説明

黒豆(インゲンマメL)エキスによる癌細胞の増殖抑制

全発芽又は非発芽黒豆(インゲンマメL)及び/又はそれらの乾燥粉末分画、例えば種外被又は外皮及び子葉などから抽出した一群の植物性化学化合物を記載する。これらの植物性化学物質は、ホルモン依存性乳(MCF−7)、ホルモン依存性肝臓(HepG2)及び結腸(Caco2)癌細胞の癌増殖を低下させるのに有効であることが証明されている、ポリフェノール、フラボノイド、クマリン、及びタンニンなどのフェノール類、サポニンなどのトリテルペン、植物ステロール及び他の抗酸化化合物として分類される。これらはさらにDMBAによって誘導される化学的損傷に対して有効に防御し、ウィスターラット中でこの化学物質によって誘導される癌をさらに予防し、腫瘍検出後に消費されると腫瘍サイズも低下させた。メタノール、アセトン、エタノール、水及びこれらの溶媒の混合物を使用して、異なる品種の粗製、加工、及び発芽黒豆から、粒全体と外皮の両方からエキスを得た。黒豆麦芽処理法によって、MCF−7癌細胞の増殖に対してより生物学的に活性がある、アグリコン形の前述の化合物が豊富なエキスを生成した。粗製エキス、及びC−18HPLC精製エキス、並びに分画化エキスを、さまざまなホルモン依存性及び非依存性の癌に対する治療、予防、改善又は防御において使用することができる。エキス及び化合物は他の有用性を有する、例えばコレステロールを低下させるか或いはLDLの酸化を低下させる、及び/又はコレステロール合成(又はそのための酵素)を阻害する、及び/又は肝線維症を低下させる、及び/又は閉経症状を減少させる、及び/又はカルシウム吸収を刺激する、及び/又はメス化エストロゲン活性などのエストロゲン活性を有する、且つ/或いは例えば栄養補助食品中の活性成分として、及び/又は食品、化粧品又は薬剤抗酸化剤又は着色剤としての抗酸化剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に引用又は参照する全ての文書(「本明細書中の引用文書」)、及び本明細書中の引用文書に引用又は参照する全ての文書、並びに本明細書又は本明細書に参照により組み込む任意の文書中で述べるいずれの製品に関する製造者の教示書、詳細、製品仕様書、及び製品シートは、全て参照によりこの本明細書に組み込み、本発明を実施する際に使用することができる。
【0002】
本発明は、ポリフェノール、フラボノイド、及びタンニンなどのフェノール類、植物ステロール、並びにサポニンなどのトリテルペノイドを含む黒豆のエキス、並びに証明された抗酸化能、着色能を有する他の天然産物を含む組成物を生成するためのプロセス又は方法と、例えば抗酸化剤、栄養補助食品として、食品、化粧品又は薬剤用の抗酸化剤又は着色剤として、例えば癌又は癌細胞増殖、例えばホルモン依存性又はホルモン非依存性腫瘍又は癌又は癌細胞など、例えば哺乳動物の乳、前立腺、結腸、肝臓、白血病癌又は癌細胞増殖などを治療、予防及び/又は抑制するための抗新生物又は抗癌又は抗腫瘍調製物として、コレステロールを低下させる又はLDLの酸化を低下させるため或いはコレステロール合成(又はそのための酵素)を阻害するための組成物中の活性成分として、閉経症状を減少させるため或いは閉経後の哺乳動物(例えばヒト、コンパニオンアニマルなどの動物、例えばイヌ科動物)のメスにカルシウムを吸収させるための組成物、例えば栄養補助食品中の活性成分として(何故なら、外皮及び/又は豆由来の黒豆エキスはエストロゲン活性;メス化エストロゲン活性を有する可能性があるので)、或いは硬変などの慢性疾患を予防し得る強力な酸化剤としてのそれらの使用とに関する。本発明は、本発明の組成物又は調製物を使用するための方法、及び本発明の組成物又は調製物を作製又は配合するための方法も含む。本発明はさらに、グリコシドを含む粗製エキスより優れた特性(例えば、高濃度の活性化合物)を有するエキスを生成する本発明の一実施形態である、黒豆を発芽させるか又は麦芽処理することによる非グリコシド型フェノール高含量エキスを得るための手順に関する。本発明はさらに、高濃度の活性化合物を有する外皮を得るための方法に関する。本発明中の用語「外皮(hulls)」は、さやから全マメを除去した後の豆全体の外側の薄い膜である。解剖学上及び生物学上、マメ科の外皮は「種被(testa)」又は「種被(複数)」と名付けられる。対照的に、「さや(pods)」は、嚢と同様に全マメ全体を含む。本発明はさらに、「水性2相系」(ATPS(Aqueous two-phase systems))を使用することによって黒豆エキスから、植物性化学物質の複合混合物を分離するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
豆類はメキシコでは最も重要な穀物の1つであり、一般的な豆の年間平均摂取量は1人当たり約22kgであり(Castellanosら1997);興味深いことに黒豆及びピント豆が最も広く消費されている。さらに本発明者は、他の型の豆が通常摂取されている他の州とは対照的に、女性が黒豆を消費する州では乳癌の発生率が有意に低いことは興味深いと考えた。1997年、25才を超える女性の乳癌による平均死亡率は女性100,000人当たり14.8人であり、一方で黒豆が頻繁に消費される州に住む対応する人達では、死亡率は8.2であった(CONAPO,2004)。本発明者は、40%を超える低い危険性は、黒豆の消費に少なくとも一部分は原因がある可能性があると推測した。世界の他の箇所で発生しているように、乳癌死の高い発生率は40才を超える閉経後の女性において生じる。乳癌による死の最も高い発生率は、65才を超える老人女性においてである(女性100,000人当たり42.4人)。Azevedoら,2003も参照のこと(黒豆食を与えたマウスはCP誘導型DNA損傷の低い発生率を示した可能性があるが、この試験は精製黒豆サンプル由来の精製化合物又は画分を使用せず、突然変異に変わる可能性があるか又はそうではない、主要なDNA損傷のみを検出するコメットアッセイを利用して、これによってCONAPO,2004中の不確かな観察結果しか当技術分野にもたらしていないことに留意されたい)。
【0004】
インゲンマメ由来の幾つかのフェノール化合物が報告されてきており、その大部分は真菌感染した豆から単離されるフィトアレキシンである(Burden1972,Perrin1972,Kim,1988,Beningerら1998,Beningerら1999)。同様に、考えられる栄養性を有する他のフェノール類も、健康な黒豆から抽出されている。タンニンは外皮の組成の少なくとも4%となる可能性があり、この割合は多様性及び/又は保存条件に従い増大する。Cardador-Martinezら(2002)は、一般的な豆中の大部分のフェノール類及び抗酸化剤は外皮又は種被中に濃縮され、これらの抗酸化剤はフリーラジカルスカベンジャー活性及び抗突然変異活性を有していたことを見出した。異なるフラボノイド、特にアントシアニンが豆の種色と関係しており、それは種外被の2.5%を占める可能性がある。黒豆中のアントシアニンのレベル(少なくとも200mg/豆100g)は、ベリーなどの果実において報告されたレベルに匹敵する(Takeokaら1997)。以前に同定された可能性がある化合物が、本明細書で述べる有用性を有することは示されてきていない。
【0005】
アントシアニンは他のフラボノイドと同様に、酸化ストレスと関係があるヒト疾患の予防において重要な役割を果たしているようである。これらの性質はDPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)法を使用して6〜42%の基が除去される範囲のそれらの高い抗酸化活性に起因しており、この値は分子と結合した糖の存在によって大きく影響を受ける。結合糖はフラボノイドの抗酸化活性を低下させる(Kahkonen及びHeinonen,2003)。アントシアニンに関する文献は、本明細書で述べる黒豆及び/又はその外皮エキス、それらの化合物、並びにそれらの使用を開示又は示唆していない。
【0006】
文献中で以前に報告された他群のフラボノイドはイソフラボンであり、これはエストロゲン及び他の生物活性を有する。これらの化合物は非栄養性であると考えられるが;しかしながら、それらの有用又は栄養効果のために、これらの化合物の関心が生じている(Setchel及びCassidy 1999)。Tabor、米国特許第6,482,448号及びKelly、米国特許第6,497,906号は、閉経前症状、心臓/心臓血管関連状態、骨粗しょう症、乳/前立腺癌、子宮内膜異常及びアルツハイマー病を含めた頭部/脳症状を治療又は予防するための、異なる割合及び濃度の、イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステイン、ホルモノネチン、ビオカニンA及びグリシテインを含むダイズから得られる配合物又はサプリメントに関する。このような文献及び特許中に、本明細書で開示する黒豆及び/又はその外皮由来のエキス、その化合物、並びにそれらの有用性の教示又は示唆はない。
【0007】
フラボノイド及びサポニンなどの多くの天然化合物は、そのグリコシド型で主に存在し;基本構造はグルコース、ガラクトース、アラビノース、ラムノース及びキシロースなどの単糖少なくとも1つの分子で置換されている。発酵又はグリコシド関連酵素により結合糖を除去することによって、より高い生物活性を有するエキスが得られる。何故なら、生成するアグリコンは細胞受容体に対してより高い親和性を有するからである。幾つかの米国特許は、アグリコンイソフラボン多量生成物を調製するための方法に関する(米国特許第6,579,561号、米国特許第6,500,965号、米国特許第6,146,668号、米国特許第5,320,949号;米国特許第5,352,384号;米国特許第5,637,561号及び米国特許第5,637,562号)。Izumiら(2000)は、ヒト中のダイズイソフラボンアグリコン及びグリコシドの吸収の違いを調べ、アグリコン摂取後に、グルコシド摂取後に観察されたレベルより(2倍を超える)高い血漿濃度が観察されたことを見出した。Setchellら(2001)は、アグリコンゲニステイン及びダイゼインは、それらの対応するグリコシドより速くピーク血漿濃度に達したことを決定した。米国特許第6,607,757号は、閉経後症状並びに乳及び前立腺癌を治療するための、イソフラボン及びサポニンを有するダイズ(Glycine max)エキスに関する。Hendlerら、米国特許第6,541,613号は、エステル化によりイソフラボンを修飾して、生物学的利用能を高め、水溶性を高めることに関する。エステル化イソフラボンは、さまざまな状態の治療又は予防に使用することができる。これらの文献及び特許は、本明細書で開示する黒豆及び/又はその外皮エキス、それらに由来する化合物、並びにそれらの使用を開示又は示唆していない。
【0008】
Thurn及びHuang、米国特許第6,004,558号は、レッドクローバー(Tribolium sp)又はダイズのエキスを含む治療用組成物の調製に関するものであり、そこからイソフラボンは除去されたが、それにもかかわらず、これらのエキスの治療用途はさまざまな癌を治療又は予防するのに有効であった。したがって、他の型のフラボノイド及び/又はフェノール化合物及び/又はトリテルペン及び/又は他の天然化合物も、癌を治療するのに有用である。例えばProchaskaら(米国特許第5,336,685号)は、α及びβナフトフラボン、フラボン並びに2,3ジヒドロフラボンなどのフラボノイドを用いて多剤耐性癌細胞の増殖を阻害する方法に関する。Buchholzら、米国特許第6,514,527号は、ヒト組織への損傷及び心臓血管疾患に対する抗酸化性及び予防性を有する、バイオフラボノイド、イソケラセチン、ケラセチン、4−グリコシド、ルチン及びケルセチンの混合物を含む組成物に関する。他方でRomancyzkら、米国特許第6,562,863号及び米国特許第6,479,539号は、抗酸化剤及び抗腫瘍剤として使用するための、ポリフェノール又はプロシアニジンが豊富なココア(Theobroma cacao)エキスに関する。近年Bawadiら(2005)は、黒豆から単離した縮合タンニンは正常なヒト線維芽肺細胞の増殖には干渉しなかったが、細胞を破壊することによってCaco−2結腸、MCF−7及びHs578T乳、及びDU145前立腺癌細胞の増殖を阻害したことを実証した。興味深いことに彼らは、ATPレベルはタンニン処理した癌細胞中では低下し、これは低下した細胞増殖及び移動活性を示し、タンニン処理した細胞の全体の形態を調べることによって、アポトーシスにより生じた細胞死が示唆されたことを見出した。Morreら(米国特許第6,410,061号)は、癌又は固形腫瘍を治療するための、緑茶(Camellia sinensis)から得たカテキンを主成分とするエキスに関する。カテキンの組成物は、没食子酸エピガロカテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、及びエピガロカテキンを含む。緑茶中に見られる主要なカテキンである没食子酸エピガロカテキンは、癌細胞系中の幾つかの遺伝子のDNA転写を阻害し、したがって抗癌物質として働いた。これらの特許は、本明細書で開示する黒豆及び/又はその外皮エキス、それらに由来する化合物、並びにそれらの使用を開示又は示唆していない。
【0009】
前述のように、黒豆中に見られる大部分のフェノール化合物は種被中に濃縮されている(Cardador-Martinezら,2002)。Sosulski及びDabrowski(1984)は、外皮を除去することはキマメ、ソラマメ、リョクトウ及びレンズマメのフェノール組成物を実質的に減少させたが、エンドウ、白インゲンマメ、ライマメ又はヒヨコマメのフェノール組成物にはほとんど影響がなかったことを見出した。Ronzioら、米国特許第5,762,936号は、フリーラジカルを抑制し、炎症の原因である特定の細胞を阻害する能力を有する、縮合タンニン、フラボン、フラバノール、及びフェノール酸が豊富なレンズマメ(Lens esculenta)の種外被のエキスの調製に関する。本発明者らは、黒豆外皮に生物活性を与える文献を発見しなかった。しかしながらGrabielらは、近年公開された米国特許出願20040131749A1中に、植物性化学物質、特にアントシアニン、フラボノール、プロアントシアニジン、イソフラボン、サポニン、サポゲニン、レクチン、ビタミン、ミネラル及び機能性タンパク質が元来豊富である豆から抽出したポリフェノール類の考えられる使用を記載している。彼らは、分離してヒトの癌、脳卒中、高血圧コレステロール、高血圧症、心筋梗塞、糖尿病、肥満及び炎症障害を治療するため、或いはそれらが発症する可能性を低下させるために使用することができる、フラボノール及びアントシアニンのおそらく重要な供給源である食用豆及び水性エキスを得る方法を提案している。これらの文書は、本明細書で開示する黒豆及び/又はその外皮エキス、それらに由来する化合物、並びにそれらの使用を開示又は示唆せず(或いは本発明の優先権の主張後に開示又は示唆する、例えばBawadiら(2005));且つ、本発明の黒豆の外皮を除去するための方法、又は本明細書で開示する外皮の使用を開示又は示唆していない。
【0010】
したがって、本明細書で開示する黒豆及び/又はその外皮エキス、それらに由来する化合物の生成及び利用、並びにそれらの使用、或いは本明細書で開示する黒豆及び/又はその外皮中の化合物の生物活性を増大させるための発芽の使用を述べる、或いはそれらを特許請求する、科学的報告又は特許は存在しない。本発明において本発明者らが発見した特に有用な化合物の豊富な供給源としての、黒豆及び/又は外皮エキスの使用を詳細に教示する技術も存在しない。
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,482,448号
【特許文献2】米国特許第6,497,906号
【特許文献3】米国特許第6,579,561号
【特許文献4】米国特許第6,500,965号
【特許文献5】米国特許第6,146,668号
【特許文献6】米国特許第5,320,949号
【特許文献7】米国特許第5,352,384号
【特許文献8】米国特許第5,637,561号
【特許文献9】米国特許第5,637,562号
【特許文献10】米国特許第6,607,757号
【特許文献11】米国特許第6,541,613号
【特許文献12】米国特許第6,004,558号
【特許文献13】米国特許第5,336,685号
【特許文献14】米国特許第6,514,527号
【特許文献15】米国特許第6,562,863号
【特許文献16】米国特許第6,479,539号
【特許文献17】米国特許第6,410,061号
【特許文献18】米国特許第5,762,936号
【特許文献19】米国特許出願20040131749A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、黒豆のエキス及び/又はその外皮由来の新規の化合物及び組成物、並びに黒豆及び/又はその外皮中の活性化合物を増大させるための方法、及び本発明中で使用するのに適した外皮を得るための方法を含めた、それらの使用に関する。黒豆及び/又はその外皮由来のエキスの使用は、調製し使用する、例えば癌と闘うことを含めたさまざまな方法で有利に投与することができる、これまで利用されていない活性成分の供給源を与える。本記載は、本発明を理解し、本発明がこれまでの従来の知識を超えるか理解するのを助長すると思われる。
【0013】
例えば癌細胞を阻害するため、抗酸化効果を与えるため、着色効果を与えるため、コレステロールを低下させるか又はLDL(低密度リポタンパク質、血漿低密度リポタンパク質)の酸化を低下させる際の、コレステロール合成(又はそのための酵素、例えば3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAレダクターゼ又はHMGCoA、3アセチルCoA分子からのコレステロール合成の連鎖反応における一次律速酵素)を阻害する際の、肝線維症を低下又は予防する際の、或いは閉経症状(例えば顔面紅潮、うつ、過敏症、骨粗しょう症、心臓血管疾患による、例えば顔面紅潮、膣乾燥、睡眠障害)を低下させる際の、又は閉経後哺乳動物(例えばヒト、コンパニオンアニマルなどの動物、例えばイヌ科動物)であるメスにカルシウムを吸収させる際の(何故なら、外皮及び/又は豆由来の黒豆エキスはエストロゲン活性;メス化エストロゲン活性を有する可能性があるので)、黒豆及び/又はその外皮エキス中の異なる型のフェノール化合物の考えられる相乗効果が存在する可能性がある。したがって本発明は、単独或いは他の知られている有効な栄養化合物、例えばビタミンA、C、E、及び/又はセレン供給源などと組み合わせた、エキス、その化合物、及びそのような化合物の組合せの使用を想定する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、フェノール類(ポリフェノール、フラボノイド、タンニン及び関連化合物)、サポニンなどのトリテルペノイド、及び抗酸化能、着色能を有する植物ステロールを含む黒豆のエキス及び/又はその外皮を含む組成物を生成するためのプロセス又は方法と、例えば抗酸化剤、栄養補助食品として、食品、化粧品又は薬剤用の抗酸化剤又は着色剤として、例えば癌又は癌細胞増殖、例えばホルモン依存性又はホルモン非依存性腫瘍又は癌又は癌細胞など、例えば哺乳動物の乳、前立腺、結腸、肝臓、白血病癌又は癌細胞増殖などを治療、予防及び/又は抑制するための抗新生物又は抗癌又は抗腫瘍調製物として、コレステロールを低下させる若しくはLDL(低密度リポタンパク質、例えば血漿低密度リポタンパク質)の酸化を低下させるため或いはコレステロール合成(又はそのための酵素、例えば3アセチルCoA分子からのコレステロール合成の連鎖反応における一次律速酵素である3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAレダクターゼ又はHMGCoA)を阻害する或いは肝線維症を減少若しくは予防するための組成物中の活性成分として、閉経症状(例えば顔面紅潮、うつ、過敏症、骨粗しょう症、心臓血管疾患による、例えば顔面紅潮、膣乾燥、睡眠障害の1つ又は複数の)を減少させるため或いは閉経後の哺乳動物(例えばヒト、コンパニオンアニマルなどの動物、例えばイヌ科動物)のメスにカルシウムを吸収させるための組成物、例えば栄養補助食品中の活性成分として(何故なら、外皮及び/又は豆由来の黒豆エキスはエストロゲン活性;メス化エストロゲン活性を有する可能性があるので)のそれらの使用とに関する。
【0015】
本発明はさらに、本発明の組成物又は調製物を使用するための方法、及び本発明の組成物又は調製物を作製又は配合するための方法を提供する。
【0016】
本発明はさらに、グリコシドを含む粗製エキスより優れた特性(例えば、高濃度の活性化合物)を有するエキスを生成する本発明の一実施形態である、黒豆を発芽させるか又は麦芽処理することによる非グリコシド状フェノール多量エキスを得るための手順を提供する。
【0017】
本発明はさらに、高濃度の活性化合物を有する外皮を得るための方法を提供する。
【0018】
したがって、本発明は如何なる特定の目的も有する必要はないが、本明細書で述べる目的は、本発明の目的が異なる種由来の全粒由来の黒豆(インゲンマメ)エキスを提供することであってよいことを必ずではないが示唆する。
【0019】
本発明の他の目的は、異なる種の種外被又は外皮由来の黒豆エキスを有利に提供することであってよい。
【0020】
本発明の他の目的は、加工全粒由来の黒豆エキスを提供することであってよい。
【0021】
本発明の他の目的は、麦芽、新芽又は発芽全粒及び/又はその外皮由来の黒豆エキスを提供することであってよい。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、黒豆エキスを生成するための方法を提供することであってよい。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、黒豆エキスを分画するための方法を提供することであってよい。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、黒豆由来の抗酸化組成物を提供することであってよい。
【0025】
本発明の他の目的は、個別又は組合せで、
癌細胞増殖を阻害する、
癌を予防する、及び/或いは、
コレステロールを低下させる又はLDL(低密度リポタンパク質、例えば血漿低密度リポタンパク質)の酸化を低下させる、及び/或いは、
コレステロール合成(又はそのための酵素、例えば3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAレダクターゼ又はHMGCoA、3アセチルCoA分子からのコレステロール合成の連鎖反応における一次律速酵素)を阻害する、及び/或いは、
肝線維症を低下させる
閉経症状(例えば顔面紅潮、うつ、過敏症、骨粗しょう症、心臓血管疾患による、例えば顔面紅潮、膣乾燥、睡眠障害の1つ又は複数)を低下させるため、及び/或いは、
例えば閉経後哺乳動物(例えばヒト、コンパニオンアニマルなどの動物、例えばイヌ科動物)であるメスにおけるカルシウムを刺激する、及び/或いは、
エストロゲン活性、例えばメス化エストロゲン活性を有することができる、及び/或いは、
抗酸化剤、例えば栄養補助食品中の活性成分などである、及び/或いは、
食品、化粧品又は薬剤抗酸化剤又は着色剤である、及び/或いは、
例えば癌又は癌細胞増殖、例えばホルモン依存性又はホルモン非依存性腫瘍又は癌又は癌細胞など、例えば哺乳動物の乳、前立腺、結腸、肝臓、白血病の1つ又は複数(例えば、骨髄性又は骨髄形成又はリンパ球の1つ又は複数)癌又は癌細胞増殖などを治療、予防及び/又は抑制するための、抗新生物又は抗癌又は抗腫瘍調製物中の活性成分であってよい、及び/或いは、
コレステロールを低下させる又はLDL(低密度リポタンパク質、例えば血漿低密度リポタンパク質)の酸化を低下させるための組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、及び/或いは、
コレステロール合成(又はそのための酵素、例えば3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAレダクターゼ又はHMGCoA、3アセチルCoA分子からのコレステロール合成の連鎖反応における一次律速酵素)を阻害するための組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、及び/或いは、
閉経症状(例えば顔面紅潮、うつ、過敏症、骨粗しょう症、心臓血管疾患による、例えば顔面紅潮、膣乾燥、睡眠障害の1つ又は複数)を低下させるための組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、及び/或いは、
例えば閉経後哺乳動物(例えばヒト、コンパニオンアニマルなどの動物、例えばイヌ科動物)であるメスにおけるカルシウム吸収を刺激するための組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、及び/或いは、
エストロゲン活性、例えばメス化エストロゲン活性を与える組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、
黒豆及び/又は外皮エキス、或いはそれらに由来する化合物を提供することである。
【0026】
本発明のさらに他の目的は、合成することができる、証明されている生物活性を有する天然化合物を同定することであってよい。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、抗癌及び抗腫瘍黒豆及び/又は外皮エキス組成物を作製するための方法を提供することであってよい。
【0028】
疫学的証拠(Castellanosら1997、CONAPO 2004、及びAzevedoら、2003)及び黒豆エキスの生物活性を鑑みると、本発明のエキス又は組成物として通常食の一部又は栄養補助食品としての黒豆の消費は、ヒト及び動物中の癌に対する有益な予防効果がある可能性がある。したがって、本発明の他の目的は、ヒト及び動物中の癌に対するこのような予防効果を有利に提供することである。例えば食事療法実践者は、本発明の方法、組成物及びエキスを用いて栄養の原則により予防療法を適合させることができる。
【0029】
したがって本発明は、麦芽、新芽又は発芽全粒及び/又はその外皮由来の黒豆及び/又は外皮エキスを提供する。
【0030】
本発明はさらに、例えば有機抽出、例えば水又は低級アルキル、例えばC−C−アルコール、エーテル、ケトンなど、アルデヒド抽出、例えば水、メタノール、エタノール、アセトン、エチルエーテル、又は酢酸エチル抽出し;場合によっては分離、例えばクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーなど、例えばC−18カラムクロマトグラフィーなどによって分離して水溶性フェノール化合物を除去し、次に、それによってフラボノイドを与え、場合によっては次いでさらに個々の化合物を分離することによって有利に黒豆エキスを生成するための方法を提供する。
【0031】
したがって、本発明はさらに、黒豆及び/又は外皮エキスを分画するための方法を提供する。
【0032】
本発明はさらに、黒豆及び/又はその外皮由来の抗酸化組成物をさらに提供する。
【0033】
さらに他に本発明は、個別又は組合せで、
癌細胞増殖を阻害する、
癌を予防する、及び/或いは、
コレステロールを低下させる又はLDL(低密度リポタンパク質、例えば血漿低密度リポタンパク質)の酸化を低下させる、及び/或いは、
コレステロール合成(又はそのための酵素、例えば3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAレダクターゼ又はHMGCoA、3アセチルCoA分子からのコレステロール合成の連鎖反応における一次律速酵素)を阻害する、及び/或いは、
肝線維症を低下させる
閉経症状(例えば顔面紅潮、うつ、過敏症、骨粗しょう症、心臓血管疾患による、例えば顔面紅潮、膣乾燥、睡眠障害の1つ又は複数)を低下させるため、及び/或いは
例えば閉経後哺乳動物(例えばヒト、コンパニオンアニマルなどの動物、例えばイヌ科動物)であるメスにおけるカルシウムを刺激する、及び/或いは、
エストロゲン活性、例えばメス化エストロゲン活性を有することができる、及び/或いは、
抗酸化剤、例えば栄養補助食品中の活性成分などである、及び/或いは、
食品、化粧品又は薬剤抗酸化剤又は着色剤である、及び/或いは、
例えば癌又は癌細胞増殖、例えばホルモン依存性又はホルモン非依存性腫瘍又は癌又は癌細胞など、例えば哺乳動物の乳、前立腺、結腸、肝臓、白血病の1つ又は複数(例えば、骨髄性又は骨髄形成又はリンパ球の1つ又は複数)癌又は癌細胞増殖などを治療、予防及び/又は抑制するための、抗新生物又は抗癌又は抗腫瘍調製物中の活性成分であってよい、及び/或いは、
コレステロールを低下させる又はLDL(低密度リポタンパク質、例えば血漿低密度リポタンパク質)の酸化を低下させるための組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、及び/或いは、
コレステロール合成(又はそのための酵素、例えば3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAレダクターゼ又はHMGCoA、3アセチルCoA分子からのコレステロール合成の連鎖反応における一次律速酵素)を阻害するための組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、及び/或いは、
閉経症状(例えば顔面紅潮、うつ、過敏症、骨粗しょう症、心臓血管疾患による、例えば顔面紅潮、膣乾燥、睡眠障害の1つ又は複数)を低下させるための組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、及び/或いは、
例えば閉経後哺乳動物(例えばヒト、コンパニオンアニマルなどの動物、例えばイヌ科動物)であるメスにおけるカルシウム吸収を刺激するための組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、及び/或いは、
エストロゲン活性、例えばメス化エストロゲン活性を与える組成物、例えば栄養補助食品又は非処方箋調剤又は処方箋調剤中の活性成分であってよい、
黒豆及び/又は外皮エキス、或いはそれらに由来する化合物をさらに提供する。
【0034】
したがって本発明は、個別或いは例えば前に記載した前述のエキス又は化合物のいずれかの組合せで、黒豆及び/又は外皮エキス、それらに由来する化合物を含むか、或いはこれらから本質的になる組成物;並びに個別又は組合せで黒豆及び/又は外皮エキス或いはそれらに由来する化合物を使用するための方法、例えば前に記載した前述のエキス又は化合物のいずれかを有効量、個別又は組合せで黒豆及び/又は外皮エキス或いはそれらに由来する化合物を投与するための方法、及び/又は例えば着色及び/又は抗酸化効果に有効な量、個別又は組合せで食品、薬剤又は化粧品と黒豆及び/又は外皮エキス或いはそれらに由来する化合物を接触させるための方法を含む。且つ本発明は、例えば個別又は組合せで、適切な担体、希釈剤又は賦形剤、例えば薬剤として又は獣医学的に許容可能な担体又は希釈剤と黒豆及び/又は外皮エキス或いはそれらに由来する化合物とを混合することによって、このような組成物を調製するための方法を含み、したがってこれらの組成物は、前に記載した前述のエキス又は化合物のいずれかを有効量含む。
【0035】
本発明はさらに、合成することができる証明されている生物活性を有する天然化合物を同定するための方法をさらに提供する。
【0036】
本発明はさらに、抽出前に黒豆を発芽させることを含む、黒豆及び/又はその外皮エキス中の活性化合物を富化又は増大させるための方法を提供する。
【0037】
本発明はさらに、乾燥豆外皮、有利には乾燥黒豆外皮を得るための方法であって、外皮をとり、外皮が除去された豆を吸引して、吸引外皮及びその残留物を得ることと、残留物をふるい分けして、微細外皮及び子葉を得ることと、吸引外皮と微細外皮を組み合わせることと、組み合わせた吸引外皮と微細外皮を乾燥させて、乾燥豆外皮、有利には乾燥黒豆外皮を得ることを含む方法を提供する。乾燥黒豆外皮は、本発明を実施する際に有用なエキスを得るのに有用である。
【0038】
本発明はさらに、高い抗酸化能を有するサポニンなどのトリテルペン、植物ステロール、ポリフェノール、フラボノイド、及びタンニンなどのフェノール類全般を含む部分的に精製された溶媒誘導型黒豆(インゲンマメL)エキスを提供する。
【0039】
特許請求するエキスは、黒豆外皮又は種外被から得ることができる。
【0040】
エキスは麦芽、発芽又は新芽黒豆から得ることができる。
【0041】
エキスは発酵黒豆から得ることができる。
【0042】
アグリコン−フラボノイド及び/又はサポニンの量を増大させる目的で酵素又は酸加水分解で処理した黒豆から、エキスを得ることができる。
【0043】
クロマトグラフィー並びに/或いは他の物理的及び/又は化学的及び/又は生物分離法によって、エキスを部分的或いは完全に精製することができる。
【0044】
エキスは高圧液体クロマトグラフィーによって分画することができる。
【0045】
高圧液体クロマトグラフィーは、逆及び/又は正常高圧液体クロマトグラフィーであってよい。
【0046】
高圧液体クロマトグラフィーは調製高圧液体クロマトグラフィーであってよい。
【0047】
エキスはSephadexによって分画することができる。
【0048】
エキスは超臨界COによって得るか、又はそれによって分画することができる。
【0049】
エキスは乾燥形又は液体形又は凍結−乾燥形又は凍結乾燥形であってよい。
【0050】
溶媒は水、アセトン、メタノール、酢酸エチル、エタノール、又はこれらの組合せであってよい。水は純水又は蒸留水であってよい。
【0051】
エキスは1つ又は複数の薬剤として又は獣医学的に許容可能な担体、賦形剤及び/又は希釈剤と混合させることができる。及びしたがって、本発明はこれらのエキスを含む組成物を含む。
【0052】
本発明はさらに、黒豆又はその外皮から得る単離又は精製化合物を企図する。これらの化合物は、異なる濃度において単独又は組合せで有用である。化合物は合成によって得ることができ、且つコンビナトリアルライブラリーを含めた異なる手段によって修飾することができる。
【0053】
本発明はさらに、「水性2相系」(ATPS)を使用することによって、黒豆エキスから植物性化学物質の複合混合物を分離するための方法を企図する。ATPSを使用することによって、抽出プロセスにおいて必要とされる溶媒の量を減らすことができる。
【0054】
したがって本発明は、フラボノイド、若しくはこのようなエキス中と同様にフラボノイドを含むか又はこれらから本質的になる合成フラボノイドを含むか、或いはこれらから本質的になる、実質的に純粋又は部分的に純粋な黒豆又はその外皮エキス、及びそれらの使用、並びにこのようなエキス又は合成フラボノイドから本質的になるか、或いはこれらを含む組成物を想定する。
【0055】
本発明の黒豆及び/又は外皮エキス、例えばフラボノイドを含む組成物は、薬剤又は獣医学又は食品又は化粧品分野の当業者によく知られている標準的技法に従い調製することができる。
【0056】
他に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと類似又は同等の方法及び物質を、本発明を実施又は試験する際に使用することができるが、適切な方法及び物質を以下に記載する。本明細書で述べる全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参照文献は、それらの全容を参照により組み込む。闘争の場合、定義を含めて本明細書を調節する。さらに物質、方法、及び実施例は単なる例示であり、制限することを目的としない。
【0057】
本開示中、特に特許請求の範囲中では、例えば「comprises」、「comprised」、「comprising」などの用語は、米国特許法に帰する意味を有し得る;例えば、それらは「includes」、「included」、「including」などを意味することができ;「consisting essentially of」及び「consists essentially of」などの用語は米国特許法に帰する意味を有する、例えば、それらは要素の明確ではない列挙が可能であるが、従来技術中に見られる要素又は本発明の基本的特徴又は新規の特徴に影響を与える要素は除外することに留意されたい。実際、従来技術を読み込んでいない特許請求の範囲、並びに「consisting essentially of」及び「consists essentially of」は、当技術分野に存在する可能性がある解釈から特許請求の範囲を回避させるために使用されると想定されることが望ましい。
【0058】
本発明のこれら及び他の目的、特徴、及び利点は、例えば本発明の原理を例示する添付の図面と共に考えると、本発明の以下の詳細な説明においてさらに明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
関連する以前に公開された文書は、フェノール類、アントシアニン、フラボノイド、イソフラボン及び/又はタンニンが豊富なエキスは、癌細胞に対する抗増殖活性を有していたことを示したが、黒豆エキスの活性は他の関連供給源から報告されたものより予想外に高かったことを、本発明者らは発見した。この驚くべき活性は、抗発癌性物質として以前に認められなかった独特の型のフラボノイドによるものである可能性がある。少なくとも1つの極性溶媒を用いた処理後に得た黒豆エキスは、フェノール類、アントシアニン、フラボノイド、イソフラボン及びタンニンが予想外に豊富であったことが発見された。さらに、さまざまなスクリーニング試験は、幾つかの黒豆型は従来技術が一般的に示したものより有望な活性化合物の供給源であったことを示した。
【0060】
本発明の一実施形態では、抽出する黒豆はインゲンマメに属する豆である。本発明の他の実施形態では、使用するインゲンマメの遺伝子型はMex332、NG−Coaxtla91、NG−8025、NG−San Luis、NG Altiplano、NG−150、NG−Sahuatoba;NG Tacana、NG−Viscaya、Negro Otomi、NG Perla及びNG−INIF APである。本発明の他の実施形態では、抽出プロセスに施す前に黒豆を発芽させる。
【0061】
本発明の一実施形態では、抽出ステップは、約U.S.mesh#20〜150(約100μm〜約850μmの粒径サイズ)の範囲内の平均粒径を得るまでの、黒豆全体(すなわち、外皮及び内部塊)の製粉を含む。本発明の他の実施形態では、平均粒径は約U.S.mesh#60〜約#100(約150μm〜約250μmの粒径サイズ)の範囲内である。本発明のさらに他の実施形態では、平均粒径は約U.S.mesh#40〜約#100(約150μm〜約420μmの粒径サイズ)の範囲内である。
【0062】
製粉した黒豆全体を、次いで少なくとも1つの極性溶媒を用いて抽出する。本発明の一実施形態では、極性溶媒はC−C10ヘテロアリール、C−C−アルコール、C−C−アルデヒド、C−C−アミン、C−C−ケトン、C−Cエステル、C−C−エーテル及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の他の実施形態では、溶媒はアセトン、エタノール、メタノール、水及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のさらに他の実施形態では、溶媒はメタノールと水の混合物である。製粉した黒豆は無極性溶媒を用いて抽出して、不純物を除去することができるが、本発明の目的用の活性要素は極性溶媒中に存在する。極性溶媒黒豆エキスは、癌の治療、予防及び抑制をもたらす、コレステロールを低下させる、閉経症状を減少させる、或いは抗酸化効果又は着色効果を与える活性要素である。抽出用の少なくとも1つの極性溶媒の使用は、黒豆の個々の要素、すなわち外皮及び内部塊、並びに発芽した黒豆にも適合させる。
【0063】
他の実施形態では、それぞれの抽出を異なる極性溶媒を用いて行う、極性溶媒を用いる2回以上の抽出を行う。本発明の一実施形態では、抽出全体は、第1の抽出ステップで水性ケトン又は水性アルコールを用いる抽出;次に第1の抽出ステップで使用したものと異なるアルコールを用いる第2の抽出ステップ;次にアルコールが最初の2つのステップで使用したアルコールと異なる、アルコール及びエステルを使用する最終抽出ステップを含む。
【0064】
本発明の一実施形態では、製粉した黒豆全体由来のエキスの合計フェノール含量は、カテキン重量当量として表して少なくとも約1.5mg/gである。本発明の他の実施形態では、合計フェノール含量はカテキン重量当量として表して約1.5mg/g〜約4.5mg/gである。本発明のさらに他の実施形態では、合計フェノール含量はカテキン重量当量として表して約3.5mg/g〜約4.5mg/gである。
【0065】
本発明の一実施形態では、調製TLC、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー及び超臨界液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー手段によって、エキスをさらに分離し精製することができる。本発明の他の実施形態では、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を利用する。
【0066】
クロマトグラフィー手段を使用することによって、フラバノール、フラボン又はイソフラボンをほとんど〜全く含まない第1画分、並びにフラバノイド及びアントシアニンを含む第2画分が生成する。エキス中のフラバノイドの1つとしてのゲニスチンの量は、同じ抽出条件に曝したダイズ中のゲニスチンの量の、少なくとも約9倍未満のppmの量で存在する。本発明の他の実施形態では、ゲニスチンの量は、同じ抽出条件に曝したダイズ中のゲニスチンの量の、約9〜約30倍未満のppmの量である。本発明のさらに他の実施形態では、ゲニスチンの量は、同じ抽出条件に曝したダイズ中のゲニスチンの量の、約9〜約20倍未満のppmの量である。
【0067】
黒豆のクロマトグラフィー分離由来の第2画分中のアントシアニンは、デルフィニジン、ペツニジン及びマルビジンを含む。本発明の一実施形態では、デルフィニジンの濃度は約5〜35ppmの範囲であり、ペツニジンは約5〜約40ppmの範囲であり、及びマルビジンは約5〜約30ppmの範囲である。本発明の他の実施形態では、デルフィニジンの濃度は約5〜20ppmの範囲であり、ペツニジンは約5〜約20ppmの範囲であり、及びマルビジンは約5〜約20ppmの範囲である。本発明のさらに他の実施形態では、デルフィニジンの濃度は約27ppmの範囲であり、ペツニジンは約35ppmの範囲であり、及びマルビジンは約35ppmの範囲である。(ppmは、C18分離後の100%メタノール中の、黒豆エキス1mL当たりの対応するアントシアニンのμgとしての計算値を指す)
【0068】
本発明の他の実施形態では、「水性2相系」(ATPS)を使用することによって、黒豆エキスから植物性化学物質の複合混合物を分離するための方法を記載する。ATPSを使用することによって、抽出プロセスにおいて必要とされる溶媒(例えばメタノール、酢酸エチル、ブタノール、エタノール、エーテル又はこれらの混合物などの有機溶媒)の量を減らすことができる。異なる生物供給源の生物産物の回収におけるATPSが以前から言及されている(例えばRito-Palomares,M.2004を参照のこと)。ATPS形は疎水性溶質(1つ又は複数のポリマー及び幾つかの塩)と組み合わせると、臨界濃度を超える水溶液中で不適合性を示すことは立証されてきている。この技術には、生体適合性、スケールアップの容易さ及び低コストなどを含めた幾つかの考えられる利点がある。
【0069】
しかしながら、黒豆由来の産物の回収にATPSの使用を適用したという記載は、これまで存在していないと考えられる。
【0070】
溶媒及び塩溶液、相体積比(Vr;上部相の体積/底部相の体積)、分子分画時の溶媒の分子量及び供給源濃度という系のパラメータの知られている影響を利用する実用的手法に従い、ATPSを使用して黒豆エキスから植物性化学物質の複合混合物を分画した。
【0071】
このような手法を使用して、ATPS抽出のプロセス条件を決定するのに必要な経験的実験の度合いを減らし、有機溶媒の使用を減らす。ATPS法に関する操作条件を確定するために使用した全ての実験系は、一定質量ベースで好都合に調製した。
【0072】
所定量の溶媒と塩溶液のストック溶液を、生成した黒豆外皮エキスと混合させ、充分な均質化を確実にする時間混合した。pHの調整は適切な酸又は塩基を使用して実施することができる。生成したATPSと黒豆エキスの均質な混合物は、次いで沈殿させ相分離を得る。当技術分野の標準的手段によって、例えば遠心分離によって相分離を加速させることができる。相の体積を使用して体積比(Vr)を推測した。サンプルを相(上部相、底部相及び界面)から注意深く抽出し、化学分析用に希釈した。明確なATPSの上部相の組成物と底部相の組成物を結ぶ線の長さを表す、系の対応線の長さ(TLL)は、Rito-Palomares(2004)によって記載されたのと同様に計算した。
【0073】
低分子量化合物が、底部の塩が豊富な相中に存在すると予想される。グリコシドフラボノール、アントシアニン、及びタンニンは、上部溶媒相中に存在すると予想される。上部溶媒相中に保たれる生成化合物は、異なる量の塩溶液を加えることによりさらに分離させて、新たなATPS抽出系を形成することができる。それぞれ底部相及び上部相由来の塩及び溶媒は、好ましくは限外濾過及び/又は逆浸透、或いは沈殿法、透析、ダイアフィルトレーション、クロマトグラフィー法及び/又は超臨界流体抽出(例えば超臨界COを使用する)などの他の操作によって、植物性化学物質から除去することができる。
【0074】
この方法の主な利点は、使用する溶媒を減らすこと、室温で抽出を実施すること、並びに時間、労力及び機器を節約することによって、プロセスのスケールアップを容易にすることである。さらにプロセス全体を、同じ攪拌タンクを使用してインシトゥーで実施することができる、何故なら相分離のためには、短いデカンテーション時間のみが必要とされたからである。
【0075】
黒豆エキスの生物活性は、黒豆に発酵プロセスを施すこと、又はアグリコンの濃度を増大させることを目的とする外因性グリコシド酵素を使用することの代わりに、種を発芽させると大幅に増大した。本発明の目的により一層有用なのは、粗製種中に存在しなかった発芽により生成した新しい型のフラボノイドであり、これらの化合物はインビトロでの癌細胞の増殖に対してより有効であったことが証明された。
【0076】
黒豆外皮は驚くことに予想外に、種全体の約20倍を超えるフェノールを含んでいた。本発明の一実施形態では、黒豆外皮のエキスは約80〜約300mg/gの全体フェノール濃度、約20〜約50mg/gの全体フラボノイド濃度、及び約10〜約55mg/gの全体タンニン濃度を有する(乾燥物質単位でカテキン当量として表すmg/g)。本発明の他の実施形態では、フェノール、フラボノイド及びタンニンの全体の添加濃度は、約275mg/g〜約360mg/gである(乾燥物質単位でカテキン当量として表すmg/g)。
【0077】
当該の植物性化学物質は外皮中に主に存在し、それらは種重量のわずか7〜13%であったので、機械的に外皮を剥離する方法を開発した。2つの画分:外皮及び子葉、すなわち豆全体の残り部分を得る目的で、黒豆は小粒にして外皮を除去した。
【0078】
本発明の一実施形態では、黒豆の外皮を除去する方法は、黒豆を調節(調湿)してそれらの含水率を、黒豆の合計重量に対して約8重量%〜約24重量%、好ましくは約12重量%〜約20重量%、及びより好ましくは約16重量%に増大させ、研磨ディスクを備える穀物用剥皮機中で機械的に外皮を除去するステップで始める。
【0079】
本発明の他の実施形態では、剥皮時間は約6%〜約16%の黒豆重量を取り除くのに必要とされる時間である。好ましくは、その時間は約8%〜約14%の黒豆重量を取り除くのに必要とされる時間である。特に好ましくは、その時間は約10%〜約14%の黒豆重量を取り除くのに必要とされる時間である。
【0080】
本発明の他の実施形態では、前に記載した外皮を除去する方法において、含水率を増大させるステップを乾燥ステップに置き換える。本発明の一実施形態では、乾燥時間は約50℃〜約70℃の温度で約6〜約12時間の間である。本発明の他の実施形態では、乾燥時間は約60℃の温度で約8〜約10時間の間である。この方法は、より少ない処理又は剥皮時間を必要とするので、含水率を増大させる方法より有利である。
【0081】
外皮が豊富な物質を、2mm径シーブを介してふるい分けることによって、空気吸引、或いはこの目的に適した他の適切な方法又はデバイスによって、子葉が豊富な物質から次いで有利に分離する。本発明者らは、本発明の目的用に、等しい重量ベースにおいて、外皮は種全体の抽出物よりも癌細胞増殖に対して、このようにより一般的でより有効な供給源物質であったことを見出したが、他の要因が必要に応じて本発明の他の実施形態を実践者に選択させる可能性があるので、本発明は外皮エキスに限られないことは理解される。
【0082】
本発明の一実施形態では、本発明の黒豆エキスを使用して、癌を治療、予防又は抑制することができる。本発明の一実施形態では、本発明の黒豆エキスは、対照と比較して約35%〜約60%のMCF−7乳癌細胞の抑制率を示す。本発明の他の実施形態では、本発明の黒豆エキスは約100〜約500μg/mLのCaco−2細胞に対するEC50を有し、且つ/或いは本発明の黒豆エキスは、約500μg〜約1300μgのヒト肝臓癌細胞HepG2に対するEC50を有する。
【0083】
本発明の他の実施形態では、本発明の黒豆エキスは、同じ濃度のTaxol(登録商標)(パクリタキセル)より高い癌の抑制率を示し、且つ/或いはTaxol(登録商標)と比較して低い濃度で同じ癌の抑制率を示す。本発明のさらに他の実施形態では、癌は乳癌である。本発明のさらに他の実施形態では、黒豆エキス濃度は、0〜約0.35mg/mLよりほぼ高い濃度範囲より高い抑制率を示す。
【0084】
本発明の一実施形態では、本発明の黒豆エキスは、アントシアニンが豊富であることが知られている果実に対してさえも予想外の優れた抗酸化効果も示す。本発明の他の実施形態では、約2〜約6mMの全体フェノール濃度、及び1グラム当たり約40μmol〜約80μmolのTrolox当量の抗酸化能を有する、黒豆外皮エキスを開示する。本発明の他の実施形態では、約3.5〜約4.5mMの全体フェノール濃度、及び1グラム当たり約55μmol〜約60μmolのTrolox当量の抗酸化能を有する、黒豆外皮エキスを開示する。
【0085】
本発明の黒豆エキスの活性及び物理的特性を考慮すると、これらのエキスは活性成分、栄養補助食品として、又は着色剤として、薬剤、化粧品、食品及び食料品産業において有用である。黒豆エキスは、それらを経口、皮膚、非経口、鼻部、眼、耳、舌下、直腸又は膣に投与することができるように調製する。皮膚投与は、局所施用又は経皮投与を含む。非経口投与は、静脈内、関節内、筋肉内、及び皮下注射、並びに注入技法の使用を含む。1つ又は複数の本発明の化合物は、1つ又は複数の非毒性の薬剤として許容可能な成分、及び場合によっては他の活性がある抗増殖剤と共に存在して、組成物を形成することができる。これらの組成物は、そのそれぞれを参照によりここに組み込む、Anselら、Williams & Wilkins,(1995)により編集されたRemington' Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.(1999)又は「Pharmaceutical Dosage Form and Drug Delivery Systems」(Sixth Edition)中で教示された技法などの、当技術分野で知られている技法を適用することによって調製することができる。本発明の一実施形態では、黒豆エキスの投与は経口投与である。
【0086】
その目的とする投与経路用の組成物を配合するために適切に使用することができる、一般的に使用されている薬剤成分には以下のものがあるが、これらだけには限らない:
酸性剤(例には酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸があるが、これらだけには限らない);
アルキル化剤(例にはアンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロールアミンがあるが、これらだけには限らない);
吸収剤(例には粉末セルロース及び活性炭があるが、これらだけには限らない);
エアロゾル推進剤(例には二酸化炭素、CCl、FClC−CClF及びCClFがあるが、これらだけには限らない)
空気置換物質(例には窒素及びアルゴンがあるが、これらだけには限らない);
抗真菌防腐剤(例には安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸又はその塩があるが、これらだけには限らない);
抗菌防腐剤(例には塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀及びチメロサールがあるが、これらだけには限らない);
抗酸化剤(例にはアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、次亜塩素酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、メタ重亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、ビタミンEがあるが、これらだけには限らない);
結合物質(例にはブロックポリマー、天然及び合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーン並びにスチレン−ブタジエンコポリマーがあるが、これらだけには限らない);
緩衝剤(例にはメタリン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウム二水和物があるが、これらだけには限らない)
担体物質(例にはアカシアシロップ、芳香シロップ、芳香エリキシル、チェリーシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、コーン油、鉱油、ピーナッツ油、ゴマ油、静菌塩化ナトリウム注射液及び注射用静菌水があるが、これらだけには限らない)
キレート化剤(例にはエデト酸二ナトリウム及びエデト酸があるが、これらだけには限らない)
着色剤(例にはFD&C Red No.3、FD&C Red No.20、FD&C Yellow No.6、FD&C Blue No.2、D&C Green No.5、D&C Orange No.5、D&C Red No.8、カラメル、三二酸化鉄レッド、ビキシン、ノルビキシン、カルミンなどの天然着色剤があるが、これらだけには限らない);
清澄化剤(例にはベントナイトがあるが、これだけには限らない);
乳化剤(例にはアカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、グリセリルモノステアレート、レシチン、ソルビタンモノオレイト、ポリエチレン50ステアレートがあるが、これらだけには限らない);
被包剤(例にはゼラチン及び酢酸フタルセルロースがあるが、これらだけには限らない)
充填剤(例には糖、ラクトース、スクロース、ソルビトール、セルロース調製物、リン酸カルシウム、天然又は合成ゴム、固形デンプン、デンプンペーストがあるが、これらだけには限らない)
香味料(例にはアニシード油、シナモン油、ココア、メタノール、オレンジ油、ペパーミント油及びバニリンがあるが、これらだけには限らない);
湿潤剤(例にはグリセリン、プロピレングリコール及びソルビトールがあるが、これらだけには限らない);
研和剤(例には鉱油及びグリセリンがあるが、これらだけには限らない);
油(例にはラッカセイ油、鉱油、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油及び植物油があるが、これらだけには限らない);
軟膏基剤(例にはラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水性ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏、及びバラ水軟膏があるが、これらだけには限らない);
透過促進剤(経皮送達用)(例にはモノヒドロキシ又はポリヒドロキシアルコール、飽和又は不飽和脂肪アルコール、飽和又は不飽和脂肪エステル、飽和又は不飽和ジカルボン酸、エッセンシャルオイル、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン、アミド、エーテル、ケトン及び尿素があるが、これらだけには限らない)
可塑剤(例にはジエチルフタル酸及びグリセリンがあるが、これらだけには限らない);
溶媒(例にはアルコール、コーン油、綿実油、グリセリン、イソプロピルアルコール、鉱油、オレイン酸、ピーナッツ油、精製水、注射水、注射用滅菌水及び洗浄用滅菌水があるが、これらだけには限らない);
硬化剤(例にはセチルアルコール、セチルエステルワックス、ミクロクリスタリンワックス、パラフィン、ステアリルアルコール、ホワイトワックス及びイエローワックスがあるが、これらだけには限らない);
座薬基剤(例にはココアバター及びポリエチレングリコール(混合物)があるが、これらだけには限らない);
界面活性剤(例には塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オキシトキシノール9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム及びモノパルミチン酸ソルビタンがあるが、これらだけには限らない);
懸濁剤(例には寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカント及びビーガムがあるが、これらだけには限らない);
甘味剤(例にはアスパルテーム、デキストロース、フルクトース、グリセリン、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトール及びスクロースがあるが、これらだけには限らない);
錠剤抗粘着物質(例にはステアリン酸マグネシウム及びタルクがあるが、これらだけには限らない);
錠剤結合剤(例にはアカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮糖、エチルセルロース、ゼラチン、液状グルコース、メチルセルロース、ポビドン及びアルファ化デンプンがあるが、これらだけには限らない);
錠剤及びカプセル希釈剤(例には二塩基性リン酸カルシウム、カオリン、ラクトース、マンニトール、ミクロクリスタリンセルロース、粉末セルロース、沈殿状炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトール及びデンプンがあるが、これらだけには限らない);
錠剤コーティング剤(例には液体グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタルセルロース及びシェラックがあるが、これらだけには限らない);
錠剤直接圧縮賦形剤(例には二塩基性リン酸カルシウムがあるが、これだけには限らない);
錠剤崩壊剤(例にはアルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ミクロクリスタリンセルロース、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム及びデンプンがあるが、これらだけには限らない);
錠剤グライダント(例にはコロイドシリカ、コンスターチ及びタルクがあるが、これらだけには限らない);
錠剤潤滑剤(例にはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛があるが、これらだけには限らない);
錠剤/カプセル不伝導性物質(例には二酸化チタンがあるが、これだけには限らない);
錠剤光沢剤(例にはカルナバワックス及びホワイトワックスがあるが、これらだけには限らない);
増粘剤(例にはビーズワックス、セチルアルコール及びパラフィンがあるが、これらだけには限らない);
緊張剤(例にはデキストロース及び塩化ナトリウムがあるが、これらだけには限らない);
粘性増大剤(例にはアルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポビドン、アルギン酸ナトリウム及びトラガカントがあるが、これらだけには限らない);及び
湿潤剤(例にはヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、ポリエチレンソルビトールモノオレイト、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレイト、ポリオキシエチレンステアレートがあるが、これらだけには限らない)。
【0087】
投与の経路に応じて、組成物はエアロゾル、カシェ剤、カプセル、クリーム、エリキシル剤、エマルジョン、泡沫、ゲル、顆粒、吸入物質、リポソーム、ローション、マグマ、ミクロエマルジョン、ミクロ粒子、軟膏、経口用固体、粉末、スプレー、シロップ、座薬、懸濁液、錠剤及びチンキ剤の形をとることができる。さらに、黒豆エキスを食品製品又は食料品製品に加えて、抗酸化効果を与えることができる。
【0088】
本発明の黒豆エキスは、患者に適切に投与するための形を与えるように、適量の薬剤として許容可能な賦形薬を場合によっては含むことができる。
【0089】
特定の実施形態では、用語「薬剤として許容可能な」は、連邦又は州政府の統制機関によって承認されているか、或いは米国薬局方、又はラット、哺乳動物、及びより詳細にはヒトにおける使用に関する他の一般に認められている薬局方中に列挙されていることを意味する。用語「賦形薬」は、本発明の化合物と共に投与する希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は担体を指す。適切な薬剤賦形薬の例は、参照により本明細書に組み込むRemington's Pharmaceutical Sciences,Alfonso R.Gennaro ed.,Mack Publishing Co.Easton,Pa.,19th ed.,1995,pp.1447 to 1676中に記載されている。
【0090】
好ましい実施形態では、人間への経口投与に適した医薬組成物として、通常の手順に従い本発明の化合物を配合する。経口送達用の組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、水性又は油性懸濁液、顆粒、粉末、乳濁液、カプセル、シロップ、又はエリキシル剤の形であってよい。経口投与する組成物は、薬剤としての風味のある調製物を与えるために、1つ又は複数の物質、例えばフルクトース、アスパルテーム又はサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、冬緑油、又はチェリーなどの香味料;着色剤;及び防腐剤を含むことができる。さらに、錠剤又はピル形では、組成物をコーティングして、胃腸管中での崩壊及び吸収を遅らせ、それによって長時間の徐放作用をもたらすことができる。浸透圧活性誘導化合物を囲む選択的透過性のある膜も、経口投与する組成物に適している。これら後者のプラットホームでは、カプセル周囲の環境由来の流体は誘導化合物によって吸収され、これが膨張して孔を介して作用物質又は作用物質組成物を排除する。これらの送達用プラットホームは、即放性配合物の汚染プロフィールとは反対の、ほぼゼロ次元の送達プロフィールを与えることができる。モノステアリン酸グリセロール又はステアリン酸グリセロールなどの、時間遅延型物質も使用することができる。経口組成物は、例えばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な賦形薬を含むことができる。このような賦形薬は、医薬品等級であることが好ましい。典型的には、静脈内投与用の組成物は滅菌済み等張水性緩衝液を含む。必要な場合、組成物は可溶化剤を含むこともできる。
【0091】
本発明の他の実施形態では、本発明の黒豆エキスは、少なくとも1つの他の療法剤及び/又は着色剤と共に併用療法において使用することができる。本発明の黒豆エキス及び療法剤は追加的、又はより好ましくは相乗的に作用させることができる。好ましい実施形態では、本発明の黒豆エキスを含む組成物は、同じ組成物の一部分又は本発明の黒豆エキスを含む組成物と異なる組成物中の一部分であってよい、他の療法剤の投与と同時に投与する。他の実施形態では、本発明の黒豆エキスを含む組成物は、他の療法剤の投与の前又は後に投与する。治療の際に本発明の化合物が有用である多くの疾患は慢性であるので、一実施形態において併用療法は、本発明の黒豆エキスを含む組成物と他の療法剤を含む組成物の投与を交互させて、例えば特定の薬剤に関する毒性を最小にすることを含む。本発明の化合物又は療法剤の投与期間は、例えば1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、又はさらに長期間であってよい。特定の実施形態では、毒性だけには限らないがこれを含めた悪い副作用を生み出す可能性がある他の療法剤と同時に、本発明の化合物を投与するとき、悪い副作用を誘導する閾値未満の範疇の用量で、療法剤を有利に投与することができる。
【0092】
癌又は癌細胞増殖を治療、予防及び/又は抑制するために、治療剤は抗癌剤であってよい。有用な抗癌剤には、エルビタクス、メトトレキサート、タクソール、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシウレア、シタラビン、シクロホスファミド、イフォスファミド、ニトロソウレア、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルビジン、エトポシド、カンパテシン、ベロマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、及びドセタキセル、γ線放射物質、ナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド、イフォスファミド、トロフォスファミド、クロラムブシルなどを含めたアルキル化剤、カルムスチン(BCNU)、及びロムスチン(CCNU)などのニトロソウレア、ブスルファン、及びトレオサルファンなどのアルキルスルホネート、ダカルバジンなどのトリアゼン、シスプラチン及びカルボプラチンなどのプラチナ含有化合物、ビンカアルカロイドを含めた植物アルカロイド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、及びビノレルビン、パクリタキセル及びドセタキソールを含めたタクソイド、エトポシド、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトイリノテカン、及びクリスナトールなどのエピポドフィリンを含めたDNAトポイソメラーゼ阻害剤、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、DHFR阻害剤、メトトレキサート及びトリメトレキサートなどの葉酸代謝拮抗薬を含めた代謝拮抗剤、マイコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、EICARを含めたIMPデヒドロゲナーゼ阻害剤、ヒドロキシウレア、デフェロキサミンなどのリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、ウラシル類似体5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、及びラチトレキシドを含めたピリミジン類似体、シタラビン(アラC)、シトシンアラビノシド、及びフルダラビンなどのシトシン類似体、メルカプトプリン、チオグアニンなどのプリン類似体、受容体アンタゴニスト、抗エストロゲンタモキシフェン、ラロキシフェン及びメゲステロールを含めたホルモン療法剤、ゴスクルクリン、及び酢酸リュープロリドなどのLHRHアゴニスト、フルタミド、及びビカルタミド、レチノイド/デルトイドなどの抗アンドロゲン、EB1089、CB1093、及びKH1060を含めたビタミンD3類似体、ベルトポルフィン(BPD−MA)、フタロシアニン、光感受性物質Pc4、デメトキシ−ヒポクレリンA、(2BA−2−DMHA)を含めた光線力学療法剤、インターフェロン、α−インターフェロン、γ−インターフェロンを含めたサイトカイン、腫瘍壊死因子、並びにロバスタチンなどのイソプレニル化阻害剤を含めた抗腫瘍活性を有する他の化合物、1−メチル−4−フェニルピリジニウムイオンなどのドーパミン神経毒、細胞周期阻害剤、例えばスタウロスポリン、アルステルパウロン、ブチロラクトンI、Cdk2阻害剤、Cdk2/サイクリン阻害ペプチドI、Cdk2/サイクリン阻害ペプチドII、化合物52[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−(3−クロロアニリノ)−9−イソプロピルプリン]、インジルビン−3’−モノキシム、ケンパウロン、オロモウシン、イソ−オロモウシン、N−イソプロピル−オロモウシン、パーバラノールA、ロスコビチン、(S)−異性体ロスコビチン及びWHI−P180[4−(3’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、アクチノマイシンDなどのアクチノマイシン及びダクチノマイシン、ベロマイシンA2、ベロマイシンB2などのベロマイシン、及びペプロマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、及びミトキサントロンなどのアントラサイクリンなど、ベラパミルを含めたMDR阻害剤、及びタプシガルギンなどのCa2+ATPase阻害剤があるが、これらだけには限らない。
【0093】
コレステロールを低下させる又はLDLの酸化を低下させる、或いはコレステロール合成を阻害するための療法剤にはベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、シムフィブラートなどのフィブラート;ニコチン酸及びその誘導体、例えばニコモール、ニセリトールなど;デキストラン硫酸;コレセベラム、コレスチポール、コレスチルアミン、;プロブコール;アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、セリバスタチン、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標))、メバスタチン、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標))、シムバスタチン(ZOCOR(登録商標)だけには限らないがこれらを含めた3−ヒドロキシメチルグルタリル(HMG)CoAレダクターゼ阻害剤(「スタチン」阻害剤);BMS−201038、食品及び胆汁コレステロール吸収阻害剤、エゼチミブなどだけには限らないがこれらを含めたMTP阻害剤;アバシミブだけには限らないがこれを含めたACAT阻害剤があるが、これらだけには限らない。本発明の一実施形態では、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、セリバスタチン、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標))、メバスタチン、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標))及びシムバスタチン(ZOCOR(登録商標)からなる群から選択される、療法剤は3−ヒドロキシメチルグルタリル(HMG)CoAレダクターゼ阻害剤(「スタチン」阻害剤)である。
【0094】
閉経症状を減少させるため、又は閉経後のメスの哺乳動物におけるカルシウム吸収のための療法剤にはアレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート、レジドロネート、イバンドロネートだけには限らないがこれらを含めたビスフォスフォネート;カルシトノン、カルシウム、複合エストロゲン(例えば、複合エクインエストロゲン(PREMARIN(登録商標))、エチニルエストラジオール、ラロキシフェンだけには限らないがこれを含めた選択エストラジオール受容体調節物質(SERMS);ヒドロクロロチアジドだけには限らないがこれを含めたチアジド系利尿薬、ビタミンD及びその類似体があるが、これらだけには限らない。閉経症状を減少させるための他の天然療法剤には、ダイズ及び/又はレッドクローバー由来のイソフラボンなどの植物性エストロゲンがあるが、これらだけには限らない。
【0095】
抗酸化効果を与えるために、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、n−没食子酸プロピル、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、モノチオグリセロールなどだけには限らないが、これらを含めた療法剤を本発明の配合物に加えることができる。
【0096】
本発明の黒豆エキスはアントシアニンを含み得るので、それらは毛髪着色剤、食品着色剤又は色素製品中に使用するのに適している。他の着色物質を毛髪着色剤又は色素製品に加えることができ、以下の着色添加剤を含むが、これらだけには限らない:
(1)MWHによって1972年に法令番号55として改正された1966年の内閣府法令番号30の下で日本において承認されているもの;代表例にはAka2、Aka102、Aka202、Aka404、Aka505、Ao1、Ao201、Ao404、Daidai201、Daidai401、Katsu201、Ki4、Ki204、Kuro401、Midoi202、Midoi402、Murasaki201、Murasaki401があるが、これらだけには限らない;
(2)化粧品指示規格遵守76/768/EECのAnnexIVの下で欧州連合(EU)において承認されているもの;代表例にはAcidRed195、水酸化アルミニウム、アルミニウム粉末、ステアリン酸アルミニウム、アントシアニン、ビートルートレッド、ブロモクレゾールグリーン、ブロモチモールブルー、ステアリン酸カルシウム、カプサンチン/カプソルビン、カラメル、CI10006、CI11680、CI12120、CI14270、CI15510、CI21108、CI28440、CI42080、CI44045、CI45425、CI58000、CI69800、CI71105、CI77489、クルクミン、ラクトフラビン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛があるが、これらだけには限らない;
(3)Blue1、Blue4、Brown1、Ext.Violet2、Ext.Yellow7、Green3、Green6、Green8、Orange4、Orange5、Orange10、Orange11、Red4、Red6、Red7、Red17、Red21、Red22、Red27、Red28、Red30、Red31、Red33、Red34、Red36、Red40、Violet2、Yellow5、Yellow6、Yellow7、Yellow8、Yellow10、Yellow11だけには限らないが、これらを含めた米国食品医薬品局によって認定された一群;
(4)アルミニウム粉末、アナット、クエン酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、青銅粉末、カラメル、カルミン、β−カロテン、クロロフィル−銅複合体、水酸化クロム緑、銅粉末、ジヒドロキシアセトン、二ナトリウムEDTA−銅、フェロシアン化第2鉄アンモニウム、フェロシアン化第2鉄、グアイアズレン、グアニン、ヘンナ、酸化鉄、酢酸鉛、マグネシウムバイオレット、雲母、パイロフィライト、銀、二酸化チタン、ウルトラマリン、酸化亜鉛だけには限らないが、これらを含めた米国食品医薬品局による認定を免れた一群;
(5)米国食品、医薬品及び化粧品法において「コールタール毛髪染料」として分類されたもの;代表例にはAcidBlue62、AcidOrange24、2−アミノ−4−ニトロフェノール、4−アミノ−2−ニトロフェノール、BasicBlue9、BasicBrown4、BasicGreen1、BasicOrange2、BasicRed1、BasicRed46、BasicViolet3、BasicViolet16、BasicYellow40、BasicYellow87、HCBlueNo.5、HCBlueNo.14、HCBrownNo.1、HCGreenNo.1、HCOrangeNo.2、HCRedNo.3、HCRedNo.10、HCVioletNo.1、HCVioletNo.2、HCYellowNo.4、HCYellowNo.12があるが、これらだけには限らない、参照により組み込む、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(9th Edition)-Chemical Classes-Coloring Additives-Hair(2002)も参照のこと;
(6)Blue1Lake、Ext.Yellow7Lake、Green3Lake、Orange4Lake、Orange5、Orange10Lake、Red4Lake、Red6Lake、Red7Lake、Red21Lake、Red27Lake、Red28Lake、Red30Lake、Red21Lake、Red33Lake、Red34Lake、Red36Lake、Red40Lake、Yellow5Lake、Yellow6Lake、Yellow7Lake、Yellow10Lakeだけには限らないが、これらを含めた米国食品医薬品局によって認定された一群;
(7)前に分類したものではなく、参照により組み込むInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(9th Edition)-Chemical Classes-Coloring Additives-Miscellaneous(2002)中に列挙されたもの。
【0097】
本明細書に開示する特定の障害又は状態の治療において有効であると思われる本発明の黒豆エキスの量は、その障害又は状態の性質に依存すると思われ、標準的な臨床技法によって決定することができる。さらに、インビトロ又はインビボアッセイを場合によっては使用して、最適用量範囲を確認するのを手助けすることができる。使用する正確な用量は、投与の経路、及び疾患又は障害の重度にも依存すると思われ、実践者の判断及びそれぞれの患者の状況に従い決定されなければならない。
【0098】
他の療法剤の処方用量範囲は、黒豆エキスに関して記載したのと同じ示した用量範囲に基づいてよいか、又は当技術分野で知られている市販の用量教示に基づいてよい。このような組成物は、本明細書のデータ、他の食品供給源由来の化合物又はエキス、他のフラボノイドの用量又はフラボノイド誘導型活性、並びに年齢、性別、体重、特定の被験体又は患者の遺伝的性質及び状態、示される状態、投与の経路、50%の活性、例えば癌細胞増殖を抑制するためのIC50、及び50%の毒性(例えばLD50)を得たことを示す特定の化合物の相対濃度などの要因に関する当技術分野の知識を考慮して、医学、薬学、栄養学又は獣医学分野の当業者によく知られている技法によって、このような投与用量を必要とする被験体又は患者に投与することができる。用量は数マイクログラムからミリグラム単位の用量、又はさらに数百ミリグラム、例えば0.01μg〜500mg、例えば液体形では0.01μg/mL〜250μg/mL、例えば60〜100又は60〜80又は80〜100μg/mL、或いは対象の化合物又はエキスの個々の活性及び患者の平均体重(70kg)に応じて100〜800mg/1日の範囲の大まかな有効用量の範囲であってよく、好ましくより活性のある化合物又はエキスに関するさらに通常の用量範囲は、200〜800mg/1日、より好ましくは200〜500mg/1日、最も好ましくは200〜250mg/1日の範囲である。それらは1回用法で、数日間続けて分割用法及び/又は多数回用法で与えることができる。経口投与用に、単位用量当たり100〜500mgの化合物を含む錠剤、カプセル、溶液又は懸濁液に、それらを配合することができる。別法として且つ好ましくは、化合物を適切な非経口投与可能な担体に非経口投与用に配合し、200〜800mg、好ましくは200〜500mg、より好ましくは200〜250mgの範囲の1回の1日当たりの用量範囲を与える。このような有効な1日当たりの用量は、しかしながら活性成分の固有の活性、及び患者の体重に応じて変わると思われ、このような変化は、医師又は獣医師又は栄養士の技術及び判断の範囲内にある。さらに組成物は、年齢、性別、体重、及び特定の患者の状態、及び投与の経路などの要因を再度考慮して、他の作用物質又は活性物質、例えば本明細書で言及する条件用の他の作用物質又は活性物質、他の抗新生物、抗腫瘍又は抗癌剤又は抗酸化剤、又はエストロゲン、又は酵素阻害物質及び/或いは本明細書で言及する条件用の作用物質又は活性物質の悪影響を低下させるか或いは緩和する作用物質、例えば抗新生物、抗腫瘍又は抗癌剤又は抗酸化剤又は酵素阻害物質と同時投与することができる。
【0099】
ヒト又は獣に使用するための本発明の組成物の例には、食用供給源由来なので本発明をうまく適合させることができる、経口投与用の食用組成物、固体又は液体配合物、例えばカプセル、錠剤、ピルなど、並びに咀嚼可能な固体又は飲料配合物(例えば、豆風味の固体又は液体組成物);穴部、例えば経口、鼻部、肛門、膣など用、懸濁液、シロップ又はエリキシル剤などの投与用の液体調製物(豆風味の組成物含む);及び滅菌懸濁液又は乳濁液などの非経口、皮下、皮膚内、筋肉内又は静脈内投与(例えば注射投与)用の調製物がある。しかしながら、組成物中の活性成分がタンパク質と複合体形成する可能性があり、したがって血中に投与すると、血中タンパク質の沈殿によって凝固が起こり得る場合、当業者はこのことを考慮しなければならない。このような組成物では、活性黒豆又は外皮エキス又はその化合物は、適切な担体、希釈剤、又は賦形剤、例えば滅菌水、生理食塩水、グルコース、DMSO、エタノールなどと混合することができる。本発明の活性黒豆又は外皮エキス又はその化合物は、還元用の凍結乾燥形で、例えば等張水溶液、生理食塩水、グルコース又はDMSO緩衝液中に与えることができる。実際、黒豆は食用であり、黒豆を摂取する人は低い癌発生率を有することが観察されていることを考慮すると、経口又は末梢投与が有利である可能性である。
【0100】
さらに本発明は、活性黒豆又は外皮エキス又はその化合物を与えるキットも含む。このキットは、適切な担体、希釈剤、又は賦形剤を含む別容器を含むことができる。このキットは、同時又は逐次投与用の、他の作用物質、例えば本明細書で言及する条件用の他の作用物質、他の抗癌剤、抗腫瘍又は抗新生物物質又は抗酸化剤又は酵素阻害物質、及び/或いは本明細書で言及する条件用の作用物質又は活性物質の悪影響を低下させるか或いは緩和する作用物質、例えば抗新生物、抗腫瘍又は抗癌剤、又は抗酸化剤又は酵素阻害物質も含むことができる。他の作用物質は別容器中に、或いは活性黒豆又は外皮エキス又はその化合物と混合させて与えることができる。さらにキットは、成分を混合するか又は組み合わせる、且つ/或いは投与するための教示書を含むことができる。
【0101】
さらに、好ましくはフラボノイド及び/又はサポニンを含む黒豆又は外皮エキスに関して本発明を記載しているので、本開示から、熟練した有機化学者は、活性化合物を得るための合成経路を理解し想定すると思われる。したがって本発明は、グリコシド、没食子酸塩、エステルなどだけには限らないがこれらを含めたフラボノイド及び/又はサポニン或いはそれらの誘導体などの、合成黒豆又は外皮エキスの化合物を含む。
【0102】
食品又は化粧品組成物中で使用するために、黒豆又は外皮エキス又はその化合物は、着色剤及び抗酸化剤に典型的に使用される量、例えば食品又は化粧品の約0.1%w/w〜約5%w/wで使用する。
【0103】
本発明の化合物は、ヒトにおいて使用する前に所望の治療又は予防活性に関して、インビトロ及びインビボでアッセイすることが好ましい。例えば、インビトロアッセイを使用して、本発明の化合物を単独で、或いは本発明の他の化合物及び/又は療法剤と組み合わせて投与することが、好ましいかどうか判定することができる。動物モデル系を使用して、安全性及び有効性を実証することができる。
[実施例]
【0104】
ここで本発明を、以下の非制限的な実施例及び図面を参照しながら記載する。本記載及び実施例は、異なる品種の黒豆を獲得、評価及び比較する点に関して本発明の適用例に従い得る方法及びステップ、並びに所与の組の黒豆品種の濃度及び生物活性の点で黒豆の比較供給源の本質的な利点を決定し、それによってこの特徴から、任意の所与の黒豆品種中に存在するエキス及び化合物の最も有利な使用を誘導して、異なる型の癌を治療又は予防するさまざまな態様及び方法、並びに本発明の範囲内の目的用のさまざまな投与手段を言及する。本記載及び実施例は、本発明のその実施及び概念において本発明者らが使用するメキシコの特定の黒豆品種の観点で述べるが、世界の他の国々の黒豆品種或いは新しい黒豆品種又は他の黒豆品種と同様の形式で、本発明が広がり得ることは当業者には明らかであろう、何故ならこれらは発展し、したがって本発明の一般的範囲及び領域から逸脱しないと考えられるからである。
【実施例1】
【0105】
一般的な実施例及び適用法
粗製、発芽又は加工黒豆は、太陽乾燥又は施用熱によって乾燥させる。物質は粉状にし、生成した粉は水混和性有機溶媒及び/又は水の混合物を用いて抽出し、粗製エキスを生成する。前と同じ様に、子葉から事前に分離した黒豆外皮又は種外被から、エキスを調製することができる。水性粗製エキスをC−18カラムに通して、単純水溶性フェノール及び水溶性サポニンを除去し、さらに溶出してフラボノイド及びトリテルペンが豊富なエキスを生成することができる。クロマトグラフィーによる精製ステップを省略する場合、最初の上清は不溶物質から物理的に分離し、有機溶媒は蒸留によって除去し、凍結乾燥させる。溶媒を除去した後、固体物質を取り戻し粉末を得て、これを単独、又は他の栄養物質若しくは栄養化合物と組み合わせて使用して、或いは水、エタノール、他の有機溶媒又はこれらの混合物中に溶かして、フェノール、フラボノイド、アントシアニン、タンニン及び/又はイソフラボン及び/又はトリテルペン及び/又は植物性ステロールが豊富なエキスを生成することができる。粗製及び/又はC−18エキスを賦形剤と混合させて錠剤を生成することができ、或いは薬剤等級の滅菌水及び/又は溶媒と混合及び希釈して、皮下又は筋肉内注射用の配合物を得ることができる。エキスは等張溶液と混合させて、血流中への注射に適した(非経口施用)混合物を生成することもできる。本発明は天然供給源由来のエキスを表し言及し、多くの活性化合物が同定されてきているが、コンビナトリアルケミストリーなどの新しい方法によって、これらの化合物を合成又は修飾することもできることは明らかである。合成黒豆化合物を別個、又は組合せ式に使用してそれらの治療用エキスを生成することができることは、本発明の広範囲の態様内にあると本発明者らは考える。
【実施例2】
【0106】
試験した黒豆品種及びこれらの初期アッセイ法
12の異なる黒豆品種をメキシコのINIFAP(Instituto Nacional de Investigacion Forestal Agricola y Pecuaria)から得て、化学的に特徴付けて、これらについて学習し、栄養の供給源として使用する一層の可能性を有するものを選択する際に本発明の実践者を支援する目的で、それらのフェノール及びフラボノイド濃度を決定した。試験した遺伝子型は以下のように同定する:1=Mex332、2=NG−Coaxtla91、3=NG−8025、4=NG−SanLuis、5=NGAltiplano、6=NG−150、7=NG−Sahuatoba、8=NGTacana、9=NG−Viscaya、10=NegroOtomi、11=NG−Perla、12=NG−INIFAP。分析した12品種間の主な目に見える違いは、大きさ及び不活性である。これらの変種は、実際それらを開発及び市販するための理由の中の幾つかである、天候条件及び異なる型の土壌、生産能力、及び疾患耐性との適合性に基づいて選択する。例えば、NG−Tacana(8)はNG−Cotaxtla91(2)とほぼ同じ特性を有するが、主にメキシコの熱帯地域で見られるウイルスに対する特定の耐性を有する前者が開発された。市販用に生成した最初の年(1994)のNG−Tacana(8)の平均収率は、1.214トン/haであった(Lopez-Salinasら、1994)。さらに最近、この型の環境用のNG−8025(3)も開発し、これは高い収率、広範囲の適合性、一層の安定性、並びに腐食及び炭そ病耐性を有する。半乾燥地域にそれらを適合させるために、NG−Altiplano及びNG−Viscaya(5)などの幾つかの品種を開発した。
【0107】
フォリン比色定量アッセイによる全フェノール定量(Vinsonら2001):
品種を特徴付けるための第1ステップとして、全黒豆サンプル(外皮、並びに子葉及び胚から本質的に構成される内部塊)を全体的に粉砕し、生成した全粉は80%メタノール水溶液で抽出し、フォリン比色定量アッセイ(Vinsonら2001)を使用して全フェノールに関してアッセイした。図1は、12品種の黒豆の合計フェノール含量はカテキン重量当量として表して少なくとも1.5mg/gであることを示し、1mg/g未満を一般に有しており同じ条件を使用して分析した、フェノール化合物が豊富なダイズなどの他のマメ科植物と比較してこの値は高い。カテキン重量当量として表して最高量の合計フェノールを含んでいた黒豆品種は、1=Mex332、2=NG−Coaxtla91、3=NG−8025、6=NG−150、7=NG−Sahuatoba、及び10=NegroOtomiとして標識した(図1)。
【0108】
Sep-Pak(登録商標)C18カラムによる部分分画化及びHPLC−UV分析:
全てのフェノール化合物が同じ生物活性を有するわけではないので、本発明者らはさらに、それぞれ12の黒豆品種のフェノール組成の特徴付け及び分析を実行した。フェノール組成を分析するために、80%超メタノール水中エキスを、Sep-Pak(登録商標)C18カラム(Waters,Milford,MA)を介して10mlのプラスチック製シリンジを使用して通過させ、糖類などの高い水溶性を有する化合物を除去した。メタノールエキス(10ml)は40mlの蒸留水で希釈し、10mlのメタノール及び10mlの水を用いて事前に条件付けしたC18カラムに通した。生成した50mlの溶液をカラムに通し、次いでカラムは20mlの水で洗浄した。次いで2mlの30%メタノール−水をカラムに通して、「第1画分」を溶出させた。「第2画分」は、2mlのメタノール100%をカラムに通すことによって得た。「第1画分」と「第2画分」の両方を分析して、HPLC−UVを使用して当該のフラボノイドの濃度を測定した。
【0109】
HPLC条件:
カラム:150×3.9mmのNova-PakC18(4μm)カラム
検出器:HP1100UV-vis検出器@262nm
流速:0.4ml/分
カラム温度:25℃
注入:20μlの調製物(1:1)水:メタノール「第2画分」
勾配:
【0110】

【0111】
分析した全ての品種の「第1画分」は、如何なる測定可能な量のフラボノール、フラボン又はイソフラボンも含んでいないようであった(第1画分中の化合物の乾燥重量に基づいて1重量%未満)。しかしながら、予想通り「第2画分」はフラボノイド及びアントシアニンを含んでおり、これらは以下の実施例中に記載したようにさらに特徴付けた。
【0112】
黒豆中のイソフラボンの存在はFrankeら(1994)によって以前に報告されており、1kgの乾燥豆粉末当たり698.5mgのダイドゼイン及び612.2mgのゲニスタインという量が示されている。2つのダイズ中の高濃度又は同濃度のイソフラボンも報告されている(Nakamuraら2000)。図2中に示すクロマトグラムは、黒豆品種NG−Perla(11)と市販のダイズ粉末から抽出したフラボノイドの型及び濃度を比較し、両方のクロマトグラムは262nmの波長で得た。
【0113】
図2A及び2Bのクロマトグラムは、それぞれダイズ及び黒豆に関するものである。クロマトグラム図2Bは驚くことに、黒豆は如何なる測定可能な量のダイドジンも含んでいなかったことを示した(ダイズに関するクロマトグラム図2Aの観察可能なピーク1に対し、「NG−Perla」黒豆に関するクロマトグラム2Bの無視できるほどのピーク10)。さらにダイズは、黒豆の少なくとも9倍を超えるゲニスチンを外見上含んでいた(クロマトグラム2Aの観察可能なピーク3に対し、クロマトグラム2Bのピーク11、且つ全12の黒豆品種に関する図3中の全イソフラボンの棒グラフで表される)。興味深いことに、クロマトグラム2Bのピーク11をHPLC−MSによってさらに分析すると、その分子量はゲニスチンとは一致しなかったが、フラボノールグリコシドと一致した。同様且つ幾分驚くことに、全ての黒豆品種が図2Bの同一の典型的なクロマトグラフィー概略を示し、この場合、試験した黒豆品種は、ダイズ中で一般に見られるダイドジン、グリセチン、ダイアドゼイン、及びゲニスタインを含んでいなかったことを観察した。
【0114】
全ての黒豆が、13.032分(クロマトグラム2B中の顕著なピーク12)及び16.835分(クロマトグラム2B中の顕著なピーク13)で溶出する、多量の現在知られているか又は新規のイソフラボノイド、並びにゲニスチンと共に発見した10.032分で溶出するイソフラボノイドを含んでいた(クロマトグラム2B中の顕著なピーク11)。概括すると、全ての黒豆品種が主に3種類のフラボノイドを含んでおり(図2Bのクロマトグラム2Bのピーク11、12及び13)、これらはゲニスチン、ダイドジン、ゲニスタイン、グリシタイン、ダイアドゼイン、エクオール、及びバイオカニンAを含んでいた一般的なイソフラボン標準と比較した。標準の保持時間を比較した後、予想したことと反対に、黒豆サンプル中の知られているイソフラボンの考えられる存在は、ゲニスチンと同じ保持時間を有していた、クロマトグラム2B中のピーク11によって表される化合物のみに外見上減少したと結論付けた。簡潔にクロマトグラム図2Bのピーク12及び13中の化合物を同定するために、ピーク12で溶出したと想定された図2中の化合物を列挙し、「A」として仮に標識し、ピーク13で溶出した化合物は、「B」未解決として仮に列挙し、実施例3で説明したようにさらに同定した。
【0115】
現在発見されているフラボノイドは、それらの分子量及び紫外線分子吸光係数の点でゲニスチンと関係があることを考慮して、ピーク(クロマトグラム2B中の11、12及び13)の下の領域を、ゲニスチン情報を使用して1kg当たりのmg(ppm)に変換し、次いでゲニスチン当量として濃度を表した。したがって図3は、ゲニスチン、化合物「A」及び「B」からなる棒線で表し、全12品種の黒豆に関する262nmで吸収されるフラボノイド、及びダイズ比較基準を要約する。棒グラフは、クロマトグラム2Bのピーク11、12及び13の対応する合計、並びにダイズ棒線のゲニスチンのピークを示す。12の黒豆品種は、分析した大豆サンプルより少ない重量の(262nmで吸収された)フラボノイドを含んでいた(図3)。興味深いことに、図3において観察することができるように、11=NG−Perlaとして表す黒豆品種は、試験した残りの品種より約6倍高い濃度のフラボノイドを含んでいた(図3)。ダイズ(190ppmのゲニスチン)とは対照的に、NG−Perla品種はゲニスチン重量当量として120ppmのフラボノイドを有していた。
【実施例3】
【0116】
未知の黒豆フラボノイドの同定
分子量を測定するためのHPLC−MS分析:
黒豆フラボノイドを同定するために、本発明者らは次いで以下のように手順進行した:実施例1中に記載したのと同様に得て分析した「第2画分」を、以下の条件で質量分析単位(HPLC−MS)と結び付けて、高圧液体クロマトグラフィー用の方法を使用してさらに調べた:
カラム:150×1mmのVYDACC18(5μm)
検出器:Agilent1100UV-vis検出器@262nm
流速:0.075ml/分
カラム温度:周囲温度
注入:20μlの調製物(1:1)水:メタノール「第2画分」
勾配:
【0117】

【0118】
この分析の目的は、ピーク11(クロマトグラム2B)に関して得た分子質量に従いゲニスチンの存在を確認することであった。さらにHPLC−MSは、化合物A及びB(クロマトグラム2Bのピーク12及び13)がグリコシド−フラボノイドであるかどうかを判定し、それらのグリコシド及び対応するアグリコンの分子質量を得るのを助長すると思われる。
【0119】
最初に、262nmで吸収された化合物のみを分析して、主にイソフラボンに結果を制限した。驚くことにこれらの結果は、その保持時間のためにゲニスチンとして以前に同定されたクロマトグラム2Bからのピーク11は、この型のイソフラボンではなかったことを示した。表1において見ることができるように、HPLC−MS分析は、クロマトグラム2Bのピーク11の黒豆化合物(図2)は、ゲニスチンより大きな分子量を有していたことを示した(ピーク11の480ダルトンに対しゲニスチンの432ダルトン)。したがって、この予期せぬ結果を鑑みて、ピーク11によって表される化合物が、ゲニスタインと結合したグルコースと異なる結合糖を有していたかどうかを確認する目的で、二重質量分析(DMS)によってピーク11物質のさらなる分析を行った。結果は、DMSから得た分裂分子は2つの画分を生成し、1つは319ダルトンの分子量を有し、他方162ダルトンの分子量を有していたことを示した。小さな分子量の画分(162)が、おそらく結合糖(外見上はグルコース)であった。したがって、このDMS結果によって、アグリコンは319ではなく271ダルトンの分子量を有するゲニスタイン(ゲニスタインのアグリコン)ではなかったことを確認した。このDMS分析を実施した後、本発明者らはしたがってジレンマに直面した、何故ならピーク11はゲニスチンとして確認されずさらなる同定が必要とされ、ここで3つのピークが依然知られていない化合物だったからである(ピーク11、12及び13)。
【0120】
この時点で特定の理論によって縛られることは望まないが、この外見上驚くべきピーク11の違いは、他のヒドロキシル基の存在及び又は分子中に存在する少なくとも2つのヒドロキシル基のメチル化に原因がある可能性がある。それにもかかわらず、二重質量分析によって、観察した3つの主要型が448、464及び480ダルトンの分子量を有していたグリコシド型のフラボノイドの存在を確認した(表1参照)。対応する二重質量分析によって、約162(結合糖)と286、302と318の分離又は脱凝集産物を得て、これによって結合糖とフラボノイドの対応するアグリコンを表した。
【0121】

MW*:分子量、ダルトン
【0122】
したがって本発明者らはこの時点で、おそらく黒豆の可能性は、正に外見上のゲニスチンのピークは実際はゲニスチンであり、したがって他のより多量のゲニスチンの供給源になるという仮定のために、当技術分野の他の研究者によって見逃されてきており、重要な非ゲニスチン化合物が擬似ゲニスチンピーク中におそらく存在したことは気付かれていないことに気付いた。したがって、他者は黒豆エキスのこの重要な特徴を見逃しており、対照的に本発明者らが進行したのと同様に、その潜在的な生物活性に関してこれらを特徴付けることはできなかった。
【0123】
「第2画分」の全ての以前の分析は、発見されるはずの主な化合物は、約262nmのUVmaxを有するイソフラボン又は関連化合物であったという理論に従って行った。しかしながらHPLC−MSは、前述した条件下でイオン化し得る全ての分子を検出することができるので、驚くことに、HPLC−MSクロマトグラム中で262nmにおいて吸収しなかったが高い強度ピークを有していた、分析した画分中に存在した他の化合物が存在した。これらはイソフラボンより水溶性が低かった、何故ならこれらは、移動相の大部分がメタノールであったときに出現し始めたからである。これらの分子の陽イオンの分子量は、900ダルトンより大きかった。これらの化合物を二重イオン化させると、それらは広くさまざまな分子画分を生成した。例えば、981ダルトンの陽イオンの二重イオン化によって、図3A中に見ることができるように、互いの間で結合しており12,15−オレアナジエン−3,23−ジオールの第3炭素と結び付いた少なくとも6分子のグルコース及び/又はガラクトース及び/又はアラビノース及び/又はラマノースを有するポリフェノール及び/又はファセオロシドD又はEなどの分子の異なるモノマー単位の存在を示す797、635、599及び441ダルトンの陽イオンを得た。これらの化合物に関するさらなる分析は行わなかった、何故なら本発明の主な関心は、より容易に吸収することができる複雑性の低い分子を評価し癌細胞の増殖を抑制することだからである。分子が吸収される機会がより多い結腸癌などの、特定の型の癌を治療するためのみに使用することができるポリフェノールには、これは当てはまらない。
【0124】
HPLC−PDA同定:
本出願人が新たに発見した黒豆中に見られるフラボノイドを記載するために得た分子量以外に、同定のために使用した他の技術は、Photo Diode Array検出器及び高圧液体クロマトグラフィー(HPLC−PDA)を使用して得られる、それらのUV−VISスペクトルの決定であった。異なる品種の黒豆由来の「第2画分」(実施例1)を、異なる機器を用いたこと以外はHPLC-UV/visの場合と同じ条件を使用して系に注射した。サンプルはHPLC−PDA(Waters,Milford,MA.,USA)に注射し、移動相として使用した水のpHはo−リン酸を用いて2.4に調整した。さらに、サンプルを加水分解してアグリコンの対応するUVスペクトルを得た。機器を含めたこれらのクロマトグラフィー条件は、この実施例及び実施例1で前に記載した3フラボノイド(クロマトグラム2Bのピーク11、12、13)の前に溶出した、他の化合物の検出を可能にした。言及する化合物は、図4のクロマトグラム4A(ピーク40)及びクロマトグラム4B(ピーク50)中で見ることができるように、加水分解及び非加水分解サンプル中に存在する。
【0125】
さらに、5MのHCl120分間又は5MのHSO30分間沸騰水中を使用した加水分解条件は、内標準として使用したフラボンの基本構造に影響を与えなかったようである(クロマトグラム4Aのピーク44及びクロマトグラム4Bのピーク54)、何故なら、その保持時間及び対応するスペクトルは同じ状態であったからである。以下のパラグラフでさらに説明するように、加水分解が働いて複合フラボノイドのグリコシド結合を破壊した。図4は、主な黒豆化合物の262nmで得たクロマトグラムの保持時間の違いを示し(クロマトグラム4Aのピーク41、42、43に対し、クロマトグラム4Bのピーク51、52、53)、加水分解なし(クロマトグラム4Aの上のスペクトル)及び酸加水分解後(クロマトグラム4Bの上のスペクトル)で得たスペクトルの変化をさらに示す。
【0126】
文献中の比較によると、クロマトグラム4A(図4)からピーク40のスペクトルに関して得られる285.8nmのUVmaxは、フラバノン又はジヒドロフラボノールの環Bの270nmと295nmの間の吸収の特徴的なバンドに対応し得る(Mabry 1970)。ピーク40に関して得られるスペクトルに対応し得る他の化合物は、Woodward(1979)によって以前に報告された真菌汚染されたインゲンマメ中のイソフラボンの一群である。これらの化合物は、イソフラボンにおいてあまり見られない270nmより高い波長における吸収の特有のバンドを有する。その化合物の1つは、340.13の質量及び286nmのUVmaxを有する、5−デオキシキービトンとしても知られる7,2’,4’−トリヒドロキシ−8−(3,3−ジメチルアリル)イソフラボンC2020であり;他の化合物は、322の質量及び279nmのUVmaxを有するファセオリンC2018である。興味深いことに、黒豆エキスの加水分解の後、対応するピーク50(図4)と比較したピーク40の保持時間は大幅には変わらなかったが、UVmaxは285nmから275nmに変わった。したがって、環B中にグリコシド置換基の代わりにプレニル基を有するイソフラボン候補の複雑な構造を考慮すると、クロマトグラム4A中のピーク40によって表される化合物は、この同じ特性を示す可能性があると考えられる。この事前の考慮によって、何故(化合物の極性の指標としての)保持時間が加水分解後に増大しなかったかを説明することができる。
【0127】
クロマトグラム4Aのピーク41、42及び43(図4)は、フラボノールの挙動と一層関係があるUVスペクトル中の2本のバンドを示した。フラボノールの環A及びBは光を吸収することができるので、それらのスペクトルは2本の独特のバンドを示し、1本は328〜357nmの間であり(環Aに対応するバンドI)、他方は240〜280nmの間である(環Bに対応するバンドII)。実際、ピーク41、42、43(図4)のUVスペクトルのバンドIは、3−ヒドロキシル置換基を有するフラボノールに特徴的である。注目すべきことに、ピーク51、52、53と比較したピーク41、42、43からのUVスペクトル間の違いは、バンドIの波長の変化によるものである。例えばピーク43のバンドIは、ピーク53で観察すると346.5nmから366.6nmに変化した。この変化は3−ヒドロキシル中の置換基の加水分解に原因がある可能性がある、何故なら、環A中に遊離3−ヒドロキシルを有するフラボノールは、352〜385nmの間で吸収するからである(Mabry 1970)。
【0128】
前の情報及びデータを分析した後に達した結論によって、図4のクロマトグラフにおいて前に特徴付けした、我々が新たに発見した化合物の候補のリストが存在する(表2)。Dictionary of Natural Compounds(Chapman & Hall/CRC Press,2004)から得た情報を用いて同定を行った。加水分解されないクロマトグラム4A(図4)中のピーク43によって表される化合物に関しては、スペクトル基準が一致した他のグリコシド型のケンフェロールが存在したが、アストラガリンも180〜190℃の間で融点が一致した。同様にケンフェロールは、ピーク53と最も一致する。興味深いことに、表1中に示すHPLC−MSによる分析から得たデータ中では、化合物Bは448ダルトンの分子量を有しており、ケンフェロール−3−O−グルコシドの分子量と同じであった。同様に、非グリコシド型のケンフェロールは、この特定の化合物に対応する分子量を有する(Chapman & Hall/CRC Press,2004)。ピーク41及び42に関しては、それらの対応するアグリコン(ピーク51及び52)はケンフェロールと同様に生じたが、それは他の植物性化学物質の測定因子に関しては確認されなかった。
【0129】

相対保持時間(RT):同じHPLC条件下での内標準(フラボン)と対象化合物の保持時間の比
【0130】
ヒトホルモン依存性乳癌細胞(MCF−7)を使用してバイオアッセイを行い、市販のクエルセチンの増殖抑制効果を単独で、並びに表2に記載する黒豆エキス中に見られる他のフラボノール及び植物性化学物質の存在下で試験した。クエルセチン単独ではMCF−7増殖に対する如何なる抑制効果もなかったが、一方フラボノール及び他の植物性化学物質が豊富なエキスは、1.5mg/mLの濃度において増殖の50%を抑制した。
【実施例4】
【0131】
アントシアニンの定量
黒豆はアントシアニンが豊富であり、(実施例2に記載した)「第2画分」において特徴的な赤色を観察したので、本発明者らは、「第2画分」の生物活性を試験する前に、これらの化合物を定量し特徴付けた。使用した方法は、以下の条件でHPLC-UV-visを使用するMazzaら(1999)によって記載された方法から改変した:
カラム:250×4.6mmのSupelcosilC18、5μm(Supelco Co.,Bellefonte,PA.,USA)
検出器:HP1100UV-vis検出器@525nm
流速:0.35ml/分
カラム温度:周囲温度
注入:20μlの調製物(1:1)水:メタノール「第2画分」
勾配:
【0132】

【0133】
実施例3で報告したフラボノールの場合と同様に、アントシアニンはグリコシドとして存在し、その濃度は対応するアグリコンの重量当量として表す。全12の試験した黒豆品種は、有意なレベルのアントシアニン類、デルフィニジン、ペツニジン及びマルビジンを有していた(図5)。興味深いことにMex−332品種は、12の試験した黒豆品種の残りの少なくとも2倍多くのアントシアニンを含んでいた。興味深いことに、これらのアントシアニンの割合は、黒豆品種と無関係に同じに保たれた。結論として、(実施例2に記載した)「第2画分」は、一緒に存在すると相乗的に作用して癌細胞の増殖を低下させ他の健康上の利点を増大させる、証明されている抗酸化化合物であるフラボノール、イソフラボン及びアントシアニンの混合物を含んでいた。
【0134】
さらに、これらのアントシアニンを含むエキスは、合成FD(C着色剤の代わりに異なる産業用の着色剤の天然供給源として使用することができる。大部分の合成着色剤、特にFD(Cレッド#2又はエリスロシンは、重大で有害な健康上の利点を有する。これらの合成色素の幾つかは、世界中の異なる国々で統制機関によって禁じられている。したがって、食品、化粧品及び薬剤用の黒豆由来の天然着色剤には有意な有用性がある。本発明のエキスは、食品及び化粧品中の着色剤及び抗酸化剤に典型的に使用する量で、食品着色剤又は化粧品着色剤として、或いは食品抗酸化剤として、或いは化粧品抗酸化剤として使用することができる。例えば本発明のエキスは、食品及び化粧品中のレッド#2に使用する量で使用することができる。或いは、化粧品中の天然抗酸化剤として現在使用されているヴィティスヴィニフェラから得るエキスなどの、他のアントシアニンが豊富なエキスの代用として。
【実施例5】
【0135】
黒豆外皮の外皮除去及び特徴付け
黒豆全体とそれらの外皮中で見られるフェノール類間の違いを分析したことは興味深かった、何故なら大部分のこれらの化合物は、外皮中に濃縮されるからである。12の異なる黒豆品種は、手作業の外皮除去の準備の際に室温で8〜24時間、蒸留水を用いて個別に条件付けした。除去した種外被を重量測定し、12時間60℃で乾燥させ、次いで粉に製粉した。表3中に観察することができるように、種外被の重量は7〜13%(乾燥単位)に平均化した。
【0136】

【0137】
図6a中に要約するプロセスの後に、黒豆はさらに機械的に小粒にし、又は外皮を除去した。製粉手順の目的は、2つの異なる画分:種皮が豊富な物質及び子葉が豊富な物質を得ることであった。穀粒を最初に調節して、外皮を除去する前にそれらの含水率を12〜16時間で16%に増大させた。条件付けした種は、研磨ディスクを備えるPRLミル(Nutana Machine Co.,Saskatoon Canada)において機械的に外皮を除去した。完全な外皮除去を確認するための最適剥皮時間は、13〜15%の穀粒重量を取り除くのに必要な時間であった。種外被が豊富な物質は空気吸引によって、次いで2mm径シーブを介したふるい分けによって、子葉が豊富な物質から分離させた。
【0138】
したがって、図6aは豆、有利には黒豆の含水率の調節又は増大、外皮除去、外皮除去した豆を吸引して吸引外皮及びその残り部分を得ること、残り部分をふるい分けして、外皮微粉及び子葉を得ること、吸引外皮と外皮微粉を組み合わせること、及び組み合わせた吸引外皮と外皮微粉を乾燥させて、乾燥黒豆、有利には黒豆外皮を得ることを示す。
【0139】
手作業により得た外皮由来のフェノール化合物を、以下の実施例中でさらに記載するように70%アセトンを使用して抽出し、化学的に特徴付けした。実施例2中に記載した豆全体の場合と同様に、外皮中の合計フェノール濃度は品種間で異なる。種外被は、そのそれぞれの穀粒全体の20倍を超えるフェノール化合物を含んでいた。したがって本発明の幾つかの適用例に関して、この考慮事項によって実践者は、黒豆供給源の外皮除去を特徴とする本発明の実施形態を好むようになる可能性がある。
【0140】
合計フラボノイド及び濃縮物タンニン濃度を、黒豆外皮において分析した。黒豆品種「NG−Perla」は、表4において観察することができるように、最高濃度のフラボノイドを含んでいた。予備的化学試験は、大部分のタンニンは種外被に局在したことを示した。表4において観察することができるように、外皮中に最高濃度のタンニンを含んでいた品種はNG−8025(3)及びNG−Sahuatoba(7)であった。
【0141】

全ての値は、乾燥物質単位でカテキン当量として表す。
【0142】
黒豆の外皮中のアントシアニンの存在を確認するために、詳細なHPLC分析を、酸加水分解アントシアニンを使用して実施した。黒豆品種MEX−332の外皮が、最高アントシアニン濃度を有することを確認した。本発明者らは、この品種が全黒豆品種中に存在するデルフィニジン及びシアニジン以外に、ペツニジン、ペルアルゴニジン及びマルビジンを含んでいたことは、好奇心をそそり興味深いと考えた。
【0143】
黒豆から種皮及び子葉を得るための他の手順では、豆は60℃に設定した対流オーブン中に少なくとも6時間、好ましくは8〜10時間置いた。この時間−温度脱水処理中に、種皮は緩んだ状態になり、外皮除去後に分離するのが容易になった。2つの画分:種皮又は外皮及び子葉を得る目的で、豆は機械的に小粒にし、又は外皮を除去した。最適剥皮時間は、13〜15%の穀粒重量を取り除くのに必要な時間であった。種外被が豊富な物質は空気吸引によって、次いで2mm径の丸穴を有するシーブを介したふるい分けによって、子葉が豊富な物質から分離させた。機械的分画化のためのこの手順は図6b中に示す。この手順は前に記載した図6aの手順より有効であった、何故ならそれは処理時間又は剥皮時間を大幅に短縮したからである。
【実施例6】
【0144】
異なる溶媒を使用する黒豆外皮の抽出
異なる溶媒を使用して、実施例5に記載したのと同様に調製した黒豆外皮から当該の化合物を単離するそれらの能力を評価した。評価した異なる溶媒系には、水、80%メタノール、96%エタノール又は70%アセトンがあった(本発明を実施する際の溶媒として有用な、水又は水溶液及び低級アルキル、例えばC−Cアルコール、ケトン/アルデヒド;エチルエーテルなどの低級アルキルエーテルの幾つかの例も、本発明の溶媒として有用である)。100mlの溶媒系と5グラムの外皮を混合することによってエキスを得た。混合物はスピード3で5分の間ティシューマイザー(tissuemizer)(Ultra-Turrax T25 basic,IKA Works Inc社製、Wilmington,NC)を用いて均質化し、次いで室温において攪拌機(Bellco Glass Inc社製、Vineland,NJ)中で1時間低攪拌で保った。エキスの等分試料をサンプル採取して、Folin−Ciocalteu法によって合計フェノール含量を測定し、この値と暗所中に冷凍状態(4℃)で一晩放置した相当物から得た値の間に、有意な違いが存在したかどうかをさらに調べた。抽出後、生成したエキスはWhatman1フィルターを介して濾過し、固形残留物は100mlの新たな溶媒中に再懸濁させた。100mlの溶媒を固形残留物に加えるプロセスは3回繰り返し、したがって最終的には、合計抽出体積は400mlであった。生成した体積は回転蒸発装置Buchi(Scientific Glass Apparatus,Inc社製、Bloomfield,New Jersey)を使用して、40℃でほぼ乾燥状態に濃縮し、100mlの純粋メタノール中に再懸濁させた。
【0145】
図7において観察されるように、70%アセトンと純水の両方が全フェノール化合物の優れた抽出率を有することが分かった。薬剤及び食品等級の商業的プロセス及び統制機関用に、図7に示す結果に従うと水は良い選択肢である可能性がある。さらに、本明細書に記載し80%メタノールエキスを用いて確認した生物活性の結果に基づくと、水は当該の化合物に対する選択性を示すようである。
【実施例7】
【0146】
黒豆外皮エキスの抗酸化性の評価
驚くことに、約4mMの合計フェノール濃度を有する粗製アセトン黒豆外皮エキスは、1グラム当たり58μmolのTrolox当量(TE)の抗酸化能(乾燥単位)を有していた。ハイブッシュブルーベリー(4.6〜31.1μmolTE/g(新鮮重量);Ehlenfeldt及びPrior,2001)、ストロベリー(18.3〜22.9;Kaltら1999)、ラズベリー(19.2〜22.6;Kaltら1999)、ブラックベリー(13.7〜25.1;Wang及びLin,2000)、クランベリー(8.20〜14.5;Wang及びStretch,2001)、及びマスカットブドウジュース(18.2〜26.7;Talcottら2003)などの他のアントシアニンが豊富な果実を参照すると、この値は予想外に高い。
【0147】
生物活性化合物の溶解特性をさらに評価するために、本発明者はエチルエーテルで精製した粗製メタノールエキスを用いて作業を進行させ、非極性化合物を除去した。フェノール化合物が豊富な残りの極性相は、C18クロマトグラフィーカラムを使用してさらに分画した。メタノール及び酢酸エチルを連続的に使用して、それらの極性に従い化合物を分離した。
【0148】
それらの多様なフェノール組成のために、画分は異なる抗酸化能を有していた(図8)。興味深いことに、エチルエーテルでさらに精製しメタノール中で分画した粗製アセトン外皮エキスの後に得た、1μmolのフェノール化合物混合物は、約2.5μmolのTroloxの等しい活性を示した。この画分の主なフェノール化合物はアントシアニンであり、一方酢酸エチル画分はごく微量のこれらの化合物を含んでいた。興味深いことに酢酸エチル画分は、大部分のイソフラボン、フラボン及びフラボノールを選択的に単離した。
【0149】
メタノール分画に関して得た抗酸化値は、合成ブチルヒドロキシアニソールすなわちBHA(2.43TE)と比較することができ、酢酸エチルからの値はカフェイン酸とクエルセチンの間であった(6.63〜10.5TE)(Davalos,2004)。[PWM:What is "TE"---Trolox Equivalent? or What? I don't see the definition anywhere,maybe I missed it or I just don't know what the terminology is.による注釈]これは両方の画分が、食品、化粧品、薬剤及び給食産業によって一般に使用されている合成抗酸化剤と同等又はそれより高い抗酸化能を有することを示す。本発明において全体的又は個別に同定した抗酸化促進天然化合物は、全体的又は部分的に、癌などの健康に対する証明されている有害な影響を有する合成抗酸化剤の代わりとなり得る。さらに、これらの化合物は食品、薬剤又は化粧品製品中の抗酸化剤として使用することができ;さらに黒豆エキス、黒豆外皮エキスなどは、栄養補助食品として有用である可能性がある。
【実施例8】
【0150】
黒豆全体の麦芽処理/発芽エキス
黒豆全体で始める麦芽処理又は発芽のための方法を、アグリコン−フラボノイドが豊富な新芽を生成する目的で開発した。事前の麦芽処理試験によって、おそらく最適な麦芽処理条件は、:通気下で18〜24時間20℃の水中に粗製粒を浸し、次に20℃及び85%相対湿度の制御環境中で発芽させることであったことを示した。これらの条件下では、約85%の豆が温度(20°C)及び相対湿度(85%)の制御条件下において3日中発芽した。NG−Perla黒豆品種を選択して、フラボノイドのグリコシド化パターンに対する麦芽処理時間の影響を試験した、何故ならそれは、スクリーニングした12品種の群中で最高量のフラボノール及びイソフラボンを含んでいたからである。
【0151】
外皮除去した黒豆全体に同様の方法を適用することが本発明の範囲内であることは、当業者には明らかであると思われる。
【0152】
黒豆フラボノイド濃度及び概略に対する発芽時間の影響を分析するために、NG−Perla豆を18時間10部の蒸留水に浸し、浸漬水を捨て、20℃でさらに5日間種を発芽させ、1日1回特徴を記録した。60℃を超えない温度で乾燥又は脱水して発芽を停止させ、内因性酵素を無害の状態に保った。粗製及び麦芽処理豆の代表的なサンプルを粉砕し、生成した粉は80%メタノールで抽出し、実施例2で説明したのと同様にC−18カラムに通して、以下の条件でHPLC−PDAを使用してフラボノイド含量を定量した:
カラム:250×4.6mmのSymmetry C−18 Waters Co.(Milford,MA.,USA)
検出器:Waters PDA 2996(Milford,MA.,EUA.)
流速:0.8ml/分
カラム温度:周囲温度
注入:20μlの調製物(1:1)水:メタノール「第2画分」
勾配:
【0153】

両方の移動相は、o−リン酸を使用してpH2.4に調整した。
【0154】
興味深いことに、発芽した黒豆のクロマトグラムは、加水分解されていようといまいと非発芽粗製黒豆とは対照的に、図9中のピーク114によって表される化合物などの幾つかの異なる化合物を示した。しかしながら図4、非加水分解粗製黒豆エキスに対応するクロマトグラム4Aのピーク42及び43に戻ると、発芽した黒豆において示される唯一のフラボノイドが存在する。図9において観察されるように、ピーク112及び113の対応するスペクトルは、前述のピーク42及び43に関して得たスペクトルと同様である。
【0155】
しかしながら予想外に、1日発芽した黒豆は、前に分析した加水分解粗製黒豆エキス中にも出現した化合物を有する。図9中のピーク110と図4のクロマトグラム4Bのピーク50を比較すると、ピーク50は加水分解エキスに対応し、ピーク110は加水分解ではなく発芽状態であるが、両者は非常に類似したスペクトル及び溶出性を有している。これは、発芽がどのように作用して、ピーク110の場合と同様に、ピーク40の化合物をピーク50の化合物に転換する酸加水分解の場合と同様に、単純化合物を生成することができるかの興味深い一例である。
【0156】
発芽の最初のステップ、過剰な水中への浸漬では、黒豆の合計フラボノイド含量は、粗製未発芽粒と比較して低下した。18時間の浸漬後フラボノイドに関して浸漬水を分析した。図10において観察することができるように、水中で全粒からフラボノイドの重大な消失があった可能性がある。わずか1%の当該のフラボノイドが3部の水に浸した粒の浸漬水中で失われたが、一方6部の水に浸した粒中では、消失は4〜15%の範囲であった。したがって、浸漬に使用する水の量を減少させて、これらの化合物の浸出によるフラボノイドの消失を回避することができる。
【0157】
麦芽処理時間は、フラボノイドの濃度及び型に対して有意な影響があった。フラボノイドの濃度は発芽第4日、それが発芽黒豆中で最高濃度に達したときまで徐々に増大した(図11)。
【0158】
したがって発芽を使用して、フラボノイドの生物活性を増大させることができる。
【0159】
この実施例は発芽の影響に関するものであるが、フラボノイドの生物活性を増大させるための他の方法が存在する。例えば、発酵法、結合糖を加水分解する酸加水分解及び外因性酵素の使用を利用することができる(米国特許第6,579,561号、6,500,965号、6,146,668号、5,320,949号、5,352,384号、5,637,561号、及び5,637,562号を参照のこと)。それにもかかわらず黒豆の発芽は、非常に有利である可能性がある本発明の実施形態の1つである、何故ならそれは、本発明の目的である化合物の生物活性を増大させる自然で簡潔なプロセスだからである。
【実施例9】
【0160】
ホルモン依存性乳癌細胞MCF−7の増殖に対する、黒豆粗製エキス及び麦芽エキスのインビトロでの特徴付けアッセイ
粗製及び5日麦芽処理したNG−Perla黒豆のメタノールエキスを、それぞれ実施例2及び8に記載した方法によって得て、これらを使用して、ホルモン依存性乳癌細胞増殖(MCF−7)に対するその影響を試験した。
【0161】
黒豆中に見られるイソフラボンはエストロゲン活性を示す可能性があり、MCF−7はホルモン依存性乳癌細胞であるので;試験は無ホルモン培地で実施して、抑制ではなく増殖が増大する可能性を除外した。最初のアッセイはエストロゲンを含まない2.5%のウシ血清で実施して、幾つかのフラボノイドがエストロゲン活性を有する場合でも、それらは細胞増殖を抑制し得ることを証明した。したがってMCF−7細胞は、この癌細胞系の増殖に対するそれらの影響を試験する目的で、陽性対照としての精製された市販のゲニスタイン標準(Indofine Chemical Company社製、Hillsborough,NJ)及びゲニスチン(Sigma-Aldrich Chem.Co.社製、St.Louis,MO)と共に最初に培養した。
【0162】
図12中に示したように、予想通りゲニスタインは、インビトロでの13日間のインキュベーションの後にMCF−7の増殖を効果的に抑制する。6から3に細胞群の倍化を低下させる(50%の抑制)ために必要とされたゲニスタイン濃度は、図12のデータに適合させた曲線によって18.5μMであると推定した。ゲニスタインのグリコシド型であるゲニスチンには、図13において観察することができるように、20μMより高い濃度でも同じ抑制効果はなかった。グルコシド化はインビトロでのイソフラボンの活性に対して悪影響がある、何故ならゲニスチンは、試験した範囲及び条件において増殖抑制を示さなかったからである。
【0163】
実施例2に記載したのと同様に得たNG−Perla黒豆エキスの「第2画分」には、乳癌細胞増殖に対する抑制効果があった(図14)。興味深いことに、13日間のインキュベーション後に生命力のある細胞は存在せず、このとき培地は13.6μMより高い濃度の「第2画分」フラボノイドを含んでいた。図14は、麦芽処理した種から抽出した化合物の1.36μMより高い濃度では、イソフラボン濃度と細胞増殖の間の強い逆直線関係、及び1.36μM付近での完全な抑制が見られたことを示す。このデータは明らかに、発芽黒豆エキスの利用は、全粗製種子から得るエキスより約10倍有効であることを実証する。
【0164】
これらの結果に従い、純粋なゲニスチンとゲニスタインを比較して、黒豆中に存在したフラボノイドにはより優れた効果があり、麦芽処理した黒豆から得た化合物には相当強い抑制能があったと結論付けた。麦芽処理プロセス中に生じた酵素(すなわちグルコシダーゼ)は、フラボノイドからグリコシドを加水分解し、実施例8中に記載したのと同様のより生物活性があるアグリコン及び新しいイソフラボンを生成した。
【0165】
さらに、事前のホルモン除去なしの血清を使用するアッセイを、同じ細胞系(MCF−7)を使用して実施した。さらに、実施例7中に記載したのと同様に得て分画した黒豆外皮の粗製エキスを使用して、メタノール及び酢酸エチル中でのそれらの連続溶解に従いフェノール化合物の生物活性を区別した。無ホルモン状態の場合と同様に、全てのエキスが表5において観察することができるように強い抑制を示す。エキスのフェノール化合物は試験した残りの画分と比較して濃縮する必要性が低かったので、粗製エキスは最高の抑制効果を有していたことを指摘することは重要である。
【0166】
イソフラボン及びフラボノールが存在する酢酸エチル画分の場合、50%の抑制効果に達しなかった、何故なら合計フェノール濃度が30μM未満だったからである。陽性結果を得るためには、より高い濃度が必要とされる可能性がある。
【0167】

EC50=MCF−7癌細胞の増殖を50%抑制する細胞増殖培地中の総フェノール濃度(μM)
【0168】
このようなホルモン依存性乳癌細胞の抑制が、フェノールが豊富な黒豆エキスを試験したときに観察されたことは好奇心をそそった。フェノール化合物を使用したMCF−7細胞の抑制は予想できなかった。例えば、ミリセチン及びエピカテキンなどの幾つかのフラボノイドは、正常血清条件で増殖したMCF−7細胞を抑制しない。他方で、少なくとも200μMの濃度のクエルセチンが、同じ条件下で50%のMCF−7癌細胞を抑制するために必要とされる(Rodgers,1998)。米国特許第6,562,863号では、Romanczykらは、約100μg/mlを超えるココアプロシアニジンが、インビトロで50%のMCF−7細胞増殖を抑制するために必要とされたことを見出した。興味深いことに、ココアプロシアニジンは分画時には無効であり、異なる型のプロシアニジン間の相乗効果により抗増殖活性が得られたことが示された。
【0169】
本発明では、粗製エキスを使用したとき、メタノール抽出分画と比較したとき、低濃度の全フェノール化合物が培地中で必要とされたことが分かった。したがって、黒豆エキス(外皮及び/又は豆)中の数種の化合物を使用することによる、相乗効果が存在する可能性がある。このことは、栄養補助食品としての、黒豆エキス(外皮及び/又は豆)の有用性も存在する可能性があることを示す。
【0170】
相乗効果の他の証拠を与えるために、アッセイをさらに実施して、トリテルペン−サポニン及びフラボノールの量が異なった麦芽処理した豆由来の粗製エキスを比較した。多量のこれらのトリテルペン−サポニン及びフラボノールを有するエキスは、より低濃度のこれらのトリテルペン−サポニン及びフラボノールを有する相当物より高い抑制効果を有していた。サポニンはエストロゲン受容体に対する親和性を有し、したがってフラボノイドの活性を増大させる可能性があることはよく知られている。
【実施例10】
【0171】
肝臓及び結腸癌細胞の増殖に対する、黒豆外皮エキスのインビトロでの特徴付けアッセイ
異なる品種の黒豆の種外被の粗製エキスを調製し、これを使用してCaco−2及びHepG2肝臓癌細胞に対するそれらの抑制効果を試験した。種外被(2g)を20mlの80%アセトンと混合させ、実施例7中に記載したのと同様にエキスを得た。両方の型の細胞に関して、最も抗増殖性があったエキスは黒豆品種1(Mex332)から得たエキスであった。残りのエキスも、他の報告済みの食品中のフラボノイド供給源と比較して高い抑制能を示した。例えば、Eberhardtら(2000)は、50mg/mlの濃度でリンゴエキスを用いて作業して、Caco−2及びHepG2癌細胞の43及び57%のインビトロ増殖を得た。対照的に、1mg/ml未満の濃度で黒豆エキスは、20%未満にCaco−2癌細胞の増殖を低下させた。これは黒豆エキスが、リンゴエキスより少なくとも約100倍有効であったことを意味する。黒豆エキスはさらに、特に黒豆品種1(Mex332)から生成すると、HepG2癌細胞増殖に対する高い効能を示した。図15は、HepG2癌細胞増殖に対する、Mex−332黒豆品種由来の粗製エキスの抑制効果を示す。エキスがカテキン当量として表して500μMを超える合計フェノールを含んでいたとき、約90%の抑制を観察した。
【0172】
全てのエキスのEC50又は平均有効用量は表6に列挙する。結腸及び肝臓癌細胞増殖の抑制に最も有効なエキスは、黒豆品種1(Mex332)から生成したエキスであった。等しい濃度においてエキスは、肝臓癌細胞(HepG2)と比較して結腸(Caco2)癌細胞に対して4〜5倍有効であった。平均有効用量に達するのに必要とされる濃度は、それぞれ42.51±1.68、56.26±2.24、76.75±3.04mg/mlのEC50を有するホウレンソウ、キャベツ又はレッドペッパーから得られた他の報告済みのエキスとは対照的に非常に低い(Chuら、2002)。0.119及び0.508mgの種皮/細胞培地1mlの濃度で黒豆Mex−332(1)は、Caco−2及びHepG2細胞増殖の50%を抑制し、黒豆エキスは前述の園芸作物から得られたエキスの、数百倍を超える生物活性を有することが意味された。
【0173】
一般に、特にエキスを外皮又は発芽種から得るとき、黒豆エキスを非常に低い濃度で使用して、広範囲の癌細胞系を効果的に抑制することができる。フェノール化合物の異なる混合物は、癌細胞増殖抑制に対する高い生物活性及び抗酸化能を有することを、指摘することも重要である。
【0174】

【実施例11】
【0175】
ウィスターラットを使用するDMBA(9,10−ジメチル−1,2.ベンズアントラセン)誘導癌に対する発芽黒豆外皮エキスの予防効果
発芽黒豆粉及びその80%メタノール粗製エキスの予防効果を、ウィスターラットを使用して試験した。発芽黒豆中に見られる非フラボノイド化合物の効果を区別するために、1:10粉:溶媒の比で80%メタノール水溶液を使用して抽出を実施した。粉又はエキスの量は、実験中の2レベル:13mg/kg及び55mg/kgを考慮して、食物中の合計フェノールの濃度に従い確定した。初期重量によってブロック分けした12の実験単位(27日齢)で、4つの実験治療食及び対照食が存在した。治療は以下の通りであった:
a:対照食
b:低レベルの発芽黒豆粉
c:高レベルの発芽黒豆粉
d:低レベルの発芽黒豆粉フェノールエキス
e:高レベルの発芽黒豆粉フェノールエキス
【0176】
化学的癌誘導物質としてDMBAを使用し、20mg/mlのDMBAをコーン油中に懸濁させた油性懸濁液1mlを胃内に投与した。ラットが50日齢で150グラムの平均重量であったときに、誘導を実施した。
【0177】
癌誘導後、18匹のラットはDMBAに対する副作用を示し、腫瘍の目に見える形成が現れる前に死んだ。最も影響を与えた治療はb及びcであり、DMBAを用いた誘導の14日後わずか50及び58%の生存率であった。図16はDMBA治療ラットが死んだ時間の平均を示し、治療bからの実験動物単位の大部分は、DMBA施用後の最初の2.5日以内に死んだこと;他方で、治療食cを与えたラットは癌誘導後14日で死んだことを示す。対照治療のわずか25%の被験体が最初の3日間中に死に、治療d及びeからの17%は、しかしながら化学的癌誘導の14日後に死んだ。対照と比較すると、治療c、d、及びeはDMBAの毒物学的理由のために初期の低下を妨げた。
【0178】
腫瘍は治療dからの1動物では癌誘導後59日で現れ始め、ラットは3.5cm径の腫瘍を有しながらわずか23日間生存し、腫瘍は約0.1cm/1日の割合で増殖した。対照治療からのラットは、癌誘導後76日までに明白な腫瘍を示した。実際、何匹かのラットは84日までに2つ以上の腫瘍を示したが、治療b及びcからのラットは如何なる腫瘍も示さなかった。図17は、治療A(対照)からのラットは最も影響を受け、大部分が2つ以上の腫瘍を示したことを示す。治療d及びeは、治療b及びcと比較してそれほど腫瘍形成を妨げなかった。図17は、フェノールが少ないエキスを含む食事を与えたラットでは、高いフェノール濃度を有するエキスを含む食事より良く癌が予防されたことを示す。治療dのラットの大部分は腫瘍を有していなかったか、或いはわずか1つの腫瘍を有しており、一方治療eのラットは腫瘍の高い発生率を有していた(図17)。全発芽黒豆を用いた治療(b及びc)とそれらのメタノールエキスを用いた治療(治療d及びe)の間の違いは、DMBAにより誘導されるDNA酸化を妨げる必ずしもフラボノイドではない、他の化合物が存在する可能性があることを示した。他方で治療d及びeは、同レベルでDMBA毒性に対する防御を示したが、低レベルと高レベルの間には癌予防の有意な差が存在する。おそらく食物中の高用量のエキスが酸化を促進した、何故ならそれは幾つかの他の天然抗酸化剤と共に存在するからである。
【0179】
ウィスターラットの数、及び癌誘導後の84日後のそれらの対応する腫瘍の数は、図18において観察することができる。全ての実験単位を考慮すると、49%のラットが腫瘍を示さず、29%がわずか1つの腫瘍を有しており、17%が2つの腫瘍を有しており、及び残りの5%が3つの腫瘍を有していた。治療a(対照)及びe(高レベルの発芽黒豆フェノールエキス)は最も影響を与えた、何故なら、それらの対応するラットにおける腫瘍予防はそれぞれわずか25及び30%であったからである。治療cにおけるラットは最も影響を受けなかった、何故なら、実験単位のわずか14%が癌誘導後84日腫瘍を示したからであり、次に治療bは33%であった。治療bとcの両方で、影響を受けたラットにおいてわずか1つの腫瘍が存在した。治療aのラットの50%、治療eの40%及び治療dの10%が、少なくとも2つの腫瘍を有していた。
【実施例12】
【0180】
エキスの癌抑制効果を増大させるために異なる極性を有する溶媒を使用する、黒豆外皮エキスの分画化
異なる極性を有する溶媒を使用する分離スキームを、40%アセトン又は80%メタノールを用いて最初に抽出した黒豆種外被又は外皮から、生物活性フラボノイドを単離するために開発した。一般的なフェノール化合物の定量を個々の連続ステップで実施して、これらの化合物の行方を決定し、最高濃度の生物活性化合物を有する画分を見出した。図19は、異なる画分を用いるこの分離スキームに関するステップを示し、LIは溶媒蒸発後に得られる液体であり、LIIは塩沈殿後の液体流であり、そこからブタノール流(B)及び水流(LIII)がブタノールによる数回の洗浄後に得ることになる。乾燥ブタノール画分から、エタノール:酢酸エチル溶液を使用して、ひとたびエーテルを混合物に加えた後に沈殿を得ることになり、化合物の残りはLEの溶液中に存在すると思われる。
【0181】
黒豆外皮の生物活性の大部分はミリセチン、クエルセチン及びケンペロールのグルコシドなどのフラボノールに起因するので、分離スキームの目的は、アセトン又はメタノール粗製エキス中に本来見られる全ての他の外来性化学化合物を、可能な限り多く除去することであった。図20は、高濃度の他の化合物、主にサポニン及び植物ステロールのために、フラボノールは粗製エキスLI中に検出されなかったことを示す。クロマトグラム(図20)中において見ることができるように、画分B中ではフラボノールグリコシドが多量に出現した。しかしながら、エーテル沈殿後に得た画分LEは、最高濃度及び最高純度のこれらの生物活性化合物を含んでいた。
【0182】
予想通り(表7)、MCF−7乳癌細胞の増殖に対する異なる生物活性を、異なる画分を使用したときインビトロで観察し、このことは、最高の生物活性を発揮する幾つかの化合物、及び抗増殖活性におそらく干渉する他の化合物が存在する可能性があることを示す。粗製エキス(LI)を使用すると興味深い観察結果を得た、何故なら抑制効果を有する代わりに、おそらく黒豆外皮中に存在する多量の植物性化学物質によるMCF−7癌細胞の数の増大があったからである。Ju(2004)によれば、これらの植物性化学物質は、MCF−7癌細胞のインビトロでの細胞増殖を促進する。図19中に記載したのと同様にブタノール中に溶けたフラボノイドから得て処理した最終産物(LE)は、癌細胞増殖に対する最高の生物活性を有していた。わずか0.1mg/mlが、細胞増殖の55%を抑制するために必要とされた。最も興味深い結果は、蒸発画分Bのエーテル沈殿後に得た画分を用いて得た。0.05mg/mlの濃度は、インビトロでの癌増殖を46%抑制するのに充分であった。LeBailら(1998)によれば、幾つかのフラボノールは低濃度で癌細胞の増殖を抑制し、エストロゲンの存在下でインキュベートすると高濃度で増殖を促進する。表7の結果はこれらの以前の調査と一致する。
【0183】

【0184】
分離スキームの最終画分(LE)に関して得た結果は、癌を治療するために一般的に使用されている市販品(Taxol(登録商標)、SIGMA社製)と比較した。データは、図19中に示す連続的な分画化スキーム後に得た、化合物の混合物の潜在的な治療能力示す。図21において見ることができるように、0.5mg/mlの濃度では、画分LEはTaxol(登録商標)より有効であった。この濃度では、実験エキスはTaxol(登録商標)と同じ有効性を有しており、このとき前者の化合物は10倍高い濃度で使用した。エキスLEは、0.1mg未満の濃度で最高の有効性を有していた。調製HPLC又は他の方法によるこのエキスの生物活性化合物の分離によって、Taxol(登録商標)より低い濃度で使用することができる純粋な医薬化合物を生成することができる。これらの天然植物性化学物質を使用する他の利点は、それらがTaxol(登録商標)より低い毒性及び副作用を有する可能性があることである。
【0185】
LEエキスはグリコシドフラボノール、ファセオロシドE及び他の関連化合物を含んでおり、且つ驚くことに、画分LEの有効な抑制活性は、図3A及び22中で述べる化合物などのこのエキス中に見られた他の化合物とフラボノールの相乗効果によるもの、或いはこのエキス中に存在した1つの特定の植物性化学物質によるものであった可能性がある。フラボノール及びそれらのグリコシド型以外、図20中に示すクロマトグラムでは最初の5分間中に、全ての化合物が溶出した。考えられる相乗効果は、フラボノールより優れたアポトーシス誘導物質である他の化合物を細胞中に移動又は進入させることができる、LE中に見られる高いエストロゲン活性を有する化合物(フラボノールなど、すなわちミリセチン)の存在によるものである可能性がある。言い換えれば、ヒト乳癌細胞の増殖抑制及び/又はアポトーシスは、両方の型の化合物がエキス中に存在するとき大幅に増大する可能性がある。
【実施例13】
【0186】
ウィスターラットを使用するDMBA誘導乳癌に対する黒豆外皮エキス及びその精製画分の治療効果
80%メタノール水溶液を使用して得た凍結乾燥黒豆外皮エキスを、実施例12に記載したのと同様にさらに精製した。凍結−乾燥粗製エキス及びその半精製画分を、実験用ウィスターラットを使用して乳癌細胞増殖に対する治療剤として試験した。6〜8匹のラットの5群を15mgのDMBAを1mlのコーン油に懸濁させた懸濁液を用いて誘導し、これはラットが40日齢と50日齢の間に達したときに胃内に投与した。癌誘導後10週間未満で明白な腫瘍を示した実験単位はこの実験に含めず、その代わり以下に記載する他の実験に使用した。
【0187】
エキスは水中25%DMSOに溶かし、0.5mlを7週間の間2日毎に胃内に投与した。2つの濃度の粗製及び半精製エキスを使用し、以下の治療を与えた:
C:対照(25%DMSOのみ)
R1:粗製エキス(35mg d.w./ml)−(d.w.−乾燥重量)
R2:粗製エキス(3.5mg d.w./ml)
A1:半精製エキス(5mg d.w./ml)
A2:半精製エキス(0.5mg d.w./ml)
【0188】
図23aは、25%DMSOを投与した、エキスを投与しなかった(対照)、及び前に定義したエキスを投与した、ウィスターラットにおいて観察した腫瘍増殖率を示す。
【0189】
7週間後に検出した治療間の主な違いは、ラット当たりの腫瘍(転移)の数、転移に必要とされた時間、増殖停止のための時間、及び腫瘍増殖率に基づくものであった。対照ラットの50%で転移を観察し、高濃度で粗製エキスを投与したラットのわずか25%が転移を有しており、一方で半精製エキスを与えたラットでは、転移は観察されなかった。粗製エキスで治療したラットと対照の間には興味深い違い、第2の腫瘍が明白になるのに必要とされた時間、それぞれ28日及び1〜14日が存在した。
【0190】
対照ラットにおける第1の明白な腫瘍の増殖率は、1.5〜2.0cmの最大サイズに達するまで約0.35cm/1日であった。低濃度及び高濃度の半精製エキスで治療したラット由来の腫瘍は、1日当たり0.05cmと0.1cmの間の割合で増殖した。第2の腫瘍の外見が存在しないすなわちゼロである半精製エキスを投与した相当物と違いを有する、粗製エキスで治療したラットにおいて同様の傾向を観察した。粗製エキスで治療したラットにおける第2の明白な腫瘍は、1日当たり0.05cmの割合で増殖し、これは対照ラットで観察した平均的な割合の1/5である。
【0191】
粗製又は半精製エキスを投与したときのみ、腫瘍増殖が停止した。いずれの場合も腫瘍径は、それらが最初に明白になった後40日間約0.5cmに止まった。
【0192】
前の実施例に記載した凍結−乾燥粗製エキスを4つの異なる濃度で試験して、DMBA癌誘導に対する高い感受性を有する実験単位を使用して、乳癌腫瘍増殖に対する影響を評価した。DMBA投与後10週間の間まで明白な腫瘍を示した実験用ウィスターラットを、この実験に使用した。3週間の間、1mlの蒸留水及び凍結−乾燥粗製エキスを35、18、9、4及び0mg/mlの濃度で、2日毎に胃内に投与した。
【0193】
図23bにおいて観察することができるように、3週間後に0.5cmに低下した1.3cm径の腫瘍を有するラットに4mg/mlを投与すると、腫瘍サイズの有意な低下があった。蒸留水のみを投与すると正反対の影響を観察した、何故なら腫瘍径が0.7〜1.5cm増大したからである。35mg/mlの用量を使用すると興味深い影響があった、何故なら腫瘍径は12日間の間1.4cmという値に抑えられたが、次いで2.2cmに増大したからである。35mg/mlを投与した他の実験単位は、この大幅な増大は示さなかった。最初の腫瘍径を考慮して、それぞれの治療の増殖率を比較することが重要である。図23cにおいて観察することができるように、凍結−乾燥粗製エキスで治療した実験単位と対照の間には重要な違いが存在する。さらに、35又は4mg/mlの投与には有意な違いは存在しない。4mg/mlを使用したときに観察した低下傾向とは反対に、20日後に35mg/mlを投与すると割合が増大する傾向がおそらく存在するが、誤差線は移動し、これを結論付けるためにより多くの実験単位が必要であることが示される。
【0194】
腫瘍のサイズ以外に、エキスを与えたラットの腫瘍と蒸留水のみを胃内に投与したラットの腫瘍の間には、有意な形態の違いが存在することを考慮することが重要である。図24は明らかに、エキスを投与したラット由来の腫瘍は、水のみを使用した対照ほど洗浄されなかったことを示し、これは観察した転移の低い発生率と関係がある可能性がある。実験単位の1つに2つの腫瘍が存在した場合でも、両者は同じ領域に存在したので、それらは最初の腫瘍の分裂のようであった。
【実施例14】
【0195】
黒豆エキスから植物性化学物質を分離する際のATPSの適用
ポリエチレングリコール(PEG)及びリン酸カリウム溶液を使用することによってATPS(水性2相系)を特徴付けた。系のパラメータには、PEG及びリン酸カリウム溶液の濃度、PEGの分子量(8,000〜20,000g/gmol)、2つの非混合相間の体積比、及び系に最初に加えた粗製エキスの量があった。
【0196】
ポリエチレングリコール(PEG)とリン酸カリウムの所定量のストック溶液を、異なる濃度(系全体中に5〜20%のサンプル)で黒豆外皮エキスの複合混合物と混合して、10gの最終重量を得た。ストック溶液(PEG又は塩)を混合し、25℃で30分間軽く混合することによって相を分離した。オルトリン酸又は水酸化ナトリウムを加えることによって、pH7への調整を行った。25℃における5〜20分間の1500gでの低速バッチ式遠心分離によって、完全な相分離を得た。上部相及び底部相及び固体相の体積の測定は、目盛り付き遠心分離チューブで行った。相の体積を使用して体積比(Vr)を推測した。サンプルを相(上部相、底部相及び界面)から注意深く抽出し、化学分析用に希釈した(図25の絵図を参照)。明確なATPSの上部相の組成物と底部相の組成物を結ぶ線の長さを表す、系の連絡線の長さ(TLL)は、Rito−Palomares(2004)によって記載されたのと同様に計算した。
【0197】
全ての系において、図22中に示した化合物などの低分子量を有する化合物が、底部の塩が豊富な相中に主に存在したことを観察した。他方で、上部のPEGが豊富な相中には全グリコシドフラボノール、アントシアニン、及びタンニンが濃縮していた。上部のPEGが豊富な相中に保たれる生成化合物は、異なる量の塩溶液を加えることによりさらに分離させて、新たなATPS抽出系を形成することができる。それぞれ底部相及び上部相由来の塩及びPEGは、好ましくは限外濾過及び/又は逆浸透、或いは沈殿法、透析、ダイアフィルトレーション、クロマトグラフィー法及び/又は超臨界COによって、植物性化学物質から除去することができる。
【0198】

【0199】
この方法は、伝統的な抽出技法と比較して使用する溶媒の量の減少をもたらし、抽出を室温で実施することができた点でも有用であった。さらにこの方法は、同じ攪拌タンクを使用してインシトゥーで実施することができた、何故なら相を分離させるために、短いデカンテーション時間のみが必要とされたからである。
【0200】
本発明の有利な実施形態をこのように詳細に記載してきたが、その多くの明らかな変更形態が本発明の精神又は範囲から逸脱せずに考えられるので、前述のパラグラフによって定義する本発明は、前の記載中に述べた特定の詳細事項に限られないことは理解されよう。
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【図面の簡単な説明】
【0201】
記載する特定の実施形態に本発明を制限する目的によってではなく、本発明を記載するために与える以下の詳細な説明は、参照により本明細書に組み込む添付の図面と共に理解することができる:
【図1】12の異なる型の黒豆:1=Mex332、2=NG−Coaxtla91、3=NG−8025、4=NG−SanLuis、5=NGAltiplano、6=NG−150、7=NG−Sahuatoba、8=NGTacana、9=NG−Viscaya、10=NegroOtomi、11=NG−Perla、12=NG−INIFAPのカテキン当量として表した、合計フェノール含量を示す図である。
【図2】HPLC−UVによって測定した、ダイズ(クロマトグラム2A)及びNG−Perla黒豆品種(クロマトグラム2B)のエキス由来の262nmで吸収されたフラボノイドの比較を示す図である。
【図3】262nmでHPLC−UVによって定量した、異なる品種の黒豆及びダイズのフラボノイドの型及び濃度を示す図である。
【図3a】ファセオロシドEの化学構造を示す図である。
【図4】酸加水分解処理なし(クロマトグラム4A)及び酸加水分解処理あり(クロマトグラム4B)のNG−Perla黒豆エキス「第2画分」の、HPLC−PDAクロマトグラム(262nm)及びそれらの対応するピークスペクトルを示す図である。
【図5】12の異なる黒豆品種:1=Mex332、2=NG−Coaxtla91、3=NG−8025、4=NG−SanLuis、5=NG−Altiplano、6=NG−150、7=NG−Sahuatoba、8=NGTacana、9=NG−Viscaya、10=NegroOtomi、11=NG−Perla、12=NG−INIFAPの「第2画分」中のアントシアニン類デルフィニジン、ペツニジン及びマルビジンの濃度を示す図である。
【図6a】黒豆から種外被又は外皮を得るための製粉手順を示す図である。
【図6b】黒豆から種外被又は外皮を得るために、初期乾燥ステップを用いる製粉手順を示す図である。
【図7】水、96%エタノール、80%メタノール及び70%アセトンから得た黒豆外皮エキス由来の全フェノールの比較を示す図である。
【図8】エーテルでさらに精製しメタノール及び酢酸エチルで分画化した黒豆品種NG−Perla及びMex332外皮の粗製エキス(アセトン)から、ORAC法によって得たTrolox当量(合計フェノールのμM/μM)を示す図である。
【図9】262nmにおいてHPLC−PDAによって得た1日発芽させた黒豆品種由来のフラボノイドのエキスのクロマトグラム、及び対応する主要なピークのスペクトルを示す図である。
【図10】豆から浸漬水へのフラボノイド消失に対する異なる豆:水の比の影響を示す図である。
【図11A−11B】1:3(図11A)及び1:6(図11B)の豆:水の重量比で事前に浸漬させたNG−Perla黒豆品種のフラボノイドの濃度に対する、発芽時間の影響を示す図である。
【図12】インビトロでの乳癌細胞(MCF−7)増殖に対する、ゲニスタイン濃度の影響を示す図である。
【図13】インビトロでの乳癌細胞(MCF−7)増殖に対する、ゲニスチンとゲニスタインの間の抑制効果の比較を示す図である。
【図14】インビトロで培養した乳癌細胞(MCF−7)増殖の抑制に対する、粗製エキスと発芽黒豆エキスとゲニスタインの間の比較を示す図である。
【図15】6個の黒豆エキス:V1=Mex332;V4=NG−SanLuis;V6=NG−150;V8=NG−Tacana;V11=NG−Perla及びV12=NG−INIFAPによって行われたインビトロでのHepGの細胞増殖の割合を示す図である。
【図16】誘導に耐性がなかった(DMBA投与後84日までに死んだ)ウィスターラットにおける、DMBAの投与後の平均低下時間(日数)を示す図である。
【図17】生存ウィスターラットにおけるDMBAによる癌誘導後84日での、腫瘍の平均数を示す図である。
【図18】試験した全てのウィスターラットに関する84日後の腫瘍数を示す図である。
【図19】異なる濃度及び型のフェノール及び他の植物性化学物質を得るための、分離スキームを示す図である。
【図20】図19の分離スキームから得た異なる画分の含量を示す図である。
【図21】図19のLE画分とTaxol(登録商標)の、MCF−7乳癌細胞のインビトロでの増殖に対する影響を比較する図である。
【図22】LE画分の未知の化合物と類似のUV−vis吸収を有する化合物の化学構造を示す図である。
【図23a】粗製黒豆外皮由来のエキスを投与したウィスターラットにおける腫瘍増殖率を示す図である。
【図23b】異なる濃度の凍結−乾燥80%メタノール黒豆エキスの、ウィスターラットにおける腫瘍増殖を示す図である。
【図23c】凍結−乾燥80%メタノール黒豆外皮エキスを投与したウィスターラットにおける、腫瘍径の変化を示す図である。
【図24】図23b中に示す治療から採取した腫瘍の大きさを比較する図である。
【図25】黒豆から植物性化学物質を分離するための水性2相系の例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒豆エキスを作製する方法であって、少なくとも1つの極性溶媒を用いて黒豆又は黒豆外皮を抽出することを含む方法。
【請求項2】
エキスがグリコシド型のデルフィニジン、ペツニジン及びマルビジンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
黒豆の遺伝子型がMex332、NG−Coaxtla91、NG−8025、NG−San Luis、NG Altiplano、NG−150、NG−Sahuatoba;NG Tacana、NG−Viscaya、Negro Otomi、NG Perla及びNG−INIF APから選択される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
(a)が麦芽、新芽又は発芽黒豆外皮である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの極性溶媒がC−C10ヘテロアリール、C−C−アルコール、C−C−アルデヒド、C−C−アミン、C−C−ケトン、C−Cエステル、C−C−エーテル、水及びこれらの混合物から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの極性溶媒がアセトン、エタノール、メタノール、水及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
クロマトグラフィー分離ステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
クロマトグラフィー分離ステップをさらに含み、第2画分より少ないフラバノール、フラボン及びイソフラボンを有する第1画分を得、前記第1分画はフェノール酸及び他の水溶性化合物を含み、並びに前記第2画分はフラバノイド及びアントシアニンを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの極性溶媒を用いる少なくとも1回の追加抽出をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1回の追加抽出が2回の追加抽出を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1回目の追加抽出をブタノールを用いて行い、第2回目の追加抽出をエタノール:酢酸エチルを用いて行う、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
黒豆から外皮を除去する方法であって、
(a)黒豆を調湿してそれらの含水率を約8重量%〜約24重量%に増大させるステップと、
(b)約6%〜約16%の黒豆重量を取り除くのに充分な時間、黒豆から外皮を除去するステップと、
(c)ステップ(b)からの外皮が除去された黒豆をふるい分けして、子葉から外皮を分離して、黒豆の外皮を得るステップと、
(d)場合によって、ステップ(c)からの分離した黒豆の外皮を乾燥させるステップとを含む方法。
【請求項13】
黒豆から外皮を除去する方法であって、
(a)約50℃〜約70℃の温度で約6〜約12時間黒豆を乾燥させるステップと、
(b)約6%〜約16%の黒豆重量を取り除くのに充分な時間、黒豆から外皮を除去するステップと、
(c)ステップ(b)からの外皮が除去された黒豆をふるい分けして、子葉から外皮を分離して、黒豆の外皮を得るステップとを含む方法。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載の黒豆エキス中に含まれる個々の化合物を単離する、又は黒豆を抽出する方法であって、
(a)黒豆エキスと水性2相系を混合する、又は、
(i)溶媒
(ii)ポリマー、及び
(iii)塩溶液
を含む水性2相系で黒豆を抽出して、混合物を形成するステップと、
(b)混合物を上側相と下側相に分離させるステップと、
(c)上側相をデカントして上側相溶液を得るステップと
(d)場合によっては、ステップ(a)〜(c)を繰り返し、(a)(i)の溶媒と異なる溶媒を使用することによって、又は限外濾過、逆浸透、沈殿法、透析、ダイアフィルトレーション、クロマトグラフィー若しくは超臨界流体抽出の少なくとも1つで化合物を単離することによって、上側相溶液から化合物を単離するステップとを含む方法。
【請求項15】
溶媒が水溶液であり、ポリマーがポリエチレングリコール及び/又はデキストランであり、塩溶液がリン酸カリウム溶液である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から11、14、及び15のいずれか一項に記載の方法から得られる単離黒豆エキス。
【請求項17】
(a)癌を治療、予防若しくは寛解する、又は
(b)コレステロールを低下させる、又は
(c)肝線維症を低下させる、又は
(d)閉経症状を減少させる、又は
(e)抗酸化効果を与える
のに薬剤として有効量の請求項16に記載の黒豆エキス、並びに薬剤として許容可能な担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項18】
請求項16に記載の黒豆エキスを含む、抗酸化効果を与える食料製品。
【請求項19】
請求項16に記載の黒豆エキス、及び場合によっては他の着色剤を含む、毛髪着色剤、食品着色剤又は色素製品。
【請求項20】
癌を治療、予防又は寛解するための方法であって、治療有効量の請求項17に記載の医薬組成物を、それを必要とするか又はそれを望む患者に投与することを含む方法。
【請求項21】
癌が乳癌である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
乳癌抑制率が同一濃度のパクリタキセルより高く、又はパクリタキセルと比較して低濃度で同じ乳癌抑制率を示す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
癌が肝臓癌である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
癌が結腸癌である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
それを必要とするか又はそれを望む患者でコレステロールを低下させる方法であって、治療有効量の請求項17に記載の医薬組成物の方法。
【請求項26】
それを必要とするか又はそれを望む患者で肝線維症を低下させる方法であって、治療有効量の請求項17に記載の医薬組成物の方法。
【請求項27】
それを必要とするか又はそれを望む患者で閉経症状を減少させる方法であって、治療有効量の請求項17に記載の医薬組成物の方法。
【請求項28】
それを必要とするか又はそれを望む患者で抗酸化効果を与える方法であって、治療有効量の請求項17に記載の医薬組成物の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A−11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23a】
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【図23b】
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【図23c】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2007−536375(P2007−536375A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512602(P2007−512602)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002396
【国際公開番号】WO2005/107780
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506368671)インスティトゥート テクノロジコ イ デ エストゥディオス スペリオレス デ モンテレー (アイティーイーエスエム) (1)
【Fターム(参考)】