説明

CGRP受容体拮抗薬

CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、CGRPが関係する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用である、式(I)


(式中の可変項R、A、B、W、X、YおよびZは、本明細書の中で定義するとおりである。)の化合物。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRPが関係するこのような疾病の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的選択的プロセッシングにより生成され、中枢および末梢神経系に広く分布している天然37アミノ酸ペプチドである。CGRPは、主として求心性および中枢性感覚ニューロンに局在し、血管拡張を含む幾つかの生体作用を媒介する。CGRPは、アルファ形およびベータ形で発現され、ラットおよびヒトでは、それぞれ1つおよび3つのアミノ酸によってこれらの形が変わる。CGRP−アルファおよびCGRP−ベータは、類似した生物学的特性を提示する。細胞から放出されたとき、CGRPは、特異的細胞表面受容体への結合によりこの生体応答を開始し、これらは、多分にアデニリルシクラーゼの活性化と連動する。CGRP受容体は、脳、心血管、内皮および平滑筋起源のものを含む幾つかの組織および細胞において、同定および薬理評価されている。
【0002】
薬理特性に基づき、これらの受容体は、少なくとも2つのサブタイプ(CGRPおよびCGRPを指す)に分けられる。ヒトα−CGRP−(8−37)[7つのN末端アミノ酸残基を欠くCGRPのフラグメント]は、CGRPの選択的拮抗薬であり、これに対してCGRPの線状類似体[ジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)]は、CGRPの選択的作動薬である。CGRPは、偏頭痛および群発性頭痛などの脳血管疾患の症状に関連付けられている強力な血管拡張薬である。臨床試験において、頚静脈におけるCGRPのレベル上昇が、偏頭痛発作中に発生することが判明した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187)。CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化して血管拡張増加を導き、これが、偏頭痛発作中の頭痛の主発生源と考えられている(Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9)。中硬膜動脈(硬膜内の主動脈)は、CGRPを含む幾つかの神経ペプチドを含む三叉神経節からの感覚線維による刺激を受ける。ネコでは、三叉神経節刺激の結果、CGRPのレベルが上昇し、ヒトでは、三叉神経系の活性化に起因して、顔が潮紅し、外頚静脈中のCGRPレベルが上昇した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。ラットにおいて、硬膜の電気刺激は、中硬膜動脈の直径を増大させ、この効果は、CGRP(8−37)[ペプチドCGRP拮抗薬]の事前投与により阻止された(Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531)。ラットにおいて、三叉者神経節刺激は、顔の血流を増加させ、これは、CGRP(8−37)により抑制された(Escottら,Brain Res.1995,669,93−99)。マーモセットにおいて、三叉神経節の電気刺激は、顔の血流増加を生じさせ、これは、非ペプチドCGRP拮抗薬BIBN4096BSにより阻止することができた(Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423)。このように、CGRPの血管効果は、CGRP拮抗薬によって減弱、防止または反転させることができる。
【0003】
CGRPにより媒介されるラット中硬膜動脈の血管拡張は、尾三叉神経核のニューロンを感作することが証明された(Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247)。同様に、偏頭痛中の硬膜血管の拡大は、三叉神経ニューロンを感作し得る。頭蓋外疼痛および顔面異痛を含む一部の偏頭痛関連症状は、三叉神経ニューロン感作の結果であり得る(Bursteinら,Ann.Neurol.2000,47,614−624)。CGRP拮抗薬は、ニューロン感作の影響を減弱、防止または反転させる際に有益であり得る。
【0004】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物の能力が、本化合物を、ヒトおよび動物における、しかし特にヒトにおけるCGRPに関係する疾患に有用な薬物にする。このような疾患としては、偏頭痛および群発性頭痛(Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭痛(Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340);疼痛(Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性疼痛(Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175);神経性炎症および炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768;Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538;Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);眼痛(Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196)、歯痛(Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265);血管疾患;炎症(Zhangら,Pain,2001,89,265);関節炎、気管支反応亢進、喘息(Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404;Schiniら,Am.J.Physiol,1994,267,H2483−H2490;Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血症(Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798);アヘン剤禁断症候群(Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);モルヒネ耐性(Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351);男性および女性におけるのぼせ(Chenら,Lancet,1993,342,49;Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143);乾癬;脳炎、脳の外傷、虚血、卒中、癲癇および神経変性疾患(Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34);皮膚病(Geppetti and Holzer,Eds.,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,FL)、神経性の皮膚の赤み、バラ色の皮膚(skin rosaceousness)および紅斑;耳鳴り(Herzogら,J.Membrane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422)ならびに膀胱炎が挙げられる。偏頭痛および群発性頭痛を含む頭痛の急性または予防的治療は、特に重要である。偏頭痛の治療についてのCGRP拮抗薬の効力の注目すべき証拠が、静脈内投与BIBN4096BSを用いる臨床試験により提供された。このCGRP拮抗薬は、偏頭痛にとっての安全で有効な急性治療薬であることが判明した(Olesenら,N.Engl.J.Med.,2004,350(11),1104−1110)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、CGRP受容体のリガンド、特に、CGRP受容体の拮抗薬として有用である化合物、これらを調製するための方法、治療におけるこれらの使用、これらを含む医薬組成物およびこれらを使用する治療方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、CGRPが関係する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用である、式I:
【0007】
【化23】

(式中の可変項R、A、B、W、X、YおよびZは、本明細書の中で定義するとおりである。)の化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物ならびにCGRPが関係するこのような疾病の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、式I:
【0009】
【化24】

(式中、
Zは、
【0010】
【化25】

および
【0011】
【化26】

から選択され;
Aは、NおよびC(R)から独立して選択され;
Bは、OまたはSであり;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R]、
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され、
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R];
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され;
この場合、隣接した原子上の、RとRまたは任意の2つの独立したRは、場合により一緒になって、C5−7シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択される環を形成し、この場合の環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。)から独立して選択され、この場合、R10およびR11は場合により一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている環である。)を形成し;
は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHであるか、またはYは、XがSであるときにはOであり;
は、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され;
Jは、結合、C(R、OまたはNRであり;
Vは、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)、およびN(R)−N(R)から選択され;
G−Lは、N、N−C(R、C=C(R)、C=N、C(R)、C(R)−C(R、C(R)−C(R−C(R、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、C(R)−C(R−N(R)、C=C(R)−N(R)、C(R)−C(R)=N、C(R)−N(R)−C(R、C=N−C(R、C(R)−N=C(R)、C(R)−N(R)−N(R)、C=N−N(R)、N−C(R−C(R、N−C(R)=C(R)、N−C(R−N(R)、N−C(R)=N、N−N(R)−C(RおよびN−N=C(R)から選択され;
Qは、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から独立して選択され;
Tは、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から独立して選択され;
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され;
7aおよびR7bは、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している原子とが場合により一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mは、0、1または2であり;
nは、0または1であり;
sは、1、2または3である。)
の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々のジアステレオマー、
を含む、CGRP拮抗薬に関する。
【0012】
本発明のさらなる実施形態は、式Ia:
【0013】
【化27】

(式中、
Aは、NおよびC(R)から独立して選択され;
、WおよびZは、式Iにおいて定義したとおりである。)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0014】
本発明のさらなる実施形態は、式Ib:
【0015】
【化28】

(式中、
Aは、NおよびC(R)から独立して選択され;
、R、WおよびZは、式Iにおいて定義したとおりである。)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、式Ic:
【0017】
【化29】

(式中、
、R、W、およびZは、式Iにおいて定義したとおりである。)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0018】
本発明のさらなる実施形態は、式Id:
【0019】
【化30】

(式中、
、R、およびZは、式Iにおいて定義したとおりである。)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0020】
本発明のさらなる実施形態は、式Ie:
【0021】
【化31】

(式中、
、R、およびZは、式Iにおいて定義したとおりである。)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから各々独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から選択され;
が、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから各々独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011、および
n)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から選択され;
この場合、隣接した原子上の、RとRまたは任意の2つの独立したRは、場合により一緒になって、C5−7シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択される環を形成し、この場合の環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
10およびR11が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され、この場合、R10とR11が場合により一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され;
Wが、O、NRまたはC(Rであり;
が、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R、および
から独立して選択され;
Jが、結合、C(R、OまたはNRであり、およびVが、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)またはN(R)−N(R)であり;
Jが、結合であり、Vが、結合であり、およびZが、Z1であるとき、次の構造:
【0023】
【化32】

を形成し、または
Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、およびTが、−C(=O)−であるとき、次の構造:
【0024】
【化33】

を形成し、または
Jが、結合であり、およびZが、Z1であるとき、次の構造:
【0025】
【化34】

を形成し、または
Vが、結合であり、およびZが、Z1であるとき、次の構造:
【0026】
【化35】

を形成し、または
G−Lが、Nであり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0027】
【化36】

を形成し、または
G−Lが、N−C(Rであり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0028】
【化37】

を形成し、または
G−Lが、C=C(R)であり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0029】
【化38】

を形成し、または
G−Lが、C=Nであり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0030】
【化39】

を形成し、または
G−Lが、N−C(R−C(Rであり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0031】
【化40】

を形成し、
Qが、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から独立して選択され;
Tが、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から独立して選択され;
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され;
7aおよびR7bが、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している原子とが場合により一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mは、0から2であり;
sは、1から3である、
化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体である、式Ia−IeのCGRP拮抗薬である。
【0032】
本発明のなお、さらなる実施形態は、
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、ジオキサン、ジオキソラン、モルホリン、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される。]
から選択され;
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアゾリンおよびチアゾリジンから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R]、および
2)アリールまたはヘテロアリール、[これらは、非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される。]
から選択され;
この場合、隣接した原子上の、RとRまたは任意の2つの独立したRは、場合により一緒になって、C5−7シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択される環を形成し、この場合の環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
10およびR11が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され、この場合、R10とR11とが場合により一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびフェニル[これらは、非置換であるか、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から独立して選択され;
Wが、NRまたはC(Rであり;
が、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択され、
次の構造:
【0033】
【化41】

を形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−N(R7a)−であり、およびTが、−C(=O)−であるか、または
次の構造:
【0034】
【化42】

を形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(=O)−であるか、または
次の構造:
【0035】
【化43】

を形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−N=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
次の構造:
【0036】
【化44】

を形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(R7b−であり、または
次の構造:
【0037】
【化45】

のうちの1つを形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン、ピリジンもしくはジアジン環を形成し、または
次の構造:
【0038】
【化46】

のうちの1つを形成するように、Jが、結合であり、Vが、C(Rであり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成し、または
次の構造:
【0039】
【化47】

のうちの1つを形成するように、Jが、Oであり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成し、または
次の構造:
【0040】
【化48】

を形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(R7b−であり、または
次の構造:
【0041】
【化49】

を形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、または
次の構造:
【0042】
【化50】

を形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−N=であり、Tが、=C(R7b)−であり、または
次の構造:
【0043】
【化51】

を形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(O)−であり、または
次の構造:
【0044】
【化52】

を形成するように、G−Lが、C=C(R)であり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、または
次の構造:
【0045】
【化53】

を形成するように、G−Lが、C=C(R)であり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=N−であり、または
次の構造:
【0046】
【化54】

を形成するように、G−Lが、C=C(R)であり、Zが、Z2であり、Qが、−N=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、または
次の構造:
【0047】
【化55】

を形成するように、G−Lが、C=Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、または
次の構造:
【0048】
【化56】

のうちの1つを形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン、ピリジンもしくはジアジン環を形成し、または
次の構造:
【0049】
【化57】

のうちの1つを形成するように、G−Lが、N−C(Rであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成し、または
次の構造:
【0050】
【化58】

を形成するように、G−Jが、C=Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成し、または
次の構造:
【0051】
【化59】

を形成するように、G−Lが、C=C(R)であり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成し、または
次の構造:
【0052】
【化60】

を形成するように、G−Lが、N−C(R−C(Rであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成し;
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され;
7aおよびR7bが、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している原子とが場合により一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されている。)を形成し;
pが、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mが、0から2であり;
sが、1から3である、
化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体である、式Ia−IbのCGRP拮抗薬である。
【0053】
上で述べた構造またはサブ構造の1つ以上が、同じ呼称を有する多数の置換基を述べている場合、各々のこのような可変項は、各々の同様に呼ばれている可変項と同じである場合もあり、異なる場合もあることは、理解されるはずである。例えば、Rは、式I中に4回示されており、式I中の各Rは、独立して、Rで定義される構造のいずれであってもよい。本発明は、所与の構造について各Rが同じでなければならない構造およびサブ構造に限定されない。1つの構造またはサブ構造において複数回出現する任意の可変項に関しても同じことが言える。
【0054】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有することがあり、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして発生し得る。分子上の様々な置換基の性質に依存して、追加の不斉中心が存在することもある。各々のこのような不斉中心は、独立して2つの光学異性体を生じさせることとなり、混合物でのおよび純粋な化合物または部分的に精製された化合物としての可能な光学異性体およびジアステレオマーのすべてが、本発明の範囲に包含されると解釈する。本発明は、これらの化合物のすべてのこのような異性体形を包含ものとする。
【0055】
本明細書に記載する化合物の一部は、オレフィン性二重結合を有し、特に別の指定がなければ、E幾何異性体とZ幾何異性体の両方を包含するものとする。
【0056】
これらのジアステレオマーの独立した合成およびこれらのクロマトグラフ分離は、本明細書の中で開示する方法論を適切に変更することにより、当分野において知られているとおり達成することができる。これらの絶対立体化学は、結晶生成物または必要な場合には絶対配置がわかっている不斉中心を有する試薬で誘導体化させた結晶性中間体のX線結晶構造解析によって判定することができる。
【0057】
所望される場合、本化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物とエナンチオマー的に純粋な化合物とを結合させてジアステレオマー混合物を形成し、続いて、分別結晶またはクロマトグラフィーなどの標準的な方法により個々のジアステレオマーに分離するような、当分野では周知の方法により行うことができる。多くの場合、このカップリング反応は、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成である。次に、これらのジアステレオマー誘導体は、付加させたキラル残基を切断することにより、純粋なエナンチオマーに転化させることができる。本化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用するクロマトグラフ法により直接分離することもでき、これらの方法は、当分野において周知である。
【0058】
または、当分野では周知の方法による光学的に純粋な出発原料または構造がわかっている試薬を使用する立体選択的合成により、化合物の任意のエナンチオマーを得ることができる。
【0059】
当業者には理解されるように、R10およびR11置換基のすべてが、環構造を形成することができるとは限らない。さらに、環を形成することができる置換基でさえ、環構造を形成することもあり、しないこともある。
【0060】
また、当業者にま理解されるように、ここで用いるハロまたはハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを包含すると解釈する。
【0061】
ここで用いる「アルキル」は、二重結合および三重結合を有さない線状、分枝状および環状構造を意味すると解釈する。従って、C1−6アルキルは、線状または分枝状配置の1、2、3、4、5または6個の炭素を有すると、この基を特定するために定義し、例えば、具体的に、C1−6アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。「シクロアルキル」は、この一部またはすべてが原子数3以上の環を形成している、アルキルである。CまたはCアルキルは、直接共有結合の存在を特定するために定義する。
【0062】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、水素原子がさらなる炭素−炭素二重結合により置換されることがある、指示されている炭素原子数の線状または分枝状構造およびこれらの組み合わせを意味する。例えば、C2−6アルケニルとしては、エテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニルなどが挙げられる。
【0063】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、指示されている炭素原子数の線状または分枝状構造およびこれらの組み合わせを意味する。従って、C2−6アルキニルは、線状または分枝状配置の2、3、4、5または6個の炭素を有すると、この基を特定するために定義し、例えば、具体的に、C2−6アルキニルとしては、2−ヘキシニルおよび2−ペンチニルが挙げられる。
【0064】
ここで用いる「アリール」は、各環の構成員数が7以下であり、少なくとも1つの環が芳香族である、あらゆる安定な単環式または二環式炭素環を意味すると解釈する。このようなアリール要素の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルが挙げられる。
【0065】
注記のある場合を除き、ここで用いる用語「複素環」または「複素環式」は、飽和しているか、不飽和であり、ならびに炭素原子とN、OおよびSから成る群より選択される1から4個のヘテロ原子とから成る、安定な5から7員単環式または安定な8から11員二環式複素環構造を表し、この場合、窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていることがあり、窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されているされていることがあり、ならびにこの用語は、上で定義した複素環がベンゼン環に融合しているあらゆる二環式の環を包含する。複素環は、結果として安定な構造を生じさせる任意のヘテロ原子または炭素原子で結合することができる。このような複素環基の例としては、アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリンおよびこれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
注記のある場合を除きここで用いる用語「ヘテロアリール」は、芳香族環を含有する、および、このいずれかの環が、飽和している(例えば、ピペリジニル)ことがあり、部分飽和していることがあるか、または不飽和である(例えば、ピリジニル)ことがある、および、炭素原子と、N、OおよびSからなる群より選択される1から4個のヘテロ原子とから成る、安定な5から7員単環式または安定な9から10員縮合二環式複素環構造を表し、この場合、前記窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていることがあり、窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていることがあり、ならびにこの用語は、上で定義した複素環のいずれかがベンゼン環と縮合している任意の二環式の基を包含する。複素環は、結果的に安定な構造が生じる任意のヘテロ原子または炭素原子で結合させることができる。このようなヘテロアリール基の例としては、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾールおよびこれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
−Cアルコキシの場合のような用語「アルコキシ」は、直線状、分枝状および環状立体構造の炭素原子数1から6のアルコキシ基を包含することを指すと解釈する。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0068】
「医薬的に許容される」というフレーズは、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に適し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴わず、妥当な損益比に見合っている、化合物、材料、組成物および/または剤形を指すためにここでは用いる。
【0069】
ここで用いる「医薬的に許容される塩」は、親化合物がこの酸または塩基の塩を作ることにより変性されている誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。医薬的に許容される塩は、従来の非毒性の塩、または例えば非毒性無機または有機酸から形成された親化合物の第四アンモニウム塩を包含する。例えば、このような従来の非毒性の塩としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導される塩;ならびに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などから調製される塩が挙げられる。
【0070】
一定の事例に存在する一定の可変項の数は、存在する炭素原子の数に置き換えて定義している。例えば、可変項「p」は、時折次のように定義する。「pは、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1である」。置換基が、「(F)1−3アルキル」である場合、これは、1個の炭素があるときには、2(1)+1=3個のフッ素があることを意味する。2個の炭素があるときには、2(2)+1=5個のフッ素があり、3個の炭素があるときには、2(3)=1=7個のフッ素がある。
【0071】
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の酸から調製することができる。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。本発明の1つの態様において、塩は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸である。ここで用いる場合、式Iの化合物への言及は、これらの医薬的に許容される塩も包含することは理解される。
【0072】
実施例および本明細書に開示する化合物の使用は、本発明のよい例となる。本発明の範囲内の具体的な化合物としては、以下の実施例に開示する化合物およびこれらの医薬的に許容される塩およびこれらの個々のジアステレオマーから成る群より選択される化合物が挙げられる。
【0073】
本化合物は、CGRP受容体に対する拮抗をこのような拮抗が必要な哺乳動物などの患者において行う方法において有用であり、前記方法は、本化合物の有効量の投与を含む。本発明は、本明細書に開示する化合物のCGRP受容体の拮抗薬としての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、様々な他の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。
【0074】
本発明のもう1つの実施形態は、患者におけるCGRP受容体が関係する疾病もしくは疾患の治療、制御もしくは改善または前記疾病もしくは疾患のリスクの低減のための方法に関し、この方法は、CGRP受容体の拮抗薬である化合物の治療有効量をこの患者に投与することを含む。
【0075】
本発明は、ヒトおよび動物におけるCGRP受容体に拮抗するための医薬品の製造方法にさらに関し、この方法は、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤と併せることを含む。
【0076】
本発明において治療される被験者は、一般に、CGRP受容体活性の拮抗が望ましい哺乳動物、例えば、ヒト、男性または女性である。用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家が探求し続ける、組織、系、動物またはヒトの生体応答または医学的応答を惹起する本化合物の量を意味する。ここで用いる用語「治療」は、挙げられている状態の、特にこのような疾病または疾患の素因を有する患者における、治療と予防または予防的治療の両方を指す。
【0077】
ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特性の成分を特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。医薬組成物に関してこのような用語は、活性成分および担体を構成する不活性成分を含む製品、ならびに任意の2つもしくはそれ以上の成分の組み合わせ、複合もしくは凝集により、または1つもしくはそれ以上の成分の解離により、または1つもしくはそれ以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用により、直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体を混合することによって製造される任意の組成物を包含する。「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が、この調合物の他の成分と相溶性でなければならず、またこの受容者に有害でないという意味である。
【0078】
化合物「の投与」および「を投与すること」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを治療の必要がある個体に供給することを意味すると理解すべきである。
【0079】
CGRP受容体活性の拮抗薬としての本発明の化合物の使用効果は、当分野において公知の方法論により実証することができる。125I−CGRPの受容体への結合の阻害およびCGRP受容体の機能的拮抗は、次のように判定した。
【0080】
天然受容体結合アッセイ:本質的には記載されているとおりに(Edvinssonら,(2001)Eur.J.Pharmacol.415,39−44)、SK−N−MC細胞膜において125I−CGRPの受容体への結合の阻害を行った。簡単に言えば、膜(25μg)を、10pM 125I−CGRPおよび拮抗薬を含有する1mLの結合バッファ[10mM HEPES(pH7.4)、5mM MgClおよび0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)]中でインキュベートした。室温で3時間インキュベートした後、0.5%ポリエチレンイミンで3時間ブロックしておいたGFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)によるろ過によってアッセイを停止させた。フィルターを氷冷アッセイバッファで3回洗浄し、次いで、プレートを空気乾燥させた。シンチレーション液(50μL)を添加し、放射活性をTopcount(Packard Instrument)でカウントした。PrismおよびKを使用することによりデータ解析を行い、Cheng−Prusoffの式(Cheng & Prusoff(1973)Biochem.Pharmacol.22,3099−3108)を用いることによりKを決定した。
【0081】
天然受容体機能アッセイ:SK−N−MC細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、0.1mM 非必須アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウム、100単位/mL ペニシリンおよび100μg/mL ストレプトマイシンを補足した最小必須培地(MEM)中、37℃、湿度95%および5%COで成長させた。cAMPアッセイのために、細胞を96ウエル・ポリ−D−リシン被覆プレート(Becton−Dickinson)に細胞数5×10/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に約18時間培養した。細胞をリン酸緩衝食塩液(PBS、Sigma)で洗浄し、次いで、無血清MEM中300μMのイソブチルメチルキサンチンとともに30分間、37℃でプレインキュベートした。拮抗薬を添加し、これらの細胞を10分間インキュベートした後、CGRPを添加した。さらに15分間インキュベーションを続け、次いで、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコルに従ってcAMP判定のために処理した。基底状態に対する最大刺激を100nM CGRPを用いて定義した。Prismに使用により用量応答曲線を作成した。用量比(DR)を計算し、これらを用いて完全Schildプロットを構築した(Arunlakshana & Schild(1959)Br.J.Pharmacol.14,48−58)。
【0082】
組換え受容体:Human CRLR(ゲンバンクアクセッション番号L76380)を5’NheIおよび3’PmeIフラグメントとして発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。Human RAMP1(ゲンバンクアクセッション番号AJ001014)を5’NheIおよび3’NotIフラグメントとして発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。293細胞(ヒト胚性腎細胞;ATCC #CRL−1573)を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、100単位/mL ペニシリンおよび100ug/mL ストレプトマイシンを補足した、4.5g/Lグルコース、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび2mM グルタミンを有するDMEM中で培養し、37℃、湿度95%で維持した。HBSS中0.1%EDTAを伴う0.25%トリプシンでの処理により、細胞を2次培養した。75cmフラスコの中で10ugのDNAを30ugのLipofectamine 2000(Invtrogen)でコトランスフェクトすることにより、安定な細胞株の作製を達成した。CRLRおよびRAMP1発現構築物を同量でコトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を希釈し、選択培地(成長培地+300ug/mL ヒグロマイシンおよび1ug/mL ピューロマイシン)を翌日添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を用いる単個細胞堆積により、クローン細胞株を作製した。細胞増殖のために、成長培地を150ug/mL ヒグロマイシンおよび0.5ug/mL ピューロマイシンに調整した。
【0083】
組換え受容体結合アッセイ:組換えヒトCRLR/RAMP1を発現する細胞をPBSで洗浄し、50mM HEPES、1mM EDTAおよびCompleteプロテアーゼ阻害剤(Roche)を含有する回収バッファに回収した。この細胞浮遊液を実験室用ホモジナイザーで粉砕し、48,000gで遠心分離して、膜を単離した。これらのペレットを回収バッファ+250mM スクロースに再び浮遊させ、−70℃で保管した。結合アッセイのために、10ugの膜を、10pM 125I−hCGRP(Amersham Biosciences)および拮抗薬を含有する1mL 結合バッファ(10mM HEPES(pH7.4)、5mM MgCl、および0.2%BSA)中で3時間、室温でインキュベートした。0.05%ポリエチレンイミンでブロックしておいた96ウエル・GFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)によるろ過により、アッセイを停止させた。フィルターを氷冷アッセイバッファ(10mM HEPES(pH7.4))で3回洗浄した。シンチレーション液を添加し、Topcount(Packard)でプレートをカウントした。非特異的結合を判定し、データ解析を行い、下の式にこの結合CPMデータを代入する非線形最小二乗の使用により見掛けの解離定数(K)を決定した。
【0084】
【数1】

式中、Yは、結合したCPMの実測値であり、Ymaxは、全結合数であり、Y minは、非特異的結合数であり、(Y max − Y min)は、特異的結合数であり、%I maxは、最大阻害率であり、%I minは、最小阻害率であり、放射性標識は、プローブであり、ならびにKは、Hot飽和試験により判定したときの受容体についての放射性リガンドについての見掛けの解離定数である。
【0085】
組換え受容体機能アッセイ:完全成長培地中の細胞を、96ウエル・ポリ−D−リシン被覆プレート(Corning)に、細胞数85,000/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に約19時間培養した。細胞をPBSで洗浄し、次いで、L−グルタミンおよび1g/L BSAを伴うCellgro Complete Serum−Free/Low−Protein medium(Mediatech,Inc)中、37℃、湿度95%で30分間、阻害剤とともにインキュベートした。イソブチル−メチルキサンチンを300μMの濃度で細胞に添加し、30分間、37℃でインキュベートした。ヒトα−CGRPを0.3nMの濃度で細胞に添加し、37℃で5分間、インキュベートしながら放置した。α−CGRP刺激の後、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコル(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイシステム;RPA 559;Amersham Biosciences)に従って2段階アッセイ手順を用いてcAMP判定のために処理した。用量応答曲線をプロットし、式 y=((a−d)/(1+(x/c))+d[式中、y=応答、x=用量、a=最大応答、d=最小応答、c=変曲点、およびb=傾き]により定義されるような4変数論理代入によりIC50値を決定した。
【0086】
特に、以下の実施例の化合物は、上述のアッセイにおいてCGRP受容体の拮抗薬としての活性を有し、一般に、約50μMより低いKまたはIC50値を有した。このような結果は、CGRP受容体の拮抗薬として使用する際の本化合物の固有活性を示している。
【0087】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物のこの能力が、本化合物を、ヒトおよび動物における、しかし特にヒトにおけるCGRPに関係する疾患に有用な薬物にする。
【0088】
本発明の化合物は、次の状態または疾病のうちの1つ以上の治療、予防、改善もしくは制御、または次の状態または疾病のうちの1つ以上に関するリスクの低減に有用である。頭痛;偏頭痛;群発性頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経性炎症および炎症性疼痛;神経障害性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管疾患;炎症;関節炎;気管支反応亢進、喘息;ショック;敗血症;アヘン剤禁断症候群;モルヒネ耐性;男性および女性におけるのぼせ;アレルギー性皮膚炎;乾癬;脳炎;脳の外傷;癲癇;神経変性疾患;皮膚病;神経性の皮膚の赤み、バラ色の皮膚および紅斑;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎;ならびにCGRP受容体の拮抗により治療または予防することができる他の状態。偏頭痛および群発性頭痛を含む頭痛の急性または予防的治療は、特に重要である。
【0089】
さらに、本化合物は、本明細書で述べる疾病、疾患および状態の予防、治療、制御もしくは改善方法、または前記疾病、疾患および状態のリスクの低減方法において有用である。
【0090】
さらに、本化合物は、他の薬物と併用で、上述の疾病、疾患および状態の予防、治療、制御もしくは改善方法、または上述の疾病、疾患および状態のリスクの低減方法において有用である。
【0091】
本発明の化合物は、1つ以上の他の薬物と、式Iの化合物または前記他の薬物が有用であり得る疾病もしくは状態の治療、予防、制御もしくは改善または前記疾病もしくは状態のリスクの低減の際に併用することができ、この場合、前記薬物の併用は、いずれかの薬物単独より安全またはより有効である。このような他の薬物は、これらが通常使用される経路および量で、式Iの化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。式Iの化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用するときには、このような他の薬物と式Iの化合物とを含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかし、本併用療法は、式Iの化合物と1つ以上の他の薬物を重なりのある別スケジュールで投与する治療法も包含する。1つ以上の他の活性成分と併用するとき、本発明の化合物と他の活性成分は、各々を単独で使用するときより低い用量で使用できることも考えられる。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含有するものを包含する。
【0092】
例えば、本化合物は、抗偏頭痛薬、例えばエルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン、もしくは他のセロトニン拮抗薬、特に、5−HT1B/1D作動薬(例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタンおよびリザトリプタン)、5−HT1D作動薬(例えば、PNU−142633)、および5−HT1F作動薬(例えば、LY334370);シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブもしくはパラコキシブ);非ステロイド性抗炎症薬もしくはサイトカイン抑制性抗炎症薬、例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサール、サルサレート、オルサラジンもしくはスルファサラジンなどの化合物と;またはグルココルチコイドと併用することができる。同様に、本化合物は、鎮痛薬、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、フェナセチン、フェンタニル、スフェンタニル、メタドン、アセチルメタドール、ブプレノルフィンまたはモルフィンとともに投与することができる。
【0093】
加えて、本化合物は、インターロイキン阻害剤、例えば、インターロイキン−1阻害剤;NK−1受容体拮抗薬、例えば、アプレピタント;NMDA拮抗薬;NR2B拮抗薬;ブラジキニン−1受容体拮抗薬;アデノシンA1受容体作動薬;ナトリウムチャネル遮断薬、例えばラモトリジン;アヘン剤作動薬、例えば、酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジル;リポオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、5−リポオキシゲナーゼの阻害剤;アルファ受容体拮抗薬、例えば、インドラミン;アルファ受容体作動薬;バニロイド受容体拮抗薬;レニン阻害剤;グランザイムB阻害剤;サブスタンスP拮抗薬;エンドセリン拮抗薬;ノルエピネルフィン前駆体;抗不安薬、例えば、ジアゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシドおよびクロラゼペート;セロトニン5HT受容体拮抗薬;オピオイド作動薬、例えばコデイン、ヒドロコドン、トラマドール、デキストロプロポキシフェンおよびフェブタニル;mGluR5作動薬、拮抗薬または強化薬;GABA A受容体モジュレータ、例えばアカンプロセートカルシウム;ニコチン酸性拮抗薬または作動薬(ニコチンを含む);ムスカリン性作動薬または拮抗薬;選択的セロトニン再吸収阻害剤、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムまたはシタロプラム;抗うつ薬、例えばアミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミンまたはイミプラミン;ロイコトリエン拮抗薬、例えば、モンテルカストまたはザフィルカスト;窒素酸化物の阻害剤または窒素酸化物合成の阻害剤と併用することができる。
【0094】
また、本化合物は、ギャップジャンクション阻害剤;神経性カルシウムチャネル遮断薬、例えばシバミド;AMPA/KA拮抗薬、例えばLY293558;シグマ受容体作動薬;およびビタミンB2と併用することができる。
【0095】
また、本化合物は、エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン以外のエルゴット麦角アルカロイド、例えば、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、エルゴロイドメシレート、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、α−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチンまたはメチセリジドと併用することができる。
【0096】
加えて、本化合物は、β−アドレナリン拮抗薬、例えば、チモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロールまたはナドロールなど;MAO阻害剤、例えばフェネルジン;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、フルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソリピン、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピンまたはプロクロルペラジン;神経弛緩薬、例えば、オランザピン、ドロペリドール、プロクロルペラジン、クロルプロマジンおよびケチアピン;抗痙攣薬、例えば、トピラメート、ゾニサミド、トナベルサット(tonabersat)、カラベルサット(carbersat)、レベチラセタム、ラモトリジン、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリンまたはジバプロエクス(divalproex)ナトリウム;抗高血圧薬、例えば、アンギオテンシンII拮抗薬(例えば、ロサルタン、イルべサルチン、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタンおよびカンデサルタンシレキセチル)、アンギオテンシンI拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル);またはボツリヌス毒素A型またはB型と併用することができる。
【0097】
本化合物は、増強剤、例えば、カフェイン、H2−拮抗薬、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;うっ血除去薬、例えば、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリン;鎮咳薬、例えば、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿薬;消化管運動促進薬、例えば、メトクロプラミドまたはドンペリドン;鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン薬、例えば、アクリバスチン、アザタジン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロモフェニラミン、カルビノキサミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ロラタジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミンまたはプソイドエフェドリンと併用することができる。本化合物は、制吐薬とも併用することができる。
【0098】
特に好ましい実施形態において、本化合物は、抗偏頭痛薬、例えば、エルゴタミンまたはジヒドロエルゴタミン;5−HT作動薬、とりわけ5−HT1B/1D作動薬、特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、アビトリプタンおよびリザトリプタン、ならびに他のセロトニン作動薬;およびシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、特に、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパラコキシブと併用される。
【0099】
上記併用は、本化合物と、1つの他の活性化合物ばかりでなく2つ以上の他の活性化合物との併用を包含する。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾病もしくは状態の予防、治療、制御もしくは改善または前記疾病もしくは状態のリスクの低減において使用される他の薬物と併用することができる。このような他の薬物は、これらが通常使用される経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用するときには、本発明の化合物に加えてこのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分も含有するものを包含する。
【0100】
本発明の化合物の他の活性成分に対する重量比は、変化させることができ、これは各成分の有効用量に依存する。一般に、各々の有効用量が使用される。従って、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と併用するとき、本発明の化合物の他の薬剤に対する重量比は、約1000:1から約1:1000、または約200:1から約1:200にわたる。本発明の化合物と他の活性成分の併用も、一般に、上述の範囲内であるが、各場合、各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0101】
このような併用において、本発明の化合物と他の活性薬剤は、別々に投与される場合もあり、一緒に投与される場合もある。加えて、1つの要素の投与は、他の薬剤の投与の前である場合もあり、投与と同時である場合もあり、投与の後である場合もあり、ならびに同じ投与経路による場合もあり、異なる投与経路による場合もある。
【0102】
本発明の化合物は、経口投与、非経口投与(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)、吸入スプレーによる投与、経鼻投与、経膣投与、直腸内投与、舌下投与、または局所投与経路により投与することができ、ならびに各投与経路に適する従来の非毒性で医薬的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する適切な投薬単位調合物で、単独でまたは一緒に調合することができる。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトでの使用に有効である。
【0103】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、単位剤形で適便に提供することができ、薬学技術分野では周知の任意の方法により調製することができる。すべての方法は、1つ以上の補助成分を構成する担体と活性薬剤を会合させる段階を含む。一般に、本医薬組成物は、液体担体もしくは微粉固体担体または両方と活性成分を均一、および、均質に会合させること、およびこの後、必要な場合この生成物を所望の調合物に成形することにより、調製することができる。医薬組成物には、疾病の経過または状態に対して望ましい効果を生じさせるために充分な量で活性化合物が含まれる。ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特性の成分を特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。
【0104】
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、溶液、ハードもしくはソフトカプセル、またはシロップもしくはエリキシルのような、経口使用に適する形態であり得る。経口使用するための組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野には公知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、医薬として上品で美味な製剤を提供するために甘味剤、着香剤、着色剤および保存薬から成る群より選択される1つ以上の物質を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性で医薬的に許容される賦形剤との混合物の状態で活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム)、造粒剤および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム)および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)であり得る。錠剤は、コーティングされていない場合があるか、または胃腸管での崩壊および吸収を遅らせ、これによって長期にわたる持続作用をもたらすために公知の技法によりコーティングされている場合もある。例えば、時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを利用することができる。これらを米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号および同第4,265,874号に記載されている技法によりコーティングして、制御放出のための浸透治療錠剤を形成することもできる。経口錠剤は、ファストメルト錠もしくはウェハース、急速溶解錠または急速溶解フィルムのように、即時放出用に調合することもできる。
【0105】
経口使用のための調合物は、活性成分が不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されるハードゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油性媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されるソフトゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0106】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物の状態で活性材料を含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり、分散または湿潤剤は、天然ホスファチド(例えば、レシチン)であってもよいし、脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)であってもよいし、長鎖脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)であってもよいし、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)であってもよいし、脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)であってもよい。水性懸濁液は、1つ以上の保存薬(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル)、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤、および1つ以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)も含有することがある。
【0107】
油性懸濁液は、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)または鉱物油(例えば、流動パラフィン)に活性成分を懸濁させることにより調合することができる。前記油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することがある。甘味剤(例えば、上に示したもの)および着香剤を添加して、美味な経口製剤を生じさせることができる。これらの組成物は、抗酸化物質、例えばアスコルビン酸の添加により、保存することができる。
【0108】
水の添加による水性懸濁液の調製に適する分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1つ以上の保存薬との混合物の状態の活性成分をもたらす。適する分散または湿潤剤および懸濁化剤は、例えば上で既に述べたものである。追加の賦形剤、例えば甘味剤、着香剤および着色剤が存在する場合もある。
【0109】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態である場合もある。この油相は、植物油(例えば、オリーブ油もしくは落花生油)であってもよいし、鉱物油(例えば、流動パラフィン)であってもよいし、これらの混合物であってもよい。適する乳化剤は、天然ゴム(例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然ホスファチド(例えば、大豆、レシチン)、ならびに脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、ならびにエチレンオキシドと前記部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であり得る。エマルジョンは、甘味剤および着香剤も含有することがある。
【0110】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて調合することができる。このような調合物は、粘滑薬、保存薬、着香剤および着色剤も含有することがある。
【0111】
本医薬組成物は、滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態である場合もある。この懸濁液は、上で述べた適する分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の技術に従って調合することができる。滅菌注射用製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液である場合もある。利用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張食塩液などがある。加えて、滅菌固定油が溶媒または懸濁媒体として従来利用されている。この目的には、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無菌固定油を利用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射用の製剤として使用されている。
【0112】
本発明の化合物は、薬物の直腸内投与用の坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温で固体であるが直腸内温度では液体であり、従って、直腸内で溶融してこの薬物を放出する、適する無刺激賦形剤と混合することにより、作製することができる。このような材料は、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0113】
局所使用には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などを利用する。同様に、経皮パッチも局所投与に用いることができる。
【0114】
本発明の医薬組成物および方法は、上に挙げた病的状態の治療に通常適用される、本明細書に示すような他の治療活性化合物を、さらに含むことができる。
【0115】
CGRP受容体活性に対する拮抗を必要とする状態の治療、予防、制御もしくは改善または前記状態のリスクの低減において適切な投薬レベルは、一般に、1日つき患者の体重のkg当たり約0.01から500mgである(これを1回量または複数回分の用量で投与することができる。)。適する投薬レベルは、1日につき約0.01から250mg/kg、1日につき約0.05から100mg/kg、または1日につき約0.1から50mg/kgであり得る。この範囲内で、投薬量は、1日につき0.05から0.5、0.5から5または5から50mg/kgである場合もある。経口投与のための組成物は、1.0から1000ミリグラムの活性成分、詳細には、治療する患者への投薬量を症状に基づき調整するのために1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0および1000.0ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。本化合物は、1日に1回から4回の計画で投与してもよいし、1日1回または2回投与してもよい。
【0116】
頭痛、偏頭痛、群発性頭痛もしくは本発明の化合物が指示される他の疾病を治療、予防、制御もしくは改善またはこれらのリスクを低減する際、一般に、本発明の化合物を動物の体重のキログラム当たり約0.1ミリグラムから約100ミリグラムの日用量で投与する(1日1回量として、または1日2回から6回の分割用量で、または持続放出形で与える。)と、満足な結果が得られる。最も大きな哺乳動物についての全日用量は、約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、または約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、全日用量は、一般に、約7ミリグラムから約350ミリグラムである。この薬剤投与計画は、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。
【0117】
しかし、いずれの特定の患者についてもこの具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変えることができること、およびこれが、利用される具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事および投与時間、排泄率、薬の組み合わせ、この特定の状態の重症度ならびに治療を受ける宿主を含む様々な因子に依存することは、理解される。
【0118】
本発明の化合物の幾つかの調製方法を以下の図式および実施例において説明する。出発原料は、当分野において公知の手順に従ってまたは本明細書で説明するとおり製造する。
【0119】
本発明の化合物は、容易に入手できる出発原料、試薬および従来の合成手順を用い、以下の図式および特定の実施例またはこれらの変法に従って、容易に調製することができる。これらの反応において、あまり詳細には触れていないが、これら自体、通常の当業者には公知である変形を用いることもできる。本発明において特許請求する化合物を製造するための一般手順は、以下の図式を見ることで当業者には容易に理解することができ、正しく認識することができる。中間体および最終化合物の合成は、図式1から12に記載するように行うことができる。
【0120】
反応図式
2,3−ジアミノピリジン1などのジアミノ複素環を2などのケトンで還元的にアルキル化して、モノアルキル化生成物3を得ることができる(図式1)。カルボニルジイミダゾールでの閉環により、イミダゾロン4を得る。標準条件下での最終的な脱保護により、中間体5を得る。
【0121】
【化61】

【0122】
スピロアザオキシインドール例を使用するスピロラクタム中間体の代表的な合成を図式2に示す。7−アザインドール6は、図式2に示す(トリメチルシリル)エトキシメチル基などの様々な保護基で保護することができる。MarfatおよびCarterの方法(Tetrahedron Lett.,1987,28,4027−4030)に従って、過臭化臭化水素酸ピリジンで7を処理することによりジブロモアザオキシインドール8を生じさせ、これを亜鉛との反応により対応するアザオキシインドール9に還元することができる。DMF中、炭酸セシウムを使用して、シス−1,4−ジクロロ−2−ブテンでの9のアルキル化を行って、スピロアザオキシインドール10を得る。標準条件下でのSEM保護基の除去、続く四酸化オスミウムを触媒として使用するジヒドロキシル化によって、ジオール中間体12を生じさせる。ジオールの過ヨウ素酸酸化切断、続く二重還元アミノ化(Org.Lett.,2000,26,4205−4208)により、スピロピペリジン13を得る。図式2に示す方法論は、9などのアザオキシインドールに限定されず、適切に保護された様々な複素環構造に適用して対応するスピロ化合物を得ることができる。
【0123】
【化62】

【0124】
トリアゾリノンは、図式3に従って調製することができる。例えば、4−ピペリジノン14をカルバゼートで還元的にアミノ化することができ、これにより、ヒドラゾン15の還元後、モノアルキル化生成物16を得る。脱保護してヒドラジン17を得、18などのカルバミン酸ベンゾチオイルを用いて縮合/閉環することにより、トリアゾリノン19を得る。標準条件下での最終的な脱保護により、生成物20を得る。
【0125】
【化63】

【0126】
中間体26は、図式4に図示するTakaiらにより説明された一般的な方法(Chem.Pharm.Bull.1985,33,1116−1128)に従って、調製することができる。
【0127】
【化64】

【0128】
類似の合成戦略を用いて、図式5に示す式34の関連ベンゾジアゼピノンを構成することができる。出発アルコール27は、市販されており、または当業者には公知の手順に従って調製することができる。標準条件、例えばトリフェニルホスフィンおよび臭素、を用いてアルコール27をハロゲン化物に転化させて、臭化物28を調製することができる。このハロゲン化物をアジド求核試薬で置換し、このアジド29を標準条件下で還元して、第一アミン30を得る。このアミンを、適切に保護された4−ピペリジノンで還元的にアルキル化して、化合物31を得ることができる。様々な条件を用いてこのニトロ基の還元を容易に遂行し、ならびにカルボニルジイミダゾールを用いて後続の環化を達成して、環状尿素33を得ることができる。その後、脱保護によりアミン34を遊離させる。
【0129】
【化65】

【0130】
キノリン39は、2−クロロキノリンおよびリチウムジイソプロピルアミドから誘導されるアニオンとピペリドン36との反応により調製することができる(図式6)。塩酸水溶液を用いて、第三アルコールの除去とクロロキノリンの加水分解を同時に遂行する。接触水素化によりこのピペリジンN−ベンジル保護基を除去することによって、前の段階で形成されたオレフィンも還元し、この結果、アミン39を得る。
【0131】
【化66】

【0132】
スピロピリドベンズオキサジノンの合成は、図式7に従って遂行することができる。2−アミノ−6−クロロピリジン40は、ヘキサメチルジシラジドおよび二炭酸ジ−t−ブチルの作用のもとでこのBoc誘導体として保護することができる。Daviesの条件(Tetrahedron Lett.,2004,45,1721−1724)下でのオルトメタレーション、および結果として生じるアニオンのN−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジノンへの付加により、インサイチュー環化後、生成物43を得る。標準的な水素化分解条件下での最終的な脱保護および脱塩素により、中間体44を得る。
【0133】
【化67】

【0134】
図式8では、4−ケトピペリジン42のWittig反応により、α,β−不飽和エステル45を得る。得られた生成物は、塩基性条件下で、このβ,γ−不飽和エステル46に異性体化することができる(Tetrahedron Lett.,2004,4401−4404)。トリメチルアルミニウムにより媒介される2−アミノ−3−ブロモピリジンでのアミド化、塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルでのその後のアミドアルキル化により、生成物48を得る。パラジウムにより媒介される重要なスピロ環化は、Heck反応のFu修飾(J.Amer,Chem.Soc.,2001,6989−7000)によって行うことができる。標準条件下で二重結合還元と同時に二段階脱保護を行うことにより、所望のスピロナフチリジノン50を得る。
【0135】
【化68】

【0136】
アミノ−ピリジノンは、図式9に概要を示すとおり調製する。市販のヒドロキシピリジン51を、様々な求電子試薬と炭酸セシウムを使用して、選択的にN−アルキル化することができる。塩化スズ(II)でのニトロ基の還元により、第一アミン53を得る。アミンの活性化(この場合はクロロギ酸p−ニトロフェニルでのアミノ化)および望ましい置換ピペリジンとのカップリングにより尿素の形成を遂行して、54を得ることができる。種々のアリール、ヘテロアリールおよびアルキル基とのパラジウム媒介交差カップリングにより、置換ピリジノン55を得る。
【0137】
【化69】

【0138】
アセチル連結ピリジノンは、図10に示すとおり調製する。市販の3−メチル−2−ピリジノンを、様々な求電子試薬と炭酸セシウムを使用して、選択的にN−アルキル化することができる。光が無い状態でのNBSでの処理により、モノブロモピリジン58を生じさせる。AIBNの存在下でのNBSでのさらなる処理により、二臭素化生成物59を得る。シアン化ナトリウムでの還元、その後の酸水解の後、標準条件下で酸61を様々な置換ピペリジンと結合させて、アミド62を得る。種々のアリール、ヘテロアリールおよびアルキル基とのパラジウム媒介交差カップリングにより、置換ピリジノン63を得る。
【0139】
【化70】

【0140】
ピラジノンは、図式11に示すとおり調製する。塩化アシル64にトリフルオロエチルアミンとアミノアルコール66を逐次的に付加させてジアミン67を得た後、デス・マーチン・ペルヨージナン試薬で酸化および環化を遂行する。酸を触媒とするアルコール68の消去、オキシ臭化リン(III)でのその後の処理により、ブロモピラジノン70を生じさせる。ベンジルアミンでの臭化物の置換、その後の脱保護により、アミン72を得、これを標準条件下でピペリジン5と結合させて、ピラジノン73を得ることができる。
【0141】
【化71】

【0142】
中間体および実施例
以下の実施例は、本発明をさらに充分に理解することができるように提供するものである。これらの実施例は、単に実例となるものであり、いかなる点においても本発明を限定すると解釈すべきでない。
【0143】
【化72】

【0144】
二塩酸2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
【0145】
段階A. 2−アミノ−3−[(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(14.5g、68.7mmol)を、室温でジクロロエタン(75mL)中の2,3−ジアミノピリジン(5.00g、45.8mmol)およびN−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリドン(9.58g、48.1mmol)の溶液に添加した。5時間後、追加のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.8g)を添加し、さらに2.5時間後に再び添加した。この反応物を一晩攪拌し、5%水酸化ナトリウム水溶液で反応を停止させた。これを塩化メチレンで抽出し、5%水酸化ナトリウム水溶液、水および塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、この溶液を濾過し、蒸発させて、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中3から5%メタノールの濃度勾配溶出)により精製することによって、表題化合物を得た(4.44g)。MS293(M+1) H NMR(500MHz,CDOD)δ 7.32(dd,J=5,1Hz,1H)、6.85(dd,J=8,1Hz,IH)、6.59(dd,J=8,5Hz,1H)、4.04(d,J=13Hz,2H)、3.46(m,1H)、2.98(br s,2H)、2.01(dd,J=12,2Hz,2H)、1.46(s,9H)、1.37(qd,J=12,4Hz,2H)。
【0146】
段階B. 2−オキソ−1−(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
カルボニルジイミダゾール(0.70g、4.33mmol)を、室温でアセトニトリル(150mL)中の2−アミノ−3−[(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)アミノ]ピリジン(1.15g、3.93mmol)の溶液に添加した。数時間後、追加量のカルボニルジイミダゾール(0.81g)を添加し、この反応物を一晩攪拌した。このアセトニトリルを真空下で蒸発させ、残留物を水とクロロホルムとで分配し、有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中1.2から2.5%メタノールの濃度勾配溶出)により精製することによって、表題化合物を得た(1.09g)。H NMR(500MHz,CDCI)δ 9.39(br s,1H)、8.04(dd,J=5,1Hz,1H)、7.33(dd,J=8,1Hz,1H)、6.99(dd,J=8,5Hz,1H)、4.50(m,1H)、4.32(br s,2H)、2.86(br s,2H)、2.20(m,2H)、1.86(d,J=12Hz,2H)、1.50(s,9H)。
【0147】
中間体C. 二塩酸2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
2−オキソ−1−(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(1.03g、3.23mmol)をメタノール(25mL)に溶解し、エーテル中2Nのエン酸の溶液(8mL)を室温で添加した。2時間後、真空下で揮発成分を除去して、表題化合物を得た(0.92g)。MS219(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ 8.01(dd,J=6,1Hz,1H)、7.83(d,J=8Hz,1H)、7.28(dd,J=8,6Hz,1H)、4.60(m,1H)、3.59(d,J=12Hz,2H)、3.21(t,J=12Hz,2H)、2.70(dq,J=13,4Hz,2H)、2.12(d,J=13Hz,2H)。
【0148】
【化73】

【0149】
塩化4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル
ホスゲン(トルエン中20重量%;1.8mL、3.43mmol)を、0℃でジクロロメタン(5mL)中の二塩化−2−オキソ−1−ピペリジニウム−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−4−イウム(100mg、0.343mmol)および2,6−ルチジン(0.50mL、4.293mmol)の懸濁液に添加した。2時間後、この溶液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液に添加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水(2×)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。ジクロロメタン(10mL)を添加し、この混合物を濾過して、表題化合物を固体として得た(48mg)。MS281(M+1)。H NMR(500MHz,(CDSO)δ 11.58(s,1H)、7.90(d,J=5.1Hz,1H)、7.67(d,J=7.6Hz,1H)、7.01−6.99(m,1H)、4.52−4.46(m,1H)、4.31−4.23(m,2H)、3.38−3.33(m,1H)、3.19−3.14(m,1H)、2.32−2.24(m,2H)、1.84−1.81(m,2H)。
【0150】
【化74】

【0151】
塩酸7−ピペリジン−4−イル−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【0152】
段階A. 4−アミノ−5−[(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリミジン
ジクロロメタン(60mL)中の4,5−ジアミノピリミジン(1.0g、9.1mmol)とN−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリドン(3.0g、15mmol)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.2g、5.6mmol)との混合物を室温で3日間攪拌した。この反応物をクロロホルム(200mL)と3Nの水酸化ナトリウム(30mL)とで分配した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、有機相を濃縮して、表題化合物を黄褐色のゴムとして得た。MS294(M+1)
【0153】
段階B. 7−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−4,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
段階Aからの粗生成物、4−アミノ−5−[(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリミジン、を2日間、テトラヒドロフラン(250mL)中、カルボニルジイミダゾール(3.0g、18mmol)とともに還流させ、冷却し、濃縮した。この粗生成物を酢酸エチル(25から50mL)に溶解し、4収量で、表題化合物を白色の結晶質固体として得た(1.3g)。MS320(M+1)
【0154】
段階C. 塩酸7−ピペリジン−4−イル−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
ジオキサン(50mL)中4Nの塩化水素中の7−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン(1.2g、3.7mmol)の混合物を室温で3時間、激しく攪拌した。この反応物を真空下で濃縮して、表題化合物を白色の固体として得た。MS220(M+1)
【0155】
【化75】

【0156】
4−フルオロ−2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
【0157】
段階A. N−(5−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド
ジクロロメタン(30mL)中の2−アミノ−5−フルオロピリジン(1.00g、8.92mmol)およびトリエチルアミン(1.35g、13.4mmol)の0℃溶液に、塩化トリメチルアセチル(1.29g、10.7mmol)およびDMAP(0.11g、0.89mmol)を添加した。この溶液を放置して室温に温めた。4時間後、NaHCO飽和水溶液を添加し、層を分離し、水性相をDCMで逆洗した。併せた有機部分を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(5%→40%EtOAc/ヘキサン)により精製して、表題化合物を得た(1.34g)。MS197.3(M+1)。
【0158】
段階B. N−(3−アジド−5−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド
テトラヒドロフラン(25mL)中のN−(5−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(1.34g、6.83mmol)の−78℃溶液に、t−ブチルリチウム(1.31mLの1.7M溶液、20.5mmol)を1滴ずつ添加した。−78℃で3時間後、アジ化4−ドデシルベンゼンスルホニル(3.60g、10.2mmol)を添加し、反応物を放置して室温に温めた。1時間後、NHCl飽和水溶液を添加し、テトラヒドロフランを回転蒸発により除去した。ジクロロメタンを添加し、層を分離し、水性相をDCMで逆洗した。併せた有機部分を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物を2回の逐次的シリカゲルクロマトグラフィー(10%→80%EtOAc/ヘキサン、その後、5%→42%EtOAc/ヘキサン)により精製して、表題化合物を得た(0.275g)。MS234.0(M+1)。
【0159】
段階C. 3−アジド−5−フルオロピリジン−2−アミン
3NのHCl(5mL)中のN−(3−アジド−5−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(275mg、1.16mmol)を100℃に加熱した。2時間後、真空下で揮発成分を除去して、表題化合物をこのHCl塩として得た(180mg)。MS154.2(M+1)。
【0160】
段階D. 5−フルオロピリジン−2,3−ジアミン
3−アジド−5−フルオロピリジン−2−アミンのHCl塩(1.90g、10.0mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、MP−Carbonate(Argonaut、11.5g)で処理した。1時間後、この混合物を濾過し、さらなるテトラヒドロフランですすぎ、濃縮した。この残留物をエタノール(50mL)に溶解し、アルゴンでパージし、炭素担持10%パラジウム(0.15g)を添加した。水素(1気圧)を導入し、反応が完了するまでこの反応物を攪拌した。触媒を濾過し、濾液から溶媒を蒸発させて、表題化合物を得た(1.18g)。MS128.0(M+1)
【0161】
段階E. 4−[(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.95g、13.9mmol)を、室温で1,2−ジクロロエタン(20mL)中の5−フルオロピリジン−2,3−ジアミン(1.18g、9.28mmol)、酢酸(0.56g、9.28mmol)およびI−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリドン(1.85g、9.28mmol)の溶液に添加した。1時間後、水(20mL)で反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、この溶液を濾過し、蒸発させて、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(シリカゲル、5%→15%MeOH/DCM;その後、C−18、95%水/アセトニトリル→5%水/(アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸))により精製して、表題化合物を得た(0.73g)。MS311.2(M+1)。
【0162】
段階F. 4−(6−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
カルボニルジイミダゾール(1.53g、9.41mmol)を、室温でアセトニトリル(10mL)中の4−[(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(0.73g、2.35mmol)の溶液に添加した。この反応物を、すべての出発原料が消費されるまで(約2時間)攪拌し、その後、真空下で溶媒を蒸発させた。この残留物を水で稀釈し、ジクロロメタンで抽出し(3×)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後、濃縮した。この粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中1%から10%メタノールの濃度勾配溶出)により精製することによって、表題化合物を得た(0.309g)。MS337.2(M+1)。
【0163】
段階G. 4−フルオロ−2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
4−(6−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(340mg、1.01mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL)を添加した。2時間後、この反応物を濃縮し、ジクロロメタン(5mL)で稀釈し、1,4−ジオキサン中1Nの塩酸の溶液(2mL)を室温で添加した。濃縮により表題化合物を得た(302mg)。MS237.2(M+1) H NMR(500MHz,CDOD)δ 7.92(br s,1H)、7.70(dd,1H)、4.60(m,1H)、3.60(s,2H)、3.25(dd,2H)、2.70(m,2H)、2.10(d,2H)。
【0164】
【化76】

【0165】
塩酸3−(4−ピペリジニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2(1H)−オン
この表題化合物は、H.TakaiらがChem.Pharm.Bulletin 1985,33(3)1116−1128において説明した手順に従って調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 9.31(s,1H)、8.79(br s,1H)、8.58(br s,1H)、7.13(t,J=8Hz,2H)、6.88(t,J=8Hz,1H)、6.77(d,J=8Hz,1H)、4.37(tt,J=12,4 Hz,1H)、4.29(s,2H)、3.00(q,J=11Hz,2H)、2.06(dq,J=4,12Hz,2H)、1.73(d,J=12Hz,2H)。
【0166】
【化77】

【0167】
塩酸5−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【0168】
段階A. 4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
エタノール(250mL)中の1−[(9H−フルオレン−9−イル)メチルオキシカルボニル]−4−ピペリドン(16.0g、50.0mmol)およびカルバジン酸t−ブチル(7.25g、55.5mmol)の溶液を1時間還流させた。この溶液を冷却し、濃縮した。エーテル(100mL)の添加により、表題化合物を白色の沈殿として生じさせた(21.0g)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.77(d,J=7Hz,2H)、7.57(d,J=7Hz,2H)、7.40(t,J=7Hz,2H)、7.32(t,J=7Hz,2H)、4.50(br s,2H)、4.24(t,J=6 Hz,1H)、3.4−3.7(br m,4H)、2.47(br s,2H)、2.2− 2.1(br m,2H)、1.56(s,9H)。
【0169】
段階B. 4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
酢酸(150mL)中の4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(10.0g、22.9mmol)の溶液をParr装置で2時間、45psiの水素下で酸化白金(1.0g)とともに振盪させた。この溶液を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。
【0170】
段階C. 4−ヒドラジノピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(20g、45.7mmol)の溶液をトリフルオロ酢酸(100mL)に溶解し、室温で1.5時間攪拌した。この反応物を濃縮し、残留物をメタノールに溶解し、逆相HPLCにより精製した。純粋な画分を単離し、併せて、表題化合物のトリフルオロ酢酸塩を得た(3.01g)。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 7.89(d,J=8Hz,2H)、7.61(d,J=8Hz,2H)、7.40(t,J=8Hz,2H)、7.32(t,J=8Hz,2H)、4.33(d,J=6Hz,2H)、4.25(t,J=6Hz,1H)、4.0−3.5(br s,6H)、3.05(br s,1H)、2.80(br s,2H)、1.89(br s,2H)、1.2(br s,2H)。
【0171】
段階D. 4−(5−オキソ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
4−ヒドラジノピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル・トリフルオロ酢酸塩(2.95g、6.54mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(30mL)とジイソプロピルエチルアミン(1.25mL、7.1mmol)の中で、エチルN−ベンゾチオイルカルバメート(1.50g、7.1mmol)(E.P.Papadopoulus,J.Org.Chem.,1976,41(6)962−965の手順により調製したもの)とともに2時間還流させた。この反応物を冷却し、濃縮し、その後、加熱しながらアセトニトリルに溶解した。冷却すると白色の固体が結晶化し、これによって表題化合物を得た(2.06g)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.80(d,J=7Hz,2H)、7.77(d,J=7Hz,2H)、7.61(d,J=7Hz,2H)、7.48(m,3H)、7.40(t,J=7Hz,2H)、7.33(t,J=7Hz,2H)、4.46(d,J=6Hz,2H)、4.36(m,2H)、4.27(t,J=6Hz,1H)、4.26(br s,1H)、3.02(br s,2H)、2.04(br s,2H)、1.94(br m,2H)。
【0172】
段階E. 塩酸5−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
テトラヒドロフラン(15mL)中の4−(5−オキソ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(2.06g、4.41mmol)およびジエチルアミン(15mL)の溶液を室温で2時間攪拌した。この反応物を濃縮し、この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中0から10%{5%水酸化アンモニウム/メタノール}の濃度勾配溶出)により精製することによって、表題化合物を白色の固体として得た(0.95g)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.84(d,J=7Hz,2H)、7.47(m,3H)、4.30(m,1H)、3.25(d,J=13Hz,2H)、2.79(t,J=13Hz,2H)、2.04(d,J=4,12Hz,2H)、1.93(br d,J=10Hz,2H)。
【0173】
【化78】

【0174】
塩酸3−(4−ピペリジニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−1,3−ベンゾジアザピン−2−オン
【0175】
段階A. 2−(2−ブロモエチル)ニトロベンゼン
トリフェニルホスフィン(39.2g、0.150mol)および四臭化炭素(49.5g、0.150mol)を、0℃で塩化メチレン(400mL)中の2−(2−ヒドロキシエチル)−ニトロベンゼン(25.0g、0.150mol)の溶液に、順次添加した。この反応物を一晩攪拌し、重炭酸ナトリウム飽和溶液で反応を停止させた。塩化メチレン相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この粗生成物を酢酸エチルで処理し、沈殿した酸化トリフェニルホスフィンをろ過により除去した。(シリカゲル、ヘキサン中0から10%酢酸エチルの濃度勾配溶出)によるフラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製によって、表題化合物を生じさせた(27.9g)。
【0176】
段階B. 2−(2−アジドエチル)ニトロベンゼン
水(60mL)中のアジ化ナトリウム(22.8g、0.351mol)を、アセトニトリル(120mL)中の2−(2−ブロモエチル)−ニトロベンゼン(27.9g、0.121mol)の溶液に添加した。この反応物を4時間還流させ、冷却し、塩化メチレンと水とで分配した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。表題化合物を油として得た(22.8g)。
【0177】
段階C. 2−(2−アミノエチル)ニトロベンゼン
トリフェニルホスフィン(31.1g、0.118mol)および炭酸セシウム(50mg、0.5mmol)を、ベンゼン(500mL)中の2−(2−アジドエチル)ニトロベンゼン(22.8g、0.118mol)の溶液に添加した。反応が完了するまで室温でこの反応物を攪拌した。真空下で溶媒を除去し、残留物を100℃で1時間、酢酸(100mL)および48%臭化水素で処理した。この反応物を冷却し、濃縮した。水を添加し、この溶液を塩化メチレンで抽出した。水層を5%水酸化ナトリウム水溶液の添加により塩基性にし、その後、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。表題化合物を油として得た(8.0g)。MS167(M+1)。
【0178】
段階D. 4−{[2−(2−ニトロフェニル)エチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
メタノール(100mL)中の2−(2−アミノエチル)ニトロベンゼン(8.00g、48.1mmol)および1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリジノン(9.59g、48.1mmol)の溶液を、酢酸の添加によりpH5にした。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(4.53g、72.2mmol)を添加し、この反応物を3時間攪拌した。真空下でメタノールを除去し、残留物を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム飽和溶液とで分配した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。表題化合物を油として得た(19.27g)。MS350(M+1)。
【0179】
段階E. 4−{[2−(2−アミノフェニル)エチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
4−{[2−(2−ニトロフェニル)エチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルおよび炭素担持10%パラジウム(1.9g)をエタノール(250mL)中、1気圧の水素のもとで一晩攪拌した。この溶液から触媒を濾過し、真空下で溶媒を除去して、表題化合物を得た(17.2g)。MS320(M+1)
【0180】
段階F. 3−(1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリジニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−1,3−ベンゾジアザピン−2−オン
カルボニルジイミダゾール(8.73g、53.8mmol)を、ジエチルホルムアミド(200mL)中の4−{[2−(2−アミノフェニル)エチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(17.2g、53.8mmol)の溶液に添加した。この反応物を酢酸エチルで稀釈し、水で抽出し、その後、飽和ブラインで抽出した。この粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中0から30%酢酸エチルの濃度勾配溶出)により精製した。表題化合物を暗色の固体として得た(4.8g)。
【0181】
段階G. 塩酸3−(4−ピペリジニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−1,3−ベンゾジアザピン−2−オン
酢酸エチル(300mL)中の3−(1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリジニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−1,3−ベンゾジアザピン−2−オン(4.80g、13.9mmol)の溶液を0℃で塩化水素ガスで飽和させた。この反応物を放置して室温に温め、一晩攪拌した。固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。第二の収量のために酢酸エチル濾液を濃縮した。表題化合物を固体として得た(2.94g)。MS246(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ 7.10(m,2H)、6.94(d,J=8Hz,1H)、6.91(t,J=8Hz,1H)、4.35(tt,J=10,1Hz,1H)、3.52(m,4H)、3.12(t,J=12Hz,2H)、3.05(m,2H)、2.07(qd,J=12,4Hz,2H)、1.99(m,2H)。
【0182】
【化79】

【0183】
3−(4−ピペリジニル)キノリン−2−(1H)−オン
【0184】
段階A. 3−(1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−4−イル)−2−クロロキノリン
ヘキサン中のn−ブチルリチウムの溶液(1.6M、38.2mL、61.1mmol)を、アルゴン下、−78℃でテトラヒドロフラン(140mL)中のジイソプロピルアミン(8.6mL、61.1mmol)の溶液に添加した。1時間後、テトラヒドロフラン(30mL)中の2−クロロキノリン(10.00g、61.1mol)の溶液を注射器により添加した。1時間後、1−ベンジル−4−ピペリジノンの溶液(11.3mL、61.1mmol)を添加し、この反応物をさらに40分間、−78℃で攪拌し、その後、放置して室温に温めた。この反応物を−20℃に冷却し、水で反応を停止させた。この反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。クロマトグラフィー精製(シリカゲル、塩化メチレン中0から10%{5%水酸化アンモニウム/メタノール}の濃度勾配溶出)により、表題化合物、11.3gを得た。MS353(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.33(s,1H)、8.00(d,J=8Hz,1H)、7.82(d,J=8Hz,1H)、7.72(dt,J=1,10Hz,1H)、7.57(dt,J=1,8Hz,1H)、7.39−7.26(m,5H)、3.61(s,2H)、2.85(d,J=11Hz,2H)、2.59(t,J=12Hz,2H)、2.48(dt,J=4,13Hz,2H)、2.13(d,J=12Hz,2H)。
【0185】
段階B. 3−(1−ベンジル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)キノリン−2−(1H)−オン
3−(1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−4−イル)−2−クロロキノリン(11.0g、31.1mmol)を6Nの塩酸中で8時間還流させた。この溶液を冷却し、水(100mL)を添加した。沈殿した固体を回収し、乾燥させて、表題化合物、7.9gを得た。MS317(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ 7.97(s,1H)、7.70(d,J=7Hz,1H)、7.60(m,2H)、7.55(m,4H)、7.35(d,J=9Hz,1H)、7.27(t,J=8Hz,1H)、6.50(m,1H)、4.49(ABq,J=13Hz,Δv=16Hz,2H)、3.92(m,2H)、3.76(dt,J=12,4Hz,1H)、3.40(m,1H)、2.96(m,2H)。
【0186】
段階C. 3−(4−ピペリジニル)キノリン−2−(1H)−オン
メタノール(500mL)中の3−(1−ベンジル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)キノリン−2−(1H)−オン(4.00g、12.6mmol)の溶液をアルゴンで脱気し、炭素担持10%パラジウム(1.2g)を添加した。この反応物を1気圧の水素下に置き、5.5時間、50℃に加熱した。この反応物を冷却し、セライトに通して濾過した。濃縮により、表題化合物、2.7gを得た。MS229(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ 7.80(s,1H)、7.67(d,J=8Hz,1H)、7.51(t,J=8Hz,1H)、7.33(d,J=8Hz,1H)、7.25(t,J=8Hz,1H)、3.52(t,J=12Hz,2H)、3.17(dt,J=3,13Hz,2H)、3.15(m,δ3.17ピークとオーバーラップ,1H)、2.18(d,J=14Hz,2H)、1.91(dq,J=3,12Hz,2H)。
【0187】
【化80】

【0188】
1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2,4−ジオン
【0189】
段階A. 4−[(2−エトキシ−2−オキソエチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(189mg、3.01mmol)を、メタノール(12.5mL)中の1−boc−4−ピペリドン(500mg、2.51mmol)およびグリシンエチルエステル塩酸塩(350mg、2.51mmol)の溶液に添加した。16時間後、この混合物を塩化アンモニウム飽和溶液で反応停止させ、濃縮し、ジクロロメタンと重炭酸ナトリウム飽和溶液とで分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/5%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、表題化合物を得た(600mg)。
【0190】
段階B. 4−(2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
シアン化カリウム(31mg、0.384mmol)を、水(2mL)中の4−[(2−エトキシ−2−オキソエチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(100mg、0.384mmol)の溶液に添加した。その後、酢酸を添加して反応のpHを4から5に調整し、この混合物を40℃で加熱した。16時間後、この反応物を周囲温度に冷却し、逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→5%水/(アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸))により精製して、表題化合物を得た(33mg)。
【0191】
段階C. 1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2,4−ジオン
トリフルオロ酢酸(0.300mL)を、ジクロロメタン(1mL)中の4−(2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(32mg、0.113mmol)の溶液に添加した。4時間後、この反応物を濃縮して、表題化合物を得た。MS184.04(M+1)。
【0192】
【化81】

【0193】
塩酸4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
塩酸4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンは、US6,344,449 B1に記載されている手順に従って調製した。
【0194】
【化82】

【0195】
二塩酸スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
【0196】
段階A. 1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物;16.2g、0.404mol)を、0℃でDMF(200mL)中の7−アザインドール(39.8g、0.337mol)の溶液に25分かけて少しずつ添加し、この混合物を1時間攪拌した。その後、塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(71.8mL、0.404mol)を、反応混合物の温度を10℃未満に維持しながら、15分かけてゆっくりと添加した。1時間後、HO(500mL)で反応を停止させ、この混合物をCHCl(5×300mL)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて、表題化合物を得た。MS:m/z=249(M+1)。
【0197】
段階B. 3,3−ジブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
ジオキサン(300mL)中の段階Aからの1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(43.1g、0.174mol)の溶液を、ジオキサン(300mL)中の過臭化臭化水素酸ピリジン(277g、0.868mol)の懸濁液に、30分かけて1滴ずつ添加した。オーバーヘッド攪拌機を使用してこの反応物を周囲温度で攪拌した。60分後、この二相反応混合物をHO(300mL)で反応停止させ、EtOAcで抽出した。水層をEtOAc(2×300mL)で洗浄し、併せた有機層をHO(4×300mL;最終洗液は、pH5から6であった)で洗浄し、次にブラインで洗浄し、その後、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。この粗生成物を直ちにCHClに溶解し、この溶液を、シリカのプラグにより、暗赤色がこのプラグから完全に溶出してしまうまでCHClで溶出しながら濾過した。濾液をNaHCO飽和水溶液(400mL)で洗浄し、次にブライン(400mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=423(M+1)。
【0198】
段階C. 1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
亜鉛(100g、1.54mol)を、THF(880mL)および塩化アンモニウム飽和水溶液(220mL)中の段階Bからの3,3−ジブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(65g、0.154mol)の溶液に添加した。3時間後、この反応物を濾過し、真空下で濃縮した。残留物をEtOAcとHOとで分配し、この結果、白色の沈殿が形成した。両方の層をCeliteパッドに通して濾過し、層を分離した。水層をEtOAc(2×)で洗浄し、併せた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗生成物を、CHCl:EtOAc−90:10で溶出しながらシリカゲルのプラグに通して濾過し、溶出物を減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=265(M+1)。
【0199】
段階D. スピロ[シクロペント−3−エン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
DMF(175mL)中のシス−1,4−ジクロロ−2−ブテン(1.98g、15.8mmol)および1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(3.49g、13.2mmol)の溶液に、炭酸セシウム(10.7g、32.9mmol)を添加した。24時間後、この反応混合物をEtO(200mL)とHO(200mL)とで分配した。水層をEtO(2×200mL)でさらに抽出した。併せた有機層をHO(2×100mL)で洗浄し、次にブライン(100mL)で洗浄し、その後、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン(150mL)中のこの物質の溶液にトリフルオロ酢酸(150mL)を添加した。1時間後、この反応物を濃縮し、EtOH(150mL)に溶解し、2NのHCl(150mL)を添加した。この混合物を45℃で48時間加熱した。混合物を濃縮し、NaHCO飽和水溶液で稀釈し、ジクロロメタンで抽出した(2×)。併せた有機層を乾燥させ、濃縮した。0から5%メタノール:ジクロロメタンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た(0.62g)。MS:m/z=187.1(M+1)。
【0200】
段階E. 3,4−ジヒドロスピロ[シクロペンタン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
ジクロロメタン(115mL)中のトリメチルアミン−N−オキシド・二水和物(408mg、3.67mmol)とスピロ[シクロペント−3−エン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(622mg、3.34mmol)の混合物に、四酸化オスミウム(2−メチル−2−プロパノール中2.5%の溶液25uL)を添加した。24時間後、この反応混合物を濃縮した。この粗生成物を最小量のメタノールでシリカゲルクロマトグラフィーカラムに負荷し、5から20%メタノール:ジクロロメタンの勾配で溶出して、表題化合物を得た(0.63g)。MS:m/z=221.0(M+1)。
【0201】
段階F. 2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−カルボン酸t−ブチル
3:1のエタノール:水(160mL)中の3,4−ジヒドロスピロ[シクロペンタン−1,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(640mg、2.91mmol)の混合物に、過ヨウ素酸ナトリウム(622mg、2.91mmol)を添加した。出発原料が消費され次第、水酸化アンモニウム(50mL)をこの反応混合物にゆっくりと添加した。水酸化パラジウム(200mg、20%)を添加し、この反応物を50psiで水素化した。24時間後、200mgの水酸化パラジウムを添加し、水素化をさらに24時間継続した。この反応混合物をセライトに通して濾過し、濃縮した。この物質をDMF(10mL)に溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル(635mg、2.91mmol)を添加し、その後、トリエチルアミン(0.811mL、5.82mmol)を添加した。24時間後、この反応物をNaHCO飽和水溶液で稀釈し、エーテルで抽出した(3×)。併せた有機層を水で洗浄し(3×)、乾燥させ、濃縮した。0から10%メタノール:ジクロロメタンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た(489mg)。MS:m/z=304.1(M+1)。
【0202】
段階G. 塩酸スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−カルボン酸t−ブチル(451mg、1.49mmol)を酢酸エチル(3mL)に溶解し、ジオキサン中4Nの塩酸の溶液(7.5mmol)を室温で添加した。24時間後、真空下で揮発成分を除去して、表題化合物を得た(404mg)。MS204.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ 8.31(d,J=7.1Hz,1H)、8.20(d,J=6.1Hz,1H)、7.45(dd,J=6.8,6.8Hz,1H)、3.74(brdd,2H)、3.47(brdd,2H)、2.35(brddd,2H)、2.21(brd,2H)。
【0203】
【化83】

【0204】
スピロ[ピペリジン−4,4’−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン]−2’(1’H)−オン
【0205】
段階A. (6−クロロピリジン−2−イル)カルバミン酸t−ブチル
THF(35mL)中の2−アミノ−6−クロロピリジン(5.24g、40.8mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシラジド(1.0M、89.8mL、89.8mmol)の溶液に、THF(35mL)中の二炭酸ジ−t−ブチル(9.80g、44.9mmol)の溶液を添加した。24時間後、この混合物を濃縮し、残留物をEtOAc(30mL)と1NのHCl(100mL)とで分配した。水層をEtOAcでさらに抽出した(2×)。併せた有機層をNaHCOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、20から100%ジクロロメタン:ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た(7.73g)。MS:m/z=173.0(M−Bu)。
【0206】
段階B. 7’−クロロ−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,4’−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン]−1−カルボン酸ベンジル
THF(1mL)中のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.335g、2.89mmol)の−20℃溶液に、n−ブチルリチウム(2.5M、1.15mL、2.89mmol)を10分かけて添加した。30分後、この混合物を−78℃に冷却し、THF(0.8mL)中の(6−クロロピリジン−2−イル)カルバミン酸t−ブチル(0.300g、1.31mmol)を15分かけて添加した。1時間後、この反応物を−50℃に温め、2時間攪拌し、その後、THF(1mL)中のN−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジノン(0.459g、1.97mmol)を10分かけて添加した。この反応物を放置して周囲温度に温め、その後24時間攪拌した。NaHCO飽和水溶液を添加し、この混合物をEtOAcで抽出した(3×)。併せた有機層をHO、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、25から50%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た(0.160g)。MS:m/z=338.0(M+1)。
【0207】
段階C. スピロ[ピペリジン−4,4’−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン]−2’(1’H)−オン
炭素担持10%パラジウム(300mg)を、EtOH(250mL)中の7’−クロロ−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,4’−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン]−1−カルボン酸ベンジル(1.85g、1.77mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3×)、その後、水素(1気圧)を詰め戻した。24時間後、この混合物をセライトに通して濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(1.07g)。MS220.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ 8.26(dd,J=1.7,5.0Hz,1H)、7.69(dd,J=1.6,7.7Hz,1H)、7.16(dd,J=5.0,7.7Hz,1H)、3.49−3.42(m,4H)、2.38−2.25(m,4H)。
【0208】
【化84】

【0209】
1H−スピロ[1,8−ナフチリジン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−オン
【0210】
段階A. 4−(2−メトキシ−2−オキソエチリデン)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
ベンゼン(100mL)中のN−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジノン(5.0g、21.4mol)および(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチル(10.0g、30.0mmol)の溶液を75℃で48時間加熱した。この反応物を濃縮し、エーテルで稀釈し、沈殿を濾過して除去し、すすいだ液を濃縮した。20から60%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た(5.25g)。MS:m/z=290.1(M+1)。
【0211】
段階B. 4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル
DMF(120mL)中の4−(2−メトキシ−2−オキソエチリデン)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(5.25g、18.1mol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(2.71mL、18.1mol)の溶液を、室温で攪拌した。3日後、この反応物を水で稀釈し、エーテルで抽出した(4×)。有機洗液を併せ、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。5から30%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た(2.44g)。MS:m/z=290.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.30−7.25(m,5H)、5.5(brs,1H)、5.2(s,2H)、4.0(brs,2H)、3.7(s,3H)、3.6(brs,2H)、3.0(s,2H)、2.2(brs,2H)。
【0212】
段階C. 4−{2−[(3−ブロモピリジン−2−イル)アミノ]−2−オキソエチル}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル
トリメチルアルミニウム(2.0M、2.05mL、4.10mol)を、1,2−ジクロロエタン(15mL)中の4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(0.79g、2.73mol)および2−アミノ−3−ブロモピリジン(0.520g、3.00mmol)の0℃溶液にゆっくりと添加した。30分後、この反応物を48時間、55℃に加熱した。重炭酸ナトリウム飽和水溶液を注意深く添加することにより反応を停止させ、この混合物をジクロロメタンで抽出した(4×)。併せた有機層を1Nの酒石酸カリウムナトリウムで洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。50から100%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た(2.44g)。MS:m/z=430.0(M+1)。
【0213】
段階D. 4−[2−((3−ブロモピリジン−2−イル){[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル
水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物;117mg、4.88mol)を、0℃でTHF(15mL)中の4−{2−[(3−ブロモピリジン−2−イル)アミノ]−2−オキソエチル}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1.91g、4.43mol)の溶液に10分かけて少しずつ添加した。0.5時間後、反応混合物の温度を10℃未満に保ちながら、塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(0.861mL、4.88mol)をゆっくりと添加した。4時間後、水素化ナトリウム(60mg)および塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(0.45mL)を添加し、この反応物を一晩放置して室温に温めた。塩化アンモニウム飽和水溶液で反応を停止させ、この混合物をCHClで抽出した(3×)。併せた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。40から70%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た(1.51g)。MS:m/z=560.2(M+1)。
【0214】
段階E. 2−オキソ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,2’,3,3’−テトラヒドロ−1H,1’H−スピロ[1,8−ナフチリジン−4,4’−ピリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
ジオキサン(2mL)中のN−メチルジクロロヘキシルアミン(0.042mg、0.20mmol)と4−[2−((3−ブロモピリジン−2−イル){[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(100mg、0.178mmol)の混合物に、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(9mg、0.018mmol)を添加した。5分後、この反応物を50℃に加熱した。90分後、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(9mg)を添加した。50℃でさらに30分後、この反応混合物を水で稀釈し、エーテルで抽出した(3×)。併せた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。5から60%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た(68mg)。MS:m/z=480.2(M+1)。
【0215】
段階F. 1H−スピロ[1,8−ナフチリジン−4,4’−ピリジン]−2(3H)−オン
ジクロロメタン(10mL)中の2−オキソ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,2’,3,3’−テトラヒドロ−1H,1’H−スピロ[1,8−ナフチリジン−4,4’−ピリジン]−1’−カルボン酸ベンジル(384mg、0.800mmol)の混合物にトリフルオロ酢酸(10mL)を添加した。3時間後、この反応物を濃縮し、ジクロロメタン(10mL)で稀釈し、エチレンジアミン(720mg、12.0mmol)を添加した。18時間後、この反応物を濃縮し、残留物をNaHCO飽和水溶液とジクロロメタンとで分配し、層を分離した。水性相をさらなる分のジクロロメタンで抽出し(2×)、有機層を併せ、乾燥させ、濃縮した。炭素担持10%パラジウム(300mg)を、EtOH(10mL)中のこの物質の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3×)、その後、水素(1気圧)を詰め戻した。24時間後、この混合物をセライトに通して濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(130mg)。MS218.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ 8.14(dd,J=1.6,5.0Hz,1H)、7.80(dd,J=1.6,7.7Hz,1H)、7.10(dd,J=5.0,7.7Hz,1H)、2.98−2.95(m,4H)、2.78(s,2H)、1.96−1.90(m,2H)、1.69(brd,J=11.5Hz,2H)。
【実施例】
【0216】
(実施例1)
【0217】
【化85】

【0218】
N−(1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【0219】
段階A. 5−ブロモ−1−メチル−3−ニトロピリジン−2(1H)−オン
炭酸セシウム(44.6g、137mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(500mL)中の5−ブロモ−2−ヒドロキシ−3−ニトロピリジン(20.0g、91.3mmol)およびヨードメタン(19.4g、137mmol)の溶液に添加した。18時間後、この反応混合物を水で反応停止させた。この混合物を酢酸エチルで抽出し(3×)、併せた有機抽出物を水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。MS233.1(M)。
【0220】
段階B. 3−アミノ−5−ブロモ−1−メチルピリジン−2(1H)−オン
塩化スズ(II)・二水和物(53.3g、236mmol)を、80℃で酢酸エチル(400mL)中の5−ブロモ−1−メチル−3−ニトロピリジン−2(1H)−オン(11.0g、47.2mmol)の溶液に添加した。1.5時間後、この反応混合物を飽和重炭酸ナトリウムで反応停止させた。この混合物を酢酸エチルで抽出し(3×)、併せた有機抽出物を水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。MS203.1(M)。
【0221】
段階C. N−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
トリエチルアミン(21μL、0.15mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(1mL)中の3−アミノ−5−ブロモ−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(30.0mg、0.15mmol)およびホスゲン(トルエン中20重量%;16.0μL、0.15mmol)の溶液に添加した。1時間後、1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン(32mg、0.15mmol)およびトリエチルアミン(62μL、0.44mmol)を順次添加した。この反応混合物を放置して周囲温度に温めた。18時間後、この反応混合物を濾過し、濃縮した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→5%水/(アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸))による精製によって、表題化合物を得た(26mg)。MS447.1(M)。
【0222】
段階D. N−(1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
ジイソプロピルアミン(0.15mL、1.07mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(0.6mL)および水(0.2mL)中のN−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(120mg、0.27mmol)、酢酸パラジウム(18mg、0.08mmol)、3,3’,3’−ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホン酸)・三ナトリウム塩(137mg、0.24mmol)およびフェニルボロン酸(65.0mg、0.54mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を80℃に加熱した。18時間後、この反応混合物を濾過した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→5%水/(アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸))による精製によって、表題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(52mg)。MS445.1(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.55(d,J=2.4Hz,1H)、8.06(s,1H)、8.02(d,J=5.1Hz,1H)、7.50(d,J=7.3Hz,2H)、7.41(t,J=7.6Hz,2H)、7.32(d,J=8.3Hz,2H)、7.17(d,J=2.2Hz,1H)、6.98(dd,J=7.8,5.1Hz,1H)、4.60−4.57(m,1H)、4.38(d,J=14.2Hz,2H)、3.70(s,3H)、3.09(t,J=12.2Hz,2H)、2.31−2.36(m,2H)、1.98(d,J=10.0 Hz,2H)。
【0223】
本質的には、実施例1の調製について略述した手順に従って、表1の実施例を調製した。
【0224】
【化86】

【0225】
【表4】














【0226】
(実施例90)
【0227】
【化87】

【0228】
1−(1−{[2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]アセチル}ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン
【0229】
段階A. 3−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2(1H)−オン
炭酸セシウム(11.4g、34.9mmol)を、ジクロロメタン(80mL)中の3−メチルピリジン−2(1H)−オン(3.81g、34.9mmol)およびトリクロロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(9.81g、34.9mmol)の溶液に添加した。2時間後、水を添加した。この混合物をエーテルで抽出し(3×)、併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→25%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(3.73g)。MS192.3(M+1)。
【0230】
段階B. 5−ブロモ−3−(ブロモメチル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2(1H)−オン
N−ブロモスクシンイミド(2.89g、16.2mmol)を、1,2−ジクロロエタン(60mL)中の3−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2(1H)−オン(2.82g、14.8mmol)の溶液に添加し、この混合物を(Al箔で覆った)暗所で85℃に加熱した。2時間後、この反応物を暗所から取り出し、N−ブロモスクシンイミド(2.89g、16.2mmol)およびAIBN(24mg)を添加した。85℃で24時間後、この反応物をNaHCO飽和水溶液で希釈し、ジクロロメタン(3×)で抽出し、併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→5%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(2.89g)。MS349.9(M+1)。
【0231】
段階C. [5−ブロモ−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]アセトニトリル
5−ブロモ−3−(ブロモメチル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2(1H)−オン(1.40g、4.01mmol)を、メタノール(15mL)中のシアン化ナトリウム(1.48g、30.1mmol)の溶液に、15分かけて少しずつ添加した。1時間後、この反応物を濃縮乾固させ、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出(3×)し、併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→5%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(0.740g)。MS296.9(M+1)。
【0232】
段階D. [5−ブロモ−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]酢酸
[5−ブロモ−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]アセトニトリル(223mg、0.756mmol)を6NのHCl(10mL)で希釈し、85℃に加熱した。24時間後、この反応物を酢酸エチルで抽出し(5×)、併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(0.231g)。MS316.0(M+1)。
【0233】
段階E. 1−(1−{[5−ブロモ−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]アセチル}ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン
トリエチルアミンン(410μL、2.94mmol)を、DMF(13mL)中の[5−ブロモ−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]酢酸(231mg、0.736mmol)、二塩酸2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(236mg、0.809mmol)、EDC(212mg、1.10mmol)およびHOAt(100mg、0.736mmol)の溶液に添加した。24時間後、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出(3×)した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→90%ジクロロメタン/メタノール]による精製によって、表題化合物を得た(0.192g)。MS516.0(M+1)。
【0234】
段階F. 1−(1−{[2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]アセチル}ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン
二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(5mg、0.006mmol)を、DME(2mL)中の1−(1−{[5−ブロモ−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]アセチル}ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン(50mg、0.097mmol)、フェニルボロン酸(14mg、0.117mmol)およびリン酸カルシウム(45mg、0.214mmol)の溶液に添加し、85℃に加熱した。24時間後、水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出(3×)した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[99%→85%ジクロロメタン/メタノール]による精製によって、表題化合物を得た(25mg)。MS512.1861(M+1)。
【0235】
本質的には、実施例90の調製について略述した手順に従って、表2の実施例を調製した。
【0236】
【化88】

【0237】
【表5】


【0238】
(実施例103)
【0239】
【化89】

【0240】
1−{[5−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]アセチル}スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
本質的には、実施例90の調製について略述した手順に従って調製した。MS533.1586(M+1)。
【0241】
(実施例104)
【0242】
【化90】

【0243】
N−[6−(2−クロロフェニル)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【0244】
段階A:6−(2−クロロフェニル)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカルバミン酸ベンジル
炭酸セシウム(1.07g、3.30mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の6−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカルバミン酸ベンジル(J.Med.Chem.1994,37,3303−3312)(585mg、1.65mmol)および臭化シクロプロピルメチル(0.19mL、1.98mmol)の溶液に添加した。4時間後、水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(2×)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(258mg)。MS409.0(M+1)。
【0245】
段階B:3−アミノ−6−(2−クロロフェニル)−1−(シクロプロピルメチル)ピリジン−2(1H)−オン
炭素担持10%パラジウム(80mg)を、エタノール(40mL)中の6−(2−クロロフェニル)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカルバミン酸ベンジル(280mg、0.69mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3×)、その後、水素(50psi)を詰め戻した。5時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(17mg)。MS274.9(M+1)。
【0246】
段階C:N−[6−(2−クロロフェニル)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
トリエチルアミン(9μL、0.062mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(2mL)中のアミノ−6−(2−クロロフェニル)−1−(シクロプロピルメチル)ピリジン−2(1H)−オン(17mg、0.062mmol)およびクロロギ酸4−ニトロフェニル(13mg、0.062mmol)の溶液に添加した。0.5時間後、塩化4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジニウム(20mg、0.071mmol)およびトリエチルアミン(0.030mL、0.215mmol)を添加し、この混合物を放置して周囲温度に温めた。2時間後、この混合物を真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/メタノール)による精製、その後の逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→5%水/(アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸))による精製によって、表題化合物を得た(5mg)。MS544.2(M+1)。
【0247】
(実施例105)
【0248】
【化91】

【0249】
N−[1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
本質的には、実施例104の調製について略述した手順に従って調製した。MS510.2(M+1)。
【0250】
(実施例106)
【0251】
【化92】

【0252】
4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)−N−[3−オキソ−6−フェニル−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,4−ジヒドロピラジン−2−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
図式12に概要を示した経路に従って当業者が調製した。MS574.1829(M+1)。
【0253】
(実施例107)
【0254】
【化93】

【0255】
N−[2−(2−メトキシエチル)−3−オキソ−6−フェニル−2,3−ジヒドロピラジン−4−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
図式12に概要を示した経路に従って当業者が調製した。MS490(M+1)。
【0256】
本発明のある特定の実施形態を参照して本発明を説明および例証したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な適応、変更、修飾、置換、削除または追加を行うことができることは、当業者には理解される。例えば、上に示した本発明の化合物で任意の適応症の治療を受ける哺乳動物の反応の変化の結果として、本明細書に記載する特定の投薬量以外の有効な投薬量が適用可能である場合もある。同様に、観察される具体的な薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、または製薬用担体が存在するかどうか、ならびに利用される調合物のタイプおよび投与方式に従っておよび依存して変わることがあり、結果に関するこのような予想される変化または違いは、本発明の目的および実施に従って熟慮される。従って、本発明は、後続の特許請求の範囲により定義されるものとし、このような特許請求の範囲は、妥当な限り広く解釈するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、
Zは、
【化2】

および
【化3】

から選択され;
Aは、NおよびC(R)から独立して選択され;
Bは、OまたはSであり;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R];
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され;
この場合、隣接した原子上の、RとRまたは任意の2つの独立したRは、場合により一緒になって、C5−7シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択される環を形成し、この場合の環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。)から独立して選択され、この場合、R10およびR11は場合により一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている環である。)を形成し;
は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHであるか、またはYは、XがSであるときにはOであり;
は、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から独立して選択され;
Jは、結合、C(R、OまたはNRであり;
Vは、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)およびN(R)−N(R)から選択され;
G−Lは、N、N−C(R、C=C(R)、C=N、C(R)、C(R)−C(R、C(R)−C(R−C(R、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、C(R)−C(R−N(R)、C=C(R)−N(R)、C(R)−C(R)=N、C(R)−N(R)−C(R、C=N−C(R、C(R)−N=C(R)、C(R)−N(R)−N(R)、C=N−N(R)、N−C(R−C(R、N−C(R)=C(R)、N−C(R−N(R)、N−C(R)=N、N−N(R)−C(RおよびN−N=C(R)から選択され;
Qは、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から独立して選択され;
Tは、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から独立して選択され;
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから独立して選択され;
7aおよびR7bは、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している原子とが場合により一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mは、0、1または2であり;
nは、0または1であり;
sは、1、2または3である。)
の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々のジアステレオマー。
【請求項2】
式Ia:
【化4】

を有する、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項3】
式Ib:
【化5】

を有する、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項4】
式Ic:
【化6】

を有する、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項5】
式Id:
【化7】

を有する、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項6】
式Ie:
【化8】

を有する、請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項7】
【化9】

(式中、
Aは、NおよびC(R)から独立して選択され;
は、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から選択され;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011、および
n)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から選択され;
この場合、隣接した原子上の、RとRまたは任意の2つの独立したRは、場合により一緒になって、C5−7シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択される環を形成し、この場合の環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され、この場合、R10とR11が場合により一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
は、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R、および
から独立して選択され;
Zは、
【化10】

から選択され;
Qは、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から独立して選択され;
Tは、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から独立して選択され;
Jは、結合、C(R、OまたはNRであり;
Vは、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)およびN(R)−N(R)から選択され;
7aおよびR7bが、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している原子とが場合により一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mは、0から2であり;
sは、1から3である、
から選択される化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項8】
【化11】

である、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項9】
【化12】

である、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項10】
【化13】

である、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項11】
【化14】

である、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項12】
【化15】

である、請求項7に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項13】
【化16】

(式中、
Aは、NおよびC(R)から独立して選択され;
は、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、ジオキサン、ジオキソラン、モルホリン、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される。]
から選択され;
は、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアゾリンおよびチアゾリジンから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される。]
から選択され;
この場合、隣接した原子上の、RとRまたは任意の2つの独立したRは、場合により一緒になって、C5−7シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択される環を形成し、この場合の環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。)から独立して選択され、この場合、R10およびR11は場合により一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている環である。)を形成し;
は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびフェニル[これらは、非置換であるか、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され;
Wは、NRまたはC(Rであり;
は、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択され;
Zは、
【表1】

から選択され;
7aおよびR7bは、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している原子とが場合により一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されている。)を形成し;
pは、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mは、0から2であり;
sは、1から3である、
から選択される化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項14】
【化17】

である、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項15】
【化18】

である、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項16】
【化19】

である、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項17】
【化20】

である、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項18】
【化21】

である、請求項13に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項19】
式:
【化22】

(式中、
は、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、ジオキサン、ジオキソラン、モルホリン、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される。]
から選択され;
は、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択され、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアゾリンおよびチアゾリジンから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される。]
から選択され;
この場合、隣接した原子上の、RとRまたは任意の2つの独立したRは、場合により一緒になって、C5−7シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールから選択される環を形成し、この場合の環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され、この場合、R10とR11とが場合により一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換であるか、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびフェニル[これらは、非置換であるか、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている。]から独立して選択され;
は、H、ならびに
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から独立して選択され;
Zは、
【表2】

から選択され;
pは、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mは、0から2である。)
の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項20】
【表3】







から選択される化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々のジアステレオマー。
【請求項21】
不活性担体および請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物の有効量の投与を含む、哺乳動物におけるCGRP受容体活性の拮抗方法。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、頭痛、偏頭痛もしくは群発性頭痛の治療、制御もしくは改善、または頭痛、偏頭痛もしくは群発性頭痛のリスクの低減を、このような必要がある哺乳動物患者において行うための方法。
【請求項24】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、このような治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
セロトニン作動薬、鎮痛薬、抗炎症薬、抗高血圧薬および抗痙攣薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
の共投与を含む、方法。
【請求項25】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、このような治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
抗不安薬および神経弛緩薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
の共投与を含む、方法。
【請求項26】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、このような治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
β遮断薬およびカルシウムチャネル遮断薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
の共投与を含む、方法。
【請求項27】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、このような治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
抗うつ薬、選択的セロトニン再取込み阻害剤およびNE再取込み阻害剤から選択される第二の薬剤の治療有効量と
の共投与を含む、方法。
【請求項28】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、このような治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
ボツリヌス毒素AまたはBから選択される第二の薬剤の治療有効量と
の共投与を含む、方法。
【請求項29】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、このような治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
バニロイド受容体拮抗薬、アデノシン1拮抗薬、NR2B拮抗薬、サブスタンスP拮抗薬、グランザイムB阻害剤、エンドセリン拮抗薬、ノルエピネフリン前駆体、一酸化窒素シンターゼ阻害剤、神経弛緩薬、ブラジキニン拮抗薬、ギャップジャンクション阻害剤、AMPA/KA拮抗薬、シグマ受容体作動薬、クロライドチャネルエンハンサー、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、オピオイド作動薬およびロイコトリエン受容体拮抗薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
の共投与を含む、方法。
【請求項30】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、このような治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
制吐薬、消化管運動促進薬およびヒスタミンH1拮抗薬からなる群より選択される第二の薬剤の治療有効量と
の共投与を含む、方法。
【請求項31】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
セロトニン作動薬、鎮痛薬、抗炎症薬および抗痙攣薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
を含む医薬組成物。
【請求項32】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
アンギオテンシンII拮抗薬、アンギオテンシンI拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤およびレニン阻害剤から選択される第二の薬剤の治療有効量と
を含む医薬組成物。
【請求項33】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
抗不安薬および神経弛緩薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
を含む医薬組成物。
【請求項34】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
β遮断薬およびカルシウムチャネル遮断薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
を含む医薬組成物。
【請求項35】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
抗うつ薬、選択的セロトニン再取込み阻害剤およびNE再取込み阻害剤から選択される第二の薬剤の治療有効量と
を含む医薬組成物。
【請求項36】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
ボツリヌス毒素AまたはBから選択される第二の薬剤の治療有効量と
を含む医薬組成物。
【請求項37】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
バニロイド受容体拮抗薬、アデノシン1拮抗薬、NR2B拮抗薬、サブスタンスP拮抗薬、グランザイムB阻害剤、エンドセリン拮抗薬、ノルエピネフリン前駆体、一酸化窒素シンターゼ阻害剤、神経弛緩薬、ブラジキニン拮抗薬、ギャップジャンクション阻害剤、AMPA/KA拮抗薬、シグマ受容体作動薬、クロライドチャネルエンハンサー、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、オピオイド作動薬およびロイコトリエン受容体拮抗薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
を含む医薬組成物。
【請求項38】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量と、
制吐薬、消化管運動促進薬およびヒスタミンH1拮抗薬から選択される第二の薬剤の治療有効量と
を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2008−533147(P2008−533147A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501934(P2008−501934)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/008859
【国際公開番号】WO2006/099268
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】