説明

音声認識環境において用いるための無線ヘッドセット

装置(10、20)と通信するためのヘッドセット(16)は、ユーザの音声を検出するためにヘッドセット(16)によって取得されたオーディオ信号を処理し、概して、ユーザの音声が検出された場合にのみ、取得されたオーディオ信号のサンプリングされた表示を装置(10、20)に送信するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2003年9月25日に出願されたByfordによる“ユーザの音声を検出するための装置及び方法”という名称の出願に関し、該出願内容は、その全体において参照によりここに組み込まれる。
発明の分野
本発明は、概して、音声認識能力を有する音声駆動システムで用いられる移動もしくは携帯可能なコンピュータ端末及びヘッドセット(もしくは、ヘッドホン)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
着用可能、移動可能及び/または携帯可能なコンピュータ端末または装置(デバイス)は、広範な種類の仕事もしくはタスクのために用いられる。このような装置または端末は、それらを用いる作業者に所望の計算及びデータ処理機能を提供しつつ、それら作業者が移動性を維持するのを許容する。さらに、このような端末は、行われている仕事の体系化をさらに扱う、一層大きい、より中央化されたコンピュータ・システムへの通信リンクを提供し得る。全体的に一体化されたシステムは、仕事の追跡及び管理のための中央コンピュータ・システム、複数の移動装置または端末、及び関連の周辺機器の組み合わせと、該端末を用いかつ該端末及び/またはコンピュータ・システムとのインターフェースを用いる人々(“ユーザ”)とに関連し得る。
【0003】
中央コンピュータ・システムと作業者との間にインターフェースを提供するために、着用可能な端末及びそれらが接続されるシステムは、しばしば音声駆動され、すなわち、人間の音声を用いて作動される。このようなものとして、中央コンピュータ及び端末は、音声認識技術を組み込んでいる。音声駆動システムで通信するために、例えば、音声信号は、携帯可能装置または端末内にもしくはその外に通されて、ユーザとの適切な音声インターフェースを提供しなければならない。音声インターフェースを通して、作業者は、音声命令を受信し、質問をし、彼等の仕事の進行を報告し、そして例えば、在庫不足(棚卸不足)のような作業状態を報告することができる。このような端末を用いて、器材を危なっかしく持ったりペーパワークを回りに持ち運んだりすること無く、実質的に手が空いた状態で仕事を行う。
【0004】
端末または他の装置内に及び装置外に音声信号を通すための種々の方法がある。1つのシナリオにおいては、実際の携帯可能端末上に位置するマイクロフォン及びスピーカが用いられ得る。しかしながら、このような装置は、多くの環境において実際的ではない場合がある。理解されるように、このようなシステムは、しばしば、騒がしい環境で用いられ、そのような環境においては、作業者は、端末及び中央コンピュータ・システムとの音声通信の品質に影響を与え得る外部からの種々の音にさらされる。ユーザに固着するためにベルトまたは他の装置上に装着される携帯可能端末は、効果的な通信を行うためにはユーザの口から非常に遠くに離れてしまう場合がある。従って、ヘッドセットのような一層分離されたもしくは方向性のある音声取得技術が用いられなければならない。
【0005】
従来の有線のヘッドセットは、携帯可能端末または装置にとって幾分普及しているが、ヘッドセットから端末まで延びるワイヤを必要とする。ヘッドセットは、代表的には、マイクロフォン及び1つまたは複数のスピーカを含む。端末は、ヘッドセットのワイヤのコネクタまたはプラグと結合するために適切なソケットを含み、また、ヘッドセットから/へ送られる音声信号を処理するためのオーディオ処理電子機器を含む。このような従来の構成は、幾つかの欠点を有している。例えば、端末からヘッドセットまでのワイヤは、しばしば、引っかかったり、または邪魔したりして作業の流れを中断させるので不便である。さらに、端末は、特にヘッドセット用に構成されなければならず、従って、特定のヘッドセットとの使用に制限され、そしてその逆に、端末用にヘッドセットを構成しなければならないこともある。さらに、端末のオーディオ処理電子機器が制限されるならば、端末の性能もまた音声駆動インターフェース装置として同様に制限され、その理由は、ヘッドセットが、純粋なオーディオ信号を取り扱うためにマイクロフォン及びスピーカだけを提供するからである。
【0006】
ヘッドセットから端末へのワイヤのような、これらの問題の幾つかを取り扱うために、端末との通信を行う無線ヘッドセットのような無線周辺機器を用いることが提案されている。無線ヘッドセット(例えば、ブルー・トゥースWPANハードウェア)は、特定のコネクタ及びヘッドセットのワイヤに対する必要性を除去する。しかしながら、このような無線システムは、また、種々の欠点を有している。
【0007】
例えば、ブルー・トゥースのような従来の無線技術を用いた、かかるヘッドセットは、移動端末に連続的に信号を送らなければならない。このことは、かなりの量のデータが送られることを必要とし、そして必要な送信サイクルの相当量を必要とする。このことは、幾つかの暗示を有する。絶え間の無い送信は、無線のヘッドセットで用いられているであろう必然的に小さいバッテリィを急速に消費する。さらに、このような連続的な送信は、フルタイム(全時間労働、すなわち1週間に40時間)のユーザを、ユーザの頭に近接した連続的なRF送信にさらす。これは望ましいことでは無い。
【0008】
さらに、音声駆動システムのための現存の無線ヘッドセット技術を用いることは、音声認識処理に加えてすべてのオーディオ処理の相当の仕事を取り扱うよう端末が構成されていることを必要とする。従って、無線ヘッドセットは、或るオーディオ能力または処理電力を有さない端末にとって有用なものではないであろう。このようなものとして、現在の技術での無線ヘッドセットは、音声認識技術を用いる音声駆動システムにおいて適切ではない。さらに、無線ヘッドセットと無線端末との間でのかかる連続的な送信は、完全な“産業強度”の音声認識器及び合成器をヘッドセット内に置くことが実際的でないので、現存のシステムにとって今だ必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、従来技術における種々の欠点を取り扱うための特別な必要性がある。さらに、今は必要とされているフルタイムの送信をすることなく、音声駆動システム内で無線ヘッドセットの利点を達成するための必要性がある。音声認識特性の適切な動作を確実にする無線ヘッドセット通信を価格効果の良い態様で提供する必要性もある。本発明は、当該技術分野におけるこのような必要性に対する解決策を提供し、また、種々の従来技術の解決策の欠点を取り扱うものである。
【0010】
本明細書に組み込まれて、その部分を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上述された本発明の一般的説明並びに以下に与えられる詳細な説明と共に、本発明を説明するために用いられるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1を参照すると、携帯可能及び/または着用可能の端末もしくはコンピュータ10とヘッドセット(もしくは、ヘッドホン)16とを含む、本発明の一実施形態を組み込んだ装置が、使用している状態で示されている。携帯可能端末は、示されているように、例えばベルト14上に、作業者11または他のユーザによって着用され得る着用可能装置であって良い。このことは、端末を手を使わずに使用することを許容する。もちろん、端末は、また、手で運ばれても良く、そうでない場合には、例えばリフト・トラック上に搬送されても良い。本発明の無線の特徴は、携帯可能コンピュータに対して大いに柔軟性を許容する。用語“端末”の使用は、ここでは制限的なものでは無く、特定の仕事を行うよう用いられかつヘッドセット16のような1つまたは複数の周辺装置と共に用いられる任意のコンピュータ、デバイス、機械またはシステムを含み得る。例えば、ヘッドセットは、以下に説明するように端末の代わりに中央コンピュータと実際に通信し得る。
【0012】
携帯可能端末10は、音声駆動システム内で動作し、種々の作業者11が、作業者によって行われる活動及び仕事に関する情報を送受信するための一層大きいシステムの部分である1つまたは複数の中央コンピュータ(図2参照)と通信するのを許容する。1つの中央コンピュータ20または複数のコンピュータは、在庫及び倉庫管理のような特定の仕事を扱うための1つまたは複数のシステム・ソフトウェア・パッケージを実行させ得る。もちろん、端末10は、ユーザとインターフェースするよう本発明を用いる独立型の装置であっても良い。
【0013】
1つの例示的実施形態において、端末10は、例えば無線リンク22でもって、中央コンピュータ20もしくは複数のコンピュータと通信する。ユーザがシステムと通信するのを許容するために、ヘッドセット16のような1つまたは複数の周辺装置もしくは周辺機器が、端末10に結合される。本発明の一態様によれば、ヘッドセット16は、無線リンク19によって端末に結合される。ヘッドセット16は、ユーザ/作業者の頭に着用され、倉庫または他の施設を通して手を使わない操作及び動きを許容する。
【0014】
図3及び図4は、本発明を用いるための端末及びヘッドセットの例示的な実施形態のブロック図である。しかしながら、本発明は、示された実施形態に特定的に制限されるものでは無い。例えば、種々の異なった構成要素またはブロックは、本発明において用いられ得る音声認識器または音声認識技術の種類に基づいて変るであろう。このようなものとして、種々の異なった音声認識器及び機構が、ここで以下にさらに説明するヘッドセットと端末またはコンピュータとの間の機能の区分化を変えることなく、本発明において用いられ得る。ヘッドセットと端末との代表的な相互作用の簡単な説明が、本発明の音声駆動環境及び本発明によって提供される特定の利益を理解するのに役立つ。
【0015】
特に、中央コンピュータと通信するための端末10は、端末の動作を制御するためのプロセッサを含み得る処理回路と、他の関連の処理回路を含み得る。処理回路は、オーディオ・フィルタのようなオーディオ処理回路と、音声認識と関連した相関回路とを組み込んでいる。本発明を履行するための1つの適切な端末は、ペンシルバニア州、ピッツバーグのVocollectから入手可能なTalkman(R)製品である。本発明の一態様によれば、端末は、通信のための音声認識技術を用いた音声駆動システム内で用いられる。ヘッドセット16は、作業者11と端末10との間で手を使わない音声通信を提供する。そのため、ディジタル情報がオーディオ形態に変換され、また、オーディオ情報がディジタル形態に変換されて、装置またはシステムと作業者との間で音声通信を提供する。例えば、1つの代表的なシステムにおいては、端末10は、中央コンピュータ20からディジタル命令を受信し、それらの命令を作業者によって聞き取られるようにオーディオに変換する。作業者11は、次に、喋られている言語で応答し、オーディオの応答は、システムの中央コンピュータに転送し戻されるように使用可能なディジタル形態に変換される。
【0016】
本発明は、非常に簡単に、音声信号をマイクロフォンで取得し、その純粋なオーディオ信号を端末10に向けるという、高められたヘッドセットを提供することによって、従来技術における欠点を処理するものである。一実施形態において、本発明のヘッドセット及びシステムは、ユーザの音声を端末に送信することが適切であるときの決定を行うために、まさしくヘッドセットにおいて、予備のオーディオ処理及び音声検出アルゴリズムを提供するものである。従って、ヘッドセットは、絶え間なく送信するのでは無い。このことは、ヘッドセットと端末との間の通信において、データ送信を減少させる。追加の音声認識処理が、次に、端末または中央コンピュータによって処理される。本発明は、さらに、オーディオ信号のサンプリングされた表示を処理して、純粋なオーディオでは無くむしろそれらを端末に送ることによって送信を減少させることを達成している。本発明は、ブルー・トゥースのような他の無線プロトコルを用いた場合の本発明の無線ヘッドセットの種々の欠点を取り扱い、並びに、特に電力消費の問題、データ送信の問題を取り扱い、そしてヘッドセットが端末または幾つかの他のデバイスに送信している時間量を減少する。特に、図3を参照すると、本発明の例示的な実施形態が示されている。上述したように、示された履行は、Vocollectからの現在のTalkman(R)のような音声認識器の1つの種類に向けられている。しかしながら、他の実施形態が、本発明の範囲から逸脱すること無く、音声認識技術を用いた本発明を用い得る。図3及び4に示された例示的な実施形態は、ヘッドセットと端末及び/またはコンピュータとを用いた可能なシステムを示すのに役に立つものである。
【0017】
図3は、本発明の1つの例示的な実施形態の簡単なブロック図を示す。特に、図3は、有線リンク18または無線リンク19のいずれか上の1つの態様で携帯可能端末10と通信するように構成されたヘッドセット16を組み込んでいる。携帯可能端末10は、次に、中央コンピュータ20への無線リンク22のようなもう1つのリンクと通信するよう構成され得る。代替的には、携帯可能端末10は、ヘッドセット16を通してユーザと単に通信する独立型のシステムまたは装置であって良い。さらにもう1つの代替的な実施形態においては、ヘッドセットは、中央コンピュータ20とリンク22上で直接通信し得る。
【0018】
ヘッドセット16は、ユーザの音声のようなオーディオ信号を取得するように構成されたマイクロフォン装置40を組み込んでいる。本発明の一態様によれば、ヘッドセット16は、マイクロフォン40によって取得されたオーディオ信号のディジタル化された表示を分析するよう構成された処理回路30を組み込んでいる。そのため、処理回路は、さらなる処理のためにオーディオ信号の適切な表示を提供するための適切なディジタル化回路を含んでいる。本発明のもう1つの態様によれば、処理回路30は、ユーザの音声を検出するためにオーディオ信号のサンプリングされた表示を分析するよう構成された音声検出回路46を含んでいる。処理回路30は、音声が検出されたとき、ディジタル化されたまたはサンプリングされた表示を、携帯可能端末10のような装置に送信するよう構成された回路もしくは回路とのインターフェースを含んでいる。一態様において、該回路は、ユーザの音声が検出されたときのみに送信を行う。本発明のもう1つの態様によれば、該回路は、概して、ユーザの音声が検出されないときには、携帯可能端末10への送信は行わない。この方法で、ヘッドセットは、単に連続的に送信を行うのでは無く、それが送るべきユーザの音声を有したときに送信を行う。
【0019】
本発明は、携帯可能端末10との通信に関して、データ送信を減少する幾つかの段階を提供する。ここで用いられる用語“データ送信”は、概して、ヘッドセット16と携帯可能端末10との間で転送されなければならない情報の量に言及している。従来技術のシステムにおいては、純粋なオーディオ信号を送信するヘッドセットは、該情報のすべての送信を必要とし、従って、相当の量のデータ送信を必要とし、ヘッドセットと端末との間の通信に影響を与える。本発明は、ヘッドセット16の動作における異なった段階において、幾つかのレベルのデータ送信の減少を提供する。一態様において、ヘッドセット16は、ヘッドセットによって取得されたオーディオ信号をディジタル化し、該ディジタル化された信号を、以下にさらに説明する例えばオーディオ・フィルタで処理及びサンプリングして、それらの信号のディジタル化されたまたはサンプリングされた表示を提供するように構成されている。ヘッドセット16が、ディジタル化されたまたはサンプリングされた表示を送信するとき、純粋なアナログ・オーディオ信号の送信の場合よりも相当に少ないデータ送信を必要とする。もう1つのレベルの送信の減少は、ユーザの音声が検出されたときのみに処理回路が送信を行うという理由で、処理回路によって提供される。すなわち、ユーザの音声は、外部からの音またはオーディオ信号から弁別される。従って、ユーザが連続的に喋っていない限り、送信は連続的に行われない。代表的な音声駆動応用において、ユーザの音声のデューティ・サイクルは、ユーザが本発明のシステムを動作させている時間の10%以下であり得る。従って、音声が検出されたときに送信を行い、音声が検出されないときには装置への送信を概して行わないようにヘッドセットにおいて弁別することにより、相当のデータ送信の減少が提供される。本発明者等は、アナログのオーディオ信号を送信する従来のヘッドセットに対して、本発明は、数オーダーの大きさのデータ送信の減少を提供し得ると推定した。
【0020】
図4は、特定の音声認識システムのために構成された本発明の幾分一層詳細な例示的実施形態を示す。上述したように、他の音声認識システムが、本発明と共に用いられ得、従って、本発明は、特定の音声認識技術に制限されるものではない。
【0021】
図4を参照すると、ヘッドセット16は、該ヘッドセットを着用しているユーザの音声のようなオーディオ信号を受信または取得するための少なくとも1つのマイクロフォン40を組み込んでいる。オーディオ処理及びこのような音声信号または他の信号のさらなる処理の目的で、信号はディジタル化されなければならない。そのため、処理回路30は、受信されたオーディオ信号のディジタル化された表示を提供するために用いられるディジタル化回路42を含んでいる。
【0022】
ディジタル及びアナログ・オーディオ間の変換のために、ディジタル化回路42は、オーディオ・コーダ/デコーダ・チップもしくはCODECを含み得る。1つの適切なオーディオ回路は、例えば、フィリップから入手可能なUDA1341オーディオCODECであって良い。本発明の一態様によれば、処理回路30は、さらに、ディジタル化されたオーディオ信号または音声信号を分析してさらに処理するためのオーディオ及び/または音声分析回路並びに信号処理回路を含む。例えば、ヘッドセット16は、ディジタル化されたオーディオ信号のスペクトル変換(spectral transform)を創成し、一連のサンプリングされた表示または該ディジタル化されたオーディオ信号と関連した値を提供する、スペクトル変換回路、または、メル・スケール・フィルタ(Mel scale filters)44のようなオーディオ・フィルタリング回路を含み得る。メル・スケール・フィルタ(Mel scale filters)44を含むメル・スケール(Mel scale)回路は、オーディオ処理のための既知の構成要素であり、ディジタル化された音声の一層少ないサンプリングされたスペクトル変換を概して提供する。本発明のデータ送信の減少の態様によれば、ヘッドセット16は、端末に送られるデータもしくは情報の量を減少するために、メル・スケール・フィルタ(Mel scale filters)44のようなオーディオ分析及び処理回路を用いる。この方法で、電力消費が減少され、ユーザが着用したヘッドセットからの送信時間も相当に減少される。すなわち、オーディオは、装置によって使用され得る形態に、しかし、装置に送信するためにより少ない時間しかかからず、従って、より少ない電力しか消費しない形態に、ヘッドセットにおいて処理される。
【0023】
例えば、実質的に未加工のオーディオ信号を送信しようとしている代表的なヘッドセットにおいては、それは、このようなオーディオの送信のために、64キロビットのレートを必要とし得る。しかしながら、本発明の一態様によれば、メル・スケール・フィルタ(Mel scale filters)のようなオーディオ処理回路は、送信のために音声の、一層未加工でより少なくサンプリングされたスペクトル変換を提供する。このことは、64キロビット・レートの十分の一よりも相当少ないビット・レートに減少させ得る。従って、送信されるべきデータの量は、さらなる音声認識処理のために信号内の情報を保存しつつ、10以上の係数または少なくとも一オーダーの大きさだけ減少され得る。
【0024】
図4を参照すると、メル・スケール・フィルタ・バンク(Mel scale filter bank)44は、一連のフレームの形態でサンプリングされた表示を出力し、該表示は、実質的に、フィルタ・バンクによって生成され、かつオーディオ信号のスペクトル内容を反映する一組のフィルタ値である。メル・スケール・フィルタ(Mel scale filters)44は、例えば、約10ミリ秒ごとに、フィルタ・バンクの外に来るフレームを提供し得る。ヘッドセットにおけるこのようなオーディオ処理及び分析は、音声認識プロセスのためにヘッドセットから端末に送信されなければならない情報(すなわち、データ)の量における第1の段の減少をもたらす。このようなものとして、それは、電力消費及び送信時間における望ましい減少を提供し、そして、それは、従来技術の望ましくない他の欠点及び従来技術の無線ヘッドセットの望ましくない他の欠点を処理する。
【0025】
本発明のヘッドセット16は、さらに、音声認識のために端末10またはコンピュータ20によって効率的に用いられ得る形態でオーディオ情報を提供する。信号のオーディオ処理をヘッドセットにおいて直接提供することにより、本発明は、従来技術を超えるもう1つの利点を提供する。特に、それは、音声認識処理のために端末10において必要な処理電力を減少する。この方法で、音声認識能力を提供するために、本発明のヘッドセット16では、より少ないデータ処理能力のまたは強力さの程度がより少ない(従って、より低価格の)装置が用いられ得る。例えば、携帯装置が利用可能であり得るが、マイクロフォンからのオーディオ信号を適正に処理する能力を持たなくて良い。従って、携帯可能装置は、バックエンドでの音声認識処理を取り扱うための適切な処理電力を有するが、それを適正に行うことができないかも知れない、というのは、従来の無線ヘッドセット及びマイクロフォンから抽出されたディジタル化された信号の品質が、音声認識処理のために適切な品質でないかも知れないからである。本発明は、ヘッドセットにおいてオーディオ処理を行うことにより、そのことを克服しており、このように、適切にディジタル化された情報またはビットの流れが、扱われるべき携帯装置に提供される。本発明のヘッドセットによって提供されるこのような予め処理されたディジタル化された情報は、未加工のオーディオ信号よりも一層容易に処理し易い。
【0026】
本発明のもう1つの態様において、ヘッドセット16の無線バージョンは、ヘッドセットのワイヤと結合するための適切なコネクタを携帯装置に持たせる必要性を除去する。
【0027】
本発明のもう1つの態様によれば、リモート装置または端末に送信される情報をさらに減少することで追加の利点が得られる。概して、データは、ユーザの音声がヘッドセットによって取得されてしまった場合にのみ、ヘッドセットから送信される。特に、一実施形態における処理回路30は、オーディオ信号が音声を表すかどうかを検出するために、フィルタ値フレームのようなオーディオ信号のディジタル化されたまたはサンプリングされた表示を分析するよう構成されている。このために、処理回路は、音声検出回路46を組み込んでおり、該音声検出回路は、オーディオ信号がヘッドセットを着用しているユーザからの音声を表すか否かを検出するための検出アルゴリズムを提供する。図4に示されているように、ディジタル化回路42及びオーディオ・フィルタ44は、音声検出回路に結合される。音声検出回路46の出力は、ヘッドセットが端末10または他の装置に無線形態で実際に送信する時を制御するよう、スイッチング回路の形態で示されている追加の処理回路48を動作させるために用いられる。概して、無線バージョンにおいては、ヘッドセット16は、端末と通信するための適切な無線送信または送受信回路50を含んでいる。代替的には、ヘッドセットは、結線された送受信回路51を含んでいても良い。
【0028】
音声検出回路46は、フィルタ回路44からのフィルタ値または“フレ−ム”を分析する。種々のこのような音声検出アルゴリズムが知られており、フレームまたは幾つかの他のサンプリングされた表示が端末に送信されるべきか否かを決定するために、処理回路の構成要素48を制御するための制御信号52を提供するために用いられ得る。ユーザの音声が検出されたとき、処理回路は、フレームまたはサンプリングされた表示を端末に送信するよう構成されている。代替的には、ユーザの音声が検出されなかったとき、処理回路48は、概して、フレームまたはサンプリングされた表示を端末に送信しないであろう。もちろん、外部からの音声信号が音声として検出されて、ヘッドセットのユーザのユーザ音声を実際に表していないというときがあるであろうこと、並びにそれらの信号が端末に不注意で送信されてしまい得るということ、が考えられる。しかしながら、一般的な感覚において、音声検出回路46及び処理回路48は、音声が検出されたときのみにサンプリングされた表示を主に送信するよう動作する。以下に示される代替的な実施形態は、外部からのノイズをユーザの音声から弁別する。
【0029】
このようなものとして、処理回路は、端末に送信される情報に対してデータ送信減少の大きさの追加の程度を表す。すなわち、端末に送られるこれらの信号は、ヘッドセットのオーディオ処理(例えば、減少されたフィルタ・フレームまたはサンプル)によって減少されるだけでなく、それらがユーザの音声を表さない限り、サンプリングされた表示は、端末に送られもしないであろう。もちろん、このようなデータ送信の減少は、ヘッドセットに喋っているユーザのデューティ・サイクルに依存するであろう。例えば、ユーザにいつも喋っていることを要求するような用途の場合には、ヘッドセットがユーザの音声を絶え間なく処理して送るであろうので、音声検出回路46及び処理回路48によって提供されるデータ送信の減少量は、非常に少ないのもであり得る。しかしながら、殆どの用途では、ユーザが小さい時間部分だけ喋ることを要求し、従って、本発明は、音声検出回路による相当の追加の減少を提供し、ヘッドセットが端末または他のリモート装置に実際に送信するときの制御を提供する。
【0030】
さて、図3に示された端末10を参照すると、該端末は、用いられる音声認識システムの特定の型のための追加の回路62を組み込んでいる。すなわち、端末で用いられる、追加の音声認識回路及び音声認識処理は、任意の適切な音声認識プロセスであって良く、概して、端末に送信される情報量の減少を提供するようフロントエンドのオーディオ処理回路を用いた、本発明のヘッドセットが受ける利点に対して影響を与えないであろう。
【0031】
ここで記載された例示的な実施形態は、端末10と通信するためにヘッドセット16を用いている。代替的には、図3に示されるように、ヘッドセットは、内部に適切な音声認識回路21を有する中央コンピュータ20と直接通信し得る。このことは、分離した端末をバイパスする。以下の説明においては、端末10は、コンピュータ20であっても良く、または幾つかの他の適切なリモート装置であっても良い。
【0032】
図4及び端末10を参照すると、リンク18、19を介して端末に送信されるフレームは、端末における適切な受信器または送受信回路61、62によって受信され、さらなる音声認識処理のために音声認識処理回路に経路付けられる。用いられている処理回路62は、端末10内でかつ全システム内で用いられる音声認識システムの型に依存する。上述したように、本発明を履行するための1つの適切な製品は、Vocollect によるTalkman(R)製品である。ここで用いられている音声認識回路は、本発明の例示的な実施形態を示す目的で図4に示されているが、本発明を、ここにまさしく用いられている音声認識プロトコルの型に制限するものではない。
【0033】
例えば、音声認識処理回路62は、セプストラル(cepstral)処理回路64を含み得る。セプストラル処理回路64は、既知のセプストラル変換原理に従って、ヘッドセット16から受信されたフレームのスペクトル変換を提供する。追加のバックエンド処理回路は、端末10のための音声認識技術の残りのステップを扱うために、コード・ブック・ルックアップ回路66及びパターン・マッチング回路68を含む。主に、セプストラル処理回路は、コード・ブック・ルックアップ回路に経路付けられる値の範囲を変換の形態で出力する。コード・ブック・ルックアップは、セプストラル変換回路64の出力値と相関された一組のコード・ブック値を生成するであろう。すなわち、信号の特定のセプストラル変換に対して、一組のコード・ブック値は、回路66から出力される。音声認識技術において良く知られているように、コード・ブック値は、全システムの動作内で特定の意味を有する、ワードもしくは語のような音を表す。パターン・マッチング回路68は、出力されたコード値が、言われた特定の語を実際に示しているか否かの決定を行う。例えば、ワード“一”またはおそらくワード“二”を表す一組のコード・ブック値が出力され得る。パターン・マッチング回路68は、コード・ブック・ルックアップ回路66から入って来るベクトルまたは値を見て、ワード“一”または“二”が喋られたかどうかを決定する。
【0034】
一層詳細には、回路66によって出力されたコード・ブック値は、特定のワードが喋られているときに生じる音を表す一連の値である。これらの値のアレイ(配列)は、特定のワードを表す。一連のこのような値は、ヘッドセットによって送信されたフレームに基づいて発生され、そして該一連の値は、パターン・マッチング回路の語彙集(ボキャブラリ)内にあるワードの組と、パターン・マッチング回路によって比較される。パターン・マッチング回路68により音声が検出されると、該情報は、独立型の端末またはコンピュータにおけるような回路62によってさらに処理され得るか、もしくは無線の送受信器または無線の送信器70によるような適切なリンクを介して中央コンピュータに送られ得る(図2参照)。
【0035】
示された例において、“フロント・エンド”音声処理回路/ハードウェアと考慮され得るものの幾つかは、ヘッドセット内に位置付けられる。しかしながら、代替的な実施形態においては、セプストラル変換回路64もしくはコードブック・ルックアップ機能のような“バック・エンド”回路の幾つかのような追加の回路もヘッドセット内で履行され得る。従って、本発明は、ヘッドセット内に特定の音声認識回路を示している図示の実施形態に制限されるものではなく、異なった機能回路のブロックが、本発明の利点を提供するために、ヘッドセット及びリモート装置内で用いられ得る。
【0036】
本発明のもう1つの態様によれば、ユーザの音声は、外部の音声ノイズに対して弁別され得る。データは、次に、ユーザの音声が検出されない限り送信されない。このため、ヘッドセット60は、図4に示されているように、第2のマイクロフォン41のようなもう1つのマイクロフォンを含み得る。マイクロフォンからの出力は、外部のオーディオ信号または音からユーザの音声を弁別するために用いられる。第2のマイクロフォン41は、音を取得して、マイクロフォン40と同様のオーディオ信号を発生するよう構成されている。しかしながら、本発明の一態様によれば、マイクロフォン41は、マイクロフォン40と離れたもしくは離間した場所に位置付けられ得る。マイクロフォン40は、概して、ユーザの音声を取得するためにユーザの口に近接して位置付けられる。第2のマイクロフォン41は、ヘッドセット16及び端末10を組み込んでいる全システムの動作に基づいて、拡声装置の音声音のような外部の音が存在する中で、ユーザの音声を検出するのを可能とするように用いられる。特に、マイクロフォン40、41の各々は、それぞれの信号レベルを有する信号を発生するよう構成される。その位置故に、マイクロフォン40は、第2のマイクロフォンが検出するであろうよりも一層大きい割合のユーザの音声音を検出するよう構成され得る。しかしながら、双方のマイクロフォンは、箱の落下、装置雑音、または拡声装置音のような、ユーザから切り離された、音声でないこれらの外部のノイズをほぼ等しく聞くであろう。本発明の処理回路30は、ユーザが喋っているか否かを決定するために2つのマイクロフォン40、41によって発生されるこれらの信号の、相対信号エネルギ・レベルのような信号特性を比較するように構成された回路を含む。例えば、外部音の場合、2つのマイクロフォンにおける信号レベルの相対差は、不変のままであるであろう。しかしながら、ユーザが喋っているときは、概して、第1のマイクロフォン40によって記録される音の特性は、第2のマイクロフォン41からの信号の特性とは相当に変るであろう。その理由は、第2のマイクロフォン41は、ヘッドセットの物理的構造が如何に履行されているかに依存して、ユーザの耳または頭の頂部に近接して位置付けられ得るからである。このことは、ユーザが喋っているという追加の指示を提供する。処理
回路30は、さらに、本発明の一態様によって端末に送信すべきか否かを決定するようこのような特徴を用い得る。このような特徴に関するさらなる詳細は、 年 月 日に提出された“音声駆動環境におけるユーザの音声を検出するための装置及び方法”という名称の米国特許出願に記載されており、その全内容は、参照によりここに組み込まれる。従って、フィルタ44からのサンプリングされたフレームを受信する処理回路30、特に回路48は、フレームが端末10に送信されるべきときを決定するよう分析のさらなるレベルを提供する。このようなものとして、ユーザの音声でない、もしくはユーザからの直接の音声でない人間の音声の形態における外部からのノイズは、ヘッドセットがどのようにして、複数のマイクロフォン40、41からの信号の特性によって示される人間の音声を知覚したかに依存して送信され得ない。
【0037】
従って、本発明は、相当の利点を提供し、従来技術の種々の欠点を処理している。本発明は、ヘッドセットから音声認識を行う近くの装置に必要な情報を送信するために必要とされるデータ送信を減らす。本発明は、さらに、該技術とは無関係にオーディオ処理の幾つかを行う。ヘッドセットの着用者に対する照射のようなRF送信への電力消費は減少される。本発明のヘッドセットは、特定のヘッドセット接続またはプラグを有さない音声認識装置と共に使用され得る。さらに、本発明は、ヘッドセットにおいて幾つかの音声処理を提供することにより、音声認識器によって用いるための高品質の音声信号を提供する。特に述べなかった他の利点も本発明によって提供される。
【0038】
本発明を種々の実施形態の説明によって示し、これらの実施形態をかなりの詳細に渡って示してきたけれども、特許請求の範囲をこのような詳細に限定するもしくはいかなる方法においても制限するということは本出願人の意図するところではない。追加の長所及び変更は、当業者には容易に見えてくるであろう。それ故、その一層広範な態様における本発明は、特定の詳細、表した装置及び方法、示されかつ説明された図示例に制限されるものではない。従って、出願人の一般的な発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、このような詳細からは離れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による端末及びヘッドセットを用いた作業者の斜視図である。
【図2】本発明を組み込んだシステムの概略的なブロック図である。
【図3】本発明の例示的実施形態の概略的なブロック図である。
【図4】本発明のもう1つの例示的な実施形態の概略的なブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
10 携帯可能端末またはコンピュータ
11 作業者
16 ヘッドセット
18 有線リンク
19 無線リンク
20 中央コンピュータ
21 音声認識回路
22 無線リンク
30 処理回路
40 マイクロフォン装置
41 第2のマイクロフォン
42 ディジタル化回路
44 メル・スケール・フィルタ
46 音声検出回路
48 追加の処理回路
50 無線の送受信回路
51 結線された送受信回路
60 無線の送受信回路
61 結線された送受信回路
62 音声認識回路
64 セプストラル処理回路
66 コード・ブック・ルックアップ回路
68 パターン・マッチング回路
70 無線の送受信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置と通信するためのヘッドセットであって、ユーザの音声を検出するために該ヘッドセットによって取得されたオーディオ信号を処理して、該取得されたオーディオ信号のサンプリングされた表示を、概して、ユーザの音声が検出された場合にのみ、前記装置に送信するよう構成されたヘッドセット。
【請求項2】
前記装置への送信は、無線送信である請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項3】
装置への送信に先立って音声検出のためにサンプリングされた表示を処理するよう構成された音声認識回路を含む請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項4】
取得された信号のサンプリングされた表示として信号フレームを創成するよう構成されたフィルタを備え、ヘッドセットは、ユーザの音声が検出されたときに信号フレームを送信する請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項5】
フィルタは、一組のフィルタ値を反映した信号フレームを発生するためのメル・スケール・フィルタを含む請求項4に記載のヘッドセット。
【請求項6】
ユーザの音声を検出するために、取得されたオーディオ信号のサンプリングされた表示を分析するための音声検出回路を備え、該音声検出回路は、サンプリングされた表示の装置への送信を選択的に制御するよう構成された請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項7】
オーディオ信号のディジタル化された表示を形成するためのディジタル化回路を含む請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項8】
装置への送信のためにオーディオ信号のディジタル化された表示のサンプリングされたスペクトル表示を形成するための処理回路をさらに備える請求項7に記載のヘッドセット。
【請求項9】
取得されたオーディオ信号のサンプリングされた表示を無線送信するよう結合された無線送信回路をさらに備える請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項10】
前記装置は、携帯可能な端末である請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項11】
前記装置は、コンピュータである請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項12】
ユーザによって着用されるヘッドセットであって、該ヘッドセットによって取得されたオーディオ信号のサンプリングされたスペクトル表示を形成するよう構成され、ユーザの音声を検出するために、サンプリングされたスペクトル表示を分析するヘッドセット。
【請求項13】
取得されたオーディオ信号のサンプリングされたスペクトル表示を、概して、音声が検出された場合にのみ装置に送信するようさらに構成されている請求項12に記載のヘッドセット。
【請求項14】
前記装置は、音声認識回路を含む請求項13に記載のヘッドセット。
【請求項15】
音声認識回路をさらに備える請求項12に記載のヘッドセット。
【請求項16】
前記装置は、携帯可能な端末である請求項13に記載のヘッドセット。
【請求項17】
前記装置は、コンピュータである請求項13に記載のヘッドセット。
【請求項18】
装置と通信するためにユーザによって着用されるヘッドセットであって、
オーディオ信号を受信するためのマイクロフォンと、
ユーザの音声を検出するために、オーディオ信号のサンプリングされた表示を分析するよう構成された処理回路と、
ユーザの音声が検出されたときに、サンプリングされた表示を前記装置に送信するよう構成され、かつユーザの音声が検出されないときに、概して、前記装置に送信しないよう構成された回路と、
を備えたヘッドセット。
【請求項19】
処理回路は、オーディオ信号のディジタル化された表示を形成するためのディジタル化回路を含む請求項18に記載のヘッドセット。
【請求項20】
処理回路は、オーディオ信号のサンプリングされたスペクトル表示を創成するよう構成されたオーディオ・フィルタを備える請求項18に記載のヘッドセット。
【請求項21】
フィルタは、ディジタル化された表示のスペクトル成分と関連したフレームを生成し、ヘッドセットは、信号フレームを送信するよう構成された請求項18に記載のヘッドセット。
【請求項22】
フィルタは、一組のフィルタ値を反映する信号フレームを発生するためのメル・スケール・フィルタを含む請求項20に記載のヘッドセット。
【請求項23】
処理回路は、音声を検出するために、ディジタル化された表示を分析するための音声検出回路を備え、該音声検出回路は、ディジタル化された表示の装置への送信を選択的に制御するよう構成された請求項18に記載のヘッドセット。
【請求項24】
第2のマイクロフォンをさらに備え、第1及び第2のマイクロフォンは、第1のマイクロフォンが、第2のマイクロフォンよりもユーザの音声音の一層大きい割合を検出するよう構成されて、信号を発生するよう構成されており、
処理回路は、ユーザが喋っているかどうかを決定するために、第1及び第2のマイクロフォンによって発生される信号を処理するよう構成されている、
請求項18に記載のヘッドセット。
【請求項25】
音声認識回路をさらに含む請求項18に記載のヘッドセット。
【請求項26】
前記装置は、携帯可能な端末である請求項18に記載のヘッドセット。
【請求項27】
前記装置は、コンピュータである請求項18に記載のヘッドセット。
【請求項28】
装置と通信するためのヘッドセットであって、
オーディオ信号を受信するためのマイクロフォンと、
オーディオ信号がユーザの音声を表すか否かを検出するためにオーディオ信号のサンプリングされたスペクトル表示を形成するよう構成された回路と、
ユーザの音声が検出されたときに、前記装置にサンプリングされた表示を送信し、ユーザの音声が検出されないときに、概して、送信しないよう構成された回路と、
を備えたヘッドセット。
【請求項29】
無線通信のためのシステムであって、
音声信号を処理するよう構成された装置と、
処理されるべきオーディオ信号を取得するためのヘッドセットであって、ユーザの音声を検出するために、取得された信号を処理し、概して、ユーザの音声が検出された場合にのみ、取得されたオーディオ信号のサンプリングされた表示を前記装置に無線で送信するよう構成された前記ヘッドセットと、
を備えたシステム。
【請求項30】
前記ヘッドセットは、オーディオ信号を受信するためのマイクロフォンを備える請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記ヘッドセットは、オーディオ信号のディジタル化された表示を形成し、オーディオ信号がユーザの音声を表すか否かを検出するために、ディジタル化された表示を分析するよう構成された回路を備える請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記ヘッドセットは、ディジタル化された表示のスペクトル成分と関連した信号フレームを創成するための回路を備え、前記ヘッドセットは、信号フレームを送信するよう構成された請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記ヘッドセットは、一組のフィルタ値を反映する信号フレームを発生するためのメル・スケール・フィルタを含む請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記ヘッドセットは、オーディオ信号がユーザの音声を表すか否かを検出するための音声検出回路を備える請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
前記装置は、送信された信号における音声パターンを認識するために、ヘッドセットからの送信されサンプリングされた表示を処理するための音声認識回路を備える請求項29に記載のシステム。
【請求項36】
前記ヘッドセットは、前記装置への送信に先立って、サンプリングされた表示に関する音声認識を行うよう構成された音声認識回路を備える請求項29に記載のシステム。
【請求項37】
前記ヘッドセットは、取得されたオーディオ信号のサンプリングされたスペクトル表示を形成するよう構成された請求項29に記載のシステム。
【請求項38】
前記ヘッドセットは、サンプリングされたスペクトル表示を前記装置に送信するよう構成された請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記装置は、携帯可能な端末である請求項29に記載のシステム。
【請求項40】
前記装置は、コンピュータである請求項29に記載のシステム。
【請求項41】
さらに、第2のマイクロフォンを備え、第1及び第2のマイクロフォンは、第1のマイクロフォンが、第2のマイクロフォンよりもユーザの音声音の一層大きい割合を検出するよう構成されて、信号を発生するよう構成されており、
ヘッドセットは、ユーザの音声を検出するために、第1及び第2のマイクロフォンによって発生される信号を処理するよう構成されている、
請求項29に記載のシステム。
【請求項42】
サンプリングされた表示に関して音声認識を行うよう構成された音声認識回路をさらに備える請求項29に記載のシステム。
【請求項43】
音声認識回路は、コードブック・ルックアップ回路を備える請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
音声認識回路は、さらに、パターン・マッチング回路を備える請求項42に記載のシステム。
【請求項45】
ヘッドセットと装置との間の無線通信のための方法であって、
ヘッドセットでオーディオ信号を受信するステップと、
ユーザの音声を検出するために、ヘッドセットでオーディオ信号を処理するステップと、
ユーザの音声が検出されたときに、オーディオ信号のサンプリングされた表示を装置に送信し、ユーザの音声が検出されないときに、概して、装置に送信しないステップと、
を含む方法。
【請求項46】
ヘッドセットでのオーディオ信号に音声認識処理を行うステップをさらに含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
装置でのオーディオ信号に音声認識処理を行うステップをさらに含む請求項45に記載の方法。
【請求項48】
サンプリングされた表示として信号フレームを形成し、該信号フレームを送信するステップをさらに含む請求項45に記載の方法。
【請求項49】
信号フレームを発生するためにヘッドセットにおいてメル・スケール・フィルタを用いるステップをさらに含む請求項48に記載の方法。
【請求項50】
オーディオ信号のサンプリングされたスペクトル表示を形成するためにオーディオ信号を処理するステップをさらに含む請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記装置は、携帯可能な端末である請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記装置は、コンピュータである請求項45に記載の方法。
【請求項53】
ヘッドセットにおけるマイクロフォンでオーディオ信号を受信するステップをさらに含む請求項45に記載の方法。
【請求項54】
ヘッドセットに位置付けられた第2のマイクロフォンでオーディオ信号を受信するステップをさらに含み、前記第1のマイクロフォンは、第2のマイクロフォンよりも大きい割合の音声音を検出し、
ユーザが喋っているか否かを決定するために、第1及び第2のマイクロフォンによって発生される信号を処理するようにした請求項53に記載の方法。
【請求項55】
音声認識分析のために、サンプリングされた表示のスペクトル変換を行うステップをさらに含む請求項45に記載の方法。
【請求項56】
コードブック・ルックアップ回路を動作させるために、かつコードブック値を出力するために、スペクトル変換を用いるステップをさらに含む請求項55に記載の方法。
【請求項57】
コードブック値でパターン・マッチング処理を行うステップをさらに含む請求項56に記載の方法。
【請求項58】
リモート装置と通信するためのヘッドセットであって、
ユーザの音声を含むオーディオ信号を取得するよう構成されたマイクロフォン・システムと、
ユーザの音声を検出するよう前記マイクロフォン・システムの出力に応答し、ユーザの音声検出に基づいて前記リモート装置に通信されるマイクロフォン・システム出力データの量を減少するよう構成された回路と、
を備えたヘッドセット。
【請求項59】
前記回路は、概して、ユーザの音声だけを検出して送信する請求項58に記載のヘッドセット。
【請求項60】
前記ヘッドセットは、前記リモート装置と無線で通信する請求項59に記載のヘッドセット。
【請求項61】
前記回路は、前記オーディオ信号をサンプリングして、前記信号のサンプリングされた表示を送信する請求項58に記載のヘッドセット。
【請求項62】
前記ヘッドセットは、前記リモート装置と無線で通信する請求項61に記載のヘッドセット。
【請求項63】
前記回路は、前記オーディオ信号をサンプリングして、検出されたユーザの音声のサンプリングされた表示を送信する請求項58に記載のヘッドセット。
【請求項64】
前記ヘッドセットは、前記リモート装置と無線で通信する請求項63に記載のヘッドセット。
【請求項65】
前記ヘッドセットは、前記リモート装置と無線で通信する請求項58に記載のヘッドセット。
【請求項66】
リモート装置と通信するためのヘッドセットであって、ヘッドセットによって取得されたオーディオ信号を処理して、ユーザの音声を検出し、概して、音声が検出された場合にのみリモート装置に送信するよう構成されたヘッドセット。
【請求項67】
前記ヘッドセットは、取得されたオーディオ信号を処理して、外部のオーディオ信号からユーザの音声を弁別するよう構成された回路を含む請求項66に記載のヘッドセット。
【請求項68】
前記ヘッドセットは、前記リモート装置と無線で通信する請求項67に記載のヘッドセット。
【請求項69】
前記ヘッドセットは、ユーザの口から異なった距離で位置付けられた少なくとも2つのマイクロフォンと、該マイクロフォンの出力に応答して、外部のオーディオ信号からユーザの音声を弁別するために前記出力を処理するよう構成された回路と、を含む請求項66に記載のヘッドセット。
【請求項70】
前記ヘッドセットは、前記リモート装置と無線で通信する請求項69に記載のヘッドセット。
【請求項71】
前記ヘッドセットは、前記リモート装置と無線で通信する請求項66に記載のヘッドセット。
【請求項72】
リモート装置と通信するためのヘッドセットであって、該ヘッドセットによって取得されたオーディオ信号をサンプリングして、ユーザの音声が検出された場合にのみ、該取得されたオーディオ信号のサンプリングされた表示を前記装置に送信するよう構成されたヘッドセット。
【請求項73】
前記ヘッドセットは、前記リモート装置と無線で通信する請求項72に記載のヘッドセット。
【請求項74】
マイクロフォン・システム、ユーザ音声ディジタイザ、ユーザ音声検出器及びバックエンド音声認識器を備えた配分された構成要素を有する音声駆動音声認識システムであって、さらに、
前記構成要素の残余は、ヘッドセットから離れて位置付けられた1つまたは複数の装置に含まれている場合に、少なくとも前記マイクロフォン・システム及び前記音声ディジタイザを含むヘッドセット、を備え、
前記ヘッドセットは、マイクロフォン・システムの出力を1つまたは複数の装置に送信するよう構成されており、
前記ヘッドセットは、送信されたマイクロフォン・システム出力から、ユーザの音声を表さない信号を少なくとも部分的に抑制するように用いられるユーザ音声検出器を含むシステム。
【請求項75】
前記ヘッドセットは、前記1つまたは複数の離れた装置に無線で結合される請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記ヘッドセットは、ユーザ音声信号プロセッサを含み、該ユーザ音声プロセッサ信号は、マイクロフォン・システム出力をサンプリングして、前記1つまたは複数の離れた装置に送信されるマイクロフォン・システム出力データの量を減少するよう構成された請求項74に記載のシステム。
【請求項77】
前記マイクロフォン・システムは、ユーザの口からの異なった距離に位置付けられた少なくとも2つのマイクロフォンを備え、前記音声検出器は、前記マイクロフォンからの入力を処理して、ユーザの音声を表さない信号の少なくとも部分的な抑制を行うように構成された請求項74に記載のシステム。
【請求項78】
前記ヘッドセットは、ユーザ音声信号プロセッサを含み、前記ユーザ音声検出器は、前記ユーザ音声信号プロセッサの出力に応答し、ユーザ音声と外部のオーディオ信号との間で弁別して、それにより、ユーザ音声を表さない信号の少なくとも部分的な抑制を行うよう構成された請求項74に記載のシステム。
【請求項79】
前記1つまたは複数の離れた装置は、ヘッドセット内に含まれない構成要素の残余を含む局部コンピュータを含む請求項74に記載のシステム。
【請求項80】
前記局部コンピュータは前記ヘッドセットに無線に結合される請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記1つまたは複数の装置は、ヘッドセット内に含まれていない構成要素の残余を含む中央コンピュータを含む請求項74に記載のシステム。
【請求項82】
前記中央コンピュータは、前記ヘッドセットに無線で結合される請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
前記システムは、ヘッドセット、局部コンピュータ及び中央コンピュータを含み、前記ヘッドセット、局部コンピュータ及び中央コンピュータは、各々、前記構成要素の少なくとも1つを含む請求項74に記載のシステム。
【請求項84】
前記ヘッドセットは、少なくとも1つも無線リンクを介して前記中央コンピュータに結合される請求項83に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−507158(P2007−507158A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527957(P2006−527957)
【出願日】平成16年3月16日(2004.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/007891
【国際公開番号】WO2005/041543
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(506010806)ヴォコレクト・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】