頬顎異常矯正学的手術のための治療計画を導出する方法及びそのための装置
【課題】 頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法を提供する。
【解決手段】 頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法は次の段階を含む:(1)3D医学画像モダリティを用いて人の頭の3Dスキャンを獲得する、(2)その3Dスキャンからのデータを用いて3D表面模型を生成する、(3)この3Dスキャンからこの3D表面模型に幾何学的にリンクした少なくとも一つの2D頭部X線像を形成する、(4)この少なくとも一つの2D頭部X線像及び/またはこの3D表面模型上に解剖学的標識点を示す、(5)この解剖学的標識点を用いてこの頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する。
【解決手段】 頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法は次の段階を含む:(1)3D医学画像モダリティを用いて人の頭の3Dスキャンを獲得する、(2)その3Dスキャンからのデータを用いて3D表面模型を生成する、(3)この3Dスキャンからこの3D表面模型に幾何学的にリンクした少なくとも一つの2D頭部X線像を形成する、(4)この少なくとも一つの2D頭部X線像及び/またはこの3D表面模型上に解剖学的標識点を示す、(5)この解剖学的標識点を用いてこの頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は頭蓋及び軟組織の形状を評価するための、及び顎顔面手術のための治療計画を決定するための、特に頬顎異常矯正学的手術のための方法、及びかかる手術またはそれらの準備で使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顎顔面手術において、頭蓋及び歯列は外科的にリモデルされまたは再現される。この外科的規範は頬顎異常矯正学的手術と呼ばれる、特に互いに関しての顎骨の誤配置の修復の外科的介入を包含する。典型的には、頬顎異常矯正学的手術は頭蓋の残りに関して上顎骨及び/または下顎骨のフラグメントを正しく再配置し、良好な咬合を作り出すための、これらの骨の骨切り術を含む。骨切り術は外科的手術であり、そこでは骨が短くなるように、長くなるようにまたはその整合性を変えるように切断される。“咬合”は、上及び下歯槽部からの歯が口が閉じられるとき一緒に会合する態様を意味する。
【0003】
かかる外科的介入の準備は矯正技術及びX線撮影技術の実行を必要とする。
【0004】
矯正技術
患者の下顎及び上顎歯列の型が作られる。一般的に石膏から作られたこれらの型は次いで側頭下顎骨関節と顎部を表わす咬合器に取り付けられる。型は良好な咬合を作り出すために顎に適用されなければならない相対的変位をシミュレートするために使用される。外科医にシミュレートされた相対的位置を考慮可能とするために、スプリント(splint)、すなわち二つの型のツースプリント(tooth−prints)をそのそれぞれの表面上に含むプレート、が作られる。スプリントは歯が咬合する相対的位置に型または顎を維持するために使用される。
【0005】
外科的介入は一般的に両顎の骨切り術を含むので、介入前の二つの顎をそれらの咬合位置に結合するいわゆる初期スプリントに加えて、二つのスプリントが一般的に歯科型から作られる。
【0006】
いわゆる中間スプリントが、下顎骨がその初期(手術前)位置にあるとき、下顎骨に関して上顎骨の予知できる変位を決定する。このスプリントは下顎骨に介入する前に外科医が上顎を頭蓋の希望の最終位置に戻し置くことを可能とする。いわゆる最終スプリントが外科的に達成される咬合目的を決定し、従ってそれ以前に置換された上顎骨に関しての下顎骨の位置を設定することにより頭蓋上に下顎骨を正しく配置するために使用される。
【0007】
X線撮影技術
外科的手術の準備はまた、患者のX線像を使用する。典型的には側面X線像(頭部X線像)が実施される。時には前面X線像及び異なる視野の他のX線像が実施される。これらのX線像は特に手術行為の近似シミュレーションを実施可能とする。
【0008】
シミュレーションはX線像上に置かれたトレーシングペーパーから手動で実施される。例えば、標識点が示され、下顎骨の輪郭が画かれる。トレーシングペーパーは次いで希望の手術後咬合をその上に略再現するように移動され、その後上顎骨輪郭が画かれる。トレーシングペーパー上に画かれた上顎−下顎組合せが次いで頭蓋計測基準、唇側比、並びにこの形式の介入のための既知の他の基準を考慮しながら一ブロック内で移動される。顎変位の方向及び大きさはこのようにしてX線像的にかつ近似的に規定される。このシミュレーションの結果は比較され、スプリントによって予想される下顎骨及び上顎骨の相対的移動に従って調整される。
【0009】
従って、頬顎異常矯正学的手術介入の実際のシミュレーションは本質的に手動で実施される。更に、このシミュレーションは頭蓋の平面輪郭図に基づいて二次元でのみなされる。
【0010】
CTスキャナの電流発生は患者の解剖学の詳細な3D情報を提供する。このデータに基づき、骨及び皮膚表面の3D復元が可能である。骨フラグメントは分離され、互いに関して移動されることができる。これはコンピュータ補助頬顎異常矯正学的手術計画システムのための好都合な基礎を提供できる。しかし、現在利用可能な3D表面表示アルゴリズムは、臨床医に仮想3D環境で骨フラグメントを容易にかつ信頼性を持って再配置することを可能とする解剖学的関連基準を含む適当なフレーム枠を提供しない。第二の問題はアマルガム歯科充填剤を持つ患者のCTスキャンから導かれた3D表面表示の使用と関連する。歯アマルガム充填剤はCT画像上に筋として現れる人為構造を作る。これらのCT画像をそれ自体として使用すると、咬み合いを得るための歯の正確な位置を三次元図でプロットすることが不可能である。
【0011】
特許文献WO 03/028577−A2は頬顎異常矯正学的手術スプリントを製作するための装置と方法を開示する。それはまた、診断及び治療計画のために適したコンピュータ化された複合頭蓋模型を作るための方法に関する。前記方法では患者の骨構造の3DCT模型及び患者の歯列のデジタル歯科コンピュータ模型が生成され、両者は信頼性のある標識の同じ組を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法を提供することを目的とする。第二の目的では前記分析法を含む頬顎異常矯正学的手術のための治療計画を導くための方法を提供することを目的とする。更なる目的ではそれらのために適した装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法に関し、それは次の段階:
− 3D医学画像モダリティを用いて人の頭の3Dスキャンを獲得する、
− その3Dスキャンからのデータを用いて3D表面模型を生成する、
− この3Dスキャンからこの3D表面模型に幾何学的にリンクした少なくとも一つの2D頭部X線像を生成する、
− この少なくとも一つの2D頭部X線像及び/またはこの3D表面模型上に解剖学的標識点を示す、
− この解剖学的標識点を用いてこの頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する、
を含む。
【0014】
好ましくはこの医学画像モダリティは磁気共鳴画像化またはコンピュータトモグラフィである。この3D表面模型は有利には骨構造表面及び/または軟組織エンベロープを示す。
【0015】
好適実施態様においてこの方法はこの3D表面模型と一緒に前記生成された少なくとも一つの2D頭部X線像を仮想シーンで可視化する段階を更に含む。
【0016】
有利にはこの方法は人の頭の上の解剖学的参照点から参照枠を決定することを更に含む。
【0017】
好ましくは更なる段階において頭蓋計測分析の報告書が生成される。
【0018】
別の実施態様でこの方法は2Dまたは3D写真を提供する更なる段階を含み、それから組織化された3D皮膚表面が導かれる。
【0019】
この分析は二つの標識点間の直線距離、標識点から参照面までの距離、面上に投影された標識点間の距離、標識点または面間の角度、これらの測定間の計算された割合または表面に沿ったかつ面に平行な二つの点間の距離の決定を含む。
【0020】
更なる実施態様においてこの方法は3Dスプリントを持っている人の頭の3Dスキャンを獲得する段階を含む。また、前記人の上及び下顎の型の3Dスキャンがそのとき好ましくは獲得される。次に、3Dスプリントを持っている前記人の頭の3Dスキャン、及び上及び下顎の型の3Dスキャンが3Dスプリントの特徴に基づいて融合される。有利には前記3Dスプリントを持っている人の3Dスキャンからのデータは続いて3D表面模型を生成するために使用される。
【0021】
第二目的において本発明は骨フラグメントを再配置するための計画情報を導くための方法に関し、それは次の段階:
− 先に述べたような頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する、
− 再配置される骨フラグメントの仮想位置の組を規定する、但し前記位置は解剖学的標識点に基づいて規定される、
− 仮想位置のそれぞれのために3D表面模型の及び2D頭部X線像の標識点と一緒に骨フラグメントを再配置した結果を可視化する、
− 頭蓋計測分析及び可視化に基づいて骨フラグメントの手術内再配置について決定する、
を含む。
【0022】
有利な実施態様では仮想位置は骨フラグメントの移動及び/または回転からもたらされる。
【0023】
別の目的において本発明は頭蓋計測及び/または人体計測分析のための装置に関し、それは
− 3Dスキャンデータから3D表面模型及び3D表面模型に幾何学的にリンクした2D頭部X線像を生成するために配置された計算装置、
− 2D頭部X線像及び/または3D表面模型を示すための可視化手段、及び
− 少なくとも一つの2D頭部X線像及び/または3D表面模型に設けられた解剖学的標識点に基づいた分析を実施するための計算手段、
を含む。3Dスキャンデータは好ましくはCTまたはMRIデータである。
【0024】
更なる目的において本発明は先に述べた方法で使用するための3Dスプリントに関する。3Dスプリントは上及び下歯槽部を固定するために配置されたU形状部を含み、かつU形状部上に口腔外または口腔内延長部を備えている。
【0025】
最後の目的において本発明は命令を含むプログラマブル装置上で実行可能なプログラムに関し、それは実行されるとき先に述べた方法を実施する。
【0026】
図面の簡略説明
図1は仮想(側面)頭部X線像の生成を示す。
【0027】
図2は解剖学的に関連した参照枠の定義を示す。
【0028】
図3A及び3Bは解剖学的標識点の定義を示す。側面頭部X線像及び3D骨表面模型が点を正確に規定するために使用される。
【0029】
図4は3D頭蓋計測トレーシングの結果を示す。
【0030】
図5は頬顎異常矯正学的手術の構成時を示している移動骨フラグメントを示す。
【0031】
図6は頬顎異常矯正学的手術の仮想結果を示す。
【0032】
図7は骨フラグメントを移動するのに使用される制御ウインドウを示す。
【0033】
図8は仮想頭部X線像(図8A)上及び骨表面表示(図8B)上の標識点の移動のトラッキングを示す。
【0034】
図9は単独での及び歯列の石膏型間の位置での3Dスプリントを示す。この3Dスプリントは延長部の特徴による融合を予想する。
【0035】
図10は単独での及び歯列の石膏型間の位置での3Dスプリントを示す。この3Dスプリントはグッタペルカマーカーによる融合を予想する。
【0036】
図11から14は本発明による方法の種々の実施態様のフローチャートを示す。
【0037】
図15は図11から14に示されたフローチャートの全体的な概要を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
骨組織及び/または軟組織の適切な3D頭蓋計測分析を実施するために、3D構造のみに関連点を示すことができることは十分ではない。3D構造上でうまく規定されない適切な3D頭蓋計測トレーシングのために必要な点は2D表示上で利用でき、逆もまた同様である。本発明はこの問題を解決するコンピュータ化されたシステムを述べる。
【0039】
本発明は3D表面表示の枠を解剖学的に関連する枠に再規定する方法を提供する。解剖学的に関連する枠は正確な頭蓋計測及び/または人体計測分析を直観的態様で臨床医に実施可能とする。更に、解剖学的に関連する枠を含む3D表面表示は解剖学的に関連する標識点に関して骨フラグメントの仮想再配置を可能とする利点を持ち、それを外科的介入の計画のために特に適したものとする。図11に示されたフローチャートは本発明による方法の主な段階をまとめる。
【0040】
医学的画像化において、モダリティは身体の画像を獲得するのに使用される種々の形式の器具またはプローブのいずれかである。X線像、コンピュータトモグラフィ、超音波検査及び磁気共鳴画像化は本発明でのモダリティの例である。
【0041】
3D頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法及び装置が開示され、それは患者の解剖学の手術前評価を可能とする。装置は2D投影グレイ値像、すなわちCT像と幾何学的にリンクしかつそれから計算された仮想X線像、と一緒に、コンピュータ化されたシステム、可視化像ボリューム(例えばCT像ボリューム)及びそれから抽出された表面模型を含む。複合情報は患者の頭蓋及び軟組織表面の3D解剖学を効果的かつ正確に評価するための手段を提供する。この技術は古典的な2D頭蓋計測トレーシングを3D骨表面可視化と融合する。表面模型は報告‘Marching Cubes:a High Resolution 3D Surface Construction Algorithm’by W.E.Lorensen,H.E.Cline(ACM Computer Graphics(ACM SIGGRAPH ’87 Proceedings),vol.21,no.4,pp.163−169,July 1987)に記載されているようにCTデータを用いて生成されることができる。仮想X線像(頭部X線像)は‘Display of surfaces from volume data’,Levoy M.,IEEE Comput.Graph.Appl.8,3(May 1988),pp.29−37に記載のように得られることができる。
【0042】
患者の3Dスキャンはシステムへの入力である。像ボリュームはいわゆる“ボクセル”、すなわちそれぞれが一つの値(例えばグレイ値)を保持するボリューム要素、から構成される。箱形ボクセルは三次元アレイに配置されたとき完全な像ボリュームを構成する。この像ボリュームに基づき、骨構造及び/または軟組織エンベロープの3D表面が構築される。もし必要なら、CTデータから生成された皮膚表面に顔の色情報を付加することにより顔の自然な色(自然な色調及び皮膚の組織)を付加することができる。これを達成するために、例えば3D写真またはレーザースキャニングにより獲得された組織化された3D皮膚表面が付加されることができかつCTデータに登録されることができる(図12のフローチャート参照)。代替例として、一連の2D写真が獲得され、皮膚表面模型をCTから2D写真の視野に合わせることにより、組織が転写される。
【0043】
初期段階で臨床医は分析の形式を規定または選択する。頭蓋計測分析は患者の頭蓋の水準で測定を実施する。人体計測分析は患者の皮膚の水準で測定を実施する。本発明は種々の頭蓋計測及び人体計測分析または両者の組合せさえも規定可能とする。分析の形式は臨床医により指示されるべき解剖学的標識点及び計算される測定値を決定する。
【0044】
これらの標識点を示す前に臨床医は側面頭部X線像を作るために患者を仮想的に配置しており(図1参照)、好ましくは解剖学的参照枠(図2)がCTデータの座標系を置き換えて設置される。また、正面頭部X線像が所望により生成される。
【0045】
解剖学的参照枠は解剖学的参照点に付属した座標系である。この参照枠は水平、中央及び垂直面からなる(図2)。この参照枠により、上/下及び左/右方向が患者の解剖学とリンクされる。従って、かかる解剖学的参照枠の設置は仮想像内の容易なナビゲーションを可能とする。
【0046】
特別な実施態様では、このシステムは臨床医が次の解剖学的標識点を示した後にかかる解剖学的関連参照枠を構成する:
1.二つの左/右対称標識点:例えば左右の前頭頬骨縫合
2.ナジオン
3.鞍
水平面は方向ナジオン−鞍と一緒に1に規定された方向により規定され、鞍を通過する。中央面は水平面に垂直であり、左/右方向を含み、鞍を通過する。垂直面は中央面及び水平面に垂直であり、鞍を通過する。別の参照枠は皮膚表面のみに基づいて規定されることができる:
1.二つの左/右対称標識点:例えば瞳孔、
2.頭の側面図により、耳の上限に接する瞳孔の方向、
3.顔面正中線上、例えば軟組織ナジオン点(ナジオン−s)上の軟組織点。
水平面は1及び2に規定された方向により規定され、ナジオン−sを通過する。中央面は水平面に垂直であり、2により規定される方向を含み、ナジオン−sを通過する。垂直面は水平及び中央面に垂直であり、ナジオン−sを通過する。
【0047】
次の段階で分析の解剖学的標識点が示される。標識点は硬組織または軟組織上の特徴的解剖学的点である。標識点は表面模型または2D頭部X線像上に示されることができる(図3参照)。選択された解剖学的点は解剖学的面を決定することができ、それは解剖学的標識点の一つとして考えられるべきである。
【0048】
最後に、分析の測定値(距離または角度)は計算され、好ましくは報告書が生成される。標識点の位置は調整されることができる。可能な測定値は:
− 面間の角度(例えば参照枠の水平面とフランクフルト面の傾斜)
− 投影された点間の角度、
− 二つの標識点間の直線距離。これは点間の実際の距離または参照面上に投影された点の距離であることができる:二つの点間の高さ、幅及び深さの距離、
− 標識点の参照面への距離、
− 二つの測定値間の割合を計算する割合測定、
を含む。
図4は分析結果の例を示す。
【0049】
幾つかの形式の頭蓋計測分析が規定されることができる。特定の形式の頭蓋計測分析の構成において、好ましくは次の要素が規定される:
− 参照枠が使用されるか否か、もしそうならどれであるか、
− 解剖学的標識点または解剖学的面の間の多数の測定が規定される。もし測定のための標識点がシステム内で既に規定されていないなら、新しい標識点が規定されるべきである。また、自由に配向した余分の仮想X線像が生成されることができる。
【0050】
骨フラグメントの再配置を効率的に調製するために、頬顎異常矯正学的手術計画システムのために次の要求が達成されるべきである:
− 計画システムは解剖学的に規定された参照枠に関して及び解剖学的に規定された回転/移動参照に関して骨フラグメントを再配置可能とすべきであり、そして
− いずれの再配置の結果も可視化すべきである。好ましくは、いずれの再配置の効果も骸骨の水準で並びに軟組織の水準で可視化される。
【0051】
従来技術の解決では殆どの臨床医は歯科型と組合せて2D頭部X線像を用いて計画を実施する。しかし、2D頭部X線像は投影像であるので、3D情報は失われ、一方歯科型のみが頭の非常に限定された領域に3D情報を与え、軟組織に何らの情報も提供しない。
【0052】
骨フラグメント再配置を調製するとき、有用な追加の情報が上述の3D頭蓋計測分析を用いて得られることができる(図5)。頭蓋計測分析からの情報を用いて、使用者(典型的には外科医)は骨フラグメントを仮想方式で再配置することができる。例として、図6は仮想上顎再配置の結果を示す。標識点に関して種々の形式の移動及び回転がコンピュータ化された計画システムによりシミュレートされることができる。例えば軸周りの回転または一方向に沿った移動が二つの面間の交差としてまたはある面に対して垂直であるとして規定されることができまたは二つの標識点により規定されることができる。
【0053】
作業の容易な方式を作るために、使用者はコンピュータ化された頬顎異常矯正学的手術計画システムで上顎前転、下顎前転、下顎拡幅等のような種々の形式の手術を予め規定することができる。彼がある形式の手術を選ぶとき、幾つかのタスクの実施を求めるユーザーインターフェースがポップアップされる。最後に、外科医は特定の外科的パラメーターを入力することができ、骨フラグメントはそれに応じて移動される(図7)。図7は解剖学的に規定された参照枠に関して上顎の移動のためのパラメーターを示す。標識点はそれに応じて最新化され、標識点のそれらの初期位置に関しての移動が示される(図8)。計画システムの骨再配置道具の柔軟性を増やすために、使用者は彼の作業及び手術実施の方式を支持する彼の骨移動参照の設定を規定することができる。
【0054】
アマルガム歯科充填剤は歯の水準でCT像を破損しうる。これは咬合の正確な可視化を非常に困難とする。更に、咬合を明確に検査するために、歯の詳細が非常に重要である。歯の詳細を画像化するために、非常に高解像度のCTスキャンが必要であり、結果として患者はX線に高度に被曝される。しかし、患者を高X線量に曝すのは避けるべきである。
【0055】
CT線量を増やすことなく、歯冠の水準での詳細水準を増やすために、平坦なU形幾何学を持ちかつ同時に上及び下歯槽部の両方に固定される3Dスプリント(図9)が使用される。この部分に取り付けられると、スプリントは少なくとも一つの延長部を持つ。この延長部は口腔外または口腔内のいずれかであることができる。スプリントは殆どX線写真で見えない非毒性材料で作られる。このスプリントを持ちつつ、患者はCTスキャンされる。そのとき、患者の上と下顎間にスプリントを持つ石膏型がCTスキャンされる(図9参照)。追加の段階が図14のフローチャートにも示されている。画像分析技術を用いて、前記延長部の特徴が患者のCTスキャンと型スキャンの両者から抽出される。これらの特徴に基づき両データ組が融合され、石膏型が患者のCTスキャンと共に共可視化される。かかる特徴は前記延長部の表面の一部であることができる。これが歯冠の水準での正確なソフトウエア計画を可能とする。延長部の特徴を採用する代わりに、グッタペルカマーカーの使用を予想することができるだろう(図10参照)。スプリントはそのとき約1mmの直径を持つ少なくとも四つの球形のグッタペルカマーカーを含む。少なくとも一つのマーカーは延長部上に配置されるべきで、U形状部と同じ面内に配置されるべきでない。
【0056】
歯の強化された画像化を持つ3D頭蓋計測参照枠を用いる仮想計画を完成した後、石膏型が咬合器に取り付けられる。仮想計画におけるのと同じ方式で石膏型を移動するために計画システムは仮想計画結果を咬合器に伝える(図13のフローチャート参照)。咬合器の形式に依存して、これは計画出力に従って多数の特性パラメーターを修正することにより実施されることができ、または例えばモーターを備えた咬合器の場合、その咬合器を駆動することができる。模型が幾つかの要素に分割しなければならない場合には、同じ工程が全ての要素に対して繰り返される。咬合器内の石膏型の新しい位置に基づいて、身体的外科スプリントが作られる。
【0057】
これに代えて、外科スプリントはデジタル的に設計されることができる。箱形またはU形オブジェクトがソフトウエアに導入され、石膏型模型との共通ボリュームが計算され、その後挿入されたオブジェクトが除去される。このオブジェクトは次いで製造される。幾つかの利用可能な製造法が適用されることができる:例えばフライス削り、3D印刷、ステレオリソグラフィー、焼結、‐‐。これらの製造法を用いて、スプリントは直接製造され、またはそうでなければスプリントが日常的に使用される技術により手動で導かれることができる模型が製造される。
【0058】
また、顎顔面外科手術計画の計画結果が図13のフローチャートに示されるように外科ナビゲーションシステムに伝えられることができる。
【0059】
所望により、外科医はまた、他の方式を手がけることができる。外科医は石膏型上で(恐らく部分的な)模型外科手術を実施する。この模型外科手術を頭蓋の残りによりチェックするために、模型の新しい位置がCTスキャンされる。このスキャンは計画システムに登録により導入される。現在の石膏型及び当初の石膏型の一つまたはそれ以上の変わっていない部分に基づき、模型は表面整合により登録され、骨表面に対する変換マトリックスが知られる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】仮想(側面)頭部X線像の生成を示す。
【図2】解剖学的に関連した参照枠の定義を示す。
【図3】図3A及び3Bは解剖学的標識点の定義を示す。
【図4】3D頭蓋計測とレーシングの結果を示す。
【図5】頬顎異常矯正学的手術の構成時を示している移動骨フラグメントを示す。
【図6】頬顎異常矯正学的手術の仮想結果を示す。
【図7】骨フラグメントを移動するのに使用される制御ウインドウを示す。
【図8】仮想頭部X線像(図8A)上及び骨表面表示(図8B)上の標識点の移動のトラッキングを示す。
【図9】単独での及び歯列の石膏型間の位置での3Dスプリントを示す。
【図10】単独での及び歯列の石膏型間の位置での3Dスプリントを示す。
【図11】本発明による方法の実施態様のフローチャートを示す。
【図12】本発明による方法の実施態様のフローチャートを示す。
【図13】本発明による方法の実施態様のフローチャートを示す。
【図14】本発明による方法の実施態様のフローチャートを示す。
【図15】図11から14に示されたフローチャートの全体的な概要を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は頭蓋及び軟組織の形状を評価するための、及び顎顔面手術のための治療計画を決定するための、特に頬顎異常矯正学的手術のための方法、及びかかる手術またはそれらの準備で使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顎顔面手術において、頭蓋及び歯列は外科的にリモデルされまたは再現される。この外科的規範は頬顎異常矯正学的手術と呼ばれる、特に互いに関しての顎骨の誤配置の修復の外科的介入を包含する。典型的には、頬顎異常矯正学的手術は頭蓋の残りに関して上顎骨及び/または下顎骨のフラグメントを正しく再配置し、良好な咬合を作り出すための、これらの骨の骨切り術を含む。骨切り術は外科的手術であり、そこでは骨が短くなるように、長くなるようにまたはその整合性を変えるように切断される。“咬合”は、上及び下歯槽部からの歯が口が閉じられるとき一緒に会合する態様を意味する。
【0003】
かかる外科的介入の準備は矯正技術及びX線撮影技術の実行を必要とする。
【0004】
矯正技術
患者の下顎及び上顎歯列の型が作られる。一般的に石膏から作られたこれらの型は次いで側頭下顎骨関節と顎部を表わす咬合器に取り付けられる。型は良好な咬合を作り出すために顎に適用されなければならない相対的変位をシミュレートするために使用される。外科医にシミュレートされた相対的位置を考慮可能とするために、スプリント(splint)、すなわち二つの型のツースプリント(tooth−prints)をそのそれぞれの表面上に含むプレート、が作られる。スプリントは歯が咬合する相対的位置に型または顎を維持するために使用される。
【0005】
外科的介入は一般的に両顎の骨切り術を含むので、介入前の二つの顎をそれらの咬合位置に結合するいわゆる初期スプリントに加えて、二つのスプリントが一般的に歯科型から作られる。
【0006】
いわゆる中間スプリントが、下顎骨がその初期(手術前)位置にあるとき、下顎骨に関して上顎骨の予知できる変位を決定する。このスプリントは下顎骨に介入する前に外科医が上顎を頭蓋の希望の最終位置に戻し置くことを可能とする。いわゆる最終スプリントが外科的に達成される咬合目的を決定し、従ってそれ以前に置換された上顎骨に関しての下顎骨の位置を設定することにより頭蓋上に下顎骨を正しく配置するために使用される。
【0007】
X線撮影技術
外科的手術の準備はまた、患者のX線像を使用する。典型的には側面X線像(頭部X線像)が実施される。時には前面X線像及び異なる視野の他のX線像が実施される。これらのX線像は特に手術行為の近似シミュレーションを実施可能とする。
【0008】
シミュレーションはX線像上に置かれたトレーシングペーパーから手動で実施される。例えば、標識点が示され、下顎骨の輪郭が画かれる。トレーシングペーパーは次いで希望の手術後咬合をその上に略再現するように移動され、その後上顎骨輪郭が画かれる。トレーシングペーパー上に画かれた上顎−下顎組合せが次いで頭蓋計測基準、唇側比、並びにこの形式の介入のための既知の他の基準を考慮しながら一ブロック内で移動される。顎変位の方向及び大きさはこのようにしてX線像的にかつ近似的に規定される。このシミュレーションの結果は比較され、スプリントによって予想される下顎骨及び上顎骨の相対的移動に従って調整される。
【0009】
従って、頬顎異常矯正学的手術介入の実際のシミュレーションは本質的に手動で実施される。更に、このシミュレーションは頭蓋の平面輪郭図に基づいて二次元でのみなされる。
【0010】
CTスキャナの電流発生は患者の解剖学の詳細な3D情報を提供する。このデータに基づき、骨及び皮膚表面の3D復元が可能である。骨フラグメントは分離され、互いに関して移動されることができる。これはコンピュータ補助頬顎異常矯正学的手術計画システムのための好都合な基礎を提供できる。しかし、現在利用可能な3D表面表示アルゴリズムは、臨床医に仮想3D環境で骨フラグメントを容易にかつ信頼性を持って再配置することを可能とする解剖学的関連基準を含む適当なフレーム枠を提供しない。第二の問題はアマルガム歯科充填剤を持つ患者のCTスキャンから導かれた3D表面表示の使用と関連する。歯アマルガム充填剤はCT画像上に筋として現れる人為構造を作る。これらのCT画像をそれ自体として使用すると、咬み合いを得るための歯の正確な位置を三次元図でプロットすることが不可能である。
【0011】
特許文献WO 03/028577−A2は頬顎異常矯正学的手術スプリントを製作するための装置と方法を開示する。それはまた、診断及び治療計画のために適したコンピュータ化された複合頭蓋模型を作るための方法に関する。前記方法では患者の骨構造の3DCT模型及び患者の歯列のデジタル歯科コンピュータ模型が生成され、両者は信頼性のある標識の同じ組を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法を提供することを目的とする。第二の目的では前記分析法を含む頬顎異常矯正学的手術のための治療計画を導くための方法を提供することを目的とする。更なる目的ではそれらのために適した装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法に関し、それは次の段階:
− 3D医学画像モダリティを用いて人の頭の3Dスキャンを獲得する、
− その3Dスキャンからのデータを用いて3D表面模型を生成する、
− この3Dスキャンからこの3D表面模型に幾何学的にリンクした少なくとも一つの2D頭部X線像を生成する、
− この少なくとも一つの2D頭部X線像及び/またはこの3D表面模型上に解剖学的標識点を示す、
− この解剖学的標識点を用いてこの頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する、
を含む。
【0014】
好ましくはこの医学画像モダリティは磁気共鳴画像化またはコンピュータトモグラフィである。この3D表面模型は有利には骨構造表面及び/または軟組織エンベロープを示す。
【0015】
好適実施態様においてこの方法はこの3D表面模型と一緒に前記生成された少なくとも一つの2D頭部X線像を仮想シーンで可視化する段階を更に含む。
【0016】
有利にはこの方法は人の頭の上の解剖学的参照点から参照枠を決定することを更に含む。
【0017】
好ましくは更なる段階において頭蓋計測分析の報告書が生成される。
【0018】
別の実施態様でこの方法は2Dまたは3D写真を提供する更なる段階を含み、それから組織化された3D皮膚表面が導かれる。
【0019】
この分析は二つの標識点間の直線距離、標識点から参照面までの距離、面上に投影された標識点間の距離、標識点または面間の角度、これらの測定間の計算された割合または表面に沿ったかつ面に平行な二つの点間の距離の決定を含む。
【0020】
更なる実施態様においてこの方法は3Dスプリントを持っている人の頭の3Dスキャンを獲得する段階を含む。また、前記人の上及び下顎の型の3Dスキャンがそのとき好ましくは獲得される。次に、3Dスプリントを持っている前記人の頭の3Dスキャン、及び上及び下顎の型の3Dスキャンが3Dスプリントの特徴に基づいて融合される。有利には前記3Dスプリントを持っている人の3Dスキャンからのデータは続いて3D表面模型を生成するために使用される。
【0021】
第二目的において本発明は骨フラグメントを再配置するための計画情報を導くための方法に関し、それは次の段階:
− 先に述べたような頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する、
− 再配置される骨フラグメントの仮想位置の組を規定する、但し前記位置は解剖学的標識点に基づいて規定される、
− 仮想位置のそれぞれのために3D表面模型の及び2D頭部X線像の標識点と一緒に骨フラグメントを再配置した結果を可視化する、
− 頭蓋計測分析及び可視化に基づいて骨フラグメントの手術内再配置について決定する、
を含む。
【0022】
有利な実施態様では仮想位置は骨フラグメントの移動及び/または回転からもたらされる。
【0023】
別の目的において本発明は頭蓋計測及び/または人体計測分析のための装置に関し、それは
− 3Dスキャンデータから3D表面模型及び3D表面模型に幾何学的にリンクした2D頭部X線像を生成するために配置された計算装置、
− 2D頭部X線像及び/または3D表面模型を示すための可視化手段、及び
− 少なくとも一つの2D頭部X線像及び/または3D表面模型に設けられた解剖学的標識点に基づいた分析を実施するための計算手段、
を含む。3Dスキャンデータは好ましくはCTまたはMRIデータである。
【0024】
更なる目的において本発明は先に述べた方法で使用するための3Dスプリントに関する。3Dスプリントは上及び下歯槽部を固定するために配置されたU形状部を含み、かつU形状部上に口腔外または口腔内延長部を備えている。
【0025】
最後の目的において本発明は命令を含むプログラマブル装置上で実行可能なプログラムに関し、それは実行されるとき先に述べた方法を実施する。
【0026】
図面の簡略説明
図1は仮想(側面)頭部X線像の生成を示す。
【0027】
図2は解剖学的に関連した参照枠の定義を示す。
【0028】
図3A及び3Bは解剖学的標識点の定義を示す。側面頭部X線像及び3D骨表面模型が点を正確に規定するために使用される。
【0029】
図4は3D頭蓋計測トレーシングの結果を示す。
【0030】
図5は頬顎異常矯正学的手術の構成時を示している移動骨フラグメントを示す。
【0031】
図6は頬顎異常矯正学的手術の仮想結果を示す。
【0032】
図7は骨フラグメントを移動するのに使用される制御ウインドウを示す。
【0033】
図8は仮想頭部X線像(図8A)上及び骨表面表示(図8B)上の標識点の移動のトラッキングを示す。
【0034】
図9は単独での及び歯列の石膏型間の位置での3Dスプリントを示す。この3Dスプリントは延長部の特徴による融合を予想する。
【0035】
図10は単独での及び歯列の石膏型間の位置での3Dスプリントを示す。この3Dスプリントはグッタペルカマーカーによる融合を予想する。
【0036】
図11から14は本発明による方法の種々の実施態様のフローチャートを示す。
【0037】
図15は図11から14に示されたフローチャートの全体的な概要を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
骨組織及び/または軟組織の適切な3D頭蓋計測分析を実施するために、3D構造のみに関連点を示すことができることは十分ではない。3D構造上でうまく規定されない適切な3D頭蓋計測トレーシングのために必要な点は2D表示上で利用でき、逆もまた同様である。本発明はこの問題を解決するコンピュータ化されたシステムを述べる。
【0039】
本発明は3D表面表示の枠を解剖学的に関連する枠に再規定する方法を提供する。解剖学的に関連する枠は正確な頭蓋計測及び/または人体計測分析を直観的態様で臨床医に実施可能とする。更に、解剖学的に関連する枠を含む3D表面表示は解剖学的に関連する標識点に関して骨フラグメントの仮想再配置を可能とする利点を持ち、それを外科的介入の計画のために特に適したものとする。図11に示されたフローチャートは本発明による方法の主な段階をまとめる。
【0040】
医学的画像化において、モダリティは身体の画像を獲得するのに使用される種々の形式の器具またはプローブのいずれかである。X線像、コンピュータトモグラフィ、超音波検査及び磁気共鳴画像化は本発明でのモダリティの例である。
【0041】
3D頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法及び装置が開示され、それは患者の解剖学の手術前評価を可能とする。装置は2D投影グレイ値像、すなわちCT像と幾何学的にリンクしかつそれから計算された仮想X線像、と一緒に、コンピュータ化されたシステム、可視化像ボリューム(例えばCT像ボリューム)及びそれから抽出された表面模型を含む。複合情報は患者の頭蓋及び軟組織表面の3D解剖学を効果的かつ正確に評価するための手段を提供する。この技術は古典的な2D頭蓋計測トレーシングを3D骨表面可視化と融合する。表面模型は報告‘Marching Cubes:a High Resolution 3D Surface Construction Algorithm’by W.E.Lorensen,H.E.Cline(ACM Computer Graphics(ACM SIGGRAPH ’87 Proceedings),vol.21,no.4,pp.163−169,July 1987)に記載されているようにCTデータを用いて生成されることができる。仮想X線像(頭部X線像)は‘Display of surfaces from volume data’,Levoy M.,IEEE Comput.Graph.Appl.8,3(May 1988),pp.29−37に記載のように得られることができる。
【0042】
患者の3Dスキャンはシステムへの入力である。像ボリュームはいわゆる“ボクセル”、すなわちそれぞれが一つの値(例えばグレイ値)を保持するボリューム要素、から構成される。箱形ボクセルは三次元アレイに配置されたとき完全な像ボリュームを構成する。この像ボリュームに基づき、骨構造及び/または軟組織エンベロープの3D表面が構築される。もし必要なら、CTデータから生成された皮膚表面に顔の色情報を付加することにより顔の自然な色(自然な色調及び皮膚の組織)を付加することができる。これを達成するために、例えば3D写真またはレーザースキャニングにより獲得された組織化された3D皮膚表面が付加されることができかつCTデータに登録されることができる(図12のフローチャート参照)。代替例として、一連の2D写真が獲得され、皮膚表面模型をCTから2D写真の視野に合わせることにより、組織が転写される。
【0043】
初期段階で臨床医は分析の形式を規定または選択する。頭蓋計測分析は患者の頭蓋の水準で測定を実施する。人体計測分析は患者の皮膚の水準で測定を実施する。本発明は種々の頭蓋計測及び人体計測分析または両者の組合せさえも規定可能とする。分析の形式は臨床医により指示されるべき解剖学的標識点及び計算される測定値を決定する。
【0044】
これらの標識点を示す前に臨床医は側面頭部X線像を作るために患者を仮想的に配置しており(図1参照)、好ましくは解剖学的参照枠(図2)がCTデータの座標系を置き換えて設置される。また、正面頭部X線像が所望により生成される。
【0045】
解剖学的参照枠は解剖学的参照点に付属した座標系である。この参照枠は水平、中央及び垂直面からなる(図2)。この参照枠により、上/下及び左/右方向が患者の解剖学とリンクされる。従って、かかる解剖学的参照枠の設置は仮想像内の容易なナビゲーションを可能とする。
【0046】
特別な実施態様では、このシステムは臨床医が次の解剖学的標識点を示した後にかかる解剖学的関連参照枠を構成する:
1.二つの左/右対称標識点:例えば左右の前頭頬骨縫合
2.ナジオン
3.鞍
水平面は方向ナジオン−鞍と一緒に1に規定された方向により規定され、鞍を通過する。中央面は水平面に垂直であり、左/右方向を含み、鞍を通過する。垂直面は中央面及び水平面に垂直であり、鞍を通過する。別の参照枠は皮膚表面のみに基づいて規定されることができる:
1.二つの左/右対称標識点:例えば瞳孔、
2.頭の側面図により、耳の上限に接する瞳孔の方向、
3.顔面正中線上、例えば軟組織ナジオン点(ナジオン−s)上の軟組織点。
水平面は1及び2に規定された方向により規定され、ナジオン−sを通過する。中央面は水平面に垂直であり、2により規定される方向を含み、ナジオン−sを通過する。垂直面は水平及び中央面に垂直であり、ナジオン−sを通過する。
【0047】
次の段階で分析の解剖学的標識点が示される。標識点は硬組織または軟組織上の特徴的解剖学的点である。標識点は表面模型または2D頭部X線像上に示されることができる(図3参照)。選択された解剖学的点は解剖学的面を決定することができ、それは解剖学的標識点の一つとして考えられるべきである。
【0048】
最後に、分析の測定値(距離または角度)は計算され、好ましくは報告書が生成される。標識点の位置は調整されることができる。可能な測定値は:
− 面間の角度(例えば参照枠の水平面とフランクフルト面の傾斜)
− 投影された点間の角度、
− 二つの標識点間の直線距離。これは点間の実際の距離または参照面上に投影された点の距離であることができる:二つの点間の高さ、幅及び深さの距離、
− 標識点の参照面への距離、
− 二つの測定値間の割合を計算する割合測定、
を含む。
図4は分析結果の例を示す。
【0049】
幾つかの形式の頭蓋計測分析が規定されることができる。特定の形式の頭蓋計測分析の構成において、好ましくは次の要素が規定される:
− 参照枠が使用されるか否か、もしそうならどれであるか、
− 解剖学的標識点または解剖学的面の間の多数の測定が規定される。もし測定のための標識点がシステム内で既に規定されていないなら、新しい標識点が規定されるべきである。また、自由に配向した余分の仮想X線像が生成されることができる。
【0050】
骨フラグメントの再配置を効率的に調製するために、頬顎異常矯正学的手術計画システムのために次の要求が達成されるべきである:
− 計画システムは解剖学的に規定された参照枠に関して及び解剖学的に規定された回転/移動参照に関して骨フラグメントを再配置可能とすべきであり、そして
− いずれの再配置の結果も可視化すべきである。好ましくは、いずれの再配置の効果も骸骨の水準で並びに軟組織の水準で可視化される。
【0051】
従来技術の解決では殆どの臨床医は歯科型と組合せて2D頭部X線像を用いて計画を実施する。しかし、2D頭部X線像は投影像であるので、3D情報は失われ、一方歯科型のみが頭の非常に限定された領域に3D情報を与え、軟組織に何らの情報も提供しない。
【0052】
骨フラグメント再配置を調製するとき、有用な追加の情報が上述の3D頭蓋計測分析を用いて得られることができる(図5)。頭蓋計測分析からの情報を用いて、使用者(典型的には外科医)は骨フラグメントを仮想方式で再配置することができる。例として、図6は仮想上顎再配置の結果を示す。標識点に関して種々の形式の移動及び回転がコンピュータ化された計画システムによりシミュレートされることができる。例えば軸周りの回転または一方向に沿った移動が二つの面間の交差としてまたはある面に対して垂直であるとして規定されることができまたは二つの標識点により規定されることができる。
【0053】
作業の容易な方式を作るために、使用者はコンピュータ化された頬顎異常矯正学的手術計画システムで上顎前転、下顎前転、下顎拡幅等のような種々の形式の手術を予め規定することができる。彼がある形式の手術を選ぶとき、幾つかのタスクの実施を求めるユーザーインターフェースがポップアップされる。最後に、外科医は特定の外科的パラメーターを入力することができ、骨フラグメントはそれに応じて移動される(図7)。図7は解剖学的に規定された参照枠に関して上顎の移動のためのパラメーターを示す。標識点はそれに応じて最新化され、標識点のそれらの初期位置に関しての移動が示される(図8)。計画システムの骨再配置道具の柔軟性を増やすために、使用者は彼の作業及び手術実施の方式を支持する彼の骨移動参照の設定を規定することができる。
【0054】
アマルガム歯科充填剤は歯の水準でCT像を破損しうる。これは咬合の正確な可視化を非常に困難とする。更に、咬合を明確に検査するために、歯の詳細が非常に重要である。歯の詳細を画像化するために、非常に高解像度のCTスキャンが必要であり、結果として患者はX線に高度に被曝される。しかし、患者を高X線量に曝すのは避けるべきである。
【0055】
CT線量を増やすことなく、歯冠の水準での詳細水準を増やすために、平坦なU形幾何学を持ちかつ同時に上及び下歯槽部の両方に固定される3Dスプリント(図9)が使用される。この部分に取り付けられると、スプリントは少なくとも一つの延長部を持つ。この延長部は口腔外または口腔内のいずれかであることができる。スプリントは殆どX線写真で見えない非毒性材料で作られる。このスプリントを持ちつつ、患者はCTスキャンされる。そのとき、患者の上と下顎間にスプリントを持つ石膏型がCTスキャンされる(図9参照)。追加の段階が図14のフローチャートにも示されている。画像分析技術を用いて、前記延長部の特徴が患者のCTスキャンと型スキャンの両者から抽出される。これらの特徴に基づき両データ組が融合され、石膏型が患者のCTスキャンと共に共可視化される。かかる特徴は前記延長部の表面の一部であることができる。これが歯冠の水準での正確なソフトウエア計画を可能とする。延長部の特徴を採用する代わりに、グッタペルカマーカーの使用を予想することができるだろう(図10参照)。スプリントはそのとき約1mmの直径を持つ少なくとも四つの球形のグッタペルカマーカーを含む。少なくとも一つのマーカーは延長部上に配置されるべきで、U形状部と同じ面内に配置されるべきでない。
【0056】
歯の強化された画像化を持つ3D頭蓋計測参照枠を用いる仮想計画を完成した後、石膏型が咬合器に取り付けられる。仮想計画におけるのと同じ方式で石膏型を移動するために計画システムは仮想計画結果を咬合器に伝える(図13のフローチャート参照)。咬合器の形式に依存して、これは計画出力に従って多数の特性パラメーターを修正することにより実施されることができ、または例えばモーターを備えた咬合器の場合、その咬合器を駆動することができる。模型が幾つかの要素に分割しなければならない場合には、同じ工程が全ての要素に対して繰り返される。咬合器内の石膏型の新しい位置に基づいて、身体的外科スプリントが作られる。
【0057】
これに代えて、外科スプリントはデジタル的に設計されることができる。箱形またはU形オブジェクトがソフトウエアに導入され、石膏型模型との共通ボリュームが計算され、その後挿入されたオブジェクトが除去される。このオブジェクトは次いで製造される。幾つかの利用可能な製造法が適用されることができる:例えばフライス削り、3D印刷、ステレオリソグラフィー、焼結、‐‐。これらの製造法を用いて、スプリントは直接製造され、またはそうでなければスプリントが日常的に使用される技術により手動で導かれることができる模型が製造される。
【0058】
また、顎顔面外科手術計画の計画結果が図13のフローチャートに示されるように外科ナビゲーションシステムに伝えられることができる。
【0059】
所望により、外科医はまた、他の方式を手がけることができる。外科医は石膏型上で(恐らく部分的な)模型外科手術を実施する。この模型外科手術を頭蓋の残りによりチェックするために、模型の新しい位置がCTスキャンされる。このスキャンは計画システムに登録により導入される。現在の石膏型及び当初の石膏型の一つまたはそれ以上の変わっていない部分に基づき、模型は表面整合により登録され、骨表面に対する変換マトリックスが知られる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】仮想(側面)頭部X線像の生成を示す。
【図2】解剖学的に関連した参照枠の定義を示す。
【図3】図3A及び3Bは解剖学的標識点の定義を示す。
【図4】3D頭蓋計測とレーシングの結果を示す。
【図5】頬顎異常矯正学的手術の構成時を示している移動骨フラグメントを示す。
【図6】頬顎異常矯正学的手術の仮想結果を示す。
【図7】骨フラグメントを移動するのに使用される制御ウインドウを示す。
【図8】仮想頭部X線像(図8A)上及び骨表面表示(図8B)上の標識点の移動のトラッキングを示す。
【図9】単独での及び歯列の石膏型間の位置での3Dスプリントを示す。
【図10】単独での及び歯列の石膏型間の位置での3Dスプリントを示す。
【図11】本発明による方法の実施態様のフローチャートを示す。
【図12】本発明による方法の実施態様のフローチャートを示す。
【図13】本発明による方法の実施態様のフローチャートを示す。
【図14】本発明による方法の実施態様のフローチャートを示す。
【図15】図11から14に示されたフローチャートの全体的な概要を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法において、それが次の段階:
− 3D医学画像モダリティを用いて人の頭の3Dスキャンを獲得する、
− 前記3Dスキャンからのデータを用いて3D表面模型を生成する、
− 前記3Dスキャンから前記3D表面模型に幾何学的にリンクした少なくとも一つの2D頭部X線像を生成する、
− 前記少なくとも一つの2D頭部X線像及び/または前記3D表面模型上に解剖学的標識点を示す、
− 前記解剖学的標識点を用いて前記頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する、
を含むことを特徴とする頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法。
【請求項2】
前記医学画像モダリティが磁気共鳴画像化またはコンピュータトモグラフィであることを特徴とする請求項1に記載の頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法。
【請求項3】
前記3D表面模型が骨構造表面及び/または軟組織エンベロープを示すことを特徴とする請求項1または2に記載の分析を実施するための方法。
【請求項4】
前記3D表面模型と一緒に前記生成された少なくとも一つの2D頭部X線像を仮想シーンで可視化する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項5】
前記人の頭の上の解剖学的参照点から参照枠を決定する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項6】
前記頭蓋計測分析の報告書を生成する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項7】
組織化された3D皮膚表面が導かれる2Dまたは3D写真を提供する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項8】
前記分析が二つの標識点間の直線距離または標識点から参照面までの距離の決定を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項9】
請求項15に記載の3Dスプリントを持っている前記人の頭の3Dスキャン、及び前記人の上及び下顎の型の3Dスキャンを獲得する段階を含み、更に前記3Dスプリントの特徴に基づいて、前記3Dスプリントを持っている前記人の頭の前記3Dスキャン、及び前記人の上及び下顎の型の前記3Dスキャンを融合する段階を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項10】
前記3Dスプリントを持つ前記人の前記3Dスキャンからのデータが前記3D表面模型を生成するために用いられることを特徴とする請求項9に記載の分析を実施するための方法。
【請求項11】
骨フラグメントを再配置するための計画情報を導くための方法において、それが次の段階:
− 請求項1から10のいずれかに記載の頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する、
− 再配置される前記骨フラグメントの仮想位置の組を規定する、但し前記位置は前記解剖学的標識点に基づいて規定される、
− 前記仮想位置のそれぞれのための結果を可視化する、
− 前記頭蓋計測分析及び前記可視化に基づいて前記骨フラグメントの手術内再配置について決定する、
を含むことを特徴とする骨フラグメントを再配置するための計画情報を導く方法。
【請求項12】
前記仮想位置が前記骨フラグメントの移動及び/または回転からもたらされることを特徴とする請求項11に記載の計画情報を導く方法。
【請求項13】
頭蓋計測及び/または人体計測分析のための装置において、
− 3Dスキャンデータから3D表面模型及び前記3D表面模型に幾何学的にリンクした2D頭部X線像を生成するために配置された計算装置、
− 前記2D頭部X線像及び/または前記3D表面模型を示すための可視化手段、及び
− 前記少なくとも一つの2D頭部X線像及び/または前記3D表面模型に設けられた解剖学的標識点に基づいた前記分析を実施するための計算手段、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
前記3DスキャンデータがCTまたはMRIデータであることを特徴とする頭蓋計測及び/または人体計測分析のための装置。
【請求項15】
請求項9に記載の方法で使用するための3Dスプリントにおいて、上及び下歯槽部を固定するために配置されたU形状部を含み、かつ前記U形状部上に延長部を備えていることを特徴とする3Dスプリント。
【請求項16】
命令を含むプログラマブル装置上で実行可能なプログラムにおいて、それが実行されるとき請求項1から12のいずれかに記載の方法を実施することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法において、それが次の段階:
− 3D医学画像モダリティを用いて人の頭の3Dスキャンを獲得する、
− 前記3Dスキャンからのデータを用いて3D表面模型を生成する、
− 前記3Dスキャンから前記3D表面模型に幾何学的にリンクした少なくとも一つの2D頭部X線像を生成する、
− 前記少なくとも一つの2D頭部X線像及び/または前記3D表面模型上に解剖学的標識点を示す、
− 前記解剖学的標識点を用いて前記頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する、
を含むことを特徴とする頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法。
【請求項2】
前記医学画像モダリティが磁気共鳴画像化またはコンピュータトモグラフィであることを特徴とする請求項1に記載の頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施するための方法。
【請求項3】
前記3D表面模型が骨構造表面及び/または軟組織エンベロープを示すことを特徴とする請求項1または2に記載の分析を実施するための方法。
【請求項4】
前記3D表面模型と一緒に前記生成された少なくとも一つの2D頭部X線像を仮想シーンで可視化する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項5】
前記人の頭の上の解剖学的参照点から参照枠を決定する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項6】
前記頭蓋計測分析の報告書を生成する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項7】
組織化された3D皮膚表面が導かれる2Dまたは3D写真を提供する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項8】
前記分析が二つの標識点間の直線距離または標識点から参照面までの距離の決定を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項9】
請求項15に記載の3Dスプリントを持っている前記人の頭の3Dスキャン、及び前記人の上及び下顎の型の3Dスキャンを獲得する段階を含み、更に前記3Dスプリントの特徴に基づいて、前記3Dスプリントを持っている前記人の頭の前記3Dスキャン、及び前記人の上及び下顎の型の前記3Dスキャンを融合する段階を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の分析を実施するための方法。
【請求項10】
前記3Dスプリントを持つ前記人の前記3Dスキャンからのデータが前記3D表面模型を生成するために用いられることを特徴とする請求項9に記載の分析を実施するための方法。
【請求項11】
骨フラグメントを再配置するための計画情報を導くための方法において、それが次の段階:
− 請求項1から10のいずれかに記載の頭蓋計測及び/または人体計測分析を実施する、
− 再配置される前記骨フラグメントの仮想位置の組を規定する、但し前記位置は前記解剖学的標識点に基づいて規定される、
− 前記仮想位置のそれぞれのための結果を可視化する、
− 前記頭蓋計測分析及び前記可視化に基づいて前記骨フラグメントの手術内再配置について決定する、
を含むことを特徴とする骨フラグメントを再配置するための計画情報を導く方法。
【請求項12】
前記仮想位置が前記骨フラグメントの移動及び/または回転からもたらされることを特徴とする請求項11に記載の計画情報を導く方法。
【請求項13】
頭蓋計測及び/または人体計測分析のための装置において、
− 3Dスキャンデータから3D表面模型及び前記3D表面模型に幾何学的にリンクした2D頭部X線像を生成するために配置された計算装置、
− 前記2D頭部X線像及び/または前記3D表面模型を示すための可視化手段、及び
− 前記少なくとも一つの2D頭部X線像及び/または前記3D表面模型に設けられた解剖学的標識点に基づいた前記分析を実施するための計算手段、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
前記3DスキャンデータがCTまたはMRIデータであることを特徴とする頭蓋計測及び/または人体計測分析のための装置。
【請求項15】
請求項9に記載の方法で使用するための3Dスプリントにおいて、上及び下歯槽部を固定するために配置されたU形状部を含み、かつ前記U形状部上に延長部を備えていることを特徴とする3Dスプリント。
【請求項16】
命令を含むプログラマブル装置上で実行可能なプログラムにおいて、それが実行されるとき請求項1から12のいずれかに記載の方法を実施することを特徴とするプログラム。
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−503280(P2008−503280A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516900(P2007−516900)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【国際出願番号】PCT/BE2005/000100
【国際公開番号】WO2006/000063
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506427381)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【国際出願番号】PCT/BE2005/000100
【国際公開番号】WO2006/000063
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506427381)
【Fターム(参考)】
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