説明

雨水ポンプの制御装置および制御方法

【課題】ポンプ制御においてハンチングを生じない雨水ポンプの制御装置および制御方法を提供すること。
【解決手段】所定流域における雨量および下水流入量に応じて排水路に排水するためのポンプ場に設置され、可変速ポンプを含む複数台のポンプ301a,301b、およびポンプを動かすためのエンジン302、ならびにポンプ場から排水路への排水経路に設けられた水門を制御する装置および方法であって、ポンプ場の内水位および外水位を計測し、ポンプ場への流入量を計測し、流域の雨量を計測し、水位、流量および雨量それぞれの計測値を用いて天候モードを判定し、流量および雨量の計測値に基き、ポンプ場への流入量を予測し、予め設定されたポンプの起動・停止水位の補正を行い、流入量の計測値、および流入量予測値に応じてポンプ運転台数を決定し、可変速ポンプの速度を制御し、起動・停止水位の補正値に応じて水門303の開閉制御を行うことを特徴とする装置および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降雨による下水を排水するための雨水ポンプの制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、雨天時に下水道や排水路の水を河川などに排水するためのポンプを制御する方法では、ポンプ井などの水位計測値と設定水位とを比較し、予め決められた水位になったらポンプを起動したり停止したりする制御方法が最も普及している。
【0003】
しかしながら、この方法では、例えば、水位が上昇してからポンプを起動するため、水位上昇に対してポンプ起動が遅れ、下水道管が満杯になったり、上流部分で水位が上昇したりして浸水被害が起きるおそれがある。
【0004】
水位上昇を未然に防止するには、降雨状況や流入状況に応じて予め設定された雨水ポンプの起動・停止水位設定値を低く補正し、水位上昇を未然に防ぐように制御する方法がある。
【0005】
補正手段としては、ファジー推論を適用した方法(例えば特許文献1)や、より多様な状況に対応するために、天候モードによってファジー推論のルール・テーブルを切換える手段を付加した方法(例えば特許文献2)がある。
【0006】
その他、ポンプ場への流入量を予測し(例えば特許文献3)、雨量や流入量の実績値および予測値、ポンプ井水位、ポンプ起動回数や所要電力量などの評価関数により最適なポンプ群の運転組合せを決定する方法(例えば特許文献4)や、これらポンプの運転台数目標値を最適化し、かつポンプ水位によるフィードバック制御を行う方法およびそれらを組合せた方法(特許文献5)がある。
【特許文献1】特開平9−291888号公報
【特許文献2】特開平7−259175号公報
【特許文献3】特開平8−61244号公報
【特許文献4】特開2000−328642号公報
【特許文献5】特開2000−56835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2に示すような水位を基にしたポンプの起動・停止では、例えば運転ポンプの総吐出量が流入量より大きい場合、ポンプ起動→水位が急激に下降→ポンプ停止→水位が急激に上昇→ポンプ起動、といった不安定な起動・停止を繰返すハンチングが生じ易いという問題がある。
【0008】
このハンチングは、ポンプ動力の無駄であるばかりでなく、機械の故障の要因ともなり得る。ハンチング回避のために、通常、ポンプの起動と停止にはヒステリシスを持たせているが、とくにポンプ井の容積が小さいポンプ場の場合にはハンチングが起き易い。一方、特許文献3のように、起動・停止回数を含む評価関数を最小化する解が得られれば、ハンチングは減衰することが期待できる。
【0009】
しかし、現実には最適化問題が必ず解けるとは限らず、しかもフィードフォワードのみの制御は予測計算がうまく行かないときの危険が大きい。特許文献4記載の方法も、水位に基くポンプの起動・停止であり、上述の問題はほぼそのまま残る。
【0010】
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、ポンプ制御においてハンチングを生じない雨水ポンプの制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的達成のため、本発明では、次の2つの発明を提供する。
【0012】
第1の発明は、
所定流域における雨量および下水流入量に応じて排水路に排水するためのポンプ場に設置され、可変速ポンプを少なくとも1台含む複数台のポンプ、および前記ポンプを動かすためのエンジン、ならびに前記ポンプ場から前記排水路への排水経路に設けられた水門を制御する装置であって、
前記ポンプ場の内水位および外水位を計測する水位計と、
前記ポンプ場への流入量を計測する流入量計と、
前記流域の雨量を計測する雨量計と、
前記水位計、流入量計および雨量計それぞれの計測値を用いて天候モードを判定する天候モード判定手段と、
前記流入量計および雨量計の計測値に基き、前記ポンプ場への流入量を予測する流入量予測手段と、
予め設定されたポンプの起動・停止水位の補正を行うポンプ起動・停止水位補正手段と、
前記流入量計の計測値、および前記流入量予測手段の出力に応じてポンプ運転台数を決定するポンプ運転台数制御手段と、
前記可変速ポンプの速度を制御する速度制御手段と、
前記起動・停止水位補正手段の出力に応じて前記水門の開閉制御を行う水門制御手段と、
をそなえたことを特徴とする。
【0013】
また、第2の発明は、
所定流域における雨量および下水流入量に応じて排水路に排水するためのポンプ場に設置され、可変速ポンプを少なくとも1台含む複数台のポンプ、および前記ポンプを動かすためのエンジン、ならびに前記ポンプ場から前記排水路への排水経路に設けられた水門を制御する方法であって、
前記ポンプ場の内水位および外水位を計測し、
前記ポンプ場への流入量を計測し、
前記流域の雨量を計測し、
前記水位、流量および雨量それぞれの計測値を用いて天候モードを判定し、
前記流量および雨量の計測値に基き、前記ポンプ場への流入量を予測し、
予め設定されたポンプの起動・停止水位の補正を行い、
前記流入量の計測値、および前記流入量予測値に応じてポンプ運転台数を決定し、
前記可変速ポンプの速度を制御し、
前記起動・停止水位の補正値に応じて前記水門の開閉制御を行う
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように、下水の流入状況に応じてポンプの起動水位、ポンプの運転台数に必要な可変速ポンプの制御を行うため、制御のハンチングを抑制しつつ排水制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は、実施例1の構成を示すブロック線図である。図2は、実施例1の制御装置200の制御対象である機器を示す模式図である。対象プロセスは、下水道および排水路の水を河川などに排水するためのポンプ場の排水ポンプ301(301a,301b)と、ポンプを動かすためのエンジン302と、河川から下水道または排水路への逆流を防ぐ水門303と、をそなえる。
【0017】
排水ポンプ301a,301bのうち少なくとも1台のポンプ301bは、可変速運転できるものとする。また、制御装置200は、ポンプ場の内水位および外水位を計測する水位計103,104と、ポンプ場への流入量と計測する流入量計102と、流域に設置された雨量計101の計測値を取り込むことが可能となっている。制御装置200は、プログラマブル・ロジック・コントローラまたはそれに相当する計算機として実現される。
【0018】
次に作用を説明する。実施例1における特徴的な作用の一つは、起動・停止水位補正部203において、流入状況に応じて水位設定部204によって予め設定した起動水位、停止水位を補正し、ポンプ台数制御部205において、補正された起動水位または停止水位の設定値と内水位計103により計測した水位計測値とをポンプ台数制御部205aが比較して、ポンプの台数制御を実施する点である。
【0019】
天候モード判定部202(図1)での天候モード判定、起動・停止水位補正部203(図1)での起動・停止水位補正による起動水位、停止水位の補正、およびポンプ台数制御部205(図1)によるポンプ台数制御の手順は、次の手法によって実現している。
【0020】
図3に、その手法を示す。すなわち、天候モード判定手段202で判定された天候モード(大雨モード、豪雨モード)に対応するファジー・ルール・テーブル(起動水位補正ルールテーブル203a、停止水位補正ルールテーブル203b)を用いて、内水位計103により計測されたポンプ井水位を入力とし、ポンプ井水位とポンプ井水位変化率との組合せによるファジー演算により、雨水ポンプの起動水位補正値および停止水位補正値を求める。
【0021】
そして、この補正値を予め設定された起動水位設定値または停止水位設定値に加算して新たな起動水位、停止水位としている(特許文献1参照)。
【0022】
図4に、上記ファジー・ルール・テーブルの一例を示す。ファジー・ルールは、ポンプ井水位が高い状態(縦軸がPB側)にあるほど、出力側(補正値)が負の方向に大きく、すなわち設定水位が低くなるように設計されている。
【0023】
また、ポンプ井水位変化が増加傾向にある、すなわち横軸でPB側にあるほど設定水位が低くなるように設計されている。ファジー数から数値への変換は、公知のMIN−MAX−重心法を用いている。
【0024】
実施例1の特徴の2つ目は、ポンプ台数制御部205の中に比較部205aおよびポンプ運転台数補正部205bを付加し、設定した条件下においては、内水位計103の計測値が起動水位に達しても、または停止水位に達しても新たにポンプの起動・停止を行わないようにした点である。
【0025】
図5は、実施例1におけるポンプ運転台数補正手段の動作内容を示したフローチャートである。ステップS11で天候モードが大雨でない場合、現在時刻を起点にして一定時間後までの予測流入量を積分した値が閾値を超えない限り、ポンプの追加起動を行わない(ステップS12)。
【0026】
また、逆にステップS21で天候モードが大雨の場合、一定時間後までの予測流入量を積分した値が閾値を下回らない限り、運転ポンプの停止を行わない(ステップS22)。
【0027】
流入量を予測するための具体的手段は、一例を挙げれば、レーダ雨量計および地上雨量計を用いて得た雨量データから降雨移動予測を行い、この予測結果に基づき、数10分後までの降雨量を予測計算する手法がある(特許文献5など参照)。
【0028】
図6は、本発明の実施例1の特徴の3つ目を示しており、計測された流入量にポンプ揚水量が追従するように、可変速ポンプの回転数制御を実施する点にある。
【0029】
ポンプ揚水量は、通常計測されていないことを考慮し、まずは揚水量を計算する。揚水量がセンサにより計測されている場合、計測値を利用すればよい。揚水量は、内水位計103と外水位計104との計測水位の差である実揚程と、ポンプの回転数により変わるポンプ特性曲線、ポンプ周りの損失を考慮して計算される。
【0030】
実施例1では、回転数制御手段として流入量を目標値、ポンプ回転数を制御量、ポンプ揚水量を被制御量とした公知のPID制御部206bを用いている。出力される回転数を意味する信号は、個々の可変速ポンプ301bによりそれらに付属する調速器により回転数に変換される。
【0031】
なお、水門制御部207は、外水位計104の計測水位が内水位計103の計測水位より高くなる場合に水門303を閉めて逆流を防ぐ。
【0032】
実施例1によれば、流入量計102の計測水位が急激に増加し、かつ内水位計103の計測水位が急上昇した場合、起動水位、停止水位の補正によりポンプの起動水位を低目に補正する。このため、ポンプが早く起動し、起動・停止設定水位を固定する制御方法と比較して、浸水に繋がる水位の急上昇を緩和することができる。
【0033】
また、雨量計101および流入量計102の計測値に基き、流入量予測部201での流入量予測による予測結果を得て、ポンプ運転台数補正部205bによるポンプ運転台数の補正を行う。
【0034】
この補正により、瞬時的な水位変動によらず将来の流入量の増減を見越してポンプを起動するか停止するかの判断を適切に行う。これにより、ポンプのハンチングを抑制することが可能となる。
【0035】
さらに、上記以外の手法として、ポンプ速度制御部206によって流入量に応じた可変速ポンプ301bの速度制御を行うことで、ポンプ運転台数の変更回数を減らすことができ、ハンチング抑制効果がより顕著となる。
【0036】
ポンプ速度制御部206は、揚水量演算部206aおよびPID制御部206bを有する。そして、揚水量演算部206aは、ポンプ台数制御部205の出力、ならびに内水位計103、外水位計104の計測値が与えられて揚水量を演算し、被制御量としてPID制御部206bに与える。
【0037】
PID制御部206bは、揚水量演算部206aから与えられた被制御量を、流入量計102から与えられる目標値と比較して調速器305を操作し、可変速ポンプ301bの回転数を制御する。
【0038】
その際、流入量計102の計測値を目標値とすることにより、例えば水位設定値などを目標値とした間接的な可変速制御と比較して、即応性および安定性のよい制御を行うことができる。
【0039】
(実施例2)
図7ないし図9を参照して、本発明の実施例2を説明する。実施例1と同一要素には、同一符号を付してある。
【0040】
図7は、本発明の実施例2が制御対象とする機器を示す説明図である。実施例1との相違点は、ポンプ場への流入量を計測する流入量計が利用できない点である。
【0041】
図8は、制御装置の機能構成を示すブロック線図である。実施例1との相違点は、流入量の計測値を用いる替わりに、流入量を推定するための演算ブロックと推定した流入量の波形を整形するためのフィルタを付加した点である。
【0042】
実施例2に付加した流入量推定部の作用は、次の通りである。流入量推定部では、内水位およびポンプ揚水量から、下記数式1の演算式により流入量を計算する。推定した流入量に顕著なノイズが載る場合がある。
【0043】
図9は、フィルタによるノイズ除去の手法を示している。実施例2では、フィルタの具体的な実現方法として、下記数式2のように移動平均化処理を行っている。
【0044】
この実施例2によれば、流入量計による流入量計測ができなくても実施例1と同様の効果を得ることができる。
【数1】

【0045】
(実施例3)
図10は、本発明の実施例3の制御装置が対象とするプロセスの模式図である。実施例1との相違点は、制御装置が気象レーダ11により広域的に観測され、インターネット、専用通信回線等を介して、中央指令所10から当該ポンプ場12の制御装置に配信される雨量を用いている点である。
【0046】
実施例3によれば、実施例1と同様の効果を得るに当って流域の何処かに雨量計を設置する必要がないので、多数の雨量計の設置および維持管理の手間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1の構成を示す説明図。
【図2】本発明の実施例1が対象とするプロセスの模式図。
【図3】本発明の実施例1における起動・水位補正のための手法を示す説明図。
【図4】本発明の実施例1における起動・水位補正に使用するファジー・ルール・テーブルの例を示す説明図。
【図5】図5(a),(b)は、本発明の実施例1におけるポンプ運転台数補正手段の動作を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例1における回転数制御の動作内容を示す特性図。
【図7】本発明の実施例1における制御対象を示す説明図。
【図8】本発明の実施例2の構成を示すブロック線図。
【図9】本発明の実施例2におけるフィルタの動作を示す特性図。
【図10】本発明の実施例3における制御対象を示す模式図。
【符号の説明】
【0048】
10 中央指令所、11 気象レーダ、12 ポンプ場、101 雨量計、
102 流入量計、103 内水位計、104 外水位計、200 制御装置、
201 流入量予測手段、202 天候モード判定部、
203 起動・停止水位補正部、203a 起動水位補正ルールテーブル、
203b 停止水位補正ルールテーブル、204 水位設定部、
205 ポンプ台数制御部、205a 比較部、
205b ポンプ運転台数補正部、206 ポンプ速度制御部、
206a 揚水量演算部、206b PID制御部、207 水門制御部、
301a 排水ポンプ、301b 可変速ポンプ、302 エンジン、
303 水門。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定流域における雨量および下水流入量に応じて排水路に排水するためのポンプ場に設置され、可変速ポンプを少なくとも1台含む複数台のポンプ、および前記ポンプを動かすためのエンジン、ならびに前記ポンプ場から前記排水路への排水経路に設けられた水門を制御する装置であって、
前記ポンプ場の内水位および外水位を計測する水位計と、
前記ポンプ場への流入量を計測する流入量計と、
前記流域の雨量を計測する雨量計と、
前記水位計、流入量計および雨量計それぞれの計測値を用いて天候モードを判定する天候モード判定手段と、
前記流入量計および雨量計の計測値に基き、前記ポンプ場への流入量を予測する流入量予測手段と、
予め設定されたポンプの起動・停止水位の補正を行うポンプ起動・停止水位補正手段と、
前記流入量計の計測値、および前記流入量予測手段の出力に応じてポンプ運転台数を決定するポンプ運転台数制御手段と、
前記可変速ポンプの速度を制御する速度制御手段と、
前記起動・停止水位補正手段の出力に応じて前記水門の開閉制御を行う水門制御手段と、
をそなえたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の制御装置において、
前記ポンプ起動・停止水位補正手段は、天候モード判定部で判定された天候モードに対応するファジー・ルール・テーブルを用いてポンプ井水位計により計測されたポンプ井水位を入力とし、ポンプ井水位とポンプ井水位の変化率との組合せによるファジー演算によりポンプの起動・停止水位補正値を求めることを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の制御装置において、
前記ポンプ台数制御手段の中にポンプ運転台数補正部を有し、設定した条件下においては、内水位が起動水位に達してもあるいは停止水位に達しても新たにポンプの起動・停止を行わないようにしたことを特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項1記載の制御装置において、
前記ポンプ運転台数制御手段は、数分ないし数10分後までのポンプ場への流入量を予測する流入量予測機能を有し、天候モードにより降水量が多くないと判断された場合、現在時刻を起点にして一定時間後までの予測流入量を積分した値が閾値を超えない限りポンプの追加起動を行わず、また、天候モードにより降水量が少なくないと判断された場合、一定時間後までの予測流入量を積分した値が閾値を下回らない限り、運転中のポンプを停止しないことを特徴とする制御装置。
【請求項5】
請求項1記載の制御装置において、
前記速度制御手段は、計測された流入量を目標値、ポンプ回転数を制御量、ポンプ揚水量を被制御量とし、前記流入量に前記ポンプ揚水量が追従するようにポンプの回転数を制御することを特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項1記載の制御装置において、
流入量計測値の代替として、ポンプ場への流入量を演算する流入量推定部と、
前記流入量推定値の波形整形のためのフィルタと、
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項7】
請求項1記載の制御装置において、
流域に設置された雨量計の計測値の代替として、気象レーダにより広域的に観測され、インターネット、専用通信回線等を介して中央指令所から当該ポンプ場の制御装置に配信される雨量を用いたことを特徴とする制御装置。
【請求項8】
所定流域における雨量および下水流入量に応じて排水路に排水するためのポンプ場に設置され、可変速ポンプを少なくとも1台含む複数台のポンプ、および前記ポンプを動かすためのエンジン、ならびに前記ポンプ場から前記排水路への排水経路に設けられた水門を制御する方法であって、
前記ポンプ場の内水位および外水位を計測し、
前記ポンプ場への流入量を計測し、
前記流域の雨量を計測し、
前記水位、流量および雨量それぞれの計測値を用いて天候モードを判定し、
前記流量および雨量の計測値に基き、前記ポンプ場への流入量を予測し、
予め設定されたポンプの起動・停止水位の補正を行い、
前記流入量の計測値、および前記流入量予測値に応じてポンプ運転台数を決定し、
前記可変速ポンプの速度を制御し、
前記起動・停止水位の補正値に応じて前記水門の開閉制御を行う
ことを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−103028(P2009−103028A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274924(P2007−274924)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】