説明

FM受信機におけるジャマー検出ベースの適応PLL帯域幅調整

FM受信機内の周波数シンセサイザは、フェーズロックドループ(PLL)を用いて、局部発振器(LO)信号を生成する。LO信号は、ミキサに提供される。FM受信機は、さらに、ジャマー検出機能性を含む。ジャマーが検出されなかった場合、PLLのループ帯域幅は、比較的高い値を有するように設定され、それによって、帯域内残留FMの抑制を促進する。ジャマーが検出された場合、PLLのループ帯域幅は、比較的低い値を有するように設定され、それによって、帯域外SSB位相雑音の抑制を促進する。ジャマーが検出されたか否かに依存してループ帯域幅を適応的に変更することによって、帯域内残留FMおよび帯域外SSB位相雑音要求を満たすと同時に、PLL内のサブ回路へのパフォーマンス要求を緩和することができる。PLLのVCOが、ループ帯域幅の適応的な変更による位相雑音をより多く生成できるようにすることによって、VCO電力消費を減らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、周波数変調(FM)受信機内のフェーズロックドループ(PLL)ベースの周波数シンセサイザに関する。
【背景技術】
【0002】
小型化および統合されたFM(周波数変調)ラジオトランシーバは、一般的に、周波数シンセサイザの使用を含む。周波数シンセサイザは、典型的に、フェーズロックドループ(PLL)を含むため、PLLベースの周波数シンセサイザと呼ばれうる。例えば、統合FMラジオトランシーバがラジオ伝送を受信している場合、そのトランシーバ内のPLLベースの周波数シンセサイザは、局部発振器(Local Oscillator:LO)信号を生成する。LO信号は、トランシーバのFM受信機部の復調器の一部であるミキサに提供される。一方、FMラジオトランシーバが、ラジオ伝送を送信している場合、同一のPLLベースの周波数シンセサイザが使用され、FM変調信号を出力する。次に、FM変調信号は、送信するために、増幅され、アンテナに提供される。FM受信機内のそのようなPLLベースの周波数シンセサイザの設計に課せられる様々な要求のうち、2つの要求が特別に重要である:(1)帯域内残留FM(In-band residual FM)、および、(2)帯域外SSB(単側波帯:Out-of-band SSB)位相雑音(Out-of-band SSB phase noise)。
【0003】
次の表1は、FMトランシーバ内のPLLベースの周波数シンセサイザによって出力されるLO信号に課せられうる要求の例を示す。
【表1】

【0004】
表1(従来技術)は、FMキャリア周波数よりも上のFM帯域の59KHz幅の部分を示す図である。FM放送ラジオ局の各々について、FMキャリアよりも上にそのような59KHz幅の部分が1つ存在し、且つ、FMキャリアよりも下にそのような59KHz幅の部分が1つ存在する。概して言えば、帯域内残留FMは、図1の特定の周波数範囲部分のうちの1つにわたって、位相雑音をLO信号に統合することによって見つけられる。例えば、帯域内残留FMモノトーンは、図1のモノトーン周波数帯域1におけるSSB位相雑音の尺度である。帯域内残留FMモノトーン(300Hz〜5KHz)は、次の式(1)に従い、300Hz〜5KHzの帯域にわたってSSB(単側波帯)位相雑音を組み込むことによって決定されうる。ここで、L(f)は、測定PLL位相雑音であり、dBc/Hzの単位である。
【数1】

【0005】
帯域内残留FMステレオは、図1のステレオ周波数範囲2におけるSSB位相雑音の尺度である。帯域内残留FMステレオは、次の式(2)に従い、33KHzから43KHzの周波数帯域にわたってSSB位相雑音を組み込むことによって決定されうる。
【数2】

【0006】
帯域内残留FM RDS(ラジオデータシステム)は、図1のRDS/RBDS周波数帯域3における位相雑音の尺度である。帯域内残留FM RDSは、次の式(3)に従い、55KHzから59KHz周波数帯域にわたってSSB位相雑音を組み込むことによって決定されうる。
【数3】

【0007】
FM受信機によって出力されるオーディオの品質は、一般的に、帯域内残留FMによって制限される。ジャマーが存在しない場合、残留FMは、通常、限定的なパフォーマンスパラメータであり、キャリア対雑音比(CNR)が高い場合に、効果的なオーディオ信号対雑音比(SNR)を決定し、故に、オーディオ品質を決定する。しかしながら、ジャマーが存在する場合、FM受信機によって出力されるオーディオの品質は、一般的に、帯域外SSB位相雑音によって制限される。受信されているジャマーおよび所望の信号は、FM復調され、それは、相互混合(reciprocal mixing)によるオーディオ歪みを引き起こす。このオーディオ歪みは、帯域内残留FM位相雑音の有害な効果を支配する。一例において、ジャマーは、実質的な帯域内信号対雑音の劣化が結果として生じるような方法で、それが受信器においてLO信号の位相雑音と相互に混合するような周波数および電力の信号である。隣接したFMラジオチャネルの送信FM信号は、1つのそのようなジャマーの例でありうる。
【0008】
PLLベースの周波数シンセサイザを含む、従来の小型化および統合されたFM受信機において、PLLベースの周波数シンセサイザの様々なコンポーネントは、一般的に、非ジャマー状態およびジャマー状態の両方において、許容可能なパフォーマンスを達成するために、大きさが決められ、且つ、同調される。
【発明の概要】
【0009】
FM受信機内の周波数シンセサイザは、フェーズロックドループ(PLL)を用いて、局部発振器(LO)信号を生成する。LO信号は、FM信号を復調する過程でミキサに提供される。FM受信機は、さらに、ジャマー検出機能性を含む。1つの新しい態様に従って、PLLのループ帯域幅は、ジャマー検出機能性がジャマーを検出するか否かに少なくとも部分的に基づいて変更される。
【0010】
1つの特定の例において、ジャマー検出機能性によってジャマーが検出されなかった場合、PLLのループ帯域幅は、比較的高いループ帯域幅を有するように設定される。比較的高いPLLのループ帯域幅は、帯域内残留FMの削減を促進する。しかしながら、ジャマー検出機能性によってジャマーが検出された場合、PLLのループ帯域幅は、比較的低いループ帯域幅を有するように設定される。比較的低いPLLループ帯域幅は、帯域外SSB位相雑音の抑制を促進する。ジャマーが検出されたか否かに依存してPLLのループ帯域幅を自動的且つ適応的に変更することによって、帯域内残留FM要求および帯域外SSB位相雑音要求を満たすと同時に、PLLのサブ回路へのパフォーマンス要求が緩和される。例えば、低い電圧制御発振器(VCO)位相雑音を達成することは、しばしば、PLL内のVCOサブ回路が、比較的多くの量の電力を消費すること、または、大きいレイアウトエリアの高品質係数スパイラルインダクタが、VCOのLCタンクで使用されることを要求する。VCOサブ回路が、上に記述されたPLLループ帯域幅の適応的な変更による位相雑音をより多く生成できるようにすることによって、FM受信機に課せられるパフォーマンス要求を満たすと同時に、FM受信機のVCOが消費する電力量を減らすことができる。同様に、VCOサブ回路が、PLLループ帯域幅の適応的な変化による位相雑音をより多く生成できるようにすることによって、大きいレイアウトエリアの高品質係数スパイラルインダクタを使用する必要がないため、PLLのサイズをより小さくすることができる。
【0011】
前述は概要であるため、必然的に、詳細の簡潔化、一般化、省略を含んでおり、結果として、当業者は、その概要がただの実例であり、決して限定を意味していないことを認識するであろう。本明細書に記述されるデバイスおよび/またはプロセスの別の態様、発明の特徴、および利点は、特許請求の範囲によってのみ定義されるように、本明細書に示される非限定的な発明の詳細な説明において明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(従来技術)は、FMキャリア周波数に関して59KHz幅の周波数範囲を示す図である。
【図2】図2は、1つの新しい態様に従った、モバイル通信デバイス100の概略図である
【図3】図3は、図2のモバイル通信デバイスのFM送信機/受信機集積回路108のより詳細な図である。
【図4】図4は、トータルPLL位相雑音へのVCO位相雑音寄与が、周波数に応じてどのように変化するかを示す図である。
【図5】図5は、トータルPLL位相雑音へのチャージポンプの位相雑音寄与が、周波数に応じてどのように変化するかを示す図である。
【図6】図6は、トータルPPL位相雑音へのループフィルタ位相雑音寄与が、周波数に応じてどのように変化するかを示す図である。
【図7】図7は、図3のジャマー検出機能性148の図である。
【図8】図8は、ジャマー検出情報に基づいてPLLループ帯域幅を調整する方法200のフローチャートである。ジャマーが検出されなかった場合は、比較的高いPLLループ帯域幅が使用されるのに対して、ジャマーが検出された場合は、比較的低いループ帯域幅が使用される。
【図9】図9は、図3のFM送信機/受信機集積回路108のPLL 136内のループフィルタ140およびチャージポンプ139のより詳細な図である。
【図10】図10は、図9のループフィルタ140およびチャージポンプ139の回路素子の様々な可能性のある設定を示す表である。
【図11】図11は、比較的高いPLLループ帯域幅設定になるようにPLLを構成するため、且つ、比較的低いPLLループ帯域幅設定になるようにPLLを構成するために、ループフィルタ140およびチャージポンプ139の回路素子がどのように設定されるべきかを示す表である。
【図12】図12は、図8の方法に従って、ジャマーが検出されず、且つ、PLLループ帯域幅が、その第1の比較的高い値183KHzを有する動作状態において、図3のPLL 136のトータル位相雑音が、周波数にわたって、どのように変化するかを示すグラフである。
【図13】図13は、図8の方法に従って、ジャマーが検出され、且つ、PLLループ帯域幅が、その第2の比較的低い値125KHzを有する動作状態において、図3のPLL 136のトータル位相雑音が、周波数にわたってどのように変化するかを示すグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0013】
図2は、1つの態様に従って、フェーズロックドループ(PLL)帯域幅調整方法を実行する1つの特定なタイプのモバイル通信デバイス100の非常に簡潔化された高レベルなブロック図である。現在の例において、モバイル通信デバイス100は、セルラ電話のような充電式のハンドヘルドデバイスである。セルラ電話100は、(数ある図示されない部分でも特に)セルラ電話通信を受信および送信するために使用可能なアンテナ101、RFトランシーバ集積回路102、および、デジタルベースバンド集積回路103を含む。セルラ電話の動作の1つの非常に簡潔化された説明において、セルラ電話が、オーディオ情報をセルラ電話会話の一部として受信するのに使用されている場合、入ってくる伝送104がアンテナ101で受信される。その信号は、RFトランシーバ集積回路102で増幅、ダウンコンバート、およびフィルタリングされる。デジタルベースバンド集積回路103でデジタル化、復調、および、復号された後、結果として生じたオーディオ情報105は、例えば、セルラ電話のユーザが、セルラ電話の会話において、別のスピーカを聞くことができるように、スピーカ(図示されない)を駆動するために使用されうる。他方で、セルラ電話100が、オーディオ情報をセルラ電話会話の一部として送信するために使用されるべき場合、モバイル通信デバイスの一部であるマイクロホン(図示されない)は、サウンドを受信し、そのサウンドを電子信号に変換する。その電子信号は、オーディオ情報106というデジタル値のストリームに変換される。オーディオ情報106は、デジタルベースバンド集積回路103で、符号化され、変調され、および、アナログ形式へ変換される。結果として生じるアナログ信号は、RFトランシーバ集積回路102で、フィルタリングおよびアップコンバートされうる。増幅された後、信号は、伝送107として、アンテナ101から送信される。このセルラ電話動作の説明は、PLL帯域幅調整方法の動作を説明するためのコンテキストを提供するために、非常に簡潔化され、且つ、本明細書に提示される。
【0014】
上に記述されたセルラ電話機能性に加えて、セルラ電話100は、FMラジオ通信(約76MHzから約108MHzのFM VHF放送帯通信)を受信および送信する能力を有する。このFMマイクロ送信機にラジオ機能性を提供するために、セルラ電話100は、シリアルバス109を介してデジタルベースバンド集積回路103に結合されたFM送信機/受信機集積回路108を含む。例えば、ユーザは、FM VHF帯域で通常のFM放送ラジオ局を受信するため、およびそれを聞くためにセルラ電話100を使用しうる。セルラ電話100がこの方法で使用される場合、FMラジオ信号110は、プリント回路基板(PCB)アンテナ111で受信され、マッチングネットワーク119を介してFM送信機/受信機集積回路108に提供される。別の方法において、ヘッドセット113が、コネクタ114を介してセルラ電話に接続される場合、FMラジオ信号110が、アンテナ113で受信され、マッチングネットワーク115を介してFM送信機/受信機集積回路108に提供される。入ってくるFM信号は、FM受信機機能性116によって復調される。受信された、結果として生じる情報は、次に、シリアルバス109を介してデジタルベースバンド集積回路103に通信されうる。次に、デジタルベースバンド集積回路103は、ユーザが、FM放送情報を聞くことができるように、ユーザのスピーカまたはヘッドセットを駆動する。この方法で、セルラ電話100のユーザは、セルラ電話100を使用して、76MHzから108MHzのFM帯域で通常のFMラジオ局を聞くことができる。
【0015】
セルラ電話100は、さらに、同じFM VHF帯域でFM信号を送信するために使用されうる。例えば、ユーザは、自動車またはホームステレオシステムのオーディオシステムを使用して、セルラ電話に記憶されたオーディオ情報を聞くことができる。一例において、MP3ファイルのようなオーディオファイルは、セルラ電話100に記憶され、ユーザは、そのファイルのオーディオをユーザの自動車のサウンドシステムで聞くことを望む。これを行うために、MP3ファイルは、シリアルバス109を介してデジタルベースバンド集積回路103からFM送信機/受信機集積回路108に通信される。MP3情報は、オーディオ情報のストリームに変換され、それは、次に、FM送信機機能性117によってキャリア上にFM変調される。次に、FMラジオ信号は、提供されると、アンテナ111またはアンテナ113上で駆動される。次に、結果として生じるFM伝送118は、ユーザの自動車のFMラジオチューナによって受信される。次に、自動車のFMラジオは、FM伝送118を受信し、それが通常のFMラジオ局を受信するために同調される場合のように自動車のスピーカを駆動させる。この方法で、ユーザは、セルラ電話100を使用して、MP3音楽をユーザの自動車で再生することができる。ここで、MP3音楽は、セルラ電話110に記憶される。これは、セルラ電話100と自動車のFMラジオシステムとの間に任意のワイヤを接続することなく達成されうる。
【0016】
図3は、図2のFM送信機/受信機集積回路108のより詳細な図である。FM受信経路は、PCBアンテナ111またはヘッドセットワイヤアンテナ113から、送信/受信(TR)フロントエンドスイッチ120、低雑音増幅器(LNA)121、ミキサブロック122、複合帯域パスフィルタ123、一対のアナログ/デジタル変換器(ADC)124および125を通り、デジタル信号プロセッサ(DSP)126に伸びている。周波数シンセサイザ129によって生成される局部発振器信号(LO)128は、ミキサブロック122に提供される。矢印127は、結果として生じるデジタルオーディオ情報のストリームを表す。
【0017】
FM送信経路は、導体130から伸びている。矢印131は、デジタルオーディオ情報の入ってくるストリームを表す。DSP 132、および、関連するシグマ/デルタ変調器133は連動して、デジタル値のストリーム134を周波数シンセサイザ129に提供する。このデジタル値のストリーム134は、周波数シンセサイザ129に、FM信号135を出力させる。FM信号135は、バッファ137Aによってバッファされ、電力増幅器(PA)137によって増幅される。次に、FM信号135は、送信のために、TRスイッチ120を通してアンテナ(111および/または113)に渡される。従って、同一の周波数シンセサイザ129が、受信経路と送信経路の両方において使用される。
【0018】
周波数シンセサイザ129は、フラクショナルNのフェーズロックドループ(PLL)部136およびプログラマブル出力分周器部137を含む。PLL部136は、位相周波数検出器(PFD)138、チャージポンプ139、ループフィルタ140、電圧制御発振器(VCO)141、VCOバッファ141A、および、ループ分周器142を含む。19.2MHzの参照クロック信号143は、外部参照から(例えば、外部の水晶発振器から)提供される。PFD 138は、フィードバック信号144の位相を参照クロック信号143の位相と比較し、VCO 141に提供されるDC制御信号145を増大または減少させるように、チャージパポンプ139を適切に制御する。DC制御信号145は、フィードック信号144の位相が、参照クロック信号143の位相にロックされたままになるように、増大または減少される。矢印59は、バッファ141Aによってバッファされた後のVCO出力信号を識別する。
【0019】
図3のFM受信機のようなFM受信機において、局部発振器信号LO128における許容可能な位相雑音の量を制限する。位相雑音は、LO信号のスペクトル純度を示す量である。次の式(4)は、局部発振器信号LO128におけるトータル位相雑音を求める方程式である。
【数4】

【0020】
式(4)で示されたように、トータル位相雑音は、チャージポンプ139によるコンポーネントSθCP、ループ分周器142によるコンポーネントSθTdiv、VCO 141によるコンポーネントSθVCO、ループフィルタ140によるコンポーネントSθFLT、入力参照クロック信号143内の雑音によるコンポーネントSθREF、VCO出力バッファ141AによるコンポーネントSθBUFF、シグマ/デルタ変調133によるコンポーネントSθΣΔを含むいくつかのコンポーネントを含む。
【0021】
図4は、トータル位相雑音へのVCO位相雑音寄与が、周波数に応じてどのように変化するかを示す図である。
【0022】
図5は、トータル位相雑音へのチャージポンプ位相雑音寄与が、周波数に応じてどのように変化するかを示す図である。
【0023】
図6は、トータル位相雑音へのループフィルタ位相雑音寄与が、周波数に応じてどのように変化するかを示す図である。
【0024】
1つの新しい態様において、FM受信機に課せられる残留FM位相雑音要求が考慮され、且つ、FM受信機に課せられるSSB位相雑音要求が考慮される。第1に、ジャマーが存在しない場合、残留FM位相雑音要求を満たすことは、一般的に、帯域外SSB位相雑音要求を満たすよりも難しいことが認識される。オーディオ品質は、SSB位相雑音要求が容易に満たされるのに対して、一般的に、残留FM位相雑音要求に近づく帯域内残留FMにより従来のFM受信機において制限される。PPLループ帯域幅を増やすことは、一般的に、残留FMを改善する(残留FMを減らす)ように機能するが、しかし、不運にも、帯域外SSB位相雑音を劣化させる(帯域外SSB位相雑音を増加させる)ようにも機能する。
【0025】
第2に、ジャマーが存在する場合、帯域外SSB位相雑音要求は、一般的に、残留FM位相雑音要求よりも厳しいことがさらに認識される。オーディオ品質は、一般的に、残留FM位相雑音要求は、一般的に、いくらかのマージンで満たされるのに対して、帯域外SSB位相雑音要求に近づく帯域外SSB位相雑音により従来のFM受信機において制限される。PLLループ帯域幅を減らすことは、帯域外SSB位相雑音を改善する(SSB位相雑音を減らす)ように機能するが、しかし、不運にも、残留FM位相雑音を劣化させる(残留FM位相雑音を増やす)ようにも機能する。
【0026】
ジャマーの存在がしばしば検出されうることがさらに認識される。この検出は、図3のDSP 126内のジャマー検出機能性148によって、ソフトウェアまたはファームウェアにおいて実行される。プロセッサ実行可能命令(コンピュータ実行可能命令とも呼ばれる)のソフトウェアまたはファームウェアプログラムは、DSP 126内の、あるいは、DSP 126に結合されたプロセッサ可読媒体(コンピュータ可読媒体とも呼ばれる)に記憶される。命令は、DSP 126によって実行される。
【0027】
図7は、ジャマー検出機能性148の一例のより詳細な機能図である。デジタルフィルタリング動作の前の入ってくる受信信号(RSSI)のトータル電力Iを、デジタルフィルタリング動作の後の入ってくる受信信号(RMSSI)のトータル電力Cと比較することによって、ジャマーの存在が検出される。図7の機能ブロック155は、デジタルフィルタリング動作を表す。RSSIは、受信信号強度インジケータを指す。RSSIインジケータは、図7の機能ブロック156によって生成される。RMSSIは、受信平均強度信号インジケータを指す。RMSSIインジケータは、図7の機能ブロック157によって生成される。比較器ブロック157は、RSSIインジケータとRMSSIインジケータとを比較し、I/C比149を生成する。I/C比は、ジャマーの有無、並びに、ジャマーの強度の両方を示す。I/C比149は、ジャマーが存在するか否かを示すインジケーションである。この決定は、ジャマーの存在が検出されうる1つの方法にすぎない。ジャマーを検出するあらゆる別の適切な方法が、用いられうる。
【0028】
図8は、1つの新しい態様に従った、ジャマー検出に基づくPLL帯域幅調整方法200のフローチャートである。ジャマーが検出されなかった場合(ステップ201)、PLL 136は、第1のPLLループ帯域幅を有するように制御される(ステップ202)。第1のPLLループ帯域幅は、帯域内残留FMの抑制を促進し、且つ、それを容易にするために比較的高い。一例において、集積回路108のFM受信機は、ジャマーが存在しない動作状態でシミュレートまたはテストされ、残留FM要求および帯域外SSB位相雑音要求を含む全ての要求を考慮して、最良のオーディオ品質に帰着する最適PLLループ帯域幅が記録される。この決定されたPLL帯域幅が、第1のPLLループ帯域幅である。1つの特定の例において、この第1の帯域幅は183KHzである。
【0029】
しかしながら、ジャマーが検出された場合(ステップ201)、PLL 136は、第2のPLLループ帯域幅を有するように制御される(ステップ203)。第2のPLLループ帯域幅は、帯域外SSB位相雑音の抑制を促進するために、比較的低い(第1のPLL帯域幅と比べて)。一例において、集積回路108のFM受信機は、ジャマーが存在する動作状態でシミュレートまたはテストされ、残留FM要求および帯域外SSB位相雑音要求を含む全ての要求を考慮して、最良のオーディオ品質に帰着する最適PLLループ帯域幅が記録される。この決定されたPLLループ帯域幅が、第2のPLLループ帯域幅である。1つの特定の例において、この第2の帯域幅は125KHzである。
【0030】
PLL 136のループ帯域幅の変更を容易にするために、ループフィルタ140は、プログラマブルループフィルタである。図9は、プログラマブルループフィルタ140のより詳細な図である。プログラマブルループフィルタ140は、デジタル制御された可変抵抗を有する抵抗素子R1およびR2を含む。プログラマブルループフィルタ140は、さらに、デジタル制御されたキャパシタンスを有するキャパシタンス素子C1、C2、C3を含む。抵抗素子の抵抗およびキャパシタンス素子のキャパシタンスは、図3の導体150上のマルチビットのデジタルループフィルタ制御値によって決定される。PLL 136のループ帯域幅の変更を容易にするために、チャージポンプ139もまた、プログラマブルチャージポンプである。図3の導体151上の1ビットのデジタル電流制御値が、第1のデジタル値を有する場合、チャージポンプ139は、第1の電流量ICPをシンクおよびソースするように制御され、導体151上の1ビットのデジタル電流制御値が、第2のデジタル値を有する場合、チャージポンプ139は、第2の電流量ICPをシンクおよびソースするように制御される。本明細書に記述される特定の動作可能な例において利用されていないが、VCO 141の同調感度(Kvco)は可変であり、導体152を介してVCO 141に提供される1ビットのデジタルKVCO制御値によって決定された2つの値のうちの1つを有するように設定されうる。現在記述されている動作例において、VCO 141の同調感度は、一定の値を有するように設定され、導体152上の1ビットのデジタル制御値は、変更されない。DSP 126内のPLL帯域幅制御論理機能性153は、ジャマー検出機能性148によって決定されるように、ジャマーが検出されたか否かに少なくとも部分的に基づいて、導体150、151、152上のデジタル制御値を生成する。導体150、151、152上の制御値は、組み合わさって、マルチビットの制御信号154を形成する。ジャマー検出機能性148によるジャマーの検出を受けて、マルチビット制御信号154の値は、PLLの帯域幅が、第1のPLLループ帯域幅から第2のPLLループ帯域幅に変化するように、第1の値から第2の値に変化する。ある時間の後、ジャマー検出機能性148が、もはやジャマーを検出しないと、PLLの帯域幅が、第2のPLLループ帯域幅から第1のPLLループ帯域幅に変更されるように、マルチビットの制御信号154の値は、第2の値から第1の値に変化する。
【0031】
図10は、図9の様々な抵抗素子、キャパシタンス素子、および電流ソース素子が、有するように制御されうる異なる抵抗、キャパシタンス、および電流値を示す表である。例えば、図9のキャパシタンス素子C1は、25ピコファラド〜220ピコファラドの範囲内の16個のキャパシタンスのうちの選択可能な1つを有するように設定されうる。4ビットのデジタル値は、キャパシタC1が有するべきキャパシタンスが、これら16個のキャパシタンスのうちのどれであるかを決定する。同様に、抵抗素子R1の抵抗は、別の4ビットのデジタル値によって決定される。キャパシタンス素子C2のキャパシタンスは、3ビットのデジタル値によって決定される。抵抗素子R2の抵抗は、1ビットのデジタル値によって決定される。これらの全てのデジタル値が、共に、導体150を介してループフィルタ140に提供される。同様に、チャージポンプ電流ICPは、39マイクロアンペア、あるいは、85マイクロアンペアという値を有するように設定されうる。チャージポンプ139がシンクおよびソースするであろうこれら2つの電流値のうちの何れかが、導体151を介してチャージポンプ139に提供される1ビットのデジタル電流制御値によって決定される。
【0032】
図11は、図3のPLL 136が、ステップ202(図8の方法200の)で、どのようにして、第1の比較的高いPLLループ帯域幅を有するように構成されるか、且つ、PLL 136が、ステップ203で、どのようにして、第2の比較的低いPLLループ帯域幅を有するように構成されるかを示す1つの特定の例を示す表である。列300は、回路素子R1、R2、C1、C2、C3およびチャージポンプ電流ICPの値が、PLLループ帯域幅が約183KHzというその第1の帯域幅の値を有するように、どのように設定されるかを示す。図8のフローチャートに示されるように、これらの設定は、ジャマーが検出されない場合に使用される。この第1の高いPLLループ帯域幅は、ジャマーを含まない動作状態の最適オーディオ品質に帰着する。他方、列301は、回路素子R1、R2、C1、C2、C3およびチャージポンプ電流ICPの値が、PLLループ帯域幅が、約125KHzというその第2の比較的低い帯域幅値を有するように、どのように設定されるかを示す。図8のフローチャートで示されるように、これらの設定は、ジャマーが検出された場合に使用される。低いPLLループ帯域幅は、ジャマーを含む動作状態における最適オーディオ品質に帰着する。キャパシタンス素子C1、C2、C3のキャパシタンスは、2つのPLLループ帯域幅構成の切り替え時に変更されないため、PLLへの妨害を最小化し、PLL設定時間を減らす。
【0033】
図12は、図3のPLL 136のトータル位相雑音400が、ジャマーが検出されず、且つ、PLLループ帯域幅が、その第1の比較的高い値183KHzを有する動作状態で、周波数にわたって、どのように変化するかを示すグラフである。トータル位相雑音400は、全ての周波数において受信機マスク408よりも下である。
【0034】
図13は、図3のPLL 136のトータル位相雑音500が、ジャマーが検出され、且つ、PLLループ帯域幅が、その第2の比較的低い値125KHzを有する動作状態において、周波数にわたってどのように変化するかを示すグラフである。トータル位相雑音500は、全ての周波数において受信機マスク508よりも下である。
【0035】
1つ以上の例示的な実施形態において、記述される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの任意の組み合わせに実施されうる。ソフトウェアに実施された場合、その機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードとして記憶または送信される。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある箇所から別の箇所へのコンピュータプログラム移送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによりアクセスされることができる任意の利用可能な媒体である。それに制限されない例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは、汎用コンピュータや専用コンピュータ、または、汎用プロセッサや専用プロセッサによってアクセスされることができ、命令やデータ構造形で所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用されることができる任意の別媒体を備えることができる。さらに、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、撚線対、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、ラジオ、マイクロ波などの無線テクノロジを使用してウェブサイト、サーバ、または別のリモートソースからソフトウェアが送信されると、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、撚線対、DSL、または赤外線、ラジオ、マイクロ波などの無線テクノロジは、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)とディスク(disc)は、本明細書で使用される場合、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスクを含む。ディスク(disk)は通常磁気作用によってデータを再生し、ディスク(disc)はレーザーで光学的にデータを再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0036】
ある特定の実施形態が、教示を目的として上に記述されているが、この特許文献の教示は、一般的適応性を有しており、上に記述された特定の実施形態に限定されない。ジャマー検出は、図3で示されるようなソフトウェアで実行されうるか、あるいは、ハードウェア回路構成によって実行されうる。ジャマー検出は、PLLを含む同一の集積回路で発生するか、あるいは、PLLを含まない別の集積回路で発生しうる。上に示されたPLLループ帯域幅を変更する方法は、例にすぎない。PLLループ帯域幅を変更するために、別のPLL回路コンポーネントが制御され、上の記述において制御されているとして記述されるPLL回路コンポーネントは、PLLループ帯域幅を変更する別の方法で制御されうる。PLLループ帯域幅を変更するための決定は、ジャマーが検出されたか否かに全体的に依存する必要はなく、むしろ、別の情報にも部分的に依存しうる。ジャマー検出ベースの適応PLL帯域幅調節方法が、FMマイクロ送信機を含むセルラ電話の例に関して上に記述されるが、その方法は、FM受信機における一般的適用性を予見する。従って、記述された特定の実施形態の様々な特徴の様々な変更、適応、および組み合わせは、下に示される特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく実施されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ジャマーを検出することと、
(b)前記(a)の検出に少なくとも部分的に基づいて、周波数変調(FM)ラジオ受信機内のフェーズロックドループ(PLL)のループ帯域幅を第1のループ帯域幅から第2のループ帯域幅に変更することと
を備える方法。
【請求項2】
前記FMラジオ受信機は、約76MHzから約108MHzまでの周波数帯域でFM放送トラジオ通信を受信するように動作可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記(a)の検出は、デジタルフィルタリング動作の前の信号の電力を、前記デジタルフィルタリング動作の後の前記信号の電力と比較することを含み、前記デジタルフィルタリング動作は、前記FMラジオ受信機で発生し、前記(a)の検出は、前記FMラジオ受信機で発生する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記PLLは、ループフィルタを含み、前記ループフィルタは、可変抵抗を有する抵抗素子を含み、前記可変抵抗は、(b)において、第1の抵抗から第2の抵抗に変更される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ループフィルタは、可変キャパシタンスを有するキャパシタンス素子を含み、前記可変キャパシタンスは、前記可変抵抗が、(b)において、前記第1の抵抗から前記第2の抵抗に変更される時に変更されない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ループフィルタは、キャパシタンスが、前記可変抵抗の前記抵抗が、(b)において、前記第1の抵抗から前記第2の抵抗に変更される時に変更されるキャパシタンス素子を含まない、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記PLLは、ループフィルタを含み、前記ループフィルタは、可変キャパシタンスを有するキャパシタンス素子を含み、前記可変キャパシタンスは、(b)において、第1のキャパシタンスから第2のキャパシタンスに変更される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記PLLは、チャージポンプを含み、前記(b)の変更は、前記チャージポンプの電流ソーシング容量を、第1の電流ソース量から第2の電流ソース量に変更することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記PLLは、電圧制御発振器(VCO)を含み、前記(b)の変更は、前記VCOの同調感度(Kvco)を変更することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
ジャマーが存在しない第1の動作状態において、第1のループ帯域幅で、周波数変調(FM)ラジオ受信機内のフェーズロックドループ(PLL)を動作することと、
ジャマーが存在する第2の動作状態において、第2のループ帯域幅を用いて、前記PLLを動作することと
を備え、
前記第1のループ帯域幅は、前記第2のループ帯域幅よりも高い、方法。
【請求項11】
信号を出力するジャマー検出機能性と、
フェーズロックドループ(PLL)と
を備え、
前記PLLのループ帯域幅は、前記信号値の第1の値から第2の値への変更に少なくとも部分的に基づいて、変更される、周波数変調(FM)受信機。
【請求項12】
前記ジャマー検出機能性は、ジャマーを検出し、前記ジャマーの検出に応答して、前記信号の値を前記第1の値から前記第2の値に変更する、請求項11に記載のFM受信機。
【請求項13】
前記ジャマー検出機能性は、前記PLLが第1のループ帯域幅を有するように制御されるために前記第1の値を前記PLLに提供し、前記ジャマー検出機能性は、前記PLLが、第2のループ帯域幅を有するように制御されるために、前記第2の値を前記PLLに提供し、前記第1のループ帯域幅は、前記第2のループ帯域幅よりも高い、請求項12に記載のFM受信機。
【請求項14】
前記PLLは、ループフィルタを含み、前記ループフィルタは、複数の抵抗素子および複数のキャパシタンス素子を含み、前記PLLの前記ループ帯域幅は、前記ループフィルタの任意のキャパシタンス素子のキャパシタンスを変更することなく、前記抵抗素子のうちの少なくとも1つの抵抗を変更することによって変更される、請求項11に記載のFM受信機。
【請求項15】
前記信号は、前記ジャマー検出機能性によって前記PLLに提供されるマルチビットのデジタル信号である、請求項11に記載のFM受信機。
【請求項16】
前記第1および第2の値は、前記PLL内のループフィルタのフィルタ特性を決定する、請求項11に記載のFM受信機。
【請求項17】
前記第1および第2の値は、前記PLL内のチャージポンプによってソースされる電流の大きさを決定する、請求項11に記載のFM受信機。
【請求項18】
前記PLLは、プログラマブルループフィルタを含み、前記第1および第2の値は、マルチビットのデジタル制御値であり、前記第1および第2の値の複数のビットのうちの少なくとも1つは、前記プログラマブルループフィルタに提供される、請求項11に記載のFM受信機。
【請求項19】
前記PLLは、プログラマブルチャージポンプを含み、前記第1および第2の値は、マルチビットのデジタル制御値であり、前記第1および第2の値の複数のビットのうちの少なくとも1つは、前記プログラマブルループフィルタに提供される、請求項11に記載のFM受信機。
【請求項20】
前記PLLは、FM周波数の周波数シンセサイザの一部であり、前記FM受信機は、約76MHzから約108MHzまでの周波数のキャリアを有するFM放送信号を受信することに適応している、請求項11に記載のFM受信機。
【請求項21】
ループ帯域幅を有するフェーズロックドループ(PLL)を備え、前記ループ帯域幅は、ジャマー検出情報に少なくとも部分的に基づいて、自動的に調整される、周波数変調(FM)受信機。
【請求項22】
前記ジャマー検出情報は、前記FM受信機がFM信号を受信する時に、ジャマーが前記FM受信機に存在するか否かを示し、前記PLLは、周波数シンセサイザの一部であり、前記周波数シンセサイザは、前記FM信号の復調に使用される局部発振器(LO)信号を生成し、前記FM信号は、約76MHzから約108MHzまでの周波数のキャリアを有する、請求項21に記載のFM受信機。
【請求項23】
ループ帯域幅を有するフェーズロックドループ(PLL)と、ここで、前記PLLは、周波数変調(FM)受信機内で局部発振器(LO)信号を生成する周波数シンセサイザの一部であり、
ジャマー検出情報に少なくとも部分的に基づいて前記PLLの前記ループ帯域幅を変更するための手段と
を備える装置。
【請求項24】
前記変更するための手段は、前記PLLに結合された複数の導体を含み、前記複数の導体が、第1のマルチビットのデジタル制御値を搬送する場合、前記ループ帯域幅は第1のループ帯域幅であり、前記複数の導体が、第2のマルチビットのデジタル制御値を搬送する場合、前記ループ帯域幅は第2のループ帯域幅である、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記ジャマー検出情報は、前記PLLの前記ループ帯域幅が、前記FM受信機の動作中に変化するように、前記FM受信機の動作中に変化する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読媒体は、
(a)コンピュータに、ジャマーが存在するか否かを決定させるためのコードと、
(b)前記コンピュータに、前記(a)の決定に少なくとも部分的に基づいてフェーズロックドループ(PLL)のループ帯域幅を変更させるためのコードとを備え、
前記PLLは、周波数変調(FM)受信機の一部である、
コンピュータプログラム製品。
【請求項27】
前記ループ帯域幅は、(a)の決定が、ジャマーが存在しないことである場合に、第1の帯域幅を有し、前記ループ帯域幅は、(a)の決定が、ジャマーが存在することである場合に第2の帯域幅を有し、前記第1の帯域幅は前記第2の帯域幅よりも高い、請求項26に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記コンピュータは、前記FM受信機内のプロセッサである、請求項26に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−525104(P2012−525104A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508573(P2012−508573)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/032455
【国際公開番号】WO2010/126844
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】