説明

電流を調整するための監視及び制御回路

【課題】電流を調整するための監視及び制御回路を提供する。
【解決手段】監視及び制御回路は、検知ブロックと、第1及び第2の比較器と、制御モジュールとを備える。電流検知ブロックは、スイッチを流れる電流を表している監視信号を生成するために、スイッチに連結される。検知ブロックに連結された第1の比較器は、監視信号を第1のしきい値と比較すると共に、監視信号と第1のしきい値との間の第1の比較結果に従って第1の信号を提供するように動作可能である。検知ブロックに連結された第2の比較器は、監視信号を第2のしきい値と比較すると共に、監視信号と第2のしきい値との間の第2の比較結果に従って第2の信号を提供するように動作可能である。第1の比較器及び第2の比較器に連結された制御モジュールは、電流を調整するために、第1の信号及び第2の信号に従ってスイッチを制御する制御信号を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明による実施例は、電子的なシステム、及び保護システムに関係する。
【背景技術】
【0002】
この出願は、その仕様全体がこの参照によってここに組み込まれると共に、“over current protection circuit with pulse width modulation control”と題名が付けられて2008年3月12日に出願された米国暫定特許出願シリアル番号61/069,086号の利益を主張する。
【0003】
過電流保護は、システム内の電子部品に対するダメージを防止するように、広く、バッテリ充電システムのような多くのシステムに使用された。一般的な過電流保護方法は、充電電流/放電電流を検知すると共に、検知された電流をしきい値と比較することである。充電電流/放電電流、または検知された電流が所定のレベルを越える場合に、電流を削減するか、または制限するように、所定期間の間電流を遮断するために、タイマが起動されることになる。もし、充電電流/放電電流が、所定期間の後、まだ所定のレベルを越える場合に、充電回路/放電回路は、動作を停止されることになる。もし充電電流/放電電流が、所定期間の間に、所定のレベルより低下するならば、制御器は、充電処理/放電処理を再開し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば丸のこ(circular saw)のような極めて重い負荷を備える電動工具において問題となる可能性がある上述の従来の方法によって、電流のレベルは、安全なレベル内にあることを効果的に保証されないであろう。極めて重い作業が実行される場合、そして比較的大きな負荷電流が引き込まれる場合に、一時的な過電流状態が発生するであろう。もし遮断期間が適切に選択されないならば、電動工具は突然停止されると共に、対象物に入り込んで抜け出せなくなり得る。1つの特定のアプリケーションに対して、たとえ遮断期間が適切に選択され得るとしても、異なる電動工具は異なる負荷能力を有している可能性があるので、システム保護は、この特定のアプリケーションだけに対して適しているであろう。従って、様々なアプリケーションにおけるシステム保護の互換性は、適切でない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例によれば、監視及び制御回路は、検知ブロックと、第1及び第2の比較器と、制御モジュールとを備える。電流検知ブロックは、スイッチを流れる電流を表している監視信号を生成するために、スイッチに連結される。検知ブロックに連結された第1の比較器は、監視信号を第1のしきい値と比較すると共に、監視信号と第1のしきい値との間の第1の比較結果に従って第1の信号を提供するように動作可能である。検知ブロックに連結された第2の比較器は、監視信号を第2のしきい値と比較すると共に、監視信号と第2のしきい値との間の第2の比較結果に従って第2の信号を提供するように動作可能である。第1の比較器及び第2の比較器に連結された制御モジュールは、電流を調整するために、第1の信号及び第2の信号に従ってスイッチを制御する制御信号を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施例による代表的な保護回路を示す図である。
【図2】本発明の一実施例による図1の保護回路の代表的な波形を示す図である。
【図3】本発明の一実施例による保護回路を含むバッテリ管理システムを示す図である。
【図4】本発明の一実施例による電流を調整するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施例の特徴及び利点は、以下の詳細な説明の進行、及び同等の参照符号が同等の要素を描写する図面に対する参照によって明白になる。
【0008】
本発明の実施例に対する詳細な参照がここで行われることになる。発明が実施例と共に説明されることになる一方、それらが、発明をこれらの実施例に限定することを意図していない、ということが理解されることになる。これに反して、発明は、添付された特許請求の範囲によって定義された発明の精神及び範囲の中に含まれ得る代替物、改良物、及び等価物をカバーすることを意図している。
【0009】
更に、本発明の完全な理解を提供するために、下記の本発明の実施例の詳細な説明において、多数の特定の詳細が説明される。しかしながら、当業者によって、本発明はこれらの特定の詳細なしで実施され得るということが認識されることになる。他の例では、本発明の実施例の特徴を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は、詳細に説明されなかった。
【0010】
後述する詳細な説明のいくらかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに関する操作の手続き、論理ブロック、処理、及び他の象徴に関連して示される。これらの説明及び表現は、彼らの仕事の内容を他の当業者に対して最も効果的に伝えるために、データ処理技術における当業者によって使用される手段である。本願において、手続き、論理ブロック、処理等は、望ましい結果につながる首尾一貫したステップまたは命令のシーケンスであるべきである、と考えられる。それらのステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、しかし必ずしもでないが、これらの量は、コンピュータシステムにおいて、格納されて、転送されて、結合されて、比較されて、そして他の場合には操作されることができる電気信号もしくは磁気信号の形式を取る。
【0011】
しかしながら、これらまたは同様の用語の全ては、適切な物理量と関連付けられるべきであると共に、これらの量に適用される単に便利なラベルであるということが、留意されるべきである。明確に別の方法で表明されない限り、以下の考察から明白であるように、本願の全体において、“受け取る”、“変換する”、“比較する”、“生成する”、“増幅する”等のような用語を利用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリの中の物理的(電子的な)量として表されるデータを処理して、同様にコンピュータシステムのメモリまたはレジスタ、あるいは他のそのような情報記憶装置、伝送装置、または表示装置の中の物理量として表された他のデータへ変換する、コンピュータシステムまたは同様の電子計算装置の動作及び処理のことを指しているということが認識される。
【0012】
ここで説明された実施例は、一般的に、1つ以上のコンピュータまたは他の装置によって実行されるプログラムモジュールのような、いくらかの形式のコンピュータで使用できる媒体上に存在するコンピュータ実行可能な命令に照らして論じられ得る。一般的に、プログラムモジュールは、特別なタスクを実行するか、もしくは特別な抽象的データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。プログラムモジュールの機能性は、様々な実施例において望まれるように、結合され得るか、もしくは分散され得る。
【0013】
限定ではなく一例として、コンピュータで使用できる媒体は、コンピュータ記憶媒体、及び通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータのような情報の記憶のためにあらゆる方法または技術で実現された揮発性媒体及び不揮発性媒体、取り外し可能媒体及び取り外し不可能媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、電気的消去書き込み可能型ROM(EEROM)、フラッシュメモリ、または他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD−ROM)、デジタル汎用ディスク(DVD)、または他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶装置、あるいは、所望の情報を格納するために使用され得るあらゆる他の媒体を含むが、しかしそれに限定されない。
【0014】
通信媒体は、搬送波または他の搬送機構のような変調されたデータ信号におけるコンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを具現化することができると共に、あらゆる情報配信媒体を含む。用語“変調されたデータ信号”は、信号における符号化情報の特性のセットの内の1つ以上を有するか、または信号における符号化情報に応じたそのような方法において変更された信号を意味する。限定ではなく一例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接的配線接続のような有線媒体、及び音響、無線周波数(RF)、赤外線、及び他の無線媒体のような無線媒体を含む。上記の内のいずれかの組み合わせも、同様に、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0015】
一実施例において、保護回路は、電流を監視すると共に、電流を所定の範囲/希望する範囲内に制御するために提供される。一実施例において、保護回路は、電流が所定のレベルを超える場合に、平均電流を削減するように、スイッチを交互に有効または無効にするための制御モジュールを備えることができる。制御モジュールは、スイッチを制御するために、パルス幅変調(PWM)信号のようなパルス変調信号を生成することができる。従って、電流は、パルス変調信号のデューティサイクルを調整することによって、調整されることができる。更に、保護回路は、制御モジュールの周波数を適切に設定することによって、例えばPWM信号の周波数を設定することによって、様々なアプリケーションに適応することができる。
【0016】
図1は、本発明の一実施例による代表的な保護回路100を示す。保護回路100は、過電流状態のような好ましくない状態を検出すると共に、従って保護動作を実行するために使用され得る。保護回路100は、スイッチ、例えばパワー金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(パワーMOSFET)132と、検知ブロック、例えば電流検知/制御ブロック102と、制御モジュール108と、2つの比較器104及び106を備えることができるモード選択器とを備える。電流検知/制御ブロック102は、パワーMOSFET132を流れる電流109を表している平均電圧信号110のような監視信号を生成するために使用されることができる。制御モジュール108は、制御信号、例えばパワーMOSFET132を制御するためのPWM制御信号120を生成することができる。一実施例において、制御モジュール108は、PWM信号を生成するためのパルス幅変調モジュール108であり得る。
【0017】
図1の例における電流検知/制御ブロック102は、演算増幅器134と、キャパシタンス(コンデンサ)144と、3個の抵抗器142、136、及び138と、検知抵抗器140とを備える。しかしながら、電流検知/制御ブロック102は、多数の他の構成を有することができると共に、図1における代表的な構成に制限されない。検知抵抗器140は、電流109を検知電圧150に変換するために使用される。キャパシタンス144及び抵抗器142は、検知電圧150に従って平均電圧を提供するために、ローパスフィルタとして機能することができる。抵抗器136及び抵抗器138が組み合わされた演算増幅器134は、平均電圧を、第1のしきい値電圧112及び第2のしきい値電圧114のような第1のしきい値及び第2のしきい値と比較され得る平均電圧信号110へ増幅するために使用され得る。一実施例において、第1のしきい値電圧112は、第2のしきい値電圧114より大きい。抵抗器136と抵抗器138との比率を変えることによって、演算増幅器134の利得は変更され得る。
【0018】
一実施例において、パワーMOSFET132は、寄生抵抗を含む。検知抵抗器140を使用する代りに、寄生抵抗が、電流109を検知電圧150に変換するために使用され得る。すなわち、一実施例において、検知抵抗器140は省略され得る。
【0019】
パワーMOSFET132は、それがオンとオフを切り替えるためにPWM制御信号120によって制御され得るスイッチとして機能するならば、他の半導体コンポーネントであり得る。代わりに、制御モジュール108は、直線的にスイッチ132を制御するためのアナログ信号を生成し得る。
【0020】
平均電圧信号110は、比較器104及び比較器106に対して入力される。第1のしきい値電圧112及び第2のしきい値電圧114は、同様に、比較器104及び比較器106に対してそれぞれ入力される。モード信号は、比較器104によって生成される第1の信号116であり得るか、または比較器106によって生成される第2の信号118であり得る。モード信号は、所定の状態、例えば過電流状態が発生したか否かを判定するために使用され得る。もし所定の状態が発生した場合、保護回路100は、保護モードに切り替えられ得る。他の場合には、保護回路100は、通常モードにおいて機能し得る。
【0021】
一実施例において、第1のしきい値電圧112は、電流109がしきい値電流“I”より大きいか否かに基づいて、所定の状態が発生したか否かを判定するために使用され得る。しきい値電流“I”は、以下に示す式(1)において計算され得る。
【0022】
「数1」
=V_oc1/(Rsense×Ag)・・・(1)
【0023】
ここで、“V_oc1”は、第1のしきい値電圧112であり、“Rsense”は、検知抵抗器の抵抗であり、“Ag”は、演算増幅器134の利得である。電流検知/制御ブロック102において、検知抵抗器は、パワーMOSFET132の寄生抵抗か、または独立した検知抵抗器、例えば検知抵抗器140であり得る。
【0024】
一実施例において、動作の間、平均電圧信号110が第1のしきい値電圧112より小さいとき、それは電流109がしきい値電流“I”より小さいことを示すことができ、制御モジュール108は、通常モードにおいて機能するか、もしくは無効にされる。通常モードにおいて、パワーMOSFET132は、オンである。一実施例において、平均電圧信号110が第1のしきい値電圧112より大きいとき、それは電流109がしきい値電流“I”より大きいことを示すことができ、比較器104は、保護回路100を保護モードに切り替えるために、第1の信号116を出力することができる。保護モードの間、制御モジュール108は、パワーMOSFET132を制御するために、PWM制御信号120を出力する。一実施例において、PWM制御信号120は、交互にパワーMOSFET132をオン及びオフに切り替えるために、調整可能なデューティサイクル及び調整可能な周波数を有する複数のパルスを含むことができる。この特徴に関して、一実施例において、電流109は、完全に遮断されないことになるが、しかし削減され得る。そのようなものとして、負荷電力が削減され得る。更に、一実施例において、過渡期における過電流状態が回避され得る。この保護モードにおける電流109の平均レベル“I”は、電流109にPWM制御信号120のデューティサイクルを乗算したものとしておおよそ計算され得る。
【0025】
一実施例において、第2のしきい値電圧114は、電流109を、安全な電流を表しているしきい値電流“I”より下に制御するために使用され得る安全なレベルを表す。一実施例において、しきい値電流“I”はしきい値電流“I”より小さい。しきい値電流“I”は、以下に示す式(2)において計算され得る。
【0026】
「数2」
=V_oc2/(Rsense×Ag)・・・(2)
【0027】
ここで、“V_oc2”は、第2のしきい値電圧114であり、“Rsense”は、検知抵抗器の抵抗であり、“Ag”は、演算増幅器134の利得である。一実施例において、平均電圧信号110が第2のしきい値電圧114より小さいとき、それは平均電流“I”がしきい値電流“I”より低下したことを示すことができ、比較器106は、保護回路100をパワーMOSFET132がオンである通常モードに戻すように切り替えるために、第2の信号118を出力することができる。
【0028】
有利に、しきい値電圧112としきい値電圧114との比率がPWM制御信号120のデューティサイクルと同様に調整され得るので、保護回路100の柔軟性が拡張され得る。保護回路100は、様々なアプリケーションにおいて使用され得ると共に、しきい値電圧112及びしきい値電圧114、そしてPWM制御信号120のデューティサイクルは、異なるアプリケーションニーズに従って調整され得る。
【0029】
図2は、本発明の一実施例による保護回路100の代表的な波形200を示す。図2は、ここで、図1の保護回路100を参照して説明される。x軸は時刻を表し、そしてy軸は電圧を表す。保護モード204、そして2つの通常モード202及び206という2つのタイプのモードが例証される。図2の例において、図1におけるPWM信号120の代表的なデューティサイクルは、50%である。従って、図1に示されるパワーMOSFET132は、保護モード204の間、50[%]の時間の間ターンオンされ、残りの50[%]の時間の間ターンオフされる。
【0030】
図2において示されるように、初めに、図1の保護回路100は通常モード202において動作している。平均電圧信号110は、電流109の増加に起因して増加し得る。時刻“t1”において平均電圧信号110が第1のしきい値電圧112を越えるとき、もしくは、すなわち図1で示される電流109がしきい値電流“I”を越えるとき、図1の保護回路100は、自動的に、保護モード204に切り替えられ得る。
【0031】
保護モード204において、図1の制御モジュール108は、パワーMOSFET132を駆動するために、50%の代表的なデューティサイクルを有するPWM制御信号120を出力することができる。一実施例において、そのようなものとして、図1に示されるパワーMOSFET132は、交互にターンオン及びターンオフされ得る。図2の例において、図1に示される電流109は、時刻“t1”において、しきい値電流“I”から“(I/2)”に削減され得る。一点鎖線で示される線(curve)150は、保護モード204における図1の検知電圧150の例を示す。一実施例において、検知電圧150の周波数は、パワーMOSFET132のオン/オフ周波数に対応する。
【0032】
保護モード204は、時刻t2において平均電圧信号110が第2のしきい値電圧114より低下するまで、もしくは、すなわち図1に示される電流109の平均電流がしきい値電流“I”より低下するまで続けられる。一実施例において、時刻t2において1度平均電圧信号110が第2のしきい値電圧114より低下すると、図1に示される保護回路100は、通常モード206に戻るように切り替わる。
【0033】
一実施例において、図1の保護回路100がちょうど通常モード206に戻るように切り替わる瞬間に、電流109は、しきい値電流“I”より同様に小さい“2I”になり得る。図2に示されるように、時刻“t2”における平均電圧信号110の値は、代表的なデューティサイクルが50[%]であるので、2倍になる。
【0034】
図2における平均電圧信号110は、実例とする目的のためのものである。実用的な動作において、平均電圧信号110は、連続的であり得ると共に、時間で変化し得る。
【0035】
図3は、本発明の一実施例による、バッテリ管理システム300における保護回路100の代表的な応用例を示す。2つの充電パッド316及び318を備えるバッテリ302は、負荷304に電力を供給するために、負荷304に対して直列に連結される。バッテリ302は、1つ以上のバッテリセルを備えることができる。保護回路100は、電流109を監視して、電流109が所定のレベル、例えば図1における第1のしきい値電圧112を越えないように制御するために使用され得る。
【0036】
一実施例において、バッテリ302を充電するために充電器(図示せず)が充電パッド316及び318に連結される場合に、保護回路100は、充電電流を監視するために使用され得る。別の実施例において、バッテリ302が負荷304に電力を供給する場合に、保護回路100は、放電電流を監視するために使用され得る。
【0037】
バッテリ保護システム300は、電圧超過状態/電圧低下状態を回避するようにバッテリ302を監視するために、同様に電圧保護回路を備えることができる。一実施例において、バッテリ302の電圧が所定のレベルを超過する/下回る場合に、電圧保護回路308は、電圧警報信号を送出する。
【0038】
バッテリ保護システム300は、同様に、バッテリ302の温度を監視するために、温度保護回路312を備えることができる。一実施例において、バッテリ302の温度が所定のレベルを超過する/下回る場合に、温度保護回路312は、温度警報信号を送出する。
【0039】
図4は、本発明の一実施例による電流を調整するための方法400を示す。図4は、図1と組み合わせて説明される。
【0040】
410において、電流109がパワーMOSFET132のようなスイッチによって受け取られる。
【0041】
412において、電流109のレベルを表すために使用されることができる平均電圧信号110のような監視信号が生成される。一実施例において、パワーMOSFET132を流れる電流109は、電流検知/制御ブロック102によって、平均電圧信号110に変換される。パワーMOSFET132の寄生抵抗か、または独立した検知抵抗器140であり得る検知抵抗器は、電流109を検知電圧150に変換することができる。コンデンサ144及び抵抗器142は、検知電圧150に従って平均電圧を提供するためのローパスフィルタとして機能することができる。平均電圧は、抵抗器136及び抵抗器138と組み合わされた演算増幅器134によって、平均電圧信号110へ増幅され得る。抵抗器136と抵抗器138との比率を変えることによって、演算増幅器134の利得は変更され得る。
【0042】
414において、監視信号と第1のしきい値電圧112との比較結果に従って第1の信号116が生成される。一実施例において、平均電圧信号110は、比較器104によって、第1のしきい値電圧112と比較される。平均電圧信号110が第1のしきい値電圧112より大きい場合に、比較器104は、第1の信号116を出力することができる。第1のしきい値電圧112は、電流109がしきい値電流“I”より大きいか否かに基づいて、所定の状態が発生したか否かを判定するために使用され得る。例えば、平均電圧信号110が第1のしきい値電圧112より大きい場合に、比較器104は、第1の信号116を出力することができる。
【0043】
416において、監視信号と第2のしきい値電圧114との比較結果に従って第2の信号118が生成される。一実施例において、平均電圧信号110が第2のしきい値電圧114より小さい場合に、比較器106は、第2の信号118を出力することができる。第2のしきい値電圧114は、電流109がしきい値電流“I”を下回っていることを保証するために使用され得る安全なレベルを表す。すなわち、平均電圧信号110が第2のしきい値電圧114より小さい場合に、比較器106は、第2の信号118を出力することができる。
【0044】
418において、制御信号120は、第1の信号116及び第2の信号118に従って、制御モジュール108によって生成される。制御信号120は、電流109を調整するように、パワーMOSFET132を制御するために使用され得る。一実施例において、パワーMOSFET132は、保護モードにおいて、電流109の平均電流を削減するために、交互に有効及び無効にされる。
【0045】
従って、本発明の一実施例による保護回路は、電流を監視し、電流が所定のレンジを超える場合に保護モードにおいて機能することによって、電流を所定のレンジの範囲内に制御するために使用され得る。一実施例において、保護回路におけるスイッチが交互に有効及び無効にされ、従って、その電流は削減され得るが、しかし完全に遮断されない。適切に制御モジュールを設定することによって、有利に、保護回路は、様々なアプリケーションに適応することができる。
【0046】
前述の説明、及び図面が、本発明の実施例を表す一方、様々な追加物、改良物、そして代用物が、添付の特許請求の範囲において定義された本発明の原理の精神及び範囲からはずれることなく、その中で生成され得るということが理解されることになる。当業者は、本発明が、本発明の原理からはずれることなしに、特殊環境及び作動要求に特に適合する本発明の実践において使用される形式、構造、装置、割合、材料、構成要素、構成部品、及びその他、の多くの改良と共に使用され得ると認識することになる。ここで開示された実施例は、従って、全ての点で実例となり、そして制限的でなく、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲、及びそれらの法律上の等価物によって示され、そして前述の説明に制限されない、と考えられるべきである。
【符号の説明】
【0047】
100 保護回路
102 電流検知/制御ブロック
104、106 比較器
108 制御モジュール(パルス幅変調モジュール)
109 電流
110 平均電圧信号
112 第1のしきい値電圧
114 第2のしきい値電圧
116 第1の信号
118 第2の信号
120 PWM制御信号
132 パワー金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(パワーMOSFET)
134 演算増幅器
136、138、142 抵抗器
140 検知抵抗器
144 キャパシタンス(コンデンサ)
150 検知電圧
200 保護回路100の代表的な波形
202、206 通常モード
204 保護モード
300 バッテリ管理システム
302 バッテリ
304 負荷
308 電圧保護回路
312 温度保護回路
316、318 充電パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視及び制御回路であって、
スイッチに連結されると共に、前記スイッチを流れる電流を表している監視信号を生成するための検知ブロックと、
前記検知ブロックに連結されると共に、前記監視信号を第1のしきい値と比較し、前記監視信号と前記第1のしきい値との間の第1の比較結果に従って第1の信号を提供するための第1の比較器と、
前記検知ブロックに連結されると共に、前記監視信号を第2のしきい値と比較し、前記監視信号と前記第2のしきい値との間の第2の比較結果に従って第2の信号を提供するための第2の比較器と、
前記第1の比較器及び前記第2の比較器に連結されると共に、前記電流を調整するために、前記第1の信号及び前記第2の信号に従って前記スイッチを制御する制御信号を提供するための制御モジュールと
を備えることを特徴とする監視及び制御回路。
【請求項2】
もし前記監視信号が前記第1のしきい値より大きい場合、前記第1の比較器が前記第1の信号を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視及び制御回路。
【請求項3】
もし前記監視信号が前記第2のしきい値より小さい場合、前記第2の比較器が前記第2の信号を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視及び制御回路。
【請求項4】
前記監視信号が、平均電圧信号を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の監視及び制御回路。
【請求項5】
前記検知ブロックが、
前記スイッチに連結されると共に、前記電流を検知電圧に変換するための検知抵抗と、
前記検知抵抗に連結されると共に、前記検知電圧に従って平均電圧を提供するためのローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタに連結されると共に、前記平均電圧を前記平均電圧信号へ増幅するための演算増幅器と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の監視及び制御回路。
【請求項6】
前記スイッチが、前記電流を検知電圧に変換するための寄生抵抗を更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の監視及び制御回路。
【請求項7】
前記監視信号が、平均電圧信号を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の監視及び制御回路。
【請求項8】
前記検知ブロックが、
前記スイッチに連結されると共に、前記検知電圧に従って平均電圧を提供するためのローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタに連結されると共に、前記平均電圧を前記平均電圧信号へ増幅するための演算増幅器と
を備えることを特徴とする請求項7に記載の監視及び制御回路。
【請求項9】
前記制御信号が、前記スイッチを交互に有効及び無効にするための複数のパルスを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の監視及び制御回路。
【請求項10】
前記制御信号が、パルス幅変調(PWM)信号を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の監視及び制御回路。
【請求項11】
保護回路であって、
スイッチに連結されると共に、前記スイッチを流れる電流を表している監視信号を生成するための検知ブロックと、
前記検知ブロックに連結されると共に、前記監視信号に従って少なくとも通常モード及び保護モードからモードを選択し、モード信号を生成するためのモード選択器と、
前記モード選択器に連結されると共に、前記モード信号に従って前記スイッチに対して制御信号を提供するための制御モジュールとを備え、
前記保護モードにおいて前記スイッチが交互に有効及び無効にされ、前記通常モードにおいて前記スイッチが有効にされる
ことを特徴とする保護回路。
【請求項12】
前記モード選択器が、
前記監視信号を第1のしきい値と比較し、前記監視信号と前記第1のしきい値との間の第1の比較結果に従って第1の信号を提供するための第1の比較器と、
前記監視信号を第2のしきい値と比較し、前記監視信号と前記第2のしきい値との間の第2の比較結果に従って第2の信号を提供するための第2の比較器と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の保護回路。
【請求項13】
前記モード信号が、前記第1の信号及び前記第2の信号の内の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の保護回路。
【請求項14】
もし前記監視信号が前記第1のしきい値より大きい場合、前記第1の比較器が前記第1の信号を提供する
ことを特徴とする請求項12に記載の保護回路。
【請求項15】
もし前記監視信号が前記第2のしきい値より小さい場合、前記第2の比較器が前記第2の信号を提供する
ことを特徴とする請求項12に記載の保護回路。
【請求項16】
前記制御信号が、前記スイッチを交互に有効及び無効にするための複数のパルスを含む
ことを特徴とする請求項11に記載の保護回路。
【請求項17】
前記制御信号が、パルス幅変調(PWM)信号を含む
ことを特徴とする請求項11に記載の保護回路。
【請求項18】
電流を調整するための方法であって、
スイッチによって前記電流を受け取る段階と、
前記電流を表している監視信号を生成する段階と、
前記監視信号と第1のしきい値との間の第1の比較結果に従って第1の信号を生成する段階と、
前記監視信号と第2のしきい値との間の第2の比較結果に従って第2の信号を生成する段階と、
前記電流を調整するために、前記第1の信号及び前記第2の信号に従って前記スイッチを制御する制御信号を生成する段階と
を有することを特徴とする方法。
【請求項19】
前記制御信号が、前記スイッチを交互に有効及び無効にするための複数のパルスを含む
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記制御信号が、パルス幅変調(PWM)信号を含む
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−219348(P2009−219348A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55325(P2009−55325)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】