説明

防腐剤

a) 一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、この際、アルキルは、炭素原子数1〜12の線状、分枝状もしくは環状アルキル基を意味し、及び
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
を含む透明で液状の防腐剤組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン、例えば1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/または一種もしくはそれ以上のそれの塩、及び一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む少なくとも一種のアルコールを含む、調合物の防腐用の透明で液状の組成物に関する。
【0002】
ピロクトンオラミン(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンの2−アミノエタノール塩、商業製品はOctopirox(R))、及び2−フェノキシエタノールまたはベンジルアルコールを、化粧料組成物の防腐に使用することは公知である。“Seifen -Oele - Fette - Wachse”(石鹸−油−脂肪−ワックス),116,No.9/1990,第345〜356頁には、ピロクトンオラミンをシャンプーに使用できることが記載されており、この際、 充分な防腐作用のためには、0.5〜1重量%の量のピコリンオラミンが必要である。O/Wエマルション及びW/Oエマルションの場合には、0.5重量%の使用量でのピロクトンオラミンの抗菌作用は不十分である。
【0003】
欧州化粧品指令第76/768/EEC,アネックス6では、ピロクトンオラミンは、リンスオフ型の製品には最大で1重量%、他の全ての化粧品には最大で0.5重量%の濃度で使用することができる。
【0004】
化粧料中へのピロクトンオラミンの配合性は、この有効物質の水中への溶解性が低く、また、油中への溶解性もたいして大きくないために制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
皮膚病学的にかつ毒物学的に問題がなく、水性の系及び油性の系と良好な相溶性があり、透明な外観を有し、簡単に加工でき、かつ温度及び貯蔵安定性を示す、化粧用(kosmetisch)調合物、薬用(pharmazeutisch)調合物及び皮膚用(dermatologisch)調合物のための有効性の高い防腐剤組成物を提供するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、上記の課題が、
a) 一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩(ただし、アルキルは、炭素原子数1〜12の線状、分枝状もしくは環状アルキル基を意味する)、及び
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
を含む、透明で液状の防腐剤組成物によって解決されることが見出された。
【0007】
この際、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン、例えばピロクトンオラミンの抗菌作用、及び一つもしくはそれ以上の芳香族基を含むアルコールの抗菌作用が相乗的に増強される。それによって、化粧用、皮膚用及び薬用製品中のこれらの抗菌性有効物質の使用濃度は、かなり減少させることができる。
【0008】
更に、本発明の防腐剤組成物は、リンスオフタイプ(すすぎ落とすタイプ)ばかりでなく、リーブオンタイプ(付けたままにするタイプ)の製品、特にエマルション、好ましくはO/WエマルションもしくはW/Oエマルションに使用するのに好適であり、そして0.1重量%以下のピロクトンオラミンの有効使用濃度において、これらの製品の十分な防腐作用を実現することが見出された。
【0009】
また、上記液状防腐剤組成物の透明の外観、及びそれの良好な調合性も利点である。
【0010】
本発明の対象は、
a) 一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩(ただし、アルキルは、炭素原子数1〜12の線状、分枝状もしくは環状アルキル基、好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルもしくはシクロヘキシルを意味する)、及び
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
を含む、透明液状の防腐剤組成物である。
【0011】
本発明の好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、
a)1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、及び
b)一つもしくはそれ以上、好ましくは一つの芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
を含む。
【0012】
特に好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、
a) 0.1〜20重量%、好ましくは1.1〜10重量%、特に好ましくは1.5〜7重量%、特に5重量%の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、及び
b) 35〜99.9重量%、好ましくは80〜99.9重量%の、一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
を含む。
【0013】
更に別の特に好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、
a) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン、及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
c) 水、
d) 場合によっては、一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌性有効物質、
e) 場合によっては、一種もしくはそれ以上のハイドロトロープ剤、及び
f) 場合によっては、一種もしくはそれ以上の更に別の添加剤、
を含む。
【0014】
一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン、例えば1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン、及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、及び水を含む本発明の防腐剤組成物は、透明な液体であり、そしてこれは数ヶ月にわたる貯蔵後にも結晶化傾向を示さない。
【0015】
更に別の特に好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、
a) 0.1〜20重量%、好ましくは1.1〜10重量%、特に好ましくは1.5〜7重量%、中でも特に好ましくは5重量%の、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、
b) 35〜99.8重量%、好ましくは59.8〜99.8重量%の、一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
c) 0.1〜35重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%、中でも特に好ましくは1〜3重量%の、水、
を含む。
【0016】
本発明の防腐剤組成物は、一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン、例えば1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン、及び/またはそれの一種またはそれ以上の塩を含み、この際、塩は、Li+-、Na+-、K+-、Mg++-、Ca++-、Zn++-、Al+++-、NH4+-、モノアルキルアンモニウム-、ジアルキルアンモニウム-、トリアルキルアンモニウム-及び/またはテトラアルキルアンモニウム塩(前記アミンのアルキル置換基は、互いに独立して、(C1-C22)-アルキル基または (C2-C10)-ヒドロキシアルキル基であることができる)であることができる。
【0017】
上記の塩の中では、モノアルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩及びテトラアルキルアンモニウム塩が好ましい。
【0018】
特に好ましくは、本発明の防腐剤組成物は、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのモノエタノールアミン(Octopirox(R), Clariant GmbH)を含む。
【0019】
本発明の防腐剤組成物中に含まれる、一つもしくはそれ以上の芳香族基を含むアルコールは、好ましくは、2−フェノキシエタノール、1−フェノキシ−2−プロパノール及びベンジルアルコールから選択される。これらのアルコールの中でも、2−フェノキシエタノールが特に好ましい。
【0020】
更に別の特に好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質を、好ましくは1〜25重量%、特に好ましくは5〜25重量%、中でも特に好ましくは10〜15重量%の濃度で含む。この更に別の抗菌有効物質は、好ましくは、パラベン類、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ナトリウム−メチルパラベン、ナトリウム−エチルパラベン、ナトリウム−プロピルパラベン、ナトリウム−イソブチルパラベン、ナトリウム−イソプロピルパラベンもしくはナトリウム−ブチルパラベン、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ヨウ素プロピニルブチルカルバメート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ベンズエトニウムクロライド、ジイソブチルエトキシエチル−ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジイソブチル−フェノキシ−エトキシ−エチル−ジメチルベンジル−アンモニウムクロライド、N−アルキル−N,N−ジメチル−ベンジル−アンモニウム−クロライド、−ブロマイドもしくは−サッカリネート、トリメチルアンモニウムクロライド、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクテート、トリエチルシトレート、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロロカルバン)、ジアミノアルキルアミド、例えばL−リシンヘキサデシルアミド、DMDMヒダントイン、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、2,4−ヘキサンジエン酸、2−ヒドロキシビフェニル、クロロブタヌラム、3−アセチル−メチル−2,4−(3H)ピランジオン、蟻酸、ウンデセニル酸、5−アミノ−1,3−ビス−(2−エチルヘキシル)−5−メチル−ヘキサヒドロピリミジン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,4−ジクロロベンジルアルコール、N−(4−クロロフェニル−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)−ヒドロクロライド、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン、安息香酸ナトリウム、メチルイソチアゾリノン、3:1のモル比のメチルクロロイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノン、クロロオキシエノール、クエン酸重金属塩、塩化銀、サリチル酸塩、例えばサリチル酸ナトリウム、ピロクトース、特に亜鉛塩、ピリチオネン及びそれの重金属塩、特に亜鉛ピリチオン、フェノール硫酸亜鉛、ファルネソール、ケトコナゾール、オキシコナゾール、テルビナフィン、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、ナフチフィン及びテルビナフィン、並びにこれらの有効物質の組み合わせから選択される。
【0021】
特に好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、パラベン類、好ましくはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ナトリウム−メチルパラベン、ナトリウム−エチルパラベン、ナトリウム−プロピルパラベン、ナトリウムイソブチルパラベン及び/またはナトリウム−ブチルパラベン、有機酸、好ましくはソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸及び/または安息香酸ナトリウム、ホルムアルデヒド供与体、好ましくはイミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン及び/またはヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム及びハロゲン化防腐性物質、好ましくはヨウ素プロピニルブチルカルバメート及び/または2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールから選択される一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質を含む。
【0022】
非常に特に好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、
I) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びメチルパラベンを含むか、または
II) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及び安息香酸ナトリウムを含むか、または
III) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及び安息香酸を含むか、または
IV) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びソルビン酸カリウムを含むか、または
V) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びソルビン酸を含むか、または
VI) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びサリチル酸ナトリウムを含むか、または
VII) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びサリチル酸を含む。
【0023】
本発明の防腐剤組成物が、有機酸の塩から選択される一種もしくはそれ以上の抗菌有効物質を含む場合には、本発明の防腐剤組成物は、好ましくは水を10〜35重量%の割合で含む。
【0024】
更に別の特に好ましい態様では、本発明の防腐剤組成物は、一種もしくはそれ以上の酸化防止剤を含む。この酸化防止剤は、好ましくは、スーパーオキシドジスムターゼ、トコフェロール(ビタミンE)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びこれらの誘導体、イミダゾール類(例えば、ウロカニン酸)及びこれらの誘導体、ペプチド類、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン及びこれらの誘導体(例えばアンセリン)、クロチノイド類、カロチン類(例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコピン)及びこれらの誘導体、クロロゲン酸及びこれの誘導体、リポン酸及びこれの誘導体(例えばジヒドロリポン酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール類(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びこれらのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−及びラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、γ−リノレイル−、コレステリル−及びグリセリルエステル)並びにこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びにスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)(これらは非常に少量の相溶性の配合量(例えばpmol/kg)で使用される)、更に(金属)−キレート形成剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びこれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びこれらの誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びこれの誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びこれらの誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mg−アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロール類及び誘導体(例えばビタミン−E−アセテート)、ビタミンA及び誘導体(ビタミン−A−パルミテート)、ベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びそれの誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸またはこれの誘導体、マンノース及びこれの誘導体、亜鉛及びこれの誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレン及びこれの誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベン類及びこれらの誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)及びスーパーオキシドジスムターゼ、及び上記の物質の本発明において好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及びリピド)から選択される。
【0025】
本発明においては、油溶性の酸化防止剤が特に有利に使用できる。
【0026】
非常に好ましくは、本発明の防腐剤組成物は、トコフェリルアセテート、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)及びEDTAから選択される一種もしくはそれ以上の酸化防止剤を含む。
【0027】
本発明の防腐剤組成物中での上記一種もしくはそれ以上の酸化防止剤の量は、好ましくは0.001〜30重量%、より好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
【0028】
更に別の特に好ましい態様では、本発明の防腐剤組成物は、一種もしくはそれ以上のハイドロトロープ剤を含む。ハイドロトロープ剤は、好ましくは、キシレンスルホネート、トルエンスルホネート及びクメンスルホネートから選択される。クメンスルホネートが特に好ましい。
【0029】
本発明の組成物中での上記一種もしくはそれ以上のハイドロトロープ剤の重量割合は、完成した組成物を基準にして好ましくは1〜15重量%、より好ましくは4〜10重量%、特に好ましくは6〜8重量%の範囲である。
【0030】
更に別の特に好ましい態様の一つにおいては、本発明の防腐剤組成物は、一種またはそれ以上の可溶化剤を好ましくは1〜20重量%の量で含む。
【0031】
可溶化剤として好適なものは、原則的に、全ての一価もしくは多価アルコール及びエトキシル化されたアルコールであり、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、グリセリン及びこれらの混合物、グリコール類、例えばトリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、相対分子量が2000未満、特に200〜600のポリエチレングリコール、ジオール類、例えばペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリアセチン(グリセリントリアセテート)、1−メトキシ−2−プロパノール及びPEG−4−ラウレート(ポリエチレングリコール−4−ラウレート)である。
【0032】
特に好ましくは、本発明の防腐剤組成物は、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、及び1,2−プロピレングリコールから選択される一種もしくはそれ以上の可溶化剤を含む。
【0033】
更に別の特に好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、
a)1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、及び
b)一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む、一種もしくはそれ以上のアルコール、
からなる。
【0034】
更に別の特に好ましい態様の一つでは、本発明の防腐剤組成物は、
a)1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、
b)一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、及び
c)水
からなる。
【0035】
本発明の防腐剤組成物は、皮膚用、化粧用及び薬用製品の防腐に有利に適している。
【0036】
それゆえ、本発明の更に別の対象は、皮膚用、化粧用及び薬用製品の防腐に本発明の組成物を使用することである。
【0037】
本発明の範囲においては、皮膚用、化粧用及び薬用製品には、対応する調合物もその意味に含まれる。
【0038】
皮膚用、化粧用及び薬用製品は、例えば、水性、水性−アルコール性、水性−界面活性剤の系もしくはアルコール性の組成物、または油に基づく組成物(水不含の形の油に基づく組成物も含む)、またはエマルション、懸濁液もしくは分散液であることができ、より具体的には、液体、フォーム、スプレー、ゲル、ムース、ローション、クリーム、パウダーまたはウェットティッシュ(ウェットワイプ)の形のこれらのものであることができる。
【0039】
好ましい態様の一つでは、本発明の組成物は、ウェットティッシュの防腐に使用される。この際、繊維布に適用される防腐用調合物は、エマルション、特にO/Wエマルションであるか、または界面活性剤に基づく調合物または油性の組成物であることができる。
【0040】
更に別の好ましい態様の一つでは、本発明の組成物は、エマルションの防腐に使用される。
【0041】
エマルションは、油中水型エマルションの他、水中油型エマルション、マイクロエマルション、ナノエマルション及びマルチプルエマルションであることができる。エマルションの調製は、公知の方法で、すなわち、例えば冷却−、加熱−、加熱/冷却−またはPIT−乳化法によって行うことができる。特に好ましい態様の一つは、自己発泡性の、泡状の、後発泡性のまたは発泡可能なエマルション及びマイクロエマルションである。
【0042】
本発明の更に別の対象は、防腐剤組成物を使用して製造された、化粧用、皮膚用または薬用調合物であって、前記防腐剤組成物が、
a)一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、この際、アルキルは、炭素原子数1〜12の線状、分枝状もしくは環状アルキル基、好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルもしくはシクロヘキシル、特に好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルを意味し、
b)一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む、一種もしくはそれ以上のアルコール、及び
c)一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質、
を含む前記化粧用、皮膚用または薬用調合物、並びにこのような防腐剤組成物を含む化粧用、皮膚用または薬用調合物である。
【0043】
本発明の更に別の対象は、
a)一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、この際、アルキルは、炭素原子数1〜12の線状、分枝状もしくは環状アルキル基、好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルもしくはシクロヘキシル、特に好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルを意味し、
b)一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む、一種もしくはそれ以上のアルコール、及び
c)一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質、
を含む、化粧用、皮膚用または薬用調合物である。
【0044】
上記の調合物のうち好ましいものは、成分c)の上記の一種もしくはそれ以上の抗菌有効物質が、パラベン類、好ましくはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ナトリウム−メチルパラベン、ナトリウム−エチルパラベン、ナトリウム−プロピルパラベン、ナトリウムイソブチルパラベン及び/またはナトリウム−ブチルパラベン、有機酸、好ましくはソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸及び/または安息香酸ナトリウム、ホルムアルデヒド供与体、好ましくはイミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン及び/またはヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム及びハロゲン化防腐性物質、好ましくはヨウ素プロピニルブチルカルバメート及び/または2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールから選択された調合物である。
【0045】
特に好ましいものは、
a)1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、
b)2−フェノキシエタノール、及び
c)メチルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸及びサリチル酸ナトリウムから選択される一種もしくはそれ以上の物質、
を含む化粧用、皮膚用または薬用調合物である。
【0046】
本発明の特に好ましい態様の一つでは、成分a)、b)及びc)の物質は、完成した調合物を基準にして、0.1〜2重量%の割合で調合物中に含まれる。
【0047】
本発明の更に別の好ましい態様の一つでは、皮膚用、化粧用及び薬用製品は、リンスオフタイプの製品、特にシャンプー、ヘアリンス、ヘアケア、シャワー用製品、シャワージェルまたはバスフォームである。
【0048】
本発明の更に別の好ましい態様の一つでは、皮膚用、化粧用及び薬用製品は、リーブオンタイプの製品、特にデイクリーム、ナイトクリーム、ケアクリーム、栄養クリーム、ボディーローション、軟膏またはリップケア用組成物である。
【0049】
更に別の好ましいリーブオンタイプの製品は、装飾用の化粧料、特にメークアップ品、アイシャドー、リップスティックまたはマスカラである。
【0050】
本発明の更に別の好ましい態様の一つでは、皮膚用、化粧用及び薬用製品は、サンスクリーン用組成物である。これらは、一種もしくは二種以上の有機もしくは無機ベースのUVフィルターを含む。
【0051】
本発明の更に別の好ましい態様の一つでは、皮膚用、化粧用及び薬用製品は、デオドラント及び発汗抑制剤、特にスプレー、スティック、ジェルまたはローションの形のデオドラント及び発汗抑制剤である。
【0052】
本発明の更に別の好ましい態様の一つでは、皮膚用、化粧用及び薬用製品は、界面活性剤を含まない組成物、特に界面活性剤を含まない固形の組成物であるかまたは界面活性剤を含まないエマルションである。
【0053】
該皮膚用、化粧用及び薬用製品は、更に別の助剤及び添加剤として、界面活性剤、乳化剤、カチオン性ポリマー、増粘剤、被膜形成剤、抗菌有効物質、収斂剤、酸化防止剤、UV光保護フィルター、顔料/マイクロ顔料、ゲル化剤、並びに更に別の化粧料に慣用の添加剤、例えば過脂肪剤、保湿剤、シリコーン、安定化剤、コンディショニング剤、グリセリン、防腐剤、真珠光沢剤、染料、フレグランス油及び香油(Duft- und Parfuemoele)、溶剤、ハイドロトロープ剤、不透明化剤、脂肪アルコール、角質溶解もしくは角質軟化作用を有する物質、抗フケ剤、生理活性物質(局所麻酔物質、抗生物質、消炎性物質、抗アレルギー性物質、コルチコステロイド、皮脂分泌調整物質)、ビタミン、Bisabolol(R)、Allantoin(R)、Phytantriol(R)、Panthenol(R)、AHA-酸、植物エキス、例えばアロエベラ及びタンパク質を含むことができる。
【0054】
1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン、及び無機もしくは有機酸のこれの塩は、欧州特許出願公開第241 918号明細書、欧州特許出願公開第646 368号明細書、独国特許出願公開第17 95 270号明細書、独国特許出願公開第22 14 608号明細書及び独国特許出願公開第22 34 009号明細書に記載の方法に従い得られる。
【0055】
本発明の防腐剤組成物の製造は、例えば、場合によっては約35℃に軽く加熱しながら、各成分を組み合わせることによって行うことができる。
【0056】
以下の例及び使用例は、本発明をより詳しく説明するためのものであるが、本発明はこれらの例には限定されない(百分率は全て重量%である)。
【実施例】
【0057】
例1: 防腐剤組成物1
Octopirox (R) 2重量%
水 1重量%
2-フェノキシエタノール 97重量%
例2: 防腐剤組成物2
Octopirox(R) 5重量%
水 2.5 重量%
2-フェノキシエタノール 92.5重量%
例3: 防腐剤組成物3
Octopirox(R) 5重量%
水 1重量%
2-フェノキシエタノール 94重量%
例4: 防腐剤組成物4
Octopirox(R) 10重量%
水 5重量%
2-フェノキシエタノール 85重量%
例5: 防腐剤組成物5
Octopirox(R) 10重量%
水 2重量%
2-フェノキシエタノール 88重量%
【0058】
製造例1〜5:
Octopirox(R)を、攪拌下に軽く加温(20〜40℃)しながら、2−フェノキシエタノール中に溶解する。次いで、水を攪拌しながら加える。
【0059】
例6: 防腐剤組成物6
Octopirox(R) 5重量%
Nipagin(R)M 15重量%
水 2.5重量%
2-フェノキシエタノール 77.5重量%
例7: 防腐剤組成物7
Octopirox(R) 5重量%
安息香酸ナトリウム 15重量%
水 29重量%
2-フェノキシエタノール 51重量%
例8: 防腐剤組成物8
Octopirox(R) 5重量%
安息香酸 15重量%
水 2.5重量%
2-フェノキシエタノール 77.5重量%
例9: 防腐剤組成物9
Octopirox(R) 5重量%
ソルビン酸カリウム 15重量%
水 25重量%
2-フェノキシエタノール 55重量%
例10: 防腐剤組成物10
Octopirox(R) 5重量%
ソルビン酸 10重量%
プロピレングリコール 45重量%
2-フェノキシエタノール 40重量%
例11: 防腐剤組成物11
Octopirox (R) 5重量%
サリチル酸ナトリウム 15重量%
水 21重量%
2-フェノキシエタノール 59重量%
例12: 防腐剤組成物12
Octopirox (R) 5重量%
サリチル酸 15重量%
水 2.5重量%
2-フェノキシエタノール 77.5重量%
【0060】
例6、8、10及び12の調製
Octopirox (R)及びNipagin (R) Mもしくは上記有機酸を、攪拌下に軽く加温(20〜40℃)しながら、2−フェノキシエタノール中にまたは2−フェノキシエタノール/プロピレングリコール混合物中に溶解する。次いで、場合によっては水を攪拌しながら添加する。
【0061】
例7、9及び11の調製
I. 有機酸の塩を、軽く加温(20〜40℃)しながら水中に溶解する。
II. Octopirox(R)を、攪拌下に軽く加温(20〜40℃)しながら2−フェノキシエタノール中に溶解する。
III.攪拌しながらIをIIに加える。
【0062】
防腐剤組成物1〜12は透明な液体である。
【0063】
貯蔵安定性:
上記水含有防腐剤組成物は0℃、25℃及び40℃で3ヶ月間安定しており、そして結晶化傾向を示さない。
【0064】
【表1】

【0065】
MHK値は、DIN58940に従い寒天希釈法によって求めた。
【0066】
上記のMHK値は、表2に記載のOctopirox(R)及び2-フェノキシエタノール成分からなる防腐剤組成物KM I及びKM IIを用いると、個々の物質を使用した場合と比べて、かなりより少ない使用濃度において十分な防腐を達成できることを示している。
【0067】
【表2】

【0068】
以下では、二種の有効成分を含む防腐剤組成物、及び三種の有効成分を含む様々な防腐剤組成物の様々な試験生物に対する有効性を求めた。結果を表3に示す。
【0069】
【表3】

【0070】
表3に記載の評価“A”及び“B”は、欧州薬局方5.0セクション5.1.3の抗菌性防腐の効果(Efficacy of antimicrobial preservation)と同様に行った。“F”は、“A”及び“B”のどちらの評価も達成されなかったことを意味する。
【0071】
防腐剤組成物KM III〜KM VIIの組成を表4に示す。
【0072】
【表4】

【0073】
防腐剤組成物KM III〜KM VIの有効性を、KM VIIと比較して、pH7の界面活性剤調合物中において防腐剤負荷試験を用いて検査した。防腐剤組成物KM III〜KM VIIは、各々0.5重量%の量で界面活性剤調合物中に配合した。防腐剤負荷試験は、欧州薬局方5.0セクション5.1.3の抗菌性防腐の効果(Efficacy of antimicrobial preservation)に従って実施及び評価した。
【0074】
上記防腐剤負荷試験に使用した界面活性剤調合物は以下の組成を有する。
【0075】
【表5】

【0076】
調製
I. AとBを混合
II. CをIに添加
III. Dを用いてpH値を約7に調節
その結果(表3参照)は、表4に記載の成分、すなわちOctopirox(R)及び2-フェノキシエタノール、加えて
−Nipagin(R) M及び水、
−安息香酸及び水、
−ソルビン酸及びプロピレングリコール、または
−サリチル酸及び水、
からなる防腐剤組成物KM III〜KM VIを用いると、表4に記載の成分、すなわちOctopirox(R)、2-フェノキシエタノール及び水からなる防腐剤組成物KM VIIと比較して、かなりより良好な防腐性能が達成できることを示している。
【0077】
処方例
例A
【0078】
【表6】

【0079】
調製
I. 室温でAとBを混合
II. CをI中に混入し、次いでDを添加
III. 得られたエマルションのホモジナイズ
例B
【0080】
【表7】

【0081】
調製
I. Aを約70℃で溶融し、次いでBを添加
II. Cを約70℃に加温
III. IIをI中に混入し、そして室温に冷えるまで攪拌
IV. 約35℃でDをIIIに添加
V. 得られた溶液のホモジナイズ
例C
【0082】
【表8】

【0083】
調製
I. BをAに添加
II. Cを約40℃に加熱
III.攪拌しながらIIをIに加え、そして冷却攪拌(kaltruehen)
例D
【0084】
【表9】

【0085】
調製
I. 75℃でAを溶融
II. Bを75℃に加熱
III. 攪拌しながらIIをIに添加
IV. 冷却攪拌
V. 35℃で、Cの成分をIVに添加
VI. 最後に、DでpH値を4に調節
例E
【0086】
【表10】

【0087】
調製
I. 50℃でAをBに溶解
II. Cの各成分を順次Iに添加
III. Dを用いてpH値を5.5に調節
IV. 最後に、Eを用いて粘度を調節
例F
【0088】
【表11】

【0089】
調製
I. 約85℃に加熱して攪拌しながらAの成分をB中で溶解及び溶融
II. 冷却攪拌
III. Cの成分をIIに添加
IV. 必要に応じてpH値の調製
V. Dの成分をIVに添加
VI. 最後に、Eで粘度を調節
例G
【0090】
【表12】

【0091】
調製
I. 約70℃でAを溶融し、その後Bを添加
II. Cを約70℃に加温
III. IIをIに混ぜ入れ、そして冷却攪拌
IV. 約35℃でDをIIIに添加
V. 最後に、得られたエマルションをホモジナイズ
例H
【0092】
【表13】

【0093】
調製
I. 約80℃でAを溶融
II. Bの低温の溶液をI中に混ぜ入れる
III. 冷却攪拌
IV. 約35℃でCをIIIに添加
例l
【0094】
【表14】

【0095】
調製
I. 約80℃でAを溶融
II. Bを約80℃に加温
III. IIをIに混ぜ入れそして冷却攪拌
IV. 約35℃でCをIIIに添加
例J
【0096】
【表15】

【0097】
調製
I. 約60℃でAを溶融し、その後Bを添加
II. Cを約60℃に加温
III. IIをIに混ぜ入れ、そして冷却攪拌
IV. Dの各成分を約35℃でIIIに順次添加
V. 最後に、得られたエマルションをホモジナイズ
例K
【0098】
【表16】

【0099】
調製
I. Aを約80℃に加熱
II. Bを約80℃に加熱
III. IをIIに混ぜ入れ、そして冷却攪拌
IV. 約35℃で、Cの成分をIIIに添加
例L
【0100】
【表17】

【0101】
調製
I. 攪拌しながらAをB中に溶解
II. 攪拌しながらCをIに加え、均一になるまで攪拌
例M
【0102】
【表18】

【0103】
調製
I. 攪拌しながら軽く加温してBをAに溶解
II. Cの各成分をIに順次添加
III. DでpH値を調節
IV. 最後に、Eで粘度を調節
例N
【0104】
【表19】

【0105】
調製
I. Bの各成分を順次Aに添加
II. 軽く加温したDにCを溶解
III. IIをIに混ぜ入れる
IV. Eの各成分を順次IIIに添加
V. 必要に応じてpH値を調節
VI. 最後にFで粘度を調節
例O
【0106】
【表20】

【0107】
調製
I. 約75℃でAを溶融
II. Bを約75℃に加熱
III. 攪拌しながらIIをIに加え、次いで冷却攪拌
IV. 約30℃で、Cの成分をIIIに添加
V. 最後に、pH値を4.0に調節
例P
【0108】
【表21】

【0109】
調製
I. B中でAを可溶化
II. 加温したD中にCを溶解
III. IIをIに添加
IV. Eの各成分をIIIに添加
V. 約35℃で攪拌しながらFの各成分をIVに添加
例Q
【0110】
【表22】

【0111】
調製
I. Aの成分の混合
II. Bの成分を軽く加温しながら溶解し、放冷しそしてIに添加
III. Cの各成分を順次IIに添加
IV. Dの成分をIIIに添加
V. 最後に、EをIVに加え、均一な調合物が生ずるまで攪拌
例R
【0112】
【表23】

【0113】
調製
I. Aの成分を十分に混合
II. Bの成分を十分に混合し、次いでIIをIに添加
III. Cの成分を十分に混合し、次いでIIIをIIに添加
IV. Dの成分を順次IIIに添加
V. 最後に、EでpH値を4.0に調節
使用した商業製品のINCI名
【0114】
【表24】

【0115】
【表25】

【0116】
【表26】

【0117】
【表27】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン、及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、ただしこの際、アルキルは、炭素原子数1〜12の線状、分枝状もしくは環状アルキル基、好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルまたはシクロヘキシルを意味し、及び
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
を含む、透明で液状の防腐剤組成物。
【請求項2】
a) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、及び
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
を含む、請求項1の透明で液状の防腐剤組成物。
【請求項3】
a) 0.1〜20重量%、好ましくは1.1〜10重量%、特に好ましくは1.5〜7重量%、就中好ましくは5重量%の量の、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、及び
b) 35〜99.9重量%、好ましくは80〜99.9重量%の量の、一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
を含むことを特徴とする、請求項2の防腐剤組成物。
【請求項4】
a) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
c) 水、
d) 場合によっては、一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質、
e) 場合によっては、一種もしくはそれ以上のハイドロトロープ剤、及び
f) 場合によっては、一種もしくはそれ以上の更に別の添加剤、
を含むことを特徴とする、請求項1〜3の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項5】
a)0.1〜20重量%、好ましくは1.1〜10重量%、特に好ましくは1.5〜7重量%、就中好ましくは5重量%の量の、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、
b)35〜99.8重量%、好ましくは59.8〜99.8重量%の量の、一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、及び
c)0.1〜35重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%、就中好ましくは1〜3重量%の量の水、
を含むことを特徴とする、請求項1〜4の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項6】
1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩を含むことを特徴とする、請求項1〜5の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項7】
一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコールが、2−フェノキシエタノール、1−フェノキシ−2−プロパノール及びベンジルアルコールから選択され、一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む前記アルコールが、好ましくは2−フェノキシエタノールであることを特徴とする、請求項1〜6の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項8】
一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質を含むことを特徴とする、請求項1〜7の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項9】
上記の一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質を1〜25重量%の量で含むことを特徴とする、請求項8の防腐剤組成物。
【請求項10】
上記の一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質が、パラベン類、好ましくはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ナトリウム−メチルパラベン、ナトリウム−エチルパラベン、ナトリウム−プロピルパラベン、ナトリウムイソブチルパラベン及び/またはナトリウム−ブチルパラベン、有機酸、好ましくはソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸及び/または安息香酸ナトリウム、ホルムアルデヒド供与体、好ましくはイミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン及び/またはヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム及びハロゲン化防腐性物質、好ましくはヨウ素プロピニルブチルカルバメート及び/または2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールから選択されることを特徴とする、請求項8または9の防腐剤組成物。
【請求項11】
I) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びメチルパラベンを含むか、または
II) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及び安息香酸ナトリウムを含むか、または
III) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及び安息香酸を含むか、または
IV) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びソルビン酸カリウムを含むか、または
V) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びソルビン酸を含むか、または
VI) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びサリチル酸ナトリウムを含むか、または
VII) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、2−フェノキシエタノール及びサリチル酸を含む、
ことを特徴とする、請求項10の防腐剤組成物。
【請求項12】
一種もしくはそれ以上の酸化防止剤を含むことを特徴とする、請求項1〜11の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項13】
上記の一種もしくはそれ以上の酸化防止剤が、トコフェリルアセテート、BHT及びEDTAから選択されることを特徴とする、請求項12の防腐剤組成物。
【請求項14】
一種もしくはそれ以上のハイドロトロープ剤を含むことを特徴とする、請求項1〜13の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項15】
ハイドロトロープ剤がクメンスルホネートであることを特徴とする、請求項14の防腐剤組成物。
【請求項16】
一種もしくはそれ以上の可溶化剤を含むことを特徴とする、請求項1〜15の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項17】
上記一種もしくはそれ以上の可溶化剤が、トリエチレングリコール、ブチレングリコール及び1,2−プロピレングリコールから選択されることを特徴とする、請求項16の防腐剤組成物。
【請求項18】
a) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、及び
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、
からなることを特徴とする、請求項1〜3及び6〜7の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項19】
a) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン、及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、及び
c) 水
からなることを特徴とする、請求項1〜7の一つもしくはそれ以上の防腐剤組成物。
【請求項20】
皮膚用、化粧用及び薬用製品の防腐のための、請求項1〜19の一つもしくはそれ以上の組成物の使用。
【請求項21】
ウェットティッシュの防腐のための、請求項1〜19の一つもしくはそれ以上の組成物の使用。
【請求項22】
エマルションの防腐のための、請求項1〜19の一つもしくはそれ以上の組成物の使用。
【請求項23】
防腐剤組成物を使用して調製された化粧用、皮膚用または薬用調合物であって、前記防腐剤組成物が、
a) 一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、この際、アルキルは、炭素原子数1〜12の線状、分枝状もしくは環状アルキル基、好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルまたはシクロヘキシル、特に好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルを意味し、
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、及び
c) 一種もしくはそれ以上の更に別の抗菌有効物質、
を含む、前記化粧用、皮膚用または薬用調合物。
【請求項24】
a) 一種もしくはそれ以上の1−ヒドロキシ−4−メチル−6−アルキル−2(1H)−ピリドン及び/またはそれの一種もしくはそれ以上の塩、この際、アルキルは、炭素原子数1〜12の線状、分枝状もしくは環状アルキル基、好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルもしくはシクロヘキシル、特に好ましくは2,4,4−トリメチルペンチルを意味し、
b) 一つもしくはそれ以上の芳香族基を含む一種もしくはそれ以上のアルコール、及び
c) 一種もしくはそれ以上の抗菌有効物質、
を含む、化粧用、皮膚用または薬用調合物。
【請求項25】
成分c)の上記一種もしくはそれ以上の抗菌有効物質が、パラベン類、好ましくはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ナトリウム−メチルパラベン、ナトリウム−エチルパラベン、ナトリウム−プロピルパラベン、ナトリウムイソブチルパラベン及び/またはナトリウム−ブチルパラベン、有機酸、好ましくはソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸及び/または安息香酸ナトリウム、ホルムアルデヒド供与体、好ましくはイミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン及び/またはヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム及びハロゲン化防腐性物質、好ましくはヨウ素プロピニルブチルカルバメート及び/または2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールから選択されることを特徴とする、請求項23または24の調合物。
【請求項26】
a) 1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドンのアミノエタノール塩、
b) 2−フェノキシエタノール及び
c) メチルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸及びサリチル酸ナトリウムから選択される一種もしくはそれ以上の物質、
を含むことを特徴とする、請求項23〜25の一つもしくはそれ以上の調合物。
【請求項27】
成分a)、b)及びc)の各物質が、完成した調合物を基準にして、0.1〜2重量%の量で調合物中に含まれることを特徴とする、請求項23〜26の一つもしくはそれ以上の調合物。

【公表番号】特表2008−528644(P2008−528644A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553503(P2007−553503)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000627
【国際公開番号】WO2006/081969
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(597109656)クラリアント・プロドゥクテ・(ドイチュラント)・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】