説明

防災システム及び携帯電話基地局

【課題】災害情報や地域情報を報知する防災システムの構築に、既に広く普及した携帯電話網を導入すると共に、構成が簡単な携帯電話基地局を用いて、安価で、かつシンプルな防災システムを提供する。
【解決手段】携帯電話基地局1は、上位ネットワークから、CBSで発信された情報を受信するCBS受信部11と、CBSではない配信方法の情報を受信する情報受信部12と、CBS受信部11及び情報受信部12が受信した情報を解析する情報解析部13と、自局の設置状態が安定か否かを認識する状態認識部14と、光学式、音声式、及び振動式の各報知手段を備えた報知部15と、上位ネットワークから受信した情報を情報端末装置に送信する送信部16と、外部からの電源または内部の予備電源を本基地局1全体に供給する手段と共に該2系統の電源を切り替える手段を内蔵した電源切り替え部17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災システム及び携帯電話基地局に関し、特に、広域に渡る大規模な防災ネットワークを、安いコストで構築することができる防災システム及び携帯電話基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
通信衛星を利用した防災システムとして全国瞬時警報システム(J-ALERT)が開発されている。この防災システムは、大規模災害や、他国による武力攻撃等の緊急事態が発生した時に、国民の保護のために必要な情報を、通信衛星を利用して瞬時に地方公共団体に伝達し、さらに地域衛星通信ネットワークに接続されている同報系市町村防災行政無線を自動的に起動させ、住民へ緊急情報を伝達するシステムである。
【0003】
図3は、従来の防災システムである全国瞬時警報システムの全体構成を示す構成図である。以下、図3を参照して従来の防災システムである全国瞬時警報システムについて説明する。
図3に示す従来の全国瞬時警報システムは、気象庁100と、内閣官房101と、消防庁102と、通信衛星103と、地方自治体104と、拡声器105と、から構成される。気象庁100は、気象関係情報を収集・解析し、気象及び気象の変化等を把握する。
内閣官房101は、武力攻撃等の国民保護関係情報を収集・解析し、国民に危害をもたらす情報及び国民の保護に必要な情報等について掌握する。
気象庁100及び内閣官房101は、把握し、掌握した緊急事態情報について、消防庁102に情報を伝達する。
【0004】
消防庁102は、この伝達された情報を、通信衛星103を介して各地方自治体104へ伝達する。
地方自治体104は、防災行政無線を介して、各家庭または地域各所に設置された拡声器105から音声情報を出力することで住民に通知し、この通知に併せて通達を行う。
このように最終的に音声情報を拡声器に出力する防災システムとして、例えば、特許文献1には、非常事態発生信号であった場合にはスピーカ制御部へ警報音出力スピーカを鳴動させるための制御信号を送出し、この警報音出力スピーカからは大音量の警報音を出力する技術が開示されている。
【0005】
また、緊急警報放送に関し、例えば、特許文献2には、緊急警報放送報知システム(CBS)の信号に、緊急警報放送が開始されたことの通知であることが識別できるメッセージIDを含め、携帯電話基地局が、このCBS信号を受信すると、受信したCBS信号をCBS信号送信手段から該携帯電話基地局のセル内に存在する携帯電話端末へ、一斉送信する技術が開示されている。
する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−149171号公報
【特許文献2】特開2008−199188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の技術を実現するには、日本全域に情報を配信するための共通したシステムが必要になるため、大規模なシステムの構築が必要になるという問題点がある。即ち、情報を受信する地域によって情報を入出力するインターフェイスが異なっていては瞬時に情報を伝達することができないので、共通使用が可能な情報伝達システムの構築が必要になる。
また、広域に跨がった大規模なシステムを構築する必要があるため、必然的に莫大な予算を確保する必要があり、実際の導入までには莫大なコストが必要になるという問題点がある。例えば、通信衛星からの情報を受信するためには、1台300万円〜1000万円の価格を有する同報無線システムの自動起動装置や、衛星モデムなどが必要となる。また、同報無線システムを設置していない自治体の場合は、地域各所に拡声器を設置しなければならず、経費が億単位に跳ね上がる場合もある。
【0008】
また、これまでに、各自治体において、全国瞬時警報システムの導入が遅れているということも問題点の1つであり、その原因は、前述の各問題点の存在がネックとなっているのである。即ち、全国瞬時警報システムは、導入が求められてはいても、広域に跨がった大規模なシステムであるため、実際に導入するには長い設置期間と大きなコストとが必要となるのである。
また、特許文献1,2に開示された技術は、本発明のように、携帯電話基地局の状態が安定状態か、それとも非安定状態かに対応して報知手段を切り替えるものではないので、確実な報知を行うことができなくなる場面が生じる可能性がある。
【0009】
さらには、前述の基地局を利用する防災システムの場合、災害時に停電が起こった場合には、システムが作動しなくなることも問題点の1つとして想定されるのである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、災害情報や地域情報を報知する防災システムの構築に、既に広く普及した携帯電話網を導入すると共に、構成が簡単な携帯電話基地局(主にFemto Access Point)を用いることを可能にして、安価で、かつシンプルな防災システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、防災システムの1構成要素として用いられ、災害情報や地域情報を報知することができる、構成が簡単で、かつ安価な携帯電話基地局(主にFemto Access Point)を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、携帯電話基地局が設置されている物理的な設置環境による該基地局の姿勢状態(設置姿勢が安定状態か、それとも非安定状態か)を認識することを可能にし、この状態に対応させて、報知手段を切り替えることにより、確実な報知を行うことができる防災システムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、自局が設置されている物理的な設置環境による時局の姿勢状態(設置姿勢が安定状態か、それとも非安定状態か)を認識することを可能にし、この状態に対応させて、報知手段を切り替えることにより、確実な報知を行うことができる携帯電話基地局を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、何らかの理由で電源供給が断たれた場合には、この状態を感知することを可能にして、電源切り替え手段を介して内蔵電源に切り替えることにより、災害時にも高い信頼性で動作できる防災システムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、何らかの理由で電源供給が断たれた場合には、この状態を感知することを可能にして、電源切り替え手段を介して内蔵電源に切り替えることにより、災害時にも高い信頼性で動作できる携帯電話基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するため、緊急事態の発生若しくは緊急事態発生の予知情報を報知する優先情報を配信する上位ネットワークと、前記上位ネットワークと携帯電話網によって通信可能に接続された携帯電話基地局と、前記携帯電話基地局からの報知を受ける下位の情報端末装置と、を備えた防災システムであって、前記上位ネットワークから配信される情報を受信する受信手段と、前記受信された情報を入力し、該入力情報が前記優先情報であるか否かを検証すると共に、該検証結果に応じた出力情報を複数の分岐先に送出する情報解析手段と、前記受信された情報が前記優先情報である場合に前記優先情報を入力し、前記携帯電話基地局の設置姿勢が安定姿勢か否かを検証して該検証結果を示すパラメータを作成すると共に、前記入力した優先情報と併せて前記パラメータを出力する状態認識手段と、前記優先情報と前記パラメータとを入力し、前記パラメータの値に応じて複数の報知情報出力手段から選択されるいずれか1つの報知情報出力手段の組み合わせを選択すると共に、該選択した報知情報出力手段の組み合わせを介して報知を行う報知手段と、前記受信された情報を前記情報端末装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする防災システムを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、上記課題を解決するため、緊急事態の発生若しくは緊急事態発生の予知情報を報知する優先情報を配信する上位ネットワーク及び下位の情報端末装置と通信可能に接続され、前記上位ネットワークの情報を前記情報端末装置に送信すると共に必要に応じて報知する携帯電話基地局であって、前記上位ネットワークから配信される情報を受信する受信手段と、前記受信された情報を入力し、該入力情報が前記優先情報であるか否かを検証すると共に、該検証結果に応じた出力情報を複数の分岐先に送出する情報解析手段と、前記受信された情報が前記優先情報である場合に前記優先情報を入力し、前記携帯電話基地局の設置姿勢が安定姿勢か否かを検証して該検証結果を示すパラメータを作成すると共に、前記入力した優先情報と併せて前記パラメータを出力する状態認識手段と、前記優先情報と前記パラメータとを入力し、前記パラメータの値に応じて複数の報知情報出力手段から選択されるいずれか1つの報知情報出力手段の組み合わせを選択すると共に、該選択した報知情報出力手段の組み合わせを介して報知を行う報知手段と、前記受信された情報を前記情報端末装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする携帯電話基地局を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、携帯電話基地局が備えるCBS受信手段により優先情報を受信し、この情報を解析手段により解析し、この解析結果に基づき、この基地局が備える報知手段を介して優先情報の報知を行うと共に、この報知の際に、この携帯電話基地局が設置されている物理的な環境による状態(設置姿勢が安定状態か、それとも非安定状態か)を、状態認識手段により認識し、この携帯電話基地局の前記いずれかの状態に対応させて、光学式、音声式、及び振動式の各報知手段を組み合わせた報知手段による報知を行い、また、何らかの理由で電源供給が断たれた場合には、この状態を感知した電源切り替え手段を介して内蔵電源に切り替えるので、信頼性と性能が共に高い防災システムを安価に構築することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る防災システムに用いられる携帯電話基地局の全体構成を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る防災システムに用いられる携帯電話基地局の処理動作を示すフローチャート図である。
【図3】従来の防災システムである全国瞬時警報システムの全体構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、優先情報の報知を携帯電話基地局を介して行うものであるが、この基地局には、優先情報(緊急事態の発生、若しくは緊急事態発生の予知情報を報知する情報)を受信するためのCBS(緊急警報放送報知システム)の信号受信部と、優先情報を報知するための報知部とを備える。また、停電時に内臓電源で動作するため電源切り替え部を備える。
また、受信した優先情報を解析する情報解析部を備え、この解析結果に対応する報知方法を備えた報知部を選択して前記報知部を介した優先情報の報知を行う。即ち、優先情報の報知の際には、該基地局が設置されている物理的な環境による状態(設置姿勢が安定状態か、それとも非安定状態か)を状態認識部が認識し、前記いずれかの状態に対応させて、光学式、音声式、及び振動式の各報知手段を組み合わせた報知手段によって該優先情報の報知を行う。また、何らかの理由で外部からの電源供給が断たれた場合には、電源切り替え部がその事態を感知し、内蔵電源に切り替える。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る防災システムに用いられる携帯電話基地局の全体構成を示すブロック構成図である。
同図に示す本発明の実施形態に係る携帯電話基地局1は、上位ネットワーク(図示は省略するが、本発明に係る防災システムの1構成要素である)から、CBS(緊急警報放送報知システム)で発信された情報を受信するCBS受信部11(受信手段)と、CBSではない配信方法の情報を受信する情報受信部12(受信手段)と、CBS受信部11及び情報受信部12が受信した情報を解析する情報解析部13(情報解析手段)と、自局の設置状態が安定か否かを認識する状態認識部14(状態認識手段)と、光学式、音声式、及び振動式の各報知手段を備えた報知部15(報知手段)と、上位ネットワークから受信した情報を情報端末装置に送信する送信部16(送信手段)と、外部からの電源または内部の予備電源を本基地局1全体に供給する手段と共に該2系統の電源を切り替える手段を内蔵した電源切り替え部17(電源切り替え手段)と、を備える。
【0018】
上位ネットワークは、気象庁、内閣官房、地方自治体、及び消防庁の、いずれか1つを含めた情報通信ネットワークとすることが可能である。
前述の情報端末装置としては、自治体、一般家庭等に設置された情報端末装置が可能であり、また、個人が携帯する携帯端末装置や携帯電話器であってもよい。
【0019】
以下、本実施形態に係る携帯電話基地局1の機能を構成要素毎に説明する。
CBS受信部11は、優先情報(緊急通知情報等)の発信元を含む上位ネットワークからCBSで発信された情報を受信し、情報解析部13に送出する。情報受信部12は、上位ネットワークからCBSではない配信方法で配信された情報(一般情報であるが、優先情報を含んでいてもよい)を受信し、情報解析部13に送出する。情報解析部13は、上位ネットワークから受信した情報が優先情報であるか否かを判定し、該情報が優先情報である場合には該優先情報を状態認識部14及び送信部16に送出し、該情報が一般情報である場合には該一般情報を送信部16に送出する。但し、本発明では、上位ネットワークから受信した情報が一般情報である場合には、送信部16とは限らず、状態認識部14にも送出し、該一般情報を、報知部15が備える後述の音声式報知部を介して音声出力することも可能である。
【0020】
状態認識部14は本基地局1が安定姿勢で設置されているか、それとも非安定姿勢で設置されているかの、いずれの姿勢状態であるかを判定し、この姿勢状態を示す2値の情報をパラメータにして前述の優先情報を報知部15に送出する。なお、前述の非安定姿勢とは、本基地局1が、土台を含む基地局の全ての面のいずれか1つよりも面積が小さい面を下にして設置されている状態であり、また、前述の安定姿勢とは、本基地局1が、基地局の全ての面のいずれか1つよりも大きい面を下にして設置されている状態である。このような、本基地局1の姿勢の検出を行う検出装置は、本基地局1を構成する筐体の底部における所定領域に圧電効果素子等から成るシート状の圧電センサを貼ることで構成することができる。
【0021】
また、この構成を、水平バランスを検出する水平センサにより本基地局1の筐体の傾きを検出する構成と併用することができる。また、人工的に生成させた微振動に対応した応力を検出するなどの方法が使用できる。さらに、より高度な設置状態の判断を行う場合には、本基地局1を構成する筐体の所定の底部等に歪みを検出するための歪み検出センサを設置することも可能である。
報知部15は、光学式報知部、音声式報知部、振動式報知部の、3とおりの報知部を備え、状態認識部14が判定した本基地局1の設置姿勢を示す前述のパラメータ(本基地局1の設置姿勢が安定姿勢状態か、それとも不安定姿勢状態かを示す2値のパラメータ)に対応して、前記3とおりの報知部を組み合わせた報知手段を選択すると共に、該報知手段により、前記優先情報に対応した報知を行う。
【0022】
ここで、報知部15は、前記パラメータを検証し、本基地局1が安定姿勢状態で設置されている場合は、光学式報知部と音声式報知部とを介して前記優先情報に対応した報知を行い、さもなくて、本基地局1が不安定姿勢状態で設置されている場合は、振動式報知部と音声式報知部とを介して前記優先情報に対応した報知を行う。
送信部16は、上位ネットワークから受信した前記情報(優先情報及び一般情報)を、外部の情報端末装置に送信する。電源切り替え部17は、外部から本基地局1に供給される電力供給が断たれたことを感知した場合に、内蔵する予備電源に切り替える。
【0023】
(動作の説明)
図2は、本発明の実施形態に係る防災システムに用いられる携帯電話基地局の処理動作を示すフローチャート図である。
以下、図1を参照しながら、図2に示すフローチャートを使用して、本実施形態に係る防災システムに用いられる携帯電話基地局の処理動作を説明する。
(ステップS1)
まず、ステップS1では、上位ネットワークが、CBS発信で、情報を本基地局1に送信する。
(ステップS2)
ステップS2では、携帯電話基地局1のCBS受信部11が、前記上位ネットワークから送信された情報を受信し、情報解析部13に送出する。
(ステップS3)
ステップS3では、情報解析部13が、情報解析部13が、CBS受信部11から送出された情報を解析する。
【0024】
(ステップS4)
ステップS4では、情報解析部13が、CBS受信部11から送出された情報が、優先情報であるか否かを検証し、該情報が優先情報でなければ該情報を送信部15に送出した後、ステップS9に移り、該情報が優先情報である場合には該情報を状態認識部14に送出した後、ステップS5に進む。
(ステップS5)
ステップS5では、状態認識部14が、携帯電話基地局1の設置状態を判断する。
(ステップS6)
ステップS6では、状態認識部14は、携帯電話基地局1の設置状態が前述の安定姿勢状態である場合には、制御の流れをステップS7に進め、さもなくて、携帯電話基地局1の設置状態が前述の不安定姿勢状態である場合には、制御の流れをステップS8に移す。
【0025】
(ステップS7)
ステップS7では、報知部15が、光学式報知部と音声式報知部とを起動して、前記優先情報に対応した報知を開始させた後、ステップS9に進む。
(ステップS8)
ステップS8では、報知部15が、振動式報知部と音声式報知部とを起動して、前記優先情報に対応した報知を開始させた後、ステップS9に移る。
(ステップS9)
ステップS9では、送信部16が、外部の情報端末装置に前記上位ネットワークから送信された情報を送信し、処理を終了する。
【0026】
この実施形態によれば、防災システムの1構成要素として用いられた場合に、安価で、かつシンプルな防災システムを構築することができる携帯電話基地局及び該携帯電話基地局を用いて安価に所定の情報(災害情報や地域情報)を報知できる防災システムを提供することができる効果がある。
また、携帯電話基地局が設置されている物理的な環境による状態(設置姿勢が安定状態か、それとも非安定状態か)を認識し、この姿勢状態に対応させて、報知手段を切り替えるので、確実な報知を行うことができる携帯電話基地局及び該携帯電話基地局を用いて安価に所定の情報(災害情報や地域情報)を報知できる防災システムを提供することができる効果がある。
【0027】
さらに、何らかの理由で電源供給が断たれた場合には、この状態を感知し、電源切り替え手段を介して内蔵電源に切り替えるので、災害時にも高い信頼性で動作できる携帯電話基地局及び該携帯電話基地局を用いて安価に所定の情報(災害情報や地域情報)を報知できる防災システムを提供することができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係る防災システム及び携帯電話基地局に関し、特に、広域に渡る大規模な防災システムを安いコストで構築することができる携帯電話基地局を用いた防災システム及び携帯電話基地局の構築に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 携帯電話基地局(本発明の実施携帯に係る基地局)
11 CBS受信部
12 情報受信部
13 情報解析部
14 状態認識部
15 報知部
16 送信部
17 電源切り替え部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急事態の発生若しくは緊急事態発生の予知情報を報知する優先情報を配信する上位ネットワークと、前記上位ネットワークと携帯電話網によって通信可能に接続された携帯電話基地局と、前記携帯電話基地局からの報知を受ける下位の情報端末装置と、を備えた防災システムであって、
前記上位ネットワークから配信される情報を受信する受信手段と、
前記受信された情報を入力し、該入力情報が前記優先情報であるか否かを検証すると共に、該検証結果に応じた出力情報を複数の分岐先に送出する情報解析手段と、
前記受信された情報が前記優先情報である場合に前記優先情報を入力し、前記携帯電話基地局の設置姿勢が安定姿勢か否かを検証して該検証結果を示すパラメータを作成すると共に、前記入力した優先情報と併せて前記パラメータを出力する状態認識手段と、
前記優先情報と前記パラメータとを入力し、前記パラメータの値に応じて複数の報知情報出力手段から選択されるいずれか1つの報知情報出力手段の組み合わせを選択すると共に、該選択した報知情報出力手段の組み合わせを介して報知を行う報知手段と、
前記受信された情報を前記情報端末装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする防災システム。
【請求項2】
前記情報解析手段は、前記受信された情報を前記送信手段に送出すると共に、前記受信された情報が前記優先情報である場合には、前記優先情報を前記状態認識手段に送出することを特徴とする請求項1記載の防災システム。
【請求項3】
前記状態認識手段は、前記パラメータが、前記携帯電話基地局の設置姿勢が安定姿勢であることを示すものである場合には、光学式の報知情報出力手段と、音声式の報知情報出力手段との組み合わせを介して前記優先情報に対応した報知を行い、さもなくて、前記携帯電話基地局の設置姿勢が不安定姿勢であることを示すものである場合には、振動式の報知情報出力手段と、音声式の報知情報出力手段との組み合わせを介して前記優先情報に対応した報知を行うことを特徴とする請求項2記載の防災システム。
【請求項4】
前記携帯電話基地局に電力を供給する電源が停止した時に、前記携帯電話基地局が内蔵する予備の電源に切り替えて、前記携帯電話基地局の稼動を維持させる電源切り替え手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防災システム。
【請求項5】
前記上位ネットワークは、気象庁、内閣官房、地方自治体、及び消防庁の、いずれか1つを含む情報通信ネットワークであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防災システム。
【請求項6】
緊急事態の発生若しくは緊急事態発生の予知情報を報知する優先情報を配信する上位ネットワーク及び下位の情報端末装置と通信可能に接続され、前記上位ネットワークの情報を前記情報端末装置に送信すると共に必要に応じて報知する携帯電話基地局であって、
前記上位ネットワークから配信される情報を受信する受信手段と、
前記受信された情報を入力し、該入力情報が前記優先情報であるか否かを検証すると共に、該検証結果に応じた出力情報を複数の分岐先に送出する情報解析手段と、
前記受信された情報が前記優先情報である場合に前記優先情報を入力し、前記携帯電話基地局の設置姿勢が安定姿勢か否かを検証して該検証結果を示すパラメータを作成すると共に、前記入力した優先情報と併せて前記パラメータを出力する状態認識手段と、
前記優先情報と前記パラメータとを入力し、前記パラメータの値に応じて複数の報知情報出力手段から選択されるいずれか1つの報知情報出力手段の組み合わせを選択すると共に、該選択した報知情報出力手段の組み合わせを介して報知を行う報知手段と、
前記受信された情報を前記情報端末装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする携帯電話基地局。
【請求項7】
前記情報解析手段は、前記受信された情報を前記送信手段に送出すると共に、前記受信された情報が前記優先情報である場合には、前記優先情報を前記状態認識手段に送出することを特徴とする請求項6記載の携帯電話基地局。
【請求項8】
前記状態認識手段は、前記パラメータが、前記携帯電話基地局の設置姿勢が安定姿勢であることを示すものである場合には、光学式の報知情報出力手段と、音声式の報知情報出力手段との組み合わせを介して前記優先情報に対応した報知を行い、さもなくて、前記携帯電話基地局の設置姿勢が不安定姿勢であることを示すものである場合には、振動式の報知情報出力手段と、音声式の報知情報出力手段との組み合わせを介して前記優先情報に対応した報知を行うことを特徴とする請求項7記載の携帯電話基地局。
【請求項9】
電力を供給する外部電源が停止した時に、自己が内蔵する予備の電源に切り替えて、自己の稼動を継続する電源切り替え手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の携帯電話基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−220006(P2010−220006A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65904(P2009−65904)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】