説明

EL表示装置

【課題】アクティブマトリクス型EL表示装置において、EL材料を成膜する前にTFT基板の動作の確認をおこない、最終製品の良品率を向上させ、原価を低減すること。
【解決手段】各画素に、駆動用TFTのドレイン領域に電気的に接続し、さらにEL素子と電気的に並列接続している容量を設け、容量の充放電を確認することによって、駆動用TFTが正常に動作するかどうかの判断をおこなう。こうして、不良品をEL材料の成膜前に除去可能であり、製造費用の削減がはかれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EL(エレクトロルミネッセンス)素子を基板上に作り込んで形成された電子ディスプレイ(電気光学装置)に関する。特に半導体素子(半導体薄膜を用いた素子)を用いた表示装置に関する。またEL表示装置を表示部に用いた電子機器に関する。また、EL表示装置の検査方法に関する。
【0002】
なお、本明細書中において、EL素子とは、一重項励起子からの発光(蛍光)
を利用するものと、三重項励起子からの発光(燐光)を利用するものの両方を示すものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、基板上に薄膜トランジスタ(以下、TFTと表記する)を形成する技術が大幅に進歩し、アクティブマトリクス型表示装置への応用開発が進められている。特に、ポリシリコン膜を用いたTFTは、従来のアモルファスシリコン膜を用いたTFTよりも電界効果移動度(モビリティともいう)が高いので、高速動作が可能である。そのため、従来、基板外の駆動回路で行っていた画素の制御を、画素と同一の基板上に形成した駆動回路で行うことが可能となっている。
【0004】
このようなアクティブマトリクス型表示装置は、同一基板上に様々な回路や素子を作り込むことで製造コストの低減、表示装置の小型化、歩留まりの上昇、スループットの低減など、様々な利点が得られる。
【0005】
そしてさらに、自発光型素子としてEL素子を有した、アクティブマトリクス型のEL表示装置の研究が活発化している。EL表示装置は有機ELディスプレイ(OELD:Organic EL Display)又は有機ライトエミッティングダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)とも呼ばれている。
【0006】
EL表示装置は、液晶表示装置と異なり自発光型である。EL素子は、一対の電極(陽極と陰極)間にEL層が挟まれた構造となっているが、EL層は通常、積層構造となっている。代表的には、コダック・イーストマン・カンパニーのTangらが提案した「正孔輸送層/発光層/電子輸送層」という積層構造が挙げられる。この構造は非常に発光効率が高く、現在、研究開発が進められているEL表示装置は、ほとんどこの構造を採用している。
【0007】
また他にも、陽極上に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層の順に積層する構造でも良い。発光層に対して蛍光性色素等をドーピングしても良い。
【0008】
本明細書において、陰極と陽極の間に設けられる全ての層を総称してEL層と呼ぶ。よって上述した正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等は、全てEL層に含まれる。
【0009】
そして、上記構造でなるEL層に一対の電極から所定の電圧をかけ、それにより発光層においてキャリアの再結合が起こって発光する。なお本明細書においてEL素子が発光することを、EL素子が駆動すると呼ぶ。また、本明細書中では、陽極、EL層及び陰極で形成される発光素子をEL素子と呼ぶ。
【0010】
EL表示装置の駆動方法として、アナログ方式の駆動方法(アナログ駆動)が挙げられる。EL表示装置のアナログ駆動について、図10及び図11を用いて説明する。
【0011】
図10にアナログ駆動のEL表示装置の画素部の構造を示す。ゲート信号線駆動回路からの選択信号を入力するゲート信号線(G1〜Gy)は、各画素が有するスイッチング用TFT1801のゲート電極に接続されている。また各画素の有するスイッチング用TFT1801のソース領域とドレイン領域は、一方がアナログのビデオ信号を入力するソース信号線(データ信号線ともいう)(S1〜Sx)に、もう一方が各画素が有する駆動用TFT1804のゲート電極及び各画素が有するコンデンサ1808にそれぞれ接続されている。
【0012】
各画素が有する駆動用TFT1804のソース領域とドレイン領域は、一方は電源供給線(V1〜Vx)に、もう一方はEL素子1806に接続されている。電源供給線(V1〜Vx)の電位を電源電位と呼ぶ。また電源供給線(V1〜Vx)は、各画素が有するコンデンサ1808に接続されている。
【0013】
EL素子1806は陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に設けられたEL層とを有する。EL素子1806の陽極が駆動用TFT1804のソース領域またはドレイン領域と接続している場合、EL素子1806の陽極が画素電極、陰極が対向電極となる。逆にEL素子1806の陰極が駆動用TFT1804のソース領域またはドレイン領域と接続している場合、EL素子1806の陽極が対向電極、陰極が画素電極となる。
【0014】
なお本明細書において、対向電極の電位を対向電位と呼ぶ。なお対向電極に対向電位を与える電源を対向電源と呼ぶ。画素電極の電位と対向電極の電位の電位差がEL駆動電圧であり、このEL駆動電圧がEL層にかかる。
【0015】
図10で示したEL表示装置を、アナログ方式で駆動させた場合のタイミングチャートを図11に示す。1つのゲート信号線が選択されてから、その次に別のゲート信号線が選択されるまでの期間を1ライン期間(L)と呼ぶ。また1つの画像が表示されてから次の画像が表示されるまでの期間が1フレーム期間(F)に相当する。図10のEL表示装置の場合、ゲート信号線はy本あるので、1フレーム期間中にy個のライン期間(L1〜Ly)が設けられている。
【0016】
解像度が高くなるにつれて1フレーム期間中のライン期間の数も増え、駆動回路を高い周波数で駆動しなければならなくなる。
【0017】
まず電源供給線(V1〜Vx)は一定の電源電位に保たれている。そして対向電極の電位である対向電位も一定の電位に保たれている。対向電位は、EL素子1806が発光する程度に電源電位との間に電位差を有している。
【0018】
第1のライン期間(L1)において、ゲート信号線G1にはゲート信号線駆動回路からの選択信号が入力される。そして、ソース信号線(S1〜Sx)に順にアナログのビデオ信号が入力される。ゲート信号線G1に接続された全てのスイッチング用TFT1801はオンの状態になるので、ソース信号線に入力されたアナログのビデオ信号は、スイッチング用TFT1801を介して駆動用TFT1804のゲート電極に入力される。
【0019】
ここでは、スイッチング用TFT1801及び駆動用TFT1804は、どちらもnチャネル型TFTを用いた場合のタイミングチャートを例に説明するが、スイッチング用TFT及び駆動用TFTは、nチャネル型TFTでもpチャネル型TFTでもどちらでもよい。
【0020】
なお、本明細書中において、TFTがオンの状態になるとは、TFTのゲート電圧が変化し、そのソース・ドレイン間が導通する状態を示すものとする。
【0021】
駆動用TFT1804のチャネル形成領域を流れる電流の量は、そのゲート電極に入力される信号の電位の高さ(電圧)によって制御される。よって、EL素子1806の画素電極にかかる電位は、駆動用TFT1804のゲート電極に入力されたアナログのビデオ信号の電位の高さによって決まる。そしてEL素子1806はアナログのビデオ信号の電位に制御されて発光を行う。
【0022】
上述した動作を繰り返し、ソース信号線(S1〜Sx)へのアナログのビデオ信号の入力が終了すると、第1のライン期間(L1)が終了する。なお、ソース信号線(S1〜Sx)へのアナログのビデオ信号の入力が終了するまでの期間と水平帰線期間とを合わせて1つのライン期間としても良い。そして次に第2のライン期間(L2)となりゲート信号線G2に選択信号が入力される。そして第1のライン期間(L1)と同様にソース信号線(S1〜Sx)に順にアナログのビデオ信号が入力される。
【0023】
そして全てのゲート信号線(G1〜Gy)に選択信号が入力されると、全てのライン期間(L1〜Ly)が終了する。全てのライン期間(L1〜Ly)が終了すると、1フレーム期間が終了する。1フレーム期間中において全ての画素が表示を行い、1つの画像が形成される。なお、全てのライン期間(L1〜Ly)と垂直帰線期間とを合わせて1フレーム期間としても良い。
【0024】
以上のように、アナログのビデオ信号によってEL素子1806の発光量が制御され、その発光量の制御によって階調表示がなされる。この方式はいわゆるアナログ階調と呼ばれる駆動方式であり、ソース信号線に入力されるアナログのビデオ信号の電位の変化で階調表示が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従来のEL表示装置は、図10に示すように、画素部の駆動用TFT1804のドレイン領域は、EL素子1806に接続されているのみであった。
【0026】
ここで、画素TFT(スイッチング用TFT及び駆動用TFT)や、駆動回路(ソース信号線駆動回路及びゲート信号線駆動回路)を構成するTFTが、絶縁表面を有する基板上に形成され、その後、EL材料を成膜して、駆動用TFTとEL素子とが電気的に接続される。本明細書中では、このEL材料を成膜する前までの工程を、TFT工程と呼ぶことにする。
【0027】
よって、従来の表示装置においては、EL材料を成膜する前において、駆動用TFTのドレイン領域は回路上、オープン状態となっている。画素TFTが正常に動作するかどうかは、EL材料を成膜し、表示装置を完成させ、点灯検査を行うことによって初めて判断することが可能となる。そのため、画素TFTに異常があり、正常な表示ができないようなものが発生したとしても、最終工程までは検出ができずに、工程の無駄を発生させていた。
【0028】
以上に述べたように、従来のEL表示装置では、EL材料成膜の前工程において、画素TFTの動作確認ができず、不要な製造コストを発生させていた。
【0029】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、EL材料の成膜前に画素TFTの動作確認ができるようなアクティブマトリクス型のEL表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明者は、以上のような問題点を解決するため、EL材料を成膜する前に、駆動用TFT、スイッチング用TFTに問題が無いかどうかを検査し、問題のあったTFTを有する基板(以下、不良品と表記する)が、EL材料成膜工程に進まないようにして、製造ラインの無駄を削減することを考えた。
【0031】
以下に、本発明のEL表示装置の構成について記載する。
【0032】
本発明によって、 絶縁基板上に、複数のソース信号線と、複数のゲート信号線と、複数の電源供給線と、複数のスイッチング用薄膜トランジスタと、複数の駆動用薄膜トランジスタとを有するEL表示装置において、 一端を前記駆動用薄膜トランジスタのドレイン領域に接続し、他の一端を前記ゲート信号線に接続した検査容量を有し、 前記電源供給線はスイッチを介して、前記絶縁基板の外部に引き出していることを特徴とするEL表示装置が提供される。
【0033】
前記スイッチは、前記複数の電源供給線毎に配置され、 前記スイッチを順次駆動する駆動回路を、前記絶縁基板上に有することを特徴とするEL表示装置であってもよい。
【0034】
前記スイッチを順次駆動する前記駆動回路は、前記ソース信号線駆動回路と一部を共有していることを特徴としたEL表示装置であってもよい。
【0035】
前記検査容量は、0.05pF〜1pFの値をとることを特徴とするEL表示装置であってもよい。
【0036】
本発明によって、 絶縁基板上に、複数のソース信号線と、複数のゲート信号線と、複数の電源供給線と、複数のスイッチング用薄膜トランジスタと、複数の駆動用薄膜トランジスタと、前記駆動用薄膜トランジスタのドレイン領域に接続した検査容量とを有するEL表示装置の検査方法において、 前記駆動用薄膜トランジスタを動作させ、前記検査容量を一定電位に充電する手順と、 前記駆動用薄膜トランジスタをオフさせた後、前記電源供給線の電位を前記検査容量とは異なる電位に設定する手順と、 前記検査容量に充電された電荷を、画素毎に、前記電源供給線を介して外部に引き出し、電位変動を検出する手順とを有するEL表示装置の検査方法が提供される。
【0037】
前記表示装置を用いることを特徴とするコンピュータ、ビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、画像再生装置、携帯情報端末であってもよい。
【発明の効果】
【0038】
上記構成によって、EL層を成膜するまえに画素部TFTの検査が可能な表示装置を提供することができる。これにより、不良品をEL材料成膜まえに除去可能であり、製造費用の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の表示装置の画素部の回路構成を示す図。
【図2】本発明の表示装置のブロック図。
【図3】本発明の表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートを示す図。
【図4】本発明の表示装置の検査用駆動回路の実施例を示す図。
【図5】本発明の表示装置の外付け検査回路の実施例を示す図。
【図6】本発明の表示装置の上面図及び断面図。
【図7】本発明で表示装置のソース信号側駆動回路の回路図。
【図8】本発明で表示装置のラッチの上面図。
【図9】本発明の表示装置を用いた電子機器を示す図。
【図10】従来の表示装置の画素部の回路図。
【図11】表示装置のアナログ駆動方法を示すタイミングチャートを示す図。
【図12】本発明を用いた携帯電話を示す図。
【図13】本発明を用いた携帯電話の使用法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、本発明のEL表示装置の構造及びその検査方法について説明する。
【0041】
図1に、本発明の第一の実施形態を示す。図1は、本発明の表示装置の画素部の構成図である。
【0042】
電源供給線V1〜Vx、ソース信号線S1〜Sx、ゲート信号線G1〜Gy、スイッチング用TFT9102、駆動用TFT9106、保持容量9107、EL素子9105、検査容量9108によって構成されている。
【0043】
なお、スイッチング用TFT9102は、ダブルゲート構造で示しているが、本発明の表示装置の画素のスイッチング用TFTは、ダブルゲート構造に限らず、シングルゲート構造でも良いし、ダブルゲート以上のマルチゲート構造でも良い。
【0044】
また、駆動用TFT9106は、シングルゲート構造で示しているが、本発明の表示装置の画素の駆動用TFTは、ダブルゲート構造でも良いし、マルチゲート構造でも良い。
【0045】
ここで、駆動用TFT9106のドレイン領域は、EL素子9105だけでなく検査容量9108にも接続されている。この例では、検査容量9108は、駆動用TFT9106のドレイン領域とゲート信号線との間に挿入されているが、本発明の構成はこれに限定されない。前記ドレイン領域と、別の個別配線との間であっても良い。
【0046】
図2は、本発明の表示装置のブロック図である。
【0047】
ソース信号線駆動回路9201、ゲート信号線駆動回路9202、9203、検査用駆動回路9204、スイッチ9205、9206、ソース信号線9207〜9209、ゲート信号線9210〜9212、画素部電源供給線9213、9214、電源供給線引出し端子9215、外付け検査回路9216より構成されている。
【0048】
なお、図2においては、ソース信号線、ゲート信号線、電源供給線及びスイッチは、その一部を代表で示している。実際には、これらは、表示装置を構成する画素に対応する分、形成されている。
【0049】
従来と異なり、検査用駆動回路9204が追加されている。また、検査用駆動回路9204によって制御されているスイッチ9205、9206が、画素部電源供給線9213、9214と、電源供給線引出し端子9215との間に、画素部電源供給線ごとに挿入されている。電源供給線引出し端子は、外付け検査回路9216に接続されている。
【0050】
検査用駆動回路9204は、図2において、独立に配置されているが、ソース信号線駆動回路がアナログ方式の場合、両者を兼用することも可能である。(図示せず)
【0051】
次に、本発明で用いる検査方法について、説明する。
【0052】
なお説明では、図1及び図2を参照する。
【0053】
ここでは、TFT工程が終了した後の、EL材料成膜前の段階の基板の検査を想定するが、表示装置を構成するTFT同士、容量(保持容量、検査容量等)及び抵抗等との結線が終了していれば、この工程の段階に限定されない。
【0054】
ここで、図1においては、EL素子9105を示しているが、以下の検査を行う段階では、まだEL材料は成膜されておらず、EL素子9105は形成されていない。
【0055】
まず、第一の手順として、電源供給線に「Hi」の信号に対応する電圧、例えば10Vを加える。次に、各駆動回路(ソース信号線駆動回路9201及びゲート信号線駆動回路9202、9203)を順次走査し、各画素において、駆動用TFT9106をオンさせて、電源供給線V1〜Vxの電圧10Vを各検査容量9108に書き込む。
【0056】
なお、検査容量は、0.05pF〜1pFの値をとるとする。
【0057】
第二の手順として、以下のことを行う。ソース信号線駆動回路9201、ゲート信号線駆動回路9202、9203を動作させ、画素部の駆動用TFT9106をすべてオフにする。次に電源供給線V1〜Vxの電位を「Lo」の信号に対応する電圧に、例えば0Vに設定する。このときスイッチ9205,9206はオンしたままである。
【0058】
これによって画素部の電源供給線V1〜Vxは0Vになる。
【0059】
第三の手順として、以下のことを行う。
【0060】
図3の示すようなタイミングで、画素のひとつひとつの駆動用TFT9106を動作させていく。
【0061】
図3のタイミングチャートにおいては、スイッチング用TFTをnチャネル型TFTとし、駆動用TFTをpチャネル型TFTとした場合を示しているが、スイッチング用TFT及び駆動用TFTは、pチャネル型TFTでもnチャネル型TFTでもどちらでも良い。
【0062】
ソース信号線S1〜Sxを順に操作する。なお、ここでは、2本のソース信号線S1及びS2に対する操作を代表して図示し説明するが、全てのソース信号線S1〜Sxに対して同様の操作を行う。
【0063】
ソース信号線に「Lo」の信号が入力された画素において、ゲート信号線G1〜Gyに順に「Hi」の信号が入力されると、駆動用TFT9106がオンになる。
【0064】
また、すべての電源供給線V1〜Vxがつながっていると、配線容量が大きすぎ、電圧の検出が困難になる。そのため、電源供給線につながるスイッチは、画素1列ごと個別に、画素TFTの動作をチェックするために必要である。
【0065】
ここで、画素1列とは、同じソース信号線に接続されたスイッチング用TFTを有する画素を示すものとする。
【0066】
ソース信号線S1が選択されている間、ソース信号線S1にそのソース領域が接続されたスイッチング用TFTを有する画素に、電源を供給する電源供給線V1につながるスイッチは、オンの状態となる。なお、その他の画素に対応する電源供給線V2〜Vxにつながるスイッチは、全てオフの状態にある。
【0067】
次に、ソース信号線S2が選択されている間、ソース信号線S2にそのソース領域が接続されたスイッチング用TFTを有する画素に、電源を供給する電源供給線V2につながるスイッチは、オンの状態となる。なお、その他の画素に対応する電源供給線V1、V3〜Vxにつながるスイッチは、全てオフの状態にある。
【0068】
ここで、図3において、T1及びT2は、それぞれ電源供給線V1につながるスイッチ、電源供給線V2につながるスイッチを、オンもしくはオフさせる信号を示す。
【0069】
本実施例では、T1及びT2は、「Hi」の信号が入力されている場合、その電源供給線につながるスイッチはオンの状態となり、「Lo」の信号が入力されている場合は、そのスイッチは、オフの状態となる場合を示している。
【0070】
画素において、駆動用TFT9106がオンすると、検査容量9108に保持されていた電荷は電源供給線V1〜Vxに放電される。この放電によって、電源供給線V1〜Vxには電圧が発生する。
【0071】
この電圧は以下のように与えられる。画素部の電源供給線の配線容量値をC1、電源供給線引出し端子9215までの容量をC2、検査容量をC3とすると、発生する電圧Voutは、式1で与えられる。
【0072】
(式1) Vout=10 x C3/(C1+C2+C3)
【0073】
C1=C2=10pF、C3=0.1pFとすると、電圧Voutは0.05Vとなる。
【0074】
この電圧Voutは小さいので、電源線供給線引出し端子9215に、外付けの検査回路9216をつけて検出を行う。
【0075】
画素TFTに不良があれば、充電または放電ができないので、電圧Voutは発生しない。
【0076】
図3に示すタイミングチャートにおいて、電源供給線引き出し端子9215には、電圧Voutが画素を選択するごとに発生するが、画素TFTに異常があれば9301のように電圧信号の欠落がみられ、欠陥が発生しているのがわかる。
【0077】
このようにして、すべての画素を順次選択することによって、画素TFTの検査が可能となる。
【0078】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0079】
本実施例では、本発明の表示装置の検査用駆動回路の構成例を示す。
【0080】
図4において、検査用駆動回路は、DFF9401から構成されるシフトレジスタ9402と、NAND回路9403、9404、9405、インバータより構成されるバッファ回路9406、9407、9408より成り立っている。
【0081】
なお、図4では、検査用駆動回路の3本の電源供給線に対応する部分のみを示しているが、実際には、検査用駆動回路は、全ての電源供給線に対応する回路によって構成されてる。
【0082】
バッファ回路路9406、9407、9408の出力9409、9410、9411には、図2に示したスイッチ9205、9206等が接続され、画素部電源供給線と、電源供給線引出し端子を接続する。
【0083】
シフトレジスタ9402の入力端子9400に「Hi」の電圧を入力すれば、端子9409〜9411の出力は全て「Hi」に対応する信号になり、すべてのスイッチをオンとすることができる。
【実施例2】
【0084】
本実施例では、本発明の表示装置の外付け検査回路の構成例を示す。
【0085】
図5において、外付け検査回路9501は、接続を切り換えるスイッチ9502、信号検出を行うアンプ9505、電圧源9503、抵抗9504等によって、構成されている。
【0086】
スイッチ9502において、「Hi」の信号に対応する電圧、10Vの電圧源9503もしくは、「Lo」の信号に対応する電圧、0Vの電圧源9508もしくは、信号を増幅するアンプ9505との、3つの入力端子の接続が選択される。
【0087】
なお、電圧源9503、9508の電圧は、上記の値に限定されず、必要に応じて最適化を図ることは可能である。
【0088】
検査を行う表示装置の基板の電源供給線引き出し端子を、入力9507に接続し、実施の形態において示した手順によって検査を行う。検査の判断はアンプ9505の出力9506をモニターして行う。
【0089】
ここで用いるアンプ9505は、10倍から1000倍程度の電圧利得を持ち、電源供給線に発生する検出信号を増幅して検知する。アンプの利得は100倍程度が望ましい。
【0090】
本実施例は、実施例1と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例3】
【0091】
本発明において、駆動用TFT108はnチャネル型TFTでもpチャネル型TFTでもどちらでも用いることが可能であるが、EL素子110の陽極が画素電極で陰極が対向電極の場合、駆動用TFT108はpチャネル型TFTであることが好ましい。また逆にEL素子110の陽極が対向電極で陰極が画素電極の場合、駆動用TFT108はnチャネル型TFTであることが好ましい。
【0092】
本実施例は、実施例1〜実施例2のいずれともと自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例4】
【0093】
本実施例では、本発明を用いてEL表示装置を作製した例について説明する。
【0094】
図6(A)は本発明を用いたEL表示装置の上面図である。図6(A)において、4010は基板、4011は画素部、4012はソース信号線駆動回路、4013a、4013bはゲート信号線駆動回路であり、それぞれの駆動回路は配線4014a、4014b、4015、4016を経てFPC4017に至り、外部機器へと接続される。
【0095】
なお、本実施例では、検査用駆動回路をソース信号線駆動回路4012で兼用している例を示すが、本発明はこの構成に限定されない。検査用駆動回路をソース信号線駆動回路とは別に設けても良い。
【0096】
ここで、少なくとも画素部、好ましくは駆動回路及び画素部を囲むようにしてカバー材6000、シーリング材(ハウジング材ともいう)7000、密封材(第2のシーリング材)7001が設けられている。
【0097】
また、図6(B)は、本実施例のEL表示装置の断面構造であり、基板4010、下地膜4021の上に駆動回路用TFT(但し、ここではnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを組み合わせたCMOS回路を図示している。)4022及び画素部用TFT4023(但し、ここではEL素子への電流を制御する駆動用TFTだけ図示している。)が形成されている。これらのTFTは公知の構造(トップゲート構造またはボトムゲート構造)を用いれば良い。
【0098】
なお、図6(B)においては、駆動用TFTのドレイン電極に接続された検査容量等も図示していない。
【0099】
駆動回路用TFT4022、画素部用TFT4023が完成したら、樹脂材料でなる層間絶縁膜(平坦化膜)4026の上に画素部用TFT4023のドレインと電気的に接続する透明導電膜でなる画素電極4027を形成する。透明導電膜としては、酸化インジウムと酸化スズとの化合物(ITOと呼ばれる)または酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることができる。そして、画素電極4027を形成したら、絶縁膜4028を形成し、画素電極4027上に開口部を形成する。
【0100】
次に、EL層4029を形成する。EL層4029は公知のEL材料(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層または電子注入層)を自由に組み合わせて積層構造または単層構造とすれば良い。どのような構造とするかは公知の技術を用いれば良い。また、EL材料には、低分子系材料と高分子系(ポリマー系)材料がある。低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いるが、高分子系材料を用いる場合には、スピンコート法、印刷法またはインクジェット法等の簡易な方法を用いることが可能である。
【0101】
本実施例では、シャドーマスクを用いて蒸着法によりEL層4029を形成する。シャドーマスクを用いて画素毎に波長の異なる発光が可能な発光層(赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層)を形成することで、カラー表示が可能となる。その他にも、色変換層(CCM)とカラーフィルターを組み合わせた方式、白色発光層とカラーフィルターを組み合わせた方式があるがいずれの方法を用いても良い。勿論、単色発光のEL表示装置とすることもできる。
【0102】
EL層4029を形成したら、その上に陰極4030を形成する。陰極4030とEL層4029の界面に存在する水分や酸素は極力排除しておくことが望ましい。従って、真空中でEL層4029と陰極4030を連続成膜するか、EL層4029を不活性雰囲気で形成し、大気解放しないで陰極4030を形成するといった工夫が必要である。本実施例ではマルチチャンバー方式(クラスターツール方式)の成膜装置を用いることで上述のような成膜を可能とする。
【0103】
なお、本実施例では陰極4030として、LiF(フッ化リチウム)膜とAl(アルミニウム)膜の積層構造を用いる。具体的にはEL層4029上に蒸着法で1nm厚のLiF(フッ化リチウム)膜を形成し、その上に300nm厚のアルミニウム膜を形成する。勿論、公知の陰極材料であるMgAg電極を用いても良い。そして陰極4030は4031で示される領域において配線4016に接続される。配線4016は陰極4030に所定の電圧を与えるための電源線であり、導電性ペースト材料4032を介してFPC4017に接続される。
【0104】
4031に示された領域において陰極4030と配線4016とを電気的に接続するために、層間絶縁膜4026及び絶縁膜4028に、コンタクトホールを形成する必要がある。これらは層間絶縁膜4026のエッチング時(画素電極用コンタクトホールの形成時)や絶縁膜4028のエッチング時(EL層形成前の開口部の形成時)に形成しておけば良い。また、絶縁膜4028をエッチングする際に、層間絶縁膜4026まで一括でエッチングしても良い。この場合、層間絶縁膜4026と絶縁膜4028が同じ樹脂材料であれば、コンタクトホールの形状を良好なものとすることができる。
【0105】
このようにして形成されたEL素子の表面を覆って、パッシベーション膜6003、充填材6004、カバー材6000が形成される。
【0106】
さらに、EL素子部を囲むようにして、カバー材6000と基板4010の内側にシーリング材7000が設けられ、さらにシーリング材7000の外側には密封材(第2のシーリング材)7001が形成される。
【0107】
このとき、この充填材6004は、カバー材6000を接着するための接着剤としても機能する。充填材6004としては、PVC(ポリビニルクロライド)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。この充填材6004の内部に乾燥剤を設けておくと、吸湿効果を保持できるので好ましい。
【0108】
また、充填材6004の中にスペーサーを含有させてもよい。このとき、スペーサーをBaOなどからなる粒状物質とし、スペーサー自体に吸湿性をもたせてもよい。
【0109】
スペーサーを設けた場合、パッシベーション膜6003はスペーサー圧を緩和することができる。また、パッシベーション膜6003とは別に、スペーサー圧を緩和する樹脂膜などを設けてもよい。
【0110】
また、カバー材6000としては、ガラス板、アルミニウム板、ステンレス板、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムを用いることができる。なお、充填材6004としてPVBやEVAを用いる場合、数十μmのアルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることが好ましい。
【0111】
但し、EL素子からの発光方向(光の放射方向)によっては、カバー材6000が透光性を有する必要がある。
【0112】
また、配線4016は、シーリング材7000および密封材7001と基板4010との隙間を通って、FPC4017に電気的に接続される。なお、ここでは配線4016について説明したが、他の配線4014a、4014b、4015も同様にして、シーリング材7000および密封材7001と基板4010との隙間を通ってFPC4017に電気的に接続される。
【0113】
なお本実施例では、充填材6004を設けてからカバー材6000を接着し、充填材6004の側面(露呈面)を覆うようにシーリング材7000を取り付けているが、カバー材6000及びシーリング材7000を取り付けてから、充填材6004を設けても良い。この場合、基板4010、カバー材6000及びシーリング材7000で形成されている空隙に通じる充填材の注入口を設ける。そして前記空隙を真空状態(10-2Torr以下)にし、充填材の入っている水槽に注入口を浸してから、空隙の外の気圧を空隙の中の気圧よりも高くして、充填材を空隙の中に充填する。
【0114】
本実施例は、実施例1〜実施例3のいずれとも自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例5】
【0115】
本実施例では、駆動を、従来例において説明したアナログ階調ではなく、デジタル時間階調にしたときの、ソース信号側駆動回路の構成について説明する。
【0116】
図7に本実施例で用いられるソース信号側駆動回路の一例を回路図で示す。
【0117】
なお、本発明においては、駆動方法は、アナログ階調、デジタル時間階調、デジタル面積階調などいずれにおいても適応が可能である。また、それらの階調方式を組み合わせた方式についても可能である。
【0118】
図7において、シフトレジスタ801、ラッチ(A)(802)、ラッチ(B)(803)、が図に示すように配置されている。
【0119】
なお本実施例では、1組のラッチ(A)(802)と1組のラッチ(B)(803)が、4本のソース信号線S_a〜S_dへの出力に対応している。そのため、外部より入力されるデジタル映像信号の入力線VDは4本あり、ソース信号線S_a〜S_dに入力される信号がそれぞれ入力されている。
【0120】
また本実施例では、信号が有する電圧の振幅の幅を変えるレベルシフタを設けなかったが、設計者が適宜設けるようにしても良い。
【0121】
クロック信号CLK、CLKの極性が反転したクロック信号CLKB、スタートパルス信号SP、駆動方向切り替え信号SL/Rはそれぞれ図に示した配線からシフトレジスタ801に入力される。また外部から入力されるデジタルデータ信号VDは図に示した配線からラッチ(A)(802)に入力される。ラッチ信号S_LAT、S_LATの極性が反転した信号S_LATbはそれぞれ図に示した配線からラッチ(B)(803)に入力される。
【0122】
ラッチ(A)(802)の詳しい構成について、ソース信号線S_aに対応するラッチ(A)(802)の一部804を例にとって説明する。ラッチ(A)(802)の一部804は、2つのクロックドインバータと、2つのインバータとを有している。
【0123】
ラッチ(A)(802)の一部804の上面図を図8に示す。831a、831bはそれぞれ、ラッチ(A)(802)の一部804が有するインバータの1つを形成するTFTの活性層であり、836は該インバータの1つを形成するTFTの共通のゲート電極である。また832a、832bはそれぞれ、ラッチ(A)(802)の一部804が有するもう1つのインバータを形成するTFTの活性層であり、837a、837bは活性層832a、832b上にそれぞれ設けられたゲート電極である。なおゲート電極837a、837bは電気的に接続されている。
【0124】
833a、833bはそれぞれ、ラッチ(A)(802)の一部804が有するクロックドインバータの1つを形成するTFTの活性層である。活性層833a上にはゲート電極838a、838bが設けられており、ダブルゲート構造となっている。また活性層833b上にはゲート電極838b、839が設けられており、ダブルゲート構造となっている。
【0125】
834a、834bはそれぞれ、ラッチ(A)(802)の一部804が有するもう1つのクロックドインバータを形成するTFTの活性層である。活性層834a上にはゲート電極839、840が設けられており、ダブルゲート構造となっている。また活性層834b上にはゲート電極840、841が設けられており、ダブルゲート構造となっている。
【0126】
本実施例は、実施例1〜実施例4のいずれとも自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例6】
【0127】
本発明のEL表示装置において、EL素子が有するEL層に用いられる材料は、有機EL材料に限定されず、無機EL材料を用いても実施できる。但し、現在の無機EL材料は非常に駆動電圧が高いため、そのような駆動電圧に耐えうる耐圧特性を有するTFTを用いなければならない。
【0128】
または、将来的にさらに駆動電圧の低い無機EL材料が開発されれば、本発明に適用することは可能である。
【0129】
本実施例は、実施例1〜実施例5のいずれとも自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例7】
【0130】
本発明を用いて形成された電子ディスプレイ、特にEL表示装置は様々な電子機器に用いることができる。以下に、本発明を用いて形成された電子ディスプレイを表示媒体として組み込んだ電子機器について説明する。
【0131】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、テレビ受像機、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、ゲーム機、電話機、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、画像再生装置、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図9に示す。
【0132】
図9(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、筐体2002、表示部2003、キーボード2004等を含む。本発明のEL表示装置はパーソナルコンピュータの表示部2003に用いることができる。
【0133】
図9(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。本発明のEL表示装置はビデオカメラの表示部2102に用いることができる。
【0134】
図9(C)はヘッドマウントディスプレイの一部(右片側)であり、本体2301、信号ケーブル2302、頭部固定バンド2303、表示モニタ2304、光学系2305、表示部2306等を含む。本発明のEL表示装置はヘッドマウントディスプレイの表示部2306に用いることができる。
【0135】
図9(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、記録媒体(CD、LDまたはDVD等)2402、操作スイッチ2403、表示部(a)2404、表示部(b)2405等を含む。表示部(a)は主として画像情報を表示し、表示部(b)は主として文字情報を表示するが、本発明のEL表示装置は記録媒体を備えた画像再生装置の表示部(a)、(b)に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置としては、CD再生装置、ゲーム機器などに本発明を用いることができる。
【0136】
図9(E)は携帯型(モバイル)コンピュータであり、本体2501、カメラ部2502、受像部2503、操作スイッチ2504、表示部2505等を含む。本発明のEL表示装置は携帯型(モバイル)コンピュータの表示部2505に用いることができる。
【0137】
また、将来的にEL材料の発光輝度が高くなれば、フロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
【0138】
本実施例の電子機器は、実施例1〜6のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。
【実施例8】
【0139】
図12は携帯電話にEL表示装置を使用した例である。
【0140】
携帯電話は、筐体A1201と筐体B1202とアンテナ1205とによって構成され、筐体A1201の表面A1203には、表示部1200とマイク1209が形成され、筐体B1202の表面B1204には、スピーカー1206と操作キー1207と電源スイッチ1208等が形成されている。
【0141】
本発明のEL表示装置は、携帯電話の表示部1200に用いることができる。
【0142】
なお、スピーカー1206、操作キー1207、表示部1200、マイク1209、電源スイッチ1208は、上記配置に限らず、筐体A1201、筐体B1202のいずれの部分にも形成することができる。
【0143】
図12では、携帯電話を、2つの筐体部分(筐体A1201及び筐体B1202)より構成し、その一辺をちょうつがい(図示せず)にて接続している。このちょうつがいを閉じることによって、筐体A1201の表面A1203と、筐体B1202の表面B1204とを重ねることができる。なお、筐体A1201の表面A1203と筐体B1202の表面B1204とを重ねることを、二つ折りにするということにする。
【0144】
また、この携帯電話の例では、図13に示すような使用法が可能である。すなわち、スピーカー1206とマイク1209を別の筐体部分に配置し、その表面A1203と表面B1204との角度を変更することによって、耳1211の近くにスピーカー1206を置き、口元1212にマイク1209を置くことが可能となる。このような構成にすることによって、他人に通話中の口元1212を見られないという利点がある。また、口元1212とマイク1209が近くになるため、雑音の影響が少なくなり、良好な通話が可能となる、さらには、電話機内のノイズフィルタを削減できるなどの効果がある。また、操作キー1207の数を増やせば、携帯情報端末としても使用できる。
【0145】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜6のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、EL素子及び第1の容量を各画素に有し、
前記第1のトランジスタにおいて、ゲートはゲート線に電気的に接続され、ソース又はドレインの一方はソース線に電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第2のトランジスタにおいて、ソース又はドレインの一方は前記EL素子の第1の電極に電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は電源供給線に電気的に接続され、
前記第1の容量の一端は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの前記一方と電気的に接続され、他端は第1の配線に電気的に接続され、
前記EL素子は、前記第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極とに挟まれたEL層とを有し、
前記第1の電極上には、前記第1の電極上に開口部を有する絶縁膜が設けられ、
前記開口部には、前記第1の電極と接する前記EL層が設けられ、
前記EL層上には、前記EL層に接する前記第2の電極が設けられ、
前記第2の電極は、第2の配線を介してFPCと電気的に接続されることを特徴とするEL表示装置。
【請求項2】
第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、EL素子及び第1の容量を各画素に有し、
前記第1のトランジスタにおいて、ゲートはゲート線に電気的に接続され、ソース又はドレインの一方はソース線に電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第2のトランジスタにおいて、ソース又はドレインの一方は前記EL素子の第1の電極と前記第1の容量の一端とに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は電源供給線に電気的に接続され、
前記第1の容量の他端は、第1の配線に電気的に接続され、
前記EL素子は、前記第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極とに挟まれたEL層とを有し、
前記第1の電極上には、前記第1の電極上に開口部を有する絶縁膜が設けられ、
前記開口部には、前記第1の電極と接する前記EL層が設けられ、
前記EL層上には、前記EL層に接する前記第2の電極が設けられ、
前記第2の電極は、第2の配線を介してFPCと電気的に接続されることを特徴とするEL表示装置。
【請求項3】
第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、EL素子及び第1の容量を各画素に有し、
前記第1のトランジスタにおいて、ゲートはゲート線に電気的に接続され、ソース又はドレインの一方はソース線に電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第2のトランジスタにおいて、ソース又はドレインの一方は前記EL素子の第1の電極と前記第1の容量の一端とに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は電源供給線に電気的に接続され、
前記第1の容量の他端は、前記第1の配線に電気的に接続され、
前記EL素子は、前記第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極とに挟まれたEL層とを有し、
前記第1の電極上には、前記第1の電極上に開口部を有する絶縁膜が設けられ、
前記開口部には、前記第1の電極と接する前記EL層が設けられ、
前記EL層上には、前記EL層に接する前記第2の電極が設けられ、
前記第2の電極は、第2の配線を介してFPCと電気的に接続され、
前記第1のトランジスタはダブルゲート構造であることを特徴とするEL表示装置。
【請求項4】
第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、EL素子及び第1の容量を各画素に有し、
前記第1のトランジスタにおいて、ゲートはゲート線に電気的に接続され、ソース又はドレインの一方はソース線に電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、
前記第2のトランジスタにおいて、ソース又はドレインの一方は前記EL素子の第1の電極と前記第1の容量の一端とに電気的に接続され、ソース又はドレインの他方は電源供給線に電気的に接続され、
前記第1の容量の他端は、第1の配線に電気的に接続され、
前記EL素子は、前記第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極とに挟まれたEL層とを有し、
前記第1の電極上には、前記第1の電極上に開口部を有する絶縁膜が設けられ、
前記開口部には、前記第1の電極と接する前記EL層が設けられ、
前記EL層上には、前記EL層に接する前記第2の電極が設けられ、
前記第2の電極は、第2の配線を介してFPCと電気的に接続され、
前記第1のトランジスタはマルチゲート構造であることを特徴とするEL表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第1のトランジスタはnチャネル型TFTであり、前記第2のトランジスタはpチャネル型TFTであることを特徴とするEL表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第1のトランジスタはnチャネル型TFTであり、前記第2のトランジスタはnチャネル型TFTであることを特徴とするEL表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
前記各画素は第2の容量を有し、前記第2の容量の一端は前記第2のトランジスタのゲートと電気的に接続されることを特徴とするEL表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−215638(P2011−215638A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155440(P2011−155440)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【分割の表示】特願2001−140333(P2001−140333)の分割
【原出願日】平成13年5月10日(2001.5.10)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】