電極洗浄方法とシステム
電極は経路に沿って端部を縦にして搬送される。電極は、底部外周端で支持されて、概ね垂直に保持される。複数の洗浄ノズルが経路に隣接してその対向する両側に配置される。ノズルからの洗浄スプレイは電極の両側面に当てられる。ノズルは、直線状に配置されてノズルアレイを形成し、電極の底部より先に上部に洗浄スプレイが当たるように角度が付けられる。リンスまたは前洗浄用の分離した部分を洗浄チャンバ内に備えてもよい。使用済みの水を回収して再利用してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に電極洗浄の方法とシステムに関し、特に、金属の精錬又は採取に使用される電極の洗浄方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の節は、そこで述べる内容のいずれも従来技術もしくは当業者の知識の一部であることを認めるものではない。
【0003】
特許文献1(Norbergらによる)は、金属の電解精錬により得られる陰極板、および/または陽極板の洗浄方法を開示している。電極板は、棒または取っ手に吊り下げられて電解浴から組となって引き上げられ、その後、洗浄工程を連続的に通過して洗浄される。
【0004】
特許文献2(Sitges Menendezらによる)は、電解析出層を陰極から除去する設備を開示している。この設備は、陰極受入れ領域と、陰極洗浄装置および抽出装置を含む陰極処理領域と、電解析出層を除去した後の陰極を格納する格納領域とを備えている。
【0005】
特許文献3(Salamancaによる)は、工業的および電気冶金的プロセスにおける陰極洗浄のためのロボットシステムと方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,566,951号明細書
【特許文献2】米国特許第5,567,285号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第20070151580号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一態様において、第1の面と第2の面と外周端とを含む電極の洗浄方法が、経路に隣接してその対向する両側に複数の洗浄ノズルを提供し、電極を経路に沿って端部を縦にして搬送し、電極が経路に沿って搬送されるときに、電極の第1の面と第2の面とに当たるようにノズルからの洗浄スプレイを向ける、ことを含むことができる。
【0008】
電極は、底部外周端を支持して搬送することができる。この方法は、電極が経路に沿って搬送されるときに、電極を概ね垂直に維持するために電極をガイドすることを更に含む。洗浄スプレイは経路に対して概ね直交する方向に向けることができる。複数の洗浄ノズルの2つ以上が、電極の第1の面全体に亘って洗浄スプレイを実質的に垂直に向けることができる。電極が経路に沿って搬送されるときに、洗浄スプレイは、第1の面の底部より先に第1の面の上部に当てることができる。
【0009】
本方法は更に、洗浄部を実質的に取り囲み、電極を端部を縦にして洗浄部へそれぞれ搬入、搬出可能な、入口と出口とを密封する機構を提供する、ことを含むことができる。本方法は、洗浄部を外気圧に対して負圧に維持することを更に含むことができる。
【0010】
本方法は更に、洗浄ノズルの下流の経路に隣接して、少なくとも1つのリンスノズルを提供し、電極が経路に沿って搬送されるときに、電極をリンスするために少なくとも1つのリンスノズルからのリンススプレイを向けることを含むことができる。
【0011】
本方法は、洗浄スプレイに関連する洗浄部とリンススプレイに関連するリンス部とを実質的に分離して囲むことを更に含むことができる。本方法は、洗浄部とリンス部とを外気圧に対して負圧に維持することを更に含むことができる。
【0012】
本方法は更に、少なくとも1つのリンスノズルの下からリンス廃水を回収し、そのリンス廃水の少なくとも一部を洗浄スプレイ用の洗浄ノズルへ供給することを含むことができる。
【0013】
本方法は更に、洗浄ノズルの上流の経路に隣接して、温水源に接続された少なくとも1つの前洗浄ノズルを提供し、洗浄前に電極を濡らしかつ電極温度を外気温度より上げるために、少なくとも1つの前洗浄ノズルからの前洗浄スプレイを電極上へ向ける、ことを含むことができる。
【0014】
本方法は更に、洗浄ノズルの下から廃水を回収し、廃水の少なくとも一部を前洗浄スプレイ用の少なくとも1つの前洗浄ノズルへ供給することを含むことができる。
【0015】
本方法は更に、電極を乾燥するために電極を空気流にさらすことを含むことができる。
【0016】
本明細書の一態様において、電極の洗浄方法は、電極を経路に沿って端部を縦にして搬送し、経路に隣接して少なくとも1つの洗浄ノズルを提供し、電極が経路に沿って搬送されるときに、電極を洗浄するために、洗浄ノズルからの洗浄スプレイを電極上に向け、
経路に隣接して少なくとも1つのリンスノズルを提供し、電極が前記経路に沿って搬送されるときに、電極をリンスするために、洗浄ノズルからのリンススプレイを電極上に向けることを含むことができる。
【0017】
本方法は、リンススプレイ水の少なくとも一部を洗浄スプレイに使用するために回収することを更に含むことができる。本方法は更に、搬送ステップの前に、経路に隣接して、温水源に接続された少なくとも1つの前洗浄ノズルを提供し、洗浄前に電極を濡らしかつ電極温度を上げるために、前洗浄ノズルからの前洗浄スプレイを電極上へ向ける、ことを含むことができる。本方法は、洗浄スプレイ水の少なくとも一部を前洗浄スプレイに使用するために回収することを更に含むことができる。本方法は、リンススプレイを向けるステップの次に、電極を乾燥させるために電極を空気流にさらすことを更に含むことができる。
【0018】
本明細書の一態様では、各電極が第1の面と第2の面と外周端とを含む、複数の電極の洗浄システムが、電極を経路に沿って端部を縦にして搬送するコンベヤと、経路に隣接した対向する両側に配置された複数の洗浄ノズルであって、電極が経路に沿って搬送されるときに電極に当たるように向けられた洗浄ノズルと、を備えることができる。
【0019】
コンベヤは、各電極の底部外周端を支持するためのコンベヤベルトを含むことができる。コンベヤベルトは、各電極の底部外周端を支持して電極をコンベヤベルトよりも概ね上方に維持するための、少なくとも1つの支持留め具を含むことができる。コンベヤベルトは、電極を経路に沿って押し出すために、電極の後方外周端を係合するための少なくとも1つの安全止めを含むことができる。
【0020】
このシステムは、経路の両側面に横方向に配置された複数のガイドレールを更に備えることができる。ガイドレールは、電極が経路に沿って搬送されるときに電極を概ね垂直に維持することができる。
【0021】
洗浄スプレイは経路に対してそれぞれが概ね直交する方向に向けられることが可能である。複数の洗浄ノズルの2つ以上は、直線的に配置されてノズルアレイを形成することができる。ノズルアレイは、洗浄スプレイを電極の第1の面の全体に亘って実質的に垂直に向けるように適合することができる。ノズルアレイは、電極が経路に沿って搬送されるときに、洗浄スプレイを第1の面の底部より先に上部に当てるように角度を付けることができる。
【0022】
このシステムは、洗浄ノズルに係わる洗浄部分を取り囲む囲いを更に備えることができる。この囲いは密封機構を有する入口と出口とを含むことができる。
【0023】
システムは更に、経路に隣接して配置された少なくとも1つのリンスノズルを含むことができる。この少なくとも1つのリンスノズルは、電極が経路に沿って洗浄ノズルから下流方向に搬送されるときに、電極をリンスするために経路の方向に向けられることができる。
【0024】
システムは更に、少なくとも1つの洗浄ノズルに係わる洗浄部と、少なくとも1つのリンスノズルに係わるリンス部とを実質的に分離して囲い込む、囲いを備えることができる。洗浄部とリンス部とは隔壁によって分離することができる。
【0025】
システムはさらに、少なくとも1つのリンスノズルの直下に配置されたリンスタンクを備えることができる。リンスタンクは、洗浄ノズルにリンス廃水を供給するために洗浄ノズルに接続されている。
【0026】
システムは更に、経路に隣接した少なくとも1つの前洗浄ノズルを含むことができる。この少なくとも1つの前洗浄ノズルは、電極が経路に沿って洗浄ノズルから下流方向に搬送されるときに、電極を濡らすために経路の方向に向けることができる。少なくとも1つの前洗浄ノズルは、温水源に接続されて、前洗浄スプレイが洗浄前に電極温度を外気温度よりも上げるようにすることができる。
【0027】
システムは更に、洗浄ノズルの直下に配置された洗浄タンクを備えることができる。洗浄タンクは、前洗浄ノズルに接続されて、洗浄廃水の少なくとも一部を前洗浄スプレイ用に前洗浄ノズルに供給することができる。
【0028】
システムは更に、囲いの中の空間を外気圧に対して負圧に維持するように適合された排気システムを備えることができる。
【0029】
システムは更に、電極を乾燥するために囲いの出口に配置された乾燥システムを備えることができる。乾燥システムは、電極の経路の対向する両側に概ね垂直に延びる一対のプレナム(空気溜り)を含むことができる。各プレナムは、電極の側面に沿って空気を吸引するための、垂直に延びる縦長の隙間を含むことができる。プレナムは、空気を排出するための排気システムに接続することができる。乾燥システムは、電極を端部を縦にしてその間を搬送することが可能な大きさの、縦長の通路を含み、乾燥システムは更に、それによって電極の周りの空気流を最小化し、囲いを乾燥システムに対してほぼ密封状態に維持する密封機構を更に含むことができる。
【0030】
組合せによって上記のシステムの2つを、別々の電極列を洗浄するために平行に配列することができる。
【0031】
これら及びその他の出願人の教示の特徴はここに記述される。
【0032】
本発明をよりよく理解し、その実行の仕方をより明確に示すために、添付の図面を一例として参照する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】電極洗浄システムの斜視図である。
【図2】電極洗浄システムの拡大斜視図である。
【図3】電極洗浄システムの拡大斜視図である。
【図4】電極洗浄システムの拡大斜視図である。
【図5】電極洗浄システムの部分斜視図である。
【図6】電極洗浄システムの部分拡大斜視図である。
【図7】電極洗浄システムの部分側面図である。
【図8】電極洗浄システムの部分端面図である。
【図9】電極洗浄システムの部分上面図である。
【図10】フローチャートである。
【図11】電極洗浄システムの部分拡大斜視図である。
【図12】電極洗浄システムの部分拡大端面図である。
【図13】電極洗浄システムの部分拡大斜視図である。
【図14】電極洗浄システムの部分拡大斜視図である。
【図15】電極洗浄システムの拡大逆斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
特許請求の範囲に記載のそれぞれの発明の実施形態の例を提供するために、以下にさまざまな装置あるいはプロセスについて説明する。下記の実施形態はいずれも、請求の範囲に記載の発明を制限するものではない。また請求の範囲に記載の任意の発明は、下記で説明されていないプロセスあるいは装置を包含してもよい。請求の範囲に記載の発明は、以下で説明する任意の1つの装置あるいはプロセスのすべての特徴を有する装置あるいはプロセスに限定されるものではないし、以下で説明する複数あるいはすべての装置に共通の特徴に限定されるものでもない。以下で説明する装置あるいはプロセスが、請求の範囲に記載の発明のいずれの実施形態でもないこともあり得る。出願人、発明者、または所有者は、例えば継続出願における発明をクレームする権利などのような、本書類で請求の範囲に記載されていなくて、下記説明の装置あるいはプロセスにおいて開示されたいかなる発明についても権利を留保する。そしてかかる発明のいかなるものも本書類における開示によって、放棄または遺棄したり、公共に供するものではない。
【0035】
金属の電解精錬は、通常、精錬する粗金属でできた陽極を陰極と共に好適な電解浴に配置することを含む。この陽極と陰極との間に電圧を印加すると、粗金属が酸化されて純金属イオンが溶液に溶けだし、電気分解によって電解浴中を陰極へと移動する。純金属イオンは精錬された金属として、通常非常に高い純度で陰極上へ析出する。不純物の大半は電解浴中に残される。
【0036】
金属の電解採取は、通常、精錬する金属とは異なる金属でできた陽極と陰極とを共に好適な電解浴に配置することを含む。精錬する金属は、電解浴に溶解する形(例えば、ろ過及び溶媒抽出処理による)で加えられる。陽極と陰極との間に電圧を印加すると、金属が溶液から移動して陰極上に高純度の精錬された金属として析出する。
【0037】
一般に、電解採取(electro-winning)と電解精錬(electro-refining)とでは同様の電解槽構成が用いられる。電解採取に対しては、所望の金属、例えば銅、を溶解している溶液が準備される。次に、電気分解を利用して、銅もしくは所望の金属を陰極上に析出させる。電解精錬においては、既回収の金属、例えば銅、が陽極として与えられ、電気分解により溶液中に溶かし出されて、それが陰極上に析出される。電解精錬の過程においては、所望の銅の陰極上への析出を促進し、その一方でその他の望まない金属や他の材料を溶液中に残すか、あるいは陰極上に析出しないようにする条件が設定される。いずれの場合においても、陰極表面に適切な厚さの精錬金属が析出されると、陰極は電解浴から取り外される。永久陰極に対しては、析出層が次の剥離ステップで分離される。
【0038】
電解浴からの残留汚染物質は、陰極が電解浴から取り外された後、陰極表面に残存する可能性がある。これらの表面不純物としては、これに限定されるものではないが例えば、有機物質または無機塩、および金属と不純物の化合物などがある。表面不純物は、陰極上で乾燥し、銅析出製品の純度およびそれに対応する価値を著しく劣化させる。例えば、“ブルーストーン”(銅硫化物)のような表面不純物が存在すると、銅析出製品の硫黄水準を“A”水準の許容レベルよりも上げてしまう可能性がある。従って、電解浴から取り出した後、陰極を洗浄して、表面不純物の存在を除去するか、または少なくとも低減することが望ましい。
【0039】
出願人の教示は、電極洗浄の方法とシステムに関する。電極は、例えば陰極であってよいが、これに限るものではない。陰極は、端部を縦にして経路に沿って搬送することができる。その経路に隣接して洗浄ノズルが提供され、洗浄スプレイが陰極の表面に当たるように向けられる。1つまたは複数の洗浄部が与えられ、任意選択のリンス部または前洗浄部を含むことができる。この方法とシステムは非常に優れた洗浄品質を達成できる。
【0040】
図1を参照すると、電極洗浄システムが、全体として参照番号100で示されている。
【0041】
図に示すように、システム100は複数の陰極102と共に使用されるように示されている。陰極102は、第1の面と第2の面と周辺を画定する端部とを有する、概ね平坦な析出板を含む、典型的な永久陰極アセンブリの形態をとっている。析出板は、相対的に高い引張り強度と良好な耐食性を有する導電性材料から造られていてもよい。例えば、析出板は316Lステンレス鋼、あるいは許容範囲の耐食性を有するその他の合金で作られ、“2B”仕上げとなっている。各陰極102は、析出板と電気的に結合した、導電性の懸吊棒を含んでいてもよい。例えば、懸吊棒24は銅でできていてもよい。懸吊棒が電解浴内の析出板を支持し、電源と析出板との間の電気の流路を提供する。他の電極板の構成も可能であり、洗浄システム100にも適用可能である。出願人は本教示を図示された特定の陰極102に限定することは意図していない。
【0042】
陰極102は、投入ロボット104を用いてシステム100へ導入することができる。陰極102は、コンベヤまたは固定棚(表示せず)によって投入ロボットへ供給することができる。陰極102は、取り出しロボット106を用いてシステム100から取り出すことができる。ロボット104、106は、各陰極を所望通りに回転、配置するように構成されている。ロボット104、106は、例えば、FANUC(登録商標) M−410iBシリーズのロボット(ファナックロボティックスカナダ社(カナダ、オンタリオ州、ミシサガ市)の市販モデルであってよい。ただしこれに限るものではない。
【0043】
図にはロボット104、106を示しているが、システム100への陰極102の装着、取り外しには、それ以外の任意の好適な手段を実装してもよい。ロボット104、106は陰極102を扱うのに好適である。それは、かなりの重さの陰極102を正確に取り上げ、配置することが可能であるからである。
【0044】
システム100は、各陰極102を、端部を縦にしてA方向に一列縦隊で搬送するために、少なくとも1つのコンベヤ108を含んでいる。この少なくとも1つのコンベヤ108は、陰極102を、端部を縦にして洗浄チャンバ110を貫いて搬送する。各陰極102が経路に沿って搬送されるときに、各陰極102の側面は方向Aに対して概ね平行に維持される。各陰極102が経路に沿って搬送されるとき、各陰極102はほぼ垂直に保持される。
【0045】
図に示すように実施例のあるものでは、投入ロボット104は、陰極102を2つのコンベヤライン108a、108b上に配置する。複数のコンベヤライン108を利用すれば、複数の洗浄ラインを提供することができ、システム100の出力を増加させることができる。コンベヤライン108a、108bは、通常ロボット104とロボット106の間を平行に走る。投入ロボット104は、陰極102を互い違いに配置することができ、1つの投入ロボット104があればコンベヤライン108a、108bに陰極102を交互に供給することができる。同様に、1つの取り出しロボット106だけで、コンベヤライン108a、108bから陰極102を交互に取り出すことができる。コンベヤライン108a、108bは独立かつ間歇的に運転可能であるので、ロボット104、106は停止位置で陰極102を配置し、取り出すことができる。
【0046】
コンベヤライン108a、108bの間隔は、コンベヤ、スプレイノズル、および関連するハードウェアに要するスペースで決まる。洗浄チャンバ110の中央に通路を設けてもよい。これにより、コンベヤライン108a、108b、スプレイノズル、関連するハードウェアなどを手動でメンテナンスし及び検査することが可能となる。
【0047】
実施例のあるものでは、洗浄システム100を覆いでカバーしてもよい。しかし、洗浄システム100の覆いは任意選択である。それは、ある環境下では陰極を覆いなしで洗浄することが可能であるからである。
【0048】
図に示すように、実施例によっては、洗浄チャンバ110は、例えば洗浄部110aとリンス部110bのように2つ以上の部分、または分離されたチャンバを備えていてもよい。スプレイのしぶきを閉じ込め、洗浄部110aとリンス部110bとの間の汚染を最小化するために、任意選択で、洗浄部110aとリンス部110bとが実質的に分離して囲われてもよい。図示した実施例においては、隔壁112が洗浄部110aとリンス部110bとを実質的に分離する。ここでは、1つの洗浄部110aと1つのリンス部110bが図示されているが、洗浄部とリンス部が複数であってもよく、任意選択で、それぞれのセクションにそれぞれの囲いが設けられていてもよい。さらには、洗浄部110aは前洗浄ステップ(後で説明)を含んでもよい。
【0049】
システム100は、洗浄チャンバ110内の空気を排気する、排気システム114を含んでもよい。排気システム114は、洗浄チャンバ110を外気圧に対して負圧に維持するように構成されていてもよい。負圧によって、水蒸気と熱がシステム100内部に保持される。
【0050】
ある実施例では、陰極102は底部外周端を支持して搬送される。他の方法によるシステム100を貫通する陰極の搬送も可能である。例えば、陰極102は頭上のコンベヤフックシステム(表示せず)によって搬送されてもよく、これにより各陰極102は懸吊棒に固定されて、ぶら下がった状態でシステム100を移動することが可能となる。しかし、各陰極102を底部外周端で支持することで、陰極析出物が陰極母材から偶発的に分離して、それが洗浄チャンバ110内のコンベヤ手段と干渉する可能性を持つこと等の問題は、通常回避することができる。ある実施例においては、コンベヤ108は無端コンベヤベルトの形態を取ることができる。この方式では、駆動システム116で各陰極102の一端を駆動することにより、洗浄チャンバ110を貫通する搬送を行うことが可能である。
【0051】
図2を参照すると、コンベヤライン108はコンベヤベルト118を含むことができる。コンベヤベルト118は複数のベルト継手118aから構成されている。ベルト継手118aは、硬質プラスチックなどの、比較的頑丈で、耐食、耐熱性のある材料から形成される。ベルト継手118aは、接合部位をステンレス製のピンで連結されて、コンベヤベルト118を形成する。ベルト継手118aは、摺動台120を取り囲み、離間した駆動スプロケット122の間を駆動システム116によって駆動される。コンベヤベルト118は駆動スプロケット122の間を駆動され、陰極102を洗浄チャンバ110を貫通して搬送する。摺動台120は、これに限定するものではないが、例えばステンレススチールなどのような耐食性材料から形成することができる。摺動台120は、切り込みの入った排水部124を含み、処理水がコンベヤベルト118から排水されるようになっている。
【0052】
陰極102は、投入ロボット104によって1つ又は複数の支持留め具126上に配置される。支持留め具126は、コンベヤベルト118に沿って間隔をおいて固定される。支持留め具126は、これに限定するものではないが、例えばステンレススチールなどのような耐食性材料から形成することができる。支持留め具126は、陰極102をコンベヤベルト118の上に維持し、陰極102とコンベヤベルト118および支持留め具126との間の接触点を最小化するように適合されており、陰極102の底の端部がよく洗浄されるようになっている。
【0053】
コンベヤベルト118上で各陰極102の後方に隣接して、安全止め128が配置されてもよい。安全止め128は、コンベヤベルト118に沿って間隔をおいて固定される。安全止め128は、これに限定するものではないが、例えばステンレススチールなどのような耐食性材料から形成することができる。各陰極102は、安全止め128が陰極102の直後にあるように、コンベヤベルト118上に配置することができる。ただし安全止めは必ずしも陰極102に接する必要はない。安全止め128は、陰極102の後方外周端に係合して、陰極102が経路に沿った搬送中に、例えばガイドレール(後で説明)に引っかかったとしても、経路に沿って陰極102を押し出すように作用する。
【0054】
図3と図4とを参照すると、洗浄チャンバ110の入口は細長の通路130であってよい。通路130は、その間を、陰極102を、端部を縦にして搬送することができる大きさであってよい。通路130は、陰極の周りの空気流を最小化して、それによって洗浄室110を外気に対してほぼ密封された状態に維持するための、密封機構132を含んでもよい。洗浄室110を外気に対してほぼ密封された状態に維持することにより、洗浄が外気温度よりも高い温度で行われる場合でも、システム100内の熱エネルギ保持を促進する。ある実施形態では、密封機構132は、係合ブラシまたは対向ゴムフラップの形態であってよい。
【0055】
同様に、洗浄部110aとリンス部110bとが隔壁112で実質的に分離されて囲われている実施例において、細長の通路(表示せず)が隔壁112の中に設けられて、陰極102を、端部を縦にして洗浄部110aからリンス部110bへ通すことが可能となる。細長の通路はまた、陰極102の周りの空気流を最小化するための密封機構も含み、それによって洗浄スプレイ水とリンススプレイ水との混合を低減する。
【0056】
図5〜図9を参照すると、洗浄チャンバ110を画定する囲いが取り払われて、システム100の詳細が見える。複数のガイドレール134が経路のそれぞれの側の横方向に配置され、陰極102が経路沿いに搬送されるときに、陰極102をほぼ垂直に保持する。ガイドレール134などのような内部部品は、洗浄チャンバ110内部の比較的腐食性のある環境に耐えられるように、例えばプラスチックやステンレススチールなどの耐食性材料で形成されてもよい。
【0057】
任意選択的に、陰極102が通路130を通って洗浄チャンバ110の中に入るとすぐに、陰極102は比較的低圧の水で前洗浄されてもよい。前洗浄のステップでは、陰極102は、洗浄チャンバ110への入口に隣接する少なくとも1つの前洗浄ノズル136からの水を噴霧される。ある実施例においては、各前洗浄ノズル136は、例えばスプレイ角135°をした、概ねファン形状をしている。各前洗浄ノズル136は、陰極102が経路沿いに搬送されるときに、各陰極102の全体に亘って水を水平に向ける。
【0058】
一態様においては、前洗浄スプレイは陰極102の表面を濡れさせて、洗浄前に表面不純物の溶解を開始させる。陰極102が洗浄チャンバ110に入るとき、陰極は外気環境から入ってくるので相対的に温度が低い場合がある。例えば、投入ロボット106によってシステム100に導入される陰極102は、約0〜20℃である。別の態様においては、前洗浄スプレイは陰極102を高温にまで上げるために利用されてもよい。陰極を、例えば約60〜80℃の高温にすることは、後続の洗浄に対して有益であり、結果として洗浄の過程において、表面不純物が十分に溶解されて剥離される。
【0059】
複数の洗浄ノズル138が経路に隣接してその対向する両側に設けられる。陰極102が経路沿いに搬送されるときに、各陰極102の両側の面に水のスプレイが向けられて当たるように、洗浄ノズル138は構成されている。各陰極102を、端部を縦にして搬送することにより、各洗浄ノズル138は各陰極102の表面に対して、十分に近い距離からほぼ垂直に向けられるようになり、その結果、陰極102の各面の実質的に全表面が、陰極102の表面から不純物又は汚染物を除去するのに効果的な直接衝撃にさらされる。洗浄ノズル138は、均一な洗浄が行われるように陰極102からほぼ等距離に維持される。陰極102の両側に、洗浄ノズル138がほぼ鏡像的に配置される。
【0060】
ある実施例においては、各陰極102が洗浄ノズル138を通過するとき、各洗浄ノズル138の洗浄スプレイが隣の洗浄ノズル138のスプレイと重なり合って、スプレイパターンが陰極102の片面の垂直方向全体に亘って短冊状に覆うように、洗浄ノズル138が陰極102に対して配置される。こうして、1つの陰極102が水平に動いて洗浄ノズル138を通過するとき、陰極102の片面全体が洗浄される。これに代わり、陰極102の片面全面に亘って、洗浄スプレイを実質的に垂直に向ける、可動洗浄ノズルを設けることもできる。
【0061】
複数の洗浄ノズル138の2つ以上は、直線的に配置されてノズルアレイ140を形成することができる。各洗浄ノズル138の洗浄スプレイが隣接する洗浄ノズル138のスプレイと重複するように、洗浄ノズル138がノズルアレイ140として配置される。そうして、陰極102が経路沿いに搬送されるとき、陰極102の片面の全面に亘ってほぼ垂直に洗浄スプレイが向けられる。
【0062】
図に示すように、ノズルアレイ140は、方向Aとは反対方向に角度を付けることができる。そうして、電極が経路に沿って搬送されるときに、第1の面の底部より先に第1の面の上部に洗浄スプレイが当たるようにできる。ノズルアレイ140を方向Aとは反対方向に角度を付けることは、陰極102が端部を縦にして通過するときに、ノズルアレイ140からのスプレイが陰極102の表面を拭い取って行くように作用する、“スキージ”効果を与える。更に、複合的な角度を与えるために、各洗浄ノズル138は方向Aの反対方向に僅かだけ角度を付けて、陰極102の移動中に、陰極102の表面全体に当たるようにすることも可能である。特定の角度を調節して、陰極102が洗浄チャンバを搬送されていく速度に対して最適化することができる。複合的な角度とすることにより、陰極102の表面全面に確実に当たるようになる。
【0063】
図示したように、複数のノズルアレイ140を洗浄部110aに直列に備えることができる。通常陰極102の経路の上に配置されているヘッダ(通水管)142によって、ノズルアレイ140に水が分配される。ヘッダ142は、各ノズルアレイ140を通して各洗浄ノズル138へ水を供給する、ピッグテイル(pigtail)を含むことができる。各洗浄ノズル138は、これに限定するものではないが例えば、水圧60psi(=414kPa)で噴霧することができる。一実施例においては、洗浄ノズル138への水の流速が陰極1つ当り毎分約200リットル(=毎分0.2立方メートル)で、保持時間が約2分に維持される。勿論、これとは異なる様々な流速、保持時間および圧力が可能である。
【0064】
任意選択のリンス部110b内では、1つまたは複数のリンスノズルアレイ140aを備えることができる。通常リンス部110b内の陰極102の経路の上に配置されているヘッダ142aによって、ノズルアレイ140aに水が分配される。
【0065】
ある実施例において、リンスノズルアレイ140aに供給される水は、精製水、例えば脱イオン水であってよい。リンスノズルアレイ140aに供給される水は、加熱されていてもよい。リンス水の廃水は、リンスノズルアレイ140aの周りの陰極102の下から回収され、リンス廃水の少なくとも一部は、洗浄ノズルアレイ140に供給される洗浄水を連続的に希釈し、かつ部分的に補充するために供給されてもよい。
【0066】
水を保存し、システム100の異なる部分における水の純度を所望水準に維持するために、前洗浄水と洗浄水とリンス水の連続循環と少なくとも部分的再利用、および前洗浄水と洗浄水とリンス水の水源への同時部分補充をしてもよい。図10は、システム100内部の、考えうる水分配経路を示すフローチャートである。単一の水流分配網を維持することにより、チャンバ110内部を所望の高温に維持するために要するエネルギ量を最小化して、システム100内の熱エネルギの節約を促進する。
【0067】
ある実施例において、リンス廃水を回収して、少なくともリンス廃水の一部を洗浄ノズルアレイ140へ供給するように仕向けることが可能である。任意選択として、リンス廃水の別の部分をリンスノズルアレイ140aへの供給に仕向け、新鮮なリンス水と混合することも可能である。しかし、相対的に清浄なリンス水流を維持するためには、リンス水をリンス目的で再利用することは望ましくない。
【0068】
同様に、ある実施例において、洗浄ノズルアレイ140の周りの陰極102の下から回収された洗浄廃水の一部を、回収して洗浄ノズル140へ供給するように振り向け、任意選択で、リンス廃水と混合することが可能である。洗浄廃水の別の部分を連続的に除去して、既知の廃水処理方法に従って処理してもよい。回収された洗浄廃水の更に別の部分を、前洗浄ノズル136への供給に振り向けてもよい。
【0069】
ある実施例において、前洗浄廃水は、前洗浄ノズル136の周りの陰極102の下から回収することができる。回収された前洗浄廃水の一部を、元に戻して前洗浄ノズル136への供給に振り向けてもよい。前洗浄廃水の別の部分を連続的に除去して、既知の廃水処理方法に従って処理してもよい。
【0070】
図9を参照すると、グレーチング144または別の好適な開放面をコンベヤ108aとコンベヤ108bの間に備えてメンテナンスと清掃を容易にすることができる。1つまたは複数のタンク146をグレーチング144の下に備えて、前洗浄、洗浄およびリンスのステップからの使用済み廃水を回収することができる。洗浄タンク146は、陰極102に当てられ、グレーチング144を通って降りてきた洗浄廃水を回収する。洗浄廃水は、周知の廃水処理技術に従って処理するか、洗浄ノズル138に戻して再利用するかのいずれかが可能である。
【0071】
図示した実施例、特に図7において、タンク146は、前洗浄ノズル136の直下に配置された前洗浄部146aと、洗浄ノズルアレイ140の下に配置された洗浄部146bと、リンスノズルアレイ140aの直下に配置されたリンス部146cとを含んでもよい。タンク146は、各部分146a、146b、146cを分離する一連の仕切りまたはバッフル(表示せず)を含んでもよい。各部分146a、146b、146cにおいて、処理用水はタンクに捕捉され、バッフルが各部分146a、146b、146cの間の下層流を形成して、各部分146a、146b、146cの間に水を分配する。ある実施例において、リンスノズルアレイ140aに供給される精製水は加熱水であってよい。従って、通常、リンス部146cの水は前洗浄部146aの水に比べて高温であるので、タンク146内には温度勾配が存在する。水の使用量を節約し、流れの均衡を保つために、リンスノズルアレイ140aに供給される水流は、前洗浄ノズル136の流量にほぼ一致する。そうして、陰極102のリンスに使用されるすべての水は、次に、下流(陰極102の動きから見ると上流)の前洗浄のステップにおいて利用することができる。各部分146a、146b、146cにおける水流はモニタされて、流量の均衡がほぼ保たれるようにされる。さらに、リンスノズルアレイ140aに供給される入力精製水の流速は、前洗浄タンク146aから出る処理水の廃水処理の流速にほぼ一致する。
【0072】
1つまたは複数の前洗浄ノズル136は加熱水源に接続されて、洗浄チャンバ110に入るとすぐに陰極102を所望の温度に上げることができる。またはその代わりにある実施例においては、リンスノズルアレイ140aに供給される精製水は加熱水であり、前述したように1つまたは複数の前洗浄ノズル136は、下流の洗浄ステップおよび任意選択のリンスステップから回収され再利用された水を供給可能であるので、独立した加熱源を必要としない。従って、前洗浄水は、陰極102を加熱するのに十分なほど既に温かくなっている。
【0073】
図11〜図14を参照すると、洗浄チャンバ110の出口に乾燥システム148を備えることができる。乾燥システム148の入口は細長の通路150であってよい。通路150は通路130と同様であって、その間を、陰極102を、端部を縦にして搬送することができる大きさである。通路150は、陰極の周りの空気流を最小化して、それによって洗浄室110を乾燥システム148に対してほぼ密封された状態に維持するための、密封機構152を含んでもよい。例えば、密封機構152は、係合ブラシまたは対向ゴムフラップの形態であってよい。乾燥システム148の出口は細長の通路154であってよい。
【0074】
乾燥システム148は、陰極102が洗浄チャンバ110から出るときに陰極102の両面の周りに強い空気流を与えて、陰極102の表面を実質的に乾燥させるように適合されている。乾燥システム148は、リンスステップの後、陰極102が比較的高温になっていることを利用する。例えば、リンスステップの後の陰極表面は、60〜80℃である。
【0075】
乾燥システム148は、陰極102の経路の対向する両側に概ね垂直に延びる一対のプレナム(空気溜り)156を含むことができる。洗浄チャンバ110が外気圧に対して負圧になっていることで、外部空気が通路154に入り、陰極102の両側にある空隙158の横を流れる。空気は空隙158の横を流れ、通路150に隣接して設けられた垂直の縦長の隙間160に吸引される。隙間160は、プレナム156のそれぞれの中に空気を供給する。プレナム156は排気ダクト160に接続されている。排気ダクト160は、陰極102の乾燥に使用された空気を個別に排出する。または、排気ダクト160は排気システム114に接続されていて、陰極102の乾燥に使用された空気を洗浄チャンバ110内部からの他の空気と共に排出する。
【0076】
図15を参照すると、陰極102が通路154から現れると、荷重/位置合わせ機構164が起動されて各陰極を取り上げて、取り出しロボット106(図5には表示せず)に搬送のために渡す。ある実施例において、この機構164は、ピストン制御の2本の水平分離アームを備えることができる。アームは各陰極102の懸吊棒を陰極の1つに係合するように適合され、取り出しロボット106で取り上げられる陰極102を精度よく配置する。任意選択として、機構164は陰極102の荷重測定のためのロードセルを備えていてもよい。陰極102が永久陰極である実施例においては、機構164で計量された荷重から、銅の近似的な収量が計算される。さらに、機構164は計算機と連結されて、“スマートストリップ”機能を可能とすることができる。スマートストリップとは、次の永久陰極ブランクから析出銅を剥離除去する剥離作業において、必要なフレキシングを荷重情報を利用して決定することを指す。剥離、スタッキング、ストラッピング、秤量およびマーキング等の後続の陰極処理ステップは、個別の下流工程で行われる。
【0077】
本明細書で開示した電極の洗浄方法とシステムは、特に永久陰極上に生成された陰極製品の洗浄について述べたが、ここで開示した方法とシステムは、スタータシート(starter sheet)上の陰極製品の洗浄に利用することもできる。本明細書で開示した方法とシステムは、消耗された陽極の洗浄にも利用可能である。さらに、本明細書で開示した方法とシステムは、析出の行われていない(例えば、剥離作業が終わり、まだ次の析出工程に入っていない)永久陰極のブランクシートから残留析出物を除去するための洗浄に利用することもできる。そのような実施例において、本方法とシステムは、例えば40,000psi(2,760バール)(=約275MPa)の高圧洗浄スプレイを発生するように構成されたノズルを含むことができる。
【0078】
本明細書において添付の図面を参照して、1つまたは複数の発明について特定の実施形態で説明したが、請求の範囲に記載のそれぞれの発明は、それらの特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に定義されている任意の発明の範囲と精神から逸脱することなしに、当業者によってその中に種々の変更及び修正を実行しうることを理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に電極洗浄の方法とシステムに関し、特に、金属の精錬又は採取に使用される電極の洗浄方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の節は、そこで述べる内容のいずれも従来技術もしくは当業者の知識の一部であることを認めるものではない。
【0003】
特許文献1(Norbergらによる)は、金属の電解精錬により得られる陰極板、および/または陽極板の洗浄方法を開示している。電極板は、棒または取っ手に吊り下げられて電解浴から組となって引き上げられ、その後、洗浄工程を連続的に通過して洗浄される。
【0004】
特許文献2(Sitges Menendezらによる)は、電解析出層を陰極から除去する設備を開示している。この設備は、陰極受入れ領域と、陰極洗浄装置および抽出装置を含む陰極処理領域と、電解析出層を除去した後の陰極を格納する格納領域とを備えている。
【0005】
特許文献3(Salamancaによる)は、工業的および電気冶金的プロセスにおける陰極洗浄のためのロボットシステムと方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,566,951号明細書
【特許文献2】米国特許第5,567,285号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第20070151580号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一態様において、第1の面と第2の面と外周端とを含む電極の洗浄方法が、経路に隣接してその対向する両側に複数の洗浄ノズルを提供し、電極を経路に沿って端部を縦にして搬送し、電極が経路に沿って搬送されるときに、電極の第1の面と第2の面とに当たるようにノズルからの洗浄スプレイを向ける、ことを含むことができる。
【0008】
電極は、底部外周端を支持して搬送することができる。この方法は、電極が経路に沿って搬送されるときに、電極を概ね垂直に維持するために電極をガイドすることを更に含む。洗浄スプレイは経路に対して概ね直交する方向に向けることができる。複数の洗浄ノズルの2つ以上が、電極の第1の面全体に亘って洗浄スプレイを実質的に垂直に向けることができる。電極が経路に沿って搬送されるときに、洗浄スプレイは、第1の面の底部より先に第1の面の上部に当てることができる。
【0009】
本方法は更に、洗浄部を実質的に取り囲み、電極を端部を縦にして洗浄部へそれぞれ搬入、搬出可能な、入口と出口とを密封する機構を提供する、ことを含むことができる。本方法は、洗浄部を外気圧に対して負圧に維持することを更に含むことができる。
【0010】
本方法は更に、洗浄ノズルの下流の経路に隣接して、少なくとも1つのリンスノズルを提供し、電極が経路に沿って搬送されるときに、電極をリンスするために少なくとも1つのリンスノズルからのリンススプレイを向けることを含むことができる。
【0011】
本方法は、洗浄スプレイに関連する洗浄部とリンススプレイに関連するリンス部とを実質的に分離して囲むことを更に含むことができる。本方法は、洗浄部とリンス部とを外気圧に対して負圧に維持することを更に含むことができる。
【0012】
本方法は更に、少なくとも1つのリンスノズルの下からリンス廃水を回収し、そのリンス廃水の少なくとも一部を洗浄スプレイ用の洗浄ノズルへ供給することを含むことができる。
【0013】
本方法は更に、洗浄ノズルの上流の経路に隣接して、温水源に接続された少なくとも1つの前洗浄ノズルを提供し、洗浄前に電極を濡らしかつ電極温度を外気温度より上げるために、少なくとも1つの前洗浄ノズルからの前洗浄スプレイを電極上へ向ける、ことを含むことができる。
【0014】
本方法は更に、洗浄ノズルの下から廃水を回収し、廃水の少なくとも一部を前洗浄スプレイ用の少なくとも1つの前洗浄ノズルへ供給することを含むことができる。
【0015】
本方法は更に、電極を乾燥するために電極を空気流にさらすことを含むことができる。
【0016】
本明細書の一態様において、電極の洗浄方法は、電極を経路に沿って端部を縦にして搬送し、経路に隣接して少なくとも1つの洗浄ノズルを提供し、電極が経路に沿って搬送されるときに、電極を洗浄するために、洗浄ノズルからの洗浄スプレイを電極上に向け、
経路に隣接して少なくとも1つのリンスノズルを提供し、電極が前記経路に沿って搬送されるときに、電極をリンスするために、洗浄ノズルからのリンススプレイを電極上に向けることを含むことができる。
【0017】
本方法は、リンススプレイ水の少なくとも一部を洗浄スプレイに使用するために回収することを更に含むことができる。本方法は更に、搬送ステップの前に、経路に隣接して、温水源に接続された少なくとも1つの前洗浄ノズルを提供し、洗浄前に電極を濡らしかつ電極温度を上げるために、前洗浄ノズルからの前洗浄スプレイを電極上へ向ける、ことを含むことができる。本方法は、洗浄スプレイ水の少なくとも一部を前洗浄スプレイに使用するために回収することを更に含むことができる。本方法は、リンススプレイを向けるステップの次に、電極を乾燥させるために電極を空気流にさらすことを更に含むことができる。
【0018】
本明細書の一態様では、各電極が第1の面と第2の面と外周端とを含む、複数の電極の洗浄システムが、電極を経路に沿って端部を縦にして搬送するコンベヤと、経路に隣接した対向する両側に配置された複数の洗浄ノズルであって、電極が経路に沿って搬送されるときに電極に当たるように向けられた洗浄ノズルと、を備えることができる。
【0019】
コンベヤは、各電極の底部外周端を支持するためのコンベヤベルトを含むことができる。コンベヤベルトは、各電極の底部外周端を支持して電極をコンベヤベルトよりも概ね上方に維持するための、少なくとも1つの支持留め具を含むことができる。コンベヤベルトは、電極を経路に沿って押し出すために、電極の後方外周端を係合するための少なくとも1つの安全止めを含むことができる。
【0020】
このシステムは、経路の両側面に横方向に配置された複数のガイドレールを更に備えることができる。ガイドレールは、電極が経路に沿って搬送されるときに電極を概ね垂直に維持することができる。
【0021】
洗浄スプレイは経路に対してそれぞれが概ね直交する方向に向けられることが可能である。複数の洗浄ノズルの2つ以上は、直線的に配置されてノズルアレイを形成することができる。ノズルアレイは、洗浄スプレイを電極の第1の面の全体に亘って実質的に垂直に向けるように適合することができる。ノズルアレイは、電極が経路に沿って搬送されるときに、洗浄スプレイを第1の面の底部より先に上部に当てるように角度を付けることができる。
【0022】
このシステムは、洗浄ノズルに係わる洗浄部分を取り囲む囲いを更に備えることができる。この囲いは密封機構を有する入口と出口とを含むことができる。
【0023】
システムは更に、経路に隣接して配置された少なくとも1つのリンスノズルを含むことができる。この少なくとも1つのリンスノズルは、電極が経路に沿って洗浄ノズルから下流方向に搬送されるときに、電極をリンスするために経路の方向に向けられることができる。
【0024】
システムは更に、少なくとも1つの洗浄ノズルに係わる洗浄部と、少なくとも1つのリンスノズルに係わるリンス部とを実質的に分離して囲い込む、囲いを備えることができる。洗浄部とリンス部とは隔壁によって分離することができる。
【0025】
システムはさらに、少なくとも1つのリンスノズルの直下に配置されたリンスタンクを備えることができる。リンスタンクは、洗浄ノズルにリンス廃水を供給するために洗浄ノズルに接続されている。
【0026】
システムは更に、経路に隣接した少なくとも1つの前洗浄ノズルを含むことができる。この少なくとも1つの前洗浄ノズルは、電極が経路に沿って洗浄ノズルから下流方向に搬送されるときに、電極を濡らすために経路の方向に向けることができる。少なくとも1つの前洗浄ノズルは、温水源に接続されて、前洗浄スプレイが洗浄前に電極温度を外気温度よりも上げるようにすることができる。
【0027】
システムは更に、洗浄ノズルの直下に配置された洗浄タンクを備えることができる。洗浄タンクは、前洗浄ノズルに接続されて、洗浄廃水の少なくとも一部を前洗浄スプレイ用に前洗浄ノズルに供給することができる。
【0028】
システムは更に、囲いの中の空間を外気圧に対して負圧に維持するように適合された排気システムを備えることができる。
【0029】
システムは更に、電極を乾燥するために囲いの出口に配置された乾燥システムを備えることができる。乾燥システムは、電極の経路の対向する両側に概ね垂直に延びる一対のプレナム(空気溜り)を含むことができる。各プレナムは、電極の側面に沿って空気を吸引するための、垂直に延びる縦長の隙間を含むことができる。プレナムは、空気を排出するための排気システムに接続することができる。乾燥システムは、電極を端部を縦にしてその間を搬送することが可能な大きさの、縦長の通路を含み、乾燥システムは更に、それによって電極の周りの空気流を最小化し、囲いを乾燥システムに対してほぼ密封状態に維持する密封機構を更に含むことができる。
【0030】
組合せによって上記のシステムの2つを、別々の電極列を洗浄するために平行に配列することができる。
【0031】
これら及びその他の出願人の教示の特徴はここに記述される。
【0032】
本発明をよりよく理解し、その実行の仕方をより明確に示すために、添付の図面を一例として参照する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】電極洗浄システムの斜視図である。
【図2】電極洗浄システムの拡大斜視図である。
【図3】電極洗浄システムの拡大斜視図である。
【図4】電極洗浄システムの拡大斜視図である。
【図5】電極洗浄システムの部分斜視図である。
【図6】電極洗浄システムの部分拡大斜視図である。
【図7】電極洗浄システムの部分側面図である。
【図8】電極洗浄システムの部分端面図である。
【図9】電極洗浄システムの部分上面図である。
【図10】フローチャートである。
【図11】電極洗浄システムの部分拡大斜視図である。
【図12】電極洗浄システムの部分拡大端面図である。
【図13】電極洗浄システムの部分拡大斜視図である。
【図14】電極洗浄システムの部分拡大斜視図である。
【図15】電極洗浄システムの拡大逆斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
特許請求の範囲に記載のそれぞれの発明の実施形態の例を提供するために、以下にさまざまな装置あるいはプロセスについて説明する。下記の実施形態はいずれも、請求の範囲に記載の発明を制限するものではない。また請求の範囲に記載の任意の発明は、下記で説明されていないプロセスあるいは装置を包含してもよい。請求の範囲に記載の発明は、以下で説明する任意の1つの装置あるいはプロセスのすべての特徴を有する装置あるいはプロセスに限定されるものではないし、以下で説明する複数あるいはすべての装置に共通の特徴に限定されるものでもない。以下で説明する装置あるいはプロセスが、請求の範囲に記載の発明のいずれの実施形態でもないこともあり得る。出願人、発明者、または所有者は、例えば継続出願における発明をクレームする権利などのような、本書類で請求の範囲に記載されていなくて、下記説明の装置あるいはプロセスにおいて開示されたいかなる発明についても権利を留保する。そしてかかる発明のいかなるものも本書類における開示によって、放棄または遺棄したり、公共に供するものではない。
【0035】
金属の電解精錬は、通常、精錬する粗金属でできた陽極を陰極と共に好適な電解浴に配置することを含む。この陽極と陰極との間に電圧を印加すると、粗金属が酸化されて純金属イオンが溶液に溶けだし、電気分解によって電解浴中を陰極へと移動する。純金属イオンは精錬された金属として、通常非常に高い純度で陰極上へ析出する。不純物の大半は電解浴中に残される。
【0036】
金属の電解採取は、通常、精錬する金属とは異なる金属でできた陽極と陰極とを共に好適な電解浴に配置することを含む。精錬する金属は、電解浴に溶解する形(例えば、ろ過及び溶媒抽出処理による)で加えられる。陽極と陰極との間に電圧を印加すると、金属が溶液から移動して陰極上に高純度の精錬された金属として析出する。
【0037】
一般に、電解採取(electro-winning)と電解精錬(electro-refining)とでは同様の電解槽構成が用いられる。電解採取に対しては、所望の金属、例えば銅、を溶解している溶液が準備される。次に、電気分解を利用して、銅もしくは所望の金属を陰極上に析出させる。電解精錬においては、既回収の金属、例えば銅、が陽極として与えられ、電気分解により溶液中に溶かし出されて、それが陰極上に析出される。電解精錬の過程においては、所望の銅の陰極上への析出を促進し、その一方でその他の望まない金属や他の材料を溶液中に残すか、あるいは陰極上に析出しないようにする条件が設定される。いずれの場合においても、陰極表面に適切な厚さの精錬金属が析出されると、陰極は電解浴から取り外される。永久陰極に対しては、析出層が次の剥離ステップで分離される。
【0038】
電解浴からの残留汚染物質は、陰極が電解浴から取り外された後、陰極表面に残存する可能性がある。これらの表面不純物としては、これに限定されるものではないが例えば、有機物質または無機塩、および金属と不純物の化合物などがある。表面不純物は、陰極上で乾燥し、銅析出製品の純度およびそれに対応する価値を著しく劣化させる。例えば、“ブルーストーン”(銅硫化物)のような表面不純物が存在すると、銅析出製品の硫黄水準を“A”水準の許容レベルよりも上げてしまう可能性がある。従って、電解浴から取り出した後、陰極を洗浄して、表面不純物の存在を除去するか、または少なくとも低減することが望ましい。
【0039】
出願人の教示は、電極洗浄の方法とシステムに関する。電極は、例えば陰極であってよいが、これに限るものではない。陰極は、端部を縦にして経路に沿って搬送することができる。その経路に隣接して洗浄ノズルが提供され、洗浄スプレイが陰極の表面に当たるように向けられる。1つまたは複数の洗浄部が与えられ、任意選択のリンス部または前洗浄部を含むことができる。この方法とシステムは非常に優れた洗浄品質を達成できる。
【0040】
図1を参照すると、電極洗浄システムが、全体として参照番号100で示されている。
【0041】
図に示すように、システム100は複数の陰極102と共に使用されるように示されている。陰極102は、第1の面と第2の面と周辺を画定する端部とを有する、概ね平坦な析出板を含む、典型的な永久陰極アセンブリの形態をとっている。析出板は、相対的に高い引張り強度と良好な耐食性を有する導電性材料から造られていてもよい。例えば、析出板は316Lステンレス鋼、あるいは許容範囲の耐食性を有するその他の合金で作られ、“2B”仕上げとなっている。各陰極102は、析出板と電気的に結合した、導電性の懸吊棒を含んでいてもよい。例えば、懸吊棒24は銅でできていてもよい。懸吊棒が電解浴内の析出板を支持し、電源と析出板との間の電気の流路を提供する。他の電極板の構成も可能であり、洗浄システム100にも適用可能である。出願人は本教示を図示された特定の陰極102に限定することは意図していない。
【0042】
陰極102は、投入ロボット104を用いてシステム100へ導入することができる。陰極102は、コンベヤまたは固定棚(表示せず)によって投入ロボットへ供給することができる。陰極102は、取り出しロボット106を用いてシステム100から取り出すことができる。ロボット104、106は、各陰極を所望通りに回転、配置するように構成されている。ロボット104、106は、例えば、FANUC(登録商標) M−410iBシリーズのロボット(ファナックロボティックスカナダ社(カナダ、オンタリオ州、ミシサガ市)の市販モデルであってよい。ただしこれに限るものではない。
【0043】
図にはロボット104、106を示しているが、システム100への陰極102の装着、取り外しには、それ以外の任意の好適な手段を実装してもよい。ロボット104、106は陰極102を扱うのに好適である。それは、かなりの重さの陰極102を正確に取り上げ、配置することが可能であるからである。
【0044】
システム100は、各陰極102を、端部を縦にしてA方向に一列縦隊で搬送するために、少なくとも1つのコンベヤ108を含んでいる。この少なくとも1つのコンベヤ108は、陰極102を、端部を縦にして洗浄チャンバ110を貫いて搬送する。各陰極102が経路に沿って搬送されるときに、各陰極102の側面は方向Aに対して概ね平行に維持される。各陰極102が経路に沿って搬送されるとき、各陰極102はほぼ垂直に保持される。
【0045】
図に示すように実施例のあるものでは、投入ロボット104は、陰極102を2つのコンベヤライン108a、108b上に配置する。複数のコンベヤライン108を利用すれば、複数の洗浄ラインを提供することができ、システム100の出力を増加させることができる。コンベヤライン108a、108bは、通常ロボット104とロボット106の間を平行に走る。投入ロボット104は、陰極102を互い違いに配置することができ、1つの投入ロボット104があればコンベヤライン108a、108bに陰極102を交互に供給することができる。同様に、1つの取り出しロボット106だけで、コンベヤライン108a、108bから陰極102を交互に取り出すことができる。コンベヤライン108a、108bは独立かつ間歇的に運転可能であるので、ロボット104、106は停止位置で陰極102を配置し、取り出すことができる。
【0046】
コンベヤライン108a、108bの間隔は、コンベヤ、スプレイノズル、および関連するハードウェアに要するスペースで決まる。洗浄チャンバ110の中央に通路を設けてもよい。これにより、コンベヤライン108a、108b、スプレイノズル、関連するハードウェアなどを手動でメンテナンスし及び検査することが可能となる。
【0047】
実施例のあるものでは、洗浄システム100を覆いでカバーしてもよい。しかし、洗浄システム100の覆いは任意選択である。それは、ある環境下では陰極を覆いなしで洗浄することが可能であるからである。
【0048】
図に示すように、実施例によっては、洗浄チャンバ110は、例えば洗浄部110aとリンス部110bのように2つ以上の部分、または分離されたチャンバを備えていてもよい。スプレイのしぶきを閉じ込め、洗浄部110aとリンス部110bとの間の汚染を最小化するために、任意選択で、洗浄部110aとリンス部110bとが実質的に分離して囲われてもよい。図示した実施例においては、隔壁112が洗浄部110aとリンス部110bとを実質的に分離する。ここでは、1つの洗浄部110aと1つのリンス部110bが図示されているが、洗浄部とリンス部が複数であってもよく、任意選択で、それぞれのセクションにそれぞれの囲いが設けられていてもよい。さらには、洗浄部110aは前洗浄ステップ(後で説明)を含んでもよい。
【0049】
システム100は、洗浄チャンバ110内の空気を排気する、排気システム114を含んでもよい。排気システム114は、洗浄チャンバ110を外気圧に対して負圧に維持するように構成されていてもよい。負圧によって、水蒸気と熱がシステム100内部に保持される。
【0050】
ある実施例では、陰極102は底部外周端を支持して搬送される。他の方法によるシステム100を貫通する陰極の搬送も可能である。例えば、陰極102は頭上のコンベヤフックシステム(表示せず)によって搬送されてもよく、これにより各陰極102は懸吊棒に固定されて、ぶら下がった状態でシステム100を移動することが可能となる。しかし、各陰極102を底部外周端で支持することで、陰極析出物が陰極母材から偶発的に分離して、それが洗浄チャンバ110内のコンベヤ手段と干渉する可能性を持つこと等の問題は、通常回避することができる。ある実施例においては、コンベヤ108は無端コンベヤベルトの形態を取ることができる。この方式では、駆動システム116で各陰極102の一端を駆動することにより、洗浄チャンバ110を貫通する搬送を行うことが可能である。
【0051】
図2を参照すると、コンベヤライン108はコンベヤベルト118を含むことができる。コンベヤベルト118は複数のベルト継手118aから構成されている。ベルト継手118aは、硬質プラスチックなどの、比較的頑丈で、耐食、耐熱性のある材料から形成される。ベルト継手118aは、接合部位をステンレス製のピンで連結されて、コンベヤベルト118を形成する。ベルト継手118aは、摺動台120を取り囲み、離間した駆動スプロケット122の間を駆動システム116によって駆動される。コンベヤベルト118は駆動スプロケット122の間を駆動され、陰極102を洗浄チャンバ110を貫通して搬送する。摺動台120は、これに限定するものではないが、例えばステンレススチールなどのような耐食性材料から形成することができる。摺動台120は、切り込みの入った排水部124を含み、処理水がコンベヤベルト118から排水されるようになっている。
【0052】
陰極102は、投入ロボット104によって1つ又は複数の支持留め具126上に配置される。支持留め具126は、コンベヤベルト118に沿って間隔をおいて固定される。支持留め具126は、これに限定するものではないが、例えばステンレススチールなどのような耐食性材料から形成することができる。支持留め具126は、陰極102をコンベヤベルト118の上に維持し、陰極102とコンベヤベルト118および支持留め具126との間の接触点を最小化するように適合されており、陰極102の底の端部がよく洗浄されるようになっている。
【0053】
コンベヤベルト118上で各陰極102の後方に隣接して、安全止め128が配置されてもよい。安全止め128は、コンベヤベルト118に沿って間隔をおいて固定される。安全止め128は、これに限定するものではないが、例えばステンレススチールなどのような耐食性材料から形成することができる。各陰極102は、安全止め128が陰極102の直後にあるように、コンベヤベルト118上に配置することができる。ただし安全止めは必ずしも陰極102に接する必要はない。安全止め128は、陰極102の後方外周端に係合して、陰極102が経路に沿った搬送中に、例えばガイドレール(後で説明)に引っかかったとしても、経路に沿って陰極102を押し出すように作用する。
【0054】
図3と図4とを参照すると、洗浄チャンバ110の入口は細長の通路130であってよい。通路130は、その間を、陰極102を、端部を縦にして搬送することができる大きさであってよい。通路130は、陰極の周りの空気流を最小化して、それによって洗浄室110を外気に対してほぼ密封された状態に維持するための、密封機構132を含んでもよい。洗浄室110を外気に対してほぼ密封された状態に維持することにより、洗浄が外気温度よりも高い温度で行われる場合でも、システム100内の熱エネルギ保持を促進する。ある実施形態では、密封機構132は、係合ブラシまたは対向ゴムフラップの形態であってよい。
【0055】
同様に、洗浄部110aとリンス部110bとが隔壁112で実質的に分離されて囲われている実施例において、細長の通路(表示せず)が隔壁112の中に設けられて、陰極102を、端部を縦にして洗浄部110aからリンス部110bへ通すことが可能となる。細長の通路はまた、陰極102の周りの空気流を最小化するための密封機構も含み、それによって洗浄スプレイ水とリンススプレイ水との混合を低減する。
【0056】
図5〜図9を参照すると、洗浄チャンバ110を画定する囲いが取り払われて、システム100の詳細が見える。複数のガイドレール134が経路のそれぞれの側の横方向に配置され、陰極102が経路沿いに搬送されるときに、陰極102をほぼ垂直に保持する。ガイドレール134などのような内部部品は、洗浄チャンバ110内部の比較的腐食性のある環境に耐えられるように、例えばプラスチックやステンレススチールなどの耐食性材料で形成されてもよい。
【0057】
任意選択的に、陰極102が通路130を通って洗浄チャンバ110の中に入るとすぐに、陰極102は比較的低圧の水で前洗浄されてもよい。前洗浄のステップでは、陰極102は、洗浄チャンバ110への入口に隣接する少なくとも1つの前洗浄ノズル136からの水を噴霧される。ある実施例においては、各前洗浄ノズル136は、例えばスプレイ角135°をした、概ねファン形状をしている。各前洗浄ノズル136は、陰極102が経路沿いに搬送されるときに、各陰極102の全体に亘って水を水平に向ける。
【0058】
一態様においては、前洗浄スプレイは陰極102の表面を濡れさせて、洗浄前に表面不純物の溶解を開始させる。陰極102が洗浄チャンバ110に入るとき、陰極は外気環境から入ってくるので相対的に温度が低い場合がある。例えば、投入ロボット106によってシステム100に導入される陰極102は、約0〜20℃である。別の態様においては、前洗浄スプレイは陰極102を高温にまで上げるために利用されてもよい。陰極を、例えば約60〜80℃の高温にすることは、後続の洗浄に対して有益であり、結果として洗浄の過程において、表面不純物が十分に溶解されて剥離される。
【0059】
複数の洗浄ノズル138が経路に隣接してその対向する両側に設けられる。陰極102が経路沿いに搬送されるときに、各陰極102の両側の面に水のスプレイが向けられて当たるように、洗浄ノズル138は構成されている。各陰極102を、端部を縦にして搬送することにより、各洗浄ノズル138は各陰極102の表面に対して、十分に近い距離からほぼ垂直に向けられるようになり、その結果、陰極102の各面の実質的に全表面が、陰極102の表面から不純物又は汚染物を除去するのに効果的な直接衝撃にさらされる。洗浄ノズル138は、均一な洗浄が行われるように陰極102からほぼ等距離に維持される。陰極102の両側に、洗浄ノズル138がほぼ鏡像的に配置される。
【0060】
ある実施例においては、各陰極102が洗浄ノズル138を通過するとき、各洗浄ノズル138の洗浄スプレイが隣の洗浄ノズル138のスプレイと重なり合って、スプレイパターンが陰極102の片面の垂直方向全体に亘って短冊状に覆うように、洗浄ノズル138が陰極102に対して配置される。こうして、1つの陰極102が水平に動いて洗浄ノズル138を通過するとき、陰極102の片面全体が洗浄される。これに代わり、陰極102の片面全面に亘って、洗浄スプレイを実質的に垂直に向ける、可動洗浄ノズルを設けることもできる。
【0061】
複数の洗浄ノズル138の2つ以上は、直線的に配置されてノズルアレイ140を形成することができる。各洗浄ノズル138の洗浄スプレイが隣接する洗浄ノズル138のスプレイと重複するように、洗浄ノズル138がノズルアレイ140として配置される。そうして、陰極102が経路沿いに搬送されるとき、陰極102の片面の全面に亘ってほぼ垂直に洗浄スプレイが向けられる。
【0062】
図に示すように、ノズルアレイ140は、方向Aとは反対方向に角度を付けることができる。そうして、電極が経路に沿って搬送されるときに、第1の面の底部より先に第1の面の上部に洗浄スプレイが当たるようにできる。ノズルアレイ140を方向Aとは反対方向に角度を付けることは、陰極102が端部を縦にして通過するときに、ノズルアレイ140からのスプレイが陰極102の表面を拭い取って行くように作用する、“スキージ”効果を与える。更に、複合的な角度を与えるために、各洗浄ノズル138は方向Aの反対方向に僅かだけ角度を付けて、陰極102の移動中に、陰極102の表面全体に当たるようにすることも可能である。特定の角度を調節して、陰極102が洗浄チャンバを搬送されていく速度に対して最適化することができる。複合的な角度とすることにより、陰極102の表面全面に確実に当たるようになる。
【0063】
図示したように、複数のノズルアレイ140を洗浄部110aに直列に備えることができる。通常陰極102の経路の上に配置されているヘッダ(通水管)142によって、ノズルアレイ140に水が分配される。ヘッダ142は、各ノズルアレイ140を通して各洗浄ノズル138へ水を供給する、ピッグテイル(pigtail)を含むことができる。各洗浄ノズル138は、これに限定するものではないが例えば、水圧60psi(=414kPa)で噴霧することができる。一実施例においては、洗浄ノズル138への水の流速が陰極1つ当り毎分約200リットル(=毎分0.2立方メートル)で、保持時間が約2分に維持される。勿論、これとは異なる様々な流速、保持時間および圧力が可能である。
【0064】
任意選択のリンス部110b内では、1つまたは複数のリンスノズルアレイ140aを備えることができる。通常リンス部110b内の陰極102の経路の上に配置されているヘッダ142aによって、ノズルアレイ140aに水が分配される。
【0065】
ある実施例において、リンスノズルアレイ140aに供給される水は、精製水、例えば脱イオン水であってよい。リンスノズルアレイ140aに供給される水は、加熱されていてもよい。リンス水の廃水は、リンスノズルアレイ140aの周りの陰極102の下から回収され、リンス廃水の少なくとも一部は、洗浄ノズルアレイ140に供給される洗浄水を連続的に希釈し、かつ部分的に補充するために供給されてもよい。
【0066】
水を保存し、システム100の異なる部分における水の純度を所望水準に維持するために、前洗浄水と洗浄水とリンス水の連続循環と少なくとも部分的再利用、および前洗浄水と洗浄水とリンス水の水源への同時部分補充をしてもよい。図10は、システム100内部の、考えうる水分配経路を示すフローチャートである。単一の水流分配網を維持することにより、チャンバ110内部を所望の高温に維持するために要するエネルギ量を最小化して、システム100内の熱エネルギの節約を促進する。
【0067】
ある実施例において、リンス廃水を回収して、少なくともリンス廃水の一部を洗浄ノズルアレイ140へ供給するように仕向けることが可能である。任意選択として、リンス廃水の別の部分をリンスノズルアレイ140aへの供給に仕向け、新鮮なリンス水と混合することも可能である。しかし、相対的に清浄なリンス水流を維持するためには、リンス水をリンス目的で再利用することは望ましくない。
【0068】
同様に、ある実施例において、洗浄ノズルアレイ140の周りの陰極102の下から回収された洗浄廃水の一部を、回収して洗浄ノズル140へ供給するように振り向け、任意選択で、リンス廃水と混合することが可能である。洗浄廃水の別の部分を連続的に除去して、既知の廃水処理方法に従って処理してもよい。回収された洗浄廃水の更に別の部分を、前洗浄ノズル136への供給に振り向けてもよい。
【0069】
ある実施例において、前洗浄廃水は、前洗浄ノズル136の周りの陰極102の下から回収することができる。回収された前洗浄廃水の一部を、元に戻して前洗浄ノズル136への供給に振り向けてもよい。前洗浄廃水の別の部分を連続的に除去して、既知の廃水処理方法に従って処理してもよい。
【0070】
図9を参照すると、グレーチング144または別の好適な開放面をコンベヤ108aとコンベヤ108bの間に備えてメンテナンスと清掃を容易にすることができる。1つまたは複数のタンク146をグレーチング144の下に備えて、前洗浄、洗浄およびリンスのステップからの使用済み廃水を回収することができる。洗浄タンク146は、陰極102に当てられ、グレーチング144を通って降りてきた洗浄廃水を回収する。洗浄廃水は、周知の廃水処理技術に従って処理するか、洗浄ノズル138に戻して再利用するかのいずれかが可能である。
【0071】
図示した実施例、特に図7において、タンク146は、前洗浄ノズル136の直下に配置された前洗浄部146aと、洗浄ノズルアレイ140の下に配置された洗浄部146bと、リンスノズルアレイ140aの直下に配置されたリンス部146cとを含んでもよい。タンク146は、各部分146a、146b、146cを分離する一連の仕切りまたはバッフル(表示せず)を含んでもよい。各部分146a、146b、146cにおいて、処理用水はタンクに捕捉され、バッフルが各部分146a、146b、146cの間の下層流を形成して、各部分146a、146b、146cの間に水を分配する。ある実施例において、リンスノズルアレイ140aに供給される精製水は加熱水であってよい。従って、通常、リンス部146cの水は前洗浄部146aの水に比べて高温であるので、タンク146内には温度勾配が存在する。水の使用量を節約し、流れの均衡を保つために、リンスノズルアレイ140aに供給される水流は、前洗浄ノズル136の流量にほぼ一致する。そうして、陰極102のリンスに使用されるすべての水は、次に、下流(陰極102の動きから見ると上流)の前洗浄のステップにおいて利用することができる。各部分146a、146b、146cにおける水流はモニタされて、流量の均衡がほぼ保たれるようにされる。さらに、リンスノズルアレイ140aに供給される入力精製水の流速は、前洗浄タンク146aから出る処理水の廃水処理の流速にほぼ一致する。
【0072】
1つまたは複数の前洗浄ノズル136は加熱水源に接続されて、洗浄チャンバ110に入るとすぐに陰極102を所望の温度に上げることができる。またはその代わりにある実施例においては、リンスノズルアレイ140aに供給される精製水は加熱水であり、前述したように1つまたは複数の前洗浄ノズル136は、下流の洗浄ステップおよび任意選択のリンスステップから回収され再利用された水を供給可能であるので、独立した加熱源を必要としない。従って、前洗浄水は、陰極102を加熱するのに十分なほど既に温かくなっている。
【0073】
図11〜図14を参照すると、洗浄チャンバ110の出口に乾燥システム148を備えることができる。乾燥システム148の入口は細長の通路150であってよい。通路150は通路130と同様であって、その間を、陰極102を、端部を縦にして搬送することができる大きさである。通路150は、陰極の周りの空気流を最小化して、それによって洗浄室110を乾燥システム148に対してほぼ密封された状態に維持するための、密封機構152を含んでもよい。例えば、密封機構152は、係合ブラシまたは対向ゴムフラップの形態であってよい。乾燥システム148の出口は細長の通路154であってよい。
【0074】
乾燥システム148は、陰極102が洗浄チャンバ110から出るときに陰極102の両面の周りに強い空気流を与えて、陰極102の表面を実質的に乾燥させるように適合されている。乾燥システム148は、リンスステップの後、陰極102が比較的高温になっていることを利用する。例えば、リンスステップの後の陰極表面は、60〜80℃である。
【0075】
乾燥システム148は、陰極102の経路の対向する両側に概ね垂直に延びる一対のプレナム(空気溜り)156を含むことができる。洗浄チャンバ110が外気圧に対して負圧になっていることで、外部空気が通路154に入り、陰極102の両側にある空隙158の横を流れる。空気は空隙158の横を流れ、通路150に隣接して設けられた垂直の縦長の隙間160に吸引される。隙間160は、プレナム156のそれぞれの中に空気を供給する。プレナム156は排気ダクト160に接続されている。排気ダクト160は、陰極102の乾燥に使用された空気を個別に排出する。または、排気ダクト160は排気システム114に接続されていて、陰極102の乾燥に使用された空気を洗浄チャンバ110内部からの他の空気と共に排出する。
【0076】
図15を参照すると、陰極102が通路154から現れると、荷重/位置合わせ機構164が起動されて各陰極を取り上げて、取り出しロボット106(図5には表示せず)に搬送のために渡す。ある実施例において、この機構164は、ピストン制御の2本の水平分離アームを備えることができる。アームは各陰極102の懸吊棒を陰極の1つに係合するように適合され、取り出しロボット106で取り上げられる陰極102を精度よく配置する。任意選択として、機構164は陰極102の荷重測定のためのロードセルを備えていてもよい。陰極102が永久陰極である実施例においては、機構164で計量された荷重から、銅の近似的な収量が計算される。さらに、機構164は計算機と連結されて、“スマートストリップ”機能を可能とすることができる。スマートストリップとは、次の永久陰極ブランクから析出銅を剥離除去する剥離作業において、必要なフレキシングを荷重情報を利用して決定することを指す。剥離、スタッキング、ストラッピング、秤量およびマーキング等の後続の陰極処理ステップは、個別の下流工程で行われる。
【0077】
本明細書で開示した電極の洗浄方法とシステムは、特に永久陰極上に生成された陰極製品の洗浄について述べたが、ここで開示した方法とシステムは、スタータシート(starter sheet)上の陰極製品の洗浄に利用することもできる。本明細書で開示した方法とシステムは、消耗された陽極の洗浄にも利用可能である。さらに、本明細書で開示した方法とシステムは、析出の行われていない(例えば、剥離作業が終わり、まだ次の析出工程に入っていない)永久陰極のブランクシートから残留析出物を除去するための洗浄に利用することもできる。そのような実施例において、本方法とシステムは、例えば40,000psi(2,760バール)(=約275MPa)の高圧洗浄スプレイを発生するように構成されたノズルを含むことができる。
【0078】
本明細書において添付の図面を参照して、1つまたは複数の発明について特定の実施形態で説明したが、請求の範囲に記載のそれぞれの発明は、それらの特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に定義されている任意の発明の範囲と精神から逸脱することなしに、当業者によってその中に種々の変更及び修正を実行しうることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極の洗浄方法であって、前記電極は、第1の面と第2の面と外周端とを含み、前記方法は、
a)経路に隣接してその対向する両側に複数の洗浄ノズルを提供し、
b)前記電極を前記経路に沿って端部を縦にして搬送し、
c)前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極の第1の面と第2の面とに当たるように前記ノズルからの洗浄スプレイを向ける、
ことを含む洗浄方法。
【請求項2】
前記電極は底部外周端を支持して搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極を概ね垂直に維持するために前記電極をガイドすることをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記洗浄スプレイは前記経路に対して概ね直交する方向に向けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の洗浄ノズルの2つ以上は、前記電極の第1の面全体に亘って前記洗浄スプレイを実質的に垂直に向け、前記洗浄スプレイは、前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記第1の面の底部より先に前記第1の面の上部に当たる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
a)洗浄部を実質的に取り囲み、
b)前記電極を端部を縦にして前記洗浄部へそれぞれ搬入、搬出可能な、入口と出口とを密封する機構を提供する、
ことを更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記洗浄部を外気圧に対して負圧に維持することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a)前記洗浄ノズルの下流の前記経路に隣接して、少なくとも1つのリンスノズルを提供し、
b)前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極をリンスするために前記少なくとも1つのリンスノズルからのリンススプレイを向ける、
ことを更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記洗浄スプレイに関連する洗浄部と前記リンススプレイに関連するリンス部とを実質的に分離して囲むことを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記洗浄部とリンス部とを外気圧に対して負圧に維持することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
a)前記少なくとも1つのリンスノズルの下からリンス廃水を回収し、
b)前記リンス廃水の少なくとも一部を前記洗浄スプレイ用の前記洗浄ノズルへ供給する、
ことを更に含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
a)前記洗浄ノズルの上流の前記経路に隣接して、温水源に接続された少なくとも1つの前洗浄ノズルを提供し、
b)洗浄前に前記電極を濡らしかつ前記電極温度を外気温度より上げるために、前記少なくとも1つの前洗浄ノズルからの前洗浄スプレイを前記電極上へ向ける、
ことを更に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
a)前記洗浄ノズルの下から廃水を回収し、
b)前記廃水の少なくとも一部を前記前洗浄スプレイ用の前記少なくとも1つの前洗浄ノズルへ供給する、
ことを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電極を乾燥させるために前記電極を空気流にさらすことを更に含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
電極を洗浄する方法であって、
a)前記電極を経路に沿って端部を縦にして搬送し、
b)前記経路に隣接して少なくとも1つの洗浄ノズルを提供し、
c)前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極を洗浄するために、前記洗浄ノズルからの洗浄スプレイを前記電極上に向け、
d)前記経路に隣接して少なくとも1つのリンスノズルを提供し、
e)前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極をリンスするために、前記洗浄ノズルからのリンススプレイを前記電極上に向ける、
ことを含む方法。
【請求項16】
前記リンススプレイ水の少なくとも一部を前記洗浄スプレイに使用するために回収することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(a)の前に、
a)前記経路に隣接して、温水源に接続された少なくとも1つの前洗浄ノズルを提供し、
b)前記前洗浄ノズルからの前洗浄スプレイを、洗浄前に前記電極を濡らしかつ前記電極温度を上げるために、前記電極上へ向ける、
ことを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記洗浄スプレイ水の少なくとも一部を前記前洗浄スプレイに使用するために回収することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ステップ(e)の次に、前記電極を乾燥するために前記電極を空気流にさらすことを更に含む、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
複数の電極の洗浄システムであって、前記電極のそれぞれは、第1の面と第2の面と外周端とを含み、前記システムは、
a)前記電極を経路に沿って端部を縦にして搬送するコンベヤと、
b)前記経路に隣接した対向する両側に配置された複数の洗浄ノズルであって、前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに前記電極に当たるように向けられた洗浄ノズルと、
を備えるシステム。
【請求項21】
前記コンベヤは、各電極の底部外周端を支持するためのコンベヤベルトを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記コンベヤベルトは、前記各電極の底部外周端を支持して前記電極を前記コンベヤベルトよりも概ね上方に維持するための、少なくとも1つの支持留め具を含む、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
前記コンベヤベルトは、前記電極を前記経路に沿って押し出すために、前記電極の後方外周端を係合するための少なくとも1つの安全止めを含む、請求項20〜22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記経路の両側面に横方向に配置された複数のガイドレールを更に備え、前記ガイドレールは前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに前記電極を概ね垂直に維持する、請求項20〜23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記洗浄ノズルは前記経路に対してそれぞれが概ね直交する方向に向けられる、請求項20〜24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数の洗浄ノズルの2つ以上は、直線的に配置されてノズルアレイを形成し、
前記ノズルアレイは、前記洗浄スプレイを前記電極の第1の面の全体に亘って実質的に垂直に向けるように適合され、
前記ノズルアレイは、前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記洗浄スプレイを前記第1の面の底部より先に上部に当てるように角度が付けられている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記洗浄ノズルに係わる洗浄部分を取り囲む囲いを更に備え、前記囲いは密封機構を有する入口と出口とを含んでいる、請求項20〜26のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
前記経路に隣接して配置された少なくとも1つのリンスノズルを更に備え、前記電極が前記経路に沿って前記洗浄ノズルから下流方向に搬送されるときに、前記電極をリンスするために、前記少なくとも1つのリンスノズルは前記経路の方向に向けられている、請求項20〜27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
囲いを更に備え、前記囲いは、前記少なくとも1つの洗浄ノズルに係わる洗浄部と、前記少なくとも1つのリンスノズルに係わるリンス部とを実質的に分離して囲い込み、前記洗浄部と前記リンス部とは隔壁によって分離されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのリンスノズルの直下に配置されたリンスタンクを更に備え、前記リンスタンクは前記洗浄ノズルにリンス廃水を供給するために前記洗浄ノズルに接続されている、請求項28又は29に記載のシステム。
【請求項31】
前記経路に隣接して配置された少なくとも1つの前洗浄ノズルを更に備え、前記電極が前記経路に沿って前記洗浄ノズルから下流方向に搬送されるときに、前記少なくとも1つの前洗浄ノズルは、前記電極を濡らすために前記経路の方向に向けられている、請求項20〜30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの前洗浄ノズルは温水源に接続されて、前記前洗浄スプレイが洗浄前に電極温度を外気温度よりも上げるようになっている、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記洗浄ノズルの直下に配置された洗浄タンクを更に備え、前記洗浄タンクは前記前洗浄ノズルに接続されて、前記洗浄廃水の少なくとも一部を前記前洗浄スプレイ用に前記前洗浄ノズルに供給する、請求項31又は32に記載のシステム。
【請求項34】
前記囲いの中の空間を外気圧に対して負圧に維持するように適合された排気システムを更に備える、請求項27又は29に記載のシステム。
【請求項35】
前記電極を乾燥するために前記囲いの出口に配置された乾燥システムを更に備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記乾燥システムは、前記電極の経路の対向する両側に概ね垂直に延びる一対のプレナムを含み、前記プレナムの各々は、前記電極の側面に沿って空気を吸引するための、垂直に延びる縦長の隙間を含み、前記プレナムは空気を排出するための前記排気システムに接続されている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記乾燥システムは、前記電極を端部を縦にしてその間を搬送することが可能な大きさの縦長の通路を含み、前記乾燥システムは、それによって前記電極の周りの空気流を最小化し、前記囲いを前記乾燥システムに対してほぼ密封状態に維持する密封機構を更に含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記システムの2つの組合わせであって、前記2つのシステムが別々の電極列を洗浄するために平行に配列されている、請求項20〜37のいずれか1項に記載の2つのシステム。
【請求項39】
添付の図面を参照して以上に実質的に説明され、もしくは添付の図面に実質的に示された電極洗浄の方法またはシステム。
【請求項1】
電極の洗浄方法であって、前記電極は、第1の面と第2の面と外周端とを含み、前記方法は、
a)経路に隣接してその対向する両側に複数の洗浄ノズルを提供し、
b)前記電極を前記経路に沿って端部を縦にして搬送し、
c)前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極の第1の面と第2の面とに当たるように前記ノズルからの洗浄スプレイを向ける、
ことを含む洗浄方法。
【請求項2】
前記電極は底部外周端を支持して搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極を概ね垂直に維持するために前記電極をガイドすることをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記洗浄スプレイは前記経路に対して概ね直交する方向に向けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の洗浄ノズルの2つ以上は、前記電極の第1の面全体に亘って前記洗浄スプレイを実質的に垂直に向け、前記洗浄スプレイは、前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記第1の面の底部より先に前記第1の面の上部に当たる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
a)洗浄部を実質的に取り囲み、
b)前記電極を端部を縦にして前記洗浄部へそれぞれ搬入、搬出可能な、入口と出口とを密封する機構を提供する、
ことを更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記洗浄部を外気圧に対して負圧に維持することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a)前記洗浄ノズルの下流の前記経路に隣接して、少なくとも1つのリンスノズルを提供し、
b)前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極をリンスするために前記少なくとも1つのリンスノズルからのリンススプレイを向ける、
ことを更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記洗浄スプレイに関連する洗浄部と前記リンススプレイに関連するリンス部とを実質的に分離して囲むことを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記洗浄部とリンス部とを外気圧に対して負圧に維持することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
a)前記少なくとも1つのリンスノズルの下からリンス廃水を回収し、
b)前記リンス廃水の少なくとも一部を前記洗浄スプレイ用の前記洗浄ノズルへ供給する、
ことを更に含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
a)前記洗浄ノズルの上流の前記経路に隣接して、温水源に接続された少なくとも1つの前洗浄ノズルを提供し、
b)洗浄前に前記電極を濡らしかつ前記電極温度を外気温度より上げるために、前記少なくとも1つの前洗浄ノズルからの前洗浄スプレイを前記電極上へ向ける、
ことを更に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
a)前記洗浄ノズルの下から廃水を回収し、
b)前記廃水の少なくとも一部を前記前洗浄スプレイ用の前記少なくとも1つの前洗浄ノズルへ供給する、
ことを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電極を乾燥させるために前記電極を空気流にさらすことを更に含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
電極を洗浄する方法であって、
a)前記電極を経路に沿って端部を縦にして搬送し、
b)前記経路に隣接して少なくとも1つの洗浄ノズルを提供し、
c)前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極を洗浄するために、前記洗浄ノズルからの洗浄スプレイを前記電極上に向け、
d)前記経路に隣接して少なくとも1つのリンスノズルを提供し、
e)前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記電極をリンスするために、前記洗浄ノズルからのリンススプレイを前記電極上に向ける、
ことを含む方法。
【請求項16】
前記リンススプレイ水の少なくとも一部を前記洗浄スプレイに使用するために回収することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(a)の前に、
a)前記経路に隣接して、温水源に接続された少なくとも1つの前洗浄ノズルを提供し、
b)前記前洗浄ノズルからの前洗浄スプレイを、洗浄前に前記電極を濡らしかつ前記電極温度を上げるために、前記電極上へ向ける、
ことを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記洗浄スプレイ水の少なくとも一部を前記前洗浄スプレイに使用するために回収することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ステップ(e)の次に、前記電極を乾燥するために前記電極を空気流にさらすことを更に含む、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
複数の電極の洗浄システムであって、前記電極のそれぞれは、第1の面と第2の面と外周端とを含み、前記システムは、
a)前記電極を経路に沿って端部を縦にして搬送するコンベヤと、
b)前記経路に隣接した対向する両側に配置された複数の洗浄ノズルであって、前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに前記電極に当たるように向けられた洗浄ノズルと、
を備えるシステム。
【請求項21】
前記コンベヤは、各電極の底部外周端を支持するためのコンベヤベルトを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記コンベヤベルトは、前記各電極の底部外周端を支持して前記電極を前記コンベヤベルトよりも概ね上方に維持するための、少なくとも1つの支持留め具を含む、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
前記コンベヤベルトは、前記電極を前記経路に沿って押し出すために、前記電極の後方外周端を係合するための少なくとも1つの安全止めを含む、請求項20〜22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記経路の両側面に横方向に配置された複数のガイドレールを更に備え、前記ガイドレールは前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに前記電極を概ね垂直に維持する、請求項20〜23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記洗浄ノズルは前記経路に対してそれぞれが概ね直交する方向に向けられる、請求項20〜24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数の洗浄ノズルの2つ以上は、直線的に配置されてノズルアレイを形成し、
前記ノズルアレイは、前記洗浄スプレイを前記電極の第1の面の全体に亘って実質的に垂直に向けるように適合され、
前記ノズルアレイは、前記電極が前記経路に沿って搬送されるときに、前記洗浄スプレイを前記第1の面の底部より先に上部に当てるように角度が付けられている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記洗浄ノズルに係わる洗浄部分を取り囲む囲いを更に備え、前記囲いは密封機構を有する入口と出口とを含んでいる、請求項20〜26のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
前記経路に隣接して配置された少なくとも1つのリンスノズルを更に備え、前記電極が前記経路に沿って前記洗浄ノズルから下流方向に搬送されるときに、前記電極をリンスするために、前記少なくとも1つのリンスノズルは前記経路の方向に向けられている、請求項20〜27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
囲いを更に備え、前記囲いは、前記少なくとも1つの洗浄ノズルに係わる洗浄部と、前記少なくとも1つのリンスノズルに係わるリンス部とを実質的に分離して囲い込み、前記洗浄部と前記リンス部とは隔壁によって分離されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのリンスノズルの直下に配置されたリンスタンクを更に備え、前記リンスタンクは前記洗浄ノズルにリンス廃水を供給するために前記洗浄ノズルに接続されている、請求項28又は29に記載のシステム。
【請求項31】
前記経路に隣接して配置された少なくとも1つの前洗浄ノズルを更に備え、前記電極が前記経路に沿って前記洗浄ノズルから下流方向に搬送されるときに、前記少なくとも1つの前洗浄ノズルは、前記電極を濡らすために前記経路の方向に向けられている、請求項20〜30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの前洗浄ノズルは温水源に接続されて、前記前洗浄スプレイが洗浄前に電極温度を外気温度よりも上げるようになっている、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記洗浄ノズルの直下に配置された洗浄タンクを更に備え、前記洗浄タンクは前記前洗浄ノズルに接続されて、前記洗浄廃水の少なくとも一部を前記前洗浄スプレイ用に前記前洗浄ノズルに供給する、請求項31又は32に記載のシステム。
【請求項34】
前記囲いの中の空間を外気圧に対して負圧に維持するように適合された排気システムを更に備える、請求項27又は29に記載のシステム。
【請求項35】
前記電極を乾燥するために前記囲いの出口に配置された乾燥システムを更に備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記乾燥システムは、前記電極の経路の対向する両側に概ね垂直に延びる一対のプレナムを含み、前記プレナムの各々は、前記電極の側面に沿って空気を吸引するための、垂直に延びる縦長の隙間を含み、前記プレナムは空気を排出するための前記排気システムに接続されている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記乾燥システムは、前記電極を端部を縦にしてその間を搬送することが可能な大きさの縦長の通路を含み、前記乾燥システムは、それによって前記電極の周りの空気流を最小化し、前記囲いを前記乾燥システムに対してほぼ密封状態に維持する密封機構を更に含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記システムの2つの組合わせであって、前記2つのシステムが別々の電極列を洗浄するために平行に配列されている、請求項20〜37のいずれか1項に記載の2つのシステム。
【請求項39】
添付の図面を参照して以上に実質的に説明され、もしくは添付の図面に実質的に示された電極洗浄の方法またはシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2012−502184(P2012−502184A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526359(P2011−526359)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001269
【国際公開番号】WO2010/028498
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(510051288)イーピーシーエム サービシズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001269
【国際公開番号】WO2010/028498
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(510051288)イーピーシーエム サービシズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
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