤外線検知器2の感度は減少する。
【0029】
量子井戸層18が厚くなると、量子井戸層18に励起電子32が滞在し易くなるので、感度が増加する。一方、量子井戸層18が更に厚くなると、第1の障壁層16が量子ドット14から離れ過ぎて、第1の障壁層16による、量子ドットの励起準位の量子閉じ込め効果が小さくなる。このため、光電変換層4の赤外線吸収率が低下して、感度が低くなる。
【0030】
図8は、量子井戸層18の厚さと、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器2のS/N比(signal to noise ratio)の関係を説明する図である。横軸は、量子井戸層18の厚さ(任意単位)である。縦軸は、量子ドット型赤外線検知器2のS/N比(任意単位)である。尚、図8のS/N比は、線形表示である。
【0031】
図8に示すように、量子ドット型赤外線検知器2のS/N比は、量子井戸層18の厚さと共に増加してやがて最大値に達し、その後減少する。このようなS/N比の変化は、図7の感度変化と符合している。但し、S/N比は、図7の感度以上に大きくなっている。これは、量子井戸層18が、ホトキャリア34の生成を促進するだけではなく(図4参照)、雑音となる暗電流を抑制するためと考えられる。
【0032】
次に、障壁層16,20が、本量子ドット型赤外線検出器2のS/N比に及ぼす影響について説明する。図9は、図3のIX-IX線に沿った、光電変換層4のエネルギーバンド図である。すなわち、量子ドット14を縦断しない経路(IX-IX線)に沿ったエネルギーバンド図である。雑音の原因となる暗電流は、このような経路を沿って流れる。
【0033】
暗電流を形成する電子40(以下、暗電流電子と呼ぶ)は、まず、第2の障壁層20と第1の障壁層の一部16aが一体化した障壁17を、トンネル効果又は熱励起により通過して、量子井戸層14に侵入する。その後、暗電流電子40は、更に第1の障壁層16の残りの部分16bを、トンネル効果又は熱励起により通過して、反対側の中間層22に移動する。この時、障壁層16,20は、暗電流電子40の流れを阻害して、暗電流を減少させる。
【0034】
一方、図3及び4から明らかように、赤外線により励起された電子32が通過しなければならない障壁層は、第1の障壁層16の一部分16bだけである。従って、障壁層16,20により中間層22への脱出が阻害される励起電子は、暗電流電子より少ない。なお、光電流となった励起電子は中間層上を走行し、次の障壁層16、20に阻害されるが、阻害された電子の内、井戸層内に捕らわれたものは量子ドットへの緩和を起こすこととなる。遷移元準位に緩和した電子は赤外線の吸収・励起に再利用されて光電流を生成するので、このような阻害による光電流減少は、暗電流に比べ減少率が小さい。一方、障壁層16,20の量子閉じ込め効果により励起電子が増加して、中間層22へ脱出するホトキャリア34も増加する効果がある。その結果、光電流が増加する。
【0035】
以上のように、障壁層16,20は、暗電流を減少させる一方、光電流を増加させる。このため、S/N比が改善される。
【0036】
(2)製造方法
次に、製造法に従って、量子ドット型赤外線検知器2の構造をより詳しく説明する。
【0037】
―下部電極層の形成工程(図1及び2参照)―
まず、半絶縁性GaAs基板9上に、下部電極層6aになるn型GaAs層を成長する。このn型GaAs層の厚さは、例えば1000 nmである。また、n型ドーパントは、例えばSiである。このn型ドーパントの濃度は、例えば2×1018cm-3である。成長方法は、例えば、分子線エピタキシー法である(以下、同様)。成長時の基板温度(以下、基板温度と呼ぶ)は、例えば600℃である。
【0038】
次に、最下層の中間層22aになる、i型(絶縁性)AlxGa1-xAs層(0<x<1;以下、同様)を成長する。Alの組成xは、例えば0.2である。厚さは、例えば50 nmである。
【0039】
―下地障壁層の成長工程(図3参照)―
次に、基板温度を470 ℃に下げる。その後、第2の障壁層20(以下、下地障壁層と呼ぶ)になるAlAsを、1ML(分子層)成長する。
【0040】
―量子ドットの成長工程(図3参照)―
この下地障壁層20にIn分子線及びAs分子線を照射して、2.0 ML相当のInAsを成長する。In及びAsの供給速度は、InAs層の成長速度に換算して、0.2 ML/sである。これによりInAs層が臨界膜厚を超え、InAs層が量子ドット14になる。すなわち、自己組織化量子ドットが形成される。この量子ドット14の高さは、約1.5nmである。また、量子ドット14の直径は、約15nmである。そして、量子ドット14の密度は、約2×1011cm−2である。
【0041】
―下部埋め込み障壁層の成長工程(図3参照)―
次に、第1の障壁層16の一部16a(以下、下部埋め込み障壁層と呼ぶ)になるAlAsを3 ML成長する。
【0042】
―量子井戸層の成長工程(図3参照)―
次に、量子井戸層18になる、厚さ6 ML のAlxGa1-xAsを成長する。Alの組成xは、例えば0.2である。
【0043】
―上部埋め込み障壁層の成長工程(図3参照)―
次に、第1の障壁層16の残りの部分16b(以下、上部埋め込み障壁層と呼ぶ)になる、厚さ6 MLのAlAsを成長する。
【0044】
―中間層の成長工程(図3参照)―
次に、基板温度を600 ℃まで上昇させる。その後、中間層22になる、厚さ50 nm のi型AlxGa1-xAs層を成長する。Alの組成xは、例えば0.2である。
【0045】
次に、上記「下地障壁層の成長工程」乃至「中間層の成長工程」を、順次29回繰り返して、光電変換層4を形成する(図2参照)。
【0046】
―上部電極層の形成工程(図1及び2参照)―
次に、上部電極層6bになるn型GaAs層を成長する(図1及び2参照)。このn型GaAs層の厚さは、例えば1000 nmである。また、n型ドーパントは、例えばSiである。このn型ドーパントの濃度は、例えば2×1018cm-3である。基板温度は、例えば600℃である。
【0047】
―素子化工程―
次に、以上の工程により形成した成長層の表面に、リソグラフィー法により上部電極層6b及び光電変換層4に対応するエッチングマスクを形成する(図1参照)。この時、成長層の表面内の直交する2方向に、エッチングマスクを一定の間隔で配列する。その後、このエッチングマスクを用いて、上部電極層6b及び光電変換層4をエッチングして、下部電極層6aを露出させる。
【0048】
以上により、下部電極層6aの上に、光電変換層4と上部電極層6bを積層した複数の積層構造を形成する。この積層構造は、2次元配列されており、後述する赤外線イメージセンサの画素になる。この画素は、一辺が、例えば25μmの四角形である。また、画素のピッチは、例えば30μmである。
【0049】
次に、下部電極層6a及び上部電極層6bの上に、夫々、金属電極8a,8bを形成する。この金属電極8a,8bは、金、銀、アルミニウム等の金属膜、或いはAuGe/Au等の複合膜など反射率の高い金属膜である。従って、上部電極層6b上の金属電極8bは、光電変換層4を透過した赤外線の反射膜としても機能する。尚、下部電極層6aの上の金属電極8aは、各画素に一つずつ設けてもよいし、あるいは各画素が共用する共通金属電極として、一つ乃至数個設けてもよい。
【0050】
次に、金属電極8a,8bを除く加工表面全体を、SiN(またはSiON)保護膜で覆う。その後、GaAs基板9を所定の大きさに切断する。
【0051】
以上により、2次元配列された複数の赤外線検出器2が、共通の基板上に形成される。ここで、上記複数の赤外線検出器2とその半導体基板9は、赤外線センサアレイを形成する。
【0052】
これらの赤外線検出器2を動作させには、金属電極8a,8bを介して、下部電極層6aと上部電極層6bの間に、例えば1Vの電圧を印加する。これにより、赤外線検出器2は、波長8〜10μmの赤外線を検知するようになる。そして、赤外線の検知感度は、第1の障壁層16に量子井戸層18を設けない場合に比べ、約1.2倍になる。また、S/N比は、約1.7倍になる。このように、本実施の形態によれば、量子ドット型赤外線検知器の感度及びS/N比の双方が改善される。
【0053】
(実施の形態2)
図10は、本実施の形態の赤外線イメージセンサ41の断面を説明する概略図である。
【0054】
以下、製造方法に従って、本実施の形態の赤外線イメージセンサ41の構造を説明する。
【0055】
まず、光信号処理装置46を用意する。この光信号処理装置46は、実施の形態1の赤外線センサアレイ42が検知した光信号(すなわち、光電流)を処理して、赤外線センサアレイ42の裏面に投影された赤外線像の画像データを生成する集積回路装置(読み出し回路:例えばCMOS回路)である。例えば、光信号処理装置46は、各画素が生成した光電流強度に対応するデジタル信号を生成し、画素の配列順に従って出力する。ここで、光信号処理装置46は、赤外線センサアレイ42の各金属電極8a,8bに対応する複数の電極44を有している。
【0056】
次に、赤外線センサアレイ42の各金属電極8a,8bに、In製のバンプ48を載置する。
【0057】
次に、赤外線センサアレイ42の金属電極8a,8bと、光信号処理装置46の電極44がバンプを介して対向するように、赤外線センサアレイ42と光信号処理装置46を重ね合わせる。
【0058】
最後に、リフロー処理により、金属電極8a,8bと電極44を接続する。以上の工程により、赤外線イメージセンサ41が完成する。
【0059】
この赤外線イメージセンサ41を動作させると、光信号処理装置46は、赤外線センサアレイ42の各画素に駆動電圧(例えば、1V)を供給する。赤外線センサアレイ42の各画素は、赤外線12を受光して光電流を生成し、光信号処理装置46に供給する。光信号処理装置46は、この光電流をアナログデジタル変換して、画素の配列順の従って順次出力する。この時、本実施の形態では、各画素(量子ドット型赤外線検出器)の感度が向上しているので、鮮明な画像が得られる。
【0060】
(実施の形態3)
図11は、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する部分拡大図である。実施の形態1では、図3に示すように、量子井戸層18が、量子ドット14に接している。しかし、本実施の形態では、図11に示すように、量子井戸層18aは、量子ドット14に接していない。この点を除き、本赤外線検出器の構造は、実施の形態1の赤外線検出器と略同じである。
【0061】
図12は、図11のXII-XII線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
本実施の形態では、図12に示すように、量子井戸層18aが、下部埋め込み障壁層16aにより、量子ドット14から空間的に分離されている。従って、実施の形態1より、励起電子32が、量子ドット14の遷移元準位28に緩和し難くい。従って、励起電子が、中間層22に脱出しやすくなっている。
【0062】
以上のように、量子井戸層18aが量子ドット14に接していなくても、量子ドット型赤外線検知器の感度を向上させることができる。
【0063】
(実施の形態4)
図13は、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する概略図である。実施の形態1では、図3に示すように、量子井戸層18は一層である。しかし、本実施の形態では、図13に示すように、量子井戸層が、2層設けられている。また、本実施の形態の埋め込み障壁層16は、2層の量子井戸層18b,18cに対応して、3層の障壁層16c,16d,16eを有している。以上の点を除き、本量子ドット型赤外線検出器の構造は、実施の形態1の量子ドット型赤外線検出器と略同じである。ここで、量子井戸層18b,18cの厚さは、2MLである。また、障壁層16c,16d,16eの厚さは、夫々、3ML、2ML、及び6MLである。
【0064】
以上のように、量子井戸層を複数設けても、量子ドット型赤外線検知器の感度を向上させることができる。
【0065】
(実施の形態5)
図14は、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する部分拡大図である。実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器2は、図3に示すように、量子ドットの底面に接する下地障壁層20を有している。しかし、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器は、図14に示すように、このような下地障壁層20を有していない。この点を除き、本量子ドット型赤外線検出器の構造は、実施の形態1の赤外線検出器と略同じである。
【0066】
下地障壁層20がないことにより、障壁層による励起準位の量子閉じ込め効果は弱くなる。しかし。量子ドット14の側面及び頂上が障壁層16により覆われているので、量子閉じ込め効果は発揮される。従って、量子ドット型赤外線検知器の感度は、障壁層16により高くなる。この高くなった感度が、量子井戸層18により、更に高められる。
【0067】
以上の実施の形態では、量子ドット、第1の障壁層、第2の障壁層、量子井戸層、及び中間層等は、InAs、AlAs、又はAlGaAsで形成されている。しかし、これらの半導体構造は、種々の材料により形成することができる。例えば、量子ドット、第1の障壁層、第2の障壁層、量子井戸層、及び中間層を、夫々、InAs, GaAs, AlAs, InP, GaP, AlP, InSb, GaSb, AlSb, InN, GaN, AlNからなる群から選択された半導体またはこれら半導体の混晶により形成してもよい。
【符号の説明】
【0068】
2・・・量子ドット型赤外線検知器
4・・・光電変換層
6a,6b・・・電極層
14・・・量子ドット
16・・・第1の障壁層
18・・・量子井戸層
20・・・第2の障壁層
22,22a・・・中間層
41・・・赤外線イメージセンサ
42・・・赤外線センサアレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子ドット型赤外線検知器及び赤外線イメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
量子ドット型赤外線検知器は、量子ドットのサブバンド間遷移を利用した赤外線光検出器である。量子ドットに赤外線が照射されると、量子ドットの遷移元準位に束縛されていた電子が光励起され、遷移先準位にサブバンド間遷移する。サブバンドに光励起された電子は、熱的な励起やトンネル効果によって量子ドットの束縛から脱し、印加された電圧によって電極に集められ、光電流を形成する。この光電流を外部回路で検出することで、赤外線を検知することができる。尚、量子井戸のサブバンド間遷移を利用した量子井戸赤外線検出器も存在する。しかし、量子井戸赤外線検出器は、垂直入射光には応答しないので適用範囲が限られている。
【0003】
量子ドット型赤外線検知器は、光電変換層と、光電変換層の上面及び下面に設けられた電極層を有している。更に、光電変換層は、量子ドットと、量子ドットを囲む中間層を有している。ここで、中間層のエネルギーギャップ(伝導帯の底と価電子帯の頂上のエネルギー差)は、量子ドットより広い。従って、中間層が、量子ドットの伝導帯内電子に対してエネルギー障壁となり、量子ドット内に量子準位を生成する。
【0004】
量子ドットと中間層だけを有する光電変換層からなる基礎的な量子ドット型赤外線検知器は、十分な光電流を生成することができず、感度(信号に相当)が低くいという問題を有していた。
【0005】
この問題を解決するため、エネルギーギャップが中間層より広い半導体層(以下、障壁層と呼ぶ)で、量子ドットを囲んだ量子ドット型光検出器が開発された。この障壁層により、量子ドットにおける量子閉じ込め効果が強くなり、光で励起された電子が遷移し易くなり、その結果量子ドット型赤外線検知器の感度が改善された。
【0006】
赤外線検知器の特性としては、感度が大きく、信号と雑音の比(S/N)が小さいことが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−65141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、量子ドット型赤外線検知器の感度を、更に向上させることは、容易でない。例えば、励起準位の量子閉じ込め効果を高めるために障壁層を厚くすると、感度は逆に低下してしまう。これは、厚くなった障壁層が、励起準位に遷移した電子(以下、励起電子と呼ぶ)の中間層へのトンネルによる脱出を抑制してしまうためである。
【0009】
そこで、本発明の目的は、中間層への電子の脱出を容易にして感度を高めた、量子ドット型赤外線検知器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本装置の第1の観点によれば、量子ドットと、前記量子ドットを覆い、エネルギーギャップが前記量子ドットより広い第1の障壁層と、前記第1の障壁層の上側および前記量子ドットの下側に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い中間層と、前記第1の障壁層内に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い量子井戸層とを有する光電変換層と、前記光電変換層の両側に設けられた電極層を備えた量子ドット型赤外線検知器が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本量子ドット型赤外線検知器によれば、障壁層を有する量子ドット型赤外線検知器の感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器の構造を説明する概略図である。
【図2】実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層の構造を説明する断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図3のIV-IV線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
【図5】第1の障壁層に量子井戸層が設けられてない光電変換層の部分拡大図である。
【図6】図5のVI-VI線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
【図7】量子井戸層の厚さと、実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器の感度の関係を説明する図である。
【図8】量子井戸層の厚さと、実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器のS/N比の関係を説明する図である。
【図9】図3のIX-IX線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
【図10】実施の形態2の赤外線イメージセンサの断面を説明する概略図である。
【図11】実施の形態3の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する部分拡大図である。
【図12】図11のXII-XII線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
【図13】実施の形態4の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する概略図である。
【図14】実施の形態5の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。尚、図面が異なっても対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0014】
(実施の形態1)
(1)構造及び動作
―全体構造―
図1は、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器2の構造を説明する概略図である。図1には、量子ドット型赤外線検知器2の動作を説明するため、電源10と電流検出器12も図示されている。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器2は、光電変換層4と、光電変換層4の両側に設けられた電極層6a,6bを有している。この電極層6a,6bは、例えば、n型の低抵抗半導体層である。ここで、下部電極層6a、光電変換層4、及び上部電極層6bは、半導体基板9の上に、この順番で積層されている。
【0016】
下部電極層6a及び上部電極層6bには、夫々、金属電極8a,8bが設けられている。これら金属電極8a,8bを介して電極層6a,6bの間に、一定の電圧を供給する電源10を接続する。従って、光電変換層4に、一定の電圧が印加される。
【0017】
検知対象の赤外線12は、半導体基板9の裏面から入射する。次に、赤外線12は、光電変換層4に到達し、一部が光電変換層4で吸収される。その後、赤外線12は、上側の金属電極8bにより反射される。これにより、赤外線12は、光電変換層4に再入射し、光電変換層4により再度吸収される。
【0018】
光電変換層4で吸収された赤外線は、ホトキャリアを生成する。光電変換層4に印加した電圧により、このホトキャリアが光電流となって、外部に取り出される。この光電流を電流検出器12により検出して、赤外線を検知する。
【0019】
―光電変換層―
図2は、本量子ドット型赤外線検知器2の光電変換層4の構造を説明する断面図である。図3は、図2の部分拡大図である。尚、図2には、参考のため、電極層6a,6bも図示してある。
【0020】
光電変換層4は、図2及び図3に示すように、複数の量子ドット14と、量子ドット14を覆う第1の障壁層16と、この第1の障壁層16内に設けられた量子井戸層18を有している。ここで、量子井戸層18は、量子ドット14に接している。
【0021】
更に、光電変換層4は、量子ドット14の底面に接する第2の障壁層20を有している。また、光電変換層4は、第1の障壁層16の上側(第1の障壁層16の一面側)及び量子ドット14の下側(前記一面の反対側)に設けられた中間層22(すなわち、第1の障壁層16の両側に設けられた中間層22)を有している。
【0022】
図4は、図3のIV-IV線に沿った、光電変換層4のエネルギーバンド図である。縦軸24は、電子のエネルギーである。横軸26は、半導体基板9に垂直な方向の位置に対応している(以下、同様)。図4には、量子ドット14等の伝導帯の底のエネルギーECと、価電子帯の頂上のエネルギーEVが図示されている。また、図4の上部には、量子ドット14等の位置が図示されている。
【0023】
図4に示すように、第1の障壁層16のエネルギーギャップEgは、量子ドット14のエネルギーギャップより広い。同様に、第2の障壁層20のエネルギーギャップも、量子ドット14のエネルギーギャップより広い。一方、中間層22のエネルギーギャップは、量子ドット14より広く、且つ第1の障壁層16及び第2の障壁層20より狭い。そして、量子井戸層18のエネルギーギャップは、量子ドット14より広く、且つ第1の障壁層16及び第2の障壁層20より狭い。
【0024】
すなわち、第1の障壁層16の伝導帯の底は、量子ドット14の伝導帯の底より高い。同様に、第2の障壁層20の伝導帯の底も、量子ドット14の伝導帯の底より高い。一方、中間層22の伝導帯の底は、量子ドット14より高く、且つ第1の障壁層16及び第2の障壁層20より低い。そして、量子井戸層18の伝導帯の底は、量子ドット14より高く、且つ第1の障壁層16及び第2の障壁層20より低い。
【0025】
この光電変換層4に赤外線が入射すると、量子ドット14の遷移元準位28に束縛されていた電子30が、赤外線を吸収して、量子井戸層18の量子準位に遷移する。次に、量子井戸層に励起された電子32は、トンネル効果又は熱励起により、量子井戸層18を脱出して、ホトキャリア34になる。その後、光電変換層4に印加された電圧により、このホトキャリア34が光電流となって、外部に取り出される。
【0026】
図5は、第1の障壁層16に量子井戸層18が設けられていない光電変換層の部分拡大図である。図6は、図5のVI-VI線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。この光電変換層に赤外線が入射すると、量子ドット14の遷移元準位28に束縛されていた電子30は、赤外線を吸収して、量子ドット14の励起準位36に遷移する。次に、励起された電子38の一部が、トンネル効果又は熱励起により、量子ドット14を脱出して、ホトキャリアになる。しかし、多くの励起電子38は、遷移元準位28に緩和して、中間層に脱出することができない。このため、図5のように、量子ドット14を第1の障壁層16で覆っただけの構造では、励起電子38が中間層22に脱出し難く、量子ドット型赤外線検知器の感度を十分に高めることはできない。
【0027】
一方、本量子ドット型赤外線検知器2では、図4に示すように、赤外線を吸収した電子32は、量子ドット14とは空間的に分離した量子井戸層18に遷移する(又は、量子ドット14の励起準位に遷移した後、量子井戸18に移動する)。従って、励起電子32が、量子ドット14の遷移元準位28に容易に緩和することはない。このため、励起電子の量子井戸における滞在時間が長くなり、励起電子が中間層に脱出し易くなる。故に、本量子ドット型赤外線検知器2の感度は高くなる。
【0028】
図7は、量子井戸層18の厚さと、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器2の感度の関係を説明する図である。横軸は、量子井戸層18の厚さ(任意単位)である。縦軸は、量子ドット型赤外線検知器2の感度(任意単位)である。図7に示すように、量子ドット型赤外線検知器2の感度は、量子井戸層18が薄い間はあまり変化しないが、量子井戸層18が厚くなると増加し、やがて最大値に達す。その後、量子ドット型赤外線検知器2の感度は減少する。
【0029】
量子井戸層18が厚くなると、量子井戸層18に励起電子32が滞在し易くなるので、感度が増加する。一方、量子井戸層18が更に厚くなると、第1の障壁層16が量子ドット14から離れ過ぎて、第1の障壁層16による、量子ドットの励起準位の量子閉じ込め効果が小さくなる。このため、光電変換層4の赤外線吸収率が低下して、感度が低くなる。
【0030】
図8は、量子井戸層18の厚さと、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器2のS/N比(signal to noise ratio)の関係を説明する図である。横軸は、量子井戸層18の厚さ(任意単位)である。縦軸は、量子ドット型赤外線検知器2のS/N比(任意単位)である。尚、図8のS/N比は、線形表示である。
【0031】
図8に示すように、量子ドット型赤外線検知器2のS/N比は、量子井戸層18の厚さと共に増加してやがて最大値に達し、その後減少する。このようなS/N比の変化は、図7の感度変化と符合している。但し、S/N比は、図7の感度以上に大きくなっている。これは、量子井戸層18が、ホトキャリア34の生成を促進するだけではなく(図4参照)、雑音となる暗電流を抑制するためと考えられる。
【0032】
次に、障壁層16,20が、本量子ドット型赤外線検出器2のS/N比に及ぼす影響について説明する。図9は、図3のIX-IX線に沿った、光電変換層4のエネルギーバンド図である。すなわち、量子ドット14を縦断しない経路(IX-IX線)に沿ったエネルギーバンド図である。雑音の原因となる暗電流は、このような経路を沿って流れる。
【0033】
暗電流を形成する電子40(以下、暗電流電子と呼ぶ)は、まず、第2の障壁層20と第1の障壁層の一部16aが一体化した障壁17を、トンネル効果又は熱励起により通過して、量子井戸層14に侵入する。その後、暗電流電子40は、更に第1の障壁層16の残りの部分16bを、トンネル効果又は熱励起により通過して、反対側の中間層22に移動する。この時、障壁層16,20は、暗電流電子40の流れを阻害して、暗電流を減少させる。
【0034】
一方、図3及び4から明らかように、赤外線により励起された電子32が通過しなければならない障壁層は、第1の障壁層16の一部分16bだけである。従って、障壁層16,20により中間層22への脱出が阻害される励起電子は、暗電流電子より少ない。なお、光電流となった励起電子は中間層上を走行し、次の障壁層16、20に阻害されるが、阻害された電子の内、井戸層内に捕らわれたものは量子ドットへの緩和を起こすこととなる。遷移元準位に緩和した電子は赤外線の吸収・励起に再利用されて光電流を生成するので、このような阻害による光電流減少は、暗電流に比べ減少率が小さい。一方、障壁層16,20の量子閉じ込め効果により励起電子が増加して、中間層22へ脱出するホトキャリア34も増加する効果がある。その結果、光電流が増加する。
【0035】
以上のように、障壁層16,20は、暗電流を減少させる一方、光電流を増加させる。このため、S/N比が改善される。
【0036】
(2)製造方法
次に、製造法に従って、量子ドット型赤外線検知器2の構造をより詳しく説明する。
【0037】
―下部電極層の形成工程(図1及び2参照)―
まず、半絶縁性GaAs基板9上に、下部電極層6aになるn型GaAs層を成長する。このn型GaAs層の厚さは、例えば1000 nmである。また、n型ドーパントは、例えばSiである。このn型ドーパントの濃度は、例えば2×1018cm-3である。成長方法は、例えば、分子線エピタキシー法である(以下、同様)。成長時の基板温度(以下、基板温度と呼ぶ)は、例えば600℃である。
【0038】
次に、最下層の中間層22aになる、i型(絶縁性)AlxGa1-xAs層(0<x<1;以下、同様)を成長する。Alの組成xは、例えば0.2である。厚さは、例えば50 nmである。
【0039】
―下地障壁層の成長工程(図3参照)―
次に、基板温度を470 ℃に下げる。その後、第2の障壁層20(以下、下地障壁層と呼ぶ)になるAlAsを、1ML(分子層)成長する。
【0040】
―量子ドットの成長工程(図3参照)―
この下地障壁層20にIn分子線及びAs分子線を照射して、2.0 ML相当のInAsを成長する。In及びAsの供給速度は、InAs層の成長速度に換算して、0.2 ML/sである。これによりInAs層が臨界膜厚を超え、InAs層が量子ドット14になる。すなわち、自己組織化量子ドットが形成される。この量子ドット14の高さは、約1.5nmである。また、量子ドット14の直径は、約15nmである。そして、量子ドット14の密度は、約2×1011cm−2である。
【0041】
―下部埋め込み障壁層の成長工程(図3参照)―
次に、第1の障壁層16の一部16a(以下、下部埋め込み障壁層と呼ぶ)になるAlAsを3 ML成長する。
【0042】
―量子井戸層の成長工程(図3参照)―
次に、量子井戸層18になる、厚さ6 ML のAlxGa1-xAsを成長する。Alの組成xは、例えば0.2である。
【0043】
―上部埋め込み障壁層の成長工程(図3参照)―
次に、第1の障壁層16の残りの部分16b(以下、上部埋め込み障壁層と呼ぶ)になる、厚さ6 MLのAlAsを成長する。
【0044】
―中間層の成長工程(図3参照)―
次に、基板温度を600 ℃まで上昇させる。その後、中間層22になる、厚さ50 nm のi型AlxGa1-xAs層を成長する。Alの組成xは、例えば0.2である。
【0045】
次に、上記「下地障壁層の成長工程」乃至「中間層の成長工程」を、順次29回繰り返して、光電変換層4を形成する(図2参照)。
【0046】
―上部電極層の形成工程(図1及び2参照)―
次に、上部電極層6bになるn型GaAs層を成長する(図1及び2参照)。このn型GaAs層の厚さは、例えば1000 nmである。また、n型ドーパントは、例えばSiである。このn型ドーパントの濃度は、例えば2×1018cm-3である。基板温度は、例えば600℃である。
【0047】
―素子化工程―
次に、以上の工程により形成した成長層の表面に、リソグラフィー法により上部電極層6b及び光電変換層4に対応するエッチングマスクを形成する(図1参照)。この時、成長層の表面内の直交する2方向に、エッチングマスクを一定の間隔で配列する。その後、このエッチングマスクを用いて、上部電極層6b及び光電変換層4をエッチングして、下部電極層6aを露出させる。
【0048】
以上により、下部電極層6aの上に、光電変換層4と上部電極層6bを積層した複数の積層構造を形成する。この積層構造は、2次元配列されており、後述する赤外線イメージセンサの画素になる。この画素は、一辺が、例えば25μmの四角形である。また、画素のピッチは、例えば30μmである。
【0049】
次に、下部電極層6a及び上部電極層6bの上に、夫々、金属電極8a,8bを形成する。この金属電極8a,8bは、金、銀、アルミニウム等の金属膜、或いはAuGe/Au等の複合膜など反射率の高い金属膜である。従って、上部電極層6b上の金属電極8bは、光電変換層4を透過した赤外線の反射膜としても機能する。尚、下部電極層6aの上の金属電極8aは、各画素に一つずつ設けてもよいし、あるいは各画素が共用する共通金属電極として、一つ乃至数個設けてもよい。
【0050】
次に、金属電極8a,8bを除く加工表面全体を、SiN(またはSiON)保護膜で覆う。その後、GaAs基板9を所定の大きさに切断する。
【0051】
以上により、2次元配列された複数の赤外線検出器2が、共通の基板上に形成される。ここで、上記複数の赤外線検出器2とその半導体基板9は、赤外線センサアレイを形成する。
【0052】
これらの赤外線検出器2を動作させには、金属電極8a,8bを介して、下部電極層6aと上部電極層6bの間に、例えば1Vの電圧を印加する。これにより、赤外線検出器2は、波長8〜10μmの赤外線を検知するようになる。そして、赤外線の検知感度は、第1の障壁層16に量子井戸層18を設けない場合に比べ、約1.2倍になる。また、S/N比は、約1.7倍になる。このように、本実施の形態によれば、量子ドット型赤外線検知器の感度及びS/N比の双方が改善される。
【0053】
(実施の形態2)
図10は、本実施の形態の赤外線イメージセンサ41の断面を説明する概略図である。
【0054】
以下、製造方法に従って、本実施の形態の赤外線イメージセンサ41の構造を説明する。
【0055】
まず、光信号処理装置46を用意する。この光信号処理装置46は、実施の形態1の赤外線センサアレイ42が検知した光信号(すなわち、光電流)を処理して、赤外線センサアレイ42の裏面に投影された赤外線像の画像データを生成する集積回路装置(読み出し回路:例えばCMOS回路)である。例えば、光信号処理装置46は、各画素が生成した光電流強度に対応するデジタル信号を生成し、画素の配列順に従って出力する。ここで、光信号処理装置46は、赤外線センサアレイ42の各金属電極8a,8bに対応する複数の電極44を有している。
【0056】
次に、赤外線センサアレイ42の各金属電極8a,8bに、In製のバンプ48を載置する。
【0057】
次に、赤外線センサアレイ42の金属電極8a,8bと、光信号処理装置46の電極44がバンプを介して対向するように、赤外線センサアレイ42と光信号処理装置46を重ね合わせる。
【0058】
最後に、リフロー処理により、金属電極8a,8bと電極44を接続する。以上の工程により、赤外線イメージセンサ41が完成する。
【0059】
この赤外線イメージセンサ41を動作させると、光信号処理装置46は、赤外線センサアレイ42の各画素に駆動電圧(例えば、1V)を供給する。赤外線センサアレイ42の各画素は、赤外線12を受光して光電流を生成し、光信号処理装置46に供給する。光信号処理装置46は、この光電流をアナログデジタル変換して、画素の配列順の従って順次出力する。この時、本実施の形態では、各画素(量子ドット型赤外線検出器)の感度が向上しているので、鮮明な画像が得られる。
【0060】
(実施の形態3)
図11は、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する部分拡大図である。実施の形態1では、図3に示すように、量子井戸層18が、量子ドット14に接している。しかし、本実施の形態では、図11に示すように、量子井戸層18aは、量子ドット14に接していない。この点を除き、本赤外線検出器の構造は、実施の形態1の赤外線検出器と略同じである。
【0061】
図12は、図11のXII-XII線に沿った、光電変換層のエネルギーバンド図である。
本実施の形態では、図12に示すように、量子井戸層18aが、下部埋め込み障壁層16aにより、量子ドット14から空間的に分離されている。従って、実施の形態1より、励起電子32が、量子ドット14の遷移元準位28に緩和し難くい。従って、励起電子が、中間層22に脱出しやすくなっている。
【0062】
以上のように、量子井戸層18aが量子ドット14に接していなくても、量子ドット型赤外線検知器の感度を向上させることができる。
【0063】
(実施の形態4)
図13は、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する概略図である。実施の形態1では、図3に示すように、量子井戸層18は一層である。しかし、本実施の形態では、図13に示すように、量子井戸層が、2層設けられている。また、本実施の形態の埋め込み障壁層16は、2層の量子井戸層18b,18cに対応して、3層の障壁層16c,16d,16eを有している。以上の点を除き、本量子ドット型赤外線検出器の構造は、実施の形態1の量子ドット型赤外線検出器と略同じである。ここで、量子井戸層18b,18cの厚さは、2MLである。また、障壁層16c,16d,16eの厚さは、夫々、3ML、2ML、及び6MLである。
【0064】
以上のように、量子井戸層を複数設けても、量子ドット型赤外線検知器の感度を向上させることができる。
【0065】
(実施の形態5)
図14は、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器の光電変換層を説明する部分拡大図である。実施の形態1の量子ドット型赤外線検知器2は、図3に示すように、量子ドットの底面に接する下地障壁層20を有している。しかし、本実施の形態の量子ドット型赤外線検知器は、図14に示すように、このような下地障壁層20を有していない。この点を除き、本量子ドット型赤外線検出器の構造は、実施の形態1の赤外線検出器と略同じである。
【0066】
下地障壁層20がないことにより、障壁層による励起準位の量子閉じ込め効果は弱くなる。しかし。量子ドット14の側面及び頂上が障壁層16により覆われているので、量子閉じ込め効果は発揮される。従って、量子ドット型赤外線検知器の感度は、障壁層16により高くなる。この高くなった感度が、量子井戸層18により、更に高められる。
【0067】
以上の実施の形態では、量子ドット、第1の障壁層、第2の障壁層、量子井戸層、及び中間層等は、InAs、AlAs、又はAlGaAsで形成されている。しかし、これらの半導体構造は、種々の材料により形成することができる。例えば、量子ドット、第1の障壁層、第2の障壁層、量子井戸層、及び中間層を、夫々、InAs, GaAs, AlAs, InP, GaP, AlP, InSb, GaSb, AlSb, InN, GaN, AlNからなる群から選択された半導体またはこれら半導体の混晶により形成してもよい。
【符号の説明】
【0068】
2・・・量子ドット型赤外線検知器
4・・・光電変換層
6a,6b・・・電極層
14・・・量子ドット
16・・・第1の障壁層
18・・・量子井戸層
20・・・第2の障壁層
22,22a・・・中間層
41・・・赤外線イメージセンサ
42・・・赤外線センサアレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子ドットと、前記量子ドットを覆いエネルギーギャップが前記量子ドットより広い第1の障壁層と、前記第1の障壁層の上側および前記量子ドットの下側に設けられエネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い中間層と、前記第1の障壁層内に設けられエネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い量子井戸層とを有する光電変換層と、
前記光電変換層の両側に設けられた電極層とを、
備えた量子ドット型赤外線検知器。
【請求項2】
請求項1に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
前記量子井戸層は、前記量子ドットに接していることを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項3】
請求項1に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
前記量子井戸層は、前記量子ドットに接していないことを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項4】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
前記量子井戸層は、複数設けられていることを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
更に、前記光電変換層が、前記量子ドットの底面に接し、エネルギーギャップが前記量子井戸層及び前記中間層より広い第2の障壁層を有することを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
前記量子ドット、前記第1の障壁層、前記第2の障壁層、前記量子井戸層、及び前記中間層が、夫々、InAs, GaAs, AlAs, InP, GaP, AlP, InSb, GaSb, AlSb, InN, GaN, AlNからなる群から選択された半導体または前記半導体の混晶により形成されていることを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項7】
量子ドットと、前記量子ドットを覆い、エネルギーギャップが前記量子ドットより広い第1の障壁層と、前記第1の障壁層の上側および前記量子ドットの下側に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い中間層と、前記第1の障壁層内に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い量子井戸層とを有する光電変換層と、前記光電変換層の両側に設けられた電極層を備えた量子ドット型赤外線検知器が2次元配列された赤外線センサアレイと、
夫々の前記量子ドット型赤外線検知器が検知した光信号を処理して、前記赤外線センサアレイに投影された赤外線像の画像データを生成する光信号処理装置とを、
有する赤外線イメージセンサ。
【請求項1】
量子ドットと、前記量子ドットを覆いエネルギーギャップが前記量子ドットより広い第1の障壁層と、前記第1の障壁層の上側および前記量子ドットの下側に設けられエネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い中間層と、前記第1の障壁層内に設けられエネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い量子井戸層とを有する光電変換層と、
前記光電変換層の両側に設けられた電極層とを、
備えた量子ドット型赤外線検知器。
【請求項2】
請求項1に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
前記量子井戸層は、前記量子ドットに接していることを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項3】
請求項1に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
前記量子井戸層は、前記量子ドットに接していないことを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項4】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
前記量子井戸層は、複数設けられていることを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
更に、前記光電変換層が、前記量子ドットの底面に接し、エネルギーギャップが前記量子井戸層及び前記中間層より広い第2の障壁層を有することを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検知器において、
前記量子ドット、前記第1の障壁層、前記第2の障壁層、前記量子井戸層、及び前記中間層が、夫々、InAs, GaAs, AlAs, InP, GaP, AlP, InSb, GaSb, AlSb, InN, GaN, AlNからなる群から選択された半導体または前記半導体の混晶により形成されていることを、
特徴とする量子ドット型赤外線検知器。
【請求項7】
量子ドットと、前記量子ドットを覆い、エネルギーギャップが前記量子ドットより広い第1の障壁層と、前記第1の障壁層の上側および前記量子ドットの下側に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い中間層と、前記第1の障壁層内に設けられ、エネルギーギャップが前記量子ドットより広く且つ前記第1の障壁層より狭い量子井戸層とを有する光電変換層と、前記光電変換層の両側に設けられた電極層を備えた量子ドット型赤外線検知器が2次元配列された赤外線センサアレイと、
夫々の前記量子ドット型赤外線検知器が検知した光信号を処理して、前記赤外線センサアレイに投影された赤外線像の画像データを生成する光信号処理装置とを、
有する赤外線イメージセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−109434(P2012−109434A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257853(P2010−257853)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、防衛省、「2波長赤外線センサ(その2)」試作研究請負契約、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(390014306)防衛省技術研究本部長 (169)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、防衛省、「2波長赤外線センサ(その2)」試作研究請負契約、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(390014306)防衛省技術研究本部長 (169)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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