説明

電力供給ユニット一体型回転電機

【課題】ファンによって排気された空気の一部は、リヤブラケットに衝突して運動量を失いファンとリヤブラケットとの間で滞留する。滞留空気は、熱を帯びたままリヤブラケットと仕切り部材外周との隙間から負圧となっている吸入経路に流入し、電力供給ユニット、固定子及び回転子など十分に冷却されなかった。
【解決手段】回転子軸に嵌着された回転子、回転子を囲繞する固定子、電機子巻線に電力を供給するパワー回路モジュールと界磁巻線に電力を供給する界磁回路モジュールと放熱フィンを有するヒートシンクとで構成された電力供給ユニット、放熱用フィンを冷却する冷却用ファン、通気穴を有し通気穴に回転子軸を貫挿させることによってファンと電力供給ユニット間の空間部を2室に仕切り吸気通路と排気通路を形成した仕切り部材を備え、ブラケットの周壁には、吸気通路に連通する吸気口と排気通路に連通する排気口を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電機子巻線を有する固定子、界磁巻線を有する回転子、及び固定子と回転子を支持するハウジングを有する回転電機本体に、電機子巻線や界磁巻線に電力を供給する電力供給ユニットが一体に取り付けられた電力供給ユニット一体型回転電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電力供給ユニット一体型回転電機は、図12に示すようにリヤブラケットが、制御基板、各ヒートシンク及び各ヒートシンクに装着のスイッチング素子を覆うように設置されている。そして、リヤブラケットの中心部には、吸入口が回転軸と同軸状に設けられ、又該吸入口の周りに各ヒートシンクの放熱部に前記回転軸長手方向に直接対向する吸入口が設けられている。
又、ファンと前記各ヒートシンクとの間に位置する支持板兼通風孔形成板の中心部には、通風孔が前記回転軸と同軸状に設けられている。前記ファンの回転により、前記リヤブラケットの前記通風開口から吸入された冷却風が、前記各ヒートシンクの放熱部を通り、前記支持板兼通風孔形成板の通風孔を経て、前記ファンにより、回転電機部の径方向外方へ放射状に吐き出される構成が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−174541号公報(特に図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図13は、前記図12の吸排気口付近を示す要部断面図である。この図13に示すように従来の回転電機においては、ファンによって排気された空気の一部は、リヤブラケットに衝突して運動量を失い、ファンとリヤブラケットとの間で滞留する。滞留した空気は熱を帯びたまま、リヤブラケットと仕切り部材外周との隙間から負圧となっている吸入経路に流入し(以下、このことを「内部還流」、この経路を「還流風路」という)、電力供給ユニット、固定子、及び回転子が、十分に冷却されないという問題があった。
この発明は、この課題を解決するためになされたものであり、冷却性能の低下を招く内部還流を封鎖又は還流流量を大幅に減らすことで十分な冷却性能を持つ電力供給ユニット一体型回転電機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る電力供給ユニット一体型回転電機は、有底円筒状に形成され互いに開口部を相対させて連結される一対のブラケット、この両ブラケットに回転可能に支持された回転子軸、この回転子軸に嵌着され界磁巻線を有する回転子、この回転子を囲繞するように配置され電機子巻線を有する固定子、この固定子の電機子巻線に電力を供給するパワー回路モジュールと上記界磁巻線に電力を供給する界磁回路モジュールとこの両モジュールからの発生熱を放熱する放熱フィンを有するヒートシンクとによって構成され上記一方のブラケットに取り付けられた電力供給ユニット、この電力供給ユニット側の上記回転子軸端部に取り付けられ上記放熱用フィンを冷却する冷却用ファン、及び上記回転子軸より大径な通気穴を有し、この通気穴に上記回転子軸を貫挿させることによって上記冷却用ファンと上記電力供給ユニット間の空間部を2室に仕切り、上記通気穴を介し、上記電力供給ユニット側に上記放熱用フィンを露出させた吸気通路を形成するとともに上記冷却用ファン側に排気通路を形成した仕切り部材を備え、上記電力供給ユニットは、上記一方のブラ
ケットに取り付け一体化され、且つこのブラケットの周壁には、上記吸気通路に連通する吸気口と、上記排気通路に連通する排気口をそれぞれ設け、上記冷却用ファンの回転時、この冷却用ファンの内径側に発生する負圧によって上記吸気口から吸いこまれた空気を、上記通気穴を通じ上記冷却用ファンの負圧部に導いた後に上記排気口から外部に排出するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明に係る電力供給ユニット一体型回転電機によれば、電力供給ユニットがリヤブラケット内に配置され、内部還流流路であるリヤブラケットと仕切部の間に弾性体を適宜配置することによって内部還流が防止され、パワー回路モジュール、界磁回路モジュール、固定子、及び回転子を効果的に冷却することができる。又、弾性体によってリヤブラケットから電力供給ユニットへ伝わる振動を免振することができるとともに、吸気口を塞ぐことがないため冷却性の悪化を防ぐことができるなどの付加的効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明の実施の形態1における電力供給ユニット一体型回転電機を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケットを示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケットを内側から見た正面図である。
【図4】この発明の実施の形態1における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分において樹脂製の弾性部材を固定する状態の一部を示した説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2における電力供給ユニット一体型回転電機の樹脂部材のみを単体で示した部品図である。
【図7】図6の樹脂部材を装着した状態を示したリヤブラケット内側の正面図である。
【図8】この発明の実施の形態3における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
【図9】この発明の実施の形態4における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
【図10】この発明の実施の形態5における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
【図11】この発明の実施の形態6における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
【図12】従来の電力供給ユニット一体型回転電機を示す断面図である。
【図13】図12において、内部還流が発生するメカニズムを説明するための要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて、この発明の各実施の形態を説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
【0009】
実施の形態1.
図1から図5に基づいて、この発明の実施の形態1に係る電力供給ユニット一体型回転電機を説明する。
この発明の実施の形態1に係る電力供給ユニット一体型回転電機は、有底円筒状に形成され互いに開口部を相対させて連結される一対のブラケット、すなわち一方のブラケット
(以下「フロントブラケット」という)1及び他方のブラケット(以下「リヤブラケット」という)2からなるハウジング100と、この両ブラケット1、2に後述のようにして回転可能に支持された回転子軸5と、この回転子軸に嵌着され界磁巻線6を有する回転子4と、この回転子を囲繞するように配置され固定子鉄心3a及び電機子巻線3bを有する固定子3とを備え、固定子3は、フロントブラケット1の一端部及びリヤブラケット2の一端部により支持固定され、回転子4は、固定子3の内側に配置されている。
【0010】
回転子軸5は、ハウジング100に設けられた支持用のベアリング7により回転自在に支持され、回転子4は固定子3に対して同軸に回転できるように構成されている。
回転子4の軸方向の両端面には、それぞれ冷却用ファン8が装着されている。回転子軸5のフロント側(フロントブラケットの外側)の端部には、プーリ9が装着され、回転子軸5のリヤ側(リヤブラケットの内側)の端部には、一対のスリップリング10が装着され、スリップリング10と摺接する一対のブラシ11がブラシホルダ12内に配置されている。なお、ブラシホルダ12、ブラシ11及びスリップリング10は、界磁巻線6に直流電力を供給するためのものである。
プーリ9は、図示していないベルトを介してエンジンの回転軸と連結され、エンジンの回転がプーリ9に伝達される。
【0011】
電力供給ユニット(ヒートシンクアセンブリ)20は、リヤブラケット2に取り付けられ、スイッチング素子を有し固定子の電機子巻線3bに電力を供給するパワー回路モジュール22と、ブラシ11に供給する電力をコントロールするためのスイッチング素子を有し界磁巻線6に電力を供給する界磁回路モジュール23と、この両モジュール22、23からの発生熱を放熱する放熱フィン21aを有するヒートシンク21とによって構成されている。
【0012】
パワー回路モジュール22と界磁回路モジュール23は、ヒートシンク21の板状取付部の外側面に絶縁されて搭載され、ブラシホルダ12はヒートシンク21の裏面である内側面に取り付けられている。又、電力供給ユニット20は、リヤブラケット2の端面から内方(固定子方向)に配置されている。
外部ケース40内には、制御回路41が設けられ、制御回路41から接続コネクタ42を介してパワー回路モジュール22及び界磁回路モジュール23に制御信号が送られる。
【0013】
冷却用ファン8と電力供給ユニット20間の空間部には、略円環状の仕切り部材30が設けられている。この仕切り部材30は、回転子軸5と同軸で回転子軸5より大径な通気穴30cを有し、この通気穴に回転子軸5を貫挿させることによって冷却用ファン8と電力供給ユニット20間の空間部を2室に仕切り、通気穴30cを介し、電力供給ユニット側に放熱用フィン21aを露出させた吸気通路2Aが形成され、冷却用ファン8側には排気通路2Bが形成されている。
【0014】
この仕切り部材30と電力供給ユニット20は、リヤブラケット2の端面に設けられたネジ穴に、電力供給ユニット20と仕切り部材30を挟み込むように、軸方向前方(固定子方向)からネジ26などの支持部材を締め付けることにより、リヤブラケット2に固定支持され、且つこのリヤブラケット2の周壁には、吸気通路2Aに連通する吸気口2Aaと、排気通路2Bに連通する排気口2Bbをそれぞれ設け、冷却用ファン8の回転時、この冷却用ファンの内径側に発生する負圧によって吸気口2Aaから吸いこまれた空気(冷却風)を、通気穴30cを通じ冷却用ファン8の負圧部に導いた後に排気口2Bbから外部に排出するようなされている。
【0015】
図1、図2において、矢印50X、50Yは、冷却風50の流れを示している。
図2に示すリヤブラケット2において、リヤブラケット2の側壁には仕切り部材30を跨
ぐようにして開口した長穴2Hが開いており、この長穴によって吸気口2Aaと排気口2Bbがそれぞれ形成されている。
冷却風50は、吸入風50X及び排出風50Yとして吸気口2Aaから入り排気口2Bbから送出される。
【0016】
回転電機にエンジンの回転がプーリ9を介して伝達されると、回転子4の回転にともなって冷却用ファン8の径方向内側から外側へ空気が排出され冷却用ファン8の内側が負圧となる。回転電機内部は仕切り部材30で仕切られているため、仕切り部材30のヒートシンク側では放熱フィン21aへ空気が流れ込んで吸入風50Xとなり、仕切り部材30の冷却用ファン8側では排出風50Yとなる。
【0017】
この実施の形態1では、図1、図3に示すように、内部還流を防ぐためにリヤブラケット2と仕切り部材30の外径側の外周面間に生じる隙間を塞ぐため弾性を有する樹脂部材(弾性部材)31を挟みこむ構造をしている。これにより、内部還流の大部分が吸入経路に入ることを阻止できるため、大幅に放熱性能を改善することができる。
【0018】
又、仕切り部材30には、図4、図5に示すように外周面部に、全周にわたり、あるいはその一部の箇所に突起部30aが形成されており、この突起部30aによって樹脂部材31が係止され軸方向後方に移動しないように固定されている。
又、樹脂部材31は、電力供給ユニット20をリヤブラケット2に固定した後、リヤブラケット2と仕切り部材30の隙間に挿入して還流風路を塞ぐ構造としている。
これにより、樹脂部材31が組立て中に仕切り部材30から外れることが無く、組立て性が向上される。
【0019】
又、図5に示すように、仕切り部材30の突起部30aには、切欠部30bが形成され、樹脂部材31には、きのこ状の突状係止部(以下「固定用突起」という)31aが形成されており、この固定用突起31aが仕切り部材の切欠部30bに嵌り込み、軸方向の固定がなされ、樹脂部材31の脱落を防止している。
上記のように、樹脂部材31により、還流経路が塞がれることで還流する排気が大きく削減され放熱性能が劇的に向上する。
【0020】
リヤブラケット2は、電力供給ユニット20や外部ケース40などの質量がかかるため、車両からの振動により大きく振動する。
樹脂部材31は、リヤブラケット2から電力供給ユニット20へ伝わる振動を免振する効果があり、電力供給ユニット20の振動を抑制することができる。又、仕切り部材30と樹脂部材31が引っかかる構成とし、電力供給ユニット20をリヤブラケット2に組みつけた後で樹脂部材31を挿入することで、作業者によらず、樹脂部材31を仕切り部材30に確実に固定することができ、生産性を向上することができる。
【0021】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2における電力供給ユニット一体型回転電機の樹脂部材のみを単体で示した部品図、図7は、図6の樹脂部材を装着した状態を示したリヤブラケット内側の正面図である。
【0022】
この実施の形態2における樹脂部材31は、図6に示すように、略ストレート形状をしている。
図7に示すように、樹脂部材31は、電力供給ユニット20をリヤブラケット2に固定した後に、曲げられて略円環状に仕切り部材30に装着される構成となっている。
実施の形態1と同様に、仕切り部材30の突起部30aには、切欠部30bが形成され、樹脂部材31には、固定用突起31aが形成されており、仕切り部材30の切欠部30bに、固定用突起31aが嵌り込み、軸方向の固定がなされる構造をしている。
樹脂部材31を円環状でなく、略ストレート形状で製造することにより、樹脂部材31の生産性が向上し、コストを低減することができる。
【0023】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
この実施の形態3における樹脂部材31は、図8に示すように、仕切り部材の突起部30aに接着材32で固定されている。
接着材32で樹脂部材31を仕切り部材30に固定することにより、樹脂部材31が所定の位置から軸方向に移動することがなく、樹脂部材31の脱落を防止することができる。
【0024】
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
この実施の形態4における樹脂部材31は、図9に示すように、その両端部31bが、互いに突合する斜め形状になっており、樹脂部材31を曲げて略円環状にし、仕切り部材30に装着した際に、両端部31bの斜め形状が軸方向(又は径方向に)で重なる構成になっている。
このように構成することにより、ストレート状から円環状にした樹脂部材両端の隙間からの還流を防止することができる。
【0025】
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
この実施の形態5におけリング状樹脂部材31の外周面には、図10に示すように、土手状の突起31cが、長穴2Hに対応する各位置の全箇所、あるいは少なくとも1箇所以上に設けられ、且つこの土手状の突起31cは、リヤブラケット2の内周面より長穴2Hから径方向外側に末広がり状に突出させることによって、リヤブラケット2の排気口2Bbと吸気口2Aaを分断するように配置されている。
更に、土手状の突起31cは、軸方向前方に、冷却風50の排気を前方に排出するような偏向排気ガイド31dを形成し、軸方向後方に、冷却風50を後方から吸気するような偏向吸気ガイド31eを形成することにより吸気流と排気流が合流するのを阻止している。
【0026】
このように樹脂部材31を構成することにより、リヤブラケット2の内周面より径方向外側も、冷却風50の内部還流防止を行うことができ、さらに冷却性能を向上させることが可能となる。
又、冷却風50の吸気の方向を排気から遠ざけ、冷却風50の排気の方向を吸気から遠ざけることで、冷却風50の内部還流をさらに防止することができ、さらに冷却性能を向上させることが可能となる。
【0027】
実施の形態6.
図11は、この発明の実施の形態6における電力供給ユニット一体型回転電機のリヤブラケット部分の要部断面図である。
この実施の形態6における樹脂部材31は、図11に示すように、その側面に軸方向に伸び上記一方のブラケットの内周面に嵌合する円筒状延長部を有している。
この円筒状延長部31fは、防水用樹脂25で覆われたパワー回路モジュール22と固定子巻線3bの電力入出力端子3cとを電気的に接続するための金属部材33の露出部と
、リヤブラケット2との隙間に、配置され金属部材33をリヤブラケット2から隔離する構造になっている。
樹脂部材31をこのように構成することにより、リヤブラケット2と金属部材33の沿面距離拡大を行うことができ、樹脂部材31で金属部材33への被水の防止を行うことにより、塩水などの被水による金属部材33の腐食を防止することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 フロントブラケット
2 リヤブラケット 2H 長穴
2A 吸気通路 2Aa 吸気口
2B 排気通路 2Bb 排気口
3 固定子 3a 固定子鉄心
3b 電機子巻線(固定子巻線) 3c 電機子巻線の電力入出力端子
4 回転子 4a 回転子鉄心
5 回転子軸 6 界磁巻線
7 ベアリング 8 冷却用ファン
9 プーリ 10 スリップリング
11 ブラシ 12 ブラシホルダ
13 回転電機の電力入出力端子 14 磁極位置検出センサ
20 電力供給ユニット(ヒートシンクアセンブリ)
21 ヒートシンク 21a ヒートシンクの放熱用フィン
22 パワー回路モジュール 22a パワー回路モジュールのターミナル
23 界磁回路モジュール 24 樹脂ケース
25 防水用樹脂 26 電力供給ユニットの固定ネジ
30 仕切り部材 30a 突起部
30b 仕切り部材の切欠部 30c 通気穴
31 樹脂部材(弾性部材) 31a きのこ状の突状係止部(固定用突起)
31b 樹脂部材の両端部 31c 土手状の突起
31d 偏向排気ガイド 31e 偏向吸気ガイド
31f 円筒状延長部(樹脂部材の防水用突起)
32 接着材 33 金属部材
40 外部ケース 41 制御回路
42 接続コネクタ 50 冷却風
50X 吸入風 50Y 排出風。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底円筒状に形成され互いに開口部を相対させて連結される一対のブラケット、この両ブラケットに回転可能に支持された回転子軸、この回転子軸に嵌着され界磁巻線を有する回転子、この回転子を囲繞するように配置され電機子巻線を有する固定子、この固定子の電機子巻線に電力を供給するパワー回路モジュールと上記界磁巻線に電力を供給する界磁回路モジュールとこの両モジュールからの発生熱を放熱する放熱フィンを有するヒートシンクとによって構成され上記一方のブラケットに取り付けられた電力供給ユニット、この電力供給ユニット側の上記回転子軸端部に取り付けられ上記放熱用フィンを冷却する冷却用ファン、及び上記回転子軸より大径な通気穴を有し、この通気穴に上記回転子軸を貫挿させることによって上記冷却用ファンと上記電力供給ユニット間の空間部を2室に仕切り、上記通気穴を介し、上記電力供給ユニット側に上記放熱用フィンを露出させた吸気通路を形成するとともに上記冷却用ファン側に排気通路を形成した仕切り部材を備え、
上記電力供給ユニット及び上記仕切り部材は、上記一方のブラケットに取り付け一体化され、且つこのブラケットの周壁には、上記吸気通路に連通する吸気口と、上記排気通路に連通する排気口をそれぞれ設け、上記冷却用ファンの回転時、この冷却用ファンの内径側に発生する負圧によって上記吸気口から吸いこまれた空気を、上記通気穴を通じ上記冷却用ファンの負圧部に導いた後に上記排気口から外部に排出することを特徴とする電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項2】
上記吸気口及び上記排気口は、上記一方のブラケットの周面に、上記仕切り部材を跨ぐようにして開口した長穴によって形成したことを特徴とする請求項1記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項3】
上記仕切り部材の外周面と上記一方のブラケット間に生じる隙間を、弾性部材で塞いだことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項4】
上記弾性部材は、上記一方のブラケットに上記電力供給ユニットと上記仕切り部材とを取り付けた後に装着されることを特徴とする請求項3記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項5】
上記弾性部材は、上記仕切り部材の外周縁部に形成された突起部に係止されることによって軸方向外側への移動が阻止されたことを特徴とする請求項3記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項6】
上記弾性部材は、その側面に複数の突状係止部を設けると共にこの突状係止部を上記仕切り部材の突起部に設けた切欠部に嵌め込むことにより、上記仕切り部材に固定したことを特徴とする請求項3記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項7】
上記弾性部材は、接着材により上記突起部に固定したことを特徴とする請求項3記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項8】
上記弾性部材は、略ストレート形状の帯体とし、この略ストレート状帯体を曲げて略円環状にして上記仕切り部材に固定したことを特徴とする請求項3記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項9】
上記弾性部材は、その両端面を互いに突合する斜め形状とし、当該弾性部材を上記仕切り部材に装着した際に、両突合面が軸方向又は径方向に重なることを特徴とする請求項8記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項10】
上記弾性部材は、その外周面に上記長穴から上記一方のブラケット外に突出して、上記排気口と上記吸気口とを分断する突起を設けたことを特徴とする請求項3記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項11】
上記弾性部材は、上記突起を上記長穴から末広がり状に突出させることによって、吸気流と排気流が合流するのを阻止する偏向ガイドとしたことを特徴とする請求項10記載の電力供給ユニット一体型回転電機。
【請求項12】
上記弾性部材は、その側面に上記一方のブラケットの内周面に嵌合する円筒状延長部を設け、この円筒状延長部によって、上記パワー回路モジュールと固定子巻線の電力入出力端子とを電気的に接続する金属部材を、上記一方のブラケットから絶縁隔離したことを特徴とする請求項3記載の電力供給ユニット一体型回転電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−249418(P2012−249418A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119031(P2011−119031)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】