説明

駐車場情報を提供するナビゲーション装置及び方法

本発明の実施形態は、駐車場通知モジュール(490)を備えることを特徴とするナビゲーション装置(731、831、931)に関する。その場合上記ナビゲーション装置は、駐車場の所在地を示すメッセージ(730、830、930)を無線で受信するように構成されると共に、これに応答して、駐車場通知モジュール(490)は上記駐車場の所在地の表示を表示装置(240)上に表示するか、上記駐車場の所在地を目的地の所在地として選択するかのいずれかを行うように構成される範囲は本明細書に記載の特定の構成に限定されるのではなく、添付の請求の範囲の範囲に含まれる全ての構成、並びにそれらに対する変更及び変形を含むように拡張されることが理解されるであろう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場情報を提供するためのナビゲーション装置及び方法に関する。本発明の諸実施例は、ポータブルナビゲーション装置(いわゆるPND)に関し、特に、全地球測位システム(GPS)信号の受信及び処理機能を含むPNDに関する。さらに一般的に言えば、別の実施形態が、ナビゲーションソフトウェアを実行して、経路計画と、好適には、ナビゲーションや機能性も提供できるように構成された任意の種類の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)信号の受信及び処理機能を含むポータブルナビゲーション装置(PND)が周知であり、車載用あるいは他の車両用ナビゲーションシステムとして広く採用されている。
【0003】
一般的には、現代のPNDは、プロセッサ、メモリ(揮発性と不揮発性メモリのうちの少なくとも一方であり、通常これら双方のメモリ)並びに当該メモリ内に格納された地図データとを備えている。これらのプロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムを確立できる実行環境を提供する。さらに、PNDの機能性を制御可能にするために、かつ、その他の種々の機能を提供するために1以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることが一般的である。
【0004】
通常、これらの装置は、ユーザが装置と対話を行い、かつ、装置の制御を可能にする1以上の入力インタフェースと、情報をユーザへ中継できるようにする1以上の出力インタフェースとをさらに備えている。出力インタフェースの実例としては、視覚表示装置と、可聴出力用スピーカとが含まれている。入力インタフェースの実例としては、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1以上の物理ボタン(これらのボタンは、必ずしも装置自体に存在する必要はなく、装置が車両内に組み込まれている場合にはステアリングホイール上に存在してもよい)と、ユーザの音声を検出するためのマイクとが含まれている。ある特定の好適な構成では、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが接触により装置の動作を可能にする入力インタフェースを追加して提供できるように、(タッチパネル式オーバーレイによる、あるいは別様の)タッチパネル式ディスプレイとして構成されてもよい。
【0005】
また、この種の装置には、装置間で電力及びオプションとしてデータ信号の送受信を可能にする1以上の物理コネクタインタフェースと、オプションとして、セルラ通信、並びにその他の信号ネットワーク及びデータネットワーク、例えばWi−Fi、Wi−Max、GSM、等を介する通信を可能にする1以上の無線送信機/受信機が含まれる場合も多い。
【0006】
この種のPND装置にはGPSアンテナもさらに含まれ、このアンテナによって、位置データを含む衛星放送信号が受信され、その後この信号が処理されて装置の現在地の判定が可能となる。
【0007】
PND装置はまた、現在の角加速度及び直線加速度を判定するために、並びに、その後GPS信号から取得される所在地情報と関連して装置及びこの装置を搭載している車両の速度及び相対変位を判定するために処理可能な信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計をさらに含んでもよい。通常、上記のような特徴は、車載搭載型ナビゲーションシステムに装備されるのが最も一般的ではあるが、PNDに装備する方が好都合な場合はPND装置に装備されてもよい。
【0008】
このようなPNDの有用性は、第1の所在地(通常出発地又は現在地)と第2の所在地(通常目的地)との間の経路を決定するその能力において主に示される。これらの所在地は、例えば、郵便番号、街路名及び番地、事前に格納されている「周知の」目的地(名所、市営の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の関心のある地点等)及びお気に入りの目的地又は最近訪問した目的地等であり、様々な異なる方法のうち任意の方法によって装置のユーザにより入力可能である。
【0009】
通常、PNDは、地図データから得られる出発地の住所所在地位置と目的地の住所所在地との間の「最善」又は「最適」経路を計算するソフトウェアによって作動可能にされる。「最善」又は「最適」経路が所定の基準に基づいて決定され、この経路は必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する際に沿って進む経路の選択は非常に高度の選択であり、この選択された経路は、既存の交通道路情報、予測される交通道路情報、動的受信と無線受信の少なくともいずれかで受信される交通道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに、道路選択の決定要因に対応する運転者自身の基本設定(例えば運転者は、経路が高速自動車道路又は有料道路を含むべきではないと指定してもよい)を考慮に入れてもよい。
【0010】
さらに装置は、道路及び交通の状態を連続的に監視し、変化した状態に起因して、残りの行程の実行経路を変更するように提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話のデータ交換、固定カメラ、GPSによる海運の追跡)に基づくリアルタイムの交通監視システムが、交通の遅延を識別しかつ通知システムに情報を供給するために利用されている。
【0011】
この種のPNDは、通常車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されるが、車両のラジオに搭載されたコンピュータの一部あるいは車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(ポータブル・デジタルアシスタント)、メディアプレーヤ又は移動電話等のようなハンドヘルドシステムの一部であってもよく、その場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路計算と計算済みの経路に沿って進むナビゲーションの双方を実行するためのソフトウェアを装置にインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路計画/ナビゲーション機能性は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ又は移動演算リソースにより提供されてもよい。例えば、イギリス王立自動車クラブ(RAC)は、http://www.rac.co.ukにおいてオンライン経路計画/ナビゲーション機能を提供している。この機能により、ユーザは出発点及び目的地を入力でき、その結果、ユーザのPCが接続されているサーバは経路(この経路の諸側面に関してはユーザが指定してもよい)を計算し、地図を生成し、選択された出発点から選択された目的地までユーザを案内するための包括的なナビゲーション指示の集合を生成する。この機能は、計算済み経路の擬似3次元レンダリングを提供すると共に、経路に沿って移動するユーザのシミュレーションを行い、次いで、このシミュレーションによって上記計算済み経路のプレビューをユーザに提供する経路プレビュー機能性をさらに提供する。
【0013】
PNDの場合、経路が計算されるとすぐに、ユーザはナビゲーション装置と対話を行い、オプションとして提案される経路のリストのなかから所望の計算済み経路を選択する。オプションとして、ユーザは、例えば、ある特定の行程に対して特定の経路、道路、場所又は基準を避けるべきであることを指定するか、あるいは、それらが必須のものであることを指定することにより、経路の選択処理に介入したり、経路の選択処理を案内したりしてもよい。PNDの経路計算の側面は1つの主要機能を形成するものであるが、このような経路に沿って進むナビゲーションはまた別の主要機能となる。
【0014】
計算済みの経路に沿って進むナビゲーション中に、上記のようなPNDが、選択済みの経路に沿ってその経路の終点、すなわち所望の目的地までユーザを案内するための視覚指示と可聴指示の少なくともいずれかの指示を提供することは一般的である。また、PNDがナビゲーション中に地図情報を画面上に表示することも一般的であり、装置が車両搭載型ナビゲーション用として使用されている場合、このような情報は画面上で定期的に更新されて、表示される地図情報が装置の、従ってユーザの又はユーザ車両の現在地を示すようになっている。
【0015】
画面上に表示されるアイコンは、通常、装置の現在地を示し、かつ、装置の現在地の近辺にある現在の道路及び周辺道路の地図情報、並びに同様に表示されている他の地図特徴の表示における中央に配置される。さらにナビゲーション情報は、オプションとして、表示される地図情報の上方、下方又は片側のステータスバーに表示されてもよく、このようなナビゲーション情報の例には、ユーザが行う必要のある次の方向転換までの現在の道路からの距離が含まれ、例えば左折や右折のような特定の種類の方向転換を示すさらなるアイコンによって上記方向転換の性質を表すことも可能である。また、上記ナビゲーション機能は、ユーザを経路に沿って案内する可聴指示の内容、継続時間及びタイミングを決定する。理解されるように、「100m先を左折」等の単純な指示が多大の処理及び解析を必要とすることになる。上述のように、ユーザによる装置との対話はタッチスクリーンにより行われてもよいし、あるいは、上記に加えてあるいは上記の代わりに、このユーザによる対話はステアリングコラムに搭載された遠隔制御装置により、音声起動により、あるいは、他の任意の適切な方法により行われてもよい。
【0016】
装置により提供されるさらなる重要な機能として、経路の自動再計算がある。経路の自動再計算は、ナビゲーション中に、事前に計算済みの経路からユーザが(誤って又は故意に)外れた場合や、別の経路の方が適切であるとリアルタイムの交通状態が示し、かつ、装置がそのような状態を適切に自動認識することが可能である場合、あるいは、ユーザが何らかの理由で積極的に経路の再計算を装置に実行させる場合に行われる。
【0017】
また、ユーザが定義した基準で経路計算が可能であることも知られている。例えば、ユーザは、より景色のよい経路を装置が計算することを望んでもよいし、あるいは、交通渋滞の可能性が高いか、交通渋滞が予想されるか若しくは交通渋滞が現在発生しているいずれの道路も回避することを装置に望んでもよい。その場合、装置のソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば、景勝地の例としてタグ付けられた(POIとして知られている)地点情報が経路に沿って最も多く含まれている経路の方をより有利になるように重み付けたり、あるいは、特定の道路で発生しやすい交通状態を示す格納済み情報を利用したりすることによって、発生しやすい渋滞や、渋滞による遅延レベルに関して計算された経路の順序付けを行う。他のPOI及び交通情報を利用する経路計算及びナビゲーション基準も可能である。
【0018】
経路計算機能及びナビゲーション機能は、PNDの有用性全体の基本になるものではあるが、装置を単に情報表示用として、すなわち「自由運転」用として使用することも可能である。その場合、装置の現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されず、装置によるナビゲーションはその時点では実行されない。このような動作モードは、ユーザが移動の際に沿って進むべき望ましい経路を既に知っていて、ナビゲーションによる補助を必要としないときに適用可能である場合が多い。
【0019】
上述の種類の装置、例えば、TomTom International B.V.により製造及び供給される720Tモデルは、ユーザが1つの位置から別の位置へナビゲートできるようにする信頼性の高い手段を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ナビゲーション装置が、地点情報として地図データに格納されていたり、地図データと共に格納されていたりすることが多い駐車場へユーザを向かわせることができるのに対して、特に交通量の多い都市では、しばしば駐車場が満杯になっていることがある。さらに、利用可能な路上駐車スペースは特に交通量の多い都市では見つけるのが困難である。
【0021】
上記問題を解決すること、特に、車両駐車スペースを発見する際にユーザを支援することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この目的を果たすために、本発明の現時点で好ましい実施形態が、駐車場通知モジュールを備えたナビゲーション装置を提供する。その場合上記ナビゲーション装置は、駐車場の所在地を示すメッセージを無線で受信するように構成され、このメッセージに応答して、駐車場通知モジュールは上記駐車場の所在地の表示を表示装置上に表示するか、上記駐車場の所在地を目的地の所在地として選択するかのいずれかを行うように構成される。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態は、ナビゲーション装置において用いる方法であって、利用可能な駐車場の所在地を示すメッセージを受信するステップと、上記駐車場の所在地の表示を表示装置上に表示するステップ、あるいは、上記駐車場の所在地を目的地の所在地として選択するステップとを有する方法を提供する。上記メッセージは複数の利用可能な駐車場を示すことができると共に、上記方法は上記メッセージ内の表示に基づいて上記複数の利用可能な駐車場の表示を表示するステップを含んでもよい。
【0024】
本発明の別の実施形態は、車両搭載型装置を搬送する車両の現在地を決定すると共に、無線でデータを伝送する1以上の車両搭載型装置であって、駐車場を出る車両を判別し、この判別に応答して、上記駐車場の所在地を示すメッセージを送信するように構成された車両搭載型装置と、駐車場通知モジュールを備えた1以上のナビゲーション装置とを備え、その場合、上記ナビゲーション装置は、上記駐車場の所在地を示すメッセージを無線で受信するように構成されると共に、この受信に応答して、上記駐車場通知モジュールは、上記駐車場の所在地の表示を表示装置上に表示するか、上記駐車場の所在地を目的地の所在位置として選択するかのいずれかを行うように構成されることを特徴とするシステムを提供する。
【0025】
本発明の別の実施形態は、プロセッサと、無線でデータを受信する受信機と、ディスプレイとを備えたナビゲーション装置に関し、上記受信機は、利用可能な駐車場の所在地を示す駐車場利用可能メッセージを受信するように構成されると共に、上記ナビゲーション装置は、上記駐車場の所在地の表示を表示装置上に表示するか、上記駐車場の所在地を目的地の所在地として選択するかのいずれかを行うように構成された駐車場通知モジュールを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の別の実施形態は、ナビゲーション装置において用いる方法に関するものであり、該方法は、利用可能な駐車場の所在地を示すメッセージを受信するステップと、上記駐車場の所在地の表示を表示装置上に表示するステップか目的地の所在地として上記駐車場の所在地を選択するステップかのいずれかのステップとを有すること特徴とする。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態は、1以上の動作可能なソフトウェアモジュールを有するコンピュータソフトウェアに関し、該コンピュータソフトウェアは、実行環境において実行されると、利用可能な駐車場の所在地を示すメッセージをプロセッサに受信させ、かつ、上記駐車場の所在地の表示を表示装置(240)上に表示させるか、上記駐車場の所在地として目的地の所在地を選択させるかのいずれかをプロセッサに行わせるようになっている。
【0028】
以下上記実施形態の利点について説明し、上記各実施形態のさらなる詳細及び特徴については、添付の従属請求項及び以下の詳細な説明において定義される。
【0029】
本発明の教示の種々の側面及び上記教示を実施する構成について、添付図面を参照しながら説明のための実施例を用いて以下説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】全地球測位システム(GPS)の概略図である。
【図2】ナビゲーション装置を提供するように構成された電子構成要素の概略図である。
【図3】ナビゲーション装置が無線通信チャネルを介して情報を受信することができる方法を示す概略図である。
【図4A】ナビゲーション装置の例示の透視図である。
【図4B】ナビゲーション装置の例示の透視図である。
【図5】ナビゲーション装置により採用されたソフトウェアの概略代表図である。
【図6】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置のディスプレイから撮られた例示のスクリーンショットである。
【図7】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置のディスプレイに表示された画像項目である。
【図8】本発明の実施形態に係るシステムを図示する概略図である。
【図9】本発明の実施形態に係るシステムを図示する概略図である。
【図10】本発明の実施形態に係るシステムを図示する概略図である。
【図11】本発明の実施形態に係る方法を例示するフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係るシステムを図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、PNDを特に参照しながら本発明の推奨実施形態について説明する。しかし、本発明の教示はPNDに限定されるものではなく、ナビゲーションソフトウェアを実行することにより経路計画/ナビゲーションの機能性を提供するように構成される任意の種類の処理装置に一般に適用可能であることに留意するべきである。したがって、本出願の説明においてナビゲーション装置は、PNDとして、車両内に組み込まれたナビゲーション装置として、あるいは、経路計画/ナビゲーションソフトウェアを実行する(デスクトップコンピュータ又はポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話又はポータブルデジタルアシスタント(PDA)のような)演算リソースとして、装置が実現されるかどうかに関わりなく、任意の種類の経路計画/ナビゲーション装置を(制限なく)含むことを意図するものである。
【0032】
また、ユーザが1つの地点から別の地点へナビゲートする方法に関する指示を求めているのではなく、単に所定の場所のビューの提供を所望している状況においてさえ、本発明の教示が有用であることは以下の説明から明らかになるであろう。このような状況において、ユーザにより選択された「目的地」の所在地は、ユーザがナビゲーションの開始を所望する起点となる、対応する出発地の所在地を有する必要はなく、したがって、「目的地」の所在地又は実際の「目的地」のビューに対する本明細書の参照は、経路の生成が不可欠であるとか、「目的地」への移動を実行する必要があるとか、あるいは、実際に目的地の存在が対応する出発地の所在地の指定を必要とするとかを意味すると解釈されるべきではない。
【0033】
上述の条件を考慮にいれて、図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す図である。そのようなシステムは周知であり、種々の目的に使用される。一般に、GPSは、連続的な位置、速度、時間及びいくつかの例においては方向情報を無数のユーザに対して判定できる衛星無線ナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして周知であったが、GPSは極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を使用する。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は、それらの場所を任意の数の受信装置に中継できる。
【0034】
GPSデータを受信する能力を特別に備える装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0035】
図1に示すように、GPSシステム全体を参照番号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期であることが多い。GPS受信機140が、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するように示されている。
【0036】
各衛星120から連続的に送信されるスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成される非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信機140が三角測量によりその2次元位置を計算するために、GPS受信機140は少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得することが当業者には理解される。更なる信号を取得すると、全部で4つの衛星120から信号160を取得する結果となり、これによってGPS受信機140は、その3次元位置を周知の方法で計算できる。
【0037】
図2は、本願の一実施形態のナビゲーション装置200の電子構成要素を、ブロック構成要素の形式で示す例示的な図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0038】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に位置付けられる。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル、及び情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置のうちの少なくとも1つを含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の任意の種類の表示画面を含むことができる。好適な構成において、入力装置220及び表示画面240は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、その場合、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために、表示画面240の一部分に接触するだけでよい。
【0039】
ナビゲーション装置は、たとえば可聴出力装置(例えば、ラウドスピーカ)のような、出力装置260を含んでもよい。出力装置260がナビゲーション装置200のユーザに対して可聴情報を生成できるので、同様に、入力装置240が入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができると理解される。
【0040】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220に動作可能に接続され且つ入力装置220から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、表示画面240及び出力装置260のうちの少なくとも一方に出力接続245を介して動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリ230に動作可能に接続され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。メモリリソース230は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリと、例えばフラッシュメモリのような不揮発性メモリであるデジタルメモリを備える。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばハンズフリー動作と音声起動動作との少なくとも一方のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、並びに/あるいは例えば移動電話への接続のためのカーステレオユニット等の他の任意の外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するためと、インターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するためとの少なくとも一方のために使用されてもよい。
【0041】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。参照番号250で示されるアンテナ及び受信機は、図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は、別個に位置する構成要素であってもよく、アンテナは、例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0042】
更に、図2に示す電子構成要素が従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成が本願の範囲内で考えられる。例えば、図2に示す構成要素は、有線接続と無線接続との少なくとも一方等を介して互いに通信状態にあってもよい。従って、本願のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0043】
更に、図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば、自転車、オートバイ、自動車、あるいは船舶等の車両に周知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するために、ドッキング場所から取り外し可能である。
【0044】
次に、図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば、周知のBluetooth技術を介するデジタル接続)を確立する不図示の移動装置(移動電話、PDA、及び移動電話技術を用いる任意の装置のうちの少なくとも1つ等)を介して、サーバ302との「モバイル」あるいは電気通信のネットワーク接続を確立してもよい。そうして、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置は、サーバ302とのネットワーク接続を(例えば、インターネットを介して)確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも非常に「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体時、及び車載走行時の少なくとも一方において移動可能であり且つ多くの場合移動している)とサーバ302との間に確立される。
【0045】
例えばインターネット(ワールドワイドウエブのような)を使用して、移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間にネットワーク接続を確立することは、周知の方法で行われうる。これは、例えばTCP/IP層プロトコルの使用を含む。移動装置は、CDMA、GSM、WAN等の任意の数の通信規格を利用できる。
【0046】
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば、移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は、通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われうる。
【0047】
更に、ナビゲーション装置200は、移動装置とのデータ接続を完成し、例えば既存のBluetooth技術を介して周知の方法でインターネット及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完成する。この場合、例えばデータプロトコルは、GSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等の任意の数の規格を利用できる。
【0048】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自身の中に、自身の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含み、あるいはオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを代わりに用いて)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ、且つ/又は例えば必要な移動電話技術とアンテナとの少なくとも一方を備える挿入可能なカード(例えば、、SIM(加入者識別モジュール)カード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、任意の移動装置の方法と同様の方法で、例えばインターネットを介して、ナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0049】
GRPS電話設定の場合、移動電話の機種、製造業者等の多様な範囲に関して正しく動作するために、Bluetooth対応の装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新されうる。
【0050】
図3において、汎用通信チャネル318を介して、サーバ302と通信しているナビゲーション装置200が示されている。汎用通信チャンネルは、種々の異なる構成によって実現可能である。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信可能である(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
【0051】
サーバ302は、図示しない他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。更に、プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200と情報の送受信を行うために、送信機308及び受信機310に動作可能に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機308及び受信機310は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は、信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0052】
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は、大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、ナビゲーションデータ及び地図情報のストアを含む。また、大容量記憶装置312は、サーバ302とは別個の装置であってもよく、サーバ302に組み込まれてもよい。
【0053】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、更に、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を含む。尚、これらの装置は、サーバ302以外の装置と通信するためにも使用される。更に、送信機320及び受信機322は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は、単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0054】
サーバメモリ306に格納されるソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0055】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0056】
通信チャネル318は、特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば、通信チャネル318は、電気通信、光通信、及び電磁通信のうちの少なくとも1つ等のためのパスを提供するように構成されることができる。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は例えば、ルータ、リピータ、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0057】
一つの例示的な構成において、通信チャネル318は、電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に適応できてもよい。更に、通信チャネル318は衛星通信に適応できる。
【0058】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications)(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信できる。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号、及び圧縮信号のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0059】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に位置するネットワークサーバを含んでもよい。
【0060】
サーバ302は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318は、パーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してナビゲーション装置200をサーバ302に接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0061】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を与えられてもよい。情報は、ユーザがナビゲーション装置200をサーバ302に接続する場合に自動的に周期的に更新されてもよく、且つ/又は例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間に接続がより継続して又は頻繁に確立される場合に更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のために、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も同様に、多くの場合においてはサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0062】
図2に示す様に、ナビゲーション装置200はプロセッサ210、入力装置220、表示画面240を含む。入力装置220及び表示画面240は、例えばタッチパネルスクリーンを介して情報(直接入力、メニュー選択など)を入力すること及び情報を表示することとの両方を可能にするために、一体型入力表示装置に統合される。このようなスクリーンは、当業者には周知のものであるように、例えばタッチ入力LCDスクリーンであってもよい。更に、ナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力装置などの、更なる任意の入力装置220と更なる任意の出力装置241との少なくとも一方を有しても良い。
【0063】
図4A及び図4Bは、ナビゲーション装置200の斜視図を示している。図4Aに示すように、ナビゲーション装置200は、一体型入力表示装置290(例えばタッチパネル画面)と図2の他の構成要素(内蔵GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム220などを含むがこれらに限定されない)を含むユニットであっても良い。
【0064】
ナビゲーション装置200は、アーム292上に備え付けられても良い。このアーム292は、大きな吸着カップ294を用いて、車両のダッシュボード/窓/等に固定されても良い。このアーム292は、ナビゲーション装置200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。
【0065】
図4Bに示すように、ナビゲーション装置200は、例えば、アーム292に対してナビゲーション装置292をスナップ接続することで、ドッキングステーションのアーム292にドッキング若しくは接続することができる。図4Bにおける矢印で示すように、ナビゲーション装置200は、アーム292上で回転可能である。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解除するためには、例えば、ナビゲーション装置200上のボタンを押下すればよい。ドッキングステーションへのナビゲーション装置の着脱を行うための他の等価的に適用が可能な構成は、当業者には周知である。
【0066】
次に添付図面の図5を参照すると、メモリリソース230は、機能的ハードウェア構成要素460によって実行するためのオペレーティングシステム470をメモリリソース230からロードするために、プロセッサ210により実行されるブートローダプログラム(図示せず)を格納する。上記メモリリソースはアプリケーションソフトウェア480が実行可能な環境を提供するものである。オペレーティングシステム470は、機能的ハードウェア構成要素460を制御する役割を果たし、アプリケーションソフトウェア480と機能的ハードウェア構成要素460との間に常駐する。アプリケーションソフトウェア480は、ナビゲーション装置200の基本機能、例えば、地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及びこれらの機能に関連付けられた他の任意の機能をサポートするGUIを含む動作環境を提供する。本発明の推奨実施形態によれば、上記機能性の一部は空き駐車場通知モジュール490を備える。以下の図と関連して次にこのモジュールの機能性について詳述する。
【0067】
空き駐車場通知モジュール490は、利用可能な駐車場についてユーザに動作可能に通知するか、無線で受信した情報に基づいて利用可能な駐車場を目的地として選択する。空き駐車場通知モジュール490は、例えば表示装置240に表示された地図上に、最近空きが出た駐車場の所在地を示す可視表示を動的に提供することができる。いくつかの実施形態では、この可視表示はその駐車場に空きが出たかのがどのくらい最近であるかを示す表示を含むことができる。この表示は、利用可能になったのがどのくらい最近であるかを示すテキスト表示とカラー表示の少なくともいずれかの形の表示であってもよい。上記とは別にあるいは上記に加えて、空き駐車場通知モジュール490は最近空きが出た駐車場の所在地を目的地の所在地として選択することができる。
【0068】
駐車場通知モジュールは、該モジュールがナビゲーション装置の現在地から所定の距離の範囲内にあるとき、最近空きが出た駐車場の所在地を目的地の所在地として選択することができる。空きが出た駐車場に関する情報は、ナビゲーション装置のような車両搭載型装置から、あるいは、車両が駐車場をいつ空けたかを検出するセンサを含むシステムから提供されてもよい。
【0069】
車両搭載型装置は、この装置が所在地を検知した車両が駐車スペースをいつ出ていくかを判定するように構成される。これに応答して、車両搭載型装置は1以上のナビゲーション装置に利用可能な駐車スペースを通知する。いくつかの実施形態では車両搭載型装置はナビゲーション装置200である。しかし、車両搭載型装置はまた、車両監視装置、道路通行料監視装置、又は車両の所在地を監視し、かつ、通信リソースにアクセスすることが可能な他の任意の装置のような別の種類の装置であってもよい。この車両搭載型装置はまた、ポータブルナビゲーション装置のような車両に配置された携帯機器であってもよい。この装置の空き駐車場通知モジュール490は、車両が駐車場をいつ空けるか、あるいは、最近いつ駐車場を空けたかを判別するように構成される。駐車場に空きが生じると、空き駐車場通知モジュール490は1以上のナビゲーション装置200にその旨を通知するよう構成される。この通知は、通信チャネル318を介してサーバ302へ伝送されてもよいし、1以上のナビゲーション装置200へ直接伝送されてもよい。この通知は、サーバを介して送信を行うか、直接送信を行うかのいずれかの態様で通知を送信する装置を用いて、通信可能なすべてのナビゲーション装置200へ送信されてもよい。或いは、通知は通信可能なナビゲーション装置200のサブセットへ送信されてもよい。このサブセットは、通知を送信する装置から所定の距離の範囲内にあるナビゲーション装置200であってもよい。或いは、サブセットは1以上の所定のナビゲーション装置200であってもよい。
【0070】
駐車管理システムは、車両が対応する駐車場に駐車している時点を検出するための1以上のセンサを備えてもよい。システムの制御ユニットは、車両が対応する駐車場に駐車されているかどうかを示す個々のセンサから情報を受信する。車両が駐車場を出たり、駐車場が利用可能である旨をシステムが判別したりするステップに応じて、制御ユニットは駐車場の利用可能性を示す信号を送信するように構成される。この信号は、1以上のナビゲーション装置の駐車場通知モジュールによって受信されたり、1以上のナビゲーション装置の駐車場通知モジュールへ通信されたりしてもよい。これに応答して、駐車場通知モジュールは、最近空きが出た駐車場の所在地を示す可視表示を行ったり、最近空きが出たり、利用可能になったりした駐車場の所在地を目的地の所在地として選択したりすることが可能となる。
【0071】
次に空き駐車場通知モジュール490の実施形態の動作について詳細に説明する。空き駐車場通知モジュール490は、利用可能な駐車場を発見するためにナビゲーション装置200のユーザを補助するように動作する。利用可能な駐車場は、1以上の駐車場の地図上の所在地を示す受信済みの駐車場利用可能メッセージから空き駐車場通知モジュール490によって決定される。この駐車場利用可能メッセージは、ナビゲーション装置のような車両搭載型装置から直接受信されてもよいし、あるいは、以下で説明するようなサーバコンピュータから受信されてもよい。
【0072】
図6を参照すると、利用可能な駐車場の表示を提供する駐車モードの第1の実施形態において動作するナビゲーション装置200の表示装置240のスクリーンショットが示されている。この駐車モードでは、ナビゲーション装置200は、装置200の現在地を表す地図情報610を表示装置240上に表示するように構成される。アイコン620はナビゲーション装置200の現在地を示す。このアイコンは、装置の現在地の近辺にある現在の道路及び周辺道路の地図情報610、並びに、同様に表示されている他の地図特徴の表示の、中央に配置される。ナビゲーション情報630は表示された地図情報の下にあるステータスバーに表示される。ナビゲーション情報630には、ユーザが行う必要のある次の方向転換までの現在の道路からの距離と、特定の種類の方向転換(例えば左折や右折)を連想させるアイコンと、現在の道路の名称及び現在の旅行に関する別の種々の情報と、ナビゲーション装置200により受信される衛星放送信号の強度の表示とが含まれる。ディスプレイ240は、複数の記号640、650、660、670を用いて、ナビゲーション装置200の現在地の近辺にある利用可能な駐車場の所在地をさらに示す。個々の記号640、650、660、670は、記号が駐車場の利用可能性を通知している旨の表示を含み、この利用可能性は、本例では、文字Pと、駐車場が利用可能になってからの時間表示とによって示される。図6においては、当該駐車場が利用可能になってからの時間を特定するテキストのラベル付けによって、当該駐車場が利用可能になってからの時間表示が提供されている。しかし、この表示は、記号の色を変えることなどによって別様にても提供され得るものである。例えば、最近利用可能になった駐車場を緑色で示すようにしてもよく、この緑色は、時間の経過と共に退色したり、赤色に変化したりする。当該駐車場が利用可能になってからの時間表示は、この駐車場がまだ利用可能である可能性がどの程度なのかをユーザが確証するのに役立つ。駐車場の利用可能性を示す記号は、所定時間後にディスプレイ240から取り除くようにしてもよい。これはディスプレイが乱雑になるのを防ぐためであると共に、駐車場がもはや利用できなくなっていることが想定される場合もあるという理由のためである。上記所定時間はナビゲーション装置の現在地に応じて決めてもよい。例えば、都市においては、この所定時間は、5分などのような相対的に短い時間にしてもよいのに対して、小さな町では、所定時間は10分又は15分のようなより長い時間にしてもよい。図6にさらに示すように、ディスプレイは、利用可能な駐車場のうちの1つまでユーザを経路に沿って案内するための目に見える指示680を提供する。上記経路計画の対象となった利用可能な駐車場640は、空き駐車場通知モジュール490により自動的に決定されてもよいし、あるいは、表示された駐車通知640、650、660、670のうちの1つを選択する表示装置240上で受け付けられるタッチ入力のような適切なユーザ入力によってユーザにより選択されてもよい。
【0073】
図7は、受信した駐車場利用可能メッセージに応答して、駐車モードの第2の実施形態で動作するナビゲーション装置200の表示装置240に表示された画像項目700を例示する図である。上述したように、駐車場利用可能メッセージは、空きが出た駐車場の所在地と、駐車場が空きになった時刻とを示すものである。本発明のこの実施形態では、空き駐車場通知モジュール490は、新しく空きが出た旨の駐車場利用可能メッセージをナビゲーション装置200が受信した旨を示す可視表示を表示装置上に表示するように構成される。この可視表示は、「ポップアップ」、すなわち駐車場利用可能メッセージの受信を示すダイアログボックス700の形で表される。本実施形態では、表示700は、例えば「新たに利用できる駐車場です!」というテキストでもって、受信された駐車場利用可能メッセージをユーザへ伝える情報を含む。いくつかの実施形態では、ダイアログボックス700は、ナビゲーション装置200の現在地から、駐車場利用可能メッセージで特定された駐車場までの距離を示す距離情報710と、駐車場に空きが生じてからの時間を示す時間情報720とのうちの少なくともいずれかの情報をさらに有する。いくつかの実施形態では、ユーザが経路案内のために目的地の所在地として選択するのに用いるグラフィック制御730をダイアログボックスの中に含め、その選択操作に応じてナビゲーション装置200がユーザをその駐車場へ向かわせるようにしてもよい。しかし、別の実施形態では、例えば駐車場が、現在地から所定の距離又は所定の移動時間の範囲内に存在するか、前回選択した駐車場よりも現在地に近い場所に存在するなどの1以上の所定の基準を満たす場合に、目的地の所在地として空き駐車場通知モジュール490により駐車場が自動的に選択されるようにしてもよい。
【0074】
図8は、本発明の実施形態に係る利用可能な駐車場のナビゲーション装置を通知するシステム800を例示する図である。このシステムは、以上詳述したように通信チャネルを介して第1のナビゲーション装置820と通信可能に結合されたサーバ810を備えるものである。サーバ810は1以上のさらなるナビゲーション装置831〜836とも通信可能に結合されている。第1のナビゲーション装置820は、空き駐車場通知モジュール490を備えると共に、ナビゲーション装置のグループを形成する上記ナビゲーション装置831〜836と同一の装置であってもよい。
【0075】
第1のナビゲーション装置820の空き駐車場通知モジュール490は、駐車スペースを出ていく車両の内部にある第1のナビゲーション装置820の所在地をいつ検知したか、すなわち最近いつ駐車スペースを出たかの判定を行うように構成される。駐車スペースから出ていく車両内のナビゲーション装置820の所在地をいつ検知したかの判定は以下に説明するような複数の異なる方法で行うことが可能である。
【0076】
1つの実施形態では、ナビゲーション装置820が停止された場所と同一の場所で電源がオンにされると、空き駐車場通知モジュール490はナビゲーション装置820が車両内に存在すると判定することができる。この判定は、ナビゲーション装置820が駐車された車両内にあること、すなわちナビゲーション装置820が停止され、次いで、車両が移動を開始する前に同じ場所で電源がオンにされたことを示すことになる。さらに、上記の判定は、ナビゲーション装置820が停止される前に例えば時速20kmのような所定の速度よりも大きな速度で以前にその場所まで移動した旨を空き駐車場通知モジュール490が判定することにより裏づけることができる。別の実施形態では、ナビゲーション装置820は、圧力スイッチのような手段を設けて、該装置がドッキングステーションのアーム292といつドッキングされたかを検出するようにしてもよく、この検出によって上記装置820が車両のフロントガラスに取り付けられていることが示される。別の実施形態では、空き駐車場通知モジュール490は、ナビゲーション装置820の現在地を格納されている地図データと比較して、現在地が駐車エリア内に存在することを判定するようにしてもよい。さらに別の実施形態では、空き駐車場通知モジュール490は外部のソースから電力がいつナビゲーション装置820に供給されるかを判定してもよく、この判定によって空き駐車場通知モジュール490が車両内に取り付けられていることが示されることになる。別の実施形態では、空き駐車場通知モジュール490は、ユーザがナビゲーション装置820で経路計画をたて、時速20kmのような所定の速度よりも大きな速度でその計画がたてられた場所からナビゲーションが離れていく場合に、移動を開始した車両の中に空き駐車場通知モジュール490が存在することを示していると判定する。さらに別の実施形態では、空き駐車場通知モジュール490は、ナビゲーション装置820が、車両のブルートゥースオーディオ装置や車両の(CANバスなどの)情報バスのような車両の電子システムと通信を行うことができる場合、ナビゲーション装置820が車両内に存在すると判定するように構成される。後者の実施形態の場合、空き駐車場通知モジュール490は、エンジンの開始/停止、ドアのロック/アンロック、手動ブレーキのオン/オフ等のような情報を示す、CANバスを介して受信した情報から、ナビゲーション装置が駐車中の車両内に配置されていることを判定することができる。このような情報は、車両が駐車している場合と、交通渋滞や信号機や橋などで待機して単に停止している場合との識別を行うのに有用な情報となり得る。別の実施形態では、エンジンが動いている車両にナビゲーション装置が配置されていることを判定するために、ナビゲーション装置200のマイク220から受信したオーディオデータの解析が行われる。上記実施形態のいずれも組み合わせることが可能であり、その組み合わせによってナビゲーション装置820が車両内に存在している時点を判定する信頼度のレベルが高められる。好適には、ナビゲーション装置200が駐車スペースを出るところであるとか、駐車スペースから出たところであるということを判定する空き駐車場通知モジュール490によって、当該駐車スペースにおける車両の存否を判定する物理センサを装備していない駐車スペースの利用可能性をユーザに通知することを可能とすることが望ましい。
【0077】
ナビゲーション装置820が車両内に存在する旨の判定が空き駐車場通知モジュール490によって行われ、かつ、ナビゲーション装置820の現在地の変更が始まるとすぐに、空き駐車場通知モジュール490は利用可能な駐車場についてのメッセージ825をサーバ810へ送信するように構成され、これにより駐車場が利用可能になったことが示される。メッセージ825は、利用可能な駐車場の所在地(例えばナビゲーション装置820の所在地が駐車中の車両内で検知されたことが空き駐車場通知モジュール490により判定された場所)を特定する情報を含んでもよいし、さらに、該メッセージは、駐車場が利用可能になった時刻も示すようにしてもよい。さらに、いくつかの実施形態ではメッセージは利用可能な複数の駐車場を示してもよい。本例では、上記メッセージは単一の駐車場に空きが生じた、すなわち利用可能であること、を示すようになっている。
【0078】
ナビゲーション装置820から駐車場利用可能メッセージ825を受信すると、サーバ810は、通信チャネル318を介して、駐車場利用可能メッセージ830を個々のナビゲーション装置831〜836へ送信することによって、ナビゲーション装置831〜836のグループに利用可能になった駐車場を通知するように構成される。駐車場通知メッセージ830は第1のナビゲーション装置820により生成され、かつ、サーバ810により受信されたメッセージのコピーであってもよい。ナビゲーション装置831〜836へ送信された駐車場利用可能メッセージ830は駐車場の所在地を示し、かつ、その駐車場が利用可能になった時刻を示すようにしてもよい。
【0079】
駐車場が利用可能である旨の通知メッセージ830の受信に応じて、ナビゲーション装置831〜836の各々は、受信した駐車場通知メッセージに含まれている情報をメモリ230に格納する。いくつかの実施形態では、利用可能な駐車場の所在地がナビゲーション装置831〜836の現在地から所定の距離以上のところに在る場合、駐車場利用可能メッセージ830はナビゲーション装置により破棄されてもよい。ユーザがその後ナビゲーション装置831〜836の駐車モードを起動させた場合、空き駐車場通知モジュール490は、図6を参照しながら説明したように、ナビゲーション装置の近辺にある利用可能な駐車場の表示を表示するように構成される。空き駐車場通知モジュール490が所定の時間量の範囲内で利用可能になった駐車場のみを表示するように構成されている場合、個々の駐車場が利用可能になった時刻を示す駐車場利用可能メッセージ内の情報を利用して、表示装置240上に示すべき駐車場が特定されるようにしてもよい。
【0080】
図8を参照しながら説明した実施形態には駐車場利用可能メッセージをナビゲーション装置831〜836へ配信するサーバ810が含まれてはいるが、サーバ810を必要としない本発明の実施形態が予見され得る。これらの実施形態では、個々のナビゲーション装置820、831〜836は、別のナビゲーション装置820、831〜836へ/から無線によるデータの送受信を行うことが可能である。例えば、個々のナビゲーション装置はWiMAX送信機/受信機ユニットを含んでもよい。本ケースでは、第1のナビゲーション装置820は、送信機/受信機ユニットを用いて、地方にある利用可能な駐車場についてのメッセージを別のナビゲーション装置831〜836へ直接送信するように構成される。好都合なことに、上記構成により、駐車場から比較的近いナビゲーション装置831〜836のみへ駐車場利用可能メッセージ830が伝送されることが保証される。
【0081】
図9は、図8を参照しながら前述のものと同様の、サーバ910、第1のナビゲーション装置920、サーバと第1のナビゲーション装置920間の通信チャネル925、並びに、通信チャネル930を介してサーバと通信を行う複数の別のナビゲーション装置931〜936を備えたあるシステムを示す図である。前述したように、第1のナビゲーション装置920の空き駐車場通知モジュール490は、駐車場から出て行く車両の内部にあるナビゲーション装置920の所在地が検知された時点を判定すると共に、駐車場利用可能メッセージをサーバ910へ送信するように構成される。しかし、これらの実施形態では、サーバ910と通信可能に結合されたナビゲーション装置931〜936のうちのいくつかのみに対して利用可能な駐車場が通知される。
【0082】
1つの実施形態では、サーバ910は、複数のナビゲーション装置931〜936のうちのどの装置に対して駐車場利用可能メッセージ930を送信するかを個々のナビゲーション装置931〜936の現在地に基づいて決定する。ナビゲーション装置のグループ931〜936の各装置は、自分の現在地を示す場所情報をサーバ910へ周期的に伝送して、例えば、個々のナビゲーション装置931〜936の近辺に関連する道路交通情報の提供を可能にするように構成される。場所情報を利用することによって、サーバ910は、ナビゲーション装置931〜936の各装置と、第1のナビゲーション装置920からサーバが受信した駐車場利用可能メッセージの中で特定された駐車場の所在地との間の、相対的な距離を決定するように構成される。この距離が所定の距離未満であれば、サーバ910は、駐車場利用可能メッセージを当該ナビゲーション装置へ送信し、それによって、駐車場から所定の距離の範囲内にあるナビゲーション装置のみへこのメッセージが通知されるように構成される。図9に示される例では、ナビゲーション装置931、934及び935が、利用可能な駐車場から所定の距離の範囲内に存在することがサーバ910によって判定されている。そのため、サーバ910は駐車場利用可能メッセージ830をナビゲーション装置のみへ伝送するが、利用可能な駐車場から所定の距離以上のところに在るその他のナビゲーション装置932、933、936へはこのメッセージは伝送されない。
【0083】
図9を再び参照しながら、駐車場利用可能メッセージ930がサーバ910によってナビゲーション装置931〜936のサブセットのみへ送信される本発明の別の実施形態について以下説明する。
【0084】
1つの実施形態では、第1のナビゲーション装置920によってサーバ910へ送信される駐車場利用可能メッセージ925には民間の駐車場グループ識別番号(private parking group identification number: PPGID)がさらに含まれている。サーバ910によりPPGIDを利用して、サーバ910が送信するべき駐車場利用可能メッセージ930の送信先である1以上のナビゲーション装置が特定される。サーバ910は、1以上のナビゲーション装置を特定するナビゲーション装置グループデータベースをPPGIDと共に格納する。第1のナビゲーション装置920から駐車場利用可能メッセージ925を受信すると、サーバ910は、ナビゲーション装置グループデータベースの中から当該PPGIDに属するナビゲーション装置を決定すると共に、その駐車場利用可能メッセージをそれらナビゲーション装置931、934、935のみへ送信するように構成される。この構成は、例えば上記駐車場が複数のユーザにより使用される民営の駐車場である場合には役立つ構成となる。1人のユーザが民営の駐車場から出るとすぐに、その利用可能性は駐車場の別の正規ユーザのみへ伝送される。第1のナビゲーション装置920に格納された地図データは、その駐車場を民営のものとして特定することが可能であると共に、民営の駐車場から出て行く第1のナビゲーション装置920の所在位置が検知された車両に応じて、空き駐車場通知モジュール490は、当該駐車場にとって適切なPPGIDを含む駐車場利用可能メッセージを送信するように構成される。
【0085】
代替の実施形態では、第1のナビゲーション装置920は、前の実施形態の場合のような駐車場が民営のものであるか否かにかかわりなく、駐車場利用可能メッセージ925をサーバ910へ送信するように構成される。サーバ910は、民営駐車場の所在地及び個々の駐車場に対応する1以上のナビゲーション装置931、934、935を示す地図データをメモリ306に格納する。第1のナビゲーション装置920から駐車場利用可能メッセージ925を受信すると、サーバ910は、メッセージ925に示されている所在地が民営の駐車場に対応しているかどうかを格納済みの地図データから判定するように構成される。この所在地が民営の駐車場であれば、駐車場利用可能メッセージ925はその民営の駐車場に対応する当該ナビゲーション装置931、934、935のみへサーバ910により送信される。
【0086】
図10は、図8に示した実施形態と類似の本発明の別の実施形態を示す図である。システム1000はサーバ1010、車両搭載型装置1020及び複数のナビゲーション装置1031〜1036を備える。車両搭載型装置1020は、その現在地を判定することと、駐車場利用可能メッセージ1025をサーバ1010へ送信することが可能な装置である。このような車両搭載型装置は、例えば、車両所有者に警告するためや、車両が盗まれた場合の車両の所在位置に関するキュリティサービスのためや、道路利用料金を支払う目的のためなどに利用される装置のような車両セキュリティ装置であってもよい。装置1020は、この装置が装着されている車両が前述した空き駐車場通知モジュール490の場合と同様に駐車場から出て行く時点を検出すると共に、駐車場通知メッセージ1025をサーバ1010へ送信するように構成される。サーバ1010は、装置1020から通知メッセージ1025を受信すると、図10に示されているような、通信可能に結合されているナビゲーション装置1031〜1036のすべての装置へ駐車場通知メッセージ1030を送信するか、或いは図9を参照しながら前述したようにナビゲーション装置のうちのいくつかの装置のみへ駐車場通知メッセージ1030を送信するように構成される。
【0087】
図11は、本発明の別の実施形態に係る方法1100を示す図である。本実施形態では、駐車を望むユーザが自分のナビゲーション装置200において駐車モードを起動させる。この起動に応答して、ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置200の現在地を含む駐車要請メッセージをサーバ810、910、1010へ送信することによって、そのナビゲーション装置のユーザの駐車意図を信号で送信する駐車モードが起動されていることをサーバ810、910、1010に通知する。サーバ810、910、1010は、前述した実施形態の場合のように、ナビゲーション装置200から駐車場利用可能メッセージを受信するように構成される。しかし、本実施形態では、サーバ810、910、1010は、ユーザが駐車を望んでいるナビゲーション装置200へ通知するべき駐車場を選択するように構成される。すなわち、サーバ810、910、1010は、利用可能な駐車場をナビゲーション装置200へ選択的に通知する。そのため、すべてのナビゲーション装置200に対してあらゆる駐車場が通知されるわけではない。サーバ810、910、1010は複数の車両が単一の駐車場に集中しないように通知対象の駐車場を選択する。すなわち、サーバ810、910、1010は通知すべき駐車場を選択し、それによって地理的エリア内での駐車を所望する車両が利用可能な駐車場にわたって分散されるようにする。本方法はステップ1110から始まり、次いで、ステップ1120で、サーバ810、910、1010は、駐車場から出ていくナビゲーション装置から駐車場利用可能メッセージを受信する。ステップ1130で、サーバ810、910、1010は、駐車を所望するユーザを持つ別のナビゲーション装置200から駐車要請メッセージを受信する。ステップ1140で、サーバ810、910、1010は、いずれのナビゲーション装置200がその利用可能な駐車場の通知を受けるべきかを判定する。ナビゲーション装置200は、この装置が駐車場から所定の距離の範囲内に存在すれば、利用可能な駐車場について通知を受けることになる。駐車場から所定の距離の範囲内にある複数のナビゲーション装置200が、サーバ810、910、1010へ駐車場要請メッセージを送信した場合は、サーバ810、910、1010は、あまりに多数の車両が駐車場に到着しないようにするために、先着順に決定された(すなわち所定数未満の)ナビゲーション装置200のサブセットのみに通知するようにしてもよい。本方法はステップ1160で終了する。
【0088】
図12は、本発明の別の実施形態に係る、利用可能な駐車場をナビゲーション装置に通知するシステム1200を示す図である。システム1200は、車両が対応する駐車場に駐車される時点を検出するための1以上の検出器1201、1202を備える。検出器1201、1202は車両の存否を検出できる任意の形の検出器であってもよい。これらの検出器は接触型又は非接触型検知装置であってもよい。例えば、光学的車両検知装置又は電磁誘導ベースの検知装置を使用してもよい。検出器1201、1202は種々の検知技術の組み合わせたものであってもよい。すなわち、個々の検出器1201、1202は同じ技術のものである必要はない。個々の検出器1201、1202は対応する駐車場に車両が存在しているかどうかを示す車両検出信号を出力するように構成される。この車両検出信号は駐車管理サーバ1210により受信される。車両検知装置1201、1202から車両検出信号を受信するサーバ1210は、駐車場が利用可能であるかどうかの判定を行う。サーバ1210は多階の駐車場のような1以上の駐車施設において駐車管理を行うようにしてもよい。前述したように、受信した車両検出信号に基づく駐車スペースが利用可能である旨の判定に応じて、サーバ1210は駐車場利用可能メッセージ1220を1以上のナビゲーション装置1231、1232、1233へ送信するように構成される。駐車場利用可能メッセージは、サーバ1210により管理されている駐車施設などの駐車場所在地を特定すると共に、その施設内における駐車場の所在位置を特定することも可能である。さらに、駐車場利用可能メッセージは、設備内で利用可能な複数の駐車場(すなわちX個のスペースが利用可能な駐車場)を特定することも可能である。サーバ1210は駐車場が利用可能な状態のままになっていれば、一定期間毎にメッセージ1220を再送してもよいし、あるいは、設備内のいくつかの駐車場が利用可能になっている間に一つの駐車場が占有される度にメッセージ1220を再送してもよい。すなわち新たに送信されるメッセージはX−1個の駐車場が利用可能状態になっていることが示されることになる。これに応答して、1以上のナビゲーション装置の駐車場通知モジュール(490)は複数の利用可能な駐車場の対応する表示を表示装置上に表示するように構成される。いくつかの実施形態では、サーバ1210は、駐車場所までの比較的短距離の範囲内に存在する上記ナビゲーション装置1231、1232、1233のみへ駐車場利用可能メッセージ1220を送信するためにWiMAXなどの相対的に短距離の通信信号を利用する。しかし、別の実施形態では、サーバ1210はより多数のナビゲーション装置へ駐車場利用可能メッセージを伝送し、この伝送によって個々のナビゲーション装置1231、1232、1233は、1以上の基準に従って駐車場利用可能メッセージに応答すべきかどうかの判定を行う。このようにして、ナビゲーション装置1231、1232、1233のユーザは、管理された車両駐車施設において利用可能な駐車場について通知を受けることが可能となる。
【0089】
上述の記載から、最近空きが出た駐車スペースに関する情報がユーザに提供されるか、利用可能な駐車場へユーザが自動的に向けられるかの少なくともいずれかが行われる構成を本発明の教示が提供するものであることは明らかである。
【0090】
以上、本発明の種々の側面及び実施形態について説明したが、本発明の範囲は、本明細書に記載の特定の構成に限定されるのではなく、添付の請求の範囲の範囲内に含まれる全ての構成、並びに、これらの構成に対する変更及び変形を含むように拡張されることが理解されるであろう。
【0091】
例えば、前述の詳細な説明で説明した実施形態はGPSを参照したものではあるが、ナビゲーション装置は、GPSの代わりに(又は実際にGPSに追加して)任意の種類の位置判定技術を利用するものであってもよいことに留意されたい。例えば、ナビゲーション装置は欧州のガリレオシステム等の他の全地球的航法衛星システムを利用したものであってもよい。同様に、ナビゲーション装置は、衛星の利用に限定されず、地上ビーコン又は装置が地理上の位置を判定できるようになっている他の任意の種類のシステムを利用しても容易に機能することができる。
【0092】
これらの推奨実施形態はある特定の機能性をソフトウェアにより実現するものではあるが、その機能性はハードウェアにおいて(例えば1以上のASIC(特定用途向け集積回路)により)単独で同様に実現されてもよく、あるいは実際にハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって同様に実現されてもよいことも当業者には理解されるであろう。そのため、本発明の範囲は、ソフトウェアの形での実現のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0093】
最後に、添付の請求の範囲は本明細書において説明した特徴の特定の組み合わせを記載するものではあるが、本発明の範囲は、以下に特許請求される特定の組み合わせに限定されるのではなく、特定の組み合わせが添付の請求の範囲に現時点で特に記載されているか否かに関わりなく、本明細書中で開示された特徴又は実施形態の任意の組み合わせをも含むように拡張される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場通知モジュール(490)を備えたナビゲーション装置(731、831、931)であって、前記ナビゲーション装置は、駐車場の所在地を示すメッセージ(730、830、930)を無線で受信するように構成され、このメッセージに応答して、前記駐車場通知モジュール(490)は、前記駐車場の前記所在地の表示を表示装置(240)上に表示するか、あるいは、前記駐車場の前記所在地を目的地の所在地として選択するかのいずれかを行うように構成されることを特徴とするナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項2】
前記メッセージは前記駐車場が利用可能になった時刻を示すと共に、前記駐車場通知モジュール(490)は、前記駐車場の前記所在地の表示と、前記駐車場が利用可能になった前記時刻の表示と、を前記表示装置(240)上に表示するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項3】
前記駐車場通知モジュール(490)は、利用可能になってからの経過時間が所定の継続時間未満である駐車場のみの1以上の表示を、前記表示装置(240)上に表示するように構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項4】
前記駐車場通知モジュール(490)は、前記表示装置(240)上に表示される地図データの表示によって前記駐車場の前記所在地を示すように構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項5】
前記地図の前記表示は遠近法によって前記表示装置(240)上に表示され、かつ、前記駐車場の前記所在地の表示は前記遠近法に従って前記地図上に表示されることを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項6】
前記メッセージ(730、830、930)は複数の利用可能な駐車場を示し、かつ、前記駐車場通知モジュール(490)は前記表示装置(240)上に利用可能な駐車場の数の表示を表示するように構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項7】
前記駐車場の前記所在地の表示は前記ナビゲーション装置の現在地からの距離の表示であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項8】
前記駐車場の前記所在地の表示は、経路案内用の目的地の所在地として前記駐車場の前記所在地を選択するようにユーザによって操作可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項9】
前記駐車場通知モジュールは、前記現在地に従って前記利用可能な駐車場の通知を要請するために前記ナビゲーション装置(731、831、931)の現在地を示すメッセージを送信するように構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のナビゲーション装置(731、831、931)。
【請求項10】
ナビゲーション装置(200)において用いる方法であって、
利用可能な駐車場の所在地を示すメッセージを受信するステップと、
前記駐車場の前記所在地の表示を表示装置(240)上に表示するか、あるいは、目的地の所在地として前記駐車場の前記所在地を選択するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項11】
前記メッセージは、前記駐車場がいつ利用可能になったかを示すための時刻情報を含み、前記時刻情報に基づいて、前記駐車場が利用可能になってからの持続時間を表す表示を前記表示装置(240)上に提供するステップを有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記駐車場が利用可能になってからの前記持続時間を表す前記表示は、前記持続時間を示す1以上のテキスト情報又はカラー情報であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
経路ガイダンス用の目的地の所在地として利用可能な駐車場を選択するためにユーザ入力を受信するステップを含むことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記表示装置(240)上に表示された地図に適用される遠近法に従って前記駐車場の前記所在地の表示サイズを決定するステップと、
前記地図と共に前記表示装置(240)上に前記表示を表示するステップとを有することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ナビゲーション装置の現在地が前記駐車場から所定の距離の範囲内に存在する場合、目的地の所在地として前記駐車場の前記所在地を選択するステップを有することを特徴とする請求項10に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図11】
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【図1】
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【図4A】
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【図4B】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−525977(P2011−525977A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515394(P2011−515394)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058005
【国際公開番号】WO2009/156488
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.Bluetooth
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】