高輝度パルス光源構成
【課題】高輝度パルス光源構成を提供する。
【解決手段】高輝度光源構成は、長寿命を有し高速度で変調することができる。本構成は、アクチュエータに取り付けられた可動部材と、可動部材に関連する発光蛍光体領域と、放射光出射領域に対し固定された点において発光蛍光体領域を照射する入射光源と、可動部材アクチュエータと入射光源を制御する光源制御装置と、を含む。入射光源(例えばレーザー)は照射スポットに高輝度入射光を供給し、発光蛍光体領域に高輝度出射光を放射させる。発光蛍光体領域は消光と光退色を低減するように照射スポットに対して動かされ、これにより光源構成の寿命を延ばす。蛍光体領域は広帯域光を放射することができる、および/またはそれぞれのピーク波長を放射する蛍光体を有するそれぞれのサブ領域を含むことができる。
【解決手段】高輝度光源構成は、長寿命を有し高速度で変調することができる。本構成は、アクチュエータに取り付けられた可動部材と、可動部材に関連する発光蛍光体領域と、放射光出射領域に対し固定された点において発光蛍光体領域を照射する入射光源と、可動部材アクチュエータと入射光源を制御する光源制御装置と、を含む。入射光源(例えばレーザー)は照射スポットに高輝度入射光を供給し、発光蛍光体領域に高輝度出射光を放射させる。発光蛍光体領域は消光と光退色を低減するように照射スポットに対して動かされ、これにより光源構成の寿命を延ばす。蛍光体領域は広帯域光を放射することができる、および/またはそれぞれのピーク波長を放射する蛍光体を有するそれぞれのサブ領域を含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には光源に関し、より詳細にはクロマティックポイントセンサ(chromatic point sensor)などの精密測定計器の使用に好適な高輝度で安定した広帯域および/または多波長の光源に関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度広帯域光源の様々な用途は知られている。例えば、光学的高さセンサにおいてクロマティック共焦点技術によりこのような光源を使用することは知られている。米国特許出願公開第2006/0109483号に記載されるような光学的高さセンサにおいては、焦点までの軸方向距離が波長に伴って変化するように広帯域光源の焦点を合わせるために、軸方向色収差(軸方向または縦方向色分散とも呼ばれる)を有する光学素子を使用することができる。したがって、1つの波長だけが表面上に正確に焦点を合わせられることになり、焦点素子に対する表面高または位置によって、どの波長が最も良く焦点を合わせられるかが決まる。表面から反射すると、光は、ピンホールまたは光ファイバ端などの小さな検出器開口部上に焦点を再び合わせられる。表面から反射し光学系を介し入射/出射ファイバに戻ると、表面上にうまく焦点を合わせられた波長だけがファイバ上にうまく焦点を合わせられる。他のすべての波長はファイバ上に焦点をうまく合わせられないので、ファイバ内にパワーを効率的にカップリングできない。したがってファイバを通って戻る光に関しては、信号レベルは表面高または表面の位置に対応する波長に対して最大となる。分光計型検出器は表面高を判断するために各波長の信号レベルを測定する。
【0003】
ある製造業者らは、上述のように動作し、かつ、工業環境におけるクロマティック共焦点測距に好適な実用的でコンパクトなシステムをクロマティックポイントセンサ(CPS:chromatic point sensor)と呼ぶ。このようなシステムと共に使用されるコンパクトな色分散光学アセンブリ(chromatically dispersive optical assembly)は「光学ペン」と呼ばれる。光学ペンは光ファイバを介しCPSの電装部に接続される。電装部は光学ペンから出射される光を、ファイバを介し送り、戻り光を検知し解析する分光計を提供する。
【0004】
公知の実施形態では、連続波キセノンアーク灯が、通常、30kHz程度の測定速度を有するCPSの高輝度広帯域(例えば白色)光源として使用される。キセノンアーク灯は、CPSのスペクトル範囲、したがって高さ測定範囲をカバーする広帯域光放射を提供する。キセノンアーク灯はまた、約30kHzの測定速度と約33μs(=1/30×10-3)の読み取り時間で良好なS/N比を得るのに十分なエネルギーを有する高輝度光源である。しかしながら、実際のアプリケーションでは、キセノンアーク灯は、望ましいとは言えない寿命およびアーク空間的安定性などのいくつかの望ましくない特性を呈する。アーク動作に伴う光源スペクトル放射の変化によるCPS較正におけるいかなる変動も最小限にするためには、またCPSの停止時間も最小限にするためには、空間的に安定でかつ長寿命の光源が望ましい。さらに、製造される多くの加工物は、異なる反射率特性を有し、したがって異なる輝度で飽和する、複数種の異なる材料を含む。したがってCPS光源は、複数種の異なる材料の測定を可能にするために、CPS測定速度(例えば30kHz)以上の速度で輝度変調され得る(例えば、低輝度から高輝度まで)ことが好ましい。このような高速度光変調は公知のキセノンアーク灯では実際的ではない。同様な光源欠陥はまた、分光計などの他の計器アプリケーションに関連しても見出されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念のうちの選択されたものを単純化された形式で導入するために提供される。本概要は、権利請求される主題の重要な特徴を特定することを目的としておらず、また権利請求される主題の範囲を判断する際の助けとして使用されることを目的としてもいない。
【0006】
本発明の様々な例示的実施形態によると、安定でかつ長寿命を有する高輝度光源構成が提供される。本発明はさらにこのような光源構成を動作させる方法を提供する。様々な例示的実施形態では、高輝度光源構成は、可動部材アクチュエータに取り付けられた可動部材と、可動部材に関連する少なくとも1つの発光蛍光体領域と、放射光出射結合領域に対し固定される照射スポットにおいて発光蛍光体領域を照射するように構成された入射光源と、可動部材アクチュエータと入射光源に作動可能に連結される光源制御装置と、を含む。動作中、入射光源(例えばレーザー)は照射スポットに高輝度入射光を供給し、これにより発光蛍光体領域に、放射光出射結合領域に含まれる励起蛍光体スポットまたはトラックからの高輝度出射光を放射させる。様々な実施形態では、放射光出射結合領域は照射スポットに近接して配置される。同時に、可動部材アクチュエータの動作により、発光蛍光体領域は、放射の消光および蛍光体領域の光退色を低減するように照射スポットに対し連続的に動き、これにより放射光出射結合領域における高光子束からの消光を回避し、また蛍光体領域の寿命、したがって光源構成全体の動作寿命を延ばす。様々な実施形態では、光源はCPSまたは他の精密測定計器の一般的な測定速度以上の速度で変調されてよい。
【0007】
本発明の一態様によると、発光蛍光体領域または可動部材に関連する固有サブ領域が放射光出射結合領域の公称面積の少なくとも数倍の領域にわたって分散される。いくつかの実施形態および/またはアプリケーションでは、光源構成の寿命を望ましいレベルまで延ばすために、各発光蛍光体領域および/またはサブ領域を励起蛍光体スポットまたはトラックおよび/または放射光出射結合領域の面積の少なくとも25倍または50倍以上の領域にわたって分散することが好ましいかもしれない。より厳しいアプリケーションに好適ないくつかの実施形態では、光源構成の寿命を望ましいレベルまで延ばすために、放射光出射結合領域の面積の少なくとも100倍、200倍またはさらに500倍またはそれよりはるかに大きい領域にわたって発光蛍光体領域を分散することが好ましいかもしれない。
【0008】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、入射光源は、比較的大きな照射スポットに対しては少なくとも1ミリワット/mm2、あるいは小さな照射スポットに対しては少なくとも20ミリワット/mm2、あるいはさらに小さな照射スポットに対しては少なくとも2000ミリワット/mm2(いずれもいくつかのアプリケーションにおいて有用なレベルの出射光を放射させるのに十分である)の照射スポットにおける平均輝度を与えるように構成される。さらに厳しいアプリケーション(例えば、非常に短い測定周期などの)では、入射光源は、発光蛍光体領域に望ましいレベルの高輝度出射光を放射させるために、少なくとも200ミリワット/mm2、5000ミリワット/mm2、あるいは比較的小さな照射スポットでは100W/mm2以上の平均輝度を与えるように構成されると好ましいかもしれない。
【0009】
本発明の別の態様によると、光源制御装置は、本光源構成を使用する測定器の露光時間または測定周期(例えば、最大でも50マイクロ秒、33マイクロ秒などのパルス持続時間)に対応することができる少なくとも1つの短いパルス持続時間を有する入射光源を動作させるように構成される。本発明の別の態様によると、光源制御装置は、パルスまたは周期的出力を有する入射光源を動作させる(パルスまたは周期的出力の振幅制御または変調(例えば、正弦波、三角波、台形波振幅変調など)を含む)ように構成されてよい。
【0010】
本発明の別の態様によると、様々な実施形態および/またはアプリケーションでは、光源制御装置は、照射スポットと放射光出射結合領域にわたる発光蛍光体領域の少なくとも1つの速度(少なくとも2.5m/s、5m/s、7.5m/s、10m/sまたはさらに50m/s以上の速度を含む)を与えるために可動部材アクチュエータを動作させるように構成される。
【0011】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、コンパクトな光源構成を容易にするために、照射スポットは発光蛍光体領域の表面に近接した最大でも150ミクロンの公称スポット径を有してよく、関連する励起蛍光体スポットまたはトラックは最大でも750ミクロンの直径またはトラック幅を有してもよい。他の実施形態では、さらにコンパクトなおよび/または経済的な光源構成を容易にするために、照射スポットは、発光蛍光体領域の表面に近接した最大でも100ミクロン、50ミクロン、またはさらに20ミクロン以下の公称スポット径を有すると好ましいかもしれず、関連する励起蛍光体スポットまたはトラックは、最大でも500ミクロン、300ミクロン、またはさらに200ミクロン以下の直径またはトラック幅を有してもよい。しかしながら、これらの実施形態は例示的であって限定するものではない。本発明の別の態様によると、光源構成は光ファイバを含んでよく、光ファイバの入射開口部は放射光出射結合領域から光を受光するように配置されてよい。本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、光ファイバの入射開口部は、放射光出射結合領域において光を効率的に受光するために、励起蛍光体スポットまたはトラックから最大でも2.0ミリメートル、1.0ミリメートル、あるいは最大でも500ミクロン、または300ミクロン以下の距離に配置されてよい。
【0012】
本発明の別の態様によると、励起蛍光体スポットは直径DEPを有することができ、および/または放射光出射結合領域は直径DRを有することができ、発光蛍光体領域は約TEの放射時間(すなわち、減衰時間)を有することができ、発光蛍光体領域は約DEP/TE〜DEP/(2×TE)の範囲および/またはDR/TE〜DR/(2×TE)などの範囲内で選択された速度で照射スポットを横断してよい。このような場合、放射面位置から利用可能な放射光の大部分を、出射光路の入射開口部に近接して放射することができ、同時に蛍光体領域の新しい部分を、照射スポットの多くを埋めるように配置することができる。
【0013】
本発明の別の態様によると、可動部材に関連する発光蛍光体領域を反射面上に分散することができ、入射光路(例えば光ファイバ)の出射口と出射光路(例えば光ファイバ)の入射開口部は発光蛍光体領域の同じ側に配置される。いくつかの実施形態では、入射光路の出射開口部と出射光路の入射開口部は同じ開口部であってよい。
【0014】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、経済的により高い輝度を実現するために、放射光出射結合領域に対し固定された隣接するまたはオーバーラップする照射スポットにおいて発光蛍光体領域を照射するように複数の入射光源(例えば、複数のダイオードレーザー)を構成することができる。本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、本発明による光源の波長スペクトル出力を増大するために、いくつかの入射光源は、放射光出射結合領域に、あるいは発光蛍光体領域により出射された波長にそれらを追加することができる別の位置にそれぞれの照射波長を直接または間接的に導くように構成されてよい。
【0015】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、可動部材上に含まれる少なくとも1つの発光蛍光体領域は広帯域光を放射する蛍光体材料を含むことができる。本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、光源構成は可動部材の異なる部分に配置された複数のそれぞれの蛍光体サブ領域を含んでよい。蛍光体サブ領域は照射スポットにおいて入射光に応答して異なるそれぞれのピーク波長を有する光を放射する異なるそれぞれの蛍光体材料を含む。光源構成は、複数の発光蛍光体サブ領域のそれぞれが様々な時間に個々に照射されるように、可動部材が照射スポットに対して動かされるように構成されてよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、可動部材は回転軸を中心に回転し、複数のそれぞれの発光蛍光体サブ領域は回転軸からの共通の半径に配置された領域を含むとともに回転軸を中心としたそれぞれの角度範囲をカバーし、したがって可動部材の回転が様々なサブ領域を第1の照射スポットが生じる場所を横切って連続して動かす。他の実施形態では、複数のそれぞれの発光蛍光体サブ領域はそれぞれの同心トラックに沿って配置された領域を含む。
【0017】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、光源構成は、放射光出射結合領域から光を受光するように配置された少なくとも1つの入射開口部を含む一組の出射光路光学素子を含む。いくつかの実施形態では、一組の出射光路光学素子は少なくとも2つの光学出射ファイバと、照射スポットに対し異なる場所に配置された少なくとも2つの入射開口部とを含む。様々な実施形態では、可動部材により放射される光は蛍光体領域またはサブ領域からの固有波長を含むことができる、あるいは所望のスペクトルプロフィールを生成するために複数の蛍光体サブ領域からの光を同時に放射して合成することができる。様々な実施形態では、所望のスペクトルプロフィールを与えるために、光源制御装置は、照射スポットの位置で入射光が特定のそれぞれの発光蛍光体サブ領域または一組のサブ領域の存在と同期して供給されるように時間を制御することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、光源構成は、放射光出射結合領域をほぼ囲むとともに放射光を反射して一組の出射光路光学素子の入射開口部に集光する集光鏡を含む。一実施形態では、集光鏡は、楕円面の一焦点の辺りに照射スポットを有し、楕円面の他の焦点に出射光路光学素子の入射開口部を有するよう位置付けられた楕円面鏡を含む。別の実施形態では、集光鏡は、出射光路光学素子の入射開口部へ照射スポットの像を転送するように配置された軸外し放物面鏡を含む。種々の異なる集光鏡が所望の倍率(例えば、小型システムおよび/または単独出射ファイバに対しては1の倍率、または出射ファイバ束に対しては10の倍率など)で照射スポットを形成するように構成されてもよい。いずれにせよ、集光鏡は、可動部材から放射される光の大部分が入射開口部を通って集められ導かれるようにする。
【0019】
いくつかの実施形態では、発光蛍光体領域またはサブ領域は、1以上の蛍光体材料を含んでもよい。当該蛍光体材料は、例えば、YAG−Ce+ベースの蛍光体、フォトルミネッセンス半導体ナノ粒子もしくはナノ結晶、Q粒子蛍光体(一般に、量子ドットまたは半導体量子ドットと呼ばれる)、酸化亜鉛ナノロッドその他がある。
【0020】
本発明の様々な実施形態は、高輝度光を光ファイバ端に結合するための特にコンパクトで経済的手段を提供するものであることが把握される。このことは、光ファイバの出射端が多くの応用にとってほぼ理想的な(すなわち、非常に小さな寸法を有する)経済的点光源を提供できるという点で、高輝度「理想点源」の恩恵を受ける応用(例えば、CPSアプリケーション、コリメート光プロジェクタなど)において特に価値がある。さらに、様々な実施形態は、点光源から様々なスペクトルを供給する公知の方法に比較して、改良された多用途性と経済性を備えた様々な波長スペクトルを提供することができる。さらに、様々な実施形態は、点光源から様々なパルススペクトルを供給する公知の方法に比較して、改良された多用途性と経済性を備えた様々な波長スペクトルの様々なパルス持続時間を提供することができる。
【0021】
上述の態様と本発明の付随する利点の多くは、添付図面と併せると、以下の詳細な説明を参照することによりさらに良く、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による光源構成を含む例示的クロマティックポイントセンサのブロック線図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による光源構成の図である。
【図3】本発明による光源構成の第2の実施形態の図である。
【図4】本発明による光源構成の第3の実施形態の図である。
【図5】本発明による光源構成を動作させることに関する様々な考察を示す図である。
【図6】本発明による光源構成の第4の実施形態の図である。
【図7A】本発明による光源構成における可動部材上に含まれる第1の多波長蛍光体領域構成を例示する一観点からの関係図である。
【図7B】本発明による光源構成における可動部材上に含まれる第1の多波長蛍光体領域構成を例示する別観点からの関係図である。
【図8A】本発明による光源構成における可動部材上に含まれる第2の多波長蛍光体領域構成を例示する一観点からの関係図である。
【図8B】本発明による光源構成における可動部材上に含まれる第2の多波長蛍光体領域構成を例示する別観点からの関係図である。
【図9】複数の入射光源を含む本発明による多波長光源構成の図である。
【図10】出射光を伝える光ファイバ束入射端まで出射光を反射するための集光鏡装置を含む本発明による多波長光源構成の図である。
【図11】出射光を送受するように配置された複数の光ファイバ入射端を含む多重ファイバ集光装置を含む本発明による多波長光源構成の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の内容を紹介するために、以下ではクロマティックポイントセンサ(CPS)システムに適用される本発明の様々な例示的実施形態による光源構成について一般に説明する。しかしながら、このような光源構成は他の精密測定計器(例えば分光計)などの様々な他のシステムにおいて同等にうまく適用され得るということは当業者にとって明らかである。
【0024】
図1は例示的クロマティックポイントセンサ100のブロック線図である。図1に示すように、クロマティックポイントセンサ100は光学ペン120と電子部分160を含む。光学ペン120は入射/出射光ファイバサブアセンブリ105、筐体130および光学系部150を含む。入射/出射光ファイバサブアセンブリ105は、取り付け用ねじ110を使用して筐体130の端に取り付けられる取り付け用素子180を含む。入射/出射光ファイバサブアセンブリ105は、入射/出射光ファイバを包む光ファイバケーブル112と光ファイバコネクタ108とを介し入射/出射光ファイバ(図示せず)を受容する。入射/出射光ファイバは約50ミクロンのコア径を有するマルチモードファイバ(MMF)であってよい。入射/出射光ファイバは開口部195を介し出射ビームを出力し、反射された測定信号光を開口部195を介し受光する。
【0025】
クロマティック共焦点センサシステムでは公知のように、動作中、開口部195を介しファイバ端から放射される光は、光学軸OAに沿った焦点が光の波長に依存して異なる距離に存在するように軸方向色分散(axial chromatic dispersion)を与えるレンズを含む光学系部150により焦点を合わせられる。光は加工物表面190上に焦点を合わせられる。加工物表面190で反射すると、反射光は、限界光線LR1とLR2により例示されるように光学系部150により開口部195上に再び焦点を合わせられる。軸方向色分散のために、1つの波長だけが光学ペン100から表面190までの測定距離に一致する結合位置までの距離FDを有することになる。表面190で最も良く焦点を合わせられた波長はまた開口部195において最も良く焦点を合わせられた反射光の波長となる。開口部195は、主に最も良く焦点を合わせられた波長が開口部195を通過して光ファイバケーブル112の芯に入るように反射光を空間的にろ過する。光ファイバケーブル112は、支配的輝度を有する波長(加工物表面190までの測定距離に対応する)を判断するために利用される波長検出器162へ反射信号光を送る。
【0026】
電子部分160は、光ファイバ結合器161、光ファイバ結合器161と波長検出器162間の光ファイバ112B、光ファイバ結合器161と光源164間の光ファイバ112A、信号処理装置166、およびメモリ部168を含む。波長検出器162は、分散素子(例えば格子)が光ファイバケーブル112、光ファイバ結合器161および光ファイバ112Bを介し反射光を受光するとともに分光強度プロフィール結果を検出器アレイ163へ送る、分光計配置を含む。
【0027】
信号処理装置166により制御される光源164は、光ファイバ112Aに結合され、そして光ファイバ結合器161(例えば、2×1光ファイバ結合器)を通って光ファイバケーブル112に結合される。上述のように、光は、焦点距離が光の波長とともに変化するように縦色収差を生成する光学ペン120を伝播する。ファイバを介し最も効率的に返送される光の波長は表面190上に焦点が存在する波長である。検出器アレイ163の測定軸に沿った画素アレイ全体に分散された分光強度プロフィールを受信するとともに対応するプロファイルデータを供給するように動作する波長検出器162に光の約50%が向けられるように、反射された波長依存光は次に光ファイバ結合器161を再び通過する。表面までの測定距離はメモリ部168に格納された距離較正ルックアップテーブルを介し判断される。光源164は、本発明による蛍光体をベースとした高輝度光源構成(例えば、図2〜図4に示す光源構成の1つ)を含むことができる。以下にさらに詳細に説明されるように、このような光源構成は小スペースにおいて高輝度光を光ファイバ端に経済的に結合するのに特に好都合であり、また高速ストローブの可能性を与えるものである。したがって、このような光源構成はそれ自体が新規であるだけでなく、光ファイバを含む光路を介し光源を加工物まで運ぶCPSシステム、ある種の分光計システムなどのホストシステムの経済性と有用性を特に高めることができる。
【0028】
図2には、ホストシステム(例えばCPSシステム)で(あるいはそれと共に)使用される本発明による1つの例示的光源構成200を示す。したがって、光源構成200は、信号線245を介しホストシステム制御装置166’(例えば、CPS制御装置/信号処理装置)に結合され、光ファイバ112A’(例えば、図1に示す光ファイバ112Aおよび/または112)を介しホストシステム光アプリケーション120’(例えば、光学ペン)に光学的に結合され得る。
【0029】
光源構成200は可動部材アクチュエータ204に取り付けられる可動部材202を含む。図示の実施形態では、可動部材202は回転可能ディスクの形式をとり、図示の実施形態の可動部材202の面にほぼ垂直に延びる軸207を中心として回転可能である。可動部材202は、リニアアクチュエータ208(例えば、小型の精密リニアモータまたはモータおよび主ネジ)に取り付けられるロータリーアクチュエータ206(例えば、小型の精密回転モータ)に取り付けられる。したがって、図示の実施形態では、ロータリーアクチュエータ206とリニアアクチュエータ208は併せて可動部材アクチュエータ204を形成する。いくつかの実施形態では、回転可能ディスクは12、25または50ミリメートル程度などの直径を有し、5000または10,000rpmまたはそれ以上で回転されてよい。発光蛍光体領域(または組成物)210(例えば、層または被膜など)は可動部材202に関連付けられ、例えば発光蛍光体領域210は図示のように可動部材202の表面全体にわたってまたはその上に配置される。
【0030】
発光蛍光体領域210は広帯域光(例えば、CPSシステムアプリケーションに使用する場合、400〜700nm)を生成するのに好適なタイプの蛍光体混合物を含んでよい。例えば、蛍光体混合物は、青色放射蛍光体、緑色放射蛍光体、および/または赤色放射蛍光体の組み合わせを含んでよい。本発明における広帯域光の生成に使用されるのに好適なタイプの蛍光体混合物については、米国特許第6,255,670号、米国特許第6,765,237号、米国特許第7,026,755号、米国特許第7,088,038号に開示される。これらの特許は、広帯域光を出射する連続波UV LEDに密接触または隣接面接触する蛍光体混合物について記載している。その代わりまたは追加として、本発明における使用に好適なタイプの蛍光体混合物は、米国特許第6,066,861号、米国特許第6,417,019号、米国特許第6,641,448号に開示される。これらの特許は、連続青色LED光を吸収し広帯域光を出射するYAG−Ce+ベースの蛍光体混合物について記載している。
【0031】
光源構成200はさらに、照射スポット224において発光蛍光体領域210を照射する入射光L1を供給または発生する入射光源212を含む。照射スポット224は、以下に詳細に説明されるように放射光出射結合領域216に対し固定される。光源構成200はまた、電力および/または信号線240を介しリニアアクチュエータ208に、電力および/または信号線241を介しロータリーアクチュエータ206に、そして電力および/または信号線242を介し入射光源212に作動可能に連結される光源制御装置218を含む。
【0032】
図示の実施形態では、入射光源212からの入射光L1が可動部材202を透過し、その放射光を受光する光ファイバ112A’の近くの可動部材202の反対側に配置された発光蛍光体領域210上の照射スポット224を照射するように、可動部材202は入射光L1に対し実質的に透過性である材料で作られる。本発明の様々な例示的実施形態によると、入射光源212は高輝度入射光を供給するスミレ色(例えば405nmの波長)ダイオードレーザー(例えば500mW、1W)などのレーザー光源であってよい。様々な実施形態では、発光蛍光体領域210の小さな領域からの所望レベルの高輝度の広帯域放射を実現するために、いくつかの特に好適な実施形態では、入射光源212は100ミクロン程度(または詳細には150ミクロン)の直径を有し得る照射スポット224において2ミリワット/mm2から10,000ワット/mm2以上の平均輝度を供給するように構成されてよい。1つ以上の発光ダイオード(LED)または複数のレーザーダイオードを使用して入射光源212を形成してもよい。
【0033】
さらに、入射光源212はホストシステムの測定速度以上であってよい高輝度変調速度(例えば、1KHz程度またはさらに好ましくは30kHz〜20MHz)を好ましくはサポートする。具体的には、入射光源212の輝度はパルス幅変調技術(PWM)および/または振幅変調技術を使用し電子的に変調されてよい。光源制御装置218は少なくとも1パルス持続時間で入射光源212を動作させるように構成されるが、いくつかの実施形態では50〜200ns(すなわち5〜20MHz)程度であるパルス持続時間であってもよい。一例では、読み取り時間(例えば50μsまたは33μsなど)より255倍短い時間増分(例えばパルスまたはクロックサイクル)、すなわち約196ns(50μs/255)または129ns(33μs/255)などのパルスまたはクロックサイクル期間に基づいて入射光源を動作させることにより8ビットの輝度レベル変化を実現することができる。
【0034】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、照射スポット224の所望サイズを提供するために、光源構成200の一組の入射光路光学素子は入射光源212と可動部材202と発光蛍光体領域210との間に配置される1つ以上のレンズなどの第1のリレー光学系219を含むことができる。いくつかの実施形態では、光源構成200はまた、例えば1つ以上のレンズなどの任意選択的な第2のリレー光学系222と、ファイバ端214を含む光ファイバ112A’と、を含む一組の出射光路光学素子220を含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、一組の出射光路光学素子220は光源構成から省略されてもよい、および/またはホストシステム光アプリケーション120’などの一部として定義されてもよい。いずれにせよ、一組の出射光路光学素子220は、設けられた場合、放射光出射結合領域216から出射光L2を受光するように配置された入射開口部(例えば、第2のリレー光学系222および/またはファイバ端214により定義された開口部)を提供することができる。いくつかの実施形態では、放射光出射結合領域は、出射光ファイバの端に実際に結合される放射光(例えば、ファイバ端214に結合される出射光L2)を生成する領域として定義されてよい。放射光がホストシステムなどに含まれる未定義の素子に出射される様々な他の実施形態では、以下にさらに説明されるように、放射光出射結合領域は照射スポットを囲む励起蛍光体スポットと同一の広がりを持つように定義されてもよい。
【0035】
動作中、光源制御装置218は、様々な実施形態および/またはアプリケーションでは、照射スポット224を横切る、発光蛍光体領域210の2.5m/s、5m/s、7.5m/s、10m/s、または50m/s以上の少なくとも1つの速度を与えるように、可動部材アクチュエータ204を動作させる。可動部材アクチュエータ204がロータリーアクチュエータ206とリニアアクチュエータ208を含む図示の実施形態では、例えば、発光蛍光体領域210の1つのトラックが動作不能になった場合に発光蛍光体領域に沿って新しいトラックを内側に放射状に設けるために、ロータリーアクチュエータ206は円盤状の可動部材202を回転させるように構成され制御され、リニアアクチュエータ208は円盤状の可動部材202を照射スポット224に対して直線的に移動するように構成され制御される。したがって、一般には、照射スポット224は、円盤状の可動部材202の周縁部とその中心点間の任意の場所でほぼ円形および/または螺旋状経路に沿って発光蛍光体領域210を横切ることができる。いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータ208は省略されてよく、単一トラックを発光蛍光体領域210に沿って使用することができる。いずれにせよ、照射スポット224に対する発光蛍光体領域210の相対運動により発光蛍光体領域210が高輝度光を持続的に発生できるようにし、これにより長い寿命にわたって高輝度ストローブサイクル(例えば50μsまたは33μs程度またはそれ以下の露光時間)を支持する。
【0036】
入射光L1により照射されると、照射スポット224における発光蛍光体領域210は出射光を放射する。具体的には、発光蛍光体領域210は第1の波長(または波長範囲)を有する入射光L1を吸収し、第1の波長と異なる(一般的には第1の波長より長い)第2の波長範囲を有する出射光を放射する。放射光出射結合領域216内の発光蛍光体領域210から放射された出射光はさらに出射光L2として集められ、ホストシステム光アプリケーション120’(例えばホストシステムがCPSシステムである場合、光学ペンなど)に供給されるためにファイバ端214に入射される。このとき、ホストシステム光アプリケーション120’は供給された光を使用して照射動作および/またはクロマティック共焦点感知動作などの光操作を行うことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、照射スポット224は5〜10ミクロン程度の直径を有することができる。発光蛍光体領域210は、照射スポット224より大きくそしてそれを囲む励起蛍光体スポット(例えば150ミクロンの励起スポット径を有する)から光を放射することができる。いくつかの実施形態では、ファイバ端は50〜100ミクロン程度の直径を有することができる。照射スポット224および/または放射光出射結合領域216から一組の出射光路光学素子220の入射開口部(例えば、第2のリレー光学系222および/またはファイバ端214により定義された開口部)までの距離は150〜300ミクロン程度で設定されてよい。
【0038】
本発明の様々な例示的実施形態によると、可動部材アクチュエータ204の速度すなわち詳細には発光蛍光体領域210が照射スポット224を横切る速度は消光を低減しかつ発光蛍光体領域210の光退色または変退色を最小限にするように設定される。関連する様々な考察の概要は図5を参照して以下に述べられる。簡潔には、光退色は、蛍光団を刺激して蛍光を発生させるのに必要な光露光による蛍光体材料内の蛍光団の光化学的破壊である。したがって、露光サイクル数だけでなく光露光の強度または時間幅を減少させることにより光退色を制御することができる。蛍光体領域を励起して高輝度光を放射させるために入射光の一定の強度が必要とされるので、入射光の強度は所望の動作レベルより低くできない。したがって、本発明の様々な例示的実施形態によると、光退色を低減するために、光露光時間幅と露光サイクル数(すなわち吸収・放射サイクル)は蛍光体領域を動かすことにより制御される。光退色は蛍光体材料の光に対する累計露光すなわち(露光強度)×(光露光時間幅)×(露光サイクル数)に相関すると考えられる。光退色の低減は、ひいては、安定でかつ長寿命を有する高輝度光源構成をもたらす。したがって、特定の発光蛍光体領域210の特性に依存し、光源構成の寿命は、(発光蛍光体領域210が適用される可動部材の総面積)/(照射スポット224の面積)×(露光時間幅)×(露光サイクル数)のように概算することができる。様々な実施形態では、可動部材に関連する発光蛍光体領域は照射スポットおよび/または放射光出射結合領域の公称面積の数倍の領域にわたって分散される。いくつかの実施形態および/またはアプリケーションでは、光源構成の寿命を望ましいレベルまで延ばすために、発光蛍光体領域を励起蛍光体スポットまたはトラックおよび/または放射光出射結合領域の面積の少なくとも25倍または50倍の領域にわたり分布させることが好ましいかもしれない。より厳しいアプリケーションに好適ないくつかの実施形態では、光源構成の寿命を望ましいレベルまで延ばすために(例えば、いくつかの実施形態では10,000〜50,000時間程度の寿命)、発光蛍光体領域を照射スポットおよび/または放射光出射結合領域の面積の少なくとも100倍、200倍、または500倍以上の領域にわたって分布させることが好ましいかもしれない。
【0039】
入射光露光時間幅は、入射光源212を動作させるために使用されるパルス持続時間を例えば最大でも50μsまたは必要に応じ33μs以下まで制限することにより制御することができる。本発明の様々な実施形態によると、発光蛍光体領域210の特定領域への入射光露光時間幅はさらに、特定の速度で照射スポット224に対して発光蛍光体領域210を動かすことにより制御(制限)される。発光蛍光体領域210が動くにつれ、照射スポット224内に当初存在した発光蛍光体領域210の部分はその部分への露光時間幅を制限するように照射スポット224を離れる。
【0040】
発光蛍光体領域210の特定領域の露光サイクル総数もまた、照射スポット224に対して発光蛍光体領域210を動かすことにより制御することができる。いくつかの実施形態では、照射スポット224は、螺旋経路に沿って発光蛍光体領域210を横切ることができ、したがって発光蛍光体領域210の全領域が使用されかつ発光蛍光体領域210のいかなる特定部分もその空乏を生じさせない合理的時間量の間、入射光L1に露光される。いくつかの実施形態では、螺旋経路は予め定義された制御回数だけ繰り返されてよい。例えば、ロータリーアクチュエータ206は、照射スポット224が可動ディスク202の周囲に沿った円形のトラックに沿って発光蛍光体領域210を制御回数(サイクル数)だけ横切るように円盤状の可動部材202を回転させることができる。このとき、リニアアクチュエータ208は、照射スポット224が可動部材202に沿って新しい円形トラックに対し径方向内向きに配置されるように可動部材202を移動することができる。その後、ロータリーアクチュエータ206は、照射スポット224が新しい円形トラックに沿って制御回数(サイクル数)だけ発光蛍光体領域210を横切るように可動部材202を回転させることができる。この処理は、照射スポット224が可動部材202上で径方向内向きに位置する毎に繰り返されてよい。
【0041】
ロータリーアクチュエータ206は可動部材202を一定線形速度(例えば2.5m/s〜100m/s)、一定角速度(例えば400rps〜800rps)、可変線形速度、または可変速度で回転させることができるということに留意すべきである。一定角速度が使用された場合、照射スポット224が発光蛍光体領域210を横切る線形速度を、円盤状の可動部材202に対する照射スポット224の放射状の位置に依存して変更することができる。発光蛍光体領域210全体にわたって光退色を一様に低減するために、光露光時間幅または露光サイクル数を制限する際、線形速度を変えることを考慮すべきである。例えば、円盤状の可動部材202全体にわたって放射状に外へ向かう円形経路と比較して径方向内向きの円形経路では回転数(したがって露光サイクル数)を低減することができ、したがって累計露光時間(露光時間幅×露光サイクル数)は発光蛍光体領域210の様々な部分にわたってほぼ同じとなる。
【0042】
図3には、本発明の様々な例示的実施形態による別の実施形態の蛍光体ベースの高輝度光源構成200’を示す。図3では、図2におけるものと同一または類似の要素には同一または類似の参照番号が付される。図3の構成200’は、入射光源212が一組の出射光路光学素子220と同じ側(可動部材202と発光蛍光体領域210に対し)に位置するという点で図2の構成200と異なる。様々な実施形態では、出射光L2に寄与するために、表面に向かって放射された光の一部が反射されるように可動部材202が、放射光を実質的に反射する材料からなる表面を含むと好ましい。
【0043】
図3に示す特定の実施形態では、動作中、入射光源212からの入射光L1は、1つ以上のレンズ223、光ファイバセグメント312a、312b、およびオプションレンズ222’を含む一組の入射路光学素子により受光される。光ファイバセグメント312aは、2つのファイバセグメントが一緒に入射光ファイバを形成するように光ファイバ結合器317において光ファイバセグメント312bに結合される。照射スポット224において発光蛍光体領域210を照射するために、入射光源212からの入射光L1は一組の入射光路光学素子を通って伝搬し、ファイバ端214’および/またはオプションレンズ222’により設けられた出射開口部を介し一組の入射光路光学素子から出射する。先に概要を述べたように、発光蛍光体領域210から放射された光(そして場合により入射光L1の反射されたある部分)の出射光L2への寄与を最大化するために、可動要素202(またはその中またはその上に含まれる表面)は入射光L1および発光蛍光体領域210から放射された光を実質的に反射する材料から作られてよい。
【0044】
図3に示す実施形態では、照射スポット224は放射光出射結合領域216にほぼ一致することができる。いくつかの実施形態では、放射光出射結合領域は、出射光ファイバ端に実際に結合される放射光(例えば、ファイバ端214’に結合される出射光L2)を生成する領域として定義されてもよい。放射光がホストシステムなどに含まれる未定義の素子に出射される他の様々な実施形態では、放射光出射結合領域は照射スポットを囲む励起蛍光体スポットと同一の広がりを持つように定義されてもよい。いくつかの実施形態では、以下にさらに詳細に説明されるように、励起蛍光体スポットおよび関連する励起蛍光体トラック(可動要素202が動くにつれて励起蛍光体スポットがそれに沿って動く)は照射スポット224よりいくぶん大きい(広い)かあるいは著しく大きくてもよい。図3に示す実施形態では、出射光L2は、オプションレンズ222’、光ファイバセグメント312bおよび光ファイバ112A’を含む一組の出射光路光学素子の入射開口部に入射する。光ファイバセグメント312bは、2つのファイバセグメントが一緒に出射光ファイバを形成するように光ファイバ結合器317において光ファイバ112A’に結合される。先に図2を参照し概要を述べたように、一組の出射光路光学素子を通る出射光L2はホストシステム光アプリケーション120’に入射される。図2に示す光源構成200を参照して先に概要を述べたのとほぼ同様にして、光源構成200’を動かすおよび/または制御することができる。
【0045】
入射開口部と出射開口部は単一開口部により設けることができるので、図3の実施形態は一組の入射光路光学素子223の出射開口部と、一組の出射光路光学素子の入射開口部および/または照射スポット224および/または励起蛍光体スポットとをアライメントする必要がないという点で好ましい。
【0046】
図4には、本発明の様々な例示的実施形態によるさらに別の実施形態の蛍光体ベース高輝度光源構成200’’を示す。図4では、図2、図3のものと同一または類似の要素には同一または類似の参照番号が付される。図4の構成200’’は、図示の実施形態の出射光L2にアライメントされる可動部材202が光源構成200’’の光学軸にほぼ垂直に延びる軸207’を中心として回転するように構成されるという点で図3の構成200’とは異なる。本実施形態では、発光蛍光体領域210はほぼ円盤状の可動部材202の「縁」(幅「W」を有する)上でかつそれに沿って設けられる。
【0047】
入射および出射光路は、図3の実施形態における同様の素子の動作についての先の説明から類推によって把握され、ここではさらに説明する必要はない。図3の実施形態と同様に、可動要素202あるいはその中またはその上に含まれる表面は先に説明された理由のために入射光L1と出射光L2をほぼ反射する材料で作られることが好ましい。
【0048】
図4に示す実施形態は、大面積の発光蛍光体領域を可動要素202の縁上に設けることができ、そして幅Wの方向に沿った比較的小さな動きだけにより全領域を照射スポットに位置付けることができるという点で好ましいかもしれない。したがって、図2および/または図3を参照して説明したものとの比較では、動作制御システムは単純化されてさらにコンパクトかつ経済的にすることができる。様々な実施形態および/またはアプリケーションでは、動作中、光源制御装置218は、照射スポット224を横切る発光蛍光体領域210の2.5m/s、5m/s、7.5m/s、10m/s、または50m/s以上の少なくとも1つの表面速度を与えるように可動部材ロータリーアクチュエータ206を動作させる。可動部材アクチュエータ204がリニアアクチュエータ208を含む図示の実施形態では、リニアアクチュエータ208は幅Wの方向に沿って円盤状の可動部材202を照射スポット224に対し直線的に移動させるように構成され制御される。したがって、一般には、照射スポット224は、円盤状の可動部材202の縁との間の任意の場所でほぼ円形および/または螺旋状の経路に沿って発光蛍光体領域210を横切ることができる。いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータ208を省略することができ、発光蛍光体領域210に沿って単一トラックを使用することができる。いずれにせよ、照射スポット224に対する発光蛍光体領域210の相対運動により発光蛍光体領域210が高輝度光を持続的に発生できるようにし、これにより望ましくない消光と光退色を回避する一方で、長寿命にわたって高輝度ストローブ周期(例えば50μs程度または33μs程度またはそれ以下の露光時間)を支持する。
【0049】
いくつかの実施形態では、発光蛍光体領域210の任意の部分が入射光に一回だけ露光されるように、照射スポット224はほぼ螺旋状の経路に沿って発光蛍光体領域210を横切ることができる。他の実施形態では、ほぼ螺旋状の経路を制御回数(サイクル数)だけ横切ることができる。さらに他の実施形態では、照射スポット224が幅Wの一方の端部に近い円形経路に沿って発光蛍光体領域210を制御回数(サイクル数)だけ横切るように、ロータリーアクチュエータ206は円盤状の可動部材202を回転させることができる。このとき、リニアアクチュエータ208は、照射スポット224が幅Wに沿って移動されるように可動部材202を移動することができる。その後、照射スポット224が前述の円形経路からずれた新しい円形経路に沿って(幅Wに沿って)発光蛍光体領域210を制御回数だけ横切るように、ロータリーアクチュエータ206は可動部材202を回転させることができる。この処理は、必要に応じ、結果として生じる円形経路が幅全体Wをカバーするまで光源の寿命まで繰り返されてよい。
【0050】
図5には、本発明の様々な例示的実施形態による光源構成を動作させる際になされるべきいくつかの考察を示す。簡潔には、図5には、発光蛍光体領域510を含む可動部材の移動基板部502と、ファイバ端514を有する光ファイバ512bとを示す。図5に示すように、ファイバ端514は有効開口径DAを有する。明確にするために、移動基板部502にほぼ垂直な角度の小範囲内の光線だけを以下に図示し説明する。本発明による光源構成では追加の光線が動作可能であることは当業者により把握されるべきである。しかしながら、本発明の様々な例示的実施形態による光源構成の基本的動作および設計考察点は、図示され説明される光線の考察により理解することができる。
【0051】
動作中、ファイバ端514はレーザーダイオード、LED(図示せず)などの光源から光ファイバ512bを通って伝った入射光L1の出射開口部を提供する。入射光L1は、時刻t0に、放射光出射結合領域516の中心に位置する照射スポット524における発光蛍光体領域510に到達する。図5に示す実施形態では、光ファイバ512bの特性(例えば、開口径DAと受光角ACCEPT)は、ファイバ端514と発光蛍光体領域510間の隔離距離SOと組み合わせて、照射スポット524と放射光出射結合領域516の寸法を決定する。図示の実施形態では、放射光出射結合領域516は、ファイバ端514に実際に結合される放射光(例えば出射光L2)を生成する領域である。照射スポット524の直径DSと放射光出射結合領域516の直径DRは、この特定の実施形態ではほぼ同じ(例えば、[DA+2×SO×tan(ACCEPT)]程度)であってよい。また図5に示すのは、励起蛍光体スポット528および関連する励起蛍光体トラックEPT(励起蛍光体スポット528はこれに沿って動く)である。発光蛍光体領域510は照射スポット524の直径DSより大きい励起蛍光体直径DEPを呈してよいが、様々な設計および動作考察点をより単純かつ明確に説明する目的のために、ここでは励起蛍光体直径DEPが放射光出射結合領域516の直径DRよりあまり大きくないと仮定する。発光蛍光体領域510は時刻t0に照射され「瞬間的に」放射面位置ESL(t0)から出射光540を放射し始めるということも仮定する。これらの仮定はあくまでも便宜上のものであり、本発明はこれらの仮定に限定されないというべきである。これらの仮定によると、図5には、時刻t0に照射スポット524上の中心にある励起蛍光体スポット528に一致する放射面位置ESL(t0)と、放射面位置ESLが励起蛍光体トラックEPTに沿って進むにつれて時間Δtが経過した後のこの特定の励起蛍光体スポット528の対応する移動された放射面位置ESL(t0+Δt)と、を示す。移動基板部502が速度vで図示のように動けば、移動された放射面位置ESL(t0+Δt)は初期の放射面位置ESL(t0)に対し変位d(Δt)=(v×Δt)に存在することが把握される。
【0052】
説明の目的のために、図5は、一般的時刻tに放射面位置ESL(t)に存在する特定の励起蛍光体スポット528が3つの代表的な光寄与領域CRlow、CRmed、CRhighを含むということを示す。すべての光寄与領域、CRlow、CRmed、CRhighは時刻t0にファイバ端514に入射し得る出射光540を供給するものである。その後、発光蛍光体領域510がΔtより長い放射時間にわたって光を放射したと仮定すると、光寄与領域CRlowは放射光出射結合領域域516から外れて、ファイバ端514に入射する出射光L2への著しい寄与をやめるように光移動基板部502の運動方向に沿ってファイバ端514から離れた変位に到達する最初の領域となる。その後しばらくして、光寄与領域CRmedはファイバ端514から離れた同様な変位であって移動基板部502の運動方向に沿った放射光出射結合領域516の外側の同様な変位に到達し、したがって光寄与領域CRmedもまたファイバ端514に入射する出射光L2への著しい寄与をやめる。最後に、光寄与領域CRhighはファイバ端514と放射光出射結合領域516を横切ることを終了するとともに(図5に示す期間Δt後のある時点で)、ファイバ端514に入射する出射光L2への著しい寄与をやめるように変位に到達する。
【0053】
上に概説された単純モデルを使用すると、t0後の任意の時刻tにファイバ端514に入射する出射光L2は、放射面位置ESL(t)と放射光出射結合領域516とのオーバーラップ領域であるクロスハッチ領域550にほぼ比例する。DEPはDRとあまり異なっておらず、発光蛍光体領域510は(DR/v)および/または(DEP/v)より長い放射時間にわたって光を放射すると仮定すると、クロスハッチ領域550の時間積分は、時間とともに発光蛍光体領域510からファイバ端514に入射される光エネルギーにほぼ比例する。
【0054】
しかしながら、発光蛍光体領域510からファイバ端514に入射される光エネルギーの比率を最大化することに関し複数の動作考察事項が存在する。一考察によると、発光蛍光体領域510は、出射光540のすべてまたは大部分がファイバ端514に近接した放射光出射結合領域516内に放射される(例えば、放射光出射結合領域516から放射面位置ESL(t)が離される前に)ように、(DR/v)より短い放射時間にわたって光を放射することが望ましい。しかしながら、別の考察によると、ファイバ端514に入射される光源エネルギーの望ましい比率は、極めて高くなければならず、かつ本発明による光源構成により、蛍光体領域の一般的な放射時間より著しく長い(例えば、400ns程度の典型的な放射時間より長い)時間にわたって維持されなければならない。さらに、蛍光体領域は「疲労」または急冷するかもしれず、その本来の効率で再び光を放射するように照射され得る前にある回復時間を必要とするかもしれない。例えば、その初期の放射時間中の追加の照射は全く非効率かもしれない。したがって、この考察によると、発光蛍光体領域510からファイバ端514へ入射される高い持続速度の光源エネルギーに関し、発光蛍光体領域510の新しい部分が照射スポット524に位置し、ファイバ端514への入射のために新しくかつ効率的な放射光源を供給するように照射されるように、例えば概して蛍光体領域の放射時間程度の時間後に放射面位置ESL(t)(例えば励起蛍光体スポット528)をファイバ端514から離すことが望ましい。
【0055】
上に概説された所望条件はある程度相反するものであり、これらは互いにバランスがとれていなければならないということが分かる。実際上、放射面位置ESL(t)がほぼDEP/2および/またはDR/2だけ移動した後、オーバーラップ領域550はある増加率で減少し始める。したがって、ほぼTE(通常は50〜400ns)の蛍光体領域放射時間(すなわち減衰時間)が与えられると、ほぼDEP/TE〜DEP/(2×TE)またはDR/TE〜DR/(2×TE)程度などの速度で蛍光体領域を動かすことがいくつかの実施形態では望ましいかもしれない。このような場合、放射面位置ESL(t)から利用可能な放射光の大部分はファイバ端514へ入射され、同時に発光蛍光体領域510の新しい部分は照射スポット524の多くを埋めるように配置されてよい。いくつかの実施形態では、照射スポット524は連続的に照射されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、レーザーダイオードパワーも効率的に使用しながらファイバ端514に入射される高い持続速度の放射光を維持するために、TE程度の照射サイクル時間間隔で短いパルスの光で(例えば、TEの半分またはそれ以下などのTEより著しく短いパルス幅を使用することにより)照射スポット524を照射することが好ましいかもしれない。当然ながら、いくつかの実施形態では、より良好なエネルギー効率のためにあるいはより高い放射光エネルギー入射速度を実現するために、より遅いまたは速い運動速度が適切な照射速度(例えば、適切な照射ストローブ速度、または連続照射)でそれぞれ使用されてもよい。したがって、先の動作条件提案は単に例示であって限定するものではない。いずれにせよ、図5に示す光源構成は比較的高いパワーレベルで高輝度光を小スペースの光ファイバ端に経済的に結合するのに特に好都合である。この点に関し1つの重要な特徴は、このような小領域においてこのような高い光強度とパワーレベルで、本来であれば蛍光体領域に生じるであろう放射光の消光を回避するために、発光蛍光体領域が照射スポット524において高速度でリフレッシュされるように動かされるということである。別の重要な特徴およびいくつかの実施形態は、ファイバ端514が単純な光学素子により(あるいは光学素子無しで)小スペースにおいて(例えば、極めて短い光路に沿って)励起蛍光体スポット528からの光の比較的大部分を受光するようにさらにファイバ端514に近接して配置される小さな照射スポット524と小さな励起蛍光体スポット528の両方に、光エネルギーが高度に集中されるということである。
【0056】
図6は本発明による光源構成600の図である。図1〜5の2XX、3XXおよび/または5XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図6の6XX系の数字は、特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、光源構成600の動作は、先の図の説明から類推することによってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。具体的には、図6には、先に説明された実施形態とは異なる蛍光体サブ領域を含む光パワー感知装置と可動部材602を示す。先の実施形態と同様に、可動部材602は可動部材602の面にほぼ垂直に延びる軸607を中心として回転可能なディスクの形式をとってよい。しかしながら、図6に示す実施形態では、発光蛍光体領域610は、入射光源612からの入射光L1により照射されるとそれぞれが固有ピーク波長を有する「帯域制限された」出射光L2’を放射する、異なる蛍光体組成物を有してよい複数の発光蛍光体サブ領域610−Xを含む。図7と図8を参照して以下にさらに詳細に説明されるように、蛍光体サブ領域610−Xは、可動部材602の周囲にリング(例えば、図6に示す代表的なサブ領域610−1、610−2および610−3により示される)または同心リングのセグメントなどの所望のパターンで構成されてよい。
【0057】
光源構成600はさらに、ビームスプリッタ615とパワーセンサ617とを含む光パワー感知装置を含む。動作中、ビームスプリッタ615は、出射光L2’の一部を、信号線643により光源制御装置618に接続され得るパワーセンサ617に反射する。光源制御装置618は、パワーセンサ617からの信号に基づいて出射光L2’のパワーを監視するとともに入射光源612への電力を調整し、これにより入射光L1と出射光L2’のパワーを閉ループで制御する(例えば、入力電源における電位変動および/または可動部材602の揺らぎなどの光路変動などにもかかわらず所望のパワーレベルで出射光を供給するために)ように構成されてよい。1つのアプリケーションでは、光源構成600は、図1に示すクロマティックポイントセンサ100などのホストシステムにおける自動利得調整の目的のために入射光L1と出射光L2’のパワーを調節する(クロマティックポイントセンサ100において正規化および/または校正された光レベルおよび/または信号を供給することを含んでよい)。より一般には、このような閉ループ制御は、蛍光体サブ領域(例えば、サブ領域610−1、610−2および610−3)が異なる蛍光体組成物または混合物(異なる光学的蛍光効率を有し得る)を含む場合、特に好ましいかもしれない。このような閉ループ制御は、各サブ領域から同じ(またはサブ領域間で特定の比などの)出射光パワーを供給するように入力電源を調節できるようにする。
【0058】
動作中、図2および/または図5を参照し説明した方法を用いて発光蛍光体領域610のサブ領域を照射することができる。しかしながら、図示の実施形態では、それぞれの発光蛍光体サブ領域610−Xは異なるそれぞれのピーク波長を有し、所与の時点で複数の異なる発光蛍光体領域610−Xの1つだけが照射されるとともに光出射結合領域616とオーバーラップするので、光源構成600により出射された特定の波長を判断するために入射光L1のタイミングと期間を制御してよい。入射光L1のタイミングと期間を制御する様々な方法については、図7Aと図7Bを参照して以下にさらに詳細に説明する。
【0059】
図7Aは、本発明による光源構成において可動部材702上に含まれる第1の多波長蛍光体領域構成710の図700である。図7Bは、可動部材702上の第1の多波長蛍光体領域構成710の斜視側面図を示す図700’である。図6の6XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図7の7XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、多波長蛍光体領域構成710の動作は先の図の説明から類推すれば、ほぼ把握され、その構成と動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。多波長蛍光体領域構成710を含む可動部材702は、先に説明した可動部材(例えば、図2、図3または図6に示す可動部材)で置き換えることができる。
【0060】
多波長蛍光体領域構成710は、可動部材702の周囲にリングのセグメントとして配置された発光蛍光体サブ領域(または組成物)710−1、710−2、710−3、710−4、710−5および710−6を含む。一実施形態では、サブ領域710−Xのそれぞれ(例えば、サブ領域710−1、710−2など)は、入射光により照射されると固有ピーク波長λX(例えば、λ1、λ2など)を有する帯域制限された出射光を生成するように構成される。しかしながら、別の実施形態では、サブ領域710−Xの少なくとも1つは広帯域出射光を放射する蛍光体混合物または組成物を含むことができる。図7Aに示すように、発光蛍光体サブ領域710−1、710−2、710−3、710−4、710−5および710−6はそれぞれ角度範囲AR1=(θmaxλ1−θminλ1)、AR2=(θmaxλ2−θminλ2)、AR3=(θmaxλ3−θminλ3)、AR4=(θmaxλ4−θminλ4)、AR5=(θmaxλ5−θminλ5)およびAR6=(θmaxλ6−θminλ6)をその中に含む。図7Aと図7Bに示す特定の実施形態では、サブ領域710−Xは蛍光体無し部分PFにより分離される。しかしながら、他の実施形態では蛍光体サブ領域710−Xは相互に隣接してよい。
【0061】
可動部材702の位置に関連した照射スポット724におけるパワーの制御と同期に依存して、多波長蛍光体領域構成710から様々な波長または波長の組み合わせを出射することができるものである。サブ領域710−X(例えば、固有ピーク波長λXを有する制限されたまたは「単一帯域」出射光)の単一サブ領域から出射光を供給する第1の制御および同期方法によると、入射光源は、可動部材が回転されると照射スポット724がサブ領域710−Xの対応する角度範囲ARX内のある位置と一致する場合だけ照射スポット724においてパワーを供給するように制御される。一制御方法では、ホストシステムの単一サンプリングまたは撮像期間に関連する照射パワー要件を満たすために、光源は単一の帯域光が可動部材の単一回転中に出射されるように制御される。別の制御方法では、光源は、単一帯域光が可動部材の複数の回転のそれぞれの期間に出力されるように照射スポット724に反復パルスパワーを供給するように制御され、そして複数の回転中に供給される電力が、ホストシステムの単一サンプリングまたは撮像期間に関連する照射パワー要件を満たすために積分される。別の制御方法では、複数の異なるサブ領域710−Xのそれぞれに対応する先に概説された動作を繰り返すことにより、複数の異なる単一帯域スペクトルを出射光に連続して供給することができる。複数の異なる単一帯域スペクトルにより供給される出射光がホストシステムの単一サンプリングまたは撮像期間に関連する照射パワー要件を満たすために積分されると出射光スペクトルはそのサンプリングまたは撮像期間中の異なる単一帯域スペクトルの組み合わせを効果的に含むものである。
【0062】
様々な実施形態では、多波長蛍光体領域構成710が角速度ω(例えば、単一の利用可能な角速度として、またはある範囲の制御可能角速度の1つとして)で可動部材702を回転させる能力を含む光源と共に使用されると、ARX/ω未満であるパルス持続時間TXの間入射光L1をパルス化する能力を提供しかつ、照射スポット724がそのサブ領域710−X’内に入るように入射光L1を同期させることにより、任意のそれぞれのサブ領域710−Xから単一帯域光を供給することができる。
【0063】
一実施形態では、固有ピーク波長λ1、λ2、λ3、λ4、λ5およびλ6は、約448nm、492nm、558nm、571nm、620nmおよび652nmの値をそれぞれ有してよい。それらのスペクトルの半値帯域幅はそれぞれ約53nm、97nm、104nm、74nmおよび85nmであってよい。これらの値を生じることができる例示的蛍光体材料は、Phosphortech Inc. (Lithia Springs, GA USA)などの市販供給源から入手可能である。このような材料の例示的組成物は、米国特許第7,111,921号に開示されている。
【0064】
図8Aは、本発明による光源構成における可動部材802上に含まれる第2の多波長蛍光体領域構成810の図800である。図8Bは、可動部材802上に含まれる第2の多波長蛍光体領域構成810の斜視側面図800’を示す図800’である。図6の6XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図8の8XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、多波長蛍光体領域構成810の動作は、先の図の説明からの類推によってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。多波長蛍光体領域構成810を含む可動部材802は、先に説明した可動部材(例えば、図2、図3または図6に示す可動部材)で置き換えることができる。
【0065】
図7Aと図7Bを参照して先に概説されたサブ領域710−Xに使用されたリングセグメントのパターンとは対照的に、多波長蛍光体領域構成810は、可動部材802上の同心リングまたはトラックとして配置された蛍光体サブ領域(または組成物)810−1、810−2、810−3、810−4、810−5および810−6を含む。一実施形態では、サブ領域810−Xのそれぞれ(例えば、サブ領域810−1、810−2など)は、入射光により照射されると固有ピーク波長λX(例えば、λ1、λ2など)を有する帯域制限された出射光を生成するように構成される。しかしながら、別の実施形態では、サブ領域810−Xの少なくとも1つは広帯域出射光を放射する蛍光体混合物または組成物を含むことができる。図8Aに示すように、発光蛍光体サブ領域810−1、810−2、810−3、810−4、810−5、および810−6はそれぞれ、サブ領域リングまたはトラック幅SRW1、SRW2、SRW3、SRW4、SRW5およびSRW6をその中に含む。図8Aと図8Bに示す特定の実施形態では、サブ領域810−Xは蛍光体無し部分PFにより分離される。しかしながら、他の実施形態では蛍光体サブ領域810−Xは相互に隣接してもよい。さらに、様々なサブ領域810−Xはほぼ等しい幅SRWXで図示されるが、他の実施形態ではサブ領域810−Xはほぼ等しい面積または他の所望のパターン関係を与える幅で構成されてよい。一実施形態では、「等面積」構成は、例えば様々なサブ領域において同様な光退色寿命を与えるために、適切に制御された照射スポット位置またはトラックと共に使用されてもよい。
【0066】
蛍光体領域構成710と同様に、可動部材802の位置と関連した照射スポット824におけるパワーの制御と同期に依存して、多波長蛍光体領域構成810から様々な波長または波長の組み合わせを出力することができる。しかしながら、本実施形態では、出射光波長の判断に関係する同期と制御は、回転角よりむしろ照射スポットの半径方向位置を制御する(例えば、図2を参照して先に概要を述べたようにリニアアクチュエータ208により制御されるように)。サブ領域810−Xのうちの単一領域(例えば、制限されたまたは固有ピーク波長λXを有する「単一帯域」出射光)から出射光を供給する第1の制御および同期方法によると、入射光源は、照射スポット824がサブ領域810−Xの対応するサブ領域幅SRWX内の位置と一致する場合だけ、照射スポット824にパワーを供給するように制御される。蛍光体領域構成810は、可動部材802の回転の一部および/または任意の回転数のいずれかに対し固有ピーク波長λXを有する光を連続的に出射することができるという点で蛍光体領域構成710より好ましい。しかしながら、欠点は、異なる単一帯域の波長間の切り替えが可動部材802または照射スポット824の半径方向運動により実現されるということであり、これは蛍光体領域構成710と共に使用することができる波長切り替え方法より遅いかもしれない。図9には、この欠点を緩和することができる実施形態を示す。
【0067】
図9は、本発明による光源構成900の図である。図6の6XX系の数字または図8Aおよび8Bの8XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図9の9XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、光源構成900の動作は、先の図の説明からの類推によってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。
【0068】
一般には、光源構成900は、発光蛍光体領域910から2つの異なる出射光を生じさせる2つの異なる入射光を供給するための手段を含む。具体的には、図9に示す実施形態では、第1の光源912Aは、出射光L2Aを放射する照射スポット924Aにおいて、発光蛍光体サブ領域910−1、910−2および910−3の1つ(例えばサブ領域910−1)を入射光L1Aで照射するように構成され、第2の光源912Bは、出射光L2Bを放射する照射スポット924Bにおいて、蛍光体サブ領域910−1、910−2および910−3の1つ(例えばサブ領域910−2)を入射光L1Bで照射するように構成される。入射光および出射光の各場合に関連する動作は同様であって、先の図の同様の素子の説明からの類推によって把握される。図9に示す実施形態では、光源912Aは蛍光体サブ領域910−1を照射し、第2の光源912Bは蛍光体サブ領域910−2を照射する。可動部材902は図8Aと図8Bの可動部材802と類似であってよく、サブ領域910−1、910−2、910−3は、先に概要を述べたように、異なるピーク波長を有する光のそれぞれの単一帯域スペクトルを放射する、異なる蛍光体組成物を含むことができる。したがって、光源構成900は半径方向運動を必要とせずに(例えば、リニアアクチュエータ908を使用せずに)異なるサブ領域から出射光L2AとL2Bを好ましくは供給することができる。これは、アクティブな入射を入射光源912Aから912Bへまたはその逆に切り替えることにより急速に光の波長を切り替えることができる。いくつかの実施形態では、所望の合成スペクトルプロフィールを生成するために出射光L2Aと出射光L2Bを同時照射により合成することができる。パワーセンサ917Aと917Bからの信号は、所望のレベルおよび/または所望の関係に従って、関連する出射光L2AとL2Bのパワーを制御するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、出射光L2Aと出射光L2Bは同じスペクトルを有してよく、ホストシステム光アプリケーション920’に供給されるパワーを増加させる目的のために組み合わせられてよい。他の実施形態では、3つ以上の出射光が異なる蛍光体サブ領域から供給されるように、追加の異なる入射光と出射光を供給することができる。他の実施形態では、個別の光学チャネルまたはファイバ(図示せず)を介し2つ以上の異なる出射光をホストシステム光アプリケーション920’に供給することができる。
【0069】
図10は、複数の入射光源と光ファイバ束1012’の入射端への入射のために集められる出射光を反射する集光鏡1028とを含む本発明による光源構成1000の図である。図9の9XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図10の10XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、光源構成1000の動作は、先の図の説明からの類推によってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。
【0070】
簡潔には、光源構成1000と光源構成900および/または他の前述の実施形態との主な違いは光源構成1000が集光鏡1028を含むということであり、出射光路1020は単一の光ファイバまたは図10に示すファイバ束1012’のいずれかを含んでよい。先に概要を述べたように、集光鏡1028は、放射光出射結合領域1016Aと1016Bから様々な方向に放射される出射光を集めるとともに入射される出射光を反射し光ファイバ束1012’に集光するように構成される。したがって、この構成は、前述のいくつかの実施形態との比較では、浪費される蛍光体放射光および/または電力を低減することができる。図10に示す特定の実施形態では、出射光はレンズ1022に集光され、レンズ1022はさらにこの光を光ファイバ束1012’の入射端に集束させる。しかしながら、他の実施形態ではレンズ1022は省略されてもよい。ファイバ束1012’は単一光ファイバより大きな入射端を提供することができ、出射光をファイバ束1012’内に集めるのをより容易にできることが分かる。また、ファイバ束1012’の出射(図示せず)は、必要に応じ複数の照射出射チャネルに容易に細分化することができる。集光鏡1028は図10に概略的に示される。実際上、可動部材1002だけでなく様々な光源とそれらの光路に対するアクセスまたはクリアランスは、集光鏡1028内のスロットなどにより与えられてもよい。集光鏡と出射光路要素は、必要に応じ、可動部材1002に対し図示されたものと異なって配向されてもよい。
【0071】
一実施形態では、集光鏡装置1028は、楕円面の第1の焦点に近接した位置の放射光出射結合領域1016A、1016Bを有する楕円形状の一部と楕円面の第2の焦点に近接した位置の光ファイバ束1012’の入射端とに追随するように、成形され配置されてよい。動作中、出射光L2A、L2Bは放射光出射結合領域1016A、1016Bから放射するので、楕円状集光鏡装置1028は効率的な集光装置でもって出射光L2A、L2Bを光ファイバ束1012’の入射端上に反射し集束させることができる。別の実施形態では、集光鏡は、照射スポットの像を出射光路光学素子の入射開口部へ転送するように配置された軸外し放物面鏡を含む。所望の倍率(例えば、小型システムおよび/または単独出射ファイバに対しては1の倍率、または出射ファイバ束に対しては10の倍率)で照射スポットを形成するように様々な異なる集光鏡を構成することができる。いずれにせよ、集光鏡は、可動部材から放射された光の大部分が入射開口部を通して集められ導かれるようにする。
【0072】
いくつかの実施形態では、照射スポット1024Aと1024B間の分離距離(例えば中心間距離)は、放射光出射結合領域1016Aと1016Bが互いに隣接して配置されるように短くされる。このような実施形態では、集光鏡1028は、放射光出射結合領域1016Aと1016Bの両方から光を効率的に集めて集光することができる。いくつかの好ましい実施形態では、分離距離は最大でも500ミクロン、250ミクロン、またはそれ以下であってもよい。集光鏡装置は本明細書に開示された他の様々な実施形態の特徴と組み合わせられてもよい。例えば、ファイバ束1012’は単一ファイバで置き換えてもよい、および/または3つ以上または1つ以下の入射光源が使用されてもよい。したがって、図10に示す実施形態は単に例示であって、限定するものではない。
【0073】
図11は、出射光L2’を受光するための複数の光ファイバ端を含む多重ファイバ集光装置1113を含む本発明による光源構成1100の図である。図6の6XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図11の11XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、光源構成1100の動作は、先の図の説明からの類推によってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。
【0074】
簡潔には、多重ファイバ集光装置1113は、放射光出射結合領域1116から様々な方向に放射される出射光L2’を受光するように構成された複数の光ファイバ端を含み、複数の光ファイバを介しこの光を出射光ファイバ1112に結合する。したがって、光源構成1000と同様に、この構成は、前述のいくつかの他の実施形態との比較では、浪費される蛍光体放射光および/または電力を低減することができる。多重ファイバ光収集配置1113は図11に概略的に示される。実際上、多重ファイバ光収集配置1113は必要に応じ、可動部材1002に対し図示されたものと異なって構成および/または配向されてよい。あるいは、多重ファイバ束(例えば、ぎっしり詰まった多数の光ファイバを含む)の端は同様な機能を与えるように構成されてよい。このようなファイバ束は、複数のファイバからの光をホストシステム光アプリケーション1120’への出射のためのよりコンパクトなファイバまたは一組のファイバ内に合成するために、先細にされるおよび/またはその出射端に近接して融合されてよい。多重ファイバ集光装置は、必要に応じ、本明細書に開示された他の様々な実施形態の特徴と組み合わせられてもよいものである。したがって、図11に示す実施形態は単に例示であって、限定するものではない。
【0075】
本発明の様々な例示的実施形態について図示し説明してきたが、図示され説明された特徴の配置と動作の順序における多くの変形は本開示に基づき当業者には明らかであろう。例えば、可動部材202の形状および/または構成は軸の回りを回転するディスクに制限されず、軸のまわりを回転できる他の任意の形状および/または入出射光位置に対して直線的に移動させることができる(例えば、往復運動する可動部材)他の任意の形状を含むことができる。別の例として、発光蛍光体領域の様々な実施形態は光の合成波長および/または広帯域光を生成するのに好適であるが、いくつかの実施形態では光の合成波長および/または広帯域光のある部分は、UV、青色、緑色、赤色または近赤外線LEDなどの入射光源212とは異なる別の光源からの光から発生させてもよいし、あるいはそれらにより補足されてもよい。このような光は、公知の技術による(例えば、光ファイバ結合器などを使用することによる)蛍光体領域により放射される光と組み合わせられてもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、より高い輝度を経済的に実現するために、複数の入射光源(例えば複数のダイオードレーザー)が、放射光出射結合領域に対し固定された隣接するまたはオーバーラップする照射スポットにおいて発光蛍光体領域を照射するように構成されてもよい。さらに、先に概説した様々な例示的寸法は小さな光ファイバ径、コンパクトな構造および極めて短いパルス持続時間の恩恵を受けるシステムに特に好適である。しかしながら、他の実施形態では、ファイバ端はより大きな直径(例えば250〜2000ミクロン程度)を有してもよく、照射スポットはより大きな直径(例えば10〜2000ミクロン程度)を有してもよい。発光蛍光体領域は、照射スポットより大きくかつそれを囲む励起蛍光体スポット(例えば、150〜2000+ミクロンの励起スポット径を有する)から光を放射してもよい。照射スポットおよび/または一組の出射光路光学素子の入射開口部(例えば、集光光学レンズまたは出射ファイバ端により定義される開口部)に最も近い放射光出射結合領域の部分からの距離は、2ミリメートル、1ミリメートル程度、またはそれ以下に設定されてよい。しかしながら、他のシステムは先に概説されたもの以外の寸法を使用してもよい。さらに、パルス照射動作について強調されてきたが、様々な実施形態においては連続照射が行われてもよい。したがって、本明細書における教示による様々な変更は本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく先に概説された様々な特定の実施形態に対しなし得るということが理解される。
【符号の説明】
【0076】
100・・・クロマティックポイントセンサ、105・・・入射/出射光ファイバサブアセンブリ、108・・・光ファイバコネクタ、110・・・取り付け用ねじ、112・・・光ファイバケーブル、112A、112B・・・光ファイバ、112A’・・・光ファイバ、120・・・光学ペン、120’・・・ホストシステム光アプリケーション、130・・・筐体、150・・・光学系部、160・・・電子部分、161・・・光ファイバ結合器、162・・・波長検出器、163・・・検出器アレイ、164・・・光源、166・・・信号処理装置、166’・・・ホストシステム制御装置、168・・・メモリ部、180・・・取り付け用素子、190・・・加工物表面、195・・・開口部、200、200’、200’’・・・光源構成、202・・・可動部材、204・・・可動部材アクチュエータ、206・・・ロータリーアクチュエータ、207・・・軸、208・・・リニアアクチュエータ、210・・・発光蛍光体領域、212・・・入射光源、214、214’・・・ファイバ端、216・・・放射光出射結合領域、218・・・光源制御装置、219、222・・・焦点光学系、220・・・出射光路光学素子、222’・・・オプションレンズ、223・・・レンズ、224・・・照射スポット、240、241・・・信号線、242・・・電力および/または信号線、245・・・信号線、312a、312b・・・光ファイバセグメント、317・・・光ファイバ結合器、502・・・移動基板部、510・・・発光蛍光体領域、512b・・・光ファイバ、514・・・ファイバ端、516・・・放射光出射結合領域、524・・・照射スポット、528・・・励起蛍光体スポット、540・・・出射光、550・・・クロスハッチ領域、600・・・光源構成、602・・・可動部材、610・・・発光蛍光体領域、610−X、610−1、610−2、610−3・・・蛍光体サブ領域、612・・・入射光源、615・・・ビームスプリッタ、616・・・光出射結合領域、617・・・パワーセンサ、618・・・光源制御装置、643・・・信号線、702・・・可動部材、710・・・多波長蛍光体領域構成、710−X、710−X’、710−1、710−2、710−3、710−4、710−5、710−6・・・蛍光体サブ領域、724・・・照射スポット、800、800’・・・図、802・・・可動部材、810・・・多波長蛍光体領域構成、810−X、810−1、810−2、810−3、810−4、810−5、810−6・・・蛍光体サブ領域、824・・・照射スポット、900・・・光源構成、908・・・リニアアクチュエータ、910・・・発光蛍光体領域、910−1、910−2、910−3・・・蛍光体サブ領域、912A・・・第1の光源、912B・・・第2の光源、917A、917B・・・パワーセンサ、920’・・・ホストシステム光アプリケーション、924A、924B・・・照射スポット、1000・・・光源構成、1012’・・・光ファイバ束、1016A,1016B・・・放射光出射結合領域、1020・・・出射光路、1022・・・レンズ、1028・・・集光鏡、1100・・・光源構成、1112・・・出射光ファイバ、1113・・・多重ファイバ集光装置、1116・・・放射光出射結合領域、1120’・・・ホストシステム光アプリケーション、CRlow、CRmed、CRhigh・・・光寄与領域、ESL・・・放射面位置、EPT・・・励起蛍光体トラック、L1、L1A、L1B・・・入射光、L2、L2A、L2B、L2’・・・出射光、LR1、LR2・・・限界光線、λX、λ1、λ2・・・固有ピーク波長
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には光源に関し、より詳細にはクロマティックポイントセンサ(chromatic point sensor)などの精密測定計器の使用に好適な高輝度で安定した広帯域および/または多波長の光源に関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度広帯域光源の様々な用途は知られている。例えば、光学的高さセンサにおいてクロマティック共焦点技術によりこのような光源を使用することは知られている。米国特許出願公開第2006/0109483号に記載されるような光学的高さセンサにおいては、焦点までの軸方向距離が波長に伴って変化するように広帯域光源の焦点を合わせるために、軸方向色収差(軸方向または縦方向色分散とも呼ばれる)を有する光学素子を使用することができる。したがって、1つの波長だけが表面上に正確に焦点を合わせられることになり、焦点素子に対する表面高または位置によって、どの波長が最も良く焦点を合わせられるかが決まる。表面から反射すると、光は、ピンホールまたは光ファイバ端などの小さな検出器開口部上に焦点を再び合わせられる。表面から反射し光学系を介し入射/出射ファイバに戻ると、表面上にうまく焦点を合わせられた波長だけがファイバ上にうまく焦点を合わせられる。他のすべての波長はファイバ上に焦点をうまく合わせられないので、ファイバ内にパワーを効率的にカップリングできない。したがってファイバを通って戻る光に関しては、信号レベルは表面高または表面の位置に対応する波長に対して最大となる。分光計型検出器は表面高を判断するために各波長の信号レベルを測定する。
【0003】
ある製造業者らは、上述のように動作し、かつ、工業環境におけるクロマティック共焦点測距に好適な実用的でコンパクトなシステムをクロマティックポイントセンサ(CPS:chromatic point sensor)と呼ぶ。このようなシステムと共に使用されるコンパクトな色分散光学アセンブリ(chromatically dispersive optical assembly)は「光学ペン」と呼ばれる。光学ペンは光ファイバを介しCPSの電装部に接続される。電装部は光学ペンから出射される光を、ファイバを介し送り、戻り光を検知し解析する分光計を提供する。
【0004】
公知の実施形態では、連続波キセノンアーク灯が、通常、30kHz程度の測定速度を有するCPSの高輝度広帯域(例えば白色)光源として使用される。キセノンアーク灯は、CPSのスペクトル範囲、したがって高さ測定範囲をカバーする広帯域光放射を提供する。キセノンアーク灯はまた、約30kHzの測定速度と約33μs(=1/30×10-3)の読み取り時間で良好なS/N比を得るのに十分なエネルギーを有する高輝度光源である。しかしながら、実際のアプリケーションでは、キセノンアーク灯は、望ましいとは言えない寿命およびアーク空間的安定性などのいくつかの望ましくない特性を呈する。アーク動作に伴う光源スペクトル放射の変化によるCPS較正におけるいかなる変動も最小限にするためには、またCPSの停止時間も最小限にするためには、空間的に安定でかつ長寿命の光源が望ましい。さらに、製造される多くの加工物は、異なる反射率特性を有し、したがって異なる輝度で飽和する、複数種の異なる材料を含む。したがってCPS光源は、複数種の異なる材料の測定を可能にするために、CPS測定速度(例えば30kHz)以上の速度で輝度変調され得る(例えば、低輝度から高輝度まで)ことが好ましい。このような高速度光変調は公知のキセノンアーク灯では実際的ではない。同様な光源欠陥はまた、分光計などの他の計器アプリケーションに関連しても見出されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念のうちの選択されたものを単純化された形式で導入するために提供される。本概要は、権利請求される主題の重要な特徴を特定することを目的としておらず、また権利請求される主題の範囲を判断する際の助けとして使用されることを目的としてもいない。
【0006】
本発明の様々な例示的実施形態によると、安定でかつ長寿命を有する高輝度光源構成が提供される。本発明はさらにこのような光源構成を動作させる方法を提供する。様々な例示的実施形態では、高輝度光源構成は、可動部材アクチュエータに取り付けられた可動部材と、可動部材に関連する少なくとも1つの発光蛍光体領域と、放射光出射結合領域に対し固定される照射スポットにおいて発光蛍光体領域を照射するように構成された入射光源と、可動部材アクチュエータと入射光源に作動可能に連結される光源制御装置と、を含む。動作中、入射光源(例えばレーザー)は照射スポットに高輝度入射光を供給し、これにより発光蛍光体領域に、放射光出射結合領域に含まれる励起蛍光体スポットまたはトラックからの高輝度出射光を放射させる。様々な実施形態では、放射光出射結合領域は照射スポットに近接して配置される。同時に、可動部材アクチュエータの動作により、発光蛍光体領域は、放射の消光および蛍光体領域の光退色を低減するように照射スポットに対し連続的に動き、これにより放射光出射結合領域における高光子束からの消光を回避し、また蛍光体領域の寿命、したがって光源構成全体の動作寿命を延ばす。様々な実施形態では、光源はCPSまたは他の精密測定計器の一般的な測定速度以上の速度で変調されてよい。
【0007】
本発明の一態様によると、発光蛍光体領域または可動部材に関連する固有サブ領域が放射光出射結合領域の公称面積の少なくとも数倍の領域にわたって分散される。いくつかの実施形態および/またはアプリケーションでは、光源構成の寿命を望ましいレベルまで延ばすために、各発光蛍光体領域および/またはサブ領域を励起蛍光体スポットまたはトラックおよび/または放射光出射結合領域の面積の少なくとも25倍または50倍以上の領域にわたって分散することが好ましいかもしれない。より厳しいアプリケーションに好適ないくつかの実施形態では、光源構成の寿命を望ましいレベルまで延ばすために、放射光出射結合領域の面積の少なくとも100倍、200倍またはさらに500倍またはそれよりはるかに大きい領域にわたって発光蛍光体領域を分散することが好ましいかもしれない。
【0008】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、入射光源は、比較的大きな照射スポットに対しては少なくとも1ミリワット/mm2、あるいは小さな照射スポットに対しては少なくとも20ミリワット/mm2、あるいはさらに小さな照射スポットに対しては少なくとも2000ミリワット/mm2(いずれもいくつかのアプリケーションにおいて有用なレベルの出射光を放射させるのに十分である)の照射スポットにおける平均輝度を与えるように構成される。さらに厳しいアプリケーション(例えば、非常に短い測定周期などの)では、入射光源は、発光蛍光体領域に望ましいレベルの高輝度出射光を放射させるために、少なくとも200ミリワット/mm2、5000ミリワット/mm2、あるいは比較的小さな照射スポットでは100W/mm2以上の平均輝度を与えるように構成されると好ましいかもしれない。
【0009】
本発明の別の態様によると、光源制御装置は、本光源構成を使用する測定器の露光時間または測定周期(例えば、最大でも50マイクロ秒、33マイクロ秒などのパルス持続時間)に対応することができる少なくとも1つの短いパルス持続時間を有する入射光源を動作させるように構成される。本発明の別の態様によると、光源制御装置は、パルスまたは周期的出力を有する入射光源を動作させる(パルスまたは周期的出力の振幅制御または変調(例えば、正弦波、三角波、台形波振幅変調など)を含む)ように構成されてよい。
【0010】
本発明の別の態様によると、様々な実施形態および/またはアプリケーションでは、光源制御装置は、照射スポットと放射光出射結合領域にわたる発光蛍光体領域の少なくとも1つの速度(少なくとも2.5m/s、5m/s、7.5m/s、10m/sまたはさらに50m/s以上の速度を含む)を与えるために可動部材アクチュエータを動作させるように構成される。
【0011】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、コンパクトな光源構成を容易にするために、照射スポットは発光蛍光体領域の表面に近接した最大でも150ミクロンの公称スポット径を有してよく、関連する励起蛍光体スポットまたはトラックは最大でも750ミクロンの直径またはトラック幅を有してもよい。他の実施形態では、さらにコンパクトなおよび/または経済的な光源構成を容易にするために、照射スポットは、発光蛍光体領域の表面に近接した最大でも100ミクロン、50ミクロン、またはさらに20ミクロン以下の公称スポット径を有すると好ましいかもしれず、関連する励起蛍光体スポットまたはトラックは、最大でも500ミクロン、300ミクロン、またはさらに200ミクロン以下の直径またはトラック幅を有してもよい。しかしながら、これらの実施形態は例示的であって限定するものではない。本発明の別の態様によると、光源構成は光ファイバを含んでよく、光ファイバの入射開口部は放射光出射結合領域から光を受光するように配置されてよい。本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、光ファイバの入射開口部は、放射光出射結合領域において光を効率的に受光するために、励起蛍光体スポットまたはトラックから最大でも2.0ミリメートル、1.0ミリメートル、あるいは最大でも500ミクロン、または300ミクロン以下の距離に配置されてよい。
【0012】
本発明の別の態様によると、励起蛍光体スポットは直径DEPを有することができ、および/または放射光出射結合領域は直径DRを有することができ、発光蛍光体領域は約TEの放射時間(すなわち、減衰時間)を有することができ、発光蛍光体領域は約DEP/TE〜DEP/(2×TE)の範囲および/またはDR/TE〜DR/(2×TE)などの範囲内で選択された速度で照射スポットを横断してよい。このような場合、放射面位置から利用可能な放射光の大部分を、出射光路の入射開口部に近接して放射することができ、同時に蛍光体領域の新しい部分を、照射スポットの多くを埋めるように配置することができる。
【0013】
本発明の別の態様によると、可動部材に関連する発光蛍光体領域を反射面上に分散することができ、入射光路(例えば光ファイバ)の出射口と出射光路(例えば光ファイバ)の入射開口部は発光蛍光体領域の同じ側に配置される。いくつかの実施形態では、入射光路の出射開口部と出射光路の入射開口部は同じ開口部であってよい。
【0014】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、経済的により高い輝度を実現するために、放射光出射結合領域に対し固定された隣接するまたはオーバーラップする照射スポットにおいて発光蛍光体領域を照射するように複数の入射光源(例えば、複数のダイオードレーザー)を構成することができる。本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、本発明による光源の波長スペクトル出力を増大するために、いくつかの入射光源は、放射光出射結合領域に、あるいは発光蛍光体領域により出射された波長にそれらを追加することができる別の位置にそれぞれの照射波長を直接または間接的に導くように構成されてよい。
【0015】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、可動部材上に含まれる少なくとも1つの発光蛍光体領域は広帯域光を放射する蛍光体材料を含むことができる。本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、光源構成は可動部材の異なる部分に配置された複数のそれぞれの蛍光体サブ領域を含んでよい。蛍光体サブ領域は照射スポットにおいて入射光に応答して異なるそれぞれのピーク波長を有する光を放射する異なるそれぞれの蛍光体材料を含む。光源構成は、複数の発光蛍光体サブ領域のそれぞれが様々な時間に個々に照射されるように、可動部材が照射スポットに対して動かされるように構成されてよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、可動部材は回転軸を中心に回転し、複数のそれぞれの発光蛍光体サブ領域は回転軸からの共通の半径に配置された領域を含むとともに回転軸を中心としたそれぞれの角度範囲をカバーし、したがって可動部材の回転が様々なサブ領域を第1の照射スポットが生じる場所を横切って連続して動かす。他の実施形態では、複数のそれぞれの発光蛍光体サブ領域はそれぞれの同心トラックに沿って配置された領域を含む。
【0017】
本発明の別の態様によると、いくつかの実施形態では、光源構成は、放射光出射結合領域から光を受光するように配置された少なくとも1つの入射開口部を含む一組の出射光路光学素子を含む。いくつかの実施形態では、一組の出射光路光学素子は少なくとも2つの光学出射ファイバと、照射スポットに対し異なる場所に配置された少なくとも2つの入射開口部とを含む。様々な実施形態では、可動部材により放射される光は蛍光体領域またはサブ領域からの固有波長を含むことができる、あるいは所望のスペクトルプロフィールを生成するために複数の蛍光体サブ領域からの光を同時に放射して合成することができる。様々な実施形態では、所望のスペクトルプロフィールを与えるために、光源制御装置は、照射スポットの位置で入射光が特定のそれぞれの発光蛍光体サブ領域または一組のサブ領域の存在と同期して供給されるように時間を制御することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、光源構成は、放射光出射結合領域をほぼ囲むとともに放射光を反射して一組の出射光路光学素子の入射開口部に集光する集光鏡を含む。一実施形態では、集光鏡は、楕円面の一焦点の辺りに照射スポットを有し、楕円面の他の焦点に出射光路光学素子の入射開口部を有するよう位置付けられた楕円面鏡を含む。別の実施形態では、集光鏡は、出射光路光学素子の入射開口部へ照射スポットの像を転送するように配置された軸外し放物面鏡を含む。種々の異なる集光鏡が所望の倍率(例えば、小型システムおよび/または単独出射ファイバに対しては1の倍率、または出射ファイバ束に対しては10の倍率など)で照射スポットを形成するように構成されてもよい。いずれにせよ、集光鏡は、可動部材から放射される光の大部分が入射開口部を通って集められ導かれるようにする。
【0019】
いくつかの実施形態では、発光蛍光体領域またはサブ領域は、1以上の蛍光体材料を含んでもよい。当該蛍光体材料は、例えば、YAG−Ce+ベースの蛍光体、フォトルミネッセンス半導体ナノ粒子もしくはナノ結晶、Q粒子蛍光体(一般に、量子ドットまたは半導体量子ドットと呼ばれる)、酸化亜鉛ナノロッドその他がある。
【0020】
本発明の様々な実施形態は、高輝度光を光ファイバ端に結合するための特にコンパクトで経済的手段を提供するものであることが把握される。このことは、光ファイバの出射端が多くの応用にとってほぼ理想的な(すなわち、非常に小さな寸法を有する)経済的点光源を提供できるという点で、高輝度「理想点源」の恩恵を受ける応用(例えば、CPSアプリケーション、コリメート光プロジェクタなど)において特に価値がある。さらに、様々な実施形態は、点光源から様々なスペクトルを供給する公知の方法に比較して、改良された多用途性と経済性を備えた様々な波長スペクトルを提供することができる。さらに、様々な実施形態は、点光源から様々なパルススペクトルを供給する公知の方法に比較して、改良された多用途性と経済性を備えた様々な波長スペクトルの様々なパルス持続時間を提供することができる。
【0021】
上述の態様と本発明の付随する利点の多くは、添付図面と併せると、以下の詳細な説明を参照することによりさらに良く、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による光源構成を含む例示的クロマティックポイントセンサのブロック線図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による光源構成の図である。
【図3】本発明による光源構成の第2の実施形態の図である。
【図4】本発明による光源構成の第3の実施形態の図である。
【図5】本発明による光源構成を動作させることに関する様々な考察を示す図である。
【図6】本発明による光源構成の第4の実施形態の図である。
【図7A】本発明による光源構成における可動部材上に含まれる第1の多波長蛍光体領域構成を例示する一観点からの関係図である。
【図7B】本発明による光源構成における可動部材上に含まれる第1の多波長蛍光体領域構成を例示する別観点からの関係図である。
【図8A】本発明による光源構成における可動部材上に含まれる第2の多波長蛍光体領域構成を例示する一観点からの関係図である。
【図8B】本発明による光源構成における可動部材上に含まれる第2の多波長蛍光体領域構成を例示する別観点からの関係図である。
【図9】複数の入射光源を含む本発明による多波長光源構成の図である。
【図10】出射光を伝える光ファイバ束入射端まで出射光を反射するための集光鏡装置を含む本発明による多波長光源構成の図である。
【図11】出射光を送受するように配置された複数の光ファイバ入射端を含む多重ファイバ集光装置を含む本発明による多波長光源構成の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の内容を紹介するために、以下ではクロマティックポイントセンサ(CPS)システムに適用される本発明の様々な例示的実施形態による光源構成について一般に説明する。しかしながら、このような光源構成は他の精密測定計器(例えば分光計)などの様々な他のシステムにおいて同等にうまく適用され得るということは当業者にとって明らかである。
【0024】
図1は例示的クロマティックポイントセンサ100のブロック線図である。図1に示すように、クロマティックポイントセンサ100は光学ペン120と電子部分160を含む。光学ペン120は入射/出射光ファイバサブアセンブリ105、筐体130および光学系部150を含む。入射/出射光ファイバサブアセンブリ105は、取り付け用ねじ110を使用して筐体130の端に取り付けられる取り付け用素子180を含む。入射/出射光ファイバサブアセンブリ105は、入射/出射光ファイバを包む光ファイバケーブル112と光ファイバコネクタ108とを介し入射/出射光ファイバ(図示せず)を受容する。入射/出射光ファイバは約50ミクロンのコア径を有するマルチモードファイバ(MMF)であってよい。入射/出射光ファイバは開口部195を介し出射ビームを出力し、反射された測定信号光を開口部195を介し受光する。
【0025】
クロマティック共焦点センサシステムでは公知のように、動作中、開口部195を介しファイバ端から放射される光は、光学軸OAに沿った焦点が光の波長に依存して異なる距離に存在するように軸方向色分散(axial chromatic dispersion)を与えるレンズを含む光学系部150により焦点を合わせられる。光は加工物表面190上に焦点を合わせられる。加工物表面190で反射すると、反射光は、限界光線LR1とLR2により例示されるように光学系部150により開口部195上に再び焦点を合わせられる。軸方向色分散のために、1つの波長だけが光学ペン100から表面190までの測定距離に一致する結合位置までの距離FDを有することになる。表面190で最も良く焦点を合わせられた波長はまた開口部195において最も良く焦点を合わせられた反射光の波長となる。開口部195は、主に最も良く焦点を合わせられた波長が開口部195を通過して光ファイバケーブル112の芯に入るように反射光を空間的にろ過する。光ファイバケーブル112は、支配的輝度を有する波長(加工物表面190までの測定距離に対応する)を判断するために利用される波長検出器162へ反射信号光を送る。
【0026】
電子部分160は、光ファイバ結合器161、光ファイバ結合器161と波長検出器162間の光ファイバ112B、光ファイバ結合器161と光源164間の光ファイバ112A、信号処理装置166、およびメモリ部168を含む。波長検出器162は、分散素子(例えば格子)が光ファイバケーブル112、光ファイバ結合器161および光ファイバ112Bを介し反射光を受光するとともに分光強度プロフィール結果を検出器アレイ163へ送る、分光計配置を含む。
【0027】
信号処理装置166により制御される光源164は、光ファイバ112Aに結合され、そして光ファイバ結合器161(例えば、2×1光ファイバ結合器)を通って光ファイバケーブル112に結合される。上述のように、光は、焦点距離が光の波長とともに変化するように縦色収差を生成する光学ペン120を伝播する。ファイバを介し最も効率的に返送される光の波長は表面190上に焦点が存在する波長である。検出器アレイ163の測定軸に沿った画素アレイ全体に分散された分光強度プロフィールを受信するとともに対応するプロファイルデータを供給するように動作する波長検出器162に光の約50%が向けられるように、反射された波長依存光は次に光ファイバ結合器161を再び通過する。表面までの測定距離はメモリ部168に格納された距離較正ルックアップテーブルを介し判断される。光源164は、本発明による蛍光体をベースとした高輝度光源構成(例えば、図2〜図4に示す光源構成の1つ)を含むことができる。以下にさらに詳細に説明されるように、このような光源構成は小スペースにおいて高輝度光を光ファイバ端に経済的に結合するのに特に好都合であり、また高速ストローブの可能性を与えるものである。したがって、このような光源構成はそれ自体が新規であるだけでなく、光ファイバを含む光路を介し光源を加工物まで運ぶCPSシステム、ある種の分光計システムなどのホストシステムの経済性と有用性を特に高めることができる。
【0028】
図2には、ホストシステム(例えばCPSシステム)で(あるいはそれと共に)使用される本発明による1つの例示的光源構成200を示す。したがって、光源構成200は、信号線245を介しホストシステム制御装置166’(例えば、CPS制御装置/信号処理装置)に結合され、光ファイバ112A’(例えば、図1に示す光ファイバ112Aおよび/または112)を介しホストシステム光アプリケーション120’(例えば、光学ペン)に光学的に結合され得る。
【0029】
光源構成200は可動部材アクチュエータ204に取り付けられる可動部材202を含む。図示の実施形態では、可動部材202は回転可能ディスクの形式をとり、図示の実施形態の可動部材202の面にほぼ垂直に延びる軸207を中心として回転可能である。可動部材202は、リニアアクチュエータ208(例えば、小型の精密リニアモータまたはモータおよび主ネジ)に取り付けられるロータリーアクチュエータ206(例えば、小型の精密回転モータ)に取り付けられる。したがって、図示の実施形態では、ロータリーアクチュエータ206とリニアアクチュエータ208は併せて可動部材アクチュエータ204を形成する。いくつかの実施形態では、回転可能ディスクは12、25または50ミリメートル程度などの直径を有し、5000または10,000rpmまたはそれ以上で回転されてよい。発光蛍光体領域(または組成物)210(例えば、層または被膜など)は可動部材202に関連付けられ、例えば発光蛍光体領域210は図示のように可動部材202の表面全体にわたってまたはその上に配置される。
【0030】
発光蛍光体領域210は広帯域光(例えば、CPSシステムアプリケーションに使用する場合、400〜700nm)を生成するのに好適なタイプの蛍光体混合物を含んでよい。例えば、蛍光体混合物は、青色放射蛍光体、緑色放射蛍光体、および/または赤色放射蛍光体の組み合わせを含んでよい。本発明における広帯域光の生成に使用されるのに好適なタイプの蛍光体混合物については、米国特許第6,255,670号、米国特許第6,765,237号、米国特許第7,026,755号、米国特許第7,088,038号に開示される。これらの特許は、広帯域光を出射する連続波UV LEDに密接触または隣接面接触する蛍光体混合物について記載している。その代わりまたは追加として、本発明における使用に好適なタイプの蛍光体混合物は、米国特許第6,066,861号、米国特許第6,417,019号、米国特許第6,641,448号に開示される。これらの特許は、連続青色LED光を吸収し広帯域光を出射するYAG−Ce+ベースの蛍光体混合物について記載している。
【0031】
光源構成200はさらに、照射スポット224において発光蛍光体領域210を照射する入射光L1を供給または発生する入射光源212を含む。照射スポット224は、以下に詳細に説明されるように放射光出射結合領域216に対し固定される。光源構成200はまた、電力および/または信号線240を介しリニアアクチュエータ208に、電力および/または信号線241を介しロータリーアクチュエータ206に、そして電力および/または信号線242を介し入射光源212に作動可能に連結される光源制御装置218を含む。
【0032】
図示の実施形態では、入射光源212からの入射光L1が可動部材202を透過し、その放射光を受光する光ファイバ112A’の近くの可動部材202の反対側に配置された発光蛍光体領域210上の照射スポット224を照射するように、可動部材202は入射光L1に対し実質的に透過性である材料で作られる。本発明の様々な例示的実施形態によると、入射光源212は高輝度入射光を供給するスミレ色(例えば405nmの波長)ダイオードレーザー(例えば500mW、1W)などのレーザー光源であってよい。様々な実施形態では、発光蛍光体領域210の小さな領域からの所望レベルの高輝度の広帯域放射を実現するために、いくつかの特に好適な実施形態では、入射光源212は100ミクロン程度(または詳細には150ミクロン)の直径を有し得る照射スポット224において2ミリワット/mm2から10,000ワット/mm2以上の平均輝度を供給するように構成されてよい。1つ以上の発光ダイオード(LED)または複数のレーザーダイオードを使用して入射光源212を形成してもよい。
【0033】
さらに、入射光源212はホストシステムの測定速度以上であってよい高輝度変調速度(例えば、1KHz程度またはさらに好ましくは30kHz〜20MHz)を好ましくはサポートする。具体的には、入射光源212の輝度はパルス幅変調技術(PWM)および/または振幅変調技術を使用し電子的に変調されてよい。光源制御装置218は少なくとも1パルス持続時間で入射光源212を動作させるように構成されるが、いくつかの実施形態では50〜200ns(すなわち5〜20MHz)程度であるパルス持続時間であってもよい。一例では、読み取り時間(例えば50μsまたは33μsなど)より255倍短い時間増分(例えばパルスまたはクロックサイクル)、すなわち約196ns(50μs/255)または129ns(33μs/255)などのパルスまたはクロックサイクル期間に基づいて入射光源を動作させることにより8ビットの輝度レベル変化を実現することができる。
【0034】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、照射スポット224の所望サイズを提供するために、光源構成200の一組の入射光路光学素子は入射光源212と可動部材202と発光蛍光体領域210との間に配置される1つ以上のレンズなどの第1のリレー光学系219を含むことができる。いくつかの実施形態では、光源構成200はまた、例えば1つ以上のレンズなどの任意選択的な第2のリレー光学系222と、ファイバ端214を含む光ファイバ112A’と、を含む一組の出射光路光学素子220を含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、一組の出射光路光学素子220は光源構成から省略されてもよい、および/またはホストシステム光アプリケーション120’などの一部として定義されてもよい。いずれにせよ、一組の出射光路光学素子220は、設けられた場合、放射光出射結合領域216から出射光L2を受光するように配置された入射開口部(例えば、第2のリレー光学系222および/またはファイバ端214により定義された開口部)を提供することができる。いくつかの実施形態では、放射光出射結合領域は、出射光ファイバの端に実際に結合される放射光(例えば、ファイバ端214に結合される出射光L2)を生成する領域として定義されてよい。放射光がホストシステムなどに含まれる未定義の素子に出射される様々な他の実施形態では、以下にさらに説明されるように、放射光出射結合領域は照射スポットを囲む励起蛍光体スポットと同一の広がりを持つように定義されてもよい。
【0035】
動作中、光源制御装置218は、様々な実施形態および/またはアプリケーションでは、照射スポット224を横切る、発光蛍光体領域210の2.5m/s、5m/s、7.5m/s、10m/s、または50m/s以上の少なくとも1つの速度を与えるように、可動部材アクチュエータ204を動作させる。可動部材アクチュエータ204がロータリーアクチュエータ206とリニアアクチュエータ208を含む図示の実施形態では、例えば、発光蛍光体領域210の1つのトラックが動作不能になった場合に発光蛍光体領域に沿って新しいトラックを内側に放射状に設けるために、ロータリーアクチュエータ206は円盤状の可動部材202を回転させるように構成され制御され、リニアアクチュエータ208は円盤状の可動部材202を照射スポット224に対して直線的に移動するように構成され制御される。したがって、一般には、照射スポット224は、円盤状の可動部材202の周縁部とその中心点間の任意の場所でほぼ円形および/または螺旋状経路に沿って発光蛍光体領域210を横切ることができる。いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータ208は省略されてよく、単一トラックを発光蛍光体領域210に沿って使用することができる。いずれにせよ、照射スポット224に対する発光蛍光体領域210の相対運動により発光蛍光体領域210が高輝度光を持続的に発生できるようにし、これにより長い寿命にわたって高輝度ストローブサイクル(例えば50μsまたは33μs程度またはそれ以下の露光時間)を支持する。
【0036】
入射光L1により照射されると、照射スポット224における発光蛍光体領域210は出射光を放射する。具体的には、発光蛍光体領域210は第1の波長(または波長範囲)を有する入射光L1を吸収し、第1の波長と異なる(一般的には第1の波長より長い)第2の波長範囲を有する出射光を放射する。放射光出射結合領域216内の発光蛍光体領域210から放射された出射光はさらに出射光L2として集められ、ホストシステム光アプリケーション120’(例えばホストシステムがCPSシステムである場合、光学ペンなど)に供給されるためにファイバ端214に入射される。このとき、ホストシステム光アプリケーション120’は供給された光を使用して照射動作および/またはクロマティック共焦点感知動作などの光操作を行うことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、照射スポット224は5〜10ミクロン程度の直径を有することができる。発光蛍光体領域210は、照射スポット224より大きくそしてそれを囲む励起蛍光体スポット(例えば150ミクロンの励起スポット径を有する)から光を放射することができる。いくつかの実施形態では、ファイバ端は50〜100ミクロン程度の直径を有することができる。照射スポット224および/または放射光出射結合領域216から一組の出射光路光学素子220の入射開口部(例えば、第2のリレー光学系222および/またはファイバ端214により定義された開口部)までの距離は150〜300ミクロン程度で設定されてよい。
【0038】
本発明の様々な例示的実施形態によると、可動部材アクチュエータ204の速度すなわち詳細には発光蛍光体領域210が照射スポット224を横切る速度は消光を低減しかつ発光蛍光体領域210の光退色または変退色を最小限にするように設定される。関連する様々な考察の概要は図5を参照して以下に述べられる。簡潔には、光退色は、蛍光団を刺激して蛍光を発生させるのに必要な光露光による蛍光体材料内の蛍光団の光化学的破壊である。したがって、露光サイクル数だけでなく光露光の強度または時間幅を減少させることにより光退色を制御することができる。蛍光体領域を励起して高輝度光を放射させるために入射光の一定の強度が必要とされるので、入射光の強度は所望の動作レベルより低くできない。したがって、本発明の様々な例示的実施形態によると、光退色を低減するために、光露光時間幅と露光サイクル数(すなわち吸収・放射サイクル)は蛍光体領域を動かすことにより制御される。光退色は蛍光体材料の光に対する累計露光すなわち(露光強度)×(光露光時間幅)×(露光サイクル数)に相関すると考えられる。光退色の低減は、ひいては、安定でかつ長寿命を有する高輝度光源構成をもたらす。したがって、特定の発光蛍光体領域210の特性に依存し、光源構成の寿命は、(発光蛍光体領域210が適用される可動部材の総面積)/(照射スポット224の面積)×(露光時間幅)×(露光サイクル数)のように概算することができる。様々な実施形態では、可動部材に関連する発光蛍光体領域は照射スポットおよび/または放射光出射結合領域の公称面積の数倍の領域にわたって分散される。いくつかの実施形態および/またはアプリケーションでは、光源構成の寿命を望ましいレベルまで延ばすために、発光蛍光体領域を励起蛍光体スポットまたはトラックおよび/または放射光出射結合領域の面積の少なくとも25倍または50倍の領域にわたり分布させることが好ましいかもしれない。より厳しいアプリケーションに好適ないくつかの実施形態では、光源構成の寿命を望ましいレベルまで延ばすために(例えば、いくつかの実施形態では10,000〜50,000時間程度の寿命)、発光蛍光体領域を照射スポットおよび/または放射光出射結合領域の面積の少なくとも100倍、200倍、または500倍以上の領域にわたって分布させることが好ましいかもしれない。
【0039】
入射光露光時間幅は、入射光源212を動作させるために使用されるパルス持続時間を例えば最大でも50μsまたは必要に応じ33μs以下まで制限することにより制御することができる。本発明の様々な実施形態によると、発光蛍光体領域210の特定領域への入射光露光時間幅はさらに、特定の速度で照射スポット224に対して発光蛍光体領域210を動かすことにより制御(制限)される。発光蛍光体領域210が動くにつれ、照射スポット224内に当初存在した発光蛍光体領域210の部分はその部分への露光時間幅を制限するように照射スポット224を離れる。
【0040】
発光蛍光体領域210の特定領域の露光サイクル総数もまた、照射スポット224に対して発光蛍光体領域210を動かすことにより制御することができる。いくつかの実施形態では、照射スポット224は、螺旋経路に沿って発光蛍光体領域210を横切ることができ、したがって発光蛍光体領域210の全領域が使用されかつ発光蛍光体領域210のいかなる特定部分もその空乏を生じさせない合理的時間量の間、入射光L1に露光される。いくつかの実施形態では、螺旋経路は予め定義された制御回数だけ繰り返されてよい。例えば、ロータリーアクチュエータ206は、照射スポット224が可動ディスク202の周囲に沿った円形のトラックに沿って発光蛍光体領域210を制御回数(サイクル数)だけ横切るように円盤状の可動部材202を回転させることができる。このとき、リニアアクチュエータ208は、照射スポット224が可動部材202に沿って新しい円形トラックに対し径方向内向きに配置されるように可動部材202を移動することができる。その後、ロータリーアクチュエータ206は、照射スポット224が新しい円形トラックに沿って制御回数(サイクル数)だけ発光蛍光体領域210を横切るように可動部材202を回転させることができる。この処理は、照射スポット224が可動部材202上で径方向内向きに位置する毎に繰り返されてよい。
【0041】
ロータリーアクチュエータ206は可動部材202を一定線形速度(例えば2.5m/s〜100m/s)、一定角速度(例えば400rps〜800rps)、可変線形速度、または可変速度で回転させることができるということに留意すべきである。一定角速度が使用された場合、照射スポット224が発光蛍光体領域210を横切る線形速度を、円盤状の可動部材202に対する照射スポット224の放射状の位置に依存して変更することができる。発光蛍光体領域210全体にわたって光退色を一様に低減するために、光露光時間幅または露光サイクル数を制限する際、線形速度を変えることを考慮すべきである。例えば、円盤状の可動部材202全体にわたって放射状に外へ向かう円形経路と比較して径方向内向きの円形経路では回転数(したがって露光サイクル数)を低減することができ、したがって累計露光時間(露光時間幅×露光サイクル数)は発光蛍光体領域210の様々な部分にわたってほぼ同じとなる。
【0042】
図3には、本発明の様々な例示的実施形態による別の実施形態の蛍光体ベースの高輝度光源構成200’を示す。図3では、図2におけるものと同一または類似の要素には同一または類似の参照番号が付される。図3の構成200’は、入射光源212が一組の出射光路光学素子220と同じ側(可動部材202と発光蛍光体領域210に対し)に位置するという点で図2の構成200と異なる。様々な実施形態では、出射光L2に寄与するために、表面に向かって放射された光の一部が反射されるように可動部材202が、放射光を実質的に反射する材料からなる表面を含むと好ましい。
【0043】
図3に示す特定の実施形態では、動作中、入射光源212からの入射光L1は、1つ以上のレンズ223、光ファイバセグメント312a、312b、およびオプションレンズ222’を含む一組の入射路光学素子により受光される。光ファイバセグメント312aは、2つのファイバセグメントが一緒に入射光ファイバを形成するように光ファイバ結合器317において光ファイバセグメント312bに結合される。照射スポット224において発光蛍光体領域210を照射するために、入射光源212からの入射光L1は一組の入射光路光学素子を通って伝搬し、ファイバ端214’および/またはオプションレンズ222’により設けられた出射開口部を介し一組の入射光路光学素子から出射する。先に概要を述べたように、発光蛍光体領域210から放射された光(そして場合により入射光L1の反射されたある部分)の出射光L2への寄与を最大化するために、可動要素202(またはその中またはその上に含まれる表面)は入射光L1および発光蛍光体領域210から放射された光を実質的に反射する材料から作られてよい。
【0044】
図3に示す実施形態では、照射スポット224は放射光出射結合領域216にほぼ一致することができる。いくつかの実施形態では、放射光出射結合領域は、出射光ファイバ端に実際に結合される放射光(例えば、ファイバ端214’に結合される出射光L2)を生成する領域として定義されてもよい。放射光がホストシステムなどに含まれる未定義の素子に出射される他の様々な実施形態では、放射光出射結合領域は照射スポットを囲む励起蛍光体スポットと同一の広がりを持つように定義されてもよい。いくつかの実施形態では、以下にさらに詳細に説明されるように、励起蛍光体スポットおよび関連する励起蛍光体トラック(可動要素202が動くにつれて励起蛍光体スポットがそれに沿って動く)は照射スポット224よりいくぶん大きい(広い)かあるいは著しく大きくてもよい。図3に示す実施形態では、出射光L2は、オプションレンズ222’、光ファイバセグメント312bおよび光ファイバ112A’を含む一組の出射光路光学素子の入射開口部に入射する。光ファイバセグメント312bは、2つのファイバセグメントが一緒に出射光ファイバを形成するように光ファイバ結合器317において光ファイバ112A’に結合される。先に図2を参照し概要を述べたように、一組の出射光路光学素子を通る出射光L2はホストシステム光アプリケーション120’に入射される。図2に示す光源構成200を参照して先に概要を述べたのとほぼ同様にして、光源構成200’を動かすおよび/または制御することができる。
【0045】
入射開口部と出射開口部は単一開口部により設けることができるので、図3の実施形態は一組の入射光路光学素子223の出射開口部と、一組の出射光路光学素子の入射開口部および/または照射スポット224および/または励起蛍光体スポットとをアライメントする必要がないという点で好ましい。
【0046】
図4には、本発明の様々な例示的実施形態によるさらに別の実施形態の蛍光体ベース高輝度光源構成200’’を示す。図4では、図2、図3のものと同一または類似の要素には同一または類似の参照番号が付される。図4の構成200’’は、図示の実施形態の出射光L2にアライメントされる可動部材202が光源構成200’’の光学軸にほぼ垂直に延びる軸207’を中心として回転するように構成されるという点で図3の構成200’とは異なる。本実施形態では、発光蛍光体領域210はほぼ円盤状の可動部材202の「縁」(幅「W」を有する)上でかつそれに沿って設けられる。
【0047】
入射および出射光路は、図3の実施形態における同様の素子の動作についての先の説明から類推によって把握され、ここではさらに説明する必要はない。図3の実施形態と同様に、可動要素202あるいはその中またはその上に含まれる表面は先に説明された理由のために入射光L1と出射光L2をほぼ反射する材料で作られることが好ましい。
【0048】
図4に示す実施形態は、大面積の発光蛍光体領域を可動要素202の縁上に設けることができ、そして幅Wの方向に沿った比較的小さな動きだけにより全領域を照射スポットに位置付けることができるという点で好ましいかもしれない。したがって、図2および/または図3を参照して説明したものとの比較では、動作制御システムは単純化されてさらにコンパクトかつ経済的にすることができる。様々な実施形態および/またはアプリケーションでは、動作中、光源制御装置218は、照射スポット224を横切る発光蛍光体領域210の2.5m/s、5m/s、7.5m/s、10m/s、または50m/s以上の少なくとも1つの表面速度を与えるように可動部材ロータリーアクチュエータ206を動作させる。可動部材アクチュエータ204がリニアアクチュエータ208を含む図示の実施形態では、リニアアクチュエータ208は幅Wの方向に沿って円盤状の可動部材202を照射スポット224に対し直線的に移動させるように構成され制御される。したがって、一般には、照射スポット224は、円盤状の可動部材202の縁との間の任意の場所でほぼ円形および/または螺旋状の経路に沿って発光蛍光体領域210を横切ることができる。いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータ208を省略することができ、発光蛍光体領域210に沿って単一トラックを使用することができる。いずれにせよ、照射スポット224に対する発光蛍光体領域210の相対運動により発光蛍光体領域210が高輝度光を持続的に発生できるようにし、これにより望ましくない消光と光退色を回避する一方で、長寿命にわたって高輝度ストローブ周期(例えば50μs程度または33μs程度またはそれ以下の露光時間)を支持する。
【0049】
いくつかの実施形態では、発光蛍光体領域210の任意の部分が入射光に一回だけ露光されるように、照射スポット224はほぼ螺旋状の経路に沿って発光蛍光体領域210を横切ることができる。他の実施形態では、ほぼ螺旋状の経路を制御回数(サイクル数)だけ横切ることができる。さらに他の実施形態では、照射スポット224が幅Wの一方の端部に近い円形経路に沿って発光蛍光体領域210を制御回数(サイクル数)だけ横切るように、ロータリーアクチュエータ206は円盤状の可動部材202を回転させることができる。このとき、リニアアクチュエータ208は、照射スポット224が幅Wに沿って移動されるように可動部材202を移動することができる。その後、照射スポット224が前述の円形経路からずれた新しい円形経路に沿って(幅Wに沿って)発光蛍光体領域210を制御回数だけ横切るように、ロータリーアクチュエータ206は可動部材202を回転させることができる。この処理は、必要に応じ、結果として生じる円形経路が幅全体Wをカバーするまで光源の寿命まで繰り返されてよい。
【0050】
図5には、本発明の様々な例示的実施形態による光源構成を動作させる際になされるべきいくつかの考察を示す。簡潔には、図5には、発光蛍光体領域510を含む可動部材の移動基板部502と、ファイバ端514を有する光ファイバ512bとを示す。図5に示すように、ファイバ端514は有効開口径DAを有する。明確にするために、移動基板部502にほぼ垂直な角度の小範囲内の光線だけを以下に図示し説明する。本発明による光源構成では追加の光線が動作可能であることは当業者により把握されるべきである。しかしながら、本発明の様々な例示的実施形態による光源構成の基本的動作および設計考察点は、図示され説明される光線の考察により理解することができる。
【0051】
動作中、ファイバ端514はレーザーダイオード、LED(図示せず)などの光源から光ファイバ512bを通って伝った入射光L1の出射開口部を提供する。入射光L1は、時刻t0に、放射光出射結合領域516の中心に位置する照射スポット524における発光蛍光体領域510に到達する。図5に示す実施形態では、光ファイバ512bの特性(例えば、開口径DAと受光角ACCEPT)は、ファイバ端514と発光蛍光体領域510間の隔離距離SOと組み合わせて、照射スポット524と放射光出射結合領域516の寸法を決定する。図示の実施形態では、放射光出射結合領域516は、ファイバ端514に実際に結合される放射光(例えば出射光L2)を生成する領域である。照射スポット524の直径DSと放射光出射結合領域516の直径DRは、この特定の実施形態ではほぼ同じ(例えば、[DA+2×SO×tan(ACCEPT)]程度)であってよい。また図5に示すのは、励起蛍光体スポット528および関連する励起蛍光体トラックEPT(励起蛍光体スポット528はこれに沿って動く)である。発光蛍光体領域510は照射スポット524の直径DSより大きい励起蛍光体直径DEPを呈してよいが、様々な設計および動作考察点をより単純かつ明確に説明する目的のために、ここでは励起蛍光体直径DEPが放射光出射結合領域516の直径DRよりあまり大きくないと仮定する。発光蛍光体領域510は時刻t0に照射され「瞬間的に」放射面位置ESL(t0)から出射光540を放射し始めるということも仮定する。これらの仮定はあくまでも便宜上のものであり、本発明はこれらの仮定に限定されないというべきである。これらの仮定によると、図5には、時刻t0に照射スポット524上の中心にある励起蛍光体スポット528に一致する放射面位置ESL(t0)と、放射面位置ESLが励起蛍光体トラックEPTに沿って進むにつれて時間Δtが経過した後のこの特定の励起蛍光体スポット528の対応する移動された放射面位置ESL(t0+Δt)と、を示す。移動基板部502が速度vで図示のように動けば、移動された放射面位置ESL(t0+Δt)は初期の放射面位置ESL(t0)に対し変位d(Δt)=(v×Δt)に存在することが把握される。
【0052】
説明の目的のために、図5は、一般的時刻tに放射面位置ESL(t)に存在する特定の励起蛍光体スポット528が3つの代表的な光寄与領域CRlow、CRmed、CRhighを含むということを示す。すべての光寄与領域、CRlow、CRmed、CRhighは時刻t0にファイバ端514に入射し得る出射光540を供給するものである。その後、発光蛍光体領域510がΔtより長い放射時間にわたって光を放射したと仮定すると、光寄与領域CRlowは放射光出射結合領域域516から外れて、ファイバ端514に入射する出射光L2への著しい寄与をやめるように光移動基板部502の運動方向に沿ってファイバ端514から離れた変位に到達する最初の領域となる。その後しばらくして、光寄与領域CRmedはファイバ端514から離れた同様な変位であって移動基板部502の運動方向に沿った放射光出射結合領域516の外側の同様な変位に到達し、したがって光寄与領域CRmedもまたファイバ端514に入射する出射光L2への著しい寄与をやめる。最後に、光寄与領域CRhighはファイバ端514と放射光出射結合領域516を横切ることを終了するとともに(図5に示す期間Δt後のある時点で)、ファイバ端514に入射する出射光L2への著しい寄与をやめるように変位に到達する。
【0053】
上に概説された単純モデルを使用すると、t0後の任意の時刻tにファイバ端514に入射する出射光L2は、放射面位置ESL(t)と放射光出射結合領域516とのオーバーラップ領域であるクロスハッチ領域550にほぼ比例する。DEPはDRとあまり異なっておらず、発光蛍光体領域510は(DR/v)および/または(DEP/v)より長い放射時間にわたって光を放射すると仮定すると、クロスハッチ領域550の時間積分は、時間とともに発光蛍光体領域510からファイバ端514に入射される光エネルギーにほぼ比例する。
【0054】
しかしながら、発光蛍光体領域510からファイバ端514に入射される光エネルギーの比率を最大化することに関し複数の動作考察事項が存在する。一考察によると、発光蛍光体領域510は、出射光540のすべてまたは大部分がファイバ端514に近接した放射光出射結合領域516内に放射される(例えば、放射光出射結合領域516から放射面位置ESL(t)が離される前に)ように、(DR/v)より短い放射時間にわたって光を放射することが望ましい。しかしながら、別の考察によると、ファイバ端514に入射される光源エネルギーの望ましい比率は、極めて高くなければならず、かつ本発明による光源構成により、蛍光体領域の一般的な放射時間より著しく長い(例えば、400ns程度の典型的な放射時間より長い)時間にわたって維持されなければならない。さらに、蛍光体領域は「疲労」または急冷するかもしれず、その本来の効率で再び光を放射するように照射され得る前にある回復時間を必要とするかもしれない。例えば、その初期の放射時間中の追加の照射は全く非効率かもしれない。したがって、この考察によると、発光蛍光体領域510からファイバ端514へ入射される高い持続速度の光源エネルギーに関し、発光蛍光体領域510の新しい部分が照射スポット524に位置し、ファイバ端514への入射のために新しくかつ効率的な放射光源を供給するように照射されるように、例えば概して蛍光体領域の放射時間程度の時間後に放射面位置ESL(t)(例えば励起蛍光体スポット528)をファイバ端514から離すことが望ましい。
【0055】
上に概説された所望条件はある程度相反するものであり、これらは互いにバランスがとれていなければならないということが分かる。実際上、放射面位置ESL(t)がほぼDEP/2および/またはDR/2だけ移動した後、オーバーラップ領域550はある増加率で減少し始める。したがって、ほぼTE(通常は50〜400ns)の蛍光体領域放射時間(すなわち減衰時間)が与えられると、ほぼDEP/TE〜DEP/(2×TE)またはDR/TE〜DR/(2×TE)程度などの速度で蛍光体領域を動かすことがいくつかの実施形態では望ましいかもしれない。このような場合、放射面位置ESL(t)から利用可能な放射光の大部分はファイバ端514へ入射され、同時に発光蛍光体領域510の新しい部分は照射スポット524の多くを埋めるように配置されてよい。いくつかの実施形態では、照射スポット524は連続的に照射されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、レーザーダイオードパワーも効率的に使用しながらファイバ端514に入射される高い持続速度の放射光を維持するために、TE程度の照射サイクル時間間隔で短いパルスの光で(例えば、TEの半分またはそれ以下などのTEより著しく短いパルス幅を使用することにより)照射スポット524を照射することが好ましいかもしれない。当然ながら、いくつかの実施形態では、より良好なエネルギー効率のためにあるいはより高い放射光エネルギー入射速度を実現するために、より遅いまたは速い運動速度が適切な照射速度(例えば、適切な照射ストローブ速度、または連続照射)でそれぞれ使用されてもよい。したがって、先の動作条件提案は単に例示であって限定するものではない。いずれにせよ、図5に示す光源構成は比較的高いパワーレベルで高輝度光を小スペースの光ファイバ端に経済的に結合するのに特に好都合である。この点に関し1つの重要な特徴は、このような小領域においてこのような高い光強度とパワーレベルで、本来であれば蛍光体領域に生じるであろう放射光の消光を回避するために、発光蛍光体領域が照射スポット524において高速度でリフレッシュされるように動かされるということである。別の重要な特徴およびいくつかの実施形態は、ファイバ端514が単純な光学素子により(あるいは光学素子無しで)小スペースにおいて(例えば、極めて短い光路に沿って)励起蛍光体スポット528からの光の比較的大部分を受光するようにさらにファイバ端514に近接して配置される小さな照射スポット524と小さな励起蛍光体スポット528の両方に、光エネルギーが高度に集中されるということである。
【0056】
図6は本発明による光源構成600の図である。図1〜5の2XX、3XXおよび/または5XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図6の6XX系の数字は、特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、光源構成600の動作は、先の図の説明から類推することによってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。具体的には、図6には、先に説明された実施形態とは異なる蛍光体サブ領域を含む光パワー感知装置と可動部材602を示す。先の実施形態と同様に、可動部材602は可動部材602の面にほぼ垂直に延びる軸607を中心として回転可能なディスクの形式をとってよい。しかしながら、図6に示す実施形態では、発光蛍光体領域610は、入射光源612からの入射光L1により照射されるとそれぞれが固有ピーク波長を有する「帯域制限された」出射光L2’を放射する、異なる蛍光体組成物を有してよい複数の発光蛍光体サブ領域610−Xを含む。図7と図8を参照して以下にさらに詳細に説明されるように、蛍光体サブ領域610−Xは、可動部材602の周囲にリング(例えば、図6に示す代表的なサブ領域610−1、610−2および610−3により示される)または同心リングのセグメントなどの所望のパターンで構成されてよい。
【0057】
光源構成600はさらに、ビームスプリッタ615とパワーセンサ617とを含む光パワー感知装置を含む。動作中、ビームスプリッタ615は、出射光L2’の一部を、信号線643により光源制御装置618に接続され得るパワーセンサ617に反射する。光源制御装置618は、パワーセンサ617からの信号に基づいて出射光L2’のパワーを監視するとともに入射光源612への電力を調整し、これにより入射光L1と出射光L2’のパワーを閉ループで制御する(例えば、入力電源における電位変動および/または可動部材602の揺らぎなどの光路変動などにもかかわらず所望のパワーレベルで出射光を供給するために)ように構成されてよい。1つのアプリケーションでは、光源構成600は、図1に示すクロマティックポイントセンサ100などのホストシステムにおける自動利得調整の目的のために入射光L1と出射光L2’のパワーを調節する(クロマティックポイントセンサ100において正規化および/または校正された光レベルおよび/または信号を供給することを含んでよい)。より一般には、このような閉ループ制御は、蛍光体サブ領域(例えば、サブ領域610−1、610−2および610−3)が異なる蛍光体組成物または混合物(異なる光学的蛍光効率を有し得る)を含む場合、特に好ましいかもしれない。このような閉ループ制御は、各サブ領域から同じ(またはサブ領域間で特定の比などの)出射光パワーを供給するように入力電源を調節できるようにする。
【0058】
動作中、図2および/または図5を参照し説明した方法を用いて発光蛍光体領域610のサブ領域を照射することができる。しかしながら、図示の実施形態では、それぞれの発光蛍光体サブ領域610−Xは異なるそれぞれのピーク波長を有し、所与の時点で複数の異なる発光蛍光体領域610−Xの1つだけが照射されるとともに光出射結合領域616とオーバーラップするので、光源構成600により出射された特定の波長を判断するために入射光L1のタイミングと期間を制御してよい。入射光L1のタイミングと期間を制御する様々な方法については、図7Aと図7Bを参照して以下にさらに詳細に説明する。
【0059】
図7Aは、本発明による光源構成において可動部材702上に含まれる第1の多波長蛍光体領域構成710の図700である。図7Bは、可動部材702上の第1の多波長蛍光体領域構成710の斜視側面図を示す図700’である。図6の6XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図7の7XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、多波長蛍光体領域構成710の動作は先の図の説明から類推すれば、ほぼ把握され、その構成と動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。多波長蛍光体領域構成710を含む可動部材702は、先に説明した可動部材(例えば、図2、図3または図6に示す可動部材)で置き換えることができる。
【0060】
多波長蛍光体領域構成710は、可動部材702の周囲にリングのセグメントとして配置された発光蛍光体サブ領域(または組成物)710−1、710−2、710−3、710−4、710−5および710−6を含む。一実施形態では、サブ領域710−Xのそれぞれ(例えば、サブ領域710−1、710−2など)は、入射光により照射されると固有ピーク波長λX(例えば、λ1、λ2など)を有する帯域制限された出射光を生成するように構成される。しかしながら、別の実施形態では、サブ領域710−Xの少なくとも1つは広帯域出射光を放射する蛍光体混合物または組成物を含むことができる。図7Aに示すように、発光蛍光体サブ領域710−1、710−2、710−3、710−4、710−5および710−6はそれぞれ角度範囲AR1=(θmaxλ1−θminλ1)、AR2=(θmaxλ2−θminλ2)、AR3=(θmaxλ3−θminλ3)、AR4=(θmaxλ4−θminλ4)、AR5=(θmaxλ5−θminλ5)およびAR6=(θmaxλ6−θminλ6)をその中に含む。図7Aと図7Bに示す特定の実施形態では、サブ領域710−Xは蛍光体無し部分PFにより分離される。しかしながら、他の実施形態では蛍光体サブ領域710−Xは相互に隣接してよい。
【0061】
可動部材702の位置に関連した照射スポット724におけるパワーの制御と同期に依存して、多波長蛍光体領域構成710から様々な波長または波長の組み合わせを出射することができるものである。サブ領域710−X(例えば、固有ピーク波長λXを有する制限されたまたは「単一帯域」出射光)の単一サブ領域から出射光を供給する第1の制御および同期方法によると、入射光源は、可動部材が回転されると照射スポット724がサブ領域710−Xの対応する角度範囲ARX内のある位置と一致する場合だけ照射スポット724においてパワーを供給するように制御される。一制御方法では、ホストシステムの単一サンプリングまたは撮像期間に関連する照射パワー要件を満たすために、光源は単一の帯域光が可動部材の単一回転中に出射されるように制御される。別の制御方法では、光源は、単一帯域光が可動部材の複数の回転のそれぞれの期間に出力されるように照射スポット724に反復パルスパワーを供給するように制御され、そして複数の回転中に供給される電力が、ホストシステムの単一サンプリングまたは撮像期間に関連する照射パワー要件を満たすために積分される。別の制御方法では、複数の異なるサブ領域710−Xのそれぞれに対応する先に概説された動作を繰り返すことにより、複数の異なる単一帯域スペクトルを出射光に連続して供給することができる。複数の異なる単一帯域スペクトルにより供給される出射光がホストシステムの単一サンプリングまたは撮像期間に関連する照射パワー要件を満たすために積分されると出射光スペクトルはそのサンプリングまたは撮像期間中の異なる単一帯域スペクトルの組み合わせを効果的に含むものである。
【0062】
様々な実施形態では、多波長蛍光体領域構成710が角速度ω(例えば、単一の利用可能な角速度として、またはある範囲の制御可能角速度の1つとして)で可動部材702を回転させる能力を含む光源と共に使用されると、ARX/ω未満であるパルス持続時間TXの間入射光L1をパルス化する能力を提供しかつ、照射スポット724がそのサブ領域710−X’内に入るように入射光L1を同期させることにより、任意のそれぞれのサブ領域710−Xから単一帯域光を供給することができる。
【0063】
一実施形態では、固有ピーク波長λ1、λ2、λ3、λ4、λ5およびλ6は、約448nm、492nm、558nm、571nm、620nmおよび652nmの値をそれぞれ有してよい。それらのスペクトルの半値帯域幅はそれぞれ約53nm、97nm、104nm、74nmおよび85nmであってよい。これらの値を生じることができる例示的蛍光体材料は、Phosphortech Inc. (Lithia Springs, GA USA)などの市販供給源から入手可能である。このような材料の例示的組成物は、米国特許第7,111,921号に開示されている。
【0064】
図8Aは、本発明による光源構成における可動部材802上に含まれる第2の多波長蛍光体領域構成810の図800である。図8Bは、可動部材802上に含まれる第2の多波長蛍光体領域構成810の斜視側面図800’を示す図800’である。図6の6XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図8の8XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、多波長蛍光体領域構成810の動作は、先の図の説明からの類推によってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。多波長蛍光体領域構成810を含む可動部材802は、先に説明した可動部材(例えば、図2、図3または図6に示す可動部材)で置き換えることができる。
【0065】
図7Aと図7Bを参照して先に概説されたサブ領域710−Xに使用されたリングセグメントのパターンとは対照的に、多波長蛍光体領域構成810は、可動部材802上の同心リングまたはトラックとして配置された蛍光体サブ領域(または組成物)810−1、810−2、810−3、810−4、810−5および810−6を含む。一実施形態では、サブ領域810−Xのそれぞれ(例えば、サブ領域810−1、810−2など)は、入射光により照射されると固有ピーク波長λX(例えば、λ1、λ2など)を有する帯域制限された出射光を生成するように構成される。しかしながら、別の実施形態では、サブ領域810−Xの少なくとも1つは広帯域出射光を放射する蛍光体混合物または組成物を含むことができる。図8Aに示すように、発光蛍光体サブ領域810−1、810−2、810−3、810−4、810−5、および810−6はそれぞれ、サブ領域リングまたはトラック幅SRW1、SRW2、SRW3、SRW4、SRW5およびSRW6をその中に含む。図8Aと図8Bに示す特定の実施形態では、サブ領域810−Xは蛍光体無し部分PFにより分離される。しかしながら、他の実施形態では蛍光体サブ領域810−Xは相互に隣接してもよい。さらに、様々なサブ領域810−Xはほぼ等しい幅SRWXで図示されるが、他の実施形態ではサブ領域810−Xはほぼ等しい面積または他の所望のパターン関係を与える幅で構成されてよい。一実施形態では、「等面積」構成は、例えば様々なサブ領域において同様な光退色寿命を与えるために、適切に制御された照射スポット位置またはトラックと共に使用されてもよい。
【0066】
蛍光体領域構成710と同様に、可動部材802の位置と関連した照射スポット824におけるパワーの制御と同期に依存して、多波長蛍光体領域構成810から様々な波長または波長の組み合わせを出力することができる。しかしながら、本実施形態では、出射光波長の判断に関係する同期と制御は、回転角よりむしろ照射スポットの半径方向位置を制御する(例えば、図2を参照して先に概要を述べたようにリニアアクチュエータ208により制御されるように)。サブ領域810−Xのうちの単一領域(例えば、制限されたまたは固有ピーク波長λXを有する「単一帯域」出射光)から出射光を供給する第1の制御および同期方法によると、入射光源は、照射スポット824がサブ領域810−Xの対応するサブ領域幅SRWX内の位置と一致する場合だけ、照射スポット824にパワーを供給するように制御される。蛍光体領域構成810は、可動部材802の回転の一部および/または任意の回転数のいずれかに対し固有ピーク波長λXを有する光を連続的に出射することができるという点で蛍光体領域構成710より好ましい。しかしながら、欠点は、異なる単一帯域の波長間の切り替えが可動部材802または照射スポット824の半径方向運動により実現されるということであり、これは蛍光体領域構成710と共に使用することができる波長切り替え方法より遅いかもしれない。図9には、この欠点を緩和することができる実施形態を示す。
【0067】
図9は、本発明による光源構成900の図である。図6の6XX系の数字または図8Aおよび8Bの8XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図9の9XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、光源構成900の動作は、先の図の説明からの類推によってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。
【0068】
一般には、光源構成900は、発光蛍光体領域910から2つの異なる出射光を生じさせる2つの異なる入射光を供給するための手段を含む。具体的には、図9に示す実施形態では、第1の光源912Aは、出射光L2Aを放射する照射スポット924Aにおいて、発光蛍光体サブ領域910−1、910−2および910−3の1つ(例えばサブ領域910−1)を入射光L1Aで照射するように構成され、第2の光源912Bは、出射光L2Bを放射する照射スポット924Bにおいて、蛍光体サブ領域910−1、910−2および910−3の1つ(例えばサブ領域910−2)を入射光L1Bで照射するように構成される。入射光および出射光の各場合に関連する動作は同様であって、先の図の同様の素子の説明からの類推によって把握される。図9に示す実施形態では、光源912Aは蛍光体サブ領域910−1を照射し、第2の光源912Bは蛍光体サブ領域910−2を照射する。可動部材902は図8Aと図8Bの可動部材802と類似であってよく、サブ領域910−1、910−2、910−3は、先に概要を述べたように、異なるピーク波長を有する光のそれぞれの単一帯域スペクトルを放射する、異なる蛍光体組成物を含むことができる。したがって、光源構成900は半径方向運動を必要とせずに(例えば、リニアアクチュエータ908を使用せずに)異なるサブ領域から出射光L2AとL2Bを好ましくは供給することができる。これは、アクティブな入射を入射光源912Aから912Bへまたはその逆に切り替えることにより急速に光の波長を切り替えることができる。いくつかの実施形態では、所望の合成スペクトルプロフィールを生成するために出射光L2Aと出射光L2Bを同時照射により合成することができる。パワーセンサ917Aと917Bからの信号は、所望のレベルおよび/または所望の関係に従って、関連する出射光L2AとL2Bのパワーを制御するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、出射光L2Aと出射光L2Bは同じスペクトルを有してよく、ホストシステム光アプリケーション920’に供給されるパワーを増加させる目的のために組み合わせられてよい。他の実施形態では、3つ以上の出射光が異なる蛍光体サブ領域から供給されるように、追加の異なる入射光と出射光を供給することができる。他の実施形態では、個別の光学チャネルまたはファイバ(図示せず)を介し2つ以上の異なる出射光をホストシステム光アプリケーション920’に供給することができる。
【0069】
図10は、複数の入射光源と光ファイバ束1012’の入射端への入射のために集められる出射光を反射する集光鏡1028とを含む本発明による光源構成1000の図である。図9の9XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図10の10XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、光源構成1000の動作は、先の図の説明からの類推によってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。
【0070】
簡潔には、光源構成1000と光源構成900および/または他の前述の実施形態との主な違いは光源構成1000が集光鏡1028を含むということであり、出射光路1020は単一の光ファイバまたは図10に示すファイバ束1012’のいずれかを含んでよい。先に概要を述べたように、集光鏡1028は、放射光出射結合領域1016Aと1016Bから様々な方向に放射される出射光を集めるとともに入射される出射光を反射し光ファイバ束1012’に集光するように構成される。したがって、この構成は、前述のいくつかの実施形態との比較では、浪費される蛍光体放射光および/または電力を低減することができる。図10に示す特定の実施形態では、出射光はレンズ1022に集光され、レンズ1022はさらにこの光を光ファイバ束1012’の入射端に集束させる。しかしながら、他の実施形態ではレンズ1022は省略されてもよい。ファイバ束1012’は単一光ファイバより大きな入射端を提供することができ、出射光をファイバ束1012’内に集めるのをより容易にできることが分かる。また、ファイバ束1012’の出射(図示せず)は、必要に応じ複数の照射出射チャネルに容易に細分化することができる。集光鏡1028は図10に概略的に示される。実際上、可動部材1002だけでなく様々な光源とそれらの光路に対するアクセスまたはクリアランスは、集光鏡1028内のスロットなどにより与えられてもよい。集光鏡と出射光路要素は、必要に応じ、可動部材1002に対し図示されたものと異なって配向されてもよい。
【0071】
一実施形態では、集光鏡装置1028は、楕円面の第1の焦点に近接した位置の放射光出射結合領域1016A、1016Bを有する楕円形状の一部と楕円面の第2の焦点に近接した位置の光ファイバ束1012’の入射端とに追随するように、成形され配置されてよい。動作中、出射光L2A、L2Bは放射光出射結合領域1016A、1016Bから放射するので、楕円状集光鏡装置1028は効率的な集光装置でもって出射光L2A、L2Bを光ファイバ束1012’の入射端上に反射し集束させることができる。別の実施形態では、集光鏡は、照射スポットの像を出射光路光学素子の入射開口部へ転送するように配置された軸外し放物面鏡を含む。所望の倍率(例えば、小型システムおよび/または単独出射ファイバに対しては1の倍率、または出射ファイバ束に対しては10の倍率)で照射スポットを形成するように様々な異なる集光鏡を構成することができる。いずれにせよ、集光鏡は、可動部材から放射された光の大部分が入射開口部を通して集められ導かれるようにする。
【0072】
いくつかの実施形態では、照射スポット1024Aと1024B間の分離距離(例えば中心間距離)は、放射光出射結合領域1016Aと1016Bが互いに隣接して配置されるように短くされる。このような実施形態では、集光鏡1028は、放射光出射結合領域1016Aと1016Bの両方から光を効率的に集めて集光することができる。いくつかの好ましい実施形態では、分離距離は最大でも500ミクロン、250ミクロン、またはそれ以下であってもよい。集光鏡装置は本明細書に開示された他の様々な実施形態の特徴と組み合わせられてもよい。例えば、ファイバ束1012’は単一ファイバで置き換えてもよい、および/または3つ以上または1つ以下の入射光源が使用されてもよい。したがって、図10に示す実施形態は単に例示であって、限定するものではない。
【0073】
図11は、出射光L2’を受光するための複数の光ファイバ端を含む多重ファイバ集光装置1113を含む本発明による光源構成1100の図である。図6の6XX系の数字と同じ「XX」添字を有する図11の11XX系の数字は特記ある場合を除き類似または同一の素子を示す。したがって、光源構成1100の動作は、先の図の説明からの類推によってほぼ把握され、動作のいくつかの態様だけがここでは説明される。
【0074】
簡潔には、多重ファイバ集光装置1113は、放射光出射結合領域1116から様々な方向に放射される出射光L2’を受光するように構成された複数の光ファイバ端を含み、複数の光ファイバを介しこの光を出射光ファイバ1112に結合する。したがって、光源構成1000と同様に、この構成は、前述のいくつかの他の実施形態との比較では、浪費される蛍光体放射光および/または電力を低減することができる。多重ファイバ光収集配置1113は図11に概略的に示される。実際上、多重ファイバ光収集配置1113は必要に応じ、可動部材1002に対し図示されたものと異なって構成および/または配向されてよい。あるいは、多重ファイバ束(例えば、ぎっしり詰まった多数の光ファイバを含む)の端は同様な機能を与えるように構成されてよい。このようなファイバ束は、複数のファイバからの光をホストシステム光アプリケーション1120’への出射のためのよりコンパクトなファイバまたは一組のファイバ内に合成するために、先細にされるおよび/またはその出射端に近接して融合されてよい。多重ファイバ集光装置は、必要に応じ、本明細書に開示された他の様々な実施形態の特徴と組み合わせられてもよいものである。したがって、図11に示す実施形態は単に例示であって、限定するものではない。
【0075】
本発明の様々な例示的実施形態について図示し説明してきたが、図示され説明された特徴の配置と動作の順序における多くの変形は本開示に基づき当業者には明らかであろう。例えば、可動部材202の形状および/または構成は軸の回りを回転するディスクに制限されず、軸のまわりを回転できる他の任意の形状および/または入出射光位置に対して直線的に移動させることができる(例えば、往復運動する可動部材)他の任意の形状を含むことができる。別の例として、発光蛍光体領域の様々な実施形態は光の合成波長および/または広帯域光を生成するのに好適であるが、いくつかの実施形態では光の合成波長および/または広帯域光のある部分は、UV、青色、緑色、赤色または近赤外線LEDなどの入射光源212とは異なる別の光源からの光から発生させてもよいし、あるいはそれらにより補足されてもよい。このような光は、公知の技術による(例えば、光ファイバ結合器などを使用することによる)蛍光体領域により放射される光と組み合わせられてもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、より高い輝度を経済的に実現するために、複数の入射光源(例えば複数のダイオードレーザー)が、放射光出射結合領域に対し固定された隣接するまたはオーバーラップする照射スポットにおいて発光蛍光体領域を照射するように構成されてもよい。さらに、先に概説した様々な例示的寸法は小さな光ファイバ径、コンパクトな構造および極めて短いパルス持続時間の恩恵を受けるシステムに特に好適である。しかしながら、他の実施形態では、ファイバ端はより大きな直径(例えば250〜2000ミクロン程度)を有してもよく、照射スポットはより大きな直径(例えば10〜2000ミクロン程度)を有してもよい。発光蛍光体領域は、照射スポットより大きくかつそれを囲む励起蛍光体スポット(例えば、150〜2000+ミクロンの励起スポット径を有する)から光を放射してもよい。照射スポットおよび/または一組の出射光路光学素子の入射開口部(例えば、集光光学レンズまたは出射ファイバ端により定義される開口部)に最も近い放射光出射結合領域の部分からの距離は、2ミリメートル、1ミリメートル程度、またはそれ以下に設定されてよい。しかしながら、他のシステムは先に概説されたもの以外の寸法を使用してもよい。さらに、パルス照射動作について強調されてきたが、様々な実施形態においては連続照射が行われてもよい。したがって、本明細書における教示による様々な変更は本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく先に概説された様々な特定の実施形態に対しなし得るということが理解される。
【符号の説明】
【0076】
100・・・クロマティックポイントセンサ、105・・・入射/出射光ファイバサブアセンブリ、108・・・光ファイバコネクタ、110・・・取り付け用ねじ、112・・・光ファイバケーブル、112A、112B・・・光ファイバ、112A’・・・光ファイバ、120・・・光学ペン、120’・・・ホストシステム光アプリケーション、130・・・筐体、150・・・光学系部、160・・・電子部分、161・・・光ファイバ結合器、162・・・波長検出器、163・・・検出器アレイ、164・・・光源、166・・・信号処理装置、166’・・・ホストシステム制御装置、168・・・メモリ部、180・・・取り付け用素子、190・・・加工物表面、195・・・開口部、200、200’、200’’・・・光源構成、202・・・可動部材、204・・・可動部材アクチュエータ、206・・・ロータリーアクチュエータ、207・・・軸、208・・・リニアアクチュエータ、210・・・発光蛍光体領域、212・・・入射光源、214、214’・・・ファイバ端、216・・・放射光出射結合領域、218・・・光源制御装置、219、222・・・焦点光学系、220・・・出射光路光学素子、222’・・・オプションレンズ、223・・・レンズ、224・・・照射スポット、240、241・・・信号線、242・・・電力および/または信号線、245・・・信号線、312a、312b・・・光ファイバセグメント、317・・・光ファイバ結合器、502・・・移動基板部、510・・・発光蛍光体領域、512b・・・光ファイバ、514・・・ファイバ端、516・・・放射光出射結合領域、524・・・照射スポット、528・・・励起蛍光体スポット、540・・・出射光、550・・・クロスハッチ領域、600・・・光源構成、602・・・可動部材、610・・・発光蛍光体領域、610−X、610−1、610−2、610−3・・・蛍光体サブ領域、612・・・入射光源、615・・・ビームスプリッタ、616・・・光出射結合領域、617・・・パワーセンサ、618・・・光源制御装置、643・・・信号線、702・・・可動部材、710・・・多波長蛍光体領域構成、710−X、710−X’、710−1、710−2、710−3、710−4、710−5、710−6・・・蛍光体サブ領域、724・・・照射スポット、800、800’・・・図、802・・・可動部材、810・・・多波長蛍光体領域構成、810−X、810−1、810−2、810−3、810−4、810−5、810−6・・・蛍光体サブ領域、824・・・照射スポット、900・・・光源構成、908・・・リニアアクチュエータ、910・・・発光蛍光体領域、910−1、910−2、910−3・・・蛍光体サブ領域、912A・・・第1の光源、912B・・・第2の光源、917A、917B・・・パワーセンサ、920’・・・ホストシステム光アプリケーション、924A、924B・・・照射スポット、1000・・・光源構成、1012’・・・光ファイバ束、1016A,1016B・・・放射光出射結合領域、1020・・・出射光路、1022・・・レンズ、1028・・・集光鏡、1100・・・光源構成、1112・・・出射光ファイバ、1113・・・多重ファイバ集光装置、1116・・・放射光出射結合領域、1120’・・・ホストシステム光アプリケーション、CRlow、CRmed、CRhigh・・・光寄与領域、ESL・・・放射面位置、EPT・・・励起蛍光体トラック、L1、L1A、L1B・・・入射光、L2、L2A、L2B、L2’・・・出射光、LR1、LR2・・・限界光線、λX、λ1、λ2・・・固有ピーク波長
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部材アクチュエータに接続される可動部材と、
前記可動部材に関連する少なくとも1つの発光蛍光体領域と、
第1の放射光出射結合領域に対し固定される第1の照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を入射光で照射するように構成される第1の入射光源と、
前記可動部材アクチュエータと前記第1の入射光源に作動可能に連結される光源制御装置と、を含む光源構成であって、
前記可動部材に関連する前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は前記第1の放射光出射結合領域の公称面積の少なくとも25倍の領域にわたって分散され、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて前記第1の放射光出射結合領域において光を放射するように構成され、
前記光源構成は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて前記第1の放射光出射結合領域において光を放射する間に、前記第1の照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を動かすように構成される、光源構成。
【請求項2】
前記光源構成は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて前記第1の放射光出射結合領域において光を放射する間に、前記第1の照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を1つ以上の速度(少なくとも2.5m/sの速度を含む)で動かすように構成される、請求項1に記載の光源構成。
【請求項3】
前記1つ以上の速度は少なくとも7.5m/sの速度を含む、請求項2に記載の光源構成。
【請求項4】
前記第1の照射スポットは最大でも500ミクロンの公称スポット径を有する、請求項2に記載の光源構成。
【請求項5】
前記光源構成は、前記光源制御装置が平方ミリメートル当たり少なくとも20ミリワットもの大きさの前記第1の照射スポットの光強度の空間的平均値を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成される、請求項4に記載の光源構成。
【請求項6】
前記光源構成は、前記光源制御装置が平方ミリメートル当たり少なくとも2000ミリワットもの大きさの前記第1の照射スポットの光強度の空間的平均値を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成される、請求項5に記載の光源構成。
【請求項7】
前記第1の照射スポットは最大でも100ミクロンの公称スポット径を有する、請求項6に記載の光源構成。
【請求項8】
前記光源構成は前記光源制御装置が少なくとも1つのパルス持続時間を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成され、前記少なくとも1つのパルス持続時間は最大でも50マイクロ秒のパルス持続時間を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項9】
第1の組の出射光路光学素子をさらに含む、請求項1に記載の光源構成であって、
前記第1の組の出射光路光学素子の入射開口部は前記第1の放射光出射結合領域から光を受光するように配置され、
前記第1の組の出射光路光学素子は第1の出射光ファイバを含み、
前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は、前記第1の出射光ファイバに光を送るレンズに関連する開口部と、前記第1の出射光ファイバ端の光搬送コア領域に関連する開口部とを含む、光源構成。
【請求項10】
前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域の最も近い部分から最大でも2.0ミリメートルに配置される、請求項9に記載の光源構成。
【請求項11】
前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は前記第1の出射光ファイバ端の前記光搬送コア領域に関連する開口部を含む、請求項10に記載の光源構成。
【請求項12】
前記第1の入射光源は、入射光を発生する第1の入射光発生器と、前記光を前記第1の入射光発生器から第1の組の入射光路光学素子の出射開口部まで搬送する前記第1の組の入射光路光学素子とを含み、前記出射開口部は前記第1の照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を照射し、
前記第1の組の入射光路光学素子は第1の入射光ファイバを含み、
前記第1の組の入射光路光学素子の前記出射開口部は、前記第1の入射光ファイバからの光を送るレンズに関連する開口部と前記第1の入射光ファイバ端の光搬送コア領域に関連する開口部とのうちの1つを含む、請求項9に記載の光源構成。
【請求項13】
前記第1の組の入射光路光学素子の前記出射開口部と前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は前記少なくとも1つの発光蛍光体領域の同じ側に配置され、
前記第1の入射光ファイバと前記第1の出射光ファイバは同じ光ファイバセグメントを含み、
前記第1の組の入射光路光学素子の前記出射開口部と前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は同じ開口部である、請求項12に記載の光源構成。
【請求項14】
前記第1の放射光出射結合領域は名目上円形であり、寸法DRを有し、
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は約TEの放射時間を有する蛍光体を含み、
前記光源構成は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が最大でもDR/TE、少なくともDR/(2×TE)の速度で前記第1の照射スポットを横断するように構成される、請求項1に記載の光源構成。
【請求項15】
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は約TEの放射時間を有する蛍光体を含み、
前記光源構成は、前記光源制御装置が少なくとも1つのパルス持続時間を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成され、
前記少なくとも1つのパルス持続時間はTE未満のパルス持続時間を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項16】
前記光源構成はクロマティックポイントセンサを含むホストシステムに含まれる、請求項1に記載の光源構成。
【請求項17】
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて広帯域光を放射する蛍光体領域を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項18】
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は、第1の照射スポットにおいて前記入射光を受光することに応じて異なるそれぞれのピーク波長の光を放射する複数のそれぞれの発光蛍光体サブ領域を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項19】
それぞれの発光蛍光体サブ領域は前記第1の放射光出射結合領域の公称面積の少なくとも25倍の領域にわたって分散される、請求項18に記載の光源構成。
【請求項20】
前記可動部材アクチュエータは回転軸を中心に前記可動部材を回転させるように動作可能であり、
前記それぞれの発光蛍光体サブ領域は、前記回転軸から第1の半径でかつ前記回転軸を中心とした第1の角度範囲AR1にわたって配置された領域を含む第1のサブ領域と、前記回転軸から前記第1の半径でかつ前記回転軸を中心とした第2の角度範囲AR2にわたって配置された領域を含む第2のサブ領域と、を含み、
前記可動部材の回転は前記第1の照射スポットが生じる位置を横切って前記第1と第2のサブ領域を連続的に動かすようにする、請求項18に記載の光源構成。
【請求項21】
前記可動部材アクチュエータは前記回転軸を中心として前記可動部材を角速度ωで回転させるように構成され、
前記光源制御装置はAR1/ω未満の少なくとも1つのパルス持続時間を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成され、
前記光源制御装置は、前記第1の照射スポットが前記角度範囲AR1内に入るように、AR1/ω未満の前記少なくとも1つのパルス持続時間と前記可動部材の前記回転とを同期させるために前記第1の入射光源を制御するように構成され、
前記光源構成は、他のいかなる発光蛍光体サブ領域に対応する光も放射することなく前記第1のサブ領域に対応するそれぞれのピーク波長を有する光を前記可動部材の1つ以上の回転にわたって放射するように動作可能である、請求項18に記載の光源構成。
【請求項22】
前記可動部材アクチュエータは回転軸を中心に前記可動部材を回転させるように動作可能であり、
前記それぞれの発光蛍光体サブ領域は、前記回転軸から第1の半径でかつ前記回転軸を中心とし360度にわたって配置された領域を含む第1のサブ領域と、前記回転軸から第2の半径でかつ前記回転軸を中心とし360度にわたって配置された領域を含む第2のサブ領域と、を含む、請求項18に記載の光源構成。
【請求項23】
前記可動部材アクチュエータは前記回転軸に垂直な方向に沿って前記可動部材を平行移動させるように動作可能であり、
前記回転軸に垂直な方向に沿った前記可動部材の平行移動は、前記第1の照射スポットが生じる場所を横切って前記第1と第2のサブ領域を連続的に動かす、請求項21に記載の光源構成。
【請求項24】
前記光源制御装置に接続される第2の入射光源であって、第2の放射光出射結合領域に対し固定された第2の照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を入射光で照射するように構成される、第2の入射光源と、
前記第1の放射光出射結合領域から光を受光し前記第1の組の出射光路光学素子の光ファイバを介しその光を送るように配置されたそれぞれの入射開口部を含む第1の組の出射光路光学素子と、
前記第2の放射光出射結合領域から光を受光し前記第2の組の出射光路光学素子の光ファイバを介しその光を送るように配置されたそれぞれの入射開口部を含む第2の組の出射光路光学素子と、をさらに含む請求項21に記載の光源構成であって、
前記光源構成は、前記第1の照射スポットが前記第1のサブ領域と一致するように配置されるように、かつ前記第1のサブ領域が前記第1のサブ領域に対応するそれぞれのピーク波長を有する光を放射するように、そして同時に、前記第2の照射スポットが前記第2のサブ領域と一致するように配置されかつ前記第2のサブ領域が前記第2のサブ領域に対応するそれぞれのピーク波長を有する光を放射するように、構成される、光源構成。
【請求項25】
前記第1の組の出射光路光学素子の光ファイバと前記第2の組の出射光路光学素子の光ファイバは同じ光ファイバを含む、請求項24に記載の光源構成。
【請求項26】
ビームスプリッタとパワーセンサとをさらに含む請求項1に記載の光源構成であって、
前記ビームスプリッタは、前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて、前記第1の放射光出射結合領域から放射された前記光の一部を受光し、前記受光された光の一部を前記パワーセンサに向けるように構成され、
前記光源制御装置は前記パワーセンサにより供給される信号に基づき前記第1の照射スポットにおける前記入射光のパワーを制御するように構成される、光源構成。
【請求項27】
前記光源構成は、前記第1の放射光出射結合領域をほぼ囲むとともに第1の組の出射光路光学素子の入射開口部に近接した前記第1の放射光出射結合領域から放射された光を集光する集光鏡を含む集光装置を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項28】
前記集光鏡は楕円面鏡を含み、
前記光源構成は前記楕円面鏡の1焦点に近接した前記第1の照射スポットと前記楕円面鏡の他の焦点に近接して設定された前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部とを位置決めすることを含む、請求項27に記載の光源構成。
【請求項29】
前記光源構成は、前記第1の放射光出射結合領域から複数の方向に沿って放射された光を受光するために、異なる場所に配置されたそれぞれの入射端を有する複数の光ファイバを含む集光光ファイバ装置を含む集光装置を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項30】
前記光源制御装置に接続される第2の入射光源であって、前記第1の放射光出射結合領域に対し固定された前記第1の照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を入射光で照射し、前記第1と第2の入射光源からの前記入射光は前記第1の照射スポットにおける合成輝度を供給するように構成された、第2の入射光源をさらに含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項31】
前記可動部材アクチュエータは回転軸を中心に可動部材を回転させるように動作可能であり、
前記可動部材は前記回転軸に垂直な方向に沿って最大でも50ミリメートルの最大寸法を有し、
前記光源構成は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記第1の照射スポットにおける入射光に応じて前記第1の放射光出射結合領域において光を放射する間に、前記第1の照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を1つ以上の速度(少なくとも2.5m/sの速度を含む)で動かすように構成される、請求項1に記載の光源構成。
【請求項32】
可動部材アクチュエータに接続される可動部材と、前記可動部材に関連する少なくとも1つの発光蛍光体領域と、放射光出射結合領域に対し固定された照射スポットにおいて前記少なくても1つの発光蛍光体領域を入射光で照射するように構成された入射光源と、前記可動部材アクチュエータと前記入射光源に作動可能に連結される光源制御装置と、を含む光源構成を動作させる方法であって、
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記放射光出射結合領域の公称面積の少なくとも25倍の領域にわたって前記可動部材上に分散されるように構成された可動部材を設ける工程を含む前記光源構成を設ける工程と、
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記照射スポットにおける入射光に応じて前記放射光出射結合領域において光を放射するように、前記照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を前記入射光で照射するように前記光源構成を動作させる工程と、
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記放射光出射結合領域において光を放射する間に、前記照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を動かすように前記光源構成を動作させる工程と、を含む方法。
【請求項33】
前記照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を動かすように前記光源構成を動作させる工程は、前記照射スポットに対して前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を少なくとも2.5m/sの速度で動かす工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記照射スポットが前記光源構成の第1の動作期間中に前記少なくとも1つの発光蛍光体領域に沿って第1のトラックを横切りかつ前記照射スポットが前記光源構成の第2の動作期間中に前記少なくとも1つの発光蛍光体領域に沿って前記第1のトラックとは異なる第2のトラックを横切るように、かつ前記照射スポットに対して前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を動かすように、前記可動部材アクチュエータを動作させる工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記光源構成は、前記照射スポットが最大でも2.0ミリメートルの公称スポット径を有するように構成される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記光源制御装置が少なくとも1つのパルス持続時間を供給するように入射光源を制御し、前記少なくとも1つのパルス持続時間が最大でも50マイクロ秒のパルス持続時間を含むように前記光源構成を動作させる工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
クロマティックポイントセンサを含むホストシステムに光を供給するように前記光源構成を動作させる工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項1】
可動部材アクチュエータに接続される可動部材と、
前記可動部材に関連する少なくとも1つの発光蛍光体領域と、
第1の放射光出射結合領域に対し固定される第1の照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を入射光で照射するように構成される第1の入射光源と、
前記可動部材アクチュエータと前記第1の入射光源に作動可能に連結される光源制御装置と、を含む光源構成であって、
前記可動部材に関連する前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は前記第1の放射光出射結合領域の公称面積の少なくとも25倍の領域にわたって分散され、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて前記第1の放射光出射結合領域において光を放射するように構成され、
前記光源構成は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて前記第1の放射光出射結合領域において光を放射する間に、前記第1の照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を動かすように構成される、光源構成。
【請求項2】
前記光源構成は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて前記第1の放射光出射結合領域において光を放射する間に、前記第1の照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を1つ以上の速度(少なくとも2.5m/sの速度を含む)で動かすように構成される、請求項1に記載の光源構成。
【請求項3】
前記1つ以上の速度は少なくとも7.5m/sの速度を含む、請求項2に記載の光源構成。
【請求項4】
前記第1の照射スポットは最大でも500ミクロンの公称スポット径を有する、請求項2に記載の光源構成。
【請求項5】
前記光源構成は、前記光源制御装置が平方ミリメートル当たり少なくとも20ミリワットもの大きさの前記第1の照射スポットの光強度の空間的平均値を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成される、請求項4に記載の光源構成。
【請求項6】
前記光源構成は、前記光源制御装置が平方ミリメートル当たり少なくとも2000ミリワットもの大きさの前記第1の照射スポットの光強度の空間的平均値を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成される、請求項5に記載の光源構成。
【請求項7】
前記第1の照射スポットは最大でも100ミクロンの公称スポット径を有する、請求項6に記載の光源構成。
【請求項8】
前記光源構成は前記光源制御装置が少なくとも1つのパルス持続時間を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成され、前記少なくとも1つのパルス持続時間は最大でも50マイクロ秒のパルス持続時間を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項9】
第1の組の出射光路光学素子をさらに含む、請求項1に記載の光源構成であって、
前記第1の組の出射光路光学素子の入射開口部は前記第1の放射光出射結合領域から光を受光するように配置され、
前記第1の組の出射光路光学素子は第1の出射光ファイバを含み、
前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は、前記第1の出射光ファイバに光を送るレンズに関連する開口部と、前記第1の出射光ファイバ端の光搬送コア領域に関連する開口部とを含む、光源構成。
【請求項10】
前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域の最も近い部分から最大でも2.0ミリメートルに配置される、請求項9に記載の光源構成。
【請求項11】
前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は前記第1の出射光ファイバ端の前記光搬送コア領域に関連する開口部を含む、請求項10に記載の光源構成。
【請求項12】
前記第1の入射光源は、入射光を発生する第1の入射光発生器と、前記光を前記第1の入射光発生器から第1の組の入射光路光学素子の出射開口部まで搬送する前記第1の組の入射光路光学素子とを含み、前記出射開口部は前記第1の照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を照射し、
前記第1の組の入射光路光学素子は第1の入射光ファイバを含み、
前記第1の組の入射光路光学素子の前記出射開口部は、前記第1の入射光ファイバからの光を送るレンズに関連する開口部と前記第1の入射光ファイバ端の光搬送コア領域に関連する開口部とのうちの1つを含む、請求項9に記載の光源構成。
【請求項13】
前記第1の組の入射光路光学素子の前記出射開口部と前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は前記少なくとも1つの発光蛍光体領域の同じ側に配置され、
前記第1の入射光ファイバと前記第1の出射光ファイバは同じ光ファイバセグメントを含み、
前記第1の組の入射光路光学素子の前記出射開口部と前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部は同じ開口部である、請求項12に記載の光源構成。
【請求項14】
前記第1の放射光出射結合領域は名目上円形であり、寸法DRを有し、
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は約TEの放射時間を有する蛍光体を含み、
前記光源構成は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が最大でもDR/TE、少なくともDR/(2×TE)の速度で前記第1の照射スポットを横断するように構成される、請求項1に記載の光源構成。
【請求項15】
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は約TEの放射時間を有する蛍光体を含み、
前記光源構成は、前記光源制御装置が少なくとも1つのパルス持続時間を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成され、
前記少なくとも1つのパルス持続時間はTE未満のパルス持続時間を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項16】
前記光源構成はクロマティックポイントセンサを含むホストシステムに含まれる、請求項1に記載の光源構成。
【請求項17】
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて広帯域光を放射する蛍光体領域を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項18】
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域は、第1の照射スポットにおいて前記入射光を受光することに応じて異なるそれぞれのピーク波長の光を放射する複数のそれぞれの発光蛍光体サブ領域を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項19】
それぞれの発光蛍光体サブ領域は前記第1の放射光出射結合領域の公称面積の少なくとも25倍の領域にわたって分散される、請求項18に記載の光源構成。
【請求項20】
前記可動部材アクチュエータは回転軸を中心に前記可動部材を回転させるように動作可能であり、
前記それぞれの発光蛍光体サブ領域は、前記回転軸から第1の半径でかつ前記回転軸を中心とした第1の角度範囲AR1にわたって配置された領域を含む第1のサブ領域と、前記回転軸から前記第1の半径でかつ前記回転軸を中心とした第2の角度範囲AR2にわたって配置された領域を含む第2のサブ領域と、を含み、
前記可動部材の回転は前記第1の照射スポットが生じる位置を横切って前記第1と第2のサブ領域を連続的に動かすようにする、請求項18に記載の光源構成。
【請求項21】
前記可動部材アクチュエータは前記回転軸を中心として前記可動部材を角速度ωで回転させるように構成され、
前記光源制御装置はAR1/ω未満の少なくとも1つのパルス持続時間を与えるように前記第1の入射光源を制御するように構成され、
前記光源制御装置は、前記第1の照射スポットが前記角度範囲AR1内に入るように、AR1/ω未満の前記少なくとも1つのパルス持続時間と前記可動部材の前記回転とを同期させるために前記第1の入射光源を制御するように構成され、
前記光源構成は、他のいかなる発光蛍光体サブ領域に対応する光も放射することなく前記第1のサブ領域に対応するそれぞれのピーク波長を有する光を前記可動部材の1つ以上の回転にわたって放射するように動作可能である、請求項18に記載の光源構成。
【請求項22】
前記可動部材アクチュエータは回転軸を中心に前記可動部材を回転させるように動作可能であり、
前記それぞれの発光蛍光体サブ領域は、前記回転軸から第1の半径でかつ前記回転軸を中心とし360度にわたって配置された領域を含む第1のサブ領域と、前記回転軸から第2の半径でかつ前記回転軸を中心とし360度にわたって配置された領域を含む第2のサブ領域と、を含む、請求項18に記載の光源構成。
【請求項23】
前記可動部材アクチュエータは前記回転軸に垂直な方向に沿って前記可動部材を平行移動させるように動作可能であり、
前記回転軸に垂直な方向に沿った前記可動部材の平行移動は、前記第1の照射スポットが生じる場所を横切って前記第1と第2のサブ領域を連続的に動かす、請求項21に記載の光源構成。
【請求項24】
前記光源制御装置に接続される第2の入射光源であって、第2の放射光出射結合領域に対し固定された第2の照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を入射光で照射するように構成される、第2の入射光源と、
前記第1の放射光出射結合領域から光を受光し前記第1の組の出射光路光学素子の光ファイバを介しその光を送るように配置されたそれぞれの入射開口部を含む第1の組の出射光路光学素子と、
前記第2の放射光出射結合領域から光を受光し前記第2の組の出射光路光学素子の光ファイバを介しその光を送るように配置されたそれぞれの入射開口部を含む第2の組の出射光路光学素子と、をさらに含む請求項21に記載の光源構成であって、
前記光源構成は、前記第1の照射スポットが前記第1のサブ領域と一致するように配置されるように、かつ前記第1のサブ領域が前記第1のサブ領域に対応するそれぞれのピーク波長を有する光を放射するように、そして同時に、前記第2の照射スポットが前記第2のサブ領域と一致するように配置されかつ前記第2のサブ領域が前記第2のサブ領域に対応するそれぞれのピーク波長を有する光を放射するように、構成される、光源構成。
【請求項25】
前記第1の組の出射光路光学素子の光ファイバと前記第2の組の出射光路光学素子の光ファイバは同じ光ファイバを含む、請求項24に記載の光源構成。
【請求項26】
ビームスプリッタとパワーセンサとをさらに含む請求項1に記載の光源構成であって、
前記ビームスプリッタは、前記第1の照射スポットにおける前記入射光に応じて、前記第1の放射光出射結合領域から放射された前記光の一部を受光し、前記受光された光の一部を前記パワーセンサに向けるように構成され、
前記光源制御装置は前記パワーセンサにより供給される信号に基づき前記第1の照射スポットにおける前記入射光のパワーを制御するように構成される、光源構成。
【請求項27】
前記光源構成は、前記第1の放射光出射結合領域をほぼ囲むとともに第1の組の出射光路光学素子の入射開口部に近接した前記第1の放射光出射結合領域から放射された光を集光する集光鏡を含む集光装置を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項28】
前記集光鏡は楕円面鏡を含み、
前記光源構成は前記楕円面鏡の1焦点に近接した前記第1の照射スポットと前記楕円面鏡の他の焦点に近接して設定された前記第1の組の出射光路光学素子の前記入射開口部とを位置決めすることを含む、請求項27に記載の光源構成。
【請求項29】
前記光源構成は、前記第1の放射光出射結合領域から複数の方向に沿って放射された光を受光するために、異なる場所に配置されたそれぞれの入射端を有する複数の光ファイバを含む集光光ファイバ装置を含む集光装置を含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項30】
前記光源制御装置に接続される第2の入射光源であって、前記第1の放射光出射結合領域に対し固定された前記第1の照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を入射光で照射し、前記第1と第2の入射光源からの前記入射光は前記第1の照射スポットにおける合成輝度を供給するように構成された、第2の入射光源をさらに含む、請求項1に記載の光源構成。
【請求項31】
前記可動部材アクチュエータは回転軸を中心に可動部材を回転させるように動作可能であり、
前記可動部材は前記回転軸に垂直な方向に沿って最大でも50ミリメートルの最大寸法を有し、
前記光源構成は、前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記第1の照射スポットにおける入射光に応じて前記第1の放射光出射結合領域において光を放射する間に、前記第1の照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を1つ以上の速度(少なくとも2.5m/sの速度を含む)で動かすように構成される、請求項1に記載の光源構成。
【請求項32】
可動部材アクチュエータに接続される可動部材と、前記可動部材に関連する少なくとも1つの発光蛍光体領域と、放射光出射結合領域に対し固定された照射スポットにおいて前記少なくても1つの発光蛍光体領域を入射光で照射するように構成された入射光源と、前記可動部材アクチュエータと前記入射光源に作動可能に連結される光源制御装置と、を含む光源構成を動作させる方法であって、
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記放射光出射結合領域の公称面積の少なくとも25倍の領域にわたって前記可動部材上に分散されるように構成された可動部材を設ける工程を含む前記光源構成を設ける工程と、
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記照射スポットにおける入射光に応じて前記放射光出射結合領域において光を放射するように、前記照射スポットにおいて前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を前記入射光で照射するように前記光源構成を動作させる工程と、
前記少なくとも1つの発光蛍光体領域が前記放射光出射結合領域において光を放射する間に、前記照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を動かすように前記光源構成を動作させる工程と、を含む方法。
【請求項33】
前記照射スポットを横切って前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を動かすように前記光源構成を動作させる工程は、前記照射スポットに対して前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を少なくとも2.5m/sの速度で動かす工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記照射スポットが前記光源構成の第1の動作期間中に前記少なくとも1つの発光蛍光体領域に沿って第1のトラックを横切りかつ前記照射スポットが前記光源構成の第2の動作期間中に前記少なくとも1つの発光蛍光体領域に沿って前記第1のトラックとは異なる第2のトラックを横切るように、かつ前記照射スポットに対して前記少なくとも1つの発光蛍光体領域を動かすように、前記可動部材アクチュエータを動作させる工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記光源構成は、前記照射スポットが最大でも2.0ミリメートルの公称スポット径を有するように構成される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記光源制御装置が少なくとも1つのパルス持続時間を供給するように入射光源を制御し、前記少なくとも1つのパルス持続時間が最大でも50マイクロ秒のパルス持続時間を含むように前記光源構成を動作させる工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
クロマティックポイントセンサを含むホストシステムに光を供給するように前記光源構成を動作させる工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−117960(P2011−117960A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267051(P2010−267051)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
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