説明

駐車車両の位置を格納する方法及びその目的のために構成されたナビゲーションデバイス

本発明は、プロセッサユニット(11)を具備するナビゲーションデバイスに関する。ナビゲーションデバイス(10)は、車両の駐車を検出し、駐車が検出された場合、駐車車両の位置に関する情報を判定するように構成される。その後、駐車車両の位置に関する情報は格納される。格納された情報は、駐車車両を見つけ出すために後で再利用されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションデバイス、そのようなナビゲーションデバイスを具備する車両及び駐車車両の位置を格納する方法に関する。また、本発明は、コンピュータプログラム及びそのようなコンピュータプログラムを具備するデータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)に基づく従来のナビゲーションデバイスは周知であり、車載ナビゲーションシステムとして広く採用されている。そのようなGPSに基づくナビゲーションデバイスは、外部(又は内部)GPS受信機と機能的に接続して地球上における位置を判定できる演算装置に関連する。更に、演算装置は、出発地の住所と目的地の住所との間のルートを判定でき、演算装置のユーザがそれらの住所を入力できる。一般的に、演算装置は、出発地と目的地の間の「最良」又は「最適」なルートの位置の計算を地図データベースから行なうソフトウェアにより実現される。「最良」又は「最適」のルートは所定の基準に基づいて判定され、「最良」又は「最適」のルートは必ずしも、最速又は最短のルートである必要はない。
【0003】
ナビゲーションデバイスは、通常、車両のダッシュボードに搭載されてもよいが、車両のオンボードコンピュータ又はカーラジオの一部として形成されてもよい。ナビゲーションデバイスは、PDAなどのハンドヘルドシステム(の一部)であってもよい。
【0004】
GPS受信機からの位置情報を使用することにより、演算装置は、定期的に自身の位置を判定でき、車両の現在の位置をユーザに対して表示できる。ナビゲーションデバイスは、地図データを格納するメモリ素子と、地図データの選択された一部分を表示するディスプレイとを更に具備してもよい。
【0005】
また、ナビゲーションデバイスは、ディスプレイに表示され且つ/又はスピーカから可聴信号(例えば、「100m先で左折」など)として生成される適切なナビゲーション指示により、判定されたルートをどのように走行すべきかに関する命令を提供できる。実行される行動を示すグラフィックス(例えば、この先を左折することを示す左矢印)をステータスバーに表示でき、地図自体の適用可能な分岐点/曲がり角などにグラフィックスが重ね合わされてもよい。
【0006】
車載ナビゲーションシステムにより計算されたルートに沿って自動車を運転している間に、運転手がナビゲーションシステムにルートの再計算を開始させることができるのは周知である。これは、車両が道路工事又は激しい渋滞に遭遇した場合に有用である。
【0007】
また、ナビゲーションデバイスにより利用されるルート計算アルゴリズムの種類を、例えば、「通常」モード及び「高速」モード(最短時間でルートを計算するが、通常モードほど多くの代替ルートを探索しない)からユーザが選択できることも周知である。
【0008】
更に、ユーザが定義した基準によってルートを計算できることも周知である。例えば、ユーザは、景色のよいルートが装置により計算されることを好む場合もある。その場合、装置のソフトウェアは種々のルートを計算し、ルートの間に、例えば、風光明媚であると指定された地点情報(POIとして周知である)を最大数含むルートをより好ましいと評価するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、従来のナビゲーションデバイスを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
特許請求される発明の1つの面は、プロセッサユニットを具備するナビゲーションデバイスであって、ナビゲーションデバイスは、
−車両の駐車を検出し、
−駐車が検出された場合、駐車車両の位置に関する情報を判定し、
−駐車車両の位置に関する情報を格納するように構成されるナビゲーションデバイスを提供する。格納された情報は、駐車車両を捜し出すために後で使用されてもよい。
【0011】
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイスはメモリ素子及び測位装置を具備し、プロセッサユニットは、メモリ素子及び測位装置と通信するように構成され、
−駐車車両の位置に関する情報は、測位装置を使用して判定され、
−駐車車両の位置に関する情報は、メモリ素子に格納される。
【0012】
一実施形態によれば、車両の駐車は、ナビゲーションデバイスと、車両及びドッキングシステムの少なくともいずれかとの接続又はインタラクションが切断されたことを検出することにより検出される。これは、車両の駐車を判定するための容易で信頼性の高い方法である。これは、例えば、リリースボタン、近接センサ及び接触センサのうちいずれか1つを使用して判定されてもよい。
【0013】
一実施形態によれば、測位装置を使用して駐車車両の位置に関する情報を判定すること及び格納することの少なくとも一部は、車両の駐車が検出された後、実行される。この情報は、駐車車両の位置まで戻れるようにナビゲートするために使用されてもよい。このような位置データの継続判定は、加速度計、ジャイロスコープ、慣性センサのうち少なくとも1つを使用して実行されてもよい。
【0014】
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイスは、
−駐車車両の位置に関する格納された情報をメモリ素子から検索し、現在の位置から駐車車両の位置までのナビゲーション命令を提供するように構成される。
【0015】
1つの面によれば、本発明は、上記のようなナビゲーションデバイスを具備する車両に関する。
【0016】
1つの面によれば、本発明は、駐車車両の位置を格納する方法であって、
−車両の駐車を検出するステップと、
−駐車が検出された場合、駐車車両の位置に関する情報を判定するステップと、
−駐車の位置に関する情報を格納するステップとを含む方法に関する。
【0017】
一実施形態によれば、方法は、
−駐車車両の位置に関する格納された情報を検索するステップと、
−現在の位置から駐車車両の位置までのナビゲーション命令を提供するステップとを含む。
【0018】
1つの面によれば、本発明は、コンピュータ装置にロードされた場合、上記の方法を実行するように構成されるコンピュータプログラムに関する。
【0019】
1つの面によれば、本発明は、上記のようなコンピュータプログラムを具備するデータ記憶媒体に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、添付の概略的な図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例として説明する。図面中、対応する図中符号は対応する部分を示す。
【0021】
図1は、算術演算を実行するプロセッサユニット11を具備するナビゲーションデバイス10の一実施形態を示す概略ブロック図である。プロセッサユニット11は、命令及びデータを格納するハードディスク12、読出し専用メモリ(ROM)13、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)14及びランダムアクセスメモリ(RAM)15などのメモリユニットと通信するように構成される。メモリ素子12、13、14、15は地図データ22を含んでもよい。この地図データは2次元地図データ(緯度及び経度)であってもよいが、第3の次元(海抜)を更に含んでもよい。地図データは、給油所/ガソリンスタンド、地点情報に関する情報などの追加情報を更に含んでもよい。地図データは、道路に沿った建物及び物体の形状に関する情報を更に含んでもよい。
【0022】
プロセッサユニット11は、キーボード16及びマウス17などの1つ以上の入力装置と通信するように更に構成されてもよい。キーボード16は、例えば、タッチスクリーンであるディスプレイ18に設けられた仮想キーボードであってもよい。プロセッサユニット11は、ディスプレイ18、スピーカ29、フロッピー(登録商標)ディスク20又はCD ROM21などを読取るための1つ以上の読取り装置19のような、1つ以上の出力装置と通信するように更に構成されてもよい。ディスプレイ18は、従来のコンピュータディスプレイ(例えば、LCD)であってもよいが、自動車のフロントガラスに計測データを投影するために使用されるヘッドアップ型ディスプレイなどの投影型ディスプレイであってもよい。ディスプレイ18は、ユーザがディスプレイ18に手で触れることにより、少なくとも命令、情報のいずれかを入力することのできるタッチスクリーンとして機能するように構成されたディスプレイであってもよい。
【0023】
スピーカ29は、ナビゲーションデバイス10の一部として形成されてもよい。ナビゲーション10が車載ナビゲーションデバイスとして使用される場合、ナビゲーションデバイス10は、カーラジオ、ボードコンピュータなどのスピーカを使用してもよい。
【0024】
プロセッサユニット11は、ナビゲーションデバイス10の位置に関する情報を提供するGPS受信機などの測位装置23と通信するように更に構成されてもよい。本実施形態によれば、測位装置23は、GPSベースの測位装置23である。しかし、ナビゲーションデバイス10には、任意の種類の位置検知技術を実装してもよく、GPSに限定されないと理解されるであろう。従って、ナビゲーションデバイス10は、欧州のガリレオシステム等の他の種類のGNSS(global navigation satellite system:グローバルナビゲーションサテライトシステム)を使用して実現することもできる。同様に、ナビゲーションシステムは衛星を利用する位置/速度システムに限定されず、地上ビーコン又はナビゲーションデバイスが地理的場所を判定することを可能にする任意の他の種類のシステムを使用しても同様に構成できる。
【0025】
しかし、当業者には周知である更に多くの、他のメモリ素子、入力装置、読取り装置の少なくともいずれかが設けられてもよいことを理解すべきである。更に、それらの装置のうち1つ以上は、必要に応じてプロセッサユニット11から物理的に離れた場所に配置されてもよい。プロセッサユニット11は、1つのボックスとして示されるが、当業者には周知であるように、並列して機能するか又は1つの主プロセッサにより制御され、互いに離れた場所に配置されてもよいいくつかの処理装置を具備してもよい。
【0026】
ナビゲーションデバイス10は、コンピュータシステムとして示されるが、本明細書中で説明される機能を実行するように構成されたアナログ技術、デジタル技術、ソフトウェア技術の少なくともいずれかによる任意の信号処理システムであってもよい。図1には、ナビゲーションデバイス10は複数の構成要素として示されるが、ナビゲーションデバイス10が単一の装置として構成されてもよいことは理解されるであろう。
【0027】
ナビゲーションデバイス10は、ナビゲータと呼ばれるTomTom B. V.のナビゲーションソフトウェアなどのナビゲーションソフトウェアを使用してもよい。ナビゲータソフトウェアは、Compaq iPaq等のタッチスクリーンの(すなわち、スタイラスで制御される)PocketPC搭載PDAデバイス、並びに一体型GPS受信機23を有するデバイス上で実行されてもよい。PDAとGPS受信機とを組合わせたシステムは、車載ナビゲーションシステムとして使用されるように設計される。本実施形態は、一体型GPS受信機/コンピュータ/ディスプレイを有するナビゲーションデバイス、あるいは非車両用に設計された装置(例えば、歩行者向け)又は自動車以外の車両(例えば、航空機)用として設計された装置などの他の任意の構成のナビゲーションデバイス10において実現されてもよい。
【0028】
図2は、上述のようなナビゲーションデバイス10を示す。
【0029】
ナビゲータソフトウェアは、ナビゲーションデバイス10において実行された場合、ナビゲーションデバイス10に、図2に示すような、通常のナビゲーションモード画面をディスプレイ18に表示させる。この画面は、テキスト、記号、音声案内及び動く地図の組合せを使用してドライビング指示を提供してもよい。重要なユーザインタフェース要素は、画面の大半を占める3D地図である。尚、地図は2D地図として示されてもよい。
【0030】
地図は、ナビゲーションデバイス10及びすぐ隣接する周辺地域を示す。地図は、ナビゲーションデバイス10の動く方向が常に「上」に来るように回転される。画面の下4分の1にはステータスバー2が示されてもよい。ナビゲーションデバイス10の現在の場所(ナビゲーションデバイス10自体が従来のGPS位置探索を使用して判定する)及びその向き(進行方向から推測される)は、位置矢印3により示される。デバイスにより(メモリ素子11、12、13、14、15の地図データベースに格納された地図データに対して適用されるメモリ素子11、12、13、14、15に格納されたルート計算アルゴリズムを使用して)計算されたルート4は、陰影付き経路として示される。ルート4上の主な動作(例えば、角、十字路、ロータリーなどを曲がる)の全ては、ルート4の上に重ね合わされる矢印5により概略的に示される。ステータスバー2は、左側に次の動作6(ここでは、右折)を示す概略的なアイコンを更に含む。ステータスバー2は、デバイスにより計算されたルート全体のデータベース(すなわち、たどるべきルートを定義する全ての道路及び関連動作のリスト)から取り出される次の動作(すなわち、右折)までの距離(ここでは、距離は190メートル)を更に示す。ステータスバー2は、現在走行中のの道路の名称8、到着までの推定時間9(ここでは、35分)、実際の推定到着時間25(4:50pm)、目的地までの距離26(31.6Km)を更に示す。ステータスバー2は、GPS信号強度などの追加情報を携帯電話型信号強度表示器で更に示してもよい。
【0031】
既に述べた通り、ナビゲーションデバイスは、ユーザがナビゲーションメニュー(不図示)を呼び出すことができるタッチスクリーンなどの入力装置を具備してもよい。このメニューから、他のナビゲーション機能を開始又は制御できる。それ自体が非常に容易に呼び出される(例えば、地図表示からメニュー画面に1ステップで移行できる)メニュー画面からナビゲーション機能を選択できるため、ユーザの対話は大幅に簡略化され、迅速且つ容易になる。ナビゲーションメニューは、ユーザが目的地を入力するためのオプションを含む。
【0032】
ナビゲーションデバイス10自体の実際の物理的構造は、基本的には一体型GPS受信機23又は外部GPS受信機からのGPSデータ供給以外は従来の任意のハンドヘルドコンピュータと異なっていなくてもよい。従って、メモリ素子12、13、14、15はルート計算アルゴリズム、地図データベース及びユーザインタフェースソフトウェアを格納し、プロセッサユニット12は、ユーザ入力を解釈し且つ処理し(例えば、タッチスクリーンを使用して、出発地の住所及び目的地の住所並びに他の全ての制御入力を入力する)、最適のルートを計算するためにルート計算アルゴリズムを展開する。「最適の」とは、最短時間又は最短距離などの基準、あるいは他の何らかのユーザ関連要因を表してもよい。
【0033】
更に詳細には、ユーザは、タッチスクリーン18、キーボード16などの入力装置を使用して、ナビゲーションデバイス10で実行中のナビゲーションソフトウェアに出発位置及び必要な目的地を入力する。次に、ユーザは走行ルートを計算する方式を選択するが、その場合、ルートを非常に迅速に計算するが、そのルートが最短であるとは限らない「高速」モード;可能な全てのルートを検索し、最短のルートを判定するが、計算するのに「高速」モードより長い時間を要する「フル」モードなどの種々のモードが提供される。他のオプションも可能であり、ユーザは、風光明媚なルート、例えば、極めて美しい景色として挙げられたPOI(地点情報)を最大数通過するルート、あるいは子供の関心を引きそうなPOIを最大数通過するか又は利用する分岐点の数が最小であるルートを規定する。
【0034】
道路自体は、ナビゲーションデバイス10で実行されるソフトウェアの一部である(又はナビゲーションソフトウェアによりアクセスされる)地図データベースに線、すなわち、ベクトル(例えば、道路の出発点、終点、方向など、道路全体は数百のそのようなセクションから構成されており、各セクションは独自に出発点/終点/方向パラメータにより定義される)として記述される。従って、地図はそのような道路ベクトルの集合に、地点情報(POI)、道路の名称、公園の境界、川の境界などの他の地理的特徴などを加えたものであり、それらは全てベクトルによって定義される。地図の全ての特徴(例えば、道路ベクトル、POIなど)は、GPS座標系に対応又は関連する座標系において定義されるため、GPSシステムを介して判定されるデバイスの位置を地図に示される該当の道路に配置することができる。
【0035】
ルート計算は、ナビゲーションソフトウェアの一部である複雑なアルゴリズムを使用する。アルゴリズムは、多くの潜在的に異なるルートを採点するために適用される。そこで、ナビゲーションソフトウェアは、景色のよいルート、美術館/博物館通過ルート及びスピード違反監視カメラなしとユーザが定義したフルモードスキャンなどの基準(又はデバイスのデフォルト)に対してそれらのルートを評価する。定義された基準に最もよく適合するルートがプロセッサユニット11により計算され、次に、メモリ素子12、13、14、15のデータベースにベクトルのシーケンス、道路の名称及びベクトル終点で実行されるべき動作(例えば、100m先で左折してx通りへなど、ルートの各道路に沿った所定の距離に対応する)として格納される。
【0036】
ナビゲーションデバイスは、目的地までナビゲートするための命令を運転者に提供するために、自動車、オートバイなどの車両で使用される場合が多い。しかし、使用される車両によって目的地に到達することが不可能であることも多い。自動車で劇場に向かう場合、自動車を劇場からかなり離れた場所に、例えば、駐車専用ビル又は駐車場などに駐車することが多い。また、都心を訪れる場合又は森の中で散歩する場合にも、自動車をいずれかの場所に駐車し、その後の移動/見物は徒歩で行う。ユーザが自身の車両を残し、ナビゲーションデバイスを携帯して徒歩で移動を続ける場合、あるいは自転車、ローカルバス又は列車などの他の種類の移動手段を使用する例は多く考えられる。
【0037】
一実施形態によれば、車両が駐車された位置を検出及び格納するナビゲーションデバイスが提供される。
【0038】
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイスは自動車などの車両で使用されるように構成される。従って、そのようなナビゲーションデバイスは、自動車に接続する又は自動車と相互に作用するような装備を有してもよい。この接続又はインタラクションは、例えば、ドッキングシステム又は電源接続を介するなどの物理的なものであってもよいが、自動車の部品との間の無線接続リンクであってもよい。この接続又はインタラクションは、車両の駐車位置を検出するためにナビゲーションデバイス10により使用されてもよい。
【0039】
(ドッキングシステム)
ナビゲーションデバイス10は、例えば、クレードルなどのドッキングシステム30に装着されるように構成されてもよい。一実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、ドッキングシステム30に装着されたことを検出するように構成される。従って、ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステムから取り外された場所、すなわち、車両及びドッキングシステム30の少なくともいずれかとの接続又はインタラクションが切断された場所の地理的位置を検出することにより、車両の駐車位置を検出するように構成される。
【0040】
図3は、ドッキングシステム30に装着されたナビゲーションデバイス10を概略的に示す側面図である。ドッキングシステム30は、車両のダッシュボード40の一部として形成されてもよい。あるいは、ドッキングシステム30は、車両のダッシュボード40に接続されるように構成されてもよい(不図示)。しかし、ドッキングシステム30は、吸引カップを使用して窓などの面に装着される着脱可能なドッキングシステムであってもよい。
【0041】
ナビゲーションデバイス10とドッキングシステム30との間で、コネクタ31はナビゲーションデバイス10と車両との物理的接続を実現するように動作している。それらのコネクタ31は電気的コネクタであってもよい。当業者には理解されるように、多くの異なるコネクタが考えられ、使用されてもよい。
【0042】
コネクタ31は、バッテリから無停電電源装置を提供するコネクタ(又はライン)と、車両のイグニションがスイッチオンされた場合にのみオン状態になり、イグニションパワーに関する情報を提供するコネクタ(又はライン)とを具備してもよい。
【0043】
ナビゲーションデバイス10は、コネクタ31を介して車両から動力(電力)を受取るように、例えば、車両の(蓄電)バッテリから電力を受取るように構成されてもよい。ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイス10と自動車との間に1方向又は両方向通信リンクを確立させるための電気的コネクタを更に具備してもよい。
【0044】
1方向通信リンクが使用される場合、ナビゲーションデバイス10は、例えば、イグニション状態、ライト状態などの車両からの入力を受信してもよい。
【0045】
上記の例に基づいて、ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステム30に装着されているか否かを検出するように構成される。例えば、コネクタ31のうち1つを介して動力(電力)がナビゲーションデバイス10に供給されなくなったことをナビゲーションデバイス10が検出した場合に、接続が切断されると、ナビゲーションデバイス10は、測位装置23により測定されたナビゲーションデバイス10の現在の位置をメモリ素子12、13、14、15に格納し、それを「駐車車両位置」とラベル付けしてもよい。あるいは、イグニションがオフされる以前に、測位装置23により測定されたナビゲーションデバイス10の位置が失われた場合、ナビゲーションデバイス10は、その位置に関して最後に利用可能であった情報を「駐車位置」として格納してもよい(これは地下駐車場の場合に有用である)。
【0046】
また、コネクタ31を介する1方向又は両方向通信リンクが存在しなくなったことをナビゲーションデバイス10が検出した場合にも、ナビゲーションデバイス10は、測位装置23により測定されたナビゲーションデバイス10の現在の位置をメモリ素子12、13、14、15に格納してもよい。
【0047】
このように運転者が車両を駐車し、車両なしで移動を継続する場合、運転者はナビゲーションデバイス10をドッキングシステムから取り外す。このことはナビゲーションデバイス10により感知され、ナビゲーションデバイス10は、測位装置23を使用して車両/ナビゲーションデバイス10の現在の位置を測定し、測定された位置をメモリ素子12、13、14、15に格納する。この位置は「駐車車両位置」とラベル付けされてもよい。
【0048】
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10と車両とのインタラクションは無線通信であってもよい。このような一実施形態によれば、無線通信リンクが切断された場合、又は信号強度がある所定の閾値より低下した場合に車両の駐車が判定されてもよい。無線通信リンクが切断された場合又は閾値より低下した場合、ナビゲーションデバイス10はドッキングシステムから取り外されたと結論付けることができるであろう。
【0049】
また、ナビゲーションデバイス10は、同一の車両のドッキングシステムに無線接続されたか否かをチェックしてもよい。別の車両に無線接続されたことを検出した場合に、ナビゲーションデバイス10は、車両(以前の車両)の駐車を検出してもよい。
【0050】
(スイッチオフ)
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイス10がスイッチオフされた場合、測位装置23により測定された最後の利用可能情報を「駐車車両位置」として格納してもよい。ユーザが車両を駐車し、徒歩で移動を継続する場合、ユーザはナビゲーションデバイス10を携帯するためにナビゲーションデバイス10をオフすることが多い。本実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、この位置を「駐車車両位置」として格納する。これにより、ユーザは、以下に説明されるように、ナビゲーションに従って車両まで容易に戻ることができる。
【0051】
本実施形態によれば、車両が駐車されている場合、ナビゲーションデバイス10は移動中にドッキングシステムに装着されたり、取り外されたりする必要がない。ナビゲーションデバイス10は、最後にスイッチオフされた最終位置を格納している。
【0052】
上記の説明に基づいて、取り外し操作の検出とスイッチオフとの組合せを使用するナビゲーションデバイス10は、ユーザが車両を駐車し、ナビゲーションデバイス10をオフし、ナビゲーションデバイス10を取り外す動作を任意の順序で実行した場合に正常に機能することが理解されるであろう。
【0053】
(イグニション検出)
別の実施形態によれば、例えば、ナビゲーションデバイス10は車両のイグニションを検出するように構成されてもよい。これを実行するために、車両は、イグニションキー50を受け入れるように構成された鍵穴51の周辺に配置されてもよいイグニション検出器ユニット52を具備してもよい。車両のイグニションがオンであるか又はオフであるかを検出できるナビゲーションデバイス10は既に周知である。これは車両のエンジンが動作中であることを意味しないが、イグニションがオフであれば、エンジンもオフ状態であることは理解されるであろう。
【0054】
そのようなイグニション検出器52は、例えば、イグニションキー50の向きに基づいて又は回路内の所定の場所に電流及び電圧の少なくともいずれかが存在するか否かを感知することにより、イグニションがスイッチオフされたことを検出するように構成されてもよい。別の実施形態によれば、イグニション検出器52は、例えば、付近にイグニションキー50が存在することを感知する容量性センサ又は誘導性センサを使用して、鍵穴51にイグニションキー50が差し込まれていることを検出するように構成された単純な検出器であってもよい。
【0055】
イグニション又はイグニションキー50の有無に関する情報は、通信リンク53を介してナビゲーションデバイス10へ通信されてもよい。このリンクは、図4に概略的に示されるような有線通信リンク53であってもよいが、無線通信リンクであってもよい。
【0056】
従って、車両のイグニションがオフされた場合又はイグニションキー50が引き抜かれた場合、ナビゲーションデバイス10は通信リンク53を介してトリガされ、測位装置23を使用して車両/ナビゲーションデバイス10の現在の位置を測定し、測定された位置をメモリ素子12、13、14、15に格納し、その位置を「駐車車両位置」とラベル付けする。
【0057】
(リリースボタン)
ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイスがドッキングされているか否かを別の方法により更に検出してもよいことが理解されるであろう。例えば、ナビゲーションデバイス10は外面にリリースボタンを具備してもよい。リリースボタンは、ナビゲーションデバイス10が装着された場合にドッキングシステム30により押下され、ナビゲーションデバイス10が取り外された場合に解除される。リリースボタンの位置に基づいて、ナビゲーションデバイス10はドッキングシステムに装着されたか否かを判定してもよい。ナビゲーションデバイス10が取り外されたとナビゲーションデバイス10が感知すると、ナビゲーションデバイス10は、現在の位置をメモリ素子12、13、14、15に格納し、その位置を「駐車車両位置」とラベル付けしてもよい。
【0058】
また、ナビゲーションデバイス10はつめ機構によりドッキングシステム30に接続されてもよい。従って、ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイス10をドッキングシステム30から機械的に解放するためにユーザにより押下されるべきリリースボタンを具備してもよい。
【0059】
このリリースボタンを押した場合にも、ナビゲーションデバイス10はトリガされ、測位装置23を使用して車両/ナビゲーションデバイス10の現在の位置を測定し、現在の位置をメモリ素子12、13、14、15に格納し、その位置を「駐車車両位置」とラベル付けする。
【0060】
リリースボタンの代わりに、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステム30に近接する位置にあるか否かを測定する近接センサなどの多くの変形例が考えられることは言うまでもない。また、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステム30と接触しているか否かを測定する接触センサが使用されてもよい。そのようなセンサは、ナビゲーションセンサがドッキングシステム30に近接する位置から移動された場合、又はドッキングシステム30との接触が切断された場合に車両の駐車を検出するために使用されてもよい。
【0061】
(測位データの解析)
別の実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、測位装置23により測定された位置情報の解析に基づいて、車両が駐車された位置を判定するように構成される。従って、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステムから取り外されたが、スイッチオフされていない場合、ナビゲーションデバイス10は、駐車後にナビゲーションデバイス10がどのように移動しているかを検出してもよい。この解析に基づいて、ナビゲーションデバイス10は、例えば、ユーザが自動車で移動しているか又は徒歩で移動しているかを判定してもよい。ユーザが自動車での移動から徒歩での移動に切替えたとナビゲーションデバイス10が判定した場合、ナビゲーションデバイス10は、ユーザが自動車から徒歩に切替えた位置をメモリ素子12、13、14、15に格納し、その位置を「駐車車両位置」とラベル付けしてもよい。
【0062】
例えば、ナビゲーションデバイス10は、測位装置23により測定されたナビゲーションデバイス10の位置をメモリ素子12、13、14、15に格納された地図データと比較してもよい。そのような解析に基づいて、ナビゲーションデバイス10は、徒歩経路であるとして格納された経路に沿ってユーザが移動していることを判定してもよい。これに基づいて、ナビゲーションデバイス10は、ユーザが徒歩で移動している可能性が最も高いと判定する。
【0063】
ナビゲーションデバイス10は、測位装置23により測定された位置情報のみに基づいて、例えば、測定された速度、曲がり角の数などに基づいて、ユーザが徒歩で移動しているか又は自動車で移動しているかを判定するように構成されてもよい。例えば、速度が5Km/hより遅くなった場合、ナビゲーションデバイス10は、ユーザが自動車ではなく、徒歩で移動していると結論付けてもよい。また、ナビゲーションデバイス10が相対的に多くの数の急な曲がり角を測定した場合、ナビゲーションデバイス10は、ユーザが自動車ではなく、徒歩で移動するようになったと結論付けてもよい。ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイス10の速度、曲がり角の数、曲がりの急激度のうち少なくとも1つを解析することにより、車両の駐車を検出してもよい。
【0064】
本実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、測位装置23により測定された位置データと、可能であればメモリ素子12、13、14、15に格納された地図データとに基づいて、ユーザが第1の移動手段(例えば、自動車)から第2の移動手段(例えば、徒歩又は自転車)に切替えた位置を判定し、切替えの位置をメモリ素子12、13、14、15に「駐車車両位置」とラベル付けして格納するように構成される。
【0065】
(測位装置による信号の喪失)
別の実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、例えば、地下駐車場又は屋内駐車場などの駐車専用ビルの中に車両が駐車された場合に車両の駐車位置を検出するように構成される。そのような駐車専用ビルにおいては、測位装置23が信号、例えば、GPS信号を失ってしまう場合がある。GPSという用語が使用される場合、他の測位システム及び測位信号が使用されてもよいことは理解されるであろう。
【0066】
ナビゲーションデバイス10は、最後の有効なGPS信号が測定された位置をメモリ素子12、13、14、15に格納し、その位置を「駐車車両位置」とラベル付けするように構成されてもよい。ユーザが車両まで戻りたい場合、ナビゲーションデバイス10はメモリ素子12、13、14、15からこの位置を検索し、ユーザを駐車場の入口までナビゲートできる。
【0067】
当然のことながら、GPS信号は他の状況においても、例えば、ナビゲーションデバイス10がトンネルに入った場合などにも失われることがある。また、悪天候などの他の原因の結果としてGPS信号が失われる場合もある。そのような場合には、ナビゲーションデバイス10は、最後の有効なGPS信号が測定された位置を誤ってメモリ素子12、13、14、15に格納し、その位置を「駐車車両位置」として誤ってラベル付けするかもしれない。
【0068】
「駐車車両位置」を誤って格納する事態を防止するために、ナビゲーションデバイス10は、測位装置23が信号を失い且つ車両の速度が所定の閾値より低下した場合にのみ車両の駐車を検出し、「駐車車両位置」を格納するように構成されてもよい。そのような速度閾値を使用することにより、車両が高速道路のトンネルに(相対的に速い速度で)入った場合にナビゲーションデバイス10が車両の駐車を検出することはなくなり、ナビゲーションデバイス10は、車両が地下駐車場又は屋内駐車場に入った場合に車両の駐車を検出する。
【0069】
車両が交通渋滞に巻込まれた状態でトンネルに入った場合には、上記の機能が得られないこともある。しかし、ナビゲーションデバイス10は交通サーバと通信してもよく、ナビゲーションデバイス10の最後の測定位置が、報告された交通渋滞と一致し、且つ車両が移動していないか又はゆっくり移動している場合には、ナビゲーションデバイス10は車両の駐車を検出しなくてもよい。
【0070】
しかし、後の段階でユーザが実際に車両を駐車専用ビルの中に駐車した場合、以前に誤って格納された「駐車車両位置」はナビゲーションデバイス10によって、駐車場の入口の位置で正しい「駐車車両位置」と書き換えられるため、誤った車両の駐車の検出が本実施形態の性能に悪影響を与えることはない。
【0071】
別の実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、GPS信号を失った後にGPS信号をピックアップした位置を検出し且つ格納し、この位置を「駐車車両位置」として格納するように構成される。これは、この位置がおそらくは駐車専用ビルの歩行者出口/入口であると思われるためである。本実施形態によれば、ユーザは、通常は車両入口よりはるかに好都合である駐車専用ビルの歩行者出口/入口まで戻れるように案内される。
【0072】
この場合、ナビゲーションデバイス10は、GPS信号の喪失からGPS信号のピックアップまでの時間間隔を測定するように構成されてもよい。ナビゲーションデバイス10は、喪失からピックアップまでの時間間隔がある所定の「セーフ時間間隔」以内である場合に限り、GPS信号が再びピックアップされた位置を格納するように構成されてもよい。時間間隔は、例えば、10分のようにあまり長くなるべきではない。また、ピックアップされるGPS信号の位置は、GPS信号が失われた位置から一定の距離内にあるのが好ましい。
【0073】
別の実施形態によれば、格納された「駐車車両位置」が地図データに含まれる駐車専用ビルの場所と一致するか否かを検査するために、ナビゲーションデバイス10は、格納された「駐車車両位置」をメモリ素子12、13、14、15に格納された地図データと比較するように構成される。一致する場合、駐車専用ビルの歩行者入口/出口まで戻れるようにユーザをナビゲートするために、ナビゲーションデバイス10は地図データから駐車専用ビルの歩行者出口/入口の場所を検索し、その位置を「駐車車両位置」として格納してもよい。
【0074】
また、測位装置23は、測位装置23による信号の喪失と測位装置23による信号のピックアップとの間の位置データを測定するために、加速度計/ジャイロスコープ/慣性センサなどの別の測位装置を具備してもよい。この情報は、地下駐車場又は屋内駐車場の内部における駐車車両の位置を推測するために使用されてもよい。
【0075】
加速度計/ジャイロスコープ/慣性センサなどを使用して「駐車車両位置」が推測された場合、測位装置23が有効なGPS信号などの有効信号をピックアップするまで、ナビゲーションデバイス10は、ユーザの移動経路を検出するために加速度計/ジャイロスコープ/慣性センサなどを使用し続けてもよい。以下に説明されるように、車両まで戻るようにナビゲートするための命令をユーザに提供するために、検出された移動経路はメモリ素子11、12、13、14、15に格納されてもよい。
【0076】
GPS信号を利用できない場所(例えば、地下駐車場)にある自動車までユーザを案内するために、記録されたデータ/移動経路は再生されてもよい。
【0077】
(フローチャート)
図5は、上述した図3及び図4を参照して説明された実施形態に係わるナビゲーションデバイス10により順次実行される動作を概略的に示すフローチャートである。第1の動作100において、ナビゲーションデバイス10は車両が駐車されたことを検出する。これは、例えば、上述したように、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステムから取り外されたことを検出する方法、イグニションがスイッチオフされたことを検出する方法、イグニションキーが引き抜かれたことを検出する方法、GPS信号が失われたことを検出する方法などの多くの異なる方法により実行されてよい。
【0078】
車両の駐車が検出された場合、次の動作101において、ナビゲーションデバイス10は、例えば、GPSを使用して車両の位置を測定するために測位装置23を制御する。勿論、そのような測位装置23は、絶え間なく又は一定間隔で位置を測定するモードにあってもよい。その場合、ナビゲーションデバイス10は、測定を実行することを測位装置23に命令する必要はないが、測位装置23により実行された測定の最新の位置測定値を単に読み出すだけでもよい。
【0079】
次の動作102において、ナビゲーションデバイス10は、動作101で判定された位置をメモリ素子12、13、14、15に格納し、その位置を「駐車車両位置」とラベル付けする。勿論、位置は文字通り「駐車車両位置」とラベル付けされる必要はなく、任意の適切なラベルが使用されてよいことは理解されるであろう。
【0080】
(駐車後の記録)
ナビゲーションデバイス10が「駐車車両位置」とラベル付けされた位置をメモリ素子12、13、14、15に格納した後、ナビゲーションデバイス10はナビゲーションデバイス10(スイッチオフされていない場合)の位置を記録し続け、その位置をメモリ素子12、13、14、15に格納してもよい。これは、図5においてオプションの動作である動作103によって示される。
【0081】
駐車後のナビゲーションデバイス10の位置のこの連続記録は、格納された連続する位置に沿ってユーザを車両まで案内することにより、地図データを使用せずに「駐車車両位置」まで戻るようにナビゲートするために使用されてもよい。従って、ユーザは、車両から離れた後にたどったのと同一の経路を経て車両まで戻るように案内される。これは、地図データを利用できない地域でユーザが移動を続けている場合、又はナビゲーションデバイス10がメモリ素子12、13、14、15に格納された地図データに基づいてルートを計算するようには構成されておらず、単なる地図観察装置である場合に有用であろう。駐車車両の位置まで戻る際のナビゲーションは、以下に更に詳細に説明されるようにいくつかの方法で実行可能である。
【0082】
当然のことながら、「駐車車両位置」を格納した後のナビゲーションデバイス10の位置の連続記録は、測位装置23を使用して、GPS測定値を利用することにより実行されてもよい。しかし、測位装置23は他の技術を使用してもよい。例えば、測位装置23は加速度計/ジャイロスコープ/慣性センサなどを更に具備してもよい。測位装置23が異なる測位技術の組合せを含んでもよいことは言うまでもない。
【0083】
また、「駐車車両位置」を格納した後のナビゲーションデバイス10の位置の連続記録は、スリープモードにある場合でもナビゲーションデバイス10により実行されてもよい。そのようなスリープモードは、エネルギーを節約するためにプロセッサユニット11のCPU周波数が低下されるモードであってもよい。
【0084】
一実施形態によれば、例えば、駐車専用ビルの内部のように、駐車位置の付近でGPSを利用できない状況において、ユーザを駐車車両まで戻れるように案内するために、加速度計/ジャイロスコープ/慣性センサなどにより実行された測定の値が格納され、使用されてもよい。
【0085】
(駐車位置までのナビゲート)
ユーザが車両まで戻りたい場合、メモリ素子12、13、14、15に格納された「駐車車両位置」までナビゲートすることをナビゲーションデバイス10に命令することにより実行してもよい。例えば、ユーザは、メニューの中の「車両捜索」と指示された特別オプションを選択することにより、「駐車車両位置」までナビゲートするためにナビゲーションデバイス10をトリガしてもよい。
【0086】
そのようなメニューオプションを選択することにより、ナビゲーションデバイス10はメモリ素子12、13、14、15から「駐車車両位置」を検索し、その位置までナビゲートするのを助ける。「駐車車両位置」までのナビゲーションは多くの異なる方法で実行できるが、ここでは、例としてそのうちいくつかを説明する。
【0087】
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイス10の現在の位置を出発位置として使用し、「駐車車両位置」を要求される目的地として使用することにより、ユーザを「駐車車両位置」までナビゲートするように構成されてもよい。その場合、ナビゲーションデバイス10で実行中であるナビゲーションソフトウェアは、当業者には周知であるように、メモリ素子12、13、14、15に格納された地図データを使用して出発位置から「駐車車両位置」までのルートを計算するためにルート計算(上記説明を参照)を適用してもよい。
【0088】
ナビゲーションデバイス10は、現在の位置から「駐車車両位置」まで移動するための移動手段(徒歩、自転車など)を選択するためのオプションをユーザに提供するように構成されてもよい。しかし、ユーザがメニューオプション「車両捜索」を選択した場合、ナビゲーションデバイス10は自動的に移動手段、例えば、徒歩を選択してもよい。
【0089】
別の実施形態によれば、ナビゲーションデバイスの現在の位置は、詳細な地図データが格納されていない地域、すなわち、ルート計算を行うために道路ベクトルなどを利用できない地域にある。その場合、ユーザがメニューオプション「車両捜索」を選択しても、ナビゲーションデバイス10は、現在の位置から「駐車車両位置」までのルートを計算できない。従って、ナビゲーションデバイス10は、「駐車車両位置」、ユーザが「駐車車両位置」に到達するために進むべき方向の指示の少なくともいずれかとともに、現在の位置を地図上に示すように構成されてもよい。
【0090】
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、「駐車車両位置」を格納した後にメモリ素子12、13、14、15に記録されたその後のナビゲーションデバイス10の位置を再生すること(図5の動作103を参照)により、ナビゲーションデバイス10の現在の位置から「駐車車両位置」までユーザを案内するように構成される。これは、詳細な地図データを利用できない場合に有用な実施形態であろう。例えば、次の記録された位置に向かうための方向を示す矢印をディスプレイ18に示すことにより、ユーザは、記録されているナビゲーションデバイス10の位置に沿って案内される。
【0091】
別の実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10の現在の位置は、GPS信号を受信できない地域にある。例えば、ユーザは、鮮明なGPS信号が受信されない森の中又はショッピングモールの中にいるかもしれないし、また、車両が地下駐車場に駐車されていることも考えられる。この場合、ユーザを現在の位置から「駐車車両位置」まで案内するために、ナビゲーションデバイス10は、上述したような加速度計により記録された測定値を使用してもよい。
【0092】
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、ルート計算ソフトウェアを含まず、測位装置23を具備する単なる地図観察装置である。そのようなナビゲーションデバイス10は、ユーザがメニューオプション「車両捜索」を選択した場合に「駐車車両位置」と共にユーザの現在の位置をディスプレイ18に表示するために使用されてもよい。
【0093】
(フローチャート)
図6は、「駐車車両位置」に戻るためのナビゲーションについて、上述した実施形態に従ってナビゲーションデバイス10により順次実行される動作を概略的に示すフローチャートである。
【0094】
第1の動作110において、プロセッサユニット11は、例えば、命令「車両捜索」の形態をとる車両までナビゲートするための命令を受信する。プロセッサユニット11がこの命令を受信すると、動作111において、プロセッサユニット11はメモリ素子12、13、14、15から格納された「駐車車両位置」を検索する。
【0095】
動作112において、プロセッサユニット11は、測位装置23にナビゲーションデバイス10の現在の位置を測定することを命令する。勿論、測位装置23は、ナビゲーションデバイス10の位置を絶えず測定するように構成されてもよく、あるいは一定時間間隔で測定するように構成されてもよい。その場合、ナビゲーションデバイス10は測位装置に現在の位置を測定することを命令する必要はなく、測位装置23により実行される測定の最新の位置測定値を読み出すだけでよい。
【0096】
ナビゲーションデバイス10の現在の位置(出発位置)及び「駐車車両位置」(目的地)に基づいて、当業者には周知であるように、ナビゲーションデバイス10は、ルート計算を使用して「駐車車両位置」までのルートを計算してもよい。
【0097】
言うまでもなく、多くの変形例が考えられる。例えば、ナビゲーションデバイス10は図5及び図6に示されるような動作を異なる順序で実行してもよい。
【0098】
(更なる見解)
ユーザが車両を駐車し、車両なしで移動を継続する場合、ユーザは、ナビゲーションデバイス10を携帯するためにナビゲーションデバイス10を車両から取り外す。車両が駐車されたことをナビゲーションデバイス10が検出すると、直ちにナビゲーションデバイス10は、測位装置23を使用してナビゲーションデバイス10の現在の位置を判定し、その位置をメモリ素子12、13、14、15に格納する。この位置は、例えば、「駐車車両位置」とラベル付けされてもよい。
【0099】
ナビゲーションデバイス10は、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステム30から取り外されたこと又はイグニションがオフされたことを検出することにより、自動車が駐車されたことを検出してもよい。
【0100】
誤って格納された「駐車車両位置」が後で正しい「駐車車両位置」で上書きされる限り、ある位置を「駐車車両位置」として格納するためにナビゲーションデバイス10が誤ってトリガされたとしても(例えば、ナビゲーションデバイスが移動中にドッキングシステムから取り外された場合)、問題にはならないことが理解されるであろう。
【0101】
ナビゲーションデバイス10のユーザが車両を見つけ出したい場合、メモリ素子12、13、14、15から「駐車車両位置」を検索し、その位置までのナビゲーションを開始するために、ユーザは、ナビゲーションデバイス10をトリガする。例えば、「車両捜索」によって指示されるメニュー中の特別なオプションを選択することにより、ユーザは、「駐車車両位置」までナビゲートするためにナビゲーションデバイス10をトリガしてもよい。
【0102】
本明細書中で使用される場合の用語「車両」は、自動車、オートバイ、自転車などのあらゆる種類の移動手段を表すことが理解されるであろう。
【0103】
更に、上述した実施形態のうち1つ以上を実行するためのコンピュータプログラムをナビゲーションデバイスにロードしてもよいことが理解されるであろう。コンピュータプログラムは、プロセッサユニット11により読取り可能であり、上述した実施形態のうち1つ以上を実行するためにプロセッサユニット11を制御する命令を含んでもよい。
【0104】
別の実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は「手動操作」位置格納モードを含んでもよい。そのようなモードは、測位装置23により測定されるナビゲーションデバイス10の現在の位置を格納し、その位置を「駐車車両位置」とラベル付けするためのオプションをユーザインタフェース(例えば、ディスプレイ18)を介してユーザに提供する。ナビゲーションデバイス10は、例えば、タッチスクリーンを介して仮想ボタンを提供してもよい。これは、イグニションがスイッチオンされた場合、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステムに装着された場合の少なくともいずれかであっても実行可能である。
【0105】
一実施形態によれば、ナビゲーションデバイス10は、メモリ素子12、13、14、15中のいくつかの最後の「駐車車両位置」を履歴リストに格納するように構成されてもよい。そのような最後の「駐車車両位置」の履歴リストは、自動的に又はユーザの要求/確認に応じて「お気に入り駐車位置」のリストに追加されてもよい。ナビゲーションデバイス10は、ユーザが同一の場所又は互いに近接した位置にある場所に駐車する頻度の統計を保持してもよい。そのような「駐車車両位置」は地点情報(POI)のリストに自動的に追加されてもよい。POIのリストは、「お気に入り」又は「駐車地点」などの異なるカテゴリに編成されてもよい。履歴リストは最近の「駐車車両位置」の動的リストであってもよい。
【0106】
既に格納されている「駐車車両位置」の付近にある位置へナビゲートするためにナビゲーションデバイス10が使用される場合、格納された「駐車車両位置」が再利用されてもよい。これによりルート設定時間が短縮される。また、ユーザは既によく知っている駐車場へ案内されるので、駐車場、駐車車両の少なくともいずれかを更に容易に発見できる。
【0107】
ユーザが忘れ物をした場合、以前に駐車した場所の1つへ再び行かなければならない場合の少なくともいずれかであるときにも、ユーザを以前に駐車した場所までナビゲートするのに履歴リストは有用であろう。その駐車場所が運転者にとって不慣れな場所である場合、そのような「駐車車両位置」の履歴リストなしに2度目にその場所を見つけられない確率は高い。
【0108】
以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、上述した以外の方法で本発明が実施されてもよいことは理解されるであろう。例えば、本発明は、先に開示された方法を記述する機械可読命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はそのようなコンピュータプログラムが格納されているデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク又は光ディスク)の形態をとってもよい。全てのソフトウェア構成要素がハードウェア構成要素として形成されてもよいことは当業者により理解されるであろう。
【0109】
以上の説明は単なる例示であり、限定的な意味を持たないことが意図される。従って、以下に記載される請求の範囲の範囲から逸脱せずに説明された発明に対して変形を実施してもよいことは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】ナビゲーションデバイスを概略的に示す概略ブロック図である。
【図2】ナビゲーションデバイスを概略的に示す概略図である。
【図3】一実施形態に係わるナビゲーションデバイスを概略的に示す側面図である。
【図4】一実施形態に係わるナビゲーションデバイスを概略的に示す側面図である。
【図5】実施形態を概略的に示すフローチャートである。
【図6】実施形態を概略的に示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサユニット(11)を具備するナビゲーションデバイスであって、
前記ナビゲーションデバイスは、
−車両の駐車を検出し、
−駐車が検出された場合、駐車車両の位置に関する情報を判定し、
−前記駐車車両の位置に関する情報を格納するように構成されるナビゲーションデバイス。
【請求項2】
前記ナビゲーションデバイスは、
メモリ素子(12、13、14、15)と測位装置(23)とを
更に具備し、
前記プロセッサユニット(11)は、
前記メモリ素子(12、13、14、15)と前記測位装置(23)と通信するように構成され、
−前記駐車車両の位置に関する情報は、前記測位装置(23)を使用して判定され、
−前記駐車車両の位置に関する情報は、前記メモリ素子(12、13、14、15)に格納される請求項1記載のナビゲーションデバイス。
【請求項3】
前記測位装置(23)は、
前記ナビゲーションデバイス(10)の位置に関する情報を判定するために、全地球測位サテライトシステム(GPS)などのグローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS)のうち少なくとも1つを使用する請求項2記載のナビゲーションデバイス。
【請求項4】
車両の駐車は、
前記ナビゲーションデバイスと、前記車両及びドッキングシステム(30)の少なくともいずれかとの接続又はインタラクションが切断されたことを検出することにより検出される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項5】
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
前記ドッキングシステム(30)に装着されるように構成され、前記ナビゲーションデバイス(10)は、前記ナビゲーションシステム(10)が前記ドッキングシステム(30)から取り外されるのを検出することにより車両の駐車を検出する請求項4記載のナビゲーションデバイス。
【請求項6】
前記ナビゲーションシステム(10)の前記ドッキングシステム(30)からの取り外しは、
リリースボタン、近接センサ及び接触センサのうちいずれか1つを使用して検出される請求項5記載のナビゲーションデバイス。
【請求項7】
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
前記ナビゲーションデバイス(10)と通信するように構成されたイグニション検出器ユニット(52)を具備し、
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
前記イグニション検出器ユニット(52)から受信した情報に基づいて車両の駐車を検出するように構成される請求項1乃至6のいずれか1項に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項8】
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
前記ナビゲーションデバイス(10)がスイッチオフされた場合に車両の駐車を検出する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項9】
車両の駐車は、
グローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS)からの信号の喪失が前記測位装置(23)により検出されることにより検出される請求項3記載のナビゲーションデバイス。
【請求項10】
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
前記測位装置(23)により測定される位置データを解析することにより車両の駐車を検出するように構成される請求項2乃至9のいずれか1項に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項11】
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
車両の駐車を検出するために、前記測位装置(23)により測定された前記位置データを前記メモリ素子(12、13、14、15)に格納された地図データと比較することにより前記位置データを解析する請求項10記載のナビゲーションデバイス。
【請求項12】
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
車両の駐車を検出するために、前記ナビゲーションデバイス(10)の速度、曲がり角の数、曲がりの急激度のうち少なくとも1つを解析することにより、前記測位装置(23)により測定された前記位置データを解析する請求項10又は11に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項13】
前記測位装置(23)を使用して前記駐車車両の位置に関する情報を判定すること及び格納することの少なくとも一部は、車両の駐車が検出された後、実行される請求項2乃至12のいずれか1項に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項14】
前記測位装置(23)は、
加速度計、ジャイロスコープ、慣性センサのうち少なくとも1つを具備する請求項13記載のナビゲーションデバイス。
【請求項15】
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
−前記駐車車両の位置に関する格納された情報を前記メモリ素子(12、13、14、15)から検索し、現在の位置から前記駐車車両の位置までのナビゲーション命令を提供するように構成される請求項2乃至14のいずれか1項に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項16】
前記ナビゲーションデバイス(10)は、
−前記駐車車両の位置に関する情報を複数の「駐車車両位置」を含む履歴リストに格納するように構成される請求項1乃至15のいずれか1項に記載のナビゲーションデバイス。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか1項に記載のナビゲーションデバイス(10)
を具備する車両。
【請求項18】
駐車車両の位置を格納する方法であって、
−車両の駐車を検出するステップと、
−駐車が検出された場合、駐車車両の位置に関する情報を判定するステップと、
−前記駐車の位置に関する情報を格納するステップと
を含む方法。
【請求項19】
−前記駐車車両の位置に関する格納された情報を検索するステップと、
−現在の位置から前記駐車車両の位置までのナビゲーション命令を提供するステップと
を更に含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
コンピュータ装置にロードされた場合、請求項18又は19に記載の方法を実行するように構成されるコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項20記載のコンピュータプログラムを具備するデータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−524041(P2009−524041A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551206(P2008−551206)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【国際出願番号】PCT/NL2007/050012
【国際公開番号】WO2007/083997
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】