説明

(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−チオフェン−3−イル]−メタノン化合物及びそれらの使用

本発明は、一般に、治療用化合物の分野に関する。より具体的には、本発明は、中でも11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)を阻害する、特定の(4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]-メタノン化合物に関する。本発明はまた、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型を阻害し、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害によって緩和される障害を治療し、2型糖尿病及び肥満などの障害、並びにインスリン抵抗性、高血圧、脂質障害及び虚血性(冠動脈)心疾患などの心血管障害を含む関連障害などの障害を含むメタボリック症候群を治療し、アルツハイマー病を含む軽度認知障害及び初期認知症などのCNS障害を治療するための、かかる化合物を含む医薬組成物、並びにかかる化合物及び組成物のインビトロ及びインビボの両方における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年9月16日出願の米国仮特許出願第61/242,825号に関し、その内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、治療化合物の分野に関する。より具体的には、本発明は、中でも11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)を阻害する、特定の(4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]-メタノン化合物に関する。本発明はまた、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型を阻害し、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害によって緩和される障害を治療し、2型糖尿病及び肥満などの障害、並びにインスリン抵抗性、高血圧、脂質障害及び虚血性(冠動脈)心疾患などの心血管障害を含む関連障害などの障害を含むメタボリック症候群を治療し、アルツハイマー病を含む軽度認知障害及び初期認知症などのCNS障害を治療する等のための、かかる化合物を含む医薬組成物、並びにかかる化合物及び組成物のインビトロ及びインビボの両方における使用に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明及び本発明が関係する分野の状況をより完全に記載及び開示するために、本明細書ではいくつかの刊行物を引用する。これらの参考文献のそれぞれは、それぞれの個々の参考文献があたかも参照により組み込まれることを具体的かつ個別に企図される程度に、本明細書において参照によってその全体が本開示に組み込まれる。
【0004】
以下の特許請求の範囲を含み本明細書を通して、文脈によって別段必要とされない限り、「(複数が)含む」という用語並びに「(単数が)含む」及び「含んでいる」などの変形は、示した整数若しくはステップ又は複数の整数若しくはステップの群を含むことを意味するが、任意の他の整数若しくはステップ又は複数の整数若しくはステップの群を排除するものではないことを理解されよう。
【0005】
単数形「a」、「an」及び「the」は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈によって別段明らかに示されない限り、複数についての言及を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば「一つの医薬担体」についての言及には、二つ以上のかかる担体の混合物等が含まれる。
【0006】
範囲は、本明細書では「約」が付いたある特定の値から、及び/又は「約」が付いた別の特定の値として表されることが多い。かかる範囲が表される場合、別の実施形態は、ある特定の値から、及び/又はその他の特定の値を含む。同様に、各値が「約」という先行詞の使用によって近似として表される場合、その特定の値が別の実施形態を形成することを理解されよう。
【0007】
本開示は、本発明の理解に有用となり得る情報を含む。これは、本明細書において提供される情報のいずれかが従来技術である、又は近年特許請求された発明に関するということ、或いは具体的又は暗黙的に言及する任意の刊行物が従来技術であるということを認めるものではない。
【0008】
グルココルチコイド(ヒトのコルチゾール、げっ歯類のコルチコステロン)は、ストレス及び代謝シグナル伝達に関与する様々な経路を制御するホルモンである。グルココルチコイドは、インスリン作用の拮抗薬であり、インスリン依存性のグルコースの取込みに障害を与え、脂肪分解を増大し、肝臓の糖新生を強化する。これらの効果は、グルココルチコイドの高い循環レベルによって引き起こされるクッシング症候群において明らかである。クッシング症候群の特徴は多様であり、身体のグルココルチコイド受容体の組織分布を反映する。クッシング症候群の特徴には、一群の代謝異常(中心性/内臓肥満、インスリン抵抗性、高血糖症、脂質異常症)及び心血管異常(高血圧)が含まれ、これらはクッシング症候群でない患者に観測される場合、メタボリック症候群を構成する。これらの異常は、心血管疾患の実質的な危険性を付与する。さらにクッシング症候群は、うつ病及び認知機能障害を含む精神神経系の徴候に関連する。クッシング症候群の特徴は、グルココルチコイド過剰の原因を除去すると元に戻る。
【0009】
グルココルチコイド活性は、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼによる活性なコルチゾールと不活性なコルチゾンの細胞内変換によって、組織レベルで調節されることが認識されている(例えば、Secklら2001年参照)。これらの酵素は、二つの異なるイソ型で存在する。コルチゾンを活性化する反応を触媒する11β-HSD1は、肝臓、脂肪組織、脳、骨格筋、血管平滑筋及び他の器官において発現し、コルチゾールを不活化する11β-HSD2は、主に腎臓において発現する。カルベノキソロンによるラット及びヒトにおける11β-HSD1の薬理学的阻害(例えば、Walkerら1995年参照)、並びにマウスにおける遺伝子導入性ノックアウト(例えば、Kotelevtsevら1997年参照)は、肝臓のインスリン感受性を強化し、糖新生及びグリコーゲン分解を低減するが、このことは、11β-HSD1の阻害が2型糖尿病及び他のインスリン抵抗性症候群における有用な治療となることを示唆している。さらに、11β-HSD1欠損マウスは、トリグリセリドレベルが低く、HDLコレステロールレベルが高く、アポリポタンパク質A-Iレベルが高く(例えば、Mortonら2001年参照)、このことは、11β-HSD1の阻害剤が、アテローム性動脈硬化症の治療において有用となり得ることを示唆している。
【0010】
11β-HSD1とメタボリック症候群との間の関連は、遺伝子導入マウス及びヒトにおける研究によって強化されてきた。二つの異なる遺伝的背景の11β-HSD1ノックアウトマウスは、食事性肥満から保護され(例えば、Mortonら2004年参照)、2型糖尿病を伴う患者へのカルベノキソロンの投与は、インスリン感受性を強化する(例えば、Andrewsら2003年参照)。しかし、11β-HSD1が代謝性疾患に対して最大の影響を及ぼす非常に重要な組織は、肝臓ではなく脂肪組織であることが明らかになってきた。脂肪組織において11β-HSD1の遺伝子導入による過剰発現を伴うマウス(例えば、Masuzakiら2001年参照)は、肝臓において過剰発現を伴うマウスよりも深刻なメタボリック症候群及び肥満を有する(例えば、Patersonら2004年参照)。肥満のヒトでは、11β-HSD1活性は脂肪組織において高いが、酵素活性は肝臓において低い(例えば、Raskら2001年参照)。
【0011】
CNSでは、11β-HSD1は、海馬、前頭皮質及び小脳などの認知にとって重要な領域に高度に発現する(例えば、Moisanら1990年参照)。コルチゾールの増大は、認知機能障害に関連し、グルココルチコイドは様々な神経毒性作用を有する。11β-HSD1ノックアウトマウスは、加齢性認知機能障害から保護され(例えば、Yauら2001年参照)、11β-HSD阻害剤であるカルベノキソロンの投与は、言語記憶に選択的機能障害を有する高齢者及び2型糖尿病のヒトにおける認知機能を強化することが示されている(例えば、Sandeepら2004年参照)。したがって11β-HSD1阻害剤は、認知機能障害を特徴とするアルツハイマー病などの疾患の治療において潜在的な治療有用性がある。
【0012】
11β-HSDのアイソザイムは、血管壁にも発現する(例えば、Walkerら1991年、Christyら2003年参照)。11β-HSD1は、血管平滑筋に発現するが、11β-HSD2は内皮細胞に発現し、そこで内皮依存性の血管拡張作用をモジュレートする(例えば、Hadokeら2001年参照)。11β-HSD1ノックアウトマウスは、正常な血管機能を有するが、炎症又は虚血に応答して血管新生の強化を示す(例えば、Smallら2005年参照)。このことは、11β-HSD1の阻害が虚血性組織の血行再建を強化することができることから、心筋梗塞の治療に治療潜在性を付与する。
【0013】
11β-HSD1は、ヒトの眼内圧に影響を及ぼすことが研究によって示されている(例えば、Rauzら2001年参照)。11β-HSD1の阻害は、緑内障の治療において眼内圧を下げるのに有用となり得る。
【0014】
グルココルチコイドは、骨の形成及び骨格の発達の制御に関与している。カルベノキソロンによる健康なボランティアの処置では骨再吸収マーカーが減少したが、このことは、11β-HSD1が骨再吸収にある役割を担うことを示唆している(例えば、Cooperら2000年参照)。11β-HSD1阻害剤は、骨粗鬆症の治療における保護剤として使用され得る。
【0015】
11β-HSD1の阻害に応答する障害(例えば、疾患)の治療、調節及び/又は予防に有用な、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)を阻害する特定の化合物は、2009年3月13日出願の国際(PCT)特許出願PCT/GB2009/000686(2009年9月17日にWO2009/112845A1として公開)に記載されている。
【0016】
11β-HSD1を阻害し、代謝性疾患、特に2型糖尿病、肥満及び脂質異常症などの疾患の治療及び予防に有用であるとされている次式の特定の化合物は、WO2010/023161A1(2010年3月4日公開)に記載されている。
【化1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明者らは、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)を阻害し、さらに改善された薬物動態及び/又はミクロソーム安定性の特性を有し、11β-HSD1の阻害に応答する障害(例えば、疾患)の治療、調節及び/又は予防に有用な、特に好ましい種類の化合物を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様は、本明細書に記載の特定の(4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]-メタノン化合物(本明細書ではPPPT化合物と呼ぶ)に関する。
【0019】
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPPPT化合物及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む組成物(例えば医薬組成物)に関する。
【0020】
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPPPT化合物を薬学的に許容される担体又は賦形剤と混合するステップを含む、組成物(例えば医薬組成物)の調製方法に関する。
【0021】
本発明の別の態様は、細胞を、有効量の本明細書に記載のPPPT化合物と接触させるステップを含む、(例えば、細胞における)11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)の機能をインビトロ又はインビボで阻害する方法に関する。
【0022】
本発明の別の態様は、治療を必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載のPPPT化合物を、好ましくは医薬組成物の形態で投与するステップを含む治療方法に関する。
【0023】
本発明の別の態様は、療法によってヒト又は動物の身体を治療する方法で使用するための、本明細書に記載のPPPT化合物に関する。
【0024】
本発明の別の態様は、治療に使用するための医薬品の製造における、本明細書に記載のPPPT化合物の使用に関する。
【0025】
一実施形態では、治療は、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)の阻害によって緩和される障害の治療又は予防である。
【0026】
一実施形態では、治療は、2型糖尿病及び肥満などの状態、並びにインスリン抵抗性、高血圧、脂質障害、及び虚血性(冠動脈)心疾患などの心血管障害を含む関連障害を含むメタボリック症候群の治療又は予防である。
【0027】
一実施形態では、治療は、アルツハイマー病を含む軽度認知障害及び初期認知症などのCNS障害(例えば、CNS疾患)の治療又は予防である。
【0028】
本発明の別の態様は、(a)好ましくは医薬組成物として、適切な容器に入れて、及び/又は適切に包装して提供される本明細書に記載のPPPT化合物と、(b)使用のための指示、例えば化合物の投与方法に関する書面による指示とを含むキットに関する。
【0029】
本発明の別の態様は、本明細書に記載の合成方法、又は本明細書に記載の合成方法を含む方法によって得ることができるPPPT化合物に関する。
【0030】
本発明の別の態様は、本明細書に記載の合成方法、又は本明細書に記載の合成方法を含む方法によって得られるPPPT化合物に関する。
【0031】
本発明の別の態様は、本明細書に合成方法における使用に適した、本明細書に記載の新規な中間体に関する。
【0032】
本発明の別の態様は、本明細書に記載の合成方法における、本明細書に記載のかかる新規な中間体の使用に関する。
【0033】
当業者には明らかとなるように、本発明の一態様の特徴及び好ましい実施形態も、本発明の他の態様に関する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
化合物
本発明の一態様は、特定の(4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]-メタノン化合物(便宜上、本明細書ではまとめて「PPPT化合物」と呼ぶ)に関し、これらは以下の化合物と関係している。
【化2】

【0035】
本発明のいくつかの実施形態は、以下を含む。
【0036】
(1)次式の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物から選択される化合物
【化3】

【0037】
[式中、
-Wは、独立に、-H又は-Yであり、
-Yは、独立に、-Y1、-Y2、-Y3、-Y4又は-Y5であり、
-Y1は、独立に、-OHであり、
-Y2は、独立に、-Y2A、-Y2B又は-Y2Cであり、
-Y3は、独立に、-Y3A、-Y3B又は-Y3Cであり、
-Y4は、独立に、-F、-Cl、-Br又は-Iであり、
-Y5は、独立に、-CNであり、
-Y2Aは、独立に、-ORYAであり、
-Y2Bは、独立に、-ORYBであり、
-Y2Cは、独立に、-ORYCであり、
-Y3Aは、独立に、-RYAであり、
-Y3Bは、独立に、-RYBであり、
-Y3Cは、独立に、-RYCであり、
各-RYAは、独立に、飽和脂肪族C1〜6アルキルであり、
各-RYBは、独立に、飽和脂肪族ハロ-C1〜6アルキルであり、
各-RYCは、独立に、飽和脂肪族ヒドロキシ-C1〜6アルキルであり、
-J1、-J2、-J3及び-J4のそれぞれは、-Hであり、
又は-J2及び-J4のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J3は、一緒になって、-CH2-若しくは-CH2CH2-を形成し、
又は-J1及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J2及び-J4は、一緒になって、-CH2-若しくは-CH2CH2-を形成し、
又は-J2及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J4は、一緒になって、-CH2-若しくは-CH2CH2-を形成し、
-RNは、独立に、-H又は-RNNであり、
-RNNは、独立に、飽和脂肪族C1-6アルキルであり、
-RB1は、独立に、-H又は-RBBであり、
-RB2は、独立に、-H又は-RBBであり、
各-RBBは、独立に、-RBB1、-RBB2又は-RBB3であり、
各-RBB1は、独立に、飽和脂肪族C1〜6アルキルであり、-F、-OH、-ORBBB、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-NH2、-NHRBBB及び-NRBBB2から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、各-RBBBは、独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、
各-RBB2は、独立に、-F、-Cl、-Br又は-Iであり、
各-RBB3は、独立に、-CNであり、
nは、独立に、0、1、2、3、4又は5であり、
各-RFは、独立に、-RZ、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-OH、-ORZ、-OCF3、-SRZ、-S(=O)2RZ又は-CNであり、
各-RZは、独立に、飽和脂肪族C1〜6アルキルであり、-F、-Cl、-OH、-ORZZ、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、各-RZZは、独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、
但し、該化合物は(4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]-メタノン、又は薬学的に許容されるその塩、水和物若しくは溶媒和物ではない]。
【0038】
誤解を回避するために、ピラゾール環(上式の最も左に示す)が任意の他の環に縮合することは企図されない。例えば、-RN及び-RB2が、それらが結合している原子と一緒になって環を形成することは企図されない。
【0039】
但し書き
便宜上、但し書きの対象となる(4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]-メタノンである該化合物を、以下に示す。これは、WO2009/112845A1の59頁に化合物EE-60として現れる。
【表1】

【0040】
基-W
(2)(1)の化合物[式中、-Wは、独立に、-Yである]。
【0041】
(3)(1)の化合物[式中、-Wは、独立に、-Hである]。
【0042】
基−Y
(4)(1)から(3)のいずれか一つの化合物[式中、-Yは、存在する場合には独立に、-Y1、-Y2、-Y3又は-Y4である]。
【0043】
(5)(1)から(3)のいずれか一つの化合物[式中、-Yは、存在する場合には独立に、-Y1、-Y2又は-Y3である]。
【0044】
(6)(1)から(3)のいずれか一つの化合物[式中、-Yは、存在する場合には独立に、-Y1又は-Y2である]。
【0045】
(7)(1)から(3)のいずれか一つの化合物[式中、-Yは、存在する場合には独立に、-Y1である]。
【0046】
(8)(1)から(3)のいずれか一つの化合物[式中、-Yは、存在する場合には独立に、-Y2である]。
【0047】
(9)(1)から(3)のいずれか一つの化合物[式中、-Yは、存在する場合には独立に、-Y3である]。
【0048】
(10)(1)から(3)のいずれか一つの化合物[式中、-Yは、存在する場合には独立に、-Y4である]。
【0049】
(11)(1)から(3)のいずれか一つの化合物[式中、-Yは、存在する場合には独立に、-Y5である]。
【0050】
基-Y2
(12)(1)から(11)のいずれか一つの化合物[式中、-Y2は、存在する場合には独立に、-Y2A又は-Y2Bである]。
【0051】
(13)(1)から(11)のいずれか一つの化合物[式中、-Y2は、存在する場合には独立に、-Y2Aである]。
【0052】
(14)(1)から(11)のいずれか一つの化合物[式中、-Y2は、存在する場合には独立に、-Y2Bである]。
【0053】
(15)(1)から(11)のいずれか一つの化合物[式中、-Y2は、存在する場合には独立に、-Y2Cである]。
【0054】
基-Y3
(16)(1)から(15)のいずれか一つの化合物[式中、-Y3は、存在する場合には独立に、-Y3A又は-Y3Bである]。
【0055】
(17)(1)から(15)のいずれか一つの化合物[式中、-Y3は、存在する場合には独立に、-Y3Aである]。
【0056】
(18)(1)から(15)のいずれか一つの化合物[式中、-Y3は、存在する場合には独立に、-Y3Bである]。
【0057】
(19)(1)から(15)のいずれか一つの化合物[式中、-Y3は、存在する場合には独立に、-Y3Cである]。
【0058】
基-Y4
(20)(1)から(19)のいずれか一つの化合物[式中、-Y4は、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-Brである]。
【0059】
(21)(1)から(19)のいずれか一つの化合物[式中、-Y4は、存在する場合には独立に、-F又は-Clである]。
【0060】
(22)(1)から(19)のいずれか一つの化合物[式中、-Y4は、存在する場合には独立に、-Fである]。
【0061】
(23)(1)から(19)のいずれか一つの化合物[式中、-Y4は、存在する場合には独立に、-Clである]。
【0062】
(24)(1)から(19)のいずれか一つの化合物[式中、-Y4は、存在する場合には独立に、-Brである]。
【0063】
(25)(1)から(19)のいずれか一つの化合物[式中、-Y4は、存在する場合には独立に、-lである]。
【0064】
基-RYA
(26)(1)から(25)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYAは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルである]。
【0065】
(27)(1)から(25)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYAは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである]。
【0066】
(28)(1)から(25)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYAは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr又は-iPrである]。
【0067】
(29)(1)から(25)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYAは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである]。
【0068】
(30)(1)から(25)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYAは、存在する場合には独立に、-Meである]。
【0069】
基-RYB
(31)(1)から(30)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYBは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族ハロC1〜4アルキルである]。
【0070】
(32)(1)から(30)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYBは、存在する場合には独立に、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CH2CF3、-CH2CHF2、-CH2CH2F又は-CF2CF3である]。
【0071】
(33)(1)から(30)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYBは、存在する場合には独立に、-CF3、-CHF2、-CH2F又は-CH2CF3である]。
【0072】
(34)(1)から(30)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYBは、存在する場合には独立に、-CF3又は-CHF2である]。
【0073】
(35)(1)から(30)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYBは、存在する場合には独立に、-CF3である]。
【0074】
基-RYC
(36)(1)から(35)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYCは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族ヒドロキシC1〜4アルキルである]。
【0075】
(37)(1)から(35)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYCは、存在する場合には独立に、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CH2CH2OH、-CH(CH3)2OH又は-CH2CH2CH2CH2OHである]。
【0076】
(38)(1)から(35)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYCは、存在する場合には独立に、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CH2CH2OH又は-CH2CH2CH2CH2OHである]。
【0077】
(39)(1)から(35)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYCは、存在する場合には独立に、-CH2OH、-CH2CH2OH又は-CH2CH2CH2OHである]。
【0078】
(40)(1)から(35)のいずれか一つの化合物[式中、各-RYCは、存在する場合には独立に、-CH2OHである]。
【0079】
基-J-
(41)(1)〜(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J1、-J2、-J3及び-J4のそれぞれは、-Hである]。
【化4】

【0080】
(42)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J2及び-J4のそれぞれは、-Hであり、J1及び-J3は一緒になって、-CH2-又は-CH2CH2-を形成する]。
【化5】

【0081】
(43)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J2及び-J4のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J3は一緒になって、-CH2-を形成する]。
【0082】
(44)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J2及び-J4のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J3は一緒になって、-CH2CH2-を形成する]。
【0083】
(45)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J1及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J2及び-J4は一緒になって、-CH2-又は-CH2CH2-を形成する]。
【化6】

【0084】
(46)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J1及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J2及び-J4は一緒になって、-CH2-を形成する]。
【0085】
(47)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J1及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J2及び-J4は一緒になって、-CH2CH2-を形成する]。
【0086】
(48)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J2及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J4は一緒になって、-CH2-又は-CH2CH2-を形成する]。
【化7】

【0087】
(49)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J2及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J4は一緒になって、-CH2-を形成する]。
【0088】
(50)(1)から(40)のいずれか一つの化合物[式中、-J2及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J4は一緒になって、-CH2CH2-を形成する]。
【0089】
基-RN
(51)(1)から(50)のいずれか一つの化合物[式中、-RNは、独立に、-Hである]。
【0090】
(52)(1)から(50)のいずれか一つの化合物[式中、-RNは、独立に、-RNNである]。
【0091】
基-RNN
(53)(1)から(52)のいずれか一つの化合物[式中、-RNNは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルである]。
【0092】
(54)(1)から(52)のいずれか一つの化合物[式中、-RNNは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである]。
【0093】
(55)(1)から(52)のいずれか一つの化合物[式中、-RNNは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである]。
【0094】
基-RB1及び-RB2
(56)(1)から(55)のいずれか一つの化合物[式中、
-RB1は、独立に、-H又は-RBBであり;
-RB2は、独立に、-Hである]。
【0095】
(57)(1)から(55)のいずれか一つの化合物[式中、
-RB1は、独立に、-Hであり;
-RB2は、独立に、-H又は-RBBである]。
【0096】
(58)(1)から(55)のいずれか一つの化合物[式中、
-RB1は、独立に、-Hであり;
-RB2は、独立に、-Hである]。
【0097】
(59)(1)から(55)のいずれか一つの化合物[式中、
-RB1は、独立に、-RBBであり;
-RB2は、独立に、-RBBである]。
【0098】
基-RBB
(60)(1)から(59)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBBは、存在する場合には独立に、-RBB1又は-RBB2である]。
【0099】
(61)(1)から(59)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBBは、存在する場合には独立に、-RBB1又は-RBB3である]。
【0100】
(62)(1)から(59)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBBは、存在する場合には独立に、-RBB2又は-RBB3である]。
【0101】
(63)(1)から(59)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBBは、存在する場合には独立に、-RBB1である]。
【0102】
(64)(1)から(59)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBBは、存在する場合には独立に、-RBB2である]。
【0103】
(65)(1)から(59)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBBは、存在する場合には独立に、-RBB3である]。
【0104】
基-RBB1
(66)(1)から(65)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB1は、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-OH、-ORBBB、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-NH2、-NHRBBB及び-NRBBB2から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい]。
【0105】
(67)(1)から(65)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB1は、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-OH、-ORBBB、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい]。
【0106】
(68)(1)から(65)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB1は、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-OH及び-ORBBBから選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい]。
【0107】
(69)(1)から(65)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB1は、存在する場合には独立に、非置換飽和脂肪族C1〜4アルキルである]。
【0108】
(70)(1)から(65)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB1は、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである]。
【0109】
(71)(1)から(65)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB1は、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである]。
【0110】
(72)(1)から(65)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB1は、存在する場合には独立に、-Meである]。
【0111】
基-RBB2
(73)(1)から(72)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB2は、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-Brである]。
【0112】
(74)(1)から(72)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB2は、存在する場合には独立に、-F又は-Clである]。
【0113】
(75)(1)から(72)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB2は、存在する場合には独立に、-Fである]。
【0114】
(76)(1)から(72)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBB2は、存在する場合には独立に、-Clである]。
【0115】
基-RBBB
(77)(1)から(76)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBBBは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである]。
【0116】
(78)(1)から(76)のいずれか一つの化合物[式中、各-RBBBは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである]。
【0117】
添え字n
(79)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、0、1、2又は3である]。
【0118】
(80)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、0、1又は2である]。
【0119】
(81)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、0又は1である]。
【0120】
(82)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、0である]。
【0121】
(83)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、1、2又は3である]。
【0122】
(84)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、1又は2である]。
【0123】
(85)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、1である]。
【0124】
(86)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、2である]。
【0125】
(87)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、3である]。
【0126】
(88)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、4である]。
【0127】
(89)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、nは、独立に、5である]。
【0128】
基-RF
(90)(1)から(89)のいずれか一つの化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-RZ、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-OH、-ORZ、-OCF3、-SRZ、-S(=O)2RZ又は-CNである]。
【0129】
(91)(1)から(89)のいずれか一つの化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl、-Me、-Et、-OH、-OMe、-OEt、-CF3、-OCF3又は-CNである]。
【0130】
(92)(1)から(89)のいずれか一つの化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl、-CF3、-OMe又は-CNである]。
【0131】
(93)(1)から(89)のいずれか一つの化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-CF3である]。
【0132】
基-RZ
(94)(1)から(93)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-Cl、-OH、-ORZZ、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい]。
【0133】
(95)(1)から(93)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-Cl、-OH及び-ORZZから選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい]。
【0134】
(96)(1)から(93)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、非置換飽和脂肪族C1〜4アルキルである]。
【0135】
(97)(1)から(93)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである]。
【0136】
(98)(1)から(93)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである]。
【0137】
基-RZZ
(99)(1)から(90)、(94)及び(95)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZZは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである]。
【0138】
(100)(1)から(90)、(94)及び(95)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZZは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである]。
【0139】
いくつかの好ましい置換フェニル基
(101)(1)から(78)のいずれか一つの化合物[式中、基:
【化8】

【0140】
が、
【化9】

【0141】
であり、
各-RFが、独立に、-RZ、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-OH、-ORZ、-OCF3、-SRZ、-S(=O)2RZ又は-CNであり、
各-RZが、独立に、飽和脂肪族C1〜6アルキルであり、-F、-Cl、-OH、-ORZZ、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、各-RZZが、独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルである]。
【0142】
(102)(101)の化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-RZ、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-OH、-ORZ、-OCF3又は-CNである]。
【0143】
(103)(101)の化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl、-Me、-Et、-OH、-OMe、-OEt、-CF3、-OCF3又は-CNである]。
【0144】
(104)(101)の化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl、-CF3、-OMe、又は-CNである]。
【0145】
(105)(101)の化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-CF3である]。
【0146】
(106)(101)の化合物[式中、各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-Meである]。
【0147】
(107)(101)又は(102)の化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-Cl、-OH、-ORZZ、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい]。
【0148】
(108)(101)又は(102)の化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-OH及び-ORZZから選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい]。
【0149】
(109)(101)又は(102)の化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、非置換飽和脂肪族C1〜4アルキルである]。
【0150】
(110)(101)又は(102)の化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである]。
【0151】
(111)(101)又は(102)の化合物[式中、各-RZは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである]。
【0152】
(112)(101)、(102)、(107)及び(108)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZZは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである]。
【0153】
(113)(101)、(102)、(107)及び(108)のいずれか一つの化合物[式中、各-RZZは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである]。
【0154】
分子量
(114)分子量337〜1200を有する、(1)〜(113)のいずれか一つの化合物。
【0155】
(115)範囲の下限が350、360、375、400又は425である、(114)の化合物。
【0156】
(116)範囲の上限が1100、1000、900、800、700、600、500又は450である、(114)又は(115)の化合物。
【0157】
(117)分子量350〜450を有する、(1)〜(113)のいずれか一つの化合物。
【0158】
いくつかの具体的な実施形態の例
(118)次式の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物から選択される(1)の化合物。
【表2】





【0159】
(119)次式の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物から選択される(1)の化合物。
【表3】


【0160】
組合せ
明確にするために別個の実施形態の状況において記載する本発明の特定の特徴は、それらを組み合わせて単一の実施形態として提供できることも理解されたい。それとは逆に、簡潔にするために単一の実施形態の状況において記載する本発明の様々な特徴は、別個に、又は任意の適切な下位の組合せで提供することもできる。変数(例えば、-W、-Y、-Y1、-Y2、-Y3、-Y4、-Y5、-Y2A、-Y2B、-Y2C、-Y3A、-Y3B、-Y3C、-RYA、-RYB、-RYC、-J1、-J2、-J3、-J4、-RN、-RNN、-RB1、-RB2、-RBB、-RBB1、-RBB2、-RBB3、n、-RF、-RZ、-RZZ等)によって提示した化学基に関する実施形態のあらゆる組合せは、あたかもありとあらゆる組合せが、安定な化合物(即ち、単離され、特徴付けられ、生物学的活性について試験され得る化合物)である化合物を包含する程度に個々に明確に開示されるように、本発明によって具体的に包含され、本明細書に開示される。さらに、かかる変数を説明する実施形態において列挙した化学基のあらゆる下位の組合せも、あたかも化学基のありとあらゆるかかる下位の組合せが本明細書に個々に明確に開示されるように、本発明によって具体的に包含され、本明細書に開示される。
【0161】
実質的に精製された形態
本発明の一態様は、実質的に精製された形態及び/又は汚染物質を実質的に含まない形態の、本明細書に記載のPPPT化合物に関する。
【0162】
一実施形態では、実質的に精製された形態は、最小50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも97重量%、例えば少なくとも98重量%、例えば少なくとも99重量%である。
【0163】
別段の指定がない限り、実質的に精製された形態は、任意の立体異性体又は鏡像異性体としての化合物を指す。例えば一実施形態では、実質的に精製された形態は、立体異性体の混合物、即ち他の化合物について精製されたものを指す。一実施形態では、実質的に精製された形態は、一つの立体異性体、例えば光学的に純粋な立体異性体を指す。一実施形態では、実質的に精製された形態は、鏡像異性体の混合物を指す。一実施形態では、実質的に精製された形態は、鏡像異性体の等モル混合物(即ち、ラセミ混合物(racemic mixture)、ラセミ混合物(racemate))を指す。一実施形態では、実質的に精製された形態は、一つの鏡像異性体、例えば光学的に純粋な鏡像異性体を指す。
【0164】
一実施形態では、汚染物質は、50重量%以下、例えば40重量%以下、例えば30重量%以下、例えば20重量%以下、例えば10重量%以下、例えば5重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下である。
【0165】
別段の指定がない限り、汚染物質は、立体異性体又は鏡像異性体以外の他の化合物を指す。一実施形態では、汚染物質は、他の化合物及びその他の立体異性体を指す。一実施形態では、汚染物質は、他の化合物及びその他の鏡像異性体を指す。
【0166】
一実施形態では、実質的に精製された形態は、少なくとも60%光学的に純粋であり(即ち、モル基準で化合物の60%が所望の立体異性体又は鏡像異性体であり、40%が望ましくない鏡像異性体である)、例えば少なくとも70%光学的に純粋であり、例えば少なくとも80%光学的に純粋であり、例えば少なくとも90%光学的に純粋であり、例えば少なくとも95%光学的に純粋であり、例えば少なくとも97%光学的に純粋であり、例えば少なくとも98%光学的に純粋であり、例えば少なくとも99%光学的に純粋である。
【0167】
異性体
特定の化合物は、それに限定されるものではないが、シス及びトランス型;E及びZ型;c、t及びr型;エンド及びエキソ型;R、S及びメソ型;D及びL型;d及びl型;(+)及び(-)型;ケト、エノール及びエノラート型;シン及びアンチ型;シンクリナル及びアンチクリナル型;α及びβ型;アキシャル及びエカトリアル型;ボート、チェア、ねじれ、包接及び半チェア型;並びにそれらの組合せを含む、一つ又は複数の特定の幾何、光学、鏡像、ジアステレオマー(diasteriomeric)、エピマー、アトロプ、立体異性、互変異性、立体配座又はアノマー型で存在することができ、以下総称して「異性体(isomer)」(又は「異性体(isomeric form)」)と呼ぶ。
【0168】
互変異性体について以下に論じる場合を除いて、構造(structural)(又は構成(constitutional))異性体(即ち、空間における原子の位置だけでなく、原子間の連結において異なる異性体)は、特に、本明細書で使用される場合、「異性体」という用語から除外されることに留意されたい。例えば、メトキシ基-OCH3についての言及は、その構造異性体であるヒドロキシメチル基-CH2OHについての言及と解釈すべきではない。同様に、オルト-クロロフェニルについての言及は、その構造異性体であるメタ-クロロフェニルについての言及と解釈すべきではない。しかし、ある種類の構造についての言及は、その種類に該当する構造異性体を含むこともできる(例えば、C1〜7アルキルは、n-プロピル及びイソ-プロピルを含み、ブチルは、n-、イソ-、sec-及びtert-ブチルを含み、メトキシフェニルは、オルト-、メタ-及びパラ-メトキシフェニルを含む)。
【0169】
先の除外は、例えば、以下の互変異性体の対、ケト/エノール(以下に示す)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エネチオール、N-ニトロソ/ヒドロキシアゾ並びにニトロ/アシ-ニトロに見られるような互変異性体、例えばケト、エノール及びエノラート型に関するものではない。
【化10】

【0170】
一つ又は複数の同位体置換を有する化合物は、特に「異性体」という用語に含まれることに留意されたい。例えば、Hは、1H、2H(D)及び3H(T)を含む任意の同位体であってよく、Cは、12C、13C及び14Cを含む任意の同位体であってよく、Oは、16O及び18Oを含む任意の同位体であってよい等に留意されたい。
【0171】
別段の指定がない限り、特定の化合物についての言及は、その混合物(例えばラセミ混合物)を含むすべてのかかる異性体を含む。かかる異性体の調製方法(例えば不斉合成)及び分離方法(例えば、分別結晶及びクロマトグラフィー手段)は、当技術分野で公知であり、又は本明細書に教示の方法若しくは公知の方法を、公知の方式で適用することによって容易に得ることができる。
【0172】

化合物の対応する塩、例えば薬学的に許容される塩を、調製、精製及び/又は処理することが好都合であり、又は望ましいことがある。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、1977年、「Pharmaceutically Acceptable Salts」、J. Pharm. Sci.、第66巻、1〜19頁に論じられている。
【0173】
例えば、化合物がアニオン性である場合、又はアニオン性であり得る官能基を有する場合(例えば、-COOHは-COO-であり得る)、適切なカチオンと共に塩を形成することができる。適切な無機カチオンの例には、それに限定されるものではないが、Na+及びK+などのアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+などのアルカリ土類カチオン、並びにAl3+などの他のカチオンが含まれる。適切な有機カチオンの例には、それに限定されるものではないが、アンモニウムイオン(即ちNH4+)及び置換アンモニウムイオン(例えば、NH3R+、NH2R2+、NHR3+、NR4+)が含まれる。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン及びトロメタミン、並びにリシン及びアルギニンなどのアミノ酸から誘導されるものである。一般的な第4級アンモニウムイオンの例は、N(CH3)4+である。
【0174】
化合物がカチオン性であり、又はカチオン性であり得る官能基を有する場合(例えば、-NH2は-NH3+であり得る)、適切なアニオンと共に塩を形成することができる。適切な無機アニオンの例には、それに限定されるものではないが、以下の無機酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸及び亜リン酸から誘導されるものが含まれる。
【0175】
適切な有機アニオンの例には、それに限定されるものではないが、以下の有機酸、2-アセチオキシ安息香酸(acetyoxybenzoic)、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、桂皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸(glucheptonic)、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸及び吉草酸から誘導されるものが含まれる。適切なポリマー有機アニオンの例には、それに限定されるものではないが、以下のポリマー酸、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースから誘導されるものが含まれる。
【0176】
別段の指定がない限り、特定の化合物についての言及は、それらの塩の形態も含む。
【0177】
溶媒和物及び水和物
化合物の対応する溶媒和物を、調製、精製及び/又は処理することが好都合であり、又は望ましいことがある。「溶媒和物」という用語は、本明細書において、溶質(例えば、化合物、化合物の塩)と溶媒の錯体を指す従来の意味で使用される。溶媒が水である場合、溶媒和物は、好都合には水和物、例えば一水和物、二水和物、三水和物等と呼ぶことができる。
【0178】
別段の指定がない限り、特定の化合物についての言及は、それらの溶媒和及び水和形態も含む。
【0179】
化学的に保護された形態
化学的に保護された形態で化合物を製造、精製及び/又は処理することが好都合であり、又は望ましいことがある。「化学的に保護された形態」という用語は、本明細書において従来の化学的な意味で使用され、一つ又は複数の反応性官能基が、特定条件下で(例えば、pH、温度、放射、溶媒等)、望ましくない化学反応から保護されている化合物に関する。実際、特定条件下で、そうでなければ反応性である官能基を可逆的に非反応性にするために、周知の化学法が使用される。化学的に保護された形態において、一つ又は複数の反応性官能基は、被保護基又は保護基の形態(被マスク若しくはマスク基又は被ブロック基若しくはブロック基として公知)である。反応性官能基を保護することによって、他の未保護の反応性官能基が関与する反応を、被保護基に影響を及ぼすことなく実施することができ、保護基は、分子の残りに実質的に影響を及ぼすことなく、通常はその後の段階で除去することができる。例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(T. Green及びP. Wuts;第4版;John Wiley及びSons、2006年)参照。
【0180】
かかる多種多様な「保護」、「ブロック」又は「マスク」法は、広く使用されており、有機合成で周知である。例えば、特定条件下で共に反応性である二つの等価でない反応性官能基を有する化合物を誘導体化して、官能基の一つを「保護」し、したがって特定条件下で非反応性にすることができ、そのように保護した該化合物は、効果的に唯一の反応性官能基を有する反応物質として使用することができる。望ましい反応(他の官能基が関与する)が完了した後、被保護基は、その元の官能基に戻すために「脱保護」することができる。
【0181】
例えば、ヒドロキシ基は、エーテル(-OR)又はエステル(-OC(=O)R)として、例えばt-ブチルエーテル;ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)又はトリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリル又はt-ブチルジメチルシリルエーテル;或いはアセチルエステル(-OC(=O)CH3、-OAc)として保護することができる。
【0182】
例えば、アルデヒド又はケトン基は、カルボニル基(>C=O)が、例えば第1級アルコールとの反応によってジエーテル(>C(OR)2)に変換されるアセタール(R-CH(OR)2)又はケタール(R2C(OR) 2)として、それぞれ保護することができる。アルデヒド又はケトン基は、酸の存在下で大過剰の水を用いる加水分解によって容易に再生される。
【0183】
例えば、アミン基は、例えばアミド(-NRCO-R)又はウレタン(-NRCO-OR)として、例えばメチルアミド(-NHCO-CH3);ベンジルアミド(-NHCH2C6H5);ベンジルオキシアミド(-NHCO-OCH2C6H5、-NH-Cbz);t-ブトキシアミド(-NHCO-OC(CH3)3、-NH-Boc);2-ビフェニル-2-プロポキシアミド(-NHCO-OC(CH3)2C6H4C6H5、-NH-Bpoc)、9-フルオレニルメトキシアミド(-NH-Fmoc)、6-ニトロベラトリルオキシアミド(-NH-Nvoc)、2-トリメチルシリルエチルオキシアミド(-NH-Teoc)、2,2,2-トリクロロエチルオキシアミド(-NH-Troc)、アリルオキシアミド(-NH-Alloc)、2(-フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(-NH-Psec)として、又は適切な場合には(例えば環状アミン)、ニトロキシド基(>N-O・)として保護することができる。
【0184】
例えば、カルボン酸基は、エステルとして、例えばC1〜7アルキルエステル(例えば、メチルエステル、t-ブチルエステル);C1〜7ハロアルキルエステル(例えばC1〜7トリハロアルキルエステル);トリC1〜7アルキルシリル-C1〜7アルキルエステル;又はC5〜20アリール-C1〜7アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル、ニトロベンジルエステル)として、或いはアミド、例えばメチルアミドとして保護することができる。
【0185】
例えば、チオール基は、チオエーテル(-SR)として、例えばベンジルチオエーテル、アセトアミドメチルエーテル(-S-CH2NHC(=O)CH3)として保護することができる。
【0186】
プロドラッグ
プロドラッグの形態の化合物を製造、精製及び/又は処理することが好都合であり、又は望ましいことがある。「プロドラッグ」という用語は、本明細書で使用される場合、代謝された場合に(例えばインビボ)、所望の活性化合物を生成する化合物に関係する。一般に、プロドラッグは不活性であり、又は所望の活性化合物よりも活性が低いが、有利な処理、管理又は代謝特性を提供することができる。
【0187】
またいくつかのプロドラッグは、酵素的に活性化して、活性化合物、又はさらなる化学反応下で活性化合物を生成する化合物を生成する(例えば、ADEPT、GDEPT、LIDEPT等のように)。例えばプロドラッグは、糖誘導体若しくは他のグリコシドコンジュゲートであってよく、又はアミノ酸エステル誘導体であってよい。
【0188】
化学合成
本発明のPPPT化合物の化学合成のためのいくつかの方法は、本明細書に記載されている。これら及び/又は他の公知の方法は、本発明の範囲内のさらなる化合物の合成を容易にするために、公知のように改変及び/又は適応することができる。
【0189】
組成物
本発明の一態様は、本明細書に記載のPPPT化合物及び薬学的に許容される担体、賦形剤又は添加剤を含む組成物(例えば医薬組成物)に関する。
【0190】
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPPPT化合物を薬学的に許容される担体、賦形剤又は添加剤と混合するステップを含む、組成物(例えば医薬組成物)の調製方法に関する。
【0191】
使用
本明細書に記載のPPPT化合物は、例えば、本明細書に記載の11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)の阻害によって緩和される障害(例えば、疾患)の治療において有用である。
【0192】
11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)の阻害方法における使用
本発明の一態様は、細胞を、有効量の本明細書に記載のPPPT化合物と接触させるステップを含む、細胞における11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型をインビトロ又はインビボで阻害する方法に関する。
【0193】
11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害を決定するための適切なアッセイは、本明細書に記載されており、且つ/又は当技術分野において公知である。
【0194】
一実施形態では、該方法は、インビトロで実施される。
【0195】
一実施形態では、該方法は、インビボで実施される。
【0196】
一実施形態では、PPPT化合物は、薬学的に許容される組成物の形態で提供される。
【0197】
それに限定されるものではないが、脂肪、肺、消化管(例えば大腸、結腸を含む)、乳房(breast(mammary))、卵巣、前立腺、肝臓(liver(hepatic))、腎臓(kidney(renal))、膀胱、膵臓、脳及び皮膚を含む任意の種類の細胞を処理することができる。
【0198】
当業者は、候補化合物が、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型を阻害するかどうかを容易に決定することができる。例えば、適切なアッセイを本明細書に記載する。
【0199】
例えば、細胞の試料をインビトロで増殖させ、化合物を前記細胞と接触させ、それらの細胞に対する化合物の作用を観測することができる。「作用」の一例として、細胞の形態学的状態(例えば、生存又は死滅等)を決定することができる。化合物が、細胞に対して影響を及ぼすことが見出される場合、これを、同じ細胞型の細胞を担持している患者の治療法における化合物の有効性の予後又は診断用マーカーとして使用することができる。
【0200】
治療方法における使用
本発明の別の態様は、療法によってヒト又は動物の身体を治療する方法で使用するための、本明細書に記載のPPPT化合物に関する。
【0201】
医薬品の製造における使用
本発明の別の態様は、治療で使用するための医薬品の製造における、本明細書に記載のPPPT化合物の使用に関する。
【0202】
一実施形態では、医薬品はPPPT化合物を含む。
【0203】
治療方法
本発明の別の態様は、好ましくは医薬組成物の形態の治療有効量の本明細書に記載のPPPT化合物を、治療を必要としている患者に投与するステップを含む治療方法に関する。
【0204】
治療される障害-11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害によって緩和される障害
一実施形態(例えば、療法における使用、医薬品の製造における使用、治療方法)では、治療は、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害によって緩和される障害(例えば、疾患)の治療又は予防である。
【0205】
治療される障害-11β-HSD1の上方制御等によって特徴付けられる障害
一実施形態(例えば、療法における使用、医薬品の製造における使用、治療方法)では、治療は、11β-HSD1の上方制御、グルココルチコイド受容体媒介性経路の上方制御、PEPCKレベルの上昇、グルココルチコイド過剰及びインスリン抵抗性に関連する他の生物学的マーカーの一つ又は複数を特徴とする障害(例えば、疾患)の治療又は予防である。
【0206】
治療される障害
一実施形態(例えば、療法における使用、医薬品の製造における使用、治療方法)では、治療は、以下の一つ又は複数の治療又は予防である。
【0207】
(1)クッシング症候群、
(2)2型糖尿病及び耐糖能障害、
(3)筋強直性ジストロフィー、プラダーウィリー、リポジストロフィー、多嚢胞性卵巣症候群、胃腸管の糖尿病等のインスリン抵抗性症候群、
(4)肥満及び体重過多、
(5)脂質異常症を含む脂質障害、
(6)心筋梗塞及び末梢血管疾患を含むアテローム性動脈硬化症及びその続発症、
(7)メタボリック症候群、
(8)脂肪性肝炎/脂肪肝及び非アルコール性脂肪性肝疾患、
(9)2型糖尿病、糖不耐性及び老化、並びに精神障害及び統合失調症前症における認知機能障害、
(10)アルツハイマー病などの認知症、多発脳梗塞性認知症、レビー小体認知症、前頭側頭型認知症(ピック病を含む)、進行性核上性麻痺、コルサコフ症候群、ビンスワンガー病、HIV関連認知症、クロイツフェルトヤコブ病(CJD)、多発性硬化症、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ニーマンピック病C型、正常圧水頭症及びダウン症候群、
(11)軽度認知障害(認知機能障害、非認知症);
(12)膵疾患のβ細胞機能障害、
(13)緑内障、
(14)不安症、
(15)うつ病及び他の感情障害、一般的な(憂うつ性)及び非定型うつ病、気分変調症、分娩後うつ病、双極性感情障害、薬物誘発性感情障害、不安症、外傷後ストレス障害、パニック、恐怖症、
(16)せん妄及び急性錯乱状態、
(17)炎症性疾患、
(18)骨粗鬆症、
(19)心筋梗塞(例えば、心筋梗塞後の左心室機能障害を予防するため)、及び
(20)脳卒中(例えば、心血管発作後の虚血性ニューロン欠損を制限するため)。
【0208】
一実施形態(例えば、療法における使用、医薬品の製造における使用、治療方法)では、治療は、以下の一つ又は複数の治療又は予防である。
【0209】
(1)高血糖症、
(2)糖不耐性及び耐糖能障害、
(3)インスリン抵抗性、
(4)高脂血症、
(5)高トリグリセリド血症、
(6)高コレステロール血症、
(7)低HDLレベル、
(8)高LDLレベル、
(9)血管再狭窄、
(10)腹部肥満、
(11)神経変性疾患、
(12)網膜症、
(13)神経障害、
(14)高血圧、及び
(15)インスリン抵抗性が構成要素となる他の疾患。
【0210】
一実施形態(例えば、療法における使用、医薬品の製造における使用、治療方法)では、治療は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、皮膚疾患、関節リウマチ及び他の関節症、炎症性腸疾患、並びに巨細胞関節炎/リウマチ性多発筋痛などの炎症性疾患を治療するために使用されるグルココルチコイドの有害作用の治療又は予防である。
【0211】
一実施形態(例えば、療法における使用、医薬品の製造における使用、治療方法)では、治療は、2型糖尿病及び肥満などの障害、並びにインスリン抵抗性、高血圧、脂質障害、及び虚血性(冠動脈)心疾患などの心血管障害を含む関連障害を含むメタボリック症候群の治療又は予防である。
【0212】
一実施形態(例えば、療法における使用、医薬品の製造における使用、治療方法)では、治療は、アルツハイマー病を含む軽度認知障害及び初期認知症などのCNS障害(例えば、CNS疾患)の治療又は予防である。
【0213】
治療
「治療」という用語は、障害の治療の文脈において本明細書で使用される場合、一般に、ヒトであろうと動物であろうと(例えば獣医適用)、いくつかの所望の治療効果が達成される、例えば障害の進行が阻害される治療及び療法に関し、それには進行速度の低減、進行速度の停止、障害の症候の緩和、障害の改善及び障害の治癒が含まれる。予防策としての治療(即ち予防)も含まれる。例えば、まだ障害を発症していないが、障害を発症する危険性のある患者への使用は、「治療」という用語によって包含される。
【0214】
例えば、治療は、メタボリック症候群の予防、メタボリック症候群の発症の低減、メタボリック症候群の症候の緩和等を含む。
【0215】
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、所望の治療レジメンに従って投与した場合に、ある所望の治療効果をもたらすのに有効であり、妥当な損益比に見合う化合物、又は化合物を含む材料、組成物若しくは剤形の量に関する。
【0216】
併用療法
「治療」という用語は、二つ以上の治療又は療法が、例えば連続的に又は同時に組み合わされる併用治療及び療法を含む。例えば、本明細書に記載の化合物は、他の薬剤と組み合わせた併用療法で使用することもできる。治療及び療法の例には、それに限定されるものではないが、化学療法(例えば薬物、抗体(例えば免疫療法におけるような)、プロドラッグ(例えば、光線力学的治療、GDEPT、ADEPT等におけるような)を含む活性剤の投与;外科手術;放射線療法;光線力学的治療;遺伝子治療;及び栄養制限食事が含まれる。
【0217】
本発明の一態様は、以下に記載の通り、一つ又は複数(例えば、一つ、二つ、三つ、四つ等)の追加の治療剤と組み合わせた本明細書に記載の化合物に関する。
【0218】
特定の組合せは、一般知識及び当業者に公知の投与レジメンを使用して投与量を選択する医師の裁量に任されることになる。
【0219】
薬剤(即ち、本明細書に記載の化合物と、一つ又は複数の他の薬剤)は、同時に又は連続的に投与することができ、個々により変わる投与計画で、異なる経路を介して投与することができる。例えば、連続的に投与される場合、薬剤は、密な間隔で(例えば5〜10分で)又はより長い間隔で(例えば、1、2、3、4時間若しくはそれ以上、又は必要な場合にはさらに長い期間)投与することができ、正確な投与レジメンは、治療剤(複数可)の特徴に見合っている。
【0220】
薬剤(即ち、本明細書に記載の化合物と、一つ又は複数の他の薬剤)は、単一剤形として一緒に製剤化することができ、或いは個々の薬剤を別個に製剤化し、場合によってはそれらの使用に関する指示を伴うキットの形態として一緒に提示することができる。
【0221】
本明細書に記載のPPPT化合物を用いる治療と併用投与し/組み合わせることができる追加の薬剤/療法の例には、以下が含まれる。
【0222】
(1)インスリン及びインスリン類似体、
(2)インスリン感作薬、例えば、PPAR-γ作動薬、PPAR-α作動薬、PPAR-α/γ二重作動薬、ビグアニド、
(3)インクレチン系療法及びインクレチン模倣薬、
(4)スルホニル尿素及び他のインスリン分泌促進物質、
(5)α-グルコシダーゼ阻害剤、
(6)グルカゴン受容体拮抗薬、
(7)GLP-1、GLP-1類似体及びGLP-受容体作動薬、
(8)GIP、GIP模倣薬及びGIP受容体作動薬、
(9)PACAP、PACAP模倣薬及びPACAP受容体3作動薬、
(10)肝臓でのグルコース産出を抑制する、メトホルミンなどの薬剤、
(11)腸でのグルコースの吸収を低減するように設計された、アカルボースなどの薬剤、
(12)ホスホチロシンホスファターゼ1B阻害剤、
(13)グルコース6-ホスファターゼ阻害剤、
(14)グルコキナーゼ活性化因子、
(15)グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、
(16)フルクトース1,6-ビホスファターゼ(biphosphatase)阻害剤、
(17)SIRT1活性化因子、
(18)SGLT2阻害剤、
(19)グルタミン:フルクトース-6-ホスフェートアミドトランスフェラーゼ阻害剤、
(20)オリリスタット(orilistat)、プラムリンチド、シブトラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、デクスフェンフルラミン、カンナビノイドCB1受容体拮抗薬又は逆作動薬、例えばリモノバン(rimonobant)、グレリン拮抗薬、オキシントモジュリン、神経ペプチドY1又はY5拮抗薬、5-HT1B受容体作動薬、5-HT2C受容体作動薬、5-HT1B/2C受容体二重作動薬、メラノコルチン受容体作動薬及びメラニン凝集ホルモン受容体拮抗薬、ブプロピオン、ナルトレキソン、トピラマート、成長ホルモン類似体、並びにβ3作動薬を含む抗肥満剤、
(21)HMG-CoA還元酵素阻害剤、PPAR-α作動薬、PPAR-α/γ二重作動薬、胆汁酸捕捉剤、回腸の胆汁酸吸収阻害剤、アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロールエステル転送タンパク質阻害剤、ニコチニルアルコール及びその類似体、並びに抗酸化剤を含む抗脂質異常症薬、
(22)アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症薬、並びにヒドロコルチゾン及びデキサメタゾンなどのステロイド系抗炎症剤を含む抗炎症剤、
(23)アテノロール及びインデラルなどのβ-遮断薬;ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬;リシノプリル、アプトプリル(aptopril)及びカプトプリルなどのACE阻害剤;カンデサルタン、ロサルタン及びシレキセチルなどのアンギオテンシン受容体拮抗薬;フロセミド及びベンズチアザイドなどの利尿剤;α-拮抗薬;クロニジン、メチルドパ及びインダパミドなどの中枢作用性薬剤;レニン阻害剤;並びにヒドララジンなどの血管拡張剤を含む降圧剤、
(24)シタグリプチン及びサクサグリプチンなどのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)阻害剤、
(25)塩酸ドネゼピル、リバスチグミン及びガランタミンを含むアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、
(26)塩酸メマンチンを含むNMDA受容体遮断薬、
(27)ヒスタミンH3拮抗薬、
(28)5-HT6受容体拮抗薬、
(29)α7受容体作動薬、並びに
(30)タレンフルルビルを含むγ-セクレターゼモジュレーター。
【0223】
他の使用
本明細書に記載のPPPT化合物は、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)等を阻害するための細胞培養添加物として使用することもできる。
【0224】
本明細書に記載のPPPT化合物は、例えば、候補宿主が、問題となる化合物を用いる治療から利益を得る可能性があるかどうかを決定するために、インビトロアッセイの一部として使用することもできる。
【0225】
本明細書に記載のPPPT化合物は、例えば、他の活性化合物、他の11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD1)阻害剤等を同定するためのアッセイで、標準物質として使用することもできる。
【0226】
キット
本発明の一態様は、(a)例えば、好ましくは適切な容器に入れて、及び/又は適切に包装されて提供される本明細書に記載のPPPT化合物又は本明細書に記載のPPPT化合物を含む組成物、並びに(b)使用のための指示、例えば化合物又は組成物の投与方法に関する書面による指示を含むキットに関する。
【0227】
書面による指示は、活性成分がその適切な治療剤となる適応症の一覧を含むこともできる。
【0228】
投与経路
PPPT化合物又はPPPT化合物を含む医薬組成物は、全身/末梢でも局所的(即ち、所望の作用部位における)でも、任意の好都合な投与経路によって対象に投与することができる。
【0229】
投与経路には、それに限定されるものではないが、経口(例えば摂取による)、経頬、舌下、経皮(例えば、パッチ剤、貼付剤等によるものを含む)、経粘膜(例えば、パッチ剤、貼付剤等によるものを含む)、鼻腔(例えば鼻腔スプレー剤による)、眼(例えば点眼剤による)、肺(例えば口又は鼻を介する、例えばエアゾールを介するものを使用する吸入又は吹送療法による)、直腸(例えば、坐剤又は浣腸剤による)、経膣(例えば、ペッサリー剤による)、非経口、例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下及び胸骨内を含む注射、例えば、皮下又は筋肉内によるデポー剤又はリザーバーの埋込体によるものが含まれる。
【0230】
対象/患者
対象/患者は、脊索動物、脊椎動物、哺乳動物、有胎盤哺乳動物、有袋動物(例えば、カンガルー、ウォンバット)、げっ歯動物(例えば、テンジクネズミ、ハムスター、ラット、マウス)、マウス科動物(例えばマウス)、ウサギ目動物(例えばラビット)、鳥類(例えばトリ)、イヌ科動物(例えばイヌ)、ネコ科動物(例えばネコ)、ウマ科動物(例えばウマ)、ブタ科動物(例えばブタ)、ヒツジ科動物(例えばヒツジ)、ウシ亜科動物(例えば雌ウシ)、霊長類、サル(例えばモンキー又は類人猿)、モンキー(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)又はヒトであってよい。
【0231】
さらに、対象/患者は、その成長形態のいずれか、例えば胎児であってもよい。
【0232】
好ましい一実施形態では、対象/患者はヒトである。
【0233】
製剤
PPPT化合物のみを投与することが可能であるが、本明細書に記載の少なくとも一つのPPPT化合物を、それに限定されるものではないが、薬学的に許容される担体、賦形剤、添加剤、アジュバント、充填剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、潤滑剤、安定剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香味剤及び甘味剤を含む、当業者に周知の一つ又は複数の他の薬学的に許容される成分と一緒に含む医薬製剤(例えば、組成物、調製物、医薬品)として提供することが好ましい。製剤はさらに、他の活性剤、例えば他の治療剤又は予防剤を含むことができる。
【0234】
したがって、本発明はさらに、先に定義の通りの医薬組成物、及び本明細書に記載の少なくとも一つのPPPT化合物を、当業者に周知の一つ又は複数の他の薬学的に許容される成分、例えば担体、賦形剤、添加剤等と一緒に混合するステップを含む、医薬組成物の製造方法を提供する。個別の単位として(例えば錠剤等)製剤化される場合、各単位は、所定の量(投用量)の化合物を含有する。
【0235】
「薬学的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、適切な医療判断の範囲内にあり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症なしに、問題となっている対象(例えばヒト)の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比に見合う、化合物、成分、材料、組成物、剤形等に関する。各担体、賦形剤、添加剤等はまた、製剤の他の成分と適合可能であるという意味で「許容」されなければならない。
【0236】
適切な担体、賦形剤、添加剤等は、標準の薬事文献、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1990年;及びHandbook of Pharmaceutical Excipients、第5版、2005年に見ることができる。
【0237】
製剤は、薬剤分野で周知の任意の方法によって調製することができる。かかる方法は、化合物を、一つ又は複数の副成分を構成する担体と組み合わせるステップを含む。一般に製剤は、化合物を、担体(例えば、液体担体、微分割された固体担体等)と均一及び密接に組み合わせ、次いで必要に応じてその生成物を成形することによって調製される。
【0238】
製剤は、急速若しくは持続(slow)放出;即時、遅延、持続(timed)放出若しくは徐放;又はそれらの組合せを提供するように調製することができる。
【0239】
製剤は、適切には、液剤、溶液剤(例えば水性、非水性)、懸濁剤(例えば水性、非水性)、乳剤(例えば水中油、油中水)、エリキシル剤、シロップ剤、舐剤、洗口剤、ドロップ剤、錠剤(例えばコーティング錠剤を含む)、顆粒剤、散剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、カプセル剤(例えば、硬質及び軟質ゼラチンカプセル剤を含む)、カシェ剤、丸剤、アンプル剤、ボーラス剤、坐剤、ペッサリー剤、チンキ剤、ゲル剤、ペースト剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、油剤、発泡剤、スプレー剤、ミスト剤又はエアゾール剤の形態であってよい。
【0240】
製剤は、適切には、一つ又は複数の化合物、及び任意選択で、例えば浸透、透過及び吸収促進剤を含む一つ又は複数の他の薬学的に許容される成分を含浸させた、パッチ剤、貼付剤、絆創膏、包帯等として提供することができる。製剤は、適切には、デポー剤又はリザーバーの形態で提供することもできる。
【0241】
化合物は、一つ又は複数の他の薬学的に許容される成分に溶解、懸濁することができ、又はそれらと混合することができる。化合物は、化合物を、例えば血液成分又は一つ若しくは複数の器官を標的にするように設計したリポソーム又は他の微粒子として提供することができる。
【0242】
経口投与(例えば消化による)に適した製剤には、液剤、溶液剤(例えば水性、非水性)、懸濁剤(例えば水性、非水性)、乳剤(例えば水中油、油中水)、エリキシル剤、シロップ剤、舐剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、アンプル剤、ボーラス剤が含まれる。
【0243】
経頬投与に適した製剤には、洗口剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、並びにパッチ剤、貼付剤、デポー剤及びリザーバーが含まれる。ロゼンジ剤は、一般に、香味基材、通常ショ糖及びアカシア又はトラガカント中に化合物を含む。トローチ剤は一般に、ゼラチン及びグリセリンなどの不活性マトリックス、又はショ糖及びアカシア中に化合物を含む。洗口剤は、一般に、適切な液体担体中に化合物を含む。
【0244】
舌下投与に適した製剤には、錠剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、カプセル剤及び丸剤が含まれる。
【0245】
経口経粘膜投与に適した製剤には、液剤、溶液剤(例えば水性、非水性)、懸濁剤(例えば水性、非水性)、乳剤(例えば水中油、油中水)、洗口剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、並びにパッチ剤、貼付剤、デポー剤及びリザーバーが含まれる。
【0246】
非経口経粘膜投与に適した製剤には、液剤、溶液剤(例えば水性、非水性)、懸濁剤(例えば水性、非水性)、乳剤(例えば水中油、油中水)、坐剤、ペッサリー剤、ゲル剤、ペースト剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、油剤、並びにパッチ剤、貼付剤、デポー剤及びリザーバーが含まれる。
【0247】
経皮投与に適した製剤には、ゲル剤、ペースト剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤及び油剤、並びにパッチ剤、貼付剤、絆創膏、包帯、デポー剤及びリザーバーが含まれる。
【0248】
錠剤は、従来の手段によって、例えば場合によって一つ又は複数の副成分と共に、圧縮又は成型することによって製造することができる。圧縮錠剤は、一つ又は複数の結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、アカシア、ソルビトール、トラガカント、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤又は賦形剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム);界面活性剤又は分散化剤又は湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム);保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸);香味剤、香味増強剤及び甘味剤と場合によって混合した、散剤又は顆粒剤などの自由に流れる形態の化合物を、適切な機械内で圧縮することによって調製することができる。成型錠剤は、不活性な液体賦形剤で湿潤させた粉末化化合物の混合物を、適切な機械内で成型することによって製造することができる。錠剤は、場合によって、コーティング又は分割することができ、例えば所望の放出プロファイルを提供するために様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、錠剤において化合物を持続又は制御放出するように製剤化することができる。錠剤には、場合によって、例えば放出を行うためのコーティング、例えば胃以外の腸部分で放出するための腸溶コーティングを施すことができる。
【0249】
軟膏剤は、一般に、化合物及びパラフィン系又は水混和性軟膏基材から調製される。
【0250】
クリーム剤は、一般に、化合物及び水中油クリーム基材から調製される。所望に応じて、クリーム基材の水相は、例えば多価アルコール、即ちプロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール及びポリエチレングリコール並びにそれらの混合物などの二つ以上のヒドロキシル基を有するアルコールを、少なくとも約30%w/w含むことができる。局所製剤は、望ましくは、皮膚又は他の罹患領域を介する化合物の吸収又は浸透を強化する化合物を含むことができる。かかる皮膚浸透促進剤の例には、ジメチルスルホキシド及び関連の類似体が含まれる。
【0251】
乳剤は、一般に、場合によって乳化剤(別名エマルジェント(emulgent)として公知)のみを含むことができる、又は少なくとも一つの乳化剤と、脂肪若しくは油、又は脂肪及び油の両方の混合物を含むことができる油相及び化合物から調製される。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。油及び脂肪の両方を含むことも好ましい。同時に、安定剤(複数可)を伴う又は伴わない乳化剤(複数可)は、いわゆる乳化ワックスを構成し、油及び/又は脂肪と一緒にしたワックスは、クリーム製剤の油分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を構成する。
【0252】
適切なエマルジェント及び乳剤の安定剤には、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン及びラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。製剤のための適切な油又は脂肪の選択は、医薬乳剤に使用される可能性の高い殆どの油における化合物の可溶性が非常に低い場合があるため、所望の化粧特性の実現に基づく。したがってクリーム剤は、好ましくは、チューブ又は他の容器からの漏出を回避するのに適した粘稠度を有する、脂肪を含まず、染色のない、洗い落とせる生成物にすべきである。ジイソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチル、ヤシ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル又はCrodamol CAPとして公知の分岐鎖エステルのブレンドなどの直鎖又は分岐鎖の一又は二塩基性アルキルエステルを使用することができ、最後の三つが好ましいエステルである。これらは、必要な特性に応じて単独で、又は組み合わせて使用することができる。或いは、白色軟性パラフィン及び/又は液体パラフィン又は他の鉱油などの高融点脂質を使用することができる。
【0253】
担体が液体である鼻腔内投与に適した製剤には、例えば鼻腔スプレー剤、鼻腔ドロップ剤、又はネブライザによるエアゾール投与によるものが含まれ、化合物の水性又は油性溶液を含む。
【0254】
担体が固体である鼻腔内投与に適した製剤には、例えば約20〜約500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末として提供されるものが含まれ、これは嗅ぐように、即ち鼻近くに保持された粉末の容器から鼻腔を介して急速に吸引することによって投与される。
【0255】
経肺投与(例えば、吸入又は吹送療法による)に適した製剤には、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロ-テトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガスなどの適切な推進剤の使用を伴う、加圧パックからのエアゾールスプレーとして提供されるものが含まれる。
【0256】
眼への投与に適した製剤には、点眼剤が含まれ、この場合化合物は、適切な担体、特に化合物に合わせた水性溶媒に溶解又は懸濁している。
【0257】
直腸投与に適した製剤は、例えば天然又は硬化油、ワックス、脂肪、半液体又は液体ポリオール、例えばカカオ脂又はサリチル酸塩を含む適切な基材を伴う坐剤として、或いは浣腸剤による治療のための溶液剤又は懸濁剤として提供することができる。
【0258】
経膣投与に適した製剤は、化合物に加えて、適切であることが当技術分野で知られているような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡又はスプレー製剤として提供することができる。
【0259】
非経口投与(例えば注射による)に適した製剤には、化合物が溶解し、懸濁し、又はそれ以外の方法で(例えばリポソーム又は他の微粒子として)提供される水性又は非水性の等張の、発熱物質を含まない滅菌液剤(例えば溶液剤、懸濁剤)が含まれる。かかる液剤は、抗酸化剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、静菌薬、懸濁化剤、増粘剤及び製剤を対象となるレシピエントの血液(又は他の関連体液)と等張にする溶質などの他の薬学的に許容される成分をさらに含有することができる。添加剤の例には、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等が含まれる。かかる製剤に使用するための適切な等張性担体の例には、塩化ナトリウム注射、リンゲル液又は乳酸加リンゲル液が含まれる。一般に、液剤中の化合物の濃度は、約1ng/ml〜約10μg/ml、例えば約10ng/ml〜約1μg/mlである。製剤は、単回用量又は多回用量の封止容器、例えばアンプル及びバイアルに入れて提供することができ、滅菌液体担体、例えば注射用の水を使用直前に添加するのみでよい冷凍乾燥(凍結乾燥)条件下で保存することができる。即時注射溶液剤及び懸濁剤は、滅菌散剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
【0260】
投与量
PPPT化合物及びPPPT化合物を含む組成物の適切な投与量は、患者ごとに変わり得ることを当業者は理解されよう。至適な投与量の決定は、一般に、任意の危険性又は有害な副作用に対する治療効果のレベルの平衡化を伴うことになる。選択された投与レベルは、それに限定されるものではないが、特定のPPPT化合物の活性、投与経路、投与時間、PPPT化合物の排出率、治療期間、組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/又は材料、障害の重症度、並びに患者の種、性別、年齢、体重、状態、一般的健康状態及び既往歴を含む様々な因子に応じて変わることになる。PPPT化合物の量及び投与経路は、最終的に医師、獣医又は臨床医の裁量に任されることになるが、一般に投与量は、実質的に弊害のある又は有害な副作用を生じることなく所望の作用を達成する、作用部位における局所濃度を実現するように選択されることになる。
【0261】
投与は、治療過程の間、単回用量で、連続的又は間欠的に(例えば適切な間隔で分割用量として)行うことができる。殆どの有効な手段及び投与量の決定方法は、当業者に周知であり、治療に使用される製剤、治療目的、治療を受ける標的細胞(複数可)及び治療を受ける対象に伴って変わることになる。単回又は多回投与は、担当医、獣医又は臨床医によって選択される用量レベル及びパターンで実施することができる。
【0262】
一般に、適切な用量のPPPT化合物は、対象の体重1キログラムにつき一日当たり約10μg〜約250mg(より一般的には、約100μg〜約25mg)の範囲である。化合物が塩、エステル、アミド、プロドラッグ等である場合、投与される量は、親化合物を基にして算出され、したがって使用される実際の重量は、比例的に増加される。
【実施例】
【0263】
化学合成
以下の例は、単に本発明を例示するために提供するものであり、本明細書に記載の本発明の範囲を制限するものではない。
【0264】
分析方法1
Hewlett Packard HP1100 LC系及びHiggins Clipeus 5μm C18 100×3.0mmカラムからなる系を、40℃で維持した。検出は、Waters Quattro Microトリプル四重極質量分析計(エレクトロスプレー、正イオン及び負イオン)、DAD UV検出器及びSedex ELS 85蒸発光散乱検出器を使用して達成した。移動相A:0.1%ギ酸水溶液。移動相B:MeOH中0.1%ギ酸。流速1mL/分:勾配:0〜1分、15%B;1〜13分、15〜95%B;13〜20分、95%B;20〜22分、95〜15%B;22〜25分、15%B。
【0265】
分析方法2
Waters Acquity UPLC系及びAcquity BEH C18 1.7μm 100×2.1mmカラムからなる系を、40℃で維持した。検出は、Waters Micromass ZQ2000四重極質量分析計(エレクトロスプレー、正イオン及び負イオン)、PDA UV検出器を使用して達成した。移動相A:0.1%ギ酸水溶液、移動相B:MeCN中0.1%ギ酸。流速0.4mL/分:勾配:0〜0.4分、5%B;0.4〜6.0分、5〜95%B;6〜6.8分、95%B;6.8〜7.0分、95〜5%B;7〜8分、5%B。
【0266】
分析方法3
Waters Acquity UPLC系及びHiggins Clipeus 5μm C18 100×3.0mmカラムからなる系を、40℃で維持した。検出は、Waters Micromass ZQ2000四重極質量分析計(エレクトロスプレー、正イオン及び負イオン)、PDA UV検出器を使用して達成した。移動相A:0.1%ギ酸水溶液、移動相B:MeOH中0.1%ギ酸。流速1mL/分:勾配:0〜1分、15%B;1〜13分、15〜95%B;13〜20分、95%B;20〜22分、95〜15%B;22〜25分、15%B。
【0267】
分析方法4
Hewlett Packard 1050 LC系及びLuna 3μm C18(2)30×4.6mmカラムからなる系。検出は、Finnigan AQAシングル四重極質量分析計(エレクトロスプレー、正イオン)、UVダイオードアレイ検出器及びSedex ELS 65蒸発光散乱検出器を使用して達成した。移動相A:0.1%ギ酸水溶液、移動相B:MeOH中0.1%ギ酸。流速2mL/分:勾配:0〜0.5分、5%B;0.5〜4.5分、5〜95%B;4.5〜5分、95%B;5.5〜6.0分、95〜5%B。
【0268】
NMR分析
Varian Unity Inova 400分光計を使用して、400MHzで操作してプロトンNMRスペクトルを得た。
【0269】
略語
Bn=ベンジル
DAST=ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド
DCM=ジクロロメタン
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DME=1,2-ジメトキシエタン
DMF=ジメチルホルムアミド
HATU=(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスフェート)
HCl=塩酸
IMS=工業用変性アルコール
パールマン触媒=炭素上水酸化パラジウム
R.T.=保持時間
SM=出発材料
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
s=一重線
d=二重線
t=三重線
m=多重線
q=四重線
化合物は、Autonomを使用して命名した。
【0270】
別段記載されない限り、キラル中心を含有する化合物をラセミ混合物として調製した。
【0271】
合成1
(4-ヒドロキシ-4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]-メタノン(AA-01)
【化11】

【0272】
5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-カルボン酸(0.04g、0.2mmol)及び4-フェニル-ピペリジン-4-オール(0.041g、0.23mmol)を、アセトニトリル(3mL)に溶解した。HATU(0.24mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.077mL、0.45mmol)を添加し、反応混合物を撹拌した。1時間後、溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を水酸化ナトリウム水溶液(1N、3mL)と共に0.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を、シリカフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチルで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物(0.041g)を白色固体として得た。
【0273】
LCMSm/z354.2[M+H]+。R.T.=8.94分(分析方法1)。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 13.0 (s, 1H), 8.2 (s, 1H), 7.8 (s, 1H), 7.6 (s, 1H), 7.5 (d, 2H), 7.3 (m, 3H), 7.2 (t, 1H), 5.2 (s, 1H), 4.4-3.2 (m 広幅, 4H), 1.8-2.0 (m 広幅, 2H), 1.5-1.8 (m 広幅 2H)。
【0274】
以下の化合物を、(4-ヒドロキシ-4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]-メタノンを調製するのに使用した方法と類似の方法を使用して調製した。ある場合には、生成物を、C18カートリッジによる分取HPLCによって、40%〜70%メタノール/水と0.1%ギ酸で溶出して精製し、所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮し、さらにメタノール及び水から凍結乾燥させて、標題化合物を得た。
【表4】







【0275】
先の化合物のいくつかに関する追加の1H NMRデータを、以下に示す。
【表5】

【0276】
先に列挙した類似体の合成に使用した以下のピペリジンは、市販のものであった。
【表6】

【0277】
他のピペリジンを、下記の方法を使用して調製した。
【0278】
合成2
4-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
【化12】

【0279】
1-ブロモ-2,4-ジフルオロ-ベンゼン(0.67g、3.5mmol)をTHF(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。THF(1.3M、2.5mL、3.2mmol)中イソプロピルマグネシウム塩化物とリチウム塩化物の複合体を添加した。混合物を0.5時間撹拌し、次いで-78℃に冷却した4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.5g、2.5mmol)のTHF(10mL)溶液に滴下添加した。混合物を室温に温め、次いで-78℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、混合物を酢酸エチル中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、シリカフラッシュクロマトグラフィーによって0〜50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物(0.7g)を無色透明の油として得た。LCMSm/z314.3[M+H]+。R.T.=4.65分(分析方法4)。
【0280】
合成3
4-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-ピペリジン-4-オール
【化13】

【0281】
4-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.2g)を、塩化水素のジオキサン溶液(4N、1mL)に溶解した。混合物を1時間撹拌し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。固体をエーテルと研和して、標題化合物を薄黄色固体として得た(0.08g)。LCMSm/z214.25[M+H]+。R.T.=1.06分(分析方法4)。
【0282】
以下の置換ピペリジンを、4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルから4-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-ピペリジン-4-オールを調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表7】


【0283】
合成4
8-ベンジル-3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール
【化14】

【0284】
フェニルマグネシウム臭化物のエーテル溶液(3M、2.3mL)を、0℃に冷却した8-ベンジル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オン(1.0g、4.6mmol)のTHF(20mL)溶液に滴下添加した。混合物を3時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、生成物をジエチルエーテル中に抽出して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、シリカフラッシュクロマトグラフィーによって10〜30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物(0.5g)を油として得た。LCMSm/z294.4[M+H]+。R.T.=2.59分(分析方法4)。
【0285】
以下の化合物を、8-ベンジル-3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オールを調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表8】

【0286】
合成5
3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール
【化15】

【0287】
8-ベンジル-3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(0.24g、0.84mmol)を、IMS(4.5mL)及び水(0.5mL)に溶解した。ギ酸アンモニウム(0.5g)及びパールマン触媒(0.12g)を添加した。混合物を0.5時間加熱還流し、濾過し、溶液を濃縮して油を得、それをSCXカートリッジによるクロマトグラフィーによって、メタノール中アンモニア(2M)で溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物(0.13g)を油として得た。LCMSm/z204.3[M+H]+。R.T.=0.36分(分析方法4)。
【0288】
以下の化合物を、3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オールを調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表9】

【0289】
合成6
4-メトキシ-4-フェニル-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
【化16】

【0290】
4-ヒドロキシ-4-フェニル-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.5g、1.8mmol)を乾燥THF(15mL)に溶解し、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.076g、1.9mmol)を添加し、混合物を1時間撹拌した。次いでヨウ化メチル(0.16mL、2.7mmol)を添加し、混合物を終夜撹拌した。ブラインを添加し、生成物を酢酸エチル中に抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発によって除去した。残渣を、シリカフラッシュクロマトグラフィーによって0〜10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物を無色透明の油として得た(0.35g)。LCMSm/z292.4[M+H]+。R.T.=4.86分(分析方法4)。
【0291】
合成7
4-メトキシ-4-フェニル-ピペリジン
【化17】

【0292】
4-メトキシ-4-フェニル-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.35g)を、塩化水素のジオキサン溶液(4N、3mL)に溶解した。混合物を1時間撹拌し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。固体をエーテルと研和して、標題化合物を白色固体として得た(0.25g)。LCMSm/z192.2[M+H]+。R.T.=1.96分(分析方法4)。
【0293】
以下の置換ピペリジンを、4-メトキシ-4-フェニル-ピペリジを調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表10】

【0294】
合成8
1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-4-オール
【化18】

【0295】
1-ベンジル-4-ピペリジン(1.0g、5.2mmol)を乾燥ジエチルエーテル(10mL)に溶解し、-78℃に冷却した。ジエチルエーテル中メチルリチウム(1.6M、4.6mL、7.4mmol)を添加し、混合物を1.5時間撹拌した。混合物を水で希釈し、生成物をジエチルエーテル中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、シリカフラッシュクロマトグラフィーによって0〜10%酢酸エチル/メタノールで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物を黄色油として得た(0.35g)。LCMSm/z206.27[M+H]+。R.T.=0.83分(分析方法4)。
【0296】
合成9
1-ベンジル-4-(4-ブロモ-フェニル)-4-メチル-ピペリジン
【化19】

【0297】
1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-4-オール(0.4g、1.95mmol)のブロモベンゼン(1.2mL)溶液に、三塩化アルミニウム(0.39g、2.9mmol)を添加した。次いで、混合物を100℃にして14時間加熱し、室温で48時間静置した。水酸化ナトリウム水溶液(1N、30mL)を添加し、生成物を酢酸エチル中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、シリカフラッシュクロマトグラフィーによって0〜25%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物を褐色油として得た(0.5g)。LCMSm/z344.5[M+H]+。R.T.=3.13分(分析方法4)。
【0298】
合成10
4-メチル-4-フェニル-ピペリジン塩酸塩
【化20】

【0299】
1-ベンジル-4-(4-ブロモ-フェニル)-4-メチル-ピペリジン(0.35g、1.0mmol)をIMS(20mL)に溶解し、水(2mL)中炭素上パラジウム(10%、0.15g)を窒素下で添加した。ギ酸アンモニウム(0.63g、10mmol)を添加し、混合物を0.5時間加熱還流した。混合物を冷却し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、塩化水素のジオキサン溶液(4M、0.5mL)で処理し、その後ジエチルエーテルと研和して、標題化合物を白色固体として得た(0.095g)。LCMSm/z176.2[M+H]+。R.T.=2.21分(分析方法4)。
【0300】
合成11
1-ベンジル-4-フェニル-ピペリジン-4-オール
【化21】

【0301】
4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン(0.5g、2.8mmol)、ベンジルブロミド(0.5g、3mmol)及び炭酸カリウム(0.8g、6mmol)をDMF(5mL)に溶解し、2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。得られた固体をペンタンから再結晶させて、標題化合物を白色固体として得た(0.47g)。LCMSm/z268.3[M+H]+。R.T.=2.37分(分析方法4)。
【0302】
合成12
1-ベンジル-4-フルオロ-4-フェニル-ピペリジン
【化22】

【0303】
DCM(20mL)中1-ベンジル-4-フェニル-ピペリジン-4-オール(0.45g、1.69mmol)を-78℃に冷却した。ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(2mmol)を添加し、混合物を0.5時間撹拌し、室温に温めた。混合物をDCMで希釈し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。その油をさらなる精製なしに使用した。LCMSm/z270.3[M+H]+。R.T.=2.87分(分析方法4)。
【0304】
合成13
1-ベンジル-4-フェニル-ピペリジン-4-オール
【化23】

【0305】
乾燥DCM(5mL)中1-ベンジル-4-フルオロ-4-フェニル-ピペリジン(0.22g)に、クロロギ酸1-クロロエチル(1mmol)を添加した。混合物を1時間撹拌し、次いでメタノール(5mL)を添加し、混合物を終夜撹拌した。溶媒を真空下で除去し、得られた固体をジエチルエーテルと研和して、標題化合物を白色固体として得た(0.12g)。LCMSm/z180.1[M+H]+。R.T.=2.27分(分析方法4)。
【0306】
合成14
4-フルオロ-4-(2-フルオロ-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
【化24】

【0307】
DCM(20mL)中4-(2-フルオロ-フェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.5g、1.69mmol)を、-78℃に冷却した。ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(2mmol)を添加し、混合物を0.5時間撹拌し、室温に温めた。混合物をDCMで希釈し、水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去して、標題化合物を褐色油として得、それをさらなる精製なしに使用した。LCMSm/z298.3[M+H]+。R.T.=4.97分(分析方法4)。
【0308】
合成15
4-フルオロ-4-(2-フルオロ-フェニル)-ピペリジン塩酸塩
【化25】

【0309】
4-フルオロ-4-(2-フルオロ-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.4g、1.35mmol)を、塩化水素のジオキサン溶液(4M、3mL)に溶解し、混合物を1時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、得られた固体をジエチルエーテルと研和して、標題化合物を薄黄色固体として得(0.26g)、それをさらなる精製なしに使用した。
【0310】
以下の置換ピペリジンを、4-フルオロ-4-(2-フルオロ-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルから4-フルオロ-4-(2-フルオロ-フェニル)-ピペリジン塩酸塩を調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表11】

【0311】
合成16
4-(2-シアノ-フェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
【化26】

【0312】
4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.5g、1.5mmol)、2-シアノフェニルボロン酸(0.23g、1.6mmol)、テトラキス-トリフェニルホスフィン(0.17g、0.15mmol)及び炭酸セシウム(0.73g、2.26mmol)を、DME(3mL)、IMS(1.0mL)及び水(0.4mL)の混合物にアルゴン下で溶解した。混合物をマイクロ波照射によって120℃にして0.3時間加熱し、次いで水で希釈した。生成物をDCM中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、シリカフラッシュクロマトグラフィーによって0〜20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物を黄色油として得た(0.22g)。LCMSm/z261.2[M+H]+。R.T.=4.59分(分析方法4)。
【0313】
以下の置換ピペリジンを、4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルから4-(2-シアノ-フェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルを調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表12】

【0314】
合成17
4-(2-シアノ-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
【化27】

【0315】
4-(2-シアノ-フェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.2g)をIMS(15mL)に溶解し、水(0.5mL)中炭素上パラジウム(10%、0.08g)を添加した。ギ酸アンモニウム(0.3g)を添加し、混合物を0.5時間加熱還流した。混合物を冷却し、濾過し、溶媒を蒸発によって除去して、標題化合物を無色透明の油として得た(0.15g)。LCMSm/z287.3[M+H]+。R.T.=4.63分(分析方法4)。
【0316】
以下の置換ピペリジンを、4-(2-シアノ-フェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルから4-(2-シアノ-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルを調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表13】

【0317】
合成18
2-ピペリジン-4-イル-ベンゾニトリル
【化28】

【0318】
4-(2-シアノ-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.15g)を、塩化水素のジオキサン溶液(4M、2mL)に溶解し、混合物を1時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、得られた固体をジエチルエーテルと研和して、標題化合物を灰色固体として得た(0.1g)。LCMSm/z187.2[M+H]+。R.T.=1.90分(分析方法4)。
【0319】
以下の置換ピペリジンを、4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルから2-ピペリジン-4-イル-ベンゾニトリルを調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表14】

【0320】
合成19
8-ベンジル-3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン
【化29】

【0321】
8-ベンジル-3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(0.1g、0.34mmol)をTFA(1mL)に溶解し、0℃に冷却した。濃硫酸(0.054mL)を添加し、混合物を1時間撹拌し、次いでトリエチルシラン(0.17mL)を添加した。2時間後、混合物を室温に温め、次いで60時間静置した。混合物を真空下で濃縮し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。生成物をDCM中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去して、標題化合物を無色油として得た。LCMSm/z276.5[M+H]+。R.T.=2.94分(分析方法4)。
【0322】
合成20
3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン
【化30】

【0323】
8-ベンジル-3-フェニル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン(0.1g)を、IMS(5mL)及び水(0.5mL)に溶解した。ギ酸アンモニウム(0.21g)及びパールマン触媒(0.02g)を添加し、混合物を90℃にして1時間加熱した。冷却後、混合物を濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、SCXカートリッジによりアンモニア水溶液(2M)及びメタノールで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物を無色油として得た。LCMSm/z188.4[M+H]+。R.T.=2.22分(分析方法4)。
【0324】
合成21
4-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロ-ピリジン
【化31】

【0325】
4-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.4g)をトルエン(10mL)に溶解した。濃硫酸(0.3mL)を添加し、混合物を2時間加熱還流し、次いで室温で終夜静置した。水酸化ナトリウム水溶液(1N、30mL)を添加し、生成物を酢酸エチル中に抽出した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去して、標題化合物を暗色油として得(0.2g)、それをさらなる精製なしに使用した。LCMSm/z196.1[M+H]+。R.T.=2.12分(分析方法4)。
【0326】
合成22
4-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-ピペリジン塩酸塩
【化32】

【0327】
4-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロ-ピリジン(0.2g)をエタノール(15mL)に溶解した。炭素上パラジウム(10%、0.02g)を窒素下で添加した。窒素雰囲気を水素で置き換え、混合物を36時間撹拌した。混合物を濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(4N、1mL)を添加した。得られた沈殿物を濾過によって単離し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、標題化合物を白色固体として得た(0.15g)。LCMSm/z198.1[M+H]+。R.T.=2.21分(分析方法4)。
【0328】
合成23
1-ベンジル-4-(2-ベンジルオキシ-フェニル)-ピペリジン-4-オール
【化33】

【0329】
1-ベンジル-4-ピペリドン(0.5g、2.6mmol)のTHF(10mL)溶液を-78℃に冷却し、2-(ベンジルオキシ)フェニルマグネシウムブロミド(3.2mmol)を添加した。混合物を0.5時間撹拌し、次いで室温に温めた。塩酸(1N、10mL)を注意深く添加し、混合物を0.1時間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液(1N、30mL)を添加した。生成物を酢酸エチル中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、シリカフラッシュクロマトグラフィーによって0〜50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を真空下で濃縮して、標題化合物(0.6g)を無色透明の油として得た。LCMSm/z374.5[M+H]+。R.T.=3.44分(分析方法4)。
【0330】
合成24
4-(2-ヒドロキシ-フェニル)-ピペリジン-4-オール塩酸塩
【化34】

【0331】
1-ベンジル-4-(2-ベンジルオキシ-フェニル)-ピペリジン-4-オール(0.6g、1.6mmol)をエタノール(30mL)に溶解し、水(5mL)中炭素上パラジウム(10%、0.3g)の懸濁液を添加した。ギ酸アンモニウム(1g)を添加し、混合物を0.5時間加熱還流した。混合物を冷却し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣をジエチルエーテルに溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(4N、1mL)を添加した。得られた沈殿物を濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、標題化合物を白色固体として得た(0.2g)。LCMSm/z194.3[M+H]+。R.T.=0.35分(分析方法4)。
【0332】
合成25
(4-フェニル-ピペリジン-4-イル)-メタノール
【化35】

【0333】
4-フェニル-ピペリジン-4-カルボン酸(1.0g、2.7mmol)を、ボランのTHF溶液(1M、15mL)に添加した。次いで、混合物を1時間加熱還流し、次いでメタノール(3mL)を注意深く滴下添加した。混合物を1時間加熱還流し、室温に冷却し、塩酸(1N、2mL)を添加し、混合物を終夜静置した。次いで、溶媒を真空下で蒸発によって除去し、残渣をアセトンと研和した。得られた固体を濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、標題化合物を白色固体として得た(0.37g)。LCMSm/z192.2[M+H]+。R.T.=0.69分(分析方法4)。
【0334】
合成26
5-ブロモ-チオフェン-3-カルボン酸
【化36】

【0335】
チオフェン-3-カルボン酸(25g、195mmol)を酢酸(200mL)に溶解した。臭素(10.4mL、200mmol)を0.5時間かけてゆっくり添加した。混合物をさらに0.5時間撹拌し、次いで氷上に注いだ。0.5時間後、形成した白色沈殿物を濾過によって収集した。水から再結晶させて、標題化合物を白色固体として得た(13.7g)。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 8.25 (s, 1H), 7.45 (s, 1H)。
【0336】
合成27
5-ブロモ-チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル
【化37】

【0337】
5-ブロモ-チオフェン-3-カルボン酸(13g、64mmol)をメタノール(140mL)に溶解した。濃硫酸(6.5mL)を添加し、混合物を14時間加熱還流した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加することによって反応をクエンチし、溶媒の大部分を真空下で蒸発によって除去した。次いで、混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、生成物をDCMで抽出した。有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発によって除去して、白色結晶固体を得た(13.2g)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.0 (s, 1H), 7.5 (s, 1H), 3.85 (s, 3H)。
【0338】
合成28
5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル
【化38】

【0339】
5-ブロモ-チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル(6g、27mmol)を、DME(75mL)、IMS(25mL)及び水(12.5mL)の混合物に溶解した。炭酸セシウム(13.2g、40mmol)及び4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(9.2g、31mmol)を添加し、混合物をアルゴン下で撹拌した。次いで、パラジウムテトラキス-(トリフェニルホスフィン)(3.1g、2.7mmol)を添加し、混合物を110℃で6時間加熱した。混合物を室温に冷却し、次いで水で希釈した。生成物をDCM中に抽出し、ブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣をジエチルエーテルと研和して、標題化合物を薄黄色固体として得た(3.01g)。LCMSm/z209.1[M+H]+。R.T.=3.72分(分析方法4)。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 8.2 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.5 (s, 1H), 3.8 (s, 3H)。
【0340】
合成29
5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-カルボン酸
【化39】

【0341】
5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル(2.8g、13.3mmol)を、メタノール(18mL)及び水酸化ナトリウム水溶液(1N、18mL)の混合物に溶解し、混合物を50℃で1.5時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、塩酸水溶液(1N)で酸性にした。得られた沈殿物を濾過によって単離し、水で洗浄した後、真空下で乾燥させて、標題化合物を白色固体として得た(1.77g)。LCMSm/z195.1[M+H]+。R.T.=3.23分(分析方法4)。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 8.1 (s, 1H), 8.0 (m, 2H), 7.45 (s, 1H)。
【0342】
以下の置換カルボン酸を、5-ブロモ-チオフェン-3-カルボン酸メチルエステルから5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-カルボン酸を調製するのに使用した方法と類似の方法によって生成した。
【表15】

【0343】
合成30
4-(2-ニトロ-フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロ-ピリジン塩酸塩
【化40】

【0344】
4-(2-ニトロフェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.45g)を、塩化水素のジオキサン溶液(4N、4mL)に溶解した。50℃で0.5時間撹拌した後、溶媒を蒸発によって除去し、残渣をジエチルエーテルと研和して、標題化合物を白色固体として得た(0.29g)。LCMSm/z205.2[M+H]+。R.T.=3.80分(分析方法4)。
【0345】
合成31
1-[4-(2-ニトロ-フェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル]エタノン
【化41】

【0346】
4-(2-ニトロ-フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロ-ピリジン塩酸塩(0.44g、1.8mmol)を、ピリジン(0.4mL)及びDCM(20mL)の溶液に溶解した。塩化アセチル(0.142mL)を添加し、混合物を0.5時間撹拌した。混合物をDCM(20mL)で希釈し、有機溶液を水で洗浄し、次いで1N塩酸で洗浄した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去して、標題化合物をオレンジ色の油として得た(0.4g)。LCMSm/z247.4[M+H]+。R.T.=3.70分(分析方法4)。
【0347】
合成32
1-[4-(2-アミノ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]-エタノン
【化42】

【0348】
1-[4-(2-ニトロ-フェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル]エタノン(0.43g、1.8mmol)を、ギ酸アンモニウム(1.13g、18mmol)のIMS(20mL)及び水(20mL)溶液に溶解した。次いで、炭素上パラジウム(10%w/w、0.2g)を添加し、混合物を1時間加熱還流した。溶液を濾過し、次いで溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解し、得られた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去して、標題化合物を薄いピンク色の油として得た(0.3g)。LCMSm/z219.38[M+H]+。R.T.=2.29分(分析方法4)。
【0349】
合成33
1-[4-(2-クロロ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]-エタノン
【化43】

【0350】
1-[4-(2-アミノ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]-エタノン(0.3g、1.38mmol)を塩酸溶液(6N、6mL)に溶解し、0℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(0.097g、1.4mmol)の水(1mL)溶液を滴下添加し、混合物を1時間撹拌した。得られた溶液を、塩化銅(I)(0.35g、3.5mmol)の塩酸溶液(6N、6mL)に滴下添加した。混合物を室温に温め、次いで水(20mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル中に抽出した。有機溶液を水(20mL)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去して、標題化合物をオレンジ色の油として得た(0.2g)。LCMSm/z238.2[M+H]+。R.T.=4.30分(分析方法4)。
【0351】
合成34
4-(2-クロロ-フェニル)-ピペリジン塩酸塩
【化44】

【0352】
1-[4-(2-クロロ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]-エタノン(0.2g)を、水酸化ナトリウム水溶液(1N、5mL)及びエタノール(10mL)溶液に溶解し、50℃にして6時間加熱した。溶媒を真空下で蒸発によって除去し、生成物を酢酸エチル中に抽出し、水(20mL)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を塩化水素のジオキサン溶液(4N、1mL)に溶解し、溶媒を蒸発させて、標題化合物を薄黄色固体として得た(0.12g)。LCMSm/z196.1[M+H]+。R.T.=2.46分(分析方法4)。
【0353】
合成35
4-(2-ヒドロキシメチル-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
【化45】

【0354】
水酸化アルミニウムリチウム(0.026g、0.7mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥THF(1mL)に懸濁させ、氷浴中で冷却した。4-(2-メトキシカルボニル-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.27g、0.7mmol)の乾燥THF(2mL)溶液を滴下添加し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(5mL)で希釈し、塩酸(1N、5mL)でクエンチした。有機溶液を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去して、標題化合物を無色ガムとして得た(0.13g)。LCMSm/z292.0[M+H]+。R.T.=4.57分(分析方法4)。
【0355】
合成36
(2-ピペリジン-4-イル-フェニル)-メタノール塩酸塩
【化46】

【0356】
4-(4-(2-ヒドロキシメチル-フェニル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.13g、0.44mmol)を、塩化水素のジオキサン溶液(4N、2mL)に溶解した。混合物を1時間撹拌し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。固体をエーテルと研和して、標題化合物を白色固体として得た(0.08g)。LCMSm/z192.2[M+H]+。R.T.=0.72分(分析方法4)。
【0357】
合成37
1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-4-オール
【化47】

【0358】
1-ベンジル-4-ピペリドン(26.5mmol、5g)のTHF(50mL)溶液を-15℃に冷却し、メチルマグネシウムブロミドのエーテル溶液(3M、22mL)を添加した。混合物を0.5時間撹拌し、次いで室温に温めた。飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を添加し、生成物を酢酸エチル中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去して、標題化合物を薄黄色固体として得(5.0g)、それをさらなる精製なしに直接使用した。
【0359】
合成38
1-ベンジル-4-(2-クロロ-フェニル)-4-メチルピペリジン
【化48】

【0360】
1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-4-オール(4.5g)をクロロベンゼン(50mL)に溶解した。三塩化アルミニウム(15g)を少しずつ添加し、次いで混合物を0.5時間加熱還流した。次いで混合物を冷却し、氷上に注いだ。得られた溶液を、塩基性になるまで水酸化ナトリウムで処理し、生成物を酢酸エチル中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、シリカクロマトグラフィーによって酢酸エチル及びヘキサンの混合物で溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を混合し、溶媒を蒸発によって除去して、標題化合物及び1-ベンジル-4-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-ピペリジンの4:1混合物を得、それをさらなる精製なしに直接使用した。
【0361】
合成39
4-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-ピペリジン
【化49】

【0362】
1-ベンジル-4-(2-クロロ-フェニル)-4-メチルピペリジン及び1-ベンジル-4-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-ピペリジン(1.6g)の混合物をメタノール(30mL)に溶解し、クロロギ酸1-クロロエチル(0.9mL)を添加した。混合物を10分間加熱還流し、冷却した。溶媒を真空下で蒸発によって除去し、残渣を酢酸エチルからエーテルと共に沈殿させて、標題化合物及び4-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-ピペリジンの4:1混合物を得、それをさらなる精製なしに直接使用した。LCMSm/z210.2[M+H]+。R.T.=2.64分(分析方法4)。
【0363】
合成40
4-(2-クロロ-フェニル)-4-シアノ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
【化50】

【0364】
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、1.28g、45mmol)をDMF(20mL)に懸濁させ、氷浴中、窒素雰囲気下で冷却した。DMF(5mL)中(2-クロロ-フェニル)-アセトニトリル(1.77g、11.7mmol)をゆっくり添加し、混合物を2時間撹拌した。次いで、DMF(5mL)中ビス-(2-クロロ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(3.3g、11.1mmol)を添加し、混合物を75℃にして6時間加熱した。溶媒を真空下で蒸発によって除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解し、水に次いでブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。残渣を、シリカクロマトグラフィーによって酢酸エチル及びヘキサンの混合物で溶出して精製した。所望の生成物を含有する画分を混合し、溶媒を蒸発によって除去して、標題化合物(compund)をオレンジ色のガムとして得た(1.1g)。LCMSm/z321.0[M+H]+。R.T.=4.76分(分析方法4)。
【0365】
合成41
4-(2-クロロ-フェニル)-ピペリジン-4-カルボニトリル塩酸塩
【化51】

【0366】
4-(2-クロロ-フェニル)-4-シアノ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.25g、0.78mmol)を、塩化水素のジオキサン溶液(4N、1mL)に溶解した。混合物を1時間撹拌し、溶媒を真空下で蒸発によって除去した。固体をエーテルと研和して、標題化合物を黄色固体として得た(0.178g)。LCMSm/z221.2[M+H]+。R.T.=2.18分(分析方法4)。
【0367】
合成42
3-(2-クロロ-フェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール
【化52】

【0368】
8-ベンジル-3-(2-クロロ-フェニル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(0.30g、0.93mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、クロロギ酸1-クロロエチル(0.14mL)を添加した。混合物を6時間加熱還流し、冷却した。溶媒を真空下で蒸発によって除去し、残渣を酢酸エチルからエーテルと共に沈殿させて、白色固体を得た(0.12g、56%)。LCMSm/z287.2[M+H]+。R.T.=1.96分(分析方法4)。
【0369】
合成43
(8-フルオロ-8-フェニル-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチ-3-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]メタノン(AA-39)
【化53】

【0370】
DCM(2mL)中(8-ヒドロキシ-8-フェニル-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチ-3-イル)-[5-(1H-ピラゾール-4-イル)-チオフェン-3-イル]メタノン(0.05g、0.12mmol)を、窒素雰囲気下で-78℃に冷却した。ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.05mL)を添加し、混合物を0.25時間撹拌し、1時間かけて室温に温めた。混合物をDCMで希釈し、水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発によって除去した。残渣を逆相HPLCによって精製し、所望の生成物を含有する画分を混合し、溶媒を凍結乾燥によって除去して、標題化合物を白色固体として得た(0.02g)。LCMSm/z382.1[M+H]+。RT.=4.25分(分析方法2)。
【0371】
生物学的方法
細胞のインビトロ11β-HSD1酵素阻害アッセイ
化合物を、以下のプロトコルに従って実施したシンチレーション近接アッセイ(SPA)によって評価した。
【0372】
ヒト11β-HSD1酵素をコードする全長遺伝子を含有する構築物をHEK293細胞に安定にトランスフェクトして、HEK293/11β-HSD1細胞を作製した。10%子牛胎児血清、1%グルタミン、並びに1%ペニシリン及びストレプトマイシンを含有するDMEM中で、細胞を常法に従って培養した。アッセイの前に、ポリ-D-Lysでコーティングした96ウェル平底マイクロプレートに細胞を、1ウェル当たり細胞2×104個でプレーティングし、5%CO2、95%O2中、37℃で24時間インキュベートした。各ウェル中の培地を、アッセイ直前に除去した。
【0373】
試験すべき化合物を10mMでDMSOに溶解し、10%DMSOを含有する水で連続希釈した。希釈した化合物を、体積10μLで96ウェルV底マイクロプレートのウェルに添加した。DMEM、1%グルタミン、1%ペニシリン及びストレプトマイシン、並びに22nMのトリチウム標識化コルチゾンの溶液を調製し、90μLをアッセイプレートの各ウェルに添加した。この溶液(100μL/ウェル)を、細胞を含有するプレートに移した。次いでプレートを、5%CO2、95%O2中、37℃で2時間インキュベートした。
【0374】
このインキュベーション後、アッセイ溶液50μLを、96ウェルシンチレーションマイクロプレートの各ウェルに移した。アッセイバッファー(50mMのトリスHCl、pH7.0;300mMのNaCl;1mMのEDTA、5%グリセロール)中、抗コルチゾール抗体と予め混合した抗マウスYSi SPAビーズからなる混合物を調製し、50μLをシンチレーションマイクロプレートの各ウェルに添加した。マイクロプレートに粘着シートを貼り、プレートを、室温で少なくとも2時間穏やかに撹拌し、次いで低速遠心分離機で手短にスピンした。プレートを、96ウェルマイクロプレートに適したシンチレーションカウンターで読み取った。阻害率(%)の算出のために、アッセイ最大値及びアッセイ最小値を表す一連のウェルをプレートに追加した。一方の組は、基質を含有し細胞を含まず(最小)、もう一方の組は、基質及び細胞を含有し化合物を含んでいなかった(最大)。
【0375】
化合物に関する阻害濃度(IC50)中央値の算出を、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェアを使用して実施した。各化合物の用量反応曲線を分画阻害としてプロットし、データを四つのパラメータのロジスティック方程式にフィットさせた。
【0376】
細胞のインビトロ11β-HSD2酵素阻害アッセイ
11β-HSD2の阻害の測定のために、ヒト11β-HSD2をコードする全長遺伝子を安定にトランスフェクトしたCHO細胞を使用した。アッセイは、1ウェル当たり細胞1×105個を含有する96ウェルマイクロプレートで実施した。対照及び化合物を前述の通りプレーティングした結果、各ウェル中の最終的なDMSO濃度は1%であった。アッセイを開始するために、1%グルタミン、1%ペニシリン及びストレプトマイシン、並びに22nMのトリチウム標識化コルチゾールを含有するHAMS F-12培地の溶液90μLを、アッセイプレートの各ウェルに添加した。次いでプレートを、5%CO2、95%O2中、37℃で16時間インキュベートした。
【0377】
アッセイ溶液をガラス管に移し、酢酸エチル20μLを各管に添加した。各管を十分にボルテックスし、トリチウム標識化ステロイドを含有する上層を、新しいガラス管に移した。窒素ガス流の下で管を65℃の加熱ブロックに入れることによって、溶媒を蒸発させた。エタノール20μLを、乾燥させた試料のそれぞれに添加し、手短にボルテックスした。各試料を、シリカTLCプレートに適用し、プレートを乾燥させた。プレートを、92%クロロホルム:8%エタノールを含有するガラス槽に垂直に入れて、溶媒がプレートを上昇できるようにした。プレートを乾燥させ、イメージングカセットに入れ、トリチウムイメージングプレートと1〜2日間オーバーレイさせた。各試料における酵素阻害量を、ホスフォイメージャーを使用して基質及び生成物スポットの強度を測定することによって決定した。
【0378】
阻害剤のIC50値を、11β-HSD1について記載した通りに決定した。
【0379】
インビトロでのヒト肝臓ミクロソーム安定性アッセイ
化合物のインビボ代謝を予測するために、ヒト肝臓ミクロソームを用いてインビトロでインキュベートした化合物の安定性を決定した。ヒト肝臓ミクロソーム調製物を-80℃で保存し、使用前に氷上で解凍した。解凍したミクロソームを、50mMリン酸ナトリウム、pH7.4で2mg/mLの濃度まで希釈した。参照化合物及び試験化合物を、100%DMSO中10mMの原液として調製し、使用前にアセトニトリルで1mMに希釈した。各化合物を、以下の通り三重に試験した。
【0380】
試験化合物又は参照化合物4μLを、24-ウェルマイクロプレートのウェル1個に添加し、4mMのNADPH0.5mLを添加した。次いで、プレートを振とう機に移して、室温で10分間振とうさせた。化合物/NADPH溶液30μLを、96ウェルマイクロプレートのウェルに移し、37℃で5分間インキュベートした。ヒト肝臓ミクロソーム30μL(37℃で5分間、予めインキュベートした)を、化合物/NADPH溶液を含有するウェルに添加し、選択された期間(一般に0分又は30分)にわたって、プレートをインキュベートした。氷冷した300μMのトリクロロ酢酸60μLを添加することによって、反応を停止させた。プレートを、室温で5分間、1000rpmで遠心分離機にかけ、質量分析のために、新しい96ウェルv底マイクロプレートのウェルに上清を移した。
【0381】
試料を、TSQ Quantum Discoveryタンデム質量分析計及びSurveyor液体クロマトグラム(Thermo、Hemel-Hempstead、UK)によって分析した。各試料10μLを、60%:40%のメタノール:5mM酢酸アンモニウムからなる移動相に、流速0.5mL/分で注入した。使用したカラムは、粒径5μmのBDS hypersil、C18、50×2.1mmであった。
【0382】
各化合物を、スプレー電位3000V及び毛管温度300℃で調整し、結像レンズ(tube lens)、CID及び生成物イオンの値を決定した。
【0383】
各化合物のピーク面積を、0分及び30分の試料について三重に測定し、それぞれの平均を報告した。30分後の試料の平均ピーク面積を0分の平均ピーク面積で割ったものとして、30分後の残り(%)を算出した。RSDは、各化合物につき10%以下であった。
【0384】
ラットにおける薬物動態
特定の化合物の薬物動態を、雄性Sprague Dawleyラットへの静脈内(1mg/kg)及び経口(10mg/kg)投与後に決定した。投与用溶液は、各化合物を2%DMSO、38%PEG-400及び60%(0.9%)NaClと混合することによって調製した。溶液を、投与前に0.2μmフィルターを通過させた。
【0385】
投与後の適切な時点で、外側尾静脈から血液試料を収集し、EDTAで予め処理した管に移した。血液試料を、親化合物についてLCMSによって分析し、親化合物の残量を決定した。WinNonlin(商標)ソフトウェアを使用して、データに対して非コンパートメント解析を行って、各化合物について薬物動態パラメータを決定した。
【0386】
生物学的データ
細胞のインビトロ酵素阻害データ
以下の化合物AA-01〜AA-41及びBB-01〜BB-15を、前述の細胞のインビトロ酵素阻害アッセイを使用して試験した。
【0387】
試験した化合物のすべてが、11β-HSD1に対して約10μM未満のIC50を有する。化合物の多くが、11β-HSD1に対して約1μM未満のIC50を有する。化合物の多くが、11β-HSD1に対して約500nM未満のIC50を有する。
【0388】
一般に、11β-HSD1に対する11β-HSD2のIC50比は、少なくとも約5以上であり、多くの場合10以上である。例えば、化合物のいくつかに関するデータを、以下の表に示す。
【表16】

【0389】
以下の化合物は、11β-HSD1(HEK293)に対して500nM(0.5μM)以下のIC50を有する:AA-01、AA-02、AA-04、AA-05、AA-06、AA-07、AA-08、AA-09、AA-11、AA-12、AA-13、AA-14、AA-15、AA-16、AA-18、AA-21、AA-22、AA-23、AA-24、AA-25、AA-26、AA-27、AA-28、AA-29、AA-30、AA-31、AA-33、AA-34、AA-36、AA-37、AA-38、AA-40、BB-03、BB-04、BB-05、BB-07、BB-08、BB-09、BB-12、BB-14及びBB-15。
【0390】
以下の化合物は、11β-HSD1(HEK293)に対して500nM(0.5μM)を超え、1000nM(1μM)以下のIC50を有する:AA-03、AA-17、AA-32、AA-35、BB-01、BB-06、BB-10、BB-11及びBB-13。
【0391】
以下の化合物は、11β-HSD1(HEK293)に対して1000nM(1.0μM)を超え、10μM以下のIC50を有する:AA-10、AA-19、AA-20、AA-39、AA-41及びBB-02。
【0392】
ヒト肝臓ミクロソーム安定性データ
化合物のいくつかに関するデータを、以下の表に示す。
【表17】

【0393】
インビボ投与された化合物は、通常は、主に肝臓で生じる代謝を受け、腸ではそれほど代謝されない。化合物の代謝では、一般に極性種が生成され、親化合物よりも急速に身体から除去される。体内の化合物濃度を増大するためのある方法は、肝臓(及び腸)でのその代謝を緩徐し、したがって身体からのそのクリアランスを低減するものである。化合物が経口投与され、腸壁で代謝が生じる場合、化合物の代謝を緩徐すると、腸によるその吸収が増大し、したがって経口生体利用能を高めることもできる。代謝安定性を増大し、化合物のクリアランスを低減することは、体内の化合物レベルを維持する一助になり、化合物の作用期間を延長することができるため望ましいことである。
【0394】
ヒト肝臓ミクロソームを用いた化合物のインキュベーションは、一般に、インビボでの化合物の代謝を予測するために使用される。高いミクロソーム安定性を有する化合物は、インビボでの改善された薬物動態プロファイルと相関することが多いため、一般に好ましい。
【0395】
ヒトミクロソーム安定性アッセイで試験したPPPT化合物の大部分は、高いミクロソーム安定性を有している(親化合物61〜100%が残存)。中程度のミクロソーム安定性(親化合物の31〜60%が残存)を有する化合物は少なく、低いミクロソーム安定性(0〜30%)を有する化合物はさらに少ない。
【0396】
ラットの薬物動態データ
化合物のいくつかに関するデータを、以下の表に示す。
【表18】

【0397】
試験したPPPT化合物の大部分のラットにおける生体利用能(F%)は、30%を超えている。
【0398】
前述によって、本発明の原理、好ましい実施形態及び操作方法を説明してきた。しかし、本発明は、論じた特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、前述の実施形態は、制限的なものではなく例示的なものとみなされるべきであり、当業者によって本発明の範囲から逸脱せずに諸変更がこれらの実施形態になされ得ることを理解されたい。
【0399】
参考文献
先のいくつかの刊行物は、本発明及び本発明が関連する技術分野の状況をより完全に記載し、開示するために引用されている。これらの参考文献に関するすべての引用を、以下に記載する。本明細書ではこれらの参考文献のそれぞれは、それぞれ個々の参考文献が参照によって組み込まれることがあたかも具体的に個々に示されるのと同程度に、その全体が参照によって本開示に組み込まれる。
【0400】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式の化合物並びに薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物から選択される化合物
【化1】

[式中、
-Wは、独立に、-Yであり、
-Yは、独立に、-Y1、-Y2、-Y3、-Y4又は-Y5であり、
-Y1は、独立に、-OHであり、
-Y2は、独立に、-Y2A、-Y2B又は-Y2Cであり、
-Y3は、独立に、-Y3A、-Y3B又は-Y3Cであり、
-Y4は、独立に、-F、-Cl、-Br又は-Iであり、
-Y5は、独立に、-CNであり、
-Y2Aは、独立に、-ORYAであり、
-Y2Bは、独立に、-ORYBであり、
-Y2Cは、独立に、-ORYCであり、
-Y3Aは、独立に、-RYAであり、
-Y3Bは、独立に、-RYBであり、
-Y3Cは、独立に、-RYCであり、
各-RYAは、独立に、飽和脂肪族C1〜6アルキルであり、
各-RYBは、独立に、飽和脂肪族ハロ-C1〜6アルキルであり、
各-RYCは、独立に、飽和脂肪族ヒドロキシ-C1〜6アルキルであり、
-J1、-J2、-J3及び-J4のそれぞれは、-Hであり、
又は-J2及び-J4のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J3は、一緒になって、-CH2-若しくは-CH2CH2-を形成し、
又は-J1及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J2及び-J4は、一緒になって、-CH2-若しくは-CH2CH2-を形成し、
又は-J2及び-J3のそれぞれは、-Hであり、-J1及び-J4は、一緒になって、-CH2-若しくは-CH2CH2-を形成し、
-RNは、独立に、-H又は-RNNであり、
-RNNは、独立に、飽和脂肪族C1-6アルキルであり、
-RB1は、独立に、-H又は-RBBであり、
-RB2は、独立に、-H又は-RBBであり、
各-RBBは、独立に、-RBB1、-RBB2又は-RBB3であり、
各-RBB1は、独立に、飽和脂肪族C1〜6アルキルであり、-F、-OH、-ORBBB、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-NH2、-NHRBBB及び-NRBBB2から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、各-RBBBは、独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、
各-RBB2は、独立に、-F、-Cl、-Br又は-Iであり、
各-RBB3は、独立に、-CNであり、
nは、独立に、0、1、2、3、4又は5であり、
各-RFは、独立に、-RZ、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-OH、-ORZ、-OCF3、-SRZ、-S(=O)2RZ又は-CNであり、
各-RZは、独立に、飽和脂肪族C1〜6アルキルであり、-F、-Cl、-OH、-ORZZ、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、各-RZZは、独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルである]。
【請求項2】
-Yが、独立に、-Y1、-Y2、-Y3又は-Y4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
-Yが、独立に、-Y1、-Y2又は-Y3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
-Yが、独立に、-Y1又は-Y2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
-Yが、独立に、-Y1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
-Yが、独立に、-Y2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
-Yが、独立に、-Y3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
-Yが、独立に、-Y4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
-Yが、独立に、-Y5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
-Y2が、存在する場合には独立に、-Y2A又は-Y2Bである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
-Y2が、存在する場合には独立に、-Y2Aである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
-Y2が、存在する場合には独立に、-Y2Bである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
-Y2が、存在する場合には独立に、-Y2Cである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
-Y3が、存在する場合には独立に、-Y3A又は-Y3Bである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
-Y3が、存在する場合には独立に、-Y3Aである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
-Y3が、存在する場合には独立に、-Y3Bである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
-Y3が、存在する場合には独立に、-Y3Cである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
-Y4が、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-Brである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
-Y4が、存在する場合には独立に、-F又は-Clである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
-Y4が、存在する場合には独立に、-Fである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
-Y4が、存在する場合には独立に、-Clである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
-Y4が、存在する場合には独立に、-Brである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
-Y4が、存在する場合には独立に、-lである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
各-RYAが、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルである、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
各-RYAが、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
各-RYAが、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr又は-iPrである、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
各-RYAが、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
各-RYAが、存在する場合には独立に、-Meである、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
各-RYBが、存在する場合には独立に、飽和脂肪族ハロC1〜4アルキルである、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
各-RYBが、存在する場合には独立に、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CH2CF3、-CH2CHF2、-CH2CH2F又は-CF2CF3である、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
各-RYBが、存在する場合には独立に、-CF3、-CHF2、-CH2F又は-CH2CF3である、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
各-RYBが、存在する場合には独立に、-CF3又は-CHF2である、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
各-RYBが、存在する場合には独立に、-CF3である、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
各-RYCが、存在する場合には独立に、飽和脂肪族ヒドロキシC1〜4アルキルである、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
各-RYCが、存在する場合には独立に、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CH2CH2OH、-CH(CH3)2OH又は-CH2CH2CH2CH2OHである、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
各-RYCが、存在する場合には独立に、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CH2CH2OH又は-CH2CH2CH2CH2OHである、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
各-RYCが、存在する場合には独立に、-CH2OH、-CH2CH2OH又は-CH2CH2CH2OHである、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
各-RYCが、存在する場合には独立に、-CH2OHである、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
-J1、-J2、-J3及び-J4のそれぞれが、-Hである、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項40】
-J2及び-J4のそれぞれが、-Hであり、-J1及び-J3が一緒になって、-CH2-又は-CH2CH2-を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
-J2及び-J4のそれぞれが、-Hであり、-J1及び-J3が一緒になって、-CH2-を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
-J2及び-J4のそれぞれが、-Hであり、-J1及び-J3が一緒になって、-CH2CH2-を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
-J1及び-J3のそれぞれが、-Hであり、-J2及び-J4が一緒になって、-CH2-又は-CH2CH2-を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項44】
-J1及び-J3のそれぞれが、-Hであり、-J2及び-J4が一緒になって、-CH2を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
-J1及び-J3のそれぞれが、-Hであり、-J2及び-J4が一緒になって、-CH2CH2-を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項46】
-J2及び-J3のそれぞれが、-Hであり、-J1及び-J4が一緒になって、-CH2-又は-CH2CH2-を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項47】
-J2及び-J3のそれぞれが、-Hであり、-J1及び-J4が一緒になって、-CH2-を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項48】
-J2及び-J3のそれぞれが、-Hであり、-J1及び-J4が一緒になって、-CH2CH2-を形成する、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項49】
-RNが、独立に、-Hである、請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項50】
-RNが、独立に、-RNNである、請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項51】
-RNNが、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルである、請求項1から50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
-RNNが、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである、請求項1から50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項53】
-RNNが、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである、請求項1から50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項54】
-RB1が、独立に、-H又は-RBBであり、
-RB2が、独立に、-Hである、
請求項1から53のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項55】
-RB1が、独立に、-Hであり、
-RB2が、独立に、-H又は-RBBである、
請求項1から53のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項56】
-RB1が、独立に、-Hであり、
-RB2が、独立に、-Hである、
請求項1から53のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項57】
-RB1が、独立に、-RBBであり、
-RB2が、独立に、-RBBである、
請求項1から53のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項58】
各-RBBが、存在する場合には独立に、-RBB1又は-RBB2である、請求項1から57のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項59】
各-RBBが、存在する場合には独立に、-RBB1又は-RBB3である、請求項1から57のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項60】
各-RBBが、存在する場合には独立に、-RBB2又は-RBB3である、請求項1から57のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項61】
各-RBBが、存在する場合には独立に、-RBB1である、請求項1から57のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項62】
各-RBBが、存在する場合には独立に、-RBB2である、請求項1から57のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項63】
各-RBBが、存在する場合には独立に、-RBB3である、請求項1から57のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項64】
各-RBB1が、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-OH、-ORBBB、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-NH2、-NHRBBB及び-NRBBB2から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい、請求項1から63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項65】
各-RBB1が、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-OH、-ORBBB、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい、請求項1から63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項66】
各-RBB1が、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-OH及び-ORBBBから選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい、請求項1から63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項67】
各-RBB1が、存在する場合には独立に、非置換飽和脂肪族C1〜4アルキルである、請求項1から63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項68】
各-RBB1が、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである、請求項1から63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項69】
各-RBB1が、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである、請求項1から63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項70】
各-RBB1が、存在する場合には独立に、-Meである、請求項1から63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項71】
各-RBB2が、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-Brである、請求項1から70のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項72】
各-RBB2が、存在する場合には独立に、-F又は-Clである、請求項1から70のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項73】
各-RBB2が、存在する場合には独立に、-Fである、請求項1から70のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項74】
各-RBB2が、存在する場合には独立に、-Clである、請求項1から70のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項75】
各-RBBBが、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである、請求項1から74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項76】
各-RBBBが、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである、請求項1から74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項77】
nが、独立に、0、1、2又は3である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項78】
nが、独立に、0、1又は2である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項79】
nが、独立に、0又は1である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項80】
nが、独立に、0である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項81】
nが、独立に、1、2又は3である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項82】
nが、独立に、1又は2である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項83】
nが、独立に、1である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項84】
nが、独立に、2である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項85】
nが、独立に、3である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項86】
nが、独立に、4である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項87】
nが、独立に、5である、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項88】
各-RFは、存在する場合には独立に、-RZ、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-OH、-ORZ、-OCF3、-SRZ、-S(=O)2RZ又は-CNである、請求項1から87のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項89】
各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl、-Me、-Et、-OH、-OMe、-OEt、-CF3、-OCF3又は-CNである、請求項1から87のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項90】
各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl、-CF3、-OMe又は-CNである、請求項1から87のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項91】
各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-CF3である、請求項1から87のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項92】
各-RZは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-Cl、-OH、-ORZZ、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい、請求項1から91のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項93】
各-RZは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-Cl、-OH及び-ORZZから選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい、請求項1から91のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項94】
各-RZは、存在する場合には独立に、非置換飽和脂肪族C1〜4アルキルである、請求項1から91のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項95】
各-RZは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである、請求項1から91のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項96】
各-RZは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである、請求項1から91のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項97】
各-RZZは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである、請求項1から88、92及び93のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項98】
各-RZZは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである、請求項1から88、92及び93のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項99】

【化2】

が、
【化3】

であり、
各-RFが、独立に、-RZ、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-OH、-ORZ、-OCF3、-SRZ、-S(=O)2RZ又は-CNであり、
各-RZが、独立に、飽和脂肪族C1〜6アルキルであり、-F、-Cl、-OH、-ORZZ、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、各-RZZが、独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルである、請求項1から76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項100】
各-RFは、存在する場合には独立に、-RZ、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-OH、-ORZ、-OCF3又は-CNである、請求項99に記載の化合物。
【請求項101】
各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl、-Me、-Et、-OH、-OMe、-OEt、-CF3、-OCF3又は-CNである、請求項99に記載の化合物。
【請求項102】
各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl、-CF3、-OMe又は-CNである、請求項99に記載の化合物。
【請求項103】
各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-CF3である、請求項99に記載の化合物。
【請求項104】
各-RFは、存在する場合には独立に、-F、-Cl又は-Meである、請求項99に記載の化合物。
【請求項105】
各-RZは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-Cl、-OH、-ORZZ、-OCH2F、-OCHF2及び-OCF3から選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい、請求項99又は100に記載の化合物。
【請求項106】
各-RZは、存在する場合には独立に、飽和脂肪族C1〜4アルキルであり、-F、-OH及び-ORZZから選択される一つ又は複数の置換基で置換されていてもよい、請求項99又は100に記載の化合物。
【請求項107】
各-RZは、存在する場合には独立に、非置換飽和脂肪族C1〜4アルキルである、請求項99又は100に記載の化合物。
【請求項108】
各-RZは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである、請求項99又は100に記載の化合物。
【請求項109】
各-RZは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである、請求項99又は100に記載の化合物。
【請求項110】
各-RZZは、存在する場合には独立に、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu又は-tBuである、請求項99、100、105及び106のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項111】
各-RZZは、存在する場合には独立に、-Me又は-Etである、請求項99、100、105及び106のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項112】
次式の化合物AA-01〜AA-041並びに薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項113】
請求項1から112のいずれか一項の化合物及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項114】
請求項1から112のいずれか一項の化合物を薬学的に許容される担体又は賦形剤と混合するステップを含む、医薬組成物の調製方法。
【請求項115】
細胞を有効量の請求項1から112のいずれか一項に記載の化合物と接触させるステップを含む、前記細胞における11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の機能をインビトロ又はインビボで阻害する方法。
【請求項116】
療法によってヒト又は動物の身体を治療する方法で使用するための、請求項1から112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項117】
療法による11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害によって緩和されるヒト又は動物の身体の障害の治療又は予防方法において使用するための、請求項1から112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項118】
11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害によって緩和されるヒト又は動物の身体の障害の治療又は予防のための医薬品の製造における、請求項1から112のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項119】
治療上有効な量の請求項1から112のいずれか一項に記載の化合物を、治療を必要としている対象に投与するステップを含む、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害によって緩和されるヒト又は動物の身体の障害を治療又は予防する方法。
【請求項120】
前記治療が、
(1)クッシング症候群、
(2)2型糖尿病及び耐糖能障害、
(3)筋強直性ジストロフィー、プラダーウィリー、リポジストロフィー、多嚢胞性卵巣症候群、胃腸管の糖尿病等のインスリン抵抗性症候群、
(4)肥満及び体重過多、
(5)脂質異常症を含む脂質障害、
(6)心筋梗塞及び末梢血管疾患を含むアテローム性動脈硬化症及びその続発症、
(7)メタボリック症候群、
(8)脂肪性肝炎/脂肪肝及び非アルコール性脂肪性肝疾患、
(9)2型糖尿病、糖不耐性及び老化、並びに精神障害及び統合失調症前症における認知機能障害、
(10)アルツハイマー病などの認知症、多発脳梗塞性認知症、レビー小体認知症、前頭側頭型認知症(ピック病を含む)、進行性核上性麻痺、コルサコフ症候群、ビンスワンガー病、HIV関連認知症、クロイツフェルトヤコブ病(CJD)、多発性硬化症、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ニーマンピック病C型、正常圧水頭症及びダウン症候群、
(11)軽度認知障害(認知機能障害、非認知症);
(12)膵疾患のβ細胞機能障害、
(13)緑内障、
(14)不安症、
(15)うつ病及び他の感情障害、一般的な(憂うつ性)及び非定型うつ病、気分変調症、分娩後うつ病、双極性感情障害、薬物誘発性感情障害、不安症、外傷後ストレス障害、パニック、恐怖症、
(16)せん妄及び急性錯乱状態、
(17)炎症性疾患、
(18)骨粗鬆症、
(19)心筋梗塞(例えば、心筋梗塞後の左心室機能障害を予防するため)、又は
(20)脳卒中(例えば、心血管発作後の虚血性ニューロン欠損を制限するため)
の治療又は予防である、請求項117に記載の化合物、請求項118に記載の使用、又は請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記治療が、
(1)高血糖症、
(2)糖不耐性及び耐糖能障害、
(3)インスリン抵抗性、
(4)高脂血症、
(5)高トリグリセリド血症、
(6)高コレステロール血症、
(7)低HDLレベル、
(8)高LDLレベル、
(9)血管再狭窄、
(10)腹部肥満、
(11)神経変性疾患、
(12)網膜症、
(13)神経障害、
(14)高血圧、又は
(15)インスリン抵抗性が構成要素となる他の疾患
の治療又は予防である、請求項117に記載の化合物、請求項118に記載の使用、又は請求項119に記載の方法。
【請求項122】
前記治療が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、皮膚疾患、関節リウマチ及び他の関節症、炎症性腸疾患、並びに巨細胞関節炎/リウマチ性多発筋痛などの炎症性疾患を治療するために使用されるグルココルチコイドの有害作用の治療又は予防である、請求項117に記載の化合物、請求項118に記載の使用、又は請求項119に記載の方法。
【請求項123】
前記治療が、2型糖尿病及び肥満などの障害、並びにインスリン抵抗性、高血圧、脂質障害、及び虚血性(冠動脈)心疾患などの心血管障害を含む関連障害を含むメタボリック症候群の治療又は予防である、請求項117に記載の化合物、請求項118に記載の使用、又は請求項119に記載の方法。
【請求項124】
前記治療が、アルツハイマー病を含む軽度認知障害及び初期認知症などのCNS障害の治療又は予防である、請求項117に記載の化合物、請求項118に記載の使用、又は請求項119に記載の方法。

【公表番号】特表2013−504613(P2013−504613A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529335(P2012−529335)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001732
【国際公開番号】WO2011/033255
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(510244592)ザ ユニバーシティ オブ エディンバラ (1)
【Fターム(参考)】