説明

XYテーブルの制御方法およびXYテーブル

【課題】本発明は、セットテーブルの位置決めを精度良く且つ容易に行うことができるXYテーブルの制御方法を提供することを課題としている。
【解決手段】仮想マトリクスにおける各点を目標座標点として移動させて、セットテーブル2の各実移動座標点を有する実座標データを取得する実座標取得工程と、取得した実座標データに基づいて、X軸移動機構3およびY軸移動機構5に対する移動指令における目標座標点を補正する座標補正工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セットテーブルを移動して、所定の位置に位置決めするXYテーブルの制御方法およびXYテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のXYテーブルとして、セットテーブルと、セットテーブルをX軸方向に移動させるとX軸移動手段と、セットテーブルをY軸方向に移動させるY軸移動手段と、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。各移動手段は、送りネジとこれを駆動するモーターとによって、ガイドレール上のセットテーブルを移動する構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−28630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなXYテーブルでは、各移動手段の機械精度上の問題で、目標座標点と、当該目標座標点による移動動作によって実際に移動した座標点(以下、実移動座標点)と、に誤差が生じてしまい、精度良く位置決めを行うことができないという問題がある。これに対し、移動後に実移動座標点を取得し、目標座標点との誤差分だけ、再度セットテーブルを移動させて(第2の移動動作)、位置を調整する方法がある。かかる際、第2の移動動作によって、再度誤差が生じるため、当該誤差が許容範囲に納まるまで繰り返し移動動作を行ってセットテーブルの位置を調整する。
しかしながら、このような制御方法では、1度目の移動動作の後、実移動座標を取得し、且つ再度移動動作を行う必要があり、また状況によっては、複数回の実移動座標の取得および移動動作を行う必要があるため、位置決め動作が煩雑となってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、セットテーブルの位置決めを精度良く且つ容易に行うことができるXYテーブルの制御方法およびXYテーブルを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のXYテーブルの制御方法は、ワークをセットするセットテーブルと、セットテーブルをX軸方向に移動するX軸移動手段と、セットテーブルをY軸方向に移動するY軸移動手段と、を備えたXYテーブルの制御方法であって、仮想マトリクスにおける各点を目標座標点として移動させて、セットテーブルの各実移動座標点を有する実座標データを取得する実座標取得工程と、取得した実座標データに基づいて、X軸移動手段およびY軸移動手段に対する移動指令における目標座標点を補正する座標補正工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明のXYテーブルは、ワークをセットするセットテーブルと、セットテーブルをX軸方向に移動するX軸移動部と、セットテーブルをY軸方向に移動するY軸移動部と、仮想マトリクスにおける各点を目標座標点として移動させて、セットテーブルの各実移動座標点を有する実座標データを取得し、記憶する実座標記憶部と、X軸移動部およびY軸移動部を制御する制御部と、を備え、制御部は、実座標記憶部に記憶された実座標データに基づいて、X軸移動部およびY軸移動部に対する移動指令における目標座標点を補正することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、仮想マトリクスにおける各点を目標座標点とした際の各実移動座標点を取得し、予め取得した当該各目標座標点に対する各実移動座標に基づいて、移動指令における目標座標点を補正することにより、再現性のある機械精度上の誤差を加味した移動動作(移動工程)を行うことができるため、移動後の実移動座標の取得および第2の移動動作を行う必要がない。ゆえに、セットテーブルの位置決めを精度良く且つ容易に行うことができる。
【0009】
上記のXYテーブルの制御方法において、実座標データは、セットテーブルを、X軸方向正方向およびY軸方向正方向に移動させて取得した第1の実座標データと、X軸方向負方向およびY軸方向正方向に移動させて取得した第2の実座標データと、X軸方向正方向およびY軸方向負方向に移動させて取得した第3の実座標データと、X軸方向負方向およびY軸方向負方向に移動させて取得した第4の実座標データと、を有していることが好ましい。
【0010】
各種移動手段では、例えば、動力伝達系のバックラッシュや寸法公差の影響で移動方向に依存する精度誤差を生じてしまう。
上記構成によれば、X軸方向およびY軸方向の各移動方向に対する4組の実移動データを有し、そのうち、移動方向に対応する情報に基づいて、補正を行うことにより、移動方向に依存した精度誤差の影響も加味した移動動作(移動工程)を行うことができる。
【0011】
この場合、取得した実座標データを補間する補間工程を、更に備えることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、実座標データを補間することにより、荒い間隔の実座標データから、細かい間隔の実座標データを取得することができる。ゆえに、高度な実座標データを、容易に取得することができる。
【0013】
この場合、補正した移動指令における目標座標点に基づいて、X軸移動手段およびY軸移動手段により、セットテーブルを移動する移動工程と、移動後のセットテーブルの実移動座標点を検出する実座標検出工程と、検出した実移動座標点に基づいて、X軸移動手段およびY軸移動手段により、セットテーブルの調整移動する調整移動工程と、を更に有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、補正した目標座標点での移動動作を行った後、移動後の実移動座標点を検出して、これに基づいて、セットテーブルを調整移動することにより、1度目の移動動作によって、所定の位置決め精度が得られなかった場合にも対応することができる。なお、1回の実座標検出工程および調整移動工程によって、所定の位置決め精度が得られなかった場合には、これらを繰り返し実施する構成であっても良い。
【0015】
上記のXYテーブルにおいて、実座標記憶部は、X軸方向に延在するX軸スケールを用い、実移動座標点のX座標を検出するX軸実座標検出部と、Y軸方向に延在するY軸スケールを用い、実移動座標点のY座標を検出するY軸実座標検出部と、を備えることが好ましい。
【0016】
この場合、X軸スケールおよびY軸スケールは、それぞれガラススケールで構成されていることが好ましい。
【0017】
これらの構成によれば、容易に且つ精度良く実移動座標点を取得することができる。なお、各スケールを固定とし、その目盛りの読取手段をセットテーブルに付随して移動させて検出する構成であっても良いし、読取手段を固定とし、各スケールをセットテーブルに付随して移動させて検出する構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係るXYテーブルの3面図である。
【図2】XYテーブルの制御ブロック図である。
【図3】位置合せ動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るXYテーブルの制御方法を適用したXYテーブルについて説明する。XYテーブルは、ワークをXY方向に移動させて、所定の位置に位置決めするものである。また、このXYテーブルは、予め実座標データを取得しておき、これに基づいて移動指令を補正することで、ワークの位置決めを容易に且つ精度良く行うことができる。
【0020】
図1に示すように、XYテーブル1は、ワークWをセットするセットテーブル2と、セットテーブル2をX軸方向に移動させるX軸移動機構(X軸移動手段およびX軸移動部)3と、セットテーブル2およびX軸移動機構3を搭載する中間テーブル4と、中間テーブル4をY軸方向に移動させるY軸移動機構(Y軸移動手段およびY軸移動部)5と、中間テーブル4およびY軸移動機構5を搭載する機台6と、これら構成装置を制御する制御装置(制御部)9(図2参照)と、を備えている。X軸移動機構3は、セットテーブル2(ワークW)をX軸方向に移動し、一方、Y軸移動機構5は、中間テーブル4を介して、セットテーブル2(ワークW)をY軸方向に移動する。これらによって、セットテーブル2(ワークW)をXY平面内で移動し、所定の位置に位置決めする。また、XYテーブル1は、中間テーブル4に搭載されると共にセットテーブル2のX軸方向の位置を検出するX軸位置検出機構(X軸実座標検出部)7と、機台6に搭載されると共に中間テーブル4のY軸方向の位置を介して、セットテーブル2の位置を検出するY軸位置検出機構(X軸実座標検出部)8と、を備えている。
【0021】
X軸移動機構3は、中間テーブル4に上面に設けられた一対のX軸リニアレール11と、セットテーブル2の下面に設けられ、一対のX軸リニアレール11に対応する一対のX軸スライダー12と、セットテーブル2のX軸方向側方部(図中左側)に設けられ、セットテーブル2をX軸方向に駆動するX軸駆動機構13と、を備えている。すなわち、セットテーブル2は、一対のX軸リニアレール11および一対のX軸スライダー12によって、中間テーブル4に対しX軸方向にスライド自在に支持されると共に、X軸駆動機構13による駆動によって、X軸方向に移動する。
【0022】
X軸駆動機構13は、X軸モーター14と、X軸モーター14に連動するX軸ボールネジ15と、X軸ボールネジ15を螺合した一対のX軸ボールナット16と、一対のX軸ボールナット16とセットテーブル2側端部とを連結する一対のX軸連結部材17と、を備えている。X軸モーター14を駆動すると、X軸ボールネジ15、一対のX軸ボールナット16および一対のX軸連結部材17を介して、セットテーブル2がX軸方向に駆動する。なお、X軸モーター14には、エンコーダーが搭載されており、エンコーダー信号を出入力して、セットテーブル2の移動を実施する。なお、後述する目標座標点は、エンコーダー信号に変換されて、X軸モーター14に入力される。
【0023】
Y軸移動機構5は、機台6に上面に設けられた一対のY軸リニアレール21と、中間テーブル4の下面に設けられ、一対のY軸リニアレール21に対応する一対のY軸スライダー22と、中間テーブル4のY軸方向側方部(図中下側)に設けられ、中間テーブル4をX軸方向に駆動するY軸駆動機構23と、を備えている。すなわち、中間テーブル4は、一対のY軸リニアレール21および一対のY軸スライダー22によって、機台6に対し、Y軸方向にスライド自在に支持されると共に、Y軸駆動機構23による駆動によって、Y軸方向に移動する。なお、Y軸モーター24には、エンコーダーが搭載されており、エンコーダー信号を出入力して、セットテーブル2の移動を実施する。なお、後述する目標座標点は、エンコーダー信号に変換されて、Y軸モーター24に入力される。
【0024】
Y軸駆動機構23は、Y軸モーター24と、Y軸モーター24に連動するY軸ボールネジ25と、Y軸ボールネジ25を螺合した一対のY軸ボールナット26と、一対のY軸ボールナット26と中間テーブル4側端部とを連結する一対のY軸連結部材27と、を備えている。Y軸モーター24を駆動すると、Y軸ボールネジ25、一対のY軸ボールナット26および一対のY軸連結部材27を介して、中間テーブル4がX軸方向に駆動する。
【0025】
X軸位置検出機構7は、セットテーブル2のX軸方向側方部(図中右側)に配設され、X軸方向に延在するX軸リニアスケール(X軸スケール)31と、中間テーブル4に搭載され、X軸リニアスケール31の目盛りを読み取るX軸スケール読取装置32と、を備えている。X軸リニアスケール31は、ガラススケールにより構成されている。X軸位置検出機構7は、着脱自在に形成されており、後述する実座標取得工程後に、取り外して、別装置に兼用しても良い。なお、X軸スケール読取装置32によって、後述する実移動座標点のX座標が検出される。
【0026】
Y軸位置検出機構8は、中間テーブル4のY軸方向側方部(図中上側)に配設され、Y軸方向に延在するY軸リニアスケール(Y軸スケール)33と、機台6に搭載され、Y軸リニアスケール33の目盛りを読み取るY軸スケール読取装置34と、を備えている。Y軸リニアスケール33は、ガラススケールにより構成されている。Y軸位置検出機構8は、着脱自在に形成されており、後述する実座標取得工程後に、取り外して、別装置に兼用しても良い。なお、Y軸スケール読取装置34によって、後述する実移動座標点のY座標が検出される。
【0027】
図2に示すように、制御装置9は、CPU(Central Processing Unit)41と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43と、ハードディスク(HDD:Hard disk drive)44と、を有している。CPU41は、XYテーブル1を制御する中央処理装置である。ROM42は、CPU41が各種制御を行うための制御プログラムを記憶しており、RAM43は、ワークエリアとして利用される。また、ハードディスク44は、各種データおよび各種プログラムを書換可能に記憶している。制御装置9は、ROM42やハードディスク44に記憶されたプログラムに従い、CPU41が各種演算処理を行うことで、各種動作を実行する。また、制御装置9は、外部装置からの移動指令を受け、XYテーブル1を駆動する。なお、この移動指令には、目標座標点(以下、指令座標点)が含まれている。また、請求項にいう実座標記録部は、X軸位置検出機構7、Y軸位置検出機構8およびハードディスク44により、構成されている。
【0028】
ここで図3を参照して、XYテーブル1による位置決め動作について説明する。位置決め動作は、制御装置9による制御下において行われるものであり、移動指令の補正に用いる実座標データを取得し、記憶する実座標取得工程(S1)と、移動指令を受けてセットテーブル2(ワークW)を移動する実位置決め工程(S3〜S5)と、により行われる。
【0029】
実座標取得工程(S1)では、仮想マトリクスにおける各点を目標座標点として移動させて、セットテーブル2の各実移動座標点を有する実座標データを取得し、記憶する。具体的には、X軸移動機構3およびY軸移動機構5による上記各点を目標座標点とした移動と、X軸位置検出機構7およびY軸位置検出機構8による移動後のセットテーブル2の座標点(実移動座標点)の検出と、を繰り返すことで、仮想マトリクスにおける各目標座標点に対する各実移動座標点から成る実座標データを取得し、上記のハードディスク44に記憶する。なお、実座標データとして、XY方向1mmピッチの実移動座標点を取得し、記憶する。また、実座標データとして、セットテーブル2を、X軸方向正方向およびY軸方向正方向に移動させて取得した第1の実座標データと、X軸方向負方向およびY軸方向正方向に移動させて取得した第2の実座標データと、X軸方向正方向およびY軸方向負方向に移動させて取得した第3の実座標データと、X軸方向負方向およびY軸方向負方向に移動させて取得した第4の実座標データと取得し、記憶する。
【0030】
実位置決め工程は、制御装置9による移動指令の受信に起因して(S2:Yse)、実行されるものであり、実位置決め工程では、実座標データを補間する補間工程(S3)と、補間データに基づいて移動指令を補正する座標補正工程(S4)と、補正した移動指令に基づいてセットテーブル2を移動する移動工程(S5)と、を実行する。
【0031】
補間工程(S3)では、XY座標それぞれにおいて、指令座標点近傍の実座標データを、補間する補間データを生成する。例えば、実座標データから、指令座標点を囲う4つの目標座標点と、これらに対応する実移動座標点とを抽出する。次に、4つの目標座標点から、Y座標が同値の2点を用い、目標座標点のX座標に対する実移動座標点のX座標の一次関数を生成する。これをX座標の補間データとする。一方、4つの目標座標点から、X座標が同値の2点を用い、目標座標点のY座標に対する実移動座標点のY座標の一次関数を生成する。これをY座標の補間データとする。なお、4つの目標座標点において、Y座標が同値の2点の組、およびX座標が同値の2点の組はそれぞれ2組ずつ得られるが、その同値となるY座標が指令座標点のY座標に近いもの、その同値となるX座標が指令座標点のX座標に近いものを選択する。また、ここでは、実座標データを用いる際、第1の実座標データ、第2の実座標データ、第3の実座標データおよび第4の実座標データのうち、移動指令によるXY方向の移動方向が対応するものを用いて、補間データを生成する。
【0032】
座標補正工程(S4)では、生成した各補間データを用いて、指令座標点を補正する。具体的には指令座標点のX座標の補正では、X座標の補間データから、指令座標点のX座標を目標座標点のX座標とした際の、これに対応する実移動座標点のX座標を求める。次に、指令座標点のX座標と、求めた実移動座標点のX座標との差分を、指令座標点のX座標に加減算する。これによって、指令座標点のX座標の補正が実施される。一方、指令座標点のY座標の補正では、Y座標の補間データから、指令座標点のY座標を目標座標点のY座標とした際の、これに対応する実移動座標点のY座標を求める。次に、指令座標点のY座標と、求めた実移動座標点のY座標との差分を、指令座標点のY座標に加減算する。これによって、Y座標の補正が実施される。なお、ここでは、指令座標点の座標(X座標もしくはY座標)を目標座標点の座標とした際の、これに対応する実移動座標点の座標を用いて補正を行ったが、補間データから、指令座標点の座標を実移動座標点とした際の、これに対応する目標座標点の座標を求めると共に、求めた目標座標点の座標をそのまま、指令座標点の座標に置換することで、補正を実施する構成であっても良い。
【0033】
移動工程(S5)では、補正した移動指令に基づいて、X軸移動機構3およびY軸移動機構5を駆動する。すなわち、X軸移動機構3およびY軸移動機構5により、補正した指令座標点を目標座標点として、セットテーブル2を移動する。
【0034】
以上のような構成によれば、仮想マトリクスにおける各点を目標座標点とした際の各実移動座標点を取得し、予め取得した当該各目標座標点に対する各実移動座標に基づいて、移動指令における目標座標点を補正することにより、再現性のある機械精度上の誤差を加味した移動動作(移動工程)を行うことができるため、移動後の実移動座標の取得および第2の移動動作を行う必要がない。ゆえに、セットテーブル2の位置決めを精度良く且つ容易に行うことができる。
【0035】
また、X軸方向およびY軸方向の各移動方向に対する4組の実移動データを有し、そのうち、移動方向に対応する情報に基づいて、補正を行うことにより、移動方向に依存した精度誤差の影響も加味した移動動作(移動工程)を行うことができる。
【0036】
さらに、実座標データを補間することにより、荒い間隔の実座標データから、細かい間隔の実座標データを取得することができる。ゆえに、高度な実座標データを、容易に取得することができる。なお、本実施形態では、移動指令を受けた後に、指令座標点近傍の実座標データを補間する構成であったが、実座標データ取得直後に、実座標データ全体を補間するものであっても良い。
【0037】
またさらに、ガラススケールを有するX軸位置検出機構7およびY軸位置検出機構8を用いることにより、容易に且つ精度良く実移動座標点を取得することができる。
【0038】
なお、本実施形態においては、1回の移動動作(移動工程)により位置合せを行ったが、移動工程の後に、X軸位置検出機構7およびY軸位置検出機構8によって、移動後のセットテーブル2の実移動座標点を検出する実座標検出工程と、検出した実移動座標点に基づいて、X軸移動機構3およびY軸移動機構5により、セットテーブル2の調整移動する調整移動工程と、を更に有する構成であっても良い。かかる場合、1度目の移動動作によって、所定の位置決め精度が得られなかった場合にも対応することができる。なお、1回の実座標検出工程および調整移動工程によって、所定の位置決め精度が得られなかった場合には、これらを繰り返し実施する構成であっても良い。
【符号の説明】
【0039】
1:XYテーブル、 2:セットテーブル、 3:X軸移動機構、 5:Y軸移動機構、 7:X軸位置検出機構、 8:Y軸位置検出機構、 9:制御装置、 31:X軸リニアスケール、 33:Y軸リニアスケール、 44:ハードディスク、 W:ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークをセットするセットテーブルと、
前記セットテーブルをX軸方向に移動するX軸移動手段と、
前記セットテーブルをY軸方向に移動するY軸移動手段と、を備えたXYテーブルの制御方法であって、
仮想マトリクスにおける各点を目標座標点として移動させて、前記セットテーブルの各実移動座標点を有する実座標データを取得する実座標取得工程と、
取得した前記実座標データに基づいて、前記X軸移動手段および前記Y軸移動手段に対する移動指令における目標座標点を補正する座標補正工程と、を有することを特徴とするXYテーブルの制御方法。
【請求項2】
前記実座標データは、前記セットテーブルを、
X軸方向正方向およびY軸方向正方向に移動させて取得した第1の実座標データと、
X軸方向負方向およびY軸方向正方向に移動させて取得した第2の実座標データと、
X軸方向正方向およびY軸方向負方向に移動させて取得した第3の実座標データと、
X軸方向負方向およびY軸方向負方向に移動させて取得した第4の実座標データと、を有していることを特徴とする請求項1に記載のXYテーブルの制御方法。
【請求項3】
取得した前記実座標データを補間する補間工程を、更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のXYテーブルの制御方法。
【請求項4】
補正した前記移動指令における目標座標点に基づいて、前記X軸移動手段および前記Y軸移動手段により、前記セットテーブルを移動する移動工程と、
移動後の前記セットテーブルの実移動座標点を検出する実座標検出工程と、
検出した前記実移動座標点に基づいて、前記X軸移動手段および前記Y軸移動手段により、前記セットテーブルを調整移動する調整移動工程と、を更に有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のXYテーブルの制御方法。
【請求項5】
ワークをセットするセットテーブルと、
前記セットテーブルをX軸方向に移動するX軸移動部と、
前記セットテーブルをY軸方向に移動するY軸移動部と、
仮想マトリクスにおける各点を目標座標点として移動させて、前記セットテーブルの各実移動座標点を有する実座標データを取得し、記憶する実座標記憶部と、
前記X軸移動部および前記Y軸移動部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記実座標記憶部に記憶された実座標データに基づいて、前記X軸移動部および前記Y軸移動部に対する移動指令における目標座標点を補正することを特徴とするXYテーブル。
【請求項6】
前記実座標記憶部は、
X軸方向に延在するX軸スケールを用い、前記実移動座標点のX座標を検出するX軸実座標検出部と、
Y軸方向に延在するY軸スケールを用い、前記実移動座標点のY座標を検出するY軸実座標検出部と、を備えたことを特徴とする請求項5に記載のXYテーブル。
【請求項7】
前記X軸スケールおよび前記Y軸スケールは、それぞれガラススケールで構成されていることを特徴とする請求項6に記載のXYテーブル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−59848(P2011−59848A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206791(P2009−206791)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】