説明

駅経路検索プログラム

【課題】終電時間内に利用することができる目的地に最も近い駅の情報をユーザに提供すること。
【解決手段】ユーザ情報登録処理部42aが、受信したユーザ入力情報から住所の緯度と経度を算出し、該算出した住所の緯度、経度およびユーザ入力情報を個人情報データベース43aに登録する。そして、最寄駅経路検索処理部42bは、携帯端末装置20から位置情報を受信し、位置情報、個人情報データベース43a、駅情報データベース43bおよび駅経路検索部42cを利用して、終電時間内に利用可能な最寄の時間内出発駅および時間内到着駅を検出し、ユーザが利用する携帯端末装置20に該検出した時間内出発駅および時間内到着駅を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出発駅から到着駅までの経路を検索する駅経路検索プログラムに関し、特に、終電時間内に利用することができる目的地に最も近い駅の情報をユーザに提供することができる駅経路検索プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、出発駅、到着駅および出発駅を利用する時刻などを指定して、最適な路線経路を検索する路線検索システムが利用されている。しかし、この路線検索システムを利用するユーザは、検索結果によって示される電車を利用する際に、現在位置から該当する駅に向かって出発すべき時刻がわからず、かかる従来の路線検索システムは大変不便であった。
【0003】
そこで、特許文献1に記載された出発情報お知らせシステムでは、ユーザの利用する携帯端末(携帯電話など)の位置を特定し、該特定した位置と、ユーザが目的地に到着すべき到着時刻とに基づいて、該到着時刻内にユーザが目的地に到着するための出発時刻を検出し、該検出した出発時刻を携帯端末に通知している。
【0004】
【特許文献1】特開2002−131075公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来に係る技術では、ユーザが出発駅および到着駅を指定した際に、該指定された出発駅または到着駅が終電時間内に利用できない場合は、翌日の経路検索結果を表示することしかできないという問題があった。なぜなら、本日中に自宅などの目的地に到達する必要のあるユーザにとって、翌日の経路検索結果は意味を成さないからである。
【0006】
すなわち、指定された出発駅または到着駅が、終電時間内に利用できない場合には、終電時間内に利用することができる目的地に最も近い駅の情報をユーザに提供することが極めて重要な課題となっている。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、終電時間内に利用することができる目的地に最も近い駅の情報をユーザに提供することができる駅経路検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、出発駅から到着駅までの経路を検索する駅経路検索プログラムであって、ユーザが利用する端末装置の位置情報を取得する取得手順と、前記位置情報と、記憶装置に含まれるユーザの目的地の住所および駅に係る情報とをもとに、終電時間内に利用可能な前記端末装置に対する最寄の出発駅と、終電時間内に利用可能なユーザの目的地に対する最寄の到着駅とを検索する駅検索処理手順と、前記駅検索処理手順によって検索された前記出発駅および前記到着駅に係る情報を、前記端末装置に通知する通知手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記駅検索処理手順は、到着駅候補となる駅を、前記ユーザの目的地に対して最も近い駅から順番に抽出する到着駅抽出手順と、前記到着駅抽出手順で抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を到着駅として検出する到着駅検出手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記駅検索処理手順は、出発駅候補となる駅を、前記端末装置の位置に対して最も近い駅から順番に抽出する出発駅抽出手順と、前記出発駅抽出手順で抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を出発駅として検出する出発駅検出手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記駅検索処理手順は所定の範囲内で出発駅または到着駅を検索することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶装置は、ユーザが利用する定期券の情報を含み、前記駅検索処理手順は、前記定期券に含まれる駅を優先して、出発駅および到着駅として検索することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザが利用する端末装置の位置情報を取得し、前記位置情報と、記憶装置に含まれるユーザの目的地の住所および駅に係る情報とをもとに、終電時間内に利用可能な前記端末装置に対する最寄の出発駅と、終電時間内に利用可能なユーザの目的地に対する最寄の到着駅とを検索し、該検索した出発駅および到着駅に係る情報を端末装置に通知するので、ユーザは、終電終了時刻間近であっても、効率よくかつ迅速に目的地に至る路線経路に関する情報を得ることができる。
【0014】
また、本発明によれば、到着駅候補となる駅を、ユーザの目的地に対して最も近い駅から順番に抽出し、抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を到着駅として検出するので、ユーザにとって都合のよい到着駅を効率よく検出することができる。
【0015】
また、本発明によれば、出発駅候補となる駅を、端末装置の位置に対して最も近い駅から順番に抽出し、抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を出発駅として検出するので、ユーザの歩行距離を減らし、ユーザにかかる負担を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る駅経路検索プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態では、それぞれの機能を物理的に独立して構成した駅経路検索装置について説明を行うが、それぞれの機能をソフトウェアによって実現することで駅経路検索プログラムとして実施してもよい。
【実施例】
【0017】
まず、本実施例に係る駅経路検索システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係る駅経路検索システムのシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、この駅経路検索システムは、携帯端末装置20が、ネットワーク30を介して、駅経路検索装置40と接続される。
【0018】
なお、ここでは、説明の便宜上、1台の携帯端末装置20のみを示したが、この駅経路検索システムは、ネットワーク30を介して任意の台数の携帯端末装置から利用される。また、図示しないが携帯端末装置20は、基地局を介してネットワーク30に接続されることになる。
【0019】
携帯端末装置20は、GPS(Global Positioning System)10を利用して、現在位置に係る緯度および経度などの情報(以下、位置情報と表記する)を算出し、該算出した位置情報を駅経路検索装置40に送信する。
【0020】
駅経路検索装置40は、携帯端末装置20から取得した位置情報と、予め記憶した携帯端末装置20を所有するユーザの住所などに係る情報をもとに、ユーザの位置に対して最寄かつ終電時間内に利用可能な出発駅(以下、時間内出発駅と表記する)と、ユーザの住所に対して最寄かつ終電時間内に利用可能な到着駅(以下、時間内到着駅と表記する)とを検索する。なお、駅経路検索装置40は、ユーザの住所などに関する情報は、予め、携帯端末装置20から取得しておくことになる。
【0021】
そして、駅経路検索装置40は、検索した時間内出発駅と時間内到着駅との情報を携帯端末装置20に通知し、携帯端末装置20は、時間内出発駅と時間内到着駅とを表示する。
【0022】
このように、ユーザは、携帯端末装置20を利用することによって、リアルタイムに時間内出発駅および時間内到着駅に関する情報を知ることができ、終電間近であっても容易に自宅等に到着することができる。
【0023】
次に、図1に示した駅経路検索装置40の構成について説明する。図2は、本実施例に係る駅経路検索装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この駅経路検索装置40は、インタフェース部41と、制御部42と、記憶部43とを有する。
【0024】
インタフェース部41は、所定の通信プロトコルを利用して、携帯端末装置20と通信を行う処理部である。
【0025】
制御部42は、ユーザ情報登録処理部42aと、最寄駅経路検索処理部42bと、駅経路検索部42cとを有する。ユーザ情報登録処理部42aは、携帯端末装置20から、ユーザが利用する定期券の出発駅、到着駅、経由駅およびユーザの住所を取得し、該取得した情報をユーザ入力情報として、個人情報データベース43aに登録する。以下、定期券に関する出発駅、到着駅、経由駅およびユーザの住所をユーザ入力情報と表記する。
【0026】
また、ユーザ情報登録処理部42aは、ユーザ入力情報に含まれる住所をもとに、住所に係る緯度および経度を算出し、該算出した緯度および経度を個人情報データベース43aに登録する。
【0027】
図3に、個人情報データベース43aのデータ構造の一例を示す。同図に示すように、個人情報データベース43aは、ユーザID(Identification)50と、ユーザ入力情報51と、住所緯度52と、住所経度53とを有する。
【0028】
ユーザID50は、ユーザを識別するための情報であり、ユーザ入力情報51は、携帯端末装置20から取得するユーザ入力情報であり、住所緯度52および住所経度53は、ユーザ情報登録処理部42aが算出する、ユーザの住所に係る緯度および経度である。
【0029】
また、ユーザ入力情報51は、出発定期駅名と、到着定期駅名と、経由駅名と、住所とを含む。出発定期駅名は、定期券で利用する出発駅の名称であり、到着定期駅名は、定期券で利用する到着駅の名称であり、経由駅名は、経由する駅名の名称であり、住所は、ユーザの自宅の住所である。
【0030】
なお、本実施例では一例として、ユーザが会社から自宅に帰宅する場合を想定し、出発駅を会社側、到着駅をユーザの自宅側としたが、これに限定されるものではなく、例えば、出発駅を自宅側、到着駅を会社側としても良い。
【0031】
また、図3より、ユーザID50が「0001」のユーザは、出発定期駅名が「新宿」であり、到着定期駅名が「新子安」であり、経由駅名が「大井町」であり、住所が「横浜市神奈川〜」であり、住所緯度52が「12774038」であり、住所経度53が「50276623」である。
【0032】
最寄駅経路検索処理部42bは、携帯端末装置20から位置情報を受信し、該受信した位置情報、個人情報データベース43a、駅情報データベース43bおよび駅経路検索部42cを利用して時間内出発駅および時間内到着駅を検出し、該検出した時間内出発駅、時間内到着駅および路線経路などを携帯端末装置20に通知する。
【0033】
図4に駅情報データベースのデータ構造の一例を示す。同図に示すように、駅情報データベース43bは、駅ID61と、駅名62と、駅かな63と、路線64と、都道府県65と、駅住所66と、緯度67と、経度68とを含む。
【0034】
ここで、駅ID61は、駅を識別するための情報であり、駅名62は、駅の名称であり、駅かな63は、対応する駅名をかなで表したものであり、路線64は、駅の存在する路線を示し、都道府県65は、駅の存在する都道府県名であり、駅住所66は、駅の住所を示し、緯度67は、駅の位置する緯度を示し、経度68は、駅の位置する経度を示す。
【0035】
例えば、駅ID61が「0001」の駅は、駅名62が「新子安」であり、駅かな63が「しんこやす」であり、路線64が「JR京浜東北線」であり、都道府県65が「神奈川」であり、駅住所66が「横浜市〜」であり、緯度67が「12774078」であり、経度68が「50276606」である。
【0036】
また、駅ID61が「0002」の駅は、駅名62が「新宿」であり、駅かな63が「しんじゅく」であり、路線64が「東京メトロ丸の内線、JR埼京線〜」であり、都道府県65が「東京」であり、駅住所66が「新宿区〜」であり、緯度67が「12847332」であり、経度68が「50293330」である。
【0037】
次に、最寄駅経路検索処理部42bが行う時間内出発駅および時間内到着駅の検索について説明する。最寄駅経路検索処理部42bは、まず、出発定期駅名に該当する出発駅(以下、定期出発駅と表記する)と到着定期駅名に該当する到着駅(以下、定期到着駅と表記する)とが終電時間内に利用できるか否かを駅経路検索部42を利用して判定する。ここで、駅経路検索部42cは、指定された駅間の路線経路や、所要時間、目的の駅に到着する時刻などを検索する処理部である。
【0038】
そして、最寄駅経路検索処理部42bは、定期出発駅および定期到着駅が終電時間内に利用できる場合には、該定期出発駅および定期到着駅を時間内出発駅および時間内到着駅とし、時間内出発駅、時間内到着駅および路線経路などを携帯端末装置20に通知する。
【0039】
一方、最寄駅経路検索処理部42bは、位置情報と駅情報データベース43bとを基にして最寄駅を検索する。最寄駅と定期出発駅とを比較して両駅間が予め設定した許容範囲外であれば最寄駅を出発駅とする。
【0040】
一方、最寄駅経路検索処理部42bは、定期出発駅が終電時間内に利用できない場合には、位置情報と駅情報データベース43bとを基にして、定期出発駅以外の最寄の駅を検索する。
【0041】
そして、最寄駅経路検索処理部42bは、検索した出発駅が終電時間内に利用可能か否かを駅経路検索部42cを利用して判断し、利用可能な場合に、検索した出発駅を時間内出発駅とし、時間内出発駅、時間内到着駅および路線経路などを携帯端末装置20に通知する。なお、検索した出発駅が利用不可能な場合には、次に近い出発駅を再び検索する。
【0042】
また、最寄駅経路検索処理部42bは、定期到着駅が終電時間内に利用できない場合に、ユーザの住所と駅情報データベース43bとを基にして、定期到着駅以外の最寄の駅を検索する。
【0043】
そして、最寄駅経路検索処理部42bは、検索した到着駅が終電時間内に利用可能か否かを駅経路検索部42cを利用して判断し、利用可能な場合に、検索した到着駅を時間内到着駅とし、時間内出発駅、時間内到着駅および路線経路などを携帯端末装置20に通知する。なお、検索した到着駅が利用不可能な場合には、次に近い到着駅を再び検索する。
【0044】
このように、最寄駅経路検索処理部42bは、最寄の駅から順に駅情報を検索し、終電時間内に利用可能な駅を携帯端末装置20に通知するため、ユーザは、迅速かつ効率よく自宅などの目的地に到着することができる。
【0045】
次に、ユーザ情報登録処理部42aが、携帯端末装置20から受信したユーザ入力情報を個人情報データベースに登録するユーザ入力情報登録処理について説明する。図5は、ユーザ入力情報登録処理を示すフローチャートである。
【0046】
図5に示すように、ユーザ情報登録処理部42aは、携帯端末装置20からユーザ入力情報を受信し(ステップS101)、受信したユーザ入力情報を、個人情報データベース43bに登録する(ステップS102)。
【0047】
そして、ユーザ情報登録処理部42aは、受信したユーザ入力情報に含まれる住所から、緯度および経度を算出し(ステップS103)、算出した緯度および経度を、個人情報データベース43aに登録する(ステップS104)。
【0048】
次に、最寄駅経路検索処理部42bが、出発駅および到着駅を検索する処理手順について説明する。図6は、出発駅および到着駅を検索する処理手順を示すフローチャートである。
【0049】
図6に示すように、最寄駅経路検索処理部42bは、携帯端末装置20からユーザの位置情報およびユーザIDを受信し(ステップS201)、検索フラグを0に設定する(ステップS202)。
【0050】
そして、最寄駅経路検索処理部42bは、ユーザIDを基に、個人情報データベース43aから定期出発駅および定期到着駅を検索し(ステップS203)、定期出発駅および定期到着駅を、出発駅および到着駅に設定し(ステップS204)、位置情報と駅情報データベース43bとを基にして最寄駅を検索し、最寄駅と定期出発駅とを比較して両駅間が予め設定した許容範囲外であれば最寄駅を出発駅とし(ステップS205)、駅経路検索部42cを利用して、設定した出発駅および到着駅をもとに経路検索を行う(ステップS206)。
【0051】
そして、最寄駅経路検索処理部42bは、設定した出発駅が、終電時間内に利用可能か否かを判断し(ステップS207)、出発駅が終電時間内に利用不可能な場合には(ステップS207,Yes)、検索フラグおよび検索回数を1に設定し(ステップS208)、出発駅検索処理を行い(ステップS209)、検索フラグが2か否かを判断する(ステップS210)。
【0052】
一方、設定した出発駅が、終電時間内に利用可能な場合には(ステップS207,Yes)、そのまま後述するステップS212に移行する。
【0053】
検索フラグが2でない場合には(ステップS210,No)、設定されている出発駅および到着駅をもとに、経路を再検索し(ステップS211)、終電時間内の利用可能な駅が無い旨および翌日の経路検索結果を、携帯端末装置20に送信する(ステップS212)。
【0054】
一方、検索フラグが2の場合には(ステップS210,Yes)、設定した到着駅は、終電時間内に利用可能か否かを判断し(ステップS213)、設定した到着駅が終電時間内に利用可能な場合には(ステップS213,Yes)、そのまま後述するステップS216に移行する。
【0055】
一方、設定した到着駅が終電時間内に利用不可能である場合には(ステップS213,No)、検索フラグおよび検索回数を1に設定し(ステップS214)、到着駅検索処理を行い(ステップS215)、検索フラグが1か否かを判定する(ステップS216)。
【0056】
検索フラグが1でない場合には(ステップS216,No)、設定した出発駅および到着駅をもとに、経路を再検索し(ステップS217)、経路検索結果を携帯端末装置20に送信する(ステップS218)。
【0057】
一方、検索フラグが1の場合には(ステップS216,Yes)、設定されている出発駅および到着駅をもとに、経路を再検索し(ステップS219)、終電時間内の利用可能な到着駅が無い旨および翌日の経路検索結果を、携帯端末装置20に送信する(ステップS220)。
【0058】
次に、図6のステップS209で示した出発駅検索処理について説明する。図7は、出発駅検索処理の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、最寄駅経路検索処理部42bは、検索回数が10より大きいか、または検索フラグが2であるかを判断し(ステップS301)、検索回数が10より大きい、または検索フラグが2の場合には(ステップS301,Yes)、出発駅検索処理を終了する。
【0059】
一方、検索回数が10以下、かつ検索フラグが2でない場合には(ステップS301,No)、検索回数が1か否かを判断し(ステップS302)、検索回数が1でない場合には(ステップS302,No)、検索範囲内で、前回抽出した出発駅に対して次に近い最寄駅/路線を抽出し(ステップS303)、ステップS305に移行する。
【0060】
一方、検索回数が1の場合には(ステップS302,Yes)、位置情報および駅情報データベース43bをもとに検索範囲内の最寄駅/路線を抽出し(ステップS304)、検索範囲が到着駅までの距離より大きいか、または検索範囲内に駅が無いかを判断し(ステップS305)、検索範囲が到着駅までの距離よりも大きいか、または検索範囲内に駅がない場合には(ステップS305,Yes)、検索回数を11に設定し(ステップS306)、ステップS301に移行する。
【0061】
一方、検索範囲が到着駅までの距離以下、かつ検索範囲内に駅がある場合には(ステップS305,No)、抽出した出発駅と到着駅とで経路検索を行い(ステップS307)、検索結果は終電時間内か否かを判断する(ステップS308)。
【0062】
検索結果が終電時間内の場合には(ステップS308,Yes)、抽出した出発駅を出発駅に設定し、検索フラグを2に設定し(ステップS309)、ステップS310に移行する。
【0063】
一方、検索結果が終電時間外の場合には(ステップS308,No)、検索回数に1を加算し(ステップS310)、ステップS301に移行する。
【0064】
次に、図6のステップS215で示した到着駅検索処理について説明する。図8は、到着駅検索処理の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、最寄駅経路検索処理部42bは、検索回数が10より大きいか、または検索フラグが2かを判断し(ステップS401)、検索回数が10より大きい、または検索フラグが2の場合には(ステップS401,Yes)、到着駅検索処理を終了する。
【0065】
一方、検索回数が10以下、かつ検索フラグが2でない場合には(ステップS401)、検索回数が1か否かを判断し(ステップS402)、検索回数が1でない場合には(ステップS402,No)、検索範囲内で、前回抽出した到着駅に対して次に近い最寄駅/路線を抽出し(ステップS403)、ステップS405に移行する。
【0066】
一方、検索回数が1の場合には(ステップS402,Yes)、駅情報データベース43bと、住所の経度および緯度とを基にして、検索範囲内の最寄駅/路線を抽出し(ステップS404)、検索範囲が出発駅までの距離より大きいか、または検索範囲内に駅がないかを判断する(ステップS405)。
【0067】
検索範囲が出発駅までの距離より大きい、または検索範囲内に駅が無い場合には(ステップS405,Yes)、検索回数を11に設定し(ステップS406)、ステップS401に移行する。
【0068】
一方、検索範囲が出発駅までの距離以下で、かつ検索範囲内に駅が存在する場合には(ステップS405,No)、設定された出発駅と抽出された到着駅とで経路検索を実行し(ステップS407)、検索結果は終電時間内か否かを判断する(ステップS408)。
【0069】
検索結果が終電時間内の場合には(ステップS408,Yes)、抽出した到着駅を到着駅に設定し、検索フラグを2に設定し(ステップS409)、ステップS410に移行する。
【0070】
一方、検索結果が終電時間外の場合には(ステップS408,No)、検索回数に1を加算し(ステップS410)、ステップS401に移行する。
【0071】
上述してきたように、本実施例に示した駅経路検索装置40は、ユーザ情報登録処理部42aが、ユーザ入力情報から住所の緯度と経度を算出し、該算出した住所の緯度、経度およびユーザ入力情報を個人情報データベース43aに登録する。そして、最寄駅経路検索処理部42bは、携帯端末装置20から位置情報を受信し、位置情報、個人情報データベース43a、駅情報データベース43bおよび駅経路検索部42cを利用して、終電時間内に利用可能な最寄の時間内出発駅および時間内到着駅を検出し、ユーザが利用する携帯端末装置20に抽出した時間内出発駅および時間内到着駅を通知するので、ユーザは、場所を選ばず、効率よくかつ迅速に自宅に至る路線経路などの情報をリアルタイムに取得することができる。
【0072】
なお、本実施例では、携帯端末装置20はGPSを利用して、位置情報を算出したがこれに限定されるものではなく、例えば、基地局から受信する電界強度によって位置を特定し、該特定した位置を位置情報として、駅経路検索装置40に送信しても良い。
【0073】
ところで、本実施例では、駅経路検索装置について説明したが、この駅経路検索装置を有する構成をソフトウェアによって実現することで、同様の機能を有する駅経路検索プログラムを得ることができる。そこで、この駅経路検索プログラムを実行するコンピュータシステムについて説明する。
【0074】
図9は、本実施例に係る駅経路検索プログラムを実行するコンピュータシステムを示す図である。同図に示すように、このコンピュータシステム100は、本体部101と、本体部101からの指示により表示画面102aに情報を表示するディスプレイ102と、このコンピュータシステム100に種々の情報を入力するためのキーボード103と、ディスプレイ102の表示画面102a上の任意の位置を指定するマウス104と、LAN106または広域エリアネットワーク(WAN)に接続するLANインタフェースと、公衆回線107に接続するモデム105とを有する。ここで、LAN106は、他のコンピュータシステム(PC)111、サーバ112、プリンタ113などとコンピュータシステム100とを接続している。
【0075】
また、図10は、図9に示した本体部101の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この本体部101は、CPU121と、RAM122と、ROM123と、ハードディスクドライブ(HDD)124と、CD−ROMドライブ125と、FDドライブ126と、I/Oインタフェース127と、LANインタフェース128とを有する。
【0076】
そして、このコンピュータシステム100において実行される駅経路検索プログラムは、フロッピィディスク(FD)108、CD−ROM109、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの可搬型記憶媒体に記憶され、これらの記憶媒体から読み出されてコンピュータシステム100にインストールされる。そして、インストールされた動画配信プログラムは、HDD124に記憶され、RAM122、ROM123などを利用してCPU121により実行される。
【0077】
(付記1)出発駅から到着駅までの経路を検索する駅経路検索プログラムであって、
ユーザが利用する端末装置の位置情報を取得する取得手順と、
前記位置情報と、記憶装置に含まれるユーザの目的地の住所および駅に係る情報とをもとに、終電時間内に利用可能な前記端末装置に対する最寄の出発駅と、終電時間内に利用可能なユーザの目的地に対する最寄の到着駅とを検索する駅検索処理手順と、
前記駅検索処理手順によって検索された前記出発駅および前記到着駅に係る情報を、前記端末装置に通知する通知手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする駅経路検索プログラム。
【0078】
(付記2)前記駅検索処理手順は、到着駅候補となる駅を、前記ユーザの目的地に対して最も近い駅から順番に抽出する到着駅抽出手順と、前記到着駅抽出手順で抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を到着駅として検出する到着駅検出手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の駅経路検索プログラム。
【0079】
(付記3)前記駅検索処理手順は、出発駅候補となる駅を、前記端末装置の位置に対して最も近い駅から順番に抽出する出発駅抽出手順と、前記出発駅抽出手順で抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を出発駅として検出する出発駅検出手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の駅経路検索プログラム。
【0080】
(付記4)前記駅検索処理手順は所定の範囲内で出発駅または到着駅を検索することを特徴とする付記1、2または3に記載の駅経路検索プログラム。
【0081】
(付記5)前記記憶装置は、ユーザが利用する定期券の情報を含み、前記駅検索処理手順は、前記定期券に含まれる駅を優先して、出発駅および到着駅として検索することを特徴とする付記1に記載の駅経路検索プログラム。
【0082】
(付記6)出発駅から到着駅までの経路を検索する駅経路検索方法であって、
ユーザが利用する端末装置の位置情報を取得する取得工程と、
前記位置情報と、記憶装置に含まれるユーザの目的地の住所および駅に係る情報とをもとに、終電時間内に利用可能な前記端末装置に対する最寄の出発駅と、終電時間内に利用可能なユーザの目的地に対する最寄の到着駅とを検索する駅検索処理工程と、
前記駅検索処理工程によって検索された前記出発駅および前記到着駅に係る情報を、前記端末装置に通知する通知工程と、
を含んだことを特徴とする駅経路検索方法。
【0083】
(付記7)前記駅検索処理工程は、到着駅候補となる駅を、前記ユーザの目的地に対して最も近い駅から順番に抽出する到着駅抽出工程と、前記到着駅抽出工程で抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を到着駅として検出する到着駅検出工程とをさらに含んだことを特徴とする付記6に記載の駅経路検索方法。
【0084】
(付記8)前記駅検索処理工程は、出発駅候補となる駅を、前記端末装置の位置に対して最も近い駅から順番に抽出する出発駅抽出工程と、前記出発駅抽出工程で抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を出発駅として検出する出発駅検出工程とをさらに含んだことを特徴とする付記6に記載の駅経路検索方法。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上説明したように、本発明にかかる駅経路検索プログラムは、終電間近に駅検索を行うユーザの要求に応じる必要のある駅経路検索システムなどに対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本実施例に係る駅経路検索システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本実施例に係る駅経路検索装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】個人情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】駅情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】ユーザ登録処理を示すフローチャートである。
【図6】出発駅および到着駅を検索する処理手順を示すフローチャートである。
【図7】出発駅検索処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】到着駅検索処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本実施例に係る駅経路検索プログラムを実行するコンピュータシステムを示す図である。
【図10】図9に示した本体部の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0087】
10 GPS
20 携帯端末装置
30 ネットワーク
40 駅経路検索装置
41 インタフェース部
42 制御部
42a ユーザ情報登録処理部
42b 最寄駅経路検索処理部
42c 駅経路検索部
43 記憶部
43a 個人情報データベース
43b 駅情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発駅から到着駅までの経路を検索する駅経路検索プログラムであって、
ユーザが利用する端末装置の位置情報を取得する取得手順と、
前記位置情報と、記憶装置に含まれるユーザの目的地の住所および駅に係る情報とをもとに、終電時間内に利用可能な前記端末装置に対する最寄の出発駅と、終電時間内に利用可能なユーザの目的地に対する最寄の到着駅とを検索する駅検索処理手順と、
前記駅検索処理手順によって検索された前記出発駅および前記到着駅に係る情報を、前記端末装置に通知する通知手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする駅経路検索プログラム。
【請求項2】
前記駅検索処理手順は、到着駅候補となる駅を、前記ユーザの目的地に対して最も近い駅から順番に抽出する到着駅抽出手順と、前記到着駅抽出手順で抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を到着駅として検出する到着駅検出手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の駅経路検索プログラム。
【請求項3】
前記駅検索処理手順は、出発駅候補となる駅を、前記端末装置の位置に対して最も近い駅から順番に抽出する出発駅抽出手順と、前記出発駅抽出手順で抽出した駅の中で、終電時間内に利用可能な駅を出発駅として検出する出発駅検出手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の駅経路検索プログラム。
【請求項4】
前記駅検索処理手順は所定の範囲内で出発駅または到着駅を検索することを特徴とする請求項1、2または3に記載の駅経路検索プログラム。
【請求項5】
前記記憶装置は、ユーザが利用する定期券の情報を含み、前記駅検索処理手順は、前記定期券に含まれる駅を優先して、出発駅および到着駅として検索することを特徴とする請求項1に記載の駅経路検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−11546(P2006−11546A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183910(P2004−183910)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】