説明

電子写真画像形成装置

【課題】部品点数を増加させることなく効果的にプロセスカートリッジを冷却可能とする電子写真画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ支持部材を提供する。
【解決手段】メインフレームと、プロセスカートリッジを支持して、メインフレームの内側に位置する内側位置と、メインフレームの外側に位置する外側位置と、の間を移動可能なトレイ35と、を有し、トレイ35の内部には、外気が通過する中空部35j、35lと、中空部35lに外気を導入する導入口と、中空部35jに導入した外気をプロセスカートリッジに当るように排出する排出口35pと、が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジが装置本体に対して取り外し可能に装着される電子写真画像形成装置、及び、カートリッジ支持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置およびワードプロセッサ等が含まれる。尚、記録媒体とは、前記電子写真画像形成方式を用いて画像を形成されるものである。前記記録媒体とは、例えば、紙、プラスチックシート、OHPシート等である。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着するものである。従って、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての現像手段と電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。ここで前記プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができるから、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。尚、前記プロセス手段は、電子写真感光体ドラムに作用するものである。
【0004】
ここで、一般的に、プロセスカートリッジ(以下、カートリッジと称する)の品質の低下を防止するために、カートリッジ内の温度が高くなり過ぎないようにすることが考えられている。具体的には、カートリッジに現像剤(トナー)が収納される場合には、現像剤の融解や融着防止のために、現像剤の温度が融点を越えないようにしなければならない。また、カートリッジ内に備えられている部品にゴム材料からなる部材が有る場合には、当該部品が温度上昇によって軟化してしまうのを防止する必要がある。なお、ゴム材料からなる部材の代表例としては、電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニングブレードが挙げられる。
【0005】
そこで、従来、カートリッジを冷却するために、外気を装置本体内に送り込む通気経路や強制的に送風させるファンを装置本体内に設ける技術が知られている。しかしながら、一般的に、カートリッジは、その周囲に各種部品を配さなければならない等の理由から、装置本体内部において比較的通気性の悪い位置に配置されることがある。
【0006】
そのため、装置本体のフレーム側からカートリッジに至る位置まで外気を導くための専用のダクトを設けなければならないことがある。しかしながら、カートリッジの付近には、上記の通り、一般的に複数の部品が存在する。そのため、外気を導くための経路を確保するのは難しいことがある。そのため、専用のダクトを配置するためのスペースを確保したり、複雑な形状のダクトを用いたりするなどしなければならないことがあった。
【0007】
このように、カートリッジに外気を送り込むために、従来、専用のダクトを用いていたことから、部品点数が増加してしまったり、装置の小型化の障害になったりしていた。また、専用のダクトを必要とするために、コスト増加の原因にもなっていた。
【0008】
なお、関連する技術としては、特許文献1に開示されたものがある。
【特許文献1】特開2005−37704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、効果的にカートリッジを冷却することのできる電子写真画像形成装置、及び、カートリッジ支持部材を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、部品点数を増加させることなく、効果的にカートリッジを冷却することのできる電子写真画像形成装置、及び、カートリッジ支持部材を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、カートリッジを支持して、装置本体の内側位置と、外側位置と、の間を移動可能なカートリッジ支持部材をカートリッジの冷却に利用することのできる電子写真画像形成装置を提供することにある。また、前記カートリッジ支持部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明の電子写真画像形成装置は、電子写真感光体ドラムと前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを有するプロセスカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置と、の間を移動可能なカートリッジ支持部材と、
を有し、
前記カートリッジ支持部材の内部には、
外気が通過する第1の通気経路と、
前記第1の通気経路に前記外気を導入する導入口と、
前記第1の通気経路に導入した前記外気を前記プロセスカートリッジに当るように排出する排出口と、
が設けられていることを特徴とする。
【0013】
他の本発明のカートリッジ支持部材は、電子写真感光体ドラムと前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを有するプロセスカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置に用いられるものであって、
前記カートリッジ支持部材の内部には、
外気が通過する第1の通気経路と、
前記第1の通気経路に前記外気を導入する導入口と、
前記第1の通気経路に導入した前記外気を前記プロセスカートリッジに当るように排出する排出口と、
を有し、
前記プロセスカートリッジを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置と、の間を移動可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、効果的にカートリッジを冷却することができる。
【0015】
本発明によれば、部品点数を増加させることなく、効果的にカートリッジを冷却することができる。
【0016】
本発明によれば、カートリッジを支持して、装置本体の内側位置と、外側位置と、の間を移動可能なカートリッジ支持部材をカートリッジの冷却に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0018】
上記の通り、本発明は、カートリッジが装置本体に対して着脱自在に、即ち、取り外し可能に装着される電子写真画像形成装置、及び、前記電子写真画像形成装置に用いられるカートリッジ支持部材に関するものである。以下に説明する本実施例では、その一例として、フルカラー電子写真画像形成装置の一例であるフルカラーレーザープリンタの場合を説明する。
【0019】
(実施例1)
図1〜図21を参照して、本発明の実施例1に係るカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する。)100、及び、カートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)35について説明する。以下の説明において、画像形成装置100(または装置本体100a)に関して、前側(正面側)とは装置100に設けられた開閉ドア(開閉部材)31を配設した側を意味する。また、後側とはそれとは反対側である。更に、前後方向とは、装置本体100aの後側から前側に向かう方向(前方向)と、その反対の方向(後方向)である。左右とは装置本体100aを前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その反対の方向(右方向)である。尚、装置本体100aとは、画像形成装置100からカートリッジPの構成を除いた構成を言う。
【0020】
<画像形成装置全体の構成>
図1及び図2を参照して、本発明の実施例に係る画像形成装置100の全体の構成について説明する。図1は本発明の一実施例に係る画像形成装置100の外観斜視図である。図2は本発明の実施例に係る画像形成装置100の模式的断面図である。なお、図2は前後方向に切断した状態における左側から見た模式的断面図である。
【0021】
本実施例に係る画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを用いた4色フルカラーレーザープリンタである。この画像形成装置100は、パソコン,イメージリーダ及び相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置(不図示)から入力する電気的信号に基づいて、記録媒体(例えば、用紙等)に対して画像形成を行う装置である。
【0022】
装置本体100a内には、後側から前側にかけて、4つのカートリッジP(PY,PM
,PC,PK)が水平方向に並べて配設されている(一般的に、インライン構成,タンデム構成と呼ばれる)。これらの各カートリッジPは、収納されている現像剤(トナー)の
色が異なるだけで、基本的な構成は同一である。
【0023】
より具体的には、各カートリッジPは、カートリッジ枠体5の内部に、電子写真感光体
ドラム(以下、感光体ドラム1と称する)、及び、感光体ドラム1に作用するプロセス手段が一体的に組み付けられた構成である。ここで、プロセス手段とは、感光体ドラム1に
作用するものである。プロセス手段としては、例えば、帯電器(帯電手段)2,現像器(現像手段)3、及びクリーニング器(クリーニング手段)4である。本実施例における帯電器2は接触帯電ローラである。また、現像器3は、現像剤(トナー)が収納された現像容器3内に現像ローラ3aが設けられた構成である。クリーニング器4は、本実施例では
ブレード式のものを採用している。
【0024】
装置本体100a内の最も後側(奥側)のカートリッジPYは、現像器3における現像容器内にイエロー(以下、Y色と称する)の現像剤が収納されており、感光体ドラム1の表面にY色の現像剤画像を形成する。その隣のカートリッジPMは、現像器3における現像容器内にマゼンタ(以下、M色と称する)の現像剤が収納されており、感光体ドラム1の表面にM色の現像剤画像を形成する。その隣のカートリッジPCは、現像器3における現像容器内にシアン(以下、C色と称する)の現像剤が収納されており、感光体ドラム1の表面にC色の現像剤画像を形成する。最も前側のカートリッジPKは、現像器3における現像容器内にブラック(以下、K色と称する)の現像剤が収納されており、感光体ドラム1の表面にK色の現像剤画像を形成する。
【0025】
ここで、各カートリッジPは、後述するカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)
35に支持された状態で、使用者によって装置本体100a内へ押し込まれ、かつ、画像形成動作位置Xに位置する(図2に示す状態)。画像形成動作位置Xに位置したカートリッジPY,PM,PC,PKの上方には、レーザースキャナユニット(以下、スキャナユニット11と称する)が備えられている。スキャナユニット11は、外部ホスト装置(不図示)から入力される各色の画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力する。スキャナユニット11から出力されたレーザー光Lは、カートリッジ枠体5の上面に設けた露光窓6(詳細は、後述の図13及び図14参照)を通過して、各カートリッジPに設けら
れた感光体ドラム1の表面を走査しながら露光する。尚、画像形成動作位置Xとは、カートリッジPが画像形成プロセスを行う位置である。また、画像形成動作位置Xは、感光体
ドラム1が後述するエンドレスベルト13(被転写部材)に接触する位置である。
【0026】
画像形成動作位置Xに位置したカートリッジPY,PM,PC,PKの下方には、中間転写ベルトユニット12が設けられている。ベルトユニット12は、誘電体製かつ可撓性を有する被転写部材としてのエンドレスベルト13と、ベルト13を循環移動させる駆動ローラ14,ターンローラ15及びテンションローラ16とを備えている。駆動ローラ14とテンションローラ16は装置本体100a内の後側(奥側)に設けられている。また、ターンローラ15は装置本体100a内の前側(手前側)に設けられている。
【0027】
各カートリッジPが画像形成動作位置Xに位置した状態で、各カートリッジPが有する感光体ドラム1は、それぞれ、その下面が、ベルト13の上面に接するように配置される。また、ベルト13の内周側には、ベルト部分を介して各カートリッジPの有する感光体ドラム1に対向させて、それぞれ一次転写ローラ17が設けられている。更に、ベルト13の外周側であって、ベルト部分を介して駆動ローラ14に対向する位置には二次転写ローラ22が設けられている。ベルト13は、感光体ドラム1と一次転写ローラ17、及び駆動ローラ14と二次転写ローラ22との間に挟まれた状態で循環移動する。
【0028】
ベルトユニット12の下方には、給送ユニット18が設けられている。給送ユニット18は、複数のシートS(記録媒体)を積載可能な給送トレイ19と、トレイ19に積載されたシートSを送り出す給送ローラ20と、重送されたシートSを1枚に分離する分離パッド21等を有する。トレイ19は装置本体100aの前側(ドア31の設けられている側)から出し入れ可能に構成されている(所謂フロントローデング方式)。
【0029】
装置本体100a内の後側の上部には、シートSに転写された現像剤像を定着させる定着装置23と、現像剤によって画像が形成されたシートSを排出させる排出ローラ対24が設けられている。本実施例においては、定着装置23は、定着フィルムアセンブリ23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。また、排出ローラ対24は排出ローラ24aと排出コロ24bから構成されている。なお、装置本体100aの上面は、排出ト
レイ25を有するトップカバーで構成されている。
【0030】
ここで、装置本体100a内の装着位置(画像形成動作位置X)に装着された状態にある各カートリッジPは、押圧部材42(図7参照)によりその上面が押圧され、所定の位
置決め部に位置決めされる。また、このとき、カートリッジPの駆動入力部に対して装置
本体側100aの駆動出力部が結合している。また、このとき、カートリッジの有する電気接点は、装置本体100a側の給電部と電気的に接続している。ここで、押圧部材42は、ばね部材(不図示)の弾性力によって、各カートリッジPを弾性的に押圧する。押圧
部材42は、ドア31の閉じ動作に連動して、各カートリッジPを弾性的に押圧する。そ
して、押圧部材42は、ドア31の開放動作に連動して、各カートリッジPを押圧する位
置から退避する。尚、その構成については、説明を省略する。
【0031】
<画像形成装置による画像形成動作>
画像形成装置100によってフルカラー画像を形成する際の動作について説明する。画像形成動作中においては、各カートリッジPの有する感光体ドラム1は、反時計方向(図2中矢印で示す)に、かつ、所定の制御された速度で回転する。また、画像形成動作中においては、エンドレスベルト13は、時計方向(図2中矢印で示す)に感光体ドラム1の速度に対応した速度で回転する。
【0032】
また、画像形成動作が開始すると、スキャナユニット11が駆動される。そして、スキャナユニット11の動作に同期するように、各カートリッジPにおいては、それぞれ所定
の制御タイミングで、帯電器2によって、感光体ドラム1の表面が所定の極性及び電位に一様に帯電される。スキャナユニット11はそれぞれの感光体ドラム1の表面を、各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光Lによって走査しながら露光する。これにより、各感光体ドラム1の表面には、対応色の画像信号に応じた静電潜像がそれぞれ形成される。そして、形成された静電潜像は現像器3の有する現像ローラ3aにより現像される。これによって、各感光体ドラム1の表面には、現像剤像が形成される。
【0033】
以上の電子写真画像形成プロセス動作により、カートリッジPYの感光体ドラム1にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色の現像剤像が形成される。この現像剤像は一次転写ローラ17によってエンドレスベルト13上に一次転写される。
【0034】
同様に、カートリッジPMの感光体ドラム1にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色の現像剤像が形成される。この現像剤像は、一次転写ローラ17によって、エンドレスベルト13上に既に転写されているY色の現像剤に重畳されるように一次転写される。
【0035】
同様に、カートリッジPCの感光体ドラム1にはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色の現像剤像が形成される。この現像剤像は、一次転写ローラ17によって、エンドレスベルト13上にすでに転写されているY色の現像剤像及びM色の現像剤像に重畳されるように一次転写される。
【0036】
同様に、カートリッジPCの感光体ドラム1にはフルカラー画像のブラック成分に対応するK色の現像剤像が形成される。この現像剤像は、一次転写ローラ17によって、エンドレスベルト13上に既に転写されているY色の現像剤像,M色の現像剤像及びC色の現像剤像に重畳されるように一次転写される。
【0037】
以上のようにして、エンドレスベルト13上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤像が形成される。なお、各カートリッジにおいて、一次転写後に各感光体ドラム1の表面に残留した現像剤は各クリーニング器4によって除去される。
【0038】
一方、給送ローラ20も、スキャナユニット11等の動作と同期するように、所定の制御タイミングで回転する。これにより、給送トレイ19上に積載されているシートSは、給送ローラ20と分離パッド21との協働で1枚に分離された状態で給送される。給送されたシートSは、二次転写ローラ22とエンドレスベルト13とのニップ部(二次転写ニップ部)に送られる。これにより、シートSが該ニップ部に挟持されながら搬送されていく過程で、エンドレスベルト13上の4色重畳状態にある現像剤像がシートSの表面に一括的に転写される。
【0039】
前記ニップ部を通過したシートSは、定着装置23に送られて、定着ニップ部によって加熱かつ加圧される。これにより、各色の現像剤像が混ざった状態でシートSに定着され、シートS上にフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成されたシートSは、定着装置23を通過し、排出ローラ対24によって排出トレイ25上に排出される。
【0040】
なお、本実施例においては、シートSに転写されずに、エンドレスベルト13の表面に残留した現像剤は、例えばカートリッジPYの一次転写部において感光体ドラム1の表面に静電的に付着し、クリーニング器4によって除去される。
【0041】
<カートリッジ交換方式>
次に、図1〜図11を参照して、画像形成装置100におけるカートリッジPの交換方式について説明する。
【0042】
<<カートリッジ交換方式の概略>>
まず、特に、図1〜図8を参照して、カートリッジ交換方式について説明する。図1、図3及び図5は画像形成装置100の外観斜視図である。なお、図1はドア(開閉部材)31を閉じた状態を示し、図3はドア31を開いた状態を示し、図5は、使用者がドア31を開いてカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)35を装置本体100aから引き出した状態を示している。図2,図4及び図6は画像形成装置100の模式的断面図である。なお、図2はドア31を閉じた状態を示し、図4はドア31を開いた状態を示し、図6はドア31を開いてカートリッジトレイ35を装置本体100aから引き出した状態を示している。図7及び図8は、画像形成装置100におけるメインフレーム(本体フレーム)80とカートリッジトレイ35の組立構造を示す斜視図である。なお、図7はカートリッジトレイ35を装置本体100aの内部に収めた状態を示している。また、図8はカートリッジトレイ35を装置本体100aから引き出した状態を示している。
【0043】
各カートリッジPにおいては、画像形成の度に、各現像器3における現像容器内の現像剤(トナー)が消費される。そして、カートリッジを購入した使用者にとって満足できる品質の画像を形成することが出来なくなる程度まで現像剤が消費されると、新品のカートリッジと交換される。
【0044】
そのため、一般的に、画像形成装置100には、カートリッジPの交換時期を使用者に知らせるための現像剤量検知機構が設けられている。その一例を簡単に説明する。画像形成装置100に、個々のカートリッジPの現像剤量を検知する検知手段(不図示)を具備
させておく。そして、不図示の制御部が、カートリッジ寿命予告や寿命警告のために予め設定した閾値と、前記検知手段により検知された現像剤の残量値とを比較する。そして、当該残量値が閾値よりも少なくなったカートリッジPが存在する場合には、前記制御部は、装置本体100aに設けられた表示部(不図示)に寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより、使用者に、現像剤の残量が所定量よりも少なくなったカートリッジP
の交換を促し、適切な時期にカートリッジPを交換させる。これによって、出力画像の品質を維持させる。
【0045】
そして、画像形成装置100においては、カートリッジPの交換方式として、ユーザビ
リティに優れたフロントアクセス方式を採用している。この方式の場合、装置本体100aから引き出し可能に構成されたカートリッジトレイ35にカートリッジPを乗せた(支持させた)状態で、使用者がカートリッジトレイ35を装置本体100aの前側に引き出す。そして、使用者が、カートリッジトレイ35を装置本体100aから引き出した状態で、交換すべきカートリッジPをカートリッジトレイ35から取り出す。そして、使用者
が、新品のカートリッジPをカートリッジトレイ35に乗せる(支持する)。本実施例においては、このようにカートリッジPを交換する。
【0046】
尚、カートリッジトレイ35は、使用者が装置本体100aの外側に引き出す際に、及び、装置本体100aの内側に押し込む際に、直線的に移動するように構成されている。また、カートリッジトレイ35は、装置100の設置面(不図示)に対して平行に移動するように構成されている。但し、また、カートリッジトレイ35は、平行に移動する場合に限定されずに、斜め上方へ、或いは、斜め下方へ向かって移動するように構成されても良い。
【0047】
すなわち、装置本体100aの前側(手前側)には、装置本体100a内へカートリッジPを挿入させたり、装置本体100aからカートリッジPを取り出したりするために、
開口部30が設けられている(図2参照)。開口部30は、ドア31の開閉動作に伴って、開放されたり閉じたりする。
【0048】
本実施例に係るドア31は、ドア31の下辺側に設けられた横軸(以下、ヒンジ軸32と称する)を中心にして、装置本体100aに対して回転可能に構成されている。すなわち使用者が、ドア31を、ヒンジ軸32を中心に立て起こす方向に回転させることで、開口部30を閉じることができる(図1、2参照)。また、使用者が、ドア31を、ヒンジ軸32を中心に倒す方向に回転させることで、開口部30を大きく開放させることができる。なお、ドア31の前側の面には指掛け部31aが設けられており、使用者が、指掛け部31aに指を掛けながら、ドア31を開いたり閉じたりすることができる。
【0049】
また、画像形成装置100においては、装置本体100aの骨格となる一対のメインフレーム(本体フレーム)80が設けられている。以下の説明においては、これら一対のメインフレーム80を、それぞれ左フレーム80L,右フレーム80Rと称する(図7,8参照)。左フレーム80Lの内側と右フレーム80Rの内側には、それぞれ前後方向を長手とするトレイ支持部材34(34L,34R)が設けられている。一対のトレイ支持部材34L,34Rは互いに対向するように設けられている。そして、一対のトレイ支持部材34L,34Rの間には、枠型形状のカートリッジ支持部材としてのカートリッジトレイ35が設けられている。一対のトレイ支持部材34L,34Rは、トレイ35を、前後方向かつ水平方向にスライド可能に支持する。このように、トレイ支持部材34は、トレイ35をスライド移動可能に支持する機能を有する。また、トレイ35は、4つのカートリッジPY,PM,PC,PKの装着部を有しており、カートリッジPを支持する機能を備えている。
【0050】
そして、トレイ35には、装置本体100aの手前側から奥側に向かって(引出し方向の下流側から上流側に向かって)、カートリッジPがカートリッジPK、PC、PM、PYの順に装着される(支持される)。即ち、交換頻度の高いカートリッジPKを尤も手前側に配置している。これによって、カートリッジPKの交換操作性を向上させている。
【0051】
そして、トレイ35は、各カートリッジPを支持した状態で、開口部30を通過することによって、装置本体100a(メインフレーム(本体フレーム)80)の内側に位置す
る内側位置Iと、装置本体100aの外側に位置する外側位置Oと、の間を移動する。す
なわち、トレイ35は、開口部30の内側に位置する内側位置I(図2に示す位置)と、
開口部30の外側に位置する外側位置O(図5、図6に示す位置)と、の間を移動する。尚、カートリッジトレイ35は、使用者によって、内側位置Iから引き出されることによ
って外側位置Oに位置し、また、外側位置Oから押し込まれることによって内側位置Iに
位置する。そして、外側位置Oに位置したトレイ35に対して、使用者が、カートリッジPを着脱する。従って、外側位置Oは、使用者がカートリッジの着脱を行うカートリッジ着脱位置でもある。
【0052】
尚、本体フレームとは、本体の枠組みに限定されずに、例えば、本体の枠組みの一部分或いは全部を覆うカバーも含まれる。カバーが設けられている場合には、カバーにも開口部が設けられる。
【0053】
また、装置本体100aとは、画像形成装置100の構成から、カートリッジP及びトレイ35を除いた構成である。
【0054】
そして、使用者がドア31を開くと、ドア31の回転動作に連動して、トレイ支持部材34は、前方向かつ上方に所定量移動する。これにより、トレイ支持部材34は、その前側部が、開口部30から装置本体100aの外方に所定量突出した位置に引き出される(
図3,4参照)。尚、トレイ支持部材34の移動メカニズムについては、後に詳細に説明する。
【0055】
ここで、ドア31の開らき動作に伴って、各カートリッジPの駆動入力部に対する装置本体側の駆動出力部の結合は解除された状態になる(駆動解除)。また、各カートリッジPを位置決め固定している押圧部材42の押圧も解除される(押圧解除)。また、各カー
トリッジPの電気接点に対する装置本体側の給電部の電気的接続も解除される(給電解除
)。更に、トレイ35の位置決め固定も解除される。
【0056】
この状態で、トレイ35を装置本体100aから引き出すことが可能となる。
【0057】
すなわち、トレイ35の左枠35dと右枠35eは、それぞれ左右のトレイ支持部材34L,34Rの内側に設けられた前後方向に伸びるガイド溝部34aに対して、スライド自在な状態で嵌まるように構成されている(図8参照)。これにより、トレイ35は、左右のトレイ支持部材34L,34Rによって支持されるとともに、前後方向かつ水平方向にスライド可能に構成されている。
【0058】
そして、具体的には、次の手順でトレイ35を引き出すことができる。トレイ35の前側には、取っ手35aが設けられている。ドア31を開くと、取っ手35aは、開口部30から露出した状態になる。そして、使用者が取っ手35aを掴むと、トレイ35に設けられた飛出し防止爪(不図示)が本体側爪掛け部(不図示)から外れる。これにより、トレイ35は、トレイ支持部材34L,34Rに対してスライド可能な状態となる。この状態で、使用者が、トレイ35を前方向かつ水平方向にスライドさせて、装置本体100aの外側の所定の引出し位置(外側位置O)まで十分に引き出す(図5及び図6参照)。尚、装置本体100aに設けられたストッパ(不図示)によって、トレイ35は前記引出し位置以上は引き出すことができない。尚、ストッパ(不図示)を解除することによって、トレイ35を装置本体100aから取り外し可能にしても良い。このように構成すれば、トレイ35を簡単に装置本体100aから取り外すことができる。
【0059】
これにより、トレイ35に支持されている4つカートリッジPY,PM,PC,PKは全て開口部30を通過して、これら全てのカートリッジPの上面部が装置本体100aの
外側において露出した状態となる。トレイ35は、所定量引き出されると、前述した通り、ストッパ(不図示)によりそれ以上の引き出しが阻止される。また、トレイ35は、所定の引出し位置まで引き出された状態で、トレイ支持部材34により水平状態が安定的に保たれる。尚、トレイ35が外側位置Oに位置した状態で、必ずしも、全てのカートリッジPの上面部が装置本体100aの外側において露出した状態とならなくても良い。例えば、一番奥側に位置するカートリッジPYは、装置本体100a内(開口部30内)に位置していても良い。このような場合であっても、カートリッジPYは、装置本体100aの手前側に引き出されているので、使用者にとって、カートリッジPYの交換が行い易い。また、トレイ35の引き出し量を小さくできるので、装置100の設置面積を小さくできる利点がある。
【0060】
そして、トレイ35は、4つのカートリッジPY,PM,PC,PKをそれぞれ個別に着脱自在とするように構成されている。そして、使用済みのカートリッジPを交換する場
合には、この使用済みのカートリッジPを、使用者が略真上に持ち上げるようにしてトレ
イ35から抜き外す(図6中2点鎖線部参照)。そして、新しいカートリッジPを略真下
に向けて差し込むようにして、トレイ35に装着させる(支持させる)。その後、使用者がトレイ35を装置本体100aの内部に押し込み、ドア31を閉じる。これによって、トレイ35を、装着位置(画像形成動作位置X)に移動させることができる。
【0061】
なお、カートリッジPには、感光体ドラム1の表面を保護する開閉式のドラムカバー(
不図示)が設けられたものがある。このドラムカバーは、カートリッジPを、トレイ35
に装着させる場合にはドラム1の表面を露出させるために開いた状態とする。また、カートリッジPを、トレイ35から取り外した場合にはドラム1の表面を保護するために閉じ
た状態とする。また、このドラムカバーは、手動式と自動式のものがある。前者の場合、使用済みのカートリッジPをトレイ35から抜き出した後に、使用者が手動でドラムカバ
ーを閉じる。そして、新しいカートリッジPのドラムカバーを開いてから、カートリッジ
Pをトレイ35に装着させる(支持させる)。また、後者の場合、使用済みのカートリッジPをトレイ35から上方に持ち上げて抜き外すと、その過程でドラムカバーは自動的に
閉じる。そして、新しいカートリッジPをトレイ35に装着すると、その過程で、ドラム
カバーは自動的に開く。
【0062】
ここで、カートリッジ支持部材としてのカートリッジトレイ35は、カートリッジに備えられた感光体ドラム1の軸線方向とは交差する方向に移動可能に構成されている。また、このカートリッジトレイ35の移動によって、装置本体外部のプロセスカートリッジ着脱作業位置(外側位置O)または装置本体内部の画像形成動作位置Xに、カートリッジP
を選択的に案内することができる。尚、プロセスカートリッジ着脱作業位置とは、使用者がトレイ35にカートリッジPを支持させる(装着する)、及び、トレイ35から、トレイ35に支持されているカートリッジPを取り出す作業を行う位置である。本実施例では、使用者がトレイ35を外側位置Oまで引出した後に、トレイ35に対してカートリッジPの着脱を行うことができる。よって、カートリッジPの着脱作業性を向上させることができた。
【0063】
また、トレイ支持部材34は、トレイ35を、装着位置(画像形成動作位置X)から上方向に移動させ、または前記装着位置に向かって下方向に移動させる機構を有する。トレイ35を、前記装着位置から上方向に移動させることによって、感光体ドラム1がエンドレスベルト(被転写部材)13から離れる。また、トレイ35を、前記装着位置に向かって下方向に移動させることによって、感光体ドラム1がエンドレスベルト13に接触する。別の言い方をすれば、これらトレイ支持部材34は、トレイ35を移動可能な状態で支持する機能を備える。そして、トレイ支持部材34は、トレイ35を前記装着位置、またはトレイ35を引き出し可能とする位置に選択的に案内する機能を有する。また、上記の
通り、トレイ支持部材34は、ドア31の開閉動作に連動する。
【0064】
<<ドアとトレイ支持部材の連動機構>>
図9〜図14を参照して、本発明の一実施例に係るドア31とトレイ支持部材34との連動機構について詳細に説明する。図9はドア31とトレイ支持部材34の連動機構の主要部を示す斜視図である。図10はトレイ支持部材34の移動メカニズムを示す説明図である。図11及び図12はそれぞれ図10の一部拡大図である。図13及び図14は本発明の一実施例に係るカートリッジPの外観斜視図である。なお、図13は駆動側から見た斜視図であり、図14は非駆動側からみた斜視図である。
【0065】
ドア31のヒンジ軸32は、装置本体100aに対して左右方向に水平に設けられている。そして、その左右両端部が装置本体100aのメインフレーム(本体フレーム)80である左フレーム80Lと右フレーム80Rに対して回転可能に軸支されている。ドア31は、このヒンジ軸32に対して一体的に結合されている。したがって、ドア31の開閉動作に伴ってヒンジ軸32は回転する。
【0066】
ヒンジ軸32の左右両端部付近には、それぞれ連結アーム37L,37Rが設けられている。また、連結アーム37L,37Rには、それぞれ横向き軸37aが設けられている。ここで、連結アーム37Lに設けられる横向き軸37aと連結アーム37Rに設けられる横向き軸37aが同軸線上に位置するように、連結アーム37L,37Rは、ヒンジ軸32に一体的に結合されている。
【0067】
そして、左側の連結アーム37Lの横向き軸37aは左側のトレイ支持部材34Lの前側下部に設けられた縦長孔34bに挿入されている。また、右側の連結アーム37Rの横向き軸37aは右側のトレイ支持部材34Rの前側下部に設けられた縦長孔34bに挿入されている。このような構成によって、ヒンジ軸32は、トレイ支持部材34L,34Rに連結されている。そして、使用者によってドア31が開閉されると、ヒンジ軸32と共に連結アーム37L,37Rが回転する。そのため、連結アーム37L,37Rにそれぞれ備えられた横向き軸37aによって、縦長孔34bの孔内周壁面が押され、左右のトレイ支持部材34L,34Rには前後方向への力が作用する。
【0068】
左右のトレイ支持部材34L,34Rには、それぞれ、前後に間隔を空けて設けられた2本のピン軸34cが設けられている(図10参照)。これらのピン軸34cは、左フレーム80L及び右フレーム80Rにそれぞれ設けられたガイド穴36に挿入されている。このように、ピン軸34cがガイド穴36に挿入されることで、トレイ支持部材34L,34Rはそれぞれ左フレーム80L,右フレーム80Rに支持されている。
【0069】
なお、図10においては、左側のトレイ支持保持部材34Lにおける2本のピン軸34cと左フレーム80Lに設けられたガイド穴36を示している。右側については特に図示しないが、左側のものと同様の構成であり、右側のトレイ支持部材34Rにおける2本のピン軸34cと右フレーム80Rに設けられたガイド穴36は左側のものと対称となるように構成されている。従って、左右のトレイ支持部材34L,34Rは、ピン軸34cがガイド穴36に沿って移動するように、左フレーム80L及び右フレーム80Rに対して移動することができる。
【0070】
図11はガイド穴36を拡大した図である。なお、左フレーム80Lに設けられた2つのガイド穴36は同一形状であり、右フレーム80Rに設けられた2つのガイド穴36も同一形状である。そして、左フレーム80Lに設けられたガイド穴36と右フレーム80Rに設けられたガイド穴36は対称形状である。
【0071】
そして、ガイド穴36は、第1ガイド領域36aと、これに繋がる第2ガイド領域36bと、これに繋がる第3ガイド領域36cとを有している。第1ガイド領域36aは、前後方向に水平に構成されている。第2ガイド領域36bは、第1ガイド領域36aにおけるピン軸前進方向に繋がるように設けられ、上方に向かって傾斜するように構成されている。第3ガイド領域36cは、第2ガイド領域36bの頂上部に繋がるように設けられ、ピン軸34cを第2ガイド領域36bの頂上の高さの位置で安定的に保持するために設けられている。
【0072】
上記の通り、ドア31の開閉動作に伴って、トレイ支持部材34L,34Rには前後方向への力が作用する。これにより、トレイ支持保持部材34L,34Rは、ピン軸34cがガイド穴36に沿って移動するように、左フレーム80L及び右フレーム80Rに対して移動する。具体的には、ドア31を開く場合には、トレイ支持部材34L,34Rは、第1ガイド領域36aの長さ分だけ前側かつ水平方向に移動した後、第2ガイド領域36bにより斜め上方かつ前側に移動する。その後、第3ガイド領域36cの長さ分少しだけ前側かつ水平方向に移動する。
【0073】
図10(a)は、ドア31が装置本体100aに対して完全に閉められた状態における左側のトレイ支持部材34Lとガイド穴36との位置関係を示したものである。ドア31が完全に閉じられた状態では、トレイ支持部材34L,34Rは、装置本体内の後側に位置している。このとき、ピン軸34cはガイド穴36の第1ガイド領域36aの後端部に位置している。これに伴い、トレイ支持部材34L,34Rは下方に位置し、これらに支持されているトレイ35は下方の所定位置に保持される。
【0074】
このとき、トレイ35に支持されている各カートリッジPは、それぞれ長手方向の左右側の上面部分が押圧部材42により押圧されている。これにより、各カートリッジPにおける駆動側の軸受部51の下面部分と非駆動側の軸受部52の下面部分が、装置本体100aに設けられたステー部材(内側板)に設けられた位置決め部(不図示)に押し付けられた状態となる。これにより、各カートリッジPは装置本体100aに対して所定の位置に位置決めされた状態で固定される。なお、このときのカートリッジPの位置が、画像形成動作位置Xに相当する。即ち、カートリッジPを用いて、画像形成動作が行われる位置である。
【0075】
また、この状態においては、各カートリッジPの有する感光体ドラム1の下面は、エンドレスベルト13の上面に対して安定的に接触した状態となる。また、各カートリッジPにおけるカップリング嵌合部53,54に対して、それぞれ装置本体側のドラム駆動カップリング(不図示)と現像駆動カップリング(不図示)が嵌合した状態となる。更に、各カートリッジPの有する電気接点55は、それぞれトレイ35に設けられた中間電気接点72a〜72dを介して装置本体側の電気接点75a〜75dと電気的に接続された状態となる。これにより、各カートリッジPに対して、装置本体100aから電気が供給される。
【0076】
トレイ35の左側には、下方に向かって突出した突起部67が設けられている。ドア31が装置本体100aに対して完全に閉められた状態においては、突起部67の下端部が、装置本体100aに固定された中間転写ベルト保持部材68に設けられた穴69に嵌まっている。また、トレイ35の右側には穴が設けられており、右フレーム80Rに設けられたピンが嵌まっている。以上の構成により、トレイ35は、装置本体100aに対して位置決めされている。
【0077】
図10(b)は、ドア31を途中まで開いた状態における左側のトレイ支持部材34Lとガイド穴36との位置関係を示したものである。
【0078】
ドア31の開き動作に連動して、トレイ支持部材34は装置本体100a内で前側に移動する。具体的には、まず、トレイ支持部材34は、ピン軸34cがガイド穴36の第1ガイド領域36aによりガイドされて、前側かつ水平方向に第1ガイド領域36aの長さ分だけ移動する。図10(b)はこの移動時の状態を示している。
【0079】
ドア31の開き動作に連動して、各カートリッジPに対するドラム駆動カップリングと、現像駆動カップリングが解除される。また、各カートリッジPの押圧部材42による押圧も解除される。なお、この過程においては、トレイ35の左側に設けられた突起部67は、中間転写ベルト保持部材68に設けられた穴69に嵌まった状態を保っている。従って、トレイ35はトレイ支持部材34の動きには追従しない。
【0080】
ドア31の引き続く開き動作に連動して、トレイ支持部材34は更に装置本体100a内で前側に移動する。これにより、トレイ支持部材34は、ピン軸34cがガイド穴36の第2ガイド領域36bによりガイドされて、斜め上方に向かって移動する。尚、この移動過程において、各カートリッジの有する電気接点55と装置本体側との電気的接続が解除される。
【0081】
ここで、図12に示すように、ドア31が完全に閉められた状態における突起部67の穴69に対する進入量をd0とする。そして、トレイ支持部材34の斜め上方移動に伴う上昇量をd1とする。トレイ支持部材34が斜め上方に移動する際、突起部67が穴69に嵌まっている間(d0>d1)は、トレイ35はトレイ支持部材34の垂直方向の移動にのみ追従する。そして、トレイ支持部材34がd0以上上昇すると、突起部67が穴69から抜ける。これにより、トレイ35は水平方向に移動可能な状態となる。
【0082】
このような構成を採用することで、各カートリッジPの有する感光体ドラム1の下面がエンドレスベルト13に接触した状態のまま、トレイ35が水平方向に移動することはない。したがって、感光体ドラム1とエンドレスベルト13のこすれによって生じる傷の発生を防止することができる。なお、トレイ35の右側に設けられた穴と右フレーム80Rに設けられたピンとの関係についても左側と同様の構成を採用することができる。
【0083】
図10(c)は、ドア31を完全に開いた状態における左側のトレイ支持部材34Lとガイド穴36との位置関係を示したものである。
【0084】
この状態においては、ピン軸34cは、水平の第3ガイド領域36cに達している。即ち、トレイ支持部材34は斜め上方に移動した後に少しだけ水平方向に移動する。ピン軸34cが水平の第3ガイド領域36cに位置することにより、トレイ支持部材34は一定の高さの位置で安定的に支持される。これにより、トレイ35を引き出す作業やカートリッジPの交換作業に支障をきたすことはない。
【0085】
ドア31を完全に開いた状態においては、図10(c)に示すように、突起部67は穴69から完全に抜けている。したがって、トレイ35をトレイ支持部材34に対して前後方向かつ水平方向に自由にスライドさせることができる。
【0086】
以上のように、突起部67と穴69によって、感光体ドラム1とエンドレスベルト13との間に摩擦が生じないように、トレイ35の移動を規制する機能が発揮される。そして、このようなトレイ35の移動規制は、感光体ドラム1とエンドレスベルト13が離れた後に解除される。
【0087】
以上のように、ドア31の開閉動作に連動して、トレイ支持部材34は装置本体100
aの前後方向に向かって移動する。しかしながら、トレイ35は、その過程において上下方向にのみ移動する。これにより、トレイ35に支持されたカートリッジPの有する感光体ドラム1とエンドレスベルト13との間に摩擦が生じることなく、装置本体100aに対してトレイ35を出し入れする作業を行うことができる。
【0088】
<<カートリッジ>>
図13及び図14を参照して、カートリッジPについて説明する。カートリッジPは、感光体ドラム1の軸線方向を左右方向とし、この左右方向を長手とする箱型の組立品(アセンブリ)である。感光体ドラム1はカートリッジ枠体5の右側面部と左側面部にそれぞれ設けられた軸受部51,52に対して回転可能に支持されている。右側の軸受部51には、感光体ドラム1を回転駆動するためのドラム駆動入力部としてのカップリング嵌合部53が設けられている。また、右側面部には、現像ローラ3aを回転するための現像駆動入力部としてのカップリング嵌合部54が設けられている。そして、左側面部には、カートリッジ電気接点55が設けられている。また、左側面部と右側面部には、カートリッジ枠体5の天井板部分それぞれを左右方向に張り出させることで構成された庇部56が設けられている。以上のように構成されたカートリッジPにおいて、カップリング嵌合部53,54を具備させた右側面部が駆動側であり、その反対側の左側面部が非駆動側である。尚、カップリング嵌合部53は、感光体ドラム1を回転するための駆動力を装置本体100aから受ける。また、カップリング嵌合部54は、現像ローラ3aを回転するための駆動力を装置本体100aから受ける。
【0089】
<<カートリッジトレイの外観構成>>
図15を参照して、カートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)35の外観構成について説明する。図15はトレイ35の外観斜視図である。トレイ35は、矩形の大枠部を有する。この矩形の大枠部は、前枠35bと後枠35cと左枠35dと右枠35eとから構成される。そして、この大枠部内に、隣り合うカートリッジPの間を仕切る仕切り部と
しての3枚の仕切り板35fが設けられている。これら3枚の仕切り板35fによって、大枠部内の領域が前後方向に略等分に4つに仕切られている。これにより、後枠35c側から前枠35b側に向かって、順に、第1横長小枠部35(1),第2横長小枠部35(2),第3横長小枠部35(3),第4横長小枠部35(4)が構成されている。これら第1〜第4横長小枠部35(1)〜35(4)が、それぞれカートリッジPY,PM,PC,PKを支持する部分(装着する部分)である。また、各横長小枠部35(1)〜35(4)における右枠35eには、それぞれ、現像駆動カップリング(不図示)が進退する孔部35gが設けられている。尚、ドラム駆動カップリング(不図示)は、右枠35eよりも下側で進退する。前記両カップリングは、装置本体100aに設けられている。
【0090】
そして、使用者によって、各カートリッジPは、トレイ35における第1〜第4横長小枠部35(1)〜35(4)に上部から挿入される。このとき、カートリッジPにおける庇部56の下面が、左枠35dと右枠35eの上面に突き当たる。これによって、各カートリッジPはトレイ35に支持される。なお、カートリッジPは、その庇部56が左枠35dと右枠35eに突き当たることによってトレイ35に支持されており、ラフな状態で支持されている。従って、使用者は、トレイ35を装置本体100aから引き出した状態においては、カートリッジPのトレイ35に対する着脱を容易に行うことができる。
【0091】
<通気経路>
次に、図15〜図20を参照して、本発明の実施例1に係る画像形成装置100及びトレイ35における通気経路について説明する。図16は本発明の実施例1に係るトレイ35を前後方向に切断した模式的断面図である。図17はトレイ35を左右方向に切断した模式的断面図である。図18はトレイ35を下方側から見た模式的斜視図である。図19はトレイ35と本体フレーム80との配置関係を上方側から見た図である。図20はトレ
イ35側の通気経路と装置本体側の通気経路(第2の通気経路)が接続する状態を示す概略図である。尚、図16、図18では、右枠35eに設けられた孔35g(図15)の図示は省略している。
【0092】
トレイ35を構成する後枠35c及び仕切り板35fは、いずれも、その内部に通気経路(第1の通気経路)を構成する中空部35jを有している。後枠35cの本体部分と仕
切り板35fの本体部分は、いずれも底面に左右方向に伸びる溝35hを有する形状である。そして、溝35hがカバー35kによって覆われることで、中空部35jが構成されている(図16参照)。
【0093】
また、トレイ35の右枠35eも、内部に通気経路(第1の通気経路)を構成する中空部35lを有している。なお、この中空部35lは、右枠35eの本体部分の外壁部分35
e1(図17)とこれに取り付けられた断面L字形状のカバー35mによって構成されている(図17参照)。
【0094】
そして、各仕切り板35f及び後枠35cにそれぞれ設けられた中空部35jは、いずれも右枠35eに設けられた中空部35lと繋がっている。
【0095】
また、右枠35eの底面側には、外気を中空部35lに導入するための導入口35n(図18、図20)が設けられている。更に、仕切り板35f及び後枠35cには装着されたカートリッジPに対向する位置に、中空部35jを流れる外気を排出する複数の排出口
35pが設けられている(図15、図16、図18参照)。
【0096】
以上のような構成により、導入口35nに導入された外気は、右枠35eに設けられた中空部35lを通り、後枠35c及び仕切り板35fにそれぞれ設けられた中空部35jに分配される。そして、各中空部35jを流れる外気は、後枠35c及び仕切り板35fにそれぞれ設けられた複数の排出口35pからカートリッジPに向けて排出される。即ち、排出口35pは、中空部35l(第1の通気経路)及び中空部35j(第1の通気経路)に導入した外気をカートリッジPに当るように排出する。排出口35pは、トレイ35
に支持された各カートリッジPの長手方向(感光体ドラム1の長手方向)に沿って複数箇所(本実施例では4箇所)設けられている。よって、各カートリッジPを効率的に冷却することができる。
【0097】
また、導入口35nの入口(開口端縁)には、低弾性体(例えばスポンジ)により構成されたシール部材35sが貼り付けられている(図20)。
【0098】
そして、右フレーム80Rには、装置本体100a外部の外気を装置本体100a内部に取り込む通気経路(第2の通気経路)となる通気孔96が設けられている(図19参照)。通気孔96の内部には、外気を装置本体100a内部に送り込むファン95が設けら
れている。また、通気孔96の装置本体100a内部側には開口部97が設けられている(図20)。
【0099】
ここで、ドア31が装置本体100aに対して完全に閉められた状態において、トレイ35側に設けられた導入口35nは、装置本体100a側に設けられた開口部97に対向する位置に設けられるように構成されている。そして、この状態において、導入口35nの入口(開口端縁)に貼り付けられたシール部材35sは、開口部97の開口端縁に沿って密着する。これにより、装置本体100a側の通気経路(第2の通気経路、通気孔96)とトレイ35側の通気経路(第1の通気経路、中空部35j、35l)とを繋ぐ部分からの気体の漏れを防止することができる。
【0100】
ここで、前述した通り、ドア31の開閉動作に連動して、トレイ支持部材34は装置本体100aの前後方向に向かって移動する。しかしながら、トレイ35は、その過程において上下方向にのみ移動する。従って、この過程においては、トレイ35側の導入口35nと装置本体側の開口部97もお互い対向した位置を保ちながら、それぞれ接離する方向に移動する。図20中の矢印は、ドア31を閉じる際のトレイ35の移動方向を示している。図示のように、ドア31を閉じる場合には、トレイ35側の導入口35nは、装置本体側の開口部97に向かって真直ぐに近づいていく。カートリッジPが画像形成動作位置Xに位置した状態で、導入口35nと開口部97は接続する。一方、ドア31を開く場合には、トレイ35側の導入口35nは、装置本体側の開口部97から真直ぐに離れていく。
【0101】
以上の構成により、導入口35nの入口(開口端縁)に貼り付けられたシール部材35sと装置本体100aとの間で摩擦が生じることを抑制することができる。これにより、シール部材35sの摩耗を抑制することができ、かつシール部材35sが剥がれてしまうことを抑制できる。なお、本実施例では、トレイ35側の導入口35nの入口にシール部材35sを設ける場合の構成を示したが、装置本体側の開口部97の入口(開口端縁)にシール部材を設けるようにしてもよい。
【0102】
以上のように、ドア31を閉じることで、右フレーム80Rに設けられた通気孔96(第2の通気経路)とトレイ35に設けられた中空部35j、35l(第1の通気経路)と
が繋がった状態となる。このとき、カートリッジPは画像形成動作位置Xに位置する状態である。そして、ファン95の回転によって、外気が通気孔96(第2の通気経路)内に送り込まれる。そして、通気孔96内に送り込まれた外気は、中空部35j、35lを通過して、後枠35c及び仕切り板35fにそれぞれ設けられた複数の排出口35pからカートリッジPに向けて排出される。吹き付けられる外気によって、カートリッジPは冷却
される。なお、排出口35pから排出された空気は、カートリッジに吹き付けられた後、上方に向かう。そして、前記空気は、更に、カートリッジPの上方に設けられたスキャナ
ユニット11に到達する。その後、装置本体上面の排出トレイ25を有するトップカバーに設けられた排気孔(不図示)から装置本体100aの外部に排出される。
【0103】
<本実施例に係る画像形成装置及びトレイの優れた点>
以上説明したように、本実施例に係る画像形成装置100においては、トレイ35の内部に通気経路(中空部35j,35l)を設け、トレイ35に支持されているカートリッジPに向けて外気を排出する(吹き付ける)構成を採用している。これにより、外気がカ
ートリッジPに直接当って、カートリッジPが冷却される。このように、本実施例においては、ユーザビリティに優れたフロントアクセス方式を採用する場合に必要な部材であるトレイ35に、カートリッジ冷却用の外気を送り込むための通気経路を設けている。
【0104】
従って、カートリッジ冷却用の外気を送り込むための専用のダクトを設ける必要がない。従って、部品点数の増加を抑制することができ、装置の小型化やコストの削減を実現できる。また、トレイ35に、カートリッジPに向けて外気を排出する排出口35pが設け
られているので、効果的にカートリッジを冷却することができる。
【0105】
ここで、トレイ35は、画像形成時には、装置本体100aの内部に位置する。しかしながら、本実施例においては、装置本体100aの右フレーム80Rに設けられた通気孔96(第2の通気経路)と、トレイ35に設けられた中空部35j,35l(第1の通気経路)とが繋がるように構成されている。従って、トレイ35に設けられた中空部35j,35lに対しても、外気が直接的に送り込まれる。これにより、トレイ35に設けられた中空部35j,35lに送り込まれる外気が既に暖まってしまうことを抑制することができる。
【0106】
(実施例2)
図21を用いて、本発明の実施例2について説明する。前述した実施例1では、トレイ35における後枠35cと仕切り板35fとに複数の排出口35pを設ける構成を示した。これに対して、本実施例では、カートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)35の有する右枠35eに複数の排出口35pを設ける構成を示す。トレイ35の通気経路に関する構成以外の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については、その説明は省略する。また、同一の構成部分については同一の符号を付す。
【0107】
図21は本発明の実施例2に係るトレイ35と本体フレーム80との配置関係を上方側から見た図である。
【0108】
本実施例においても、トレイ35は、前枠35bと後枠35cと左枠35dと右枠35eとから構成される矩形の大枠部を有する。そして、本実施例では、トレイ35を構成する枠のうち右枠35eと左枠35dに、その内部に通気経路を構成する中空部35lが設けられている。そして、本実施例では、トレイ35に支持された各カートリッジP間の隙
間g及び後枠35cとカートリッジPYとの間に隙間gを有する。そして、各隙間gの長手方向(カートリッジPの長手方向、感光体ドラム1の長手方向)の一端部(右フレームの設けられた側)で開口するように、右枠35eの4箇所に中空部35l(第1の通気経路)に通ずる排出口35pが設けられている。また、左枠35dの後側には開口部35qが設けられている。なお、ドア31が装置本体100aに対して完全に閉められた状態において、右枠35eに設けられた導入口35nが、開口部97に対向する位置に設けられている構成については、上記実施例1と同様である。また、装置本体側の通気経路に関する構成や、装置本体側の通気経路とトレイ35側の通気経路とを繋ぐ部分からの気体の漏れを防止するシール材が設けられることについても上記実施例1と同様である。
【0109】
本実施例に係る画像形成装置によれば、装置本体側の通気経路(第2の通気経路)を介して送り込まれた外気は、右枠35e内の中空部35l(第1の通気経路)に送り込まれる。そして、右枠35eに設けられた4箇所の排出口35pから、各カートリッジP間の隙間g、及び、後枠35cとカートリッジPYとの間の隙間gに前記外気が排出される。即ち、排出口35pから、外気がカートリッジPに当たるように排出され、前記外気によってカートリッジPが冷却される。即ち、排出口35pは、中空部35l(第1の通気経路)に導入した外気をカートリッジPに当るように排出する。また、排出口35pは、各
カートリッジPの短手方向(前記長手方向と直交する方向)において、トレイ35に支持された各カートリッジPの間に対向する位置に配置されている。かつ、排出口35pは、後枠35cとカートリッジPYとの間に対向する位置に配置されている。尚、後枠35cは、トレイ35を構成する部材であって、トレイ35を装置本体100aの外側位置Oから内側位置Iに移動させる移動方向において下流側に配置されている。そして、排出口35pは、トレイ35に支持された各カートリッジPの前記長手方向の一端側に配置されている。
【0110】
本実施例によれば、隙間gは、トレイ35に支持された各カートリッジPの長手方向(感光体ドラム1の長手方向)に沿って、各カートリッジPの両側(前記短手方向の両側)に配置されている。よって、各カートリッジPを両側から冷却するので、各カートリッジPを効率的に冷却することができる。
【0111】
そして、外気は、各カートリッジPを冷却した後、開口35kから分岐中空部35mを
通過して、左枠35d内の中空部35l内に進入する。そして、前記外気は、開口部35qを通って、画像形成装置100の後側から装置100の外部へと排出される。
【0112】
尚、本実施例では、トレイ35には、実施例1に設けられていた仕切り板35fは設けられていない。仕切り板35fを無くしたことによって生じた隙間gに、空気を流すものである。尚、本実施例では、左枠35dと右枠35eの上面にマーク(不図示)を付記する。これによって、仕切り板35fを無くても、各カートリッジPをトレイ35の所定の位置に装着(支持)することができる。
【0113】
尚、排出口35pから排出された外気を各カートリッジP間の隙間gを通過させた後に
、上方に前記外気が流れるようにする構成を採用することもできる。この場合には、例えば、前述した実施例1の場合と同様に、装置本体上面の排出トレイ25を有するトップカバーに排気孔(不図示)を設ける。そして、前記排気孔から、装置本体の外部に外気を排出するように構成すればよい。このようにすれば、上方に配置されたスキャナユニット11も冷却させることができる。また、このような構成を採用した場合には、左枠35dには通気経路は不要である。
【0114】
尚、前述した実施例によれば、画像形成装置100は、下記構成を有する。
【0115】
画像形成装置100は、カートリッジPを支持して、装置本体100aの内側に位置する内側位置Iと、装置本体100aの外側に位置する外側位置Oと、の間を移動可能なトレイ35を有する。尚、内側位置Iは、開口部30の内側、外側位置Oは開口部30の外側である。そして、トレイ35は、外気が通過する第1の通気経路である中空部35j、35l(実施例1、実施例2)、隙間g(実施例2)、及び、分岐中空部35m(実施例2)を有する。そして、トレイ35は、中空部35l(第1の通気経路)に外気を導入する導入口35nを有する。また、トレイ35は、中空部35lに導入した外気をカートリッジPに向けて(カートリッジPに当るように)排出する排出口35pを有する。
【0116】
また、装置本体100a(メインフレーム80)には、装置本体外部の外気を装置本体内部に取り込む通気孔96(通気経路、第2の通気経路)が設けられている。そして、導入口35nは、カートリッジトレイ35がカートリッジPを内側位置Iに位置する画像形成動作位置Xに移動させた状態で、通気孔96における装置本体内部側の開口部97と対向する位置に設けられている。また、トレイ35は、複数のカートリッジPが着脱自在に構成されている。そして、トレイ35には、各カートリッジPに対して個別に排出口35pが設けられている。また、トレイ35には、隣り合うカートリッジPの間を仕切る仕切り部35fが設けられている。そして、仕切り部35fに排出口35pが設けられている。これによって、更に効率的にカートリッジPを冷却することができる。
【0117】
尚、通気経路は、前述した各実施例で示した中空部でなくても構わない。例えば、中空部内に浮遊塵を除去するためのフィルターを設けていても構わない。通気経路は、空気を通過させることができる構成で有れば、中空部に限定されるものではない。
【0118】
前述した各実施例によれば、効果的にカートリッジを冷却することができる。
【0119】
また、前述した各実施例によれば、部品点数を増加させることなく、効果的にカートリッジを冷却することができる。
【0120】
また、前述した各実施例によれば、カートリッジを支持して、本体フレームの内側に位置する内側位置と、前記本体フレームの外側に位置する外側位置と、の間を移動可能なカートリッジ支持部材をカートリッジの冷却に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は本発明の実施例に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施例に係る画像形成装置、及び、カートリッジ支持部材の模式的断面図である。
【図3】図3は本発明の実施例に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図4】図4は本発明の実施例に係る画像形成装置、及び、カートリッジ支持部材の模式的断面図である。
【図5】図5は本発明の実施例に係る画像形成装置、及び、カートリッジ支持部材の外観斜視図である。
【図6】図6は本発明の実施例に係る画像形成装置、及び、カートリッジ支持部材の模式的断面図である。
【図7】図7は本発明の実施例に係る画像形成装置における本体フレームとカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)の組立構造を示す斜視図である。
【図8】図8は本発明の実施例に係る画像形成装置における本体フレームとカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)の組立構造を示す斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施例に係るドアとトレイ支持部材の連動機構の主要部を示す斜視図である。
【図10】図10はトレイ支持部材の移動メカニズムを示す説明図である。
【図11】図11は図10の一部拡大図である。
【図12】図12は図10の一部拡大図である。
【図13】図13は本発明の実施例に係るプロセスカートリッジの外観斜視図である。
【図14】図14は本発明の実施例に係るプロセスカートリッジの外観斜視図である。
【図15】図15は本発明の実施例に係るカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)の外観斜視図である。
【図16】図16は本発明の実施例1に係るカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)を前後方向に切断した模式的断面図である。
【図17】図17は本発明の実施例1に係るカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)を左右方向に切断した模式的断面図である。
【図18】図18は本発明の実施例1に係るカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)を下方側から見た模式的斜視図である。
【図19】図19は本発明の実施例1に係るカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)と本体フレームとの配置関係を上方側から見た図である。
【図20】図20は本発明の実施例1に係るカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)側の通気経路と装置本体側の通気経路が接続する様子を示す概略図である。
【図21】図21は本発明の実施例2に係るカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)と本体フレームとの配置関係を上方側から見た図である。
【符号の説明】
【0122】
1 電子写真感光体ドラム
12 中間転写ベルトユニット
13 エンドレスベルト(被転写部材)
30 開口部
31 ドア(開閉部材)
34(34L,34R) トレイ支持部材
35 カートリッジトレイ(カートリッジ支持部材)
35a 取っ手
35b 前枠
35c 後枠
35d 左枠
35e 右枠
35f 仕切り板
35g 孔部
35h 溝
35j,35l 中空部(通気経路、第1の通気経路)
35m 分岐中空部
35n 導入口
35p 排出口
35q 開口部
35s シール部材
80 メインフレーム(本体フレーム)
80R 右フレーム
80L 左フレーム
95 ファン
96 通気孔(通気経路、第2の通気経路)
97 開口部
100 電子写真画像形成装置
100a 装置本体
P(PY,PM,PC,PK) プロセスカートリッジ
g 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体ドラムと前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを有するプロセスカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置と、の間を移動可能なカートリッジ支持部材と、
を有し、
前記カートリッジ支持部材の内部には、
外気が通過する第1の通気経路と、
前記第1の通気経路に前記外気を導入する導入口と、
前記第1の通気経路に導入した前記外気を前記プロセスカートリッジに当るように排出する排出口と、
が設けられていることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記装置本体には、装置本体外部の外気を装置本体内部に取り込む第2の通気経路が設けられており、
前記カートリッジ支持部材の有する前記導入口は、前記カートリッジ支持部材が前記プロセスカートリッジを前記内側位置に位置する画像形成動作位置に移動させた状態で、前記第2の通気経路における装置本体内部側の開口部と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記導入口の開口端縁は、前記カートリッジ支持部材が前記プロセスカートリッジを前記画像形成動作位置に移動させた状態で、前記第2の通気経路における装置本体内部側の開口部の開口端縁に接触するように構成されており、
更に、前記導入口の前記開口端縁には、前記第2の通気経路と前記カートリッジ支持部材側の第1の通気経路とを繋ぐ部分からの気体の漏れを防止するシール部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の通気経路には、前記外気を前記装置本体内部に送り込むファンが設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体には、前記電子写真感光体ドラムに形成された現像剤像が転写される被転写部材が設けられており、
前記画像形成動作位置は、前記電子写真感光体ドラムが前記被転写部材に接触する位置であることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項6】
前記カートリッジ支持部材は、複数の前記プロセスカートリッジが着脱自在に構成されており、前記カートリッジ支持部材には、前記各プロセスカートリッジに対して個別に前記排出口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の電子写真画像形成装置。
【請求項7】
前記カートリッジ支持部材には、隣り合う前記プロセスカートリッジの間を仕切る仕切り部が設けられており、前記仕切り部に前記排出口が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項8】
前記カートリッジ支持部材には、互いに異なった色の現像剤を収納している複数の前記プロセスカートリッジが取り外し可能に支持され、前記電子写真画像形成装置はフルカラー電子写真画像形成装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに
記載の電子写真画像形成装置。
【請求項9】
前記排出口は、前記カートリッジ支持部材に支持された前記各カートリッジの長手方向に沿って複数箇所に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の電子写真画像形成装置。
【請求項10】
前記排出口は、前記カートリッジ支持部材に支持された前記各カートリッジの短手方向において、前記カートリッジ支持部材に支持された前記各カートリッジの間に対向する位置に配置されており、かつ、前記排出口は、前記カートリッジ支持部材に支持された前記各カートリッジの長手方向の一端側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の電子写真画像形成装置。
【請求項11】
電子写真感光体ドラムと前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを有するプロセスカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置に用いられるカートリッジ支持部材であって、
前記カートリッジ支持部材の内部には、
外気が通過する第1の通気経路と、
前記第1の通気経路に前記外気を導入する導入口と、
前記第1の通気経路に導入した前記外気を前記プロセスカートリッジに当るように排出する排出口と、
を有し、
前記プロセスカートリッジを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置と、の間を移動可能なカートリッジ支持部材。
【請求項12】
前記装置本体には、前記装置本体外部の外気を装置本体内部に取り込む第2の通気経路が設けられており、
前記カートリッジ支持部材の有する前記導入口は、前記カートリッジ支持部材が前記プロセスカートリッジを前記内側位置に位置する画像形成動作位置に移動させた状態で、前記第2の通気経路における装置本体内部側の開口部と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ支持部材。
【請求項13】
前記カートリッジ支持部材の有する前記導入口の開口端縁は、前記カートリッジ支持部材が前記プロセスカートリッジを前記画像形成動作位置に移動させた状態で、前記第2の通気経路における装置本体内部側の開口部の開口端縁に接触するように構成されており、更に、前記導入口の前記開口端縁には、前記前記第2の通気経路と前記カートリッジ支持部材側の有する前記第1の通気経路とを繋ぐ部分からの気体の漏れを防止するシール部材が設けられていることを特徴とする請求項12に記載のカートリッジ支持部材。
【請求項14】
前記カートリッジ支持部材は、複数の前記プロセスカートリッジが着脱自在に構成されており、前記カートリッジ支持部材には、前記各プロセスカートリッジに対して個別に前記排出口が設けられていることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか一つに記載のカートリッジ支持部材。
【請求項15】
前記カートリッジ支持部材には、隣り合う前記プロセスカートリッジの間を仕切る仕切り部が設けられており、前記仕切り部に前記排出口が設けられていることを特徴とする請求項14に記載のカートリッジ支持部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−97076(P2010−97076A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268978(P2008−268978)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【特許番号】特許第4353541号(P4353541)
【特許公報発行日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】