説明

5−HT2リガンドとしての四環式アザピラジノインドリン

本発明は、式(I)(式中、R〜Rは、請求項1に示した意義を有する)で示される化学的化合物、ならびに薬学的に許容され得るその塩およびエステルに関する。これらの化合物は、医薬の製造に用いることができる。そして、式中、CおよびCは、RおよびRと一緒になって、更なる環状部分を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な化学的化合物、特に、新規なフルオレン誘導体、その製造の方法および中間体、それを含む医薬組成物、ならびにその医薬の使用に関する。本発明の化合物は、肥満および他の疾患を処置するのに有用である。
【0002】
本発明は、特に、式(I):
【0003】
【化16】

【0004】
(式中、
およびRは、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0005】
【化17】

【0006】
を形成し;
は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルキルカルボニルまたはシクロアルキルカルボニルであり;
は、アルキルまたはシクロアルキルであり;
およびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキルおよびアルコキシアルキルから選択され;
およびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキルおよびアルコキシアルキルから選択され;
10およびR11は、独立して、水素およびアルキルから選択され;
12およびR13は、独立して、水素およびアルキルから選択され;
14は、水素、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
15は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
16は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
17は、水素、アルキルまたはシクロアルキルである)
で示される化合物、ならびに薬学的に許容され得るその塩およびエステルに関する。
【0007】
肥満が環境因子により影響を受ける疾患工程であり、食事制限および運動での伝統的な体重減量法は治療製品を補う必要があることが認識された(S. Parker, "Obesity: Trends and Treatments", Scrip Reports, PJB Publications Ltd, 1996)。
【0008】
ヒトが過体重または肥満に分類されるかどうかは、一般に、体重(kg)を身長の二乗(m)で割って計算される、ボデーマス指数(BMI)に基づいて決定される。つまり、BMIの単位はkg/m2であり、一生のうちの10年ごとの最小死亡率に関連するBMI範囲を計算することが可能である。過体重は、25〜30kg/m2の範囲のBMIと定義され、肥満は、30kg/m2を超えるBMIと定義されている。この定義には、脂肪(脂肪組織)に対する筋肉というボデーマスの割合が考慮されていないという問題がある。これを考慮するために、肥満を、体脂肪量に基づき、男性および女性で、それぞれ25%超および30%超と定義することもできる。
【0009】
BMIが上昇するに連れ、別の危険因子と独立した様々な原因による死亡リスクが上昇する。肥満による最も一般的な疾患は、心臓血管疾患(特に、高血圧)、糖尿病(肥満は糖尿病の進展を悪化させる)、胆嚢疾患(特に、癌)および生殖器の疾患である。研究は、体重のわずかな減少でも、冠動脈性心臓疾患を進展するリスクの有意な低下に対応できることを示す。
【0010】
抗肥満剤として市販される化合物は、オルリスタット(XENICAL(登録商標))およびシブトラミンを含む。オルリスタット(リパーゼ阻害剤)は、脂肪吸収を直接阻害し、下痢などの不快な(しかし、比較的害の少ない)副作用の高い発生率を生じる傾向がある。シブトラミン(5−HT/ノルアドレナリン混合の再取込み阻害剤)は、一部の患者の血圧および心拍数を上昇させ得る。セロトニン放出剤/再取込み 阻害剤であるフェンフルラミン(Pondimin(登録商標))およびデクスフェンフラミン(Redux(商標))は、長期にわたって(6ヶ月を超えて)摂食量および体重を減少させることが報告された。しかし、それらの製品は両者とも、使用に関連する心臓弁異常の予備的証拠の報告後に、中止された。それゆえ、より安全な抗肥満剤の開発が求められている。
【0011】
本発明の目的は、治療に使用される、特に、抗肥満剤として使用される、選択的で直接に作用する5−HT受容体リガンドを提供することである。本発明の更なる目的は、治療に使用される、特に、抗肥満剤として使用される、5−HT2Bおよび/または5−HT2C受容体に選択的で直接に作用するリガンドを提供することである。本発明の更なる目的は、治療に使用される、特に、抗肥満剤として使用される、選択的で直接に作用する5−HT2C受容体リガンド、好ましくは、5−HT2C受容体アゴニストを提供することである。
【0012】
式(I)で示される化合物は、血漿グルコース上昇に関わる障害、特に、真性糖尿病(II型糖尿病または非インスリン依存性糖尿病(NIDDM);I型またはインスリン依存性糖尿病(IDDM);およびIII型または栄養失調に関連する糖尿病など)の処置および/または予防に有用である。該糖尿病は、膵臓疾患に派生する糖尿病;またはステロイド使用に関連する糖尿病であってもよい。式(I)で示される化合物は、高血糖の後遺症の処置および/または予防;糖尿病合併症の処置および/または予防;ならびにインスリン依存性の処置にも有用である。
【0013】
本発明は、特に、真性糖尿病(II型糖尿病または非インスリン依存性糖尿病(NIDDM);I型またはインスリン依存性糖尿病(IDDM);およびIII型または栄養失調に関連する糖尿病など)の処置または予防、特に、II型糖尿病の処置または予防に使用される。
【0014】
本発明は、血漿グルコース上昇に関わる障害の急性および/または慢性処置および/または予防のため、特に、血漿グルコース上昇に関わる障害の急性および/または慢性処置のため、ことに、血漿グルコース上昇に関わる障害の急性処置のための、式Iで示される化合物の使用を包含する。
【0015】
糖尿病は、インスリンの作用に適切に応答する能力が部分的に喪失したことで、血糖値を管理する、患者の能力が損なわれる疾患である。非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)と呼ばれることが多く、先進国の糖尿病患者全体の80〜90%を悩ませているII型糖尿病では、膵臓のランゲルハンス島は依然としてインスリンを産生している。しかし、標的器官(主に、筋肉、肝臓および脂肪組織)が、インスリン刺激への重大な抵抗性を示し、そのため、体は、異常に高レベルのインスリンを産生することで補う。しかし、疾患の後期段階では、膵臓の消耗によりインスリン分泌が減少する。
【0016】
現在の糖尿病の処置の第一線は、一般に、低脂肪で低糖の規定食の摂取、及び定期的な運動をすることを含む。しかし、コンプライアンスが、そこそこであり得、疾患の進行に伴い、血糖降下薬(例えば、スルホニル尿素またはメトホルミン)での処置が必要になってくる。患者にインスリンへの感受性を回復させ、それにより、血糖値およびトリグリセリド値を正常値に戻して、外因性インスリンの必要性をなくす(または必要性を少なくとも低下させる)、有望な新規分類の薬剤(インスリン感受性改善薬)が、最近導入された。トログリタゾン(Resulin(商標))およびロシグリタゾン(Avandia(商標))は、PPARγアゴニストであるチアゾリジンジオン(TZD)類に属し、複数の国々で、NIDDM処置用に認可された、分類の最初の代表物質であった。しかし、これらの化合物には、稀であるが重度の肝臓毒性(トリグリタゾンで認められるような)およびヒトの体重増加などの副作用に見舞われる。それゆえ、高血糖、特に、NIDDMなどの状態を処置するための、新規でより良好かつ有効な薬剤が、緊急に求められている。近年の研究は、PPARαおよびPPARγのコアゴニズム(coagonism)が、結果として、治療可能性の高い化合物、即ち、グルコースおよびインスリンレベルの正常化に加えて、改善された脂質プロファイル効果を有する化合物になることの証拠を提供した(Keller and Wahli; Trends Endocrin. Metab. 1993; 4: 291-296, Macdonald and Lane: Current Biology Vol.5 pp. 618-621 (1995))。本発明の新規な化合物は、糖尿病、特に、非インスリン依存性糖尿病の処置および予防用の有効な薬剤として用いることができる。
【0017】
本明細書において単独または組合わせて用いられる用語「アルキル」は、炭素原子が1〜8個の直鎖または分枝鎖アルキル基、好ましくは炭素原子が1〜4個の直鎖または分枝鎖アルキル基を示す。直鎖および分枝鎖C1〜C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル異性体、ヘキシル異性体、ヘプチル異性体およびオクチル異性体であり、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルである。特に好ましいのは、メチルおよびエチルである。
【0018】
単独または組合わせて用いられる用語「シクロアルキル」は、炭素原子が3〜8個のシクロアルキル環、好ましくは炭素原子が3〜6個のシクロアルキル環を示す。C3〜C8シクロアルキルの例は、シクロプロピル、メチルシクロプロピル、ジメチルシクロプロピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルであり、好ましくはシクロプロピルおよびシクロペンチルであり、特にシクロプロピルである。
【0019】
単独または組合わせて用いられる用語「アルコキシ」は、用語「アルキル」が先に示した意義を有する、式:アルキル−O−で示される基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシを示し、好ましくはメトキシおよびエトキシを示す。
【0020】
単独または組合わせて用いられる用語「ヒドロキシアルキル」は、一個以上の水素原子、好ましくは1個の水素原子が、ヒドロキシル基により置換された、先に定義したとおりのアルキル基を示す。例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルおよび2−ヒドロキシエチルである。
【0021】
単独または組合わせて用いられる用語「カルボニル」は、式:−C(O)−で示される基を示す。
【0022】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示し、好ましくは、フッ素、塩素または臭素を示し、特にフッ素および塩素を示す。
【0023】
単独または組合わせて用いられる用語「カルボキシル」は、−COOH基を示す。
【0024】
単独または組合わせて用いられる用語「シアノ」は、−CN基を示す。
【0025】
単独または組合わせて用いられる用語「オキシ」は、−O−基を示す。
【0026】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、生物学的有効性、および遊離塩基または遊離酸の性質を保持し、生物学的にも他についても望ましくはない、それらの塩を指す。好ましいものは、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、好ましくは塩酸)、および有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインなど)で形成されている。
【0027】
加えて、「薬学的に許容され得る塩」は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に添加することから製造されてもよい。無機塩基から誘導される塩は、非限定的に、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩などを含む。有機塩基から誘導される塩は、非限定的に、第一級、第二級および第三級アミン、天然由来の置換アミンなどの置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂を含み、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂などである。式Iで示される化合物は、双性イオンの形態で存在してもよい。
【0028】
本発明は、特に、式Iで示される化合物の薬学的に使用され得る溶媒和物を包含する。式Iで示される化合物は、溶媒和(例えば、水和)されていてもよい。溶媒和は、例えば、製造工程で実行されてもよく、または最初は無水の式(I)で示される化合物の吸湿性の結果として起り得る(水和)。用語「薬学的に許容され得る塩」は、生理学的に使用され得る溶媒化合物も包含する。
【0029】
「薬学的に許容され得るエステル」は、一般式(I)で示される化合物が、官能基で誘導体化されて誘導体を与え、それがインビボで親化合物に戻り得ることを意味する。そのような化合物の例は、生理学的に許容され得て、代謝により変化し易いエステル誘導体、例えば、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステルおよびピバロイルオキシメチルエステルを含む。加えて、一般式(I)で示される化合物の生理学的に許容され得る均等物は、一般式(I)で示される親化合物をインビボで製造し得る、代謝により変化し易いエステルと同様に、本発明の範囲に含まれる。
【0030】
詳細には、例えば、薬学的に使用され得るエステルは、例えば、ヒドロキシ基がエステル化され得る、式Iで示される化合物である。そのようなエステルの例は、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、イソ酪酸エステル、吉草酸エステル、2−メチル酪酸エステル、イソ吉草酸エステルおよびN,N−ジメチルアミノ酢酸エステルである。
【0031】
本発明は、特に、式Iで示される化合物のプロドラッグを包含する。
【0032】
用語「リパーゼ阻害剤」は、リパーゼ(例えば、胃リパーゼおよび膵リパーゼ)の作用を阻害し得る化合物を指す。例えば、米国特許第4,598,089号に記載されたオルリスタットおよびリプスタチンは、リパーゼの強力な阻害剤である。リプスタチンは、微生物由来の天然産物であり、オルリスタットは、リプスタチンの水素化からの結果物である。他のリパーゼ阻害剤は、一般にパンクリシン(panclicins)と呼ばれる化合物類を含む。パンクリシンは、オルリスタットと類似している(Mutoh et al, 1994)。用語「リパーゼ阻害剤」は、例えば、国際特許出願WO99/34786(Geltex Pharmaceuticals Inc.)に記載されたポリマー結合リパーゼ阻害剤も指す。これらのポリマーは、リパーゼを阻害する基1個以上で置換されていることを特徴とする。用語「リパーゼ阻害剤」は、これらの化合物の薬学的に許容され得る塩も含む。用語「リパーゼ阻害剤」は、好ましくはオルリスタットを指す。
【0033】
オルリスタットは、肥満および高脂血症の阻害または予防に有用な公知の化合物である。オルリスタットを製造する方法も開示され、1986年7月1日発行の米国特許第4,598,089号、および適切な医薬組成物が開示する米国特許第6,004,996号を参照されたい。更に適した医薬組成物は、例えば、国際特許出願WO00/09122およびWO00/09123に記載されている。オルリスタットの更なる製造方法は、欧州特許出願第185,359号、同第189,577号、同第443,449号、および同第524,495号に開示されている。
【0034】
オルリスタットは、好ましくは、1日2〜3回の分割投与で、60〜720mg/日、経口投与される。好ましくは、リパーゼ阻害剤180〜360mg/日、最も好ましくは360mg/日を、好ましくは1日2回の、特に1日3回の分割投与で、対象に投与する。対象は、好ましくは肥満または過体重のヒト、即ちボディーマス指数が25以上のヒトである。一般に、脂肪を含む食事の摂取の約1または2時間以内に、リパーゼ阻害剤を投与することが好ましい。一般に、先に定義したリパーゼ阻害剤を投与する場合、肥満の強い家族暦のヒト、およびボディーマス指数25以上のヒトに投与する処置が好ましい。
【0035】
オルリスタットは、従来の経口組成物中で、例えば、錠剤、コート錠、ハードおよびソフトゼラチンカプセル、エマルジョンまたは懸濁液中で、ヒトに投与することができる。錠剤、コート錠、糖剤およびハードゼラチンカプセルに用いられ得る担体の例は、ラクトース、他の糖および糖アルコール(ソルビトール、マンニトール、マルトデキストリンなど)または他の充填剤;界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、Brij 96、またはTween 80など);崩壊剤(デンプングリコール酸ナトリウム、トウモロコシデンプンまたはそれらの誘導体など);ポリマー(ポビドン、クロスポビドンなど);タルク;ステアリン酸またはその塩などである。ソフトゼラチンカプセルに適した担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固形および液体ポリオールなどである。その上、該医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香料添加剤、浸透圧を変動させる塩、緩衝液、コーティング剤および抗酸化剤を含有することができる。それらは、更に他の治療的に価値のある物質を含有することもできる。該配合剤は、都合よく、単位用量形態で存在してもよく、医薬の技術分野で公知の方法により製造してもよい。好ましくは、オルリスタットは、それぞれ、実施例および米国特許第6,004,996号に示された配合により投与される。
【0036】
好ましいのは、式Iで示される化合物およびその薬学的に許容され得る塩である。好ましい塩は、塩酸塩である。特に好ましいのは、式Iで示される化合物である。
【0037】
式Iで示される化合物は、複数の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋な鏡像異性体、鏡像異性体混合物、例えば、ラセミ体、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体、またはジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。光学活性形態は、例えば、ラセミ体の分割、不斉合成、または不斉クロマトグラフィー(asymmetric chromatography)(キラル吸着剤または溶離液を用いるクロマトグラフィー)により得ることができる。
【0038】
用語「不斉炭素原子」(C)は、異なる置換基を4個含む炭素原子を意味する。Cahn-Ingold-prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」または「S」配置をとることができる。
【0039】
好ましいのは、式Iで示されるキラル化合物である。好ましいのは、式Iで示されるそれらの化合物のうち、式(Ib):
【0040】
【化18】

【0041】
(式中、炭素原子:Cは、S配置であり、R〜Rは、先に定義されている)で示される化合物である。
【0042】
特に好ましいのは、式Iで示されるそれらの化合物のうち、式(Ia):
【0043】
【化19】

【0044】
(式中、炭素原子:Cは、R配置であり、R〜Rは、先に定義されている)で示される化合物である。
【0045】
式I:
【0046】
【化20】

【0047】
(式中、R〜Rは、先に定義されている)の中の点線(*を付す)は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表す。したがって、式(I)で示される化合物は、以下の式(II)および(III):
【0048】
【化21】

【0049】
(式中、R〜Rは、先に定義されている)の一方である。
【0050】
好ましい式Iで示される化合物は、式IIIで示されるそれらのものである。特に好ましいのは、式IIで示される、式Iで示される化合物である。
【0051】
更に好ましいのは、式(II)で示されるそれらの化合物のうち、式(IIb):
【0052】
【化22】

【0053】
(式中、Rが結合する炭素原子:Cは、S配置であり、R〜Rは、先に定義されている)で示される化合物である。
【0054】
特に好ましいのは、化合物が、式(IIa):
【0055】
【化23】

【0056】
(式中、Rが結合する炭素原子:Cは、R配置であり、R〜Rは、先に定義されている)で示される、式(I)で示される化合物である。
【0057】
更に好ましいのは、化合物が、式(IIIb):
【0058】
【化24】

【0059】
(式中、Rが結合する炭素原子:Cは、S配置であり、R〜Rは、先に定義されている)で示される、式(III)で示される化合物である。
【0060】
特に好ましいのは、化合物が、式(IIIa):
【0061】
【化25】

【0062】
(式中、Rが結合する炭素原子:Cは、R配置であり、R〜Rは、先に定義されている)で示される、式(III)で示される化合物である。
【0063】
本発明の別の好ましい実施形態は、Rが、水素、メチル、エチルまたはメチルカルボニルである、式Iで示される化合物である。特に好ましいのは、Rが水素である、それらの化合物である。
【0064】
式Iで示される更に好ましい化合物は、Rが水素である、それらのものである。
【0065】
式Iで示される別の好ましい化合物は、Rがメチルである、それらのものである。
【0066】
本発明の化合物は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0067】
【化26】

【0068】
を形成している、式(I)で示される化合物である。
【0069】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0070】
【化27】

【0071】
を形成している、式Iで示される化合物は、以下の式(IVa):
【0072】
【化28】

【0073】
を有する。
【0074】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0075】
【化29】

【0076】
を形成している、式Iで示される化合物は、以下の式(IVb):
【0077】
【化30】

【0078】
を有する。
【0079】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0080】
【化31】

【0081】
を形成している、式Iで示される化合物は、以下の式(IVc):
【0082】
【化32】

【0083】
を有する。
【0084】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0085】
【化33】

【0086】
を形成している、式Iで示される化合物は、以下の式(IVd):
【0087】
【化34】

【0088】
を有する。
【0089】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0090】
【化35】

【0091】
を形成している、式Iで示される化合物は、以下の式(IVe):
【0092】
【化36】

【0093】
を有する。
【0094】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0095】
【化37】

【0096】
を形成している、式Iで示される化合物は、以下の式(IVf):
【0097】
【化38】

【0098】
を有する。
【0099】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0100】
【化39】

【0101】
を形成している、式Iで示される化合物は、以下の式(IVg):
【0102】
【化40】

【0103】
を有する。
【0104】
好ましいのは、RおよびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0105】
【化41】

【0106】
を形成している、式Iで示される化合物である。
【0107】
特に好ましいのは、RおよびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【0108】
【化42】

【0109】
を形成している、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0110】
更に好ましいのは、化合物が式IVbで示される、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0111】
同じく好ましいのは、化合物が式IVcで示される、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0112】
加えて好ましいのは、化合物が式IVdで示される、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0113】
本発明の別の好ましい実施形態は、化合物が式IVeで示される、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0114】
更に好ましいのは、化合物が式IVfで示される、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0115】
好ましいのは、化合物が式IVgで示される、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0116】
加えて好ましいのは、RおよびRが、独立して、水素およびメチルから選択される、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0117】
好ましいのは、RおよびRが、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびシクロプロピルから選択される、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0118】
更に好ましいのは、R10、R11、R12およびR13が、水素である、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0119】
同じく好ましいのは、R14が、水素、ヒドロキシルまたはメトキシである、式Iで示される化合物である。
【0120】
本発明の別の好ましい実施形態は、R15が、シクロプロピルである、式Iで示される化合物である。
【0121】
好ましいのは、R16が、シクロプロピルである、式Iで示される化合物である。
【0122】
更に好ましいのは、R17が、水素である、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0123】
好ましい式Iで示される化合物の例は、
【0124】
1. (5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
2. (5R,8aS)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
3. (R)−5−メチル−1,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
4. 5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
5. (5R,8aR)−5,7−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
6. (5R,8aR)−7−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
7. 1−((5R,8aR)−5−メチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−イル)−エタノン;
8. (5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
9. (3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
10. (3R,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
11. (3S,5R,8aR)−3−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
12. (3R,5R,8aR)−3−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
13. (3S,5R,8aR)−5−メチル−3−プロピル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
14. (3R,5R,8aR)−5−メチル−3−プロピル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
15. (3S,5R,8aR)−3−イソプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
16. (3R,5R,8aR)−3−イソプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
17. (3S,5R,8aR)−3−シクロプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
18. (3R,5R,8aR)−3−シクロプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
19. (5R,8aR)−3,3,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
20. (5R,8aR)−1,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
21. (5R,8aR)−1,1,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
22. (5R,8aR)−1,3,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
23. (5R,8aR)−1,1,3,3,5−ペンタメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
24. (5R,8aR)−5,10−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
25. (4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
26. (4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
27. (4R,8R,11aR)−4,9−ジメチル−1,2,3,4,6,9,11,11a−オクタヒドロ−7H−8−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
28. (4R,8S,11aR)−4,9−ジメチル−1,2,3,4,6,9,11,11a−オクタヒドロ−7H−8−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
29. ((3R,5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−3−イル)−メタノール;
30. (3R,5R,8aR)−3−メトキシメチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
31. (5R,8aR)−2−シクロプロピル−5−メチル−2,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
32. (5R,8aR)−2−シクロプロピル−5−メチル−5,6,7,8,8a,9−ヘキサヒドロ−2H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
33. (5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;及び
34. (5R,8aR)−5−メチル−5,6,7,8,8a,9−ヘキサヒドロ−2−チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレンである。
【0125】
特に好ましい式Iで示される化合物の例は、
【0126】
(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−5,7−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3R,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−5−メチル−3−プロピル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−イソプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−シクロプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−3,3,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−1,1,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
(4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−2−シクロプロピル−5−メチル−2,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;及び
(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
【0127】
である。
【0128】
式Iで示される化合物の製造方法は、本発明の目的である。以下のスキームで用いられる置換基およびしるしは、相反することが示されていない限りは、先に示した意義を有する。
【0129】
四環式フルオレン(I)1の構築の一般的手順(スキーム1)
【0130】
異なるフルオレン誘導体の製造は、例えば、WO2003064423 A1およびWO2005000849 A1に記載されている。
【0131】
式(I)で示される化合物は、純粋に明瞭さのために、一般式(I)a1〜k1(式中、置換基R3〜R17は、先に定義されている)で示される化合物に分類している。
【0132】
【化43】

【0133】
【化44】

【0134】
一般構造Aで示される化合物(合成Aは、上述の特許出願に記載されており、それらの特許出願には、R8がR9と等しくなく、特にR9=Hである場合の立体化学の制御が含まれており、式中、基:R3〜R9は、先に定義したとおりで、Pgは、適切なアミン保護基、例えばアルキルカルバマート、特にtert−ブチルカルバマートを意味する)は、適切な溶媒(例えばエーテル、好ましくは環状エーテル、特にテトラヒドロフラン)中、適切なハロゲン化剤、例えばN−ハロスクシンイミド(ここで、用語ハロは、塩素、臭素またはヨウ素を意味する)、特にN−ブロモスクシンイミドと反応させて、一般構造Bで示される化合物を得ることができる。
【0135】
一般構造Bで示される化合物のアルコール基は、例えばエーテル、好ましくはシリルエーテル、特にトリアルキルシリルエーテル、例えばtert−ブチルジメチルシリエーテルまたはテキシルジメチルシリエーテルのような、文献によく記載された方法で保護され、一般構造Cで示される化合物を生成し得る。ハロゲン化反応およびアルコール保護の順序を逆にして、一般構造Aで示される化合物を最初にエーテルとして保護し、第2段階でハロゲン化して、一般構造Cで示される化合物を得るように、逆にすることができる。
【0136】
構造Cで示される化合物は、適切な溶媒(例えば、エーテル、アルカン、好ましくは芳香族物質、特にトルエン)中、適切な金属化剤(例えば有機金属化合物、好ましくは有機リチウム化合物、特にtert−ブチルリチウム)で金属化して、カルボニル化合物、例えばアルデヒドと反応させ一般式Eで示される化合物を得るか、またはケトンと反応させ一般構造Hで示される化合物を得ることができる。
【0137】
あるいは、金属化された物質をアミド(好ましくはジアルキルアミド、特にジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはN−アルキル−N−アルコキシアミド、特にWeinrebアミド)と反応させて、一般構造Dで示される化合物を得ることができる。一般式で示される化合物への別の進路は、適切な溶媒(例えばアルカン、ハロアルカンおよびエステル、好ましくはジクロロメタン)中、適切な酸化剤(例えば、第二級アルコールをケトン酸化する目的でよく記載されたもの、特に金属酸化物、好ましくは二酸化マンガン)で一般式Eで示される化合物を酸化することからなる。
【0138】
有機金属化合物(好ましくは有機マグネシウムおよび有機リチウム化合物)を一般構造で示される化合物に添加することは、結果的に、一般構造Hで示される化合物を、また、もたらす。この特別なステップ順により、基:R6およびR7が独立して選択され得る一般構造Gで示される化合物へのアクセスをさせることができる。
【0139】
一般式Dで示される化合物を、選択的に酸素の位置で脱保護することができる。シリルエーテルで表わされるPg2の好ましい例では、選択的脱シリル化は、通常、適切な溶媒(例えば、アルコール、エーテルまたはアミド、特に、テトラヒドロフラン、メタノールまたはジメチルホルムアミド)中、金属化合物または(アルキル)アンモニウムフルオリド(n=0〜4)、好ましくは特にフッ化セシウムおよびフッ化アンモニウムで表されるようなフッ素化合物の存在下で実施することができる。得られた中間体のホルミルまたはケトアルコールは、それぞれ、環状互変的、ヘミアセタールまたはヘミケタールと平衡に存在する。本発明の一つの態様において、適切な還元剤(例えば金属水素化物、特に水素化ホウ素錯体、好ましくはシアノ水素化ホウ素ナトリウム)の添加は、結果として、一般式Fで示される化合物の形成をもたらす。この一般的プロトコルの特別な態様は、R8がR9と等しくない場合、R8およびR9置換基を持っている炭素原子で立体化学の転換からなる。あるいは、一般式Dで示される化合物は、適切な酸(例えばトリフルオロ酢酸)の存在下、適切な還元剤(例えばシラン、特にトリエチルシラン)で処理することにより、一般式(I)bで示される化合物に変換させられ得る。
【0140】
一般式Dで示される化合物への別の進路(アクセス)は、適切な溶媒(例えば、アルカン、ハロアルカンおよびエステル、好ましくはジクロロメタン)中、適切な酸化剤(例えば、第二アルコールをケトンに酸化する目的でよく記載されたようなもの)、特に金属酸化物、好ましくは二酸化マンガン)で、一般式Eで示される化合物を酸化することからなる。
【0141】
一般式Fで示される化合物は、文献によく記載された方法で、保護基:Pgを除去することにより、式(I)b1で示される化合物に変換させられ得る。あるいは、例えば、tert−ブチルオキシカルボニル保護基を適切な還元剤(例えば金属水素化物、特に水素化アルミニウムリチウム)でメチル基に還元することにより、保護基が基:R4に変換させられ、式(I)e1で示される化合物を製造することができる。
【0142】
標準的方法(例えば、アルデヒドもしくケトンでの還元アミノ化、または活性化炭酸誘導体でのアシル化および水素化アルミニウムリチウムによる得られたアミドの還元)により、置換基:R4の導入が実行され得る。
【0143】
本発明の更なる態様において、四環式フルオレンの構築は、パラジウム触媒によるカルボニル化により実行される。
【0144】
文献に記載された方法と同様に、特に適切な溶媒(例えば、アルコール、エーテルおよびエステル)中、遷移金属触媒でのカルボニル化(好ましくは、メタノール中でのパラジウム触媒によるカルボニル化)により、一般式Bで示される化合物が一般式Gで示される化合物に変換させられ得る。
【0145】
一般式Gで示される化合物から一般式Lで示される化合物への変換は、適切な活性化剤(例えば、アルキル化剤、アシル化剤またはシリル化剤、好ましくは塩化トリメチルシリル)の存在下、適切な還元剤(例えば、低原子価金属塩、金属水素化物または水素化ホウ素錯体、好ましくは水素化ホウ素リチウム)での還元により実行され得る。
【0146】
文献によく記載された方法で、保護基:Pgを除去することにより、一般式Lで示される化合物式が(I)aで示される化合物に変換させられ得る。あるいは、例えば、tert−ブチルオキシカルボニル保護基を適切な還元剤(例えば金属水素化物、特に水素化アルミニウムリチウム)でメチル基に還元することにより、保護基を基:R4に変換して、式(I)d1で示される化合物を製造することができる。
【0147】
標準的方法(例えば、アルデヒドもしくケトンでの還元アミノ化、または活性化炭酸誘導体でのアシル化、および水素化アルミニウムリチウムによる得られたアミドの還元)により置換基:R4の導入を更に実行することができる。
【0148】
本発明の更なる態様において、四環式フルオレン(I)の構築は、ジオールから出発して、水の要素を除去することにより実行され得る。
【0149】
例えば、一般式Hで示される化合物を、適切な脱水剤(例えば非限定的に、通常はMitsunobu反応で用いられるような試薬、例えば、ホスフィン、特にトリフェニルホスフィンと、アゾ化合物、例えばジアルキルアゾジカルボキシラート、特にジ−tert−ブチルアゾジカルボキシラートとの組合わせ)の存在下で脱水して、一般式Kで示される化合物を得ることができ、それを、上述の方法で、一般式(I)c1および(I)f1で示される化合物に変換することができる。
【0150】
一般式Hで示される化合物への別の進路(アクセス)を、スキーム2に概要する。
【0151】
【化45】

【0152】
一般式Aで示される化合物から一般式Bで示される化合物への転換についての上記と同様の手法で、Halで示される置換基が塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する、一般式Mで示される化合物をハロゲン化して、一般式Nで示される化合物を得ることができる。一般式Nで示される化合物は、適切な溶媒(例えばメタノール)中、遷移金属触媒(例えば酢酸パラジウム)の存在下、一酸化炭素で2箇所においてカルボニル化され、一般式Oで示される化合物を得ることができる。過剰の有機金属化合物(例えば有機リチウム化合物)またはGrignard化合物との反応により、一般式Hで示される化合物が形成される。一般式Oで示される化合物から、適切な還元剤(例えば金属水素化物、例えば水素化ホウ素錯体、特に水素化ホウ素リチウム)で還元することにより、基:R6〜R9が水素で表される、一般式Hで示される化合物を得ることができる。
【0153】
チエノおよびジヒドロチエノ化合物の合成のための一般的手順
【0154】
【化46】

【0155】
当該技術分野で公知の方法、例えば、適切な溶媒中、塩基(例えば第三級アミン)の存在下、ハロゲン化スルホニル(特に塩化トルオールスルホニルおよび塩化メタンスルホニル)との反応により、一般式Bで示される化合物中のヒドロキシル基は、脱離基(Lg)に変換され得る。あるいは、テトラハロメタン(例えば四塩化炭素または四臭化炭素)の存在下、ホスフィン(例えばトリアリールホスフィン、特にトリフェニルホスフィン)との反応により、一般式Bで示される化合物中のヒドロキシル基は、ハロゲン脱離基に変換され得る。
【0156】
周知の方法、例えばチオ化合物(例えば、チオ尿素またはチオ酢酸)との反応と、次の、形成したチオウロニウム塩またはチオ酢酸の塩基性加水分解により、一般式Pで示される中間体は一般式Qで示される化合物に変換され得る。
【0157】
その後、例えば、トリアルキルアミン(特にトリエチルアミン)またはN−トリチルピリジニウムテトラフルオロボラートなどの適切な塩基と共に、例えば、トリフェニルクロロメタンを用いて、適切な保護基:Pg3(例えばアリールメチル基、例えばベンジル基)を導入することにより、好ましくは窒素保護基(Pg)(例えばトリアリールメチル基、特にトリチル基)と付随的に除去される保護基により、一般式Qで示される化合物中のメルカプト基が保護され、一般式Rで示される化合物が得られ得る。上記と同様の手順により、一般式Rで示される化合物を金属化して、カルボニル化合物と反応させ、一般式SおよびTで示される化合物を得ることができる。一般式Sで示される化合物を適切な酸(例えばトリフルオロ酢酸またはギ酸)で処理して、両方の保護基の除去を実行し、R12またはR13の少なくとも一方が水素である場合、一般型(I)h1で示される化合物を得ることができる。あるいは、R12およびR13の両方が水素と異なる場合、適切な還元剤(例えばギ酸またはシラン、例えばトリアルキルシラン、特にトリエチルシラン)の存在下、(I)h1への変換と同様の条件下で、一般式Sで示される化合物を一般型(I)j1で示される化合物に変換することができる。両方の保護基の除去および水の要素の引抜きに有用な酸(例えばトリフルオロ酢酸またはギ酸)での処理により、一般式Tで示される化合物を一般型(I)g1で示される化合物に変換することができる。パラジウム塩(特に酢酸パラジウム)などの金属触媒およびフッ素供給源(例えばフッ化水素酸の塩、特にフッ化カリウム)の存在下、Boc誘導体としてのピペラジンの保護後、適切な還元剤(例えばシラン、特にポリメチルヒドロキシシラン)で、一般型(I)h1で示される化合物の還元が実行され得る。Boc保護基の除去は、一般型(I)i1で示される化合物を与える。一般式(I)g1、(I)h1、(I)i1および(I)j1で示される化合物から、Hと異なる基:R4を持つ化合物への変換は、一般型(I)a1、(I)b1および(I)c1で示される化合物から、それぞれ、一般型(I)d1、(I)e1および(I)f1で示される化合物への変換に関する上記の方法と同様に実行され得る。
【0158】
ピロロピリジンおよびピロリノピリジン:(I)k1、(I)l1の一般的合成(スキーム4)
【0159】
【化47】

【0160】
適切な溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中、一般式P’で示される化合物を第一級アミンと反応させて、一般式Uで示される化合物を得ることができ、それを、好ましくはピペラジン窒素上の保護基と同じ性質の保護基:Pgの導入により、一般式Vで示される化合物に転換することができる。一般式Vで示される化合物から一般式Wで示される化合物への変換は、一般式Cで示される化合物から一般式Dで示される化合物への転換についての上述の方法と同様に実行することができる。例えばPgがBoc保護基で表される場合、保護基:Pgを、酸(例えばトリフルオロ酢酸またはギ酸)を用いて除去することにより、一般式(I)k1で示される化合物が形成される。例えば、適切な溶媒(例えば水性の酸、特に水性酢酸)中、適切な触媒(例えばパラジウム−炭素)の存在下で水素化することにより、一般式(I)k1で示される化合物から一般式(I)l1で示される化合物への還元を実行することができる。一般式(I)k1および(I)l1で示される化合物から、Hと異なる基:R4を持つ化合物への転換は、一般型(I)a1、(I)b1および(I)c1で示される化合物から、それぞれ、一般型(I)d1、(I)e1および(I)f1で示される化合物への転換についての上記の方法と同様に実行することができる。
【0161】
テトラヒドロピラノピリジンの一般的合成
化合物型(I)m1の一般的合成(スキーム5)
【0162】
【化48】

【0163】
一般式Xで示される化合物を、一般式Cで示される化合物の金属化についての上記したように金属化し、保護した2−ヒドロキシアセトアルデヒドと反応させて、一般式Yで示される化合物を得ることができる。保護基:Pg3は、例えばエーテル(例えば、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテルまたはシリルエーテル、好ましくはtert−ブチルジメチルシリルエーテル)により表すことができる。不活性溶媒中、適切な塩基(例えば水素化ナトリウム)の存在下、一般式Yで示される化合物を適切なアルキル化試薬(例えばハロゲン化アルキル、アルキルトリフラートまたは四フッ化ホウ酸トリアルキルオキソニウム)でアルキル化することができる。周知の方法、例えば適切な酸化剤(例えば二酸化マンガン)を用いたケトンへの酸化と、続くアルキル金属化合物(例えばGrignard化合物)の添加により、一般式Yで示される化合物中に存在する第二級アルコールを第三級アルコールに転換することができる。本発明の一つの態様において、一般式Yで示される化合物およびそれから誘導した第三級アルコール類似物中のヒドロキシ官能基は、例えば触媒水素化により、水素で置換することができる。本発明の他の一つの態様において、一般式Yで示される化合物中のヒドロキシ官能基は、他の2個の酸素保護基に関してオルト位的(orthogonally)に保護することができ、例えば、Pg2およびPg3がシリルエーテルで表される場合、メトキシメチルエーテルによりオルト位的保護(orthogonal protection)を実行して、一般式Z(式中、基:R’14は、保護されたヒドロキシ官能基を含むR14に関して先に定義した意義を有する)で示される化合物を得ることができる。適切な溶媒(例えばアルコールまたはエーテル、好ましくはテトラヒドロフランまたはメタノール)中、フッ素供給源(例えばフッ化水素酸の塩、例えばテトラヒドロアンモニウムフロリドまたはフッ化アンモニウム)の存在下で、例えばPg2およびPg3がシリルエーテルにより表される場合、保護基:Pg2およびPg3を選択的に除去することにより、一般式Zで示される化合物を一般式Aaで示される化合物に転換することができる。一般式Abで示される化合物への転換は、適切な脱水剤(例えば非限定的に、通常はMitsunobu反応で用いられるような試薬、例えばホスフィン、特にトリフェニルホスフィンと、アゾ化合物、例えばジアルキルアゾジカルボキシラート、特にジ−tert−ブチルアゾジカルボキシラートとの組合わせ)の存在下で実行することができる。窒素保護基:Pgの除去と、続く水素と異なる基:R4の導入、または窒素保護基:Pgからそのような基への直接転換を、先の同様の転換で記載した方法により実行して、一般式(I)m1で示される化合物を得ることができる。R’14が保護されたヒドロキシ官能基を表す場合、この保護基を窒素保護基と共に優先的に除去し、例えば酸(例えばトリフルオロ酢酸またはギ酸)により、メトキシメチルエーテル保護基をN−Boc保護基と付随して開裂する。
【0164】
化合物型(I)n1の一般的合成(スキーム6)
【0165】
【化49】

【0166】
一般式Xで示される化合物を先の記述のように金属化して、不活性溶媒中で酸化エチレンと反応させて、一般式Acで示される化合物を得ることができる。一般式(I)nで示される化合物への転換は、一般式Yで示される化合物から一般式(I)mで示される化合物への変換に関する上記の転換と同様に実行することができる。
【0167】
化合物型(I)o1の一般的合成(スキーム7)
【0168】
【化50】

【0169】
一般式Adで示される化合物を、上記の一般式Cで示される化合物と同様に金属化し、保護された2−ヒドロキシアセトアルデヒドと反応させて、一般式Aeで示される化合物を得ることができ、それを、一般式Yで示される化合物から一般式Zで示される化合物への上記転換と同様に、一般式Afで示される化合物に転換することができる。一般式Aで示される化合物から一般式Dで示される化合物への転換と同様に、一般式Afで示される化合物を一般式Agで示される化合物に変換して、一般式Dで示される化合物からの一般式Fで示される化合物の製造と同様に、一般式Ahで示される化合物に更に加工することができる。一般式(I)o1で示される化合物への転換は、一般式Yで示される化合物から一般式(I)m1で示される化合物への変換についての上記転換と同様に、実行することができる。
【0170】
本発明の更なる目的は、治療的に活性な物質として使用される式Iで示される化合物を提供することである。
【0171】
本発明の別の目的は、5−HT受容体、5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT2Cサブタイプ、特に5−HT2Cサブタイプに関連する障害により引き起こされる疾病の予防および治療用の医薬を製造するための、上記の式Iで示される化合物を提供することである。
【0172】
同様に、本発明の目的は、式Iで示される化合物および治療的に不活性な担体を含む医薬組成物を提供することである。
【0173】
本発明の更なる目的は、摂食障害および肥満の処置および予防用の医薬を製造する際に使用される、式Iで示される化合物を提供することである。
【0174】
同じく好ましいのは、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病(栄養失調に関連する糖尿病)、崩尿症(diabetes insipidus)、高血糖、糖尿病合併症、およびインスリン抵抗性を含む真性糖尿病(DM)の処置および予防用の医薬を製造するための、式Iで示される化合物の使用である。
【0175】
特に好ましいのは、真性糖尿病(DM)、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病(栄養失調に関連する糖尿病)、高血糖、糖尿病合併症およびインスリン抵抗性の処置用の医薬を製造するための、式Iで示される化合物の使用である。
【0176】
本発明の更に特別に好ましい目的は、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)の処置用の医薬を製造する際に使用される、式Iで示される化合物を提供することである。
【0177】
本発明の目的は、中枢神経系の障害、心臓血管障害、胃腸障害、尿崩症(diabetes insipidus)および睡眠時無呼吸の処置および予防用の医薬を製造するための、式Iで示される化合物の使用である。
【0178】
特に本発明の目的は、中枢神経系の障害が、うつ病、非定型うつ病、双極性障害、不安障害、強迫性障害、社会恐怖症またはパニック状態、睡眠障害、性機能不全、精神病、精神分裂症、片頭痛、頭痛または他の疼痛に関連する他の状態、頭蓋内圧の上昇、てんかん、人格障害、年齢に関係する行動障害、痴呆に関係する行動障害、基質性(organic)精神障害、小児期の精神障害、攻撃性、年齢に関係する記憶障害、慢性疲労症候群、薬物およびアルコール依存、多食症、神経性食欲不振、月経前緊張症、(心的)外傷、卒中、神経変性疾患、脳炎、髄膜炎および尿失禁から選択される、先の使用である。
【0179】
本発明の更に好ましい実施形態は、心臓血管疾患が血栓症である、式Iで示される化合物の上述の使用である。
【0180】
同じく好ましいのは、胃腸障害が胃腸の運動性の機能不全である、式Iで示される化合物の上述の使用である。
【0181】
本発明の更なる目的は、本明細書に記載された方法で製造される、式Iで示される化合物である。
【0182】
本発明の更なる実施形態は、上記の式Iで示される化合物の効果的な量を投与することを含む、中枢神経系の障害、心臓血管障害、胃腸障害、尿崩症および睡眠時無呼吸の処置および予防の方法である。
【0183】
好ましいのは、中枢神経系の障害が、うつ病、非定型うつ病、双極性障害、不安障害、強迫性障害、社会恐怖症またはパニック状態、睡眠障害、性機能不全、精神病、精神分裂症、片頭痛、頭痛または他の疼痛に関連する他の状態、頭蓋内圧の上昇、てんかん、人格障害、年齢に関係する行動障害、痴呆に関係する行動障害、基質性(organic)精神障害、小児期の精神障害、攻撃性、年齢に関係する記憶障害、慢性疲労症候群、薬物およびアルコール依存、多食症、神経性食欲不振、月経前緊張症、(心的)外傷、卒中、神経変性疾患、脳炎、髄膜炎、および尿失禁から選択される、この方法である。
【0184】
本発明の更なる目的は、上記の式Iで示される化合物の効果的な量を投与することを含む、性機能不全の処置および予防の方法である。
【0185】
好ましいのは、式Iで示される化合物の効果的な量を投与することを含む、真性糖尿病(DM)、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病(栄養失調に関連する糖尿病)、崩尿症(diabetes insipidus)、高血糖、糖尿病合併症、およびインスリン抵抗性の処置および予防の方法である。
【0186】
特に好ましいのは、式Iで示される化合物の効果的な量を投与することを含む、真性糖尿病(DM)、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病(栄養失調に関連する糖尿病)、高血糖、糖尿病合併症、およびインスリン抵抗性の処置および予防の方法である。
【0187】
本発明の好ましい目的は、式Iで示される化合物の効果的な量を投与することを含む、摂食障害および肥満の処置および予防の方法を提供することである。
【0188】
本発明の好ましい目的は、式Iで示される化合物の効果的な量を投与することを含む、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))の処置および予防の方法を提供することである。
【0189】
本発明の更に好ましい目的は、式Iで示される化合物の治療上効果的な量およびリパーゼ阻害剤の治療上効果的な量の投与を含む(ここで、特にリパーゼ阻害剤はオルリスタットである)、ヒトの肥満の処置方法を提供することである。同じく本発明の目的は、同時投与、分別投与、または連続投与のための、上記の方法である。
【0190】
更に好ましい目的は、式Iで示される化合物の治療上効果的な量、およびリパーゼ阻害剤の治療上効果的な量のリパーゼ阻害剤の投与を含む(ここで、特にリパーゼ阻害剤は、オルリスタットである)、ヒトのII型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))の処置方法を提供することである。同じく本発明の目的は、式Iで示される化合物およびリパーゼ阻害剤(特にオルリスタット)の、同時投与、分別投与または連続投与のための、上記の方法である。
【0191】
本発明の更に好ましい目的は、式Iで示される化合物の治療上効果的な量、およびリパーゼ阻害剤の治療上効果的な量の投与を含む(ここで、特にリパーゼ阻害剤はオルリスタットである)、ヒトの、真性糖尿病(DM)、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病(栄養失調に関連する糖尿病)、崩尿症、高血糖、糖尿病合併症、およびインスリン抵抗性の処置方法を提供することである。同じく本発明の目的は、式Iで示される化合物およびリパーゼ阻害剤(特にオルリスタット)の、同時投与、分別投与または連続投与のための、上記の方法を提供することである。
【0192】
本発明の更に特別に好ましい目的は、式Iで示される化合物の治療上効果的な量、およびリパーゼ阻害剤の治療上効果的な量のリパーゼ阻害剤の投与を含む(ここで、特にリパーゼ阻害剤は、オルリスタットである)、ヒトの、真性糖尿病(DM)、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病(栄養失調に関連する糖尿病)、高血糖、糖尿病合併症、およびインスリン抵抗性の処置方法を提供することである。同じく本発明の目的は、式Iで示される化合物およびリパーゼ阻害剤(特にオルリスタット)の、同時投与、分別投与または連続投与するための、上記の方法を提供することである。
【0193】
本発明の更なる目的は、リパーゼ阻害剤(特にリパーゼはオルリスタットである)での処置も受けている患者の肥満の処置および予防用の医薬を製造する際の、式Iで示される化合物の使用である。
【0194】
本発明の更なる目的は、以下のリスト:神経成長因子アゴニスト(例えばアクソカイン)、成長ホルモンアゴニスト(例えばAOD−9604)、アドレナリン作動性取込み阻害剤(例えばGW−320659)、5−HT再取込み阻害剤(例えばProzac)、5−HT/NA再取込み阻害剤(例えばシブトラミン)、DA再取込み阻害剤(例えばブプロプリオン)、5−HT、NAおよびDA再取込み阻害剤、ステロイド系植物抽出物(例えばP57)、NPY1または5アンタゴニスト、MC4アゴニスト、CCKAアゴニスト、MCHアンタゴニスト(例えばSNAP7941)、H3受容体アンタゴニスト、H1アゴニスト、CRFアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、非カップリング蛋白質、オレキシンアンタゴニスト、GLP−1アゴニスト、IL−6アゴニスト、α−MSHアゴニスト、AGRPアンタゴニスト、5−HT1Bアゴニスト、POMCアンタゴニスト、NN2211、エキセンジン−4アゴニスト、およびCB−1インバースアゴニストまたはアンタゴニストから選択される化合物での処置も受けている患者の肥満の処置および予防用の医薬を製造する際の、式Iで示される化合物の使用である。
【0195】
本発明の更なる目的は、リパーゼ阻害剤(特にリパーゼはオルリスタットである)での処置も受けている患者のII型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))の処置および予防用の医薬を製造する際の、式Iで示される化合物の使用である。
【0196】
本発明の更に好ましい目的は、リパーゼ阻害剤(特にリパーゼはオルリスタットである)での処置も受けている患者の、真性糖尿病(DM)、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病(栄養失調に関連する糖尿病)、崩尿症、高血糖、糖尿病合併症、およびインスリン抵抗性の処置および予防用の医薬を製造する際の、式Iで示される化合物の使用である。
【0197】
本発明の更に特別に好ましい目的は、リパーゼ阻害剤(特にリパーゼはオルリスタットである)での処置も受けている患者の、真性糖尿病(DM)、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、膵臓疾患に続発派生糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病(栄養失調に関連する糖尿病)、高血糖、糖尿病合併症、およびインスリン抵抗性の処置および予防用の医薬を製造する際の、式Iで示される化合物の使用である。
【0198】
本発明の更なる目的は、性機能不全の処置用の医薬を製造する際の、式Iで示される化合物の使用である。
【0199】
同じく本発明の目的は、式Iで示される化合物、治療的に不活性な担体およびリパーゼ阻害剤の治療上効果的な量(ここで、特にリパーゼ阻害剤はオルリスタットである)を含む医薬組成物を提供することである。
【0200】
考慮され得る別の併用は、シブトラミンを含む併用、またはCB−1インバースアゴニスト/アンタゴニストとの併用である。
【0201】
同じく本発明の好ましい目的は、式Iで示される化合物の治療上効果的な量を投与することを含む、血糖濃度の低下が有利となる哺乳類の障害の処置および/または予防方法を提供することである。特に好ましいのは、障害が血漿グルコース上昇に関わる障害である、この使用または方法である。
【0202】
式Iで示される化合物は、5−HT受容体機能に関連する障害の処置(予防的処置を含む)における使用であってもよい。該化合物は、受容体アゴニストまたはアンタゴニストとして作用しうる。好ましくは該化合物は、5−HT2Bおよび/または5−HT2C受容体機能に関連する障害の処置(予防的処置を含む)において使用してもよい。好ましくは、該化合物は、5−HT2C受容体アゴニストが必要となる障害の処置(予防的処置を含む)において使用してもよい。
【0203】
本発明の更に好ましい実施形態は、以下の反応:
a)式:
【0204】
【化51】

【0205】
で示される化合物を、還元アミノ化によりアルデヒドもしくはケトンと反応させるか、またはアシル化により活性化炭酸誘導体と反応させ、得られたアミンを水素化アルミニウムリチウムにより還元して、式(I):
【0206】
【化52】

【0207】
(式中、R〜Rは、先に定義されている)で示される化合物を得ること、
b)式:
【0208】
【化53】

【0209】
で示される化合物を還元して、式:
【0210】
【化54】

【0211】
(式中、R、R、R、R10およびR12は、先に定義されている)で示される化合物を得ること(特に好ましいのは、還元がBoc誘導体としてのピペラジンの保護の後、金属触媒(例えばパラジウム塩、特に酢酸パラジウム)およびフッ素供給源(例えばフッ化水素酸塩、特にフッ化カリウム)の存在下、適切な還元剤(例えばシラン、特にポリメチルヒドロキシシラン)により行われる先の反応である)、
c)式:
【0212】
【化55】

【0213】
で示される化合物を還元して、式:
【0214】
【化56】

【0215】
(式中、R、R、RおよびR16は、先に定義されている)で示される化合物を得ること(好ましいのは、還元が適切な溶媒(例えば水性酸、特に水性酢酸)中、適切な触媒(例えばパラジウム−炭素)の存在下での水素化により行われる、上記方法である)、
の一つを含む、式Iで示される化合物の製造方法である。
【0216】
上記の方法を実行して、本発明の化合物を遊離塩基または酸付加塩の形態で得てもよい。本発明の化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は酸付加塩の溶液を塩基性化することにより得ることができる。反対に、該方法の生成物が遊離塩基である場合、塩基性化合物から酸付加塩を製造するための従来の手順に従い、遊離塩基を適切な有機溶媒に溶解して、その溶液を酸で処理することにより、酸付加塩(特に薬学的に許容され得る酸付加塩)を得てもよい。
【0217】
本発明の組成物は、薬学的に許容され得る担体を1種以上用いて、従来の手法で配合させてもよい。つまり本発明の活性化合物を、経口、口腔(バッカル)、鼻腔内、非経口(例えば、静脈内、筋肉内または皮下)、経皮もしくは直腸内投与用に、または吸入もしくはガス注入投与に適した形態で配合させてもよい。
【0218】
経口投与では、該医薬組成物を、薬学的に許容され得る賦形剤、例えば結合剤(例えばアルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロースまたはリン酸カルシウム);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)と共に、従来の手段により製造した、例えば、錠剤またはカプセルの形態をとっていてもよい。錠剤は、当該技術分野で周知の方法によりコーティングされていてもよい。経口投与用の液体製剤は、例えば、溶液、シロップもしくは懸濁液の形態をとっていてもよく、またはそれらは、使用前に、水または他の適切な担体と構成するための、乾燥製品として存在してもよい。そのような液体製剤は、薬学的に許容され得る添加剤、例えば懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロースまたは水素化食用脂肪);乳化剤(例えばレシチンまたはアカシア);非水性担体(例えば、アーモンド油、油性エステルまたはエチルアルコール);および防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸)と共に、従来の手段で調製してもよい。
【0219】
口腔内投与の場合、該組成物は、従来の手法で配合させた錠剤またはロゼンジの形態をとっていてもよい。
【0220】
本発明の活性化合物は、従来のカテーテル挿入技術または注入を使用することを含む、注射による非経口投与用に配合させてもよい。注射用の配合剤は、添加した防腐剤と共に、単位用量形態(例えばアンプル)でまたは多回投与容器内で存在してもよい。該組成物は、油性または水性担体中の懸濁液、溶液またはエマルジョンのような形態をとっていてもよく、配合剤(例えば、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤)を含んでいてもよい。
【0221】
あるいは、活性成分が、使用前に適切な担体(例えば殺菌パイロジェンフリー水)を用いて再構成するための、粉末形態であってもよい。
【0222】
本発明の活性化合物は、例えば、従来の坐剤用ベース(例えばココアバターまたは他のグリセリド)を含有する、直腸内組成物(例えば坐剤または保持浣腸)中に配合させてもよい。
【0223】
鼻腔内投与または吸入による投与では、本発明の活性化合物は、患者が絞るまたはポンプ送出するポンプ噴霧容器から、溶液もしくは懸濁液の形態で、または適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体)を使用して、加圧容器もしくはネブライザーからエアロゾルスプレーとして簡便に送達させる。加圧エアロゾルの場合、定量を送達する弁を具備することにより、用量単位を決定してもよい。加圧容器またはネブライザーは、活性化合物の溶液または懸濁液を含有していてもよい。吸入器またはガス注入器内で使用されるカプセルおよびカートリッジ(例えばゼラチンから製造されたもの)は、本発明の化合物と適切な粉末ベース(例えばラクトースまたはデンプン)との粉末混合物を含有して配合させてもよい。
【0224】
上記参照の状態(例えば肥満)の処置用に平均的な成人への、経口、非経口または口腔内投与の、本発明の活性化合物の提案される用量は、単位用量あたり活性成分0.1〜500mgであり、それを例えば1日あたり1〜4回投与してもよい。
【0225】
ここに、以下の実施例を参照しながら、本発明を詳細に記載する。本発明を例示的に記載しているに過ぎず、本発明の範囲を逸脱せずに細部の修飾が可能であることは理解されよう。
【0226】
アッセイの手順
【0227】
1.セロトニン受容体への結合
式(I)で示される化合物の、セロトニン受容体への結合を、標準的方法により、インビトロで測定した。該製剤を、以後に示すアッセイにより検討した。
【0228】
方法(a):5−HT2C受容体への結合では、5−HT2C受容体を[H]−5−HTで放射線標識した。CHO細胞系での5−HT2C受容体への化合物の親和力を、D. Hoyer, G. Engel and H. O. Kalkman, European J. Pharmacol., 1985, 118, 13-23の手順により測定した。
【0229】
方法(b):5−HT2B受容体への結合では、5−HT2B受容体を[H]−5−HTで放射線標識した。CHO細胞系でのヒト5−HT2B受容体への化合物の親和力を、K. Schmuck, C. Ullmer, P. Engels and H. Lubbert, FEBS Lett., 1994, 342, 85-90の手順により測定した。
【0230】
方法(c):5−HT2A受容体への結合では、5−HT2A受容体を[125I]−DOIで放射線標識した。CHO細胞系での5−HT2A受容体への化合物の親和力を、D. J. McKenna and S. J. Peroutka, J. Neurosci., 1989, 9, 3482-90の手順により測定した。
【0231】
こうして測定された実施例の化合物の活性を、表1に示す。
【0232】
【表1】

【0233】
上記の式Iで示される好ましい化合物は、10000nM未満のKi(2C)値を有し、ことに好ましい化合物は、1000nM未満のKi(2C)値を有し、特に好ましい化合物は、100nM未満のKi(2C)値を有する。最も好ましい化合物は、30nM未満のKi(2C)値を有する。
【0234】
2.機能的活性
式(I)で示される化合物の機能的活性を、Fluorimetric Imaging Plate Reader(FLIPR)を用いてアッセイした。テストの前日に、ヒト5−HT2Cまたはヒト5−HT2A受容体を発現するCHO細胞をカウントして、標準的な96穴マイクロタイタープレートに播種し、コンフルエントな単層を得た。その後、細胞にカルシウム感受性染色剤:Fluo-3-AMを加えた。自動細胞洗浄器を用いて非取込み染色剤を除去し、アッセイ緩衝液(20mM Hepesおよび2.5mMプロベネシドを含有するHanks平衡塩溶液)を総容量で100μL/ウェル残しておいた。薬物(アッセイ緩衝液50μLに溶解)を蛍光測定時に、FLIPR96穴プレートの各ウェルに速度70μL/秒で添加した。1秒間隔で測定し、最大蛍光シグナルを測定し(添加の約10〜15秒後)、10μM 5−HT(100%と定義)で生じる応答と比較して、応答%(相対効果)として表した。用量相関曲線を、Graphpad Prism(Graph Software Inc.)を用いて作成した。
【0235】
【表2】

【0236】
式(I)で示される化合物は、ヒト5−HT2C受容体での活性が10,000〜0.01nMの範囲である。
【0237】
上記の好ましい式Iで示される化合物は、ヒト5−HT2C受容体での活性が10000nM未満であり、ことに好ましい化合物は1000nM未満であり、特に好ましい化合物は100nM未満である。最も好ましい化合物は、ヒト5−HT2C受容体での活性が30nM未満である。
【0238】
3.摂食行動の管理
式(I)で示される化合物のインビボ活性を、絶食動物の摂食量を記録することによる、摂食行動の管理能力について評価した。
【0239】
ラットを、1日あたり2時間、食事に接近するように訓練し、22時間は絶食した。このスケジュールでラットを訓練すると、これらの2時間の摂食セッションの間の連日の摂食量が、毎日一定となった。
【0240】
5−HT2C受容体アゴニストによる摂食量を減少させる能力をテストするために、動物8匹をクロスオーバー試験で使用した。ラットを、床に格子の入ったプレキシガラスの箱で個別に飼育し、ケージの床下に紙を敷いて、こぼしたものを回収した。予め測量した食事を入れた給餌器(ベッヒャー(becher))を、動物に2時間供与した。摂食セッションの終了時に、ラットをホームケージに戻した。実験の開始前に、各ラットを体重測定し、この2時間摂食セッションの間に摂取した食事量を記録した。様々な用量の検査化合物または担体のいずれかを、2時間摂食セッションの60分前に経口投与した。ポジテイブコントロールとして、シブトラミンを実験に含ませた。
【0241】
反復測定のAnova解析を利用し、その後、Posthoc検定Student Neumann-Keulsを利用した。
* 生理食塩水で処理したラットと比較してP<0.05
【0242】
最小効果用量(m.e.d.)を、摂食量の統計学的に有意な減少を生じる最小用量と定義した。選択した特に好ましい式Iで示される化合物の最小効果用量は、30mg/kg p.o.か、それ未満であった。
【実施例】
【0243】
実施例1
(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン 二水素ホスファート
【0244】
メタノール500ml中の、(4R,9aR)−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル22.7g(0.046mol)及びフッ化アンモニウム22.7g(0.61mol)の混合物を、1時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。残渣をジクロロメタン230mlにとり、0℃に冷却した。得られた溶液にトリエチルシラン23ml及びトリフルオロ酢酸113mlを加え、混合物を17時間室温に仮処理しながら撹拌した。得られた橙赤色の溶液を吸引真空下で蒸発した。残渣を水200ml及び酢酸エチル200mlに分配した。相を分離し、有機相を水100mlで2回抽出した。合わせた水相をジクロロメタン300mlと混合し、混合物のpHを、水中の28%水酸化ナトリウム溶液を添加することにより、12.00に調整した。相を分離し、水相をジクロロメタン100mlでさらに2回抽出した。合わせたジクロロメタン相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固し、ジクロロメタン:メタノール:25%アンモニア水=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン8.11g(76%)を黄橙色の泡状物として得た。(MS:232(M+H))
【0245】
この物質をメタノール150mlに取った。得られた溶液に、メタノール85ml中のオルトリン酸3.436gの溶液を10分間で滴下した。混合物を室温で1時間及び0℃で2時間攪拌した。沈殿物を濾過により回収し、氷冷メタノール70mlで洗浄し、吸引真空下で恒量まで乾燥し、白色の結晶の標記化合物9.125g(79.6%)をリン酸二水素塩として得た。母液の濃縮により、わずかに黄色の結晶の第2産出物1.06g(9.2%)を得た。(元素分析計算値 C:47.42 H:6.12 N:12.76、 実測値 C:47.28 H:5.99 N:12.72)
【0246】
出発物質(4R,9aR)−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを、既知の前駆体から出発して、以下の一連の工程により得た。
【0247】
工程1:(4R,9aR)−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
ジメチルホルムアミド100ml中の(4R,9aR)−6−ヒドロキシメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル16.1g(0.0504mol)の溶液に、イミダゾール6.86g(0.100mol)及びテキシルジメチルクロロシラン11.9ml(0.0505mol)を加え、混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと10%クエン酸水溶液250mlに分配した。相を分離し、有機相を10%クエン酸水溶液250mlで1回、水250mlで2回、重炭酸ナトリウム飽和水溶液250mlで1回、ブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、ジクロロメタン並びにジクロロメタンと酢酸エチル=9:1の混合物を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物22.78g(97.9%)を無色の油状物として得た。(MS:462(M+H))
【0248】
工程2:(4R,9aR)−7−ブロモ−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン200ml中の(4R,9aR)−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル22.78gの溶液に、N−ブロモスクシンイミド8.78g(0.049mol)を0℃で加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル500mlで希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液、水及びブラインで順次抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、吸引真空下で蒸発し、高真空下で恒量まで乾燥して、標記化合物26.5gを無色の油状物として得た。(MS:541(M+H))
【0249】
工程3:(4R,9aR)−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
トルエン800ml中の(4R,9aR)−7−ブロモ−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル26.5g(0.049mol)の溶液に、−78℃で10分間で、ペンタン中のtert.ブチルリチウム1.5M溶液50mlを加えた。反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。得られた橙色の溶液に、ジメチルホルムアミド30mlを3分間で加えた。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に冷却浴を取り外し、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応物を、10%クエン酸水溶液300mlの添加によりクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機相を10%重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、吸引真空下で蒸発し、ヘプタン:酢酸エチル=4:1〜3:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物22.70g(94.6%)を黄色の泡状物として得た。(MS:490(M+H))
【0250】
実施例2
(5R,8aS)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
(4R,9aS)−6−ヒドロキシメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発して、標記化合物を、実施例1と類似の一連の工程により、無色の泡状物として得た。MS:232.1(M+H
【0251】
実施例3
(R)−5−メチル−1,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
ジクロロメタン3ml中の(5R,8aR)−5−メチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.050gの溶液に、二酸化マンガン0.20gを30分の間隔で4回に分けて加えた。次に混合物を室温で18時間撹拌した。生成物を、ヘプタン:酢酸エチル=1:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、黄色の油状物を得、それをトリフルオロ酢酸1mlに取り、室温で30分間保持した。溶媒を蒸発し、残渣を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、水相を2N水酸化ナトリウムの添加によりpH12に中和し、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン相を半分に濃縮したブラインで洗浄し、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:0.1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物0.011gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS232.1(M+H))
【0252】
出発物質を以下の方法で得た。
ジクロロメタン2ml中の(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン0.200gの溶液に、ジtert.ブチルジカルボナート0.200を加え、混合物を室温で1時間保持した。溶媒を蒸発し、残渣をヘプタン:酢酸エチル=2:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、(5R,8aR)−5−メチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.22gを無色の固体として得た。(MS:332.4(M+H))
【0253】
あるいはまた、出発物質が(4R,9aR)−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから実施例9bと同様に得られる。
【0254】
実施例4
5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
(4S,9aR)−6−ヒドロキシメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発して、標記化合物を、実施例1と類似の一連の工程により、無色の泡状物として得た。(MS:232.4(M+H))
【0255】
実施例5
(5R,8aR)−5,7−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
テトラヒドロフラン3ml中の(5R,8aR)−5−メチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.100g及び水素化アルミニウムリチウム0.040gの混合物を、2時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、水と酢酸エチルに分配した。有機相をブラインで洗浄し、蒸発し、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.053gをわずかに黄色のガム状物として得た。(MS:246.4(M+H))
【0256】
実施例6
(5R,8aR)−7−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
1−((5R,8aR)−5−メチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−イル)−エタノンから出発して、実施例5と同一の手順により、標記化合物をわずかに黄色のガム状物として得た。(MS:260.3(M+H))
【0257】
実施例7
1−((5R,8aR)−5−メチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−イル)−エタノン
水4ml中の(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン二水素ホスファート0.33の溶液に、ジクロロメタン4ml中の無水酢酸1.3mlの溶液を加え、混合物のpHを1N水酸化ナトリウム水溶液の添加によりに12.00に調整した。混合物を室温で15分間撹拌した。相を分離し、有機相を10%クエン酸水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固して、標記化合物0.25gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS:274.1(M+H))
【0258】
実施例8
(5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
(4R,9aR)−6−{(S)−1−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−エチル}−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル又は(4R,9aR)−6−{(RS)−1−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−エチル}−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発。
【0259】
標記化合物を、実施例1と同様にして、わずかに黄色ガム状物(MS:246.3(M+H))を収率77%で2:1エピマー混合物として得た。
【0260】
出発物質(4R,9aR)−6−{(RS)−1−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−エチル}−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを、以下の一連の工程で得た。
【0261】
工程1(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
ジクロロメタン20ml中の(4R,9aR)−6−ヒドロキシメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル2.00gの溶液に、二酸化マンガン6.00gを1時間間隔で、室温で2.00gずつ3回に分けて攪拌しながら加えた。反応混合物をさらに2時間室温で攪拌した。固体をdicaliteで濾過することにより除去し、母液を蒸発し、残渣をヘプタン:酢酸エチル=1:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物1.600gをわずかに黄色の結晶として得た。(MS:316.0(M+H))
【0262】
工程2:(4R,9aR)−6−(1−(RS)−ヒドロキシ−エチル)−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン100ml中の(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル10.00gの溶液に、エーテル中の約3Mメチルマグネシウムブロミド溶液の溶液20mlを0℃で滴下した。混合物を0℃で30分間攪拌した。反応混合物を10%塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機相を105クエン酸水溶液、10%重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、高真空下で恒量まで乾燥して、標記化合物10.0gを無色の油状物として得た。(MS:334.5(M+H))
【0263】
工程3(4R,9aR)−6−{(RS)−1−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−エチル}−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
実施例1(工程1から工程3)と同一の一連の反応を適用することにより、(4R,9aR)−6−(1−(RS)−ヒドロキシ−エチル)−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを、標記化合物(4R,9aR)−6−{(RS)−1−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−エチル}−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルに変換し、それを無色の油状物として得た。(MS:504.5(M+H))
【0264】
実施例9
(3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
a)実施例8の生成物から出発して、標記化合物を、エタノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムで分取キラルHPLCにより、わずかに黄色の結晶として得た。融点:90〜91℃
【0265】
b)あるいはまた、(3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン及び(3R,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン 二水素ホスファートを、(4R,9aR)−6−{(S)−1−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−エチル}−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから以下の一連の反応により得られた。
【0266】
工程1:(3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−カルボン酸 tert−ブチルエステル
メタノール10ml中の(4R,9aR)−6−{(S)−1−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−エチル}−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル1.008g及びフッ化アンモニウム0.0889gの混合物を、22時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム0.228gを加えた。混合物を0℃まで冷却し、氷酢酸2.00mlを5分間で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、有機相を10%重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発して、黄褐色を帯びた結晶0.77gを得て、それをヘプタン:酢酸エチル=2:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、(3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.587gを白色の結晶として得た。融点:143〜144℃
【0267】
工程2
工程1の生成物を、トリフルオロ酢酸で、0℃で30分間処理した。混合物を吸引真空下で蒸発し、残渣を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、水相をジクロロメタンと混合した。この混合物のpHを、28%水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより12.00に調整した。相を分離し、有機相を半分に濃縮したブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。残渣を塩化メチレン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物(3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレンをわずかに黄色の結晶として得た。融点:90〜91℃
【0268】
工程3
メタノール90ml中の(3R,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン6.70g(0.0273mol)の溶液に、メタノール30ml中のオルトリン酸2.67g(0.0273mol)の溶液を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発し、残渣をエタノール130mlに取った。混合物に種結晶を加え、撹拌を22時間続けた。固体を濾過により回収し、高真空下で恒量まで乾燥して、(3R,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン 二水素ホスファート8.74gを白色の結晶として得た。(元素分析計算値 C:48.83 H:6.47 N:12.20、 実測値 C:48.77 H:6.38 N:12.08)
【0269】
実施例10
(3R,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
実施例8の生成物から出発して、標記化合物を、エタノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用する、Chiralpak ADカラムの分取キラルHPLCにより、わずかに黄色の結晶として得た。融点:78〜79℃
【0270】
実施例11
(3S,5R,8aR)−3−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発し、メチルマグネシウムブロミドの代わりにエチルマグネシウムブロミドを使用して、実施例8と同一の一連の反応により得た。標記化合物を、エタノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムのキラルHPLCにより、マイナーエピマーとしてわずかに黄色の油状物として単離した。(MS:260.0(M+H))立体化学をX線単結晶構造決定により確認した。
【0271】
実施例12
(3R,5R,8aR)−3−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発し、メチルマグネシウムブロミドの代わりにエチルマグネシウムブロミドを使用して、実施例8と同一の一連の反応により得た。標記化合物を、エタノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムのキラルHPLCにより、メジャーエピマーとして、わずかに黄色の油状物として単離した。(MS:260.3(M+H))
【0272】
実施例13
(3S,5R,8aR)−5−メチル−3−プロピル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発し、メチルマグネシウムブロミドの代わりにn−プロピルマグネシウムブロミドを使用して、実施例8と同一の一連の反応により得た。標記化合物を、エタノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムのキラルHPLCにより、メジャーエピマーとしてわずかに黄色の油状物として単離した。(MS:274.1(M+H))
【0273】
実施例14
(3R,5R,8aR)−5−メチル−3−プロピル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発し、メチルマグネシウムブロミドの代わりにn−プロピルマグネシウムブロミドを使用して、実施例8と同一の一連の反応により得た。標記化合物を、エタノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムのキラルHPLCにより、マイナーエピマーとしてわずかに黄色の油状物として単離した。(MS:274.1(M+H))立体化学をX線単結晶構造決定により確認した。
【0274】
実施例15
(3S,5R,8aR)−3−イソプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発し、メチルマグネシウムブロミドの代わりにイソプロピルマグネシウムブロミドを使用して、実施例8と同一の一連の反応により得た。標記化合物を、イソプロパノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムのキラルHPLCによりメジャーエピマーとしてわずか、に黄色の油状物として単離した。(MS:274.3(M+H))
【0275】
実施例16
(3R,5R,8aR)−3−イソプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発し、メチルマグネシウムブロミドの代わりにイソプロピルマグネシウムブロミドを使用して、実施例8と同一の一連の反応により得た。標記化合物を、イソプロパノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムのキラルHPLCにより、マイナーエピマーとして、わずかに黄色の油状物として単離した。(MS:274.1(M+H))
【0276】
実施例17
(3S,5R,8aR)−3−シクロプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発し、メチルマグネシウムブロミドの代わりにシクロプロピルマグネシウムブロミドを使用して、実施例8と同一の一連の反応により得た。標記化合物を、エタノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムのキラルHPLCにより、メジャーエピマーとして、わずかに黄色の油状物として単離した。(MS:272.3(M+H))
【0277】
実施例18
(3R,5R,8aR)−3−シクロプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発し、メチルマグネシウムブロミドの代わりにシクロプロピルマグネシウムブロミドを使用して、実施例8と同一の一連の反応により得た。標記化合物を、エタノールとヘプタンの混合物を溶離剤として使用して、Chiralpak ADカラムのキラルHPLCにより、マイナーエピマーとして、わずかに黄色の油状物として単離した。(MS:272.3(M+H))
【0278】
実施例19
(5R,8aR)−3,3,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−4−メチル−6−(1−メチル−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル)−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから実施例1と同様にして得た。
【0279】
出発物質(4R,9aR)−4−メチル−6−(1−メチル−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル)−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを、(4R,9aR)−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2,6−ジカルボン酸 2−tert−ブチルエステル6−メチルエステルから以下の手順により得た。
【0280】
工程1:(4R,9aR)−4−メチル−6−(1−メチル−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル)−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン20ml中の(4R,9aR)−4−メチル−6−(1−メチル−1−トリメチルシラニルオキシ−エチル)−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル1.6gの溶液に、ジエチルエーテル中の3Mメチルマグネシウムブロミドの溶液5mlを、0℃で加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を10%塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。相を分離し、有機相を10%重炭酸ナトリウム水溶液とブラインで洗浄し、蒸発した。残渣をジメチルホルムアミド10ml及びイミダゾール1.00gにとり、トリメチルクロロシラン2.00mlを加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンと10%クエン酸水溶液に分配した。相を分離し、有機相を10%重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発し、高真空下で恒量まで乾燥して、標記化合物1.800gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS:420.4(M+H))
【0281】
実施例20
(5R,8aR)−1,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、工程3におけるジメチルホルムアミドの代わりにジメチルアセトアミドを使用して、わずかに黄色の油状物として実施例1と同様にして得た。(MS:246.1(M+H))
【0282】
実施例21
(5R,8aR)−1,1,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
テトラヒドロフラン5ml中の(5R,8aR)−5−メチル−1−オキソ−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.345gの溶液に、ジエチルエーテル中の2Mメチルマグネシウムブロミド溶液2.00mlを0℃で加えた。混合物を0℃で30分間及び室温で1時間撹拌した。反応混合物を10%塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配し、相を分離し、有機相を10%クエン酸水溶液、10%重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。残渣をトリフルオロ酢酸5mlに取り、室温で2時間保持した。溶媒を蒸発し、残渣を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、水相をジクロロメタンと混合した。混合物のpHを、2N水酸化ナトリウム水溶液の添加し、12.00に調整した。相を分離し、有機相を半分に濃縮したブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。残渣をジクロロメタン:メタノール:アンモニア;90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.18gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS:260.2(M+H))
【0283】
出発物質(5R,8aR)−5−メチル−1−オキソ−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−カルボン酸 tert−ブチルエステルを以下の一連の工程により得た。
【0284】
工程1:(4R,9aR)−7−ブロモ−6−ヒドロキシメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン50ml中のRO4389506−000(4R,9aR)−6−ヒドロキシメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル5.00gの溶液に、N−ブロモスクシンイミド2.75gを0℃で一度に加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を10%チオ硫酸ナトリウムと酢酸エチルに分配した。相を分離し、有機相を10%重炭酸ナトリウム及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発した。残渣をヘプタン:酢酸エチル=1:3 約20ml中でつき砕き、標記化合物5.75gを白色の結晶として、融点110〜112℃で得た。
【0285】
工程2:(5R,8aR)−5−メチル−1−オキソ−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−カルボン酸 tert−ブチルエステル
工程1の生成物を、酢酸パラジウム(0.02当量)、dppp(0.025当量)及びトリエチルアミン(3当量)の存在下、メタノール中、一酸化炭素(35bar)で110℃(24時間)でカルボニル化した。溶媒を蒸発し、残渣を酢酸エチル:ヘプタンを用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を結晶として得た。(MS:346.3(M+H))
【0286】
実施例22
(5R,8aR)−1,3,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、ピリジルリチウム中間体をクエンチするために、ジメチルホルムアミドの代わりにジメチルアセトアミドを使用して、実施例8と同様に得た。化合物をわずかに黄色の油状物として得た。(MS:260.1(M+H))
【0287】
実施例23
(5R,8aR)−1,1,3,3,5−ペンタメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6,7−ビス−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから実施例21と同様にしてわずかに黄色の油状物として得た。(MS:288.2(M+H))
【0288】
出発物質を、(4R,9aR)−6−クロロ−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから以下の一連の工程により得た。
【0289】
工程1:(4R,9aR)−7−ブロモ−6−クロロ−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを、(4R,9aR)−6−クロロ−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから、実施例21の工程1と同様にして、白色の結晶として得た。融点112〜114℃
【0290】
工程2:(4R,9aR)−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2,6,7−トリカルボン酸 2−tert−ブチルエステル6,7−ジメチルエステルを、酢酸パラジウム(0.04当量)、dppf(0.025当量)、dppp(0.025当量)及びトリエチルアミン(3当量)の存在下、110℃で、一酸化炭素(5bar 15時間、35bar 22時間)で処理して、メタノール中の工程1の生成物から、白色の結晶として得た。(MS:406.4(M+H))
【0291】
工程3:(4R,9aR)−6,7−ビス−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン3.00ml中の(4R,9aR)−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2,6,7−トリカルボン酸 2−tert−ブチルエステル6,7−ジメチルエステル0.288gの溶液に、ジエチルエーテル中の3Mメチルマグネシウムブロミドの溶液2.37mlを、−78℃で加えた。反応混合物を−78℃で1時間及び室温で2時間撹拌した。反応混合物を、105塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。相を分離し、有機相をヘプタン:酢酸エチルを用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.087gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS:406.5(M+H))
【0292】
実施例24
(5R,8aR)−5,10−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4,8−ジメチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発して、実施例1と同様にして、わずかに黄色の結晶(融点:118〜119℃)として得た。
【0293】
実施例25
(4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン
3.00ml中の(4R,9aR)−7−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ビニル]−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.154g及びフッ化アンモニウム0.154gの溶液を、4時間加熱還流した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。ジクロロメタン3.00ml中の残渣溶液に、トリエチルシラン0.14ml及びトリフルオロ酢酸0.14mlを0℃で加え、混合物を0℃で2時間撹拌した。得られた溶液に、トリフルオロ酢酸0.7mlを加え、混合物を17時間で室温に仮処理した。溶媒を蒸発し、残渣を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、水相のpHを2N水酸化ナトリウム水溶液の添加により、12.00に調整し、生成物を塩化メチレンで抽出し、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.0047gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS:246.3(M+H))
【0294】
出発物質(4R,9aR)−7−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ビニル]−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを以下の一連の工程により得た。
【0295】
工程1:(4R,9aR)−7−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−エチル]−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
トルエン25ml中の(4R,9aR)−7−ブロモ−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.825gの溶液に、ペンタン中の1.5M tert.−ブチルリチウムの溶液1.53mlを−78℃で滴下し、混合物をこの温度で1時間撹拌した。次にこの溶液をトルエン10ml中の(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)アセトアルデヒド0.705gの溶液にシリンジを介して−78℃で加えた。混合物をこの温度で30分間撹拌し、次に10%塩化アンモニウム水溶液20mlでクエンチした。生成物を酢酸エチルで抽出し、ヘプタン:酢酸エチル=4:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.200gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS:637.4(M+H))
【0296】
工程2:(4R,9aR)−7−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ビニル]−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
ジクロロメタン4ml中の(4R,9aR)−7−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−エチル]−6−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシメチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.250gの溶液に、ヒューニッヒ塩基0.017ml及びメタンスルホニルクロリド0.04mlを0℃で加えた。混合物をこの温度で30分間攪拌し、次に10%クエン酸水溶液でクエンチした。相を分離し、有機相をヘプタン:酢酸エチル=9:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物0.167gを無色の油状物として得た。(MS:619.5(M+H))
【0297】
実施例26
(4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから出発して、実施例9bと同様にして、わずかに黄色の油状物として得た。(MS:246.4(M+H))
【0298】
出発物質(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルを以下の一連の工程により得た。
【0299】
工程1
トルエン100ml中の(4R,9aR)−6−ブロモ−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル4.00gの溶液に、ペンタン中の1.5M tert−ブチルリチウムの溶液10.86mlを−78℃で滴下した。混合物をこの温度で30分間撹拌した。得られた溶液に、(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)アセトアルデヒド5.017gを加え、混合物を−78℃で30分間撹拌した。反応物を、10%塩化アンモニウム水溶液を添加することによりクエンチした。相を分離し、有機相をヘプタン:酢酸エチル=4:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル2.34gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS:464.4(M+H))
【0300】
工程2
(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
ジクロロメタン10ml中の(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.70gの溶液に、テトラブロモメタン0.794g及びトリフェニルホスフィン0.628gを室温で加え、混合物をこの温度で30分間撹拌した。反応混合物をヘプタン:酢酸エチル=2:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。生成物(0.66g)をテトラヒドロフラン10mlに取った。得られた溶液に、水2ml中のフッ化カリウム0.218g、酢酸パラジウム0.028g及びポリメチルヒドロキシシラン0.50mlの溶液を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配し、相を分離し、有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。残渣をヘプタン:酢酸エチル=2:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.329gをわずかに黄色の油状物として得た。(MS:448.5(M+H))
【0301】
工程3:
実施例1と同様にして、前工程の生成物を、(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルに変換した。(MS:476.5(M+H))
【0302】
実施例27
(4R,8R,11aR)−4,9−ジメチル−1,2,3,4,6,9,11,11a−オクタヒドロ−7H−8−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン
(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルに対して、実施例1及び9bで詳述した手順を適用することにより、標記化合物及びその5員環異性体(実施例29)の混合物をもたらし、それをジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより分離して、純粋な標記化合物を無色の油状物として得た。(MS:262.3(M+H))
【0303】
実施例28
(4R,8S,11aR)−4,9−ジメチル−1,2,3,4,6,9,11,11a−オクタヒドロ−7H−8−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン
標記化合物を、(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−メトキシ−エチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから、実施例26と同様、に無色の泡状物として得た。(MS:276.3(M+H)244.4(M+H−HOMe))
【0304】
出発物質を、(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルから、水素化ナトリウムの存在下、ジメチルホルムアミド中のヨウ化メチルでアルキル化し、ヘプタン:酢酸エチルを用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、無色の油状物として得た。(MS:478.5(M+H))
【0305】
実施例29
((3R,5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−3−イル)−メタノール
(4R,9aR)−6−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルに対して、実施例1及び9bで詳述した手順を適用することにより、標記化合物及びその6員環異性体(実施例27)の混合物をもたらし、それをジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより分離して、純粋な標記化合物を無色の油状物として得た。(MS:262.0(M+H))
【0306】
実施例30
(3R,5R,8aR)−3−メトキシメチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
標記化合物を実施例29の生成物から、最初にBoc誘導体として保護し、水素化ナトリウムの存在下、ジメチルホルムアミド中、ヨウ化メチルでアルキル化し、トリフルオロ酢酸でBoc保護基を除去し、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、わずかに褐色を帯びた油状物として得た。(MS:276.1(M+H))
【0307】
実施例31
(5R,8aR)−2−シクロプロピル−5−メチル−2,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
氷酢酸1.0ml及び水1.00ml中の2−シクロプロピル−5−メチル−5,6,7,8,8a,9−ヘキサヒドロ−2H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン0.014gの溶液に、10%パラジウム担持活性炭0.005gを加え、混合物を水素1気圧下、室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発し、残渣をジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.0025gを、わずかに褐色を帯びた油状物として得た。(MS:271.3(M+H))
【0308】
実施例32
(5R,8aR)−2−シクロプロピル−5−メチル−5,6,7,8,8a,9−ヘキサヒドロ−2H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
トリフルオロ酢酸0.50ml中の(4R,9aR)−6−[(tert−ブトキシカルボニル−シクロプロピル−アミノ)−メチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.040gの溶液を、室温で18時間保持した。溶媒を蒸発し、残渣をジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物0.0025gを無色の泡状物として得た。(MS:269.4(M+H))
【0309】
出発物質を、以下の一連の工程により、(4R,9aR)−6−ヒドロキシメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから得た。
【0310】
工程1:(4R,9aR)−7−ブロモ−6−ブロモメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
ジクロロメタン5ml中の(4R,9aR)−7−ブロモ−6−ヒドロキシメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル(実施例21工程1)0.400gの溶液に、トリフェニルホスフィン0.4g及び四臭化炭素を室温で加え、混合物を室温で30分間撹拌した。赤橙色溶液を、ヘプタン:酢酸エチル=1:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製した。生成物画分を回収し、蒸発した。得られた油状物(種結晶を示す)をヘキサンとつき砕いた。結晶質の固体を回収し、恒量まで乾燥して、標記化合物0.307gを得た。(MS:406.1;404.2(M+H))
【0311】
工程2:
(4R,9aR)−7−ブロモ−6−[(tert−ブトキシカルボニル−シクロプロピル−アミノ)−メチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン100ml中の(4R,9aR)−7−ブロモ−6−ブロモメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル1.00gの溶液に、シクロプロピルアミン5.00mlを加え、混合物を室温で18時間保持した。溶媒を蒸発し、残渣を水と酢酸エチルに分配した。混合物のpHを2N塩酸の添加により1.00に調整した。相を分離し、水相をジクロロメタンと混合した。混合物のpHを2N水酸化ナトリウムの添加により、12.00に調整した。相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。残渣をジクロロメタン20mlに取り、ジ(tert−ブチル)ジカルボナート1.00gで、室温で4時間処理した。溶媒を蒸発し、残渣を、ヘプタン:酢酸エチル=4:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物1.129gを無色の油状物として得た。(MS:539.;537.4(M+H))
【0312】
工程3:
(4R,9aR)−6−[(tert−ブトキシカルボニル−シクロプロピル−アミノ)−メチル]−7−ホルミル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
トルエン30ml中の(4R,9aR)−7−ブロモ−6−[(tert−ブトキシカルボニル−シクロプロピル−アミノ)−メチル]−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.847gの溶液に、−78℃で、1.5M tert−ブチルリチウム溶液1.5mlを加え、混合物をこの温度で10分間撹拌した。得られた混合物に、ジメチルホルムアミド2.00mlを加え、混合物を−78℃で1時間及び0℃で30分間撹拌した。反応物を、10%クエン酸水溶液の添加でクエンチした。相を分離し、有機相をヘプタン:酢酸エチル=1:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.200gを橙黄色の固体として得た。(MS:487.3(M+H))
【0313】
実施例33
(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
(5R,8aR)−5−メチル−5,6,7,8,8a,9−ヘキサヒドロ−2−チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン0.046gの溶液
90%ギ酸水溶液5ml中の(4R,9aR)−7−ホルミル−4−メチル−6−トリチルスルファニルメチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.270gの溶液を、室温で6時間保持した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、水相をジクロロメタンと混合した。混合物のpHを2N水酸化ナトリウム水溶液の添加により12.00に調整し、相を分離した。有機相を蒸発し、残渣をジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.092gを、褐色を帯びた固体として得た。(MS:246.3(M+H))
【0314】
実施例34
(5R,8aR)−5−メチル−5,6,7,8,8a,9−ヘキサヒドロ−2−チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
90%ギ酸水溶液5ml中の(4R,9aR)−7−ホルミル−4−メチル−6−トリチルスルファニルメチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.270gの溶液を、室温で6時間保持した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、水相をジクロロメタンと混合した。混合物のpHを2N水酸化ナトリウム水溶液の添加により、12.00に調整し、相を分離した。有機相を蒸発し、残渣をジクロロメタン:メタノール:アンモニア=90:10:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.092gを、褐色を帯びた固体として得た。(MS:246.3(M+H))
【0315】
出発物質を、(4R,9aR)−7−ブロモ−6−ブロモメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステルから以下の一連の工程により得た。
【0316】
工程1(4R,9aR)−7−ブロモ−6−メルカプトメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
エタノール10ml中の(4R,9aR)−7−ブロモ−6−ブロモメチル−4−メチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.90gの懸濁液に、室温でチオ尿素0.2gを加え、混合物を周囲温度で5時間撹拌した。得られた清澄な溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液1mlを加え、混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、有機相をヘプタン:酢酸エチル=9:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.51gを結晶質の固体として得た。(MS:414.1及び416.2(M+H))
【0317】
工程2(4R,9aR)−7−ブロモ−4−メチル−6−トリチルスルファニルメチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
ジクロロメタン5ml中の工程1の生成物0.25gの溶液に、トリチルピリジニウムテトラフルオロホウ酸0.25gを室温で加え、混合物をこの温度で2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン:酢酸エチル=19:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.39gを無色の泡状物として得た。(MS:656.3及び658,4(M+H))
【0318】
工程3(4R,9aR)−7−ホルミル−4−メチル−6−トリチルスルファニルメチル−3,4,9,9a−テトラヒドロ−1H−2,4a,5−トリアザ−フルオレン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル
トルエン10ml中の工程2の生成物0.39gの溶液に、1.7M tert−ブチルリチウムのペンタン溶液1.0mlを−78℃で滴下した。得られた橙色溶液を、−78℃で15分間撹拌した。得られた橙色溶液にジメチルホルムアミド1.00mlを−78℃で加えた。初めに赤色であるがすぐに鮮黄色になる溶液を−78℃で15分間撹拌し、次に30分間室温に仮処理した。反応混合物を10%塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、相を分離し、有機相をジクロロメタン:酢酸エチル=19:1を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、標記化合物0.21gを無色の泡状物として得た。(MS:606.4(M+H))
【0319】
実施例A
以下の成分を含有する錠剤は従来の方法で製造されうる。
【0320】
【表3】

【0321】
実施例B
以下の成分を含有するカプセルは従来の方法で製造されうる。
【0322】
【表4】

【0323】
実施例C
注射液は以下の組成を有しうる。
【0324】
【表5】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(式中、
およびRは、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【化2】


を形成し;
は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルキルカルボニルまたはシクロアルキルカルボニルであり;
は、アルキルまたはシクロアルキルであり;
およびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキルおよびアルコキシアルキルから選択され;
およびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキルおよびアルコキシアルキルから選択され;
10およびR11は、独立して、水素およびアルキルから選択され;
12およびR13は、独立して、水素およびアルキルから選択され;
14は、水素、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
15は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
16は、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
17は、水素、アルキルまたはシクロアルキルである)
で示される化合物、ならびに薬学的に許容され得るその塩およびエステル。
【請求項2】
化合物が、式(Ia):
【化3】


(式中、Rが結合する炭素原子:Cは、R配置であり、R〜Rは、請求項1に定義されている)
で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
化合物が、式(II):
【化4】


(式中、R〜Rは、請求項1に定義されている)
で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
化合物が、式(IIa):
【化5】


(式中、Rが結合する炭素原子:Cは、R配置であり、R〜Rは、請求項1に定義されている)
で示される、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
化合物が、式(III):
【化6】


(式中、R〜Rは、請求項1に定義されている)
で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
化合物が、 式(IIIa):
【化7】


(式中、Rが結合する炭素原子:Cは、R配置であり、R〜Rは、請求項1に定義されている)
で示される、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
が、水素、メチル、エチルまたはメチルカルボニルである、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
が、水素である、請求項7項記載の化合物。
【請求項9】
が、水素である、請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
が、メチルである、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【化8】


を形成する、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
およびRが、それらが結合する炭素原子:CおよびCと一緒になって、
【化9】


を形成する、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
およびRが、独立して、水素およびメチルから選択される、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
およびRが、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびシクロプロピルから選択される、請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
10、R11、R12およびR13が、水素である、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
14が、水素、ヒドロキシルまたはメトキシである、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
15が、シクロプロピルである、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
16が、シクロプロピルである、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
17が、水素である、請求項1〜11および16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項20】
(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aS)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(R)−5−メチル−1,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−5,7−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−7−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
1−((5R,8aR)−5−メチル−3,5,6,8,8a,9−ヘキサヒドロ−1H−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−7−イル)−エタノン;
(5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3R,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3R,5R,8aR)−3−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−5−メチル−3−プロピル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3R,5R,8aR)−5−メチル−3−プロピル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−イソプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3R,5R,8aR)−3−イソプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−シクロプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3R,5R,8aR)−3−シクロプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−3,3,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−1,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−1,1,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−1,3,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−1,1,3,3,5−ペンタメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−5,10−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
(4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
(4R,8R,11aR)−4,9−ジメチル−1,2,3,4,6,9,11,11a−オクタヒドロ−7H−8−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
(4R,8S,11aR)−4,9−ジメチル−1,2,3,4,6,9,11,11a−オクタヒドロ−7H−8−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
((3R,5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−3−イル)−メタノール;
(3R,5R,8aR)−3−メトキシメチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−2−シクロプロピル−5−メチル−2,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−2−シクロプロピル−5−メチル−5,6,7,8,8a,9−ヘキサヒドロ−2H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;及び
(5R,8aR)−5−メチル−5,6,7,8,8a,9−ヘキサヒドロ−2−チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
から選択される、請求項1〜19のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−5,7−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3R,5R,8aR)−3,5−ジメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−エチル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−5−メチル−3−プロピル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−イソプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(3S,5R,8aR)−3−シクロプロピル−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−3,3,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−1,1,5−トリメチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−オキサ−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;
(4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
(4R,11aR)−4−メチル−1,3,4,6,8,9,11,11a−オクタヒドロ−2H−7−オキサ−2,4a,5−トリアザ−ベンゾ[b]フルオレン;
(5R,8aR)−2−シクロプロピル−5−メチル−2,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H−2,4,4b,7−テトラアザ−シクロペンタ[b]フルオレン;及び
(5R,8aR)−5−メチル−1,3,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−2−チア−4,4b,7−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン
から選択される、請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物。
【請求項22】
以下の反応:
a)式:
【化10】


で示される化合物を、還元的アミノ化により、アルデヒドもしくはケトンと反応させるか、またはアシル化により、活性化炭酸誘導体と反応させ、得られたアミンを水素化アルミニウムリチウムにより還元して、式(I):
【化11】


(式中、R〜Rは、請求項1に定義されている)
で示される化合物を得る反応、
b)式:
【化12】


で示される化合物を還元して、式:
【化13】


(式中、R、R、R、R10およびR12は、請求項1に定義されている)
で示される化合物を得る反応、
c)式:
【化14】


で示される化合物を還元して、式:
【化15】


(式中、R、R、RおよびR16は、請求項1に定義されている)で示される化合物を得る反応、
の一つを含む、請求項1〜21のいずれか1項記載の式Iで示される化合物の製造方法。
【請求項23】
治療的に活性な物質として使用される、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物。
【請求項24】
5−HT受容体に関連する障害により引き起こされる疾病の予防および治療用の医薬を製造するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物。
【請求項25】
請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物および治療的に不活性の担体を含む医薬組成物。
【請求項26】
摂食障害および肥満の処置および予防用の医薬を製造するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項27】
真性糖尿病、I型糖尿病、II型糖尿病、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病、高血糖、糖尿病合併症およびインスリン抵抗性の処置用の医薬を製造するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項28】
II型糖尿病の処置のための、請求項27記載の使用。
【請求項29】
中枢神経系の障害、心臓血管障害、胃腸障害、尿崩症(diabetes insipidus)および睡眠時無呼吸の処置および予防用の医薬を製造するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項30】
中枢神経系の障害が、うつ病、非定型うつ病、双極性障害、不安障害、強迫性障害、社会恐怖症またはパニック状態、睡眠障害、性機能不全、精神病、精神分裂症、片頭痛および頭痛または他の疼痛に関連する他の状態、頭蓋内圧の上昇、てんかん、人格障害、年齢に関係する行動障害、痴呆に関係する行動障害、基質性精神障害、小児期の精神障害、攻撃性、年齢に関係する記憶障害、慢性疲労症候群、薬物およびアルコール依存、多食症、神経性食欲不振、月経前緊張症、外傷、卒中、神経変性疾患、脳炎、髄膜炎および尿失禁から選択される、請求項29記載の使用。
【請求項31】
請求項22により製造される、請求項1〜22のいずれか1項記載の化合物。
【請求項32】
請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の効果的な量を投与することを含む、中枢神経系の障害、心臓血管障害、胃腸障害、尿崩症(diabetes insipidus)および睡眠時無呼吸の処置および予防の方法。
【請求項33】
中枢神経系の障害が、うつ病、非定型うつ病、双極性障害、不安障害、強迫性障害、社会恐怖症またはパニック状態、睡眠障害、性機能不全、精神病、精神分裂症、片頭痛および頭痛または他の疼痛に関連する他の状態、頭蓋内圧の上昇、てんかん、人格障害、年齢に関係する行動障害、痴呆に関係する行動障害、基質性精神障害、小児期の精神障害、攻撃性、年齢に関係する記憶障害、慢性疲労症候群、薬物およびアルコール依存、多食症、神経性食欲不振、月経前緊張症、外傷、卒中、神経変性疾患、脳炎および髄膜炎から選択される、請求項32記載の方法。
【請求項34】
請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の効果的な量を投与することを含む、摂食障害および肥満の処置および予防の方法。
【請求項35】
請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の効果的な量を投与することを含む、真性糖尿病、I型糖尿病、II型糖尿病、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病、高血糖、糖尿病合併症、およびインスリン抵抗性から選択される障害の処置および予防の方法。
【請求項36】
II型糖尿病の処置および予防のための請求項35記載の方法。
【請求項37】
ヒトに、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の治療的な効果量およびリパーゼ阻害剤の治療的な効果量を投与することを含む、そのような処置を必要とするヒトの肥満の処置方法。
【請求項38】
リパーゼ阻害剤が、オルリスタットである、請求項37記載の方法。
【請求項39】
同時投与、分別投与(separate administration)または連続投与用の、請求項37および38記載の方法。
【請求項40】
リパーゼ阻害剤を用いた処置も受けている患者における肥満の処置および予防用の医薬を製造するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項41】
リパーゼ阻害剤を用いた処置も受けている患者における、真性糖尿病、I型糖尿病、II型糖尿病、膵臓疾患に派生する糖尿病、ステロイド使用に関係する糖尿病、III型糖尿病、高血糖、糖尿病合併症およびインスリン抵抗性の処置および予防用の医薬を製造するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項42】
リパーゼ阻害剤を用いた処置も受けている患者におけるII型糖尿病の処置および予防用の医薬を製造するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項43】
リパーゼ阻害剤が、オルリスタットである、請求項40、41および42記載の使用。
【請求項44】
治療的な効果量のリパーゼ阻害剤を更に含む、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項45】
本明細書内の上記の発明。

【公表番号】特表2008−540368(P2008−540368A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509412(P2008−509412)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061777
【国際公開番号】WO2006/117304
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【出願人】(500201521)バーナリス リサーチ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】