説明

2−フェニル−5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾールおよびニコチン性アセチルコチン受容体リガンドとしてのその使用

本発明は、薬理活性を有する式(I)の新規なオキサジアゾール誘導体、その製法、それを含有する組成物、およびニコチン性α7受容体の変調による神経障害、精神障害および胃腸障害の治療におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬理活性を有する新規なオキサジアゾール誘導体、その製法、それを含有する組成物、および神経障害、精神障害および胃腸障害の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)は、中枢神経系および末梢神経系に広く発現するカチオン特異的興奮性リガンド依存性チャネルである。今日までに、16個の哺乳動物nAChRサブユニット遺伝子がクローン化されている。すなわち、筋肉受容体サブユニットをコードしている5つ、およびニューロン受容体サブユニットをコードしている11個である。ニコチン性α7受容体サブユニットは、主に、哺乳動物の中枢神経系(CNS)において発現し、ここでは、機能的ホモ5量体複合体として集合すると考えられている。また、それは、交感神経系、免疫細胞およびGI管を包含する末梢組織においても発現する。選択的アゴニストまたは内在性リガンドアセチルコチンによるニューロンのニコチン性α7受容体の活性化は、グルタメート、GABA、ドーパミンおよびノルアドレナリンを包含する種々の神経伝達物質の放出を調節することができ、かくして、神経学的機能の範囲を変調する可能性を有する。さらに、イン・ビボでの研究は、α7nAChRアゴニストが、認識に関与する皮質および海馬などの脳領域において神経伝達物質放出を調節することができることを示した(Paterson Dら、(2000) Prog Neurobiol 61:75−111)。
【0003】
多くの文献における報告は、放射状アーム迷路(Levin E.D.ら、(1999),Behavioural Pharmacology.10(6−7):675−80)、社会認識(Van Kampen M.ら、(2004)Psychopharmacology.172(4):375−83)、高架式十字迷路/遅延見本見合わせ(delayed matching-to-sample)試験(Briggs C.A.ら、(1997) Pharmacology,Biochemistry & Behavior. 57(1−2):231−41)、能動的回避および放射状アーム迷路(Arendash G.W.ら、(1995) Brain Research. 674(2):252−9)を包含する齧歯類および霊長類認識モデルにおけるα7 nAChRアゴニスト(例えば、GTS−21(3−(2,4−ジメトキシベンジリデン)アナバセイン)、AR−R17779((−)−スピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,5’−オキサゾリジン−2’−オン]4−プロピル−ベンジリデンアナバセイン)およびSSR−180771(4−ブロモフェニル1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボキシレート塩酸塩)の認識促進特性を明らかにした。
【0004】
これらの動物研究と一致して、小規模な臨床試験由来の近年のデータは、α7 nAChR部分的アゴニストGTS−21が健康なボランティアにおいて記憶および注意を促進したことを明らかにする(Kitagawa H.ら、(2003) Neuropsychopharmacology. 28(3):542−51)。さらに、注意パラメーターに対するニコチンの有益な効果もまた、アルツハイマー病(Potter A.およびLevin E.D.(1997) Drugs&Aging.11(3):206−28)、加齢に伴った記憶障害(White H.K.およびLevin E.D.(2004), Psychopharmacology. 171(4):465−71)および注意欠陥障害(Levin E.D.ら、(1996) Psychopharmacology.123(1):55−63)において明らかにされた。α7 nAChRsの活性化は、また、臨床前研究(Simosky J.K.ら、(2001)Biological Psychiatry.50(7):493−500)および小規模臨床研究の両方において、感覚ゲーティング欠損を改善することが報告された。これらのデータは、新規なα7 nAChRアゴニストおよび/または部分アゴニスト、例えば、現存するシリーズが、神経学的および精神障害、例えば、アルツハイマー病、関連する神経変性障害および統合失調症における認識障害の治療に有用であることを示唆する。
【0005】
WO 2004/014370(AstraZeneca ABおよびNPS Pharmaceuticals,Inc)は、化合物および治療におけるその使用を開示する。WO 2005/077373(AstraZeneca ABおよびNPS Pharmaceuticals, Inc)は、一過性下部食道括約筋弛緩の阻害のためのある種の化合物の使用、および胃食道逆流性疾患の治療のためのある種の化合物の使用を開示する。EP560407(Schering Corp)は、医薬活性、すなわち、抗ウイルス活性を有する化合物を開示する。WO2005/087236(Glaxo Group Limited)は、ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニストおよびその使用法を開示する。WO2002/055484(Takeda Chemical Industries)は、血中脂質抑制薬として有用な低密度リポタンパク質受容体の量を増加させるための化合物を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO 2004/014370
【特許文献2】WO 2005/077373
【特許文献3】EP560407
【特許文献4】WO2005/087236
【特許文献5】WO2002/055484
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Paterson Dら、(2000) Prog Neurobiol 61:75−111
【非特許文献2】Levin E.D.ら、(1999),Behavioural Pharmacology.10(6−7):675−80
【非特許文献3】Van Kampen M.ら、(2004)Psychopharmacology.172(4):375−83
【非特許文献4】Briggs C.A.ら、(1997) Pharmacology,Biochemistry & Behavior. 57(1−2):231−41
【非特許文献5】Arendash G.W.ら、(1995) Brain Research. 674(2):252−9
【非特許文献6】Kitagawa H.ら、(2003) Neuropsychopharmacology. 28(3):542−51
【非特許文献7】Potter A.およびLevin E.D.(1997) Drugs&Aging.11(3):206−28
【非特許文献8】White H.K.およびLevin E.D.(2004), Psychopharmacology. 171(4):465−71
【非特許文献9】Levin E.D.ら、(1996) Psychopharmacology.123(1):55−63
【非特許文献10】Simosky J.K.ら、(2001)Biological Psychiatry.50(7):493−500
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第一の態様において、式(I):
【化1】

【0009】
[式中、
Qは、−(CH−を示し、ここに、nは3または4であり;
Raは、水素またはCHを示し;
は、−NHCORを示し;
は、水素、ハロゲンまたはC1−6アルキルを示し;
は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、ハロC1−6アルキル、または−OハロC1−6アルキルを示し;
およびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、あるいは非置換か、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換されている5〜6員の複素環を示すか;または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換されている窒素含有ヘテロシクリル基を形成し;
は、C1−5アルキル、C3−8シクロアルキル、テトラヒドロピラニル、チオフェニル、ピリジル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラニル、−(CHアリールを示し、ここに、フラニル、チオフェニル、ピリジル、オキサゾリル、イソオキサゾリルまたはアリールは、非置換であるか、またはハロ、メチル、CF、OCFおよびOMeから選択される1〜3個の置換基によって置換されることができ、ここに、OMeは、カルボニルに対してオルト位で存在せず、CFは、カルボニルに対してメタまたはパラ位で存在せず;
mは、0または1であり;
但し、Rはイソプロピルではない]
で示される化合物およびその塩を提供する。
【0010】
N−[4−(5−{[3−(ジエチルアミノ)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−4−(メチルオキシ)ベンズアミド、N−(4−{5−[[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)−2−フルオロベンズアミド、2,2−ジメチル−N−[4−(5−{[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]プロパンアミド、N−[4−(5−{[3−(3,3−ジフルオロ−1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−フルオロベンズアミドおよびN−[4−(5−{[3−(ジプロピルアミノ)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−フルオロベンズアミドは、実施例に記載のアルファ7アッセイにおいて活性を有することが見出されなかった。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「C1−6アルキル」なる語は、基または基の一部として本明細書中で使用される場合、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基をいう。かかる基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルまたはヘキシルなどがある。特定の構造が明記されない限り、プロピル、ブチルなどの用語は、適当な数の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖形態の全てを包含する。例えば、プロピルは、n−プロピルおよびイソプロピルを包含する。
【0012】
「C1−6アルコキシ」なる語は、本明細書中で使用される場合、−O−C1−6アルキル基をいい、ここに、C1−6アルキルは本明細書中で定義された通りである。かかる基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシなどがある。アルキルに関しては、特定の構造が明記されない限り、プロポキシ、ブトキシ等の用語は、適当な数の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖形態の全てを包含する。例えば、プロポキシは、n−プロポキシおよびイソプロポキシを包含する。
【0013】
「C3−8シクロアルキル」なる語は、本明細書中で使用される場合、3〜8個の炭素原子からなる飽和単環式炭化水素環をいう。かかる基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルなどがある。
【0014】
「ハロゲン」なる語は、本明細書中で使用される場合、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子をいう。
【0015】
「ハロC1−6アルキル」なる語は、本明細書中で使用される場合、1以上のハロゲン基で置換されたC1−6アルキル基をいい、例えば、CF、CFCHまたはCFCHである。
【0016】
「アリール」なる語は、本明細書中で使用される場合、C6−12単環式または二環式炭化水素環(ここに、少なくとも1つの環は芳香族である)をいう。かかる基の例には、フェニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフチルなどがある。
【0017】
「窒素含有ヘテロシクリル基」なる語は、酸素、窒素および硫黄から選択される1または2個の任意の付加的なヘテロ原子に加えて窒素原子を含有する4−7員単環式飽和または部分的不飽和脂肪族環系、6−9員飽和または部分的不飽和架橋環系、ならびにベンゼン環に縮合した4−7員飽和または部分的不飽和脂肪族環を包含する。かかる単環の適当な例は、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ヘキサヒドロアゼパニル、ヘキサヒドロジアゼパニルおよびホモモルホリニルを包含する。かかる架橋環系の例は、アザビシクロヘプタニルおよびアザビシクロノナニルを包含する。ベンゾ縮合複素環の適当な例は、インドリニル、イソインドリニル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピニルおよびテトラヒドロイソキノリニルを包含する。
【0018】
一の具体例において、Qは(CHを示し、ここに、nは3である。一の具体例において、Qは(CHを示し、ここに、nは4である。
一の具体例において、Raは水素を示す。
一の具体例において、Rは水素を示す。
一の具体例において、Rは、水素、クロロ、フルオロ、CF、−OCHまたはエチルを示す。
一の具体例において、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシを示す。
一の具体例において、Rは、水素またはC1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)を示す。
一の具体例において、Rは、ハロ、例えば、フルオロまたはクロロを示す。
【0019】
一の具体例において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素含有ヘテロシクリル基、例えば、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルまたは1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを形成し、ここに、該ヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換されている。
【0020】
一の具体例において、RおよびRはいずれもC1−6アルキルを示すか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素含有ヘテロシクリル基を形成し、ここに、該ヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換されている。
【0021】
一の具体例において、RおよびRはいずれもC1−6アルキル(例えば、エチル)を示すか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素含有ヘテロシクリル基(例えば、1−ピペリジニル、4−モルホリニル、1−ピロリジニルまたは1−ヘキサヒドロアゼピニル)を形成する。
【0022】
一の具体例において、RおよびRはいずれもC1−6アルキル(例えば、エチル)を示すか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素含有ヘテロシクリル基、例えば、1−ピペリジニルまたは4−モルホリニルを形成し、ここに、該ヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換されている。
【0023】
一の具体例において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素含有ヘテロシクリル基(例えば、1−ピペリジニルまたは4−モルホリニル)を形成し、ここに、該ヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換されている。
【0024】
さらなる具体例において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換であるか、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換された1−ピペリジニルを形成する。さらなる具体例において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4−モルホリニルを形成する。
【0025】
一の具体例において、Rは、エチル、プロピル、イソブチル、C3−8シクロアルキルまたはアリールを示し、ここに、該アリールは、非置換であるか、または1〜3個のハロゲン原子によって置換されていることができる。
一の具体例において、Rは、シクロヘキシル基を示す。
一の具体例において、Rは、非置換またはハロゲン原子で置換されたアリール(例えば、2−フルオロフェニル)を示す。
一の具体例において、Rは、非置換またはハロゲン原子で置換されたフェニル(例えば、2−フルオロフェニルまたは3−フルオロフェニル)を示す。
【0026】
本発明は、また、式(Ia):
【化2】

【0027】
[式中、
は、水素、クロロ、フルオロ、CF、OCHまたはエチルを示し;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換であるか、メチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換された窒素含有ヘテロシクリル基を形成し;
は、シクロヘキシル基、あるいは非置換であるか、または1〜3個のハロ置換基によって置換されることのできるフェニルを示す]
で示される化合物およびその塩を提供する。
【0028】
記載しうる化合物の1の具体的なセットは、式中、
が水素を示し、Rが−NRCORを示し、Rがエチル、プロピル、イソブチルまたはC3−8シクロアルキルを示し;
がC1−6アルキルまたはC1−6アルコキシを示し;
およびRがどちらもC1−6アルキルを示すものである。
【0029】
本発明は、また、式(Ib):
【化3】

【0030】
[式中、
Qは、−(CH−を示し、ここに、nは3または4を示し、
は−NRCORを示し、Rは、水素、ハロゲンまたはC1−6アルキルを示し;
は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、ハロC1−6アルキル、または−OCFを示し;
およびRは、独立して、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルを示すか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換であるか、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換されてた窒素含有ヘテロシクリル基を形成し;
は水素を示し;
は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、C3−8シクロアルキル、チオフェニル、ピリジニル、−(CHアリールを示し、ここに、該アリールは、非置換であるか、またはハロ、メチルおよびOMe(ここに、OMeはカルボニルに対してオルト位で存在しない)から選択される1〜3個の置換基で置換されることができ;
mは0または1を示す]
で示される化合物およびその医薬上許容される塩を提供する。
【0031】
本発明は、また、式(Ic):
【化4】

【0032】
[式中、
は、−NRCORを示し;
は、水素を示し、
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシを示し;
およびRはいずれも、C1−6アルキルを示すか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素含有ヘテロシクリル基を形成し;
は水素を示し;
は、エチル、プロピル、イソブチル、C3−8シクロアルキルまたは1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアリールを示す]
で示される化合物およびその医薬上許容される塩を提供する。
【0033】
式(I)の化合物は、実施例1〜237の化合物およびその塩を包含する。
一の具体例において、式(I)の化合物は、実施例1〜237の化合物およびその医薬上許容される塩を包含する。
【0034】
本発明は、全ての幾何異性体、互変体および光学形態、およびその混合物(例えば、ラセミ混合物)を含め、式(I)の全ての異性体およびその医薬上許容される誘導体を包含することが理解されるべきである。付加的なキラル中心が式(I)の化合物に存在する場合、本発明は、その範囲内に、その混合物を含め、可能なジアステレオ異性体の全てを包含する。異なる異性形態は、常法によって他から1を分離または分割してもよく、またはいずれかの所定の異性体を通常の合成法によって、または立体特異的もしくは不斉合成によって得てもよい。
【0035】
本発明は、また、1以上の原子が、天然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換わっていることを除き、式(I)の化合物と同一の同位体標識化合物を包含する。本発明の化合物中に組み入れることが可能な同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、燐、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば、H、H、11C、14C、18F、35S、123Iおよび125Iを包含する。
【0036】
上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物および該化合物の医薬上許容される誘導体(例えば、塩)は、本発明の範囲内である。本発明の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体、例えば、Hおよび/または14Cが組み込まれた化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。Hおよび14Cは、その調製の容易さ、および検出能のために有用であると考えられる。11Cおよび18F同位体は、PET(ポジトロン放出断層撮影法)において有用であると考えられ、125I同位体はSPECT(単光子放出コンピューター断層撮影法)において有用であると考えられ、全てが脳画像化において有用である。より重たい同位体、例えば、Hでの置換は、代謝安定性の増加、例えば、イン・ビボ半減期の増加または必要用量の減少から由来するある種の治療上の利益を提供するので、ある状況で有用であると考えられる。
【0037】
式(I)の化合物は、結晶または非結晶形態で調製されてもよく、水和または溶媒和化されていてもよい。本発明は、その範囲内に、化学量論的水和物ならびに種々の量の水を含有する化合物を包含する。
適当な溶媒和物は、医薬上許容される溶媒和物、例えば、水和物を包含する。
溶媒和物は、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物を包含する。
【0038】
当然のことながら、全ての形態、結晶または非結晶、溶媒和物または水和物の式(I)の化合物に関し、該化合物を塩、好ましくは、医薬上許容される塩として調製することが可能である。本発明のさらなる態様は、式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩である。
【0039】
医薬上許容される塩は、Berge,BighleyおよびMonkhouse,J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19によって記載される塩を包含する。「医薬上許容される塩」なる語は、無機および有機酸を包含する医薬上許容される酸から調製される塩をいう。かかる酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、パモ酸(pamoic)、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを包含する。ある状況下では、いくつかの塩は非化学量論的であってもよい。
【0040】
式(I)の化合物が、医薬上許容される誘導体、例えば、いずれかの医薬上許容される塩、または式(I)の化合物の塩のエステル、溶媒和物、水和物、または式(I)の化合物の塩の溶媒和物または水和物、またはレシピエントへ投与時に、式(I)の化合物を(直接または間接的に)提供することができるいずれか他の化合物、例えば、プロドラッグを包含することは、当業者には理解されるであろう。
【0041】
式(I)の化合物は、下記のスキームに示されるように、また、実施例に示されるように調製することができる。下記の製法は、本発明の別の態様を形成する。
【0042】
本発明は、また、式(I)の化合物またはその塩の製法を提供し、該製法は、
(a)式(II)
【化5】

[式中、Q、R、R、R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義されたとおりである]
で示される化合物またはその保護誘導体を環化そ;
(b)式(III)
【化6】

[式中R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Lは適当な脱離基、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素または臭素)、−SO−C1−6アルキル、または−SO−ベンジル基である]
で示される化合物またはその保護誘導体を式(IV):
【化7】

[式中、Q、R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義されたとおりである]
で示される化合物と反応させ;
(c)式(V)
【化8】

[式中、Q、R、R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Pは水素または保護基、例えば、Boc基である]
で示される化合物またはその保護誘導体を式
COL
[式中、Rは、式(I)の化合物について定義された通りであり、Lは、適当な脱離基、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素)を示す]
で示される化合物、または式
COOH
で示される化合物および適当なカップリング剤、例えば、EDAC・HClと、所望によりHOBtまたは塩基、例えば、EtNの存在下で反応させ、必要ならば、脱保護するか、または
(d)式(I)の保護化合物を脱保護するか;または
(e)式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に相互変換する
ことを特徴とする。
【0043】
本発明のさらなる製法は、式(I)の化合物の医薬上許容される塩の製法である。
【0044】
工程(a)は、典型的に、適当な試薬、例えば、N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレン(P−DCC)またはEDAC・HClの適当な溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド下、適当な温度、例えば80℃での使用を含む。別法では、環化は、式(II)の化合物をIMS中に溶解し、約0℃に冷却し、適当な塩基、例えば、NaOHを用いてpHを約9に調整し、次いで、テトラヒドロフランなどの適当な溶媒中、I/KIまたはTsCl/ピリジンで処理することによって達成することができる。
【0045】
工程(b)は、典型的には、マイクロ波中、適当な温度、例えば、100℃における、または低温で長時間における、適当な溶媒、例えば、ジオキサンの使用を含む。
【0046】
工程(c)は、典型的には、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタンおよび適当な塩基、例えば、N,N’−ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンの存在下におけるアシル化反応を含む。式(I)の化合物がRCOOHを用いて調製される場合、適当なカップリング試薬、例えば、N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレンまたはEDAC・HClは、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)と共に用いられる。
【0047】
工程(d)において、保護基の例およびその除去手段は、T.W.Greene「Protective Groups in Organic Synthesis」(J.WileyおよびSons,第3版1999)に見出すことができる。適当なアミン保護基は、アシル(例えば、アセチル)[加水分解によって除去]、カルバマート(例えば、2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル[酢酸中の亜鉛を用いて除去]、ベンジルオキシカルボニル[酸分解または水素化分解によって除去]またはt−ブトキシカルボニル[例えば、HClまたはTFAなどの酸を用いる酸分解によって除去])およびアリールアルキル(例えば、ベンジル[水素化分解によって除去])を適宜包含する。他の適当なアミン保護基は、トリフルオロアセチル(−COCF)(塩基触媒加水分解によって除去可能)または固相樹脂結合型ベンジル基、例えば、Merrifield樹脂結合型2,6−ジメトキシベンジル基(Ellmanリンカー)(例えば、トリフルオロ酢酸を用いる酸触媒加水分解によって除去可能)を包含する。
【0048】
「保護誘導体」なる語は、本明細書中で使用される場合、保護基、例えば、上記の保護基を含む化合物をいう。
【0049】
工程(e)は、エピマー化、酸化、還元、アルキル化、求核または親電子芳香族置換またはアミド結合形成などの通常の相互変換手法を用いて行えばよい。
【0050】
式(II)の化合物は、下記のスキーム1:
スキーム1
【化9】

[式中、Q、R、R、R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義された通りである]
にしたがって調製されうる。
【0051】
工程(a)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、メタノールの存在下、適当な温度、例えば、室温〜還流温度における適当な試薬、例えば、ヒドラジン一水和物の使用を含む。
【0052】
工程(b)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、テトラヒドロフランの存在下、適当な温度、例えば、60℃室温での式(VII)の化合物と式(VIII)の化合物との反応を含む。
【0053】
工程(c)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、CHCl中、適当なカップリング試薬、例えば、EDAC・HClおよび所望によりHOBtを用いる、式(XI)の化合物とBocNHNHとの反応を含む。
【0054】
工程(d)において、保護基、例えば、Boc基は常法によって除去することができる。
【0055】
当然のことながら、式(I)の化合物は、上記と類似の条件を用いて、環化を行うことによって、中間体(II)を単離することなく、ワン・ポット・プロセス(one pot process)で式(VII)の化合物から直接調製されうる。
【0056】
式(VI)の化合物は、式(Xa)または(Xb)の化合物を用いて下記のスキーム2:
スキーム2
【化10】

[式中、R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義された通りであり、Lは適当な脱離基、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子)を示す]
にしたがって調製されうる。式(Xb)の化合物の使用は、カップリング剤を伴うべきである。
【0057】
工程(a)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタンおよび適当な塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンの存在下、式(IX)の化合物と式(Xa)の化合物(Lが脱離基、例えば、ハロゲンである場合)の反応を含む。別法では、式(IX)の化合物は、EDAC・HCl、および所望によりHOBt、および所望により適当な塩基の存在下、式(Xb)の化合物と反応することができる。
【0058】
式(IX)の化合物は、下記のスキーム3にしたがって調製できる。
【0059】
スキーム3
【化11】

[式中、R2a、R3aは、式(I)の化合物について定義されたRまたはRであるか、またはさらなる反応において、R、R基、例えば、C2−5アルケニルまたはNHに変換可能な基である。アルケニルである場合、アルキル基への変換は、工程(c)において起こってもよい。]
【0060】
工程(a)は、標準的な条件下、例えば、酸、例えば、HSOの存在下におけるメタノールを用いる条件下において実施することのできるエステル化反応である。
【0061】
工程(b)は、標準的な条件下、例えば、酸、例えば、HSOの存在下におけるメタノールを用いる条件下において実施することのできるエステル化反応である。
【0062】
工程(c)は、典型的な条件下で実施することのできる水素化反応である。
【0063】
式(VIII)の化合物は、Raが水素を示す式(IV)の化合物から、下記のスキーム4;
スキーム4
【化12】

[式中、Q、RおよびRは、式(I)の化合物について定義された通りである]
にしたがって調製されうる。
【0064】
工程(a)は、典型的に、カップリング剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび適当な溶媒、例えば、乾燥ジエチルエーテルの存在下における適当な試薬、例えば、二硫化炭素の使用を含む。別法では、工程(a)は、適当な溶媒、例えば、テトラヒドロフランまたはDMF中におけるチオカルボニルジイミダゾールの使用を含んでいてもよい。
【0065】
が−SO−ベンジルを示す式(III)の化合物は、下記のスキーム5:
スキーム5
【化13】

[式中、R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義された通りであり、Lは適当な脱離基、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素または臭素、より普通には臭素)を示す]
にしたがって調製されうる。
【0066】
工程(a)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、エタノールおよび適当な塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下における式(XIII)の化合物と式(XIV)の化合物との反応を含む。
【0067】
工程(b)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタンまたはジクロロメタン/THF混合物の存在下における適当な酸化剤、例えば、メタ−クロロ過安息香酸(mCPBA)の使用を含む。
【0068】
当然のことながら、Lが−SO−C1−6アルキルを示す式(III)の化合物は、スキーム5と類似の方法にしたがって調製してもよく、例えば、式(XIV)の化合物は、式 L−C1−6アルキルの化合物と置き換えることができる。
【0069】
がハロゲン、例えば、臭素である式(III)の化合物は、下記のスキーム6にしたがって調製されうる。
【0070】
スキーム6
【化14】

【0071】
工程(a)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、水性メタノールの存在下におけるNHNHCONH・HClおよび酢酸ナトリウムの使用を含む。
【0072】
工程(b)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、酢酸の存在下における臭素および酢酸ナトリウムの使用を含む。
【0073】
工程(c)は、典型的に、適当な溶媒、アセトニトリルの存在下における亜硝酸t−ブチル、および例えば、LがBrであるとき、臭化銅(II)の使用を含む。
【0074】
工程(d)は、典型的な条件下における水素化反応である。
【0075】
工程(e)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタンおよび適当な塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンの存在下における、式(XXXVII)の化合物と式(Xa)の化合物(Lが脱離基、例えば、ハロゲンを示す場合)との反応を含む。別法では、式(IX)の化合物は、EDAC・HCl、および所望によりHOBt、および所望により適当な塩基の存在下、式(Xb)の化合物と反応することができる。
【0076】
式(XIII)の化合物は、下記のスキーム7:
スキーム7
【化15】

[式中、R、RおよびRは式(I)の化合物について定義された通りである]
にしたがって調製されうる。
【0077】
工程(a)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、エタノールの存在下における二硫化炭素および水酸化カリウムの使用を含む。
【0078】
式(V)の化合物は、下記のスキーム8にしたがって調製されうる。式(XVIII)の化合物は、式(XVIII)の化合物の保護誘導体である。
【0079】
スキーム8
【化16】

[式中、Q、R、R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義された通りであり、Pは水素または保護基、例えばBocである]。当然のことながら、式(XVIlI)の化合物は、式(XVIII)[式中、Pは保護基、例えば、Boc保護基である]で示される化合物によって示されるように保護されることができる。式(XVIII)の化合物は、式(XVIII)の保護化合物または式(XVIII)の非保護化合物として、工程(d)において使用されうる。
【0080】
工程(a)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドまたはTHFの存在下、適当な温度、例えば、室温における、式(XVI)の化合物と式(VIII)の化合物との反応を含む。
【0081】
工程(b)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドの存在下、適当な温度、例えば、80℃における適当な試薬、例えば、N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレン(P−DCC)またはEDAC・HClを用いる環化反応を含む。別法では、KI/Iを用いてもよい。
【0082】
工程(c)は、典型的に、標準的な条件下における、式(XVIII)の化合物の適当な保護基、例えば、Boc基での保護を含む。
【0083】
工程(d)は、典型的に、当該分野で既知の標準的な手法にしたがう水素化反応を含む。
【0084】
式(XVIII)の化合物は、また、スキーム9:
スキーム9
【化17】

[式中、Ra、Q、R、R、RおよびRは、式(I)の化合物について定義されたとおりである]
に示されるように、式(XXXVI)(式中、LはBrである)の化合物と式(IV)の化合物との反応によって調製されうる。
【0085】
工程a)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、ジオキサンまたはIPAおよび適当な塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミンを適当な温度、例えば、室温〜80℃で使用する。
【0086】
式(IV)(式中、Raは水素である)の化合物は、下記のスキーム10:
スキーム10
【化18】

[式中、Q、RまたはRは、式(I)の化合物について定義されたとおりである]
にしたがって調製されうる。
【0087】
工程a)は、適当な塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下、適当な溶媒、例えば、エタノール中、適当な温度、例えば、80℃における、NHRの反応である。
【0088】
工程b)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、エタノール中、適当な温度、例えば、室温におけるMeNHの使用、または適当な溶媒、例えば、エタノール中、適当な温度、例えば、還流温度におけるNHNH・HOの使用を含む。
【0089】
式(IV)(式中、Raは水素である)の化合物は、また、下記のスキーム11:
スキーム11
【化19】

[式中、R、RおよびQは、式(I)の化合物について定義されたとおりであり、tは1または2である]
にしたがって調製されうる。
【0090】
工程a)は、適当な還元剤、例えば、NaBH(OAc)の存在下、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタン中、適当な温度、例えば、室温におけるNHRの反応である。
【0091】
工程b)は、典型的に、適当な溶媒、例えば、エタノール中、適当な温度、例えば、室温におけるMeNHの使用または適当な溶媒、例えば、エタノール中、適当な温度、例えば、還流温度におけるNHNH・HOの使用を含む。
【0092】
式(IV)(式中、Raはメチルである)の化合物は、式(IV)(式中、Raは水素である)の化合物からスキーム12に示すように調製することができる。
【0093】
スキーム12
【化20】

[式中、Q、R、Rは、式(I)の化合物について定義されたとおりである]。
【0094】
式(IV)の化合物は、工程(a)において標準的な反応条件を用いて保護して、水素をBoc基に置き換える(例えば、ジクロロメタン中において(Boc)Oを使用する)。
【0095】
工程(b)は、LiAlHでの処理である。
【0096】
工程(b)の生成物は、さらに精製することなく次工程に用いてもよい。
【0097】
Raが水素である式(I)の化合物は、また、下記のスキーム13にしたがって、固相合成を用いて調製されうる。
【0098】
スキーム13
【化21】

【0099】
樹脂結合型アリールアミノエステル(XXI)を酸塩化物(Xa)とカップリングして、樹脂結合型ベンズアミド(XXII)を形成する。該樹脂結合物質をカリウム トリメチルシラノエート(KOTMS)のテトラヒドロフラン中溶液で処理して該エステルをケン化し、次いで、それをN−メチルピロリジノン(NMP)中におけるトリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(PFPTFA)およびピリジンで処理して、樹脂結合型ペンタフルオロフェニルエステルを製造する。該物質を室温にて、ヒドラジンのNMP中溶液で処理して、樹脂結合型ヒドラジド(XXIII)を得る。(XXIII)をイソチオシアナート(RNQNCS)のNMP中溶液で処理して、樹脂結合型アシルチオセミカルバジドを提供し、次いで、それを加熱しながら、ジメチルスルホキシド(DMSO)中におけるN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)で処理することによって、オキサジアゾールに環化することができる。該樹脂結合物質を、トリフルオロ酢酸(TFA)のジクロロメタン(CHCl)中溶液を用いて切断することにより、所望の生産物(I)を良好な収率および純度で得る。化合物を逆相HPLCによって適宜精製してもよい。
【0100】
式(XXI)の化合物は、下記のスキーム14にしたがい、固体支持体(XX)に負荷することによって調製されうる。
【0101】
スキーム14
【化22】

【0102】
ここに、PSは、支持体のポリスチレン骨格を示し、RおよびRは、式(I)の化合物に関して定義したとおりである。アリールアミノエステル(XIX)を市販のFDMP(ホルミルジメトキシフェノキシ)樹脂(XX)上に負荷して、樹脂結合型エステル(XXI)を形成した。
【0103】
本発明のさらなる態様は、式(B):
【化23】

[式中、
10は、−NOおよびNHを示し、Q、Ra、R、R、RおよびRは、式(I)の化合物に関して定義したとおりである]
で示される化合物およびその塩である。式(B)の化合物は、アルファ7受容体にて活性を有していてもよく、および/または式(I)の化合物の製法における有用な中間体であってもよい。
【0104】
式(IV)、(IX)、(X)、(XIV)、(XV)、(XVI)、(XX)、(XXIV)、(XXV)および(XXXII)の化合物は、いずれも市販されているか、または既知の方法によって調製されうる。
【0105】
式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩は、ニコチン性α7受容体に対してアフィニティーを有し、かつ、アゴニストであってもよく、アルツハイマー病(特に、アルツハイマー病の認識障害)、認知症(レヴィー小体認知症および血管性認知症を包含する)、年齢関連記憶機障害、下記の認識障害、認知障害、特に、統合失調症、パーキンソン病およびトゥーレット症候群の認知障害を包含する神経学的疾患、下記の統合失調症、下記の注意欠陥/多動障害、下記の鬱病、下記の不安症および耽溺を包含する精神疾患、神経痛、神経炎および背痛を包含する神経障害に起因する疼痛を包含する疼痛関連障害、および骨関節炎、関節リウマチ、急性炎症性疼痛および背痛を包含する炎症性疼痛、偏頭痛;および肥満、腐敗症および胃腸障害(過敏性腸症候群および炎症性腸疾患を包含する)を包含する他の疾患の治療において使用の可能性があると考えられる。これらの化合物の使用の可能性があるさらなる神経学的疾患は、癲癇である。
【0106】
式の化合物は、疼痛の治療において有用でありうる。
【0107】
本明細書中で使用される場合、「疼痛」なる語は、神経痛、神経炎および背痛を包含する神経障害に起因する疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、慢性関節痛、筋骨格痛、骨関節炎を包含する炎症性疼痛、および関節リウマチ、急性炎症性疼痛および背痛、内臓痛、癌に付随する疼痛、偏頭痛、緊張性頭痛および群発性頭痛に付随する疼痛、機能性腸疾患に付随する疼痛、腰痛および頚痛、捻挫および挫傷による疼痛、交感神経依存性疼痛;筋炎、インフルエンザまたは他のウイルス感染、例えば、感冒に付随する疼痛、リウマチ熱に付随する疼痛、心筋虚血に不随する疼痛、術後疼痛、頭痛、歯痛および月経困難症を包含する。
【0108】
一の具体例において、該化合物は、慢性疼痛、術後疼痛、慢性腰痛および頚痛、癌痛、捻挫および挫傷の治療において有用でありうる。
【0109】
慢性関節痛状態は、関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ様脊椎炎、通風性関節炎および若年性関節炎を包含する。
【0110】
機能性腸障害に付随する疼痛は、非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群を包含する。
【0111】
下記の疾患分類は、アメリカ精神疾患医学会(the American Psychiatric Association)によって出版された精神障害の診断および統計学的マニュアル(the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)第4版(DSM−IV)および/または国際疾患分類(the International Classification of Diseases)第10版(ICD−10)におけるコードを示す。
【0112】
i)精神障害、例えば、統合失調症(サブタイプ妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、鑑別不能(undifferentiated)型(295.90)および残遺型(295.60)を包含する);統合失調症様障害(295.40);統合失調性感情障害(295.70)(サブタイプ双極型および抑鬱型を包含する);妄想障害(297.1)(サブタイプ恋愛(Erotomanic)型、誇大(Gradiose)型、嫉妬(Jealous)型、迫害(Persecutory)型、身体(Somatic)型、混合(Mixed)型および不特定(Unspecified)型を包含する);短期精神障害(298.8);感応性精神障害(297.3);一般的病状に起因する精神障害(妄想を伴うサブタイプおよび幻覚を伴うサブタイプを包含する);物質誘導性精神障害(妄想を伴う(293.81)および幻覚を伴う(293.82)サブタイプを包含する);および不特定の精神障害(298.9)。
【0113】
ii)例えば、注意、順応、学習障害、記憶を包含する認識機能の障害(すなわち、記憶障害、健忘症、健忘障害、一過性全健忘症症候群および加齢による記憶障害)および言語機能の障害;卒中、アルツハイマー病、ハンチントン病、ピック病、エイズ関連認知症または多重梗塞性認知症、アルコール性認知症、甲状腺機能低下関連認知症、ならびに小脳萎縮症および筋萎縮性側索硬化症などの他の変性障害に関連する認知症などの他の認知症状態の結果としての認識障害;せん妄または鬱のような認識力低下を引き起こし得る他の急性または亜急性状態(偽認知症状態)、外傷、頭部外傷、加齢に関連する認識低下、卒中、神経変性、薬物誘導性状態、神経毒性剤の結果としての認識障害、軽度認識障害、加齢による認識障害、自閉症に関連する認識障害、ダウン症候群、精神疾患に関連する認識低下、および電気ショック療法後の認識障害;およびパーキンソン病、神経遮断薬誘導性パーキンソンニズムおよび遅発性ジスキネジーなどの運動障害の治療を包含する認識障害。
【0114】
iii)抑鬱および気分障害、例えば、鬱病エピソード(大鬱病エピソード、躁病エピソード、混合エピソードおよび軽躁エピソードを包含する);抑鬱性障害(大鬱病性障害、気分変調性障害(300.4)、不特定の抑鬱性障害(311)を包含する);双極性障害(I型双極性障害、II型双極性障害(すなわち、軽躁エピソードを伴う再発性大鬱病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および不特定の双極性障害(296.80)を包含する);他の気分障害(鬱病性特徴、大鬱病様エピソード、躁病性特徴および混合性特徴を伴うサブタイプを包含する一般的病状に起因する気分障害(293.83)を包含する);物質誘導性気分障害(鬱病性特徴、躁病性特徴および混合性特徴を伴うサブタイプを包含する);および不特定の気分障害(296.90)。
【0115】
iv)不安障害、例えば、社会不安障害;パニック発作;広場恐怖症、パニック障害;パニック障害の病歴をもたない広場恐怖症(300.22);特定恐症(300.29)(動物型、自然環境型、血液注入傷害(Blood−Injection−Injury)型、状況型および他の型のサブタイプを包含する);社会恐怖症(300.23);強迫障害(300.3);外傷後ストレス障害(309.81);急性ストレス障害(308.3);全般性不安障害(300.02);一般的病状に起因する不安障害(293.84);物質誘導性不安障害および不特定の不安障害(300.00)。
【0116】
v)注意欠陥/多動性障害(混合型の注意欠陥/多動性障害(314.01)、不注意型の注意欠陥/多動性障害(314.00)、多動−衝動型の注意欠陥/多動性障害(314.01)および不特定の注意欠陥/多動性障害(314.9)サブタイプを包含する);多動障害;破壊的行動障害、例えば、行為障害(幼児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)および不特定発症型(312.89)を包含する)、反抗的行動障害(313.81)および不特定の破壊的行動障害;およびトゥーレット障害(307.23)などのチック障害。
【0117】
本明細書中で使用される場合、「治療」なる語は、上記の障害の予防ならびに確立された状態の治療にまで及ぶ。
【0118】
かくして、本発明は、また、上記の障害、特に、疼痛、神経学的障害(例えば、アルツハイマー病の認識障害)および精神障害(例えば、統合失調症の認識障害)の治療における治療物質として有用な式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0119】
本発明は、さらに、患者に治療上有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを特徴とする、ヒトを包含する哺乳動物における上記の障害の治療方法を提供する。
【0120】
別の態様において、本発明は、上記の障害の治療において有用な医薬の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
【0121】
治療において使用する場合、式(I)の化合物は、通常、標準的な医薬組成物に処方される。かかる組成物は、標準的な手法を用いて調製することができる。
【0122】
かくして、本発明は、さらに、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む、上記の障害の治療において有用な医薬組成物を提供する。
【0123】
本発明は、さらに、式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0124】
式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体は、他の治療剤、例えば、アルツハイマー病の疾患修飾性または対症治療のいずれかとして有用であることが示された医薬と組み合わせて使用してもよい。かかる他の治療剤の適当な例は、コリン作動性伝達を修飾することが知られた薬剤、例えば、5−HT1Aアンタゴニスト(例えば、レコゾタン(lecozotan)、5−HT6アンタゴニスト、M1ムスカリン性アゴニスト、M2ムスカリン性アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル(donepezil)またはリバスチグミン(rivastigmine))、またはアロステリックモジュレーター、ニコチン性受容体アゴニストまたはアロステリックモジュレーター、症候性薬剤(symptomatic agent)、例えば、5−HT6受容体アンタゴニスト、H3受容体アンタゴニスト、5−HT4受容体アゴニスト、また、NMDA受容体アンタゴニストまたはモジュレーター、および疾患修飾剤、例えば、β−またはγ−セクレターゼ阻害剤(例えば、R−フルルビプロフェン(R-flurbiprofen))であってもよい。かかる他の治療剤の他の適当な例は、神経痛、神経炎および背痛を包含する神経障害に起因する疼痛、および骨関節炎、関節リウマチ、急性炎症性疼痛、背痛および偏頭痛を包含する炎症性疼痛の治療において有用であることが示された医薬であってもよい。
【0125】
本発明の化合物は、他の治療剤、例えば、COX−2(シクロオキシゲナーゼ−2)阻害剤、例えば、セレコキシブ(celecoxib)、デラコキシブ(deracoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、パレコキシブ(parecoxib)、COX−189または2−(4−エトキシ−フェニル)−3−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−b]ピリダジン(WO99/012930);5−リポキシゲナーゼ阻害剤;NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、例えば、ジクロフェナク(diclofenac)、インドメタシン(indomethacin)、ナブメトン(nabumetone)またはイブプロフェン(ibuprofen);ビスホスホネート、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;DMARDs(疾患修飾性抗リウマチ薬)、例えば、メトトレキサート(methotrexate);アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャネル遮断剤、例えば、ラモトリジン(lamotrigine);NMDA(N−メチル−D−アスパルテート)受容体モジュレーター、例えば、グリシン受容体アンタゴニスト;電位依存性カルシウムチャネルのαδ−サブユニットのリガンド、例えば、ガバペンチン(gabapentin)およびプレガバリン(pregabalin);三環式抗鬱剤、例えば、アミトリプチリン(amitriptyline);ニューロン安定性抗癲癇剤;モノアミン作動性取り込み阻害剤、例えば、ベンラファキシン(venlafaxine);オピオイド鎮痛剤;局所麻酔剤;5HTアゴニスト、例えば、トリプタン類、例えば、スマトリプタン(sumatriptan)、ナラトリプタン(naratriptan)、ゾルミトリプタン(zolmitriptan)、エレトリプタン(eletriptan)、フロバトリプタン(frovatriptan)、アルモトリプタン(almotriptan)またはリザトリプタン(rizatriptan);ニコチン性アセチルコチン(nACh)受容体モジュレーター;グルタメート受容体モジュレーター、例えば、NR2Bサブタイプのモジュレーター;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EPアゴニストおよびEPアゴニスト;EPアンタゴニスト;EPアンタゴニストおよびEPアンタゴニスト;カンナバノイド(cannabanoid)受容体リガンド;ブラジキニン受容体リガンド;バニロイド受容体リガンド;およびP2X、P2X2/3、P2X、P2XまたはP2X4/7でのアンタゴニストを包含するプリン作動性受容体リガンドと組み合わせて使用してもよい。該化合物を他の治療剤と組み合わせて使用する場合、該化合物は、いずれか都合の良い経路によって連続的に、または同時に投与すればよい。
【0126】
付加的なCOX−2阻害剤は、米国特許第5,474,995号、第5,633,272号;第5,466,823号、第6,310,099号および第6,291,523号;およびWO96/25405、WO97/38986、WO98/03484、WO97/14691、WO99/12930、WO00/26216、WO00/52008、WO00/38311、WO01/58881およびWO02/18374に開示されている。
【0127】
該化合物を他の治療剤と組み合わせて使用する場合、該化合物は、いずれか都合の良い経路によって連続的に、または同時に投与すればよい。
【0128】
かくして、本発明は、さらなる態様において、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩と一緒にさらなる治療剤を含む組み合わせを提供する。
【0129】
上記の組み合わせは、好都合には、医薬処方の形態において使用のために提供されてもよく、かくして、上記の組み合わせを医薬上許容される担体または賦形剤と共に含む医薬処方は、本発明のさらなる態様を構成する。かかる組み合わせの個々の成分は、別々の医薬処方または一体とした医薬処方において連続的に、または同時に投与すればよい。
【0130】
式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体を、同じ病態に対して活性な第2の治療剤と組み合わせて使用する場合、各化合物の投与量は、該化合物を単独で使用する場合と異なっていてもよい。適当な投与量は、当業者によって容易に評価されるであろう。
【0131】
周囲温度および大気圧下で適当に混合することによって調製されうる本発明の医薬組成物は、通常、経口、非経口または直腸投与に適応され、それ自体、錠剤、カプセル、経口液体調製物、粉末、顆粒、ロゼンジ、復元可能な粉末、注射可能または注入可能な溶液または懸濁液あるいは座剤の形態であってもよい。経口投与可能な組成物が一般的に好ましい。
【0132】
経口投与用の錠剤およびカプセルは、単位投与形態であってもよく、通常の賦形剤、例えば、結合剤、充填剤、錠剤滑沢剤、崩壊剤、および許容可能な湿潤剤を含有していてもよい。錠剤は、通常の製薬習慣においてよく知られた方法にしたがって被覆されていてもよい。
【0133】
経口液体調製物は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、または使用前に水もしくは他の適当なビヒクルで復元可能な乾燥製品の形態であってもよい。かかる液体調製物は、通常の添加物、例えば、懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を包含していてもよい)、保存料、および所望により、通常のフレーバーまたは着色料を含有していてもよい。
【0134】
非経口投与の場合、流体単位投与形態は、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩および滅菌ビヒクルを用いて調製されうる。該化合物は、使用されるビヒクルおよび濃度に依存して、ビヒクル中に懸濁または溶解することができる。溶液の調製において、該化合物を注射のために溶解し、フィルター滅菌した後、適当なバイアルまたはアンプル中に充填し、密封することができる。有利には、局所麻酔剤、保存料および緩衝化剤などのアジュバントをビヒクル中に溶解させる。安定性を増加させるために、該組成物をバイアルに充填後に冷凍し、真空下で水分を除去することができる。非経口懸濁液は、該化合物をビヒクル中に溶解する代わりに懸濁し、濾過によって滅菌を行うことができないことを除き、実質的に同じ方法で調製される。該化合物は、滅菌ビヒクル中に懸濁する前に、エチレンオキシドに曝露することによって滅菌することができる。有利には、界面活性剤または湿潤剤を該組成物中に含ませて、化合物の均一な分布を容易にする。
【0135】
該組成物は、投与方法にもよるが、0.1重量%〜99重量%、好ましくは10重量%〜60重量%の活性材料を含有していてもよい。上記の障害の治療に使用される化合物の投与量は、障害の重篤度、患者の体重、および他の同様な因子を伴って通常の方法で変化させる。しかしながら、一般的な案内として、適当な単位投与量は、0.05〜1000mg、より適当には、1.0〜200mgであってもよく、かかる単位投与量は、1日に1回以上、例えば、1日に2または3回投与してもよい。かかる治療は、数週間、数ヶ月間、数年間または一生に及んでもよい。
【0136】
限定するものではないが、特許及び特許出願を含め、本明細書中に引用される全ての出版物は、出典明示により、あたかも完全に示されているかの如く本明細書の一部とされることが、詳細かつ個々に示されているかの如く、出典明示により本明細書の一部とされる。
【0137】
下記の非限定的な実施例は、本発明の薬理学上活性な化合物の調製を説明するものである。
【実施例】
【0138】
記載例1:[4−(4−モルホリニル)ブチル]アミン
【化24】

2−(4−ブロモブチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(23.3g,82.6mmol)、モルホリン(9.3g,106.95mmol)およびトリエチルアミン(16.62g,164.5mmol)のエタノール(250mL)中混合物を6時間熱還流し、冷却し、ヒドラジン水和物(9.5g,190mmol)で処理し、2時間熱還流し、次いで、室温に一晩冷却した。沈澱した固体を濾過し、濾液を蒸発乾固した。残渣を2M塩酸(250mL)および酢酸エチル(150mL)中に溶解し、濾過して、いくらかの不溶性物質を除去した。水層を分離し、50%水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、標題化合物を薄茶色油として得た(5.6g)。
【0139】
記載例2:[4−(1−ピペリジニル)ブチル]アミン
【化25】

ピペリジン(15.7g,185mmol)、2−(4−ブロモブチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(40.0g,142mmol)およびトリエチルアミン(40mL,284mmol)をエタノール(400mL)中で一晩、熱還流した。反応物を室温に冷却し、次いで、ヒドラジン水和物(16.4g,327mmol)を加え、反応物を45分間熱還流した。形成した固体を濾過し、エタノールで洗浄した。合わせた濾液および洗浄液を真空下で濃縮し、残渣をジエチルエーテル(500mL)でトリチュレートした。固体を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、標題化合物を黄色油として得た(7.32g)。
【0140】
下記の表1のアミンは、記載例1および2に記載の方法と類似の方法において、反応体当量、反応時間、後処理および精製方法を適宜変更して調製されうる。
【0141】
表1:
【表1】

【0142】
別法では、下記の手法によって示すように、脱保護のために、メチルアミンをヒドラジン水和物の代わりに用いてもよい。
【0143】
記載例3:[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミン
【化26】

4−フルオロピペリジン塩酸塩(1.28g,9.2mmol)および2−(4−ブロモブチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(7.1mmol)のエタノール(25mL)中混合物に、トリエチルアミン(3.0mL,22mmol)を加え、該混合物を5時間熱還流した。冷却により形成した固体を濾過し、廃棄した。溶媒を真空下で除去し、得られた固体を数滴のメタノールを含むジクロロメタンでトリチュレートした。白色固体を収集し、低収量なので、該工程を繰り返した。合わせた固体(900mg)に、エタノール中におけるメチルアミン(33重量%,10mL)を加え、該溶液を一晩攪拌した。反応混合物を真空下でわずかに濃縮し、ジエチルエーテル(50mL)を加えた。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、標題化合物を得た(355mg)。
【0144】
記載例4:N−シクロヘキシル−N−メチル−1,3−プロパンジアミン
【化27】

3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロパナール(200mg,0.98mmol)のジクロロメタン(5mL)中懸濁液に、ジクロロメタン(5mL)中におけるN−メチルシクロヘキサンアミン(88mg,0.78mmol)、次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(311mg,1.47mmol)を加え、反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をSCXカラムに加え、メタノールで洗浄し、メタノール中における2Mアンモニアで溶出し、真空下で溶媒を除去して、黄色粘性油を得た(168mg)。SCXによって精製する試みは失敗したので、該混合物をジエチルエーテル(10mL)および水性水酸化ナトリウム(2M,10mL)間で分離した。有機相を真空下で濃縮して標題化合物を得た。
【0145】
下記の表2のアミンは、記載例4に記載の方法と類似の方法において、反応体当量、反応時間、後処理および精製方法を適宜変更して調製されうる。
【0146】
表2:
【表2】

【0147】
別法では、下記の記載例によって示されるように、脱保護のために、還流エタノール中におけるヒドラジン水和物をメチルアミンの代わりに用いてもよい。
【0148】
記載例5:[3−(テトラヒドロ−1,4−オキサゼピン−4(5H)−イル)プロピル]アミン
【化28】

ヘキサヒドロ−1,4−オキサゼピン塩酸塩(1.0g,7.3mmol)をジクロロメタン(15mL)および水性水酸化ナトリウム(2M,15mL)の間に分配した。水層をさらにジクロロメタン(2x10mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(相分離器)、該溶液に、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロパナール(1.5g,7.3mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.3g,11mmol)を加えた。得られた溶液を室温で一晩攪拌した。反応混合物を、水性水酸化ナトリウム(2M 1mL)を含有する水性重炭酸ナトリウム(45mL)で洗浄した。水層をさらなるジクロロメタン(40mL)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(相分離器)、真空下で濃縮して、オレンジ色の固体/ゲル(1.9g,6.5mmol)を得た。粗物質をエタノール(70mL)中に溶解した。ヒドラジン水和物(712mg,14.2mmol)を加え、該溶液を2.5時間熱還流した。反応物を室温に冷却し、一晩静置した。反応混合物を真空下で部分的に濃縮し、ジエチルエーテル(100mL)を加えた。得られた固体を濾過し、さらなるジエチルエーテル(25mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、生成物をジエチルエーテル(100mL)中に再溶解し、固体を濾過した。濾液を真空下で濃縮して、標題化合物を得た(376mg)。
【0149】
記載例6:メチル[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミン
【化29】

[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミン(1.0g,7.0mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、ジ−tertブチル ジカルボネート(3.83g,17.6mmol)およびトリエチルアミン(711mg,7.0mmol)を加え、反応物を一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去して、オレンジ色油を得た。該油をアルゴン下、0℃にて、テトラヒドロフラン(5mL)中に溶解し、水素化アルミニウムリチウム(THF中における1M溶液,21mL,21mmol)をゆっくりと加えた。反応物を室温に温め、1時間攪拌し、一晩静置した。次いで、該混合物を0℃に冷却し、水性水酸化ナトリウム(2M,10mL)を加えた。形成した固体を濾過し、濾液を水(30mL)およびジクロロメタン(60mL)の間に分配した。水層をさらなるジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相を単離し、乾燥させ(相分離器)、真空下で濃縮して、黄色油を得た(1.5g)。標題化合物は該油中に存在し、粗混合物をさらに精製することなく用いた。
【0150】
記載例7:1−(3−イソチオシアナートプロピル)ピペリジン
【化30】

二硫化炭素(0.22mL,3.61mmol)の乾燥ジエチルエーテル(4mL)中溶液を、乾燥ジエチルエーテル(15mL)中における3−(1−ピペリジニル)−1−プロパンアミン(512mg,3.61mmol)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(743mg,3.61mmol)の氷冷溶液に滴下した。添加後、氷浴を取り除き、該混合物を2時間攪拌した。固体を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、標題化合物を得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて185(C16Sの理論値[M+H] m/zにて185)。
【0151】
下記の表3のイソチオシアナートは、記載例7に記載の方法を用いて、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製されうる。
【0152】
表3:
【表3】

【0153】
イソチオシアナートの調製には、下記の別法を用いてもよい。
【0154】
記載例8:1−(4−イソチオシアナートブチル)ピペリジン
【化31】

1,1−チオカルボニルジイミダゾール(178mg,1mmol)を室温で、ジメチルホルムアミド(4mL)およびトリエチルアミン(303mg,3mmol)中における1−(アミノブチル)ピペリジン(229mg,1mmol)の溶液に加えた。該混合物を室温で18時間攪拌し、次いで、水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を黄色油として得た(186mg)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて199(C1018S)の理論値 [M+H] m/zにて199。
【0155】
記載例9:2−アミノ−4−ニトロ安息香酸メチル
【化32】

濃硫酸(4mL)を、4−ニトロアントラニル酸(2g,11mmol)のメタノール(40mL)中溶液に滴下し、該溶液を一晩、熱還流した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルおよび飽和水性重炭酸ナトリウム溶液の間に分配した。有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテルでトリチュレートして、標題化合物を黄色固体として得た(1.5g)。
【0156】
記載例10:2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸メチル
【化33】

臭化銅(II)(2.15g,9.6mmol)および亜硝酸tert−ブチル(1.6mL,13.2mmol)のアセトニトリル(30mL)中混合物を65℃に加熱し、2−アミノ−4−ニトロ安息香酸メチル(1.5g,7.7mmol)のアセトニトリル(10mL)中溶液を10分かけて滴下した。該混合物を65℃で1時間加熱し、冷却し、5M塩酸(100mL)中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、ジエチルエーテル/ヘキサンでトリチュレートして、標題化合物を黄色固体として得た(1.33g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて260,262(CBrNOの理論値 [M+H] m/zにて260,262)。
【0157】
記載例11:2−エテニル−4−ニトロ安息香酸メチルおよびエチル
【化34】

2−ブロモ−4−ニトロ安息香酸メチル(1.33g,5.1mmol)、ビニルボロン酸無水物ピリジン錯体(1.22g,5.1mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム0(0.295g,0.255mmol)および炭酸カリウム(2.81g,20.4mmol)のトルエン:エタノール 1:1(50mL)中混合物を90℃で2時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルおよび水の間に分配した。有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー[シリカゲル,酢酸エチル:ヘキサン(10%)]によって精製して、標題化合物をメチルおよびエチルエステルの1:1混合物として得た(0.98)。
【0158】
記載例12:4−アミノ−2−エチル安息香酸メチル
【化35】

2−エテニル−4−ニトロ安息香酸メチルおよびエチル(メチルおよびエチルエステルの1:1混合物)(0.98g、推定4.7mmol)のメタノール(100mL)中溶液を、H−cubeを用いる炭上の10%パラジウム触媒で水素化した。該溶液を蒸発させて、標題化合物をメチルおよびエチルエステルの1:1混合物として得た(0.74g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて180,194(C1013NOの理論値 [M+H] m/zにて180),C1115NOの理論値 [M+H] m/zにて194)。
【0159】
記載例13:4−アミノ−3−ヨード安息香酸メチル
【化36】

4−アミノ安息香酸メチル(4.53g,30mmol)およびN−ヨードスクシンイミド(6.75g,30mmol)のジメチルホルムアミド(50mL)中懸濁液を室温で一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、5%チオ硫酸ナトリウム溶液および水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー[シリカゲル,酢酸エチル/ヘキサン(0−25%)]によって精製して、標題化合物を黄色固体として得た(8.2g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて278(CINOの理論値 [M+H] m/zにて278)。
【0160】
記載例14:4−アミノ−3−エテニル安息香酸メチル
【化37】

4−アミノ−3−ヨード安息香酸メチル(1.1g,4mmol)、ビニルボロン酸無水物ピリジン錯体(960mg,4mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム0(0.231g,0.2mmol)および炭酸カリウム(2.2g,16mmol)のトルエン:エタノール 1:1(40mL)中混合物を90℃で1時間加熱した。反応混合物を冷却し、次いで、酢酸エチルおよび水の間に分配した。有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー[シリカゲル,酢酸エチル/ヘキサン(50%)]によって精製し、ヘキサンでトリチュレートして、標題化合物を白色固体として得た(0.54g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて178(C1011NOの理論値 [M+H] m/zにて178)。
【0161】
記載例15:4−アミノ−3−エチル安息香酸メチル
【化38】

4−アミノ−3−エテニル安息香酸メチル(540mg,3.05mmol)をエタノール(10ml)中に溶解し、H−cubeを用いて一晩、10%Pd/C触媒(50mg)で水素化した。触媒を濾過し、濾液を蒸発させて、出発物質および所望の生成物の混合物を得た。該固体をメタノール(30ml)中に溶解し、H−cubeを用いて10%Pd/C触媒で水素化した。溶媒を蒸発させ、残渣をエーテルでトリチュレートして、標題化合物を白色固体として得た(500mg)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて180(C1013NOの理論値 [M+H] m/zにて180)。
【0162】
記載例16:4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル
【化39】

硫酸(4mL)をゆっくりと、4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)安息香酸のメタノール(40mL)中溶液に加えた。該混合物を20時間還流し、次いで、蒸発乾固させた。残渣を酢酸エチル中に溶解し、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残渣をエーテル/ヘキサンでトリチュレートして、標題化合物を白色固体として得た(2.2g)。
【0163】
記載例17:4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル
【化40】

4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(2g,8mmol)をメタノール(160mL)中、H−cubeを用いて、炭素上のパラジウムで水素化した。該溶液を蒸発乾固させて、標題化合物を白色固体として得た(1.8g)。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて220,(CNOの理論値 [M+H] m/zにて220)。
【0164】
記載例18:4−アミノ−2−フルオロ安息香酸メチル
【化41】

濃硫酸(12mL)を4−アミノ−2−フルオロ安息香酸(6g,35.5mmol)のメタノール(120mL)中溶液に滴下し、3時間熱還流した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルおよび水の間に分配し、固形炭酸カリウムで塩基性化した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残渣をエーテルでトリチュレートして、標題化合物をクリーム色固体として得た(5.9g)。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて170(CFNOの理論値 [M+H] m/zにて170)。
【0165】
下記の表4のエステルは、上記の方法によって、反応体当量、反応時間、後処理または精製において適宜変更を加えて調製されうる。
【0166】
表4:
【表4】

【0167】
記載例19:4−{[(2,6−ジフルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル
【化42】

4−アミノ安息香酸メチル(1.51g,9.99mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液に、トリエチルアミン(1.53mL,10.99mmol)、次いで、塩化2,6−ジフルオロベンゾイル(1.32mL,10.49mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩攪拌した。次いで、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(50mL)およびジクロロメタン(200mL)を加え、有機層を分離した。次いで、有機溶液をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。得られた固体を工業用メチル化スピリットから再結晶化して、標題化合物を白色固体として得た(2.3g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて292(C1511NOの理論値 [M+H] m/zにて292)。
【0168】
下記の表5の化合物は、適当なアミンおよび酸塩化物から類似の方法で調製された。
【0169】
表5:
【表5−1】

【0170】
【表5−2】

【0171】
記載例20:4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}−2−(メチルオキシ)安息香酸メチル
【化43】

4−アミノ−2−(メチルオキシ)安息香酸メチル(10.0g,55.2mmol)をジクロロメタン(50mL)中に懸濁し、氷浴中で冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(10.57mL,60.8mmol)、次いで、塩化2−フルオロベンゾイル(7.25mL,60.8mmol)で滴下処理した。該混合物を室温に温め、アルゴン下で2.5時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチル中に溶解し、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。酢酸エチル層を分離した。静置により、固体が溶液から出現した。これを濾過によって収集して、標題化合物を得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて304(C1614FNOの理論値 [M+H] m/zにて304)。
【0172】
記載例21:4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル
【化44】

4−アミノ安息香酸メチル(3.83g,25.36mmol)をジクロロメタン(25mL)中に懸濁し、氷浴中で冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(4.85mL,27.9mmol)、次いで、塩化2−フルオロベンゾイル(3.33mL,27.9mmol)で滴下処理した。該混合物を室温に温め、アルゴン下で2時間攪拌した。得られた固体を濾過によって収集した。濾液を静置させ、さらなる固体が溶液から出現した。これを濾過によって収集し、最初のバッチの固体と合わせ、メタノール中に溶解した。該溶液をイオン交換カートリッジ(SCX)に付し、メタノールで洗浄した。生成物を含有するフラクションを合わせ、蒸発させて、標題生成物を得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて274(C1512FNOの理論値 [M+H] m/zにて274)。
【0173】
記載例22:2−フルオロ−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル
【化45】

4−アミノ−2−フルオロ安息香酸メチル(3.83g,22.7mmol)およびトリエチルアミン(3.81mL,27.4mmol)をジクロロメタン(40mL)中に溶解し、塩化2−フルオロベンゾイル(3.25mL,27.4mmol)で滴下処理した。該混合物を室温で1時間攪拌した。該溶液を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。得られた固体をエーテルでトリチュレートして、標題化合物を白っぽい固体として得た(6.13g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて292(C1511NOの理論値 [M+H] m/zにて292)。
【0174】
記載例23:2−エチル−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸(メチルおよびエチル)
【化46】

4−アミノ−2−エチル安息香酸(メチルおよびエチル)(メチルおよびエチルエステルの1:1混合物0.735g,推定4.1mmol)およびトリエチルアミン(0.626mL,4.5mmol)をジクロロメタン(8mL)中に溶解し、氷浴中で冷却し、塩化2−フルオロベンゾイル(0.54mL,4.5mmol)で処理した。該混合物を室温に温め、2時間攪拌した。該溶液を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。得られた固体をエーテルでトリチュレートして、標題化合物をメチルおよびエチルエステルの1:1混合物として得た(1.2g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて302,316(C1716FNOの理論値 [M+H] m/zにて302),(C1818FNOの理論値 [M+H] m/zにて316)。
【0175】
下記の表6の化合物は、上記の方法と類似の方法を用いて、適当なアニリンおよび酸塩化物を用いて、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製された。塩基は、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンのいずれであってもよく、反応温度は、0℃〜周囲温度であればよく、酸塩化物の当量数は変更してもよく、例えば、1−1.2当量を用いてもよい。精製方法は、変更してもよく、水性後処理、トリチュレーションまたはカラムクロマトグラフィーを含んでいてもよい。
【0176】
表6:
【表6−1】

【0177】
【表6−2】

【0178】
【表6−3】

【0179】
記載例24:2−エチル−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸
【化47】

2−エチル−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸(メチルおよびエチル)(メチルおよびエチルエステルの1:1混合物として)(8.85g,推定29.4mmol)をエタノール(150mL)中に溶解し、水(30mL)中における水酸化ナトリウム(2.35g,58.8mmol)で処理した。該混合物を室温で攪拌し、次いで、60℃に24時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を水中に溶解し、ジクロロメタンで洗浄した。水層を2M塩酸で酸性化し、沈澱した固体を酢酸エチル中に溶解した。有機溶液を乾燥させ、蒸発させ、エーテルでトリチュレートして、標題化合物を白色固体として得た(5.96g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて(C1614FNOの理論値 [M+H] m/zにて287)。
【0180】
記載例25:2−[(2−エチル−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]ヒドラジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル
【化48】

2−エチル−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸(5.49g,19.2mmol)、カルバジン酸tert−ブチル(3.04g,23mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(4.03g,21.1mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(3.23g,21.1mmol)のジクロロメタン(60mL)中溶液を3日間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチル中に溶解し、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(2x190mL)、水(200mL)で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、標題化合物を無色油として得た(7.71g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて402(C2124FNの理論値 [M+H] m/zにて402)。
【0181】
記載例26:N−[3−エチル−4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]−2−フルオロベンズアミド
【化49】

2−[(2−エチル−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]ヒドラジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(7.7g,19.2mmol)を1,4−ジオキサン(50mL)中で攪拌し、1,4−ジオキサン(150mL)中における4M塩化水素で処理した。該混合物を2日間攪拌した。沈澱した固体を濾過し、水中に溶解した。該溶液を2M水性水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機溶液を乾燥させ、蒸発させて、標題化合物を得た(3.3g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて302(C1616FNの理論値 [M+H] m/zにて302)。
【0182】
記載例27:2,6−ジフルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド
【化50】

4−{[(2,6−ジフルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル(2.3g,7.90mmol)のメタノール(40mL)中懸濁液に、ヒドラジン一水和物(3.1mL,63.18mmol)を加えた。反応混合物を週末にかけて熱還流し、次いで、濃縮した。残渣を工業用メチル化スピリットでトリチュレートして、標題化合物をオフホワイト色固体として得た(0.91g)。LC/MS(ES+ve):[M+H]292m/z(C1411の理論値 [M+H] m/zにて292)。
【0183】
下記の表7の化合物は、上記の方法と類似の方法を用いて、適当なエステルおよびヒドラジンを用いて、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製された。
【0184】
表7:
【表7−1】

【0185】
【表7−2】

【0186】
記載例28:2−フルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)−3−(メチルオキシ)フェニル]ベンズアミド
【化51】

4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}−2−(メチルオキシ)安息香酸メチル(記載例20に記載のように調製されうる)(2.0g,6.60mmol)をメタノール(25mL)中に懸濁し、ヒドラジン一水和物(1.60mL,33.0mmol)で滴下処理し、アルゴン下、室温で1.5時間攪拌した。該混合物をアルゴン下で18時間熱還流した。該混合物を室温に冷却し、ヒドラジン一水和物(0.80mL,16.5mmol)を加え、混合物をアルゴン下で3.5時間熱還流した。該混合物を室温に冷却し、得られた固体を濾過し、メタノールで洗浄した。固体を真空オーブン中、40℃で一晩乾燥させて、標題化合物を得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて304(C1514FNの理論値 [M+H] m/zにて304)。
【0187】
記載例29:2−フルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド
【化52】

4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル(記載例21に記載のように調製されうる)(2.0g,7.33mmol)をメタノール(25mL)中に懸濁し、ヒドラジン一水和物(2.66mL,54.98mmol)で滴下処理し、アルゴン下で一晩熱還流した。該混合物を室温に冷却し、得られた固体を濾過し、メタノールで洗浄して、標題化合物を得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて274(C1412FNの理論値 [M+H] m/zにて274)。
【0188】
記載例30:2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド
【化53】

2−フルオロ−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル(6.37g,22mmol)をメタノール(65mL)中に懸濁し、ヒドラジン一水和物(5.3mL,110mmol)で処理し、アルゴン下で18時間熱還流した。該混合物を室温に冷却し、得られた固体を濾過し、メタノールおよびエーテルで洗浄した。該固体を乾燥させて、標題化合物を白色固体として得た(5.8g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて292(C1411)の理論値 [M+H] m/zにて292。
【0189】
下記の表8の化合物は、上記の方法と類似の方法を用いて、適当なエステルおよびヒドラジンを用いて、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製された。反応時間は、実施例に依存し、6日以上であることができる。ある場合には、出発物質を良好に生成物に変換するために、ヒドラジン水和物のさらなる添加が必要とされる。時々、生成物を濾過によって単離することができ、別法では、トリチュレーション、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーによって精製されうる。
【0190】
表8:
【表8−1】

【0191】
【表8−2】

【0192】
【表8−3】

【0193】
記載例31:2−(エチルオキシ)−4−ニトロ安息香酸エチル
【化54】

2−ヒドロキシ−4−ニトロ安息香酸(10.0g,54.6mmol)、ヨードエタン(17.0g,109mol)および炭酸カリウム(22.6g,164mmol)を室温にて一晩、N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中で攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をジエチルエーテル(200mL)および水性重炭酸ナトリウム(200mL)の間に分配した。有機相をさらに水性重炭酸ナトリウム(2x70mL)で洗浄し、単離し、溶媒を真空下で除去して、標題化合物を黄色固体として得た(10.35g)。
【0194】
記載例32:2−(エチルオキシ)−4−ニトロ安息香酸
【化55】

2−(エチルオキシ)−4−ニトロ安息香酸エチル(10.35g)を、NaOH(2M,60mL)およびエタノール(180mL)の混合物中に溶解し、室温で攪拌した。反応混合物を酸性化し、水を加え、得られた固体を濾過し、真空下で乾燥して標題化合物を得た(7.89g)。LCMS(ES−ve)[M−H] m/zにて210(C1113NOの理論値 [M−H] m/zにて210)。
【0195】
記載例33:2−{[2−(エチルオキシ)−4−ニトロフェニル]カルボニル}ヒドラジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル
【化56】

2−(エチルオキシ)−4−ニトロ安息香酸(7.89g,37.4mmol)、カルバジン酸ブチル(4.94g,37.4mmol)およびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(8.60g,44.9mmol)をジクロロメタン(250mL)中、室温で攪拌した。反応が完了したらすぐに塩酸(2M,70mL)を加え、層を分離した。有機相をさらなる塩酸(2x70mL)で洗浄し、次いで、それを真空下で濃縮して、標題化合物を黄色固体として得た(11.14g)。LCMS(ES−ve):[M−H] m/zにて324(C1419の理論値 [M−H] m/zにて324)。
【0196】
記載例34:2−(エチルオキシ)−4−ニトロベンゾヒドラジド
【化57】

2−{[2−(エチルオキシ)−4−ニトロフェニル]カルボニル}ヒドラジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(5.0g,15.4mmol)をジオキサン(125mL)中における4M HCl中に溶解し、反応混合物を1時間以上攪拌した。反応混合物を濾過し、固体をエーテルで洗浄した。次いで、固体をジクロロメタン(120mL)、および水性水酸化ナトリウム(2M,2mL)を含有する重炭酸ナトリウム(85mL)の間に分配した。次いで、有機相を単離し(相分離器)、溶媒を真空下で除去して、標題化合物を得た(2.82g)。LCMS(ES+ve):[M+H] m/zにて226(C11の理論値 [M+H] m/zにて226)。
【0197】
記載例35:2−フルオロ−N−(3−(メチルオキシ)−4−{[2−({[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}カルボノチオイル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド
【化58】

2−フルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)−3−(メチルオキシ)フェニル]ベンズアミド(記載例28に記載のように調製されうる)(346mg,1.14mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中に懸濁し、1−(3−イソチオシアナートプロピル)ピペリジン(記載例7に記載のように調製されうる)(315mg,1.71mmol)で処理し、アルゴン下、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた固体をジクロロメタンでトリチュレートした。固体を濾過によって収集して、標題化合物を得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて488(C2430FNSの理論値 [M+H] m/zにて488)。
【0198】
記載例36:2−フルオロ−N−(4−{[2−({[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}カルボノチオイル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド
【化59】

2−フルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(記載例29に記載のように調製されうる)(182mg,0.67mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中に懸濁し、1−(3−イソチオシアナートプロピル)ピペリジン(記載例7に記載のように調製されうる)(184mg,1.0mmol)で処理し、アルゴン下、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた固体をジエチルエーテルでトリチュレートした。固体を濾過によって収集して、標題化合物を得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて458(C2328FNSの理論値 [M+H] m/zにて458)。
【0199】
下記の表9の化合物は、適当なヒドラジドおよびイソチオシアナートから類似の方法で調製された。これらの場合、生成物は、ジクロロメタンでのトリチュレーションによって精製された。
【0200】
表9:
【表9】

【0201】
記載例37:2,6−ジフルオロ−N−(4−{[2−({[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}カルボノチオイル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド
【化60】

2,6−ジフルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(600mg,2.06mmol)のジメチルホルムアミド(6mL)中溶液に、3−(4−モルホリノ)プロピルイソチオシアナート(0.34mL,1.98mmol)を加えた。反応混合物を30℃で一晩加熱し、そのとき、LC/MS分析は、保持時間1.76分で99%物質を示した。反応混合物を蒸発させて茶色油を得、それをジクロロメタンと共に一晩攪拌した。得られた固体を濾過し、乾燥させて、標題化合物を得た(913mg)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて478(C2225Sの理論値 [M+H] m/zにて458)。
【0202】
下記の表10の化合物は、適当なヒドラジドおよびイソチオシアナートから、類似の方法において、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製された。
【0203】
表10:
【表10−1】

【0204】
【表10−2】

【0205】
【表10−3】

【0206】
記載例38:2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{[2−({[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}カルボノチオイル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド
【化61】

2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(2.91g,10mmol)および4−(4−イソチオシアナートプロピル)ピペリジンのテトラヒドロフラン(30mL)中懸濁液を60℃で3時間加熱した。形成した黄色溶液を室温で一晩静置させた。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣をエーテルでトリチュレートし、乾燥させて、標題化合物をクリーム色固体として得た(4.2g)。該固体をさらに精製することなく用いた。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて476(C2327S)の理論値 [M+H] m/zにて476)。
【0207】
下記の表11の化合物は、適当なイソチオシアナートおよびヒドラジドを用いて、類似の方法において、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製されうる。反応は、示されるようなテトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミドのいずれにおいて実施してもよい。
【0208】
表11:
【表11−1】

【0209】
【表11−2】

【0210】
【表11−3】

【0211】
【表11−4】

【0212】
記載例39:2−フルオロ−N−[4−(5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化62】

2−フルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(記載例29に記載のように調製されうる)(5.0g,18.19mmol)および水酸化カリウム(2.05g,36.58mmol)のエタノール(78mL)中混合物をアルゴン雰囲気下、0℃で攪拌した。次いで、二硫化炭素(3.3mL,54.87mmol)を加え、混合物を0℃でさらに10分間攪拌し、次いで、室温に温めた。室温で30分間攪拌後、混合物を90℃(ブロック温度)で一晩加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、2M塩酸で酸性化した。得られた沈澱を収集、水で洗浄、および高真空下、40℃で一晩乾燥後、標題化合物をクリーム色固体として得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて316(C1510FNSの理論値 [M+H] m/zにて316)。
【0213】
記載例40:2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化63】

2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(1.31g,4.5mmol)および水酸化カリウム(0.504g,9mmol)のエタノール(20mL)中混合物をアルゴン下で攪拌し、二硫化炭素(0.81mL,13.5mmol)で処理し、5日間熱還流した。溶媒を蒸発させ、残渣を2M塩酸でトリチュレートした。固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、標題化合物をオフホワイト色固体として得た(1.3g)。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて334(C15Sの理論値 [M+H] m/zにて334)。
【0214】
下記の表12の化合物は、適当なヒドラジドを用いて、類似の方法において、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製された。反応時間は、1日未満〜6日以上で変更してもよい。
【0215】
表12:
【表12−1】

【0216】
【表12−2】

【0217】
【表12−3】

【0218】
記載例41:2−フルオロ−N−(4−{5−[(フェニルメチル)チオ]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド
【化64】

トリエチルアミン(2.204mL,15.86mmol)を、2−フルオロ−N−[4−(5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド(記載例39に記載のように調製されうる)(5.001g,15.88mmol)のエタノール(50mL)中懸濁液に、氷浴で冷却しながら加えた。数分攪拌後、臭化ベンジル(1.888mL,15.87mmol)を加え、次いで、浴温度でさらに5分間、攪拌を続けた。室温で3時間攪拌後、得られた固体を収集し、冷エタノール、次いで水で洗浄し、最終的に、少量の冷エタノールで洗浄後、高真空下、40℃で乾燥させた。標題化合物を白色固体として得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて406(C2216FNSの理論値 [M+H] m/zにて406)。
【0219】
記載例42:2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{5−[(フェニルメチル)チオ]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド
【化65】

トリエチルアミン(1.27mL,9.13mmol)を2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド(3.04g,9.13mmol)のエタノール(30mL)中懸濁液に加えた。15分間攪拌後、臭化ベンジル(1.09mL,9.13mmol)を加え、次いで、室温で2時間攪拌した。得られた固体を濾過し、エタノールおよびエーテルで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を白色固体として得た(3.5g)。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて424(C2215Sの理論値 [M+H] m/zにて424。
【0220】
下記の表13の化合物は、適当なチオールを用いて、類似の方法において、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製されうる。特に、時々、反応を室温で開始し、またある時は、氷浴中で開始する。一般に、1−1.16当量の臭化ベンジルを用い、1−1.3当量のトリエチルアミンを用いる。生成物は、濾過、シリカ固相を用いるフラッシュクロマトグラフィー、またはトリチュレーションによって精製することができる。
【0221】
表13:
【表13−1】

【0222】
【表13−2】

【0223】
【表13−3】

【0224】
記載例43:2−フルオロ−N−(4−{5−[(フェニルメチル)スルホニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド
【化66】

メタ−クロロペルオキシ安息香酸(14.89g,66.44mmol、最大77%純度に基づく)を、氷浴中で攪拌しながら、ジクロロメタン(150mL)中における2−フルオロ−N−(4−{5−[(フェニルメチル)チオ]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド(記載例41に記載のように調製されうる)(5.988g,14.77mmol)に徐々に加えた。1時間後、浴を取り除き、室温で5日間攪拌を続け、次いで、さらなるメタ−クロロペルオキシ安息香酸(1g)を加えた。室温で一晩攪拌後、得られた白色固体を収集し、ジクロロメタン(100mL)で洗浄し、次いで、さらなるジクロロメタン(60−70mL)で洗浄した。LC/MSによる分析が混合物がまだメタ−クロロ安息香酸を含むことを示した場合、混合物の一部(472mg)をジクロロメタン(10mL)中における10%メタノール中に懸濁し、1分間音波処理した。次いで、収集した固体は、メタ−クロロ安息香酸を含まなかった。次いで、残りの粗生成物(5.94g)を同様に、10%メタノール/ジクロロメタン(125mL)で処理し、2分間音波処理し、新鮮な10%メタノール/ジクロロメタン(10mL)で最終的に洗浄して、標題化合物を白色固体として得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて438(C2216FNSの理論値 [M+H] m/zにて438)。
【0225】
記載例44:2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{5−[(フェニルメチル)スルホニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド
【化67】

メタ−クロロペルオキシ安息香酸(5.54g,24.81mmol、最大77%純度に基づく)を、2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{5−[(フェニルメチル)チオ]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド(3.5g,8.27mmol)のジクロロメタン(35mL)中溶液に加え、室温で一晩攪拌した。さらなるメタ−クロロペルオキシ安息香酸(1g)を加え、懸濁液を室温で一晩攪拌した。テトラヒドロフラン(20mL)を加えて溶解を助け、懸濁液を室温で一晩攪拌した。沈澱した固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を15%スルホキシドを含有する白色固体として得た(2.0g)、それをさらに精製することなく用いた。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて456(C2215Sの理論値 [M+H] m/zにて456)。
【0226】
下記の表14の化合物は、適当な硫化物を用いて、類似の方法において、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製されうる。特に、メタ−クロロペルオキシ安息香酸の量の変更を必要とすることがあり、さらなる良好な変換率を得るために、例えば3当量、次いで6当量のように、さらなる試薬が必要とされることがある。反応溶媒は、ジクロロメタンまたはジクロロメタンおよびテトラヒドロフランの混合物であってもよく、反応は、室温または氷浴中で開始されてもよい。反応時間は、数日間、例えば、5日間であることができる。
【0227】
表14:
【表14−1】

【0228】
【表14−2】

【0229】
【表14−3】

【0230】
【表14−4】

【0231】
記載例45:2−[(4−ニトロフェニル)カルボニル]−N−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]ヒドラジンカルボチオアミド
【化68】

1−(3−イソチオシアナートプロピル)ピペリジン(記載例7に記載のように調製されうる)(7.63g,41.40mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(56mL)中溶液をアルゴン雰囲気下、室温で攪拌しながら、N,N−ジメチルホルムアミド(56mL)中における4−ニトロベンズヒドラジド(5.00g,27.60mmol)に加えた。一晩攪拌後、反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン(100mL)を用いてトリチュレートした。固体を濾過によって収集し、高真空下で乾燥させて、標題化合物を暗橙色/茶色固体として得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて366(C1623Sの理論値 [M+H] m/zにて366)。
【0232】
記載例46:2−{[2−(エチルオキシ)−4−ニトロフェニル]カルボニル}−N−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]ヒドラジンカルボチオアミド
【化69】

2−(エチルオキシ)−4−ニトロベンゾヒドラジド(1.5g,6.67mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)中に溶解し、1−(3−イソチオシアナートプロピル)ピペリジン(1.60g,8.67mmol)を加え、反応物をアルゴン雰囲気下、室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、生成物をジエチルエーテルでトリチュレートして、標題生成物を得た(2.46g)。LCMS(ES+ve):[M+H] m/zにて410(C1827Sの理論値 [M+H] m/zにて410)。
【0233】
記載例47:5−(4−ニトロフェニル)−N−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン
【化70】

2−[(4−ニトロフェニル)カルボニル]−N−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]ヒドラジンカルボチオアミド(記載例45に記載のように調製されうる)(0.50g,1.37mmol)およびN−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレン(1.80g,3.42mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(29mL)中溶液をアルゴン雰囲気下、80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、SCXカートリッジに付した。メタノールを用いて不純物を洗浄し、生成物をメタノール中における2Mアンモニア溶液で溶出した。生成物を含有するフラクションを合わせ、減圧下で濃縮して、粗標題化合物を暗茶色油として得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(5%−10%)]によって精製して、標題化合物を得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて332(C1621の理論値 [M+H] m/zにて332)。
【0234】
記載例48:5−[2−(エチルオキシ)−4−ニトロフェニル]−N−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン
【化71】

2−{[2−(エチルオキシ)−4−ニトロフェニル]カルボニル}−N−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]ヒドラジンカルボチオアミド(2.46g,6.01mmol)およびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.49g,7.81mmol)を攪拌し、N,N−ジメチルホルムアミド(130mL)中、80℃で一晩加熱した。冷却後、混合物を真空下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(75mL)および水(75mL)の間に分配した。水層を酢酸エチル(2x30mL)で抽出し、次いで、合わせた有機相を水(100mL)で洗浄した。次いで、有機相を乾燥させ(相分離器)、真空下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(5−10%)]によって精製して、標題化合物を得た(1.77g)。LCMS(ES+ve):[M+H] m/zにて376(C1825の理論値 [M+H] m/zにて376)。
【0235】
記載例49:[5−(4−ニトロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル][3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化72】

5−(4−ニトロフェニル)−N−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン(記載例47に記載のように調製されうる)(2.19g,6.62mmol)をジクロロメタン(11mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下に置き、0℃に冷却した。反応混合物をトリエチルアミン(0.18mL,1.32mmol)、次いで、ジ−tert−ブチル−ジカルボネート(3.61g,16.54mmol)で処理した。氷浴を後で取り除き、混合物をアルゴン雰囲気下、室温で17時間攪拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(2%−10%)]によって精製して、標題化合物を得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて432(C2129の理論値 [M+H] m/zにて432)。
【0236】
記載例50:{5−[2−(エチルオキシ)−4−ニトロフェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}[3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化73】

5−[2−(エチルオキシ)−4−ニトロフェニル]−N−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン(1.77g,4.7mmol)、ジ−tert−ブチル−ジカルボネート(2.56g,11.8mmol)およびトリエチルアミン(0.65mL,4.7mmol)をジクロロメタン(10mL)中で約24時間攪拌した。さらなるトリエチルアミン(0.65ml,4.7mmol)およびジ−(−ブチル)ジカルボネート(1.02g,4.7mmol)を加え、反応物を一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(5−10%)]によって精製して、標題化合物を得た(1.73g)。LCMS(ES+ve):[M+H] m/zにて476(C2333の理論値 [M+H] m/zにて476)。
【0237】
記載例51:[5−(4−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル][3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化74】

[5−(4−ニトロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル][3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(記載例49に記載のように調製されうる)(0.12g,0.27mmol)および10%Pd/C(ペースト)(0.11g)のエタノール(9mL)中溶液を大気圧下、室温で週末にかけて水素化した。反応混合物をセライトで濾過し、次いで、減圧下で濃縮して、標題化合物を透明油として得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて402(C2131の理論値 [M+H] m/zにて402)。
【0238】
記載例52:{5−[4−アミノ−2−(エチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}[3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化75】

{5−[2−(エチルオキシ)−4−ニトロフェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}[3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(1.56g,3.29mmol)および亜鉛粉末(2.15g,32.9mmol)を酢酸(50mL)中で一晩攪拌した。固体を濾過によって除去し、溶媒を真空下で除去した。残渣をジクロロメタン(80mL)および重炭酸ナトリウム(80mL)の間に分配し、水性水酸化ナトリウム(2M,40mL)を加え、層を分離し、水層をさらなるジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(相分離器)、真空下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(2−6%)]によって精製して、標題化合物を得た(683mg)。LCMS(ES+ve):[M+H] m/zにて446(C2335)の理論値 [M+H] m/zにて446)。
【0239】
記載例53:(5−{4−[(フェニルカルボニル)アミノ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)[3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化76】

[5−(4−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル][3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(記載例51に記載のように調製されうる)(0.05g,0.12mmol)のジクロロメタン(5mL)中溶液をアルゴン雰囲気下、0℃で攪拌した。トリエチルアミン(0.081mL,0.13mmol)および塩化ベンゾイル(0.015mL,0.13mmol)を加え、反応混合物を0℃で45分間攪拌した。この後、反応混合物を室温に温め、次いで、45分間攪拌した。LC/MSが7%出発物質が残存することを示したので、反応混合物を一晩攪拌した。反応混合物を直接SCXカートリッジに付した。メタノールを用いて不純物を洗浄し、生成物をメタノール中における2Mアンモニア溶液で溶出した。生成物を含有するフラクションを合わせ、濃縮して透明油を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(0%−10%)]によって精製して、標題化合物を透明油として得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて506(C2835の理論値 [M+H] m/zにて506)。
【0240】
下記の表15の化合物は、反応時間に変更を加えた類似の方法において調製されうる。いくつかの調製において、最初の冷却工程を用いなかった。N−[4−(5−{[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−3−ピリジンカルボキサミドを調製するために、酸塩化物塩酸塩を用い、最初の冷却を用いず、22時間後に、さらに0.5当量のトリエチルアミンおよび酸塩化物塩酸塩を加え、反応混合物をさらに11.25時間攪拌した。
【0241】
表15:
【表15−1】

【0242】
【表15−2】

【0243】
【表15−3】

【0244】
【表15−4】

【0245】
記載例54:(5−{4−[(3−フラニルカルボニル)アミノ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)[3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化77】

[5−(4−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル][3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(100mg,0.25mmol)をジクロロメタン(5mL)中に0℃で溶解し、トリエチルアミン(51mg,0.5mmol)を加え、次いで、塩化3−フランカルボニル(65mg,0.50mmol)を加えた。反応物を室温で一晩攪拌した。さらなる塩化3−フランカルボニル(82mg,0.63mmol)およびトリエチルアミン(57mg,0.56mmol)を加え、反応物をさらに24時間攪拌した。溶媒を真空下で除去して、粗標題化合物を得た。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて496(C2633の理論値 [M+H] m/zにて496)。
【0246】
下記の表16の化合物は、適当なアニリンおよび酸塩化物を用いる類似の方法において、反応体当量、反応時間、後処理または精製を適宜変更して調製されうる。反応収率を改善するために、さらなる当量の酸塩化物を加える必要がある場合もある。生成物を、粗生成物のまま用いることもでき、または例えば、シリカ支持体を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって、またはSCXカートリッジを用いることによって精製することができる。
【0247】
表16:
【表16−1】

【0248】
【表16−2】

【0249】
【表16−3】

【0250】
【表16−4】

【0251】
記載例55:[3−(1−ピペリジニル)プロピル](5−{4−[(2−ピリジニルカルボニル)アミノ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化78】

[5−(4−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル][3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(記載例51に記載のように調製されうる)(75mg,0.187mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中攪拌溶液に、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(26.5mg,0.20mmol)、N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレン(492mg,1.9mmol/g,0.935mmol)および2−ピリジンカルボン酸(24.6mg,0.20mmol)を連続的に添加した。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で64.5時間攪拌した。次いで、混合物を濾過し、濾液を、メタノール、次いでメタノール中における2Mアンモニアで溶出するSCXカラムに通した。塩基性フラクションを合わせ、減圧下で濃縮した。次いで、生成物をジクロロメタン中におけるメタノール中2Mアンモニアを5〜10%含む混合物(12カラム容量)で溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製した。標題化合物を黄色固体として得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて507(C2734の理論値 [M+H] m/zにて507)。
【0252】
記載例56:メチル−4−アミノベンゾエート官能化樹脂
【化79】

4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ樹脂(Polymer Laboratories,PL−FDMP Resin,1.82mmol/g)およびメチル−4−アミノベンゾエートの10%酢酸/N−メチルピロリジノン中混合物に、混合しながらトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを徐々に加えた。得られた混合物を振盪濾過し、ジメチルホルムアミド(1x)、メタノール(1x)、ジクロロメタン(1x)、メタノール(1x)、ジクロロメタン(1x)およびメタノール(2x)で洗浄した。洗浄した樹脂を真空下で乾燥させて、所望の生成物を得た。
【0253】
実施例
実施例1:2−フルオロ−N−[3−(メチルオキシ)−4−(5−{[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド塩酸塩
【化80】

2−フルオロ−N−(3−(メチルオキシ)−4−{[2−({[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}カルボノチオイル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド(433mg,0.89mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(13mL)中に溶解し、N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレン(2.1mmol/g,2.12g,4.45mmol)で処理し、アルゴン下、80℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。生成物を2Mアンモニア/メタノール溶液およびジクロロメタン(5:95)の混合物で溶出するシリカゲル上で精製した。得られた生成物をジエチルエーテル中に懸濁し、固体を濾過によって収集して、標題化合物の遊離塩基を得た。
遊離塩基2−フルオロ−N−[3−(メチルオキシ)−4−(5−{[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド(230mg,0.51mmol)をメタノール中に溶解した。塩酸のジエチルエーテル中溶液(1M)(0.56mL,0.51mmol)を加え、混合物を減圧下で蒸発させて、標題化合物を固体として得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて454(C2428FNの理論値 [M+H] m/zにて454)。
【0254】
表17 実施例2−4
実施例2−4は、実施例1に類似の方法において調製された。
【0255】
【表17】

【0256】
実施例5:2−フルオロ−N−[4−(5−{[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド塩酸塩
【化81】

2−フルオロ−N−(4−{[2−({[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}カルボノチオイル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド(274mg,0.60mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(9mL)中に溶解し、N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレン(2.1mmol/g,1.43g,3.0mmol)で処理し、アルゴン下、80℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。生成物を2Mアンモニア/メタノール溶液およびジクロロメタン(5:95)の混合物で溶出するシリカゲル上で精製して、標題化合物の遊離塩基を得た。
遊離塩基2−フルオロ−N−[4−(5−{[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド(118mg,0.28mmol)をメタノール中に溶解した。ジエチルエーテル中における塩酸(1M)の溶液(0.31mL,0.31mmol)を加え、混合物を減圧下で蒸発させて、標題化合物を固体として得た。LC/MS(ES+ve):
【0257】
実施例6:N−[4−(5−{[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド塩酸塩
【化82】

トリフルオロ酢酸(0.056mL)をアルゴン雰囲気下、室温にて、(5−{4−[(フェニルカルボニル)アミノ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)[3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(0.030g,0.059mmol)のジクロロメタン(1mL)中攪拌溶液に加えた。混合物を2時間攪拌し、次いで、攪拌することなく一晩放置した後、直接SCXカートリッジに付した。メタノールを用いて不純物を洗浄し、生成物をメタノール中における2Mアンモニアで溶出した。生成物を含有するフラクションを合わせ、減圧下で濃縮して、標題化合物の遊離塩基を白色固体として得た。
遊離塩基をジエチルエーテル中における塩酸(1M)(0.054mL)で処理して、標題化合物をオフホワイト色固体として得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて406(C2327の理論値 [M+H] m/zにて406)。
【0258】
同様に、実施例7−20を調製した。
【0259】
表18:実施例7−20
【表18−1】

【0260】
【表18−2】

【0261】
【表18−3】

【0262】
【表18−4】

【0263】
実施例21:2−フルオロ−N−[4−(5−{[3−(1−ピロリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド塩酸塩
【化83】

2−フルオロ−N−(4−{5−[(フェニルメチル)スルホニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド(0.050g,0.11mmol)、1−(3−アミノプロピル)ピロリジン(0.034mL,0.28mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)中懸濁液をマイクロ波中、100℃で15分間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮して、透明油を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(5%−10%)]によって精製して、標題化合物の遊離塩基を透明油として得た。
該遊離塩基をジエチルエーテル中における塩酸(1M)(0.080mL)で処理して、標題化合物をオフホワイト色固体として得た。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて410(C2224FNの理論値 [M+H] m/zにて410)。
【0264】
同様に、実施例22−24を調製した。
【0265】
表19:実施例22−24
【表19】

【0266】
実施例25:2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(5−{[4−(4−モルホリニル)ブチル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化84】

2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{5−[(フェニルメチル)スルホニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド(2x1g,2.2mmol)および1−(4−アミノブチル)モルホリン(2x0.87g,5.5mmol)の1,4−ジオキサン(2x15mL)中懸濁液をマイクロ波中、100℃で15分間加熱した。反応混合物を合わせ、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し(3x)、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(4%)]によって精製し、エーテルでトリチュレートして、標題化合物を白色固体として得た(1.27g)。
LC/MS(ES+ve):[M+H]+ m/zにて458(C2325の理論値 [M+H] m/zにて458)。
【0267】
実施例26:2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(5−{[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化85】

[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミン(225mg,1.29mmol)および1,1−チオカルボニルジイミダゾール(230mg,1.29mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中に溶解し、室温で一晩攪拌した。該溶液の3分の1(5mL)を2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(125mg,0.43mmol)に加え、該反応物を一晩攪拌した。次いで、反応混合物にN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(165mg,0.86mmol)を加え、反応物を65℃で21時間加熱した。反応混合物を水性水酸化ナトリウム(2M,15mL)および酢酸エチル(20mL)の間に分配した。有機相をさらなる水酸化ナトリウム(10mL)および水(2x15mL)で洗浄した後、分離し、真空下で濃縮した。残渣をアセトンでトリチュレートして、標題生成物を白色固体として得た(69mg)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて474(C2426の理論値 [M+H] m/zにて474。
【0268】
実施例27:2−フルオロ−N−[4−(5−{[3−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化86】

4−フルオロピペリジン塩酸塩(164mg,1.18mmol)をジクロロメタン(5mL)および水性水酸化ナトリウム(2M,5mL)の間に分配し、水相をさらなるジクロロメタン(5mL)で抽出した。有機相を合わせ、単離した(相分離器)。該溶液に3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロパナール(300mg,1.48mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(470mg,2.22mmol)を加え、次いで、反応物を室温で一晩攪拌した。メタノールを反応混合物に加え、それをSCXカートリッジ(10g)に付し、メタノールで洗浄し、メタノール中における2Mアンモニアで溶出した。溶媒を真空下で除去し、残渣をメチルアミンのエタノール中溶液(33%,2mL)中に溶解し、反応物を室温で一晩攪拌した。次いで、ジエチルエーテル(7mL)を加え、得られた固体を濾過によって除去した。溶媒を真空下で除去し、次いで、粗アミンである[3−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)プロピル]アミンをジオキサン(3mL)中に溶解し、2−フルオロ−N−(4−{5−[(フェニルメチル)スルホニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル)ベンズアミド(70mg,0.16mmol)を加えた。反応物をマイクロ波中、100℃で15分間加熱した。溶媒を真空下で除去し、残渣をマス・ディレクテッド(mass directed)自動分取液体クロマトグラフィーによって精製した。生成物をSCXカートリッジに付し、メタノールで洗浄し、メタノール中における2Mアンモニアで溶出した。溶媒を真空下で除去して、標題化合物を白色固体として得た(45mg)。LCMS(ES+ve):[M+H] m/zにて442(C2325の理論値 [M+H] m/zにて442。
【0269】
実施例28〜44の化合物は、実施例1に類似の方法で調製された。実施例1に使用される手法の変更には、限定するものではないが、N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレンよりもむしろEDAC・HClの使用、使用される出発物質EDAC・HClまたはN−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレンに対するモル当量、使用される反応時間、使用される温度を包含する。使用される精製方法は、EtOAc/ヘキサン、NH3/MeOH/DCM、MeOH/DCMを用いるクロマトグラフィー、またはエタノールからの再結晶化から選択された。ある実施例において、クロマトグラフィーの後に、エーテルでのトリチュレーションを行った。実施例38は、MDAPを用いて精製し、次いで凍結乾燥させた。実施例39および40は、クロマトグラフィーをすることなく、トリチュレートした。
【0270】
表20:実施例28〜44
【表20−1】

【0271】
【表20−2】

【0272】
【表20−3】

【0273】
【表20−4】

【0274】
実施例45は、MDAPによって精製を行った後、エーテルでトリチュレーションすることを除き、実施例26と類似の方法において調製された。
【0275】
【表21】

【0276】
実施例46〜134および145〜176の化合物は、実施例21と類似の方法において調製された。実施例44の化合物は、実施例1に類似の方法で調製されることに加え、実施例21に類似の方法で調製された。
実施例27の方法は、実施例135−144に用いられた。
アミンのいくつかは、遊離塩基として入手可能であり、これらの場合において、DCMおよびNaOH間の分離は必要とされなかった。
実施例21に使用される手法に対する変更は、限定するものではないが、モル当量、使用される反応時間および精製方法を包含する。いくつかの場合において、実施例は、マイクロ波中よりもむしろ、熱によって加熱された。
【0277】
表21:実施例46〜215
【表22−1】

【0278】
【表22−2】

【0279】
【表22−3】

【0280】
【表22−4】

【0281】
【表22−5】

【0282】
【表22−6】

【0283】
【表22−7】

【0284】
【表22−8】

【0285】
【表22−9】

【0286】
【表22−10】

【0287】
【表22−11】

【0288】
【表22−12】

【0289】
【表22−13】

【0290】
【表22−14】

【0291】
【表22−15】

【0292】
【表22−16】

【0293】
【表22−17】

【0294】
【表22−18】

【0295】
【表22−19】

【0296】
【表22−20】

【0297】
【表22−21】

【0298】
【表22−22】

【0299】
【表22−23】

【0300】
【表22−24】

【0301】
【表22−25】

【0302】
【表22−26】

【0303】
【表22−27】

【0304】
【表22−28】

【0305】
【表22−29】

【0306】
【表22−30】

【0307】
【表22−31】

【0308】
【表22−32】

【0309】
実施例177〜192は、HClでの処理を省き、実施例を遊離塩基として単離したことを除き、実施例6に類似の方法において調製された。
実施例6において用いられた手法に対する変更は、限定するものではないが、DCM中におけるトリフルオロ酢酸の代わりにジオキサン中における4M HClを用いること、反応時間、および用いられる精製方法を包含する。
【0310】
表22:実施例177〜190
【表23−1】

【0311】
【表23−2】

【0312】
【表23−3】

【0313】
実施例191:N−[4−(5−{[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]シクロヘプタンカルボキサミド
【化87】

塩化チオニル(417mg,3.5mmol)をシクロヘプタンカルボン酸(50mg,0.35mmol)のジクロロメタン(1mL)中溶液に加え、該溶液を40℃に1.5時間加熱した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をジクロロメタン(2mL)中に再溶解し、[5−(4−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル][3−(1−ピペリジニル)プロピル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(2mL)の溶液に加え、次いで、トリエチルアミン(71mg,0.7mmol)を加えた。反応物を室温で一晩攪拌後、部分的な反応のみが観察された。さらなる塩化シクロヘプタンカルボニル(1.1mmol)を上記のように合成し、さらなるトリエチルアミン(213mg,2.1mmol)と共に反応混合物に加え、反応物をさらに24時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をジオキサン中における4M HCl(2mL)中に溶解し、室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,メタノール中における2Mアンモニア:ジクロロメタン(5−10%)]によって部分的に精製した。生成物をさらにMDAPによって精製し、生成物をSCXカートリッジ上に付し、メタノールで洗浄し、メタノール中における2Mアンモニアで溶出した後、真空下で溶媒を除去して、標題化合物を得た(85mg)。LCMS(ES+ve):[M+H] m/zにて426(C2435の理論値 [M+H] m/zにて426)。
【0314】
下記の表23の実施例192および193の化合物の調製において、実施例191に類似の方法において、Boc保護物質を調製するために使用される酸塩化物試薬を合成し、次いで、適当なアニリンと直接反応させた。
【0315】
表23:
【表24】

【0316】
実施例194:2,6−ジフルオロ−N−[4−(5−{[3−(4−モルホリニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化88】

2,6−ジフルオロ−N−(4−{[2−({[3−(1−ピペリジニル)プロピル]アミノ}カルボノチオニル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド(250mg,0.52mmol)(記載例36に記載のように調製されうる)の工業用メチル化スピリット(5mL)中懸濁液に、0℃にて、2M水性水酸化ナトリウム溶液をpH9になるまで加えた。次いで、、水性5%KI溶液(約7mL)を、オレンジ色が持続するまで滴下した。LC/MSは、82%の所望の生成物および12%の残存する出発物質を示したので、さらなる5%水性KI溶液(2mL)を加え、反応混合物を1時間攪拌した。次いで、LC/MSは、93%の所望の生成物を示した。反応混合物を濃縮し、残渣を数的のメタノールを含有するジクロロメタンでトリチュレートした。有機相を濃縮し、、残渣を、ジクロロメタンから7%メタノール性アンモニアを含有するジクロロメタンへ極性を増加させた溶出液を用いるシリカゲル上のカラムに付して、標題化合物を黄色油として得た(182.5mg)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて444(C2223の理論値 [M+H] m/zにて444)。
【0317】
下記の化合物は類似の方法で調製された。
【0318】
表24:実施例195〜205
【表25−1】

【0319】
【表25−2】

【0320】
実施例194、195および197〜205は、また、実施例194(HCl)、195(HCl)および197(HCl)〜205(HCl)として下記で示される塩酸塩として調製された。
【0321】
実施例194(HCl):2,6−ジフルオロ−N−[4−(5−{[3−(4−モルホリニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド塩酸塩
【化89】

2,6−ジフルオロ−N−[4−(5−{[3−(4−モルホリニル)プロピル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド(180mg,0.41mmol)のジオキサン(3mL)およびメタノール(2mL)中溶液に、ジオキサン中における4M HCl(2mL)を加えた。反応混合物を一晩攪拌し、次いで、濃縮した。残渣をメタノール/酢酸エチルから再結晶化して、標題化合物を黄色固体として得た(174mg)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/z 444(C2223の理論値 [M+H] m/zにて444)。
【0322】
下記の化合物は、適当な遊離塩基をジオキサン中におけるHClの溶液で処理することによって類似の方法で調製された(ジオキサン中におけるHCl中に静置させる時間は、2時間〜一晩で変更してもよい)。
【0323】
表25:実施例195(HCl)、197(HCl)〜205(HCl)
【表26−1】

【0324】
【表26−2】

【0325】
【表26−3】

【0326】
実施例206〜237の一般的な手法
Irori MinikanTM(登録商標)反応器に、60mgの樹脂結合型メチル−4−アミノベンゾエート官能化樹脂を加えた。該反応器をジクロロメタン中におけるジイソプロピルエチルアミンの1.25M溶液(1mL)およびジクロロメタン中における酸塩化物(例えば、塩化3−(メチルオキシ)ベンゾイル)の1.0M溶液で連続的に処理して、室温(20℃)で一晩(20時間)振盪させた。次いで、反応器をメタノールおよびジクロロメタン(2x)で連続的に洗浄し、テトラヒドロフラン(THF)中におけるカリウムトリメチルシラノエート(KOTMS)の0.7M溶液(2mL)で処理し、室温で一晩振盪した。反応器を再び、メタノール(2x)、アセトニトリル(1x)、ジクロロメタン(1x)およびアセトニトリル(2x)で連続的に洗浄し、N−メチルピロリジノン(NMP)中におけるピリジンの0.8M溶液(2mL)で処理した。該混合物に、110μLトリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル(PFPTFA)を加え、該混合物を室温で一晩振盪させた。反応器をNMP(1x)、アセトニトリル(2x)、およびジクロロメタン(2x)で連続的に洗浄し、次いで、NMP中におけるヒドラジンの0.3M溶液(2mL)で処理し、室温で一晩振盪させた。反応器を再び、NMP(1x)、メタノール(2x)、ジクロロメタン(1x)およびアセトニトリル(1x)で連続的に洗浄し、次いで、NMP中における適当なイソチオシアナート化合物の0.33M溶液(2mL)で処理し、室温で一晩振盪させた。反応器をNMP(1x)、メタノール(1x)、ジクロロメタン(2x)およびジメチルスルホキシド(DMSO)(1x)で洗浄し、DMSO中におけるN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)の0.4M溶液(2mL)で処理し、90℃で6時間加熱した。反応器を冷却し、DMSO(1x)およびメタノール/ジクロロメタン(5x)で洗浄して、いずれの可溶性不純物も除去した後、固体支持体から開裂させた。支持体からの開裂は、反応器をジクロロメタン中におけるトリフルオロ酢酸(TFA)の10%溶液(2mL)で処理することによって達成された。得られた溶液を蒸発乾固させて、最終生成物を得た。
【0327】
実施例206〜237は、上記の方法で調製された。表25の化合物は、TFA塩として単離された。表25のいくつかの実施例は、先に記載した実施例のTFA塩である(実施例番号(TFA)によって示される)。
【0328】
表25:実施例206〜237
【表27−1】

【0329】
【表27−2】

【0330】
【表27−3】

【0331】
【表27−4】

【0332】
【表27−5】

【0333】
【表27−6】

【0334】
【表27−7】

【0335】
【表27−8】

【0336】
【表27−9】

【0337】
【表27−10】

【0338】
【表27−11】

【0339】
【表27−12】

【0340】
【表27−13】

【0341】
【表27−14】

【0342】
実施例25A 2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(5−{[4−(4−モルホリニル)ブチル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミドの別法
4−(4−イソチオシアナートブチル)モルホリン
【化90】

THF(10mL)中に溶解した[4−(4−モルホリニル)ブチル]アミン(1.1g,7mmol)を1’1−チオカルボニルジイミダゾール(1.18g,6.65mmol)で処理し、室温で3時間攪拌した。該溶液を直接、次工程に用いた。
【0343】
2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−モルホリニル)ブチル]アミノ}カルボノチオニル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド
【化91】

2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(1.02g,3.5mmol)をTHF(3mL)中で攪拌し、4−(4−イソチオシアナートブチル)モルホリン(4.65mmol)のTHF(7mL)中溶液で処理し、60℃で5時間加熱した。黄色溶液が生成した。さらなる4−(4−イソチオシアナートブチル)モルホリン溶液(0.9mL)を加え、該溶液を室温で一晩攪拌した。さらなる4−(4−イソチオシアナートブチル)モルホリン溶液(0.6mL)を加え、該溶液を60℃で2時間加熱した。該懸濁液を冷却し、固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を得た(1.7g)。該固体をさらに精製することなく用いた。
【0344】
2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(5−{[4−(4−モルホリニル)ブチル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化92】

2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−モルホリニル)ブチル]アミノ}カルボノチオニル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド(1.7g粗物質)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(793mg,4.15mmol)のDMF(20mL)中溶液を80℃で5時間加熱した後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。該溶液を水(3x)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。エーテル、次いで、アセトンでのトリチュレーションにより、標題化合物を薄黄色固体として得た(780mg)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて458.1(C2325の理論値 [M+H] m/zにて458)。
【0345】
実施例131A:実施例131の別法
2−フルオロ−N−[4−(5−{[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミン
【化93】

4−ブロモブチルフタルイミド(7.0g,24.8mmol)、トリエチルアミン(10.4mL,74.4mmol)および4−フルオロピペリジン塩酸塩(4.50g,32.3mmol)をエタノール(70mL)に加え、混合物を6時間熱還流した後、室温に一晩冷却した。次いで、ヒドラジン水和物(2.86g,57.0mmol)を加え、反応物を45分間熱還流した。固体を濾過し、溶液を真空下で濃縮した。ジエチル エーテルを加え、形成した固体を濾過した。第2バッチ由来の固体をジクロロメタンおよび水性水酸化ナトリウム(2M)の間で分離した。DCM層を再び、水性水酸化ナトリウム(2M)で洗浄し、有機溶液を単離し、溶媒を真空下で除去して、無色油を得た。第1のバッチの固体を水層に加え、ジクロロメタン、次いで、クロロホルム:イソプロピルアルコール(4:1)で抽出した。単離し、真空下で溶媒を除去後すぐに、分離した全てのバッチの生成物を合わせて無色油を得た(2.37g)。
【0346】
4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル
【化94】

4−アミノ安息香酸メチル(15.0g,99.0mmol)のジクロロメタン(120mL)中懸濁液に、アルゴンフラッシュ下0℃にて、ジイソプロピルアミン(17.2mL,99.0mmol)、次いで、塩化2−フルオロベンゾイル(12.9mL,109mmol)を加えた。5分後、冷却バッチを取り除き、溶液を4時間攪拌した。反応混合物を濾過して沈殿物を除去し、濾液を水性塩酸(2M,100mL、次いで70mL)で洗浄し、乾燥させ(相分離器)、溶媒を真空下で除去して、標題化合物をオフホワイト色固体として得た(24.6g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて274(C1512FNOの理論値 [M+H] m/zにて274)。
【0347】
2−フルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド
【化95】

4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル(24.6g,90.0mmol)のメタノール(400mL)中混合物に、ヒドラジン水和物(30.5mL,630mmol)を加え、反応物を一晩熱還流した。さらなるヒドラジン水和物(15mL,215mmol)を加え、反応物をさらに24時間加熱した。標題化合物を反応混合物から濾過によって単離し、メタノールで洗浄し、週末にかけて真空オーブン中で乾燥させて、標題化合物を得た(16.7g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて274(C1412FNの理論値 [M+H] m/zにて274)。
【0348】
2−フルオロ−N−[4−(5−{[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化96】

1,1−チオカルボニルジイミダゾール(1.63g,9.17mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(80mL)中溶液に、[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミン(1.60g,9.17mmol)を加え、反応物をアルゴンフラッシュ下、室温で20時間攪拌した。次いで、2−フルオロ−N−[4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(2.50g,9.17mmol)を加え、反応物を室温でさらに24時間攪拌した。次いで、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.50g,18.3mmol)を加え、反応物を65℃で4時間加熱した。反応が不完全だったので、65℃で一晩加熱した後、さらなるN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.76g,9.17mmol)を加え、反応物を24時間加熱した。反応混合物を真空下で濃縮し、酢酸エチル(100mL)および水性水酸化ナトリウム(2M,100mL)の間に分離した。有機相をさらなる水酸化ナトリウム(2M,100mL)および水(2x70mL)で洗浄した後、分離し、真空下で濃縮した。固体をアセトンでトリチュレートし、得られた固体を真空オーブン中で一晩乾燥させた。次いで、エタノールから再結晶化させて、標題化合物を白色固体として得た(1.05g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて456(C2427の理論値 [M+H] m/zにて456)。
【0349】
実施例26の別法:2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(5−{[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
4−アミノ−2−フルオロ安息香酸
【化97】

2−フルオロ−4−ニトロ安息香酸(25g,135mmol)のエタノール(500mL)中溶液を炭上の10%パラジウム触媒で一晩水素化した。触媒を濾過し、濾液を蒸発乾固して、標題化合物をクリーム色固体として得た(20.3g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて156(CFNOの理論値 [M+H] m/zにて156)。
第2のより小さいバッチを同様に調製して、標題化合物を製造した(4.1g)。
【0350】
4−アミノ−2−フルオロ安息香酸メチル
【化98】

4−アミノ−2−フルオロ安息香酸(24.4g)のメタノール(480mL)中攪拌溶液に濃硫酸(48mL)を滴下し、3時間熱還流した。メタノールを蒸発させ、残渣を水(600mL)および酢酸エチル(500ml)の間に分配した。固体炭酸カリウムを用いて混合物を塩基性にし、有機層を分離した。有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させて、標題化合物を黄色固体として得た(25.5g)。
LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて170(CFNOの理論値 [M+H] m/zにて170)。
【0351】
2−フルオロ−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル
【化99】

塩化2−フルオロベンゾイル(19.8mL,166mmol)を4−アミノ−2−フルオロ安息香酸メチル(25.5g,151mmol)およびトリエチルアミン(23mL,166mmol)のDCM(250mL)中攪拌溶液に滴下し、氷浴中で冷却した。該溶液を室温で1時間攪拌し、2M HCl(300mL)、水(200mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残渣をエーテルでトリチュレートして、標題化合物を黄色固体として得た(35.7g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて292(C1511NOの理論値 [M+H] m/zにて292)。
【0352】
2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド
【化100】

2−フルオロ−4−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}安息香酸メチル(10g,34mmol)、ヒドラジン水和物(8.34mL,172mmol)およびメタノール(100mL)の混合物を一晩熱還流し、冷却し、濾過した。固体をメタノールおよびエーテルで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を白色固体として得た(7.7g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて292(C1411の理論値 [M+H] m/zにて292)。
【0353】
[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミン
【化101】

N−(4−ブロモブチル)フタルイミド(31g,110mmol)、4−フルオロピペリジン塩酸塩(20g,143mmol)およびトリエチルアミン(45.7mL,329mmol)のエタノール(300mL)中混合物を6時間熱還流し、室温に一晩冷却した。ヒドラジン水和物(12.3mL,253mmol)を加え、反応物を1時間熱還流し、次いで、室温に冷却した。沈澱した固体を濾過し、エタノールで洗浄し、濾液を蒸発乾固させた。残渣を2M水性水酸化ナトリウムおよび酢酸エチル中に溶解し、有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させて、標題化合物を薄茶色油として得た(9.3g)。
【0354】
4−フルオロ−1−(4−イソチオシアナートブチル)ピペリジン
【化102】

THF(75mL)中に溶解した[4−(4−モルホリニル)ブチル]アミン(6.96g,40mmol)を1’1−チオカルボニルジイミダゾール(7.12g,40mmol)で処理し、室温で3時間攪拌した。該溶液を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させて標題化合物を茶色油として得(12g)、それをさらに精製することなく用いた。
【0355】
2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミノ}カルボノチオイル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド
【化103】

2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(ヒドラジノカルボニル)フェニル]ベンズアミド(4g,13.7mmol)および4−フルオロ−1−(4−イソチオシアナートブチル)ピペリジン(4.15g,20.5mmol)のテトラヒドロフラン(45mL)中懸濁液を60℃で5時間加熱した。さらなる4−フルオロ−1−(4−イソチオシアナートブチル)ピペリジン(800mg,4mmol)を加え、該溶液を60℃で3.5時間加熱し、次いで、室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をエーテルでトリチュレートし、濾過し、乾燥させて、標題化合物を白色固体として得た(7.5g)。[M+H] m/zにて508(C2428Sの理論値 [M+H] m/zにて508)。該固体をさらに精製することなく用いた。
【0356】
2−フルオロ−N−[3−フルオロ−4−(5−{[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミノ}−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]ベンズアミド
【化104】

2−フルオロ−N−(3−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−フルオロ−1−ピペリジニル)ブチル]アミノ}カルボノチオニル)ヒドラジノ]カルボニル}フェニル)ベンズアミド(7.5g粗物質)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.14g,16.4mmol)のジメチルホルムアミド(75mL)中溶液を80℃で4時間加熱した後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。該溶液を水(3x)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。固体をアセトンでトリチュレートし、濾過し、乾燥させた。該固体を2%メタノール/ジクロロメタン(120mL)中に溶解し、水(4x30mL)で洗浄して残留ジメチルホルムアミドを除去し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。エーテルでトリチュレーションして、標題化合物を白色固体として得た(2.66g)。LC/MS(ES+ve):[M+H] m/zにて474.0(C2426の理論値 [M+H] m/zにて474)。
【0357】
本発明は、上記した特定かつ好ましいサブグループの全ての組み合わせを包含するとが理解されるべきである。
【0358】
生物学的活性を決定するためのアッセイ
α7 nAChR FLIPR(登録商標)(蛍光画像プレートリーダー(Fluorometric Imaging Plate Reader))アッセイ
異種発現性α7 nAChRの機能は、FLIPR−Ca2+アッセイによって評価された。nAChRsは、Ca2+に対する高い浸透性を有する非選択的カチオンチャネルなので、これらの研究は、Ca2+−キレート化蛍光染料Fluo−4およびFIPR(蛍光画像プレートリーダー)技術を用いて細胞内Ca2+濃度の変化を測定することによって行われた。
【0359】
ヒトα7 nAChR(Biocat ID 96986)で安定にトランスフェクトされたGH4C1細胞(下垂体腫瘍の不死化細胞系統)を解凍し、生育培地(Hamの栄養混合物F10−Ham’s F10,Invitrogen 31550−023,15%熱不活性化ウマ血清−Invitrogen 26050−047,2.5%胎仔ウシ血清−FBS,Gibco 10500−064,200μg/mlハイグロマイシンB−Invitrogen,10687−010,10mg/Lフェノールレッド−Sigma,P 0290,1mM グルタミン−Invitrogen,25030−024)中に懸濁し、500cmトリプルフラスコ中に播種した。
実験の72時間前に、懸濁中で生育している細胞を採取し、遠心分離し、生育培地中、1.8x10/mLの密度で再懸濁し、コーティングされた透明底黒色384ウェルプレート(Pierce)中、9000細胞/ウェルで播種した。次いで、細胞を30℃、5%COで72時間インキュベートした。
【0360】
実験日に、細胞を2.5mMプロベネシッド(Probenecid)を含有するアッセイバッファー(AB)(145mM NaCl,5mM KCl,1mM MgCl,2mM CaCl,20mM HEPES,5.5mMグルコース pH=7.3)で2回洗浄した。安定にトランスフェクトされた細胞の細胞内Ca2+含量の変化を、Ca2+キレート化Fluo−4(Tef Labs 0152)をFLIPR(Molecular Devices)と共に用いて測定した。細胞浸透性染料Fluo−4を100%DMSOおよび10%プルロン酸(Pluronic acid)中1mMの濃度に調製した。次いで、染料をABで最終濃度2μMに希釈し、細胞上に置いた。37℃で染料負荷インキュベーションを45−60分した後、ABでの洗浄(80μL,3回)によって取り込まれなかった染料を細胞から除去し、最終容量30μL/ウェルのABを各ウェルに残した。
【0361】
試験化合物(100%DMSO中2mMで溶解し、DMSOで連続希釈した)を含有するプレートを「娘」プレート(1μL/ウェル分注)中にコピーした。アッセイを開始する直前に、「娘」プレートを50μL/ウェルのABで希釈した。
次いで、プレートをFLIPR中に置き、細胞蛍光を薬物添加前(30秒)に測定し、化合物に曝露した直後にモニターした(488nm励起、510−580nm発光)。最大蛍光値を記録し、アゴニストEC50計算に当て嵌めた。
【0362】
結果
実施例134を除く実施例1−237の化合物をα7 nAChR FLIPRアッセイにおいて試験した。実施例194〜205はHCl塩として試験した。
結果をpEC50値として表す。pEC50は、α7 nAChR FLIPRアッセイにおいて決定されたアゴニストEC50計算の負の対数である。ある特定の実施例は、1回以上試験された。pEC50のばらつきは、試験間で生じうる。
実施例1−237の化合物は、5のpEC50値を示した。
実施例1−14、16〜19、21、23、25−29、31−35、37、40−48、50−56、58−64、66−108、110−129、131−132、135−137、140、144−161、163−165、167−177、181、183、185、188−191、193−195、199−200、202−204、209、225、226、229−231、234、235の化合物は6のpEC50値を示した。
より詳細には、実施例1、5、6、26、31−34、44−46、48、52、54、55、62、71、73、75、76、78、83、85、89、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、112、114、115、119−125、127−128、145、147、152−154、156、158、164、169−173、176、190は、7のpEC50値を示した。
【0363】
明細書および請求の範囲が一部を形成する本出願は、いずれかのその後の出願に関して優先権の基礎として使用されうる。かかるその後の出願の請求の範囲は、本明細書中に記載されるいずれの特徴または組み合わせに向けられていてもよい。それらは、生成物、組成物、製法または使用の請求項の形態を取ってもよく、また、例示であって限定するものではないが、添付の請求の範囲を包含しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Qは、−(CH−を示し、ここに、nは3または4であり;
Raは、水素またはCHを示し;
は、−NRCORを示し;
は、水素、ハロゲンまたはC1−6アルキルを示し;
は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、ハロC1−6アルキル、または−OハロC1−6アルキルを示し;
およびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、あるいは非置換か、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換された5〜6員の複素環を示すか;または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換された窒素含有ヘテロシクリル基を形成し;
は水素を示し;
は、C1−5アルキル、C3−8シクロアルキル、テトラヒドロピラニル、チオフェニル、ピリジル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラニル、−(CHアリールを示し、ここに、フラニル、チオフェニル、ピリジル、オキサゾリル、イソオキサゾリルまたはアリールは、非置換であるか、またはハロ、メチル、CF、OCFおよびOMeから選択される1〜3個の置換基によって置換されることができ、ここに、OMeは、カルボニルに対してオルト位で存在せず、CFは、カルボニルに対してメタまたはパラ位にはなく;
mは、0または1であり;
但し、Rはイソプロピルではない]
で示される化合物またはその塩。
【請求項2】
Raが水素を示す請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が水素を示す請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
が水素、クロロ、フルオロ、CF、−OCHまたはエチルを示す請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
およびRがそれらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換であるか、またはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基によって置換された窒素含有ヘテロシクリル基を形成する請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
がシクロヘキシル基を示すか、あるいはRが非置換または1、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたアリールを示す請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
式(Ia):
【化2】

[式中、
は、水素、クロロ、フルオロ、CF、OCHまたはエチルを示し;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換であるか、あるいはメチルおよびフルオロから選択される1、2または3個の置換基で置換された窒素含有ヘテロシクリル基を形成し;
は、シクロヘキシル基、あるいは非置換であるか、または1〜3個のハロ置換基によって置換されることのできるフェニル基を示す]
で示される化合物またはその塩。
【請求項8】
塩が医薬上許容される塩である請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
実施例1〜237の化合物から選択される請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩を医薬担体および/または賦形剤と共に含んでなる医薬組成物。
【請求項11】
活性な治療物質として使用するための請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項12】
神経病、精神障害、疼痛関連障害、肥満、腐敗症および胃腸障害の治療において使用するための請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項13】
有効量の請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体を対象に投与することを特徴とする、神経病、精神障害、疼痛関連障害、肥満、腐敗症または胃腸障害に罹患しているヒトまたは動物対象を治療する方法。
【請求項14】
神経病、精神障害、疼痛関連障害、肥満、腐敗症および胃腸障害の治療のための医薬の製造における請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項15】
請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩を含む、神経病、精神障害、疼痛関連障害、肥満、腐敗症および胃腸障害の治療において使用するための医薬組成物。

【公表番号】特表2009−538865(P2009−538865A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512565(P2009−512565)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055159
【国際公開番号】WO2007/138033
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】