説明

顕微撮像法

撮像機器は、特に、感光性のピクセルアレイを有し、アレイに関連する表面は、試料の少なくとも一部がピクセルの平均幅の約半分未満に等しい距離だけ表面から離れた状態で試料を受けるように構成される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、参照によりその全部が本明細書に組み入れられる、2009年10月28日に提出された米国特許仮出願第61/255,781号「接触式光学顕微鏡」の提出日の恩典の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
背景
さまざまな形態の顕微鏡観察は、自然科学における基礎研究から、産業研究および開発、加工および品質管理、法科学および生物学的安全性、ヒト医学および獣医学の臨床診断など、拡大しつづけている人間の活動において不可欠なツールである。顕微鏡観察で最も広く使われている形態は光学式である。しかし、標準的な形態の光学顕微鏡観察の分解能は、試料と顕微鏡の対物レンズとの間の光の回折により、数百ナノメートルに限定されている。円形のレンズを通過する光は、その波の特性により、リング形状の回折パターンを作り出す。そのようなレンズにより形成される異なる2点の像は、1点の主回折の極大が他点の第一極小の外にあれば分解できる。アッベ限界またはレイリー基準としても知られるこの理論的な回折限界は、λを光の波長、NAをレンズの開口数とすると0.61λ / NAにほぼ等しく、
NA = n sin α
の式で表される。上式において、n はレンズと試料との間の光学媒質の屈折率であり、αはレンズの受光半角値である。現在利用可能な顕微鏡の対物レンズは典型的にNA < 1.4で、したがって可視光の理論的回折限界は > 200 nmである。実際には、標準的な光学顕微鏡の分解能限界は、さまざまなレンズ収差により損なわれてさらに低くなり、0.5μmを大きく下回ることは稀である。
【0003】
回折限界を軽減または克服するためさまざまなアプローチが取られている。屈折率の高い媒質を使うことでNAを増大できる。誘導放出抑制(STED)などの手法により照射スポットのサイズを小さくでき、または、まばらな個々の分子の位置を、それらの回折像の中心により近似できる。
【0004】
走査型近接場光学顕微鏡(NSOM)は、光の波長より小さな先端を有し、試料から波長未満のところに置かれるプローブを用いることにより、回折限界を克服できる。典型的な構成では、試料の表面近くで試料に沿ってプローブ先端またはアパーチャを走査させることにより、試料表面の蛍光によってもたらされる近接場をマッピングする。NSOM撮像は非破壊的でありかつ水性環境で行えるため、生きた細胞および水和した分子の観察が可能である。
【0005】
走査を必要としない他の方法も存在するが、代わりにスーパーレンズを必要とする。レンズレスの顕微鏡法も公知であるが、それらは、利用可能な像をもたらすため、複数の像の統合または後の計算的な像導出が必要となることがある。
【発明の概要】
【0006】
概要
概して、1つの局面において、撮像機器は感光性のピクセルアレイを有し、アレイに関連する表面は、試料の少なくとも一部がピクセルの平均幅の約半分未満に等しい距離だけ表面から離れた状態で試料を受けるように構成される。
【0007】
実施形態は、以下の特徴のうち1つまたは複数を包含しうる。試料が包含される。光源が存在する。表面から空間があいておりかつ試料を照明するための光を透過する壁により、表面に隣接する試料チャンバが部分的に規定される。流体チャネルが流体試料をチャンバ内に運ぶ。チャンバは流体が漏出しないよう密封される。第二の流体チャネルが流体試料をチャンバから外に運ぶ。流体試料のリザーバと、流体試料をリザーバからチャンバに出入りさせるためのポンプとが存在する。撮像用の集積回路が存在する。集積回路が裏面照射される。コンピュータ式システムがプログラムを用いて、機器から得られた情報を使い、試料の高分解能像を表示、解析、または保存する。
【0008】
試料は固体を含む。試料は、液体を含むか、または、液体中に懸濁もしくは溶解される。壁は、チャンバに隣接した少なくとも1つの電極を有する。壁は、チャンバに隣接した加温要素を有する。壁は、チャンバに隣接した温度プローブを有する。壁は、チャンバに隣接したpHプローブを有する。壁は少なくとも部分的に半透明である。光源は、光源から表面への光路が表面に対して45度以上の角度になるように位置決めされる。光源は、光源から表面への光路が表面に対して最大で45度の角度になるように位置決めされる。光源は、光源から表面への光路が表面に対してほぼ平行になるように位置決めされる。光源は発光ダイオードを含む。光源は環境光を含む。光源は可搬式の多色光源を含む。
【0009】
表面上に、透明な耐薬品性材料の層がある。耐薬品性材料はダイヤモンドを含む。耐薬品性材料はAl2O3を含む。耐薬品性材料はSi3N4を含む。表面上に、波長フィルタリング材料の層がある。光透過性材料の層は表面上に蛍光体を含有する。試料が光を発する。表面をコーティングする偏光材料の層がある。接着性材料の層が表面をコーティングする。感光性アレイが高分解能を提供する。
【0010】
概して、1つの局面において、撮像機器は感光性のピクセルアレイを有し、アレイに関連する表面は、試料の少なくとも一部が近接場条件を満たすかまたは少なくともほぼ満たす距離だけ表面から離れた状態で試料を受けるように構成される。
【0011】
概して、1つの局面において、試料の少なくとも一部は、感光性のピクセルアレイに関連する表面から、ピクセルの平均幅の約半分未満に等しい距離に置かれ、そして、感光性アレイにより生成された信号は、試料の高分解能像を生じるために用いられる。
【0012】
これらおよび他の局面および特徴の利点としては、特に以下のものがある。機器におけるこれらのアプローチは、単純で、使いやすく、煩雑でなく、非常に広範な用途に対して広い適用性があり、比較的安価で、かつ迅速である。いくつかの実施形態において、それらは、動いているかまたは迅速に変化する試料の撮像に好適である。作製が困難な、安価な光学素子は必要でない可能性がある。
【0013】
これらおよび他の特徴および局面、ならびにそれらの組合せは、機能の実行、ビジネス方法、プログラム製品、およびその他のための、方法、システム、構成要素、手段、および段階として表現されうる。
【0014】
他の利点および特徴は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】撮像機器の上面図である。
【図2】撮像機器の断面図である。
【図3】撮像用集積回路の上面図である。
【図4】光源、プローブ、電極、加温要素、および流体フローシステムを装備した撮像機器の断面図である。
【図5】以下の光源を伴う撮像機器の断面図である:発光ダイオード(図5A)、環境光(図5B)、および可搬式の多色光源(図5C)。
【図6】以下のコーティングを伴う撮像機器の断面図である:波長フィルタリングまたは偏光性の透明コーティング(図6A)、金属(図6B)、プラスチック(図6C)、透明の耐薬品性(図6D)、不導体(図6E)、接着性(図6F)、蛍光体、シンチラント(scintillant)、またはリン光体を有する透明コーティング(図6G)。
【図7】可搬式の多色光源と、電源コネクタとI/Oコネクタと流体コネクタとを伴うハウジングとを装備した、撮像機器の断面図である。
【図8】撮像機器およびコンピュータ式システムの略図である。破線は光学通路に沿った光を示している。
【図9】点光源からの光がケイ素内に構築された撮像用集積回路に入ることによるピクセル応答を、中央ピクセルの中心(原点)からさまざまな距離について、その中心の上にある光源の距離(高さ)を増やしながら計算したプロットである。横方向の距離および表面から上方の距離はいずれも、ピクセル幅の単位で測定されている。各カーブは、凡例に示されているように、撮像用集積回路の感光性表面の上方にある光源の指定された垂直距離についての関係を示している。
【図10】(10A)フレネルの式の透過係数を角度0〜90度について示した図である;(10B)表面垂線に対する光の角度が増えるにしたがって光源に対するピクセルプロフィールが低下することを示した図である。
【図11】厚さ30μmのMylarシートを、5.2μm×5.2μmのピクセルを有する実施例記載の装置を用いて撮像した像である。
【図12】有機溶剤のエアロゾル中の微小滴を、5.2μm×5.2μmのピクセルを有する実施例記載の装置を用いて撮像した像である。
【図13】サイズが < 20μm 〜 > 100μm であるSephadexビーズを懸濁した1μlの水滴を、5.2μm×5.2μmのピクセルを有する実施例記載の装置を用いて撮像した像である。
【図14】アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の新鮮で生きた未染色の血液をカルシウム非含有リンゲル液で希釈し、2.2μm×2.2μmピクセルの実施例記載の装置を用いて撮像した像である。視野全体(3.2×2.4 mm)と、視野の一部の「拡大」像とが示されており、後者では赤血球の楕円形および有核構造(長軸約24μm、短軸約16μm)が明らかである。拡大像は、バイキュービック補間を用いた2×2ピクセル増加により強調されている。
【図15】2.2μm×2.2μmピクセルの実施例記載の装置を用いて撮像した生きたミジンコ(Daphnia sp.)のビデオシーケンスの2つのフレームの視野の一部である。
【0016】
図面の凡例
101 試料チャンバ
103 チャンバリッド
105 チャンバリッドの壁
107 チャンバリッドの上部
109 ゴム引きされたガスケット
110 凹み
111 感光性表面
113 撮像用集積回路
115 スペース
117 位置出しブロック
119 位置出しブロックの側面
121 位置出しブロックの反対側の側面
123 ばねクリップ
124 ばねクリップの基部
125 マウンティングブロック
127 プリント回路ヘッドボード
129 シム
131 はんだパッド
149 廃棄物チャンバ
151 流体フローシステム
152 チュービング
153 第一の流体チャネル
154 第一のコネクタ
155 第二の流体チャネル
156 第二のコネクタ
157 ポンプ
159 リザーバ
161 光源
163 LED
165 環境光源
167 可搬式の多色光源
169 可搬式多色光源のディスプレイ
203 高分解能の感光性ピクセルアレイ
205 サポート回路
207 ピクセル
307 カバー
313 撮像用集積回路
361 光源
380 コーティング
393 コリメータ
395 コンピュータ式システム
400 撮像機器
401 ハウジング
452 流体フローシステムの入力コネクタ
454 流体フローシステムの出力コネクタ
456 入力/出力コネクタ
458 電源コネクタ
461 OLED光源
495 入力/出力および照明コントロール用の回路
501 温度プローブ
503 pHプローブ
505 加温要素
507 電極
509 第二の電極
613 撮像用集積回路
614 透明のコーティング、波長フィルタリング材料または偏光材料
615 透明の耐薬品性材料(ダイヤモンド、Al2O3、Si3N4)、透明の機械抵抗性材料
616 蛍光体、リン光体、またはシンチラント
617 接着性コーティング
618 プラスチックコーティング
619 金属コーティング、表面プラズモン生成材料
620 パシベーション層
701 ピクセルを有する感光性アレイ
703 点光源
705 VLSI回路
707 角度
709 原点
711 第二の角度
713 光源直下のピクセル
717 光源直下でないピクセル
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明者らは、高分解能の感光性アレイと読出し用のサポート回路とを有する撮像用集積回路を利用することにより従来の顕微鏡観察の古典的な回折限界を超える分解能を実現する撮像装置について特に説明する。ほとんどの光学系に固有であるのと異なり、空間分解能が回折限界により制限されない。高分解能像をもたらすのにレンズまたは計算補正アルゴリズムを必要としない。
【0018】
本明細書に説明する機器および方法は、レンズまたは計算的な像補正を必要とせずに試料の高分解能像をもたらすことができる。像は、感光性表面を呈しかつ読出し用のサポート回路を伴う高分解能の感光性ピクセルアレイと、データ処理およびユーザーインタラクション用の関連する計算用機材とを有する、撮像用集積回路を用いて取得される。光源は環境光であってもよく、または適宜装置内に提供されていてもよい。感光性表面のピクセル幅の半分以内の試料の部分については、感光性表面をなすピクセルのサイズによって像の分解能が制限される。これらピクセルの平均幅が使われる光の波長の約半分より小さく、かつ、試料が感光性表面のピクセル幅の半分以内にあるならば、近接場条件が満たされる可能性があり、標準的なレンズ式光学顕微鏡の分解能に等しいかそれ以上の像が得られうる。近接場条件が達せられたと考えられるのは、例えば感光性表面と試料との距離が対象となる波長より小さいときなどである。
【0019】
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、および図8の実施例により撮像機器の態様が示されている。いくつかの実施形態において、撮像機器は、試料が重力によって感光性表面に近づくように配向されていてもよい。いくつかの態様において、撮像機器は、必要に応じて試料チャンバ内に試料用の拘束(図には示していない)を組み込んで、逆さにされるかまたは垂直になるよう側面でマウントされる。壁105および上部107を有するチャンバリッド103と、撮像用集積回路113が呈する感光性表面111とにより、試料チャンバ101である空洞が形成される。
【0020】
いくつかの実施例において、チャンバリッドは、圧力下で反りまたはクラッキングに耐えるだけ十分に剛性である任意の材料で作られていてもよい。いくつかの態様において、チャンバリッド103は少なくとも部分的に光透過性である。いくつかの態様において、壁105は不透明材料で作られ(例は金属およびセラミックなど)、上部107は存在しないかまたは透明材料で作られる。いくつかの態様において、チャンバリッド103はガラスまたはポリスチレンで作られ、上部は厚さが約0.5 mm〜約1 mmである。チャンバリッドの壁は、内寸で感光性表面をほぼ囲みかつ外寸で撮像用集積回路をほぼ囲むような寸法および厚さである。いくつかの態様において、チャンバリッドの壁は長方形であり、チャンバリッドの各壁は内側の長さが約10 mm未満である。チャンバリッド103の上部107と表面111との距離は、好ましくは約50μm〜約1 mmであり、より好ましくは約75μm〜約250μmである。いくつかの態様において、上部107は、壁105の高さに対する凹み110の領域において、望ましい試料チャンバの高さを実現する。いくつかの態様において、凹みは存在しないかまたは光源161を受けるのに必要な大きさを上回らない。チャンバリッド103の底部109の表面は、ばねクリップ123により撮像用集積回路113の非感光性のセラミック製またはプラスチック製パッケージに押し付けられたときに液密の耐圧性シールが確保されるよう、ガスケットによりゴム引きされるかまたは耐水性マイクロ層により処理されていてもよい。試料チャンバは、試料と、試料がその中に入れられる媒質とを保持する。乾燥した試料の場合、媒質は空気であってもよく、または、試料の安定性もしくは特性に適したその他の気体もしくは混合気体であってもよい。液体試料または液体中に懸濁もしくは溶解された試料の場合、媒質は適切な液体である。試料の像を得るためにチャンバから気体を除去する必要はない。
【0021】
超大規模集積(VLSI)回路である撮像用集積回路113は、その表面111に現れている2次元ピクセルアレイを包含しかつ読出し用の非感光性のサポート回路205に囲まれている高分解能の感光性アレイ203を有する。撮像用集積回路113(パッケージを包含する)は、構成要素がマウンティングブロック125上の回路に接続しているプリント回路基板であるヘッドボード127に、電気的および機械的に取り付けられている。撮像用集積回路113は、複数のはんだパッド131の手段により、ヘッドボード127との電気的および機械的な接続を作る。そのような目的のための集積回路パッケージとしては、ボールグリッドアレイ、クワッドフラットパック、リードレスチップキャリアなどがあるが、それに限定されるわけではない。アレイ203は、超大規模またはそれ以上大規模の集積回路に使われる材料で作られる。いくつかの態様において、アレイは実質的に、ゲルマニウム、窒化ガリウム、またはヒ化ガリウムである。いくつかの態様において、アレイは実質的にケイ素である。いくつかの態様において、高分解能の感光性アレイは電荷結合素子(CCD)を含む。他の態様において、高分解能の感光性アレイはCMOS内に作製される。実例的な例として、OmniVision OV5642撮像用集積回路はエリア寸法が約6.96 mm×6.71 mmであり、エリア内で約3.67 mm×2.73 mmの感光性アレイを囲んでいる。このアレイはほぼ中心にあり、IC中心(0, 0)に対して約(220, 445)μmの位置に中心がある。
【0022】
チャンバリッド103は、長方形の位置出しブロック117により規定されるスペース115内の所定の位置に位置決めされる。位置出しブロック117およびヘッドボード127上の撮像用集積回路113はいずれもマウンティングブロック125の上に置かれる。マウンティングブロック125は、位置出しブロックにばねクリップ123を足した寸法を収容できるよう面積が十分大きい。位置出しブロック117は、はんだ、接着剤、またはねじの手段によりマウンティングブロック125に接合される。いくつかの態様において、位置出しブロックは、厚さが約1〜2 mmの剛性かつ不透明な材料(例えばプラスチック、金属、またはガラス繊維など)で作られ、長さ寸法は、チャンバリッドの壁の長さより最大で約0.5 mm大きい。2つ以上の隣接するばねクリップ11が、その基部124においてマウンティングブロック125に接合され、そして位置出しブロック117とチャンバリッド103の壁105の少なくとも一部とにかぶさって、リッドをスペース115内の所定の位置に保持する。位置出しブロックの2つの対向する側面119、121の各々に2つのばねクリップ123がある。各側面のばねクリップは平行に配向され、かつ、作動中でないときは試料およびチャンバリッド103の挿入および除去を容易にするが作動中はリッドを所定の位置に保つような形状である。いくつかの態様において、ばねクリップは金属である。いくつかの態様において、ばねクリップはプラスチックである。いくつかの態様において、チャンバリッドは、例えば位置出しブロックの内部に適合したねじまたはスライドなど、他の留め具の手段によってスペース内に保持される。撮像用集積回路113の外縁は、高さが回路の高さとほぼ等しく、厚さが撮像用集積回路により占められていないスペース115の残りの部分に等しい、長方形のシム129によって囲まれている。シム129は好適なシミング材料で作られる。例として、プラスチック、フェノール類、ガラス繊維、または金属でシムを作ることができる。シム129は、はんだ、接着剤、またはねじの手段によりマウンティングブロック125に接合される。シム129はまた、撮像用集積回路とともに液密シールを保つため、ラテックス、シリコーン、プラスチック(好ましくはポリスチレン)、または接着剤の注入の手段により撮像用集積回路113の外縁にも接合される。
【0023】
各々の1つの下方の端部が試料チャンバに開口し、もう1つの上方の端部が液体試料の試料チャンバへの流出入を適宜可能にするように位置決めされた、角度のついた1つまたは複数の流体チャネルが置かれる。いくつかの態様において、試料チャンバ103の壁105内に互いに対向して置かれた第一の流体チャネル153および第二の流体チャネル155がある。これらの流体チャネルは直径が試料チャンバの高さよりやや小さい。それらは、例えば円柱形でかつ表面111に対して例えば約45度などの角度を付けて配向されており、これにより、機器外部から試料チャンバに流体が通過することを可能にする。いくつかの態様において、流体フローシステム151は、チュービング152および例えばマイクロLuer-Lokハブなどの対応するコネクタ154, 156により、流体チャネル153, 155に接続される。流体フローシステム151は、チュービング152、好ましくは可逆的でかつさまざまな流量に対応できるポンプであるポンプ157、リザーバ159、および廃棄物チャンバ149を包含する。チュービングは好ましくは石英ガラスまたはプラスチックである。いくつかの態様において、フローサイトメトリーおよびソーティング用途のための、複数対の流体チャネルおよび関連する流体フローシステムが存在する。
【0024】
試料を試料チャンバ101内に置くには、チャンバリッド103を一時的に取り外して試料チャンバへのアクセスを得てもよく、または、特に液体試料の場合、流体チャネル153, 155のうち1つを通して液体試料を挿入してもよい。液体試料は、水、生理食塩水、もしくは他の水溶液、または、十分に流体かつ非粘性である他の任意の有機流体もしくは無機流体に懸濁された、血液または他の細胞もしくは微生物、種子、花粉、胞子、粒子、液滴、結晶、沈降物、または他の材料であってもよい。そのような液体試料は静的であってもよく、または、マイクロポンプ、シリンジ、重力、表面張力、回転ディスク、もしくは他の任意の好適な動源により提供される陰圧もしくは陽圧により駆動されて撮像中にチャンバを通って流れてもよい。そのような液体試料の入力は、マイクロピペット、シリンジ、または別のそのような投入機器を用いるか、インレット上に液滴を置くか、または流体リザーバの接続によって行ってもよい。
【0025】
試料は、特に、有機性または無機性であっても、生きていてもまたは死んでいても、乾燥していてもまたは液体中にあってもよく、またそれらの組合せであってもよい。試料は、特定の態様の分解能に依存し、タンパク質、DNA、RNA、ナノ材料、ナノスケール構造、ミクロトームまたはウルトラミクロトームにより作製された薄切片、ポリマー、糖類、脂質 小胞、生体細胞、組織標本、組織切片、微生物、ウイルス、およびこれら試料の組合せを包含しうるが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様において、細胞などの生きた試料を感光性表面または関連する基質もしくはコーティング上に播種することにより、細胞の成長、移動、または他の動的な挙動のリアルタイム撮像または微速度撮像が可能になる。いくつかの態様において、試料は静的である。いくつかの態様において、試料は、ポンプおよびリザーバに取り付けられた流体チャネルの使用により、感光性表面を横切って流されてもよい。いくつかの態様において、少なくとも1対の流体チャネルが存在する。いくつかの態様において、3つ以上の流体チャネルが存在し、その数は用途に適したフロー特性により決定される。いくつかの態様において、流体フローは陽圧により作動する。いくつかの態様において、流体フローは陰圧により作動する。そのようなアレンジメントは、細胞懸濁液または体液で撮像されるような疾患状態の評価に有用である可能性があり、そのような体液としては血液、リンパ液、精液、胆汁、および尿などがあるが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様において、撮像用集積回路は、フローサイトメトリー用の適切なソフトウェアを含むコンピュータに像を出力する。
【0026】
いくつかの態様において、試料の留置は手作業である。チャンバリッドがない状態で、感光性表面に直接試料を置くと、自動的に、試料の少なくともいくつかの部分についてピクセル限界分解能の条件が満たされるかまたはほぼ満たされる。試料の少なくとも一部と感光性表面との距離が光の波長より小さければ、近接場条件も満たされる。液体中の試料が対象であるいくつかの態様において、撮像用集積回路を通過する際の試料の動きおよび流動を撮像するため、試料は流体フローシステムを用いて撮像用集積回路または基質の上に置かれる。そのような流体フローシステムは、例えば、手作業で撮像用集積回路に印加される試料の液滴と、経時的に液体を吸い取るよう試料と接触しかつ撮像用集積回路に対して斜めである吸取紙となど、液体試料を留置および除去するための単純なシステムを含んでもよい。他の態様において、そのような流体フローシステムは、試料を押し/引きするためのポンプまたは他の適切な手段と、少なくとも1つのセグメント(すなわち、光学通路にあるセグメント)が既定の波長に対し実質的に透過性である試料含有コンジットとを含む。
【0027】
試料の像は光源161の存在下で取得されてもよい。光源161は、撮像用集積回路113が応答できる少なくとも1つの波長を発する。いくつかの態様において、光源はレーザーを包含し、既定の波長はレーザーの実質的に単色の波長である。いくつかの態様において、光源は黒体を包含し、既定の波長帯は、光源と試料との間に挿入された帯域スペクトルフィルタを使うかまたは使わずに黒体が好適に効率的に発生できる電磁スペクトルのセグメントである。いくつかの態様において、光源は、1つまたは複数の既定の波長帯で光を発生するよう配向された、例えば有機発光ダイオードアレイである1つまたは複数の発光ダイオード163を包含する。いくつかの態様において、光源は連続的である。いくつかの態様において、光源はパルス状である。いくつかの態様において、光源は偏光している。いくつかの態様において、光源はナノスケールプローブの先端に置かれていてもよい。いくつかの態様において、光源は、任意の環境光源、白熱光源、または蛍光光源をふくみ、これには、太陽165により発せられる光も包含される。いくつかの態様において、光源は、明るいバーの周期的なグレーティングなどのように構造化される。いくつかの態様において、追加の光源があってもよい。適切な傾斜照明、パルス照明、偏光照明、構造化照明、または他の形態の照明との関連において、いくつかの態様は、顕微鏡観察の技術分野において公知である方法に対応する追加の有用な情報を生成してもよく、そのような方法としては、暗視野、蛍光、蛍光寿命、光トモグラフィ、および偏光の顕微鏡観察などがあるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、例えば化学ルミネセンスによるか、または放射性試料が発する放射線に対して感受性であるよう感光性アレイが処理されるなどにより、試料はそれ自体が光源161である。いくつかの態様において、光源は、スマートフォンなど、多色光放射ができる可搬式の電子機器167の一部である。いくつかの態様において、スマートフォンは、異なる波長および感光性表面に対し異なる位置での照射を可能にし、オンセットおよび持続時間が独立に制御され、かつ均一な拡散光源を近似できるよう同時光源制御ができる、高輝度有機発光ダイオードディスプレイ169を有する。
【0028】
光源のスペクトルは、感光性アレイにより検出されうる波長の有効レンジを拡張するための特殊な処理を伴うかまたは伴わずに、感光性アレイを用いて検出されうる任意の既定の電磁スペクトルの領域内にあってもよい。いくつかの態様において、既定の波長または波長帯は赤外スペクトルにある。態様において、既定の波長または波長帯は紫外スペクトルにある。態様において、既定の波長または波長帯は可視光スペクトルにある。態様において、既定の波長または波長帯はX線スペクトルにある。態様において、既定の波長または波長帯はマイクロ波スペクトルにある。いくつかの態様において、既定の波長または波長帯は、概ね約1テラヘルツ〜約1,000テラヘルツの周波数を有する波長または波長帯である。いくつかの実施例において、2つ以上の波長帯の光の組合せを用いてもよい。
【0029】
いくつかの態様において、光源は、スペクトル放射特性および放射光の均一性により選択された、個別に制御される発光ダイオード(LED)を包含し、そして、企図される解析を容易にするように位置決めされる。いくつかの態様において、光源は、試料チャンバを均一に照射するように位置決めされる。LEDは、例えば、器具内に組み入れられた埋込み式コントローラか、または、スマートフォンもしくは市販の「既製品」計算機器に含有されているマイクロプロセッサによって、制御される。LEDは、例えば、企図される解析を容易にするように単一またはグループのいずれかで制御され、この企図される解析には、照射器と試料と撮像システムとが実質的にアライメントされる従来の顕微鏡観察、および、ピクセル受光角の外側の角度から試料が照射される暗視野顕微鏡観察が包含されるが、これらに限定されるわけではない。さらに、照射器内のLEDを適切に選択することにより、企図される接触顕微鏡を、例えばカラー撮像、蛍光顕微鏡観察、偏光顕微鏡観察、赤外および紫外の顕微鏡観察に使用できるが、用途がこれらに限定されるわけではない。いくつかの態様では、より広範な解析の実施が容易になるよう各々が異なる特性を有していてもよい複数の照射器が組み入れられる。いくつかの態様において、照射器は容易に互換可能である。いくつかの態様において、照射器は、有機LED(OLED)または選択的アドレス指定を伴うアクティブマトリクス式有機LED(AMOLED)パネルを包含していてもよい。いくつかの態様は、静的な試料および動いている試料の両方について企図される解析を容易にするため、均一な試料照射と高速な照射変化との両方を容易にする。いくつかの態様において、パネル光エミッタの適切な制御によって試料を照射するためAMOLEDパネルが用いられてもよい。いくつかの実施例において、照射器は、LED、有機LEDパネル、蛍光パネル、X線源、紫外線源、日光もしくは室内灯などの環境照射、白熱光源、または、例えば化学ルミネセンス性試料などの場合の光源なしも包含した他の任意の光源、およびこれらの例の組合せを包含してもよい。光源の構成としては、フラットパネル、直交もしくは他のグリッドレイアウトによる光源、可動性光源、多色光源、および、試料チャンバの中心をシェルの中心として試料チャンバ上にマウントされた半球形シェルの内部に固定された光源、またはこれらの組合せなどがあるが、それに限定されるわけではない。照明光源の制御には以下のものが包含されうるが、それに限定されるわけではない:安定的な照明;1つまたは複数の照射光源を同時にまたはシーケンスで選択的に励起させる;任意の1つまたは複数の光源の輝度を制御する;特定の時間的照明パターンになるよう各々または複数の光源を制御する;または、これらおよび(将来の技術を包含する)その他のうち任意の1つまたは任意の組合せを用いる。照明用のコントローラには以下のものが包含されうるが、それに限定されるわけではない:スイッチもしくはノブなどの手動コントローラ;自動化された埋込み式計算システム;スマートフォンなどの外部計算システム;デスクトップ型またはラップトップ型コンピュータなどの外部計算システム;または、これらの組合せ。
【0030】
図7にいくつかの態様の特徴を示す。いくつかの実施例において、撮像機器400はヒンジ付きリッドのあるハウジング401の中に置かれ、乾燥試料がこのヒンジにより挿入および除去されてもよい。リッドの下面では、有機LED光源461が試料を照明する。リッドと一体的にかつ光源461と接合して、入力/出力および照明コントロール用の回路495がある。電源コネクタ458が回路495に取り付けられている。好ましくはUSBインターフェースである入力/出力コネクタ456が、光源461に隣接して回路495に取り付けられている。図4と同様に、対になった流体フローコネクタ452、454が流体フローシステムに取り付けられている。図7の態様全体の形状係数は、例えばスマートフォンのそれとほぼ同じであってもよい。
【0031】
図8に、撮像システムの1つの態様が作動中であるときの光および出力データのフローを示す。光源361は、例えば既定の波長または波長帯において光を発する。いくつかの態様において、レンズ、フィルタ、またはそれらの組合せを有するコリメータ393が、光が光学通路に沿って平行化されそして既定の波長または波長帯の波長のみで実質的に構成されることを確実にする。光は光学通路に沿って、撮像用集積回路313に向かって進む。いくつかの態様において、撮像用集積回路上の光の入射角は、垂直よりはむしろ傾斜する。いくつかの態様において、既定の波長または波長帯に対して実質的に透過性である随意的なカバー307が、試料の体積を制限するかまたは意図されない動きもしくは露出から試料を保護する。試料が照射され、その結果生じる光が、試料を超えた光学通路において像を生じる。いくつかの態様において、試料と撮像用集積回路313との間に随意的なコーティング380がある。撮像用集積回路313により取得された、生じた像は、保存、読出し、または解析のためコンピュータ式システム395に出力される。
【0032】
本発明者らの説明において、本発明者らは「高分解能(high-resolution)」という用語を、例えば、標準的なレンズ式光学顕微鏡の分解能に等しいかまたはこれを上回る分解能を指すために用いる。例えば、用途の文脈によるが、高分解能とは、5μm未満、2μm未満、1μm未満、約0.5μm未満、またはそれ未満をすら意味しうる。分解能は主として感光性アレイのピクセルサイズにより決定される。いくつかの感光性アレイは、各々の辺が1μmよりやや大きい数百万平方ピクセルを有し、その結果として分解能が約1μmである。達成可能な分解能は、集積回路または他の機器の設計および作製技術の向上に伴ってピクセルサイズが小さくなり、各々の側方が200 nm以下と小さい例えば10億ピクセルを理論的に超えることによって、向上する。アレイ内のピクセルの数、形状、およびアレンジメントは、任意で、固有の制限がなく、対象である対応する用途に基づいて製造のためあらかじめ定めることができる。いくつかの態様において、最長のピクセル寸法は10μm以下である。いくつかの態様において、最長のピクセル寸法は5μm以下である。いくつかの態様において、最長のピクセル寸法は1ミクロン以下である。いくつかの態様において、最長のピクセル寸法は500 nm以下である。いくつかの態様において、最長のピクセル寸法は250 nm以下である。
【0033】
撮像用集積回路は、例えば参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,153,720号に示されているように、可視光の波長より小さいピクセルサイズを有するように構築されていてもよい。いくつかの態様において、撮像用集積回路は電荷結合素子(CCD)を包含する。他の態様において、撮像用集積回路は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術を用いて作製される。CCDは、チップの完全露出表面(フィルファクター100%)上で光を検出できる能力など、接触式の光学顕微鏡観察用途に利点を有するが、感光素子(パラレルレジスタ)から読出し素子(シリアルレジスタ)まで逐次式の電荷移動を必要とするため、CMOSと比較して読出し速度が遅い。CCDのさまざまな構成が利用可能である:フルフレーム型のアーキテクチャは、撮像に利用できるチップのプロポーションの最大化に望ましいが、読出し中の像のスメアを防ぐため外部シャッターを必要とする;フレームトランスファー型のアーキテクチャは像のスメアを回避できるが、プロセス中に、パラレルレジスタの感光性エリアとほぼ同じサイズである、パラレルレジスタのマスキングされた非感光性エリアを必要とし、その結果、撮像用集積回路が有する感光性エリアはフルフレーム型アーキテクチャの約半分となる。本発明で使用されるアレイの個々のピクセルは面積が小さいため、多くの撮像条件下で、各ピクセルに集められる電荷は小さくなる。しかし、試料がピクセルと接触状態かまたは接触に近い状態にあるため、試料から放射される光子に対するピクセルの有効受光角は、従来の顕微鏡観察においてレンズにより実現されるものより大きい。いくつかのCCDの態様において、感度をさらに高めるため、任意のアーキテクチャのCCDが電子増倍式の利得を追加で使用してもよい。これは、シリアルレジスタの拡張領域に印加された高クロックの電圧によって、各ピクセルの電荷が出力ノードに移動する際に増幅されるというものである。
【0034】
CMOS機器はこれら用途に代替的な利点を有しており、そのような利点としては、作製がより安価であること、個々のピクセルに埋め込まれた電子素子により信号が処理されること、および、逐次的な転送を伴わず、独立にアドレス指定されたピクセルの値を個別に読み出せること、などがある。いくつかのCMOSの態様において、菲薄化された裏面照射アレイが用いられる。これらは、以前は高価で複雑な作製方法を必要としたが、今では、均一かつ最適に菲薄化された吸光性裏面層を得るため絶縁体上ケイ素の基質をエッチストップとしての埋め込み酸化物層とともに用いる工程など(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,425,460号を参照)、貼合せウェーハ工程を用いて安価に作製できる。普通の(前面照射型の)撮像用集積回路に入った光は、典型的に上方の層を通過するが、これらの層は光を散乱させるうえ、そこに包含される金属回路素子により下方の感光性の層が遮蔽される。裏面照射型の撮像用集積回路では、感光性の層が表面に近く、金属回路を包含する層より上にあり、その結果、遮光がより少ない(「フィルファクター」が大きい)のが典型的であり、したがって有効な量子効率が高い。
【0035】
いくつかの態様において、撮像用集積回路は窓無しである。市販の撮像機器の大多数はCCDまたはCMOSの上に保護用の窓を有しており、上述で既定したように、計算的な画像処理を伴わずに高分解能を得るため試料を感光性表面に十分に近づけるためには、典型的にこの窓は無しでなければならない。試料上の点が、最も近いピクセルの中心からピクセル幅の半分より小さい場合、その点からアレイに向かって放射または散乱される光のほぼ全部は主として最も近いピクセルにのみ入射し、したがってこれのみを励起する。これらの条件下において、分解能は、計算、試料フロー、または他の手段によりさらに増強されうるものの、ピクセルサイズにより決定され、または、より正確には、等価面積の円形のサイズにより決定される(すなわち、400 nm×400 nmピクセルで分解能約450 nm)。これらの条件を満たし、ひいてはこのようなピクセル制限型の分解能を実現するのに、レンズまたは他のなんらの光学構成要素も必要ない。
【0036】
感光性表面から遠い試料または試料の部分は、試料と感光性表面との間で光が広がるため、それほど鮮明には撮像されない。点光源とアレイの感光性表面との距離が大きくなるほど、その点からの光は点の直下および直近のピクセルを超えて追加のピクセルに当たりこれらを励起させるため、感光性表面における点の像はぼやけかたが大きくなる。追加ピクセルへのこの広がりの程度は、ピクセルによる受光角を制限する2つの要件により決定される(この場合、受光角とは、光線がピクセル出力に影響を及ぼせる、表面垂線からの光線の最大偏差を指す)。
【0037】
第一に、表面垂線に対する、感光性表面への光の入射角が大きくなるにしたがって、光の全部が反射される角度を超えるまで、光のうち反射される分が多くなる。この関係はフレネルの式により以下のように定義される。

上式において、
Rs = s偏光の反射係数
Rp = p偏光の反射係数
θi = 表面垂線に対する入射光線の角度
n1 = 光源を含有する領域の屈折率
n2 = 撮像アレイの屈折率
透過係数は次式のとおりである。

上式において、Tsはs偏光の合成透過係数(resultant transmission coefficient)、Tpはp偏光の合成透過係数、Tは非偏光の合成透過係数である。0〜90度の角度についての透過係数が図10(a)にプロットされている。この図から、非偏光の約75パーセントが約60度の角度まで透過され、それ以降は透過が急激に低下することが見て取れる。
【0038】
第二に、表面垂線に対する入射光の角度が大きくなるにしたがって、光源に対してピクセルが呈するプロフィールが低下する。
【0039】
この状態は図10(b)に示されている。同図において、点光源703は、撮像VLSI回路705の感光性部分を構成するピクセル701を有する感光性アレイの一部であるピクセル713の中心の上に位置している。点光源703の下のピクセル713の中心は、感光性ピクセルアレイ701が点光源703に最も近い点であり、解析で用いられる座標系の原点709となる。この点光源から放射される光は、全方向に等しく放射される。この点光源の直下のピクセル713に当たる光は、このピクセルの領域が点光源においてなす角度707に比例する量の光を受け取る。同様に、例えばピクセル717など、アレイ内の他の任意のピクセルが受け取る光は、そのピクセルが点光源においてなす角度711に比例する。各ピクセルについて、点光源においてなされる角度は、点光源に向かって投射されるピクセル領域と、点光源からそのピクセルまでの距離との関数である。
【0040】
光源の方向におけるピクセル領域の投射は次式のとおりである。

上式において、dは感光性表面上の点光源の距離、mおよびnはそれぞれ各ピクセルのx寸法およびy寸法、rは感光性表面に沿った点から対象ピクセルまでの距離である。この投射領域は、次式により、光源において立体角をなす。

したがって、光源が放射する光束のうち、この投射領域に当たる割合は、次式の通りである。

上式において、Isは光源の光束であり、Iiは考慮中のピクセルの投射領域上における入射強度である。ピクセル内に通過する光はこの光であり、光がピクセルの表面とともに作る角度のため、透過係数による減衰をさらに受ける。したがって、検出に利用できる光は次式の通りである。

【0041】
例えば、ケイ素中に構築された感光性アレイの表面の上を覆っている水性懸濁液中の試料を考えられたい。波長550 nmにおけるそれぞれの屈折率に近い値として、屈折率n1は水の1.33、n2はケイ素の4.08を用い、点光源により放射される光の検出輝度の広がりを、ケイ素表面からの光源の距離の関数として計算した結果が、図9に示されている。画像鮮明化のための標準的なアルゴリズムでこのデータを利用して画質を高めることができる。
【0042】
そのようなぼけに対する許容は具体的な撮像用途によって異なるであろう。いくつかの場合において、例えば感光性表面から数マイクロメートルまたは数十マイクロメートルの試料など、近接場条件を満たさない試料領域から有用な情報が得られる可能性がある。いくつかの態様において、試料と感光性表面との距離は、以下の量のうち1つとほぼ等しい:光源が発する平均波長の10倍;もしくは、平均波長の5倍未満;もしくは、好ましくは平均波長の3倍未満;もしくは、より好ましくは既定の波長未満;もしくは、さらに好ましくは既定の波長の半分未満。
【0043】
いくつかの態様において、読出し用のサポート回路の一部は撮像用集積回路内に含有される。いくつかの態様において、サポート回路は、利得またはデータクロックレートなど、集積回路の機能を制御する追加のサポート回路またはマイクロプロセッサに連結される。いくつかの態様において、撮像用集積回路は、高分解能の感光性アレイと、読出し用のサポート回路と、画像データの表示、保存、および解析用のコンピュータ式システムに接続するための工業標準インターフェースとを有する、市販品かつ既製品であり、例えば、Aptina MT9E013、OmniVision OV14825、およびOmniVision OV14810である。これらの技術データは参照により本明細書に組み込まれる。実例的な例として、OmniVision OV5642は、RAW RGBモードにおける15フレーム/秒(fps)および1080i解像度における最大60 fpsの画像出力を包含し、ピクセル幅1.4ミクロンのシングルチップ5メガピクセルのデジタルカメラの完全な機能性を組み込んでいる。OV5642は、デジタルビデオパラレルポートおよびMIPIシリアルポートを用い、シリアルカメラコントロールバス(SCCB)およびモバイルインダストリープロセッサインタフェース(MIPI)を介して読出し用の画像を供給する。OV5642はまた、RGB565/855/444、CCIR656、YUV422/420、YCbCr422の各モードにおける出力をサポートしている。OV5642の信号記述、パッド数、ならびに対応するブロックおよびパッド図は、撮像用集積回路の好ましい実施形態を例証している。これらは、OmniVision OV5642のデータシートおよび製品仕様書バージョン2.03への参照により本明細書に組み入れられる。サポート回路に接続できるコンピュータ式システムは、埋め込まれていてもまたはスタンドアロンであってもよく、用途向けに作られていてもまたは既製品であってもよく、これには、例えば、用途向けに設計された埋込み式の計算システム、スマートフォン、ポータブルコンピュータ、およびネットブックが包含される。
【0044】
いくつかの態様において、コンピュータ式システムは、画像解析、保存、照明コントロール、および表示のためのファームウェアまたはソフトウェアを有する。そのようなファームウェアまたはソフトウェアは、以前より、光学顕微鏡およびデジタルカメラ技術と組み合わされている。いくつかの態様において、コンピュータ式システムは、細胞および他の対象試料の像を強調、検出、解析、特徴付け、および測定するためのアルゴリズム、ならびに、これらアルゴリズムの結果を人間のオペレータおよび/または第二のコンピュータ式システムに対し表示または転送するためのアルゴリズムを実行する。第二のコンピュータ式システムとしては、スマートフォン、または病院用記録保存システムを包含する保存システムなどがある。いくつかの態様において、コンピュータ式システムは、一連の微速度撮像画像におけるスムーズなフローの中の不連続試料の像を同定できる強調アルゴリズムを実行する。
【0045】
いくつかの態様において、撮像用集積回路のサポート回路は、マウンティングブロック上の追加回路に連結される。いくつかの態様において、マウンティングブロックは、RAW標準、RGB標準、および/またはTWAIN標準を供給できる、ハードウェア内の特定のインターフェースを組み込んでいる。適合できる光学顕微鏡カメラ用のインターフェースの例としては、以下のものに包含されるものなどがある:Jenoptik ProgRes Professional Color CCD Firewire Camera;Luminera Infinity Color CCD Camera または CMOS USB-2 Camera;および、Motic Moticam Color CMOS USB-2 Camera。これらの技術データおよび取扱説明書は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様において、コンピュータ式システムは、画像の解析、表示、および保存のためマウンティングブロックのインターフェースに連結される。使用できる画像解析ソフトウェアの例としては、ProgRes CapturePro、Infinity Capture および Infinity Analyze、ならびにMotic Images Plusなどがあり、これらの技術データおよび取扱説明書は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様において、撮像用集積回路により取得された画像は記憶媒体に出力される。いくつかの態様において、撮像用集積回路により取得された画像はリアルタイム表示機器に出力される。いくつかの態様において、所望の高い時間分解能を保つため、対象となるピクセルのみを撮像用集積回路から出力する必要がある。CMOS式の撮像用集積回路はこのタスクに好適であるが、他のアーキテクチャも可能である。ピクセルアレイ輝度の生データか、または取得後画像それ自体を、さまざまな計算的手段により強調してもよく、そのような手段としては、デコンボリューション、ピクセル補間、空間フィルタリング、ノイズ除去、エッジ強調、および他の方法などがあるが、それに限定されるわけではない。さらに、いくつかの態様において、(それによって、所与のピクセルにより検出されるはずの光が隣接するピクセルによっても検出されるような)最適以下の点広がり関数を、計算的に補正してもよい。撮像システムのいくつかの態様において、撮像用集積回路、関連する電子機器、および分析機器は、可搬式のハウジング内で組合わせられるように統合される。光源は、所望の用途の必要に応じてデスクトップ式、ラップトップ式、携帯電話式、またはより小型の顕微鏡に対応できるよう、統合されていても、スタンドアロンであっても、または環境光から供給されてもよい。
【0046】
いくつかの態様において、光源が発する光の少なくとも1つの波長に対して実質的に透過性であるチャンバリッドが存在する。位置出しブロックは、好ましくは長方形である。チャンバリッドの壁は、正方形、長方形、円形、楕円形、または撮像される試料に適した他の何らかの形状であってもよい。いくつかの態様において、チャンバリッドの上面は存在せず、多色光放射ディスプレイ表面が試料チャンバの上部を形成する。いくつかの態様において、チャンバリッドおよび位置出しブロックは、部分的または実質的に透明または半透明である。他の態様において、チャンバリッドおよび位置出しブロックは不透明である。そのような設計の用途の例としては、化学ルミネセンス撮像およびオートラジオグラフィーなどがある。いくつかの態様において、例えば大きいかまたは厚い試料の表面の顕微撮像などにおいて、試料チャンバリッドは存在しない。
【0047】
いくつかの態様において、試料チャンバはプローブを有する。プローブの例としては、温度プローブ501およびpHプローブ503などがある。いくつかの態様において、試料チャンバは、横方向もしくは縦方向の電場を印加するため、または試料を刺激するために、チャンバの外周に沿ってマウントされた1対またはそれ以上の電極507、509を有する。電極のそのようなアレンジメントは、例として、かつ、前述の適切な流体取り扱いとともに、電気泳動、分離/選別、試料表面電荷の決定、ゼータ電位の決定、細胞刺激、および試料配向のために用いてもよい。いくつかの態様において、試料チャンバは加温要素505を有する。そのような加温要素は、例として、時間依存過程の観察において、および、微速度撮像のための生きた試料のインキュベーションにおいて、用いてもよい。
【0048】
いくつかの態様において、感光性表面は、1つまたは複数の薄層により処理されている。感光性表面に適用された層の厚さの総計が、なお近接場条件を満たせるかまたはほぼ満たせる場合に、そのような層を薄いとみなしてもよい。いくつかの態様において、これらの層は、試料が感光性表面のピクセル幅の半分以内まで来られるだけ十分に薄い。いくつかの態様において、これらの層は、これらの層における光学通路の総距離がほぼ対象波長以下となるよう、光学通路の方向において十分に薄い。いくつかの態様において、透明の耐薬品性材料の薄層が感光性表面をコーティングしている。そのような薄膜基質は、十分に透明かつ絶縁性である任意の材料であってもよく、これには、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、フッ化マグネシウム、フッ化ランタン、フッ化アルミニウム、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素などが包含されるが、それに限定されるわけではない。そしてその基質はさまざまな手段により付着させてもよく、そのような手段としては、マグネトロンスパッタリング、化学蒸着、熱または真空アークによるプラズマ蒸発などがあるが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様において、基質は干渉フィルタとして作用する誘電性薄膜であり、これにより、所与の用途に適するよう、下にあるピクセルのスペクトル感度を制限する。いくつかの態様において、基質は、特定の形式のカラー撮像をもたらすために用いられる。特定の態様において、基質は、帯域通過フィルタなど、既定の波長帯の一部に対して実質的に透過性である。蛍光顕微鏡観察またはエミッション顕微鏡観察などの他の態様において、基質618は、試料の蛍光、エミッション、または他の方式により発せられる波長帯に対応する代替的な既定の波長帯に対して実質的に透過性である。いくつかの態様において、基質は、反射防止コーティングとして作用する誘電性薄膜を包含する。いくつかの態様において、互いに緊密に接触するよう配された複数の基質がある。いくつかの態様において、感光性表面は、表面と試料との接着が低下するようシラン処理される。いくつかの態様において、耐薬品性材料615は、例えば化学蒸着により薄層内に好適に沈着されたダイヤモンドを包含する。いくつかの態様において、耐薬品性材料は、例えば化学蒸着により薄層内に好適に沈着されたAl2O3またはSi3N4を包含する。そのような材料は、より堅固な特性を感光性表面に付与してもよく、これにより、清浄が容易になるとともに、研磨性の試料から表面を保護できる。いくつかの態様において、典型的にSi3N4であるパシベーション層620が撮像用集積回路をコーティングしており、その結果、金属性または塩溶液など他の導電性試料とともに用いた際の導電性が低下する。そのようなフィルタを、薄膜としてかつピクセルごとの任意のパターンに付着させるための技術が利用可能である。
【0049】
いくつかの態様において、偏光材料の薄層614が感光性表面をコーティングしている。いくつかの態様において、吸光性材料の薄層614が感光性表面をコーティングしている。いくつかの態様において、干渉材料の薄層614が感光性表面をコーティングしている。いくつかの態様において、表面プラズモン生成材料の薄層619が感光性表面をコーティングしている。
【0050】
いくつかの態様において、接着性材料の薄層617が撮像用集積回路613をコーティングしている。特定の細胞または他の対象試料を除外するかまたは豊富にするため、特異的な親和性を有する分子によるコーティングを用いてもよい。そのような処理はまた、結合アッセイ用に、蛍光体616、ナノ粒子、またはマイクロビーズとともに用いてもよい。非選択的接着により、例えば法科学用途などに使用できる、撮像の「スティックパッチ(stick patch)」が生じる。いくつかの態様において、蛍光体、リン光体、またはアップコンバータを含有する光透過性材料の薄層614が感光性表面をコーティングしている。そのような分子は、1つの波長で励起され、別の波長で放射する。いくつかの態様において、蛍光体は、撮像用集積回路のスペクトル感度域外の波長で励起されて、周波数アップコンバージョンなどにより回路のスペクトル範囲内で放射し、これにより、撮像用集積回路の有用なスペクトル域が例えばX線スペクトルまで拡張される。
【0051】
いくつかの態様において、機器は、ラマン散乱を検出するためのシステムをさらに含む。いくつかの態様において、機器は、X線蛍光を検出するためのシステムをさらに含む。
【実施例】
【0052】
実施例1
5.2μm×5.2μmピクセルを有する市販の1.3メガピクセルCMOS撮像用集積回路の露出表面と直接接触するように、薄いMylarシートの試料を置き、拡散白色光源、コンピュータ、および市販の画像取得ソフトウェアを用いて画像(図11)を得た。視野の左上および右上の角は空で、視野の残りの部分を試料が占めている。1ピクセルという小さい引っかき傷および試料の他の特徴が明瞭に見える。
【0053】
実施例2
実施例1のCMOS撮像用集積回路および光源を用い、エアロゾル有機溶剤の試料を噴霧化し、これによりチップ表面に付着させた。画像の取得により図12が得られた。
【0054】
実施例3
同じ光源を用い、実施例1および2と同様にCMOSチップ表面に1μlの水滴を直接付着させた。水滴のエッジは自発的にピクセルの行および列と揃い、普通でない菱形が生じた。水滴には、サイズが < 20μm 〜 > 100μmであるSephadexビーズが懸濁されている。画像の取得により図13が得られた。大きなビーズは、赤道が表面から遠いため、著明な拡散影を生じている。この効果は、コリメーションされた照明によりわずかに軽減し、小さいビーズでは大きく軽減した。
【0055】
実施例4
Aptina CMOS撮像用集積回路の保護窓を取り外し、2.2μm×2.2μm ピクセルを有するアレイの感光性表面を露出させた。拡散白色光源と、アレイとともに供給されている市販の画像取得用ソフトウェアを装備したコンピュータ式システムとを使用した。アフリカツメガエル(Xenopus laevis)から血液の微量サンプル(約10μl)を得て、カルシウム非含有の両生類用リンゲル液で希釈した。希釈した血液の液滴をアレイの表面に直接付着させた。画像の取得により図14が得られた(上)。取得された画像で単純に「ズームイン」すれば、この大きな視野(3.2×2.4 mm)の小さな部分をより高倍率で見ることができる(図9、下)。これらの生きた非染色赤血球の楕円形および有核構造(長軸約24μm、短軸約16μm)が明らかである。ズーム像は、バイキュービック補間を用いた2x2ピクセル増加により強調されている。生じた像は、ピクセルの寸法がわかっているため、本質的にキャリブレーションされている。この実施例において、生画像ではピクセルの幅が2.2μm、2x2補間画像では1.1μmである。
【0056】
実施例5
実施例4と同じ撮像用集積回路を用いて、池の水の中の生きたミジンコのビデオシーケンスを取得した。2つのフレームの関心領域を図15に示した。
【0057】
他の態様も、以下の特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性のピクセルアレイと
該アレイに関連する表面であって、試料の少なくとも一部がピクセルの平均幅の約半分未満に等しい距離だけ表面から離れた状態で該試料を受けるように構成された表面と
を有する撮像機器
を含む装置。
【請求項2】
試料も包含する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
光源も含む、請求項1記載の装置。
【請求項4】
表面に隣接し、かつ、該表面から空間があいている壁であって試料を照明するための光を透過する壁により一部が規定される、試料チャンバ
も含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
流体試料をチャンバ内に運ぶための流体チャネルも含む、請求項4記載の装置。
【請求項6】
流体が漏出しないようチャンバが密封されている、請求項4記載の装置。
【請求項7】
流体試料をチャンバから外に運ぶための第二の流体チャネルも含む、請求項4記載の装置。
【請求項8】
流体試料のリザーバと、該流体試料を該リザーバからチャンバに出入りさせるためのポンプとをも含む、請求項5記載の装置。
【請求項9】
撮像機器が撮像用集積回路を含む、請求項1記載の装置。
【請求項10】
集積回路が裏面照射される、請求項9記載の装置。
【請求項11】
機器から得られた情報を使って試料の高分解能像を表示、解析、または保存するようにプログラミングされたコンピュータ式システムも含む、請求項1記載の装置。
【請求項12】
試料が固体を含む、請求項1記載の装置。
【請求項13】
試料が、液体を含むか、または、液体中に懸濁もしくは溶解されている、請求項1記載の装置。
【請求項14】
壁が、チャンバに隣接した少なくとも1つの電極を有する、請求項4記載の装置。
【請求項15】
壁が、チャンバに隣接した加温要素を有する、請求項4記載の装置。
【請求項16】
壁が、チャンバに隣接した温度プローブを有する、請求項4記載の装置。
【請求項17】
壁が、チャンバに隣接したpHプローブを有する、請求項4記載の装置。
【請求項18】
壁が少なくとも部分的に半透明である、請求項4記載の装置。
【請求項19】
光源から表面への光路が該表面に対して45度以上の角度になるように該光源が位置決めされている、請求項3記載の装置。
【請求項20】
光源から表面への光路が該表面に対して最大で45度の角度になるように該光源が位置決めされている、請求項3記載の装置。
【請求項21】
光源から表面への光路が該表面に対してほぼ平行になるように該光源が位置決めされている、請求項3記載の装置。
【請求項22】
光源が発光ダイオードを含む、請求項3記載の装置。
【請求項23】
光源が環境光を含む、請求項3記載の装置。
【請求項24】
光源が可搬式の多色光源を含む、請求項3記載の装置。
【請求項25】
表面上に透明な耐薬品性材料の層も含む、請求項2記載の装置。
【請求項26】
耐薬品性材料がダイヤモンドを含む、請求項25記載の装置。
【請求項27】
耐薬品性材料がAl2O3を含む、請求項25記載の装置。
【請求項28】
耐薬品性材料がSi3N4を含む、請求項25記載の装置。
【請求項29】
表面上に波長フィルタリング材料の層も含む、請求項1記載の装置。
【請求項30】
表面上に、蛍光体を含有する光透過性材料の層も含む、請求項1記載の装置。
【請求項31】
試料が光を発する、請求項1記載の装置。
【請求項32】
表面をコーティングする偏光材料の層も含む、請求項1記載の装置。
【請求項33】
表面をコーティングする接着性材料の層も含む、請求項1記載の装置。
【請求項34】
感光性アレイが高分解能を提供する、請求項1記載の装置。
【請求項35】
感光性アレイを有する撮像機器と、
該アレイに関連する表面であって、試料の少なくとも一部が近接場条件を満たすかまたは少なくともほぼ満たす距離だけ感光性アレイから離れた状態で該試料を受けるように構成された表面
とを含む装置。
【請求項36】
感光性のピクセルアレイに関連する表面から、ピクセルの平均幅の約半分未満に等しい距離に、試料の少なくとも一部を置く段階;および
該感光性アレイにより生成された信号を用いて該試料の高分解能像を生じる段階
を含む方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2013−509618(P2013−509618A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536989(P2012−536989)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/054240
【国際公開番号】WO2011/053631
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512112024)アレンティック マイクロサイエンス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】