飲料を調製するためのカートリッジおよび方法
【解決手段】 飲料調製機にて用いるためのカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(57)(200)を収容し、実質的に空気および水を透過しない材料から形成され、このカートリッジは水を含む媒質をカートリッジ内に入れるための入口(121)と、1種類以上の飲料成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えており、1種類以上の飲料成分が液体チョコレート成分である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調製するためのカートリッジおよび方法に関し、特に実質的に空気および水を通さない材料にて形成され、飲料の調製用に1種類以上の成分を収容する密封カートリッジを用いたものである。
【背景技術】
【0002】
空気を通さない個包装体内に飲料調製成分を密封することが、これまで提案されてきた。例えば、挽いたコーヒーを圧縮して収容するカートリッジやカプセルは、一般に「エスプレッソ」マシンと呼ばれる特定のコーヒー調製機にて使用するものとして知られている。こうした調製機を用いたコーヒーの製造では、コーヒーカートリッジが煎出チャンバ内に配置され、湯がこのカートリッジを比較的高い圧力で通過することにより、挽かれたコーヒーから薫り高いコーヒー成分が抽出されてコーヒー飲料を生成する。通常、こうした機械は、6×105Paを超える圧力で動作する。このタイプの調製機は、これに含まれる水ポンプおよびシールなどの部品が高圧に耐えられるものでなければならないため、今まで比較的高価であった。
【0003】
特許文献1には、概して0.7から2.0×105Paで動作する飲料調製用カートリッジが記載されている。しかしながら、このカートリッジは、商業または工業市場用飲料調製機にて使用する設計となっており、比較的高価である。従って、カートリッジおよび飲料調製機が、特に、価格,性能および信頼性の面で家庭向け市場に適したものとなっている飲料調製用カートリッジが必要である。
【0004】
乳を主材料とする飲料成分を粉末や他の乾燥形態でカートリッジ内に入れることが知られている。しかし、消費者の意見は一貫して、こうした粉末状の乳を主材料とする製品を使うと、最終的に得られる飲料の味,色および口当たりが劣るものになるというものである。さらに、乳製品が粉末状では、カプチーノタイプ飲料に消費者が望むように、本物の外観を有して泡立った、乳を主成分とする泡立ての生成にこれを使用することはできない。数多くの飲料調製機には、一定量の牛乳を泡立てるためのスチームワンドまたはこれに類似したものが備えられている。しかし、スチームワンドを追加すると、その機械の価格が上がり、蒸気を発生させる手段も必要となる。スチームワンドは手動で操作しなければならないため、うまく扱うには経験が必要である。さらに、蒸気を使用するため、消費者がその蒸気か機械の高温部品かの何れかで火傷を負う危険がある。その上、消費者は、機械とは別に牛乳を絶えず利用可能な状態に保たなければならない。
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/58786号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第0389141号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0334572号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるカートリッジは、飲料製品の形成に適した1種類以上の液体飲料成分を収容する。この飲料製品として、例えば、コーヒー,茶,チョコレートまたは牛乳を含む乳を主材料とする飲料の1種類が挙げられる。
【0007】
本明細書内で言う用語「カートリッジ」は、上述した方式で1種類以上の飲料成分を収容するあらゆる包装,容器,小袋または入れ物を意味するものであることを理解されたい。このカートリッジは、剛性でも、半剛性でも、可撓性でもよい。
【0008】
都合が良いことに、液体飲料成分は粉末製品から調製される飲料と比較すると、見た目,味および舌触りにおいて優れた飲料をもたらす。この液体飲料はまた、カプチーノタイプの泡を作り出すために飲料調製機によって泡立たせることもできる。液体飲料成分を含むカートリッジは、固体または可溶性飲料成分を含むカートリッジと同じ飲料調製機にて使用することができる。泡立てを行うために独立したワンドまたは蒸気供給は必要ではない。
【0009】
従って、一形態において、本発明は飲料調製機で用いるカートリッジを提供し、このカートリッジは1種類以上の飲料成分を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、1種類以上の飲料成分が液体チョコレート成分である。
【0010】
カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口と、液体チョコレート成分から作られる飲料を出すための出口とを具えている。
【0011】
液体チョコレート成分が好ましくは濃縮されている。濃縮した液体の使用は、大量の飲料を調合することを可能にする。液体チョコレート成分は40%以上の全固形分を含むことができる。液体チョコレート成分は全固形分を70から95%含むことができる。
【0012】
液体チョコレート成分は全固形分を約90%含むことができる。
【0013】
液体チョコレート成分がゲル状であってよい。
【0014】
液体チョコレート成分は室温で70から3900MPaの粘度を有することができる。この液体チョコレート成分は室温で1700から3900MPaの粘度を有することができる。
【0015】
特に、液体チョコレート成分がココア固形分を含むことができる。この液体チョコレート成分はココア全固形分を50から80%含むことができる。液体チョコレート成分はココア全固形分を60から70%含むことができる。
【0016】
本発明のこの形態はまた、1操作サイクル中に1種類以上の液体チョコレート成分が入ったカートリッジから飲料を調合する方法を提供し、この方法は、1種類以上のチョコレート成分の希釈により飲料を形成するようにカートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、飲料を容器へと調合するステップとを具えており、1種類以上の液体チョコレート成分が2対1から10対1の割合で希釈される。
【0017】
この方法は、飲料を泡立たせるための手段に対して飲料を通過させるステップをさらに具えることができる。その泡立ち度は70%以上である。この泡立ち度は、元の液体飲料の体積に対し、作られた泡の体積の割合として測定される。泡立ては、カプチーノおよびミルクセーキの如き飲料を調合するのに特に好都合である。
【0018】
本発明の別な形態は、飲料調製機で用いるカートリッジを提供し、このカートリッジは1種類以上の飲料成分を含み、実質的に空気および水を通さない材料から形成され、1種類以上の飲料成分が液体牛乳成分である。
【0019】
このカートリッジは、水を含む媒質をカートリッジに入れるための入口と、液体牛乳成分から作られる飲料を出すための出口とを具えることができる。
【0020】
液体牛乳成分を濃縮させることができる。濃縮液体の使用は、大量の飲料を調合することを可能にする。液体牛乳成分は25から40%の全固形分を含むことかできる。液体牛乳成分は30%の全固形分を含むことができる。
【0021】
液体牛乳成分は室温にて70から3900MPaの粘度を有することができる。
【0022】
前記液体牛乳成分は0.1から12%の脂肪を含むことができる。
【0023】
本発明のこの形態はまた、1操作サイクル中に1種類以上の液体牛乳成分が入ったカートリッジから飲料を調合する方法を提供し、この方法は、前記1種類以上の液体成分を希釈することによって飲料を形成するようにカートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、飲料を容器へと調合するステップとを具え、1種類以上の液体牛乳成分が1対1から6対1の割合で希釈される。
【0024】
1種類以上の液体牛乳成分を3対1位の割合で希釈することができる。
【0025】
この方法は、飲料泡立て手段に対して飲料を通過させるステップをさらに具えることができ、その泡立ち度が40%以上である。
【0026】
本発明の別な形態は、飲料調製機にて用いるカートリッジを提供し、このカートリッジは、1種類以上の飲料成分を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、1種類以上の飲料成分が液体コーヒー成分である。
【0027】
カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れる入口と、液体コーヒー成分から作られる飲料を出すための出口とを具えることができる。
【0028】
液体コーヒー成分を濃縮することができる。濃縮液体の使用は、大量の飲料を調合することを可能にする。この液体コーヒーは40から70%の全固形分を含むことができる。液体コーヒーは55から67%の全固形分を含むことができる。
【0029】
液体コーヒー成分は、重炭酸ナトリウムを含むことができる。このコーヒー成分は、0.1から2.0重量%の重炭酸ナトリウムを含むことができる。カートリッジは0.5から1.0重量%の重炭酸ナトリウムを含むことができる。
【0030】
液体コーヒー成分は、室温にて70から3900MPaの粘度を有することができる。この粘度は室温にて70から2000MPaの粘度を有する。
【0031】
本発明のこの形態はまた、1操作サイクル中に1種類以上の液体コーヒー成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法を提供し、この方法は、1種類以上の液体コーヒー成分の希釈により飲料を形成するようにカートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、飲料を容器へと調合するステップとを具え、1種類以上の液体コーヒー成分が10対1から100対1の割合で希釈される。
【0032】
1種類以上の液体コーヒー成分を20対1から70対1の割合で希釈することができる。
【0033】
この方法は、飲料泡立て手段に対して飲料を通過させるステップをさらに具えることができ、この泡立ち度は70%以上である。
【0034】
本発明の別な形態は、飲料調製機で用いるカートリッジを提供し、このカートリッジは1種類以上の飲料成分を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、1種類以上の飲料成分がスープ,果汁,風味付け牛乳,炭酸飲料,ソースまたはデザートの何れかである。
【0035】
このカートリッジは、水を含む媒質をカートリッジに入れるための入口と、1種類以上の飲料成分から作られた飲料を出すための出口とを具えることができる。
【0036】
本発明のすべての形態に関し、カートリッジは外側部材と、この外側部材との組み立てに際して結合される内側部材とを具えることができる。スナップ止め構造がこのカートリッジの組み立てに際して外側部材および内側部材を接合するために与えられることができる。
【0037】
カートリッジは、飲料の噴射を行うための手段をさらに具えることができ、飲料の噴射を行うための前記手段は、その飲料通路に開口を具えている。
【0038】
カートリッジは、少なくとも1つの空気の入口と、飲料の噴射の圧力降下を起こさせるための手段とをさらに具えることができ、これにより使用中に少なくとも1つの空気入口からの空気が複数の小泡として飲料に混ぜられる。
【0039】
本発明はまた、任意の上述した方法により製造されるような飲料も記述している。
【0040】
以下の説明において、用語「上方」,「下方」およびその等価の用語を、本発明の特徴要素の相対的位置付けを説明するために用いる。用語「上方」,「下方」およびその等価用語を、例えば図4に示すように、飲料調製機に挿入して引き続き調合を行う、普通の方向にあるカートリッジ(または他の部品)に対して指すものと理解すべきである。具体的に言えば、「上方」および「下方」は、カートリッジの頂面11からより近い相対的位置、またはより遠い相対的位置をそれぞれ指す。また、用語「内側」,「外側」およびその等価用語も、以下、本発明の特徴要素の相対的位置付けを説明するために用いる。この用語「内側」,「外側」およびその等価用語を、カートリッジ1(または他の部品)の中心または長軸Xからより近いまたはより遠い、カートリッジ(または他の部品)内での相対的位置付けをそれぞれ指すものと理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の実施形態を添付の図面を参照しつつ単なる例示により以下に説明する。
【0042】
図11に示すように、カートリッジ1は、外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5とを概ね具えている。外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5とを組み合わせると、1種類以上の飲料成分を収容するための内部120と、入口121と、出口122と、入口121から出口122までをつないで内部120を貫通する飲料流路とを有するカートリッジ1が形成される。入口121および出口122は、当初はラミネート5で密封されているが、使用時に、このラミネート5を穴あけまたは切断することにより開口される。飲料流路は、以下で説明するように、外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5との間の空間的相互関係により画成される。この他にも、以下でさらに説明するように、フィルタ4などの部品を任意にカートリッジ1に含めることができる。
【0043】
次に予備知識として説明する第1の型式のカートリッジ1を、図1から図11に示す。第1の型式のカートリッジ1は、焙煎して挽いたコーヒーやリーフティなどの濾過製品の調合に使用するように特に設計されたものである。しかし、この型式のカートリッジ1および以下で説明する他の型式のものを、チョコレート,コーヒー,茶,甘味料類,強壮剤類,調味料類,アルコール飲料類,風味付け牛乳,果汁類,スカッシュ類,ソース類およびデザート類などの他の製品に使用することも可能である。
【0044】
図5からわかるように、カートリッジ1の全体形状は、その直径が高さより大幅に大きい略円形またはディスク形状である。長軸Xは、図1に示すように、外側部材の中心を通っている。通常、外側部材2の直径全体は74.5mm±6mmであり、高さ全体は16mm±3mmである。通常、このカートリッジ1の容積は30.2ml±20%である。
【0045】
外側部材2は、湾曲した環状壁13を有するボウル形状のシェル10と、閉じた頂部11と、開いた底部12とを概ね具えている。閉じた頂部11から開いた底部12にかけて環状壁13が広がっているため、外側部材2の直径は、その頂部11にて、底部12の直径に比較して小さくなっている。環状壁13と閉じた底部11とが共に、内部34を有する入れ物を画成している。
【0046】
中空で内側向きの円柱状延出部18が、長軸Xを中心として閉じた頂部11に設けられている。図2でさらによくわかるように、円柱状延出部18は、第1,第2および第3の部分19,20および21を有する階段状の輪郭形状を具えている。第1の部分19は直円柱状である。第2の部分20は、円錐台形状であり、内側に先細りになっている。第3の部分21は、もう1つの直円柱であり、下方面31により閉じられている。第1,第2および第3の部分19,20および21の直径は、円柱状延出部18の頂部11から閉じた下方面31にかけて、円柱状延出部18の直径が狭まるように、段階的に小さくなっている。略水平な肩32が、第2の部分20と第3の部分21との間の結合部分にて円柱状延出部18に形成されている。
【0047】
外向きに延出する肩33が、底部12に向けて外側部材2に形成されている。この外向きに延出する肩33が、環状壁13と同軸である副次的壁15を形成し、これにより、副次的壁15と環状壁13との間にマニホルド16を形成する環状トラックを画成するようになっている。マニホルド16は、外側部材2の周囲をめぐって通っている。一連のスロット17が、環状壁13にマニホルド16と同じ高さで設けられており、これにより、マニホルド16と外側部材2の内部34との間が気体および液体連通した状態となる。図3に示すように、スロット17は、環状壁13に形成された垂直スリットを含む。20から40本のスリットを設けている。図示した実施形態では、37本のスロット17が、ほぼ等間隔でマニホルド16の周囲に設けられている。スロット17を、好ましくは、1.4から1.8mmの長さとする。通常、各スロットの長さは、外側部材2の高さ全体の10%である1.6mmである。各スロットの幅は、0.25から0.35mmである。通常、各スロットの幅は0.3mmである。スロット17の幅を十分に狭くして、保管時および使用時の何れにおいても飲料成分がマニホルド16内に通過してしまわないようにする。
【0048】
入口チャンバ26が外側部材2の周囲にて外側部材2内に形成されている。図5で最もよくわかるように、円柱状壁部27が設けられており、これが外側部材2の内部34に入口チャンバ26を画成し、同時に入口チャンバ26を外側部材2の内部34から仕切っている。この円柱状壁部27は、長軸Xに垂直な1平面上に形成された閉じた上方面28と、外側部材2の底部12と同平面上にある開いた下方端部29とを有する。入口チャンバ26は、図1に示すように、2本のスロット30を介してマニホルド16と連通している。別な方法として1から4本のスロットを用い、マニホルド16と入口チャンバ26との間を連通させてもよい。
【0049】
外向きに延出する肩33の下方端部には、長軸Xに垂直に外向きに延出するフランジ35が設けられている。通常、このフランジ35の幅は2から4mmである。フランジ35の一部が、外側部材2の保持によってハンドル24を形成するように、拡張されている。ハンドル24には、掴みやすくするために先を上向きにしたリム25が設けられている。
【0050】
外側部材2は、高密度ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリエステルまたはこれらの2種以上の積層体から単一部品として形成される。これに適したポリプロピレンは、DSM UK Limited (Redditch 英国) から入手可能な一連のポリマー類である。この外側部材は、不透明でも、透明でも、半透明でもよい。この製造処理を射出成形とすることができる。
【0051】
図7から図10に示すように、内側部材3は、環状フレーム41と、下向きに延出する円柱状漏斗40とを具えている。図7に示すように、長軸Xは内側部材3の中心を通っている。
【0052】
図8で最もよくわかるように、環状フレーム41は、外側リム51と、等間隔で設けられた10本の径方向スポーク53で接合されている内側ハブ52とを具えている。内側ハブ52は円柱状漏斗40と一体であり、かつ円柱状漏斗40から延出している。濾過口部55が、径方向スポーク53の間で環状フレーム41内に形成されている。この濾過口部55をカバーするように、フィルタ4が環状フレーム41上に配置されている。このフィルタを不織繊維材料であるポリエステルなど、湿潤強さの高い材料で製造することが好ましい。この他に使用可能な材料として、織紙繊維を含むセルロース材料などの水分不透過性セルロース材料が挙げられる。この織紙繊維をポリプロピレン,ポリ塩化ビニルおよび/またはポリエチレンの繊維と混合させることができる。こうしたプラスチック材料をセルロース材料内に組み合わせると、このセルロース材料がヒートシール可能なものとなる。フィルタ4を、熱および/または圧力で活性化される材料で処理またはコーティングし、熱および/または圧力により環状フレーム41に対してシールできるようにしてもよい。
【0053】
図7の断面輪郭形状に示すように、内側ハブ52は外側リム51より下の位置に配置されるため、環状フレーム41の輪郭形状が下方に傾斜したものとなる。
【0054】
各スポーク53の上面には、直立型ウェブ54が設けられている。このウェブは、環状フレーム41上方の孔空間を複数の通路57に分割する。各通路57はウェブ54により分割された両側と、フィルタ4の下面とにその境界を接した状態となる。通路57は外側リム51から下方に円柱状漏斗40に向けて延在し、ウェブ54の内側末端部により画成される開口56にて円柱状漏斗40に開いている。
【0055】
円柱状漏斗40は、内側注ぎ口43を取り囲む外側チューブ42を具えている。この外側チューブ42が円柱状漏斗40の外面を形成している。注ぎ口43はその上方端部にて外側チューブ42に、環状フランジ47によって接合されている。注ぎ口43は、その上方端部に位置して通路57の開口56と連通する入口45と、その下方端部に位置し、調製済み飲料を通過させてカップや他の入れ物内に注ぐ出口44とを具えている。注ぎ口43は、その上方端部に円錐台形部分48を、またその下方端部に円柱状部分58を具えている。この円柱台形部分58にわずかに先細る部分を設け、出口44に向けて幅を細めてもよい。円錐台形部分48を設けることにより、飲料に乱流を起こすことなく、飲料を通路57から出口44に向けて下向きに流動させやすくなる。円錐台形部分48の上面には、円柱状漏斗40の周囲に等間隔で位置する支持ウェブ49が設けられている。この支持ウェブ49の間に複数の溝50が画成される。支持ウェブ49の上縁部は互いに同じ高さであり、長軸Xに垂直である。
【0056】
内側部材3を、上述したように、外側部材2と同様、ポリプロピレンまたはこれに類似した材料から射出成形により単体ピースとして形成することができる。
【0057】
別法として、内側部材3および/または外側部材2を、生分解性ポリマーで製造してもよい。これに適した材料の例として、分解性ポリエチレン(例えば、英国 Borehamwood の Symphony Environmental 製 SPITEK),生分解性ポリエステルアミド(例えば、Symphony Environmental 製 BAK1095),ポリ乳酸(米国ミネソタ州 Cargil 製PLA),デンプン系ポリマー,セルロース誘導体およびポリペプチドが挙げられる。
【0058】
ラミネート5は、アルミニウムによる第1の層と、無延伸ポリプロピレンによる第2の層との2層から形成される。このアルミニウム層は0.02から0.07mmの厚さである。無延伸ポリプロピレン層は0.025から0.065mmの厚さである。一実施形態において、アルミニウム層は0.06mmの厚さであり、ポリプロピレン層は0.025mmの厚さである。このラミネートは、組み立て時の巻き込みに高い抵抗を有するため、特に有利である。このため、ラミネート5を、歪みを発生させることなく、正しいサイズおよび形状に事前に切断しておき、その後製造ラインの組み立てステーションに移送することができる。従って、このラミネート5は溶接に特に適している。他のラミネート材料も使用可能であり、その例として、PET/アルミニウム/PP,PE/EVOH/PP,PET/金属被覆/PPおよびアルミニウム/PPラミネートが挙げられる。打ち抜き加工製品ではなく、ロールラミネート製品を用いてもよい。
【0059】
カートリッジ1を、可撓性のラミネートではなく、剛性または半剛性の蓋で閉じてもよい。
【0060】
カートリッジ1の組み立ては、
a)内側部材3を外側部材2に挿入するステップと、
b)フィルタ4を決まった形状に切断して内側部材3上に配置し、円柱状漏斗40上で受け、環状フレーム41に対向する位置にくるようにするステップと、
c)内側部材3,外側部材2およびフィルタ4を超音波溶接で接合するステップと、
d)このカートリッジ1に1種類以上の飲料成分を充填するステップと、
e)ラミネート5を外側部材2に取り付けるステップと
を具えている。
【0061】
上記ステップについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0062】
外側部材2を、その開いた底部12を上向きにして方向付ける。次に、内側部材3をその外側部材2内に挿入し、外側リム51がカートリッジ1の頂部11において軸方向延出部14内に遊合状態で受けられるようにする。これと同時に、外側部材2の円柱状延出部18が、内側部材3の円柱状漏斗40の上方部分内に受けられる。円柱状延出部18の閉じた下方面31が内側部材3の支持ウェブ49に当たった状態で、円柱状延出部18の第3の部分21が円柱状漏斗40内に納まる。次に、フィルタ4を、フィルタ材料が環状リム51に接触するように、内側部材3上に配置する。超音波溶接処理により、このフィルタ4を内側部材3に接合し、同時に同一処理ステップにおいて、内側部材3を外側部材2に接合する。内側部材3およびフィルタ4を外側リム51に沿って溶接する。内側部材3および外側部材2は、外側リム51およびウェブ54の上方縁部に沿って接合線により接合する。
【0063】
図11で最もよくわかるように、外側部材2および内側部材3を互いに接合すると、環状フランジ41の下方かつ円柱状漏斗40の外側に、内部120内の孔空間130ができ、これが濾過チャンバとなる。この濾過チャンバ130と環状フレーム41上方の通路57とを、濾紙4が隔てる。
【0064】
濾過チャンバ130には1種類以上の飲料成分200が収容される。1種類以上の飲料成分は、濾過チャンバ130内に包装される。濾過式飲料の場合、この成分は通常、焙煎して挽いたコーヒーまたはリーフティである。濾過チャンバ130内の飲料成分の包装密度は、所望に応じて変更可能である。通常、濾過式コーヒー製品の場合、この濾過チャンバには、通常5から14mm厚さの濾過床に5.0から10.2グラムの焙煎して挽いたコーヒーが収容される。任意に、内部120に、その中で自由に移動できるため、飲料を注ぐ時点で乱流を起こし、その飲料成分の沈殿物を砕いて混合しやすくする球体などの1種類以上の物体を入れてもよい。
【0065】
次に、ラミネート5を外向きに延出するフランジ35の下面に接合するためにラミネート5の周囲に溶接部126を形成することにより、ラミネート5を外側部材2に取り付ける。ラミネート5が入口チャンバ26の円柱状壁部27の下方縁部に対してシールされるように、溶接部126を延在させる。さらに、この溶接部125を、ラミネート5と円柱状漏斗40の外側チューブ42の下方縁部との間に形成する。このラミネート5が、濾過チャンバ130の下方壁となり、かつ入口チャンバ26および円柱状漏斗40を密封する。ただし、ラミネート5と注ぎ口43の下方縁部との間には、調合前に小さな隙間123ができるようになっている。ラミネート5の材料特性に応じて、熱および超音波溶接など、様々な溶接方法が使用可能である。
【0066】
有利なことに、外側部材2とラミネート5との間に内側部材3がある。この内側部材3を、ポリプロピレンなどの比較的硬い材料で形成する。これにより、内側部材3は、カートリッジ1が圧縮されてもラミネート5と外側部材2との間に空間を保つように作用する荷重受け部材となる。使用時、カートリッジ1の受ける圧縮荷重を130から280Nとすると好ましい。この圧縮力は、カートリッジが内部加圧下で破損することを防ぐ作用をすると同時に、内側部材3および外側部材2を互いに寄せる役割を果たす。これにより、確実に、カートリッジ1内の通路および口部の内側寸法が固定され、カートリッジ1が加圧されても変化しなくなる。
【0067】
このカートリッジ1を使用するには、まず、これを飲料調製機内に挿入し、入口121および出口122を、ラミネート5を穿孔してこれを折り畳む飲料調製機の穴開け部材により開ける。通常は水である、圧力下にある水を含む媒質を、0.1から2.0バールの圧力でカートリッジ1に入れ、入口121から入口チャンバ26内へ通す。ここから、水はスロット30を通過してマニホルド16を回り、複数のスロット17を介してカートリッジ1の濾過チャンバ130内に入る。この水は、濾過チャンバ130を介して径方向内側に押し入れられ、そこに収容されている飲料成分200と混ざり合う。この水は同時に、その飲料成分内を通って上側に押し上げられる。水がこのように飲料成分内を通過することで形成された飲料は、フィルタ4および濾過口部55を通過し、環状フレーム41上方に位置する通路57内に入る。フィルタ4がスポーク53にシールされ、リム51が外側部材2に溶接されており、他の出口がまったくない状態であるため、この飲料すべてが確実にフィルタ4を通過する。
【0068】
次に、この飲料はウェブ54間に形成された径方向通路57に沿って下向きに流動し、開口56を通過して円柱状漏斗40内に入る。続いて、溝50に沿って支持ウェブ47間を通過し、注ぎ口43から下の出口44に落ち、これにより、この飲料はカップなどの入れ物内に注がれる。
【0069】
好ましくは、飲料調製機に空気パージ性能を含めて、操作サイクルの終了時に圧縮空気をカートリッジ1内に押し入れることにより、残留飲料をその容器内に流し出す。
【0070】
次に、図12から図18を参照しながら、基本情報として第2の型式のカートリッジ1について説明する。第2の型式のカートリッジ1は、クレマとして知られる細かい気泡の泡立ちを有する飲料を生成することが望ましい、焙煎して挽いたコーヒーなどのエスプレッソタイプの製品の調合に使用するように特に設計されたものである。第2の型式のカートリッジ1が備える特徴は、その多くが第1の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴を指している。以下の説明では、第1の型式と第2の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0071】
外側部材2の構造は、第1の型式のカートリッジ1が備え、図1から図6に示すものと同じである。
【0072】
内側部材3の環状フレーム41は、第1の型式のものと同じである。また、フィルタ4が、濾過口部55をカバーするように、環状フレーム41上に配置されている。円柱状漏斗40の外側チューブ42も、第1の場合と同様である。ただし、第2の型式の内側部材2には、第1の型式の場合と比較していくつか相違点がある。図16に示すように、注ぎ口43に、出口44から注ぎ口43に向けて一部延出する仕切り65が設けられている。この仕切り65を設けることにより、飲料が注ぎ口43を出る際に飛沫の発生および/または飛散を防止しやすくなる。注ぎ口43の輪郭形状も異なっており、この注ぎ口43は、チューブ43の上方端部近傍で明確な屈曲部66を持つ階段状輪郭形状を具えている。
【0073】
リム67が、環状フランジ47から直立して設けられ、外側チューブ42と注ぎ口43とを接合している。このリム67は入口45から注ぎ口43までを取り囲み、リム67と外側チューブ42の上方部分との間に環状溝69を画成する。リム67には、内向きの肩68が設けられている。リム67の周囲の一箇所に、口部70がスロットの形態で設けられており、このスロットは、図12および図13で最もよくわかるように、リム67の上方縁部から肩68の高さよりも僅かに下の箇所まで延在するものである。このスロットの幅は0.64mmである。
【0074】
図16および図17に示すように、環状フランジ47には、口部70と周方向に位置合わせされた空気入口71が設けられている。この空気入口71は、外側チューブ42と注ぎ口43との間でフランジ47の上方箇所とフランジ47の下方の孔スペースとを流通させるように、フランジ47を貫通する口部を含む。好ましくは、図示のように、空気入口71に、上部円錐台形部分73と下部円柱状部分72とを具えている。空気入口71は通常、ピンなどの成形工具により形成される。空気入口71を先細り輪郭形状にすると、成形工具を成形成分から取り出しやすくなる。空気入口71に近位である外側チューブ42の壁を、空気入口71から注ぎ口43の入口45へとつながるシュート75を形成する形状とする。図17に示すように、空気入口71とシュート75との間に斜めの肩74が形成され、スロット70から噴射される飲料が、空気入口71のごく近位にあるフランジ47の上面を直接汚さないようにしている。
【0075】
第2の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第1の型式の組み立てと同様である。しかし、いくつかの相違点もある。図18に示すように、円柱状延出部18の第3の部分21は、支持ウェブに対してではなく、支持リム67内に納まる。第2の部分20と第3の部分21との間に位置する円柱状延出部18の肩32は、内側部材3の支持リム67が含む上方縁部に当たる。このようにして、内側部材3と外側部材2との間に、カートリッジ1の周囲のほぼ全体に延び、円柱状延出部18と支持リム67との間の面シールを含む界面ゾーン124が形成される。ただし、支持リム67に形成されたスロット70が支持リム67を貫通して肩68のわずか下方の箇所まで下向きに延在しているため、円柱状延出部18と支持リム67との間のシールは流体密封ではない。従って、円柱状延出部18と支持リム67との間が界面嵌合することにより、スロット70が口部128へと変化し、環状溝69と注ぎ口43との間を気体および液体連通させている。この口部は通常、その幅が0.64mm、長さが0.69mmである。
【0076】
第2の型式のカートリッジ1で飲料を調合する操作は、第1の型式と同様であるが、いくつかの点で異なっている。径方向通路57内の飲料は、ウェブ54間に形成された通路57を下向きに流動し、開口56から円柱状漏斗40の環状溝69内に入る。環状溝69内に入った後、この飲料は、濾過チャンバ130および通路57内に収集した飲料の背圧により、圧力下で口部128から押し出される。従って、飲料は口部128から噴射され、注ぎ口43の上方端部が形成する膨張チャンバ内に押し出される。図18に示すように、この飲料噴射は、空気入口71上をそのまま通過する。飲料が注ぎ口43に入ると、飲料噴射の圧力が降下する。この結果、空気が空気入口71を介して引き込まれるのと同時に、その空気が飲料流内に多数の小さな気泡として混入される。口部128から出た飲料噴射は、下向きに流れて集まり、出口44までくると、ここでカップなどの容器内に注出され、気泡が所望のクレマとなる。従って、口部128および空気入口71が共に、空気を飲料内に取り込むように作用するエダクタとなる。このエダクタ内への飲料の流動をできる限り滑らかに保ち、圧力損失を低減しなければならない。そのためには有利なことに、エダクタの壁部を凹形表面に製造し、「壁面効果」摩擦による損失を低減しなければならない。口部128の寸法公差は小さい。好ましくは、この口部サイズを0.02mm2前後に定める。毛状物,繊維または他の表面凹凸をエダクタ内、またはエダクタの出口近傍に設け、空気の取り込み量を増加させることがわかっている有効領域を増加してもよい。
【0077】
本発明による第3の型式のカートリッジ1を図19から図29に示す。第3の型式のカートリッジ1は、粉末,液体,シロップ,ゲルまたはこれに類似の形態でよい溶解性製品の調合に使用するように特に設計されたものである。この溶解性製品は、使用時にカートリッジ1内を水などの水を含む媒質が通過すると、この水を含む媒質により溶解または懸濁液を形成する。この飲料例として、ココア固形分,コーヒー,牛乳,茶,スープまたはこの他の水を加えて元に戻す製品や水溶解性製品が挙げられる。第3の型式のカートリッジ1が備える特徴は、その多くが第1および第2の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴を指している。以下の説明では、第3の型式と第1の型式および第2の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0078】
第1および第2の型式の外側部材2と比較すると、図20に示すように、第3の型式の外側部材2に含まれる中空で内向きの円柱状延出部18の直径は全体として大きくなっている。具体的に言えば、第1および第2の型式の外側部材2では13.2mmであったところが、第1の部分19の直径は通常、16から18mmである。さらに、第1の部分19には、図20で最もよくわかるように、凸状外面19a、すなわちバルジが設けられている。このバルジの機能については以下で説明する。しかし、カートリッジ1のうち、第3の部分21の直径は同じである。このため、肩32の面積がこの第3の型式のカートリッジ1では広くなっている。通常、カートリッジ1の容積は、組み立て時で32.5ml±20%である。
【0079】
環状壁13の下方端部に設けるスロットの数および位置もまた異なっている。3から5本のスロットが設けられている。図23に示すように、この実施形態では、4本のスロット36が等間隔でマニホルド16の周囲に設けられている。このスロット36は、第1および第2の型式のカートリッジ1の場合よりわずかに幅広で、0.35から0.45mmであり、好ましくは、0.4mm幅である。
【0080】
他の点において、カートリッジ1の外側部材2はいずれも同じである。
【0081】
内側部材3に含まれる円柱状漏斗40の構造は、第1の型式のカートリッジ1と同じであり、外側チューブ42,注ぎ口45,環状フランジ47および支持ウェブ49が設けられている。唯一の相違点は注ぎ口45であり、これは上部円錐台形部分92と下部円柱状部分93とを有する形状となっている。
【0082】
第1および第2の型式と比較すると、図24から図28に示すように、環状フレーム41は、円柱状漏斗40を取り囲みかつ円柱状漏斗40を環状フランジ47またはその近傍に結合する8本の径方向ストラット87によって円柱状漏斗40に接続されたスカート部分80に置き換えられている。このスカート部分80からは、円柱状の延出部81がストラット87から上向きに延出し、上面が開いたチャンバ90を画成している。円柱状延出部81の上方リム91は、図26に示すように、内向き輪郭形状を有する。スカート部分80の環状壁82は、ストラット87から下向きに延在し、スカート部分80と外側チューブ42との間に環状溝86を画成している。
【0083】
環状壁82は、その下方端部に、長軸Xに垂直に位置する外側フランジ83を具えている。リム84は、フランジ83の下面から下向きにぶら下がり、リム84に沿って周方向に等間隔に5個の口部85を具備している。従って、リム84の下方は、城砦型輪郭形状となっている。
【0084】
ストラット87間に口部89を設けることにより、チャンバ90と環状溝86との間を連通させている。
【0085】
第3の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第1の型式の組み立てと同様であるが、いくつかの相違点もある。図29に示すように、外側部材2と内側部材3とは、相互に溶着されるのではなく、相互に押し嵌めされ、スナップ留め構造により保持される。この2つの部材の接合時、内向き円柱状延出部18が、スカート部分80の上方円柱状延出部81の内側に受けられる。内側部材3は、円柱状延出部18に含まれる第1の部分19の凸状外表面19aが上方円柱状延出部81の内向きリム91と摩擦係合することにより、外側部材2内に保持される。内側部材3が外側部材2内に配置した状態になると、混合チャンバ134が、スカート部分80の外側に画成される。この混合チャンバ134が、調合前の飲料成分200を収容する。4つの入口36と5つの口部85とが互い違いに周方向に配置されることに留意されたい。内側部材3および外側部材2を相対的にどのように位置決めしても、4つの入口36および5つの口部85を用いることで確実にこの入口と口部との間に位置ずれが発生するため、この2つの部品の相対的径方向位置を組み立て時に決定または固定しなくてもよい。
【0086】
1種類以上の飲料成分がカートリッジの混合チャンバ134に詰められる。この混合チャンバ134内における飲料成分の包装密度は所望に応じて変更可能である。
【0087】
次に、上述した第1および第2の型式のように、ラミネート5を内側部材3および外側部材2に取り付ける。
【0088】
使用時、第1および第2の形式のカートリッジと同様に、水が4本のスロット36を通って混合チャンバ134に入る。この水が混合チャンバを通って径方向内側に押し込められ、そこに収容されている飲料成分と混ざり合う。この水の中に製品が溶解または混合され、混合チャン1134内で飲料が形成され、これが混合チャンバ134内の飲料および水の背圧により口部85を通って環状溝86へと押し流される。4つの入口36と5つの口部85とが互い違いに周方向に配置されることにより、水の噴射が入口スロット36から径方向に直接口部85内に入ることは、まず混合チャンバ134内で循環が発生しない限り、あり得ない。このため、製品の溶解または混合の程度および安定性は大幅に高まる。形成された飲料は、環状溝86内を上方向に押し上げられ、ストラット87間の口部89を通ってチャンバ90内に入る。次にチャンバ90から支持ウェブ49間の入口45を介して注ぎ口43に入り、出口44まで来ると、ここでカップなどの容器内に注がれる。このカートリッジを、粘稠液またはゲルの形態である飲料成分に適用できることがわかっている。一用途において、カートリッジ1内には、室温にて粘性が1700〜3900MPa、0℃にて5000〜10000MPaであり、屈折固形分が67±3ブリックスである液状チョコレート成分が収容される。別の用途において、カートリッジ1内には、室温にて粘性が70〜2000MPa、0℃にて80〜5000MPaであり、全固形分量が40から70%である液体コーヒーが入れられる。この液状コーヒー成分に、0.1〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%の重炭酸ナトリウムを含有させることができる。重炭酸ナトリウムは、コーヒーのpHレベルを4.8以下に維持して、コーヒーを充填したカートリッジの貯蔵寿命を最長12ヶ月にできるように作用するものである。
【0089】
本発明を具体化する第4の型式のカートリッジ1を図30から図34に示す。第4の型式のカートリッジ1は、濃縮液体牛乳などの液状製品の調合に用いるように特に設計されたものである。第4の型式のカートリッジ1に含まれる特徴は、その多くが第1から第3の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴を指す。以下の説明では、第4の型式と第1から第3の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0090】
外側部材2は、第3の型式のカートリッジ1の、図19から図23に示すものと同じである。
【0091】
内側部材3の円柱状漏斗40は、第2の型式のカートリッジ1に類似しているが、いくつかの点で異なる。図30に示すように、注ぎ口43は、上部円錐台形部分106と、下部円柱状部分107とを具えた形状である。この注ぎ口43の内面には3つの軸方向リブ105が設けられて、調合された飲料を下向きに出口44に方向付け、注がれた飲料が注ぎ口内で旋回しないようにしている。従って、リブ105はバッフルとして作用する。第2の型式のカートリッジ1と同様、空気入口71が環状フランジ47を貫通して設けられている。しかし、空気入口71の下のシュート75は、第2の型式の場合より細長くなっている。
【0092】
スカート部分80が、上述した第3の型式のカートリッジ1に示したものと同様に設けられている。5から12個の口部85がリム84内に設けられている。第3の型式のカートリッジ1では5個であったが、通常、10個の口部を設けている。
【0093】
スカート部分80のフランジ83から、これと一体となって延出する環状ボウル100が設けられている。この環状ボウル100は、上方口104を上向きに開いたフレア型本体101を具えている。図30および図31に示す4個の送り口部103が、この本体101内にて、スカート部分80と接合するボウル100の下方端部に、またはその近傍に配置されている。好ましくは、この送り口部をボウル100の周囲に等間隔で配置する。
【0094】
ラミネート5は、これまでの実施形態で説明したタイプのものである。
【0095】
第4の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第3の型式の組み立てと同様である。
【0096】
第4の型式のカートリッジ1の組み立て手順は、第3の型式の手順と同様である。
【0097】
第4の型式のカートリッジ1の操作は、第3の型式の操作と同様である。水が、第1から第3の形式のカートリッジと同様に、カートリッジ1および混合チャンバ134に入る。ここで、上述したように、水が液体製品と混ざり合い、これを希釈して、上述したように、ボウル100の下の口部85を通り、出口44に向けて押し出される。図34に示すように、環状ボウル100に当初含有される一定割合の液体製品は、混合チャンバ134に入った水によりすぐに希釈されるわけではない。混合チャンバ134の下方部分にある希釈された液体製品は、上方口104から環状ボウル100内に押し上げられるのではなく、口部85から出て行くことになる。従って、環状ボウル100内の液体製品は、混合チャンバ134の下方部分にある製品と比較して、操作サイクルの最初の段階ではまだ比較的濃縮状態を保っている。環状ボウル100内の液体製品は、重力を受けて送り口部103から、混合チャンバ134内にてボウル100の下で口部85を通過する製品流内へと滴下される。環状ボウル100は、一定量の濃縮液体製品を取り置き、操作サイクル中に、定期的に液体流路内にそれを注出することにより、円柱状漏斗40に入る希釈済み液体製品の濃度を平均化する作用をする。図35aに例示するように、これは約15秒の操作サイクル間における全固形分含有量の割合として測定された牛乳の濃度を示す。線aはボウル100を設けた場合の濃度分布を例示し、線bはボウル100を設けないカートリッジの場合を例示したものである。この図からわかるように、カップ100を設けた場合の濃度分布のほうが、操作サイクル中、均等であり、ボウル100を設けない場合には濃度の急激な大幅低下は起こらない。この牛乳の初期濃度は通常、30から35%SSであり、サイクル終了時にはこれが10%SSとなる。これによる希釈率はおよそ3倍であるが、本発明では1倍から6倍までの希釈率が可能である。他の液体飲料成分の場合、この濃度を変更することができる。例えば、液状チョコレートの場合、初期濃度はおよそ67%SSであり、サイクル終了時にはこれが12から15%SSとなる。これによる希釈率(調合飲料における飲料成分に対する水を含む媒質の比率)はおよそ5倍であるが、本発明では2倍から10倍までの希釈率が可能である。液体コーヒーの場合、初期濃度はおよそ40から67%SSであり、調合終了時にはこれが1から2%SSとなる。これによる希釈率はおよそ20倍から70倍であるが、本発明では10倍から100倍までの希釈率が可能である。
【0098】
こうした飲料は、圧力下で押し出されて、濾過チャンバ134およびチャンバ90に収集される飲料の背圧により、環状溝86から口部128を通過する。従って、飲料は口部128から噴射されて、注ぎ口43の上方端部が形成する膨張チャンバ内に押し出される。図34に示すように、この飲料噴射は、空気入口71上をそのまま通過する。飲料が注ぎ口43に入ると、飲料噴射の圧力が降下する。この結果、空気が空気入口71を介して引き込まれるのと同時に、その空気が飲料流内に多数の小さな気泡として混入される。口部128から出た飲料噴射は、下向きに流れて集まり、出口44まで来ると、ここでカップなどの入れ物内に注がれ、気泡が所望の泡立った外観を形成する。
【0099】
有利なことに、内側部材3,外側部材2,ラミネート5およびフィルタ4はすべて、別個の部品であり、個別に蛇行通路や細い隙間を含んでいないため、これらを容易に殺菌消毒することができる。必要な通路が形成されるのは、殺菌消毒後にこれらの部品を結合した時点である。これは、飲料成分が液状牛乳濃縮物などの乳を主材料とする製品である場合に特に重要である。
【0100】
飲料カートリッジの第4の実施形態は、液体牛乳などの濃縮した乳を主材料とする液体製品の調合に特に有利である。これまで、粉末牛乳製品は、小袋の形態で提供され、これを事前に調製した飲料に加えるようになっていた。しかしながら、カプチーノタイプ飲料の場合、牛乳を泡立てる必要がある。これは、液体牛乳製品に蒸気を通すことでこれまで実施されてきた。しかし、これには、蒸気調合用設備が必要であるため、この飲料の調合に用いる機械のコストならびに複雑度が増してしまう。また、蒸気を使用すると、カートリッジ操作時に怪我を負う危険性も高まる。従って、本発明は、濃縮した乳を主材料とする液体製品を中に有する飲料カートリッジを提供するものである。牛乳製品を濃縮した場合、新鮮な牛乳またはUHT牛乳と比較すると、特定容積の牛乳に対してより多くの量の泡立ちを生成できることがわかっている。これを利用すれば、牛乳用カートリッジに必要なサイズが縮小される。新鮮な半脱脂牛乳は、およそ1.6%の脂肪分および10%の全固形分を含む。本発明による濃縮液体牛乳調製物は、0.1から12%の脂肪分および25から40%の全固形分を含む。一典型的実施例では、この調製物は4%の脂肪分および30%の全固形分を含む。この濃縮牛乳調製物は、以下に記載するように低圧調製機による泡立てに適している。具体的に言えば、この牛乳の泡立てを、上述した第4の実施形態のカートリッジを用い、2バール未満、好ましくはおよそ1.5バールの圧力で行う。
【0101】
濃縮牛乳を泡立てることは、カプチーノおよびミルクセーキなどの飲料に特に都合がよい。好ましくは、牛乳を口部128から空気入口71上に通過させ、任意にボウル100を用い、牛乳の40%を超える量、好ましくは70%を超える量を泡立てられるようにする。液状ココアの場合、70%を超える量の泡立てが可能である。液状コーヒーの場合、70%を超える量の泡立てが可能である。泡立ち度は、調合した液体飲料成分の容積に対して生成された泡沫容積の比率として測定される。例えば、138.3mlの飲料が調合され、そのうちの58.3mlが泡立った場合、泡立ち度は、[58.3/(138.3−58.3)]×100=72.9%となる。この牛乳(および他の液体成分)の泡立ち度は、図35bでわかるように、ボウル100を設けることで高められる。ボウル100を設けて調合した牛乳の泡立ち度(線a)は、ボウルを設けずに調合した牛乳の泡立ち度(線b)よりも高くなっている。これは、牛乳の泡立ち度が牛乳の濃度に正比例し、図35aに示すように、ボウル100が操作サイクルの大半で牛乳の濃度を高く維持するためである。また、牛乳の泡立ち度は、図35cに示すように、水を含む媒質の温度に正比例することも知られている。従って、水を含む媒質が最も高温である操作サイクルの終了近くまで、より多くの牛乳がカートリッジ内に残るため、ボウル100を設けると有利となる。これにより、さらに泡立ち度が改良される。
【0102】
第4の実施形態のカートリッジも、液状コーヒー製品の調合に有利である。
【0103】
有利なことに、本発明によるこの実施形態の飲料カートリッジは、従来技術によるカートリッジと比較して調合された飲料の安定性を改良できることがわかっている。以下に示す表1を参照すると、焙煎して挽いたコーヒーを収容するカートリッジAおよびカートリッジBそれぞれについて、20試料を煎出して得られた収率が示されている。カートリッジAは、本発明の第1の実施形態による飲料カートリッジである。カートリッジBは、本願出願人による特許文献1に記載された従来技術による飲料カートリッジである。煎出した飲料の屈折率をブリックス度で測定し、これを、標準表および式を用いて溶解性固形分の比率(%SS)に変換する。以下の実施例において、
%SS=0.7774×(ブリックス度値)+0.0569
%収率=(%SS×煎出量(g))/(100×コーヒー重量(g))
である。
【0104】
【表1−1】
【0105】
【表1−2】
【0106】
上記データについてt検定統計分析を行ったところ、以下の結果を得た。
【0107】
【表2】
【0108】
この分析から、煎出濃さに匹敵する収率の安定性は、標準偏差が0.88%であった本発明によるカートリッジについて、従来技術によるカートリッジの標準偏差2.24%と比較すると、より大幅に高かった(95%の信頼水準)ことがわかる。これは、本発明によるカートリッジにより煎出した飲料の濃さのほうが、再現可能かつ均一であるということである。これは、同じ飲料を何度も味わいたく、その煎出濃さを恣意に変更したくない消費者に好ましい。
【0109】
上述したカートリッジの材料にバリアコーティングを施し、酸素および/または湿気および/または他の汚染侵入物に対する防御性を改良してもよい。このバリアコーティングを施すと、カートリッジからの飲料成分の漏れに対する耐性を改良し、および/または飲料成分に悪影響を与えかねないカートリッジ材料からの抽出物滲出の程度を抑えることができる。バリアコーティングの材料を、PET,ポリアミド,EVOH,PVDCまたは金属化材料からなる群から選択することができる。バリアコーティングの適用には、いくつかの機構が利用可能であり、その例として、これらに限定するものではないが、蒸着,真空蒸着,プラズマコーティング,共押出加工,インモールドラベリングおよび二段/多段成形が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】第1および第2の実施形態であるカートリッジの外側部材を示す断面図である。
【図2】図1の外側部材の詳細を示す断面図であり、内側向きの円柱状延出部を示している。
【図3】スロットを示す、図1の外側部材の詳細を示す断面図である。
【図4】図1の外側部材を上から見た斜視図である。
【図5】図1の外側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図6】図1の外側部材を上から見た平面図である。
【図7】第1の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図8】図7の内側部材を上から見た斜視図である。
【図9】図7の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図10】図7の内側部材を上から見た平面図である。
【図11】組み立てた状態である第1の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図12】第2の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図13】口部を示す、図12の内側部材の詳細を示す断面図である。
【図14】図12の内側部材を上から見た斜視図である。
【図15】図12の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図16】図12の内側部材を示す別の断面図である。
【図17】空気入口を示す、図12の内側部材の別の詳細を示す断面図である。
【図18】組み立てた状態である第2の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図19】本発明による第3および第4の実施形態であるカートリッジの外側部材を示す断面図である。
【図20】図19の外側部材の詳細を示す断面図であり、内側向きの円柱状延出部を示している。
【図21】図19の外側部材を上から見た平面図である。
【図22】図19の外側部材を上から見た斜視図である。
【図23】図19の外側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図24】第3の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図25】図24の外側部材を上から見た平面図である。
【図26】内向き上方リムを示す、図24の内側部材の詳細を示す断面図である。
【図27】図24の内側部材を上から見た斜視図である。
【図28】図24の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図29】組み立てた状態である第3の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図30】第4の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図31】図30の内側部材を上から見た平面図である。
【図32】図30の内側部材を上から見た斜視図である。
【図33】図30の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図34】組み立てた状態である第4の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図35a】操作サイクル時間に対する濃度を示すグラフである。
【図35b】操作サイクル時間に対する泡立ち度を示すグラフである。
【図35c】操作サイクル時間に対する温度を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調製するためのカートリッジおよび方法に関し、特に実質的に空気および水を通さない材料にて形成され、飲料の調製用に1種類以上の成分を収容する密封カートリッジを用いたものである。
【背景技術】
【0002】
空気を通さない個包装体内に飲料調製成分を密封することが、これまで提案されてきた。例えば、挽いたコーヒーを圧縮して収容するカートリッジやカプセルは、一般に「エスプレッソ」マシンと呼ばれる特定のコーヒー調製機にて使用するものとして知られている。こうした調製機を用いたコーヒーの製造では、コーヒーカートリッジが煎出チャンバ内に配置され、湯がこのカートリッジを比較的高い圧力で通過することにより、挽かれたコーヒーから薫り高いコーヒー成分が抽出されてコーヒー飲料を生成する。通常、こうした機械は、6×105Paを超える圧力で動作する。このタイプの調製機は、これに含まれる水ポンプおよびシールなどの部品が高圧に耐えられるものでなければならないため、今まで比較的高価であった。
【0003】
特許文献1には、概して0.7から2.0×105Paで動作する飲料調製用カートリッジが記載されている。しかしながら、このカートリッジは、商業または工業市場用飲料調製機にて使用する設計となっており、比較的高価である。従って、カートリッジおよび飲料調製機が、特に、価格,性能および信頼性の面で家庭向け市場に適したものとなっている飲料調製用カートリッジが必要である。
【0004】
乳を主材料とする飲料成分を粉末や他の乾燥形態でカートリッジ内に入れることが知られている。しかし、消費者の意見は一貫して、こうした粉末状の乳を主材料とする製品を使うと、最終的に得られる飲料の味,色および口当たりが劣るものになるというものである。さらに、乳製品が粉末状では、カプチーノタイプ飲料に消費者が望むように、本物の外観を有して泡立った、乳を主成分とする泡立ての生成にこれを使用することはできない。数多くの飲料調製機には、一定量の牛乳を泡立てるためのスチームワンドまたはこれに類似したものが備えられている。しかし、スチームワンドを追加すると、その機械の価格が上がり、蒸気を発生させる手段も必要となる。スチームワンドは手動で操作しなければならないため、うまく扱うには経験が必要である。さらに、蒸気を使用するため、消費者がその蒸気か機械の高温部品かの何れかで火傷を負う危険がある。その上、消費者は、機械とは別に牛乳を絶えず利用可能な状態に保たなければならない。
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/58786号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第0389141号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0334572号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるカートリッジは、飲料製品の形成に適した1種類以上の液体飲料成分を収容する。この飲料製品として、例えば、コーヒー,茶,チョコレートまたは牛乳を含む乳を主材料とする飲料の1種類が挙げられる。
【0007】
本明細書内で言う用語「カートリッジ」は、上述した方式で1種類以上の飲料成分を収容するあらゆる包装,容器,小袋または入れ物を意味するものであることを理解されたい。このカートリッジは、剛性でも、半剛性でも、可撓性でもよい。
【0008】
都合が良いことに、液体飲料成分は粉末製品から調製される飲料と比較すると、見た目,味および舌触りにおいて優れた飲料をもたらす。この液体飲料はまた、カプチーノタイプの泡を作り出すために飲料調製機によって泡立たせることもできる。液体飲料成分を含むカートリッジは、固体または可溶性飲料成分を含むカートリッジと同じ飲料調製機にて使用することができる。泡立てを行うために独立したワンドまたは蒸気供給は必要ではない。
【0009】
従って、一形態において、本発明は飲料調製機で用いるカートリッジを提供し、このカートリッジは1種類以上の飲料成分を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、1種類以上の飲料成分が液体チョコレート成分である。
【0010】
カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口と、液体チョコレート成分から作られる飲料を出すための出口とを具えている。
【0011】
液体チョコレート成分が好ましくは濃縮されている。濃縮した液体の使用は、大量の飲料を調合することを可能にする。液体チョコレート成分は40%以上の全固形分を含むことができる。液体チョコレート成分は全固形分を70から95%含むことができる。
【0012】
液体チョコレート成分は全固形分を約90%含むことができる。
【0013】
液体チョコレート成分がゲル状であってよい。
【0014】
液体チョコレート成分は室温で70から3900MPaの粘度を有することができる。この液体チョコレート成分は室温で1700から3900MPaの粘度を有することができる。
【0015】
特に、液体チョコレート成分がココア固形分を含むことができる。この液体チョコレート成分はココア全固形分を50から80%含むことができる。液体チョコレート成分はココア全固形分を60から70%含むことができる。
【0016】
本発明のこの形態はまた、1操作サイクル中に1種類以上の液体チョコレート成分が入ったカートリッジから飲料を調合する方法を提供し、この方法は、1種類以上のチョコレート成分の希釈により飲料を形成するようにカートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、飲料を容器へと調合するステップとを具えており、1種類以上の液体チョコレート成分が2対1から10対1の割合で希釈される。
【0017】
この方法は、飲料を泡立たせるための手段に対して飲料を通過させるステップをさらに具えることができる。その泡立ち度は70%以上である。この泡立ち度は、元の液体飲料の体積に対し、作られた泡の体積の割合として測定される。泡立ては、カプチーノおよびミルクセーキの如き飲料を調合するのに特に好都合である。
【0018】
本発明の別な形態は、飲料調製機で用いるカートリッジを提供し、このカートリッジは1種類以上の飲料成分を含み、実質的に空気および水を通さない材料から形成され、1種類以上の飲料成分が液体牛乳成分である。
【0019】
このカートリッジは、水を含む媒質をカートリッジに入れるための入口と、液体牛乳成分から作られる飲料を出すための出口とを具えることができる。
【0020】
液体牛乳成分を濃縮させることができる。濃縮液体の使用は、大量の飲料を調合することを可能にする。液体牛乳成分は25から40%の全固形分を含むことかできる。液体牛乳成分は30%の全固形分を含むことができる。
【0021】
液体牛乳成分は室温にて70から3900MPaの粘度を有することができる。
【0022】
前記液体牛乳成分は0.1から12%の脂肪を含むことができる。
【0023】
本発明のこの形態はまた、1操作サイクル中に1種類以上の液体牛乳成分が入ったカートリッジから飲料を調合する方法を提供し、この方法は、前記1種類以上の液体成分を希釈することによって飲料を形成するようにカートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、飲料を容器へと調合するステップとを具え、1種類以上の液体牛乳成分が1対1から6対1の割合で希釈される。
【0024】
1種類以上の液体牛乳成分を3対1位の割合で希釈することができる。
【0025】
この方法は、飲料泡立て手段に対して飲料を通過させるステップをさらに具えることができ、その泡立ち度が40%以上である。
【0026】
本発明の別な形態は、飲料調製機にて用いるカートリッジを提供し、このカートリッジは、1種類以上の飲料成分を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、1種類以上の飲料成分が液体コーヒー成分である。
【0027】
カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れる入口と、液体コーヒー成分から作られる飲料を出すための出口とを具えることができる。
【0028】
液体コーヒー成分を濃縮することができる。濃縮液体の使用は、大量の飲料を調合することを可能にする。この液体コーヒーは40から70%の全固形分を含むことができる。液体コーヒーは55から67%の全固形分を含むことができる。
【0029】
液体コーヒー成分は、重炭酸ナトリウムを含むことができる。このコーヒー成分は、0.1から2.0重量%の重炭酸ナトリウムを含むことができる。カートリッジは0.5から1.0重量%の重炭酸ナトリウムを含むことができる。
【0030】
液体コーヒー成分は、室温にて70から3900MPaの粘度を有することができる。この粘度は室温にて70から2000MPaの粘度を有する。
【0031】
本発明のこの形態はまた、1操作サイクル中に1種類以上の液体コーヒー成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法を提供し、この方法は、1種類以上の液体コーヒー成分の希釈により飲料を形成するようにカートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、飲料を容器へと調合するステップとを具え、1種類以上の液体コーヒー成分が10対1から100対1の割合で希釈される。
【0032】
1種類以上の液体コーヒー成分を20対1から70対1の割合で希釈することができる。
【0033】
この方法は、飲料泡立て手段に対して飲料を通過させるステップをさらに具えることができ、この泡立ち度は70%以上である。
【0034】
本発明の別な形態は、飲料調製機で用いるカートリッジを提供し、このカートリッジは1種類以上の飲料成分を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、1種類以上の飲料成分がスープ,果汁,風味付け牛乳,炭酸飲料,ソースまたはデザートの何れかである。
【0035】
このカートリッジは、水を含む媒質をカートリッジに入れるための入口と、1種類以上の飲料成分から作られた飲料を出すための出口とを具えることができる。
【0036】
本発明のすべての形態に関し、カートリッジは外側部材と、この外側部材との組み立てに際して結合される内側部材とを具えることができる。スナップ止め構造がこのカートリッジの組み立てに際して外側部材および内側部材を接合するために与えられることができる。
【0037】
カートリッジは、飲料の噴射を行うための手段をさらに具えることができ、飲料の噴射を行うための前記手段は、その飲料通路に開口を具えている。
【0038】
カートリッジは、少なくとも1つの空気の入口と、飲料の噴射の圧力降下を起こさせるための手段とをさらに具えることができ、これにより使用中に少なくとも1つの空気入口からの空気が複数の小泡として飲料に混ぜられる。
【0039】
本発明はまた、任意の上述した方法により製造されるような飲料も記述している。
【0040】
以下の説明において、用語「上方」,「下方」およびその等価の用語を、本発明の特徴要素の相対的位置付けを説明するために用いる。用語「上方」,「下方」およびその等価用語を、例えば図4に示すように、飲料調製機に挿入して引き続き調合を行う、普通の方向にあるカートリッジ(または他の部品)に対して指すものと理解すべきである。具体的に言えば、「上方」および「下方」は、カートリッジの頂面11からより近い相対的位置、またはより遠い相対的位置をそれぞれ指す。また、用語「内側」,「外側」およびその等価用語も、以下、本発明の特徴要素の相対的位置付けを説明するために用いる。この用語「内側」,「外側」およびその等価用語を、カートリッジ1(または他の部品)の中心または長軸Xからより近いまたはより遠い、カートリッジ(または他の部品)内での相対的位置付けをそれぞれ指すものと理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の実施形態を添付の図面を参照しつつ単なる例示により以下に説明する。
【0042】
図11に示すように、カートリッジ1は、外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5とを概ね具えている。外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5とを組み合わせると、1種類以上の飲料成分を収容するための内部120と、入口121と、出口122と、入口121から出口122までをつないで内部120を貫通する飲料流路とを有するカートリッジ1が形成される。入口121および出口122は、当初はラミネート5で密封されているが、使用時に、このラミネート5を穴あけまたは切断することにより開口される。飲料流路は、以下で説明するように、外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5との間の空間的相互関係により画成される。この他にも、以下でさらに説明するように、フィルタ4などの部品を任意にカートリッジ1に含めることができる。
【0043】
次に予備知識として説明する第1の型式のカートリッジ1を、図1から図11に示す。第1の型式のカートリッジ1は、焙煎して挽いたコーヒーやリーフティなどの濾過製品の調合に使用するように特に設計されたものである。しかし、この型式のカートリッジ1および以下で説明する他の型式のものを、チョコレート,コーヒー,茶,甘味料類,強壮剤類,調味料類,アルコール飲料類,風味付け牛乳,果汁類,スカッシュ類,ソース類およびデザート類などの他の製品に使用することも可能である。
【0044】
図5からわかるように、カートリッジ1の全体形状は、その直径が高さより大幅に大きい略円形またはディスク形状である。長軸Xは、図1に示すように、外側部材の中心を通っている。通常、外側部材2の直径全体は74.5mm±6mmであり、高さ全体は16mm±3mmである。通常、このカートリッジ1の容積は30.2ml±20%である。
【0045】
外側部材2は、湾曲した環状壁13を有するボウル形状のシェル10と、閉じた頂部11と、開いた底部12とを概ね具えている。閉じた頂部11から開いた底部12にかけて環状壁13が広がっているため、外側部材2の直径は、その頂部11にて、底部12の直径に比較して小さくなっている。環状壁13と閉じた底部11とが共に、内部34を有する入れ物を画成している。
【0046】
中空で内側向きの円柱状延出部18が、長軸Xを中心として閉じた頂部11に設けられている。図2でさらによくわかるように、円柱状延出部18は、第1,第2および第3の部分19,20および21を有する階段状の輪郭形状を具えている。第1の部分19は直円柱状である。第2の部分20は、円錐台形状であり、内側に先細りになっている。第3の部分21は、もう1つの直円柱であり、下方面31により閉じられている。第1,第2および第3の部分19,20および21の直径は、円柱状延出部18の頂部11から閉じた下方面31にかけて、円柱状延出部18の直径が狭まるように、段階的に小さくなっている。略水平な肩32が、第2の部分20と第3の部分21との間の結合部分にて円柱状延出部18に形成されている。
【0047】
外向きに延出する肩33が、底部12に向けて外側部材2に形成されている。この外向きに延出する肩33が、環状壁13と同軸である副次的壁15を形成し、これにより、副次的壁15と環状壁13との間にマニホルド16を形成する環状トラックを画成するようになっている。マニホルド16は、外側部材2の周囲をめぐって通っている。一連のスロット17が、環状壁13にマニホルド16と同じ高さで設けられており、これにより、マニホルド16と外側部材2の内部34との間が気体および液体連通した状態となる。図3に示すように、スロット17は、環状壁13に形成された垂直スリットを含む。20から40本のスリットを設けている。図示した実施形態では、37本のスロット17が、ほぼ等間隔でマニホルド16の周囲に設けられている。スロット17を、好ましくは、1.4から1.8mmの長さとする。通常、各スロットの長さは、外側部材2の高さ全体の10%である1.6mmである。各スロットの幅は、0.25から0.35mmである。通常、各スロットの幅は0.3mmである。スロット17の幅を十分に狭くして、保管時および使用時の何れにおいても飲料成分がマニホルド16内に通過してしまわないようにする。
【0048】
入口チャンバ26が外側部材2の周囲にて外側部材2内に形成されている。図5で最もよくわかるように、円柱状壁部27が設けられており、これが外側部材2の内部34に入口チャンバ26を画成し、同時に入口チャンバ26を外側部材2の内部34から仕切っている。この円柱状壁部27は、長軸Xに垂直な1平面上に形成された閉じた上方面28と、外側部材2の底部12と同平面上にある開いた下方端部29とを有する。入口チャンバ26は、図1に示すように、2本のスロット30を介してマニホルド16と連通している。別な方法として1から4本のスロットを用い、マニホルド16と入口チャンバ26との間を連通させてもよい。
【0049】
外向きに延出する肩33の下方端部には、長軸Xに垂直に外向きに延出するフランジ35が設けられている。通常、このフランジ35の幅は2から4mmである。フランジ35の一部が、外側部材2の保持によってハンドル24を形成するように、拡張されている。ハンドル24には、掴みやすくするために先を上向きにしたリム25が設けられている。
【0050】
外側部材2は、高密度ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリエステルまたはこれらの2種以上の積層体から単一部品として形成される。これに適したポリプロピレンは、DSM UK Limited (Redditch 英国) から入手可能な一連のポリマー類である。この外側部材は、不透明でも、透明でも、半透明でもよい。この製造処理を射出成形とすることができる。
【0051】
図7から図10に示すように、内側部材3は、環状フレーム41と、下向きに延出する円柱状漏斗40とを具えている。図7に示すように、長軸Xは内側部材3の中心を通っている。
【0052】
図8で最もよくわかるように、環状フレーム41は、外側リム51と、等間隔で設けられた10本の径方向スポーク53で接合されている内側ハブ52とを具えている。内側ハブ52は円柱状漏斗40と一体であり、かつ円柱状漏斗40から延出している。濾過口部55が、径方向スポーク53の間で環状フレーム41内に形成されている。この濾過口部55をカバーするように、フィルタ4が環状フレーム41上に配置されている。このフィルタを不織繊維材料であるポリエステルなど、湿潤強さの高い材料で製造することが好ましい。この他に使用可能な材料として、織紙繊維を含むセルロース材料などの水分不透過性セルロース材料が挙げられる。この織紙繊維をポリプロピレン,ポリ塩化ビニルおよび/またはポリエチレンの繊維と混合させることができる。こうしたプラスチック材料をセルロース材料内に組み合わせると、このセルロース材料がヒートシール可能なものとなる。フィルタ4を、熱および/または圧力で活性化される材料で処理またはコーティングし、熱および/または圧力により環状フレーム41に対してシールできるようにしてもよい。
【0053】
図7の断面輪郭形状に示すように、内側ハブ52は外側リム51より下の位置に配置されるため、環状フレーム41の輪郭形状が下方に傾斜したものとなる。
【0054】
各スポーク53の上面には、直立型ウェブ54が設けられている。このウェブは、環状フレーム41上方の孔空間を複数の通路57に分割する。各通路57はウェブ54により分割された両側と、フィルタ4の下面とにその境界を接した状態となる。通路57は外側リム51から下方に円柱状漏斗40に向けて延在し、ウェブ54の内側末端部により画成される開口56にて円柱状漏斗40に開いている。
【0055】
円柱状漏斗40は、内側注ぎ口43を取り囲む外側チューブ42を具えている。この外側チューブ42が円柱状漏斗40の外面を形成している。注ぎ口43はその上方端部にて外側チューブ42に、環状フランジ47によって接合されている。注ぎ口43は、その上方端部に位置して通路57の開口56と連通する入口45と、その下方端部に位置し、調製済み飲料を通過させてカップや他の入れ物内に注ぐ出口44とを具えている。注ぎ口43は、その上方端部に円錐台形部分48を、またその下方端部に円柱状部分58を具えている。この円柱台形部分58にわずかに先細る部分を設け、出口44に向けて幅を細めてもよい。円錐台形部分48を設けることにより、飲料に乱流を起こすことなく、飲料を通路57から出口44に向けて下向きに流動させやすくなる。円錐台形部分48の上面には、円柱状漏斗40の周囲に等間隔で位置する支持ウェブ49が設けられている。この支持ウェブ49の間に複数の溝50が画成される。支持ウェブ49の上縁部は互いに同じ高さであり、長軸Xに垂直である。
【0056】
内側部材3を、上述したように、外側部材2と同様、ポリプロピレンまたはこれに類似した材料から射出成形により単体ピースとして形成することができる。
【0057】
別法として、内側部材3および/または外側部材2を、生分解性ポリマーで製造してもよい。これに適した材料の例として、分解性ポリエチレン(例えば、英国 Borehamwood の Symphony Environmental 製 SPITEK),生分解性ポリエステルアミド(例えば、Symphony Environmental 製 BAK1095),ポリ乳酸(米国ミネソタ州 Cargil 製PLA),デンプン系ポリマー,セルロース誘導体およびポリペプチドが挙げられる。
【0058】
ラミネート5は、アルミニウムによる第1の層と、無延伸ポリプロピレンによる第2の層との2層から形成される。このアルミニウム層は0.02から0.07mmの厚さである。無延伸ポリプロピレン層は0.025から0.065mmの厚さである。一実施形態において、アルミニウム層は0.06mmの厚さであり、ポリプロピレン層は0.025mmの厚さである。このラミネートは、組み立て時の巻き込みに高い抵抗を有するため、特に有利である。このため、ラミネート5を、歪みを発生させることなく、正しいサイズおよび形状に事前に切断しておき、その後製造ラインの組み立てステーションに移送することができる。従って、このラミネート5は溶接に特に適している。他のラミネート材料も使用可能であり、その例として、PET/アルミニウム/PP,PE/EVOH/PP,PET/金属被覆/PPおよびアルミニウム/PPラミネートが挙げられる。打ち抜き加工製品ではなく、ロールラミネート製品を用いてもよい。
【0059】
カートリッジ1を、可撓性のラミネートではなく、剛性または半剛性の蓋で閉じてもよい。
【0060】
カートリッジ1の組み立ては、
a)内側部材3を外側部材2に挿入するステップと、
b)フィルタ4を決まった形状に切断して内側部材3上に配置し、円柱状漏斗40上で受け、環状フレーム41に対向する位置にくるようにするステップと、
c)内側部材3,外側部材2およびフィルタ4を超音波溶接で接合するステップと、
d)このカートリッジ1に1種類以上の飲料成分を充填するステップと、
e)ラミネート5を外側部材2に取り付けるステップと
を具えている。
【0061】
上記ステップについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0062】
外側部材2を、その開いた底部12を上向きにして方向付ける。次に、内側部材3をその外側部材2内に挿入し、外側リム51がカートリッジ1の頂部11において軸方向延出部14内に遊合状態で受けられるようにする。これと同時に、外側部材2の円柱状延出部18が、内側部材3の円柱状漏斗40の上方部分内に受けられる。円柱状延出部18の閉じた下方面31が内側部材3の支持ウェブ49に当たった状態で、円柱状延出部18の第3の部分21が円柱状漏斗40内に納まる。次に、フィルタ4を、フィルタ材料が環状リム51に接触するように、内側部材3上に配置する。超音波溶接処理により、このフィルタ4を内側部材3に接合し、同時に同一処理ステップにおいて、内側部材3を外側部材2に接合する。内側部材3およびフィルタ4を外側リム51に沿って溶接する。内側部材3および外側部材2は、外側リム51およびウェブ54の上方縁部に沿って接合線により接合する。
【0063】
図11で最もよくわかるように、外側部材2および内側部材3を互いに接合すると、環状フランジ41の下方かつ円柱状漏斗40の外側に、内部120内の孔空間130ができ、これが濾過チャンバとなる。この濾過チャンバ130と環状フレーム41上方の通路57とを、濾紙4が隔てる。
【0064】
濾過チャンバ130には1種類以上の飲料成分200が収容される。1種類以上の飲料成分は、濾過チャンバ130内に包装される。濾過式飲料の場合、この成分は通常、焙煎して挽いたコーヒーまたはリーフティである。濾過チャンバ130内の飲料成分の包装密度は、所望に応じて変更可能である。通常、濾過式コーヒー製品の場合、この濾過チャンバには、通常5から14mm厚さの濾過床に5.0から10.2グラムの焙煎して挽いたコーヒーが収容される。任意に、内部120に、その中で自由に移動できるため、飲料を注ぐ時点で乱流を起こし、その飲料成分の沈殿物を砕いて混合しやすくする球体などの1種類以上の物体を入れてもよい。
【0065】
次に、ラミネート5を外向きに延出するフランジ35の下面に接合するためにラミネート5の周囲に溶接部126を形成することにより、ラミネート5を外側部材2に取り付ける。ラミネート5が入口チャンバ26の円柱状壁部27の下方縁部に対してシールされるように、溶接部126を延在させる。さらに、この溶接部125を、ラミネート5と円柱状漏斗40の外側チューブ42の下方縁部との間に形成する。このラミネート5が、濾過チャンバ130の下方壁となり、かつ入口チャンバ26および円柱状漏斗40を密封する。ただし、ラミネート5と注ぎ口43の下方縁部との間には、調合前に小さな隙間123ができるようになっている。ラミネート5の材料特性に応じて、熱および超音波溶接など、様々な溶接方法が使用可能である。
【0066】
有利なことに、外側部材2とラミネート5との間に内側部材3がある。この内側部材3を、ポリプロピレンなどの比較的硬い材料で形成する。これにより、内側部材3は、カートリッジ1が圧縮されてもラミネート5と外側部材2との間に空間を保つように作用する荷重受け部材となる。使用時、カートリッジ1の受ける圧縮荷重を130から280Nとすると好ましい。この圧縮力は、カートリッジが内部加圧下で破損することを防ぐ作用をすると同時に、内側部材3および外側部材2を互いに寄せる役割を果たす。これにより、確実に、カートリッジ1内の通路および口部の内側寸法が固定され、カートリッジ1が加圧されても変化しなくなる。
【0067】
このカートリッジ1を使用するには、まず、これを飲料調製機内に挿入し、入口121および出口122を、ラミネート5を穿孔してこれを折り畳む飲料調製機の穴開け部材により開ける。通常は水である、圧力下にある水を含む媒質を、0.1から2.0バールの圧力でカートリッジ1に入れ、入口121から入口チャンバ26内へ通す。ここから、水はスロット30を通過してマニホルド16を回り、複数のスロット17を介してカートリッジ1の濾過チャンバ130内に入る。この水は、濾過チャンバ130を介して径方向内側に押し入れられ、そこに収容されている飲料成分200と混ざり合う。この水は同時に、その飲料成分内を通って上側に押し上げられる。水がこのように飲料成分内を通過することで形成された飲料は、フィルタ4および濾過口部55を通過し、環状フレーム41上方に位置する通路57内に入る。フィルタ4がスポーク53にシールされ、リム51が外側部材2に溶接されており、他の出口がまったくない状態であるため、この飲料すべてが確実にフィルタ4を通過する。
【0068】
次に、この飲料はウェブ54間に形成された径方向通路57に沿って下向きに流動し、開口56を通過して円柱状漏斗40内に入る。続いて、溝50に沿って支持ウェブ47間を通過し、注ぎ口43から下の出口44に落ち、これにより、この飲料はカップなどの入れ物内に注がれる。
【0069】
好ましくは、飲料調製機に空気パージ性能を含めて、操作サイクルの終了時に圧縮空気をカートリッジ1内に押し入れることにより、残留飲料をその容器内に流し出す。
【0070】
次に、図12から図18を参照しながら、基本情報として第2の型式のカートリッジ1について説明する。第2の型式のカートリッジ1は、クレマとして知られる細かい気泡の泡立ちを有する飲料を生成することが望ましい、焙煎して挽いたコーヒーなどのエスプレッソタイプの製品の調合に使用するように特に設計されたものである。第2の型式のカートリッジ1が備える特徴は、その多くが第1の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴を指している。以下の説明では、第1の型式と第2の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0071】
外側部材2の構造は、第1の型式のカートリッジ1が備え、図1から図6に示すものと同じである。
【0072】
内側部材3の環状フレーム41は、第1の型式のものと同じである。また、フィルタ4が、濾過口部55をカバーするように、環状フレーム41上に配置されている。円柱状漏斗40の外側チューブ42も、第1の場合と同様である。ただし、第2の型式の内側部材2には、第1の型式の場合と比較していくつか相違点がある。図16に示すように、注ぎ口43に、出口44から注ぎ口43に向けて一部延出する仕切り65が設けられている。この仕切り65を設けることにより、飲料が注ぎ口43を出る際に飛沫の発生および/または飛散を防止しやすくなる。注ぎ口43の輪郭形状も異なっており、この注ぎ口43は、チューブ43の上方端部近傍で明確な屈曲部66を持つ階段状輪郭形状を具えている。
【0073】
リム67が、環状フランジ47から直立して設けられ、外側チューブ42と注ぎ口43とを接合している。このリム67は入口45から注ぎ口43までを取り囲み、リム67と外側チューブ42の上方部分との間に環状溝69を画成する。リム67には、内向きの肩68が設けられている。リム67の周囲の一箇所に、口部70がスロットの形態で設けられており、このスロットは、図12および図13で最もよくわかるように、リム67の上方縁部から肩68の高さよりも僅かに下の箇所まで延在するものである。このスロットの幅は0.64mmである。
【0074】
図16および図17に示すように、環状フランジ47には、口部70と周方向に位置合わせされた空気入口71が設けられている。この空気入口71は、外側チューブ42と注ぎ口43との間でフランジ47の上方箇所とフランジ47の下方の孔スペースとを流通させるように、フランジ47を貫通する口部を含む。好ましくは、図示のように、空気入口71に、上部円錐台形部分73と下部円柱状部分72とを具えている。空気入口71は通常、ピンなどの成形工具により形成される。空気入口71を先細り輪郭形状にすると、成形工具を成形成分から取り出しやすくなる。空気入口71に近位である外側チューブ42の壁を、空気入口71から注ぎ口43の入口45へとつながるシュート75を形成する形状とする。図17に示すように、空気入口71とシュート75との間に斜めの肩74が形成され、スロット70から噴射される飲料が、空気入口71のごく近位にあるフランジ47の上面を直接汚さないようにしている。
【0075】
第2の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第1の型式の組み立てと同様である。しかし、いくつかの相違点もある。図18に示すように、円柱状延出部18の第3の部分21は、支持ウェブに対してではなく、支持リム67内に納まる。第2の部分20と第3の部分21との間に位置する円柱状延出部18の肩32は、内側部材3の支持リム67が含む上方縁部に当たる。このようにして、内側部材3と外側部材2との間に、カートリッジ1の周囲のほぼ全体に延び、円柱状延出部18と支持リム67との間の面シールを含む界面ゾーン124が形成される。ただし、支持リム67に形成されたスロット70が支持リム67を貫通して肩68のわずか下方の箇所まで下向きに延在しているため、円柱状延出部18と支持リム67との間のシールは流体密封ではない。従って、円柱状延出部18と支持リム67との間が界面嵌合することにより、スロット70が口部128へと変化し、環状溝69と注ぎ口43との間を気体および液体連通させている。この口部は通常、その幅が0.64mm、長さが0.69mmである。
【0076】
第2の型式のカートリッジ1で飲料を調合する操作は、第1の型式と同様であるが、いくつかの点で異なっている。径方向通路57内の飲料は、ウェブ54間に形成された通路57を下向きに流動し、開口56から円柱状漏斗40の環状溝69内に入る。環状溝69内に入った後、この飲料は、濾過チャンバ130および通路57内に収集した飲料の背圧により、圧力下で口部128から押し出される。従って、飲料は口部128から噴射され、注ぎ口43の上方端部が形成する膨張チャンバ内に押し出される。図18に示すように、この飲料噴射は、空気入口71上をそのまま通過する。飲料が注ぎ口43に入ると、飲料噴射の圧力が降下する。この結果、空気が空気入口71を介して引き込まれるのと同時に、その空気が飲料流内に多数の小さな気泡として混入される。口部128から出た飲料噴射は、下向きに流れて集まり、出口44までくると、ここでカップなどの容器内に注出され、気泡が所望のクレマとなる。従って、口部128および空気入口71が共に、空気を飲料内に取り込むように作用するエダクタとなる。このエダクタ内への飲料の流動をできる限り滑らかに保ち、圧力損失を低減しなければならない。そのためには有利なことに、エダクタの壁部を凹形表面に製造し、「壁面効果」摩擦による損失を低減しなければならない。口部128の寸法公差は小さい。好ましくは、この口部サイズを0.02mm2前後に定める。毛状物,繊維または他の表面凹凸をエダクタ内、またはエダクタの出口近傍に設け、空気の取り込み量を増加させることがわかっている有効領域を増加してもよい。
【0077】
本発明による第3の型式のカートリッジ1を図19から図29に示す。第3の型式のカートリッジ1は、粉末,液体,シロップ,ゲルまたはこれに類似の形態でよい溶解性製品の調合に使用するように特に設計されたものである。この溶解性製品は、使用時にカートリッジ1内を水などの水を含む媒質が通過すると、この水を含む媒質により溶解または懸濁液を形成する。この飲料例として、ココア固形分,コーヒー,牛乳,茶,スープまたはこの他の水を加えて元に戻す製品や水溶解性製品が挙げられる。第3の型式のカートリッジ1が備える特徴は、その多くが第1および第2の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴を指している。以下の説明では、第3の型式と第1の型式および第2の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0078】
第1および第2の型式の外側部材2と比較すると、図20に示すように、第3の型式の外側部材2に含まれる中空で内向きの円柱状延出部18の直径は全体として大きくなっている。具体的に言えば、第1および第2の型式の外側部材2では13.2mmであったところが、第1の部分19の直径は通常、16から18mmである。さらに、第1の部分19には、図20で最もよくわかるように、凸状外面19a、すなわちバルジが設けられている。このバルジの機能については以下で説明する。しかし、カートリッジ1のうち、第3の部分21の直径は同じである。このため、肩32の面積がこの第3の型式のカートリッジ1では広くなっている。通常、カートリッジ1の容積は、組み立て時で32.5ml±20%である。
【0079】
環状壁13の下方端部に設けるスロットの数および位置もまた異なっている。3から5本のスロットが設けられている。図23に示すように、この実施形態では、4本のスロット36が等間隔でマニホルド16の周囲に設けられている。このスロット36は、第1および第2の型式のカートリッジ1の場合よりわずかに幅広で、0.35から0.45mmであり、好ましくは、0.4mm幅である。
【0080】
他の点において、カートリッジ1の外側部材2はいずれも同じである。
【0081】
内側部材3に含まれる円柱状漏斗40の構造は、第1の型式のカートリッジ1と同じであり、外側チューブ42,注ぎ口45,環状フランジ47および支持ウェブ49が設けられている。唯一の相違点は注ぎ口45であり、これは上部円錐台形部分92と下部円柱状部分93とを有する形状となっている。
【0082】
第1および第2の型式と比較すると、図24から図28に示すように、環状フレーム41は、円柱状漏斗40を取り囲みかつ円柱状漏斗40を環状フランジ47またはその近傍に結合する8本の径方向ストラット87によって円柱状漏斗40に接続されたスカート部分80に置き換えられている。このスカート部分80からは、円柱状の延出部81がストラット87から上向きに延出し、上面が開いたチャンバ90を画成している。円柱状延出部81の上方リム91は、図26に示すように、内向き輪郭形状を有する。スカート部分80の環状壁82は、ストラット87から下向きに延在し、スカート部分80と外側チューブ42との間に環状溝86を画成している。
【0083】
環状壁82は、その下方端部に、長軸Xに垂直に位置する外側フランジ83を具えている。リム84は、フランジ83の下面から下向きにぶら下がり、リム84に沿って周方向に等間隔に5個の口部85を具備している。従って、リム84の下方は、城砦型輪郭形状となっている。
【0084】
ストラット87間に口部89を設けることにより、チャンバ90と環状溝86との間を連通させている。
【0085】
第3の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第1の型式の組み立てと同様であるが、いくつかの相違点もある。図29に示すように、外側部材2と内側部材3とは、相互に溶着されるのではなく、相互に押し嵌めされ、スナップ留め構造により保持される。この2つの部材の接合時、内向き円柱状延出部18が、スカート部分80の上方円柱状延出部81の内側に受けられる。内側部材3は、円柱状延出部18に含まれる第1の部分19の凸状外表面19aが上方円柱状延出部81の内向きリム91と摩擦係合することにより、外側部材2内に保持される。内側部材3が外側部材2内に配置した状態になると、混合チャンバ134が、スカート部分80の外側に画成される。この混合チャンバ134が、調合前の飲料成分200を収容する。4つの入口36と5つの口部85とが互い違いに周方向に配置されることに留意されたい。内側部材3および外側部材2を相対的にどのように位置決めしても、4つの入口36および5つの口部85を用いることで確実にこの入口と口部との間に位置ずれが発生するため、この2つの部品の相対的径方向位置を組み立て時に決定または固定しなくてもよい。
【0086】
1種類以上の飲料成分がカートリッジの混合チャンバ134に詰められる。この混合チャンバ134内における飲料成分の包装密度は所望に応じて変更可能である。
【0087】
次に、上述した第1および第2の型式のように、ラミネート5を内側部材3および外側部材2に取り付ける。
【0088】
使用時、第1および第2の形式のカートリッジと同様に、水が4本のスロット36を通って混合チャンバ134に入る。この水が混合チャンバを通って径方向内側に押し込められ、そこに収容されている飲料成分と混ざり合う。この水の中に製品が溶解または混合され、混合チャン1134内で飲料が形成され、これが混合チャンバ134内の飲料および水の背圧により口部85を通って環状溝86へと押し流される。4つの入口36と5つの口部85とが互い違いに周方向に配置されることにより、水の噴射が入口スロット36から径方向に直接口部85内に入ることは、まず混合チャンバ134内で循環が発生しない限り、あり得ない。このため、製品の溶解または混合の程度および安定性は大幅に高まる。形成された飲料は、環状溝86内を上方向に押し上げられ、ストラット87間の口部89を通ってチャンバ90内に入る。次にチャンバ90から支持ウェブ49間の入口45を介して注ぎ口43に入り、出口44まで来ると、ここでカップなどの容器内に注がれる。このカートリッジを、粘稠液またはゲルの形態である飲料成分に適用できることがわかっている。一用途において、カートリッジ1内には、室温にて粘性が1700〜3900MPa、0℃にて5000〜10000MPaであり、屈折固形分が67±3ブリックスである液状チョコレート成分が収容される。別の用途において、カートリッジ1内には、室温にて粘性が70〜2000MPa、0℃にて80〜5000MPaであり、全固形分量が40から70%である液体コーヒーが入れられる。この液状コーヒー成分に、0.1〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%の重炭酸ナトリウムを含有させることができる。重炭酸ナトリウムは、コーヒーのpHレベルを4.8以下に維持して、コーヒーを充填したカートリッジの貯蔵寿命を最長12ヶ月にできるように作用するものである。
【0089】
本発明を具体化する第4の型式のカートリッジ1を図30から図34に示す。第4の型式のカートリッジ1は、濃縮液体牛乳などの液状製品の調合に用いるように特に設計されたものである。第4の型式のカートリッジ1に含まれる特徴は、その多くが第1から第3の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴を指す。以下の説明では、第4の型式と第1から第3の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0090】
外側部材2は、第3の型式のカートリッジ1の、図19から図23に示すものと同じである。
【0091】
内側部材3の円柱状漏斗40は、第2の型式のカートリッジ1に類似しているが、いくつかの点で異なる。図30に示すように、注ぎ口43は、上部円錐台形部分106と、下部円柱状部分107とを具えた形状である。この注ぎ口43の内面には3つの軸方向リブ105が設けられて、調合された飲料を下向きに出口44に方向付け、注がれた飲料が注ぎ口内で旋回しないようにしている。従って、リブ105はバッフルとして作用する。第2の型式のカートリッジ1と同様、空気入口71が環状フランジ47を貫通して設けられている。しかし、空気入口71の下のシュート75は、第2の型式の場合より細長くなっている。
【0092】
スカート部分80が、上述した第3の型式のカートリッジ1に示したものと同様に設けられている。5から12個の口部85がリム84内に設けられている。第3の型式のカートリッジ1では5個であったが、通常、10個の口部を設けている。
【0093】
スカート部分80のフランジ83から、これと一体となって延出する環状ボウル100が設けられている。この環状ボウル100は、上方口104を上向きに開いたフレア型本体101を具えている。図30および図31に示す4個の送り口部103が、この本体101内にて、スカート部分80と接合するボウル100の下方端部に、またはその近傍に配置されている。好ましくは、この送り口部をボウル100の周囲に等間隔で配置する。
【0094】
ラミネート5は、これまでの実施形態で説明したタイプのものである。
【0095】
第4の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第3の型式の組み立てと同様である。
【0096】
第4の型式のカートリッジ1の組み立て手順は、第3の型式の手順と同様である。
【0097】
第4の型式のカートリッジ1の操作は、第3の型式の操作と同様である。水が、第1から第3の形式のカートリッジと同様に、カートリッジ1および混合チャンバ134に入る。ここで、上述したように、水が液体製品と混ざり合い、これを希釈して、上述したように、ボウル100の下の口部85を通り、出口44に向けて押し出される。図34に示すように、環状ボウル100に当初含有される一定割合の液体製品は、混合チャンバ134に入った水によりすぐに希釈されるわけではない。混合チャンバ134の下方部分にある希釈された液体製品は、上方口104から環状ボウル100内に押し上げられるのではなく、口部85から出て行くことになる。従って、環状ボウル100内の液体製品は、混合チャンバ134の下方部分にある製品と比較して、操作サイクルの最初の段階ではまだ比較的濃縮状態を保っている。環状ボウル100内の液体製品は、重力を受けて送り口部103から、混合チャンバ134内にてボウル100の下で口部85を通過する製品流内へと滴下される。環状ボウル100は、一定量の濃縮液体製品を取り置き、操作サイクル中に、定期的に液体流路内にそれを注出することにより、円柱状漏斗40に入る希釈済み液体製品の濃度を平均化する作用をする。図35aに例示するように、これは約15秒の操作サイクル間における全固形分含有量の割合として測定された牛乳の濃度を示す。線aはボウル100を設けた場合の濃度分布を例示し、線bはボウル100を設けないカートリッジの場合を例示したものである。この図からわかるように、カップ100を設けた場合の濃度分布のほうが、操作サイクル中、均等であり、ボウル100を設けない場合には濃度の急激な大幅低下は起こらない。この牛乳の初期濃度は通常、30から35%SSであり、サイクル終了時にはこれが10%SSとなる。これによる希釈率はおよそ3倍であるが、本発明では1倍から6倍までの希釈率が可能である。他の液体飲料成分の場合、この濃度を変更することができる。例えば、液状チョコレートの場合、初期濃度はおよそ67%SSであり、サイクル終了時にはこれが12から15%SSとなる。これによる希釈率(調合飲料における飲料成分に対する水を含む媒質の比率)はおよそ5倍であるが、本発明では2倍から10倍までの希釈率が可能である。液体コーヒーの場合、初期濃度はおよそ40から67%SSであり、調合終了時にはこれが1から2%SSとなる。これによる希釈率はおよそ20倍から70倍であるが、本発明では10倍から100倍までの希釈率が可能である。
【0098】
こうした飲料は、圧力下で押し出されて、濾過チャンバ134およびチャンバ90に収集される飲料の背圧により、環状溝86から口部128を通過する。従って、飲料は口部128から噴射されて、注ぎ口43の上方端部が形成する膨張チャンバ内に押し出される。図34に示すように、この飲料噴射は、空気入口71上をそのまま通過する。飲料が注ぎ口43に入ると、飲料噴射の圧力が降下する。この結果、空気が空気入口71を介して引き込まれるのと同時に、その空気が飲料流内に多数の小さな気泡として混入される。口部128から出た飲料噴射は、下向きに流れて集まり、出口44まで来ると、ここでカップなどの入れ物内に注がれ、気泡が所望の泡立った外観を形成する。
【0099】
有利なことに、内側部材3,外側部材2,ラミネート5およびフィルタ4はすべて、別個の部品であり、個別に蛇行通路や細い隙間を含んでいないため、これらを容易に殺菌消毒することができる。必要な通路が形成されるのは、殺菌消毒後にこれらの部品を結合した時点である。これは、飲料成分が液状牛乳濃縮物などの乳を主材料とする製品である場合に特に重要である。
【0100】
飲料カートリッジの第4の実施形態は、液体牛乳などの濃縮した乳を主材料とする液体製品の調合に特に有利である。これまで、粉末牛乳製品は、小袋の形態で提供され、これを事前に調製した飲料に加えるようになっていた。しかしながら、カプチーノタイプ飲料の場合、牛乳を泡立てる必要がある。これは、液体牛乳製品に蒸気を通すことでこれまで実施されてきた。しかし、これには、蒸気調合用設備が必要であるため、この飲料の調合に用いる機械のコストならびに複雑度が増してしまう。また、蒸気を使用すると、カートリッジ操作時に怪我を負う危険性も高まる。従って、本発明は、濃縮した乳を主材料とする液体製品を中に有する飲料カートリッジを提供するものである。牛乳製品を濃縮した場合、新鮮な牛乳またはUHT牛乳と比較すると、特定容積の牛乳に対してより多くの量の泡立ちを生成できることがわかっている。これを利用すれば、牛乳用カートリッジに必要なサイズが縮小される。新鮮な半脱脂牛乳は、およそ1.6%の脂肪分および10%の全固形分を含む。本発明による濃縮液体牛乳調製物は、0.1から12%の脂肪分および25から40%の全固形分を含む。一典型的実施例では、この調製物は4%の脂肪分および30%の全固形分を含む。この濃縮牛乳調製物は、以下に記載するように低圧調製機による泡立てに適している。具体的に言えば、この牛乳の泡立てを、上述した第4の実施形態のカートリッジを用い、2バール未満、好ましくはおよそ1.5バールの圧力で行う。
【0101】
濃縮牛乳を泡立てることは、カプチーノおよびミルクセーキなどの飲料に特に都合がよい。好ましくは、牛乳を口部128から空気入口71上に通過させ、任意にボウル100を用い、牛乳の40%を超える量、好ましくは70%を超える量を泡立てられるようにする。液状ココアの場合、70%を超える量の泡立てが可能である。液状コーヒーの場合、70%を超える量の泡立てが可能である。泡立ち度は、調合した液体飲料成分の容積に対して生成された泡沫容積の比率として測定される。例えば、138.3mlの飲料が調合され、そのうちの58.3mlが泡立った場合、泡立ち度は、[58.3/(138.3−58.3)]×100=72.9%となる。この牛乳(および他の液体成分)の泡立ち度は、図35bでわかるように、ボウル100を設けることで高められる。ボウル100を設けて調合した牛乳の泡立ち度(線a)は、ボウルを設けずに調合した牛乳の泡立ち度(線b)よりも高くなっている。これは、牛乳の泡立ち度が牛乳の濃度に正比例し、図35aに示すように、ボウル100が操作サイクルの大半で牛乳の濃度を高く維持するためである。また、牛乳の泡立ち度は、図35cに示すように、水を含む媒質の温度に正比例することも知られている。従って、水を含む媒質が最も高温である操作サイクルの終了近くまで、より多くの牛乳がカートリッジ内に残るため、ボウル100を設けると有利となる。これにより、さらに泡立ち度が改良される。
【0102】
第4の実施形態のカートリッジも、液状コーヒー製品の調合に有利である。
【0103】
有利なことに、本発明によるこの実施形態の飲料カートリッジは、従来技術によるカートリッジと比較して調合された飲料の安定性を改良できることがわかっている。以下に示す表1を参照すると、焙煎して挽いたコーヒーを収容するカートリッジAおよびカートリッジBそれぞれについて、20試料を煎出して得られた収率が示されている。カートリッジAは、本発明の第1の実施形態による飲料カートリッジである。カートリッジBは、本願出願人による特許文献1に記載された従来技術による飲料カートリッジである。煎出した飲料の屈折率をブリックス度で測定し、これを、標準表および式を用いて溶解性固形分の比率(%SS)に変換する。以下の実施例において、
%SS=0.7774×(ブリックス度値)+0.0569
%収率=(%SS×煎出量(g))/(100×コーヒー重量(g))
である。
【0104】
【表1−1】
【0105】
【表1−2】
【0106】
上記データについてt検定統計分析を行ったところ、以下の結果を得た。
【0107】
【表2】
【0108】
この分析から、煎出濃さに匹敵する収率の安定性は、標準偏差が0.88%であった本発明によるカートリッジについて、従来技術によるカートリッジの標準偏差2.24%と比較すると、より大幅に高かった(95%の信頼水準)ことがわかる。これは、本発明によるカートリッジにより煎出した飲料の濃さのほうが、再現可能かつ均一であるということである。これは、同じ飲料を何度も味わいたく、その煎出濃さを恣意に変更したくない消費者に好ましい。
【0109】
上述したカートリッジの材料にバリアコーティングを施し、酸素および/または湿気および/または他の汚染侵入物に対する防御性を改良してもよい。このバリアコーティングを施すと、カートリッジからの飲料成分の漏れに対する耐性を改良し、および/または飲料成分に悪影響を与えかねないカートリッジ材料からの抽出物滲出の程度を抑えることができる。バリアコーティングの材料を、PET,ポリアミド,EVOH,PVDCまたは金属化材料からなる群から選択することができる。バリアコーティングの適用には、いくつかの機構が利用可能であり、その例として、これらに限定するものではないが、蒸着,真空蒸着,プラズマコーティング,共押出加工,インモールドラベリングおよび二段/多段成形が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】第1および第2の実施形態であるカートリッジの外側部材を示す断面図である。
【図2】図1の外側部材の詳細を示す断面図であり、内側向きの円柱状延出部を示している。
【図3】スロットを示す、図1の外側部材の詳細を示す断面図である。
【図4】図1の外側部材を上から見た斜視図である。
【図5】図1の外側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図6】図1の外側部材を上から見た平面図である。
【図7】第1の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図8】図7の内側部材を上から見た斜視図である。
【図9】図7の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図10】図7の内側部材を上から見た平面図である。
【図11】組み立てた状態である第1の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図12】第2の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図13】口部を示す、図12の内側部材の詳細を示す断面図である。
【図14】図12の内側部材を上から見た斜視図である。
【図15】図12の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図16】図12の内側部材を示す別の断面図である。
【図17】空気入口を示す、図12の内側部材の別の詳細を示す断面図である。
【図18】組み立てた状態である第2の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図19】本発明による第3および第4の実施形態であるカートリッジの外側部材を示す断面図である。
【図20】図19の外側部材の詳細を示す断面図であり、内側向きの円柱状延出部を示している。
【図21】図19の外側部材を上から見た平面図である。
【図22】図19の外側部材を上から見た斜視図である。
【図23】図19の外側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図24】第3の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図25】図24の外側部材を上から見た平面図である。
【図26】内向き上方リムを示す、図24の内側部材の詳細を示す断面図である。
【図27】図24の内側部材を上から見た斜視図である。
【図28】図24の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図29】組み立てた状態である第3の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図30】第4の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図31】図30の内側部材を上から見た平面図である。
【図32】図30の内側部材を上から見た斜視図である。
【図33】図30の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図34】組み立てた状態である第4の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図35a】操作サイクル時間に対する濃度を示すグラフである。
【図35b】操作サイクル時間に対する泡立ち度を示すグラフである。
【図35c】操作サイクル時間に対する温度を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体チョコレート成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、液体チョコレート成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記液体チョコレート成分が濃縮されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記液体チョコレート成分は40%以上の全固形分を含むことを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記液体チョコレート成分は全固形分を70から95%含むことを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記液体チョコレート成分は全固形分を約90%含むことを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記液体チョコレート成分がゲル状であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記液体チョコレート成分は室温で70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記液体チョコレート成分は室温で1700から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記液体チョコレート成分がココア固形分を含むことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記液体チョコレート成分がココア全固形分を50から80%含むことを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記液体チョコレート成分がココア全固形分を60から70%含むことを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
1操作サイクル中に1種類以上の液体チョコレート成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上のチョコレート成分の希釈により飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体チョコレート成分が2対1から10対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項14】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が70%以上であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体牛乳成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項16】
前記カートリッジは水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記液体牛乳成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記液体牛乳成分が濃縮されていることを特徴とする請求項15または請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記液体牛乳成分は25から40%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記液体牛乳成分は30から40%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記液体牛乳成分は室温にて70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項15から請求項19の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記液体牛乳成分は0.1から12%の脂肪を含んでいることを特徴とする請求項15から請求項20の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項22】
1操作サイクル中に1種類以上の液体牛乳成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上の液体成分を希釈することによって飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体牛乳成分が1対1から6対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項23】
前記1種類以上の液体牛乳成分が3対1位の割合で希釈されることを特徴とする請求項22に記載のカートリッジ。
【請求項24】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が40%以上であることを特徴とする請求項22または請求項23に記載のカートリッジ。
【請求項25】
飲料調製機にて用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体コーヒー成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項26】
前記カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記液体コーヒー成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項25に記載のカートリッジ。
【請求項27】
前記液体コーヒー成分が濃縮されていることを特徴とする請求項26に記載のカートリッジ。
【請求項28】
前記液体コーヒー成分が40から70%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項26または請求項27に記載のカートリッジ。
【請求項29】
前記液体コーヒーが55から67%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項28に記載のカートリッジ。
【請求項30】
前記液体コーヒー成分が重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項26から請求項29の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項31】
0.1から2.0重量%の重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項30に記載のカートリッジ。
【請求項32】
0.5から1.0重量%の重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項31に記載のカートリッジ。
【請求項33】
前記液体コーヒー成分は、室温にて70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項26から請求項32の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項34】
前記液体コーヒー成分は、室温にて70から2000MPaの粘度を有することを特徴とする請求項33に記載のカートリッジ。
【請求項35】
1操作サイクル中に1種類以上の液体コーヒー成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上の液体コーヒー成分の希釈により飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体コーヒー成分が10対1から100対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項36】
前記1種類以上の液体コーヒー成分が20対1から70対1の割合で希釈されることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が70%以上であることを特徴とする請求項35または請求項36に記載の方法。
【請求項38】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分がスープ,果汁,風味付け牛乳,炭酸飲料,ソースまたはデザートの何れかであることを特徴とするカートリッジ。
【請求項39】
前記カートリッジは水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記1種類以上の飲料成分から作られた飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項38に記載のカートリッジ。
【請求項40】
前記カートリッジは、外側部材(2)と、この外側部材との組み立てに際して結合される内側部材(3)とを具えていることを特徴とする請求項1〜12,15〜21,25〜34,38,39の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項41】
スナップ止め構造が前記カートリッジの組み立てに際して前記外側部材および前記内側部材を接合するために与えられていることを特徴とする請求項40に記載のカートリッジ。
【請求項42】
前記飲料の噴射を行うための手段をさらに具え、前記飲料の噴射を行うための前記手段は、その飲料通路に開口を具えていることを特徴とする請求項41または請求項42に記載のカートリッジ。
【請求項43】
少なくとも1つの空気の入口と、飲料の噴射の圧力降下を起こさせるための手段とをさらに具え、これにより使用中に前記少なくとも1つの空気入口からの空気が複数の小泡として前記飲料に混ぜられることを特徴とする請求項42に記載のカートリッジ。
【請求項44】
請求項13,14,22〜24,35,37の何れかに記載の方法により製造された飲料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体チョコレート成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、液体チョコレート成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記液体チョコレート成分が濃縮されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記液体チョコレート成分は40%以上の全固形分を含むことを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記液体チョコレート成分は全固形分を70から95%含むことを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記液体チョコレート成分は全固形分を約90%含むことを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記液体チョコレート成分がゲル状であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記液体チョコレート成分は室温で70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記液体チョコレート成分は室温で1700から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記液体チョコレート成分がココア固形分を含むことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記液体チョコレート成分がココア全固形分を50から80%含むことを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記液体チョコレート成分がココア全固形分を60から70%含むことを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
1操作サイクル中に1種類以上の液体チョコレート成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上のチョコレート成分の希釈により飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体チョコレート成分が2対1から10対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項14】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が70%以上であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が乳を主材料とする液体成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項16】
前記乳を主材料とする液体成分が液体牛乳成分であることを特徴とする請求項15に記載のカートリッジ(1)。
【請求項17】
前記乳を主材料とする液体成分が液体牛乳成分であることを特徴とする請求項15または請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記カートリッジは水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記乳を主材料とする液体成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記液体牛乳成分が濃縮されていることを特徴とする請求項17または請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記液体牛乳成分は25から40%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項19に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記液体牛乳成分は30%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項20に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記液体牛乳成分は室温にて70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項17から請求項21の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項23】
前記液体牛乳成分は0.1から12%の脂肪を含んでいることを特徴とする請求項17から請求項22の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項24】
1操作サイクル中に1種類以上の液体牛乳成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上の液体成分を希釈することによって飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体牛乳成分が1対1から6対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項25】
前記1種類以上の液体牛乳成分が3対1位の割合で希釈されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が40%以上であることを特徴とする請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項27】
飲料調製機にて用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体コーヒー成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項28】
前記カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記液体コーヒー成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項27に記載のカートリッジ。
【請求項29】
前記液体コーヒー成分が濃縮されていることを特徴とする請求項28に記載のカートリッジ。
【請求項30】
前記液体コーヒー成分が40から70%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項28または請求項29に記載のカートリッジ。
【請求項31】
前記液体コーヒーが55から67%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項30に記載のカートリッジ。
【請求項32】
前記液体コーヒー成分が重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項28から請求項31の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項33】
0.1から2.0重量%の重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項32に記載のカートリッジ。
【請求項34】
0.5から1.0重量%の重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項33に記載のカートリッジ。
【請求項35】
前記液体コーヒー成分は、室温にて70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項28から請求項34の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項36】
前記液体コーヒー成分は、室温にて70から2000MPaの粘度を有することを特徴とする請求項35に記載のカートリッジ。
【請求項37】
1操作サイクル中に1種類以上の液体コーヒー成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上の液体コーヒー成分の希釈により飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体コーヒー成分が10対1から100対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項38】
前記1種類以上の液体コーヒー成分が20対1から70対1の割合で希釈されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が70%以上であることを特徴とする請求項37または請求項38に記載の方法。
【請求項40】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分がスープ,果汁,風味付け牛乳,炭酸飲料,ソースまたはデザートの何れかであることを特徴とするカートリッジ。
【請求項41】
前記カートリッジは水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記1種類以上の飲料成分から作られた飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項40に記載のカートリッジ。
【請求項42】
前記カートリッジは、外側部材(2)と、この外側部材との組み立てに際して結合される内側部材(3)とを具えていることを特徴とする請求項1〜12,15〜23,27〜36,40,41の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項43】
スナップ止め構造が前記カートリッジの組み立てに際して前記外側部材および前記内側部材を接合するために与えられていることを特徴とする請求項42に記載のカートリッジ。
【請求項44】
前記飲料の噴射を行うための手段をさらに具え、前記飲料の噴射を行うための前記手段は、その飲料通路に開口を具えていることを特徴とする請求項42または請求項43に記載のカートリッジ。
【請求項45】
少なくとも1つの空気の入口と、飲料の噴射の圧力降下を起こさせるための手段とをさらに具え、これにより使用中に前記少なくとも1つの空気入口からの空気が複数の小泡として前記飲料に混ぜられることを特徴とする請求項44に記載のカートリッジ。
【請求項46】
請求項13,14,24〜26,37,39の何れかに記載の方法により製造された飲料。
【請求項1】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体チョコレート成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、液体チョコレート成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記液体チョコレート成分が濃縮されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記液体チョコレート成分は40%以上の全固形分を含むことを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記液体チョコレート成分は全固形分を70から95%含むことを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記液体チョコレート成分は全固形分を約90%含むことを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記液体チョコレート成分がゲル状であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記液体チョコレート成分は室温で70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記液体チョコレート成分は室温で1700から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記液体チョコレート成分がココア固形分を含むことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記液体チョコレート成分がココア全固形分を50から80%含むことを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記液体チョコレート成分がココア全固形分を60から70%含むことを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
1操作サイクル中に1種類以上の液体チョコレート成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上のチョコレート成分の希釈により飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体チョコレート成分が2対1から10対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項14】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が70%以上であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体牛乳成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項16】
前記カートリッジは水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記液体牛乳成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記液体牛乳成分が濃縮されていることを特徴とする請求項15または請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記液体牛乳成分は25から40%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記液体牛乳成分は30から40%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記液体牛乳成分は室温にて70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項15から請求項19の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記液体牛乳成分は0.1から12%の脂肪を含んでいることを特徴とする請求項15から請求項20の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項22】
1操作サイクル中に1種類以上の液体牛乳成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上の液体成分を希釈することによって飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体牛乳成分が1対1から6対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項23】
前記1種類以上の液体牛乳成分が3対1位の割合で希釈されることを特徴とする請求項22に記載のカートリッジ。
【請求項24】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が40%以上であることを特徴とする請求項22または請求項23に記載のカートリッジ。
【請求項25】
飲料調製機にて用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体コーヒー成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項26】
前記カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記液体コーヒー成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項25に記載のカートリッジ。
【請求項27】
前記液体コーヒー成分が濃縮されていることを特徴とする請求項26に記載のカートリッジ。
【請求項28】
前記液体コーヒー成分が40から70%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項26または請求項27に記載のカートリッジ。
【請求項29】
前記液体コーヒーが55から67%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項28に記載のカートリッジ。
【請求項30】
前記液体コーヒー成分が重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項26から請求項29の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項31】
0.1から2.0重量%の重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項30に記載のカートリッジ。
【請求項32】
0.5から1.0重量%の重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項31に記載のカートリッジ。
【請求項33】
前記液体コーヒー成分は、室温にて70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項26から請求項32の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項34】
前記液体コーヒー成分は、室温にて70から2000MPaの粘度を有することを特徴とする請求項33に記載のカートリッジ。
【請求項35】
1操作サイクル中に1種類以上の液体コーヒー成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上の液体コーヒー成分の希釈により飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体コーヒー成分が10対1から100対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項36】
前記1種類以上の液体コーヒー成分が20対1から70対1の割合で希釈されることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が70%以上であることを特徴とする請求項35または請求項36に記載の方法。
【請求項38】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分がスープ,果汁,風味付け牛乳,炭酸飲料,ソースまたはデザートの何れかであることを特徴とするカートリッジ。
【請求項39】
前記カートリッジは水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記1種類以上の飲料成分から作られた飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項38に記載のカートリッジ。
【請求項40】
前記カートリッジは、外側部材(2)と、この外側部材との組み立てに際して結合される内側部材(3)とを具えていることを特徴とする請求項1〜12,15〜21,25〜34,38,39の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項41】
スナップ止め構造が前記カートリッジの組み立てに際して前記外側部材および前記内側部材を接合するために与えられていることを特徴とする請求項40に記載のカートリッジ。
【請求項42】
前記飲料の噴射を行うための手段をさらに具え、前記飲料の噴射を行うための前記手段は、その飲料通路に開口を具えていることを特徴とする請求項41または請求項42に記載のカートリッジ。
【請求項43】
少なくとも1つの空気の入口と、飲料の噴射の圧力降下を起こさせるための手段とをさらに具え、これにより使用中に前記少なくとも1つの空気入口からの空気が複数の小泡として前記飲料に混ぜられることを特徴とする請求項42に記載のカートリッジ。
【請求項44】
請求項13,14,22〜24,35,37の何れかに記載の方法により製造された飲料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体チョコレート成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、液体チョコレート成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記液体チョコレート成分が濃縮されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記液体チョコレート成分は40%以上の全固形分を含むことを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記液体チョコレート成分は全固形分を70から95%含むことを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記液体チョコレート成分は全固形分を約90%含むことを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記液体チョコレート成分がゲル状であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記液体チョコレート成分は室温で70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記液体チョコレート成分は室温で1700から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記液体チョコレート成分がココア固形分を含むことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記液体チョコレート成分がココア全固形分を50から80%含むことを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記液体チョコレート成分がココア全固形分を60から70%含むことを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
1操作サイクル中に1種類以上の液体チョコレート成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上のチョコレート成分の希釈により飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体チョコレート成分が2対1から10対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項14】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が70%以上であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が乳を主材料とする液体成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項16】
前記乳を主材料とする液体成分が液体牛乳成分であることを特徴とする請求項15に記載のカートリッジ(1)。
【請求項17】
前記乳を主材料とする液体成分が液体牛乳成分であることを特徴とする請求項15または請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記カートリッジは水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記乳を主材料とする液体成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記液体牛乳成分が濃縮されていることを特徴とする請求項17または請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記液体牛乳成分は25から40%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項19に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記液体牛乳成分は30%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項20に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記液体牛乳成分は室温にて70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項17から請求項21の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項23】
前記液体牛乳成分は0.1から12%の脂肪を含んでいることを特徴とする請求項17から請求項22の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項24】
1操作サイクル中に1種類以上の液体牛乳成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上の液体成分を希釈することによって飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体牛乳成分が1対1から6対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項25】
前記1種類以上の液体牛乳成分が3対1位の割合で希釈されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が40%以上であることを特徴とする請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項27】
飲料調製機にて用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を含むと共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分が液体コーヒー成分であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項28】
前記カートリッジは、水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記液体コーヒー成分から作られる飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項27に記載のカートリッジ。
【請求項29】
前記液体コーヒー成分が濃縮されていることを特徴とする請求項28に記載のカートリッジ。
【請求項30】
前記液体コーヒー成分が40から70%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項28または請求項29に記載のカートリッジ。
【請求項31】
前記液体コーヒーが55から67%の全固形分を含んでいることを特徴とする請求項30に記載のカートリッジ。
【請求項32】
前記液体コーヒー成分が重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項28から請求項31の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項33】
0.1から2.0重量%の重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項32に記載のカートリッジ。
【請求項34】
0.5から1.0重量%の重炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項33に記載のカートリッジ。
【請求項35】
前記液体コーヒー成分は、室温にて70から3900MPaの粘度を有することを特徴とする請求項28から請求項34の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項36】
前記液体コーヒー成分は、室温にて70から2000MPaの粘度を有することを特徴とする請求項35に記載のカートリッジ。
【請求項37】
1操作サイクル中に1種類以上の液体コーヒー成分が入ったカートリッジ(1)から飲料を調合する方法であって、前記1種類以上の液体コーヒー成分の希釈により飲料を形成するように前記カートリッジに対して水を含む媒質を通過させるステップと、この飲料を容器へと調合するステップとを具え、前記1種類以上の液体コーヒー成分が10対1から100対1の割合で希釈されることを特徴とする方法。
【請求項38】
前記1種類以上の液体コーヒー成分が20対1から70対1の割合で希釈されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
飲料泡立て手段に対して前記飲料を通過させるステップをさらに具え、その泡立ち度が70%以上であることを特徴とする請求項37または請求項38に記載の方法。
【請求項40】
飲料調製機で用いるカートリッジ(1)であって、このカートリッジは1種類以上の飲料成分(200)を収容すると共に実質的に空気および水を通さない材料から形成され、前記1種類以上の飲料成分がスープ,果汁,風味付け牛乳,炭酸飲料,ソースまたはデザートの何れかであることを特徴とするカートリッジ。
【請求項41】
前記カートリッジは水を含む媒質をこのカートリッジに入れるための入口(121)と、前記1種類以上の飲料成分から作られた飲料を出すための出口(122)とを具えていることを特徴とする請求項40に記載のカートリッジ。
【請求項42】
前記カートリッジは、外側部材(2)と、この外側部材との組み立てに際して結合される内側部材(3)とを具えていることを特徴とする請求項1〜12,15〜23,27〜36,40,41の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項43】
スナップ止め構造が前記カートリッジの組み立てに際して前記外側部材および前記内側部材を接合するために与えられていることを特徴とする請求項42に記載のカートリッジ。
【請求項44】
前記飲料の噴射を行うための手段をさらに具え、前記飲料の噴射を行うための前記手段は、その飲料通路に開口を具えていることを特徴とする請求項42または請求項43に記載のカートリッジ。
【請求項45】
少なくとも1つの空気の入口と、飲料の噴射の圧力降下を起こさせるための手段とをさらに具え、これにより使用中に前記少なくとも1つの空気入口からの空気が複数の小泡として前記飲料に混ぜられることを特徴とする請求項44に記載のカートリッジ。
【請求項46】
請求項13,14,24〜26,37,39の何れかに記載の方法により製造された飲料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35a】
【図35b】
【図35c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35a】
【図35b】
【図35c】
【公表番号】特表2006−516907(P2006−516907A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500239(P2006−500239)
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000279
【国際公開番号】WO2004/065259
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(501175214)クラフト・フーヅ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・インコーポレイテッド (56)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS R & D, INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000279
【国際公開番号】WO2004/065259
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(501175214)クラフト・フーヅ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・インコーポレイテッド (56)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS R & D, INC.
【Fターム(参考)】
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