駐車場空き情報通知システム
【課題】駐車場の空き状況の情報に従って駐車場を決めても、結局満車の駐車場に到着してしまう可能性を低減する。
【解決手段】センタ4が、各駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の当該駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成している。車両1に搭載された車両用ナビゲーション装置は、目的地として設定された当該駐車場への到着予想時刻を算出してセンタ4に送信する。それを受信したセンタ4は、駐車予定データにおける、車両1の当該駐車場への到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有する車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、予想駐車台数および当該駐車場の現在の空き台数に基づいて、車両1の当該駐車場への到着予想時刻における、当該駐車場の空き台数の予測値を算出し、車両1の車両用ナビゲーション装置に送信する。それを受信した車両用ナビゲーション装置は、空き台数の予測値の通知を車両1のユーザに対して行う。
【解決手段】センタ4が、各駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の当該駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成している。車両1に搭載された車両用ナビゲーション装置は、目的地として設定された当該駐車場への到着予想時刻を算出してセンタ4に送信する。それを受信したセンタ4は、駐車予定データにおける、車両1の当該駐車場への到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有する車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、予想駐車台数および当該駐車場の現在の空き台数に基づいて、車両1の当該駐車場への到着予想時刻における、当該駐車場の空き台数の予測値を算出し、車両1の車両用ナビゲーション装置に送信する。それを受信した車両用ナビゲーション装置は、空き台数の予測値の通知を車両1のユーザに対して行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場空き情報通知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両内に搭載されたナビゲーション装置が、通信機能を用いて駐車場の空き状況の情報を外部から取得し、取得した情報を目的地駐車場の選択等に利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−177199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来使用される駐車場の空き状況の情報は、その情報が作成された時点における空き状況の情報である。したがって、ある駐車場の空き状況の情報において、その駐車場に空きがあったとしても、車両がその駐車場に到着したときには、既に満車の状態になっている可能性がある。つまり、駐車場の空き状況の情報に従って駐車場を決めても、結局満車の駐車場に到着してしまう恐れがある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、駐車場の空き状況の情報に従って駐車場を決めても、結局満車の駐車場に到着してしまう可能性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の前記駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成する駐車予定データ作成手段(102、104、106、120、102’、104’、106’、120’)と、第1の車両(1)の前記駐車場への到着予想時刻を算出する到着時刻算出手段(265)と、前記駐車予定データにおける、前記第1の車両(1)の当該駐車場への前記到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有する車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、前記予想駐車台数および前記駐車場の現在の空き台数に基づいて、前記第1の車両(1)の前記駐車場への前記到着予想時刻における、前記駐車場の空き状況の予測値を算出する予測空き状況算出手段(110、110’)と、
算出された前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行う通知手段(114)と、を備えた駐車場空き情報通知システムである。
【0007】
このようになっていることで、第1の車両(1)が駐車場に向かう場合に、他の車両(2)のうち、その駐車場にまだ入庫していないけれども、車両(1)がその駐車場に到着するまでには入庫するような車両(2)の台数(すなわち、予想駐車台数)を予測することができ、その予想駐車台数を加味した上で、車両(1)がその駐車場に到着したときに当該駐車場がどの程度空いているかをユーザに通知できる。したがって、現在の駐車場の空き状況に従って駐車場を決める場合に比べて、最終的に満車の駐車場に到着してしまう可能性を低減することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、複数の車両(1、2)のそれぞれに搭載される複数の車両用ナビゲーション装置(10)と、前記複数の車両(1、2)から離れた位置に設置されるセンタ(4)と、を備え、前記複数の車両用ナビゲーション装置(10)のうち第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記複数の車両(1、2)のうち前記第1の車両(1)に搭載され、前記センタ(4)は、前記駐車予定データ作成手段(102、104、106、120)を備え、前記駐車予定データ作成手段(102、104、106、120)は、前記複数の車両用ナビゲーション装置(10)のそれぞれから、当該車両用ナビゲーション装置(10)が搭載された車両の車両識別情報および前記駐車場への到着予想時刻の情報を含んだ第1の信号(51、52、53、56)を受信したことに基づいて、前記駐車予定データに対し、受信した前記第1の信号(51、52、53、56)中の前記車両識別情報および前記到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加し、前記第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記到着時刻算出手段(265)を備えると共に、前記到着時刻算出手段(265)が算出した前記駐車場への前記到着予想時刻と前記第1の車両(1)の車両識別情報とを含む第2の信号(54)を前記センタ(4)に送信する送信手段(270、270’)を備え、前記センタ(4)は、前記予測空き状況算出手段(110)を備え、前記予測空き状況算出手段(110)は、前記第2の信号(54)を受信したことに基づいて、前記空き状況の予測値を算出し、算出した前記空き状況の予測値を、前記第1の車両(1)に送信し、前記第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記通知手段(114)を備え、前記通知手段(114)は、前記空き状況の予測値を前記センタ(4)から受信したことに基づいて、前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行うことを特徴とする請求項1に記載の駐車場空き情報通知システムである。
【0009】
このように、センタ(4)が集約して駐車場予想データを管理するようになることで、各車両の車両用ナビゲーション装置(10)は、他の車両と通信しなくてもよくなるので、通信のための作動が簡略化される。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、複数の駐車場のそれぞれに到着する予定の車両毎に、その車両の前記駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成すると共に、前記複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場については、当該身体障害者専用の駐車スペースに駐車する予定であるか否かの情報を前記駐車予定データに含める駐車予定データ作成手段(102’、104’、106’、120’)と、第1の車両(1)のユーザの操作に応じてオン、オフが切り替え可能な記憶媒体中の所定のフラグがオンになっていることに基づいて、記憶媒体に記録されている複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場を優先的に前記ユーザに表示する表示手段(250’)と、前記表示手段(250’)によって表示された駐車場のうち1つが前記ユーザに選択されると、当該選択された駐車場への到着予想時刻を算出する到着時刻算出手段(265)と、前記選択された駐車場が身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場であった場合、前記駐車予定データにおいて、前記第1の車両(1)の当該選択された駐車場への前記到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有すると共に身体障害者専用の駐車スペースに駐車する予定となっている車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、前記予想駐車台数および前記駐車場の身体障害者専用の駐車スペースの現在の空き台数に基づいて、前記第1の車両(1)の前記駐車場への前記到着予想時刻における、前記駐車場の身体障害者専用の駐車スペースの空き状況の予測値を算出する予測空き状況算出手段(110’)と、算出された前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行う通知手段(114)と、を備えた駐車場空き情報通知システムである。このようにすることで、ユーザは、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場をより選択し易くなる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の駐車場空き情報通知システムにおいて、前記表示手段(250’)は、前記所定のフラグがオンになっていることと、前記ユーザによって入力された登録IDがあらかじめ登録された正規の身体障害者手帳の登録IDであることに基づいて、記憶媒体に記録されている複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場を優先的に前記ユーザに表示することを特徴とする。
【0012】
このようになっていることで、正規の身体障害者手帳の登録IDを有さないユーザが、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場の優先的な案内を不正に受けることを防止できる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の駐車場空き情報通知システムにおいて、ユーザの所定の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索して前記ユーザに表示することを特徴とする。このようにすることで、ユーザの了解を得た上で障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を表示することができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3または4に記載の駐車場空き情報通知システムにおいて、前記予測空き状況算出手段(110’)が算出した前記身体障害者専用の駐車スペースの空き状況の予測値が所定台数未満であったことに基づいて、ユーザの所定の許可の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索して前記ユーザに表示することを特徴とする。
【0015】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車場空き状況通知システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】ナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。
【図3】センタ4の構成を示すブロック図である。
【図4】駐車予定車両データの構成を例示する図である。
【図5】駐車場空き情報通知システムの典型的な作動のシーケンス図である。
【図6】目的地駐車場の仮決定および通知の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】予想駐車台数Fの算出方法の詳細を示すフローチャートである。
【図8】車両1が目的地駐車場に到着した場合の作動を示すシーケンス図である。
【図9】車両1が目的地駐車場をキャンセルした場合の作動を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第2実施形態において車両用ナビゲーション装置の制御回路が実行する身体障害者識別処理のフローチャートである。
【図11】第2実施形態における駐車場空き情報通知システムの典型的な作動のシーケンス図である。
【図12】第2実施形態における駐車予定車両データの構成を例示する図である。
【図13】第2実施形態における目的地駐車場の仮決定および通知の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】駐車場以外の目的地設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る駐車場空き状況通知システムの構成を概略的に示す。この図に示すように、駐車場空き情報通知システムは、それぞれが車両用ナビゲーション装置を備えた複数の車両1、2a〜2cと、これら複数の車両1、2a〜2cの車両用ナビゲーション装置と通信ネットワーク(例えばインターネット等の広域ネットワーク、または専用通信回線)を介して通信するセンタ4と、を備えている。センタ4は、車両1、2a〜2cからは離れた位置(例えば建造物内)に設置されている。
【0018】
本実施形態においては、これら車両1、2a〜2cが有する車両用ナビゲーション装置の構成および機能は同等となっているが、それら車両のうち特定の車両1(第1の車両に相当する)に着目し、この車両1の構成及び作動について主に説明する。
【0019】
図2に、車両1および他の車両2が共通して有する車両用ナビゲーション装置10の構成を示す。この車両用ナビゲーション装置10は、車両に搭載され、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、無線通信部15、地図データ取得部16、および制御回路17を有している。
【0020】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない加速度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置、向き、および速度を特定するための情報を制御回路17に出力する。
【0021】
画像表示装置12は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0022】
操作部13は、車両用ナビゲーション装置10に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置12の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路17に出力する。
【0023】
無線通信部15は、通信ネットワーク3に接続された無線基地局と無線接続することで、通信ネットワーク3に接続された他の通信装置との通信を実現するための装置である。制御回路17は、通信ネットワーク3を介してセンタ4と通信するために、この無線通信部15を用いる。
【0024】
また、無線通信部15は、FMラジオ放送局または道路沿いに設置された路上機から無線送信された道路の渋滞情報、交通規制情報、駐車場現在空き情報等のVICS情報を受信して制御回路17に出力する無線受信機でもある。ここで、駐車場現在空き情報とは、複数の駐車場のそれぞれについての、現時点の空き台数を示す情報である。なお、駐車場の総駐車可能台数と、その駐車場に現在駐車している車両の台数の組も、現時点の空き台数を算出できるので、現時点の空き台数を示す情報である。
【0025】
地図データ取得部16は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成る。当該記憶媒体は、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0026】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンクの位置情報、種別情報、ノードの位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。施設データは、施設毎のレコードを複数有しており、各レコードは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報等を示すデータを有している。施設としては、駐車場、デパート、行楽施設等がある。
【0027】
また、施設データにおいて、施設のレコードのうちいくつかは、その施設の利用のために使用可能な1つまたは複数の駐車場(提携駐車場、専用駐車場等)の名称、所在位置等を示す周辺駐車場情報を有している。
【0028】
制御回路17は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、I/O等を有するマイコンである。CPUは、ROMまたは地図データ取得部16から読み出した車両用ナビゲーション装置10の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、および地図データ取得部16から情報を読み出し、RAMおよび(可能であれば)地図データ取得部16の記憶媒体に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、および無線通信部15と信号の授受を行う。
【0029】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、地図表示処理、目的地決定処理、誘導経路算出処理、経路案内処理等がある。
【0030】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。地図表示処理は、車両の現在位置の周辺等の特定の領域の地図を、画像表示装置12に表示させる処理である。この際、地図表示のために用いる情報は、地図データから取得する。
【0031】
目的地決定処理は、操作部13に対するユーザの目的地設定操作に応じて、目的地を決定する処理である。誘導経路算出処理は、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。経路案内処理は、誘導経路上の右左折交差点等の案内ポイントの手前に自車両が到達したときに、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させ、当該案内ポイントの拡大図を画像表示装置12に表示させることで、誘導経路に沿った車両の運転を案内する処理である。
【0032】
図3に、センタ4の構成を示す。センタ4は、ネットワークインターフェース41、無線部42、記憶部43、および制御部44を有している。
【0033】
ネットワークインターフェース41は、通信ネットワーク3と接続し、通信ネットワーク3を介して通信を行うためのインターフェース回路である。制御部44は、この通信ネットワーク3を用いることで、通信ネットワーク3を介して車両1、2a〜2cと通信するようになっている。無線部42は、FMラジオ放送局から駐車場現在空き情報等のVICS情報を受信して制御部44に出力する無線受信機である。
【0034】
記憶部43は、書き込み可能な不揮発性の記憶媒体(例えば、磁気ディスク、フラッシュメモリ等)である。この記憶部43には、複数の駐車予定データが記録されている。図4に、駐車予定車両データの構成を例示する。それぞれの駐車予定データは、異なる1つの駐車場に対応し、対応する駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の識別情報(以下、車両識別情報という)および到着予想時刻の情報を含むようになっている。車両の識別情報とは、その車両を他の車両と区別するための情報をいう。この車両の識別情報としては、当該車両に搭載された車両用ナビゲーション装置10の制御回路17のROMに記録された車載機IDを用いてもよい。
【0035】
制御部44は、CPU、RAM、ROM等を備え、CPUがROMに記録されたプログラムを実行することで、後述する処理を実行し、その実行の際、ネットワークインターフェース41、無線部42、記憶部43を用いる。
【0036】
以下、このような駐車場空き情報通知システムの作動について説明する。図5に、駐車場空き情報通知システムの典型的な作動のシーケンス図を示す。まず、車両2a〜2cに搭載された車両用ナビゲーション装置10が、通信ネットワーク3を介してセンタ4と通信することで、当該車両2a〜2cの車両識別情報、当該車両2a〜2cの目的地として確定した駐車場の識別情報(すなわち、駐車場を一意に示す情報、例えば名称等。以下、駐車場識別情報という)、および当該車両2a〜2cの当該駐車場への到着予想時刻の情報、を含んだ信号51、52、53(第1の信号の例に相当する)を、センタ4に送信する。
【0037】
そしてこれら信号51〜53を受信したセンタ4は、受信した車両識別情報、車両駐車場および到着予想時刻の情報を、駐車予定データに反映させる(ステップ102、104、106)。すなわち、受信した信号51、52、53中の駐車場識別情報に対応する駐車場の駐車予定データを特定し、この駐車予定データに対し、受信した車両識別情報および到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加する。このようにすることで、各駐車場について、どの時刻にどの車両が到着するかの情報が、対応する駐車予定データに逐次記録されていく。ただし、各駐車予定データに複数個のエントリが含まれている場合は、それら複数のエントリは、到着予想時刻の早い順に並ぶように記録される。
【0038】
なお、車両2a〜2cが車両識別情報、目的地の駐車場識別情報、および到着予想時刻情報の信号51〜53を送信する際の作動の詳細、および、センタ4がそれら信号51〜53を受信して駐車予定データに反映させる際の作動の詳細については、以下で説明する自車両1が車両識別情報、目的地の駐車場識別情報、および到着予想時刻情報を確定情報として送信する作動、および、センタ4がその送信された確定情報を受信して駐車予定データに反映させる作動と同じである。
【0039】
次に、自車両1のユーザが、自車両1の車両用ナビゲーション装置10(第1の車両用ナビゲーション装置の一例に相当する)に対して目的地駐車場の設定操作を行うと、車両用ナビゲーション装置10は、その設定操作に基づいて、目的地駐車場を仮決定し、自車両1の車両識別情報、仮決定した目的地駐車場の駐車場識別情報、および自車両1の目的地駐車場への到着予想時刻の情報を、センタ4に送信する(ステップ108)。この処理は、上述の目的地決定処理の一部に相当する。
【0040】
図6に、このステップ108の目的地駐車場仮決定・通知の処理の詳細を示す。この図に示す通り、制御回路17は、まず、操作部13に対するユーザの主目的地の設定操作を受け付け、受け付けた設定操作に応じて、主目的地を設定する(ステップ210)。ここで設定する主目的地としては、駐車場そのものである場合もあれば、周辺に使用可能な駐車場(提携駐車場等)を備えた施設である場合もある。
【0041】
続いて制御回路17は、設定した主目的地が駐車場そのものであるか否かを判定し(ステップ220)、駐車場そのものであれば、その駐車場への到着予想時刻を算出する(ステップ265)。算出方法としては、誘導経路算出処理を実行して自車両1の現在位置から当該駐車場への最適な誘導経路を算出し、算出した誘導経路を走行するために要する時間(以下、走行所要時間という)を算出し、算出した時間だけ現在時刻から進めた時刻を、到着予想時刻とする。なお、走行所要時間の算出方法としては、どのような方法を採用してもよいが、例えば、誘導経路の総距離を所定の平均速度で除算した結果の値を走行所要時間としてもよい。
【0042】
そして制御回路17は更に、自車両の車両識別情報と、その駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻(ステップ265で算出済み)と、を含む信号54(第2の信号に相当する)をセンタ4に送信し(ステップ270)、目的地駐車場仮決定・通知の処理を終了する。
【0043】
一方、設定した主目的地が駐車場そのものでない場合、その主目的地の施設には、その施設の利用のために使用可能な駐車場があるか否かを、地図データにおける当該施設の周辺駐車場情報の有無に基づいて判定する(ステップ230)。そして、使用可能な駐車場がない場合、目的地駐車場仮決定・通知の処理を終了し、さらに、図5におけるステップ108以降の処理も実行しない。
【0044】
使用可能な駐車場がある場合、当該施設の周辺駐車場から、すべての駐車場の駐車場識別情報を読み出し(ステップ240)、続いて読み出した駐車場の名称、所在位置等の情報を、画像表示装置12にリスト表示させる(ステップ250)。そして更に、ユーザが操作部13を用いてリスト表示された駐車場のうち1つを選択するのを待ち(ステップ260)、選択されると、その駐車場への到着予想時刻を算出し(ステップ265)、更に、自車両の車両識別情報と、選択された駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、を含む信号54をセンタ4に送信し(ステップ270)、目的地駐車場仮決定・通知の処理を終了する。
【0045】
このようにして、制御回路17は、ユーザが選択した主目的地の駐車場、または主目的地の施設の利用のために使用可能な駐車場を1つ決定し、自車両の車両識別情報と、決定した駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、を含む信号54(図5参照)を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する。
【0046】
このような信号54を受信したセンタ4の制御部44は、続いて、信号54中に含まれる駐車場の予測空き台数を算出し、算出した予測空き台数を含む信号55を車両用ナビゲーション装置10に送信する(ステップ110)。
【0047】
このステップ110で算出する駐車場の予測空き台数とは、車両1の当該駐車場への到着予想時刻における、当該駐車場の空き台数の予測値である。この予測空き台数は、現在の当該駐車場の空き台数(以下、現在空き台数Cという)と、自車両1が当該駐車場に到達するまでに当該駐車場に駐車することが予想される他車両の台数(以下、予想駐車台数Fという)とに基づいて算出する。具体的には、現在空き台数Cから予想駐車台数Fを減算した結果の値を、予測空き台数とする。あるいは、センタ4に対して目的地駐車場の駐車場識別情報を送信する機能を有しない車両が当該駐車場に駐車することを考慮して、予想駐車台数Fに1より大きな値の係数Kを乗じた結果の値を現在空き台数Cから減算した結果の値を、予測空き台数としてもよい。
【0048】
ここで、現在空き台数Cとしては、無線部42を用いて受信したVICS情報から抽出した、当該駐車場の駐車場現在空き情報を採用する。また、予想駐車台数Fは、記憶部43に記録された当該駐車場の駐車予定データに基づいて算出する。具体的には、当該駐車予定データにおける、自車両1の当該駐車場への到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有するエントリの数を、予想駐車台数Fとして採用する。
【0049】
図7に、この予想駐車台数Fの算出方法の詳細を示す。まず制御部44は、作業用の変数nを1に初期化し(ステップ310)、続いて、この変数nが当該駐車予定データ中の総エントリ数Nと比較し、n≦Nであるか否かを判定する(ステップ320)。n≦Nである場合、続いて、当該駐車場予想データ中のn番目のエントリ中の到着予想時刻T(n)と、受信した信号54中の車両1の到着予想時刻Tとを比較する(ステップ330)。
【0050】
ここで、当該駐車場予想データは、到着予想時刻の早い順に並ぶように記録されているので、到着予想時刻中のn番目のエントリは、当該駐車場予想データ中においてn番目に早く到着する予定の他車両のエントリである。
【0051】
続いて到着予想時刻Tが到着予想時刻T(n)よりも早いか否かを判定し(ステップ340)、早くなければ続いて変数nの値を1だけ増加させ(ステップ350)、ステップ320に戻る。
【0052】
このような処理により、制御部44は、駐車場予想データ中の到着予想時刻T(n)を早い順に車両1の到着予想時刻Tと比較し(ステップ330)、到着予想時刻T(n)が早いと判定する度に(ステップ340→YES)変数nの値を1だけ増加させていく(ステップ350)。ただし、変数nが総エントリ数Nより大きくなった場合(ステップ320→NO)は、比較対象がないので、ステップ320からステップ360に進み、予想駐車台数Fの値として、変数nの値から1を減じた値(すなわち総エントリ数Nの値)を採用する。このようにするのは、この場合、駐車場予想データ中のすべてのエントリが、車両1よりも早い到着予想時刻を有していることになるからである。
【0053】
また、ステップ340で到着予想時刻Tが到着予想時刻T(n)よりも早いと判定した場合も、続いてステップ360に進み、予想駐車台数Fの値として、変数nの値から1を減じた値を採用する。このようにするのは、この場合、駐車場予想データ中のn−1個のエントリのみが、車両1よりも早い到着予想時刻を有しているからである。
【0054】
ステップ360の後、制御部44は予想駐車台数Fの算出処理を終了し、この予想駐車台数Fと現在空き台数Cに基づいて、当該駐車場の予測空き台数を算出する。そして、算出した予測空き台数の情報を含む信号55(図5参照)を、通信ネットワーク3を介して車両1に送信する。
【0055】
自車両1の車両用ナビゲーション装置10がこの信号55を受信すると、当該車両用ナビゲーション装置10の制御回路17は、受信した当該駐車場の予測空き台数が予め定められた一定台数(例えば、1台でもよいし、5台でもよい。)未満であるか否かを判定し(ステップ112)、一定台数未満でないと判定した場合、当該駐車場を目的地の駐車場として確定する(ステップ118)。そして、確定した目的地の駐車場への到着予想時刻を算出し、更に、自車両1の車両識別情報と、当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、を含む信号56(第1の信号の一例に相当する)を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する(ステップ119)。その後制御回路17は、現在位置から当該駐車場へ最適な誘導経路の経路案内処理を行う。
【0056】
この信号56を受信したセンタ4の制御部44は、当該駐車場の駐車予定データを更新する。具体的には、受信した信号65に含まれる駐車場の駐車場識別情報に対応する駐車予定データに対して、信号65中の車両識別情報および到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加する(ステップ120)。ただし、その新エントリの追加位置は、その新エントリよりも早い到着予想時刻を有するすべてのエントリよりも後ろの位置であり、かつ、その新エントリよりも遅い到着予想時刻を有するすべてのエントリよりも前の位置とする。このような位置に新エントリを追加することで、当該駐車予定データ中では、到着予想時刻の早い順にエントリが並んで記録される。
【0057】
また、自車両1に搭載された車両用ナビゲーション装置10の制御回路17が、ステップ112で、受信した当該駐車場の予測空き台数が予め定められた一定台数未満であると判定した場合、画像表示装置12およびスピーカ14を用いて、仮決定された目的地駐車場には空きが少ない旨を、画像および音声でユーザに通知する(ステップ114)。このとき、算出されている予測空き台数を表示するようになっていてもよい。
【0058】
そして更に、画像表示装置12およびスピーカ14を用いて、目的地の駐車場を変更するか否かをユーザに問い合わせ、目的地の駐車場の変更を促すとともに、その問い合わせに対する回答操作を待つ(ステップ116)。そして、ユーザが操作部13に対して変更する旨の回答操作を行った場合、再度処理をステップ108に戻すことで、新たな目的地駐車場を仮決定し直す。
【0059】
ユーザが操作部13に対して変更しない旨の回答操作を行った場合は、ステップ118に進んで、当該駐車場を目的地の駐車場として確定し、自車両1の車両識別情報と、当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、を含む信号56を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する(ステップ119)。その後制御回路17は、現在位置から当該駐車場へ最適な誘導経路の経路案内処理を行う。このようになっているので、到着したときには既に駐車スペースがない可能生が高い駐車場であっても、敢えてその駐車場に向うとユーザが判断すれば、そこに向って経路案内することができる。
【0060】
また、図8に示すように、自車両1が目的地の駐車場に到着したとき、自車両1の制御部44は、目的地の駐車場に到着したことを示す到着情報と、自車両1の車両識別情報とを含む信号57を、センタ4に送信する(ステップ130)。この信号57を受信したセンタ4の制御部44は、当該車両1の車両識別情報を含むエントリが記録された駐車予定データ(すなわち、車両1の目的地駐車場の駐車予定データ)を検索し、検索の結果見つかった駐車予定データ中の当該エントリを削除する(ステップ132)。この作動は、車両1を車両2a〜2cに置き換えた場合にも当てはまる。
【0061】
このように、ある駐車場の駐車予定データにあるエントリが登録されており、そのエントリに含まれる車両識別情報に対応する車両がその駐車場に到着すると、その車両の車両用ナビゲーション装置10がセンタ4に対して到着情報および車両識別情報を送信し、センタ4は、その到着情報および車両識別情報を受信したことに基づいて、当該駐車予定データから当該車両のエントリを削除する。このように、目的地駐車場に既に到着した車両のエントリが、駐車予定データから削除されることで、駐車予定データが増え続けてしまうことがない。
【0062】
また、図9に示すように、自車両1の乗員が、操作部13に対して目的地設定をキャンセルする操作を行った場合、制御回路17は、目的地の駐車場の設定をキャンセルすることを示すキャンセル情報と、自車両1の車両識別情報とを含む信号58を、センタ4に送信する(ステップ140)。この信号58を受信したセンタ4の制御部44は、当該車両1の車両識別情報を含むエントリが記録された駐車予定データ(すなわち、車両1の目的地駐車場の駐車予定データ)を検索し、検索の結果見つかった駐車予定データ中の当該エントリを削除する(ステップ142)。この作動は、車両1を車両2a〜2cに置き換えた場合にも当てはまる。
【0063】
このように、ある駐車場の駐車予定データにあるエントリが登録されており、そのエントリに含まれる車両識別情報に対応する車両において、ドライバが当該駐車場の目的地設定をキャンセルした場合、その車両の車両用ナビゲーション装置10がセンタ4に対してキャンセル情報および車両識別情報を送信し、センタ4は、そのキャンセル情報および車両識別情報を受信したことに基づいて、当該駐車予定データから当該車両のエントリを削除する。このように、目的地駐車場に到着することがなくなった車両のエントリが、駐車予定データから削除されることで、駐車予定データが増え続けてしまうことがない。
【0064】
以上説明した通り、本実施形態の駐車場空き情報通知システムにおいては、センタ4が、各車両1、2a〜2cに搭載された車両用ナビゲーション装置10のそれぞれから、当該車両用ナビゲーション装置10が搭載された車両の車両識別情報および確定した目的地の駐車場への到着予想時刻の情報を含んだ信号51、52、53、56を受信したことに基づいて、当該駐車場に対応する駐車予定データに対し、受信した信号51、52、53、56中の車両識別情報および到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加する。
【0065】
そして、車両1の車両用ナビゲーション装置10は、仮決定した自車両1の目的地駐車場への到着予想時刻を算出し、算出した当該駐車場への到着予想時刻と車両1の車両識別情報とを含む信号54をセンタ4に送信する。
【0066】
そしてセンタ4は、信号54を受信したことに基づいて、当該到着予想時刻における当該駐車場の空き台数の予測値を算出し、算出した空き台数の予測値を、車両1に送信する。
【0067】
そして車両1の車両用ナビゲーション装置10は、空き台数の予測値をセンタ4から受信したことに基づいて、空き台数の予測値を車両1のユーザに対して通知した上で、ユーザの操作に応じて、別の駐車場を目的地駐車場として仮決定する。
【0068】
このようになっていることで、車両1がある駐車場に向かう場合に、他の車両2のうち、その駐車場にまだ入庫していないけれども、車両1がその駐車場に到着するまでには入庫するような車両2の台数(すなわち、予想駐車台数)を予測することができ、その予想駐車台数を加味した上で、車両1がその駐車場に到着したときに当該駐車場がどの程度空いているかをユーザに通知できる。したがって、現在の駐車場の空き状況に従って駐車場を決める場合に比べて、最終的に満車の駐車場に到着してしまう可能性を低減することができる。
【0069】
また、混雑が予測できるときはユーザに対して事前に他の駐車場へ目的地設定を変更するように促すことで、実際の駐車場にて、車両同士が競合するような混雑の発生を未然に防ぐことができる。
【0070】
また、センタ4が集約して駐車場予想データを管理するようになっていることで、各車両1、2a〜2cの車両用ナビゲーション装置10は、他の車両と通信しなくてもよくなるので、通信のための作動が簡略化される。
【0071】
なお、本実施形態において、センタ4の制御部44が、ステップ102、104、106、120の処理を実行することで、駐車予定データ作成手段の一例として機能し、また、ステップ110を実行することで予測空き状況算出手段の一例として機能する。
【0072】
また、車両用ナビゲーション装置10の制御回路17が、ステップ265を実行することで到着時刻算出手段の一例として機能し、ステップ270を実行することで送信手段の一例として機能し、ステップ114を実行することで通知手段の一例として機能する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、車両に同乗する身体障害者の利便性をより高めるような変更を加えたものである。本実施形態における駐車場空き状況通知システムのハードウェア構成は、第1実施形態と同じである。したがって、センタ4および車両用ナビゲーション装置10のハードウェア構成も、第1実施形態と同じである。
【0073】
以下、本実施形態の駐車場空き情報通知システムの作動について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0074】
まず、本実施形態の車両用ナビゲーション装置10では、制御回路17が、図10に示す身体障害者識別処理を実行する。この身体障害者識別処理は、車両用ナビゲーション装置10を搭載する自車両1に障害者が同乗する機会が多いことを示す身体障害者フラグ(所定のフラグの一例に相当する)についての処理であり、ユーザの操作に応じて、この身体障害者フラグのオン、オフを切り替える。
【0075】
制御回路17は、操作部13に対する所定の操作があったときに、この身体障害者識別処理の実行を開始し、まずステップ410で、自車両1に身体障害者が同乗することが多いか否かを音声または画像で問い合わせ、その問い合わせに対する応答の操作が操作部13に対して行われるまで待ち、応答の操作があると、その操作が「同乗することが多い」旨の操作であれば、続いてステップ420に進み、「同乗することが多くない」旨の操作であれば、続いてステップ450に進む。
【0076】
ステップ420では、身体障害者手帳に記載の登録IDの入力を音声または画像で促し、操作部13に対する障害者IDの入力を待つ。このとき、ユーザが操作部13を用いてユーザ所有の身体障害者手帳に記載の登録IDを入力すると、制御回路17は続いてステップ430に進む。
【0077】
ステップ430では、入力された登録IDが、いずれかの都道府県に届出のある正規な身体障害者手帳の登録IDであるか否かを判定する。この判定は、あらかじめ制御回路17のROM、フラッシュメモリ、または地図データ取得部16のHDDに登録された正規な登録IDのリストを用いて、入力された登録IDが当該リストに含まれるか否かで、入力された登録IDが登録IDであるか否かを判定してもよい。あるいは、無線通信部15を用いて車外の障害者登録ID提供サーバに対して、入力された登録IDを含む問い合わせ信号を送信し、当該障害者ID提供サーバは、上記リストを記憶しており、受信した問い合わせ信号に含まれる登録IDが当該リストに含まれるか否を判定し、判定結果を車両用ナビゲーション装置10に無線送信し、車両用ナビゲーション装置10の制御回路17は、受信した判定結果に基づいて、入力された登録IDが当該リストに含まれるか否かを判定してもよい。正規な登録IDであると判定した場合、続いてステップ440に進み、フラッシュメモリまたは地図データ取得部16のHDD中の身体障害者フラグをオンにし、身体障害者識別処理を終了する。
【0078】
このような制御回路17の処理により、身体障害者のユーザが頻繁に乗車することの登録を行える。なお、車両用ナビゲーション装置10の出荷時における身体障害者フラグの初期値は、オフとなっている。
【0079】
ただし制御回路17は、ステップ430で、正規な登録IDでないと判定した場合は、身体障害者フラグを変化させずに、身体障害者識別処理を終了する。このようにすることで、不正に身体障害者フラグがオンにされることを防止できる。
【0080】
また制御回路17は、ステップ410で、自車両1に身体障害者が同乗することが多くないと判定された場合、上述の通りステップ450に進み、身体障害者フラグをオフにし、身体障害者識別処理を終了する。このようにすることで、ユーザの操作に応じて、身体障害者フラグをオンからオフにすることができる。
【0081】
次に、図11に示す駐車場空き情報通知システムの作動について説明する。この図11は、身体障害者フラグがオンのときの駐車場空き情報通知システムの典型的な作動のシーケンス図である。この図11と第1実施形態の図5で同じ処理を行うステップに対しては、同じ符号を付し、それらについての説明は省略する。
【0082】
図12に、本実施形態における駐車予定車両データの構成を例示する。それぞれの駐車予定データは、異なる1つの駐車場に対応し、対応する駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の識別情報(以下、車両識別情報という)、到着予想時刻、および身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの情報を含むようになっている。
【0083】
このような駐車予定データは、以下のようにしてセンタ4の制御部44が作成する。図11に示すように、車両2a〜2cに搭載された車両用ナビゲーション装置10が、通信ネットワーク3を介してセンタ4と通信することで、当該車両2a〜2cの車両識別情報、当該車両2a〜2cの目的地として確定した駐車場の識別情報(すなわち、駐車場を一意に示す情報、例えば名称等。以下、駐車場識別情報という)、および当該車両2a〜2cの当該駐車場への到着予想時刻の情報、および、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの情報を含んだ信号51、52、53(第1の信号の例に相当する)を、センタ4に送信する。
【0084】
そしてこれら信号51〜53を受信したセンタ4は、受信した車両識別情報、車両駐車場および到着予想時刻の情報を、駐車予定データに反映させる(ステップ102’、104’、106’)。すなわち、受信した信号51、52、53中の駐車場識別情報に対応する駐車場の駐車予定データを特定し、この駐車予定データに対し、受信した車両識別情報、到着予想時刻情報、および身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの組から成るエントリを追加する。このようにすることで、各駐車場について、どの時刻にどの車両が到着するか、および、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの情報が、対応する駐車予定データに逐次記録されていく。ただし、各駐車予定データに複数個のエントリが含まれている場合は、それら複数のエントリは、到着予想時刻の早い順に並ぶように記録される。
【0085】
なお、車両2a〜2cが車両識別情報、目的地の駐車場識別情報、到着予想時刻情報、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの情報を含む信号51〜53を送信する際の作動の詳細、および、センタ4がそれら信号51〜53を受信して駐車予定データに反映させる際の作動の詳細については、以下で説明する自車両1が車両識別情報、目的地の駐車場識別情報、および到着予想時刻情報を確定情報として送信する作動、および、センタ4がその送信された確定情報を受信して駐車予定データに反映させる作動と同じである。
【0086】
そして、自車両1のユーザが、自車両1の車両用ナビゲーション装置10(第1の車両用ナビゲーション装置の一例に相当する)の操作部13に対して目的地駐車場の設定操作を行うと、当該車両用ナビゲーション装置10の制御回路17は、身体障害者フラグがオンのときは、図11のステップ108’〜119のような処理を実行し、身体障害者フラグがオフの時は、第1実施形態と同様、図5のステップ108〜119のような処理を実行する。
【0087】
まずステップ108’では、図5のステップ108と同様、上述の目的地駐車場の設定操作に基づいて、目的地駐車場を仮決定し、自車両1の車両識別情報、仮決定した目的地駐車場の駐車場識別情報、および自車両1の目的地駐車場への到着予想時刻の情報等を、センタ4に送信する。この処理は、上述の目的地決定処理の一部に相当する。
【0088】
図13に、このステップ108’の目的地駐車場仮決定・通知の処理の詳細を示す。この図13と第1実施形態の図6で同じ処理を行うステップに対しては、同じ符号を付し、それらについての説明は省略する。
【0089】
ステップ210で設定された主目的地の施設の周辺にはその施設の利用のために使用可能な駐車場がある、とステップ230で判定し、続くステップ240で、当該施設の周辺駐車場から、身体障害者専用の駐車スペースがある駐車場もない駐車場も関係なく、すべての駐車場の駐車場識別情報を読み出した後、制御回路17は、ステップ250’に処理を進める。
【0090】
ステップ250’では、図6のステップ250と同様、ステップ240で読み出した駐車場の名称、所在位置等の情報を、画像表示装置12にリスト表示させる。ただし、リストの順序が、図6のステップ240と異なる。
【0091】
具体的には、ステップ240で読み出した駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場を、そうでない駐車場よりも優先的にリスト表示する。例えば、スクロール表示可能なリスト表示において、リストの最も上位に、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場群を表示する。このようにすることで、ユーザは、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場をより選択し易くなる。
【0092】
なお、本実施形態では、地図データ取得部16に記憶された地図データ中には、駐車場毎に、当該駐車場の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報に加え、当該駐車場が身体障害者専用の駐車スペースを有しているか否か(および、有している場合は何個有しているか)の情報、を含んでおり、制御回路17は、この身体障害者専用の駐車スペースを有しているか否かの情報に基づいて、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場とそうでない駐車場とを識別することができる。
【0093】
このように、車両1に身体障害者が乗車している可能性が高い場合、設定された主目的地に近い駐車場の中で、身体障害者専用の駐車スペースを優先的に案内することができる。
【0094】
また制御回路17は、ステップ270’で、図6のステップ270と同様、自車両の車両識別情報と、選択された当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻(ステップ265で算出済み)と、を含む信号54(図11参照、第2の信号に相当する)をセンタ4に送信する。ただし、ステップ260で、ユーザが身体障害者専用の駐車スペースのある駐車場を選択していた場合に限っては、ステップ270’で、身体障害者専用の駐車スペースの空き台数をセンタ4に問い合わせるため、所定の身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータを信号54に含める。
【0095】
このような身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータを含む信号54を受信したセンタ4の制御部44は、続いて、当該信号54中に含まれる駐車場の身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数を算出し、算出した予測空き台数を含む信号55を車両用ナビゲーション装置10に送信する(図11のステップ110’)。なお、受信した信号54中に身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータがない場合は、ステップ110’の処理内容は、図5のステップ110と同じになる。
【0096】
以下、身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータを含む信号54を受信した場合のステップ110’の処理内容について説明する。このステップ110で算出する駐車場の身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数とは、車両1の当該駐車場への到着予想時刻における、当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの空き台数の予測値である。この予測空き台数は、現在の当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの空き台数(以下、現在空き台数C’という)と、自車両1が当該駐車場に到達するまでに当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースに駐車することが予想される他車両の台数(以下、予想駐車台数F’という)とに基づいて算出する。具体的には、現在空き台数C’から予想駐車台数F’を減算した結果の値を、身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数とする。あるいは、センタ4に対して目的地駐車場の駐車場識別情報を送信する機能を有しない車両が当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースに駐車することを考慮して、予想駐車台数F’に1より大きい係数Kを乗じた結果の値を現在空き台数C’から減算した結果の値を、身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数としてもよい。
【0097】
ここで、現在空き台数C’としては、無線部42を用いて受信したVICS情報から抽出した、当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの駐車場現在空き情報を採用する。なお、本実施形態では、無線部42を用いて受信したVICS情報には、身体障害者専用駐車スペースを有する駐車場については、当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの現在の空き台数の情報も含まれている。
【0098】
また、予想駐車台数F’は、記憶部43に記録された当該駐車場の駐車予定データに基づいて算出する。具体的には、当該駐車予定データにおける、自車両1の当該駐車場への到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有するエントリのうち、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定である旨のデーを含むエントリの数を、予想駐車台数F’として採用する。
【0099】
より詳しくは、予想駐車台数F’の算出方法は、図7の処理において、当該駐車予定データ中の総エントリ数Nを、当該駐車予定データ中で身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定のエントリの総数N’に置き換え、ステップ330で、当該駐車場予想データ中の身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定のエントリのうちn番目のエントリ中の到着予想時刻T(n)と、受信した信号54中の車両1の到着予想時刻Tとを比較するように変更したものとなる。
【0100】
制御部44は、予想駐車台数F’を算出すると、この予想駐車台数F’と現在空き台数C’に基づいて、当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数を算出する。そして、算出した予測空き台数の情報を含む信号55(図11参照)を、通信ネットワーク3を介して車両1に送信する。
【0101】
また、制御回路17は、ステップ112で、センタ4から受信した当該駐車場の予測空き台数が予め定められた一定台数未満でないと判定した場合、ステップ118で、当該駐車場を目的地の駐車場として確定した後、ステップ119’に処理を進める。
【0102】
ステップ119’では、確定した目的地の駐車場への到着予想時刻を算出し、更に、自車両1の車両識別情報と、当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定である旨の情報とを含む信号56(第1の信号の一例に相当する)を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する。ただし、このようにするのは、図13のステップ260で身体障害者専用駐車スペースを有する駐車場が選択された場合であって、図13のステップ260で身体障害者専用駐車スペースを有しない駐車場が選択された場合は、確定した目的地の駐車場への到着予想時刻を算出し、更に、自車両1の車両識別情報と、当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定でない旨の情報とを含む信号56(第1の信号の一例に相当する)を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する。その後制御回路17は、現在位置から当該駐車場へ最適な誘導経路の経路案内処理を行う。
【0103】
この信号56を受信したセンタ4の制御部44は、ステップ120’で、当該駐車場の駐車予定データを更新する。具体的には、受信した信号65に含まれる駐車場の駐車場識別情報に対応する駐車予定データに対して、信号65中の車両識別情報、到着予想時刻情報、および身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定であるか否かの情報(つまり、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定である旨の情報か、または、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定でない旨の情報)の組から成るエントリを追加する。ただし、その新エントリの追加位置は、その新エントリよりも早い到着予想時刻を有するすべてのエントリよりも後ろの位置であり、かつ、その新エントリよりも遅い到着予想時刻を有するすべてのエントリよりも前の位置とする。このような位置に新エントリを追加することで、当該駐車予定データ中では、到着予想時刻の早い順にエントリが並んで記録される。
【0104】
また、自車両1に搭載された車両用ナビゲーション装置10の制御回路17が、ステップ112で、受信した当該駐車場(またはその身体障害者専用駐車スペース)の予測空き台数が予め定められた一定台数未満であると判定した場合、ステップ114で、仮決定された目的地駐車場(またはその身体障害者専用駐車スペース)には空きが少ない旨を、画像および音声でユーザに通知した後は、ステップ115に処理を進める。
【0105】
ステップ115では、健常者の駐車場(すなわち、身体障害者専用駐車スペースのない駐車場)を目的地に設定してもよいか否かを音声または画像でユーザに問い合わせ、その問い合わせの応答操作が操作部13に対して行われるのを待ち、応答操作があると、その応答操作が「健常者の駐車場を目的地に設定したくない」旨の操作なら、続いて第1実施形態と同じステップ116を実行し、その応答操作が「健常者の駐車場を目的地に設定してもよい」旨の操作なら、続いてステップ117で、身体障害者専用駐車スペースのある駐車場の優先表示を停止する。このステップ117の処理以降では、ステップ108’中のステップ250’の処理内容は、身体障害者専用駐車スペースのある駐車場の優先的な表示を行わず、第1実施形態のステップ250と同じになる。このようにすることで、身体障害者専用駐車スペースのある駐車場への停車をあきらめたユーザに対応した駐車場案内を行うことができる。つまり、身体障害者専用の駐車スペースに空きがあまり無い場合、他の駐車場を周辺から探し、ユーザの了解を得た上で案内を行うことができる。
【0106】
また制御回路17は、図13のステップ230で、ステップ210で設定された主目的地の施設には、その施設の利用のために使用可能な駐車場がない(身体障害者専用の駐車スペースがある駐車場もない駐車場も全くない)とステップ230で判定した場合、続いてステップ280に進み、駐車場以外の目的地設定処理を実行する。
【0107】
図14に、この駐車場以外の目的地設定処理の詳細を示す。まず、ステップ282で、駐車場でなく、障害者のみ駐車禁止を免除される道路に案内してもよいか否かを音声または画像でユーザに問い合わせ、その問い合わせの応答操作が操作部13に対して行われるのを待ち、応答操作があると、その応答操作が「案内されたくない」旨の操作なら、ステップ280の処理を抜けると共に、図13の処理を終了し、さらに、図11におけるステップ108’以降の処理も実行しない。
【0108】
応答操作が「案内してもよい」旨の操作なら、続いてステップ284に進み、主目的地から所定距離(例えば200メートル)以内の範囲で、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索し、続いてステップ286で、検索の結果そのような地点が見つかったか否かを判定し、見つかっていないと判定した場合、ステップ280の処理を抜けると共に、図13の処理を終了し、さらに、図11におけるステップ108’以降の処理も実行しない。しかし、見つかったと判定した場合、ステップ288に進み、見つかった地点を、駐車場の代わりの目的地として確定する。この場合、センタ4への通知は行わず、その後制御回路17は、現在位置から当該駐車場へ最適な誘導経路の経路案内処理を行う。このようにすることで、目的地の周辺駐車場がなく、かつ目的地近傍で障害者のみ駐車禁止を免除される道路があれば、ユーザの了解を得た上で案内することができる。
【0109】
なお、本実施形態において、センタ4の制御部44が、ステップ102’、104’、106’、120’の処理を実行することで、駐車予定データ作成手段の一例として機能し、また、ステップ110’を実行することで予測空き状況算出手段の一例として機能する。
【0110】
また、車両用ナビゲーション装置10の制御回路17が、ステップ250’を実行することで表示手段の一例として機能し、ステップ265を実行することで到着時刻算出手段の一例として機能し、ステップ270’を実行することで送信手段の一例として機能し、ステップ114を実行することで通知手段の一例として機能する。
【0111】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0112】
例えば、上記実施形態においては、駐車場空き情報通知システムが複数台の車両1、2a〜2cのそれぞれに搭載された車両用ナビゲーション装置10と、これら車両1、2a〜2cから離れた位置に設置されたセンタ4とで構成されている。しかし、センタ4は、必ずしもこのように車両1、2a〜2cから離れた位置に存在しなくともよい。例えば、駐車場空き情報通知システムを構成する車両用ナビゲーション装置10のそれぞれがセンタ4の機能も併せ持つようになっていてもよい。
【0113】
この場合、具体的には、車両用ナビゲーション装置10のそれぞれは、センタ4と同様に、駐車場毎に駐車予定データを記憶している。自車両1の車両用ナビゲーション装置10は、図5のステップ120で、信号56をセンタ4ではなく他の車両2のすべてに、通信ネットワーク3を介して送信する。また、車両2a〜2cの車両用ナビゲーション装置10は、それぞれ信号51〜53を、自車両以外の車両(例えば、車両2aの場合車両2b、2cおよび車両1)のすべてに、通信ネットワーク3を介して送信する。
【0114】
そして、信号51〜53、56を受信した車両用ナビゲーション装置10の制御部44は、図5のステップ102、104、106、120と同じように、自機が記憶している駐車予定データのいずれかを更新する。
【0115】
また、車両用ナビゲーション装置10のそれぞれは、ステップ108では、目的地駐車場を仮決定し、その目的地駐車場への到着予想時刻を算出すると、その仮決定した駐車場の駐車場識別情報および到着予想時刻を含む信号54をセンタ4に送信するのではなく、自機が記憶している当該駐車場の駐車予定データを用いて、ステップ110と同じ方法で、当該駐車場の予測空き台数を算出し、算出した予測空き台数をステップ112以降で使用する。
【0116】
また逆に、上記実施形態では、車両用ナビゲーション装置10がユーザの操作に応じて目的地の駐車場を仮決定または確定し、仮決定または確定した目的地駐車場への到着予想時間を算出するようになっているが、この処理は、センタ4が行うようになっていてもよい。つまり、車両用ナビゲーション装置10がユーザの操作内容および自車両の車両識別情報をセンタ4に送信し、センタ4が、当該操作に応じて当該車両の目的地の駐車場を仮決定または確定し、仮決定または確定した目的地駐車場への到着予想時間を算出してもよい。
【0117】
つまり、本発明の駐車予定データ作成手段、到着時刻算出手段、予測空き状況算出手段は、すべてセンタ4が備えていてもよいし、あるいは、すべて車両用ナビゲーション装置10が備えていてもよいし、任意の一部をセンタ4が備え、残りを車両用ナビゲーション装置10が備えるようになっていてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、センタ4の制御部44は、図5のステップ110で、車両1の駐車場への到着予想時刻における、当該駐車場の空き台数の予測値を算出するようになっている。しかし、算出するのは、当該駐車場の空き台数の予測値である必要はなく、当該駐車場の空き状況の予測値(例えば、駐車マスの使用率の予測値)であればよい。
【0119】
また、上記実施形態では、自車両1の制御回路17は、受信した空き台数の予測値を車両1のユーザ(乗員)に通知しているが、通知するのは、受信した空き台数の予測値に基づいた情報であればよい。例えば、空き台数の予測値が3未満の場合に、満車が予想されることを通知するようになっていてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、ユーザが選択した駐車場の空き台数が少ない場合には図5のステップ116において、ユーザの目的地として設定する駐車場の変更を促すようにしていた。しかしそれだけでなく、変更すべき駐車場の候補を積極的に提案(案内)するように構成してもよい。
【0121】
具体的には、図6ステップ240にて読み出した周辺駐車場(ここでは複数抽出されたという前提)について予めセンタに問い合わせておき、予測空き台数を取得しておくようにする。
【0122】
そして、ステップ114にて使用者に空き台数が少ないことを通知するとともに、ステップ116では目的地の変更の促しと、取得した予測空き台数に基づく推奨駐車場の提案を行うようにする。
【0123】
ここで、ユーザが提案を受け入れればステップ108に処理を戻すことなくステップ118に進むようにする。
【0124】
このようにすれば、ユーザが仮選択した駐車場の混雑が予測された場合に、事前に他の駐車場を積極的に案内できるので、駐車場での混雑を未然に防ぐとともに、ユーザの利便性をさらに向上させることができるようになる。
【0125】
なお、上記変形例では予測空き台数を取得するように構成したが、このためには予想到着時刻等の情報をセンタに送信する必要があり処理に負担がかかる。そこで、図6ステップ260でユーザが選択した駐車場以外の、周辺駐車場においてはセンタからは駐車予定データを取得し、予測空き台数については車両側で計算するようにしてもよい。
このようにすれば、多数の周辺駐車場が抽出された場合にセンタとの通信処理負荷を低減できる効果がある。
【0126】
また、上記第2実施形態において、この場合、身体障害者の障害等級に応じて、身体障害者専用駐車スペースを優先的に表示するか否かを判定するようになっていてもよい。具体的には、制御回路17は、図10のステップ430で、入力された登録IDが、いずれかの都道府県に届出のある正規な登録IDであると判定した後、その登録IDに対応する障害者等級が、所定の基準等級よりも小さいか否かを判定し、小さいと判定すれば、ステップ440で身体障害者フラグをオンとし、小さくないと判定すれば、身体障害者フラグを変化させずに、身体障害者識別処理を終了するようになっていてもよい。
【0127】
ここで、障害者等級とは、身体障害者の障害の重さを表す数字であり、数字が小さいほど重度である。各登録IDに対応する障害者等級の情報は、あらかじめ、ステップ430で用いる登録IDのリストに含まれるようになっていてもよい。登録IDのリスト中において、ある登録IDに対応する障害者等級は、その登録IDを有する身体障害者の等級を表すように作成される。このようにすることで、基準等級を適宜設定すれば、例えば、車椅子が必要な肢体不自由者に対しては身体障害者専用駐車スペースを優先的に表示する一方で、軽度の障害のみを有する身体障害者には、身体障害者専用駐車スペースを優先的に表示しないようにすることができる。
【0128】
また、上記第2実施形態では、図13のステップ230は全ての駐車場情報を対象として検索していたが、当然、障害者用の駐車スペースのある駐車場を対象として検索するように構成してもよい。この場合、もし図11のステップ115にてYESの判断がユーザによりなされた後は検索対象を全ての駐車場情報に拡大して検索するようにすればよい。
【0129】
また、上記実施形態では、図13のステップ230で、設定された主目的地の施設には、その施設の利用のために使用可能な駐車場がないとステップ230で判定した場合、ユーザの所定の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索してユーザに表示するようになっている。
【0130】
しかし、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索してユーザに表示するのは、かならずしも上記のような場面に限らない。例えば、制御回路17は、図13のステップ260で、ユーザが身体障害者専用の駐車スペースのある駐車場を選択し、ステップ270’で、身体障害者専用の駐車スペースの空き台数をセンタ4に問い合わせるため、所定の身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータを信号54に含めて送信し、身体障害者専用の駐車スペースの空き台数を問い合わせたことをRAMに記録し、その後図11のステップ112で、信号54の応答55に基づいて、受信した当該身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数が予め定められた一定台数未満であると判定し、続いてステップ114で、仮決定された身体障害者専用駐車スペースには空きが少ない旨を、画像および音声でユーザに通知するが、その直後、身体障害者専用の駐車スペースの空き台数を問い合わせたことがRAMに記録されていることに基づいて、図14のステップ282で、駐車場でなく、障害者のみ駐車禁止を免除される道路に案内してもよいか否かを音声または画像でユーザに問い合わせ、その問い合わせの応答操作が操作部13に対して行われるのを待ち、応答操作があると、その応答操作が「案内されたくない」旨の操作なら、ステップ115に進み、応答操作が「案内してもよい」旨の操作なら、ステップ284のように、主目的地から所定距離(例えば200メートル)以内の範囲で、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索し、続いてステップ108’に戻り、ステップ108’の処理中、図13のステップ250’では、駐車禁止を免除される道路上の地点が見つかっていれば、他の駐車場と共に、当該道路上の地点の所在位置等の情報を、ユーザが選択可能なよう、画像表示装置12にリスト表示させるようになっていてもよい。
【0131】
また、上記の実施形態において、制御回路17、制御部44がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1、2a〜2c 車両
3 通信ネットワーク
4 センタ
10 車両用ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場空き情報通知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両内に搭載されたナビゲーション装置が、通信機能を用いて駐車場の空き状況の情報を外部から取得し、取得した情報を目的地駐車場の選択等に利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−177199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来使用される駐車場の空き状況の情報は、その情報が作成された時点における空き状況の情報である。したがって、ある駐車場の空き状況の情報において、その駐車場に空きがあったとしても、車両がその駐車場に到着したときには、既に満車の状態になっている可能性がある。つまり、駐車場の空き状況の情報に従って駐車場を決めても、結局満車の駐車場に到着してしまう恐れがある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、駐車場の空き状況の情報に従って駐車場を決めても、結局満車の駐車場に到着してしまう可能性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の前記駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成する駐車予定データ作成手段(102、104、106、120、102’、104’、106’、120’)と、第1の車両(1)の前記駐車場への到着予想時刻を算出する到着時刻算出手段(265)と、前記駐車予定データにおける、前記第1の車両(1)の当該駐車場への前記到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有する車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、前記予想駐車台数および前記駐車場の現在の空き台数に基づいて、前記第1の車両(1)の前記駐車場への前記到着予想時刻における、前記駐車場の空き状況の予測値を算出する予測空き状況算出手段(110、110’)と、
算出された前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行う通知手段(114)と、を備えた駐車場空き情報通知システムである。
【0007】
このようになっていることで、第1の車両(1)が駐車場に向かう場合に、他の車両(2)のうち、その駐車場にまだ入庫していないけれども、車両(1)がその駐車場に到着するまでには入庫するような車両(2)の台数(すなわち、予想駐車台数)を予測することができ、その予想駐車台数を加味した上で、車両(1)がその駐車場に到着したときに当該駐車場がどの程度空いているかをユーザに通知できる。したがって、現在の駐車場の空き状況に従って駐車場を決める場合に比べて、最終的に満車の駐車場に到着してしまう可能性を低減することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、複数の車両(1、2)のそれぞれに搭載される複数の車両用ナビゲーション装置(10)と、前記複数の車両(1、2)から離れた位置に設置されるセンタ(4)と、を備え、前記複数の車両用ナビゲーション装置(10)のうち第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記複数の車両(1、2)のうち前記第1の車両(1)に搭載され、前記センタ(4)は、前記駐車予定データ作成手段(102、104、106、120)を備え、前記駐車予定データ作成手段(102、104、106、120)は、前記複数の車両用ナビゲーション装置(10)のそれぞれから、当該車両用ナビゲーション装置(10)が搭載された車両の車両識別情報および前記駐車場への到着予想時刻の情報を含んだ第1の信号(51、52、53、56)を受信したことに基づいて、前記駐車予定データに対し、受信した前記第1の信号(51、52、53、56)中の前記車両識別情報および前記到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加し、前記第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記到着時刻算出手段(265)を備えると共に、前記到着時刻算出手段(265)が算出した前記駐車場への前記到着予想時刻と前記第1の車両(1)の車両識別情報とを含む第2の信号(54)を前記センタ(4)に送信する送信手段(270、270’)を備え、前記センタ(4)は、前記予測空き状況算出手段(110)を備え、前記予測空き状況算出手段(110)は、前記第2の信号(54)を受信したことに基づいて、前記空き状況の予測値を算出し、算出した前記空き状況の予測値を、前記第1の車両(1)に送信し、前記第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記通知手段(114)を備え、前記通知手段(114)は、前記空き状況の予測値を前記センタ(4)から受信したことに基づいて、前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行うことを特徴とする請求項1に記載の駐車場空き情報通知システムである。
【0009】
このように、センタ(4)が集約して駐車場予想データを管理するようになることで、各車両の車両用ナビゲーション装置(10)は、他の車両と通信しなくてもよくなるので、通信のための作動が簡略化される。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、複数の駐車場のそれぞれに到着する予定の車両毎に、その車両の前記駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成すると共に、前記複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場については、当該身体障害者専用の駐車スペースに駐車する予定であるか否かの情報を前記駐車予定データに含める駐車予定データ作成手段(102’、104’、106’、120’)と、第1の車両(1)のユーザの操作に応じてオン、オフが切り替え可能な記憶媒体中の所定のフラグがオンになっていることに基づいて、記憶媒体に記録されている複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場を優先的に前記ユーザに表示する表示手段(250’)と、前記表示手段(250’)によって表示された駐車場のうち1つが前記ユーザに選択されると、当該選択された駐車場への到着予想時刻を算出する到着時刻算出手段(265)と、前記選択された駐車場が身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場であった場合、前記駐車予定データにおいて、前記第1の車両(1)の当該選択された駐車場への前記到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有すると共に身体障害者専用の駐車スペースに駐車する予定となっている車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、前記予想駐車台数および前記駐車場の身体障害者専用の駐車スペースの現在の空き台数に基づいて、前記第1の車両(1)の前記駐車場への前記到着予想時刻における、前記駐車場の身体障害者専用の駐車スペースの空き状況の予測値を算出する予測空き状況算出手段(110’)と、算出された前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行う通知手段(114)と、を備えた駐車場空き情報通知システムである。このようにすることで、ユーザは、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場をより選択し易くなる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の駐車場空き情報通知システムにおいて、前記表示手段(250’)は、前記所定のフラグがオンになっていることと、前記ユーザによって入力された登録IDがあらかじめ登録された正規の身体障害者手帳の登録IDであることに基づいて、記憶媒体に記録されている複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場を優先的に前記ユーザに表示することを特徴とする。
【0012】
このようになっていることで、正規の身体障害者手帳の登録IDを有さないユーザが、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場の優先的な案内を不正に受けることを防止できる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の駐車場空き情報通知システムにおいて、ユーザの所定の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索して前記ユーザに表示することを特徴とする。このようにすることで、ユーザの了解を得た上で障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を表示することができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3または4に記載の駐車場空き情報通知システムにおいて、前記予測空き状況算出手段(110’)が算出した前記身体障害者専用の駐車スペースの空き状況の予測値が所定台数未満であったことに基づいて、ユーザの所定の許可の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索して前記ユーザに表示することを特徴とする。
【0015】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車場空き状況通知システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】ナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。
【図3】センタ4の構成を示すブロック図である。
【図4】駐車予定車両データの構成を例示する図である。
【図5】駐車場空き情報通知システムの典型的な作動のシーケンス図である。
【図6】目的地駐車場の仮決定および通知の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】予想駐車台数Fの算出方法の詳細を示すフローチャートである。
【図8】車両1が目的地駐車場に到着した場合の作動を示すシーケンス図である。
【図9】車両1が目的地駐車場をキャンセルした場合の作動を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第2実施形態において車両用ナビゲーション装置の制御回路が実行する身体障害者識別処理のフローチャートである。
【図11】第2実施形態における駐車場空き情報通知システムの典型的な作動のシーケンス図である。
【図12】第2実施形態における駐車予定車両データの構成を例示する図である。
【図13】第2実施形態における目的地駐車場の仮決定および通知の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】駐車場以外の目的地設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る駐車場空き状況通知システムの構成を概略的に示す。この図に示すように、駐車場空き情報通知システムは、それぞれが車両用ナビゲーション装置を備えた複数の車両1、2a〜2cと、これら複数の車両1、2a〜2cの車両用ナビゲーション装置と通信ネットワーク(例えばインターネット等の広域ネットワーク、または専用通信回線)を介して通信するセンタ4と、を備えている。センタ4は、車両1、2a〜2cからは離れた位置(例えば建造物内)に設置されている。
【0018】
本実施形態においては、これら車両1、2a〜2cが有する車両用ナビゲーション装置の構成および機能は同等となっているが、それら車両のうち特定の車両1(第1の車両に相当する)に着目し、この車両1の構成及び作動について主に説明する。
【0019】
図2に、車両1および他の車両2が共通して有する車両用ナビゲーション装置10の構成を示す。この車両用ナビゲーション装置10は、車両に搭載され、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、無線通信部15、地図データ取得部16、および制御回路17を有している。
【0020】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない加速度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置、向き、および速度を特定するための情報を制御回路17に出力する。
【0021】
画像表示装置12は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0022】
操作部13は、車両用ナビゲーション装置10に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置12の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路17に出力する。
【0023】
無線通信部15は、通信ネットワーク3に接続された無線基地局と無線接続することで、通信ネットワーク3に接続された他の通信装置との通信を実現するための装置である。制御回路17は、通信ネットワーク3を介してセンタ4と通信するために、この無線通信部15を用いる。
【0024】
また、無線通信部15は、FMラジオ放送局または道路沿いに設置された路上機から無線送信された道路の渋滞情報、交通規制情報、駐車場現在空き情報等のVICS情報を受信して制御回路17に出力する無線受信機でもある。ここで、駐車場現在空き情報とは、複数の駐車場のそれぞれについての、現時点の空き台数を示す情報である。なお、駐車場の総駐車可能台数と、その駐車場に現在駐車している車両の台数の組も、現時点の空き台数を算出できるので、現時点の空き台数を示す情報である。
【0025】
地図データ取得部16は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成る。当該記憶媒体は、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0026】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンクの位置情報、種別情報、ノードの位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。施設データは、施設毎のレコードを複数有しており、各レコードは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報等を示すデータを有している。施設としては、駐車場、デパート、行楽施設等がある。
【0027】
また、施設データにおいて、施設のレコードのうちいくつかは、その施設の利用のために使用可能な1つまたは複数の駐車場(提携駐車場、専用駐車場等)の名称、所在位置等を示す周辺駐車場情報を有している。
【0028】
制御回路17は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、I/O等を有するマイコンである。CPUは、ROMまたは地図データ取得部16から読み出した車両用ナビゲーション装置10の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、および地図データ取得部16から情報を読み出し、RAMおよび(可能であれば)地図データ取得部16の記憶媒体に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、および無線通信部15と信号の授受を行う。
【0029】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、地図表示処理、目的地決定処理、誘導経路算出処理、経路案内処理等がある。
【0030】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。地図表示処理は、車両の現在位置の周辺等の特定の領域の地図を、画像表示装置12に表示させる処理である。この際、地図表示のために用いる情報は、地図データから取得する。
【0031】
目的地決定処理は、操作部13に対するユーザの目的地設定操作に応じて、目的地を決定する処理である。誘導経路算出処理は、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。経路案内処理は、誘導経路上の右左折交差点等の案内ポイントの手前に自車両が到達したときに、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させ、当該案内ポイントの拡大図を画像表示装置12に表示させることで、誘導経路に沿った車両の運転を案内する処理である。
【0032】
図3に、センタ4の構成を示す。センタ4は、ネットワークインターフェース41、無線部42、記憶部43、および制御部44を有している。
【0033】
ネットワークインターフェース41は、通信ネットワーク3と接続し、通信ネットワーク3を介して通信を行うためのインターフェース回路である。制御部44は、この通信ネットワーク3を用いることで、通信ネットワーク3を介して車両1、2a〜2cと通信するようになっている。無線部42は、FMラジオ放送局から駐車場現在空き情報等のVICS情報を受信して制御部44に出力する無線受信機である。
【0034】
記憶部43は、書き込み可能な不揮発性の記憶媒体(例えば、磁気ディスク、フラッシュメモリ等)である。この記憶部43には、複数の駐車予定データが記録されている。図4に、駐車予定車両データの構成を例示する。それぞれの駐車予定データは、異なる1つの駐車場に対応し、対応する駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の識別情報(以下、車両識別情報という)および到着予想時刻の情報を含むようになっている。車両の識別情報とは、その車両を他の車両と区別するための情報をいう。この車両の識別情報としては、当該車両に搭載された車両用ナビゲーション装置10の制御回路17のROMに記録された車載機IDを用いてもよい。
【0035】
制御部44は、CPU、RAM、ROM等を備え、CPUがROMに記録されたプログラムを実行することで、後述する処理を実行し、その実行の際、ネットワークインターフェース41、無線部42、記憶部43を用いる。
【0036】
以下、このような駐車場空き情報通知システムの作動について説明する。図5に、駐車場空き情報通知システムの典型的な作動のシーケンス図を示す。まず、車両2a〜2cに搭載された車両用ナビゲーション装置10が、通信ネットワーク3を介してセンタ4と通信することで、当該車両2a〜2cの車両識別情報、当該車両2a〜2cの目的地として確定した駐車場の識別情報(すなわち、駐車場を一意に示す情報、例えば名称等。以下、駐車場識別情報という)、および当該車両2a〜2cの当該駐車場への到着予想時刻の情報、を含んだ信号51、52、53(第1の信号の例に相当する)を、センタ4に送信する。
【0037】
そしてこれら信号51〜53を受信したセンタ4は、受信した車両識別情報、車両駐車場および到着予想時刻の情報を、駐車予定データに反映させる(ステップ102、104、106)。すなわち、受信した信号51、52、53中の駐車場識別情報に対応する駐車場の駐車予定データを特定し、この駐車予定データに対し、受信した車両識別情報および到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加する。このようにすることで、各駐車場について、どの時刻にどの車両が到着するかの情報が、対応する駐車予定データに逐次記録されていく。ただし、各駐車予定データに複数個のエントリが含まれている場合は、それら複数のエントリは、到着予想時刻の早い順に並ぶように記録される。
【0038】
なお、車両2a〜2cが車両識別情報、目的地の駐車場識別情報、および到着予想時刻情報の信号51〜53を送信する際の作動の詳細、および、センタ4がそれら信号51〜53を受信して駐車予定データに反映させる際の作動の詳細については、以下で説明する自車両1が車両識別情報、目的地の駐車場識別情報、および到着予想時刻情報を確定情報として送信する作動、および、センタ4がその送信された確定情報を受信して駐車予定データに反映させる作動と同じである。
【0039】
次に、自車両1のユーザが、自車両1の車両用ナビゲーション装置10(第1の車両用ナビゲーション装置の一例に相当する)に対して目的地駐車場の設定操作を行うと、車両用ナビゲーション装置10は、その設定操作に基づいて、目的地駐車場を仮決定し、自車両1の車両識別情報、仮決定した目的地駐車場の駐車場識別情報、および自車両1の目的地駐車場への到着予想時刻の情報を、センタ4に送信する(ステップ108)。この処理は、上述の目的地決定処理の一部に相当する。
【0040】
図6に、このステップ108の目的地駐車場仮決定・通知の処理の詳細を示す。この図に示す通り、制御回路17は、まず、操作部13に対するユーザの主目的地の設定操作を受け付け、受け付けた設定操作に応じて、主目的地を設定する(ステップ210)。ここで設定する主目的地としては、駐車場そのものである場合もあれば、周辺に使用可能な駐車場(提携駐車場等)を備えた施設である場合もある。
【0041】
続いて制御回路17は、設定した主目的地が駐車場そのものであるか否かを判定し(ステップ220)、駐車場そのものであれば、その駐車場への到着予想時刻を算出する(ステップ265)。算出方法としては、誘導経路算出処理を実行して自車両1の現在位置から当該駐車場への最適な誘導経路を算出し、算出した誘導経路を走行するために要する時間(以下、走行所要時間という)を算出し、算出した時間だけ現在時刻から進めた時刻を、到着予想時刻とする。なお、走行所要時間の算出方法としては、どのような方法を採用してもよいが、例えば、誘導経路の総距離を所定の平均速度で除算した結果の値を走行所要時間としてもよい。
【0042】
そして制御回路17は更に、自車両の車両識別情報と、その駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻(ステップ265で算出済み)と、を含む信号54(第2の信号に相当する)をセンタ4に送信し(ステップ270)、目的地駐車場仮決定・通知の処理を終了する。
【0043】
一方、設定した主目的地が駐車場そのものでない場合、その主目的地の施設には、その施設の利用のために使用可能な駐車場があるか否かを、地図データにおける当該施設の周辺駐車場情報の有無に基づいて判定する(ステップ230)。そして、使用可能な駐車場がない場合、目的地駐車場仮決定・通知の処理を終了し、さらに、図5におけるステップ108以降の処理も実行しない。
【0044】
使用可能な駐車場がある場合、当該施設の周辺駐車場から、すべての駐車場の駐車場識別情報を読み出し(ステップ240)、続いて読み出した駐車場の名称、所在位置等の情報を、画像表示装置12にリスト表示させる(ステップ250)。そして更に、ユーザが操作部13を用いてリスト表示された駐車場のうち1つを選択するのを待ち(ステップ260)、選択されると、その駐車場への到着予想時刻を算出し(ステップ265)、更に、自車両の車両識別情報と、選択された駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、を含む信号54をセンタ4に送信し(ステップ270)、目的地駐車場仮決定・通知の処理を終了する。
【0045】
このようにして、制御回路17は、ユーザが選択した主目的地の駐車場、または主目的地の施設の利用のために使用可能な駐車場を1つ決定し、自車両の車両識別情報と、決定した駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、を含む信号54(図5参照)を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する。
【0046】
このような信号54を受信したセンタ4の制御部44は、続いて、信号54中に含まれる駐車場の予測空き台数を算出し、算出した予測空き台数を含む信号55を車両用ナビゲーション装置10に送信する(ステップ110)。
【0047】
このステップ110で算出する駐車場の予測空き台数とは、車両1の当該駐車場への到着予想時刻における、当該駐車場の空き台数の予測値である。この予測空き台数は、現在の当該駐車場の空き台数(以下、現在空き台数Cという)と、自車両1が当該駐車場に到達するまでに当該駐車場に駐車することが予想される他車両の台数(以下、予想駐車台数Fという)とに基づいて算出する。具体的には、現在空き台数Cから予想駐車台数Fを減算した結果の値を、予測空き台数とする。あるいは、センタ4に対して目的地駐車場の駐車場識別情報を送信する機能を有しない車両が当該駐車場に駐車することを考慮して、予想駐車台数Fに1より大きな値の係数Kを乗じた結果の値を現在空き台数Cから減算した結果の値を、予測空き台数としてもよい。
【0048】
ここで、現在空き台数Cとしては、無線部42を用いて受信したVICS情報から抽出した、当該駐車場の駐車場現在空き情報を採用する。また、予想駐車台数Fは、記憶部43に記録された当該駐車場の駐車予定データに基づいて算出する。具体的には、当該駐車予定データにおける、自車両1の当該駐車場への到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有するエントリの数を、予想駐車台数Fとして採用する。
【0049】
図7に、この予想駐車台数Fの算出方法の詳細を示す。まず制御部44は、作業用の変数nを1に初期化し(ステップ310)、続いて、この変数nが当該駐車予定データ中の総エントリ数Nと比較し、n≦Nであるか否かを判定する(ステップ320)。n≦Nである場合、続いて、当該駐車場予想データ中のn番目のエントリ中の到着予想時刻T(n)と、受信した信号54中の車両1の到着予想時刻Tとを比較する(ステップ330)。
【0050】
ここで、当該駐車場予想データは、到着予想時刻の早い順に並ぶように記録されているので、到着予想時刻中のn番目のエントリは、当該駐車場予想データ中においてn番目に早く到着する予定の他車両のエントリである。
【0051】
続いて到着予想時刻Tが到着予想時刻T(n)よりも早いか否かを判定し(ステップ340)、早くなければ続いて変数nの値を1だけ増加させ(ステップ350)、ステップ320に戻る。
【0052】
このような処理により、制御部44は、駐車場予想データ中の到着予想時刻T(n)を早い順に車両1の到着予想時刻Tと比較し(ステップ330)、到着予想時刻T(n)が早いと判定する度に(ステップ340→YES)変数nの値を1だけ増加させていく(ステップ350)。ただし、変数nが総エントリ数Nより大きくなった場合(ステップ320→NO)は、比較対象がないので、ステップ320からステップ360に進み、予想駐車台数Fの値として、変数nの値から1を減じた値(すなわち総エントリ数Nの値)を採用する。このようにするのは、この場合、駐車場予想データ中のすべてのエントリが、車両1よりも早い到着予想時刻を有していることになるからである。
【0053】
また、ステップ340で到着予想時刻Tが到着予想時刻T(n)よりも早いと判定した場合も、続いてステップ360に進み、予想駐車台数Fの値として、変数nの値から1を減じた値を採用する。このようにするのは、この場合、駐車場予想データ中のn−1個のエントリのみが、車両1よりも早い到着予想時刻を有しているからである。
【0054】
ステップ360の後、制御部44は予想駐車台数Fの算出処理を終了し、この予想駐車台数Fと現在空き台数Cに基づいて、当該駐車場の予測空き台数を算出する。そして、算出した予測空き台数の情報を含む信号55(図5参照)を、通信ネットワーク3を介して車両1に送信する。
【0055】
自車両1の車両用ナビゲーション装置10がこの信号55を受信すると、当該車両用ナビゲーション装置10の制御回路17は、受信した当該駐車場の予測空き台数が予め定められた一定台数(例えば、1台でもよいし、5台でもよい。)未満であるか否かを判定し(ステップ112)、一定台数未満でないと判定した場合、当該駐車場を目的地の駐車場として確定する(ステップ118)。そして、確定した目的地の駐車場への到着予想時刻を算出し、更に、自車両1の車両識別情報と、当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、を含む信号56(第1の信号の一例に相当する)を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する(ステップ119)。その後制御回路17は、現在位置から当該駐車場へ最適な誘導経路の経路案内処理を行う。
【0056】
この信号56を受信したセンタ4の制御部44は、当該駐車場の駐車予定データを更新する。具体的には、受信した信号65に含まれる駐車場の駐車場識別情報に対応する駐車予定データに対して、信号65中の車両識別情報および到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加する(ステップ120)。ただし、その新エントリの追加位置は、その新エントリよりも早い到着予想時刻を有するすべてのエントリよりも後ろの位置であり、かつ、その新エントリよりも遅い到着予想時刻を有するすべてのエントリよりも前の位置とする。このような位置に新エントリを追加することで、当該駐車予定データ中では、到着予想時刻の早い順にエントリが並んで記録される。
【0057】
また、自車両1に搭載された車両用ナビゲーション装置10の制御回路17が、ステップ112で、受信した当該駐車場の予測空き台数が予め定められた一定台数未満であると判定した場合、画像表示装置12およびスピーカ14を用いて、仮決定された目的地駐車場には空きが少ない旨を、画像および音声でユーザに通知する(ステップ114)。このとき、算出されている予測空き台数を表示するようになっていてもよい。
【0058】
そして更に、画像表示装置12およびスピーカ14を用いて、目的地の駐車場を変更するか否かをユーザに問い合わせ、目的地の駐車場の変更を促すとともに、その問い合わせに対する回答操作を待つ(ステップ116)。そして、ユーザが操作部13に対して変更する旨の回答操作を行った場合、再度処理をステップ108に戻すことで、新たな目的地駐車場を仮決定し直す。
【0059】
ユーザが操作部13に対して変更しない旨の回答操作を行った場合は、ステップ118に進んで、当該駐車場を目的地の駐車場として確定し、自車両1の車両識別情報と、当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、を含む信号56を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する(ステップ119)。その後制御回路17は、現在位置から当該駐車場へ最適な誘導経路の経路案内処理を行う。このようになっているので、到着したときには既に駐車スペースがない可能生が高い駐車場であっても、敢えてその駐車場に向うとユーザが判断すれば、そこに向って経路案内することができる。
【0060】
また、図8に示すように、自車両1が目的地の駐車場に到着したとき、自車両1の制御部44は、目的地の駐車場に到着したことを示す到着情報と、自車両1の車両識別情報とを含む信号57を、センタ4に送信する(ステップ130)。この信号57を受信したセンタ4の制御部44は、当該車両1の車両識別情報を含むエントリが記録された駐車予定データ(すなわち、車両1の目的地駐車場の駐車予定データ)を検索し、検索の結果見つかった駐車予定データ中の当該エントリを削除する(ステップ132)。この作動は、車両1を車両2a〜2cに置き換えた場合にも当てはまる。
【0061】
このように、ある駐車場の駐車予定データにあるエントリが登録されており、そのエントリに含まれる車両識別情報に対応する車両がその駐車場に到着すると、その車両の車両用ナビゲーション装置10がセンタ4に対して到着情報および車両識別情報を送信し、センタ4は、その到着情報および車両識別情報を受信したことに基づいて、当該駐車予定データから当該車両のエントリを削除する。このように、目的地駐車場に既に到着した車両のエントリが、駐車予定データから削除されることで、駐車予定データが増え続けてしまうことがない。
【0062】
また、図9に示すように、自車両1の乗員が、操作部13に対して目的地設定をキャンセルする操作を行った場合、制御回路17は、目的地の駐車場の設定をキャンセルすることを示すキャンセル情報と、自車両1の車両識別情報とを含む信号58を、センタ4に送信する(ステップ140)。この信号58を受信したセンタ4の制御部44は、当該車両1の車両識別情報を含むエントリが記録された駐車予定データ(すなわち、車両1の目的地駐車場の駐車予定データ)を検索し、検索の結果見つかった駐車予定データ中の当該エントリを削除する(ステップ142)。この作動は、車両1を車両2a〜2cに置き換えた場合にも当てはまる。
【0063】
このように、ある駐車場の駐車予定データにあるエントリが登録されており、そのエントリに含まれる車両識別情報に対応する車両において、ドライバが当該駐車場の目的地設定をキャンセルした場合、その車両の車両用ナビゲーション装置10がセンタ4に対してキャンセル情報および車両識別情報を送信し、センタ4は、そのキャンセル情報および車両識別情報を受信したことに基づいて、当該駐車予定データから当該車両のエントリを削除する。このように、目的地駐車場に到着することがなくなった車両のエントリが、駐車予定データから削除されることで、駐車予定データが増え続けてしまうことがない。
【0064】
以上説明した通り、本実施形態の駐車場空き情報通知システムにおいては、センタ4が、各車両1、2a〜2cに搭載された車両用ナビゲーション装置10のそれぞれから、当該車両用ナビゲーション装置10が搭載された車両の車両識別情報および確定した目的地の駐車場への到着予想時刻の情報を含んだ信号51、52、53、56を受信したことに基づいて、当該駐車場に対応する駐車予定データに対し、受信した信号51、52、53、56中の車両識別情報および到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加する。
【0065】
そして、車両1の車両用ナビゲーション装置10は、仮決定した自車両1の目的地駐車場への到着予想時刻を算出し、算出した当該駐車場への到着予想時刻と車両1の車両識別情報とを含む信号54をセンタ4に送信する。
【0066】
そしてセンタ4は、信号54を受信したことに基づいて、当該到着予想時刻における当該駐車場の空き台数の予測値を算出し、算出した空き台数の予測値を、車両1に送信する。
【0067】
そして車両1の車両用ナビゲーション装置10は、空き台数の予測値をセンタ4から受信したことに基づいて、空き台数の予測値を車両1のユーザに対して通知した上で、ユーザの操作に応じて、別の駐車場を目的地駐車場として仮決定する。
【0068】
このようになっていることで、車両1がある駐車場に向かう場合に、他の車両2のうち、その駐車場にまだ入庫していないけれども、車両1がその駐車場に到着するまでには入庫するような車両2の台数(すなわち、予想駐車台数)を予測することができ、その予想駐車台数を加味した上で、車両1がその駐車場に到着したときに当該駐車場がどの程度空いているかをユーザに通知できる。したがって、現在の駐車場の空き状況に従って駐車場を決める場合に比べて、最終的に満車の駐車場に到着してしまう可能性を低減することができる。
【0069】
また、混雑が予測できるときはユーザに対して事前に他の駐車場へ目的地設定を変更するように促すことで、実際の駐車場にて、車両同士が競合するような混雑の発生を未然に防ぐことができる。
【0070】
また、センタ4が集約して駐車場予想データを管理するようになっていることで、各車両1、2a〜2cの車両用ナビゲーション装置10は、他の車両と通信しなくてもよくなるので、通信のための作動が簡略化される。
【0071】
なお、本実施形態において、センタ4の制御部44が、ステップ102、104、106、120の処理を実行することで、駐車予定データ作成手段の一例として機能し、また、ステップ110を実行することで予測空き状況算出手段の一例として機能する。
【0072】
また、車両用ナビゲーション装置10の制御回路17が、ステップ265を実行することで到着時刻算出手段の一例として機能し、ステップ270を実行することで送信手段の一例として機能し、ステップ114を実行することで通知手段の一例として機能する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、車両に同乗する身体障害者の利便性をより高めるような変更を加えたものである。本実施形態における駐車場空き状況通知システムのハードウェア構成は、第1実施形態と同じである。したがって、センタ4および車両用ナビゲーション装置10のハードウェア構成も、第1実施形態と同じである。
【0073】
以下、本実施形態の駐車場空き情報通知システムの作動について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0074】
まず、本実施形態の車両用ナビゲーション装置10では、制御回路17が、図10に示す身体障害者識別処理を実行する。この身体障害者識別処理は、車両用ナビゲーション装置10を搭載する自車両1に障害者が同乗する機会が多いことを示す身体障害者フラグ(所定のフラグの一例に相当する)についての処理であり、ユーザの操作に応じて、この身体障害者フラグのオン、オフを切り替える。
【0075】
制御回路17は、操作部13に対する所定の操作があったときに、この身体障害者識別処理の実行を開始し、まずステップ410で、自車両1に身体障害者が同乗することが多いか否かを音声または画像で問い合わせ、その問い合わせに対する応答の操作が操作部13に対して行われるまで待ち、応答の操作があると、その操作が「同乗することが多い」旨の操作であれば、続いてステップ420に進み、「同乗することが多くない」旨の操作であれば、続いてステップ450に進む。
【0076】
ステップ420では、身体障害者手帳に記載の登録IDの入力を音声または画像で促し、操作部13に対する障害者IDの入力を待つ。このとき、ユーザが操作部13を用いてユーザ所有の身体障害者手帳に記載の登録IDを入力すると、制御回路17は続いてステップ430に進む。
【0077】
ステップ430では、入力された登録IDが、いずれかの都道府県に届出のある正規な身体障害者手帳の登録IDであるか否かを判定する。この判定は、あらかじめ制御回路17のROM、フラッシュメモリ、または地図データ取得部16のHDDに登録された正規な登録IDのリストを用いて、入力された登録IDが当該リストに含まれるか否かで、入力された登録IDが登録IDであるか否かを判定してもよい。あるいは、無線通信部15を用いて車外の障害者登録ID提供サーバに対して、入力された登録IDを含む問い合わせ信号を送信し、当該障害者ID提供サーバは、上記リストを記憶しており、受信した問い合わせ信号に含まれる登録IDが当該リストに含まれるか否を判定し、判定結果を車両用ナビゲーション装置10に無線送信し、車両用ナビゲーション装置10の制御回路17は、受信した判定結果に基づいて、入力された登録IDが当該リストに含まれるか否かを判定してもよい。正規な登録IDであると判定した場合、続いてステップ440に進み、フラッシュメモリまたは地図データ取得部16のHDD中の身体障害者フラグをオンにし、身体障害者識別処理を終了する。
【0078】
このような制御回路17の処理により、身体障害者のユーザが頻繁に乗車することの登録を行える。なお、車両用ナビゲーション装置10の出荷時における身体障害者フラグの初期値は、オフとなっている。
【0079】
ただし制御回路17は、ステップ430で、正規な登録IDでないと判定した場合は、身体障害者フラグを変化させずに、身体障害者識別処理を終了する。このようにすることで、不正に身体障害者フラグがオンにされることを防止できる。
【0080】
また制御回路17は、ステップ410で、自車両1に身体障害者が同乗することが多くないと判定された場合、上述の通りステップ450に進み、身体障害者フラグをオフにし、身体障害者識別処理を終了する。このようにすることで、ユーザの操作に応じて、身体障害者フラグをオンからオフにすることができる。
【0081】
次に、図11に示す駐車場空き情報通知システムの作動について説明する。この図11は、身体障害者フラグがオンのときの駐車場空き情報通知システムの典型的な作動のシーケンス図である。この図11と第1実施形態の図5で同じ処理を行うステップに対しては、同じ符号を付し、それらについての説明は省略する。
【0082】
図12に、本実施形態における駐車予定車両データの構成を例示する。それぞれの駐車予定データは、異なる1つの駐車場に対応し、対応する駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の識別情報(以下、車両識別情報という)、到着予想時刻、および身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの情報を含むようになっている。
【0083】
このような駐車予定データは、以下のようにしてセンタ4の制御部44が作成する。図11に示すように、車両2a〜2cに搭載された車両用ナビゲーション装置10が、通信ネットワーク3を介してセンタ4と通信することで、当該車両2a〜2cの車両識別情報、当該車両2a〜2cの目的地として確定した駐車場の識別情報(すなわち、駐車場を一意に示す情報、例えば名称等。以下、駐車場識別情報という)、および当該車両2a〜2cの当該駐車場への到着予想時刻の情報、および、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの情報を含んだ信号51、52、53(第1の信号の例に相当する)を、センタ4に送信する。
【0084】
そしてこれら信号51〜53を受信したセンタ4は、受信した車両識別情報、車両駐車場および到着予想時刻の情報を、駐車予定データに反映させる(ステップ102’、104’、106’)。すなわち、受信した信号51、52、53中の駐車場識別情報に対応する駐車場の駐車予定データを特定し、この駐車予定データに対し、受信した車両識別情報、到着予想時刻情報、および身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの組から成るエントリを追加する。このようにすることで、各駐車場について、どの時刻にどの車両が到着するか、および、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの情報が、対応する駐車予定データに逐次記録されていく。ただし、各駐車予定データに複数個のエントリが含まれている場合は、それら複数のエントリは、到着予想時刻の早い順に並ぶように記録される。
【0085】
なお、車両2a〜2cが車両識別情報、目的地の駐車場識別情報、到着予想時刻情報、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定か否かの情報を含む信号51〜53を送信する際の作動の詳細、および、センタ4がそれら信号51〜53を受信して駐車予定データに反映させる際の作動の詳細については、以下で説明する自車両1が車両識別情報、目的地の駐車場識別情報、および到着予想時刻情報を確定情報として送信する作動、および、センタ4がその送信された確定情報を受信して駐車予定データに反映させる作動と同じである。
【0086】
そして、自車両1のユーザが、自車両1の車両用ナビゲーション装置10(第1の車両用ナビゲーション装置の一例に相当する)の操作部13に対して目的地駐車場の設定操作を行うと、当該車両用ナビゲーション装置10の制御回路17は、身体障害者フラグがオンのときは、図11のステップ108’〜119のような処理を実行し、身体障害者フラグがオフの時は、第1実施形態と同様、図5のステップ108〜119のような処理を実行する。
【0087】
まずステップ108’では、図5のステップ108と同様、上述の目的地駐車場の設定操作に基づいて、目的地駐車場を仮決定し、自車両1の車両識別情報、仮決定した目的地駐車場の駐車場識別情報、および自車両1の目的地駐車場への到着予想時刻の情報等を、センタ4に送信する。この処理は、上述の目的地決定処理の一部に相当する。
【0088】
図13に、このステップ108’の目的地駐車場仮決定・通知の処理の詳細を示す。この図13と第1実施形態の図6で同じ処理を行うステップに対しては、同じ符号を付し、それらについての説明は省略する。
【0089】
ステップ210で設定された主目的地の施設の周辺にはその施設の利用のために使用可能な駐車場がある、とステップ230で判定し、続くステップ240で、当該施設の周辺駐車場から、身体障害者専用の駐車スペースがある駐車場もない駐車場も関係なく、すべての駐車場の駐車場識別情報を読み出した後、制御回路17は、ステップ250’に処理を進める。
【0090】
ステップ250’では、図6のステップ250と同様、ステップ240で読み出した駐車場の名称、所在位置等の情報を、画像表示装置12にリスト表示させる。ただし、リストの順序が、図6のステップ240と異なる。
【0091】
具体的には、ステップ240で読み出した駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場を、そうでない駐車場よりも優先的にリスト表示する。例えば、スクロール表示可能なリスト表示において、リストの最も上位に、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場群を表示する。このようにすることで、ユーザは、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場をより選択し易くなる。
【0092】
なお、本実施形態では、地図データ取得部16に記憶された地図データ中には、駐車場毎に、当該駐車場の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報に加え、当該駐車場が身体障害者専用の駐車スペースを有しているか否か(および、有している場合は何個有しているか)の情報、を含んでおり、制御回路17は、この身体障害者専用の駐車スペースを有しているか否かの情報に基づいて、身体障害者専用の駐車スペースを備えた駐車場とそうでない駐車場とを識別することができる。
【0093】
このように、車両1に身体障害者が乗車している可能性が高い場合、設定された主目的地に近い駐車場の中で、身体障害者専用の駐車スペースを優先的に案内することができる。
【0094】
また制御回路17は、ステップ270’で、図6のステップ270と同様、自車両の車両識別情報と、選択された当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻(ステップ265で算出済み)と、を含む信号54(図11参照、第2の信号に相当する)をセンタ4に送信する。ただし、ステップ260で、ユーザが身体障害者専用の駐車スペースのある駐車場を選択していた場合に限っては、ステップ270’で、身体障害者専用の駐車スペースの空き台数をセンタ4に問い合わせるため、所定の身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータを信号54に含める。
【0095】
このような身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータを含む信号54を受信したセンタ4の制御部44は、続いて、当該信号54中に含まれる駐車場の身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数を算出し、算出した予測空き台数を含む信号55を車両用ナビゲーション装置10に送信する(図11のステップ110’)。なお、受信した信号54中に身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータがない場合は、ステップ110’の処理内容は、図5のステップ110と同じになる。
【0096】
以下、身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータを含む信号54を受信した場合のステップ110’の処理内容について説明する。このステップ110で算出する駐車場の身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数とは、車両1の当該駐車場への到着予想時刻における、当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの空き台数の予測値である。この予測空き台数は、現在の当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの空き台数(以下、現在空き台数C’という)と、自車両1が当該駐車場に到達するまでに当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースに駐車することが予想される他車両の台数(以下、予想駐車台数F’という)とに基づいて算出する。具体的には、現在空き台数C’から予想駐車台数F’を減算した結果の値を、身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数とする。あるいは、センタ4に対して目的地駐車場の駐車場識別情報を送信する機能を有しない車両が当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースに駐車することを考慮して、予想駐車台数F’に1より大きい係数Kを乗じた結果の値を現在空き台数C’から減算した結果の値を、身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数としてもよい。
【0097】
ここで、現在空き台数C’としては、無線部42を用いて受信したVICS情報から抽出した、当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの駐車場現在空き情報を採用する。なお、本実施形態では、無線部42を用いて受信したVICS情報には、身体障害者専用駐車スペースを有する駐車場については、当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの現在の空き台数の情報も含まれている。
【0098】
また、予想駐車台数F’は、記憶部43に記録された当該駐車場の駐車予定データに基づいて算出する。具体的には、当該駐車予定データにおける、自車両1の当該駐車場への到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有するエントリのうち、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定である旨のデーを含むエントリの数を、予想駐車台数F’として採用する。
【0099】
より詳しくは、予想駐車台数F’の算出方法は、図7の処理において、当該駐車予定データ中の総エントリ数Nを、当該駐車予定データ中で身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定のエントリの総数N’に置き換え、ステップ330で、当該駐車場予想データ中の身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定のエントリのうちn番目のエントリ中の到着予想時刻T(n)と、受信した信号54中の車両1の到着予想時刻Tとを比較するように変更したものとなる。
【0100】
制御部44は、予想駐車台数F’を算出すると、この予想駐車台数F’と現在空き台数C’に基づいて、当該駐車場の身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数を算出する。そして、算出した予測空き台数の情報を含む信号55(図11参照)を、通信ネットワーク3を介して車両1に送信する。
【0101】
また、制御回路17は、ステップ112で、センタ4から受信した当該駐車場の予測空き台数が予め定められた一定台数未満でないと判定した場合、ステップ118で、当該駐車場を目的地の駐車場として確定した後、ステップ119’に処理を進める。
【0102】
ステップ119’では、確定した目的地の駐車場への到着予想時刻を算出し、更に、自車両1の車両識別情報と、当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定である旨の情報とを含む信号56(第1の信号の一例に相当する)を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する。ただし、このようにするのは、図13のステップ260で身体障害者専用駐車スペースを有する駐車場が選択された場合であって、図13のステップ260で身体障害者専用駐車スペースを有しない駐車場が選択された場合は、確定した目的地の駐車場への到着予想時刻を算出し、更に、自車両1の車両識別情報と、当該駐車場の駐車場識別情報と、その駐車場への到着予想時刻と、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定でない旨の情報とを含む信号56(第1の信号の一例に相当する)を、通信ネットワーク3を介してセンタ4に送信する。その後制御回路17は、現在位置から当該駐車場へ最適な誘導経路の経路案内処理を行う。
【0103】
この信号56を受信したセンタ4の制御部44は、ステップ120’で、当該駐車場の駐車予定データを更新する。具体的には、受信した信号65に含まれる駐車場の駐車場識別情報に対応する駐車予定データに対して、信号65中の車両識別情報、到着予想時刻情報、および身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定であるか否かの情報(つまり、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定である旨の情報か、または、身体障害者専用駐車スペースに駐車する予定でない旨の情報)の組から成るエントリを追加する。ただし、その新エントリの追加位置は、その新エントリよりも早い到着予想時刻を有するすべてのエントリよりも後ろの位置であり、かつ、その新エントリよりも遅い到着予想時刻を有するすべてのエントリよりも前の位置とする。このような位置に新エントリを追加することで、当該駐車予定データ中では、到着予想時刻の早い順にエントリが並んで記録される。
【0104】
また、自車両1に搭載された車両用ナビゲーション装置10の制御回路17が、ステップ112で、受信した当該駐車場(またはその身体障害者専用駐車スペース)の予測空き台数が予め定められた一定台数未満であると判定した場合、ステップ114で、仮決定された目的地駐車場(またはその身体障害者専用駐車スペース)には空きが少ない旨を、画像および音声でユーザに通知した後は、ステップ115に処理を進める。
【0105】
ステップ115では、健常者の駐車場(すなわち、身体障害者専用駐車スペースのない駐車場)を目的地に設定してもよいか否かを音声または画像でユーザに問い合わせ、その問い合わせの応答操作が操作部13に対して行われるのを待ち、応答操作があると、その応答操作が「健常者の駐車場を目的地に設定したくない」旨の操作なら、続いて第1実施形態と同じステップ116を実行し、その応答操作が「健常者の駐車場を目的地に設定してもよい」旨の操作なら、続いてステップ117で、身体障害者専用駐車スペースのある駐車場の優先表示を停止する。このステップ117の処理以降では、ステップ108’中のステップ250’の処理内容は、身体障害者専用駐車スペースのある駐車場の優先的な表示を行わず、第1実施形態のステップ250と同じになる。このようにすることで、身体障害者専用駐車スペースのある駐車場への停車をあきらめたユーザに対応した駐車場案内を行うことができる。つまり、身体障害者専用の駐車スペースに空きがあまり無い場合、他の駐車場を周辺から探し、ユーザの了解を得た上で案内を行うことができる。
【0106】
また制御回路17は、図13のステップ230で、ステップ210で設定された主目的地の施設には、その施設の利用のために使用可能な駐車場がない(身体障害者専用の駐車スペースがある駐車場もない駐車場も全くない)とステップ230で判定した場合、続いてステップ280に進み、駐車場以外の目的地設定処理を実行する。
【0107】
図14に、この駐車場以外の目的地設定処理の詳細を示す。まず、ステップ282で、駐車場でなく、障害者のみ駐車禁止を免除される道路に案内してもよいか否かを音声または画像でユーザに問い合わせ、その問い合わせの応答操作が操作部13に対して行われるのを待ち、応答操作があると、その応答操作が「案内されたくない」旨の操作なら、ステップ280の処理を抜けると共に、図13の処理を終了し、さらに、図11におけるステップ108’以降の処理も実行しない。
【0108】
応答操作が「案内してもよい」旨の操作なら、続いてステップ284に進み、主目的地から所定距離(例えば200メートル)以内の範囲で、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索し、続いてステップ286で、検索の結果そのような地点が見つかったか否かを判定し、見つかっていないと判定した場合、ステップ280の処理を抜けると共に、図13の処理を終了し、さらに、図11におけるステップ108’以降の処理も実行しない。しかし、見つかったと判定した場合、ステップ288に進み、見つかった地点を、駐車場の代わりの目的地として確定する。この場合、センタ4への通知は行わず、その後制御回路17は、現在位置から当該駐車場へ最適な誘導経路の経路案内処理を行う。このようにすることで、目的地の周辺駐車場がなく、かつ目的地近傍で障害者のみ駐車禁止を免除される道路があれば、ユーザの了解を得た上で案内することができる。
【0109】
なお、本実施形態において、センタ4の制御部44が、ステップ102’、104’、106’、120’の処理を実行することで、駐車予定データ作成手段の一例として機能し、また、ステップ110’を実行することで予測空き状況算出手段の一例として機能する。
【0110】
また、車両用ナビゲーション装置10の制御回路17が、ステップ250’を実行することで表示手段の一例として機能し、ステップ265を実行することで到着時刻算出手段の一例として機能し、ステップ270’を実行することで送信手段の一例として機能し、ステップ114を実行することで通知手段の一例として機能する。
【0111】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0112】
例えば、上記実施形態においては、駐車場空き情報通知システムが複数台の車両1、2a〜2cのそれぞれに搭載された車両用ナビゲーション装置10と、これら車両1、2a〜2cから離れた位置に設置されたセンタ4とで構成されている。しかし、センタ4は、必ずしもこのように車両1、2a〜2cから離れた位置に存在しなくともよい。例えば、駐車場空き情報通知システムを構成する車両用ナビゲーション装置10のそれぞれがセンタ4の機能も併せ持つようになっていてもよい。
【0113】
この場合、具体的には、車両用ナビゲーション装置10のそれぞれは、センタ4と同様に、駐車場毎に駐車予定データを記憶している。自車両1の車両用ナビゲーション装置10は、図5のステップ120で、信号56をセンタ4ではなく他の車両2のすべてに、通信ネットワーク3を介して送信する。また、車両2a〜2cの車両用ナビゲーション装置10は、それぞれ信号51〜53を、自車両以外の車両(例えば、車両2aの場合車両2b、2cおよび車両1)のすべてに、通信ネットワーク3を介して送信する。
【0114】
そして、信号51〜53、56を受信した車両用ナビゲーション装置10の制御部44は、図5のステップ102、104、106、120と同じように、自機が記憶している駐車予定データのいずれかを更新する。
【0115】
また、車両用ナビゲーション装置10のそれぞれは、ステップ108では、目的地駐車場を仮決定し、その目的地駐車場への到着予想時刻を算出すると、その仮決定した駐車場の駐車場識別情報および到着予想時刻を含む信号54をセンタ4に送信するのではなく、自機が記憶している当該駐車場の駐車予定データを用いて、ステップ110と同じ方法で、当該駐車場の予測空き台数を算出し、算出した予測空き台数をステップ112以降で使用する。
【0116】
また逆に、上記実施形態では、車両用ナビゲーション装置10がユーザの操作に応じて目的地の駐車場を仮決定または確定し、仮決定または確定した目的地駐車場への到着予想時間を算出するようになっているが、この処理は、センタ4が行うようになっていてもよい。つまり、車両用ナビゲーション装置10がユーザの操作内容および自車両の車両識別情報をセンタ4に送信し、センタ4が、当該操作に応じて当該車両の目的地の駐車場を仮決定または確定し、仮決定または確定した目的地駐車場への到着予想時間を算出してもよい。
【0117】
つまり、本発明の駐車予定データ作成手段、到着時刻算出手段、予測空き状況算出手段は、すべてセンタ4が備えていてもよいし、あるいは、すべて車両用ナビゲーション装置10が備えていてもよいし、任意の一部をセンタ4が備え、残りを車両用ナビゲーション装置10が備えるようになっていてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、センタ4の制御部44は、図5のステップ110で、車両1の駐車場への到着予想時刻における、当該駐車場の空き台数の予測値を算出するようになっている。しかし、算出するのは、当該駐車場の空き台数の予測値である必要はなく、当該駐車場の空き状況の予測値(例えば、駐車マスの使用率の予測値)であればよい。
【0119】
また、上記実施形態では、自車両1の制御回路17は、受信した空き台数の予測値を車両1のユーザ(乗員)に通知しているが、通知するのは、受信した空き台数の予測値に基づいた情報であればよい。例えば、空き台数の予測値が3未満の場合に、満車が予想されることを通知するようになっていてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、ユーザが選択した駐車場の空き台数が少ない場合には図5のステップ116において、ユーザの目的地として設定する駐車場の変更を促すようにしていた。しかしそれだけでなく、変更すべき駐車場の候補を積極的に提案(案内)するように構成してもよい。
【0121】
具体的には、図6ステップ240にて読み出した周辺駐車場(ここでは複数抽出されたという前提)について予めセンタに問い合わせておき、予測空き台数を取得しておくようにする。
【0122】
そして、ステップ114にて使用者に空き台数が少ないことを通知するとともに、ステップ116では目的地の変更の促しと、取得した予測空き台数に基づく推奨駐車場の提案を行うようにする。
【0123】
ここで、ユーザが提案を受け入れればステップ108に処理を戻すことなくステップ118に進むようにする。
【0124】
このようにすれば、ユーザが仮選択した駐車場の混雑が予測された場合に、事前に他の駐車場を積極的に案内できるので、駐車場での混雑を未然に防ぐとともに、ユーザの利便性をさらに向上させることができるようになる。
【0125】
なお、上記変形例では予測空き台数を取得するように構成したが、このためには予想到着時刻等の情報をセンタに送信する必要があり処理に負担がかかる。そこで、図6ステップ260でユーザが選択した駐車場以外の、周辺駐車場においてはセンタからは駐車予定データを取得し、予測空き台数については車両側で計算するようにしてもよい。
このようにすれば、多数の周辺駐車場が抽出された場合にセンタとの通信処理負荷を低減できる効果がある。
【0126】
また、上記第2実施形態において、この場合、身体障害者の障害等級に応じて、身体障害者専用駐車スペースを優先的に表示するか否かを判定するようになっていてもよい。具体的には、制御回路17は、図10のステップ430で、入力された登録IDが、いずれかの都道府県に届出のある正規な登録IDであると判定した後、その登録IDに対応する障害者等級が、所定の基準等級よりも小さいか否かを判定し、小さいと判定すれば、ステップ440で身体障害者フラグをオンとし、小さくないと判定すれば、身体障害者フラグを変化させずに、身体障害者識別処理を終了するようになっていてもよい。
【0127】
ここで、障害者等級とは、身体障害者の障害の重さを表す数字であり、数字が小さいほど重度である。各登録IDに対応する障害者等級の情報は、あらかじめ、ステップ430で用いる登録IDのリストに含まれるようになっていてもよい。登録IDのリスト中において、ある登録IDに対応する障害者等級は、その登録IDを有する身体障害者の等級を表すように作成される。このようにすることで、基準等級を適宜設定すれば、例えば、車椅子が必要な肢体不自由者に対しては身体障害者専用駐車スペースを優先的に表示する一方で、軽度の障害のみを有する身体障害者には、身体障害者専用駐車スペースを優先的に表示しないようにすることができる。
【0128】
また、上記第2実施形態では、図13のステップ230は全ての駐車場情報を対象として検索していたが、当然、障害者用の駐車スペースのある駐車場を対象として検索するように構成してもよい。この場合、もし図11のステップ115にてYESの判断がユーザによりなされた後は検索対象を全ての駐車場情報に拡大して検索するようにすればよい。
【0129】
また、上記実施形態では、図13のステップ230で、設定された主目的地の施設には、その施設の利用のために使用可能な駐車場がないとステップ230で判定した場合、ユーザの所定の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索してユーザに表示するようになっている。
【0130】
しかし、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索してユーザに表示するのは、かならずしも上記のような場面に限らない。例えば、制御回路17は、図13のステップ260で、ユーザが身体障害者専用の駐車スペースのある駐車場を選択し、ステップ270’で、身体障害者専用の駐車スペースの空き台数をセンタ4に問い合わせるため、所定の身体障害者専用駐車スペース問い合わせデータを信号54に含めて送信し、身体障害者専用の駐車スペースの空き台数を問い合わせたことをRAMに記録し、その後図11のステップ112で、信号54の応答55に基づいて、受信した当該身体障害者専用駐車スペースの予測空き台数が予め定められた一定台数未満であると判定し、続いてステップ114で、仮決定された身体障害者専用駐車スペースには空きが少ない旨を、画像および音声でユーザに通知するが、その直後、身体障害者専用の駐車スペースの空き台数を問い合わせたことがRAMに記録されていることに基づいて、図14のステップ282で、駐車場でなく、障害者のみ駐車禁止を免除される道路に案内してもよいか否かを音声または画像でユーザに問い合わせ、その問い合わせの応答操作が操作部13に対して行われるのを待ち、応答操作があると、その応答操作が「案内されたくない」旨の操作なら、ステップ115に進み、応答操作が「案内してもよい」旨の操作なら、ステップ284のように、主目的地から所定距離(例えば200メートル)以内の範囲で、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索し、続いてステップ108’に戻り、ステップ108’の処理中、図13のステップ250’では、駐車禁止を免除される道路上の地点が見つかっていれば、他の駐車場と共に、当該道路上の地点の所在位置等の情報を、ユーザが選択可能なよう、画像表示装置12にリスト表示させるようになっていてもよい。
【0131】
また、上記の実施形態において、制御回路17、制御部44がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1、2a〜2c 車両
3 通信ネットワーク
4 センタ
10 車両用ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の前記駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成する駐車予定データ作成手段(102、104、106、120、102’、104’、106’、120’)と、
第1の車両(1)の前記駐車場への到着予想時刻を算出する到着時刻算出手段(265)と、
前記駐車予定データにおける、前記第1の車両(1)の当該駐車場への前記到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有する車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、前記予想駐車台数および前記駐車場の現在の空き台数に基づいて、前記第1の車両(1)の前記駐車場への前記到着予想時刻における、前記駐車場の空き状況の予測値を算出する予測空き状況算出手段(110、110’)と、
算出された前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行う通知手段(114)と、を備えた駐車場空き情報通知システム。
【請求項2】
複数の車両(1、2a〜2c)のそれぞれに搭載される複数の車両用ナビゲーション装置(10)と、前記複数の車両(1、2a〜2c)から離れた位置に設置されるセンタ(4)と、を備え、
前記複数の車両用ナビゲーション装置(10)のうち第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記複数の車両(1、2a〜2c)のうち前記第1の車両(1)に搭載され、
前記センタ(4)は、前記駐車予定データ作成手段(102、104、106、120)を備え、前記駐車予定データ作成手段(102、104、106、120)は、前記複数の車両用ナビゲーション装置(10)のそれぞれから、当該車両用ナビゲーション装置(10)が搭載された車両の車両識別情報および前記駐車場への到着予想時刻の情報を含んだ第1の信号(51、52、53、56)を受信したことに基づいて、前記駐車予定データに対し、受信した前記第1の信号(51、52、53、56)中の前記車両識別情報および前記到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加し、
前記第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記到着時刻算出手段(265)を備えると共に、前記到着時刻算出手段(265)が算出した前記駐車場への前記到着予想時刻と前記第1の車両(1)の車両識別情報とを含む第2の信号(54)を前記センタ(4)に送信する送信手段(270、270’)を備え、
前記センタ(4)は、前記予測空き状況算出手段(110)を備え、前記予測空き状況算出手段(110)は、前記第2の信号(54)を受信したことに基づいて、前記空き状況の予測値を算出し、算出した前記空き状況の予測値を、前記第1の車両(1)に送信し、
前記第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記通知手段(114)を備え、前記通知手段(114)は、前記空き状況の予測値を前記センタ(4)から受信したことに基づいて、前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行うことを特徴とする請求項1に記載の駐車場空き情報通知システム。
【請求項3】
複数の駐車場のそれぞれに到着する予定の車両毎に、その車両の前記駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成すると共に、前記複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場については、当該身体障害者専用の駐車スペースに駐車する予定であるか否かの情報を前記駐車予定データに含める駐車予定データ作成手段(102’、104’、106’、120’)と、
第1の車両(1)のユーザの操作に応じてオン、オフが切り替え可能な記憶媒体中の所定のフラグがオンになっていることに基づいて、記憶媒体に記録されている複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場を優先的に前記ユーザに表示する表示手段(250’)と、
前記表示手段(250’)によって表示された駐車場のうち1つが前記ユーザに選択されると、当該選択された駐車場への到着予想時刻を算出する到着時刻算出手段(265)と、
前記選択された駐車場が身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場であった場合、前記駐車予定データにおいて、前記第1の車両(1)の当該選択された駐車場への前記到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有すると共に身体障害者専用の駐車スペースに駐車する予定となっている車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、前記予想駐車台数および前記駐車場の身体障害者専用の駐車スペースの現在の空き台数に基づいて、前記第1の車両(1)の前記駐車場への前記到着予想時刻における、前記駐車場の身体障害者専用の駐車スペースの空き状況の予測値を算出する予測空き状況算出手段(110’)と、
算出された前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行う通知手段(114)と、を備えた駐車場空き情報通知システム。
【請求項4】
前記表示手段(250’)は、前記所定のフラグがオンになっていることと、前記ユーザによって入力された登録IDがあらかじめ登録された正規の身体障害者手帳の登録IDであることに基づいて、記憶媒体に記録されている複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場を優先的に前記ユーザに表示することを特徴とする請求項3に記載の駐車場空き情報通知システム。
【請求項5】
ユーザの所定の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索して前記ユーザに表示することを特徴とする請求項3または4に記載の駐車場空き情報通知システム。
【請求項6】
前記予測空き状況算出手段(110’)が算出した前記身体障害者専用の駐車スペースの空き状況の予測値が所定台数未満であったことに基づいて、ユーザの所定の許可の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索して前記ユーザに表示することを特徴とする請求項3または4に記載の駐車場空き情報通知システム。
【請求項1】
駐車場に到着する予定の車両毎に、その車両の前記駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成する駐車予定データ作成手段(102、104、106、120、102’、104’、106’、120’)と、
第1の車両(1)の前記駐車場への到着予想時刻を算出する到着時刻算出手段(265)と、
前記駐車予定データにおける、前記第1の車両(1)の当該駐車場への前記到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有する車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、前記予想駐車台数および前記駐車場の現在の空き台数に基づいて、前記第1の車両(1)の前記駐車場への前記到着予想時刻における、前記駐車場の空き状況の予測値を算出する予測空き状況算出手段(110、110’)と、
算出された前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行う通知手段(114)と、を備えた駐車場空き情報通知システム。
【請求項2】
複数の車両(1、2a〜2c)のそれぞれに搭載される複数の車両用ナビゲーション装置(10)と、前記複数の車両(1、2a〜2c)から離れた位置に設置されるセンタ(4)と、を備え、
前記複数の車両用ナビゲーション装置(10)のうち第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記複数の車両(1、2a〜2c)のうち前記第1の車両(1)に搭載され、
前記センタ(4)は、前記駐車予定データ作成手段(102、104、106、120)を備え、前記駐車予定データ作成手段(102、104、106、120)は、前記複数の車両用ナビゲーション装置(10)のそれぞれから、当該車両用ナビゲーション装置(10)が搭載された車両の車両識別情報および前記駐車場への到着予想時刻の情報を含んだ第1の信号(51、52、53、56)を受信したことに基づいて、前記駐車予定データに対し、受信した前記第1の信号(51、52、53、56)中の前記車両識別情報および前記到着予想時刻情報の組から成るエントリを追加し、
前記第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記到着時刻算出手段(265)を備えると共に、前記到着時刻算出手段(265)が算出した前記駐車場への前記到着予想時刻と前記第1の車両(1)の車両識別情報とを含む第2の信号(54)を前記センタ(4)に送信する送信手段(270、270’)を備え、
前記センタ(4)は、前記予測空き状況算出手段(110)を備え、前記予測空き状況算出手段(110)は、前記第2の信号(54)を受信したことに基づいて、前記空き状況の予測値を算出し、算出した前記空き状況の予測値を、前記第1の車両(1)に送信し、
前記第1の車両用ナビゲーション装置(10)は、前記通知手段(114)を備え、前記通知手段(114)は、前記空き状況の予測値を前記センタ(4)から受信したことに基づいて、前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行うことを特徴とする請求項1に記載の駐車場空き情報通知システム。
【請求項3】
複数の駐車場のそれぞれに到着する予定の車両毎に、その車両の前記駐車場への到着予想時刻の情報を含む駐車予定データを作成すると共に、前記複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場については、当該身体障害者専用の駐車スペースに駐車する予定であるか否かの情報を前記駐車予定データに含める駐車予定データ作成手段(102’、104’、106’、120’)と、
第1の車両(1)のユーザの操作に応じてオン、オフが切り替え可能な記憶媒体中の所定のフラグがオンになっていることに基づいて、記憶媒体に記録されている複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場を優先的に前記ユーザに表示する表示手段(250’)と、
前記表示手段(250’)によって表示された駐車場のうち1つが前記ユーザに選択されると、当該選択された駐車場への到着予想時刻を算出する到着時刻算出手段(265)と、
前記選択された駐車場が身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場であった場合、前記駐車予定データにおいて、前記第1の車両(1)の当該選択された駐車場への前記到着予想時刻よりも前の到着予想時刻を有すると共に身体障害者専用の駐車スペースに駐車する予定となっている車両の数を、予想駐車台数とし、さらに、前記予想駐車台数および前記駐車場の身体障害者専用の駐車スペースの現在の空き台数に基づいて、前記第1の車両(1)の前記駐車場への前記到着予想時刻における、前記駐車場の身体障害者専用の駐車スペースの空き状況の予測値を算出する予測空き状況算出手段(110’)と、
算出された前記空き状況の予測値に基づいた通知を前記第1の車両(1)のユーザに対して行う通知手段(114)と、を備えた駐車場空き情報通知システム。
【請求項4】
前記表示手段(250’)は、前記所定のフラグがオンになっていることと、前記ユーザによって入力された登録IDがあらかじめ登録された正規の身体障害者手帳の登録IDであることに基づいて、記憶媒体に記録されている複数の駐車場のうち、身体障害者専用の駐車スペースを有する駐車場を優先的に前記ユーザに表示することを特徴とする請求項3に記載の駐車場空き情報通知システム。
【請求項5】
ユーザの所定の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索して前記ユーザに表示することを特徴とする請求項3または4に記載の駐車場空き情報通知システム。
【請求項6】
前記予測空き状況算出手段(110’)が算出した前記身体障害者専用の駐車スペースの空き状況の予測値が所定台数未満であったことに基づいて、ユーザの所定の許可の操作に応じて、障害者のみ駐車禁止を免除される道路上の地点を検索して前記ユーザに表示することを特徴とする請求項3または4に記載の駐車場空き情報通知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−138480(P2011−138480A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213916(P2010−213916)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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