説明

電子パーツの絶縁散熱構造

【課題】ハイパワー電子パーツの作動時に、導電せず、漏電しないという安全基準を満たすことができる電子パーツの絶縁散熱構造を提供する。
【解決手段】電子パーツの絶縁散熱構造は、電子部品1の作動ホットエンド面に散熱部品2を密着させ、散熱部品2は絶縁可能な殼体3の第一収容設置槽31位置に組立て、中空の殼体3内部には冷卻用流体4を充填し、殼体3は絶縁材料により製造し、散熱部品2、流体4、殼体3は、温度低下と散熱の機能を備え、特に殼体3は、絶縁特性を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子パーツの絶縁散熱構造に関し、特にハイパワー電子パーツ作動時の高温問題を解決可能な散熱技術で、導電せず、漏電しないという安全基準をも同時に満たすことができる電子パーツの絶縁散熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子パーツは、導電後に作動し、その際には必ず作動温度を発生する。
作動温度が高くなり過ぎると、電気性能と機能に影響を及ぼすばかりか、損壊、火災発生の恐れさえある。
そのため、電子パーツにとって散熱は、極めて重要である。
【0003】
最近注目を集めている発光ダイオード(LED)チップは、電気エネルギーを光エネルギーに転換するものであるが、やはりある程度の熱エネルギーも発生し、熱エネルギーにより温度が高くなればなるほど、発生する光エネルギーは弱くなる。
ハイパワー発光ダイオード(LED)チップにおいては、散熱に関する要求は、当然さらに高く、しかもハイパワー電子パーツには、使用の安全性を確保するために、確実な絶縁を施し、導電せず、漏電しないという安全基準の達成が求められる。
本発明は、従来の電子パーツの絶縁散熱構造の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、絶縁機能を備えた散熱構造を設計し、それは電子パーツと組合せが可能で、これにより散熱効果を達成することができる電子パーツの絶縁散熱構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は下記の電子パーツの絶縁散熱構造を提供する。
電子パーツの絶縁散熱構造は、電子部品、散熱部品、殼体、流体を備え、
該散熱部品は、該電子部品に密着し、熱伝導効率に優れた材料により製造し、
該殼体は、絶縁可能で、しかも導熱可能な材料により製造し、該殼体内部には、中空状の空間を備え、該殼体には、第一収容設置槽を開設し、該散熱部品は、該第一収容設置槽に結合し、密封され、
該流体は、該殼体の空間内に充填し、該流体は、散熱、冷卻或いは導熱効果を備える液体で、
該散熱部品は、良好な熱伝導効果を備え、電子パーツの熱エネルギーを伝導して持ち去り、
該散熱部品の内端面の適当な位置には、若干の散熱柱或いは散熱片を設置し、
該殼体は、絶縁材料により製造するため、絶縁機能を備え、該殼体内部には、散熱用流体を充填し、しかも、該散熱部品の散熱柱(片)は、該殼体内部へと延伸するため、電子パーツの熱エネルギーを迅速に伝導することができ、本発明により拡大した散熱表面積を対応させて、さらに散熱効果を向上させることができ、
該流体が絶縁液体である時、該殼体はさらに散熱装置を増設することができ、該散熱装置は、該流体の熱エネルギー放出を補助し、特に該流体と該殼体はやはり絶縁状態であるため、導電せず、漏電しないという安全基準を満たすことができ、
該電子部品の作動ホットエンド面に、散熱部品を密着させ、該散熱部品は、絶縁可能な殼体の収容設置槽位置に設置し、しかも、該殼体は、中空状で、該殼体内部には、冷卻用流体を充填し、該殼体は絶縁材料により製造し、
こうして該散熱部品、該流体、該殼体は、温度低下と散熱の機能を備え、しかも、該殼体は絶縁作用を備えるため、ハイパワー電子パーツの作動時に導電せず、漏電しないという安全基準を満たすことができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明電子パーツの絶縁散熱構造は、ハイパワー電子パーツ作動時の高温問題を解決可能な散熱技術で、導電せず、漏電しないという安全基準をも同時に満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明第一実施例の立体局部断面図である。
【図2】本発明第一実施例の断面図である。
【図3】本発明第二実施例の立体局部断面図である。
【図4】本発明第二実施例の断面図である。
【図5】本発明第三実施例の立体局部断面図である。
【図6】本発明第三実施例の断面図である。
【図7】本発明第四実施例の立体外観図である。
【図8】本発明第四実施例の立体局部断面図である。
【図9】本発明第五実施例の立体局部断面図である。
【図10】本発明第六実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
図1、2に示すように、本発明の第一実施例は、電子部品1、散熱部品2、殼体3、流体4を備える。
電子部品1は、発光ダイオード(LED)チップ、パワートランジスター、或いは熱エネルギーを発生する任意の電子部品である。
電子部品1には、導熱体11を設置し、或いは回路基板を一体に設置する。
【0010】
散熱部品2は、電子部品1の片側面に密着して組合せる。
散熱部品2は、金属、カーボンファイバー等材質、或いは複合材料等の熱伝導効率が高い材質で製造し、これにより電子部品1の熱エネルギーを効果的に伝導し、放出する。
散熱部品2は、熱伝導体21を備える。
熱伝導体21は、導熱体11、或いは回路基板と、密着して、熱エネルギーの伝送を行う。
熱伝導体21内縁面には、任意の数の散熱柱22(或いは散熱片)を設置する。
散熱柱22により、散熱用の表面積を拡大し、熱エネルギーを別の位置へと伝送する。
【0011】
殼体3は、ガラス、プラスチック、合成樹脂、セラミック等、或いはその複合材料等の絶縁性能を備え、かつ導熱可能な材料により製造する。
殼体3内部は、中空状で、適当な位置に、第一収容設置槽31を開設する。
該第一収容設置槽31には、散熱部品2の熱伝導体21の構成部品を結合し、密封することができる。
【0012】
流体4は、殼体3の空間内に充填する。
流体4は、散熱、冷卻或いは導熱効果を備える液体で、水、冷卻液、低濃度オイル、溶剤、界面活性剤等であるが、これに限定しない。
流体4は、電子部品1と散熱部品2からの熱エネルギーを、殼体3へと伝導し、こうして散熱或いは温度低下の目的を達成する。
【0013】
電子部品1が、作動し熱エネルギーを発生すると、熱エネルギーは、散熱部品2を通過して、流体4へと迅速に伝導される。
流体4の熱伝導性能により、初期段階の散熱を行い、最後には、殼体3を利用して、外へと熱エネルギーを放出し散熱する。
こうして、温度低下作用を達成する。
殼体3は、絶縁材料により製造するため、漏電の恐れがない。
本発明の製造時に、散熱部品2を、第一収容設置槽31内に結合する時には、加熱融合技術、或いは螺合結合方式、或いは接着剤による接着方式を利用して、結合と密封を行うことができる。
【0014】
図3、4に示す本発明の第二実施例において、前記実施例との主要な差異は、電子部品5の形状にある。
本発明第二実施例の電子部品5は、やや直立状を呈するが、第一実施例と同様、熱伝導体21は導熱用の導熱体51に密着し、これにより熱エネルギーを伝送する。
【0015】
図5、6に示す本発明の第三実施例においては、前記第一、第二実施例の構造に散熱装置6を増設する。
殼体3は、適当な位置に、第二収容設置槽32を増設する。
第二収容設置槽32中には、散熱装置6を設置する。
散熱装置6は、金属、カーボンファイバー等の材料、或いは複合材料等の熱伝導効率に優れた材質により製造し、これにより、流体2の熱エネルギーを、さらに効率よく、外部へと放出することができる。
【0016】
散熱装置6内部と外部には、必要に応じて、熱散柱(片)61、62を設置する。
本実施例の実施時、確実に絶縁するため、流体4は絶縁液体でなければならない。
電子部品1が作動し熱エネルギーを発生すると、熱エネルギーは、散熱部品2を通過して、流体4へと迅速に伝導される。
流体4の熱伝導性能と、殼体3と散熱装置6を利用して、外部へと熱エネルギーを放出し、散熱を行う。
【0017】
図7、8に示す本発明第四実施例では、その殼体3は、円形で、しかも、電子部品1が、発光ダイオード(LED)チップである時、その前端には必要に応じて、シェード7を設置する。
シェード7は、透明、半透明、或いはマットなガラス、或いは光が透過可能な任意の材料により製造する。
これにより、露出部分の漏電を回避可能で、さらには、目に刺激とならない柔和な光線とすることができる。
また、シェード7は、設置場所のインテリア効果等の必要に応じて、染色することもできる。
【0018】
図9に示すように、散熱部品2、殼体3は、必要に応じて、円形、或いは他の任意の形状とすることができる。
さらに、図10に示すように、散熱部品2と殼体3との間には、絶縁部品8を増設することができる。
絶縁部品8は、ガラス、プラスチック、合成樹脂、セラミック等、或いはその複合材料等の非導電性材料により製造する。
絶縁部品8は、散熱部品2と殼体3との間の非導電性作用を提供することができ、こうして、殼体3は、非絶縁材料により製造することができる(但し、流体4は絶縁作用を備える必要がある)。
【0019】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は特許請求の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0021】
1 電子部品
11 導熱体
2 散熱部品
21 熱伝導体
22 散熱柱
3 殼体
31 第一収容設置槽
32 第二収容設置槽
4 流体
5 電子部品
51 導熱体
6 散熱装置
61 熱散柱
62 熱散柱
7 シェード
8 絶縁部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子パーツの絶縁散熱構造は、電子部品、散熱部品、殼体、流体を備え、
前記散熱部品は、熱伝導効率に優れた材料により製造し、前記電子部品に密着し、
前記殼体は、絶縁可能でかつ導熱可能な材料により製造し、前記殼体内部には、中空状の空間を備え、前記殼体には、第一収容設置槽を開設し、前記散熱部品は、前記第一収容設置槽に結合し、密封され、
前記流体は、散熱、冷卻或いは導熱効果を備える液体で、前記流体は、前記殼体の空間内に充填することを特徴とする電子パーツの絶縁散熱構造。
【請求項2】
前記電子部品は、発光ダイオード(LED)チップ、パワートランジスターで、
前記電子部品は、導熱体或いは回路基板を備え、
前記散熱部品の材質は、金属或いはカーボンファイバーの内の一つ、或いはその複合材料で、前記散熱部品は、熱伝導体を含み、前記電子部品に密着し、
前記散熱部品は、加熱融合技術、螺合結合方式、接着剤により粘着の内の一種の方式により、前記第一収容設置槽に結合し、
前記電子部品には、導熱体或いは回路基板を設置し、前記散熱部品は、熱伝導体を備え、前記熱伝導体と前記導熱体、或いは前記回路基板は密着し、
前記熱伝導体内縁面には、散熱柱或いは散熱片を設置することを特徴とする請求項1に記載の電子パーツの絶縁散熱構造。
【請求項3】
前記殼体の材質は、ガラス、プラスチック、合成樹脂の内の一つ、或いはその複合材料で、
前記殼体には、第二収容設置槽を設置し、前記第二収容設置槽中には、散熱装置を設置し、
前記散熱装置は、熱伝導効率に優れた材料により製造し、前記散熱装置内部と外部には、熱散柱或いは散熱片を設置し、
前記流体は、水、冷卻液、低濃度オイル、溶剤、絶縁液体、或いは界面活性剤であるが、これに限定せず、
前記殼体は、円形で、しかも、前記殼体前端には、シェードを設置可能で、
前記シェードは、透明、半透明、或いはマットなガラス、或いは光が透過可能な材料により製造し、
前記シェードは、必要に応じて、染色可能で、
前記散熱部品と前記殼体との間には、絶縁部品を設置し、前記絶縁部品は、非導電性材料により製造することを特徴とする請求項1に記載の電子パーツの絶縁散熱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−109368(P2010−109368A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−243618(P2009−243618)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(509293051)
【Fターム(参考)】