説明

RNアーゼLを活性化する抗ウイルス剤

RNアーゼLアクチベーターおよびそれを使用する方法を本明細書に開示する。これらのRNアーゼLアクチベーターは、パラインフルエンザウイルス3型(HPIV3)、ピコルナウイルス、および脳心筋炎ウイルス(EMCV)に対する抗ウイルス活性を含めて、抗ウイルス活性を有する。開示されたRNアーゼLアクチベーターは、in vitroで平滑筋細胞増殖も抑制し、したがって再狭窄を治療する上で有用である。予想外なことに、開示されたRNアーゼアクチベーターは細胞毒性でないことも見出された。これらの発見に基づいて、新規RNアーゼLアクチベーター、これらのRNアーゼLアクチベーターを含む医薬組成物、およびこれらのRNアーゼLアクチベーターを用いた治療方法を本明細書に開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府の支援)
本発明は、National Institutes of Healthからの助成金NIH(NCI)1R01 CA044059−21によって全体または一部で支持された。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
(関連出願)
本出願は、2006年4月25日に出願された米国仮出願第60/795,069号(この全体の教示は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
インターフェロン(IFN)系における抗ウイルス酵素であるRNアーゼLに関する前臨床試験は、RNアーゼLが癌治療薬および抗ウイルス剤の重要な標的であることを示唆している(非特許文献1)。例えば、遺伝性前立腺癌1(HPC1)感受性部位が、最近RNアーゼL遺伝子にマッピングされた(Carpten J、Nupponen N、Isaacs S、Sood R、Robbins C、Xu J、Faruque M、Moses T、Ewing C、Gillanders E、Hu P、Bujnovszky P、Makalwska I、Baffoe−Bonni A、Faith D、Smith J、Stepah D、Wiley K、Brownstein M、Gildea D、Kelly B、Jenkins R、Hostetter G、Matikainen M、Schleutker J、Klinger K、Conners T、Xiang Y、Wang Z、Demarzo A、Papdopoulos N、Kallioniemi O−P、Burk R、Meyers D、Gronberg H、Meltzer P、Silverman R、Bailey−Wilson J、Walsh P、Isaacs W、Trent J、Nature Genetics、2002年1月22日)。また、西ナイルウイルスを含めて、フラビウイルス類に耐性を与える遺伝子が、RNアーゼL経路における遺伝子にマッピングされた(OAS1b)(非特許文献2)。事実上、RNアーゼLはインターフェロンの抗ウイルス応答中に、2’,5’−インターヌクレオチド結合を有する小さい独特のオリゴアデニラート類(「2−5A」と呼ばれる)によって活性化される(非特許文献3;非特許文献4)。さらに、RNアーゼLはIFNの抗細胞増殖活性に関与することがすでに実証されている(非特許文献5)。2−5Aは、RNアーゼLを介してリボソームRNA(rRNA)およびメッセンジャーRNA(mRNA)の分解を誘導し、それによってタンパク質合成レベルは低下する。この特性は、大動脈平滑筋細胞に適用した場合、血管形成後の再狭窄を予防することができる。しかし、2−5Aには、1)ホスホジエステラーゼ類およびホスファターゼ類の作用のため、血清および細胞中で不安定であり、2)細胞膜を通過しない細胞内メディエーターであるという点で、治療剤には望ましくない特性を有する。したがって、臨床使用向けの新規RNアーゼLアクチベーターが必要とされている。
【非特許文献1】Adah SA、Bayly SF、Cramer H、Silverman RH、Torrence PF、Curr Med Chem.2001年8月、8巻(10号)、1189〜212頁
【非特許文献2】Perelygin AA、Scherbik SV、Zhulin IB、Stockman BM、Li Y、Brinton MA、Proc Natl Acad Sci USA、2002年7月9日、99巻(14号)、9322〜7頁
【非特許文献3】Kerr IM、Brown RE、Proc Natl Acad Sci USA、1978年1月、75巻(1号)、256〜60頁
【非特許文献4】Zhou A、Hassel BA、Silverman RH、Cell、1993年3月12日、72巻(5号)、753〜65頁
【非特許文献5】Hassel BA、Zhou A、Sotomayor C、Maran A、Silverman RH、EMBO J.、1993年8月、12巻(8号)、3297〜304頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本発明は、RNアーゼLを活性化するいくつかの化合物の発見に基づく(実施例3を参照のこと)(以下、「開示されたRNアーゼLアクチベーター」)。これらのRNアーゼLアクチベーターは、パラインフルエンザウイルス3型(HPIV3)、ピコルナウイルス、および脳心筋炎ウイルス(EMCV)に対する抗ウイルス活性を含めて、抗ウイルス活性を有する(実施例6を参照のこと)。開示されたRNアーゼLアクチベーターは、in vitroで平滑筋細胞増殖も抑制し(実施例7を参照のこと)、したがって再狭窄を治療する上で有用である。予想外なことに、開示されたRNアーゼアクチベーターは細胞毒性でないことも見出された(実施例5)。これらの発見に基づいて、新規RNアーゼLアクチベーター、これらのRNアーゼLアクチベーターを含む医薬組成物、およびこれらのRNアーゼLアクチベーターを用いた治療方法を本明細書に開示する。
【0005】
開示されたRNアーゼアクチベーター、それを含む医薬組成物、およびそれを使用する治療方法を、特許請求の範囲に詳細に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(発明の詳細な説明)
「対象」は、好ましくはヒトであるが、ウイルス感染、癌、または再狭窄の治療を必要とする飼育動物、家畜動物、または実験動物とすることもできる。
【0007】
開示されたRNアーゼLアクチベーターで治療することができるウイルス感染には、そのゲノムの一本鎖RNAを有するウイルスが含まれる。例として、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、RSウイルスおよびヒトパラインフルエンザウイルス3型)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス)、トガウイルス(例えば、風疹ウイルスおよび東部ウマ脳炎ウイルス)、ピコルナウイルス(例えば、ポリオウイルス&コクサッキーウイルス)、フラビウイルス(例えば、西ナイルウイルス、デングウイルス、およびC型肝炎ウイルス)、ブンヤウイルス(例えば、ラクロスウイルス、リフトバレー熱ウイルス、およびハンタウイルス)、レトロウイルス(例えば、ガンマレトロウイルスXMRV、およびレンチウイルスHIV−1および−2)、フィロウイルス(例えば、エボラウイルス、出血熱ウイルス)、またはB型肝炎ウイルス(ゲノムRNA中間体を有するDNAウイルス)が挙げられる。
【0008】
開示されたRNアーゼLアクチベーターは、ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペスウイルス1型および2型、サイトメガロウイルス、ならびにヒトヘルペスウイルス8型を含めて、いくつかのDNAウイルスによる感染を治療するためにも使用することできる。さらに、開示されたRNアーゼLアクチベーターは、痘瘡ウイルス(天然痘ウイルス)、サル痘ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス、エプスタインバーウイルス、アデノウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス7型、B19パルボウイルス、アデノ随伴ウイルス、BKウイルス、およびJCウイルスも含めて、いくつかのDNAウイルスによる感染を治療するためにも使用することできる。
【0009】
PC3またはDU145細胞への2−5Aのトランスフェクションによって、アポトーシスが引き起こされる(Xiang Y、Wang Z、Murakami J、 Plummer S、Klein EA、Carpten JD、Trent JM、Isaacs WB、Casey G、Silverman RH、Cancer Res.、2003年10月15日、63巻(20号)、6795〜801頁)。それぞれ前立腺癌の脳および骨転移症例に由来するDU145とPC3の両細胞株は、RNアーゼLに対して野生型である。さらに、2−5Aトランスフェクションによって、ミトコンドリア経路を介して、ヒト卵巣癌細胞においてカスパーゼ依存性アポトーシスが引き起こされる(Rusch L、Zhou A、Silverman RH、J Interferon Cytokine Res.、2000年12月、20巻(12号)、1091〜100頁)。さらに、テロメラーゼRNAに対するアンチセンスと結合している2−5Aによって、ヌードマウスにおけるDU145腫瘍に対してアポトーシスおよび抗腫瘍作用が引き起こされた(Kondo Y、Koga S、Komata T、Kondo S、Oncogene、2000年4月27日、19巻(18号)、2205〜11頁)。上述に基づいて、開示されたRNアーゼLアクチベーターを使用して、癌を治療することができる。
【0010】
開示されたRNアーゼLアクチベーターで治療することができる癌の例としては、ヒト肉腫および癌腫、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、有棘細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウイルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない。開示されたRNアーゼLアクチベーターは、前立腺癌、卵巣癌、脳癌、または骨癌を治療するためによく使用される。
【0011】
再狭窄は、PTCAバルーンカテーテルを用いた冠動脈治療または末梢動脈治療(例えば、経皮経管的血管形成術)を施した血管において発症する恐れがある病態である。再狭窄は、この治療を行って約3〜6カ月後に起こる瘢痕組織の形成であり、血管の狭窄を生じる。再狭窄は、平滑筋の過剰増殖を引き起こす。開示されたRNアーゼLアクチベーターは平滑筋増殖を抑制するので、これらの化合物を使用して、再狭窄を抑制、治療、および/または予防することができると考えられる。
【0012】
本明細書では、用語「アルキル」は、飽和直鎖または分枝状炭化水素を意味する。「ハロアルキル」は、1個または複数のハロゲンで置換されているアルキルである。用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、またはIを意味する。ハロアルキルまたはハロアルコキシのハロゲンは、Fであることが好ましい。
【0013】
単独でまたは「アラルキル」のようにより大きい部分の一部として使用される用語「芳香族基」としては、炭素環式芳香族環およびヘテロアリール環が挙げられる。用語「芳香族基」は、用語「アリール」、「アリール環」、「芳香族環」、「アリール基」、および「芳香族基」と同義で使用することができる。「アラルキル」は、芳香族基で置換されているアルキル基である。「フェナルキル(phenalkyl)」は、フェニル基で置換されているアルキル基である。
【0014】
「単環式芳香族基」は、環を1個のみ含む芳香族基である。
【0015】
炭素環式芳香族環基は炭素環原子しか含まない。炭素環式芳香族環基としては、フェニルなどの単環式芳香族環が挙げられる。
【0016】
単独でまたは「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」のようにより大きい部分の一部として使用される用語「ヘテロアリール」、「ヘテロ芳香族」、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、および「ヘテロ芳香族基」は、1個または複数のヘテロ原子、具体的には窒素、硫黄、または酸素を環原子として含む芳香族基を意味する。単環式ヘテロアリール基は、5員または6員であり、1個または複数の環ヘテロ原子、具体的には窒素、酸素、および硫黄を含む。単環式ヘテロアリール基としては例えば、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサジアゾリル、5−オキサジアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−トリアゾリル、5−トリアゾリル、テトラゾリル、2−チエニル、および3−チエニルが挙げられる。
【0017】
芳香族基の「置換可能な環炭素原子」は、水素原子に結合している環炭素原子である。この水素は、適切な置換基で場合によっては置換することができる。したがって、用語「置換可能な環炭素原子」は、2つの環が縮合している場合に共有されている環炭素原子を包含しない。さらに、「置換可能な環炭素原子」は、環炭素原子がすでに水素以外の部分に結合していることがその構造によって示されている場合にそれらの環炭素原子を包含しない。
【0018】
アリール(例えば、フェニル)基の置換可能な環炭素原子上の適切な置換基としては例えば、ハロゲン、R、−OR、−O(ハロアルキル)、−SR、トリアルキルシリル、ボロナート、アルキルボロナート、ジアルキルボロナート、−NO、−CN、−N(R’)、−NR’CO、−NR’C(O)R、−NR’NR’C(O)R、−N(R’)C(O)N(R’)、−NR’NR’C(O)N(R’)、−NR’NR’CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)R、−OC(O)N(R、−S(O)、−SON(R’)、−S(O)R、−NR’SON(R’)、−NR’SO、−C(=S)N(R’)、−NR’−C(=NH)−N(R’)、および−C(=NH)−N(R’)が挙げられ、あるいは2つの隣接する環炭素原子は、1,2−メチレン−ジオキシまたは1,2−エチレン−ジオキシで置換されていてもよい。
【0019】
は、それぞれ独立に、水素またはアルキル基である。
【0020】
R’は、それぞれ独立に、水素またはアルキル基である。
【0021】
アラルキル基はある数の炭素原子を有すると指定するとき、指定されているのはアラルキルのアルキル部分の炭素原子数であると理解されるべきである。例えば、C1〜C2アラルキル基は、アルキル部分に1個または2個の炭素原子を有する。
【0022】
医薬として許容できる塩としては、アミンまたは他の塩基性基を含有する開示されたRNアーゼLアクチベーターの酸塩が挙げられ、本化合物と適切な有機酸または無機酸、具体的には塩化水素、臭化水素、酢酸、過塩素酸などを反応させることによって得ることができる。このような塩の他の例としては、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩[例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩、またはラセミ混合物を含めて、それらの混合物]、コハク酸塩、安息香酸塩、およびグルタミン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。
【0023】
カルボン酸または他の酸性官能基を含有する開示されたRNアーゼLアクチベーターの塩は、適切な塩基と反応させることによって調製することができる。このような医薬として許容できる塩は、医薬として許容できるカチオンを生成する塩基を用いて作製することができる。この塩としては、アルカリ金属塩(特に、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特に、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩、およびアンモニウム塩、ならびに生理的に許容できる有機塩基、具体的にはトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、および塩基性アミノ酸、具体的にはリシンおよびアルギニンから作製された塩が挙げられる。
【0024】
「処置」または「処置している」は、治療的処置と予防的処置とを意味する。
【0025】
「有効量」は、治療を必要とする対象に開示されたRNアーゼLアクチベーターを投与するとき有益な臨床転帰(予防的または治療的)が実現されるこの化合物の量である。ウイルス感染症の治療の場合、「有益な臨床転帰」としては、治療を行わない場合と比べて、該疾患に伴う症状(例えば、発熱)の重症度の低下、該疾患の期間の短縮、および/または該疾患に伴う症状の発症の遅延が挙げられる。癌の治療の場合、有益な臨床転帰としては、治療を行わない場合と比べて、腫瘍塊の低減、腫瘍増殖速度の低下、転移の低減、癌に伴う症状の重症度の低下、および/または対象の寿命の増大が挙げられる。再狭窄の場合、「有益な臨床転帰」としては、血管形成術を施した血管の狭窄の遅延または低減が挙げられる。開示されたRNアーゼLアクチベーターの対象への正確な投与量は、疾患または病態のタイプおよび重症度、ならびに対象の特徴、具体的には全身的健康状態、年齢、性別、体重、および薬物耐性に依存する。また、疾患もしくは病態の程度、重症度、およびタイプにも依存する。当業者は、上記その他の要因に依存する適切な用量を決定することができる。開示されたRNアーゼLアクチベーターの有効量は、通常は約0.1mg/体重(kg)/日〜約1000mg/体重(kg)/日、好ましくは1mg/体重(kg)/日〜100mg/体重(kg)/日である。
【0026】
開示されたRNアーゼLアクチベーター、ならびにその医薬として許容できる塩、溶媒和物、および水和物を、医薬として許容できる担体または希釈剤と組み合わせて医薬品製剤中で使用することができる。適切な医薬として許容できる担体としては、不活性固体充填剤または希釈剤、および無菌の水性または有機溶液が挙げられる。開示されたRNアーゼLアクチベーターは、本明細書に記載する範囲の所望の投与量を提供するのに十分な量でこのような医薬組成物中に存在する。本発明の化合物の製剤および投与の技法は、Remington: the Science and Practice of Pharmacy、第19版、Mack Publishing Co.、Easton、PA(1995年)で見ることができる。
【0027】
経口投与の場合、開示されたRNアーゼLアクチベーターまたはその塩を適切な固体または液体の担体または希釈剤と組み合わせて、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤などを生成することができる。
【0028】
錠剤、丸剤、カプセル剤などは、約1〜約99重量パーセントの活性成分、および結合剤、具体的にはトラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン、またはゼラチン;賦形剤、具体的には第二リン酸カルシウム;崩壊剤、具体的にはトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸;滑沢剤、具体的にはステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、具体的にはスクロース、ラクトース、またはサッカリンを含有する。投与単位形態がカプセル剤である場合、上記のタイプの材料に加えて、脂肪油などの液体担体を含有することができる。
【0029】
様々な他の材料は、コーティングとして、または投与単位の物理的形態を改変するために存在することができる。例えば、錠剤をシェラック、糖、または両方でコーティングすることができる。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性成分に加えて、甘味剤としてスクロース、保存剤としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素、ならびにチェリーまたはオレンジフレーバーなどの矯味剤を含有することができる。
【0030】
非経口投与の場合、開示されたRNアーゼLアクチベーターまたはその塩を無菌の水性または有機媒体と組み合わせて、注射可能な液剤または懸濁剤を生成することができる。例えば、本化合物の医薬として許容できる水溶性塩の水溶液だけでなく、ゴマ油または落花生油、水性プロピレングリコールなどに溶かした液剤も使用することができる。グリセロール、液状ポリエチレングリコール、および油中のそれらの混合物中で、分散剤を調製することもできる。通常の貯蔵および使用条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有する。
【0031】
前述の製剤に加えて、開示されたRNアーゼLアクチベーターを、埋め込み調製物などの長時間作用性製剤としても製剤することができる。このような長時間作用性製剤を移植投与、または例えば筋肉内注射によって皮下投与することができる。
【0032】
好ましい開示されたRNアーゼLアクチベーター、またはこれらの化合物を含有する医薬製剤は、哺乳動物に投与するための単位剤形である。該単位剤形は、例えばカプセル剤、静脈内注射バッグ、錠剤、またはバイアルを含めて、当技術分野で知られている単位剤形のいずれでもよい。組成物の単位用量中の開示されたRNアーゼLアクチベーターの量は有効量であり、関与する特定の治療に応じて変更することができる。患者の年齢および病態に応じて、用量に変更をルーチンで行う必要があり得ることは理解できる。用量は、経口、エアゾール、経直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、および鼻腔内経路を含めて、様々な経路とすることができる投与経路にも依存する。
【0033】
合成戦略:
一般化式IIIの化合物は、FaullおよびHullによって記載された手順に従って合成される[FaullおよびHull、「Some reactions of Ethyl 2−Anilino−4oxo−4,5−dihydrothiophen−3carboxylate」、Perkin Transactions 1、1981年、1078〜1082頁]。式IのZは、S(イソチオシアナート)またはO(イソシアナート)である。置換ベンズアルデヒドとの縮合によって、式IVに示す構造の化合物が生成される。環Aの修飾は、置換アルデヒドの選択によって実現される。環Bの修飾はスキーム3および4に示す。
【0034】
スキーム1:
【0035】
【化42】

このスキームにそのまま従って、化合物Iを合成する。イソチオシアナトベンゼン(V)を、FaullおよびHullの条件下で4−クロロ−3−オキソブタン酸エチル(VI)とカップリングさせる。2,3−ジヒドロチオフェン中間体(VII)と3−ヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合によって、化合物Iが得られる。
【0036】
スキーム2:
【0037】
【化43】

環Bの置換基の修飾は、スキーム1に示すFaull−Hull合成の前に実施される。化合物XIIを生成するための代表的な合成戦略をスキーム3に示す。容易に入手可能な(E)−メチル3−(3−ニトロフェニル)アクリラート(VIII)を対応するアミン(IX)に接触還元することができる。DCCの存在下アミンと二硫化炭素とのカップリングにより、イソチオシアナート(X)が生成することによって、スキーム1のIに類似の出発反応物質が得られる。後続のFaull−Hull合成手順に従って、化合物XIIを生成する。
【0038】
スキーム3:
【0039】
【化44】

ホスホナート化合物XVIIIは、スキーム4に示すように調製される。市販の3−アミノフェノール(XIII)を、標準方法によってジオキサン/HO(1:1)中NaOHまたはEtNを用いて、二炭酸ジベンジルで保護して、XIVを得る。保護されたアミノフェノールを水素化ナトリウムで脱プロトン化し、DMF中、前述のp−トルエンスルホニルオキシメタンホスホナートとカップリングさせて、化合物XVを得、続いて水素移動によってベンジルオキシカルボニル保護基を除去して、化合物XVIを得る。該遊離アミンをイソチオシアナートに変換し、4−クロロ−3−オキソブタン酸エチルと縮合して、チオフェン環を生成するのは、化合物XIIの合成に類似している。チオフェン環と3−ヒドロキシベンズアルデヒドをカップリングさせた後、次いで水性ピリジンを用いて、該ホスホン酸ジメチルエステル(XVII)の選択的脱保護を実施して、化合物XVIIIを生成する。
【0040】
スキーム4:
【0041】
【化45】

下記の実施例によって、本発明を説明するが、これらの実施例は、決して限定するものではない。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
RNアーゼLを活性化する作用剤を同定するアッセイ
このアッセイは蛍光共鳴エネルギー移動法(FRET)に基づく。この方法は、バキュロウイルスベクターにより昆虫細胞で産生され、FPLCで精製された組換え型ヒトRNアーゼLを含む(Thakur CS、Xu Z、Wang Z、Novince Z、Silverman RH、A convenient and sensitive fluorescence resonance energy transfer assay for RNase L and 2’,5’ oligoadenylates、Methods Mol Med、2005年、116巻、103〜13頁)。この切断可能なRNA基質は、5’末端にフルオロフォア(6−カルボキシフルオレセイン、FAM)、および3’末端にクエンチャー(ブラックホールクエンチャー1、BHQ1)を有する36ヌクレオチド合成オリゴリボヌクレオチドである。RNA配列は、パラミクソウイルスであるRSウイルス(RSV)ゲノムRNAの遺伝子間領域に由来する。RSV配列は、切断に最適の状況においてRNアーゼLのための切断部位(UUまたはUA)を複数含むので選択した。アッセイの有効性を実証するために、RNアーゼL、切断可能なFRET RNA基質、および2−5Aを含有する96ウェルブラックマイクロタイタープレート中でRNA切断反応を行った。真正の三量体2−5A[pA(2’p5’A)]をRNアーゼLアクチベーターとして用いて、0.3nMのEC50(最大活性化の50%を与えるアクチベーター濃度)がルーチンで得られる(図1A)。脱リン酸化三量体A(2’p5’A)はRNアーゼLを活性化することはできず、先の知見に一致した(図1AおよびD)。Dong B、Xu L、Zhou A、Hassel BA、Lee X、Torrence PF、Silverman RH、Intrinsic molecular activities of the interferon−induced 2−5A−dependent RNase、J Biol Chem、1994年、269巻(19号)、14153〜8頁。不活性脱リン酸化2−5A分子は、「コア2−5A」と呼ばれる。信号雑音比は約10:1であり、アッセイは非常に左右されなかった。RNAを含有するがRNアーゼLまたは2−5Aを含まない反応においては、信号の経時的増大はなかった。
【0043】
(実施例2)
RNアーゼL阻害剤の同定
低分子34,000個のChemBridge DIVERset(ChemBridge Co.、San Diego)を用いて、ハイスループットスクリーニングを実施例1に記載のように行った。バックグラウンドに対して少なくとも4倍の信号を呈する化合物を、再試験で潜在的に陽性であるものとして選択した。
【0044】
7つの「ヒット」が得られた(図2、化合物1〜7)。これらのヒットは、分子量が298〜470Daであり、RNアーゼLをミクロモルの範囲で活性化することができた(EC50は22〜99〜M)(図1および2)。FRETアッセイにおけるRNA切断の動態特性について、pppA(2’p5’A)は15分で最大に近い活性化を示し、化合物1および2はRNA分解の最大レベルを実現するのに60〜90分を要した(図1D〜F)。
【0045】
検索可能なデータベース(http://www.hit2lead.com)を使用して、これらのアクチベーターに構造上関連する他の化合物をChemBridgeレポジトリで同定した。化合物1に構造上関連する2種類の化合物は、活性(化合物8〜11)または不活性(化合物12)であった(図2)。
【0046】
(実施例3)
化合物1および2は、標識基質を用いたリボヌクレアーゼアッセイにおいてRNアーゼLを活性化する。
【0047】
これらの化合物は、実際にRNアーゼLを活性化することができることを検証するために、異なる2つの32P標識RNA基質を用いて、通常の選択的リボヌクレアーゼアッセイを行った(図3AおよびB)。これらのアッセイでは、25μMの化合物1(図3A、レーン3および4)、および25μMの化合物2(図3A、レーン5および6)を、精製ヒトRNアーゼLの存在下および非存在下で合成RNA基質GGACUUUUUUUCCCUUUUUUUCC−[32P]pCp(配列番号1)を用いてインキュベートした。2−5Aまたは化合物1もしくは2によって活性化されたRNアーゼLは、UUジヌクレオチド配列の3’末端側で基質を切断し、FRETアッセイの知見に一致した。
【0048】
主要な化合物1および2によるRNアーゼL活性化はさらに、配列特異的基質C12(図3B)(配列番号2)を用いて裏付けられた。化合物1(25μM)(レーン4および5)および化合物2(25μM)(レーン6および7)を別々に、RNアーゼLの存在下および非存在下で放射標識RNA基質を用いてインキュベートした。2−5Aまたは化合物1もしくは2によって活性化されたRNアーゼLは、UUジヌクレオチド配列の3’末端側で基質を切断した。アクチベーターが存在していない場合は、産物バンドは検出されなかった。
【0049】
RNアーゼL二量体形成は、ヌクレアーゼ活性化に必須のものである。RNアーゼL二量体形成を監視するために、タンパク質架橋アッセイを行った(図3C)。RNアーゼLのオリゴマー状態を、RNアーゼLに対するモノクローナル抗体を用いて探索したウエスタンブロットで判定した。単量体RNアーゼLは、2−5A、化合物1、または化合物2の存在下で二量体に変換した(図3C)。これらのデータから、ミクロモルレベルの化合物1および2はRNアーゼLを活性化し、その酵素を二量体形成させることが明らかである。
【0050】
(実施例4)
化合物1および2は、RNアーゼLの2−5A類似体結合ドメインと相互に作用する。
【0051】
Biacoreモデル3000(商標)で表面プラズモン共鳴法による2−5A競合結合アッセイを行って、アクチベーターがRNアーゼLの2−5A結合ドメインと相互に作用するかどうかを判定した。Dr. H. Sawai(群馬大学、日本)によるこれらの試みのために、これらのアッセイで使用する2−5A類似体[その2’,3’末端のリボースを介してビオチンに結合しているp5’(A2’p)A]を十分に準備した。ストレプトアビジンチップ(Biacore Inc.)を2−5A−ビオチンでプレコーティングした。RNアーゼL(10nM)および様々な濃度の化合物1もしくは化合物2の混合物、またはRNアーゼL単独をチップ上に流した。
【0052】
Biaevaluation(商標)ソフトウェアを使用して、センソグラムを記録し、平衡状態における最大共鳴単位(Rmax)を化合物濃度の関数としてプロットした(図4)。化合物1または2では、共鳴応答が用量依存的に低減した。データから、これらの化合物は2−5AとRNアーゼL結合について競合することが示される。データの解析によって、化合物1および2の結合定数(K)は、それぞれ18μMおよび12μMであることが示された。
【0053】
(実施例5)
化合物1および2は、テトラゾリウム変換アッセイに基づいて細胞毒性でない。
【0054】
化合物1および2の細胞毒性をMTS(テトラゾリウム)変換アッセイ(Promega)で評価した。50〜Mの化合物1で3日間処理すると、DU145細胞およびHeLa細胞についてそれぞれ、細胞生存率が対照(無処置)レベルの76.3%および98.2%に低減した。化合物2で処理(やはり50〜Mで3日間)すると、DU145細胞およびHeLa細胞についてそれぞれ、細胞生存率が無処置細胞の百分率として95.2%および86.5%に低減した。DU145細胞の結果を図5に示し、M期のHela細胞の結果を図6に示す。結果からわかるように、これらの化合物には著しい細胞毒性がない。
【0055】
(実施例6)
化合物2は、パラインフルエンザウイルス3型、ピコルナウイルス、および脳心筋炎ウイルスに対して抗ウイルス活性を示す。
【0056】
抗ウイルス活性を確定するために、緑色蛍光タンパク質(GFP)cDNAをP遺伝子とM遺伝子の間に挿入した組換え型ヒトパラインフルエンザウイルス3型(HPIV3)(共同研究者A. Banerjeeにより提供)に細胞を感染させた(図7)。使用する細胞系は、RNアーゼLが欠損しているM期のHeLa細胞、あるいは野生型RNアーゼLまたはヌクレアーゼを失活させた変異(R667A)RNアーゼL(ベクターpcDNAneo中のCMVプロモーターに由来)を安定に発現するM期のHeLa細胞である。無血清培地(DMEM)中、細胞をMOI(感染効率)0.1でHPIV3/GFPに1時間感染させた。培地を除去し、細胞をPBSで洗浄し、50〜Mの化合物2の非存在または存在下で10%FBSを含む完全培地を添加した。感染後24時間に、細胞を倒立型蛍光顕微鏡下で検査した。ベクター単独または変異(R667A)RNアーゼLを発現するRNアーゼL欠損M期のHeLa細胞は処置および無処置共に、HPIV3/GFP感染で、特徴的な合胞体(緑色)が観察されたことは明らかである。対照的に、野生型RNアーゼLを発現する細胞において化合物2は、ウイルス増殖を明確に抑制し、合胞体の形成を抑制した。蛍光測定から、化合物2は、野生型RNアーゼL発現細胞においてウイルス増殖を8倍低減したが、他の2つの細胞系においてはウイルス増殖の低減が1.2倍でしかなかったことが示された。類似の実験では、化合物1も抗ウイルス活性を示した。化合物2は、脳心筋炎ウイルス(図8を参照のこと)およびピコルナウイルス(データを示さず)に対しても抗ウイルス活性を示した。したがって、毒性が低いこれらの化合物は、一般抗ウイルス活性を有する可能性があり、候補抗ウイルス薬である。
【0057】
(実施例7)
開示されたRNアーゼLアクチベーターは、平滑筋細胞増殖を抑制する。
【0058】
記載する比色CellTiter 96(登録商標)AQueous Cell Proliferation Assay(Promega)を用いて、クローン細胞系A10(DB1X胚性ラットの胸部大動脈に由来し、平滑筋細胞の特徴である特性の多くを有する)の増殖を確定した。この方法では、テトラゾリウム化合物[3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム、MTS]、および電子カップリング試薬であるフェナジンメトスルファート(PMS)を使用する。細胞を96ウェル培養プレートに播種し(3×10細胞/ウェル)、異なる濃度の化合物で24時間処置した。CellTiter 96(登録商標)AQueous試薬(PBSに30体積/体積%希釈)50Φlを各ウェルに添加した。プレートを37E Cで2時間インキュベートし、490nmの吸光度を96ウェルプレートリーダー(Molecular Devices、モデルSpectra Max 340)で測定した。結果は円滑な細胞増殖が抑制されたことを示し、したがってこれらの化合物は再狭窄予防のための新しいクラスの治療剤として機能できることが示唆される。化合物1を試験した。
【0059】
(実施例8)
化合物2は、ポックスウイルスファミリーのDNAウイルスであるワクシニアウイルス(Western Reserve(WR)株)に対して抗ウイルス活性を示す。
【0060】
実験プロトコル:
ウイルス株:Western Reserve(WR)
細胞:不死化マウス胚性線維芽細胞(MEF)を10%FBSおよびp/sを補充したRPMIで増殖させた。ベビーハムスター腎細胞(BHK21)およびアフリカミドリザル腎臓細胞(BSC40)を、10%ウシ胎仔血清、p/s、およびl−gluを補充したダルベッコ変法イーグル培地で増殖させた。
【0061】
力価:プラークアッセイ用のBHK21(ベビーハムスター腎細胞)
MOI:感染のために血清媒地を使用しないワクシニアウイルス(Western Reserve)5PFU(ウイルスストック:1×10PFU/ml)
化合物:0、25、および50μMの化合物2で3回反復測定。
【0062】
感染:感染して24時間後、各試料から試料を回収した。
【0063】
方法:MEF(RNアーゼL)RL+/+細胞、MEF(RNアーゼL)RL−/−細胞、およびBSC40細胞を6ウェルプレートに入れ、血清を含まない培地を使用して、80〜85%コンフルエントな状態の細胞をワクシニアウイルス(WR)に5PFU/mlで感染させた。45分後、細胞をPBSで洗浄し、細胞に化合物2を含む新鮮培地を再び加えた。
【0064】
感染して24時間後、媒地を除去し、細胞をPBSで掻き出し、2回凍結融解した後、ウイルスの力価を、指標細胞系であるBHK21細胞で確定した。
【0065】
プラークアッセイ:BHK21細胞を12ウェルプレートに入れ、血清を含まない培地を使用して、細胞の完全な単層を異なる希釈のウイルスに感染させた。感染して45分後、媒体を除去し、細胞をPBSで2回洗浄し、寒天培地[2%アガロース+(2×MEM+20%FBS)のミックス]で置換し、2日後、寒天培地の第2層を、プラークを計数するための0.05%のニュートラルレッドと共に加えた。
【0066】
その結果を図9、10、11、および12に示し、図面の簡単な説明のセクションに記載する。
【0067】
本発明を、その好ましい実施形態を参照して具体的に示し、説明してきたが、形態および詳細において様々な変更を、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなくその中で実施できることを当業者なら理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1−1】図1A〜1Fは、RNアーゼL活性対2−5Aまたは低分子アクチベーターの濃度(単位:〜M)(図1A〜1C)または対時間(単位:分)(図1D〜1E)の用量反応および動態を示すグラフである。アッセイはRNアーゼL FRET方法により、22℃で行われた。(A、D)ppp(A2’p5’A);(B、E)化合物1;および(C、F)化合物2。
【図1−2】図1A〜1Fは、RNアーゼL活性対2−5Aまたは低分子アクチベーターの濃度(単位:〜M)(図1A〜1C)または対時間(単位:分)(図1D〜1E)の用量反応および動態を示すグラフである。アッセイはRNアーゼL FRET方法により、22℃で行われた。(A、D)ppp(A2’p5’A);(B、E)化合物1;および(C、F)化合物2。
【図2】RNアーゼLの低分子アクチベーター(化合物1〜12)の構造、およびRNA FRETプローブで50%分解に必要とされたそのEC50濃度を示す図である。NAは活性がないことを意味する。
【図3】2−5A、化合物1(C−1)、および化合物2(C−2)の(A、B)選択的リボヌクレアーゼアッセイおよび(C)RNアーゼL二量体形成アッセイを示す図である。(A)25nMの三量体2−5A(レーン1、2)、25〜MのC−1(レーン3、4)、25〜MのC−2(レーン5、6)を、25nMのRNアーゼLと共にまたはそれなしに、RNA基質GGACUUUUUUUCCCUUUUUUUCC[32P]pCpの存在下、22℃で30分間。(B)25nMの三量体2−5A(レーン2、3)、25〜MのC−1(レーン4、5)、25〜MのC−2(レーン6、7)を、25nMのRNアーゼLおよびRNA、C12−[32P]pCpと共にまたはそれなしに、22℃で30分間インキュベートした。切断されたRNAを20%アクリルアミド/7M尿素/TBE配列決定用ゲルで分離した。(C)RNアーゼLのスベルイミノ酸ジメチル(DMS)による共有結合架橋。DMSをRNアーゼL、および三量体2−5A(レーン2〜5)、C−1(レーン6〜9)、またはC−2(レーン10〜13)と共にインキュベートした。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動した後、タンパク質をニトロセルロースに移し、RNアーゼLに対するモノクローナル抗体でプローブした。
【図4】図4Aおよび4Bは、表面プラズモン共鳴法によって確定された、RNアーゼLと結合する2−5A−ビオチンの化合物1および2による置換を示すグラフである。ビオチン化2−5Aをストレプトアビジンバイオセンサーチップ(Biacore)に固定化した。様々な濃度の化合物1(A)または化合物2(B)の存在下にRNアーゼL(10nM)を、20μl/分の速度でチップに5分間流した。Biaevaluation(商標)ソフトウェアを使用して、センソグラムを記録し、解析した。それぞれの場合のRmaxを、増大する化合物濃度(単位:〜M)に対してプロットした。
【図5】図5A〜5Cは、MTS転換アッセイにおいて、化合物1および2のDU125細胞に対する細胞毒性を示すグラフである。細胞毒性は、490ナノメートルにおける吸光度対1日(図5A)、2日(図5B)、および3日(図5C)における濃度(単位:〜M)によって測定する。化合物1の結果を青色で表し、化合物2の結果を赤色で表す。
【図6】図6A〜6Bは、MTS転換アッセイにおいて、化合物1および2のM期のHela細胞に対する細胞毒性を示すグラフである。細胞毒性は、490ナノメートルにおける吸光度対1日における濃度(単位:〜M)によって測定する。化合物1の結果を青色で表し、化合物2の結果を赤色で表す。図6Aは、RNアーゼLを発現するM期のHela細胞の結果を示し、図6Bは、ヌクレアーゼを失活させたRNアーゼL変異体を発現するM期のHela細胞の結果を示す。
【図7】化合物2がHPIV3/GFPの複製を抑制することを示す倒立型蛍光顕微鏡写真である。RNアーゼLが欠損しているM期のHeLa細胞を、空のベクター対照細胞、野生型RNアーゼLを発現する細胞、またはヌクレアーゼを失活させた変異(R667A)RNアーゼLを発現する細胞として使用した。倒立型蛍光顕微鏡を使用して像を得た。
【図8】プラーク数×10−7によって測定して、様々な濃度(単位:〜M)の化合物2の脳心筋炎ウイルス(EMCV)に対する抗ウイルス効果を示す棒グラフである。
【図9】0、25、および50μMの化合物2を用いて増殖させたMEF RL+/+細胞の増殖を示す棒グラフを含む。この棒グラフは、対照(0μMの化合物2、100%=2.5×10PFU/mL)に対して得られたウイルスプラークの百分率を示す。化合物2の濃度を増大させると、プラークアッセイで確定されたウイルス産生の出現が減少した。化合物2の各濃度の真下にあるのは、ニュートラルレッドで染色した対応する寒天板である。これらの寒天板によっても、化合物2の濃度の増大と共に、プラークアッセイで確定されたウイルス産生がやはり減少することが示される。
【図10】化合物2の非存在下または存在下で増殖させたMEF RL+/+、BSC40、およびMEF RL−/−細胞で得られたウイルスプラークの百分率を示す棒グラフである。化合物2は、MEF RL+/+およびBSC40細胞のウイルス価を抑制した。RNアーゼL遺伝子を欠いている細胞は、化合物2に抵抗性を示した。(無処置対照(0μMの化合物2を添加)(単位:PFU/mL)は、100%において:MEF RL+/+:2.5×10;BSC40:2.5×10;およびMEF RL−/−:3.5×10)。
【図11】ニュートラルレッドで染色した寒天板上の処置(50μMの化合物2)および無処置(0μMの化合物2を添加)MEF RL+/+細胞の写真である。化合物2の存在によって、ウイルスプラーク数が減少した。
【図12】MEF RL+/+細胞とMEF RL−/−細胞の両方について、プラークアッセイで確定した実際のウイルスプラーク数を含む表である。MEF RL+/+細胞におけるウイルス産生は、化合物2の存在下で減少した。化合物2は、MEF RL−/−細胞においてウイルス産生を低減させなかった。ウイルス希釈は、ウイルスの10倍希釈によって、ウイルスプラーク数の減少が10倍であったことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬として許容できる担体または希釈剤、および次の構造式で表される化合物
【化1】

[式中、
環Aおよび環Bは、任意選択かつ独立に、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において置換されており;
Yは、CH、N、またはN−Oであり;
およびZは、独立に、OまたはSであり;
はCRまたはNであり;
は、−H、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR30、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR30、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり、あるいはRは、次の構造式で表される基
【化2】

であり;
は、−H、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、または−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
20は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
30は、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、または
【化3】

から選択される構造式で表される基である]
またはその医薬として許容できる塩を含む医薬組成物。
【請求項2】
がOであり、ZがSである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記化合物が次の構造式
【化4】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
環Aが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており、あるいは環Aが、次の構造式で表される基
【化5】

で置換されていてもよく;
環Bが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、−(CH40、−CHOCH40、−OCH40、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、H、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
40が、−COOH、−PO、−SOH、−POH、または−SOHである、
請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
環Bが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、−(CH40、−CHOCH40、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、
請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
20が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、R21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、R30が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、Rが−Hである、請求項4または5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記化合物が次の構造式
【化6】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
環Aが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基、または次の構造式で表される基
【化7】

で置換されており;
環Bが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、−(CH40、−CHOCH40、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
40が、−COOH、−PO、−SOH、−POH、または−SOHである、
請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、Rが−Hである、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記化合物が次の構造式
【化8】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項11】
環Aが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基、あるいは次の構造式で表される基
【化9】

で置換されており、
環Bが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、−(CH40、−CHOCH40、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
40が、−COOH、−PO、−SOH、−POH、または−SOHである、
請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、Rが−Hである、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記化合物が
【化10】

から選択される構造式で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
医薬として許容できる担体または希釈剤、および次の構造式で表される化合物
【化11】

[式中、
およびZは、独立に、OまたはSであり;
環Cおよび環Dは、任意選択かつ独立に、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において置換されており;
は、−H、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
20は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはハロアルキルである]
またはその医薬として許容できる塩を含む医薬組成物。
【請求項15】
前記化合物が次の構造式
【化12】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
環Cが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、C1〜C3アルキル、ハロゲン、=O、ヒドロキシル、またはC1〜C3アルコキシで置換されていてもよい、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
環Dが、任意の1個以上の置換可能な炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されていてもよく、
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、
請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
が−Hである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
環Cが非置換である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記化合物が
【化13】

から選択される構造式で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項21】
医薬として許容できる担体または希釈剤、および次の構造式で表される化合物
【化14】

[式中、
およびZは、独立に、OまたはSであり;
環Eおよび環Fは、任意選択かつ独立に、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において置換されており;
は、−H、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
およびRは、独立に、−H、C1〜C5アルキル基、またはC1〜C5ハロアルキル基であり;
20は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはハロアルキルである]
またはその医薬として許容できる塩を含む医薬組成物。
【請求項22】
がSであり、ZがOである、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
環Eおよび環Fが、任意選択かつ独立に、任意の1個以上の置換可能な炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、
請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
が−Hである、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
およびRが、独立に、−Hまたはメチルである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記化合物が次の構造式
【化15】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項27】
医薬として許容できる担体または希釈剤、および次の構造式で表される化合物
【化16】

[式中、
およびXは、独立に、CH、NH、またはOであり;
は、−O−C(O)−、−O−C(S)−、−S−C(O)−、−S−C(S)−、−C(O)−、C(S)−、−CH−、−CH(CH)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NHC(S)−、または−C(S)NH−であり;
およびZは、独立に、SまたはOであり;
環Gは、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において置換されていてもよく;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
10およびR11は、独立に、−H、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
12は、−H;R21で表される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基;任意の1個以上の置換可能な環炭素原子においてR22で表される基で置換されていてもよい単環式芳香族基;あるいは任意の1個以上の置換可能な環炭素原子においてR23で置換されていてもよい単環式C1〜C3アラルキル基であり;
20は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
21は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、または−OC(O)R20であり;
22およびR23は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR24、−C(O)H、−C(O)R24、−C(O)OR24、−OC(O)H、−OC(O)R24、またはヒドロキシル、−OR24、ケト、−C(O)OR24、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R24で置換されているC1〜C3アルキルであり、
24は、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである]
またはその医薬として許容できる塩を含む医薬組成物。
【請求項28】
12が、−H;R21で表される基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基;R22で表される基で置換されていてもよいフェニル基;あるいは任意の1個以上の置換可能な環炭素原子においてR23で置換されていてもよいC1〜C3フェナルキル基である、
請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記化合物が次の構造式
【化17】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記化合物が次の構造式
【化18】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩であり、式中、Xは、−O−C(O)−または−C(O)−である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記化合物が次の構造式
【化19】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
環Gが、任意の1個以上の環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR25、−C(O)H、−C(O)R25、−C(O)OR25、−OC(O)H、−OC(O)R25、またはヒドロキシル、−OR25、ケト、−C(O)OR25、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R25で置換されているC1〜C3アルキルで置換されていてもよく;R25が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
が、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C3アルコキシ、またはC1〜C3ハロアルコキシで置換されていてもよいC1〜C5アルキル基である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
12が、−H;R21で表される基で置換されていてもよいアルキル基;あるいは任意の1個以上の置換可能な環炭素原子においてR23で置換されていてもよいベンジル基であり;
21が、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C3アルコキシ、またはC1〜C3ハロアルコキシであり;
23が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR24、−C(O)H、−C(O)R24、−C(O)OR24、−OC(O)H、−OC(O)R24、またはヒドロキシル、−OR24、ケト、−C(O)OR24、−OC(O)H、または−OC(O)R24で置換されているC1〜C3アルキルである、
請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
10が、メチル、ハロメチル、またはヒドロキシメチルである、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
がC1〜C5アルキルであり;R10が−C(Cl)であり;R12がC1〜C5アルキルまたはベンジルである、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記化合物が
【化20】

から選択される構造式で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項38】
ウイルス感染症を有する対象を治療する方法であって、請求項1から37のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を該対象に投与することを含む、方法。
【請求項39】
前記ウイルス感染症が、一本鎖RNAゲノムを有するウイルスによって引き起こされる、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ウイルスが、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、RSウイルスおよびヒトパラインフルエンザウイルス3型)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス)、トガウイルス(例えば、風疹ウイルスおよび東部ウマ脳炎ウイルス)、ピコルナウイルス(例えば、ポリオウイルスおよびコクサッキーウイルス)、フラビウイルス(例えば、西ナイルウイルス、デングウイルス、およびC型肝炎ウイルス)、ブンヤウイルス(例えば、ラクロスウイルス、リフトバレー熱ウイルス、およびハンタウイルス)、レトロウイルス(例えば、ガンマレトロウイルスXMRV、ならびにレンチウイルスHIV−1および−2)、フィロウイルス(例えば、エボラウイルス、出血熱ウイルス)、またはB型肝炎ウイルス(ゲノムRNA中間体を有するDNAウイルス)である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記ウイルス感染症が、DNAゲノムを有するウイルスによって引き起こされる、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記ウイルスが、ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペスウイルス1型および2型、サイトメガロウイルス、またはヒトヘルペスウイルス8型である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ウイルスが、痘瘡ウイルス(天然痘ウイルス)、サル痘ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス、エプスタインバーウイルス、アデノウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス7型、B19パルボウイルス、アデノ随伴ウイルス、BKウイルス、およびJCウイルス、ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペスウイルス1型および2型、サイトメガロウイルス、またはヒトヘルペスウイルス8型である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
癌を有する対象を治療するための方法であって、請求項1から37のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を該対象に投与することを含む方法。
【請求項45】
前記癌が、前立腺癌、卵巣癌、脳癌、または骨癌である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
対象において再狭窄を治療するための方法であって、請求項1から37のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を該対象に投与することを含む方法。
【請求項47】
次の構造式で表される化合物
【化21】

[式中、
環Aおよび環Bは、任意選択かつ独立に、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において置換されており;
Yは、CH、N、またはN−Oであり;
およびZは、独立に、OまたはSであり;
はCRまたはNであり;
は、−H、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR30、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR30、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり、あるいはRは、次の構造式で表される基
【化22】

であり;
は、−H、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、または−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
20は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
30は、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、または
【化23】

から選択される構造式で表される基であり;
ただし、該化合物は
【化24】

【化25】

から選択される構造式で表されないことを条件とする]
またはその医薬として許容できる塩。
【請求項48】
がOであり、ZがSである、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
前記化合物が次の構造式
【化26】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
環Aが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており、あるいは環Aが、次の構造式で表される基
【化27】

で置換されていてもよく、
環Bが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、−(CH40、−CHOCH40、−OCH40、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、H、C1〜C3アルキル、またはC1〜C3ハロアルキルであり;
40が、−COOH、−PO、−SOH、−POH、または−SOHである、
請求項47に記載の化合物。
【請求項51】
環Bが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、−(CH40、−CHOCH40、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、
請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
20が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、R21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、R30が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、Rが−Hである、請求項50または51に記載の化合物。
【請求項53】
次の構造式
【化28】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項48に記載の化合物。
【請求項54】
環Aが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されているか、または次の構造式で表される基
【化29】

で置換されており;
環Bが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、−(CH40、−CHOCH40、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
40が、−COOH、−PO、−SOH、−POH、または−SOHである、
請求項53に記載の化合物。
【請求項55】
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、Rが−Hである、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
次の構造式
【化30】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項48に記載の化合物。
【請求項57】
環Aが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されているか、または次の構造式で表される基
【化31】

で置換されており;
環Bが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、−(CH40、−CHOCH40、またはヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
40が、−COOH、−PO、−SOH、−POH、または−SOHである、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルであり、Rが−Hである、請求項57に記載の化合物。
【請求項59】
次の構造式で表される化合物
【化32】

[式中、
およびZは、独立に、OまたはSであり;
環Cおよび環Dは、任意選択かつ独立に、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において置換されており;
は、−H、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
20は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはハロアルキルであり;ただし、該化合物は
【化33】

から選択される構造式で表されないことを条件とする]
またはその医薬として許容できる塩。
【請求項60】
次の構造式
【化34】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
環Cが、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において、C1〜C3アルキル、ハロゲン、=O、ヒドロキシル、またはC1〜C3アルコキシで置換されていてもよい、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
環Dが、任意の1個以上の置換可能な炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されていてもよく;
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、
請求項61に記載の化合物。
【請求項63】
が−Hである、請求項62に記載の化合物。
【請求項64】
環Cが非置換である、請求項63に記載の化合物。
【請求項65】
次の構造式で表される化合物
【化35】

[式中、
およびZは、独立に、OまたはSであり;
環Eおよび環Fは、任意選択かつ独立に、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において置換されており;
は、−H、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
およびRは、独立に、−H、C1〜C5アルキル基、またはC1〜C5ハロアルキル基であり;
20は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはハロアルキルであり;
ただし、該化合物は
【化36】

以外の構造式で表される]
またはその医薬として許容できる塩。
【請求項66】
がSであり、ZがOである、請求項65に記載の化合物。
【請求項67】
環Eおよび環Fが、任意選択かつ独立に、任意の1個以上の置換可能な炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR21、−C(O)H、−C(O)R21、−C(O)OR21、−OC(O)H、−OC(O)R21、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR21、ケト、−C(O)OR21、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R21で置換されているC1〜C3アルキル基で置換されており;
21が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、
請求項66に記載の化合物。
【請求項68】
が−Hである、請求項67に記載の化合物。
【請求項69】
およびRが、独立に、−Hまたはメチルである、請求項68に記載の化合物。
【請求項70】
次の構造式で表される化合物
【化37】

[式中、
およびXは、独立に、CH、NH、またはOであり;
は、−O−C(O)−、−O−C(S)−、−S−C(O)−、−S−C(S)−、−C(O)−、C(S)−、−CH−、−CH(CH)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NHC(S)−、または−C(S)NH−であり;
およびZは、独立に、SまたはOであり;
環Gは、任意の1個以上の置換可能な環炭素原子において置換されていてもよく;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
10およびR11は、独立に、−H、またはハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、および−OC(O)R20から選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基であり;
12は、−H;R21で表される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基;任意の1個以上の置換可能な環炭素原子においてR22で表される基で置換されていてもよい単環式芳香族基;あるいは任意の1個以上の置換可能な環炭素原子においてR23で置換されていてもよい単環式C1〜C3アラルキル基であり;
20は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
21は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、−OR20、ニトロ、シアノ、−C(O)H、−C(O)R20、−C(O)OR20、−OC(O)H、または−OC(O)R20であり;
22およびR23は、それぞれ独立に、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR24、−C(O)H、−C(O)R24、−C(O)OR24、−OC(O)H、−OC(O)R24、またはヒドロキシル、−OR24、ケト、−C(O)OR24、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R24で置換されているC1〜C3アルキルであり、
24は、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;ただし、該化合物は
【化38】

から選択される構造式で表されないことを条件とする]
またはその医薬として許容できる塩。
【請求項71】
12が、−H;R21で表される基で置換されていてもよいC1〜C5アルキル基;R22で表される基で置換されていてもよいフェニル基;あるいは任意の1個以上の置換可能な環炭素原子においてR23で置換されていてもよいC1〜C3フェナルキル基である、請求項70に記載の化合物。
【請求項72】
次の構造式
【化39】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項71に記載の化合物。
【請求項73】
次の構造式
【化40】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩であり、式中、Xは、−O−C(O)−または−C(O)−である、請求項72に記載の化合物。
【請求項74】
次の構造式
【化41】

で表されるか、またはその医薬として許容できる塩である、請求項73に記載の化合物。
【請求項75】
環Gが、任意の1個以上の環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR25、−C(O)H、−C(O)R25、−C(O)OR25、−OC(O)H、−OC(O)R25、またはヒドロキシル、−OR25、ケト、−C(O)OR25、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R25で置換されているC1〜C3アルキルで置換されていてもよく;
25が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、請求項74に記載の化合物。
【請求項76】
が、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C3アルコキシ、またはC1〜C3ハロアルコキシで置換されていてもよいC1〜C5アルキル基である、請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
12が、−H;R21で表される基で置換されていてもよいアルキル基;あるいは任意の1個以上の置換可能な環炭素原子においてR23で置換されていてもよいベンジル基であり;
21が、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C3アルコキシ、またはC1〜C3ハロアルコキシであり;
23が、それぞれ独立に、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−OR24、−C(O)H、−C(O)R24、−C(O)OR24、−OC(O)H、−OC(O)R24、またはヒドロキシル、−OR24、ケト、−C(O)OR24、−OC(O)H、もしくは−OC(O)R24で置換されているC1〜C3アルキルである、請求項76に記載の化合物。
【請求項78】
10が、メチル、ハロメチル、またはヒドロキシメチルである、請求項77に記載の化合物。
【請求項79】
がC1〜C5アルキルであり;R10が−C(Cl)であり;R12がC1〜C5アルキルまたはベンジルである、請求項78に記載の化合物。

【図1−1】
image rotate

【図1−2】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2009−536622(P2009−536622A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507765(P2009−507765)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/009959
【国際公開番号】WO2007/127212
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(508319163)ザ クリーブランド クリニック ファウンデーション (1)
【出願人】(508318568)ノーザン アリゾナ ユニバーシティー (1)
【Fターム(参考)】