説明

ICカード、携帯通信端末機、ICカード用プログラム、携帯通信端末機用プログラム

【課題】ダウンロードしたデータの使用結果に基づいて適正に使用情報を管理することができるICカード、携帯通信端末機、ICカード用プログラム及び携帯通信端末機用プログラムを提供する。
【解決手段】ICカード(10)は、携帯通信端末機(50)に装着されるICカード(10)であって、携帯通信端末機(50)からデータを受信する受信手段(13)と、受信手段(13)で受信したデータを保存する記憶手段(12a)と、携帯通信端末機(50)からの要求に基づいて記憶手段(12a)からデータを読み出して、携帯通信端末機(50)へと送信する送信手段(14)と、送信手段(14)で送信したデータに基づいて、データの使用情報を管理するデータ管理手段(12b)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを管理するICカード、携帯通信端末機、ICカード用プログラム及び携帯通信端末機用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今の携帯通信端末機は、インターネットなどの通信手段により基地局を介して特定のサーバから情報(データ)をダウンロードした場合、そのダウンロードしたファイルサイズなどに応じて料金を支払う課金システムが提案、実現されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の携帯電話機は、データのダウンロード時に必要となる個人情報の入力の負担を軽減する課金処理を提案している。
しかし、このような携帯電話機は、地下鉄のトンネルなどの基地局からの電波が遮断されてしまう領域に携帯電話機の使用者が移動した場合、サーバからデータをダウンロードできなかったり、ダウンロードが中断したりして、使用者に安定した情報の提供を行うことができなかった。また、ダウンロードが中断することによって、適正にデータがダウンロードされなかったにも関わらず、ダウンロードの使用料金が徴収されたり、ダウンロードの中断後の通信状態が回復したときに、再度データをダウンロードすることによって、中断の前後で二重に使用料金を徴収されたりする場合があった。
【特許文献1】特開2006−190038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ダウンロードしたデータの使用結果に基づいて適正に使用情報を管理することができるICカード、携帯通信端末機、ICカード用プログラム及び携帯通信端末機用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を括弧内に付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、携帯通信端末機(50)に装着されるICカード(10)であって、前記携帯通信端末機(50)からデータを受信する受信手段(13)と、前記受信手段(13)で受信した前記データを前記携帯通信端末機(50)へと送信する送信手段(14)と、前記送信手段(14)で送信した前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段(12b)と、を備えるICカード(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のICカード(10)において、前記受信手段(13)で受信する前記データは、使用者がダウンロードして利用するであろうと前記携帯通信端末機(50)が予測したデータを含むこと、を特徴とするICカード(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のICカード(10)において、前記送信手段(14)は、前記データ管理手段(12b)で管理する前記データの使用情報を前記携帯通信端末機(50)に送信すること、を特徴とするICカード(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のICカード(10−2)において、前記受信手段(13)で受信する前記データは、暗号化されており、前記受信手段(13)で受信した前記データを復号化する復号手段(15)を備え、前記送信手段(14)は、前記復号手段で復号化した前記データを前記携帯通信端末機(50)へと送信すること、を特徴とするICカード(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のICカード(10)において、前記受信手段(13)で受信した前記データを保存する記憶手段(12)を備え、前記送信手段(14)は、前記携帯通信端末機(50)からの要求に基づいて前記記憶手段(12a)から前記データを読み出して前記携帯通信端末機(50)へと送信すること、を特徴とするICカード(10)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載のICカード(10)において、前記受信手段(13)で受信する前記データは、暗号化されており、前記データを前記受信手段(13)で受信して前記記憶手段(12a)に保存するときに、前記データを復号化する復号手段を備えること、を特徴とするICカード(10)である。
請求項7の発明は、請求項5に記載のICカード(10)において、前記受信手段(13)で受信する前記データは、暗号化されており、前記データを前記送信手段によって前記記憶手段(12a)から読み出したときに、前記データを復号化する復号手段(15)を備えること、を特徴とするICカード(10)である。
【0005】
請求項8の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のICカード(10−2)を備えた携帯通信端末機(50−2)であって、基地局(80)からデータを受信する通信手段(52)と、前記通信手段(52)によって受信した前記データを保存する記憶手段(59)と、前記データを実行するときに、前記記憶手段(59)に保存された前記データを前記ICカード(10−2)に送信するデータ送信手段(54)と、前記ICカード(10−2)から前記データを受信するデータ受信手段(55)と、前記データ受信手段(55)で受信した前記データを実行するデータ実行手段(57)と、を備える携帯通信端末機(50−2)である。
【0006】
請求項9の発明は、請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のICカード(10)を備えた携帯通信端末機(50)であって、基地局(80)からデータを受信する通信手段(52)と、前記通信手段(52)によって受信した前記データを前記ICカード(10)に送信するデータ送信手段(54)と、前記データを実行するときに、前記ICカード(10)から前記データを受信するデータ受信手段(55)と、前記データ受信手段(55)で受信した前記データを実行するデータ実行手段(57)と、を備える携帯通信端末機(50)である。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載の携帯通信端末機(50)において、当該携帯通信端末機(50)の使用者がダウンロードして利用するであろうと予測されるデータを選定するデータ選定手段(56)を備え、前記通信手段(52)は、前記データ選定手段(56)で選定した前記データを、使用者が利用する前に前記基地局(80)から予め受信すること、を特徴とする携帯通信端末機(50)である。
請求項11の発明は、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の携帯通信端末機(50)において、前記データ受信手段(55)は、前記ICカード(10)から前記データの使用情報を受信し、前記通信手段(52)は、前記データ受信手段(55)で受信する前記データの使用情報を前記基地局(80)へ送信すること、を特徴とする携帯通信端末機(50)である。
【0007】
請求項12の発明は、基地局(80)からデータを受信する通信手段(52)と、前記通信手段(52)によって受信した前記データを保存する記憶手段(59a)と、前記データを使用するときに、前記記憶手段(59−3)から前記データを読み出して、読み出した前記データを実行するデータ実行手段(57)と、前記データ実行手段(57)で実行された前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段(59b)とを備え、前記通信手段(52)は、前記データ管理手段(59b)で管理する前記データの使用情報を前記基地局(80)に送信すること、を特徴とする携帯通信端末機(50−3)である。
請求項13の発明は、請求項12に記載の携帯通信端末機(50−3)において、当該携帯通信端末機(50−3)の使用者がダウンロードして利用するであろうと予測されるデータを選定するデータ選定手段(56)を備え、前記通信手段(52)は、前記データ選定手段(56)で選定した前記データを、使用者が利用する前に前記基地局(80)から予め受信すること、を特徴とする携帯通信端末機(50−3)である。
請求項14の発明は、請求項12又は請求項13に記載の携帯通信端末機(50−3)において、前記通信手段(52)で受信する前記データは、暗号化されており、前記データを前記通信手段(52)で受信して前記記憶手段(59a)に保存するときに、前記データを復号化する復号手段(60)を備えること、を特徴とする携帯通信端末機(50−3)である。
請求項15の発明は、請求項12又は請求項13に記載の携帯通信端末機(50−3)において、前記通信手段(52)で受信する前記データは、暗号化されており、前記データを前記データ実行手段(57)によって前記記憶手段(59a)から読み出したときに、前記データを復号化する復号手段(60)を備えること、を特徴とする携帯通信端末機(50−3)である。
請求項16の発明は、請求項12から請求項15までのいずれか1項に記載の携帯通信端末機(50−3)において、前記記憶手段(59a)は、耐タンパ性を有していること、を特徴とする携帯通信端末機(50−3)である。
【0008】
請求項17の発明は、携帯通信端末機(50)に装着されるICカード(10)に使用されるICカード用プログラムであって、コンピュータ(11)を、前記携帯通信端末機(50)からデータを受信する受信手段(S106)と、前記受信手段(S106)で受信した前記データを前記携帯通信端末機(50)へと送信する送信手段(S207)と、前記送信手段(S207)で送信した前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段(S205)、として機能させるICカード用プログラムである。
請求項18の発明は、携帯通信端末機(50−2)に装着されるICカード(10−2)に使用されるICカード用プログラムであって、コンピュータ(11)を、前記携帯通信端末機(50−2)からデータを受信する受信手段と、前記受信手段で受信した前記データを保存する記憶手段と、前記記憶手段で保存した前記データを、前記携帯通信端末機(50−2)からの要求に基づいて前記携帯通信端末機(50−2)へと送信する送信手段と、前記送信手段で送信した前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段、として機能させるICカード用プログラムである。
請求項19の発明は、コンピュータ(51)を、基地局(80)からデータを受信する通信手段と、前記通信手段によって受信した前記データを保存する記憶手段と、前記データを使用するときに、前記記憶手段から前記データを読み出して、読み出した前記データを実行するデータ実行手段と、前記データ実行手段で実行された前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段として機能させ、前記通信手段は、前記データ管理手段で管理する前記データの使用情報を前記基地局(80)に送信すること、を特徴とする携帯通信端末機用プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下のような効果がある。
(1)送信手段で携帯通信端末機に送信したデータの使用情報をデータ管理手段によって管理しているので、携帯通信端末機で使用されたデータに対して使用情報を記録することができ、その使用情報に基づいてデータの使用料金などを適正に管理することができる。
(2)受信手段で受信するデータは、使用者がダウンロードして利用するであろうと携帯通信端末機が予測したデータを含んでいるので、データを継続的にダウンロードして実行する携帯通信端末機の通信が遮断された場合において、携帯通信端末機が予測したデータから適切なデータを読み出して、データの実行が中断されるのを防止することができる。
【0010】
(3)送信手段は、データの使用情報を携帯通信端末機に送信するので、そのデータの使用情報を携帯通信端末機から外部の基地局へと送信することができ、データの使用情報を携帯通信端末機の外部で管理することができる。
(4)携帯通信端末機から受信した暗号化されたデータを復号化して携帯通信端末機に送信しているので、セキュリティ性の高いICカードに復号部を設けることにより、不正に復号部を操作されるのを防止することができる。
【0011】
(5)携帯通信端末機から受信したデータを記憶手段で保存しているので、携帯通信端末機で使用するまでデータをセキュリティ性の高いICカード内で保存することができる。
(6)暗号化されたデータを、記憶手段に保存するときに復号化しているので、データを記憶手段から読み出したときに、データを復号化する作業を省くことができ、データの読み出し動作の応答を高速にすることができる。
(7)暗号化されたデータを、記憶手段から読み出すときに復号化しているので、使用しないデータは復号化せずに記憶手段に保存しておくことができ、記憶手段に対して不正があった場合に、内部のデータが読み出されるのを防止することができる。
【0012】
(8)携帯通信端末機は、記憶手段に保存されたデータを、データ実行手段で実行したときに、データの使用情報をデータ管理手段によって管理しているので、ICカードを用いずにデータ及びデータの使用情報を管理することができ、また、ICカードとのデータなどの送受信を省くことができ、携帯通信端末機の処理速度を向上させることができる。
(9)携帯通信端末機に設けられた記憶手段は、耐タンパ性を有しているので、その内部に保存したデータが不正な行為によって外部に読み出されるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、ダウンロードしたデータの使用結果に基づいて適正に使用情報を管理することができるICカード、携帯通信端末機、ICカード用プログラム及び携帯通信端末機用プログラムを提供するという目的を、データを記憶手段に保存しておき、記憶手段からデータを読み出して実行したときに、データの使用情報を管理することにより実現する。
【0014】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明によるICカードを装着した携帯通信端末機の第1実施形態としてICカードを装着した携帯電話機の概略を示す図である。図2は、携帯電話機でダウンロードしたデータの流れを説明する模式図である。
【0015】
携帯電話機(携帯通信端末機)50は、図1に示すように、CPU51、通信部52、操作部53、転送部(データ送信手段)54、データ読み出し部(データ受信手段)55、先読み部(データ選定手段)56、ネットワークアプリ実行部(指示手段及びデータ実行手段)57及びショートメッセージ処理部58を備えている。携帯電話機50は、不図示の電話機能と、図2に示すように、外部のサーバ81や課金サーバ82などから基地局80を介してデータを自在に送受信することができるインターネット機能とを備えた携帯可能な電話機である。また、携帯電話機50は、ICカード10がその内部に装着されており、ICカード10に記録された認証情報や暗証鍵などによって、通話などの通信機能を使用することができる。
【0016】
CPU51は、携帯電話機50の各部と接続されており、携帯電話機50を統括して制御する制御回路(コンピュータ)である。
通信部52は、外部の基地局80に対して電話の通信情報や、インターネットのデータなどを送受信する通信回路である。ここで、本実施形態では説明を明確にするために、通信部52から受信するデータとしてインターネット接続により、サーバ81から受信(ダウンロード)したデータを例にして説明するが、通信部52が受信するデータには、電話機能の通話情報も含まれており、その通話情報は通信部52を介して携帯電話機50に設けられた不図示の通信処理部によって適切に処理されているものとする。また、通信部52がダウンロードしたデータは、不正な利用を防止するために予め暗号化されているものとする。
【0017】
操作部53は、携帯電話機50の通話や、インターネットの接続操作などを行う際に使用する複数のボタン及びテンキーである。
転送部54は、ICカード10に対して特定のデータを送信する出力部である。具体的には、転送部54は、図2に示すように、通信部52を介して受信(ダウンロード)したデータを、後述のICカード10の受信部13を介して伝送データDB12aに保存している。また、転送部54は、携帯電話機50からICカード10に対する動作命令を受信部13に送信することができる。
データ読み出し部55は、ICカード10に対して送信された命令に応じて、ICカード10から出力されるデータを受信するインターフェース部である。
【0018】
先読み部56は、通信部52が基地局80を介して外部のサーバと通信を行っているときに、携帯電話機50の使用者が利用するであろうと予測されるデータ(予測データ)を選定(先読み処理)し、使用者が利用する前に、予め通信部52にその予測データを受信させることができる。この先読み部56は、通信が断続的に遮断される環境、例えば、地下鉄のトンネル内などにおいて主に活用することができ、本実施形態では、通信が遮断されやすい環境である旨の信号(通信遮断信号)が地下鉄の駅から発しており、携帯電話機50の通信部52がその通信遮断信号を受信したときに、後述のネットワークアプリ実行部57を介して先読み部56が先読み処理を開始する。
【0019】
ネットワークアプリ実行部57は、通信部52を介してダウンロードしたデータを実行して、携帯電話機50に設けられた不図示のディスプレイにデータの実行内容を表示する。また、ネットワークアプリ実行部57は、通信部52が通信遮断信号を受信したときに、先読み部56に対して先読み処理を行う旨の命令を送信する。さらに、ネットワークアプリ実行部57は、ICカード10に保存された予測データを読み出す読み出し命令を、転送部54を介してICカード10へ送信し、それに応じてICカード10から送信される平文データを、データ読み出し部55を介して受信して実行する。ここで、平文データとは、暗号化された予測データを後述の復号部15によって復号化されたデータのことを示す。
ショートメッセージ処理部58は、課金サーバ82から送信された命令に基づいて、携帯電話機50でダウンロードして使用したデータの使用情報を後述のICカード10の伝送データDB12aから受信し、通信部52を介して課金サーバ82へと送信させる処理回路である。
【0020】
ICカード10は、上述したように携帯電話機50に装着された耐タンパ性を有したUIM(User Identity Module)カードであり、その内部に個人認証情報や、電話の通信機能の認証情報、インターネット使用時にダウンロードしたデータの復号鍵などを備えている。また、ICカード10は、CPU11、EEPROM12、受信部13、データ送信部14、復号部15及びROM16を備えている。ここで、耐タンパ性とは、内部の情報を物理的又は論理的に読み取られたり、改ざんされたりすることへの耐性であり、耐タンパ性を有したICカード10を用いることによって、その内部に記録される上述の認証情報や復号鍵などが不正に読み出されるのを防止することができる。
【0021】
CPU11は、ICカード10の各部を統括制御する制御回路(コンピュータ)であり、ICカード10の各部と接続されている。
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)12は、書き換え自在な不揮発性メモリであり、伝送データDB(データベース)12aと課金DB12bとを備えている。
伝送データDB12aは、前述した携帯電話機50の通信部52がダウンロードした予測データを保存する領域である。
課金DB12bは、携帯電話機50からの命令に応じて後述のデータ送信部14が携帯電話機50に送信した予測データの送信履歴を使用情報として保存する領域である。ここで、使用情報は、例えば、送信したデータの種類や大きさ(容量)である。
【0022】
受信部13は、携帯電話機50の通信部52でダウンロードして、転送部54によって送信される予測データを受信するインターフェース部である。
データ送信部14は、携帯電話機50からの指示に応じて、伝送データDB12aに保存されたデータを読み出して、携帯電話機50のデータ読み出し部55へ送信している。また、データ送信部14は、読み出した予測データをデータ読み出し部55へ送信したときに、その予測データの使用情報を課金DB12bへと送り保存させている。
【0023】
復号部15は、上述したようにダウンロードした予測データが暗号化されているので、受信部13がその予測データを受信したときに、後述のROM16に保存された復号鍵を読み出して、受信した予測データを復号化し、EEPROM12の伝送データDB12aに保存させている。
ROM(Read Only Memory)16は、携帯電話機50の使用者の認証情報や、電話機能やインターネット機能の使用認証や、データの復号鍵を保存した読み出し専用の不揮発性メモリである。
【0024】
基地局80は、図2に示すように、契約された携帯電話機50に対して通信機能を実行可能にする通信基地であり、電話の通話情報を送受信したり、サーバ81や課金サーバ82に対してデータを送受信することができる。
サーバ81は、さまざまなコンテンツを有するネット上のホームページ(HP)などを管理しており、そのコンテンツに応じた情報(データ)を携帯電話機50などの通信端末機にダウンロードさせている。
【0025】
課金サーバ82は、基地局80に接続されたサーバ81の一種であり、携帯電話機50に対してダウンロードされて実行されたデータの使用情報を管理するサーバである。具体的には、課金サーバ82は、定期的(例えば、月に一度)にICカード10のEEPROM12に設けられた課金DB12bから、携帯電話機50でダウンロードされて実行されたデータの使用情報を受信し、その使用情報に基づいて、データの使用料金を携帯電話機50の使用者に請求することができる。
【0026】
次に、携帯電話機50が基地局80からデータをダウンロードしてから、使用者がダウンロードしたデータが携帯電話機50上で実行されるまでの携帯電話機50及びICカード10の動作について説明する。図3は、通信部から予測データを受信し、ICカードで保存するまでの動作を説明するフローであり、図4は、ICカードに保存された予測データを読み出して、携帯電話機で実行するまでの動作を説明するフローである。ここで、説明を明確にするために、携帯電話機50の使用者が外部のサーバ81からダウンロードするデータを動画データとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
使用者が、携帯電話機50でサーバ81から動画データとして、例えば、映画の映像及び音声をダウンロード(ストリーミング)しながら、継続的にネットワークアプリ実行部57で実行される動画データを携帯電話機50に設けられた不図示のディスプレイで見ているときに、地下鉄などの通信が断続的になる領域に移動した場合、携帯電話機50のCPU51は、図3に示すように、地下鉄の駅から発せられる通信遮断信号を、通信部52を介して受信してネットワークアプリ実行部57に送る(S101)。
【0028】
通信遮断信号を受信した携帯電話機50のネットワークアプリ実行部57は、先読み部56に対して予測データを要求する(S102)。そして、その要求に応じてCPU51は、現在使用者が利用している映画のデータをダウンロードしているダウンロード先から、この後使用者が利用するであろうと予測される予測データを先読み部56に選定させ(S103)、通信部52を介してサーバに要求する。CPU51は、通信部52にその予測データを予め先読み部56にダウンロードさせる(S104)。
【0029】
本実施形態では、ダウンロードしているデータが映画の映像及び音声であるので、先読み部56は、現在表示している映画の続きの映像、例えば、5分先までの映像を予測データとして選定し、その選定した予測データを、通信部52が基地局80に接続されたサーバ81からダウンロードする。先読み処理によって選定された予測データが通信部52によって受信されたら、CPU51は、先読み部56で受信した予測データを確認し、転送部54を介してICカード10の受信部13へと送信する(S105、S106)。ここで、上述したように、基地局80から受信したデータは、暗号化されており、不正な使用によりデータ内容が読み出されることを防止している。
【0030】
携帯電話機50から予測データ(未視聴の動画データ)を受信したら、ICカード10のCPU11は、暗号化された予測データを復号部15で復号化させ、復号化された予測データ(平文データ)をEEPROM12の伝送データDB12aに保存させる(S107)。ここで、携帯電話機50のCPU51及びICカード10のCPU11は、それぞれ、各命令に対して応答確認を行っており、予測データが伝送データDB12aに保存された時点で、伝送データDB12aから受信部13へ応答確認信号ACKが送信される(S108)。同様にして、ICカード10の受信部13と携帯電話機50の転送部54との間、転送部54と先読み部56との間、先読み部56とネットワークアプリ実行部57との間における応答確認も実施される(S109〜S111)。
【0031】
使用者が地下鉄に乗車するなどして、携帯電話機50の通信部52による通信が遮断されたとき、携帯電話機50のCPU51は、図4に示すように、ダウンロードした予測データの読み出し命令を、ネットワークアプリ実行部57から転送部54を介してICカード10の受信部13へ送信する(S201、S202)。予測データの読み出し命令を受信部13が受信したら、ICカード10のCPU11は、伝送データDB12aへその読み出し命令を送り(S203)、伝送データDB12aから復号化された状態の予測データ(平文データ)をデータ送信部14に読み出させる(S204)。
【0032】
データ送信部14が平文データを読み出したら、ICカード10のCPU11は、データ送信部14に読み出した平文データの使用情報を課金DB12bに保存させ(S205)、保存動作の応答確認を行う(S206)。
ここで、課金DB12bに保存するデータの使用情報とは、上述したように、使用したデータの種類やサイズの履歴であり、本実施形態では、動画データの種類と、視聴した時間に基づいたデータサイズである。ここで、使用情報として管理されるデータサイズとは、携帯電話機50の命令に基づいてICカード10が伝送データDB12aから読み出して携帯電話機50に送信したデータの量であるので、使用者が実際に使用したデータに基づいて、データの使用料金などの情報を適正に管理することができる。また、課金DB12bは、日時の情報を携帯電話機50から受信することによって、動画データの使用情報を日時の情報とともに管理することができる。使用情報を日時の情報とともに管理することによって、データの送信元の管理者は、使用されたデータの使用状況(分布)を確認したり、データの使用履歴を詳細に管理したりすることができる。
【0033】
課金DB12bから応答確認信号ACKを受信して応答確認が終了したら、CPU11は、平文データを携帯電話機50のデータ読み出し部55へと送信する(S207)。データ読み出し部55が平文データを受信したら、携帯電話機50のCPU51は、ネットワークアプリ実行部57へ平文データを送信して実行させ(S208)、使用者が利用している動画データ(映画)を、通信状態に関係なく継続的に表示する。
以上の動作によって、通信が遮断された環境においても、携帯電話機50の使用者に対して継続して、動画データをダウンロードして実行しているかのように見せることができ、通信の遮断による動画データが中断されることを防止している。
【0034】
次に、携帯電話機50で使用されたデータの使用情報を課金サーバ82へと送信するまでの動作について説明する。図5は、データを使用した使用情報を課金サーバへと送信するまでの流れを説明するフローである。
課金サーバ82は、携帯電話機50で使用者が利用したデータの使用量を確認する確認命令を、上述したように、月に一度、基地局80を介して携帯電話機50に送信する(S301)。携帯電話機50が確認命令を受信したら、携帯電話機50のCPU51は、ショートメッセージ処理部58及び転送部54を介してICカード10の受信部13へ確認命令を送信する(S302、S303)。
【0035】
受信部13が確認命令を受信したら、ICカード10のCPU11は、EEPROM12の課金DB12bからデータの使用情報を読み出し(S304)、読み出した使用情報を、データ送信部14を介して携帯電話機50のデータ読み出し部55へと送信する(S305、S306)。ICカード10から使用情報を受信したら、携帯電話機50のCPU51は、ショートメッセージ処理部58を介して使用情報を課金サーバ82へと送信する(S307、S308)。課金サーバ82は、受信した使用情報に基づいてデータの使用料金を計算する。
【0036】
以上より、第1実施形態の携帯電話機には以下のような効果がある。
(1)携帯電話機50に送信したデータの使用情報を課金DB12bで管理しているので、携帯電話機50で使用されたデータに対して使用情報を記録することができ、その使用情報に基づいてデータの使用料金などを適正に管理することができる。
(2)受信部13で受信するデータは、先読み部56が、使用者がダウンロードして利用するであろうと予測した予測データであるので、地下鉄の乗車などによって通信が遮断された場合においても、予測データを使用することによって継続的にダウンロードしている動画データ(映画)を実行することができる。
【0037】
(3)ICカード10に伝送データDB12aを設け、携帯電話機50から受信した予測データを保存しているので、携帯電話機50で使用されるまでデータをセキュリティ性の高いICカード内で保存することができる。
(4)暗号化された予測データを、復号部15によって復号化して平文データにした状態で、伝送データDB12aに保存しているので、データを伝送データDB12aから読み出したときに、データを復号化する作業を省くことができ、データの読み出し動作の応答を高速にすることができる。
【0038】
(5)データ送信部14は、データの使用情報を携帯電話機50に送信するので、そのデータの使用情報を携帯電話機50から基地局80を介して課金サーバ82へと送信することができ、データの使用情報を携帯電話機50の外部で管理することができる。
(6)ICカード10は、耐タンパ性を有しているので、その内部に保存したデータが不正な行為によって外部に読み出されるのを防止することができる。
【0039】
(第2実施形態)
図6は、本発明によるICカードを装着した携帯通信端末機の第2実施形態としてICカードを装着した携帯電話機の概略を示す図である。図7は、携帯電話機50−2でダウンロードしたデータの流れを説明する模式図である。なお、以下の実施形態の説明では、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
第2実施形態のICカード10−2及び携帯電話機50−2と、第1実施形態のICカード10及び携帯電話機50との相違点は、図6に示すように、第2実施形態の携帯電話機50−2に記憶部59が追加された点と、ICカード10−2のEEPROM12−2に伝送データDB12aが備えられていない点である。
【0040】
携帯電話機50−2の記憶部59は、第1実施形態のICカード10の伝送データDB12aと同様の役割を有しており、通信部52で受信した暗号化された予測データを、暗号化されたままの状態で保存する書き換え可能な不揮発性メモリである。
携帯電話機50−2は、図7に示すように、先読み部56で選定した予測データを、通信部52を介してサーバ81からダウンロードしたら、暗号化された状態で記憶部59に保存する。使用者が地下鉄に乗車し、携帯電話機50−2の通信が遮断されるような環境になったとき、携帯電話機50−2のCPU51は、記憶部59に保存された予測データを、転送部54を介してICカード10の受信部13へ送信する。
【0041】
ICカード10の受信部13が暗号化された予測データを受信したら、ICカード10のCPU11は、復号部15で予測データを復号化し、ネットワークアプリ実行部57で実行可能な平文データの形態にする。そして、平文データを、データ送信部14を介して携帯電話機50のデータ読み出し部55へと送信する。このとき、ICカード10のデータ送信部14は、平文データを送信したときに、データの使用情報を課金DB12bに保存する。
データ読み出し部55が平文データを受信したら、携帯電話機50のCPU51は、ネットワークアプリ実行部57へ平文データを送り、携帯電話機50の通信が遮断された状態においても、使用者が使用している動画データを継続的に実行する。
【0042】
以上より、第2実施形態のICカード10−2は、携帯電話機50−2から受信した暗号化された予測データを復号化して携帯電話機50−2に送信しているので、セキュリティ性の高いICカード10−2に復号部が設けられ、不正に操作されるのを防止することができる。
【0043】
(第3実施形態)
図8は、本発明による携帯通信端末機の第3実施形態として携帯電話機の概略を示す図である。
第3実施形態の携帯電話機50−3と、第1実施形態の携帯電話機50との相違点は、図8に示すように、第3実施形態の携帯電話機50−3には、記憶部59−3と復号部60が設けられている点と、第1実施形態の携帯電話機50に設けられた転送部54及びデータ読み出し部55が省かれた点である。また、この相違点に関連して、本実施形態の携帯電話機50−3には、ICカードが装着されていない。
【0044】
記憶部59−3は、第1実施形態のEEPROM12と同様の耐タンパ性を有したメモリであり、伝送データDB59aと課金DB59bとを有している。
伝送データDB59aは、通信部52でダウンロードしたデータを保存する領域であり、課金DB59bは、後述の復号部60が予測データを復号化したときに、復号化したデータの情報(使用情報)を保存する領域である。
復号部60は、携帯電話機50−3に設けられた不図示のROMに保存された復号鍵を読み出して、記憶部59−3の伝送データDB59aに保存された予測データを、ネットワークアプリ実行部57からの読み出し命令に基づいて復号化することができる。
【0045】
以上より、第3実施形態の携帯電話機50−3は、ICカードを使用しないで、予測データの復号及びデータの使用情報を管理しているので、第1実施形態及び第2実施形態に記載されているような携帯電話機とICカードとのデータの通信を行う必要がなく、データの読み出しなどの処理速度を向上させることができる。また、携帯電話機50−3の構成を簡易にすることができ、携帯電話機50−3の製造コストを安価にすることができる。
【0046】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)第1実施形態及び第3実施形態では、ICカード10は、暗号化されたデータを伝送データDB12a、59aに保存するときに復号化していたが、暗号化されたデータを、伝送データDB12a、59aから読み出すときに復号化してもよい。こうすることで、使用しない予測データは復号化せずに伝送データDB12a、59aに保存しておくことができ、伝送データDB12a、59aに対して不正があった場合に、内部のデータが読み出されるのを防止することができる。
【0047】
(2)各実施形態では、先読み部56は、通信遮断信号を地下鉄の駅から受信したときに、ネットワークアプリ実行部57を介して先読み処理を開始していたが、使用者が地下鉄に乗車する前に予め携帯電話機50の操作部53を介して先読みモードを設定することにより、ネットワークアプリ実行部57が先読み部56に先読み処理を実行させることも可能である。また、先読み部56は、通信状態に関係なく、常に先読み処理を行うように設定してもよい。
(3)各実施形態では、サーバ81からダウンロードしたデータは、動画データであるとして説明したが、それ以外のデータ、例えば、ホームページ(HP)の画像情報をダウンロードしてもよい。この場合、携帯電話機50の設けられた先読み部56は、使用者が特定のホームページ(HP)にアクセスし、そのHPからアクセス可能な他のHPなどの画像データを、使用者がアクセスする前に予めダウンロードし、携帯電話機50の通信が遮断されたときに対応している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるICカードを装着した携帯通信端末機の第1実施形態としてICカードを装着した携帯電話機の概略を示す図である。
【図2】携帯電話機でダウンロードしたデータの流れを説明する模式図である。
【図3】通信部から予測データを受信し、ICカードで保存するまでの動作を説明するフローである。
【図4】ICカードに保存された予測データを読み出して、携帯電話機で実行するまでの動作を説明するフローである。
【図5】データを使用した使用情報を課金サーバへと送信するまでの流れを説明するフローである。
【図6】本発明によるICカードを装着した携帯通信端末機の第2実施形態としてICカードを装着した携帯電話機の概略を示す図である。
【図7】携帯電話機でダウンロードしたデータの流れを説明する模式図である。
【図8】本発明による携帯通信端末機の第3実施形態として携帯電話機の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10、10−2 ICカード
11 CPU
12 EEPROM
12a 伝送データDB
12b 課金DB
13 受信部
14 データ送信部
15 復号部
50、50−2、50−3 携帯電話機
51 CPU
52 通信部
54 転送部
55 データ読み出し部
56 先読み部
57 ネットワークアプリ実行部
59、59−2 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信端末機に装着されるICカードであって、
前記携帯通信端末機からデータを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記データを前記携帯通信端末機へと送信する送信手段と、
前記送信手段で送信した前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段と、
を備えるICカード。
【請求項2】
請求項1に記載のICカードにおいて、
前記受信手段で受信する前記データは、使用者がダウンロードして利用するであろうと前記携帯通信端末機が予測したデータを含むこと、
を特徴とするICカード。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のICカードにおいて、
前記送信手段は、前記データ管理手段で管理する前記データの使用情報を前記携帯通信端末機に送信すること、
を特徴とするICカード。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のICカードにおいて、
前記受信手段で受信する前記データは、暗号化されており、
前記受信手段で受信した前記データを復号化する復号手段を備え、
前記送信手段は、前記復号手段で復号化した前記データを前記携帯通信端末機へと送信すること、
を特徴とするICカード。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のICカードにおいて、
前記受信手段で受信した前記データを保存する記憶手段を備え、
前記送信手段は、前記携帯通信端末機からの要求に基づいて前記記憶手段から前記データを読み出して前記携帯通信端末機へと送信すること、
を特徴とするICカード。
【請求項6】
請求項5に記載のICカードにおいて、
前記受信手段で受信する前記データは、暗号化されており、
前記データを前記受信手段で受信して前記記憶手段に保存するときに、前記データを復号化する復号手段を備えること、
を特徴とするICカード。
【請求項7】
請求項5に記載のICカードにおいて、
前記受信手段で受信する前記データは、暗号化されており、
前記データを前記送信手段によって前記記憶手段から読み出したときに、前記データを復号化する復号手段を備えること、
を特徴とするICカード。
【請求項8】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のICカードを備えた携帯通信端末機であって、
基地局からデータを受信する通信手段と、
前記通信手段によって受信した前記データを保存する記憶手段と、
前記データを実行するときに、前記記憶手段に保存された前記データを前記ICカードに送信するデータ送信手段と、
前記ICカードから前記データを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段で受信した前記データを実行するデータ実行手段と、
を備える携帯通信端末機。
【請求項9】
請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のICカードを備えた携帯通信端末機であって、
基地局からデータを受信する通信手段と、
前記通信手段によって受信した前記データを前記ICカードに送信するデータ送信手段と、
前記データを実行するときに、前記ICカードから前記データを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段で受信した前記データを実行するデータ実行手段と、
を備える携帯通信端末機。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の携帯通信端末機において、
当該携帯通信端末機の使用者がダウンロードして利用するであろうと予測されるデータを選定するデータ選定手段を備え、
前記通信手段は、前記データ選定手段で選定した前記データを、使用者が利用する前に前記基地局から予め受信すること、
を特徴とする携帯通信端末機。
【請求項11】
請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の携帯通信端末機において、
前記データ受信手段は、前記ICカードから前記データの使用情報を受信し、
前記通信手段は、前記データ受信手段で受信する前記データの使用情報を前記基地局へ送信すること、
を特徴とする携帯通信端末機。
【請求項12】
基地局からデータを受信する通信手段と、
前記通信手段によって受信した前記データを保存する記憶手段と、
前記データを使用するときに、前記記憶手段から前記データを読み出して、読み出した前記データを実行するデータ実行手段と、
前記データ実行手段で実行された前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段とを備え、
前記通信手段は、前記データ管理手段で管理する前記データの使用情報を前記基地局に送信すること、
を特徴とする携帯通信端末機。
【請求項13】
請求項12に記載の携帯通信端末機において、
当該携帯通信端末機の使用者がダウンロードして利用するであろうと予測されるデータを選定するデータ選定手段を備え、
前記通信手段は、前記データ選定手段で選定した前記データを、使用者が利用する前に前記基地局から予め受信すること、
を特徴とする携帯通信端末機。
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載の携帯通信端末機において、
前記通信手段で受信する前記データは、暗号化されており、
前記データを前記通信手段で受信して前記記憶手段に保存するときに、前記データを復号化する復号手段を備えること、
を特徴とする携帯通信端末機。
【請求項15】
請求項12又は請求項13に記載の携帯通信端末機において、
前記通信手段で受信する前記データは、暗号化されており、
前記データを前記データ実行手段によって前記記憶手段から読み出したときに、前記データを復号化する復号手段を備えること、
を特徴とする携帯通信端末機。
【請求項16】
請求項12から請求項15までのいずれか1項に記載の携帯通信端末機において、
前記記憶手段は、耐タンパ性を有していること、
を特徴とする携帯通信端末機。
【請求項17】
携帯通信端末機に装着されるICカードに使用されるICカード用プログラムであって、
コンピュータを、
前記携帯通信端末機からデータを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記データを前記携帯通信端末機へと送信する送信手段と、
前記送信手段で送信した前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段、
として機能させるICカード用プログラム。
【請求項18】
携帯通信端末機に装着されるICカードに使用されるICカード用プログラムであって、
コンピュータを、
前記携帯通信端末機からデータを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記データを保存する記憶手段と、
前記記憶手段で保存した前記データを、前記携帯通信端末機からの要求に基づいて前記携帯通信端末機へと送信する送信手段と、
前記送信手段で送信した前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段、
として機能させるICカード用プログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
基地局からデータを受信する通信手段と、
前記通信手段によって受信した前記データを保存する記憶手段と、
前記データを使用するときに、前記記憶手段から前記データを読み出して、読み出した前記データを実行するデータ実行手段と、
前記データ実行手段で実行された前記データに基づいて、前記データの使用情報を管理するデータ管理手段として機能させ、
前記通信手段は、前記データ管理手段で管理する前記データの使用情報を前記基地局に送信すること、
を特徴とする携帯通信端末機用プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−10456(P2009−10456A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167266(P2007−167266)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】