説明

長尺センサ

【課題】非接触状態で人体等の異物を検知できるとともに、静電容量の変化量が比較的小さくなるような異物であっても感度よく検知することができる静電容量式の長尺センサを提供する。
【解決手段】長尺センサ21は、取付基部22と表皮部23とを備える。表皮部23は、その内部に中空部26を備えている。中空部26のドアピラー5側の内側面には、第1の電極27が取着されるとともに、中空部26の取付基部22側の表面には、第2の電極28が取着される。中空部26内には、両電極27,28に挟まれるようにしてスポンジ層29と空気層30とが設けられる。スポンジ層29は、取付基部22側に設けられ、弾性変形可能であり、かつ、空気の誘電率よりも高い誘電率を有している。空気層30は、表皮部23とスポンジ層29との間に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物を検知するためのセンサに関するものであり、特に自動車等の車両において車両本体とドア等の開閉体との間の異物を検知するための長尺センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂ワンボックスカー等の車両においては、乗員の昇降口を大きく開閉して昇降の便を向上させるとともに、その際にできるだけドアをボディから離さないようにするために、車両のボディに沿ってスライドするスライドドアを具備するものがある。そして、近年では、このスライドドアをモータ等を用いて自動閉鎖可能なものや、スライドドアがボディ開口部の全閉される全閉位置の手前に位置していわば半ドアの状態となると、スライドドアを全閉位置まで駆動するものが知られている。
【0003】
このようなドアの開閉システムにおいては、スライドドアの自動閉鎖動作中に何らかの異物(例えば、人体や衣服等)を挟み込まないようにする必要がある。そのため、異物を検知するセンサと、当該センサによって異物が検知された際に、スライドドアを停止させるとともに、開方向へと逆転制御する機構とが一般的に設けられる。ここで、異物を検知するセンサを実現すべく、復元性を有する中空状の絶縁体と、当該絶縁体内に設けられた相互に非接触状態の複数の電極線とからなるコードスイッチを、スライドドアの前側端縁部に設ける方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。当該技術について詳述すると、異物がボディ開口部及びスライドドア間に存在する場合には、スライドドアの閉鎖動作に伴い異物やドア端縁部によってコードスイッチが押圧され、絶縁体内部の電極線同士が接触し、短絡が生じる。そして、短絡が検知された際には、異物が存在するものと検知される。
【特許文献1】特開2007−123202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術においては、異物の検知は、電極線同士の接触が起こる程度の比較的大きな荷重が前記コードスイッチに加わることによって初めて可能となる。従って、異物に対して比較的大きな荷重が加わってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、上記不具合を解消すべく、静電容量式のセンサが提案されている。静電容量式のセンサは、人体等の異物が近接した際に、静電容量が変化することに基づいて異物を検知するものである。すなわち、静電容量式のセンサは、異物とは非接触な状態で、異物の検知が可能である。
【0006】
ところが、静電容量式のセンサにおいては、降雨等によってセンサやセンサ周辺に水が付着してしまうと、静電容量が変化してしまい、異物が存在するとの誤判定が起こってしまうおそれがある。そこで、このような誤判定を防止すべく、静電容量がより大きく変化した場合に、異物を検知するように設定する(すなわち、検知に用いる閾値を厳しくする)ことが考えられる。しかし、人体等以外の水分含有量が比較的少ない異物や比較的サイズが小さい異物等については、静電容量の変化量が比較的小さなものとなりやすい。そのため、このような異物については、上記のように閾値を厳しくした場合に、その検知が困難なものとなってしまうおそれがある。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、非接触状態で人体等の異物を検知できるとともに、静電容量の変化量が比較的小さくなるような異物であっても感度よく検知することができる静電容量式の長尺センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0009】
手段1.車両本体に設けられた開口部を開閉可能な開閉体の側縁部に取着される取付基部と、
前記取付基部から前記開口部周縁側に向けて膨出し、内部に中空部を有する表皮部と、
前記中空部内において、互いに相対向するように所定間隔を隔てて設けられた一対の電極と
を備え、前記一対の電極間の静電容量の変化に基づき、前記表皮部への近接及び接触のうち少なくとも一方を検知する長尺センサであって、
前記中空部内には、
空気よりも誘電率の高い材質よりなる弾性変形可能な第1の層と、
空気よりなる第2の層とが設けられるとともに、
前記一対の電極のうち、
第1の電極は、前記表皮部の前記中空部側表面に取着されるとともに、
前記第1の電極とは異なる第2の電極は、少なくとも前記第1の層よりも前記取付基部側に位置するように設けられており、
前記第1の層は前記第2の電極を覆うように設けられるとともに、
前記第2の層は、少なくとも前記第1の層と前記第1の電極との間に設けられることを特徴とする長尺センサ。
【0010】
上記手段1によれば、人体等の異物が近接した場合には、第1の電極及び第2の電極間の静電容量が比較的大きく変化することとなる。すなわち、人体等の異物については、非接触状態で感度よく検知することができる。
【0011】
一方で、人体等以外の水分含有量が比較的少ない異物(例えば、布等で被覆された手、衣服、或いは、傘等のモノ)や比較的サイズの小さい異物等については、静電容量の変化量が比較的小さなものとなる。そのため、異物の検知が困難なものとなってしまうことが懸念される。
【0012】
この点、本手段1によれば、表皮部と第1の層との間には、空気よりなる第2の層が設けられている。このため、異物が表皮部に接触した場合には、比較的小さな荷重であっても、表皮部及び第1の電極が瞬時に取付基部側にへこむこととなる。これにより、異物が表皮部に当接した当初は、両電極間の距離を比較的大きく減少させることができ、両電極間の静電容量を比較的大きく変化させることができる。すなわち、上述したような静電容量の変化量が比較的小さくなる異物であっても、感度よく検知することができる。
【0013】
さらに、前記第2の層より取付基部側には、空気よりも誘電率の高い第1の層が設けられている。このため、異物に押圧されることによって第2の層が潰され、第1の電極が第1の層まで至った際には、両電極間の距離が減少したときの両電極間の静電容量の変化量が、第1の層の誘電率に比例した一層大きなものとなる。これにより、異物を一層感度よく検知することができる。但し、センサー形状が長尺状をなすため、誘電率が大きすぎる場合には、静電容量が大きくなりすぎて、異物(誘電体)を検知することが困難となってしまうおそれがある。そのため、第1の層の誘電率としては、あまり大きすぎない適値の誘電率を選択することが好ましい。
【0014】
以上のように、本手段1によれば、人体等の異物については、近接した段階で検知することができるとともに、人体等以外の、静電容量の変化量が比較的小さくなるような異物については、第1の層と第2の層とを設けることにより、2段階に亘って感度よく検知することができる。その結果、異物の検知精度を飛躍的に向上させることができる。
【0015】
尚、上述の作用効果をより確実に奏するべく、表皮部を、比較的弾性率の小さな材料(例えば、EPDMゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、ウレタン、エチレン、又は、シリコン樹脂等)によって比較的薄肉に形成することが望ましい。ところが、このような表皮部は、経年劣化してしまうことで、「へたり」等の不具合が発生してしまいやすい。
【0016】
これに対して、上述の通り、取付基部側には第1の層が設けられているため、表皮部の形状保持を図ることができ、「へたり」等の不具合の発生を効果的に抑制することができる。すなわち、第1の層を設けることで、検知精度の向上というメリットに加え、表皮部の形状保持という作用効果も奏されるのである。
【0017】
手段2.前記第1の電極は、前記表皮部側へと膨出する断面円弧状をなすことを特徴とする手段1に記載の長尺センサ。
【0018】
上記手段2によれば、第1の電極は、表皮部側へと膨出する断面円弧状とされている。これにより、非接触状態における人体等の異物の検知範囲をより広げることができ、検知精度の一層の向上を図ることができる。
【0019】
手段3.前記一対の電極は帯状をなすとともに、
前記第1の電極の幅が、前記第2の電極の幅以上であることを特徴とする手段1又は2に記載の長尺センサ。
【0020】
上記手段3によれば、第1の電極の幅は、第2の電極の幅以上とされている。すなわち、第1の電極は、比較的幅広に形成されている。これにより、非接触状態における異物の検知可能範囲をより一層広げることができる。加えて、静電容量の変化量をより大きなものとすることができるため、検知精度のより一層の向上を図ることができる。
【0021】
手段4.前記第2の層は、前記第1の層と前記表皮部との間にまで延出していることを特徴とする手段3に記載の長尺センサ。
【0022】
上記手段4によれば、前記第1の層(の側面部)と前記表皮部との間にまで前記第2の層が延出するようにして形成されている。これにより、表皮部が変形した際における、表皮部の可動域をより大きくすることができ、ひいては表皮部をより容易に変形させることができる。その結果、静電容量の変化量をより大きなものとすることができ、検知精度の一層の向上を図ることができる。
【0023】
尚、この場合において、前記第1の電極を、前記第1の層の側面部と前記表皮部との間にまで延出するように形成することとしてもよい。これにより、検知精度のより一層の向上を図ることができる。
【0024】
手段5.前記第1の層は、前記第1の電極側に突出した形状を有することを特徴とする手段4に記載の長尺センサ。
【0025】
上記手段5によれば、第1の層が第1の電極側に突出した形状とされている。ここで、表皮部は断面湾曲状に形成され得るが、この場合において、表皮部の中空部側表面と第1の層と間隙を全体的に比較的小さなものとすることができる。これにより、第1の層による表皮部の形状保持機能をより確実に発揮することができる。
【0026】
さらに、本手段5を採用することにより、表皮部の側面部と第1の層の側面部との間に十分な厚さの第2の層を形成しやすくなる。これにより、表皮部の側面から異物が接触した場合であっても、第2の層を設けたことによる作用効果がより確実に奏されることとなり、ひいては検知精度の一層の向上を図ることができる。
【0027】
手段6.前記第1の層は、スポンジ材料よりなることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の長尺センサ。
【0028】
上記手段6によれば、第1の層は、スポンジ材料(弾性発泡体)によって形成されている。ここで、一般的にスポンジ材料は、弾性変形可能であるとともに、空気よりも高い誘電率を有し、さらに、表皮部の形状保持に十分な強度を有するものである。すなわち、一般的にスポンジ材料は、前記第1の層として必要となる機能を具備している。従って、上記手段1等の作用効果をより確実に奏するという観点から、第1の層をスポンジ材料より形成することがより好適である。
【0029】
さらに、第1の層をスポンジ材料によって形成した場合には、異物によって第1の層が押圧された際に、第1の層の密度が増大し、ひいては第1の層の誘電率がより大きなものとなる。これにより、両電極間における静電容量の変化量をより大きなものとすることができ、検知精度の更なる向上を図ることができる。
【0030】
尚、第1の層を形成するスポンジ材料に対して、当該スポンジ材料を構成する成分と同じ成分よりなる被膜(非発泡体)を設けることとしてもよい。これにより、第1の電極との密着性を向上させることができるとともに、表皮部の形状をより一層確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0032】
図1はスライドドアを搭載した車両の概略斜視図である。同図に示すように、車両1本体は、そのボディ側面に開閉体としてのスライドドア2を有している。当該スライドドア2は、ボディ側面の中央部に設けられたスライドレール3と、ボディ側面の天井部側及び床部側に設けられた図示しないスライドレールとによって、ボディ側面に支持されている。当該スライドドア2は、ボディ側面に示される開口部としての昇降口4を全閉した図示する全閉位置と、昇降口4を全開した全開位置(図中の二点鎖線参照)との間に亘ってボディ側面に沿ってスライドし、昇降口4を開閉できるように構成されている。
【0033】
ボディのドアピラー5の後端面とスライドドア2の前方側サイドパネルとの間には、ボディとドアとを係合する図示しないロック機構が設けられている。そして、スライドドア2が図示する全閉位置までスライドされると、スライドドア2は、このロック機構により、全閉位置でロックされるように構成されている。
【0034】
また、前記スライドドア2の内部には、自動閉鎖機構が設けられている。当該自動閉鎖機構は、全開位置にあるスライドドア2を全閉位置までスライド動作させるためのものである。図2に示すように、自動閉鎖機構は、スライドドア2を全閉位置まで動作させるための駆動手段としての駆動モータ11と、当該駆動モータ11を駆動制御する制御手段としての電子制御ユニット(ECU)12とを備えている。ECU12には、運転席に配設される操作スイッチ13や、車両室内に配置されるリモートコントローラ(リモコン)スイッチ14等から閉鎖指令信号が入力されるようになっている。また、ECU12には、駆動モータ11或いは別途の図示しない検出センサからの信号に基づき、スライドドア2の位置が現在どの程度であるのかが(全開位置、全閉位置をも含めて)把握可能となっている。
【0035】
そして、昇降口4が開状態(ここでは、例えばスライドドア2が全開位置)にあるときに、閉鎖指令信号が入力された場合、ECU12は、前記駆動モータ11を正転駆動制御する。これにより、スライドドア2が全閉位置までスライド動作され、全閉位置にてロックされるようになっている。そして、ロックが完了した後、駆動モータ11の動作が停止されるようになっている。
【0036】
さらに、本実施形態では、スライドドア2と昇降口4周縁との隙間に異物が存在していることを検知可能な長尺センサ21が設けられている。当該長尺センサ21は、静電容量計測手段15に電気的に接続されており、静電容量計測手段15は、前記ECU12に対して電気的に接続されている。ここで、静電容量計測手段15は、後述する第1の電極27及び第2の電極28間の静電容量を計測可能に構成されており、計測された静電容量(に関する情報)がECU12に対して伝送されるようになっている。本実施形態において、前記ECU12は、異物が近接・接触していないときの静電容量(初期静電容量)に対する伝送された静電容量の変化割合が、予め設定された閾値よりも大きい場合に、スライドドア2と昇降口4周縁との隙間に異物が存在しているものと検知する。そして、駆動モータ11の閉動作を一旦停止させるとともに、スライドドア2を開方向へと移動させる逆転駆動制御を行うようになっている。すなわち、ECU12は、停止制御手段としての機能をも発揮するよう構成されている。尚、本実施形態においては、長尺センサ21の誤作動を防止するという観点から、前記閾値として、比較的大きな値が設定されている。
【0037】
ここで、長尺センサ21等の詳細について説明する。図3は、スライドドア2の前端縁及びボディのドアピラー5部分を示す図1のJ−J線断面図である。同図に示すように、ボディのドアピラー5の後端側に沿って上下に延びるフランジ5aには、ウエザストリップ31が設けられている。ウエザストリップ31は、スライドドア2が同図実線で示す全閉位置までスライドされたときに、ボディとスライドドア2との間をシールする。尚、スライドドア2の全閉直前においては、当該スライドドア2は、図中二点鎖線で示すように、この全閉位置から図において斜め右下に位置する。
【0038】
前記ウエザストリップ31は、押出成形により得られるものであり、フランジ5aに差し込み固定される取付基部32と、中空状のシール部33とを備えている。この場合において、取付基部32はEPDMソリッドゴムにより形成され、シール部33はEPDMスポンジゴムにより形成されている。そして、シール部33が、スライドドア2のインナパネルにより押圧されて潰れ変形することでシール機能が発揮されるようになっている。
【0039】
次に、長尺センサ21について説明する。本実施形態において、長尺センサ21は、ボディのドアピラー5と対向する部位のスライドドア2の前端部2bに取付けられている。長尺センサ21は、EPDMソリッドゴムからなり、スライドドア2の前端部2bに固定される取付基部22と、弾性が比較的小さい材料(本実施形態では、EPDMスポンジゴム)からなり、前記取付基部22と一体的に形成される表皮部23とを備えている。尚、長尺センサ21は、スライドドア2の前縦辺部ほぼ全域に亘って装着されている。これにより、スライドドア2がその全閉位置までスライドされる際に、ドアピラー5の後端側面及びこれに対向するスライドドア2の前端縁間に異物が存在しているかを検知可能となっている。
【0040】
前記取付基部22は、押出成形によって形成され、基底部24と、当該基底部24からボディ後方側へと延びる一対の側壁部25a,25bとから構成されている。また、前記表皮部23は、ボディのドアピラー5側へと膨出するようにして断面円弧状に形成されており、その内部には中空部26が形成されている。尚、本実施形態において、表皮部23は、比較的薄肉に形成されている。
【0041】
加えて、前記中空部26内には、第1の電極27及び第2の電極28が配設されている。より詳しくは、第1の電極27は、前記表皮部23の内側(中空部26側)表面のうち、前記基底部24と対向する面に取着されており、第2の電極28は、前記取付基部22の基底部24表面に取着されている。
【0042】
前記第1の電極27は、銅箔により形成された帯状の電極箔であり、前記表皮部23の断面形状に合わせて断面円弧状とされている。さらに、当該第1の電極27の幅は、第2の電極28の幅以上とされている。本実施形態において、前記第1の電極27の幅が7mm以上(例えば、9mm)となるように設定されている。
【0043】
また、前記第2の電極28は、第1の電極27と同様に銅箔により形成された帯状の電極箔である。尚、第1の電極27及び第2の電極28間の距離dは、7mm以上(本実施形態において、7mm)とされている〔図4(a)参照〕。
【0044】
加えて、前記第1の電極27は、図示しない電荷供給装置に電気的に接続され、当該電荷供給装置から所定の電荷が供給されている。一方で、前記第2の電極28は、接地されている。これにより、両電極27,28がコンデンサを構成する。また、第1の電極27には、前記静電容量計測手段15が接続されており、上述の通り、静電容量計測手段15によって、両電極27,28間の静電容量が計測される。尚、異物が前記第1の電極27に近接したときには、異物の有する静電容量だけ変化した静電容量が計測されることとなる。
【0045】
また、前記中空部26には、第1の層としてのスポンジ層29と、第2の層としての空気層30とが設けられている。より詳しくは、スポンジ層29は、基底部24との間に前記第2の電極28を挟みこむようにして基底部24側に設けられており、長尺状のスポンジ材料(例えば、EPDMスポンジゴム)によって構成されている。また、空気層30は、前記スポンジ層29のドアピラー5側表面と、第1の電極27との間に形成された中空部分の空気により構成されている。本実施形態において、スポンジ層29は、空気の誘電率(空気の誘電率は1である)よりも大きな誘電率(例えば、1〜3)を有しており、弾性変形可能となっている。また、本実施形態において、スポンジ層29の厚さd1は、空気層30の厚さd2と略等しくなるように構成されている〔図4(a)参照〕。さらに、空気層30は、前記スポンジ層29の側面部と前記表皮部23との間にまで延出するようにして形成されている。
【0046】
次に、図4及び図5を用いて、上述した長尺センサ21による異物の検知方法について説明する。尚、図4(a)は、異物Sが長尺センサ21に近接した状態(近接状態)を示しており、図4(b)は、異物Sが表皮部23に対して軽く接触した状態(軽接触状態)を示している。また、図4(c)は、異物Sが表皮部23に対して、より大きな押圧力で接触した状態(接触状態)を示している。
【0047】
加えて、図5において、実線のグラフは、両電極27,28間の距離d及び両電極27,28間の静電容量の関係を示している。さらに、図の上側に位置する1点鎖線のグラフは、両電極27,28間にスポンジ層のみを設けた場合の距離dと静電容量との関係を示し、図の下側に位置する1点鎖線のグラフは、両電極27,28間に空気層のみを設けた場合の距離dと静電容量との関係を示している。また、α1及びβ1は、スポンジ層のみを設けた場合における、電極間距離がAの場合の静電容量、及び、電極間距離がBの場合の静電容量を表す。また、α2及びβ2は、空気層のみを設けた場合における、電極間距離がAの場合の静電容量、及び、電極間距離がBの場合の静電容量を表す。尚、電極間距離がAのとき、第1の電極27はスポンジ層29には至っていないが、電極間距離がBのとき、第1の電極27がスポンジ層29に至っている。加えて、α1,α2,β1,及び、β2については、β1>β2>α1>α2の式が成り立つ。
【0048】
まず、図4(a)に示すように、異物Sが長尺センサ21に近接したときには、静電容量計測手段15によって計測される静電容量が変化し、変化後の静電容量がECU12に対して伝送される。ここで、静電容量の変化割合が前記閾値よりも大きい場合には、ECU12は異物Sが存在すると検知し、スライドドア2の逆転駆動制御を行う。尚、異物Sが、人体等、水分含有量が比較的多いものやサイズが比較的大きいもの等である場合には、静電容量の変化量が比較的大きなものとなる。そのため、ECU12に伝送される静電容量も初期静電容量に対して比較的大きく変化することとなる。すなわち、人体等の異物については、長尺センサ21に近接した段階で検知できるようになっている。
【0049】
一方、異物Sが、水分含有量が比較的少ないものやサイズが比較的小さいもの等である場合には、静電容量の変化量が比較的小さなものとなりやすい。そのため、静電容量の変化割合が、前記閾値よりも小さなものとなり得る。
【0050】
ここで、図4(b)に示すように、異物Sが近接しただけでは検知できず、異物Sが長尺センサ21(表皮部23)に軽く接触した場合には、比較的小さな押圧力であっても、瞬時に表皮部23がへこみ、表皮部23に取着された第1の電極27についても、瞬時に第2の電極28側へと移動する。このとき、両電極27,28間の距離dが比較的大きく減少する(例えば、空気層30の厚さd2が急激に小さくなる)ため、両電極27,28間の静電容量が比較的大きく変化する。その結果、静電容量の変化割合が比較的大きなものとなり、異物Sをより確実に検知することができるようになっている。
【0051】
さらに、図4(c)に示すように、異物Sが表皮部23に対して、より大きな押圧力で接触した場合には、スポンジ層29が比較的大きな誘電率の材質によって形成されているため、両電極27,28間の距離dがわずかに減少しただけでも、静電容量の変化量がより大きなものとなる。すなわち、図5に示すように、空気層30の誘電率に従って変化していた両電極27,28間の静電容量が、スポンジ層29の誘電率に従って変化することとなる。例えば、AからBへと両電極27,28間の距離が減少した場合を鑑みると、スポンジ層のみを設けた場合の静電容量の変化量は「β1−α1」であり、空気層のみを設けた場合の静電容量の変化量は「β2−α2」である。これに対して、スポンジ層及び空気層を設けた本実施形態においては、静電容量の変化量は「β1−α2」であり、「β1−α1」や「β2−α2」と比較してより大きなものとなる。さらに、スポンジ材料(発泡弾性体)よりなるスポンジ層29としているため、当該スポンジ層29が押圧されると、スポンジ層29の誘電率がより大きなものとなり、その結果、静電容量の変化量が一層大きなものとなる。すなわち、スポンジ層29及び空気層30を設けることによって、静電容量をより一層大きく変化させることができ、異物Sのより一層確実な検知を図ることができるようになっている。
【0052】
次に、本実施形態における作用効果を確認すべく、中空部にスポンジ層のみを設けた長尺センサのサンプル(サンプル1)と、中空部にスポンジ層と空気層とを設けた長尺センサのサンプル(サンプル2)とを作成し、両サンプルについて、初期静電容量と、異物が近接したとき(近接状態)の静電容量と、異物が表皮部に対して比較的小さな押圧力(軽い力)で接触したとき(軽接触状態)の静電容量と、異物が前記押圧力よりも大きな押圧力で表皮部に接触したとき(接触状態)の静電容量とを測定した。そして、両サンプルについて、初期静電容量に対する上記各状態における静電容量の変化割合を算出した。図6に、初期静電容量に対する上記各状態における静電容量の変化割合を示す。尚、軽接触状態時においては、第1の電極はスポンジ層には到達していなかったが、接触状態時においては、第1の電極はスポンジ層に到達していた。また、サンプル1は比較例に相当し、サンプル2は、本実施例に相当するものである。加えて、静電容量の測定周波数を1kHz又は200kHzとして、静電容量を計測した。さらに、図6においては、サンプル1について、測定周波数200kHzで計測したものを白抜き三角印(△)でプロットするとともに、測定周波数1kHzで計測したものを白抜き四角印(□)でプロットすることとした。また、サンプル2について、測定周波数200kHzで計測したものを白抜き丸印(○)でプロットするとともに、測定周波数1kHzで計測したものをバツ印(×)でプロットすることとした。
【0053】
図6に示すように、中空部にスポンジ層と空気層とを設けたサンプル2は、中空部にスポンジ層のみを設けたサンプル1と比較して、静電容量の変化割合がより大きなものとなり、特に、異物が表皮部に接触した際の静電容量の変化割合が顕著に大きくなっていることが明らかとなった。これは、空気層が設けられたことで、接触初期においては、両電極間の距離が比較的大きく減少しやすくなり、ひいては静電容量がより大きく変化したこと、及び、より押圧された場合には、誘電率の比較的大きなスポンジ層が設けられることで、両電極間の距離がわずかに減少しただけでも、静電容量の変化量がより大きくなったことに起因すると考えられる。また、この静電容量の変化量は、低周波数(1kHz)の発振を用いることでより大きくなったことも示している。
【0054】
以上、本実施形態における長尺センサ21によれば、人体等の異物については、近接した段階で検知することができるとともに、人体等以外の、静電容量の変化量が比較的小さくなるような異物については、スポンジ層29と空気層30とを設けることにより、2段階に亘って感度よく検知することができる。その結果、異物の検知精度を飛躍的に向上させることができる。
【0055】
また、スポンジ層29を設けることによって、表皮部23の形状保持を図ることができ、「へたり」等の不具合の発生を効果的に抑制することができる。すなわち、スポンジ層29は、検知精度の向上という機能に加え、表皮部23の形状保持という機能をも有するのである。
【0056】
さらに、第1の電極27は、表皮部23側へと膨出する断面円弧状とされている。これにより、非接触状態における人体等の異物の検知範囲をより広げることができ、検知精度の一層の向上を図ることができる。
【0057】
加えて、第1の電極27の幅は、第2の電極28の幅以上とされている。すなわち、第1の電極27は、比較的幅広に形成されている。これにより、非接触状態における異物の検知可能範囲をより広げることができる。加えて、静電容量の変化量をより大きなものとすることができるため、検知精度のより一層の向上を図ることができる。
【0058】
併せて、前記スポンジ層29(の側面部)と表皮部23との間にまで前記空気層30が延出するようにして形成されている。これにより、表皮部23が変形した際における、表皮部23の可動域をより大きくすることができ、ひいては表皮部23をより容易に変形させることができる。その結果、静電容量の変化量をより大きなものとすることができ、検知精度の更なる向上を図ることができる。
【0059】
尚、本実施形態に示すように、帯状の(すなわち、面積が比較的大きい)両電極27,28間における初期静電容量は、C=ε×S/d(C:静電容量、ε:誘電率、S:電極面積、d:電極間距離)の公式からもわかるように、比較的大きなものとなる。すなわち、長尺状の静電容量式センサは、初期静電容量に対する静電容量の変化割合が小さなものとなりやすく、検知精度の低下が一層懸念されるものである。この点において、本実施形態のように、静電容量の変化量を比較的大きくできる構成を採用していることで、静電容量の変化割合も十分に大きなものとすることができる。すなわち、長尺状の静電容量式センサにおいて、静電容量の変化割合に基づいて異物を検査する場合であっても、感度よく異物を検知することができる。
【0060】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0061】
(a)上記実施形態では、ECU12は、静電容量の変化割合に基づいて異物を検知しているが、静電容量の変化量に基づいて異物を検知することとしてもよい。また、第1の電極27に発振回路を電気的に接続するとともに、前記静電容量測定手段に代えて、静電容量の経時変化にかかる前記発振回路からの発振出力に応じた周波数信号を計測する周波数計測手段を設け、当該周波数計測手段によって計測された周波数信号に基づいて、異物を検知することとしてもよい。
【0062】
(b)上記実施形態では、第1、第2の電極27,28は銅箔により形成されているが、両電極27,28を、導電率の高い他の金属材料やカーボン(導電性樹脂)等により形成することとしてもよい。また、両電極27,28を板状や網状に形成することとしてもよい。さらに、両電極27,28を表皮部23や取付基部22の表面に金属材料を塗装することで設けることとしてもよい。加えて、塗装に際して所定のパターンを形成することとしてもよい。但し、異物の検知精度を向上させるという観点からは、優れた導電性能を有する材料(例えば、金や銅等)により形成することがより好ましい。
【0063】
(c)上記実施形態では、スポンジ層29を形成するスポンジ材料として、EPDMスポンジゴムを例示しているが、スポンジ層29を形成する材料はこれに限定されるものではない。従って、例えば、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)、ウレタン、又は、エチレン等を用いることとしてもよい。尚、両電極27,28間における静電容量をより大きく変化させるという観点からは、スポンジ層29の誘電率がより大きいほど好ましい。従って、上記例示した材料のうち、誘電率の比較的大きい材料であるNBRやCRを用いることがより好ましい。但し、誘電率が大きすぎると、静電容量が大きくなりすぎてしまい、ひいては異物の検知が困難となってしまうおそれがある。従って、誘電率の過大を防止可能な材料を、スポンジ層29を形成する材料として選択することが好ましい。
【0064】
(d)上記実施形態では、特に記載していないが、スポンジ層29の表面にゴム等よりなる非発泡体の被膜を設けることとしてもよい。これにより、第1の電極27との密着性を向上させることができるとともに、表皮部23の形状をより確実に保持することができる。
【0065】
(e)上記実施形態では、表皮部23は、EPDMスポンジゴムにより形成されているが、表皮部23を形成する材料はこれに限定されるものではない。従って、例えば、CR、NR、NBR、ウレタン、エチレン、又は、シリコン樹脂等を用いることとしてもよい。尚、取付基部22を形成する材料よりも導電率の高い材料(例えば、種々の形状をなすカーボン等)によって表皮部23を形成することが好ましい。この場合には、表皮部23と第1の電極27との間が導通するため、表皮部23が第1の電極27の一部として機能することとなる。これにより、第1の電極27の面積を増大させることなく、表皮部23によって異物の近接を検知することができるようになり、検知能力の向上を図ることができる。但し、表皮部23の導電率を電極27,28と同程度のものとした場合には、表皮部23が第2の電極28の近傍にまで延出しているため、表皮部23から第2の電極28へと電流がリーク(短絡)してしまうおそれがある。従って、表皮部23は、電流のリークを防止可能な程度の導電率を有する材料によって形成することが好ましい。
【0066】
(f)上記実施形態では、第1の電極27は、表皮部23の内側表面に取着されているが、第1の電極27を表皮部23の内部に埋め込むようにして設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、第2の電極28は、取付基部22の表面に取着されているが、第2の電極28を取付基部22の内部に埋め込むようにして設けることとしてもよい。この場合には、長尺センサ21を押出成形によって製造する際に、第1(第2)の電極27(28)を表皮部23や取付基部22とともに押出成形することで、長尺センサ21を製造することができる。従って、第1(第2)の電極27(28)を中空部26に配設する工程を省略することができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
【0067】
(g)上記実施形態において、第1の電極27は、スポンジ層29の側面部と表皮部223との間にまでは至っていないが、第1の電極をスポンジ層29及び表皮部23間にまで延出するようにして構成することとしてもよい。この場合には、特に表皮部23の側面から異物が近接・接触した場合において、検知精度のより一層の向上を図ることができる。
【0068】
(h)上記実施形態では、スポンジ層29は略平板状に形成されているが、スポンジ層29を、第1の電極27側に突出するよう構成することとしてもよい。この場合には、表皮部23の中空部26側表面とスポンジ層29と間隙を全体的に比較的小さなものとすることができる。従って、表皮部23の形状をより確実に保持することができる。さらに、表皮部23の側面部とスポンジ層29の側面部との間に十分な厚さの空気層30を形成しやすくなる。これにより、表皮部23の側面から異物が接触した場合において、空気層30を設けたことによる作用効果がより確実に奏されることとなり、ひいては検知精度の一層の向上を図ることができる。
【0069】
(i)上記実施形態では、ボディ側面に設けられた昇降口4を開閉するためのスライドドア2を有する場合について具体化している。つまり、上記実施形態における開閉体はスライドドア2とされている。これに対し、他の開閉体(例えば、非スライドタイプ)であっても差し支えない。他の開閉体としては、例えば、上部が支持されているハッチバックタイプのバックドアや、車両天井部を開閉するスライディングルーフ、ドアの窓部を開閉するドアガラス等であってもよい。
【0070】
(j)上記実施形態では、スライドドア2を全開位置から全閉位置まで自動的に閉鎖するシステムについて具体化しているが、スライドドア2を半閉鎖状態(半ドア位置)或いは中間位置から全閉位置まで自動的に閉鎖するシステムに具体化することも可能である。
【0071】
(k)上記実施形態では、第1の層としてスポンジ層29を設けているが、第1の層をスポンジ材料以外の材料を用いて形成することとしてもよい。
【0072】
(l)上記実施形態では、第1の電極27の幅が、第2の電極28の幅以上とされているがが、第1の電極27を第2の電極28よりも幅狭に構成することとしてもよい。
【0073】
(m)上記実施形態では特に記載していないが、前記表皮部23を覆うようにして防水処理(例えば、表皮部23の全域を覆う防水壁を設ける等)を施すこととしてもよい。また、両電極27,28に対して防錆処理を行うこととしてもよい。これにより、誤判定の一層の減少を図ることができるとともに、耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】スライドドアを具備する車両を示す斜視図である。
【図2】ECU等の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1におけるJ−J線断面図である。
【図4】(a)は、異物が近接状態にあるときの長尺センサ等を示す断面図であり、(b)は、異物が軽接触状態にあるときの長尺センサ等を示す断面図であり、(c)は、異物が接触状態にあるときの長尺センサ等を示す断面図である。
【図5】両電極間の距離と静電容量との関係を示すグラフである。
【図6】各状態における静電容量の変化率を示すグラフである。
【符号の説明】
【0075】
1…車両、2…スライドドア、4…昇降口、21…長尺センサ、22…取付基部、23…表皮部、26…中空部、27…第1の電極、28…第2の電極、29…第1の層としてのスポンジ層、30…第2の層としての空気層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体に設けられた開口部を開閉可能な開閉体の側縁部に取着される取付基部と、
前記取付基部から前記開口部周縁側に向けて膨出し、内部に中空部を有する表皮部と、
前記中空部内において、互いに相対向するように所定間隔を隔てて設けられた一対の電極と
を備え、前記一対の電極間の静電容量の変化に基づき、前記表皮部への近接及び接触のうち少なくとも一方を検知する長尺センサであって、
前記中空部内には、
空気よりも誘電率の高い材質よりなる弾性変形可能な第1の層と、
空気よりなる第2の層とが設けられるとともに、
前記一対の電極のうち、
第1の電極は、前記表皮部の前記中空部側表面に取着されるとともに、
前記第1の電極とは異なる第2の電極は、少なくとも前記第1の層よりも前記取付基部側に位置するように設けられており、
前記第1の層は前記第2の電極を覆うように設けられるとともに、
前記第2の層は、少なくとも前記第1の層と前記第1の電極との間に設けられることを特徴とする長尺センサ。
【請求項2】
前記第1の電極は、前記表皮部側へと膨出する断面円弧状をなすことを特徴とする請求項1に記載の長尺センサ。
【請求項3】
前記一対の電極は帯状をなすとともに、
前記第1の電極の幅が、前記第2の電極の幅以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の長尺センサ。
【請求項4】
前記第2の層は、前記第1の層と前記表皮部との間にまで延出していることを特徴とする請求項3に記載の長尺センサ。
【請求項5】
前記第1の層は、前記第1の電極側に突出した形状を有することを特徴とする請求項4に記載の長尺センサ。
【請求項6】
前記第1の層は、スポンジ材料よりなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の長尺センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−180013(P2009−180013A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20720(P2008−20720)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】