説明

電気鉄道保守用車両位置測定装置

【課題】車両の走行位置と通過時刻との関係を高精度に特定することを可能とした電気鉄道保守用車両位置測定装置を提供する。
【解決手段】車両の屋根上に設置されてハンガを撮影するラインセンサカメラ2と、ラインセンサカメラ2によって取得した画像の解析を行う画像処理部とを備える電気鉄道保守用車両位置測定装置において、画像処理部を、ラインセンサカメラ2によって撮影された画像信号を時系列的に並べてなるラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成部31aと、ラインセンサ画像上の点列から直線を検出するハフ変換部31bと、ハフ変換部31bによって検出された直線のうち予め設定する基準方向に対する角度が所定の範囲内にある直線をハンガとして抽出するハンガ認識部31cと、ハンガ認識部31cにおいて検出されたハンガが撮影された時刻を記録する時刻記録部31dとから構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架線及び軌道などの保守による位置測定に関し、特に画像処理により電気鉄道車両の位置を測定する電気鉄道保守用車両位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気鉄道の設備としては、主に架線(以下、トロリ線)と軌道(以下、レール)とが挙げられる。これらはそれぞれ鉄道を運行するにあたり重要な保守設備となっている。
【0003】
トロリ線は、電気鉄道車両を運用していく中で電気鉄道車両が通過するたびに集電装置と接触する。そのためトロリ線は徐々に摩耗していき、交換をしない場合は最終的に破断して事故を招くおそれがある。また、レールは、電車の運行によって曲がり、ゆがみ、傷、摩耗等が発生し、これらの進行を放置してしまうと電気鉄道車両の脱線など事故を招くおそれがある。
【0004】
このようなことから、トロリ線やレールの摩耗等による要注意箇所を迅速に把握し、これに対応するために、トロリ線やレールの要注意箇所の位置(例えば、ある地点から何キロ走行した位置に要注意箇所が存在する等)の情報を特定することは保守管理の面から重要な事項となっている。
【0005】
現在、トロリ線やレール等の設備の保守を行う場合、保守専用車両や軌陸車などが用いられており、検測した結果、要注意箇所が検出された場合はそのデータを取得したときの車両の位置から要注意箇所の位置を推定している(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
ここで、車両の位置を特定する方法としては、従来、例えば、自動列車制御装置(ATC)やロータリーエンコーダを用いる方法があり、それぞれ以下の特徴を有している。
【0007】
自動列車制御装置は、列車の位置や速度を制御するものであり、もともとは車両の運転のためのシステムであるが、この自動列車制御装置には列車の位置や速度の情報を外部に通信する仕組みが設けられている。そこで、自動列車制御装置を用いて車両の位置を特定する場合は、この自動列車制御装置の外部と通信を行う仕組みを利用して保守専用車両の位置を特定している(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
また、ロータリーエンコーダを用いて車両の位置を特定する場合は、ロータリーエンコーダにより得られる車輪の回転数に基づき、この車輪の回転数と、車輪の円周の長さとから、ある地点を基準位置として車両の走行距離を求めている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−89523号公報
【特許文献2】特開2006−248412号公報
【特許文献3】特開2004−17700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した自動列車制御装置を利用する場合、車両側に送受信機器を設置することに加え、レール側にも一定間隔で送受信装置を設置する必要があるため、長距離の線区に設置する場合、個数がかさみ、コストがかかるという問題があった。
【0011】
また、ロータリーエンコーダは車輪の回転角をカウントすることにより走行距離を測定する構成になっているため、ブレーキや坂道走行などにより、列車は進行していないのに車輪が回転している、又は、車輪のすべりにより車輪は回転していないのに列車が進行している等の局所的に生じた誤差が加算的に増加して要注意箇所の位置の特定が困難になるおそれがあるという問題があった。
【0012】
これら特許文献1乃至3に対し、車両の屋根上にラインセンサカメラを設置し、このラインセンサカメラによって撮影したトロリ線近傍の画像を画像処理(テンプレートマッチングやエッジ検出等)してハンガを検出し、このハンガを撮影した時刻に基づいて車両の走行位置と通過時刻との関係を特定することにより上述したような誤差を解消することが考えられる。
【0013】
しかしながら、このような方法においては、ハンガ自体が斜めに張られている、あるいはハンガが画面上で斜めに映っていると、テンプレートマッチングによりハンガ検出を行う場合にはテンプレートとの照合の際にハンガ検出の精度が低下する可能性があるという問題、エッジ検出によりハンガの検出を行う場合には縦方向エッジが弱まっていることからハンガ検出の精度が低下する可能性があるという問題が発生するおそれがあった。
【0014】
このようなことから本発明は、車両の走行位置と通過時刻との関係を高精度に特定することを可能とした電気鉄道保守用車両位置測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するための第1の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置は、トロリ線を支持するハンガを車両の屋根上から撮影するラインセンサカメラと、前記車両の内部に設置され前記ラインセンサカメラによって得られる画像を解析する画像処理部とを備えて前記車両の走行位置と通過時刻との関係を特定する電気鉄道保守用車両位置測定装置であって、前記画像処理部が、前記ラインセンサカメラによって撮影された画像信号を時系列的に並べてラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成手段と、前記ラインセンサ画像中のハンガを検出するハンガ検出手段と、前記ハンガ検出手段によって検出された前記ハンガが前記ラインセンサカメラによって撮影された時刻を記録する時刻記録手段とを有することを特徴とする。
【0016】
上記の課題を解決するための第2の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置は、第1の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置において、前記ハンガ検出手段が、前記ラインセンサ画像上の点列から直線を検出するハフ変換手段と、前記ハフ変換手段によって検出された前記直線のうち予め設定する基準方向に対する角度が所定の範囲内にある前記直線を検出し、この直線を構成する物体を前記ハンガとして抽出するハンガ認識手段とからなることを特徴とする。
【0017】
上記の課題を解決するための第3の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置は、第1の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置において、前記ハンガ検出手段が、所定時間ごとに前記ラインセンサ画像を分割し、分割された領域ごとに該領域内のピクセル位置と輝度との関係をヒストグラムとして作成し、該ヒストグラムの特徴に基づいて前記領域ごとに前記ハンガの有無を判定するヒストグラム作成判定手段であることを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決するための第4の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置は、第1の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置において、前記ハンガ検出手段が、前記ラインセンサ画像中の二直線間の交点を検出し、予め設定する範囲内に前記交点が二つ存在する場合に該二つの交点を結ぶ直線を前記ハンガとして検出するコーナー検出手段であることを特徴とする。
【0019】
上記の課題を解決するための第5の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置は、第1の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置において、前記ハンガ検出手段が、前記ラインセンサ画像上の点列から直線を検出するハフ変換手段と、前記ハフ変換手段によって検出された前記直線を含む予め設定した時間幅の領域に対して該領域内のピクセル位置と輝度の関係をヒストグラムとして作成するヒストグラム作成手段と、前記ヒストグラムの特徴に基づいて前記領域内の前記ハンガの有無を判定するハンガ判定手段とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上述した第1の発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置によれば、トロリ線を支持するハンガを車両の屋根上から撮影するラインセンサカメラと、車両の内部に設置されラインセンサカメラによって得られる画像を解析する画像処理部とを備えて車両の走行位置と通過時刻との関係を特定する電気鉄道保守用車両位置測定装置であって、画像処理部が、ラインセンサカメラによって撮影された画像信号を時系列的に並べてラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成手段と、ラインセンサ画像中のハンガを検出するハンガ検出手段と、ハンガ検出手段によって検出されたハンガがラインセンサカメラによって撮影された時刻を記録する時刻記録手段とを有するので、ラインセンサカメラによって撮影した画像を処理することによって、ハンガの位置を簡便に測定し、保守用車両などの走行位置を特定することができる。
【0021】
具体的には、非接触でハンガの検出を行うため、高速な運用が可能であり、短期間に長い距離の区間を測定することができる。さらに、ハンガを検出した時刻と既存の設備保守システム等のトロリ線測定手段によって要注意箇所を検出した時刻とを同期させることにより、ハンガの位置と要注意箇所の位置の相互関係を正確に求めることができる。また装置の構造上、非接触でハンガを検出するため、装置が既存構造物と衝突するおそれがなく、基本的に全ての区間において測定が可能である。
【0022】
また、一台のラインセンサカメラによって撮影した画像からハンガを検出するため、ATCを利用して要注意箇所の位置を特定する場合に比較して地上側に大きな設備を追加する必要がなく、また一つのラインセンサ画像ごとに独立した検出処理を行うため、ロータリーエンコーダを利用して要注意箇所を特定する場合に比較して部分的に発生した誤差が累積されることがない。
【0023】
また、第2の発明に係る電機鉄道保守用車両位置測定装置によれば、ハンガ検出手段が、ラインセンサ画像上の点列から直線を検出するハフ変換手段と、ハフ変換手段によって検出された直線のうち予め設定する基準方向に対する角度が所定の範囲内にある直線を検出し、この直線を構成する物体をハンガとして抽出するハンガ認識手段とからなるので、ハンガ自体が斜めに張られていた場合、あるいは斜めに画像が取得された場合においても、テンプレートマッチングまたはエッジ検出によりハンガを検出する方法に比較してハンガを高精度に検出することができる。
【0024】
また、第3の発明に係る電機鉄道保守用車両位置測定装置によれば、ハンガ検出手段が、所定時間ごとにラインセンサ画像を分割し、分割された領域ごとに該領域内のピクセル位置と輝度との関係をヒストグラムとして作成し、該ヒストグラムの特徴に基づいて領域ごとにハンガの有無を判定するヒストグラム作成判定手段であるので、ハンガ自体が斜めに張られていた場合、あるいは斜めに画像が取得された場合においても、テンプレートマッチングまたはエッジ検出によりハンガを検出する方法に比較してハンガを高精度に検出することができる。
【0025】
また、第4の発明に係る電機鉄道保守用車両位置測定装置によれば、ハンガ検出手段が、ラインセンサ画像中の二直線間の交点を検出し、予め設定する範囲内に交点が二つ存在する場合に該二つの交点を結ぶ直線をハンガとして検出するコーナー検出手段であるので、ハンガ自体が斜めに張られていた場合、あるいは斜めに画像が取得された場合においても、テンプレートマッチングまたはエッジ検出によりハンガを検出する方法に比較してハンガを高精度に検出することができる。
【0026】
また、第5の発明に係る電機鉄道保守用車両位置測定装置によれば、ハンガ検出手段が、ラインセンサ画像上の点列から直線を検出するハフ変換手段と、ハフ変換手段によって検出された直線を含む予め設定した時間幅の領域に対して該領域内のピクセル位置と輝度の関係をヒストグラムとして作成するヒストグラム作成手段と、ヒストグラムの特徴に基づいて領域内のハンガの有無を判定するハンガ判定手段とからなるので、第1乃至第4の発明の効果に加えて、誤ってハンガ以外の構造物を検出する可能性を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例1に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置の設置例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例1に係る車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1において取得したラインセンサ画像の例を示す説明図である。
【図4】図2に示すラインセンサ画像に対してハフ変換による直線検出処理を行った結果を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例1に係る車両位置特定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例2に係る車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図7(a)は本発明の実施例2における分割領域の設定例を示す説明図、図7(b)は図7(a)のハンガが存在しない領域から得られるヒストグラム、図7(c)は図7(a)のハンガが存在する領域から得られるヒストグラムである。
【図8】本発明の実施例2に係る車両位置特定装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例3に係る車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施例3においてラインセンサ画像からコーナーを抽出する例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施例3に係る車両位置特定装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例4に係る車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】図13(a)は本発明の実施例4における領域の設定例を示す説明図、図13(b)は図13(a)のハンガが存在する領域から得られるヒストグラム、図13(c)は図13(a)のハンガ以外の構造物が存在する領域から得られるヒストグラムである。
【図14】本発明の実施例4に係る車両位置特定装置による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る画像処理による電気鉄道保守用車両位置測定装置の詳細について説明する。
【実施例1】
【0029】
図1乃至図5を用いて本発明に係る車両位置特定装置の第1の実施例を説明する。図1は本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置の設置例を示す説明図、図2は本実施例に係る車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図、図3は本実施例において取得したラインセンサ画像の例を示す説明図、図4は図2に示すラインセンサ画像に対してハフ変換による直線検出処理を行った結果を示す説明図、図5は本実施例に係る車両位置特定装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
図1に示すように、本実施例において電気鉄道保守用車両位置測定装置は、車両1の屋根上に設置されたラインセンサカメラ2と、車両1の内部に設置された画像処理部3とを備えている。なお、図示はしないが、本実施例において車両1の屋根上にはトロリ線4の摩耗具合を測定時刻とともに取得するトロリ線摩耗測定手段が設置されているものとする。
【0031】
また、トロリ線4はちょう架線5に概ね等間隔に設置された複数のハンガ6によって支持されている。
【0032】
ラインセンサカメラ2は、車両1の屋根上の側方に設置され、その光軸が車両1の進行方向に直交するように、且つ、その視野に一つのハンガ6が収まるように設置角度及び仰角を設定されている。ここで、図1中の一点鎖線は撮影ラインを示している。
【0033】
画像処理部3はラインセンサカメラ2によって取得した画像を解析して車両1の走行位置を求めるものであり、演算装置31と記録装置32とから構成されている。
【0034】
図2に示すように、演算装置31はラインセンサ画像作成手段としてのラインセンサ画像作成部31a、ハフ変換手段としてのハフ変換部31b、ハンガ認識手段としてのハンガ認識部31c、時刻記録手段としての時刻記録部31d、及びメモリM1,M2を備えている。
【0035】
ラインセンサ画像作成部31aは、ラインセンサカメラ2から入力される画像信号(走査線の輝度信号)を時系列的に並べてなるラインセンサ画像I(図3参照)を作成する。図3に示す例においてラインセンサ画像Iには、トロリ線4、ちょう架線5、及び三つのハンガ6が表示されている。なお、図3ではトロリ線4、ちょう架線5、ハンガ6を白抜きで描画しているが、実際は例えば昼間であれば白色の背景に対してトロリ線4、ちょう架線5、ハンガ6は黒色で表示される。このラインセンサ画像IはメモリM2を経て記録装置32に保存される。
【0036】
ハフ変換部31bは、ラインセンサ画像作成部31aから入力されるラインセンサ画像Iに対し、記録装置32から入力されるパラメータ(ここでは、ハフ変換により直線を検出する際に用いるしきい値等)を用いてハフ変換を行う。これにより、図4に示すようにラインセンサ画像I内の点列から直線Lを抽出する。
【0037】
図4に示す例では、三つのハンガ6が直線L11〜L13、ちょう架線5が直線L14、トロリ線4が直線L15として検出されている。以下、ハフ変換部31bにおいて検出された直線を総称する場合、直線Lと呼称する。また、図4に示すように、ハフ変換により直線が抽出されたラインセンサ画像Iをハフ変換画像IHと呼称する。ハフ変換画像IHはメモリM2を経てハンガ認識部31cに送られる。
【0038】
ハンガ認識部31cは、記録装置32から入力されるパラメータ(ここでは、後述する基準角度θB等)とハフ変換部31bから入力されるハフ変換画像IHとに基づいて、ラインセンサ画像I内から抽出された直線Lに対し、基準方向としての所定の方向(図4では水平方向)に対する傾きθを監視してこの傾きθが予め設定した基準角度(図3中に破線で囲んで示す角度)θB以上であればハンガ6として検出する。
【0039】
図4に示す例では、水平方向に対して基準角度θB以上の傾きθ11,θ12,θ13を有する直線L11,L12,L13をハンガ6を示す直線として検出する一方、水平方向に対して基準角度θB未満の傾きθ14,θ15を有する直線L14,L15をハンガ6以外の構造物を示す直線とみなす。ハンガ認識部31cにおいて検出されたハンガ6の検出情報はハンガ検出フラグとしてメモリM2を経て時刻記録部31dに送られる。
【0040】
時刻記録部31dは、ハンガ認識部31cから入力されるハンガ検出フラグに基づいて、ハンガ認識部31cにおいて検出されたハンガ6がラインセンサ2によって撮影された時刻tを記録する。時刻記録部31dから出力されたハンガ6の撮影時刻tはメモリM2を経て記録装置32に保存される。
【0041】
メモリM1,M2は、各種データを一時的に保管する。記録装置32には各種データが保存される。
【0042】
以下、図5に基づいて本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置における処理について簡単に説明する。
【0043】
図5に示すように、本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置おいては、まずラインセンサ画像作成部31aにおいてラインセンサ2から入力される画像信号に基づいてラインセンサ画像Iを作成し(ステップP1)、続いて、ハフ変換部31bにおいてラインセンサ画像Iに対するハフ変換を行い(ステップP2)、ラインセンサ画像I中の直線Lを抽出する(ステップP3)。
【0044】
続いて、ハンガ認識部31cにおいてステップP3で抽出した直線Lの傾きθが基準方向に対して基準角度θB以上の傾きを有しているか否かを判定する(ステップP4)。判定の結果、直線Lの傾きθが基準角度θB以上であれば(YES)、直線Lがハンガ6を示しているとみなしてステップP5に移行する。一方、直線Lの傾きθが基準角度θB未満であれば(NO)、直線Lがハンガ6以外の構造物を示しているとみなしてステップP3に戻る。
【0045】
ステップP5では、時刻記録部31dにおいて、ステップP4でハンガ6を示しているとみなした直線Lが撮影された時刻tを記録し、続いてハフ変換画像IH中に傾きθを測定していない直線Lが残っているか否かを判定する(ステップP6)。判定の結果、傾きθを測定していない直線Lが残っていなければ(NO)、一つのラインセンサ画像Iに対する処理を終了する。一方、傾きθを測定していない直線Lが残っていれば(YES)、ステップP4に戻る。
以上のステップP1〜ステップP6の処理を全てのラインセンサ画像Iに対して行う。
【0046】
このように構成される本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置によれば、ラインセンサカメラ2によって撮影した画像を解析することによって、ハンガ6の位置を簡便に測定し、保守用車両などの走行位置を特定することができる。
【0047】
また、非接触でハンガ6の検出を行うため、高速な運用が可能であり、短時間で長い距離の区間を測定することができる。さらに、ハンガ6を検出した時刻と既存の設備保守システム等のトロリ線測定手段によって要注意箇所が検出された時刻とを同期させることにより、ハンガ6の位置と要注意箇所の位置の相互関係を正確に求めることができる。また装置の構造上、非接触でハンガ6を検出するため、装置が既存構造物と衝突するおそれがなく、基本的に全ての区間において測定が可能である。
【0048】
また、一台のラインセンサカメラ2によって撮影した画像からハンガ6を検出するため、ATCを利用して要注意箇所の位置を特定する場合に比較して地上側に大きな設備を追加する必要がなく、また一つのラインセンサ画像Iごとに独立した検出処理を行うため、ロータリーエンコーダを利用して要注意箇所を特定する場合に比較して部分的に発生した誤差が累積されることがない。
【0049】
また、ハンガ6自体が斜めに張られていた場合、あるいはラインセンサ画像I上にハンガ6が斜めに撮影されている場合においても、基準方向に対する傾きθが基準角度θB以上の直線Lをハンガ6から得られる直線Lとみなすため、テンプレートマッチングまたはエッジ検出によりハンガ6を検出する方法に比較してハンガ6を高精度に検出することができる。
【実施例2】
【0050】
図6乃至図8を用いて本発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置の第2の実施例を説明する。図6は本実施例に係る車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図、図7(a)は本実施例において取得したラインセンサ画像の例を示す説明図、図7(b)は図7(a)の領域Aに対応するヒストグラムの例、図7(c)は図7(a)の領域Aに対応する他のヒストグラムの例、図8は本実施例に係る車両位置特定装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
本実施例は実施例1のハフ変換部31b及びハンガ認識部31cに代えて、図6に示すヒストグラム作成判定手段としてのヒストグラム作成判定部31eを用いるものである。その他の構成は実施例1において説明した構成と概ね同様であり、以下、同様の作用を奏する処理部には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0052】
図6に示すように、本実施例において演算装置31は、ラインセンサ画像作成部31a、ヒストグラム作成判定部31e、及び時刻記録部31dを備えて構成されている。
【0053】
ヒストグラム作成判定部31eはラインセンサ画像作成部31aから入力されるラインセンサ画像Iに対し、記録装置32から入力されるパラメータ(ここでは、後述する領域Aの設定幅、後述するヒストグラムからハンガ6を検出する際に用いるしきい値等)を用いてラインセンサ画像I中のハンガ6を検出する。
【0054】
詳しくは、図7(a)に示すようにラインセンサ画像Iに対してこのラインセンサ画像Iを所定時間ごとに設定される領域Aに分割し、領域Aごとに画像上のピクセル位置と輝度との関係をヒストグラムとして作成する。ここで、トロリ線4及びちょう架線5は必ず領域A内に含まれるので、ヒストグラムには図7(b),(c)に示すようにトロリ線4及びちょう架線5に対応した輝度値(VT,VC)が二つの山形の形状として現れる。
【0055】
さらに、ハンガ6が存在しない領域(例えば、図7(a)中の領域A1)の場合、図7(b)に示すように二つの輝度値VT,VCのみが表示されるのに比較して、ハンガ6が存在する領域(例えば、図7(a)中の領域A2)の場合、図7(c)に示すように二つの輝度値VT,VC間に輝度値VHが表示される。本実施例では、この特徴を利用してラインセンサ画像I中からハンガ6を検出する。
【0056】
以下、図8に基づいて本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置による処理の流れを簡単に説明する。
【0057】
図8に示すように、本実施例においてはまずラインセンサ画像作成部31aにおいてラインセンサカメラ2から入力される画像信号に基づいてラインセンサ画像Iを作成し(ステップP1)、続いて、ヒストグラム作成判定部31eにおいてラインセンサ画像Iに対して領域Aごとに、ピクセル位置と輝度との関係をヒストグラムとして作成し(ステップP2)、作成したヒストグラムの特徴に基づいてラインセンサ画像I中にハンガ6が存在するか否かの判定を行う(ステップP3)。
【0058】
判定の結果、領域A内にハンガ6が存在すると判定された場合(YES)はステップP4に移行する。一方、領域A内にハンガ6が存在しないと判定された場合(NO)はステップP5に移行する。
【0059】
ステップP4では、時刻記録部31dにおいてステップP3で検出したハンガ6が撮影された時刻tを記録し、ステップP5に移行する。ステップP5では、ハンガ6の検出を行った領域Aが一つのラインセンサ画像Iに設定した領域Aのうち最後の領域Aか否かを判定する。判定の結果、最後の領域Aであれば(YES)、一つのラインセンサ画像Iに対する処理を終了する。一方、最後の領域Aでない場合(NO)はステップP2に戻る。
以上のステップP1〜ステップP6の処理を全てのラインセンサ画像Iに対して行う。
【0060】
このように構成される本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置によれば、実施例1による効果に加えて、ハンガ6自体が斜めに張られていた場合、あるいはラインセンサ画像I上にハンガ6が斜めに撮影されている場合においても、ラインセンサ画像I上に設定した領域ごとにピクセル位置と輝度との関係から得られるヒストグラムの特徴に基づいてハンガ6の検出を行うため、テンプレートマッチングまたはエッジ検出によりハンガ6を検出する方法に比較してハンガ6を高精度に検出することができる。
【実施例3】
【0061】
図9乃至図11を用いて本発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置の第3の実施例を説明する。図9は本実施例に係る車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図、図10は本実施例においてラインセンサ画像からコーナーを抽出する例を示す説明図、図11は本実施例に係る車両位置特定装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
本実施例は実施例1のハフ変換部31b及びハンガ認定部31cに代えて、図9に示すコーナー検出手段としてのコーナー検出部31fを用いるものである。その他の構成は実施例1において説明したものと概ね同様であり、以下、同様の作用を奏する処理部については同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0063】
図9に示すように、本実施例において演算装置31は、ラインセンサ画像作成部31a、コーナー検出部31f、及び時刻記録部31dを備えて構成されている。
【0064】
コーナー検出部31fは、ラインセンサ画像作成部31aから入力されるラインセンサ画像Iに対し、記録装置32から入力されるパラメータ(ここでは、後述するコーナーCを検出するためのしきい値、コーナーCがペアであるか否かを判定するためのしきい値等)を用いてラインセンサ画像I中のハンガ6を検出する。
【0065】
詳しくは、図10に示すようにラインセンサ画像I上の二直線間の交点、すなわち、図10ではトロリ線4又はちょう架線5と、ハンガ6とが接続されている箇所をコーナーC1,C2,C3,C4(以下、総称する場合はコーナーCと呼称する)として検出し、所定時間範囲内にある二つのコーナー(図10ではコーナーC1とC3、コーナーC2とC4)を結ぶ直線L31、L32(以下、総称する場合は直線Lと呼称する)をハンガ6として検出する。検出したハンガ6の情報はハンガ検出フラグとしてメモリM2を経て時刻記録部31dへ送られる。
【0066】
以下、図11に基づいて本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置による処理の流れを簡単に説明する。
【0067】
図11に示すように、本実施例においてはまずラインセンサ画像作成部31aにおいてラインセンサカメラ2から入力される画像信号に基づいてラインセンサ画像Iを作成し(ステップP1)、続いて、コーナー検出部5fにおいてラインセンサ画像I上のコーナーCを検出し(ステップP2)、検出したコーナーCが所定時間範囲内に二つあるか否か(本実施例では、ラインセンサ画像I上の概ね同一鉛直線上にコーナーCがペアで存在するか否か)を判定する(ステップP3)。
【0068】
判定の結果、コーナーCがペアで検出された場合(YES)はステップP4に移行する。一方、コーナーCがペアで検出されない場合(NO)はステップ5に移行する。ステップP4では、時刻記録部31dにおいてコーナー検出部5fによって検出されたハンガ6が撮影された時刻tを記録し、続いてラインセンサ画像I上にペアで存在する他のコーナーCが残っているか否かを判定する(ステップP5)。判定の結果、ペアで存在するコーナーCが残っていなければ(NO)、一つのラインセンサ画像Iに対する処理を終了する。一方、ペアで存在するコーナーCが残っていれば(YES)、ステップP3に戻る。
以上のステップP1〜ステップP5の処理を全てのラインセンサ画像Iに対して行う。
【0069】
このように構成される本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置によれば、実施例1による効果に加えて、ハンガ6自体が斜めに張られていた場合、あるいはラインセンサ画像I上にハンガ6が斜めに撮影されている場合においても、ラインセンサ画像Iから抽出したコーナーCがペアで存在するか否かに基づいてハンガ6の検出を行うため、テンプレートマッチングまたはエッジ検出によりハンガ6を検出する方法に比較してハンガ6を高精度に検出することができる。
【実施例4】
【0070】
図12乃至図14を用いて本発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置の第4の実施例を説明する。図12は本実施例に係る車両位置特定装置の概略構成を示すブロック図、図13(a)は本実施例における領域の設定例を示す説明図、図13(b)は図13(a)の領域Bに対応するヒストグラム、図13(c)は図13(a)の領域Bに対応する他のヒストグラム、図14は本実施例に係る車両位置特定装置による処理を示すフローチャートである。
【0071】
本実施例は、実施例1に示した演算装置31に、図12に示すヒストグラム作成手段としてのヒストグラム作成部31g及びハンガ判定手段としてのハンガ判定部31hを追加したものである。その他の構成は実施例1において説明したものと概ね同様であり、以下、同様の作用を奏する処理部については同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0072】
図12に示すように、本実施例において演算装置31はラインセンサ画像作成部31a、ハフ変換部31b、ヒストグラム作成部31g、ハンガ判定部31h、及び時刻記録部31dを備えて構成されている。
【0073】
ヒストグラム作成部31gはハフ変換部31aから入力されるハフ変換画像IHに対し、記録装置32から入力されるパラメータ(ここでは、後述する領域Bの設定幅、後述するヒストグラムからハンガ6を検出する際に用いるしきい値等)を用いてハフ変換画像IH中のハンガ6を検出する。
【0074】
詳しくは、図13(a)に示すように、ハフ変換画像IH上の基準方向に対して基準角度θB以上の交差角を有する直線Lが検出された位置に所定の幅の領域Bを設定し、その領域Bごとにピクセル位置と輝度との関係をヒストグラムとして作成する。作成されたヒストグラムはメモリM2を経てハンガ判定部31hへ送られる。
【0075】
ハンガ判定部31hは、ヒストグラム作成部31gから入力されるヒストグラムに対し、記録装置32から入力されるパラメータ(ここでは、ヒストグラムからハンガ6を検出する際に用いるしきい値等)を用いて、直線Lがハンガ6から得られる直線か否かを判定する。トロリ線4とちょう架線5は必ず領域B内に存在するので、図13(b),(c)に示すようにヒストグラム上ではトロリ線4とちょう架線5とに対応した輝度値VT,VCによって二個の山形の形状が必ず存在することとなり、さらに領域B内にハンガ6が存在する場合は、図13(b)に示すように輝度値VT,VC間を結ぶように輝度値VHが表示される。
【0076】
これに対し、領域Bにハンガ6以外の構造物(例えば、電柱等)7が撮影されている場合、図13(c)に示すように輝度値VT,VCによる二つの山を横切るように輝度値VKが表示される。ハンガ判定部31hでは、この二つの特徴VH,VKの違いを利用してハンガ6とそのほかの構造物7によるノイズとを差別化する。ハンガ判定部31hにおいて検出されたハンガ6の有無の情報はハンガ検出フラグとしてメモリM2を経て時刻記録部31dに送られる。
【0077】
以下、図14に基づいて本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置による処理の流れを簡単に説明する。
【0078】
図14に示すように、本実施例においてはまずラインセンサ画像作成部31aにおいてラインセンサカメラ2から入力される画像信号に基づいてラインセンサ画像Iを作成し(ステップP1)、続いて、ハフ変換部31bにおいてラインセンサ画像Iに対してハフ変換を行い(ステップP2)、ラインセンサ画像I中の直線Lを抽出する(ステップP3)。
【0079】
続いて、ハフ変換部31bにおいてステップP3でラインセンサ画像I中から抽出した直線Lについて、その傾きθが基準方向(本実施例では水平方向)に対して予め設定する基準角度θB以上であるか否かを判定する(ステップP4)。判定の結果、傾きθが基準角度θB以上であれば(YES)、ステップP5に移行する。一方、傾きθが基準角度θB未満であれば(NO)、ステップP3に戻る。
【0080】
ステップP5では、ヒストグラム作成部31gにおいてステップP4で傾きθが基準角度θB以上であると判定された直線Lを含むように予め設定された時間幅で領域Bを設定し、この領域Bにおけるピクセル位置と輝度との関係をヒストグラムとして作成する。
【0081】
続いて、ハンガ判定部31hにおいてステップP5で作成したヒストグラムの特徴がハンガ6以外の構造物7を示しているか否かを判定する(ステップP6)。判定の結果、領域Bに対応するヒストグラムの特徴がハンガ6を示している場合(NO)はステップP7に移行する。一方、領域Bに対応するヒストグラムの特徴がハンガ6以外の構造物7を示している場合(YES)はステップP8に移行する。
【0082】
ステップP7では、時刻記録部31dにおいてステップP6で検出されたハンガ6が撮影された時刻tを記録し、ステップP8に移行する。ステップP8では、ラインセンサ画像I上に他の直線Lがあるか否かを判定する。判定の結果、ラインセンサ画像I上に他の直線Lがなければ(NO)、一つのラインセンサ画像Iに対する処理を終了する。一方、ラインセンサ画像I上に他の直線Lがあれば(YES)、ステップP4に戻る。
以上のステップP1〜ステップP8の処理を全てのラインセンサ画像Iに対して行う。
【0083】
このように構成される本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置によれば、上述した実施例1乃至実施例3による効果に加えて、ハンガ6以外の構造物7を誤ってハンガ6として検出することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、架線及び軌道などの保守による位置測定に適用可能であり、特に画像処理により電気鉄道車両の位置を測定する電気鉄道保守用車両位置測定装置に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0085】
1…車両、2…ラインセンサカメラ、3…画像処理部、31…演算装置、32…記録装置、31a…ラインセンサ画像作成部、31b…ハフ変換部、31c…ハンガ認識部、31d…時刻記録部、31e…ヒストグラム作成判定部、31f…コーナー検出部、31g…ヒストグラム作成部、31h…ハンガ判定部、4…トロリ線、5…ちょう架線、6…ハンガ、7…構造物、A…領域、B…領域、C…コーナー、I…ラインセンサ画像、L…直線、θB…基準角度、θ…角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トロリ線を支持するハンガを車両の屋根上から撮影するラインセンサカメラと、前記車両の内部に設置され前記ラインセンサカメラによって得られる画像を解析する画像処理部とを備えて前記車両の走行位置と通過時刻との関係を特定する電気鉄道保守用車両位置測定装置であって、
前記画像処理部が、前記ラインセンサカメラによって撮影された画像信号を時系列的に並べてラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成手段と、前記ラインセンサ画像中のハンガを検出するハンガ検出手段と、前記ハンガ検出手段によって検出された前記ハンガが前記ラインセンサカメラによって撮影された時刻を記録する時刻記録手段とを有する
ことを特徴とする電気鉄道保守用車両位置測定装置。
【請求項2】
前記ハンガ検出手段が、前記ラインセンサ画像上の点列から直線を検出するハフ変換手段と、前記ハフ変換手段によって検出された前記直線のうち予め設定する基準方向に対する角度が所定の範囲内にある前記直線を検出し、この直線を構成する物体を前記ハンガとして抽出するハンガ認識手段とからなる
ことを特徴とする請求項1記載の電気鉄道保守用車両位置測定装置。
【請求項3】
前記ハンガ検出手段が、所定時間ごとに前記ラインセンサ画像を分割し、分割された領域ごとに該領域内のピクセル位置と輝度との関係をヒストグラムとして作成し、該ヒストグラムの特徴に基づいて前記領域ごとに前記ハンガの有無を判定するヒストグラム作成判定手段である
ことを特徴とする請求項1記載の電気鉄道保守用車両位置測定装置。
【請求項4】
前記ハンガ検出手段が、前記ラインセンサ画像中の二直線間の交点を検出し、予め設定する範囲内に前記交点が二つ存在する場合に該二つの交点を結ぶ直線を前記ハンガとして検出するコーナー検出手段である
ことを特徴とする請求項1記載の電気鉄道保守用車両位置測定装置。
【請求項5】
前記ハンガ検出手段が、前記ラインセンサ画像上の点列から直線を検出するハフ変換手段と、前記ハフ変換手段によって検出された前記直線を含む予め設定した時間幅の領域に対して該領域内のピクセル位置と輝度の関係をヒストグラムとして作成するヒストグラム作成手段と、前記ヒストグラムの特徴に基づいて前記領域内の前記ハンガの有無を判定するハンガ判定手段とからなる
ことを特徴とする請求項1記載の電気鉄道保守用車両位置測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−285054(P2010−285054A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139797(P2009−139797)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】