説明

電動パワーステアリング装置

【課題】歯車減速機構を構成するはすば歯車のスラスト方向への急激な変位を抑制することにより、歯打ち音の発生を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】歯車減速機構を構成する少なくとも1つの歯車は、金属製の軸本体33aと、軸本体の外周側に配設されるはすば歯車からなる金属製の環状歯車43と、軸本体と環状歯車との間の環状の空間部に介在され軸本体と環状歯車とを弾性結合する弾性リング45からなり、弾性リングは、環状歯車を軸本体に対して径方向および軸線方向に相対移動可能に弾性結合するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車減速機構の歯打ち音を抑制できるようにした電動パワーステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動パワーステアリング装置には、例えば、特許文献1に記載されているように、ラック軸に形成したボールねじ軸にボールを介して螺合する回転可能なボールナットと平行に電動モータを配置し、電動モータのモータシャフトに駆動歯車を連結するとともに、ボールナットに被動歯車を設け、これら駆動歯車と被動歯車とを中間歯車を介して噛合させた歯車減速機構を備えたモータ平行タイプの電動パワーステアリング装置がある。
【特許文献1】特開2008−105649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の電動パワーステアリング装置においては、ステアリングホイール(ハンドル)を小刻みに操舵した場合、電動モータによって駆動歯車が急激な回転方向変化を繰り返す。歯車減速機構の駆動歯車、被動歯車および中間歯車が、はすば歯車にて構成されているものでは、駆動歯車が急激な回転方向変化を繰り返すと、中間歯車にはスラスト方向の力が加わる。そして、歯車相互のバックラッシュや、各歯車を支持する軸受のガタ等の影響により、中間歯車はスラスト方向に急激に変位する。この中間歯車のスラスト方向への急激な変位によって、歯打ち音が発生する問題がある。この歯打ち音を抑制するためには、中間歯車のスラスト方向の変位を抑制する必要がある。
【0004】
本発明は、上記した従来の問題を解消するためになされたもので、歯車減速機構を構成するはすば歯車のスラスト方向への急激な変位を抑制することにより、歯打ち音の発生を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、電動モータによって駆動される駆動歯車および被動歯車を有する歯車減速機構ならびに該歯車減速機構を介して作動されるボールねじ機構を用いて操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、前記歯車減速機構を構成する少なくとも1つの歯車は、金属製の軸本体と、該軸本体の外周側に配設されるはすば歯車からなる金属製の環状歯車と、前記軸本体と前記環状歯車との間の環状の空間部に介在され前記軸本体と前記環状歯車とを弾性結合する弾性リングからなり、該弾性リングは、前記環状歯車を前記軸本体に対して径方向および軸線方向に相対移動可能に弾性結合するように構成されていることである。
【0006】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記軸本体の外周には、両端部に向かって径が拡大する逆テーパ面が形成され、前記環状歯車の内周には、軸本体の逆テーパ面に補合する形状の逆テーパ面が形成され、前記軸本体の外周と前記環状歯車の内周との間に断面V字形の前記弾性リングが固定されていることである。
【0007】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項2において、前記弾性リングが、ゴム材料から形成されており、前記軸本体の外周と前記環状歯車の内周との間に加硫接着によって固定されていることである。
【0008】
請求項4に係る発明の特徴は、請求項1において、前記軸本体の外周には、軸方向の片側にテーパ面が形成されるとともに、他側にストレート部が形成され、前記環状歯車の内周に前記弾性リングが接着され、前記弾性リングを接着した前記環状歯車をテーパコーンを用いて前記軸本体に固定するようにしたことである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、歯車減速機構を構成する少なくとも1つの歯車は、金属製の軸本体と、軸本体の外周側に配設されるはすば歯車からなる金属製の環状歯車と、軸本体と環状歯車との間の環状の空間部に介在され軸本体と環状歯車とを弾性結合する弾性リングからなり、弾性リングは、環状歯車を軸本体に対して径方向および軸線方向に相対移動可能に弾性結合するように構成されているので、電動モータによって駆動歯車が急激な回転方向変化を繰り返すことにより、はすば歯車がスラスト方向に急激に変位することを抑制でき、歯打ち音の発生を抑制することができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、軸本体の外周には、両端部に向かって径が拡大する逆テーパ面が形成され、環状歯車の内周には、軸本体の逆テーパ面に補合する形状の逆テーパ面が形成され、軸本体の外周と環状歯車の内周との間に断面V字形の弾性リングが固定されているので、断面V字形の弾性リングを軸本体の外周と環状歯車の内周との間に固定するだけの簡単な構成で、環状歯車を軸本体に径方向および軸線方向に相対移動可能に弾性結合することができる。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴は、弾性リングがゴム材料から形成されており、軸本体の外周と環状歯車の内周との間に加硫接着によって固定されているので、弾性リングを軸本体の外周と環状歯車の内周との間に簡単かつ確実に固定することができる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、軸本体の外周には、軸方向の片側にテーパ面が形成されるとともに、他側にストレート部が形成され、環状歯車の内周に弾性リングが接着され、弾性リングを接着した環状歯車をテーパコーンを用いて軸本体に固定するようにしたので、テーパコーンによって弾性リングを接着した環状歯車を軸本体に容易に組付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るモータ平行タイプの電動パワーステアリング装置10の模式図を示す。 図1において、電動パワーステアリング装置10は、転舵輪12を転舵するためにステアリングホイール13に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト14と、ステアリングシャフト14からの操舵トルクにより転舵輪12を転舵する、例えばラックアンドピニオン機構からなる操舵機構15と、ステアリングシャフト14と操舵機構15とを連結する軸継手としての中間軸16とを備えている。
【0014】
操舵機構15は、入力軸としてのピニオン軸17と、自動車の横方向(直進方向と直交する方向)に延びる転舵軸としてのラック軸18と、ピニオン軸17およびラック軸18を支持するハウジング20とを有している。ピニオン軸17は、ハウジング20に回動可能に支持され、ラック軸18は、ハウジング20に直線往復移動可能に支持されている。ピニオン軸17のピニオン歯17aは、ラック軸18のラック歯18aに噛合されている。ラック軸18の両端部は、図略のタイロッドおよび図略のナックルアームを介して転舵輪12に連結されている。
【0015】
これにより、ステアリングホイール13が操舵されると、その操舵トルクがステアリングシャフト14等を介して操舵機構15に伝達され、ピニオン軸17が回転される。ピニオン軸17の回転は、ピニオン歯17aおよびラック歯18aによって、ラック軸18の直線移動に変換され、転舵輪12が転舵される。
【0016】
ラック軸18には、ボールねじ軸21が一体的に形成され、ボールねじ軸21にボール22を介して螺合するボールナット23が、ラック軸18と同心的にハウジング20に回転のみ可能に支持されている。これらボールねじ軸21、ボール22およびボールナット23によって、ボールナット23の回転をボールねじ軸21の軸方向運動に変換するボールねじ機構24を構成している。
【0017】
さらに、電動パワーステアリング装置10には、操舵トルクを検出するトルクセンサ25と、トルクセンサ25の出力に基づいて制御され、操舵トルクをアシストする電動モータ26と、電動モータ26の回転を減速する歯車減速機構27が設けられている。歯車減速機構27は、電動モータ26によって駆動される駆動歯車31と、ボールナット23に設けられた被動歯車32と、これら駆動歯車31および被動歯車32に噛合し、駆動歯車31の回転を被動歯車32に伝達する中間歯車33とによって構成されている。
【0018】
歯車減速機構27の駆動歯車31は、図2に示すように、その両端軸部31a、31bを軸受35a、35bを介してハウジング20(図1参照)に回転可能に支持されており、一方の軸部31aに電動モータ26のモータシャフト26aが連結されている。駆動歯車31に噛合う中間歯車33は、その両端軸部33a、33bを軸受36a、36bを介してハウジング20に回転可能に支持されている。中間歯車33に噛合う被動歯車32は、ボールナット23の外周に圧入等によって固定されている。被動歯車32を固定したボールナット23は、ハウジング20に軸受37を介してボールねじ軸21と同心的に回転可能に支持されている。
【0019】
上記した駆動歯車31、被動歯車32および中間歯車33の各歯部は、図2に示すように、はすばに形成され、はすば歯車によって、駆動歯車31、被動歯車32および中間歯車33の噛合い率を向上して噛合い音を低減できるようにしている。これら駆動歯車31、被動歯車32および中間歯車33からなる歯車減速機構27によって、電動モータ26の回転をボールナット23に減速して伝達するようになっている。
【0020】
次に、第1の実施の形態における歯車減速機構27の中間歯車33の構成を、図3および図4に基づいて説明する。図3において、中間歯車33は、両端軸部33a、33bを有する金属製の軸本体41と、駆動歯車31および被動歯車32に噛合う歯部42を外周に形成した金属製の環状歯車43と、これら軸本体41と環状歯車43との間の環状空間に介在されるゴム製の弾性リング45とによって構成されている。軸本体41の外周面は、両端部に向かって径が連続的に拡大する逆テーパ面41a、41bに形成されている。逆テーパ面41a、41bには、図4に示すように、テーパ面41a、41bに沿って複数の係合溝41a1、41b1(係合溝41b1は図示せず)が円周上等角度間隔に形成されている。一方、環状歯車43の内周面には、軸本体41の逆テーパ面41a、41bに補合する形状の逆テーパ面43a、43bが形成され、逆テーパ面43a、43bにはテーパ面に沿って複数の係合溝43a1、43b1(係合溝43b1は図示せず)が円周上等角度間隔に形成されている。環状歯車43に形成した逆テーパ面43a、43bは、軸本体41に形成した逆テーパ面41a、41bより径が所定量だけ大きく形成されており、これにより、環状歯車43が軸本体41の外周に同心的に配置されると、軸本体41の外周と環状歯車43の内周との間に一様な厚みの環状空間が形成されるようになっている。
【0021】
上記した弾性リング45は、軸本体41の外周と環状歯車43の内周との間に加硫接着により一体的に固定されるようになっている。すなわち、軸本体41の外周と環状歯車43の内周にそれぞれ接着剤を塗布した後、金型内に軸本体41と環状歯車43を同心的に収容し、その状態で未加硫ゴムを射出して軸本体41の外周と環状歯車43の内周との間に充填し、所定時間加熱および加圧することにより、弾性リング45を軸本体41の外周および環状歯車43の内周にそれぞれ加硫接着するようにしている。
【0022】
上記のように構成された電動パワーステアリング装置10の動作について説明する。ステアリングホイール13を操舵すると、操舵トルクがピニオン軸17に入力され、ピニオン軸17とラック軸18とによる操舵機構15を介してラック軸18が軸方向に移動される。
【0023】
ピニオン軸17に入力された操舵トルクは、トルクセンサ25により検出され、検出された操舵トルクに基づいて電動モータ26が回転制御され、補助トルクを発生させる。電動モータ26による補助トルクは、駆動歯車31、中間歯車33および被動歯車32を介してボールナット23に伝達され、ボールナット23の回転によりボールねじ軸21、すなわち、ラック軸18が軸方向に移動される。ラック軸18の軸方向移動により、転舵輪12が転舵され、運転者によってステアリングホイール13に加えられた操舵力がアシストされる。
【0024】
この際、歯車減速機構27を構成する駆動歯車31、被動歯車32および中間歯車33がはすば歯車にて構成されているため、駆動歯車31の回転により中間歯車33にはスラスト方向の力が加わる。特に、ステアリングホイール13を小刻みに操舵した場合、電動モータ26によって駆動歯車31が急激な回転方向変化を繰り返す。これにより、駆動歯車31、中間歯車33および被動歯車32相互のバックラッシュや、これら駆動歯車31、中間歯車33および被動歯車32を支持する軸受35a、35b、36a、36b、37のガタなどの影響により、中間歯車33はスラスト方向に急激に変位せんとするが、断面V字形状の弾性リング45の作用により、中間歯車33のスラスト方向への急激な変位が抑制され、その結果、歯打ち音の発生が抑制される。
【0025】
上記した第1の実施の形態に係る中間歯車33を備えた電動パワーステアリング装置10によれば、駆動歯車31と被動歯車32との間に配列された中間歯車33を、軸本体41と、軸本体41の外周側に配設されるはすば歯車からなる環状歯車43と、軸本体41と環状歯車43との間の環状の空間部に介在された断面V字形の弾性リング45とによって構成したので、環状歯車43を弾性リング45を押縮して軸本体41に対して径方向および軸線方向に相対移動させることができる。これにより、駆動歯車31の回転による中間歯車33のスラスト方向への急激な変位を弾性リング45によって抑制することができ、歯車減速機構27の歯打ち音の発生を抑制することができる。
【0026】
また、上記した第1の実施の形態によれば、駆動歯車31、中間歯車33および被動歯車32が、はすば歯車にて構成されているので、駆動歯車31、中間歯車33および被動歯車32相互の噛合い率を増加させることができ、上記した弾性リング45の作用と相俟って噛合いによる騒音を効果的に低減することができる。
【0027】
図5は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態と異なる点は、加硫接着等の手段を用いることなく、中間歯車33の製作を容易に行えるようにしたことである。なお、第1の実施の形態と同一の構成部品については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0028】
すなわち、第2の実施の形態においては、中間歯車33の軸本体41の軸方向の片側にのみテーパ面41bとし、軸方向の他側をストレート部41cとしている。そして、まず、環状歯車43の内周の逆テーパ面43a、43bに、一定の肉厚の断面V字形の弾性リング45を加硫接着等によって固定し、弾性リング45を接着した環状歯車43を、軸本体41のストレート部41c側より嵌装して、軸本体41のテーパ面41bに、弾性リング45の一端側のテーパ内周面45bを嵌合させる。その状態で、弾性リング45の他端側のテーパ内周面45aと軸本体41のストレート部41cとの間に、外周面が弾性リング45のテーパ内周面45aに補合するテーパ面50aを有し、内周面が軸本体41のストレート部41cに嵌合する環状のテーパコーン50を挿入する。そして、このテーパコーン50を軸本体41に螺合する締付けナット51により締付けることにより、弾性リング45の各テーパ内周面45a、45bを軸本体41のテーパ面41aおよび軸本体41に固定したテーパコーン50のテーパ面50aに圧着させ、軸本体41、環状歯車43および弾性リング45を一体化する。
【0029】
この場合、弾性リング45は、図6に示すように、軸方向の中央部で2つに分割して円錐形状の弾性リング145a、145bとしてもよく、また、第1の実施の形態で述べたと同様に、軸本体41の外周および環状歯車43の内周に係合溝を形成し、これら係合溝に弾性リング45を係合させて回り止めを行う構成としてもよい。
【0030】
上記した第2の実施の形態によれば、軸本体41と、環状歯車43と弾性リング45(145a、145b)を、テーパコーン50を用いて一体的に組付けるようにしたので、軸本体41の外周と環状歯車43の内周との間に弾性リング45(145a、145b)を容易に組付けることが可能となる。
【0031】
上記した実施の形態においては、歯車減速機構27を構成する駆動歯車31および被動歯車32に噛合う中間歯車33を、軸本体51と環状歯車53とに分割してその間に弾性リング45を介在させた構成とした例について述べたが、歯車減速機構27を構成する全ての歯車(駆動歯車31、被動歯車32および中間歯車33)を、図3あるいは図5に示したように、軸本体と環状歯車とに分割してその間に弾性リングを介在させた構成としてもよい。
【0032】
また、上記した実施の形態においては、歯車減速機構27を、駆動歯車31、中間歯車33および被動歯車32にて構成した例について説明したが、歯車減速機構27は、少なくとも駆動歯車31および被動歯車32を有するものであればよく、この場合には、駆動歯車31および被動歯車32のいずれか一方もしくは双方の歯車を、図3あるいは図5に示したように構成すればよい。
【0033】
なお、弾性リング45は、必ずしも実施の形態で述べたような断面V字形状である必要はなく、環状歯車43を軸本体41に対して径方向および軸線方向に相対移動可能に弾性結合できるものであればよい。また、弾性リング45は、ゴムに限定されるものではなく、エラストマーにて形成してもよい。
【0034】
以上、本発明を実施の形態に即して説明したが、本発明は実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を示す模式図である。
【図2】図1の歯車減速機構を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す歯車減速機構を構成する中間歯車の断面図である。
【図4】図3の4−4線に沿って切断した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す中間歯車の断面図である。
【図6】図5の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10…電動パワーステアリング装置、24…ボールねじ機構、26…電動モータ、27…歯車減速機構、31…駆動歯車、32…被動歯車、33…中間歯車、51…軸本体、51a、51b…逆テーパ面、53…環状歯車、53a、53b…逆テーパ面、55…弾性リング。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータによって駆動される駆動歯車および被動歯車を有する歯車減速機構ならびに該歯車減速機構を介して作動されるボールねじ機構を用いて操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、
前記歯車減速機構を構成する少なくとも1つの歯車は、金属製の軸本体と、該軸本体の外周側に配設されるはすば歯車からなる金属製の環状歯車と、前記軸本体と前記環状歯車との間の環状の空間部に介在され前記軸本体と前記環状歯車とを弾性結合する弾性リングからなり、該弾性リングは、前記環状歯車を前記軸本体に対して径方向および軸線方向に相対移動可能に弾性結合するように構成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
請求項1において、前記軸本体の外周には、両端部に向かって径が拡大する逆テーパ面が形成され、前記環状歯車の内周には、軸本体の逆テーパ面に補合する形状の逆テーパ面が形成され、前記軸本体の外周と前記環状歯車の内周との間に断面V字形の前記弾性リングが固定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
請求項2において、前記弾性リングが、ゴム材料から形成されており、前記軸本体の外周と前記環状歯車の内周との間に加硫接着によって固定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
請求項1において、前記軸本体の外周には、軸方向の片側にテーパ面が形成されるとともに、他側にストレート部が形成され、前記環状歯車の内周に前記弾性リングが接着され、前記弾性リングを接着した前記環状歯車をテーパコーンを用いて前記軸本体に固定するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−149574(P2010−149574A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327606(P2008−327606)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】