説明

5位置換アザインドール誘導体,それを含む医薬組成物,中間化合物及びその製造方法

次式(I):
【化1】


で、X,Y,Z,G1,G2,G3,R1,W及びR2が明細書に記載した意味を有する5位置換アザインドール誘導体,それを含む医薬組成物,またその中間化合物及び製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,5位置換アザインドール誘導体,それを含む医薬組成物,中間化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
特に,本発明は,mPGES−1に対して阻害活性を有する5位置換アザインドール誘導体に関する。
【背景技術】
【0003】
プロスタグランジン(PG)は,細胞外空隙で合成,放出され,次いで血漿,尿及び他の生体液中に放出される酸素化脂肪酸であることが既知である。
【0004】
これらは重要な生体調節因子で,また細胞内反応及び細胞間情報伝達を調節する炎症メディエーターでもある。
【0005】
プロスタグランジンE2(PGE2)は,腎機能,血管恒常性,骨リモデリング,発熱誘発,胃腸機能及び妊娠を調節する重要な生理的役割を有する。かかる生理的機能に加えて,PGE2プロスタグランジンは,急性炎症(痛覚過敏,血管拡張及び血管からの体液分泌を誘発する。Vane J. R. and Botting R. M. 1997「抗炎症薬及びその作用機序」Inflamm. Res. 47(2):p.78)及び慢性炎症の潜在的メディエーターとして挙動する。特に,PGE2プロスタグランジンは,関節炎症性病状において豊富である。また,PGE2プロスタグランジンは,疼痛に重要な役割を果たし,潜在的な発熱因子でもある(Ayoub S. S. et al., 2004「プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1遺伝子由来タンパク質によるマウスにおけるアセトアミノフェン誘発性低体温症の調節」PNAS 101:11165-11169; Ivanov A. et al. 2002「発熱におけるPGE2プロスタグランジン合成酵素:示差的な転写制御」Am. J. Physiol. Regul. Integr. Comp. Physiol. 283: R1104-R1117)。
【0006】
PGE2プロスタグランジンの合成に関与する酵素はプロスタグランジンE合成酵素(PGES)であり,シクロオキシゲナーゼの作用によってアラキドン酸から形成したエンドペルオキシドPGH2をPGE2に変換する。PGESの活性は,多様な細胞において細胞質画分及び膜結合で共に見出されている。
【0007】
3つの酵素形態が同定されており(Kudo I. et al. 2005「プロスタグランジンE合成酵素,プロスタグランジンE2生合成用の終末酵素」Journal of Biochemistry and Molecular Biology 38, 633-638),この中でミクロソームPGES−1(mPGES−1)がその活性の必須補酵素としてグルタチオンを要する膜結合酵素である。
【0008】
mPGES−1の発現は,IL−1β又はLPSのような炎症促進性刺激によって誘
発される(Proc. natl. Acad. Sci. 96,7220,1999)。これは小胞体上及び核膜上でC
OX−2とともに共在する(Lazarus M. et al. 2002「マウスミクロソームのプロスタグラジンE合成酵素1の生化学的特性評価及びその腹腔マクロファージにおけるシクロオキシゲナーゼ−2との共在」Arch. Biochem. Biophys. 397:336; Murakami M. et al. 2000「シクロオキシゲナーゼ−2と協力して作用する誘導可能な膜結合プロスタグラジンE2合成酵素によるプロスタグラジンE2生合成の調節」J. Biol. Chem. 275:32783; Yamagata K. et al. 2001「内毒素誘発性発熱期におけるラットの脳の内皮細胞でのミクロソーム型プロスタグラジンE合成酵素とシクロオキシゲナーゼ−2との共発現」J. Neurosci. 15;21(8):2669-77)。二つの酵素(COX−2及びmPGES−1)は機能的な関連性と共発現を有するが,その誘発速度はいくつかの細胞系において相違するため,異なった調節誘発機序を示す(J. Immunol. 167:469,2001)。
【0009】
酵素COX−2を阻害する薬剤は,関節炎のような慢性炎症病態における炎症及び疼痛を緩和するのに有効であることが示されているが,長期使用によってサイトカイン類、例えばTNFαやIL−βの過剰産生に起因する組織損傷を誘発することがある(Stichtenoth D.O. 2001「初期リウマチの滑膜細胞内において,ミクロソームプロスタグラジンE合成酵素が炎症促進性サイトカイン及びグルココルチコイドによって調節される」J. Immunol. 167:469,J.Immunol.167:469)。加えて,これら薬剤の長期使用は心血管性の副作用を伴う。これは,多数の選択性COX−2阻害剤が市場から撤退し,かかる薬剤全種について適用見直しに至る。
【0010】
最近の研究取組みは,炎症及び疼痛治療に活性な薬剤を開発する目的のためにmPGES−1阻害剤を研究することによるCOX−2阻害剤の副作用克服に絞られている(B. Samuelsson et al.「膜結合型プロスタグランジンE合成酵素1:新規の治療学的標的」Pharmacol. Rev. 59:207-224, 2007)。
【0011】
さらに,多数の研究でPGE2プロスタグランジンが血管形成,細胞増殖及び細胞転移機能に関与する発がん促進因子であることが実証されている(L. R. Howe「炎症と乳がん。シクロオキシゲナーゼ/プロスタグランジンのシグナル伝達と乳がん」Breast cancer research 2007,9:210; Castellone M. D. et al. 2005「プロスタグランジンE2が,新規なGs‐アキシン‐カテニンを介して大腸がん成長を促進する」Science 310, 1504-1510; Mehrotra S. et al. 2006「乳がんにおけるミクロソームプロスタグランジンE2:治療のための有望な標的」J. Pathol. 208(3):356-63; Nakano et al. 2006「グリオーマ細胞によるマクロファージプロスタグランジンE2合成の誘発」J. Neurosurgery 104(4),574-582)。また,FANS及びCOX−2選択的阻害剤が,PGE2を阻害することによって,結腸直腸癌,食道癌,乳癌,肺癌及び膀胱癌を含む各種腫瘍を阻害することも見出されている。COX−2から誘導したPGE2プロスタグランジンは,実際のレセプターに結合し、細胞増殖,転移,断片化及び血管形成を制御するためのシグナルを活性化することによって腫瘍の成長を誘発する(Wang D. et al. 2006「プロスタグランジンと癌」Gut. 55(1):115-22; Han C. et al. 2006「プロスタグランジンE2レセプターEP1がEGFR/METレセプターチロシンキナーゼをトランス活性化し,ヒト肝細胞癌内で侵襲性を亢進する」Journal of Cellular Physiology 207:261-270)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
mPGES−1に対する選択的阻害活性を有する5位置換アザインドール誘導体が見出された。「アザインドール誘導体」という用語は,後述する式(I)内の化合物を表わすもので,インドール環で表わされる基本的核が任意に窒素原子で置換される4位,6位及び7位に一つ以上の炭素原子を有し、また2位及び3位に炭素原子間の単結合又は二重結合を有することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第一の態様において,本発明は,次式(I)
【化1】

(式中のXはハロゲン原子,(C1〜C3)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,シアノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,フェニル基又は(C1〜C3)アルキルフェニル基であり,
Y及びZは同一でも異なってもよく,水素又はハロゲン原子,(C1〜C3)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,フェニル基,COOH基,(C1〜C3)アルキルCOOH基,(C2〜C3)アルケニルCOOH基,Rが直鎖又は分岐(C1〜C6)アルキル基又はヒドロキシアルキル基であるCOOR基,CONH2基,SO2CH3基,SO2NHCH3基又はNHSO2CH3基であり,
1,G2及びG3は同一でも異なってもよく,窒素原子又はCH基であり,
R1は任意に1〜3個のヒドロキシ基で置換される(C1〜C6)アルキル基,(C3〜C7)シクロアルキル基,(C1〜C6)アルキルORI基,(CH2nNRIIIII基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基,又は(CH2nSO2I基であり,ここでnは1〜6の整数,RIは(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく、水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,
Wはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、0〜3の整数であり,
R2はL−M基で表わされ、同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,(C2〜C6)アルキニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,又はO(C2〜C6)アルキニル基であり,Mは水素又はハロゲン原子,OH基,CF3基,NO2基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,上記と同一の意味を有し、RIV及びRVは同一でも異なってもよく,(C1〜C3)アルキル基であり,
但しG1,G2及びG3がすべてCH基である場合,R1は任意に1〜3個の置換基で置換された(C1〜C6)アルキル基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり,Wはσ結合であり,2位及び3位の炭素原子間の結合は二重結合であり,
R2はハロゲン,任意にヒドロキシ基で置換された(C1〜C6)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,COOH基,COORII基,SO2CH3基,SO2NHCH3基,NHSO2CH3基,PORIVV基,OPORIVV基,(C1〜C6)アルキル−COOH基及び(C2〜C6)アルケニル−COOH基から選択された同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されたフェニル基又はピリジン基でなく,また
1がNで,G2及びG3がCH基である場合,R2はO(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基及びO(C2〜C6)アルキニル基で表わされる1つのL−M基で置換された2価の芳香族基ではない)であらわされる5位置換アザインドール誘導体,並びにその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和化合物及び多形相に関する。
【0014】
2及び3位の炭素原子間の点線は、かかる結合が単結合又は二重結合でありうることを意味する。式(I)の化合物中に存在しうる種々のアルキル基鎖は直鎖又は分岐鎖とすることができる。
【0015】
特定の置換基を持つ場合,本発明の式(I)の化合物は不斉炭素を含むことができ,その結果立体異性体及び鏡像異性体の形態であってもよい。かかる置換基の典型例としては,2−ブタノール基,2−メチルブチル基,2−ブテン酸基,2−メチルプロパン酸基及び1,2−ペンタンジオール基が挙げられる。
【0016】
ハロゲンは臭素,塩素又はフッ素であることが好ましい。
【0017】
好適なXは,ハロゲン,(C1〜C3)アルキル基,トリフロロメチル基,ニトロ基,シアノ基及び(C1〜C3)アルコキシ基である。特に好適なXは,Cl,Br,F,トリフロロメチル基及びニトロ基である。
【0018】
好適なY及びZは,H,ハロゲン,ニトロ基,COOH基,(C1〜C3)アルキル基,トリフロロメチル基及び(C1〜C3)アルコキシ基である。特に好適なXは,H,Cl,Br,F,トリフロロメチル基,ニトロ基,COOH基,メチル基,エチル基,メトキシ基及びエトキシ基である。
【0019】
好適なR1は,1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C3)アルキル基,(C1〜C3)アルキルORI基,(CH2nNRIIIII基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基及び(CH2nSO2I基であり、ここでnは1〜4の整数,RIは(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく、水素原子又は(C1〜C3)アルキル基である。
【0020】
特に好適なR1は,1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C3)アルキル基,(C1〜C3)アルキルORI基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基及び(CH2nSO2I基であり、ここでnは1〜3の整数,RIはCH3基,C25基,CH2OH基又はC24OH基,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,水素原子,CH3基又はC25基である。
【0021】
好適なWは,σ結合,(C1〜C3)アルキル基,(C2〜C4)アルケニル基,O(C1〜C3)アルキル基,O(C2〜C3)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、1〜3の整数である。
【0022】
特に好適なWは,σ結合,CH2基,C24基,CH=CH基,OCH2基,OC24基,OCH=CH基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、1〜2の整数である。
【0023】
好適なR2は,L−M基で表わされる1〜2個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,(C1〜C3)アルキル基,(C2〜C4)アルケニル基,(C2〜C4)アルキニル基,O(C1〜C3)アルキル基,O(C2〜C4)アルケニル基,O(C2〜C4)アルキニル基であり,Mは水素又はハロゲン原子,CF3基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,RIV及びRVは同一でも異なってもよく,(C1〜C3)アルキル基である。
【0024】
特に好適なR2は,L−M基で表わされる1個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,CH2基,C24基,CH=CH基,C≡C基,OCH2基,OC24基,OCH=CH基,OC≡C基,であり,Mは水素又はハロゲン原子,CF3基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,水素原子,CH3基又はC25基であり,RIV及びRVは同一でも異なってもよく,CH3基又はC25基である。
【0025】
第一の特に好適なW−R2は,Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,R2が同一でも異なってもよく、Br,Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基,CH2CONH2基から選択された1〜3個の置換基で任意に置換されたフェニル基である。
【0026】
第二の特に好適なW−R2は,Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,R2が同一でも異なってもよく、Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基,CH2CONH2基から選択された1〜3個の置換基で任意に置換されたピリジン基である。
【0027】
第三の特に好適なW−R2は,Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,R2が同一でも異なってもよく、Br,Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基,CH2CONH2基から選択された1〜3個の置換基で任意に置換されたシクロヘキシル基である。
【0028】
置換基の性質に応じて,式(I)の化合物は,生理学的に許容し得る有機酸又は塩基若しくは無機酸又は塩基との付加塩を形成してもよい。
【0029】
生理学的に許容し得る無機酸の典型例としては,塩酸,臭化水素酸,硫酸,リン酸及び硝酸が挙げられる。
【0030】
適当な生理学的に許容し得る有機酸の典型例としては,酢酸,アスコルビン酸,安息香酸,クエン酸,フマル酸,乳酸,マレイン酸,メタンスルホン酸,シュウ酸,パラトルエンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,コハク酸,タンニン酸及び酒石酸が挙げられる。
【0031】
適当な生理学的に許容し得る無機塩基の典型例としては,アンモニア,カルシウム,マグネシウム,ナトリウム及びカリウムが挙げられる。
【0032】
適当な生理学的に許容し得る有機塩基の典型例としては,アルギニン,ベタイン,カフェイン,コリン,N,N−ジベンジルエチレンジアミン,ジエチルアミン,2−ジエチルアミノエタノール,2−ジメチルアミノエタノール,エタノールアミン,エチレンジアミン,N−エチルモルフォリン,N−エチルピペリジン,N−メチルグルカミン,グルカミン,グルコサミン,ヒスチジン,N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン,N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン,イソプロピルアミン,リジン,メチルグルカミン,モルフォリン,ピペラジン,ピペリジン,テオブロミン,トリエチルアミン,トリメチルアミン,トリプロピルアミン及びトロメタミンが挙げられる。
【0033】
第二の態様において,本発明は,次式(I)
【化2】

(式中のX,Y,Z,G1,G2,G3,W,R1及びR2は上述したものと尾奈姿勢未を有する)の5位置換アザインドール誘導体,並びにその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和化合物及び多形相を製造する方法に関するもので,
a)次式(II)
【化3】

(式中のX,Y及びZは上述したものと同じ意味を有し、Qはハロゲン原子又はヒドロキシ基である)の化合物と次式(III)
【化4】

(式中のG1,G2,G3,R1,W及びR2は上述したものと同じ意味を有する)の化合物を反応させさせて次式(I)
【化5】

(式中のX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,R2及びWは上述したものと同じ意味を有する)の化合物を付与し,
b)所要に応じて工程(a)の式(I)の化合物の生理学的に許容し得る付加塩を形成する。
【0034】
第一の実施形態によれば,QがClである式(II)の化合物を式(III)のアミンと適当な酸受容体の存在下標準的な方法に従って反応させることによって上述の工程(a)を実施する。
【0035】
第二の実施形態によれば,QがOHである式(II)の化合物を式(III)のアミンと適当なカップリング剤の存在下標準的な方法に従って反応させることによって上述の工程(a)を実施する。
【0036】
さらに,工程(a)の反応はまた,Polymer Laboratories社製のPL−FMP樹脂のような調製樹脂に式(III)の化合物を予備結合することにより固相中で実施することができる。この場合,生成した式(I)の化合物を樹脂から除去する開裂工程を工程(a)の後で行う。かかる開裂工程は,例えばトリフルオロ酢酸での処理のような従来技術によって行う。
【0037】
式(I)の化合物が2位及び3位に炭素原子間の単結合を有することを目的とする場合,還元工程を工程(a)の後で実施する。かかる還元工程は,例えば強酸の存在下スズでの処理のような従来技術に従って実施する。
【0038】
R1基が(CH2nCOORII基で表わされ、RIIがアルキル基である場合,RIIが水素原子である対応する酸を例えばNaOHのような強塩基の存在下標準的な方法に従った加水分解によって得ることができる。
【0039】
式(III)の中間化合物は新規である。
【0040】
第三の態様において,本発明はまた,次式(III)
【化6】

(式中のG1,G2及びG3は同一でも異なってもよく,窒素原子又はCH基であり,
R1は1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基,(C3〜C7)シクロアルキル基,(C1〜C6)アルキルORI基,(CH2nNRIIIII基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基,(CH2nSO2I基であり、ここでnは1〜6の整数,RIは(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく、水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,
Wはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、0〜3の整数であり,
R2は,L−M基で表わされ、同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C4〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,(C2〜C6)アルキニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,O(C2〜C6)アルキニル基であり,Mは水素又はハロゲン原子,OH基,CF3基,NO2基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,上述したものと同じ意味を有し、RIV及びRVは同一でも異なってもよく、(C1〜C3)アルキル基であり,
但しG1,G2及びG3がすべてCH基である場合,R1は1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり,Wはσ結合であり,2位及び3位の炭素原子間の結合は二重結合であり,
R2はハロゲン,ヒドロキシ基で任意に置換された(C1〜C6)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,COOH基,COORII基,SO2CH3基,SO2NHCH3基,NHSO2CH3基,PORIVV基,OPORIVV基,(C1〜C6)アルキル−COOH基及び(C2〜C6)アルケニル−COOH基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されたフェニル基又はピリジン基でなく,また
1がNで,G2及びG3がCH基である場合,R2はO(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基及びO(C2〜C6)アルキニル基で表わされる1つのL−M基で置換された2価の芳香族基ではない)の化合物に関する。
【0041】
好適なR1は,1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C3)アルキル基,(C1〜C3)アルキルORI基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基及び(CH2nSO2I基であり、ここでnが1〜4の整数,RIが(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIが同一でも異なってもよく,水素原子又は(C1〜C3)アルキル基である。
【0042】
特に好適なR1は,1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C3)アルキル基,(C1〜C3)アルキルORI基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基及び(CH2nSO2I基であり、ここでnが1〜3の整数,RIがCH3基,C25基,CH2OH基又はC24OH基,RII及びRIIIが同一でも異なってもよく,水素原子,CH3基又はC25基である。
【0043】
好適なWは,σ結合,(C1〜C3)アルキル基,(C2〜C4)アルケニル基,O(C1〜C3)アルキル基,O(C2〜C3)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、0〜3の整数である。
【0044】
特に好適なWは,σ結合,CH2基,C24基,CH=CH基,OCH2基,OC24基,OCH=CH基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、1〜2の整数である。
【0045】
好適なR2は,L−M基で表わされ、同一でも異なってもよい1〜2個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C4〜C7)シクロアルキル基であり,ここでLはσ結合,(C1〜C3)アルキル基,(C2〜C4)アルケニル基,(C2〜C4)アルキニル基,O(C1〜C3)アルキル基,O(C2〜C4)アルケニル基,O(C2〜C4)アルキニル基であり,Mは水素又はハロゲン原子,CF3基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,RIV及びRVは同一でも異なってもよく,(C1〜C3)アルキル基である。
【0046】
特に好適なR2は,L−M基で表わされる1個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C4〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,CH2基,C24基,CH=CH基,C≡C基,OCH2基,OC24基,OCH=CH基,OC≡C基,であり,Mは水素又はハロゲン原子,CF3基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,水素原子,CH3基又はC25基であり,RIV及びRVは同一でも異なってもよく,CH3基又はC25基である。
【0047】
第一の特に好適なW−R2は,Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,R2がBr,Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基,CH2CONH2基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基である。
【0048】
第二の特に好適なW−R2は,Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,R2がBr,Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基,CH2CONH2基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるピリジン基である。
【0049】
第三の特に好適なW−R2は,Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,R2がBr,Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基及びCH2CONH2基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるシクロヘキシル基である。
【0050】
本発明に係わる式(I)の化合物の生物学的特性に関する研究は,mPGES−1を阻害する予想外の選択特性と,炎症性疼痛における顕著な抗侵害活性を有することを立証した。
【0051】
第四の態様において,本発明は,有効量の式(I)の化合物若しくはその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和化合物又は多形相と,少なくとも1種の薬学的に許容し得る不活性成分とを含む医薬組成物に関する。
【0052】
本明細書及び請求の範囲において,「有効量」なる用語は,少なくとも一種の特定疾患の症状又はパラメーターにおいて相当な改善をもたらす量を言う。
【0053】
本発明に係わる医薬組成物は,例えば炎症過程,疼痛,腫瘍,神経変性疾患及びアテローム硬化症のようなプロスタグランジンE2(PGE2)の産生を伴う疾患の治療又は予防に用いる。
【0054】
本発明に係わる医薬組成物は,関節炎のような慢性的な炎症性病態における疼痛,又は腫瘍,特に結腸直腸癌,食道癌,乳癌,肺癌及び膀胱癌の治療に用いるのが有利である。
【0055】
本発明の医薬組成物は,有効量の式(I)の少なくとも一つの化合物若しくはその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和物又は多形相と,少なくとも一種の薬学的に許容し得る不活性成分とを含む適切な投与形態に調製するのが好ましい。
【0056】
適切な投与形態の例は,経口投与用の錠剤,カプセル,被覆錠剤,顆粒,溶液及びシロップ;局所投与用のクリーム,軟膏及び防腐性硬膏;直腸内投与用の座薬及び注射若しくはエアロゾル投与又は点眼投与用の滅菌溶液が挙げられる。
【0057】
該投与形態はまた,他の従来の成分、例えば保存剤,安定剤,界面活性剤,緩衝液,浸透圧調節用塩,乳化剤,甘味料,着色料,香味料等を含んでもよい。
【0058】
特定の治療に必要な場合,本発明の医薬組成物が同時投与が有益な他の薬理学的に活性な成分を含んでもよい。
【0059】
本発明の医薬組成物中の式(I)の化合物若しくはその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和化合物及び多形相と,少なくとも一種の薬学的に許容し得る不活性成分との量は,既知の要因、例えば治療すべき疾病の種類,疾病の重症度,患者の体重,投与形態,選択した投与経路,連日投与回数及び選択した式(I)の化合物の効能に応じて広範囲に変えてもよい。しかしながら,当業者は,容易かつ日常的に最適な量を決定し得る。
【0060】
本発明の医薬組成物における式(I)の化合物若しくはその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和化合物及び多形相と,少なくとも一種の薬学的に許容し得る不活性成分との量は,一般に0.0001〜100mg/kg/日,より好適には0.01〜10mg/kg/日の投与レベルを付与するようなものである。
【0061】
本発明の医薬組成物は、上記有効量を本発明医薬組成物の複数回投与量の投与によって与えてもよいので,式(I)の化合物を必ずしも全量で含む必要はないこと明らかである。
【0062】
本発明の医薬組成物の投与形態は、混合,顆粒化,圧縮,溶解,滅菌等を含む製薬化学者に周知の技術に従って調製することができる。
【0063】
以下の実施例は,本発明を制限することなく,更なる説明を供するものである。
【実施例】
【0064】
実施例1
中間化合物の調製
a)1−エチル−2−(4−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロピロリジン(1.2g,5.5mmol)の無水TFH(23ml)溶液に,PdCl2(52mg,0.29mmol),1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(D−tBPF,0.17g,0.39mmol),ジイソプロピルアミン(0.81g,8.0mmol)及びCuI(22mg,0.11mmol)を撹拌しながら添加した。該混合物に4‐エチニルトルエン(1.0ml,7.9mmol)を2.25時間にわたって滴下した。このようにして得た混合物をセライト(Celite)で真空濾過し,残留物をEtOAcで数回洗浄した。
【0065】
溶媒を蒸発後,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Et2O/n−ヘキサン,Et2O 30%→60%)によって精製して,5−ニトロ−3−(フェニルエチニル)ピリジン−2−アミンを黄色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3): 8.93(d, J=2.7Hz, 1H); 8.36(d, J=2.7Hz, 1H); 7.42(AA'BB'システムのAA', 2H); 7.19(AA'BB'システムのBB', 2H); 5.85(bs, 2H); 2.39 (s, 3H).
【0066】
カリウムtert-ブトキシド(0.41g, 3.7mmol)の無水DMF(5ml)懸濁液に,室温で撹拌しながら5−ニトロ−3−(フェニルエチニル)ピリジン−2−アミン(0.70g, 2.8mmol)のDMF(25ml)溶液を滴下した。1.5日後,ヨードエタン(0.38 ml, 4.7mmol)を添加し、全体を更に1.5日間攪拌した。その後,反応物にH2O(50ml)及びEtOAc(100ml)を添加した。混合物を分液漏斗中に注入し,有機層を分離し,水相をEtOAc(50ml)で徹底的に抽出し、有機層を一緒にし、ブライン(2×100ml)で洗浄した。有機溶媒を減圧下蒸発により除去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Et2O/n−ヘキサン,Et2O10%→20%)によって精製して,1−エチル−2−(4−メチルフェニル)−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た。
1H-NMR(CDCl3): 9.21(d, J=2.7Hz, 1H); 8.71(d, J=2.7Hz, 1H); 7.40(AA'BB'システムのAA', 2H); 7.32(AA'BB'システムのBB', 2H); 6.60 (s, 1H); 4.41 (q, J=7.2Hz, 2H); 2.45(s, 3H); 1.31(t, J=7.2Hz, 3H)
【0067】
1−エチル−2−(4−メチルフェニル)−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.36 g, 1.3mmol)のEtOAc/EtOH(無水)=4:7混合物(110 ml)の溶液を10%Pd(C)(110mg)の存在下H2雰囲気中で2時間水素化した。残留物をセライトで真空濾過して触媒を除去し,溶媒を蒸発させて粗製の1−エチル−2−(4−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミンを得,これを更なる精製なしに使用した。
1H-NMR(CDCl3): 7.91(d, J=3.0Hz, 1H); 7.39(AA'BB'システムのAA', 2H); 7.32-7.18(m, 3H); 6.25(s, 1H); 4.30(q, J=7.5Hz, 2H); 3.32 (bs, 2H); 2.41(s, 3H); 1.27(t, J=7.5Hz, 3H).
【0068】
b)1−イソプロピル−2−(4−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
ヨードエタンの代わりに臭化イソプロピルを用いた以外は,上記実施例1a)に記載した方法を用いた。
【0069】
1−イソプロピル−2−(4−メチルフェニル)−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
1H-NMR(CDCl3): 9.18 (d, J=2.4 Hz, 1 H); 8.67 (d, J=2.4 Hz, 1 H); 7.34 (AA’BB'システム, 4H); 6.52 (s, 1 H); 4.70 (ept., J=6.9Hz, 1 H); 2.45 (s, 3H); 1.70 (d, J=6.9 Hz, 6H)
【0070】
1−イソプロピル−2−(4−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
1H-NMR(CDCl3): 7.85(d, J=1.4Hz, 1H); 7.27(AA'BB'システムのAA',2H); 7.16-7.05(m, 3H); 6.11(s, 1H); 4.56(ept., J=7.0Hz, 1H); 3.85(bs, 2H); 2.33(s, 3H), 1.59(d, J=7.0Hz, 6H).
【0071】
c)1−(2−メトキシエチル)−2−(4−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
ヨードエタンの代わりに臭化2−メトキシエチルを用いた以外は,上記実施例1a)に記載した方法を用いた。
【0072】
1−(2−メトキシエチル)−2−(4−メチルフェニル)−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
1H-NMR(CDCl3): 9.21(d, J=2.4Hz, 1H); 8.71(d, J=2.4Hz, 1H); 7.49(AA'BB'システムのAA', 2H); 7.32(AA'BB'システムのBB', 2H); 6.62(s, 1H); 4.54(t, J=5.6Hz, 2H); 3.70(t, J=5.6 Hz, 2H); 3.19(s, 3H); 2.45(s, 3H).
【0073】
1−(2−メトキシエチル)−2−(4−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
1H-NMR(CDCl3): 7.89(d, J=2.7Hz, 1H); 7.46(AA'BB'システムのAA', 2H); 7.25(AA'BB'システムのBB', 2H); 7.19(d, J=2.4Hz, 1H); 6.27 (s, 1H); 4.42 (t, J=6.0Hz, 2H); 3.68 (t, J=6.0 Hz, 2H); 3.40(bs, 1H); 3.17(s, 3H); 2.40(s, 3H).
【0074】
d)1−エチル−2−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
4‐エチニルトルエンの代わりに1‐エチニル−4−フルオロベンゼンを用いた以外は,上記実施例1a)に記載した方法を用いた。
【0075】
3−[(4−フルオロフェニル)エチニル]−5−ニトロピリジン−2−アミン
1H-NMR(CDCl3/CD3OD): 8.78(d, J= 2.3Hz, 1H); 8.24(d, J=2.3Hz, 1H); 7.43(m, 2H); 6.97 (m, 2H), 2.05(s, 3H).
【0076】
1−エチル−2−(4−フルオロフェニル)−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
1H-NMR(CDCl3): 9.30(d, J= 2.5Hz, 1H); 8.80(d, J= 2.5Hz, 1H); 7.60(m, 2H); 7.30(m, 2H); 6.70(s, 1H); 4.48(q, J=7.6Hz, 2H); 1.39(t, J=7.6Hz 3H)
【0077】
1−エチル−2−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
1H-NMR(CDCl3): 7.90(d, J=2.4Hz, 1H); 7.42(m, 2H); 7.25-7.05(m, 3H), 6.21(s, 1H); 4.24 (q, J=7.2Hz, 2H); 3.50(bs, 2H);1.22(t, J=7.2Hz, 3H)
【0078】
e)2−(4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
4‐エチニルトルエン及びヨードエタンの代わりに1‐エチニル−4−フルオロベンゼン及び臭化2−メトキシエチルをそれぞれ用いた以外は,上記実施例1a)に記載した方法を用いた。
【0079】
2−(4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
1H-NMR(CDCl3): 9.23(d, J=2.6Hz, 1H); 8.74(d, J=2.6Hz, 1H);7.90-7.20(2m, 5 H); 6.64 (s, 1H); 4.51(t, J=5.6Hz, 2H); 3.75(t, J=5.6Hz, 2H); 3.20(s, 3H);
【0080】
2−(4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−アミン
1H-NMR(CDCl3): 8.00(d, J=2.2Hz, 1H); 7.63(m, 2H); 7.40-7.10(m, 3H), 6.34(s, 1H); 4.47 (t, J=5.8Hz, 2H); 3.80(t, J=5.8Hz, 4H); 3.25(s, 3H).
【0081】
f)エチル 4−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)ブタノエート
2−フェニル−5−ニトロインドール(J. Org. Chem. (1966)31(1)65-9に記載のように調製した)(1.5g; 6.3mmol)のCH3CN(50ml)の溶液に,K2CO3(1.7g; 12.6mmol)を添加した。このようにして得た混合物に,エチル4−ブロモブタノエート(3.3 g; 16mmol)を滴下し,生成した混合物を撹拌下120℃で18時間加熱した。冷却後,混合物を水(500ml)中に注入し,粗製生成物を濾過し,真空乾燥してエチル4−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)ブタノエートを得,これを更なる精製なしに以下の反応に使用した。
1H-NMR(DMSO-d6): 1.08(t, J=7.16Hz, 3H); 1.80(quin, J=7.23Hz, 2H); 2.15(t, J=7.00Hz, 2H); 3.91(q, J=7.02Hz1 2H); 4.34(t, J=7.31Hz, 2H); 6.84(s, 1H); 7.47-7.62(m, 5H); 7.80(d, J=9.06Hz, 1H); 8.08(dd, J=9.21 , 2.19Hz, 1H); 8.59(d, J=2.34Hz, 1H).
【0082】
10%Pd/C(67mg, 0.06mmol)の95%エタノール(50ml)の懸濁液に4−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)ブタノエート(2.2 g; 6mmol)の95%エタノール(100ml)の溶液(0.1g; 0.1mmol)を添加し,生成した混合部をParr社製の水素化装置(H2, 30psi)中で4時間水素化した。
【0083】
残留物をセライトで真空濾過して触媒を除去し,溶媒を蒸発させて粗製のエチル4−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)ブタノエートを得,これを更なる精製なしに使用した。
1H-NMR(DMSO-d6): 1.09(t, J=7.16Hz, 3H); 1.78(quin, J=7.16Hz, 2H); 2.09(t, J=7.16Hz, 2H); 3.92(q, J=7.21Hz, 2H); 4.20(t, J=7.31Hz, 2H); 6.44(s, 1H); 6.87(dd, J=8.62, 2.19Hz, 1H); 7.14(d, J=2.05Hz, 1H); 7.35-7.59(m, 6H); 8.08(br. s., 2H).
【0084】
g)エチル 3−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロパノエート
エチル4−ブロモブタノエートの代わりにエチル3−ブロモプロパノエートを用いた以外は,上記実施例1f)に記載した方法を用いた。
【0085】
エチル 3−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロパノエート
1H-NMR(DMSO-d6): 1.02(t, J=7.02Hz, 3H); 2.61(t, J=7.31Hz, 2H); 3.88(q, J=7.02Hz, 2H); 4.57(t, J=7.16Hz, 2H); 6.83(s, 1H); 7.46-7.65(m, 5H); 7.80(d, J=9.06Hz, 1H); 8.08(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.57(d, J=2.34Hz, 1H).
【0086】
エチル3−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロパノエート
1H-NMR(DMSO-d6): 1.05(t, J=7.16Hz, 3H); 2.54(br. s., J=7.50, 7.50Hz, 2H); 3.90(q, J=7.02Hz, 2H); 4.36(t, J=7.31Hz, 2H); 4.55(br. s., 2H); 6.24 (s, 1H); 6.57(dd, J=8.62, 2.19Hz, 1H); 6.70(d, J=2.05Hz, 1H); 7.21(d, J=8.77Hz, 1H); 7.34-7.55(m, 5H).
【0087】
h)エチル(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)アセテート
エチル4−ブロモブタノエトの代わりにエチル2−ブロモアセテートを用いた以外は,上記実施例1f)に記載した方法を用いた。
【0088】
エチル(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)アセテート
1H-NMR(DMSO-d6): 1.11(t, J=7.02Hz, 3H); 4.09(q, J=7.02Hz, 2H); 5.15(s, 2H); 6.90(d, J=0.58Hz, 1H); 7.46-7.60(m, 5H); 7.73(d, J=9.35Hz, 1H); 8.08(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.60(d, J=2.34Hz, 1H).
【0089】
エチル(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)アセテート
1H-NMR(CDCl3): 1.23(t, J=7.16Hz, 3H); 2.97(br. s., 2H); 4.20(q, J=7.02Hz, 2H); 4.74 (s, 2 H); 6.45(s, 1H); 6.79(dd, J=8.77, 2.05Hz, 1H); 7.06(s, 1H); 7.08(d, J=5.85Hz, 1H); 7.34-7.52(m, 5H).
【0090】
i)1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2−フェニル−1H−インドール−5−アミン
エチ4−ブロモブタノエートの代わりに2−クロロ−N,N’−ジメチルエタナミン塩酸塩を用いた以外は,上記実施例1f)に記載した方法を用いた。
【0091】
N,N’−ジメチル−2−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)エタナミン
1H-NMR(DMSO-d6): 1.98(s, 6H); 2.41(t, J=6.87Hz, 2H); 4.36(t, J=6.87Hz, 2H); 6.81(s, 1H); 7.45 - 7.65(m, 5H); 7.77(d, J=9.06Hz, 1H); 8.07(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.56(d, J=2.34Hz, 1H).
【0092】
1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2−フェニル−1H−インドール−5−アミン
1H-NMR(DMSO-d6): 2.00(s, 6H); 2.38(t, J=7.31Hz, 2H); 4.13(t, J=7.31Hz, 2H); 4.52(br. s., 2H); 6.23(s, 1H); 6.57(dd, J=8.62, 2.19Hz, 1H); 6.69(d, J=1.75Hz, 1H); 7.19(d, J=8.48Hz, 1H); 7.35-7.58(m, 5H).
【0093】
l)1−(2−メトキシエチル)−2−フェニル−1H−インドール−5−アミン
エチル4−ブロモブタノエートの代わりに1−ブロモ−2−メトキシエタンを用いた以外は,上記実施例1f)に記載した方法を用いた。
【0094】
1−(2−メトキシエチル)−5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール
1H-NMR(DMSO-d6): 3.04(s, 3H); 3.53(t, J=5.41Hz, 2H); 4.44(t, J=5.41Hz, 2H); 6.83(s, 1H); 7.46-7.66(m, 5H); 7.79(d, J=9.06Hz, 1H); 8.06(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.57 (d, J=2.34Hz, 1H).
【0095】
1−(2−メトキシエチル)−2−フェニル−1H−インドール−5−アミン
【0096】
l)4−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)ブタン−2−オン
エチル4−ブロモブタノエートの代わりに4−クロロブタン−2−オンを用いた以外は,上記実施例1f)に記載した方法を用いた。
【0097】
4−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)ブタン−2−オン
1H-NMR(DMSO-d6): 2.00(s, 3H); 2.85(t, J=7.50Hz, 2H); 4.45(t, J=7.50Hz, 2H); 6.83(d, J=0.58Hz, 1H); 7.47-7.62(m, 5H); 7.79(d, J=9.35Hz, 1H); 8.07(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.58(d, J=2.34Hz, 1H).
【0098】
4−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)ブタン−2−オン
1H-NMR(DMSO-d6): 1.98(s, 3H); 2.77(t, J=7.68Hz, 2H); 4.25(t, J=7.68Hz, 2H); 4.52(br. s., 2 H); 6.24(s, 1H); 6.57(dd, J=8.64, 2.06Hz, 1H); 6.69(d, J=1.92Hz, 1H); 7.20(d, J=8.51Hz, 1H); 7.32-7.63(m, 5H).
【0099】
m)2−(4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−インドール−5−アミン
5−ニトロインドール(3.5g; 21.6mmol)のDMF(100ml)溶液にCs2CO3(13.9g; 42.6mmol)を添加した。このようにして得た混合物を室温で1時間撹拌し,その後1−ブロモ−2−メトキシエタン(5.9g; 42.6mmol)を滴下した。生成した混合物を撹拌下120℃で4時間加熱した。冷却後,混合物を水(500ml)中に注入し,粗製生成物を濾過し,真空乾燥して1−(2−メトキシエチル)−5−ニトロ−1H−インドールを得,これを更なる精製なしに以下の反応に使用した。
1H-NMR(DMSO-d6): 3.21(s, 3H); 3.68(t, J=5.26Hz, 2H); 4.43(t, J=5.26Hz, 2H); 6.75(dd, J=3.22, 0.58Hz, 1H); 7.62(d, J=3.22Hz, 1H); 7.70(d, J=9.35Hz, 1H); 8.02(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.56(d, J=2.34Hz, 1H).
【0100】
140℃で一夜真空乾燥したセシウムアセテート(7.3g; 38mmol)を含む不活性雰囲気下のN,N’−ジメチルアセトアミド(DMA,10ml)懸濁液に酢酸パラジウム(0.22g; 0.98mmol),トリフェニルホスフィン(1g; 3.8mmol),1−(2−メトキシエチル)−5−ニトロ−1H−インドール(4.2g; 19.1mmol)及び1−ヨード−4−フルオロベンゼン(4.7g; 21mmol)を添加した。
【0101】
反応混合物を不活性雰囲気下140℃で18時間撹拌した。その後,混合物を室温まで冷却し,ジクロロメタン(100ml)を添加し,このようにして得た混合物をセライトで真空濾過した。
【0102】
有機溶液を分液漏斗中に移し,H2O(2×100ml)で洗浄し,Na2SO4で乾燥した。
【0103】
有機溶媒を減圧下蒸発により除去し,残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc,n−ヘキサン100%→60%)によって精製して2−(4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−5−ニトロ−1H−インドール(0.9g)を得,これを更なる精製なしに用いた。
1H-NMR(DMSO-d6): 3.05(s, 3H); 3.53(t, J=5.33Hz, 2H); 4.41(t, J=5.41Hz, 2H); 6.83(s, 1H); 7.32-7.44(m, 2H); 7.62-7.73(m, 2H); 7.79(d, J=9.21Hz, 1H); 8.06(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.57(d, J=2.34Hz, 1H).
【0104】
2−(4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−5−ニトロ−1H−インドール(0.9g; 2.9mmol)を無水エタノール(100ml)に含む懸濁液に塩化第一スズ二水和物(3.3g; 14.6mmol)を添加した。反応混合物を75℃で48時間撹拌した。その後,混合物を室温まで冷却し,溶媒を減圧下部分的に蒸発させ,氷水(100ml)中に注入した。NaHCO3(飽和溶液)を添加してpH8とし,混合物を20分間撹拌した。溶液を分液漏斗中に移し,エチルアセテート(2×50ml)で抽出した。有機相を一緒にし,生成した有機相をH2O(2×100ml)で洗浄し,Na2SO4で乾燥した。
【0105】
有機溶媒を減圧下蒸発により除去し,残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc,n−ヘキサン100%→60%)によって精製して2−(4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)1H−インドール−5−アミン(0.7g)を得,これを更なる精製なしに用いた。
1H-NMR(DMSO-d6): 3.07(s, 3H); 3.51(t, J=5.70Hz, 2H); 4.18(t, J=5.85Hz, 2H); 4.53(br. s., 2 H); 6.22(s, 1H); 6.56(dd, J=8.62, 2.19Hz, 1H); 6.69(d, J=1.46Hz, 1H); 7.22(d, J=8.77Hz, 1H); 7.30(t, J=8.92Hz, 2H); 7.59(dd, J=9.06, 5.55Hz, 2H).
【0106】
n)3−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロピルアセテート
エチル3−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロパノエート(実施例1gに記載のように調製した)(2.1g; 6.2mmol)のTHF(20ml)溶液に硼水素化ナトリウム(0.98g, 24.8mmol)と無水EtOH(25ml)を添加し,反応混合物を室温で18時間撹拌した。その後,水(5ml)と2NのHClを添加してpHを6とした。この溶液を分液漏斗に移し,エチルアセテート(2×50ml)で抽出した。有機相を一緒にし,Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下蒸発により除去し,残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc,n−ヘキサン100%→70%)によって精製して3−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロパン−1−オール(1.5g)を得,これを更なる精製なしに用いた。
1H-NMR(CDCl3): 1.81-1.93(m, J=6.58, 6.58, 6.43, 6.14Hz, 2H); 3.36(t, J=5.70Hz, 2H); 3.50(br. s., 1H); 4.38(t, J=7.02Hz, 2H); 6.69(s, 1H); 7.28-7.61(m, 6H); 8.06(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.55(d, J=2.05Hz, 1H).
【0107】
エチル3−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロパン−1−オール(2.2g; 7.4mmol)及びトリエチルアミン(1.24ml; 8.9mmol)をCH2Cl2 (20ml)に含む溶液に塩化アセチル(0.6ml; 8.9mmol)を滴下し,反応混合物を室温で2時間撹拌した。その後,水(20ml)とNa2HCO3(飽和溶液)を添加してpHを7とした。二相溶液を分液漏斗に移し,CH2Cl2(2×100ml)で抽出した。有機相を一緒にし,ブライン(2×100ml)で洗浄し,Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下蒸発により除去して3−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロピルアセテート(1.5g)を得,これを更なる精製なしに用いた。
1H-NMR(DMSO-d6): 1.79(s, 3H); 1.86(qd, J=6.63, 6.43Hz, 2H); 3.75(t, J=5.99Hz, 2H); 4.41(t, J=7.16Hz, 2H); 6.85(s, 1H); 7.47-7.64(m, 5H); 7.79(d, J=9.06Hz, 1H); 8.08(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.59(d, J=2.05Hz, 1H).
【0108】
10%Pd/C(87 mg, 0.08mmol)の95°エタノール(100ml)の懸濁液に3−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロピルアセテート(2.76g; 8mmol)の95°エタノール(200ml)の溶液(0.1g; 0.1mmol)を添加し,混合物をParr社製の水素化装置(H2, 30psi)中で4時間水素化した。
【0109】
残留物をセライトで真空濾過して触媒を除去し,溶媒を蒸発させて粗製の3−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロピルアセテートを得,これを更なる精製なしに使用した。
【0110】
o)2−(5−アミノ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)エチルアセテート
3−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)プロパノエートの代わりにエチル(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)アセテート(実施例1n)に記載のように調製した)を用いた以外は,上記実施例1n)に記載した方法を用いた。
【0111】
2−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)エタノール
1H-NMR(DMSO-d6): 3.63(t, J=5.85Hz, 2H); 4.32(t, J=5.85Hz, 2H); 6.46(br. s., 1H); 6.83 (s, 1H); 7.43-7.71(m, 5H); 7.77(d, J=9.06Hz, 1H); 8.06(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.57(d, J=2.34Hz, 1H).
【0112】
エチル2−(5−ニトロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)アセテート
1H-NMR(DMSO-d6): 1.70(s, 3H); 4.16(t, J=5.26Hz, 2H); 4.57(t, J=5.26Hz, 2H); 6.83(s, 1H); 7.35-7.70(m, 5H); 7.81(d, J=9.35Hz, 1H); 8.09(dd, J=9.35, 2.34Hz, 1H); 8.58(d, J=2.34Hz, 1H).
【0113】
p)2−シクロヘキシル−1−エチル−1H−インドール−5−アミン
2−ヨード−4−ニトロアニリン(25g; 95mmol)及びトリエチルアミン(43ml; 312mmol)をCH2Cl2(250ml)に含む溶液にメタンスルホニルクロリド(36g; 312mmol)を含む溶液を滴下した。反応混合物を室温で18時間撹拌し,その後NH4Cl(飽和溶液)(250ml)を添加した。二相溶液を分液漏斗に移し,有機相を分離し,Na2SO4で乾燥し,溶媒を減圧下蒸発により除去した。残留物をEtOH(200ml)中に懸濁させ,撹拌下黄色固体が沈殿するまで加熱した。粗生成物を濾過し,EtOH(750ml)で洗浄し,真空乾燥してN−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)−N−(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(32g)を得,これを更なる精製なしに以下の反応に使用した。
1H-NMR(DMSO-d6): 3.68(s, 6H); 7.93(d, J=8.77Hz, 1H); 8.29(dd, J=8.48, 2.34Hz, 1H); 8.73(d, J=2.63Hz, 1H).
【0114】
N−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)−N−(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(31g; 75mmol)をEtOH(230ml)に含む混合物に水(115ml)及びLiOH(9g; 375mmol)を添加した。反応混合物を2時間還流し,その後室温まで冷却し,溶媒を減圧下を蒸発させた。NH4Cl(飽和溶液,250ml)を添加し,黄色固体が沈殿するまで混合物を撹拌した。粗生成物を濾過し,真空乾燥してN−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド(24g)を得,これを更なる精製なしに以下の反応に使用した。
1H-NMR(DMSO-d6): 3.01(s, 3H); 7.41(d, J=9.06Hz, 1H); 8.10(dd, J=9.21 , 2.78Hz, 1H); 8.53(d, J=2.92Hz, 1H); 9.55(br. s., 0H).
【0115】
N−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド(13.5g; 39.5mmol),トリエチルアミン(17.9ml; 129mmol)及びエチニルシクロヘキサンをDMF(60ml)に含む混合物にCuI(1.5g; 7.9mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)[Cl2(PPh3)2Pd](2.77g; 3.95mmol)を添加した。反応混合物を70℃で18時間撹拌した。室温まで冷却後,EtOAc(100ml)を添加し,無機沈殿を濾別し,溶液を分液漏斗に移し,NaHCO3(飽和溶液,3×200ml)及び水(2×150ml)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し,溶媒を減圧下蒸発により除去した。このようにして得た粗生成物を結晶化(イソプロピルエーテル)して2−シクロヘキシル−1−(メチルスルホニル)−5−ニトロ−1H−インドール(11.7g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6): 1.14-1.53(m, 5H); 1.62-1.93(m, 3H); 2.02-2.20(m, 2H); 3.08-3.27(m, 1H); 3.46(s, 3H); 6.87(s, 1H); 8.09(d, J=9.10Hz, 1H); 8.17(dd, J=9.10, 2.05Hz, 1H); 8.52(d, J=2.05Hz, 1H).
【0116】
2−シクロヘキシル−1−(メチルスルホニル)−5−ニトロ−1H−インドール(5.8g; 18mmol)を含むTHF(50ml)の溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(THF1M溶液,18ml; 18mmol)を滴下した。反応混合物を18時間還流し,その後室温まで冷却した。水(50ml)とEtOAc(50ml)を添加し,二相溶液を分液漏斗に移し,有機相を分離し,Na2SO4で乾燥し,溶媒を減圧下蒸発により除去した。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc,n−ヘキサン100%→80%)によって精製して2−シクロヘキシル−5−ニトロ−1H−インドール(3.2g) を得,これを更なる精製なしに用いた。
1H-NMR(DMSO-d6): 1.12-1.58(m, 5H); 1.64-1.87(m, 3H); 1.95-2.12(m, 2H); 2.67-2.85(m, 1H); 6.41(d, J=1.98Hz, 1H); 7.43(d, J=8.92Hz, 1H); 7.92(dd, J=8.92, 2.31Hz, 1H); 8.43(d, J=2.31Hz, 1H); 11.66(br. s., 1H).
【0117】
2−シクロヘキシル−5−ニトロ−1H−インドール(5g; 20.5mmol)のDMF(100ml)溶液に水酸化ナトリウム(50%懸濁液)(1g, 20.5mmol)を添加し,混合物を30分間撹拌し,その後ヨウ化エチル(2.5ml; 30.8mmol)のDMF(10ml)液を滴下し,生成した混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3(飽和溶液,100ml)中に注入し,30分間撹拌した。固体を真空濾過して2−シクロヘキシル−1−エチル−5−ニトロ−1H−インドール(4.8g)を得,これを更なる精製なしに用いた。
1H-NMR(DMSO-d6): 1.16-1.56(m, 5H); 1.29(t, J=7.09Hz, 3H); 1.67-1.89(m, 3H); 1.90-2.05(m, 2H); 2.69-2.86(m, 1H); 4.28(q, J=7.16Hz, 2H); 6.52(s, 1H); 7.62(d, J=9.06Hz, 1H); 7.96(dd, J=9.06, 2.34Hz, 1H); 8.45(d, J=2.34Hz, 1H).
【0118】
10%Pd/C(380mg, 0.36mmol)の95°エタノール(50ml)の懸濁液に2−シクロヘキシル−1−エチル−5−ニトロ−1H−インドール(4.8g; 18mmol)の95°エタノール(100ml)の溶液を添加し,混合物をParr社製の水素化装置(H2, 30psi)中で4時間水素化した。残留物をセライトで真空濾過して触媒を除去し,溶媒を蒸発させて粗製の2−シクロヘキシル−1−エチル−1H−インドール−5−アミン(4g)を得,これを更なる精製なしに使用した。
モノアイソトピック質量=242.18,GC/MS(M)+ m/z=242
【0119】
q)2−フェネチル−1−エチル−1H−インドール−5−アミン
2−ヨード−4−ニトロアニリン(1.02g, 3.86mmol)のジクロロメタン(10ml)の溶液にトリメチルアミン(1.77ml, 12.7mmol)を撹拌下添加した。この混合物に氷浴中でメタンスルホニルクロリド(0.98ml, 12.7mmol)のジクロロメタン(2ml)の溶液を極めて緩徐に滴下した。このようにして得た混合物を室温で一晩撹拌した。翌日,反応混合物をNH4Cl飽和水溶液で中和した。有機相を分離し,溶媒の蒸発後,残留物をエタノールで洗浄し,濾過してN−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)−N−(メチルスルホニル)−メタンスルホンアミドを黄色固体として得た。
【0120】
N−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)−N−(メチルスルホニル)−メタンスルホンアミド
1H-NMR(DMSO-d6): 8.73(d, J=2.6Hz, 1H); 8.29(dd, J=8.8,2.6Hz, 1H); 7.93(d, J=8.8Hz, 1H); 3.68(s, 6H).
【0121】
N−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)−N−(メチルスルホニル)−メタンスルホンアミド(0.75g, 1.78mmol)溶液にLiOH(0.21 mg, 8.9mmol)の2/1のエタノール/水(18ml)混合物の液を添加した。反応混合物を2時間還流した。室温で冷却した後,反応混合物をH2O,NH4Cl及び2NのHClによって中和し,その後エタノールを除去し,水性相をエチルアセテート(3×20ml)で抽出した。有機溶媒を減圧下蒸発により除去してN−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)メタンスルホンアミドを更なる精製なしに得た。
【0122】
N−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド
1H-NMR(DMSO-d6): 9.53(br. s., 1H); 8.59(d, J=2.2Hz, 1H); 8.19(dd, J=8.8, 2.7, 1H); 7.55(d, J=8.8, 1H); 3.14(s, 3H).
【0123】
予めオーブン中で少なくとも48時間保持したCuI(0.06g, 0.34mmol)と,ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.2g, 0.17mmol)と,トリエチルアミン(1.1ml, 7.82mmol)及び4−フェニル−1−ブチン(0.44g, 3.4mmol)を窒素雰囲気下に保持したN−(2−ヨード−4−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド(0.6g, 1.7mmol)の無水DMF(20ml)の溶液に添加した。反応混合物を一晩撹拌した。翌朝冷却後,反応混合物をH2O及び氷水(200ml)に注入し,数時間撹拌した。濾過後,茶色の固体を回収し、エチルアセテート/ヘキサン1:1,次いでiPrOH/EtOH9:1で再結晶した。残留物を濾過して1−(メチルスルホニル)−5−ニトロ−2−(2−フェネチル)−1H−インドールを得た。
【0124】
1−(メチルスルホニル)−5−ニトロ−2−(2−フェネチル)−1H−インドール
1H-NMR(DMSO-d6): 8.53(d, J=2.0Hz,1H); 8.18(dd, J=8.4, 2.5, 1H); 8.10(d, 1H); 7.29 (m, 5H); 6.91(s, 1H); 3.52(s, 3H); 3.29(m, 2H); 3.05(m, 2H).
【0125】
1−(メチルスルホニル)−5−ニトロ−2−(2−フェネチル)−1H−インドール(0.25g, 0.95mmol)のTHF(5ml)の溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF, 0.37ml, 1.29mmol)を添加した。反応混合物を一晩還流した。翌朝冷却後,反応混合物をH2Oに注入し,一晩中撹拌した。濾過後,固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc,n−ヘキサン90%→80%)によって精製して2−フェネチル−5−ニトロ−1H−インドールを得た。
【0126】
2−フェネチル−5−ニトロ−1H−インドール
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6):δ 11.76(br. s., 1H), 8.42(d, J=2.31Hz, 1H), 7.93(dd, J=2.31 , 8.92Hz, 1H), 7.45(d, J=8.92Hz, 1H), 7.11-7.34(m, 5H), 6.45(s, 1H), 2.97-3.15(m, 4H)
【0127】
2−フェネチル−5−ニトロ−1H−インドール(0.16g, 0.6mmol)のDMF(30ml)の溶液にNaH(0.5g, 2.02mmol)の60%分散液を添加した。反応混合物を30分間撹拌した。次いで,ヨウ化エチル(0.15ml, 1.9mmol)を添加し,反応混合物を室温で一晩攪拌した。翌朝,混合物をH2Oに注入し,一晩中撹拌して沈殿を得,これを濾過して2−フェネチル−1−エチル−5−ニトロ−1H−インドールを得た。
【0128】
2−フェネチル−1−エチル−5−ニトロ−1H−インドール
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6):δ 8.46(d, J=2.05Hz, 1H), 7.97(dd, J=2.34, 9.06Hz, 1H), 7.62(d, J=9.06Hz, 1H), 7.13-7.40(m, 5H), 6.58(s, 1H), 4.26(q, J=7.31Hz, 2H), 2.99-3.18(m, 4H), 1.25(t, J=7.20Hz, 3H)
【0129】
2−フェネチル−1−エチル−5−ニトロ−1H−インドール(0.17g, 0.57mmol)のTHF(50ml)の溶液にSnCl2(1.2g, 6.3mmol)を添加した。混合物を70℃で一晩撹拌した。冷却後,混合物をH2Oに注入し,NaHCO3で中和し,エチルアセテート(3×50ml)で抽出した。溶媒を減圧下蒸発させた後,CHCl3を溶出剤として用いたクロマトグラフィーカラム上で固体を精製して2−フェネチル−1−エチル−1H−インドール−5−アミンを得た。
【0130】
2−フェネチル−1−エチル−1H−インドール−5−アミン
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6):δ 7.25-7.37(m, 4H), 7.15-7.25(m, 1H), 7.11(d, J=8.48Hz, 1H), 6.72(d, J=2.05Hz, 1H), 6.53(dd, J=2.19, 8.62Hz, 1H), 6.02(s, 1H), 5.46(br. s., 2H), 4.05(q, J=7.11Hz, 2H), 2.81-3.15(m, 4H), 1.18(t, J=7.16Hz, 3H)
【0131】
r)2−ベンジル−1−エチル−1H−インドール−5−アミン
4−フェニル−1−ブチンの代わりに3−フェニル−1−プロピン(0.16g, 1.4mmol)を用いることにより中間化合物q)に記載したと同様の手順で中間化合物r)を調製した。
【0132】
2−ベンジル−(メタンスルホニル)−5−ニトロ−1H−インドール
1H-NMR(DMSO-d6): 8.54(d, J=2,3Hz, 1H); 8.17(m, 1H); 8.08(m,1H); 7.35(m, 5H); 6.53(s, 1H); 4.37(s, 2H); 3.37(s, 3H).
【0133】
2−ベンジル−5−ニトロ−1H−インドール
1H-NMR(DMSO-d6): 11.74(bs, 1H); 8.44(d, J=2.3Hz, 2H); 7.92(dd, J=8.9, 2.3Hz, 1H); 7.44(d, J=8.9, 1H); 7.32(m, 4H); 7.24(m, 1H); 6.44(s, 1H); 4.12(s, 2H).
【0134】
2−ベンジル−1−エチル−1H−インドール
1H-NMR(DMSO-d6): 8.48(d, J=2.3Hz, 1H); 7.98(dd, J=9.1 , 2.3Hz, 1H); 7.60(d, J=9.1Hz, 1H); 7.30(m, 5H); 6.43(s, 1H); 4.22(m, 4H); 1.09(t, J=7.2Hz, 3H).
【0135】
2−ベンジル−1−エチル−1H−インドール−5−アミン
1H-NMR(DMSO-d6): 7.22(m, 5H); 7.04(d, J=8.5Hz, 1H); 6.84(d, J=2.3Hz, 1H); 6.59(dd, J=8.5, 2.3Hz, 1H); 6.05(s, 1H); 4.05(s, 2H); 3.94(q, J=7.2Hz, 2H); 3.22(bs, 2H); 1.10(t, J=7.2Hz, 3H).
【0136】
s)5−アミノ−1−(3−トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸フェニルアミド
1−フルオロ−4−ニトロベンゼン溶液にN24・H2O(25ml)を滴下した。混合物を先ず室温で3時間攪拌し,その後1時間還流した。冷却後,生成した沈殿を濾過し,H2Oで洗浄して4−ニトロフェニルヒドラジンを得,これを更なる精製なしに次の反応に用いた。
【0137】
4−ニトロフェニルヒドラジン:M/z (APCI+) 154(MH+)
4−ニトロフェニルヒドラジン(15g, 23mmol)及び2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル(12g, 100mmol)の水(150ml)中懸濁液を室温で6時間撹拌した。得られた沈殿を濾過し,洗浄して2−[(4−ニトロフェニル)−ヒドラゾノ]−プロピオン酸エチルエステルを得た。
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6): 10.45(s, 1H); 8.21-8.15(m, 2H); 7.42-7.36(m, 2H); 4.28-4.15(m, 2H); 2.15(s, 3H); 1.36-1.22(m, 3H).
【0138】
2−[(4−ニトロフェニル)−ヒドラゾノ]−プロピオン酸エチルエステル(6g, 23mmol)のトルエン(70ml)の溶液にポリりん酸(PPA, 50g)を添加した。混合物を3時間還流し,その後0〜10℃に冷却し,pH8〜9になるまでNH4Clを添加した。混合物をエチルアセテート(EtOAc)で抽出し,次いで溶媒を減圧下蒸発により除去した。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc,80/20)によって精製し,CH2Cl2で結晶化して5−ニトロ−1H−インドール−カルボン酸エチルエステルを得た。
【0139】
5−ニトロ−1H−インドール−カルボン酸エチルエステル
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6): 12.55(s, 1H); 8.73 (s, 1H); 8.14(d, 1H); 7.62 (d, 1H); 7.45(s, 1H); 4.45-4.32(m, 2H); 1.43-1.30(m, 3H).
【0140】
5−ニトロ−1−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(2g, 8.85mmol)の無水アセトニトリル(50ml)の溶液に無水K2CO3(2.36g; 17.1mmol),18−クラウンー6(1.14g, 4.28mmol)及び3−臭化トリイソプロピルシラニロキシプロピル(3.78g, 12.82mmol)を添加した。混合物を80℃で4時間加熱した。溶媒を減圧下蒸発させた後,水を添加し,生成した混合物をジクロロメタンで抽出した。溶媒を減圧下蒸発させた後,固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc,50/10)によって精製して5−ニトロ−1−(トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル:M/z (APCI+)449(MH+)を得た。
【0141】
5−ニトロ−1−(トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸のエチルエステル(2.76g, 6.2mmol)を5%KOHのEtOH/H2O1/1(80ml)溶液に溶解し,室温で16時間撹拌した。その後,エタノールを蒸発させ,pH5になるまで1NのHClを溶液に添加した。次いで、溶液をEtOAcで抽出した。溶媒を減圧下蒸発させた後,固体をn−ヘキサン/ジクロロメタン10/1液で洗浄し,濾過して5−ニトロ−1−(トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸を得た。
【0142】
5−ニトロ−1−(トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸:M/z (APCI+)421(MH+)
【0143】
5−ニトロ−1−(トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸(0.448g, 1.065mmol),O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)(0.478 g, 1.49mmol)及びトリエチルアミン(0.22ml, 1.59mmol)の無水アクリロニトリル(14ml)中の混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物にアニリン(0.109g, 1.175mmol)を添加した。混合物を50〜55℃で約3時間静置し,その後H2Oで希釈し,エチルアセテート(EtOAc)で抽出した。溶媒を減圧下蒸発させた後,得られた固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc,50/10)によって精製して5−ニトロ−1−(トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸フェニルアミド:M/z (APCI+)496(MH+)を得た。
【0144】
5−ニトロ−1−(トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸フェニルアミド(0.323g, 0.65mmol)のMeOH(100ml)の溶液に10%Pd/Cを触媒量添加し,混合物を29psiで12時間水素化した。溶液をセライト(登録商標)で濾過し,濾液を減圧下蒸発させて更なる精製なしに使用する固体を得た。
【0145】
5−アミノ−1−(トリイソプロピルシラニロキシプロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸フェニルアミド:M/z(APCI+)466(MH+)
【0146】
実施例2
本発明の化合物の調製
a)調製方法の第一変形例
【化7】

【0147】
5−アミノ(アザ)インドール(III)(2mmol)のジクロロメタン(10ml)の溶液にトリエチルアミン(2.2mmol)を添加し,次にアシルクロライド(II)(2.2mmol)のジクロロメタン(10ml)の溶液を滴下した。添加が完了すると,混合物を室温で20時間撹拌した。その後,水(50ml)を添加し,有機相を分取し,Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下蒸発させた。得られた粗生成物を精製してX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,W及びR2が上述したものと同じ意味を有する式(I)の化合物を得た。
【0148】
b)調製方法の第二変形例
【化8】

【0149】
5−アミノ(アザ)インドール(III)(0.9mmol)の懸濁液にアンバーリスト(Amberlyst)A21樹脂(0.9g)のジクロロメタン(3ml)溶液及びアシルクロライド(II)(0.28mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液を添加した。混合物を20時間撹拌した。その後,アンバーリストA21樹脂を濾過により除去し,ジクロロメタン(5ml)で洗浄した。有機相を一緒にし,ジメチルホルムアミド(1ml)で希釈し,アンバーリスト15樹脂(0.9g)と共に5時間撹拌した。この処理を2回繰返した。アンバーリスト15樹脂を濾過により除去し,溶液を遠心分離下蒸発させてX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,W及びR2が上述したものと同じ意味を有する式(I)の化合物を得た。
【0150】
c)調製方法の第三変形例
【化9】

【0151】
不活性雰囲気下安息香酸(II)(0.67mmol)及び5−アミノ(アザ)インドール(III)(0.45mmol)をジクロロメタン(8ml)及びジメチルホルムアミド(0.8ml)に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌した後,PS−カルボジイミド樹脂(0.73g)を添加した。
【0152】
反応混合物を20時間撹拌後,樹脂を濾過により除去し,ジクロロメタン(2×5ml)で洗浄した。溶液を遠心分離下蒸発させてX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,W及びR2が上述したものと同じ意味を有する式(I)の化合物を得た。
【0153】
d)調製方法の第四変形例
【化10】

【0154】
0℃で撹拌しながら,安息香酸(II)(10mmol)のジメチルホルムアミド(40ml)の溶液に1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(10mmol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(10mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し,5−アミノ(アザ)インドール(III)(9mmol)のジメチルホルムアミド(20ml)の溶液を添加した。
【0155】
混合物を0℃で更に30分間,次いで室温で18時間撹拌した。混合物を濾過し,pH2になるまで2N塩酸を添加し,生成した沈殿を濾別し,精製してX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,W及びR2が上述したものと同じ意味を有する式(I)の化合物を得た。
【0156】
e)調製方法の第五変形例
【化11】

【0157】
一晩140℃で真空乾燥した酢酸セシウム(6.02mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(3ml)の懸濁液に不活性雰囲気下酢酸パラジウム(0.017mmol),トリフェニルホスフィン(0.067mmol),5−アミノ(アザ)インドール(IV)(3.35mmol)及びヨウ化アリール(V)(3.68mmol)を添加した。
【0158】
反応混合物を不活性雰囲気下140℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し,ジクロロメタン(50ml)を添加し,生成した混合物をセライトで真空濾過した。濾過した有機溶液を分離漏斗に移した。有機相をH2O(2×50ml)で洗浄し,Na2SO4で乾燥し,減圧下蒸発させた。
【0159】
残留物を精製してX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,W及びR2が上述したものと同じ意味を有する式(I)の化合物を得た。
【0160】
f)PL−FMP樹脂を用いる固相調製例
調製用樹脂を用いることによる固相調製の例は,上述のG1,G2,G3がCH基,R1がSO2I,X,Y,Z,W,R2及びRIが上述したものと同じ意味を有する本発明の化合物の特定例を付与する。加えて,以下の例は,本発明方法の出発化合物B1を調製する工程1及び2を含む。なぜなら,中間体A1は調製用樹脂からの分離なしにその場で調製されるからである。
【0161】
【化12】

【0162】
工程(1):15gのPL−FMP樹脂(0.9mmol/g)の1%AcOH入りDMF(300ml)溶液を室温で2時間撹拌した。その後,N−(4−アミノ−2−ヨードフェニル)アルキルスルホンアミド(54mmol)及び11.5gのトリアセトキシ硼水素化ナトリウム(54mmol)を添加した。PL−FMP樹脂(英国のPolymer Laboratories社製)は,還元性アミノ化を介したアミン結合に適するアルデヒド系樹脂である。混合物を室温で24時間撹拌し,その後樹脂を濾過し,DMF(3×150mmol),体積比1/1のDMF/MeOH (3×150mmol),MeOH(3×150mmol),体積比1/1のCH2Cl2/MeOH(3×100mmol),CH2Cl2(3×100mmol)で洗浄した。樹脂を室温で真空乾燥して18.3gの樹脂(A1)を得,これを更なる精製なしに用いた。
【0163】
工程(2):1.172gの樹脂(A1)(0.8mmol,理論値)をDMF(10ml),B2アルキン(5mmol),CuI(32mg,0.17mmol),58mgのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)[Cl2(PPh32Pd]及び2mlのトリエチルアミン(22mmol)混合物に添加した。
【0164】
反応を室温まで冷却することにより停止させた。樹脂を濾過し,DMF(3×10mmol),体積比95/5のDMF/H2O(3×10mmol),O体積比80/20のDMF/H2(3×10mmol),体積比50/50のDMF/H2O(3×10mmol),DMF (3×10mmol),体積比50/50のDMF/MeOH(3×10mmol),MeOH (3×10mmol),体積比50/50のMeOH/CH2Cl2(3×10mmol)及びCH2Cl2(3×10mmol)で洗浄した。このようにして得た樹脂B1を更なる精製なしに使用した。
【0165】
工程(3):1.38mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA,8.0mmol)及びアクリルクロライド(6.5mmol)(C2)をレジン(B1)のCH2Cl2(10mmol)の懸濁液に添加した。混合物を室温で18時間撹拌し,その後樹脂を濾過し,CH2Cl2 (3×10mmol),体積比1/1のCH2Cl2 /DMF(3×10mmol),DMF (3×10mmol),体積比9/1のDMF/H2O(3×10mmol),DMF (3×10mmol),体積比1/1のDMF/MeOH(3×10mmol),MeOH (3×10mmol),体積比1/1のCH2Cl2 /MeOH(3×10mmol),CH2Cl2(3×10mmol)で洗浄した。このようにして得た樹脂C1を更なる精製なしに使用した。
【0166】
工程(4):樹脂(C1)をトリエチルシラン(0.15ml)の体積比1/1のTFA/DCMの溶液(15ml)に添加し,室温で15分間撹拌した。樹脂を濾過し,トリエチルシラン(0.15ml)の体積比1/1のTFA/DCMの溶液(5ml)で洗浄した。溶液を真空蒸発させて粗製生成物を得,これを分取HPLCで精製してX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,W及びR2が上述したものと同じ意味を有する化合物(I)を得た。
【0167】
g)2−3位の二重結合を還元する例
【化13】

【0168】
5−アミノ(アザ)インドール誘導体(1mmol)をEtOH(3ml)及び濃HCl(1.5ml)の溶液に溶解した。その後,スズ(5ml)を添加し,混合物を6時間還流した。混合物を濾過し,溶液を20%KOH溶液(5ml)中に注入し,Et2O(3×10ml)で抽出した。有機相をセライトで濾過し,Na2SO4で乾燥した。溶液を減圧下蒸発させた。得られた粗生成物を精製してX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,W及びR2が上述したものと同じ意味を有し、Wがアミド結合,R2がフェニル基である化合物(I’)を得た。
【0169】
h)対応するエステルから酸を調製する例
【化14】

【0170】
(アザ)インドールエステル誘導体(0.32mmol)を体積比1/1のTHF/EtOH(3ml)に溶解し,その後1NのNaOH溶液(1.2ml)を添加し,混合物を室温で3時間撹拌した。
【0171】
有機溶媒を真空下除去し,1NのHCl溶液を酸の沈殿まで添加した。生成物を濾過し,水で洗浄し,真空乾燥してX,Y,Z,G1,G2,G3,n,W及びR2が上述したものと同じ意味を有し、Wがアミド結合,R2がフェニル基である式(I)の化合物を得た。
【0172】
i)調製方法の第六変形例
【化15】

【0173】
不活性雰囲気下安息香酸(II)(0.74mmol),TBTU(0.86mmol)及びトリエチルアミン(0.98mmol)を無水アセトニトリル(3ml)に溶解した。混合物を室温で30分間撹拌した後,化合物(V)(0.61mmol)の無水アセトニトリル(3ml)の溶液を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し,その後H2Oで希釈し,エチルアセテート(EtOAc)で抽出した。溶媒を減圧下蒸発させた後,生成した固体(0.16mmol)をMeOH(15ml)に溶解した。この溶液に2NのHCl(2.5ml)を添加し,混合物を室温で3時間静置した。次いで、溶媒を減圧下蒸発させ,残留物をDCMに溶解し,NaHCO3飽和溶液で洗浄した。有機溶媒の蒸発後,残留物を精製してY,Z,G1,G2及びG3,が上述したものと同じ意味を有し、Wがアミド結合,R2がフェニル基である化合物(I)を得た。
【0174】
以下の表1に示す本発明の化合物を調製した。表1において、下記の略記号は以下の意味で用いる。
精製A=結晶化,
精製B=シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー,
精製C=分取HPLC(X Bridge prep. C18; 5μm, 3O×150mm),
EtOAc=酢酸エチル,
Hex=ヘキサン,
MeOH=メタノール,
EtOH=エタノール,
CH3CN=アセトニトリル,
2O=水,
HCOOH=ギ酸,
iPrOH=イソプロパノール,
Pr2O=プロピルエーテル。

【0175】
【表1−1】

【0176】
【表1−2】

【0177】
【表1−3】

【0178】
【表1−4】

【0179】
【表1−5】

【0180】
【表1−6】

【0181】
【表1−7】

【0182】
【表1−8】

【0183】
【表1−9】

【0184】
【表1−10】

【0185】
実施例3
管内生物学的活性
PGE2の産生及びPGFの産生に対する選択性に関する試験化合物の阻害能は,実施試験により評価できる。例えばIL−1βのような炎症促進性サイトカインによる刺激に特に敏感で,かかる刺激に応じてPGE2とPGFという2種のプロスタノイドの産生及び放出に特に活性であるヒト肺腺癌培養細胞株A549を用いた(Thoren S. Jakobsson P-J,2000)。
【0186】
細胞株をIL−1β(10ng/ml)で刺激し,同時に37℃でCO2濃度5%の培養器内で5%ウシ胎児血清及びL−グルタミン(最終濃度4mM)で強化された適切な培地(DMEM−ダルベッコ変性イーグル培地)において試験化合物で22時間処置した。
【0187】
培養終期に,上澄中に産生,放出されたPGE2及びPGFの量をEIAキット(米国のCayman Chemicals社製市販品)を用いて分析した。
【0188】
比較に用いた化合物は10nM濃度のインドメタシン(Sigma-Aldrich社製)であり,PGE2及びPGFの両者を同等に阻害する非ステロイド系抗炎症性薬剤である。
【0189】
10μM濃度でPGE2及びPGF産生の阻害百分率として表された結果を表2に示す。ここで「ia」(不活性)は20%未満の阻害活性を示す。
【0190】
【表2】

【0191】
例証のため,表3に本発明の数々の化合物のpIC50値を照合する。ここで,pIC50はIC50の負の対数を表わし,換言すれば同一化合物で刺激されるが処置されない細胞に対し50%だけPGE2又はPGFの産生を阻害する化合物濃度を示す。
【0192】
表3中,「nd」は確定不能を意味する。
【0193】
【表3】

【0194】
実施例4
生体内生物学的活性
マウスの酢酸誘発伸長モデル(Stock J.L. et al.,J Clin. Inv,2001,107:p325-331)において試験化合物を評価した。本試験により,本発明化合物の炎症痛モデルにおける抗侵害受容活性を評価することができる。
【0195】
体重25〜30gのメスCD−1マウスを試験に用いた。かかる動物をメチルセルロース(MTC)中に懸濁した試験化合物(0.1〜10mg/kg)で腹腔内処置した。対照動物を同じ経路を介し媒体単体(MTC)で処置した。
【0196】
処置後30分,炎症痛を誘発させ,侵害受容性応答に対する試験化合物の効果を検査するために,該動物に酢酸(0.7v/v生理溶液,16μl/体重g)を腹腔内注射した。
【0197】
酢酸投与の直後及びその後20分間,侵害受容活性応答の評価用パラメーターを表す伸長回数を測定した。
【0198】
表4に記すように,本発明の化合物は,投与量に依存した態様で,MTCのみで処置した動物と比べ,酢酸投与の後20分において伸長回数の低減を誘発した。
【0199】
【表4】

【0200】
実施例5
PGESアイソフォーム間の選択性
炎症促進性刺激が存在しない基本条件でPGE2産出に関与する酵素アイソフォーム(cPGES)を優先的に発現するヒトリンパ腫培養細胞株U−937における実施試験によって,本発明の化合物のPGE2産出阻害能力を評価することができる。この酵素型は,炎症促進性刺激後のA549細胞(mPGES−1)中で主に発現するものとは相違する。
【0201】
本細胞モデルにおけるPGE2に対する阻害活性の欠如は,炎症性刺激の存在下PGE2産出に関与する酵素型と比較した化合物の選択性を確実にする。
【0202】
PGE2の産出阻害百分率で表わした結果を表5に示す。ここで「ia」(不活性)は20%未満の阻害活性を示す。参照化合物として濃度10nMのインドメタシンを用いた。
【0203】
本発明の化合物は,主にcPGESの作用によってPGE2産出を顕著に阻害しないことを見出した。
【0204】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(I):
【化1】

(式中のXはハロゲン原子,(C1〜C3)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,シアノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,フェニル基又は(C1〜C3)アルキルフェニル基であり,
Y及びZは同一でも異なってもよく,水素又はハロゲン原子,(C1〜C3)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,フェニル基,COOH基,(C1〜C3)アルキル−COOH基,(C2〜C3)アルケニル−COOH基、Rが直鎖又は分岐(C1〜C6)アルキル基又はヒドロキシアルキル基であるCOOR基,CONH2基,SO2CH3基,SO2NHCH3基又はNHSO2CH3基であり,
1,G2及びG3は同一でも異なってもよく,窒素原子又はCH基であり,
R1は1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基,(C3〜C7)シクロアルキル基,(C1〜C6)アルキルORI基,(CH2nNRIIIII基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基,(CH2nSO2I基であり,ここでnは1〜6の整数,RIは(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく、水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,
Wはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,O(C1〜C6)ア ルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q 基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、0〜3の整数であり
R2は,L−M基で表わされ、同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,(C2〜C6)アルキニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,O(C2〜C6)アルキニル基,Mは水素又はハロゲン原子,OH基,CF3基,NO2基,CN基,COORII基,SO2 NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,上述したものと同じ意味を有し、RIV及びRVは同一でも異なってもよく,(C1〜C3)アルキル基であり,
但しG1,G2及びG3がすべてCH基である場合,R1は1〜3個の置換基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり,Wはσ結合であり,2位及び3位の炭素原子間の結合が二重結合であり,
R2はハロゲン,任意にヒドロキシ基で置換された(C1〜C6)アルキル基,トリフルオロメチル基、ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,COOH基,COORII基,SO2CH3基,SO2NHCH3基,NHSO2CH3基,PORIVV基,OPORIVV基,(C1〜C6)アルキル−COOH基及び(C2〜C6)アルケニル−COOH基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基又はピリジン基でなく,また
1がN,G2及びG3がCH基である場合,R2はO(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基及びO(C2〜C6)アルキニル基で表わされる1つのL−M基で置換された2価の芳香族基ではない)の5位置換アザインドール誘導体並びにその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和化合物及び多形相。
【請求項2】
前記Xを臭素,塩素,フッ素,(C1〜C3)アルキル基,トリフロロメチル基,ニトロ基,シアノ基及び(C1〜C3)アルコキシ基から選択する請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項3】
前記Xを臭素,塩素,トリフロロメチル基及びニトロ基から選択する請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項4】
前記Y及びZが同一でも異なってもよく,水素,臭素,塩素,フッ素,ニトロ基,COOH基,(C1〜C3)アルキル基,トリフロロメチル基及び(C1〜C3)アルコキシ基から選択される請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項5】
前記Y及びZが同一でも異なってもよく,水素,臭素,塩素,トリフロロメチル基,ニトロ基,COOH基,メチル基,エチル基,メトキシ基及びエトキシ基から選択される請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項6】
前記R1を1〜3個ヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C3)アルキル基,(C1〜C3)アルキルORI基,(CH2nNRIIIII基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基及び(CH2nSO2I基から選択し、ここでnが1〜4の整数,RIが(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIが同一でも異なってもよく,水素原子又は(C1〜C3)アルキル基である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項7】
前記R1を1〜3個ヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C3)アルキル基,(C1〜C3)アルキルORI基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基及び(CH2nSO2I基から選択し、ここでnが1〜3の整数,RIがCH3基,C25基,CH2OH基又はC24OH基,RII及びRIIIが同一でも異なってもよく,水素原子,CH3基又はC25基である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項8】
前記Wをσ結合,(C1〜C3)アルキル基,(C2〜C4)アルケニル基,O(C1〜C3)アルキル基,O(C2〜C3)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基から選択し、ここでp及びqが同一でも異なってもよく、1〜3の整数である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項9】
前記Wをσ結合,CH2基,C24基,CH=CH基,OCH2基,OC24基,OCH=CH基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基から選択し、ここでp及びqが同一でも異なってもよく、1〜2の整数である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項10】
前記R2をL−M基で表わされ、同一でも異なってもよい1〜2個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C3〜C7)シクロアルキル基から選択し、ここでLがσ結合,(C1〜C3)アルキル基,(C2〜C4)アルケニル基,(C2〜C4)アルキニル基,O(C1〜C3)アルキル基,O(C2〜C4)アルケニル基,O(C2〜C4)アルキニル基であり,Mが水素又はハロゲン原子,CF3基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIが同一でも異なってもよく、水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,RIV及びRVが同一でも異なってもよく,(C1〜C3)アルキル基である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項11】
前記R2を1個のL−M基で表わされる置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C3〜C7)シクロアルキル基から選択し、ここでLがσ結合,CH2基,C24基,CH=CH基,C≡C基,OCH2基,OC24基,OCH=CH基,OC≡C基,であり,Mが水素又はハロゲン原子,CF3基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIが同一でも異なってもよく、水素原子,CH3基又はC25基であり,RIV及びRVが同一でも異なってもよく,CH3基又はC25基である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項12】
前記Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,前記R2がBr,Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基,CH2CONH2基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項13】
前記Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,前記R2がBr,Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基,CH2CONH2基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるピリジン基である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項14】
前記Wがσ結合,CH2基又はC24基であり,前記R2がBr,Cl及びF原子並びにCH3基,C25基,OCH3基,OC25基,CN基,CH2CN基及びCH2CONH2基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるシクロヘキシル基である請求項1に記載のアザインドール誘導体。
【請求項15】
次式(I):
【化2】

(式中のXはハロゲン原子,(C1〜C3)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,シアノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,フェニル基又は(C1〜C3)アルキルフェニル基であり,
Y及びZは同一でも異なってもよく,水素又はハロゲン原子,(C1〜C3)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,フェニル基,COOH基,(C1〜C3)アルキル−COOH基,(C2〜C3)アルケニル−COOH基、Rが直鎖又は分岐(C1〜C6)アルキル基又はヒドロキシアルキル基であるCOOR基,CONH2基,SO2CH3基,SO2NHCH3基又はNHSO2CH3基であり,
1,G2及びG3は同一でも異なってもよく,窒素原子又はCH基であり,
R1は1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基,(C3〜C7)シクロアルキル基,(C1〜C6)アルキルORI基,(CH2nNRIIIII基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基,(CH2nSO2I基であり,ここでnは1〜6の整数,RIは(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく、水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,
Wはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,O(C1〜C6)ア ルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q 基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、0〜3の整数であり
R2は,L−M基で表わされ、同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,(C2〜C6)アルキニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,O(C2〜C6)アルキニル基,Mは水素又はハロゲン原子,OH基,CF3基,NO2基,CN基,COORII基,SO2 NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,上述したものと同じ意味を有し、RIV及びRVは同一でも異なってもよく,(C1〜C3)アルキル基であり,
但しG1,G2及びG3がすべてCH基である場合,R1は1〜3個の置換基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり,Wはσ結合であり,2位及び3位の炭素原子間の結合が二重結合であり,
R2はハロゲン,任意にヒドロキシ基で置換された(C1〜C6)アルキル基,トリフルオロメチル基、ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,COOH基,COORII基,SO2CH3基,SO2NHCH3基,NHSO2CH3基,PORIVV基,OPORIVV基,(C1〜C6)アルキル−COOH基及び(C2〜C6)アルケニル−COOH基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基又はピリジン基でなく,また
1がN,G2及びG3がCH基である場合,R2はO(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基及びO(C2〜C6)アルキニル基で表わされる1つのL−M基で置換された2価の芳香族基ではない)の5位置換アザインドール誘導体並びにその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和化合物及び多形相を製造するに当たり,
a)次式(II):
【化3】

(式中のX,Y及びZは上述したものと同じ意味を有し、Qはハロゲン原子又はヒドロキシ基である)の化合物と次式(III):
【化4】

(式中のG1,G2,G3,R1,W及びR2は上述したものと同じ意味を有する)の化合物を反応させさせて次式(I):
【化5】

(式中のX,Y,Z,G1,G2,G3,R1,R2及びWは上述したものと同じ意味を有する)の化合物を付与し,
b)所要に応じて工程(a)の式(I)の化合物の生理学的に許容し得る付加塩を形成することを特徴とする製造方法。
【請求項16】
前記工程(a)を、QがClである式(II)の化合物と式(III)のアミンとを適当な酸受容体の存在下で反応させることによって行う請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記工程(a)を、QがOHである式(II)の化合物と式(III)のアミンとを適当なカップリングの存在下で反応させることによって行う請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記工程(a)を、調製用樹脂に結合した式(III)の化合物を含む固相中で行う請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記調製用樹脂がアルデヒド系樹脂である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記式(I)の化合物を前記樹脂から除去するための開裂工程を更に備える請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記開裂工程を,トリフルオロ酢酸での処理により行う請求項20に記載の方法。
【請求項22】
2位及び3位間の二重結合を単結合に変える還元工程を更に備える請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記還元工程を,強酸の存在下還元性元素での処理により行う請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記R1基が(CH2nCOORII基で、RIIがアルキル基である場合,対応する酸を得るための加水分解工程を更に備える請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記加水分解工程を強塩基の存在下で行う請求項24に記載の方法。
【請求項26】
次式(III):
【化6】

(式中のG1,G2及びG3は同一でも異なってもよく,窒素原子又はCH基であり,
R1は1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基,(C3〜C7)シクロアルキル基,(C1〜C6)アルキルORI基,(CH2nNRIIIII基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基,(CH2nSO2I基であり、ここでnは1〜6の整数,RIは(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく、水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,
Wはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、0〜3の整数であり,
R2は,L−M基で表わされ、同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C4〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,(C2〜C6)アルキニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,O(C2〜C6)アルキニル基であり,Mは水素又はハロゲン原子,OH基,CF3基,NO2基,CN基,COORII基,SO2NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,上述したものと同じ意味を有し、RIV及びRVは同一でも異なってもよく、(C1〜C3)アルキル基であり,
但しG1,G2及びG3がすべてCH基である場合,R1は1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり,Wはσ結合であり,2位及び3位の炭素原子間の結合は二重結合であり,
R2はハロゲン,ヒドロキシ基で任意に置換された(C1〜C6)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,COOH基,COORII基,SO2CH3基,SO2NHCH3基,NHSO2CH3基,PORIVV基,OPORIVV基,(C1〜C6)アルキル−COOH基及び(C2〜C6)アルケニル−COOH基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されたフェニル基又はピリジン基でなく,また
1がNで,G2及びG3がCH基である場合,R2はO(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基及びO(C2〜C6)アルキニル基で表わされる1つのL−M基で置換された2価の芳香族基ではない)の中間化合物。
【請求項27】
前記R1が請求項6又は7で定義されたものである請求項26に記載の中間化合物。
【請求項28】
前記Wが請求項8又は9で定義されたものである請求項26に記載の中間化合物。
【請求項29】
前記R2が請求項10又は11で定義されたものである請求項26に記載の中間化合物。
【請求項30】
前記W及びR2が請求項12〜14のいずれか一項で定義されたものである請求項26に記載の中間化合物。
【請求項31】
有効量の次式(I):
【化7】

(式中のXはハロゲン原子,(C1〜C3)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,シアノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,フェニル基又は(C1〜C3)アルキルフェニル基であり,
Y及びZは同一でも異なってもよく,水素又はハロゲン原子,(C1〜C3)アルキル基,トリフルオロメチル基,ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,フェニル基,COOH基,(C1〜C3)アルキル−COOH基,(C2〜C3)アルケニル−COOH基、Rが直鎖又は分岐(C1〜C6)アルキル基又はヒドロキシアルキル基であるCOOR基,CONH2基,SO2CH3基,SO2NHCH3基又はNHSO2CH3基であり,
1,G2及びG3は同一でも異なってもよく,窒素原子又はCH基であり,
R1は1〜3個のヒドロキシ基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基,(C3〜C7)シクロアルキル基,(C1〜C6)アルキルORI基,(CH2nNRIIIII基,(CH2nCONRIIIII基,(CH2nCORI基,(CH2nCOORII基,(CH2nOCORI基,SO2I基,(CH2nNRIISO2I基,(CH2nSO2I基であり,ここでnは1〜6の整数,RIは(C1〜C3)アルキル基又は(C1〜C3)アルキルOH基,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく、水素原子又は(C1〜C3)アルキル基であり,
Wはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,O(C1〜C6)ア ルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,C(O)NH基,(CH2pCO(CH2q 基又は(CH2pC(OH)(CH2q基であり、ここでp及びqは同一でも異なってもよく、0〜3の整数であり
R2は,L−M基で表わされ、同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基,ピリジン基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり、ここでLはσ結合,(C1〜C6)アルキル基,(C2〜C6)アルケニル基,(C2〜C6)アルキニル基,O(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基,O(C2〜C6)アルキニル基,Mは水素又はハロゲン原子,OH基,CF3基,NO2基,CN基,COORII基,SO2 NHRII基,CH2CONRIIIII基,NRIIIII基,SO2IV基,NHSO2IV基,PORIVV基又はOPORIVV基であり,RII及びRIIIは同一でも異なってもよく,上述したものと同じ意味を有し、RIV及びRVは同一でも異なってもよく,(C1〜C3)アルキル基であり,
但しG1,G2及びG3がすべてCH基である場合,R1は1〜3個の置換基で任意に置換される(C1〜C6)アルキル基又は(C3〜C7)シクロアルキル基であり,Wはσ結合であり,2位及び3位の炭素原子間の結合が二重結合であり,
R2はハロゲン,任意にヒドロキシ基で置換された(C1〜C6)アルキル基,トリフルオロメチル基、ニトロ基,アミノ基,ジ(C1〜C3)アルキルアミノ基,ヒドロキシ基,(C1〜C3)アルコキシ基,COOH基,COORII基,SO2CH3基,SO2NHCH3基,NHSO2CH3基,PORIVV基,OPORIVV基,(C1〜C6)アルキル−COOH基及び(C2〜C6)アルケニル−COOH基から選択され,同一でも異なってもよい1〜3個の置換基で任意に置換されるフェニル基又はピリジン基でなく,また
1がN,G2及びG3がCH基である場合,R2はO(C1〜C6)アルキル基,O(C2〜C6)アルケニル基及びO(C2〜C6)アルキニル基で表わされる1つのL−M基で置換された2価の芳香族基ではない)の5位置換アザインドール誘導体並びにその生理学的に許容し得る付加塩,立体異性体,鏡像異性体,水和物,溶媒和化合物及び多形相と、少なくとも1種の薬学的に許容し得る不活性成分とを含む医薬組成物。

【公表番号】特表2011−507929(P2011−507929A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540098(P2010−540098)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067622
【国際公開番号】WO2009/083436
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(592160973)アジェンデ・キミケ・リウニテ・アンジェリニ・フランチェスコ・ア・チ・エレ・ア・エフェ・ソシエタ・ペル・アチオニ (36)
【氏名又は名称原語表記】AZIENDE CHIMICHE RIUNITE ANGELINI FRANCESCO A.C.R.A.F.SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】