鞍乗型車両
【課題】 ブレーキ故障などの緊急時において、駆動輪の駆動力を確実に停止させることを可能とする鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】 鞍乗型車輌100は、バッテリ30及びブレーカ40とを備える。ブレーカ40は、バッテリ30から駆動輪への電力を遮断するためのスイッチ41を有する。ブレーカ40は、シート60とフットレスト24との間に設けられており、かつ、フットレスト24の前方に設けられている。
【解決手段】 鞍乗型車輌100は、バッテリ30及びブレーカ40とを備える。ブレーカ40は、バッテリ30から駆動輪への電力を遮断するためのスイッチ41を有する。ブレーカ40は、シート60とフットレスト24との間に設けられており、かつ、フットレスト24の前方に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪と、後輪と、前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、操舵機構に接続されたハンドルとを備える鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
前輪と、後輪と、前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、操舵機構に接続されたハンドルとを備える鞍乗型車両が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
近年では、鞍乗型車両の動力源として、エンジンに代えて、バッテリを用いる電動型の鞍乗型車両も提案されている。
【0004】
このような電動型の鞍乗型車両は、イグニッションスイッチを電気的にONにすることによって、駆動輪を駆動する駆動モータにバッテリに蓄積された電力を供給するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−241871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、鞍乗型車両の進行を停止する場合に、通常時においては、ブレーキなどの制動機構によって駆動輪の回転を停止させる。
【0007】
一方で、ブレーキ故障などの緊急時においては、イグニッションスイッチをOFFにすることによって、駆動輪に設けられた駆動モータへの電力の供給を停止することが考えられる。或いは、緊急時においては、非常停止ボタンの押下によって、駆動輪を駆動する駆動モータへの電力の供給を停止することも考えられる。
【0008】
しかしながら、イグニッションスイッチと駆動モータとの間の信号線、或いは、非常停止ボタンと駆動モータとの間の信号線に不具合が存在する場合には、駆動輪の駆動力を停止させることができなかった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ブレーキ故障などの緊急時において、駆動輪の駆動力を確実に停止させることを可能とする鞍乗型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の特徴に係る鞍乗型車両は、前輪と、後輪と、前記前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、前記操舵機構に接続されたハンドルとを備える。鞍乗型車両は、前記前輪及び前記後輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリと、前記バッテリから前記駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、乗車者が着座するように構成されたシートと、前記シートの下方に設けられたフットレストとを備える。前記ブレーカは、前記バッテリから前記駆動輪への電力を遮断するためのスイッチを有する。前記ブレーカは、前記シートと前記フットレストとの間に設けられており、かつ、前記フットレストの前方に設けられている。
【0011】
第1の特徴において、鞍乗型車両は、前記鞍乗型車両の骨格を形成する車体フレームと、前記車体フレームに設けられており、前記駆動モータの回転量を調整するためのスロットルとをさらに備える。
【0012】
第1の特徴において、前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含む。前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪である。前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含む。鞍乗型車両は、前記2つの前輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの前輪駆動制御回路のそれぞれを収容する2つの前側制御ボックスのアッセンブリは、前記バッテリの前方に設けられる。前記2つの後輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの後輪駆動制御回路のそれぞれを収容する2つの後側制御ボックスのアッセンブリは、前記バッテリの後方に設けられる。前記2つの前側制御ボックスのアッセンブリの外面は、前記2つの前側制御ボックスのそれぞれに設けられた放熱フィンによって形成される。前記2つの後側制御ボックスのアッセンブリの外面は、前記2つの後側制御ボックスのそれぞれに設けられた放熱フィンによって形成される。
【0013】
第1の特徴において、鞍乗型車両は、前記バッテリに給電するための給電プラグを受け入れるように構成された給電ソケットをさらに備える。前記給電ソケットは、前記給電プラグは、前記シートの直下に設けられる。前記シートは、前記シートの開閉或いは前記シートの着脱によって、前記給電ソケットを露出可能に構成される。
【0014】
第1の特徴において、鞍乗型車両は、前記鞍乗型車両の骨格を形成し、クレードルフレームを含む車体フレームをさらに備える。前記クレードルフレームは、前記クレードルフレームの略中央で前記バッテリを支持する。
【0015】
第1の特徴において、前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含む。前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪である。前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含む。前記バッテリは、前記2つの前輪駆動モータに供給する電力を蓄積する前輪用バッテリと、前記2つの後輪駆動モータに供給する電力を蓄積する後輪用バッテリとを含む。
【0016】
第1の特徴において、前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含む。前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪である。前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含む。鞍乗型車両は、前記2つの前輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの前輪駆動制御回路と、前記2つの後輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの後輪駆動制御回路と、前記2つの前輪駆動制御回路及び前記2つの後輪駆動制御回路を制御する車輌制御回路と、前記車輌制御回路に第1電力線を介して接続されたイグニッションスイッチとをさらに備える。前記車輌制御回路は、前記2つの前輪駆動制御回路及び前記2つの後輪駆動制御回路のいずれかである電力供給回路に第2電力線を介して接続される。前記車輌制御回路は、前記第1電力線を介して供給される電力によって、前記電力供給回路を起動した後において、前記第2電力線を介して供給される電力によって動作する。前記第2電力線には、前記第1電力線の通電の検出に応じて、前記第2電力線を接続状態とし、前記第1電力線の非通電の検出に応じて、前記第2電力線を非接続状態とするスイッチ回路が設けられる。
【0017】
第2の特徴に係る鞍乗型車両は、複数の車輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリを備える。鞍乗型車両は、前記バッテリから前記駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、前記ブレーカに機械的に接続されており、前記バッテリから前記駆動輪への電力を遮断するためのスイッチと、乗車者が着座するように構成されたシートとを備える。前記スイッチは、前記シートの下方に設けられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ブレーキ故障などの緊急時において、駆動輪の駆動力を確実に停止させることを可能とする鞍乗型車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の側面視図である。
【図2】第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の上面視図である。
【図3】第1実施形態に係るイグニッションユニット80を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る制御ボックス150を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る制御ボックス150を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る1対の制御ボックス150のアッセンブリを示す図である。
【図7】第1実施形態に係る1対の制御ボックス150のアッセンブリを示す図である。
【図8】第1実施形態に係る給電プラグ75を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る給電プラグ75を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る給電ソケット70を示す図である。
【図11】第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下において、本発明の実施形態に係る鞍乗型車両について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0021】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
[実施形態の概要]
実施形態に係る鞍乗型車両は、前輪と、後輪と、前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、操舵機構に接続されたハンドルとを備える。鞍乗型車両は、前輪及び後輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリと、バッテリから駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、乗車者が着座するように構成されたシートと、シートの下方に設けられたフットレストとを備える。ブレーカは、バッテリから駆動輪への電力を遮断するためのスイッチを有する。ブレーカは、シートとフットレストとの間に設けられており、かつ、フットレストの前方に設けられている。
【0023】
実施形態によれば、ブレーカがシートとフットレストとの間に設けられている。従って、ブレーカに設けられたスイッチを足で操作することによって、バッテリから駆動モータへの電力を直接的に遮断することができ、駆動輪の駆動力を確実に停止させることができる。特に、ブレーキ故障などの緊急時において、スイッチを足で操作することができるため、ハンドルから手を離す必要がなく、安全性を担保することができる。なお、最終的には、ブレーキと駆動輪との摩擦や駆動輪と路面との摩擦などによって、鞍乗型車両(駆動輪)が停止することは勿論である。
【0024】
実施形態によれば、ブレーカがフットレストの前方に設けられている。従って、ブレーカに設けられたスイッチの誤操作を抑制することができる。
【0025】
なお、実施形態では、鞍乗型車両の一例として、4輪駆動のATV(All Terrain Vehicle)を例示する。しかしながら、鞍乗型車両は、電動二輪車であってもよく、電動三輪車であってもよい。また、鞍乗型車両に設けられる車輪のいずれかのみが駆動輪であってもよい。
【0026】
[第1実施形態]
(鞍乗型車両の構成)
以下において、第1実施形態に係る鞍乗型車両について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の側面視図である。図2は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の斜視図である。図3は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の上面視図である。図4は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の側面視図である。
【0027】
なお、図1〜図4では、電源線や信号線などの配線について省略していることに留意すべきである。また、図2〜図3では、前輪、後輪及びシートなどが省略されていることに留意すべきである。
【0028】
図1〜図4に示すように、鞍乗型車輌100は、車輪(前輪11Aと、前輪11Bと、後輪12Aと、後輪12B)と、車体フレーム20と、バッテリ30と、ブレーカ40と、制御ボックス(前側制御ボックス51A、前側制御ボックス51B、後側制御ボックス52A、後側制御ボックス52B)と、シート60と、給電ソケット70と、イグニッションユニット80と、表示ユニット90と、スロットル110とを有する。
【0029】
前輪11A及び前輪11Bは、鞍乗型車輌100の前部に設けられており、車軸を中心として回転可能に構成されている。前輪11A及び前輪11Bのそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータ(駆動モータ311A及び駆動モータ311B)が設けられる。すなわち、前輪11A及び前輪11Bは、駆動輪である。
【0030】
後輪12A及び後輪12Bは、鞍乗型車輌100の後部に設けられており、車軸を中心として回転可能に構成されている。後輪12A及び後輪12Bのそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータ(駆動モータ312A及び駆動モータ312B)が設けられる。すなわち、後輪12A及び後輪12Bは、駆動輪である。
【0031】
車体フレーム20は、鞍乗型車輌100の骨格を形成する。車体フレーム20は、後述するバッテリ30を支持するように構成されたクレードルフレーム21を含む。
【0032】
クレードルフレーム21は、ゆりかご状のフレーム形状を有する。具体的には、クレードルフレーム21は、鞍乗型車輌100の前後方向において、クレードルフレーム21の略中央でバッテリ30を支持する。また、クレードルフレーム21は、鞍乗型車輌100の幅方向において、クレードルフレーム21の略中央でバッテリ30を支持する。
【0033】
また、車体フレーム20には、操舵機構22、ハンドル23、フットレスト24、スイングアーム25及びシート支持具26が設けられる。
【0034】
操舵機構22は、前輪11A及び前輪11Bの向きを変更するように構成される。操舵機構22は、例えば、ステアリングシャフトやステアリングギアなどによって構成される。
【0035】
ハンドル23は、操舵機構22に接続されており、前輪11A及び前輪11Bの向きの変更に用いられる。具体的には、ハンドル23は、乗車者の両手でそれぞれ握られるように構成された1対のグリップ部分を有する。例えば、ハンドル23は、ステアリングシャフトを介してステアリングギアに接続される。
【0036】
例えば、右側のグリップ部分には、前輪11A及び前輪11Bの回転を制動する制動機構にワイヤー等(不図示)によって接続されたブレーキレバー23Aが設けられる。同様に、左側のグリップ部分には、後輪12A及び後輪12Bの回転を制動する制動機構にワイヤー等(不図示)によって接続されたブレーキレバー23Bが設けられる。
【0037】
また、右側のグリップ部分には、駆動輪の回転量を調整するためのアクセルレバー23Cが設けられる。アクセルレバー23Cは、スロットル110にワイヤー等(不図示)によって接続される。
【0038】
フットレスト24は、後述するシート60の下方に設けられており、乗車者の両足を載置可能に構成されている。具体的には、フットレスト24は、クレードルフレーム21の下端に設けられたフットレスト取付具24Aに取り付けられる。
【0039】
スイングアーム25の一端は、クレードルフレーム21の後端に設けられた支持軸に取り付けられており、スイングアーム25の他端は、後輪12A及び後輪12Bの車軸に取り付けられる。スイングアーム25は、クレードルフレーム21の後端に設けられた支持軸を中心として揺動可能に構成されている。
【0040】
シート支持具26は、後述するシート60を支持するように構成されている。例えば、シート支持具26は、シート支持具26A及びシート支持具26Bを有する。シート支持具26A及びシート支持具26Bは、シート60を開閉可能に支持する。或いは、シート支持具26A及びシート支持具26Bは、シート60を着脱可能に支持する。
【0041】
バッテリ30は、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成される。例えば、バッテリ30は、前輪用バッテリ31と、後輪用バッテリ32とを有する。前輪用バッテリ31は、前輪11A及び前輪11Bを駆動する前輪駆動モータ(駆動モータ311A及び駆動モータ311B)に供給される電力を蓄積する。後輪用バッテリ32は後輪12A及び後輪12Bを駆動する後輪駆動モータ(駆動モータ312A及び駆動モータ312B)に供給される電力を蓄積する。例えば、鞍乗型車輌100の幅方向において、前輪用バッテリ31及び後輪用バッテリ32は並んで配列される。
【0042】
ブレーカ40は、バッテリ30から駆動モータへの電力を遮断可能に構成されている。具体的には、ブレーカ40は、スイッチ41を有しており、スイッチ41のON/OFFによって、バッテリ30から駆動モータに電力を供給するか否かを切り替える。すなわち、ブレーカ40は、スイッチ41がONである場合に、バッテリ30から駆動モータへの電力を遮断せず、スイッチ41がOFFである場合に、バッテリ30から駆動モータへの電力を遮断する。
【0043】
前側制御ボックス51Aは、前輪11Aを駆動する駆動モータを制御する前輪駆動制御回路を収容する。同様に、前側制御ボックス51Bは、前輪11Bを駆動する駆動モータを制御する前輪駆動制御回路を収容する。前側制御ボックス51A及び前側制御ボックス51Bは、鞍乗型車輌100の前後方向において、バッテリ30よりも前側に設けられる。前側制御ボックス51A及び前側制御ボックス51Bは、後述するように、1つのアッセンブリとして組み合わされる(図8及び図9を参照)。
【0044】
また、後側制御ボックス52Aは、後輪12Aを駆動する駆動モータを制御する後輪駆動制御回路を収容する。同様に、後側制御ボックス52Bは、後輪12Bを駆動する駆動モータを制御する後輪駆動制御回路を収容する。後側制御ボックス52A及び後側制御ボックス52Bは、鞍乗型車輌100の前後方向において、バッテリ30よりも後側に設けられる。後側制御ボックス52A及び後側制御ボックス52Bは、後述するように、1つのアッセンブリとして組み合わされる(図8及び図9を参照)。
【0045】
シート60は、乗車者が着座するように構成される。シート60は、上述したように、車体フレーム20に設けられたシート支持具26によって支持される。シート60は、シート60の開閉或いは着脱によって、後述する給電ソケット70を露出可能に構成されている。
【0046】
給電ソケット70は、バッテリ30に給電するための給電プラグ(不図示)を受け入れるように構成される。例えば、給電ソケット70は、給電ソケット70A及び給電ソケット70Bを有する。給電ソケット70Aは、前輪用バッテリ31に給電するための給電プラグを受け入れる。給電ソケット70Bは、後輪用バッテリ32に給電するための給電プラグを受け入れる。例えば、鞍乗型車輌100の幅方向において、給電ソケット70A及び給電ソケット70Bは並んで配列される。
【0047】
イグニッションユニット80は、ハンドル23に設けられる。イグニッションユニット80は、イグニッションスイッチ(不図示)を有しており、鞍乗型車輌100を起動するように構成される。具体的には、図5に示すように、イグニッションユニット80は、イグニッションキー81の差し込み口82と、スイッチ群83と、非常停止ボタン84を有する。
【0048】
なお、差し込み口82に差し込まれたイグニッションキー81の回動によって、イグニッションスイッチのON/OFFが切り替えられる。スイッチ群83は、前進モードと後進モードとの切り替えなどのように、各種モードを切り替えるためのスイッチを有する。非常停止ボタン84は、緊急時において、駆動輪の回転を停止するためのボタンである。具体的には、非常停止ボタン84の押下によって、駆動輪を制御する駆動回路(前輪駆動制御回路及び後輪駆動制御回路)の動作が停止する。
【0049】
表示ユニット90は、ハンドル23に設けられる。表示ユニット90は、走行速度などを表示するように構成された表示部91と、走行モードを切り替えるためのモード切替ボタン92とを有する。
【0050】
スロットル110は、車体フレーム20に設けられる。例えば、スロットル110は、バッテリ30の上方において、クレードルフレーム21に設けられる。また、スロットル110は、ワイヤー等によってアクセルレバー23Cに接続される。
【0051】
ここで、スロットル110は、アクセルレバー23Cの操作に応じて、駆動輪の回転量を調整するように構成される。例えば、スロットル110は、A/D変換器を有しており、アクセルレバー23Cとスロットル110とを接続するワイヤーの張力に応じて、駆動モータに供給される電力量を調整するように構成される。
【0052】
(制御ボックスの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ボックスについて、図面を参照しながら説明する。図6及び図7は、第1実施形態に係る制御ボックス150を示す図である。図8及び図9は、第1実施形態に係る1対の制御ボックス150のアッセンブリを示す図である。
【0053】
なお、前側制御ボックス51A、前側制御ボックス51B、後側制御ボックス52A及び後側制御ボックス52Bは、同様の構成を有しているため、ここでは、これらを総称して制御ボックス150と称することに留意すべきである。
【0054】
第1に、図6及び図7を参照しながら、制御ボックス150の単体について説明する。図6及び図7に示すように、制御ボックス150は、蓋体151と、放熱フィン152と、配線153と、端子154とを有する。
【0055】
蓋体151は、後述するように、1対の制御ボックス150が組み合わされる際に、他の制御ボックス150の蓋体151と対向する面である。なお、蓋体151の裏面側、すなわち、制御ボックス150の内側には、駆動輪を制御する駆動制御回路が設けられる。
【0056】
放熱フィン152は、制御ボックス150の外面のうち、少なくとも蓋体151の反対側の面に設けられる。
【0057】
配線153は、ブレーカ40を介してバッテリ30に接続される動力線(直流)である。端子154は、各層用の動力線(交流)が接続される端子である。各層用の動力線(交流)は、駆動モータに接続される。
【0058】
第2に、図8及び図9を参照しながら、1対の制御ボックス150(制御ボックス150A及び制御ボックス150B)のアッセンブリについて説明する。図8及び図9に示すように、1対の制御ボックス150のアッセンブリでは、制御ボックス150Aに設けられた蓋体151及び制御ボックス150Bに設けられた1対の蓋体151がスペーサ160を介して対向するように、制御ボックス150A及び制御ボックス150Bが組み合わされる。
【0059】
具体的には、制御ボックス150Aには、取付具171が固定され、制御ボックス150Bには、取付具172が固定される。取付具171、スペーサ160及び取付具172は、車体フレーム20に設けられた配置基板にネジ止めなどによって固定される。これによって、制御ボックス150A及び制御ボックス150Bが組み合わされる。
【0060】
ここで、1対の制御ボックス150のアッセンブリの外面は、制御ボックス150Aに設けられた放熱フィン152及び制御ボックス150Bに設けられた放熱フィン152によって構成されることに留意すべきである。なお、取付具171或いは取付具172が設けられる部分には、放熱フィン152が設けられていなくてもよいことは勿論である。
【0061】
(給電ソケットの構成)
以下において、第1実施形態に係る給電ソケットについて、図面を参照しながら説明する。図10及び図11は、給電ソケット70に差し込まれる給電プラグ75を示す図である。図12は、第1実施形態に係る給電ソケット70が設けられる部分(鞍乗型車輌100)の拡大図である。なお、図12では、シート60が省略されていることに留意すべきである。
【0062】
第1に、給電プラグ75について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10及び図11に示すように、給電プラグ75は、略円柱形状を有しており、端子76を有している。
【0063】
第2に、給電ソケット70について、図12を参照しながら説明する。ここで、図12では、給電ソケット70Aに給電プラグ75が差し込まれている状態が示されている。給電ソケット70A及び給電ソケット70Bは同様の構成を有するため、ここでは、給電ソケット70Bを例示して給電ソケット70の構成を説明する。
【0064】
図12に示すように、給電ソケット70Bは、給電孔71Bと、蓋体72Bとを有する。給電孔71Bは、給電プラグ75に設けられる端子76が差し込まれる孔である。蓋体72Bは、給電ソケット70Bに設けられた回動軸を中心として回動可能に構成されている。
【0065】
なお、給電ソケット70Bに設けられた回動軸は、バネなどを有しており、蓋体72Bを押さえていなければ、蓋体72Bは、給電孔71Bを塞ぐように構成されている。
【0066】
(鞍乗型車両の回路図)
以下において、第1実施形態に係る鞍乗型車両の回路図について、図面を参照しながら説明する。図13は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の回路図を示す図である。
【0067】
図13に示すように、鞍乗型車輌100の回路は、駆動制御回路(前輪駆動制御回路321A、前輪駆動制御回路321B、後輪駆動制御回路322A、後輪駆動制御回路322B)を有する。また、鞍乗型車輌100の回路は、イグニッション回路330及び車輌制御回路340を有する。
【0068】
前輪駆動制御回路321Aは、前輪11Aを駆動する駆動モータ311Aを制御する。前輪駆動制御回路321Bは、前輪11Bを駆動する駆動モータ311Bを制御する。後輪駆動制御回路322Aは、後輪12Aを駆動する駆動モータ312Aを制御する。後輪駆動制御回路322Bは、後輪12Bを駆動する駆動モータ312Bを制御する。
【0069】
ここで、これらの駆動制御回路のうち、いずれかの駆動制御回路は、車輌制御回路340に電力を供給する回路(以下、電力供給回路)としても機能する。第1実施形態では、前輪駆動制御回路321Aが電力供給回路として機能する。
【0070】
具体的には、前輪駆動制御回路321Aは、電力線L2を介して車輌制御回路340に接続されている。前輪駆動制御回路321Aは、車輌制御回路340から信号線L4及び信号線L5を介して入力される起動信号によって起動する。
【0071】
一方で、前輪駆動制御回路321Aは、バッテリ30(前輪用バッテリ31)からブレーカ40を介して供給される電力を降圧して、車輌制御回路340の動作に必要な主電力(例えば、12V)を生成する。前輪駆動制御回路321Aは、電力線L2を介して車輌制御回路340に主電力を供給する。
【0072】
イグニッション回路330は、イグニッションユニット80に収容される回路である。イグニッション回路330は、イグニッションスイッチ331と、小型バッテリ332と、モード切替スイッチ群333と、非常停止スイッチ334とを有する。
【0073】
イグニッションスイッチ331は、電力線L1を介して車輌制御回路340に接続されている。イグニッションスイッチ331は、小型バッテリ332から車輌制御回路340に対して起動電力(例えば、9V)を供給するためのスイッチである。イグニッションスイッチ331のON/OFFは、差し込み口82に差し込まれたイグニッションキー81の回動に応じて切り替わる。
【0074】
具体的には、イグニッションスイッチ331がONである場合に、小型バッテリ332から車輌制御回路340に対して、電力線L1を介して起動電力(例えば、9V)が供給される。一方で、イグニッションスイッチ331がOFFである場合に、小型バッテリ332から車輌制御回路340に対して起動電力(例えば、9V)が供給されない。
【0075】
小型バッテリ332は、車輌制御回路340を起動するための起動電力を蓄積するバッテリである。小型バッテリ332は、例えば、乾電池などである。
【0076】
モード切替スイッチ群333は、スイッチ群83に応じて設けられるスイッチである。
【0077】
非常停止スイッチ334は、信号線L4を介して車輌制御回路340に接続されている。また、非常停止スイッチ334は、信号線L5を介して、各駆動制御回路に接続されている。非常停止ボタン84が押下されていない状態において、非常停止スイッチ334はONであり、非常停止ボタン84が押下された状態において、非常停止スイッチ334は、OFFである。すなわち、信号線L4及び信号線L5を介して各駆動制御回路に入力されていた起動信号は、非常停止ボタン84の押下に応じて、各駆動制御回路に入力されなくなる。これによって、各駆動制御回路は、各駆動モータを停止する。
【0078】
車輌制御回路340は、複数の駆動制御回路(前輪駆動制御回路321A、前輪駆動制御回路321B、後輪駆動制御回路322A及び後輪駆動制御回路322B)を制御する回路である。車輌制御回路340は、スイッチ回路341と、起動信号出力回路342とを有する。
【0079】
スイッチ回路341は、前輪駆動制御回路321Aから電力線L2を介して供給される主電力を車輌制御回路340の回路電源に供給するか否かを切り替える。具体的には、スイッチ回路341は、電力線L1の通電或いは非通電を検出するように構成される。
【0080】
スイッチ回路341は、電力線L1の通電の検出に応じて、電力線L2を接続状態とする。すなわち、電力線L1の通電の検出に応じて、スイッチ回路341がONになる。言い換えると、イグニッションスイッチ331がONである間において、前輪駆動制御回路321Aから電力線L2を介して供給される主電力が車輌制御回路340の回路電源に供給される。
【0081】
一方で、スイッチ回路341は、電力線L1の非通電の検出に応じて、電力線L2を非接続状態とする。すなわち、電力線L1の非通電の検出に応じて、スイッチ回路341がOFFになる。言い換えると、イグニッションスイッチ331がONからOFFに切り替わると、前輪駆動制御回路321Aから電力線L2を介して供給される主電力が車輌制御回路340の回路電源に供給されなくなる。
【0082】
起動信号出力回路342は、車輌制御回路340に起動電力(或いは、主電力)が供給される場合に、起動信号を出力する。起動信号は、信号線L4及び信号線L5を介して各駆動制御回路に入力される。これによって、各駆動制御回路は、起動信号の入力に応じて起動する。
【0083】
なお、差し込み口82に差し込まれたイグニッションキー81の回動に応じて、鞍乗型車輌100が起動する流れは、以下に示す通りである。
【0084】
(1)イグニッションスイッチ331がONになり、小型バッテリ332から車輌制御回路340に対して、電力線L1を介して起動電力(例えば、9V)が供給される。なお、スイッチ回路341は、電力線L1の通電の検出に応じてONになる。
【0085】
(2)車輌制御回路340から前輪駆動制御回路321Aに対して、信号線L4及び信号線L5を介して起動信号が出力される。
【0086】
(3)起動信号によって起動した前輪駆動制御回路321Aは、バッテリ30(前輪用バッテリ31)からブレーカ40を介して供給される電力を降圧して、車輌制御回路340の動作に必要な主電力(例えば、12V)を生成する。
【0087】
(4)前輪駆動制御回路321Aから車輌制御回路340に対して、電力線L2を介して主電力が供給される。これによって、車輌制御回路340の電源回路に主電力が供給される。
【0088】
(作用及び効果)
第1実施形態では、ブレーカ40がシート60とフットレスト24との間に設けられている。従って、ブレーカ40に設けられたスイッチ41を足で操作することによって、バッテリ30から駆動モータへの電力を直接的に遮断することができ、駆動輪の駆動力を確実に停止させることができる。なお、最終的には、ブレーキと駆動輪との摩擦や駆動輪と路面との摩擦などによって、鞍乗型車輌100(駆動輪)が停止することは勿論である。
【0089】
特に、ブレーキ故障などの緊急時においてスイッチ41を足で操作することができるため、ハンドル23から手を離す必要がなく、安全性を担保することができる。すなわち、緊急時において、ハンドル23のグリップ部分に設けあれたブレーキレバー23B及びブレーキレバー23Aを乗車者が握りしめている状態においても、スイッチ41を足で操作することによって、駆動輪の駆動力を確実に停止させることができる。
【0090】
第1実施形態では、ブレーカ40がフットレスト24の前方に設けられている。従って、ブレーカ40に設けられたスイッチ41の誤操作を抑制することができる。
【0091】
第1実施形態では、スロットル110が車体フレーム20に設けられる。従って、スロットル110をハンドル23に設けるケースと比べて、スロットル110から駆動制御回路までの配線を短くてよく、このような配線に混入するノイズを抑制することができる。
【0092】
第1実施形態では、前側制御ボックス51A及び前側制御ボックス51Bのアッセンブリは、鞍乗型車輌100の前後方向において、バッテリ30の前方に設けられる。従って、前輪11Aを駆動する駆動モータと前側制御ボックス51Aとを接続する配線が短くてよく、ノイズを抑制することができる。同様に、前輪11Bを駆動する駆動モータと前側制御ボックス51Bとを接続する配線が短くてよく、このような配線に混入するノイズを抑制することができる。
【0093】
第1実施形態では、後側制御ボックス52A及び後側制御ボックス52Bのアッセンブリは、鞍乗型車輌100の前後方向において、バッテリ30の後方に設けられる。従って、後輪12Aを駆動する駆動モータと後側制御ボックス52Aとを接続する配線が短くてよく、ノイズを抑制することができる。同様に、後輪12Bを駆動する駆動モータと後側制御ボックス52Bとを接続する配線が短くてよく、ノイズを抑制することができる。
【0094】
第1実施形態では、1対の制御ボックス150のアッセンブリの外面は、制御ボックス150に設けられた放熱フィン152によって形成される。従って、制御ボックス150に収容される駆動制御回路を効率的に冷却することができる。
【0095】
第1実施形態では、給電ソケット70がシート60の直下に設けられており、シート60は、シート60の開閉或いは着脱によって、給電ソケット70を露出可能に構成されている。従って、鞍乗型車輌100の走行中における給電などの危険行為を抑制しながら、鞍乗型車輌100の停止中において、簡易に給電を行うことができる。
【0096】
第1実施形態では、車体フレーム20の一部を構成するクレードルフレーム21は、クレードルフレーム21の略中央でバッテリ30を支持する。従って、鞍乗型車輌100の重量バランスを適切に保つことができる。
【0097】
第1実施形態では、バッテリ30は、前輪用バッテリ31及び後輪用バッテリ32を含む。従って、前輪用バッテリ31及び後輪用バッテリ32のうち、いずれか一方のバッテリに蓄積される電力が無くなっても、鞍乗型車輌100の走行を維持することができる。
【0098】
なお、鞍乗型車輌100の左側に設けられた駆動輪に電力を供給するバッテリ及び鞍乗型車輌100の右側に設けられた駆動輪に電力を供給するバッテリが設けられる場合には、いずれかのバッテリに蓄積される電力が無くなると、鞍乗型車輌100の走行を維持することが非常に困難であることに留意すべきである。
【0099】
第1実施形態では、小型バッテリ332から供給される起動電力によって、車輌制御回路340の一部分を起動するとともに、小型バッテリ332から車輌制御回路340を介して供給される起動電力によって前輪駆動制御回路321Aが起動する。従って、降圧回路を有する既存の駆動制御回路を用いるために、複数の駆動制御回路を制御する車輌制御回路が必要である場合であっても、複数の駆動制御回路及び車輌制御回路を適切に起動することができる。
【0100】
このようなケースにおいて、スイッチ回路341は、電力線L1の非通電の検出に応じて、電力線L2を非接続状態とする。言い換えると、イグニッションスイッチ331がONからOFFに切り替わると、前輪駆動制御回路321Aから電力線L2を介して供給される主電力が車輌制御回路340の回路電源に供給されなくなる。従って、イグニッションキー81の操作に連動して、車輌制御回路340の電源を落とすことができる。
【0101】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0102】
上述した実施形態では特に触れていないが、スイッチ41は、ブレーカ40に電気的に接続されていてもよいが、ブレーカ40に機械的に接続されていることが好ましい。
【0103】
上述した実施形態では、スイッチ41がブレーカ40に設けられているケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0104】
具体的には、スイッチ41は、レバー、ロッド、ワイヤーなどの連結部材を介してブレーカ40に機械的に接続されていることが好ましい。このようなケースでは、スイッチ41は、シート60の下方に設けられる。
【0105】
一方で、ブレーカ40の配置は任意である。例えば、ブレーカ40は、路面からの影響(水撥ねなど)の影響を受にくいように、路面から一定の高さを有する位置(例えば、シート60の直下やシート60の前方)に配置されてもよい。
【0106】
或いは、ブレーカ40は、複数の素電池を収容するバッテリボックス内に収容されていてもよい。このようなケースでは、バッテリボックスには、ゴムなどの弾性材料によって防水シールドが施されていることが好ましい。バッテリボックスの外側から弾性材料を押下することによってスイッチ41を操作することができるように、スイッチ41は、バッテリボックス内において、弾性材料の近傍に設けられることが好ましい。なお、上述したバッテリ30は、バッテリボックスと考えてもよい。
【符号の説明】
【0107】
11…前輪、12…後輪、20…車体フレーム、21…クレードルフレーム、22…操舵機構、23…ハンドル、24…フットレスト、25…スイングアーム、26…シート支持具、30…バッテリ、31…前輪用バッテリ、32…後輪用バッテリ、40…ブレーカ、41…スイッチ、60…シート、70…給電ソケット、71…給電孔、72…蓋体、75…給電プラグ、76…端子、80…イグニッションユニット、81…イグニッションキー、82…差し込み口、83…スイッチ群、84…非常停止ボタン、90…表示ユニット、91…表示部、92…モード切替ボタン、100…鞍乗型車輌、110…スロットル、150…制御ボックス、151…底面、152…放熱フィン、153…配線、154…端子、160…スペーサ、171,172…取付具、311,312…駆動モータ、321,322…駆動制御回路、330…イグニッション回路、331…イグニッションスイッチ、332…小型バッテリ、333…モード切替スイッチ群、334…非常停止スイッチ、340…車輌制御回路、341…スイッチ回路、342…起動信号出力回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪と、後輪と、前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、操舵機構に接続されたハンドルとを備える鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
前輪と、後輪と、前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、操舵機構に接続されたハンドルとを備える鞍乗型車両が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
近年では、鞍乗型車両の動力源として、エンジンに代えて、バッテリを用いる電動型の鞍乗型車両も提案されている。
【0004】
このような電動型の鞍乗型車両は、イグニッションスイッチを電気的にONにすることによって、駆動輪を駆動する駆動モータにバッテリに蓄積された電力を供給するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−241871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、鞍乗型車両の進行を停止する場合に、通常時においては、ブレーキなどの制動機構によって駆動輪の回転を停止させる。
【0007】
一方で、ブレーキ故障などの緊急時においては、イグニッションスイッチをOFFにすることによって、駆動輪に設けられた駆動モータへの電力の供給を停止することが考えられる。或いは、緊急時においては、非常停止ボタンの押下によって、駆動輪を駆動する駆動モータへの電力の供給を停止することも考えられる。
【0008】
しかしながら、イグニッションスイッチと駆動モータとの間の信号線、或いは、非常停止ボタンと駆動モータとの間の信号線に不具合が存在する場合には、駆動輪の駆動力を停止させることができなかった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ブレーキ故障などの緊急時において、駆動輪の駆動力を確実に停止させることを可能とする鞍乗型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の特徴に係る鞍乗型車両は、前輪と、後輪と、前記前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、前記操舵機構に接続されたハンドルとを備える。鞍乗型車両は、前記前輪及び前記後輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリと、前記バッテリから前記駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、乗車者が着座するように構成されたシートと、前記シートの下方に設けられたフットレストとを備える。前記ブレーカは、前記バッテリから前記駆動輪への電力を遮断するためのスイッチを有する。前記ブレーカは、前記シートと前記フットレストとの間に設けられており、かつ、前記フットレストの前方に設けられている。
【0011】
第1の特徴において、鞍乗型車両は、前記鞍乗型車両の骨格を形成する車体フレームと、前記車体フレームに設けられており、前記駆動モータの回転量を調整するためのスロットルとをさらに備える。
【0012】
第1の特徴において、前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含む。前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪である。前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含む。鞍乗型車両は、前記2つの前輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの前輪駆動制御回路のそれぞれを収容する2つの前側制御ボックスのアッセンブリは、前記バッテリの前方に設けられる。前記2つの後輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの後輪駆動制御回路のそれぞれを収容する2つの後側制御ボックスのアッセンブリは、前記バッテリの後方に設けられる。前記2つの前側制御ボックスのアッセンブリの外面は、前記2つの前側制御ボックスのそれぞれに設けられた放熱フィンによって形成される。前記2つの後側制御ボックスのアッセンブリの外面は、前記2つの後側制御ボックスのそれぞれに設けられた放熱フィンによって形成される。
【0013】
第1の特徴において、鞍乗型車両は、前記バッテリに給電するための給電プラグを受け入れるように構成された給電ソケットをさらに備える。前記給電ソケットは、前記給電プラグは、前記シートの直下に設けられる。前記シートは、前記シートの開閉或いは前記シートの着脱によって、前記給電ソケットを露出可能に構成される。
【0014】
第1の特徴において、鞍乗型車両は、前記鞍乗型車両の骨格を形成し、クレードルフレームを含む車体フレームをさらに備える。前記クレードルフレームは、前記クレードルフレームの略中央で前記バッテリを支持する。
【0015】
第1の特徴において、前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含む。前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪である。前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含む。前記バッテリは、前記2つの前輪駆動モータに供給する電力を蓄積する前輪用バッテリと、前記2つの後輪駆動モータに供給する電力を蓄積する後輪用バッテリとを含む。
【0016】
第1の特徴において、前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含む。前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪である。前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含む。鞍乗型車両は、前記2つの前輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの前輪駆動制御回路と、前記2つの後輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの後輪駆動制御回路と、前記2つの前輪駆動制御回路及び前記2つの後輪駆動制御回路を制御する車輌制御回路と、前記車輌制御回路に第1電力線を介して接続されたイグニッションスイッチとをさらに備える。前記車輌制御回路は、前記2つの前輪駆動制御回路及び前記2つの後輪駆動制御回路のいずれかである電力供給回路に第2電力線を介して接続される。前記車輌制御回路は、前記第1電力線を介して供給される電力によって、前記電力供給回路を起動した後において、前記第2電力線を介して供給される電力によって動作する。前記第2電力線には、前記第1電力線の通電の検出に応じて、前記第2電力線を接続状態とし、前記第1電力線の非通電の検出に応じて、前記第2電力線を非接続状態とするスイッチ回路が設けられる。
【0017】
第2の特徴に係る鞍乗型車両は、複数の車輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリを備える。鞍乗型車両は、前記バッテリから前記駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、前記ブレーカに機械的に接続されており、前記バッテリから前記駆動輪への電力を遮断するためのスイッチと、乗車者が着座するように構成されたシートとを備える。前記スイッチは、前記シートの下方に設けられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ブレーキ故障などの緊急時において、駆動輪の駆動力を確実に停止させることを可能とする鞍乗型車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の側面視図である。
【図2】第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の上面視図である。
【図3】第1実施形態に係るイグニッションユニット80を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る制御ボックス150を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る制御ボックス150を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る1対の制御ボックス150のアッセンブリを示す図である。
【図7】第1実施形態に係る1対の制御ボックス150のアッセンブリを示す図である。
【図8】第1実施形態に係る給電プラグ75を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る給電プラグ75を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る給電ソケット70を示す図である。
【図11】第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下において、本発明の実施形態に係る鞍乗型車両について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0021】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
[実施形態の概要]
実施形態に係る鞍乗型車両は、前輪と、後輪と、前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、操舵機構に接続されたハンドルとを備える。鞍乗型車両は、前輪及び後輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリと、バッテリから駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、乗車者が着座するように構成されたシートと、シートの下方に設けられたフットレストとを備える。ブレーカは、バッテリから駆動輪への電力を遮断するためのスイッチを有する。ブレーカは、シートとフットレストとの間に設けられており、かつ、フットレストの前方に設けられている。
【0023】
実施形態によれば、ブレーカがシートとフットレストとの間に設けられている。従って、ブレーカに設けられたスイッチを足で操作することによって、バッテリから駆動モータへの電力を直接的に遮断することができ、駆動輪の駆動力を確実に停止させることができる。特に、ブレーキ故障などの緊急時において、スイッチを足で操作することができるため、ハンドルから手を離す必要がなく、安全性を担保することができる。なお、最終的には、ブレーキと駆動輪との摩擦や駆動輪と路面との摩擦などによって、鞍乗型車両(駆動輪)が停止することは勿論である。
【0024】
実施形態によれば、ブレーカがフットレストの前方に設けられている。従って、ブレーカに設けられたスイッチの誤操作を抑制することができる。
【0025】
なお、実施形態では、鞍乗型車両の一例として、4輪駆動のATV(All Terrain Vehicle)を例示する。しかしながら、鞍乗型車両は、電動二輪車であってもよく、電動三輪車であってもよい。また、鞍乗型車両に設けられる車輪のいずれかのみが駆動輪であってもよい。
【0026】
[第1実施形態]
(鞍乗型車両の構成)
以下において、第1実施形態に係る鞍乗型車両について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の側面視図である。図2は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の斜視図である。図3は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の上面視図である。図4は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の側面視図である。
【0027】
なお、図1〜図4では、電源線や信号線などの配線について省略していることに留意すべきである。また、図2〜図3では、前輪、後輪及びシートなどが省略されていることに留意すべきである。
【0028】
図1〜図4に示すように、鞍乗型車輌100は、車輪(前輪11Aと、前輪11Bと、後輪12Aと、後輪12B)と、車体フレーム20と、バッテリ30と、ブレーカ40と、制御ボックス(前側制御ボックス51A、前側制御ボックス51B、後側制御ボックス52A、後側制御ボックス52B)と、シート60と、給電ソケット70と、イグニッションユニット80と、表示ユニット90と、スロットル110とを有する。
【0029】
前輪11A及び前輪11Bは、鞍乗型車輌100の前部に設けられており、車軸を中心として回転可能に構成されている。前輪11A及び前輪11Bのそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータ(駆動モータ311A及び駆動モータ311B)が設けられる。すなわち、前輪11A及び前輪11Bは、駆動輪である。
【0030】
後輪12A及び後輪12Bは、鞍乗型車輌100の後部に設けられており、車軸を中心として回転可能に構成されている。後輪12A及び後輪12Bのそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータ(駆動モータ312A及び駆動モータ312B)が設けられる。すなわち、後輪12A及び後輪12Bは、駆動輪である。
【0031】
車体フレーム20は、鞍乗型車輌100の骨格を形成する。車体フレーム20は、後述するバッテリ30を支持するように構成されたクレードルフレーム21を含む。
【0032】
クレードルフレーム21は、ゆりかご状のフレーム形状を有する。具体的には、クレードルフレーム21は、鞍乗型車輌100の前後方向において、クレードルフレーム21の略中央でバッテリ30を支持する。また、クレードルフレーム21は、鞍乗型車輌100の幅方向において、クレードルフレーム21の略中央でバッテリ30を支持する。
【0033】
また、車体フレーム20には、操舵機構22、ハンドル23、フットレスト24、スイングアーム25及びシート支持具26が設けられる。
【0034】
操舵機構22は、前輪11A及び前輪11Bの向きを変更するように構成される。操舵機構22は、例えば、ステアリングシャフトやステアリングギアなどによって構成される。
【0035】
ハンドル23は、操舵機構22に接続されており、前輪11A及び前輪11Bの向きの変更に用いられる。具体的には、ハンドル23は、乗車者の両手でそれぞれ握られるように構成された1対のグリップ部分を有する。例えば、ハンドル23は、ステアリングシャフトを介してステアリングギアに接続される。
【0036】
例えば、右側のグリップ部分には、前輪11A及び前輪11Bの回転を制動する制動機構にワイヤー等(不図示)によって接続されたブレーキレバー23Aが設けられる。同様に、左側のグリップ部分には、後輪12A及び後輪12Bの回転を制動する制動機構にワイヤー等(不図示)によって接続されたブレーキレバー23Bが設けられる。
【0037】
また、右側のグリップ部分には、駆動輪の回転量を調整するためのアクセルレバー23Cが設けられる。アクセルレバー23Cは、スロットル110にワイヤー等(不図示)によって接続される。
【0038】
フットレスト24は、後述するシート60の下方に設けられており、乗車者の両足を載置可能に構成されている。具体的には、フットレスト24は、クレードルフレーム21の下端に設けられたフットレスト取付具24Aに取り付けられる。
【0039】
スイングアーム25の一端は、クレードルフレーム21の後端に設けられた支持軸に取り付けられており、スイングアーム25の他端は、後輪12A及び後輪12Bの車軸に取り付けられる。スイングアーム25は、クレードルフレーム21の後端に設けられた支持軸を中心として揺動可能に構成されている。
【0040】
シート支持具26は、後述するシート60を支持するように構成されている。例えば、シート支持具26は、シート支持具26A及びシート支持具26Bを有する。シート支持具26A及びシート支持具26Bは、シート60を開閉可能に支持する。或いは、シート支持具26A及びシート支持具26Bは、シート60を着脱可能に支持する。
【0041】
バッテリ30は、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成される。例えば、バッテリ30は、前輪用バッテリ31と、後輪用バッテリ32とを有する。前輪用バッテリ31は、前輪11A及び前輪11Bを駆動する前輪駆動モータ(駆動モータ311A及び駆動モータ311B)に供給される電力を蓄積する。後輪用バッテリ32は後輪12A及び後輪12Bを駆動する後輪駆動モータ(駆動モータ312A及び駆動モータ312B)に供給される電力を蓄積する。例えば、鞍乗型車輌100の幅方向において、前輪用バッテリ31及び後輪用バッテリ32は並んで配列される。
【0042】
ブレーカ40は、バッテリ30から駆動モータへの電力を遮断可能に構成されている。具体的には、ブレーカ40は、スイッチ41を有しており、スイッチ41のON/OFFによって、バッテリ30から駆動モータに電力を供給するか否かを切り替える。すなわち、ブレーカ40は、スイッチ41がONである場合に、バッテリ30から駆動モータへの電力を遮断せず、スイッチ41がOFFである場合に、バッテリ30から駆動モータへの電力を遮断する。
【0043】
前側制御ボックス51Aは、前輪11Aを駆動する駆動モータを制御する前輪駆動制御回路を収容する。同様に、前側制御ボックス51Bは、前輪11Bを駆動する駆動モータを制御する前輪駆動制御回路を収容する。前側制御ボックス51A及び前側制御ボックス51Bは、鞍乗型車輌100の前後方向において、バッテリ30よりも前側に設けられる。前側制御ボックス51A及び前側制御ボックス51Bは、後述するように、1つのアッセンブリとして組み合わされる(図8及び図9を参照)。
【0044】
また、後側制御ボックス52Aは、後輪12Aを駆動する駆動モータを制御する後輪駆動制御回路を収容する。同様に、後側制御ボックス52Bは、後輪12Bを駆動する駆動モータを制御する後輪駆動制御回路を収容する。後側制御ボックス52A及び後側制御ボックス52Bは、鞍乗型車輌100の前後方向において、バッテリ30よりも後側に設けられる。後側制御ボックス52A及び後側制御ボックス52Bは、後述するように、1つのアッセンブリとして組み合わされる(図8及び図9を参照)。
【0045】
シート60は、乗車者が着座するように構成される。シート60は、上述したように、車体フレーム20に設けられたシート支持具26によって支持される。シート60は、シート60の開閉或いは着脱によって、後述する給電ソケット70を露出可能に構成されている。
【0046】
給電ソケット70は、バッテリ30に給電するための給電プラグ(不図示)を受け入れるように構成される。例えば、給電ソケット70は、給電ソケット70A及び給電ソケット70Bを有する。給電ソケット70Aは、前輪用バッテリ31に給電するための給電プラグを受け入れる。給電ソケット70Bは、後輪用バッテリ32に給電するための給電プラグを受け入れる。例えば、鞍乗型車輌100の幅方向において、給電ソケット70A及び給電ソケット70Bは並んで配列される。
【0047】
イグニッションユニット80は、ハンドル23に設けられる。イグニッションユニット80は、イグニッションスイッチ(不図示)を有しており、鞍乗型車輌100を起動するように構成される。具体的には、図5に示すように、イグニッションユニット80は、イグニッションキー81の差し込み口82と、スイッチ群83と、非常停止ボタン84を有する。
【0048】
なお、差し込み口82に差し込まれたイグニッションキー81の回動によって、イグニッションスイッチのON/OFFが切り替えられる。スイッチ群83は、前進モードと後進モードとの切り替えなどのように、各種モードを切り替えるためのスイッチを有する。非常停止ボタン84は、緊急時において、駆動輪の回転を停止するためのボタンである。具体的には、非常停止ボタン84の押下によって、駆動輪を制御する駆動回路(前輪駆動制御回路及び後輪駆動制御回路)の動作が停止する。
【0049】
表示ユニット90は、ハンドル23に設けられる。表示ユニット90は、走行速度などを表示するように構成された表示部91と、走行モードを切り替えるためのモード切替ボタン92とを有する。
【0050】
スロットル110は、車体フレーム20に設けられる。例えば、スロットル110は、バッテリ30の上方において、クレードルフレーム21に設けられる。また、スロットル110は、ワイヤー等によってアクセルレバー23Cに接続される。
【0051】
ここで、スロットル110は、アクセルレバー23Cの操作に応じて、駆動輪の回転量を調整するように構成される。例えば、スロットル110は、A/D変換器を有しており、アクセルレバー23Cとスロットル110とを接続するワイヤーの張力に応じて、駆動モータに供給される電力量を調整するように構成される。
【0052】
(制御ボックスの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ボックスについて、図面を参照しながら説明する。図6及び図7は、第1実施形態に係る制御ボックス150を示す図である。図8及び図9は、第1実施形態に係る1対の制御ボックス150のアッセンブリを示す図である。
【0053】
なお、前側制御ボックス51A、前側制御ボックス51B、後側制御ボックス52A及び後側制御ボックス52Bは、同様の構成を有しているため、ここでは、これらを総称して制御ボックス150と称することに留意すべきである。
【0054】
第1に、図6及び図7を参照しながら、制御ボックス150の単体について説明する。図6及び図7に示すように、制御ボックス150は、蓋体151と、放熱フィン152と、配線153と、端子154とを有する。
【0055】
蓋体151は、後述するように、1対の制御ボックス150が組み合わされる際に、他の制御ボックス150の蓋体151と対向する面である。なお、蓋体151の裏面側、すなわち、制御ボックス150の内側には、駆動輪を制御する駆動制御回路が設けられる。
【0056】
放熱フィン152は、制御ボックス150の外面のうち、少なくとも蓋体151の反対側の面に設けられる。
【0057】
配線153は、ブレーカ40を介してバッテリ30に接続される動力線(直流)である。端子154は、各層用の動力線(交流)が接続される端子である。各層用の動力線(交流)は、駆動モータに接続される。
【0058】
第2に、図8及び図9を参照しながら、1対の制御ボックス150(制御ボックス150A及び制御ボックス150B)のアッセンブリについて説明する。図8及び図9に示すように、1対の制御ボックス150のアッセンブリでは、制御ボックス150Aに設けられた蓋体151及び制御ボックス150Bに設けられた1対の蓋体151がスペーサ160を介して対向するように、制御ボックス150A及び制御ボックス150Bが組み合わされる。
【0059】
具体的には、制御ボックス150Aには、取付具171が固定され、制御ボックス150Bには、取付具172が固定される。取付具171、スペーサ160及び取付具172は、車体フレーム20に設けられた配置基板にネジ止めなどによって固定される。これによって、制御ボックス150A及び制御ボックス150Bが組み合わされる。
【0060】
ここで、1対の制御ボックス150のアッセンブリの外面は、制御ボックス150Aに設けられた放熱フィン152及び制御ボックス150Bに設けられた放熱フィン152によって構成されることに留意すべきである。なお、取付具171或いは取付具172が設けられる部分には、放熱フィン152が設けられていなくてもよいことは勿論である。
【0061】
(給電ソケットの構成)
以下において、第1実施形態に係る給電ソケットについて、図面を参照しながら説明する。図10及び図11は、給電ソケット70に差し込まれる給電プラグ75を示す図である。図12は、第1実施形態に係る給電ソケット70が設けられる部分(鞍乗型車輌100)の拡大図である。なお、図12では、シート60が省略されていることに留意すべきである。
【0062】
第1に、給電プラグ75について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10及び図11に示すように、給電プラグ75は、略円柱形状を有しており、端子76を有している。
【0063】
第2に、給電ソケット70について、図12を参照しながら説明する。ここで、図12では、給電ソケット70Aに給電プラグ75が差し込まれている状態が示されている。給電ソケット70A及び給電ソケット70Bは同様の構成を有するため、ここでは、給電ソケット70Bを例示して給電ソケット70の構成を説明する。
【0064】
図12に示すように、給電ソケット70Bは、給電孔71Bと、蓋体72Bとを有する。給電孔71Bは、給電プラグ75に設けられる端子76が差し込まれる孔である。蓋体72Bは、給電ソケット70Bに設けられた回動軸を中心として回動可能に構成されている。
【0065】
なお、給電ソケット70Bに設けられた回動軸は、バネなどを有しており、蓋体72Bを押さえていなければ、蓋体72Bは、給電孔71Bを塞ぐように構成されている。
【0066】
(鞍乗型車両の回路図)
以下において、第1実施形態に係る鞍乗型車両の回路図について、図面を参照しながら説明する。図13は、第1実施形態に係る鞍乗型車輌100の回路図を示す図である。
【0067】
図13に示すように、鞍乗型車輌100の回路は、駆動制御回路(前輪駆動制御回路321A、前輪駆動制御回路321B、後輪駆動制御回路322A、後輪駆動制御回路322B)を有する。また、鞍乗型車輌100の回路は、イグニッション回路330及び車輌制御回路340を有する。
【0068】
前輪駆動制御回路321Aは、前輪11Aを駆動する駆動モータ311Aを制御する。前輪駆動制御回路321Bは、前輪11Bを駆動する駆動モータ311Bを制御する。後輪駆動制御回路322Aは、後輪12Aを駆動する駆動モータ312Aを制御する。後輪駆動制御回路322Bは、後輪12Bを駆動する駆動モータ312Bを制御する。
【0069】
ここで、これらの駆動制御回路のうち、いずれかの駆動制御回路は、車輌制御回路340に電力を供給する回路(以下、電力供給回路)としても機能する。第1実施形態では、前輪駆動制御回路321Aが電力供給回路として機能する。
【0070】
具体的には、前輪駆動制御回路321Aは、電力線L2を介して車輌制御回路340に接続されている。前輪駆動制御回路321Aは、車輌制御回路340から信号線L4及び信号線L5を介して入力される起動信号によって起動する。
【0071】
一方で、前輪駆動制御回路321Aは、バッテリ30(前輪用バッテリ31)からブレーカ40を介して供給される電力を降圧して、車輌制御回路340の動作に必要な主電力(例えば、12V)を生成する。前輪駆動制御回路321Aは、電力線L2を介して車輌制御回路340に主電力を供給する。
【0072】
イグニッション回路330は、イグニッションユニット80に収容される回路である。イグニッション回路330は、イグニッションスイッチ331と、小型バッテリ332と、モード切替スイッチ群333と、非常停止スイッチ334とを有する。
【0073】
イグニッションスイッチ331は、電力線L1を介して車輌制御回路340に接続されている。イグニッションスイッチ331は、小型バッテリ332から車輌制御回路340に対して起動電力(例えば、9V)を供給するためのスイッチである。イグニッションスイッチ331のON/OFFは、差し込み口82に差し込まれたイグニッションキー81の回動に応じて切り替わる。
【0074】
具体的には、イグニッションスイッチ331がONである場合に、小型バッテリ332から車輌制御回路340に対して、電力線L1を介して起動電力(例えば、9V)が供給される。一方で、イグニッションスイッチ331がOFFである場合に、小型バッテリ332から車輌制御回路340に対して起動電力(例えば、9V)が供給されない。
【0075】
小型バッテリ332は、車輌制御回路340を起動するための起動電力を蓄積するバッテリである。小型バッテリ332は、例えば、乾電池などである。
【0076】
モード切替スイッチ群333は、スイッチ群83に応じて設けられるスイッチである。
【0077】
非常停止スイッチ334は、信号線L4を介して車輌制御回路340に接続されている。また、非常停止スイッチ334は、信号線L5を介して、各駆動制御回路に接続されている。非常停止ボタン84が押下されていない状態において、非常停止スイッチ334はONであり、非常停止ボタン84が押下された状態において、非常停止スイッチ334は、OFFである。すなわち、信号線L4及び信号線L5を介して各駆動制御回路に入力されていた起動信号は、非常停止ボタン84の押下に応じて、各駆動制御回路に入力されなくなる。これによって、各駆動制御回路は、各駆動モータを停止する。
【0078】
車輌制御回路340は、複数の駆動制御回路(前輪駆動制御回路321A、前輪駆動制御回路321B、後輪駆動制御回路322A及び後輪駆動制御回路322B)を制御する回路である。車輌制御回路340は、スイッチ回路341と、起動信号出力回路342とを有する。
【0079】
スイッチ回路341は、前輪駆動制御回路321Aから電力線L2を介して供給される主電力を車輌制御回路340の回路電源に供給するか否かを切り替える。具体的には、スイッチ回路341は、電力線L1の通電或いは非通電を検出するように構成される。
【0080】
スイッチ回路341は、電力線L1の通電の検出に応じて、電力線L2を接続状態とする。すなわち、電力線L1の通電の検出に応じて、スイッチ回路341がONになる。言い換えると、イグニッションスイッチ331がONである間において、前輪駆動制御回路321Aから電力線L2を介して供給される主電力が車輌制御回路340の回路電源に供給される。
【0081】
一方で、スイッチ回路341は、電力線L1の非通電の検出に応じて、電力線L2を非接続状態とする。すなわち、電力線L1の非通電の検出に応じて、スイッチ回路341がOFFになる。言い換えると、イグニッションスイッチ331がONからOFFに切り替わると、前輪駆動制御回路321Aから電力線L2を介して供給される主電力が車輌制御回路340の回路電源に供給されなくなる。
【0082】
起動信号出力回路342は、車輌制御回路340に起動電力(或いは、主電力)が供給される場合に、起動信号を出力する。起動信号は、信号線L4及び信号線L5を介して各駆動制御回路に入力される。これによって、各駆動制御回路は、起動信号の入力に応じて起動する。
【0083】
なお、差し込み口82に差し込まれたイグニッションキー81の回動に応じて、鞍乗型車輌100が起動する流れは、以下に示す通りである。
【0084】
(1)イグニッションスイッチ331がONになり、小型バッテリ332から車輌制御回路340に対して、電力線L1を介して起動電力(例えば、9V)が供給される。なお、スイッチ回路341は、電力線L1の通電の検出に応じてONになる。
【0085】
(2)車輌制御回路340から前輪駆動制御回路321Aに対して、信号線L4及び信号線L5を介して起動信号が出力される。
【0086】
(3)起動信号によって起動した前輪駆動制御回路321Aは、バッテリ30(前輪用バッテリ31)からブレーカ40を介して供給される電力を降圧して、車輌制御回路340の動作に必要な主電力(例えば、12V)を生成する。
【0087】
(4)前輪駆動制御回路321Aから車輌制御回路340に対して、電力線L2を介して主電力が供給される。これによって、車輌制御回路340の電源回路に主電力が供給される。
【0088】
(作用及び効果)
第1実施形態では、ブレーカ40がシート60とフットレスト24との間に設けられている。従って、ブレーカ40に設けられたスイッチ41を足で操作することによって、バッテリ30から駆動モータへの電力を直接的に遮断することができ、駆動輪の駆動力を確実に停止させることができる。なお、最終的には、ブレーキと駆動輪との摩擦や駆動輪と路面との摩擦などによって、鞍乗型車輌100(駆動輪)が停止することは勿論である。
【0089】
特に、ブレーキ故障などの緊急時においてスイッチ41を足で操作することができるため、ハンドル23から手を離す必要がなく、安全性を担保することができる。すなわち、緊急時において、ハンドル23のグリップ部分に設けあれたブレーキレバー23B及びブレーキレバー23Aを乗車者が握りしめている状態においても、スイッチ41を足で操作することによって、駆動輪の駆動力を確実に停止させることができる。
【0090】
第1実施形態では、ブレーカ40がフットレスト24の前方に設けられている。従って、ブレーカ40に設けられたスイッチ41の誤操作を抑制することができる。
【0091】
第1実施形態では、スロットル110が車体フレーム20に設けられる。従って、スロットル110をハンドル23に設けるケースと比べて、スロットル110から駆動制御回路までの配線を短くてよく、このような配線に混入するノイズを抑制することができる。
【0092】
第1実施形態では、前側制御ボックス51A及び前側制御ボックス51Bのアッセンブリは、鞍乗型車輌100の前後方向において、バッテリ30の前方に設けられる。従って、前輪11Aを駆動する駆動モータと前側制御ボックス51Aとを接続する配線が短くてよく、ノイズを抑制することができる。同様に、前輪11Bを駆動する駆動モータと前側制御ボックス51Bとを接続する配線が短くてよく、このような配線に混入するノイズを抑制することができる。
【0093】
第1実施形態では、後側制御ボックス52A及び後側制御ボックス52Bのアッセンブリは、鞍乗型車輌100の前後方向において、バッテリ30の後方に設けられる。従って、後輪12Aを駆動する駆動モータと後側制御ボックス52Aとを接続する配線が短くてよく、ノイズを抑制することができる。同様に、後輪12Bを駆動する駆動モータと後側制御ボックス52Bとを接続する配線が短くてよく、ノイズを抑制することができる。
【0094】
第1実施形態では、1対の制御ボックス150のアッセンブリの外面は、制御ボックス150に設けられた放熱フィン152によって形成される。従って、制御ボックス150に収容される駆動制御回路を効率的に冷却することができる。
【0095】
第1実施形態では、給電ソケット70がシート60の直下に設けられており、シート60は、シート60の開閉或いは着脱によって、給電ソケット70を露出可能に構成されている。従って、鞍乗型車輌100の走行中における給電などの危険行為を抑制しながら、鞍乗型車輌100の停止中において、簡易に給電を行うことができる。
【0096】
第1実施形態では、車体フレーム20の一部を構成するクレードルフレーム21は、クレードルフレーム21の略中央でバッテリ30を支持する。従って、鞍乗型車輌100の重量バランスを適切に保つことができる。
【0097】
第1実施形態では、バッテリ30は、前輪用バッテリ31及び後輪用バッテリ32を含む。従って、前輪用バッテリ31及び後輪用バッテリ32のうち、いずれか一方のバッテリに蓄積される電力が無くなっても、鞍乗型車輌100の走行を維持することができる。
【0098】
なお、鞍乗型車輌100の左側に設けられた駆動輪に電力を供給するバッテリ及び鞍乗型車輌100の右側に設けられた駆動輪に電力を供給するバッテリが設けられる場合には、いずれかのバッテリに蓄積される電力が無くなると、鞍乗型車輌100の走行を維持することが非常に困難であることに留意すべきである。
【0099】
第1実施形態では、小型バッテリ332から供給される起動電力によって、車輌制御回路340の一部分を起動するとともに、小型バッテリ332から車輌制御回路340を介して供給される起動電力によって前輪駆動制御回路321Aが起動する。従って、降圧回路を有する既存の駆動制御回路を用いるために、複数の駆動制御回路を制御する車輌制御回路が必要である場合であっても、複数の駆動制御回路及び車輌制御回路を適切に起動することができる。
【0100】
このようなケースにおいて、スイッチ回路341は、電力線L1の非通電の検出に応じて、電力線L2を非接続状態とする。言い換えると、イグニッションスイッチ331がONからOFFに切り替わると、前輪駆動制御回路321Aから電力線L2を介して供給される主電力が車輌制御回路340の回路電源に供給されなくなる。従って、イグニッションキー81の操作に連動して、車輌制御回路340の電源を落とすことができる。
【0101】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0102】
上述した実施形態では特に触れていないが、スイッチ41は、ブレーカ40に電気的に接続されていてもよいが、ブレーカ40に機械的に接続されていることが好ましい。
【0103】
上述した実施形態では、スイッチ41がブレーカ40に設けられているケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0104】
具体的には、スイッチ41は、レバー、ロッド、ワイヤーなどの連結部材を介してブレーカ40に機械的に接続されていることが好ましい。このようなケースでは、スイッチ41は、シート60の下方に設けられる。
【0105】
一方で、ブレーカ40の配置は任意である。例えば、ブレーカ40は、路面からの影響(水撥ねなど)の影響を受にくいように、路面から一定の高さを有する位置(例えば、シート60の直下やシート60の前方)に配置されてもよい。
【0106】
或いは、ブレーカ40は、複数の素電池を収容するバッテリボックス内に収容されていてもよい。このようなケースでは、バッテリボックスには、ゴムなどの弾性材料によって防水シールドが施されていることが好ましい。バッテリボックスの外側から弾性材料を押下することによってスイッチ41を操作することができるように、スイッチ41は、バッテリボックス内において、弾性材料の近傍に設けられることが好ましい。なお、上述したバッテリ30は、バッテリボックスと考えてもよい。
【符号の説明】
【0107】
11…前輪、12…後輪、20…車体フレーム、21…クレードルフレーム、22…操舵機構、23…ハンドル、24…フットレスト、25…スイングアーム、26…シート支持具、30…バッテリ、31…前輪用バッテリ、32…後輪用バッテリ、40…ブレーカ、41…スイッチ、60…シート、70…給電ソケット、71…給電孔、72…蓋体、75…給電プラグ、76…端子、80…イグニッションユニット、81…イグニッションキー、82…差し込み口、83…スイッチ群、84…非常停止ボタン、90…表示ユニット、91…表示部、92…モード切替ボタン、100…鞍乗型車輌、110…スロットル、150…制御ボックス、151…底面、152…放熱フィン、153…配線、154…端子、160…スペーサ、171,172…取付具、311,312…駆動モータ、321,322…駆動制御回路、330…イグニッション回路、331…イグニッションスイッチ、332…小型バッテリ、333…モード切替スイッチ群、334…非常停止スイッチ、340…車輌制御回路、341…スイッチ回路、342…起動信号出力回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と、後輪と、前記前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、前記操舵機構に接続されたハンドルとを備える鞍乗型車両であって、
前記前輪及び前記後輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリと、
前記バッテリから前記駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、
乗車者が着座するように構成されたシートと、
前記シートの下方に設けられたフットレストとを備えており、
前記ブレーカは、前記バッテリから前記駆動輪への電力を遮断するためのスイッチを有しており、
前記ブレーカは、前記シートと前記フットレストとの間に設けられており、かつ、前記フットレストの前方に設けられていることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項2】
前記鞍乗型車両の骨格を形成する車体フレームと、
前記車体フレームに設けられており、前記駆動モータの回転量を調整するためのスロットルとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含み、
前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪であり、
前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含み、
前記2つの前輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの前輪駆動制御回路のそれぞれを収容する2つの前側制御ボックスのアッセンブリは、前記バッテリの前方に設けられており、
前記2つの後輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの後輪駆動制御回路のそれぞれを収容する2つの後側制御ボックスのアッセンブリは、前記バッテリの後方に設けられており、
前記2つの前側制御ボックスのアッセンブリの外面は、前記2つの前側制御ボックスのそれぞれに設けられた放熱フィンによって形成されており、
前記2つの後側制御ボックスのアッセンブリの外面は、前記2つの後側制御ボックスのそれぞれに設けられた放熱フィンによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記バッテリに給電するための給電プラグを受け入れるように構成された給電ソケットをさらに備え、
前記給電ソケットは、前記シートの直下に設けられており、
前記シートは、前記シートの開閉或いは前記シートの着脱によって、前記給電ソケットを露出可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記鞍乗型車両の骨格を形成し、クレードルフレームを含む車体フレームをさらに備え、
前記クレードルフレームは、前記クレードルフレームの略中央で前記バッテリを支持することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含み、
前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪であり、
前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含み、
前記バッテリは、前記2つの前輪駆動モータに供給する電力を蓄積する前輪用バッテリと、前記2つの後輪駆動モータに供給する電力を蓄積する後輪用バッテリとを含むことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含み、
前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪であり、
前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含み、
前記2つの前輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの前輪駆動制御回路と、
前記2つの後輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの後輪駆動制御回路と、
前記2つの前輪駆動制御回路及び前記2つの後輪駆動制御回路を制御する車輌制御回路と、
前記車輌制御回路に第1電力線を介して接続されたイグニッションスイッチとをさらに備え、
前記車輌制御回路は、前記2つの前輪駆動制御回路及び前記2つの後輪駆動制御回路のいずれかである電力供給回路に第2電力線を介して接続されており、
前記車輌制御回路は、前記第1電力線を介して供給される電力によって、前記電力供給回路を起動した後において、前記第2電力線を介して供給される電力によって動作し、
前記第2電力線には、前記第1電力線の通電の検出に応じて、前記第2電力線を接続状態とし、前記第1電力線の非通電の検出に応じて、前記第2電力線を非接続状態とするスイッチ回路が設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
複数の車輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリを備える鞍乗型車両であって、
前記バッテリから前記駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、
前記ブレーカに機械的に接続されており、前記バッテリから前記駆動輪への電力を遮断するためのスイッチと、
乗車者が着座するように構成されたシートとを備えており、
前記スイッチは、前記シートの下方に設けられることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項1】
前輪と、後輪と、前記前輪の向きを変更するように構成された操舵機構と、前記操舵機構に接続されたハンドルとを備える鞍乗型車両であって、
前記前輪及び前記後輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリと、
前記バッテリから前記駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、
乗車者が着座するように構成されたシートと、
前記シートの下方に設けられたフットレストとを備えており、
前記ブレーカは、前記バッテリから前記駆動輪への電力を遮断するためのスイッチを有しており、
前記ブレーカは、前記シートと前記フットレストとの間に設けられており、かつ、前記フットレストの前方に設けられていることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項2】
前記鞍乗型車両の骨格を形成する車体フレームと、
前記車体フレームに設けられており、前記駆動モータの回転量を調整するためのスロットルとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含み、
前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪であり、
前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含み、
前記2つの前輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの前輪駆動制御回路のそれぞれを収容する2つの前側制御ボックスのアッセンブリは、前記バッテリの前方に設けられており、
前記2つの後輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの後輪駆動制御回路のそれぞれを収容する2つの後側制御ボックスのアッセンブリは、前記バッテリの後方に設けられており、
前記2つの前側制御ボックスのアッセンブリの外面は、前記2つの前側制御ボックスのそれぞれに設けられた放熱フィンによって形成されており、
前記2つの後側制御ボックスのアッセンブリの外面は、前記2つの後側制御ボックスのそれぞれに設けられた放熱フィンによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記バッテリに給電するための給電プラグを受け入れるように構成された給電ソケットをさらに備え、
前記給電ソケットは、前記シートの直下に設けられており、
前記シートは、前記シートの開閉或いは前記シートの着脱によって、前記給電ソケットを露出可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記鞍乗型車両の骨格を形成し、クレードルフレームを含む車体フレームをさらに備え、
前記クレードルフレームは、前記クレードルフレームの略中央で前記バッテリを支持することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含み、
前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪であり、
前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含み、
前記バッテリは、前記2つの前輪駆動モータに供給する電力を蓄積する前輪用バッテリと、前記2つの後輪駆動モータに供給する電力を蓄積する後輪用バッテリとを含むことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記前輪は、2つの前輪を含み、前記後輪は、2つの後輪を含み、
前記2つの前輪及び前記2つの後輪は、前記駆動輪であり、
前記駆動モータは、前記2つの前輪のそれぞれを駆動する2つの前輪駆動モータと、前記2つの後輪のそれぞれを駆動する2つの後輪駆動モータとを含み、
前記2つの前輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの前輪駆動制御回路と、
前記2つの後輪駆動モータのそれぞれを制御する2つの後輪駆動制御回路と、
前記2つの前輪駆動制御回路及び前記2つの後輪駆動制御回路を制御する車輌制御回路と、
前記車輌制御回路に第1電力線を介して接続されたイグニッションスイッチとをさらに備え、
前記車輌制御回路は、前記2つの前輪駆動制御回路及び前記2つの後輪駆動制御回路のいずれかである電力供給回路に第2電力線を介して接続されており、
前記車輌制御回路は、前記第1電力線を介して供給される電力によって、前記電力供給回路を起動した後において、前記第2電力線を介して供給される電力によって動作し、
前記第2電力線には、前記第1電力線の通電の検出に応じて、前記第2電力線を接続状態とし、前記第1電力線の非通電の検出に応じて、前記第2電力線を非接続状態とするスイッチ回路が設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
複数の車輪のうち、駆動輪を駆動する駆動モータに供給される電力を蓄積するように構成されたバッテリを備える鞍乗型車両であって、
前記バッテリから前記駆動モータへの電力を遮断可能に構成されたブレーカと、
前記ブレーカに機械的に接続されており、前記バッテリから前記駆動輪への電力を遮断するためのスイッチと、
乗車者が着座するように構成されたシートとを備えており、
前記スイッチは、前記シートの下方に設けられることを特徴とする鞍乗型車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−126502(P2011−126502A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289862(P2009−289862)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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