説明

電子機器、ロック解除方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】不正利用を防止する電子機器、ロック解除方法、プログラムおよび記録媒体を提供すること。
【解決手段】顔認識によってロック解除を行う際、予め選択されていた所定の表示領域に顔が表示されるように顔認識が行われた場合に、ロックを解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他人による不正利用を防止する電子機器、ロック解除方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、市場に流通している携帯電話機の多くは、カメラ機能を備えている。例えば特許文献1には、顔認識機能を有した携帯電話機の技術について記載されている。また、近年の携帯電話機は、当該顔認識機能を利用した、たとえばメール機能や通話機能などの昨日の使用制限を解除するロック解除機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−129419
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、顔認証機能は、ときとして、正規のユーザ(携帯電話の記憶部に顔画像を登録しているユーザ)以外のユーザの顔によってもロックが解除されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、顔認識に基づいてロック解除を行う場合、従来に比してより正確にロック解除の判断ができる電子機器、ロック解除方法、プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる電子機器は、撮像部と、前記撮像部にて撮像された画像を表示可能な表示部と、操作部と、所定の画像を記憶する記憶部と、前記撮像部によって撮像されて前記表示部に表示される撮像画像が、前記記憶部に記憶された所定の画像と一致するか否かを判定し、前記撮像画像と前記所定の画像とが一致すると判断した場合、機能制限を解除するロック解除部と、前記表示部の所定の表示領域を、前記操作部が受け付けた操作に基づいて選択する選択部と、を備え、前記ロック解除部は、前記撮像画像のうち、前記所定の表示領域に表示される撮像画像が前記所定の画像と一致した場合に、機能制限を解除する。
【0007】
更に好適には、電子機器は、前記選択部は、前記操作部での操作に基づいて、前記所定の表示領域を複数選択し、前記ロック解除部は、前記表示部に複数の前記撮像画像が順次表示されて前記複数の所定の表示領域に順次表示される画像が前記所定の画像と一致したと判定すると機能制限を解除する。
【0008】
更に好適には、電子機器は、前記選択部により選択された順番に応じて、前記複数の所定の表示領域に表示される画像と、前記所定の画像と、が一致するか否かを判定する。
【0009】
本発明のロック解除方法は、表示部の所定の表示領域を、前記操作部による操作に基づいて選択するステップと、所定の画像と、前記所定の表示領域と、記憶する記憶するステップと、機能制限を行うステップと、撮像部にて撮像画像を撮像するステップと、表示部にて前記撮像部にて撮像された撮像画像を表示するステップと、前記撮像部によって撮像されて前記所定の表示領域に表示された撮像画像が、前記記憶部に記憶された所定の画像と一致するか否かを判定し、前記撮像画像と前記所定の画像とが一致すると判断した場合、機能制限を解除するステップと、を備える。
【0010】
本発明のプログラムは、コンピュータに、表示部の所定の表示領域を、前記操作部による操作に基づいて選択する手順と、所定の画像と、前記所定の表示領域と、記憶する記憶する手順と、機能制限を行う手順と、撮像部にて撮像画像を撮像する手順と、表示部にて前記撮像部にて撮像された撮像画像を表示する手順と、前記撮像部によって撮像されて前記所定の表示領域に表示された撮像画像が、前記記憶部に記憶された所定の画像と一致するか否かを判定し、前記撮像画像と前記所定の画像とが一致すると判断した場合、機能制限を解除する手順と、を実行させる。
【0011】
本発明の記録媒体は、コンピュータに、表示部の所定の表示領域を、前記操作部による操作に基づいて選択する手順と、所定の画像と、前記所定の表示領域と、記憶する記憶する手順と、機能制限を行う手順と、撮像部にて撮像画像を撮像する手順と、表示部にて前記撮像部にて撮像された撮像画像を表示する手順と、前記撮像部によって撮像されて前記所定の表示領域に表示された撮像画像が、前記記憶部に記憶された所定の画像と一致するか否かを判定し、前記撮像画像と前記所定の画像とが一致すると判断した場合、機能制限を解除する手順と、を実行させるためのプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、不正利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、携帯端末の各構成について説明するためのブロック図である。
【図2】図2は、携帯端末の外観の一例を示す図である。
【図3】図3は、ロック解除のためのパスが入力されるときの上部筐体101の様子を示した図である。
【図4】図4は、顔認識部5及び制御部7の処理の様子を示したフローチャートである。
【図5】図5は、ロック解除モードにおける上部筐体101の様子を示した一実施形態を示した図である。
【図6】図6は、ロック解除モードにおける上部筐体101の様子を示した一実施形態を示した図である。
【図7】図7は、ロック解除モードにおける上部筐体101の様子を示した一実施形態を示した図である。
【図8】図8は、ロック解除モードにおける上部筐体101の様子を示した一実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0015】
<第1実施形態>
以下説明する携帯端末100は、本発明の携帯端末装置の一例である。
図1は、携帯端末100の各構成について説明するためのブロック図である。
図1に示すように、携帯端末100は、通信部1と、操作部2と、表示部3と、カメラ4と、記憶部6と、制御部7とを有する。
【0016】
通信部1は、無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークに接続される図示しない基地局との間で無線通信を行い、各種データの送受信を行う。各種データとは、音声通話時の音声データ、メール送受信時のメールデータ、Web閲覧時のWebページデータ等である。
【0017】
操作部2は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発呼キーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーが操作者によって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これを操作者の指示として制御部7に出力する。
【0018】
表示部3は、多数の画素(複数色の発光素子の組み合わせ)を縦横に配して構成される、例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)を用いて構成されており、制御部7から供給される映像信号に応じた画像を表示する。表示部3は、例えば、通信部1による無線発呼時における発呼先の電話番号、着信時における発呼元の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発呼成否、待ち受け画面等を表示する。
【0019】
カメラ4は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の光電変換素子とその制御回路等により構成される撮像手段である。カメラ4は、操作者自身(操作者側)を撮影するためのイン側カメラ41(撮像部)と、それ以外の被写体を撮影するためのアウト側カメラ42とを有する。
なお、イン側カメラ41は、筐体を操作する状態(すなわち開状態として、操作者が筐体を手に取り、表示部3に視線を向けた姿勢)において、操作者の顔に向けて光軸が設定される状態で、筐体に取り付けられており、テレビ電話等に用いられるカメラであることが好ましい。
【0020】
制御部7(選択部、ロック解除部)は、イン側カメラ41が撮影した操作者の顔画像(撮像画像)と、記憶部6に予め記憶された正規ユーザの顔画像(所定の画像)とをそれぞれの特徴(例えば眼、鼻、口、顔の輪郭の位置、大きさ、形等)を抽出することにより比較し、操作者の顔画像と正規ユーザの顔画像との特徴の一致率が所定のしきい値以上であった場合に、顔が一致したと判定し、所定のしきい値未満であった場合には顔が一致しなかったと判定する顔認識処理を実行する処理装置である。
【0021】
記憶部6は、携帯端末100の各種処理に利用される各種データを記憶する。例えば、制御部7が実行するコンピュータのプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス及び顔画像等を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、待ち受け画面用の画像ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータ、制御部7の顔認識処理に使用される正規ユーザの顔画像を記憶する。記憶部6は、例えば不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【0022】
また、制御部7は、携帯端末100の全体的な動作を統括的に制御する。すなわち、携帯端末100の各種処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWebサイトの閲覧など)が操作部2の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作を制御する。制御部7は、記憶部6に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。すなわち、記憶部6に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0023】
また、制御部7は、携帯端末100の各種機能を実行するための操作が操作部2を介して行われたとき、その操作に対して顔認識処理を行うべきか否かの判定を行う判定処理を実行する。制御部7は、判定処理において顔認識処理が行われるべきと判定した場合は、イン側カメラ41に操作者の顔画像を撮影させて顔認識処理を実行し、そうでない場合は、顔認識処理を実行させず、操作が要求した機能の実行を実施しない。
この制御部7の判定処理についての詳細は後述する。
【0024】
図2は、携帯端末100の外観の一例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態の携帯端末100は、折り畳み型の携帯電話を想定している。図2に示すように、携帯端末100は、上部筐体101と、下部筐体102と、ヒンジ部103とを有する。
【0025】
図2(a)は、携帯端末100が開かれた状態(開状態)を示した図であり、図2(b)は携帯端末100の折り畳まれた状態(閉状態)を示した図である。
図2(a)に示すように、上部筐体101には、図2(b)に示す携帯端末100の閉状態においては外部には露出しない一面に表示部3及びイン側カメラ41が配置されている。また、図2(a)に示すように、下部筐体102には、図2(b)に示す携帯端末100の閉状態において外部には露出しない一面に操作部2が配置されている。また、下部筐体102の背面部(携帯端末100の閉状態において外部には露出しない一面)にはアウト側カメラ42(不図示)が配置されている。
すなわち、図2(a)に示す携帯端末100の開状態において、操作者が表示部3を見ながら操作部2を介した操作入力を行おうとするときには、イン側カメラ41により操作者の顔画像の撮影が可能である。
【0026】
ヒンジ部103は、上部筐体101と下部筐体102とを開閉し、図2(a)に示す携帯端末100の開状態と図2(b)に示す閉状態とを遷移可能とする回転軸を有するヒンジ機構である。なお、携帯端末100の開状態/閉状態は、制御部7により監視されており、制御部7は、携帯端末100の閉状態を検出することが可能である。具体的には、例えば上部筐体101に配置した図示しない突起部により、下部筐体102の図示しない検出スイッチが押しているか否かを制御部7が監視することにより閉状態を検出している(すなわち検出スイッチが押下されていれば閉状態、そうでなければ開状態と判定)。なお、開閉検出は、スイッチに限らず、各種センサにより行ってもよい。
また、イン側カメラ41は上部筐体101に限らず、下部筐体102やヒンジ部103に配設されていてもよい。
【0027】
また、制御部7は、後述するロック解除モードに用いられる所定領域(所定の表示領域)の選択を、ロック解除モードではないときに、操作部2より受け付けることができる。以下、所定領域の選択について、図3を用いて説明する。なお、このときに選択された所定領域がロック解除モードにおいてどのように用いられるかについては、後に詳述する。
【0028】
図3は、所定領域を受け付けている状態である表示部3の様子を示した図である。図3(a)に示すように、表示部3は、たとえば4つの領域からなる、破線によって囲まれた所定領域R1、R2、R3およびR4を表示する。同時に、表示部3は、たとえば「第1領域を選択してください」といった、領域の選択を要求する表示を行う。
【0029】
そして、制御部7は、たとえば操作部2の十字キーより上記4つの領域のうち、ひとつの選択を受け付ける。本実施例では、たとえば、紙面左上に示された所定領域R1が、第1領域として選択された例を示している。
【0030】
操作部2より第1領域の選択を受け付けた後、表示部3はたとえば「第2領域を選択して下さい」と表示し、ユーザに対して再び所定領域の選択を要求する(図3(b))。なお、表示部3は、「第2領域を選択して下さい」と表示すると同時に、所定領域R1が第1領域として選択されたことを示す「1」という数字を所定領域R1の中に表示してもよい。また、表示部3が前述した表示を行っているとき、操作部2が所定領域R2、R3およびR4のうちから1つの所定領域の選択を受付けると(本実施例では第2領域として所定領域R2が選択されたとする)、表示部3は、図3(c)に示す表示を行う。
【0031】
第2領域の選択が完了し後、表示部3は、今度は「第3領域を選択してください」と表示を行う。同時に、表示部3は、第2領域として選択された所定領域R2の中心に「2」と表示してもよい。そして、前回と同様に、操作部2より第3領域の選択を受付けると(本実施例では所定領域R4が第3領域として選択されたとする)、表示部3は、図3(d)に示す表示を行う。
【0032】
前述したように、第3領域の選択を操作部2が受付けると、表示部3は、たとえば「第4領域を選択してください」という表示と、所定領域R4に「3」と表示を行う。そして、操作部2は、第4領域の選択を受付ける。本実施例では、第4領域として所定領域R3が選択されたとものとする。
【0033】
このように、ロック解除モードではないときにおいて、第1領域、第2領域、第3領域および第4領域の選択を、制御部7は受付ける。そして、制御部7は、たとえば本実施例においては、「第1領域・・・所定領域R1」「第2領域・・・所定領域R2」「第3領域・・・所定領域R4」「第4領域・・・所定領域R3」という組み合わせを記憶部6に記憶させる。
【0034】
<第1の実施形態>
次に、図4及び図5を用いてロック解除モードについて説明する。
ロック解除モードとは、イン側カメラ41によって撮像された顔画像に基づいて、たとえば通話機能、メール機能などの機能を使用できるようにするモードである。
図4は、制御部7が、ロック解除モードにて処理を行う手順を示したフローチャートである。また、図5は、図4のS5、S6、S7、S8、S9、S10、S11、S12、およびS13における処理を制御部7が行っている場合における、表示部3の様子を示した図である。
【0035】
最初、制御部7は、携帯端末100がロック解除モードの起動を受け付けたか否かをポーリングによって検出する(S1)。携帯端末100は、たとえば、筐体の状態が閉状態から開状態へと切り替わったことを契機として、ロック解除モードの起動を受け付けたと認識し、当該起動の受付を制御部7へ伝達する(S1/Y)。また、 制御部7は、操作部2が操作を受け付けたことを契機として、ロック解除モードへ移行してもよい。
【0036】
ロック解除モードが起動されると、制御部7は、イン側カメラ41に撮像を開始させる(S2)。また、制御部7は、S2にて起動したイン側カメラ41が撮像する画像を表示部3へリアルタイムに表示させる(S3)。また、制御部7は、不図示のタイマーを起動させる(S4)。タイマーは、S4にて起動されてから所定時間が経過した際、当該所定時間pが経過したことを制御部7へ通達する。当該所定時間は、たとえば数十秒から数百秒の範囲内で予め設定される。
【0037】
S4にて制御部7がタイマーをセットしたら、制御部7は、記憶部6を参照することによって第1領域が所定領域R1であり、第2領域が所定領域R2であり、第3領域が所定領域R4であり、第4領域が所定領域R3であることを認識する。そして、制御部7は、第1領域である所定領域R1において、ユーザの顔のポーリング検出を試みる(S6)。
【0038】
もしユーザの顔が、所定領域R1にて所定時間検出できなかったら(S6/N)、制御部7は、ロック解除をユーザに行わせないために、ロック解除不可と判断してロック解除モードを終了する(S5/Y、S14)。
【0039】
もし、タイムアウトする前に、所定領域R1において正規ユーザの顔(記憶部6に予め記憶されているユーザの顔画像)を認識できたら(図5(a))、制御部7は、第2領域である所定領域R2にてユーザの顔の認識を開始する(S8)。そして、第1領域における顔認識と同様に、所定領域R2における顔認識中にタイムアウトしたら(S7/Y)、制御部7はロック解除モードを終了する(S14)。また、もし、所定領域R2における顔認識が成功したら(S8/Y、図5(b))、制御部7は次に、第3領域である所定領域R4における顔認識を開始する(S10)。
【0040】
もし、所定領域R4における顔認識中にタイムアウトした場合には(S9/Y)、制御部7はロック解除モードを終了する(S14)。また、もし、所定時間内に所定領域R4における顔認識が成功した場合は(図5(c))、制御部7は、第4領域である所定領域R3における顔認識を開始する(S10/Y)。
【0041】
そして、第1領域〜第3領域における処理と同様に、もし、所定領域R3における顔認識中にタイムアウトした場合には(S11/Y)、制御部7はロック解除モードを終了する(S14)。また、もし、所定時間ないに所定領域R3における顔認識が成功した場合は(図5(d))、制御部7は、機能制限のロックの解除を行う(S13)。
【0042】
以上、本実施形態により、ユーザは、ロック解除を行う場合、顔認識に加えて顔を認識させる場所の遷移の順番(本実施例においては、所定領域R1→所定領域R2→所定領域R4→所定領域R3という順番)をもロック解除に利用することが出来る。
【0043】
従って、顔が正規ユーザに似ていて顔認識技術だけでは正規ユーザと判断されてしまう他人が、自身の顔(記憶部に記憶されていない正規ユーザ以外の顔)によってロック解除を試みても、顔認識を行う所定の場所を当該他人に知られない限り、当該他人はロックを解除することができない。従って携帯端末100は、セキュリティを堅牢に出来る。
【0044】
また、前述した実施例においては、顔の位置の遷移のみを、顔認識技術に組み合わせていたものの、実施例はこれに限られない。
【0045】
<第2の実施形態>
たとえば、イン側カメラ41がユーザによって、ユーザの顔から遠ざけられたり近づけられたりすることによって、イン側カメラ41によって認識されて表示部3に表示されるユーザの顔の大きさの変化もロック解除に利用することが出来る。
【0046】
たとえば、図3にて説明した方法にて、ユーザが顔の位置の遷移を登録するとき、制御部7は、顔の位置の情報とともに、第1領域〜第4領域における顔の大きさをもロック解除のパスとして記憶する。
【0047】
そうすることにより、ロック解除モードにおいて、ユーザは、表示部3に映る自身の顔の位置だけでなく、顔の大きさをもパスとして利用できるため、セキュリティがより上昇する(図6)。
【0048】
<第3の実施形態>
また、記憶部6は、正規ユーザの顔画像を複数記憶し、そして制御部7が、記憶部6の記憶している複数の顔画像をロック解除のパスとして利用する実施形態であってもよい。
【0049】
たとえば、ユーザは、予め記憶部6に、「口を閉じた顔」「口を開いた顔]「怒っている顔」「ウィンクしている顔」の4種類の顔画像を記憶部6に記憶させておく。
【0050】
そして、図3にて説明した方法にて、ユーザが顔の位置の遷移を登録するとき、制御部7は、第1領域には前述した4種類の顔画像のうちどれを対応付けるかの入力を、操作部2を介して受け付ける。
【0051】
また、同様にして、制御部7は第2領域〜第4領域においても、それぞれに対応付ける顔画像の選択をユーザより受け付ける。
【0052】
たとえば、本実施形態では、第1領域に「口を閉じた顔」、第2領域に「口を開いた顔]、第3領域に「怒っている顔」、第4領域に「ウィンクしている顔」の顔画像を対応付けたとする。
【0053】
この場合、ロック解除モードにおいて、制御部7は、ユーザの顔が予め定められた順番で遷移し、且つ第1領域〜第4領域において、予め対応付けられた顔画像と同じ顔を認識した場合のみ、ロックの解除を行う。このようにして、携帯端末100は、セキュリティを高めることが出来る(図7)。
【0054】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0055】
また、上述した実施形態では、携帯端末装置の一例として、折り畳み式の携帯電話機である携帯端末100について説明したが、本発明はこれには限定されない。例えば、折り畳み式でなくストレート型、スライド型等、他の形式の携帯端末装置であってもよい。また、携帯電話機だけでなく、PDA(Personal Digital Assistant)やデジタルカメラ等、他の携帯端末装置であってもよい。
【0056】
なお、当該所定領域は、複数である必要はなく、たとえば1つであってもよい。この場合、操作部2は、表示部3の表示領域内における所定領域(所定領域R5)の場所の選択を、たとえば十字キーなどから受け付ける(図8)。そして、制御部7は、ロック解除モードのときに、前記所定領域にて顔画像を認識したときに、顔認識の判定を行う。
【0057】
また、認識に用いられるのは、顔画像に限られない。たとえば、指紋の画像や、虹彩の画像であってもよいし、またはバーコード画像や特定のマークの画像などの生体に関係ない識別子や画像であってもよい。
【0058】
また、ロック解除モードにおいては、所定領域R1〜R4の境界線を示す破線は、表示部3に表示しなくともよい。破線を表示しないことにより、セキュリティ性をさらに向上させることが出来る。また、無論、所定領域の数は、4つに限られない。たとえば、所定領域の数は、ユーザによって選択できるような態様であってもよい。
【0059】
また、本発明は、顔認識の一致率の閾値が二つある場合(高い閾値と低い閾値がある場合)に用いられてもよい。たとえば、最初にロック解除モードが実施された際、制御部7は、カメラ4によって撮像された顔画像と、記憶部6に記憶されている顔画像との一致率を算出する。そして、制御部7は、このときに算出された一致率が前述した高い閾値を越えているか否かを判定する。
【0060】
前記一致率が高い閾値を越えていれば、制御部7はロックを解除する。また、もし、前記一致率が前記高い閾値を越えていなければ、図4に示したS4のフローから図4のフローに従った処理をスタートする。そして、S6、S8、S10、S12における顔認識の一致の判定をするとき、制御部7は、それぞれのステップで算出される一致率と比較する閾値として、低い閾値を用いる。
【0061】
このようにすることによって、たとえ、正規ユーザが、精度の高い(つまり高い一致率を求める)顔認識によってロック解除を試みて、たとえば光の当たり具合や髪形の変化などの正規ユーザの顔画像の変化によって、ロック解除に失敗したとしても、次に本実施形態が用いられたロック解除を行うことが出来るため、ユーザの利便性は上昇する。また、本実施形態を用いるときは、高い一致率を要求しない顔認識によるロック解除をユーザに提供するため、ユーザは、自身の顔の顔画像の変化に起因したロック解除の失敗を再び繰り返さない可能性が高くなる。
【符号の説明】
【0062】
100…携帯端末、101…上部筐体、102…下部筐体、103…ヒンジ部、1…通信部、2…操作部、3…表示部、4…カメラ、41…イン側カメラ、42…アウト側カメラ、6…記憶部、7…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
前記撮像部にて撮像された画像を表示可能な表示部と、
操作部と、
所定の画像を記憶する記憶部と、
前記撮像部によって撮像されて前記表示部に表示される撮像画像が、前記記憶部に記憶された所定の画像と一致するか否かを判定し、前記撮像画像と前記所定の画像とが一致すると判断した場合、機能制限を解除するロック解除部と、
前記表示部の所定の表示領域を、前記操作部が受け付けた操作に基づいて選択する選択部と、
を備え、
前記ロック解除部は、
前記撮像画像のうち、前記所定の表示領域に表示される撮像画像が前記所定の画像と一致した場合に、機能制限を解除する
電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記選択部は、前記操作部での操作に基づいて、前記所定の表示領域を複数選択し、
前記ロック解除部は、前記表示部に複数の前記撮像画像が順次表示されて前記複数の所定の表示領域に順次表示される画像が前記所定の画像と一致したと判定すると機能制限を解除する
電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記選択部により選択された順番に応じて、前記複数の所定の表示領域に表示される画像と、前記所定の画像と、が一致するか否かを判定する
電子機器。
【請求項4】
表示部の所定の表示領域を、前記操作部による操作に基づいて選択するステップと、
所定の画像と、前記所定の表示領域と、記憶する記憶するステップと、
機能制限を行うステップと、
撮像部にて撮像画像を撮像するステップと、
表示部にて前記撮像部にて撮像された撮像画像を表示するステップと、
前記撮像部によって撮像されて前記所定の表示領域に表示された撮像画像が、前記記憶部に記憶された所定の画像と一致するか否かを判定し、前記撮像画像と前記所定の画像とが一致すると判断した場合、機能制限を解除するステップと、
を備える電子機器のロック解除方法。
【請求項5】
コンピュータに、
表示部の所定の表示領域を、前記操作部による操作に基づいて選択する手順と、
所定の画像と、前記所定の表示領域と、記憶する記憶する手順と、
機能制限を行う手順と、
撮像部にて撮像画像を撮像する手順と、
表示部にて前記撮像部にて撮像された撮像画像を表示する手順と、
前記撮像部によって撮像されて前記所定の表示領域に表示された撮像画像が、前記記憶部に記憶された所定の画像と一致するか否かを判定し、前記撮像画像と前記所定の画像とが一致すると判断した場合、機能制限を解除する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
表示部の所定の表示領域を、前記操作部による操作に基づいて選択する手順と、
所定の画像と、前記所定の表示領域と、記憶する記憶する手順と、
機能制限を行う手順と、
撮像部にて撮像画像を撮像する手順と、
表示部にて前記撮像部にて撮像された撮像画像を表示する手順と、
前記撮像部によって撮像されて前記所定の表示領域に表示された撮像画像が、前記記憶部に記憶された所定の画像と一致するか否かを判定し、前記撮像画像と前記所定の画像とが一致すると判断した場合、機能制限を解除する手順と、
を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−28664(P2011−28664A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176096(P2009−176096)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】