説明

電気光学装置及び電気光学装置の駆動方法

【課題】ブロック順次駆動方式を用いたときの、ブロック境界付近の表示ムラの発生を、比較的簡易な構成で抑制することができる電気光学装置及び電気光学装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】信号線を複数本毎にまとめたブロック単位で順次駆動するブロック順次駆動方式を行う電気光学装置において、赤系(R)、緑系(G)及び青系(B)のガンマ設定と、赤系(R)及び青系(B)の補正用ガンマ設定とを記憶し、互いに隣接する1組のブロックのうち、先に選択されるブロックに属する信号線であって次に選択されるブロックに最も接近している末尾信号線に対応する画素に対して、入力表示データの階調レベルを前記補正用ガンマ設定で補正したデータに応じた階調表示電圧を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック単位で画素に表示データを供給する電気光学装置及び電気光学装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型の表示装置では、複数の走査信号線と複数のデータ信号線とを用いてマトリクス状に配置された各表示領域に所望の表示を行う。このような表示装置では、複数の走査信号線について順次選択を行い、また、選択されている走査信号線に対応する各画素へ、映像信号を、データ信号線を介して順次供給するために、シフトレジスタ回路技術が用いられる。
【0003】
シフトレジスタは、走査信号線やデータ信号線の数に応じた段数のフリップフロップ等のシフトレジスタ回路要素を有するが、フリップフロップ等のシフトレジスタ回路要素の動作周波数には限界があり、例えば、現状では数MHz程度である。このため、特に本数の多いデータ信号線の場合には、データ信号線を複数のブロックに分割し、ブロック毎に駆動するブロック順次駆動方式が採用される。
【0004】
しかしながら、このようなブロック順次駆動方式においては、ブロックの境界付近で表示ムラが生じることがある。
この表示ムラが発生する原因の一つとして、境界線上の信号線が、隣接する信号線との間の寄生容量によって電位の遥動を受けることで、書き込んだデータに誤差が生じるということが挙げられる。
【0005】
そこで、互いに隣接する信号線をそれぞれ有する1組のブロックにおいて、データ信号の印加終了時期が早い方のブロックをBL1、遅い方のブロックをBL2とし、ブロックBL1,BL2にそれぞれ属し、互いに隣接する信号線をそれぞれSL1,SL2とするとき、1水平走査期間内に、その行で、BL1への正規の導通としてのデータ信号の印加終了時期に先立って予行の導通としてSL2を導通させるデータ伝送方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、上記ブロックBL2に属する信号線SL2の電圧変化を予測し、その予測結果に基づいてSL2に隣接する信号線SL1に対応する画像信号を補正して、当該SL1に供給することで、SL2の電圧変化によって発生するノイズが結合容量を介してSL1に混入した場合でも、そのノイズ成分を上記画像信号の補正によって相殺する電気光学装置の駆動方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。ここでは、SL2の電圧変化を、SL2に対応する画像信号とプリチャージ電圧とに基づいて予測している。
【0007】
さらに、上記信号線SL2に隣接する信号線SL1に、SL2と同じタイミングで再びデータ信号を供給することで、SL1とSL2との結合容量による電圧変化を防止する半導体装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−255852号公報
【特許文献2】特開2001−343923号公報
【特許文献3】特開2003−330403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記各特許文献に記載の電気光学装置にあっては、パネル内部の動作を複雑に制御する必要がある。
そこで、本発明は、ブロック順次駆動方式を用いたときの、ブロック境界付近の表示ムラの発生を、比較的簡易な構成で抑制することができる電気光学装置及び電気光学装置の駆動方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の発明に係る電気光学装置は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との交差に対応して設けられた複数の画素と、前記走査線に対して所定の順番で選択電圧を供給する走査線駆動回路と、前記走査線に対して前記選択電圧が供給される1水平走査期間に、前記信号線を複数本毎にまとめたブロック単位で、各信号線に対応する前記画素にそれぞれ入力表示データに応じた階調表示電圧を供給する信号線駆動回路と、を備える電気光学装置であって、前記信号線駆動回路は、前記画素の表示色のそれぞれに対応したガンマ設定と、互いに隣接する1組のブロックのうち、先に選択されるブロックに属する信号線であって、次に選択されるブロックに接近している末尾信号線に対応する画素の表示色に応じた補正用ガンマ設定と、を記憶する記憶回路と、前記入力表示データ及び前記記憶回路に記憶したガンマ設定に応じた階調表示電圧を選択する電圧選択回路と、を有し、前記電圧選択回路は、前記末尾信号線に対応する画素に供給する前記階調表示電圧として、当該末尾信号線の入力表示データ及び前記補正用ガンマ設定に応じた電圧を選択することを特徴としている。
【0010】
これにより、ブロック順次駆動方式を採用する場合において、互いに隣接する2つのブロックのうち後に駆動されるブロックに最も接近している信号線を補正対象の信号線とし、当該補正対象の信号線の入力データに対して階調補正を行うことができるので、ブロック境界付近の表示ムラの発生を抑制することができる。
また、新たに前記補正対象の信号線に対応する色の補正用ガンマ設定を設けるので、複雑な演算を行うことなく、当該補正対象の信号線の入力データに対する階調補正を行うことができる。このとき、補正対象の信号線に対応する画素が何れの色成分のカラーフィルタを有する場合であっても階調補正が可能となる。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記電圧選択回路は、前記入力表示データの階調レベルを前記記憶回路に記憶したガンマ設定をもとに補正する補正回路と、前記補正回路で補正した入力表示データに対応する前記階調表示電圧を選択する選択回路と、を備えることを特徴としている。
これにより、レジスタ等に記憶した各ガンマ設定を用いて入力表示データの階調レベルを補正するので、各色のガンマ設定に応じた階調補正を行うことができる。このように、比較的簡易な回路構成で画質の向上を実現することができる。
【0012】
さらに、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記信号線駆動回路は、前記各信号線に対する電圧供給順序を順逆双方向に切り換え可能な双方向シフトレジスタを有し、前記記憶回路は、前記補正用ガンマ設定として、前記電圧供給順序が順方向であるときの前記末尾信号線に対応する画素の表示色に応じたガンマ設定と、前記電圧供給順序が逆方向であるときの前記末尾信号線に対応する画素の表示色に応じたガンマ設定とを記憶することを特徴としている。
【0013】
これにより、ブロック順次駆動方向、即ちブロックを選択する方向を順方向と逆方向とで切り換えることで、補正対象となる信号線が変化した場合であっても、適切に当該補正対象の信号線の入力データに対する階調補正を行うことができ、ブロック境界付近の表示ムラを確実に抑制することができる。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明において、前記画素に対してカラーフィルタを備え、前記カラーフィルタは、少なくとも赤系、緑系及び青系の何れかの色を含むことを特徴としている。
これにより、適正なカラー表示を行うことができる。
【0014】
さらに、第5の発明の電気光学装置の駆動方法は、走査線に対して所定の順番で選択電圧を供給し、前記走査線に対して前記選択電圧が供給される1水平走査期間に、信号線を複数本毎にまとめたブロック単位で、各信号線に対応する画素にそれぞれ入力表示データに応じた階調表示電圧を供給する電気光学装置の駆動方法であって、前記画素の表示色のそれぞれに対応したガンマ設定と、互いに隣接する1組のブロックのうち、先に選択されるブロックに属する信号線であって、次に選択されるブロックに接近している末尾信号線に対応する画素の表示色に応じた補正用ガンマ設定と、を記憶し、前記末尾信号線に対応する画素に、当該末尾信号線の入力表示データ及び前記補正用ガンマ設定に応じた前記階調表示電圧を選択することを特徴としている。
【0015】
これにより、比較的簡易な構成で、ブロック順次駆動方式におけるブロック境界付近の表示ムラを抑制することができる電気光学装置の駆動方法とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の電気光学装置としての液晶表示装置10の構成を示すブロック図である。
この図1に示すように、液晶表示装置10は、表示領域14を有しており、この表示領域14の周囲に、制御回路20、走査線駆動回路16、信号線駆動回路30が配置されている。
【0017】
このうち、表示領域14は、複数の画素が配列する領域であり、本実施形態では、480行の走査線が行(X)方向に延在すると共に、2400列の信号線が列(Y)方向に延在しており、これらの480行の走査線と2400列の信号線との交差に対応して、画素がそれぞれ配列しているものとする。
本実施形態の液晶表示装置10は、ガラス基板12の上に薄型トランジスタ(TFT)等の半導体素子が低温ポリシリコン技術で形成されたものを用い、カラーフィルタ等が形成されたもう1枚のガラス基板との間に液晶分子が挟持されて構成される。これにより、カラー表示が可能となっている。
【0018】
上記カラーフィルタは、各画素に対応して原色の着色が施された着色領域を有する。本実施形態におけるカラーフィルタは、R(赤系)、G(緑系)、B(青系)の3色の着色領域を有し、行方向に3色の画素がRGBの順に配置され、列方向には同じ色の画素が配置されるストライプ型の画素配置となっているものとする。
なお、本実施形態の液晶表示装置10として、画素が表示領域14において、縦480行×横2400列(RGBの3色分を含め、3×800=2400)でマトリクス状に配列している、所謂フルカラーWVGAを採用する場合について説明するが、本発明をこの配列に限定する趣旨ではない。
【0019】
走査線駆動回路16と信号線駆動回路30とは、SOG(System On Glass)技術として上記の低温ポリシリコン技術で形成されたものを用いることができるほか、高速性等の要求のために、別チップのICをCOG(Chip On Glass)技術を用いて搭載したものを用いることができる。
制御部20は、映像信号(デジタルRGB表示データ)21や制御信号24を走査線駆動回路16や信号線駆動回路30に出力する。この制御部20は、液晶表示装置10の構成要素の1つとしてもよく、或いは別の外部装置として構成してもよい。
【0020】
走査線駆動回路16は、適当な入力信号を入力し、クロック信号の変化に同期させて、入力信号と同様な信号を、時間を順次ずらして出力する機能を有するシフトレジスタを内蔵する回路であり、例えば、480段のシフトレジスタの場合、入力信号と同様な信号を、クロック信号の変化毎に順次480個出力する。この順次シフトして出力される信号を、表示領域14の走査線選択信号26として用いることで、クロック信号の変化に同期して、480本の走査線を順次選択することができる。
【0021】
信号線駆動回路30もシフトレジスタを含むが、ここでは信号線の数が2400本と多いため、2400段のシフトレジスタを用いると、走査に時間がかかる。そこで、2400本の信号線をm=24本毎にn=100個のブロックに分割し、100段のシフトレジスタを用いる。
そして、信号線駆動回路30は、制御部20から供給される映像信号21を受け取り、2400本の信号線に相当する1水平走査期間の映像信号を100分割し、ブロック毎にまとめたブロック単位のデータ28として各信号線に供給する機能を有する。すなわち、信号線駆動回路30は、制御部20からの制御信号24の制御の下で、n=100段のシフトレジスタの作動と、n=100群の選択スイッチ群の作動とに合わせて、ブロック単位のデータ28をm=24本毎の信号線に順次供給することで、結果としてn×m=2400本の信号線にそれぞれ映像信号を供給する。
【0022】
図2は、信号線駆動回路30の構成を示す図である。この信号線駆動回路30は、ドライバ部32と、シフトレジスタ38と、選択スイッチ群40とを含んで構成される。なお、ドライバ部32を信号線駆動回路30の構成要素とせずに、別チップのドライバICとして構成することもできる。例えば、シフトレジスタ38と選択スイッチ群40とをSOG技術によってガラス基板上に形成し、ドライバ部32を別チップとしてCOG技術によってガラス基板上に実装することもできる。
【0023】
ドライバ部32は、図1の制御部20から供給される映像信号21を処理する映像信号処理回路34と、映像信号処理回路34で処理した映像信号データ22を1水平走査期間単位で記憶するラインメモリ35と、ラインメモリ35に記憶される映像信号データの一部であって、ブロック単位で抜き出した映像信号データを記憶するブロック分メモリ36とを含んで構成される。
【0024】
映像信号処理回路34は、256階調表示の場合、映像信号21としてRGB各8ビットのデジタルRGB表示データを受け取り、この映像信号21に対して後述する階調補正等の信号処理を施して、各信号線に供給する1水平走査期間の映像信号データをラインメモリ35に転送する。
1水平走査期間の映像信号データは、n×m=2400本の信号線に分けて供給されるので、各信号線に対応する映像信号データを信号線毎データと呼ぶことにすると、ラインメモリ35は、n×m=2400個の信号線毎データを並べて記憶するメモリということになる。また、ブロック分メモリ36は、各ブロック用にm=24個の信号線毎データを記憶する。
【0025】
ラインメモリ35の2400個の信号線毎データから、任意のブロック用の信号線毎データを抜き出して記憶するには、制御部20からの制御信号の指令による。例えば、100ブロックを区別するため、B1からB100まで番号を付すものとすると、制御部20が信号線駆動回路30に対してB1からB100までのブロック番号を順次指定することで、指定されたブロック番号に対応する24個の信号線毎データがラインメモリ35から順次抜き出されてブロック分メモリ36に転送される。
【0026】
転送されたデータは、一旦ブロック分メモリ36に記憶された後、24個のデータ42(VD1〜VD24)として選択スイッチ群40に供給される。
したがって、制御部20がブロック番号をB1からB100まで順次指定すると、選択スイッチ群40には、ブロックB1からB100までブロック毎にまとまったデータ42が順次供給され、制御部20がブロック番号をB100からB1まで順次指定すると、選択スイッチ群40には、ブロックB100からB1までブロック毎にまとまったデータ42が順次供給されることになる。
【0027】
シフトレジスタ38は、上記のように、適当な入力信号を入力し、クロック信号の変化に同期させて、入力信号と同様の信号を、時間を順次ずらして出力する機能を有し、ここでは100段で構成されている。これにより、入力信号と同様な信号を、クロック信号の変化毎に順次100個出力することになる。図2では、この順次出力する信号を、順次シフト信号44(SR)として示している。そして、この順次シフト信号44を、100個のブロックであるB1からB100の各ブロックの選択信号とすることで、クロック信号の変化に同期して、100個のブロックB1〜B100を順次選択することができる。
【0028】
シフトレジスタ38としては、複数のデータフリップフロップ等を直列に接続し、これをクロック信号で駆動し、データを前段から後段に順次転送する方式を採用する。そして、本実施形態のシフトレジスタ38は、図示しない転送方向制御信号によってシフトパルスを転送する方向(ブロック順次駆動の方向)が制御されるようになっており、ここでは、1水平走査期間毎にシフトパルスの転送方向を切り換えるようにするものとする。
【0029】
したがって、x番目の走査線が選択されているときには、ブロックがB1、B2、…B100の順(順方向)に選択され、x+1番目の走査線が選択されているときには、ブロックがB100、B99、…、B1の順(逆方向)に選択されることになる。
なお、x番目の走査線が選択された場合と、x+1番目の走査線が選択された場合とでは、ブロック分メモリ36から出力されるブロック毎のデータ42の順番も逆になる。すなわち、制御部20は、ラインメモリ35に対して、ブロック番号を指定する順番を1水平走査期間毎に切り換えるようになっている。
【0030】
選択スイッチ群40は、100個のブロックにそれぞれ対応して設けられる100群の選択スイッチ群であり、各選択スイッチ群40は、それぞれ複数の選択スイッチ50から構成される。各群を構成する選択スイッチ50の数は、対応するブロックにおけるブロック分メモリ36の信号線毎データの数と同じである。すなわち、各ブロックに対応する選択スイッチ群40はそれぞれ24個の選択スイッチ50で構成され、100個の選択スイッチ群40を構成する選択スイッチの総数は2400個となる。
【0031】
この選択スイッチ群40は、ブロック分メモリ36から順次供給されるデータ42を、シフトレジスタ38からの順次シフト信号44によって順次選択されるブロックに対応する信号線に、それぞれブロック単位のデータ28として供給する。なお、図2では、選択スイッチ群40の出力に数字の1から2400を付し、表示領域の2400本の信号線に対応することを示している。
【0032】
図3は、選択スイッチ群40と表示領域14との構成を一部拡大して示す図である。
この図3に示すように、順次シフト信号44は、SR1からSR100として、各ブロックに対応する100組の信号線に供給される。また、選択スイッチ群40の出力は、B1からB100のブロック毎にまとまって、表示領域14の信号線D1からD2400に供給される。
【0033】
順次シフト信号44は、シフトレジスタ38の各段の出力に対応し、上述したように100組の信号線に供給される。各信号線にはそれぞれ選択スイッチ50が接続されており、1組の信号線には同じ順次シフト信号が供給されるので、1組の信号線に接続される各選択スイッチ50は同時にオン、オフすることになる。
選択スイッチ50は、pチャネルトランジスタとnチャネルトランジスタとを組み合わせたトランスミッションゲート型のスイッチで、pチャネルトランジスタとnチャネルトランジスタとを同時にオン、オフさせるために、シフト信号を反転させるインバータが各選択スイッチ50に設けられている。各選択スイッチ50は、一端が、データ42(VD1〜VD24)が供給される信号線の何れかに接続され、他端が表示領域14の信号線D1からD2400の何れかに接続される。
【0034】
例えば、図3の破線丸印で囲まれた選択スイッチ50は、順次シフト信号SR1によってオン、オフし、一端がデータVD3、他端が信号線D3に接続される。したがって、順次シフト信号SR1によってこの選択スイッチ50がオンすると、信号線D3にデータVD3が供給されることになる。
表示領域14には、2400本の信号線D1〜D2400と、480本の走査線G1〜G480とが直交して配置され、信号線と走査線との各交差に対応して画素が配置される。
【0035】
各画素は、スイッチング素子として機能するnチャンネル型の薄型トランジスタ(以下、TFTと称す)56と、画素電極58とを有する。また、各信号線と画素電極との間には、配線間容量等に起因する容量60,62が存在する。
【0036】
次に、ブロック順次駆動方式の動作について説明する。この1水平走査期間では、ブロック順次駆動の方向、即ちブロックを選択する方向を図3における左側から右側とし、B1、B2、…、B100の順に選択するものとする。
【0037】
まず、最初のブロックB1は次のように動作する。このブロックB1は、表示領域14において、信号線D1〜D24を1つのブロックとしたものである。
制御部20からの制御信号24によってブロックB1が指定されると、ラインメモリ35からブロックB1に対応する信号線毎データが抜き出されてブロック分メモリ36に転送され、これらが選択スイッチ群40にVD1〜VD24として供給される。
【0038】
また、制御部20からの制御信号24によって、シフトレジスタ38よりブロックB1を選択するための順次シフト信号SR1が出力されると、信号線D1〜D24に接続された24個の選択スイッチ50が一斉にオンする。これにより、データVD1は信号線D1に、データVD2は信号線D2に、以下同様に、データVD24は信号線D24に供給される。
このようにして、ブロックB1に属する24本の信号線D1〜D24に、それぞれに対応する信号線毎データが供給される。
【0039】
そして、次に、ブロックB2に対応する順次シフト信号SR2が出力されることになるが、その前に、ラインメモリ35からブロックB2に対応する信号線毎データが抜き出されてブロック分メモリ36に転送され、これらが選択スイッチ群40にVD1〜VD24として供給される。
【0040】
ブロックB2に対応する選択スイッチ群も、ブロックB1に対応する選択スイッチ群と同様の構成であり、図3では図示を省略しているが、24個の選択スイッチ50はそれぞれ表示領域14の信号線D25からD48に接続されている。
したがって、ブロックB1用の順次シフト信号SR1がオフとなり、次の順次シフト信号SR2がオンとなると、ブロックB2用のデータVD1は信号線D25に、データVD2は信号線D26に、以下同様に、データVD24は信号線D48に供給される。
【0041】
このようにして、ブロックB2に属する24本の信号線D25〜D48に、それぞれに対応する信号線毎データが供給される。この動作を、ブロックB100に対応する順次シフト信号SR100が出力されるまで繰り返すことで、走査線駆動回路16で選択した行に対応する2400本の信号線D1〜D2400にそれぞれ信号線毎データが供給され、1行分のデータ書き込みが完了する。
【0042】
図4は、映像信号処理回路34の構成を示すブロック図である。
ここでは、入力表示データ(映像信号21)の階調レベルを各色のガンマ設定に応じて補正することで、各色の階調補正を行っている。
この映像信号処理回路34は、入力ラッチ回路34aと、ガンマ設定レジスタ34bと、画像処理回路34cと、データラッチ回路34dと、レベルシフタ回路34eと、DA変換回路34fと、出力バッファ回路34gと、階調電圧発生回路34hと、を備えている。
【0043】
なお、ガンマ設定レジスタ34bが記憶回路に対応し、画像処理回路34cが補正回路に対応し、DA変換回路34fが選択回路に対応している。
制御部20から供給された映像信号21としてのRGB各8ビットのデジタルRGB表示データDR,DG,DBは、入力ラッチ回路34aにおいて時分割で内部にラッチされる。そして、その入力表示データは、ガンマ設定レジスタ34bのレジスタ値をもとに画像処理回路34cで処理され、データラッチ回路34d、レベルシフタ回路34eを経て、階調電圧発生回路34hから供給される基準階調電圧V0〜V255をもとに、DA変換回路34fによりDA変換される。
【0044】
DA変換回路34fは、階調電圧発生回路34hから供給される基準階調電圧V0〜V255から、レベルシフタ回路34eでレベル変換された表示データに応じたアナログ電圧(階調表示電位)を選択する。この階調表示を表すアナログ電圧は、出力バッファ回路34gを介して上述したラインメモリ35に転送される。
ここで、ガンマ設定レジスタ34bは、RGB3つのガンマ設定(R用、G用、B用)に対応するレジスタ値と、補正用ガンマ設定(R補正(R´)用、B補正(B´)用)とを記憶している。
【0045】
そして、画像処理回路34cでは、ブロック順次駆動の方向が順方向であるとき、Rの入力表示データについては、R用ガンマ設定をもとにその階調レベルを補正し、Gの入力表示データについては、G用ガンマ設定をもとにその階調レベルを補正し、ブロックB100を除く各ブロックの末尾信号線(D24、D48、…、D2376)に対応するBの入力表示データについては、B補正用ガンマ設定をもとにその階調レベルを補正し、それ以外のBの入力表示データについては、B用ガンマ設定をもとにその階調レベルを補正する。
【0046】
また、画像処理回路34cでは、ブロック順次駆動の方向が逆方向であるとき、ブロックB1を除く各ブロックの末尾信号線(D2377、D2353、…、D25)に対応するRの入力表示データについては、R補正用ガンマ設定をもとにその階調レベルを補正し、それ以外のRの入力表示データについては、R用ガンマ設定をもとにその階調レベルを補正し、Gの入力表示データについては、G用ガンマ設定をもとにその階調レベルを補正し、Bの入力表示データについては、B用ガンマ設定をもとにその階調レベルを補正する。
【0047】
ところで、信号線をブロック毎に駆動するブロック順次駆動方式を採用した場合、ブロックの境界付近において表示ムラが生じることがある。以下、これについて説明する。
図3で説明したように、表示領域14には、複数の信号線D1〜D2400と、複数の走査線G1〜G480とが直交して配置され、信号線と走査線との各交差に対応して、スイッチング素子56と画素電極58とが配置される。そして、各信号線と画素電極との間には容量60,62が存在する。
【0048】
このような構成により、ある信号線の電位が変化すると、容量60,62を介して他の信号線の電位に変化が生じる。特に、外部から電位が供給されていない信号線はフローティング状態にあるので、他の信号線における電位変化の影響を受け易い。
例えば、今、ブロック順次駆動の方向が順方向であるときに、順次シフト信号SR2が出力されているものとすると、ブロックB2に属する信号線D25からD48までの信号線には、それぞれ対応する信号線毎データに応じた階調表示電位が供給されているので、他の信号線からの影響は受け難い。
【0049】
一方、順次シフト信号SR2が出力されているときには、すでに順次シフト信号SR1の出力は完了しており、ブロックB1に属する信号線D1からD24への階調表示電位の供給は行われていないため、信号線D1〜D24はフローティング状態となっており、ブロックB2に属する信号線D25〜D48の電位の影響を受け易い状態となっている。
ブロックB1に属する信号線D1〜D24に対応する画素は、SR1によって供給された階調表示電位によって充電されて画像表示に必要な電位を保持しているが、信号線D25〜D48の電位の影響があると、その画像表示のための電位が変動し、表示状態が変化してしまう。このようにして、ブロックB2に信号線毎データが書き込まれるとき、隣接するブロックB1に既に書き込まれた信号線毎データが変動し、表示ムラが生じることがある。
【0050】
この容量結合による影響は、電位が変動する信号線から離れるにしたがって弱くなる。そのため、最も表示ムラが生じ易いのは、隣接するブロックにおいて、データ書き込みが行われているブロックに隣接する信号線との間である。SR2が出力されている場合、ブロックB2の先頭信号線D25の影響は、ブロックB1の末尾信号線D24が最も受け易く、信号線D24とD25との間で表示ムラが最も生じ易い。そして、信号線D25によって受ける影響は、信号線D24よりも信号線D23の方が少なく、信号線D22が受ける影響はさらに少ない。
【0051】
したがって、まずは隣接するブロックにおいて、最も隣接する信号線との間での表示ムラを抑制するようにする。
そのためには、信号線毎データが供給されるブロックの信号線のうち、当該ブロックに隣接し、且つ次に信号線毎データが供給されるブロックに最も隣接する信号線、すなわち、順方向において順次シフト信号SR1が出力されているときには、ブロックB1の信号線D24について、また、逆方向において順次シフト信号S100が出力されているときには、ブロックB100の信号線D2377について、上述した容量結合による影響を考慮した信号線毎データを供給することが好ましい。
【0052】
そこで、本実施形態では、画像処理回路34cで、順方向ではブロックB100を除く各ブロックの末尾信号線に対応するBの入力表示データについて、B補正用ガンマ設定をもとに、その階調レベルを、上記影響を考慮した階調レベルに補正し、逆方向ではブロックB1を除く各ブロックの末尾信号線に対応するRの入力表示データについて、R補正用ガンマ設定をもとに、その階調レベルを、上記影響を考慮した階調レベルに補正するようにする。
【0053】
図5は、各階調における最適な階調補正値の一例を示す表であり、丸印(○)はブロック境界付近での表示ムラが目視できないことを示し、バツ印(×)は上記表示ムラが目視できることを示している。
この図5に示すように、入力表示データに対して各階調において3〜4階調加算補正することで、各階調ともほぼブロック境界付近での表示ムラが目視できなくなることがわかる。ただし、図中二重丸印(◎)及び太破線に示すように、各階調における最適な階調補正値は異なる。この例では、低階調レベル(例えば、31階調)や高階調レベル(例えば、223階調)では、最適な階調補正値は2〜3階調であるが、中階調レベル(例えば、127階調)では、最適な階調補正値は4階調程度となる。
【0054】
これは、図6に示すように、電圧(V)に対する輝度(T)の特性を示すV−T曲線の傾きが中間階調付近で急峻になっていることに起因する。中間階調では少しの電圧変化でも輝度が大きく変化する。そのため、この中間階調(例えば、127階調)付近では、他の階調レベルと比較して階調補正値を比較的大きく設定し、入力表示データの階調補正を大きく行う必要がある。
【0055】
図7は、通常のB用ガンマ設定とB補正用ガンマ設定とを示す図である。
破線で示すB補正用ガンマ設定には、実線で示すB用ガンマ設定に対して、図5の各階調における最適な階調補正値が付加されている。そのため、画像処理回路34cで、B補正用ガンマ設定を用いて処理したN階調の入力表示データの出力は、N階調での最適な階調補正値をN´とすると、(N+N´)階調の入力表示データを、B用ガンマ設定を用いて処理したときの出力と同等の値となる。
【0056】
なお、図示しないが、R補正用ガンマ設定も図7に示すB補正用ガンマ設定と同様に、通常のR用ガンマ設定に対して、各階調における最適な階調補正値が付加されたものとなっている。
このようにして、ブロックB100(又はブロックB1)を除く各ブロックの末尾信号線(容量結合による影響を最も受け易い信号線)に対応する入力表示データの階調補正が行われる。
【0057】
図8は、本実施形態のような階調補正を行わない一般的なブロック順次駆動方式において、各信号線に供給されるデータについて説明する図である。
この一般的なブロック順次駆動方式では、ガンマ設定として、RGBそれぞれに対応する3つのガンマ設定を有している。そして、ブロックの末尾信号線に対応する画素か否かにかかわらず、Rの画素にはR用ガンマ設定(設定A)に応じた階調表示電位を供給し、Gの画素にはG用ガンマ設定(設定B)に応じた階調表示電位を供給し、Bの画素にはB用ガンマ設定(設定C)に応じた階調表示電位を供給する。
【0058】
これに対して、本実施形態では、図9に示すように、ガンマ設定として、R用ガンマ設定、G用ガンマ設定、B用ガンマ設定、R補正用ガンマ設定及びB補正用ガンマ設定の5つのガンマ設定を有している。
そして、ブロック順次駆動方向が順方向であるときには、図9(a)に示すように、Rの画素にはR用ガンマ設定(設定A)に応じた階調表示電位を供給し、Gの画素にはG用ガンマ設定(設定B)に応じた階調表示電位を供給する。また、Bの画素については、ブロックB100を除く各ブロックの末尾信号線に対応する画素の場合、B補正用ガンマ設定(設定D)に応じた階調表示電位を供給し、それ以外のBの画素にはB用ガンマ設定(設定C)に応じた階調表示電位を供給する。
【0059】
すなわち、順次シフト信号SR1がオンすると、ブロックB1に属する信号線D1〜D24には、信号線毎データに相当する階調表示電位がそれぞれ供給されるが、このとき、信号線D24には、B補正用ガンマ設定を用いて階調補正された信号線毎データに相当する階調表示電位が供給される。
その後、順次シフト信号SR1がオフし、順次シフト信号SR2がオンすると、ブロックB2に属する信号線D25〜D48に、信号線毎データに相当する階調表示電位がそれぞれ供給される。
【0060】
このとき、ブロックB1に属する信号線D1〜D24はフローティング状態となっており、ブロックB2に属する信号線D25〜D48の電位供給が行われると、ブロックB2に隣接する信号線D24の電位が、信号線D25の電位変動の影響を受けて変動する。
しかしながら、信号線D24には、上述したようにB補正用ガンマ設定を用いて階調補正された信号線毎データに相当する階調表示電位が供給されているので、信号線D25の電位供給の影響を受けても、表示上は影響を受けていないかのように見える。
【0061】
一方、ブロック順次駆動方向が逆方向であるときには、図9(b)に示すように、Rの画素については、ブロックB1を除く各ブロックの末尾信号線に対応する画素の場合、R補正用ガンマ設定(設定D)に応じた階調表示電位を供給し、それ以外のRの画素にはR用ガンマ設定(設定A)に応じた階調表示電位を供給する。また、Gの画素にはG用ガンマ設定(設定B)に応じた階調表示電位を供給し、Bの画素にはB用ガンマ設定(設定C)に応じた階調表示電位を供給する。
【0062】
すなわち、順次シフト信号SR100がオンすると、ブロックB100に属する信号線D2377〜D2400には、信号線毎データに相当する階調表示電位がそれぞれ供給されるが、このとき、信号線D2377には、R補正用ガンマ設定を用いて階調補正された信号線毎データに相当する階調表示電位が供給される。
その後、順次シフト信号SR100がオフし、順次シフト信号SR99がオンすると、ブロックB99に属する信号線D2353〜D2376に、信号線毎データに相当する階調表示電位がそれぞれ供給される。
【0063】
このとき、ブロックB100に属する信号線D2377〜D2400はフローティング状態となっており、ブロックB99に属する信号線D2353〜D2376の電位供給が行われると、ブロックB99に隣接する信号線D2377の電位が、信号線D2376の電位変動の影響を受けて変動する。
しかしながら、信号線D2377には、上述したようにR補正用ガンマ設定を用いて階調補正された信号線毎データに相当する階調表示電位が供給されているので、信号線D2376の電位供給の影響を受けても、表示上は影響を受けていないかのように見える。
【0064】
このように、本実施形態では、ブロック順次駆動方式を採用する場合において、駆動中のブロックに属する信号線のうち、当該ブロックに隣接し且つ次に駆動されるブロックに最も接近している信号線を補正対象の信号線とし、当該補正対象の信号線については入力表示データの階調レベルを補正するので、容量結合の影響によるブロック境界付近の表示ムラの発生を抑制することができる。
【0065】
また、新たに前記補正対象の信号線に対応する色の補正用ガンマ設定を設け、当該補正対象の信号線については、入力表示データの階調レベルをこの補正用ガンマ設定を用いて補正するので、複雑な演算を行うことなく、ブロック境界付近の表示ムラの発生を抑制することができる。
さらに、信号線駆動回路に双方向シフトレジスタを設けることで、ブロック順次駆動の方向を双方向とすることができると共に、補正用ガンマ設定としてR補正用ガンマ設定とB用ガンマ設定とを有するので、ブロック順次駆動方向が何れの場合であっても補正対象となる信号線の階調補正を行うことができる。
【0066】
なお、上記実施形態においては、順方向では補正対象の信号線に対応する色がB(青系)となり、逆方向では補正対象の信号線に対応する色がR(赤系)となる画素配置について説明したが、例えば、補正対象の信号線に対応する色がG(緑系)となる場合には、R補正用ガンマ設定又はB補正用ガンマ設定に代えてG補正用ガンマ設定を設け、このG補正用ガンマ設定を用いて補正対象の信号線の入力表示データを階調補正することもできる。
【0067】
また、上記実施形態においては、列方向に同じ色の画素が配置されるストライプ型の画素配置とする場合について説明したが、モザイク型(ダイアゴナル型)やデルタ型(トライアングル型)などにも本発明を適用することができる。この場合、補正用ガンマ設定として、3原色(RGB)にそれぞれ対応する補正用ガンマ設定を記憶しておけば、補正対象となる末尾信号線の画素が有するカラーフィルタの色が何れであっても、容量結合の影響を相殺するような階調補正を施すことができる。
【0068】
さらに、上記実施形態においては、1水平走査期間毎にブロック順次駆動方向を切り換える場合について説明したが、任意の水平走査期間毎にブロック順次駆動方向を切り換えることができる。
さらに、上記実施形態においては、RGB3色のカラーフィルタを採用する場合について説明したが、RGBC(シアン)やRGBW(白)等、4色のカラーフィルタを採用することもできる。
【0069】
また、上記実施形態においては、本発明を、液晶を用いた電気光学装置に適用する場合について説明したが、液晶以外の電気光学物質を用いた電気光学装置に適用することもできる。例えば、有機ELや発光ポリマーなどのOLED素子を電気光学物質として用いた表示パネルや、着色された液体とこの液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカプセルを電気光学物質として用いた電気泳動表示パネル、極性が相違する領域ごとに異なる色に塗り分けられたツイストボールを電気光学物質として用いたツイストボールディスプレイパネルなど、各種の電気光学装置に対して本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態における液晶表示装置の構成を示すブロック図ある。
【図2】信号線駆動回路の構成を示す図である。
【図3】選択スイッチ群の構成と表示領域の構成とを一部拡大して示す図である。
【図4】本実施形態における映像信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図5】各階調における最適な階調補正値を示す図である。
【図6】V−T曲線である。
【図7】通常のB用ガンマ設定とB補正用ガンマ設定とを示す図である。
【図8】一般的なブロック順次駆動方式において、各信号線に供給されるデータについて説明する図である。
【図9】本実施形態のブロック順次駆動方式において、各信号線に供給されるデータについて説明する図である。
【符号の説明】
【0071】
10…液晶表示装置、12…ガラス基板、14…表示領域、16…走査線駆動回路、20…制御部、21…映像信号、24…制御信号、30…信号線駆動回路、32…ドライバ部、34…映像信号処理回路、34a…入力ラッチ回路、34b…ガンマ設定レジスタ、34c…画像処理回路、34d…データラッチ回路、34e…レベルシフタ回路、34f…DA変換回路、34g…出力バッファ回路、34h…階調電圧発生回路、35…ラインメモリ、36…ブロック分メモリ、38…シフトレジスタ、40…選択スイッチ群、50…選択スイッチ、56…TFT、58…画素電極、60,62…容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との交差に対応して設けられた複数の画素と、前記走査線に対して所定の順番で選択電圧を供給する走査線駆動回路と、前記走査線に対して前記選択電圧が供給される1水平走査期間に、前記信号線を複数本毎にまとめたブロック単位で、各信号線に対応する前記画素にそれぞれ入力表示データに応じた階調表示電圧を供給する信号線駆動回路と、を備える電気光学装置であって、
前記信号線駆動回路は、
前記画素の表示色のそれぞれに対応したガンマ設定と、互いに隣接する1組のブロックのうち、先に選択されるブロックに属する信号線であって、次に選択されるブロックに接近している末尾信号線に対応する画素の表示色に応じた補正用ガンマ設定と、を記憶する記憶回路と、
前記入力表示データ及び前記記憶回路に記憶したガンマ設定に応じた階調表示電圧を選択する電圧選択回路と、を有し、
前記電圧選択回路は、前記末尾信号線に対応する画素に供給する前記階調表示電圧として、当該末尾信号線の入力表示データ及び前記補正用ガンマ設定に応じた電圧を選択することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記電圧選択回路は、前記入力表示データの階調レベルを前記記憶回路に記憶したガンマ設定をもとに補正する補正回路と、前記補正回路で補正した入力表示データに対応する前記階調表示電圧を選択する選択回路と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記信号線駆動回路は、前記各信号線に対する電圧供給順序を順逆双方向に切り換え可能な双方向シフトレジスタを有し、
前記記憶回路は、前記補正用ガンマ設定として、前記電圧供給順序が順方向であるときの前記末尾信号線に対応する画素の表示色に応じたガンマ設定と、前記電圧供給順序が逆方向であるときの前記末尾信号線に対応する画素の表示色に応じたガンマ設定とを記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記画素に対してカラーフィルタを備え、
前記カラーフィルタは、少なくとも赤系、緑系及び青系の何れかの色を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
走査線に対して所定の順番で選択電圧を供給し、前記走査線に対して前記選択電圧が供給される1水平走査期間に、信号線を複数本毎にまとめたブロック単位で、各信号線に対応する画素にそれぞれ入力表示データに応じた階調表示電圧を供給する電気光学装置の駆動方法であって、
前記画素の表示色のそれぞれに対応したガンマ設定と、互いに隣接する1組のブロックのうち、先に選択されるブロックに属する信号線であって、次に選択されるブロックに接近している末尾信号線に対応する画素の表示色に応じた補正用ガンマ設定と、を記憶し、
前記末尾信号線に対応する画素に、当該末尾信号線の入力表示データ及び前記補正用ガンマ設定に応じた前記階調表示電圧を選択することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−216852(P2009−216852A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59082(P2008−59082)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】