説明

アクティブマトリクス型表示装置

【課題】アクティブマトリクス型表示装置の誤動作を抑制する。
【解決手段】駆動回路に対してデータ信号が入力される期間(取り込み期間)前の期間(リセット期間)に、当該データ信号の反転信号を当該駆動回路に入力する。例えば、データ信号がHレベルの電位(3V)である場合には、それが入力される前にLレベルの電位(0V)の電位を入力する。これにより、駆動回路内のノードの電位変動が大きくなり、当該駆動回路が正確に動作しやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路に関する。また、本発明は、その
データラッチ回路を駆動回路の一部に用いたアクティブマトリクス型表示装置に関する。
また、本発明は、そのアクティブマトリクス型表示装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置や発光装置などのアクティブマトリクス型表示装置は、携帯機器向
け等の需要の増加から、それらの開発が進められている。特に絶縁体上に多結晶半導体(
poly−Si;ポリシリコン)により形成された薄膜トランジスタ(Thin Fil
m Transistor;TFT)を用いて画素回路及び駆動回路(以下まとめて「内
部回路」と称する。)を一体形成する技術は活発に開発が進められている。内部回路はソ
ース信号線駆動回路及びゲート信号線駆動回路等を有しており、これらの駆動回路等がマ
トリクス状に配置された画素回路を制御する。
【0003】
また、内部回路は、FPC(Flexible Printed Circuit)等
を介して、コントローラIC等(以下「外部回路」と称する。)と接続され、その動作が
制御される。一般的に、外部回路に用いるICの駆動電圧(即ち信号の振幅)は、低消費
電力化の観点から、内部回路の駆動電圧と比較して小さくなっている。現状では、外部回
路には3.3Vの電圧で動作するICが用いられるのが一般的ではあるが、内部回路の動
作電圧は10V程度と外部回路と比較して高い。そのため、3.3Vの信号を外部回路か
ら内部回路に入力する際、レベルシフト回路等で信号の振幅を10V程度に変換する必要
がある。
【0004】
しかし、外部回路においてレベルシフトする場合には、レベルシフトIC、電源IC等
の部品の増加、消費電力の増加等の問題が生じる。一方、内部回路においてシフトレジス
タやデータラッチ回路等に入力する前にレベルシフトする場合には、レイアウト面積の増
加、消費電力の増加、高周波動作が困難等の問題が生じる。よって、外部回路からの低電
圧の振幅の信号をそのまま内部回路の駆動回路を構成するシフトレジスタやデータラッチ
回路等に入力して、正確に動作させる方式が求められている(以下、この方式を「低電圧
駆動」と称する。)。
【0005】
アクティブマトリクス型表示装置における駆動方法としては、デジタル駆動方式とアナ
ログ駆動方式がある。デジタル駆動方式を用いる場合、内部回路を構成するソース信号線
駆動回路内には、シフトレジスタからのサンプリングパルスによって順次デジタルの映像
信号を取り込むデータラッチ回路が必要となる。
【0006】
データラッチ回路には、低電圧信号入力を考慮したものもある(以下の特許文献1参照
。)。
【0007】
しかし、低電圧信号入力に対応したデータラッチ回路においては、TFTの諸特性のば
らつきの影響により、誤作動してしまう場合がある。
ここで、一般的な従来型データラッチ回路を図2(A)に示す。前記データラッチ回路は
クロックドインバータ2005及びインバータ2006を有し、前記クロックドインバー
タ2005は直列に接続されたP型TFT2001及び2002、並びにN型TFT20
03及び2004を有する。P型TFT2001のゲート電極にはシフトレジスタからの
サンプリングパルス(LAT)が入力され、ソース電極は電源VDDが供給されるような
接続構造をとる。N型TFT2004のゲート電極にはサンプリングパルス(LAT)の
反転パルス(LATB)が入力され、ソース電極は電源VSSが供給されるような接続構
造をとる。P型TFT2002及びN型TFT2003のゲート電極にはデジタル信号(
DATA)が入力される。また、P型TFT2002及びN型TFT2003のドレイン
電極はインバータ2006に接続されている。
【0008】
図2(B)に、図2(A)の従来形データラッチ回路のタイミングチャートを示す。図
2(A)及び(B)を用い従来型データラッチ回路の動作を説明する。なお、入力される
デジタル信号(以下「データ信号」と称する。)はデジタル形式であり、「1」を表現す
る電位と、「0」を表現する電位とを有する信号である。本明細書においては、如何なる
場合にも、その電位を問わず、「1」を表現する電位レベルを「Hレベル」、「0」を表
現する電位レベルを「Lレベル」と表記する。なお、特別の記載がない限り、その電位の
高低は、Lレベル<Hレベルとする。
【0009】
まず期間T1において、シフトレジスタからLレベルのサンプリングパルス(LAT)
が入力され、LATがLレベル、LATBがHレベルとなり、P型TFT2001及びN
型TFT2004がオンする。この時、DATAがHレベルであると、P型TFT200
2がオフ、且つN型TFT2003がオンし、クロックドインバータ2005はVSSを
出力する。逆に、DATAがLレベルであると、P型TFT2002がオン、且つN型T
FT2003がオフし、クロックドインバータ2005はVDDを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−184440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記従来型データラッチ回路において、低電圧駆動を行う場合、つまり外部回路からの
デジタル信号DATAをそのまま入力する場合について、その駆動を図2(A)及び(B
)を用いて説明する。ここで、VSSは−2V、VDDは5V、LAT及びLATBのH
レベルは5V、Lレベルは−2V、DATAのHレベルは3V、Lレベルは0Vとする。
【0012】
まず期間T1において、シフトレジスタからサンプリングパルス、LATが入力され、
LATがHレベル(5V)、LATBがLレベル(−2V)となり、P型TFT2001
及びN型TFT2004がオンする。この時、DATAがHレベル(3V)であると、P
型TFT2002がオフ、且つN型TFT2003がオンし、クロックドインバータ20
05はVSSを出力する。しかしこの時、P型TFT2002の閾値電圧|VTH|が2
V以下であると、P型TFT2002もオンしてしまいリーク電流が流れる。
【0013】
さらに、P型TFT2002及びN型TFT2003の諸特性、特に閾値特性がばらつ
き、その結果、P型TFT2002の|Vgs|=2Vにおけるオン電流が、N型TFT
2003の|Vgs|=5Vにおけるオン電流を上回ると、論理が逆転し、クロックドイ
ンバータ2005の出力は、VSSとはならず、VDDとなってしまうことになる。
【0014】
反対にDATAがLレベル(0V)である場合において、N型TFT2003の|V
|が2V以下であると、N型TFT2003もオンしてしまいリーク電流が流れ、さら
には、N型TFT2003の|Vgs|=2Vにおけるオン電流が、P型TFT2002
の|Vgs|=5Vにおけるオン電流を上回ると、論理が逆転し、クロックドインバータ
2005の出力は、VDDとはならず、VSSとなってしまうことになる。
【0015】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、TFTの特性ばらつきの影響を受
けにくく、低消費電力、高周波動作が可能なデータラッチ回路を提供することを課題とす
るものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、データラッチ回路において、データ信号がHレベルであるか又はLレベルで
あるかを判定するインバータにおいて、前記インバータの入力端子と出力端子とを短絡す
る手段を有し、且つ、前記インバータの入力端子を容量の一方の電極と接続し、前記容量
のもう一方の電極には、データ信号又は基準電位を取り込む構成にしておく。
初めに、前記インバータの入力端子と出力端子を短絡することで、前記インバータの入力
端子と容量の一方の電極とを前記インバータの閾値電位にし、同時に、前記容量のもう一
方の電極を基準電位にしておく。
次に、基準電位にした前記容量の一方の電極にデータ信号を取り込む。これにより、前記
容量を介したインバータの入力端子の電位は閾値電位から上下に変動し、データ信号のH
レベル又はLレベルの判別が可能となる。
【0017】
よって、電源電圧幅に対してデータ信号の振幅が小さくても、TFTの特性ばらつきの
影響を受けることなく、正確に動作することができる。
【0018】
ここで、本発明の構成を以下に記す。
本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であって、第1
及び第2の電極を有する容量手段と、前記第1の電極に入力端子が接続されたインバータ
と、前記インバータの前記入力端子と出力端子との間に接続されたスイッチとを有し、リ
セット期間において、前記スイッチをオンし、且つ前記容量手段の前記第2の電極に第1
の電位を入力し、前記リセット期間後の取り込み期間において、前記容量手段の前記第2
の電極に前記デジタル信号を入力することを特徴とする。
【0019】
また、本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であっ
て、第1及び第2の電極を有する容量手段と、前記第1の電極に入力端子が接続されたイ
ンバータと、前記インバータの前記入力端子と出力端子との間に接続された第1のスイッ
チと、前記第2の電極に接続された第2のスイッチ及び第3のスイッチとを有し、リセッ
ト期間において、前記第1のスイッチをオンし、且つ前記第2のスイッチをオンすること
により前記容量手段の前記第2の電極に第1の電位を入力し、前記リセット期間後の取り
込み期間において、前記第3のスイッチをオンすることにより前記容量手段の前記第2の
電極に前記デジタル信号を入力することを特徴とするデータラッチ回路。
【0020】
また、本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であっ
て、第1及び第2の電極を有する容量手段と、前記第1の電極に入力端子が接続された第
1のインバータと、前記第1のインバータの前記入力端子と出力端子との間に接続された
スイッチと、前記第1のインバータの前記出力端子に入力端子が接続された第2のインバ
ータと、前記第2のインバータの前記入力端子及び出力端子に出力端子及び入力端子がそ
れぞれ接続されたクロックドインバータとを有し、リセット期間において、前記スイッチ
をオンし、且つ前記容量手段の前記第2の電極に第1の電位を入力し、前記リセット期間
後の取り込み期間において、前記容量手段の前記第2の電極に前記デジタル信号を入力す
ることを特徴とする。
【0021】
また、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であって、第1及び第2の電極を有す
る容量手段と、前記第1の電極に入力端子が接続された第1のインバータと、前記第1の
インバータの前記入力端子と出力端子との間に接続された第1のスイッチと、前記第2の
電極に接続された第2のスイッチ及び第3のスイッチと、前記第1のインバータの前記出
力端子に入力端子が接続された第2のインバータと、前記第2のインバータの前記入力端
子及び出力端子に出力端子及び入力端子がそれぞれ接続されたクロックドインバータとを
有し、リセット期間において、前記第1のスイッチをオンし、且つ前記第2のスイッチを
オンすることにより前記容量手段の前記第2の電極に第1の電位を入力し、前記リセット
期間後の取り込み期間において、前記第3のスイッチをオンすることにより前記容量手段
の前記第2の電極に前記デジタル信号を入力することを特徴とする。
【0022】
また、本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であっ
て、第1及び第2の電極を有する容量手段と、前記第1の電極に入力端子が接続された第
1のインバータと、前記第1のインバータの前記入力端子と出力端子との間に接続された
スイッチと、前記第1のインバータの前記出力端子に入力端子が接続された第2のインバ
ータと、前記第1のインバータの前記入力端子及び前記出力端子に出力端子及び入力端子
がそれぞれ接続されたクロックドインバータとを有し、リセット期間において、前記スイ
ッチをオンし、且つ前記容量手段の前記第2の電極に第1の電位を入力し、前記リセット
期間後の取り込み期間において、前記容量手段の前記第2の電極に前記デジタル信号を入
力することを特徴とする。
【0023】
また、本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であっ
て、第1及び第2の電極を有する容量手段と、前記第1の電極に入力端子が接続された第
1のインバータと、前記第1のインバータの前記入力端子と出力端子との間に接続された
第1のスイッチと、前記第2の電極に接続された第2のスイッチ及び第3のスイッチと、
前記第1のインバータの前記出力端子に入力端子が接続された第2のインバータと、前記
第1のインバータの前記入力端子及び前記出力端子に出力端子及び入力端子がそれぞれ接
続されたクロックドインバータとを有し、リセット期間において、前記第1のスイッチを
オンし、且つ前記第2のスイッチをオンすることにより前記容量手段の前記第2の電極に
第1の電位を入力し、前記リセット期間後の取り込み期間において、前記第3のスイッチ
をオンすることにより前記容量手段の前記第2の電極に前記デジタル信号を入力すること
を特徴とする。
【0024】
また、本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であっ
て、第1及び第2の電極を有する第1の容量手段と、第3及び第4の電極を有する第2の
容量手段と、前記第1の電極及び前記第3の電極に入力端子が接続されたインバータと、
前記インバータの前記入力端子と出力端子との間に接続されたスイッチとを有し、リセッ
ト期間において、前記スイッチをオンし、且つ前記第1の容量手段の前記第2の電極に第
1の電位を入力し、且つ前記第3の容量手段の前記第4の電極に第2の電位を入力し、前
記リセット期間後の取り込み期間において、前記第1の容量手段の前記第2の電極および
前記第2の容量手段の前記第4の電極に前記デジタル信号を入力することを特徴とする。
【0025】
また、本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であっ
て、第1及び第2の電極を有する第1の容量手段と、第3及び第4の電極を有する第2の
容量手段と、前記第1の電極及び前記第3の電極に入力端子が接続されたインバータと、
前記インバータの前記入力端子と出力端子との間に接続された第1のスイッチと、前記第
2の電極に接続された第2のスイッチ及び第3のスイッチと、前記第4の電極に接続され
た第4のスイッチ及び第5のスイッチとを有し、リセット期間において、前記スイッチを
オンし、且つ前記第2のスイッチをオンすることにより前記第1の容量手段の前記第2の
電極に第1の電位を入力し、且つ前記第4のスイッチをオンすることにより前記第3の容
量手段の前記第4の電極に第2の電位を入力し、前記リセット期間後の取り込み期間にお
いて、前記第3のスイッチをオンすることにより前記第1の容量手段の前記第2の電極に
、且つ前記第5のスイッチをオンすることにより前記第2の容量手段の前記第4の電極に
前記デジタル信号を入力することを特徴とする。
【0026】
また、本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であっ
て、第1及び第2の電極を有する第1の容量手段と、第3及び第4の電極を有する第2の
容量手段と、前記第1の電極に入力端子が接続され且つ前記第3の電極に出力端子が接続
された第1のインバータと、前記第1のインバータの前記入力端子と前記出力端子との間
に接続された第1のスイッチと、第5及び第6の電極を有する第3の容量手段と、第7及
び第8の電極を有する第4の容量手段と、前記第5の電極に入力端子が接続され且つ前記
第7の電極に出力端子が接続された第2のインバータと、前記第2のインバータの前記入
力端子と前記出力端子との間に接続された第2のスイッチと、前記第4及び前記第8の電
極に入力端子が接続された第3のインバータと、前記第3のインバータの前記入力端子と
出力端子との間に接続された第3のスイッチとを有し、リセット期間において、前記第1
及び第2のスイッチをオンし、且つ前記第1の容量手段の前記第2の電極に第1の電位を
入力し、且つ前記第3の容量手段の前記第4の電極に第2の電位を入力し、前記リセット
期間後の取り込み期間において、前記第1の容量手段の前記第2の電極および前記第2の
容量手段の前記第4の電極に前記デジタル信号を入力することを特徴とする。
【0027】
また、本発明のデータラッチ回路は、デジタル信号を取り込むデータラッチ回路であっ
て、第1及び第2の電極を有する第1の容量手段と、第3及び第4の電極を有する第2の
容量手段と、前記第1の電極に入力端子が接続され且つ前記第3の電極に出力端子が接続
された第1のインバータと、前記第1のインバータの前記入力端子と前記出力端子との間
に接続された第1のスイッチと、第5及び第6の電極を有する第3の容量手段と、第7及
び第8の電極を有する第4の容量手段と、前記第5の電極に入力端子が接続され且つ前記
第7の電極に出力端子が接続された第2のインバータと、前記第2のインバータの前記入
力端子と前記出力端子との間に接続された第2のスイッチと、前記第4及び前記第8の電
極に入力端子が接続された第3のインバータと、前記第3のインバータの前記入力端子と
出力端子との間に接続された第3のスイッチと、前記第1の電極と前記第5の電極とに接
続された第5の容量とを有し、リセット期間において、前記第1及び第2のスイッチをオ
ンし、且つ前記第1の容量手段の前記第2の電極に第1の電位を入力し、且つ前記第3の
容量手段の前記第4の電極に第2の電位を入力し、前記リセット期間後の取り込み期間に
おいて、前記第1の容量手段の前記第2の電極および前記第2の容量手段の前記第4の電
極に前記デジタル信号を入力することを特徴とする。
【0028】
また、前記第1の電位は、前記デジタル信号の1の電位又は0の電位であってもよい。
また、前記リセット期間を前段のシフトレジスタからのサンプリングパルスを用い決定し
、前記取り込み期間を自段のシフトレジスタからのサンプリングパルスを用い決定するよ
うにしてもよい。
また、前記デジタル信号の振幅が前記データラッチ回路に用いられる電源電圧幅と比較し
て小さくしてもよい。
また、前記クロックドインバータの制御端子に、前段のシフトレジスタからの出力パルス
を用いるようにしてもよい。
また、前記データラッチ回路は薄膜トランジスタにより形成されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明のデータラッチ回路は、電源電圧幅に対して入力信号の振幅が小さくても、TF
Tの諸特性のばらつきの影響を受けることなく、正確に動作することができる。よって、
外部回路からの信号をレベルシフトする必要がなく、低消費電力化、レイアウト面積の縮
小、コストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】図2は、従来型データラッチ回路を示す図である。
【図3】図3は、一般的なインバータのVIN−VOUT特性を示す図である。
【図4】図4は、外部回路及び表示パネルの概要を示す図である。
【図5】図5は、ソース信号線駆動回路の一構成例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態を示す図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態を示す図である。
【図9】図9は、本発明を適用可能な電子機器の例を示す図である。
【図10】図10は、一般的なクロックドインバータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
【0032】
(実施の形態1)
図1(A)に本実施形態のデータラッチ回路の構成を示す。
【0033】
本実施形態のデータラッチ回路はデータ取り込み用スイッチ1001、リファレンス用
スイッチ1002、閾値セット用スイッチ1003、容量手段1004、及び補正インバ
ータ1005を有する。本実施形態のデータラッチ回路において、データ取り込み用スイ
ッチ1001、リファレンス用スイッチ1002及び容量手段1004からなる回路ブロ
ックを「ブロックx」とする。また、必要に応じて、インバータ1006を設けてもよい

【0034】
データ取り込み用スイッチ1001はLATによりオン又はオフを制御され、入力され
るDATAをリファレンス用スイッチ1002と容量手段1004の第2の電極との接続
部(以下「ノードa」という。)へ入力する。リファレンス用スイッチ1002はLAT
−1によりオン又はオフを制御され、第1の電位(ここでは「基準電位」という。)を取
り込み、データ取り込み用スイッチ1001と容量手段1004の第2の電極との接続部
、即ちノードaに基準電位を出力する。補正インバータ1005の入力端子及び出力端子
は閾値セット用スイッチ1003を介し、電気的に接続されている。補正インバータ10
05の入力端子及び出力端子と閾値セット用スイッチ1003との接続部を、それぞれ、
「ノードb」、「ノードc」という。また、前記閾値セット用スイッチ1003のオン又
はオフはLAT−1により制御される。補正インバータ1005は、ノードcに接続され
たインバータ1006にデータを出力する。
【0035】
図1(B)に本実施形態のデータラッチ回路のタイミングチャートを示す。図1(A)
及び(B)を用い、本実施形態のデータラッチ回路を低電圧駆動した場合の動作について
説明する。本実施形態においては、VSSは−2V、VDDは5V、LAT、LATB、
LAT−1及びLAT−1BそれぞれのHレベルは5V、Lレベルは−2V、DATAの
Hレベルは3V、Lレベルは0V、基準電位はDATAのLレベルとHレベルとの中間電
位である1.5Vとする。また、期間T1に入力されるLATと、その後の期間T2に入
力されるLAT−1のパルスは重ならないことが望ましい。
【0036】
まず期間T1においてリセット作業を行う。本データラッチ回路の前段にあるシフトレ
ジスタからサンプリングパルスLAT−1(5V)が本データラッチ回路に入力され、リ
ファレンス用スイッチ1002及び閾値セット用スイッチ1003がオンする。その結果
、ノードaは基準電位(1.5V)となる。ノードbはノードcの電位がフィードバック
され電位が動かない方向に働くので、補正インバータ1005の閾値電位(ここでは2V
とする)となる。
【0037】
その後、続いて期間T2に移り、本データラッチ回路は、入力されるDATAのHレベ
ル、Lレベルを判定する。前記シフトレジスタからのサンプリングパルスLAT(5V)
が本データラッチ回路へ入力され、データ取り込み用スイッチ1001がオンする。入力
されるDATAがHレベル(3V)の場合、ノードaの電位が1.5Vから3Vとなる。
容量手段1004の両端の電位差は保持されるので、ノードbはノードaの電圧変化分程
度変化する。よって、ノードbは2Vから1.5V程度上昇し、3.5V程度となる。
【0038】
ここで、図3に一般的なインバータのVIN(入力信号電圧)−VOUT(出力信号電
圧)特性を示す。図3に示されているように、VINが閾値から上下どちらかに少しでも
変動すると、VOUTはVDD又はVSSに大きく近づく。
【0039】
よって、期間T1においてノードbは補正インバータ1005の閾値電位にセットされ
ているため、ノードbの電位の変化にノードcは敏感に反応する。この場合、ノードbの
電位は2Vから3.5V程度に上昇しているため、ノードcの電位はVSSに大きく近づ
く。ノードcの電位は、更に、インバータ1006により整形され、その出力OUTには
VDD(Hレベル)が出力される。
【0040】
反対に、期間T2においてDATAがLレベル(0V)である場合、ノードaの電位が
1.5Vから0Vとなり、ノードbの電位は2Vから1.5V程度下降し、0.5V程度
となる。このように、ノードbが閾値電位から下降するため、ノードcはVDDに大きく
近づく。ノードcの電位は、更に、インバータ1006により整形され、その出力OUT
にはVSS(Lレベル)が出力される。
【0041】
また、基準電位が固定電位である場合は、理想的にはデータ信号(ここではDATA)
の振幅の中間電位が望ましいが、厳密に中間電位である必要はなく、前記データ信号の最
高電位又は最低電位と異なり、かつ、前記データ信号の振幅を出ない範囲で多少変動させ
ることが可能である。
【0042】
また、基準電位にデータ信号DATAの反転信号を1データ分前にずらし、入力しても
よい。この場合、例えばDATAがHレベル(3V)であると、リセット期間T1にノー
ドaがLレベル(0V)になり、取り込み期間T2にHレベル(3V)のDATAが入力
されると、ノードa及びノードbが3V程度変動し、より補正インバータ1005が正確
に動作しやすくなる。DATAがLレベル(0V)であっても、リセット期間T1にノー
ドaがHレベル(3V)となり、取り込み期間T2にLレベル(0V)のDATAが入力
されるため、同様にノードa及びノードbが3V程度変動する。
【0043】
本実施形態の通り、データラッチ回路において、データ信号DATAのHレベル又はL
レベルを判定して出力するインバータの閾値電位を予め取得し、前記閾値電位から上下ど
ちらに変動するかによりデータ信号がHレベルであるか又はLレベルであるかの判定をす
ることにより、電源電圧幅に対して入力信号の振幅が小さくても、TFTの諸特性ばらつ
きによる閾値変動の影響を受けることなく、正確に動作することができる。よって、低消
費電力化、高周波動作が可能となる。特に、TFTの諸特性ばらつきの多い、ポリシリコ
ンTFTを用いたデータラッチ回路に用いることが望ましい。
また、本発明において、前記ポリシリコンTFTを作製する際の結晶化法として、レーザ
結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属
元素を用いる熱結晶化法、又はこれらの結晶化法の組み合わせ等を用いることができる。
【0044】
(実施の形態2)
図1(A)に示すデータラッチ回路を使用する際、図6(A)及び(B)に示すように
クロックドインバータ6002等を用い、保持を行ってもよいし、容量手段6003等を
用い、保持を行ってもよい。クロックドインバータ6002には、一般的なクロックドイ
ンバータを用いてもよい。
【0045】
一般的なクロックドインバータを図10に示す。クロックドインバータ10001は直
列に接続された第1のP型TFT10002、第2のP型TFT10003、第1のN型
TFT10004及び第2のN型TFT10005を有する。第1のP型TFT1000
2のゲート電極に入力されている端子を制御端子1とし、第2のP型TFT10003及
び第1のN型TFT10004のゲート電極に入力されている端子を入力端子とし、第2
のN型TFT10005のゲート電極に入力されている端子を制御端子2とし、また第2
のP型TFT10003及び第1のN型TFT10004の接続部端子を出力端子とする

【0046】
図6(A)は図1(A)に容量手段6003及びクロックドインバータ6002を追加
し、クロックドインバータ6002をインバータ6001とループ状に接続したものであ
る。クロックドインバータ6002の制御端子1には保持用パルスHOLDが、制御端子
2には前記HOLDの反転パルスHOLDBが入力される。その他の部分については図1
(A)と同様である。
【0047】
図6(B)は図1(A)にクロックドインバータ6102を追加し、クロックドインバ
ータ6102を補正インバータ6101とループ状に接続したものである。クロックドイ
ンバータ6102の制御端子1には保持用パルスHOLDが、制御端子2には前記HOL
Dの反転パルスHOLDBが入力される。その他の部分については図1(A)と同様であ
る。
【0048】
前記HOLDパルスはタイミングチャート図6(C)に示す、6201または6202
等のパルスが望ましく、シフトレジスタの出力パルス等を用いるとよい。動作としては、
取り込み期間T2が終了した後、クロックドインバータ6002又は6102がオンし、
保持動作を開始するようにする。
【0049】
本実施形態の通り、クロックドインバータ等を用い保持を行うことで、所望の期間、H
レベル、Lレベルを正確に保持することができる。
【0050】
(実施の形態3)
図1(A)のデータラッチ回路におけるブロックxを並列に2つ接続し、2つのリファ
レンス用スイッチにそれぞれ入力される2つの基準電位を、一方はデータ信号の最高電位
(DATAのHレベルと同電位)に、他方は前記データ信号の最低電位(DATAのLレ
ベルと同電位)とした場合について、図7に示す。
【0051】
本実施形態のデータラッチ回路は、並列に接続されたブロックy及びブロックy´、ブ
ロックy及びブロックy´の一方の接続部に入力部が接続された補正インバータ7008
、補正インバータ7008と直列に接続されたインバータ7009、補正インバータ70
08の入力端子と出力端子とに接続された閾値セット用スイッチ7007、及びクロック
ドインバータ7009を有する。
ブロックyは、直列に接続された、第1のデータ取り込み用スイッチ7001及び第1の
容量手段7005と、それらの接続部(以下、「ノードa」という。)に信号DHを入力
する第1のリファレンス用スイッチ7003とを有し、ブロックy´は直列に接続された
、第2のデータ取り込み用スイッチ7002及び第2の容量手段7006と、それらの接
続部(以下、「ノードa´」という。)に信号DLを入力する第2のリファレンス用スイ
ッチ7004とを有する。
【0052】
また、第1のデータ取り込み用スイッチ7001及び第2のデータ取り込み用スイッチ
7002はLATによりそのオン又はオフを制御され、DATAを取り込む。第1のリフ
ァレンス用スイッチ7003、第2のリファレンス用スイッチ7004及び閾値セット用
スイッチ7007はLAT−1によりオン又はオフを制御されている。閾値セット用スイ
ッチ7007は補正インバータ7008の入力端子と出力端子との間に設けられている。
補正インバータ7008の入力端子及び出力端子と閾値セット用スイッチ7007との接
続部を、それぞれ、「ノードb」、「ノードc」という。また、本実施形態においては、
VSSは−2V、VDDは5V、LAT、LATB、LAT−1及びLAT−1Bそれぞ
れのHレベルは5V、Lレベルは0V、DATAのHレベル(DH)は3V、Lレベル(
DL)は0Vとする。
【0053】
本実施形態におけるタイミングチャートは、図1(B)に示す実施形態1におけるタイ
ミングチャートと同様であるので、図1(B)のタイミングチャートを用いて説明する。
まずリセット期間T1において、LAT−1がHレベル(5V)となり、第1のリファレ
ンス用スイッチ7003、第2のリファレンス用スイッチ7004及び閾値セット用スイ
ッチ7008がオンし、ノードaがDHの電位(3V)となり、ノードa´がDLの電位
(0V)となる。また、ノードbは補正インバータ7008の閾値電圧(ここでは2Vと
する。)となる。
【0054】
その後、続いてデータ取り込み期間T2において、LATがHレベル(5V)、且つL
AT−1がLレベル(0V)となり、第1のデータ取り込み用スイッチ7001及び第2
のデータ取り込み用スイッチ7002がオンする。DATAがHレベル(3V)である場
合、ノードaは3Vのまま変化せず、ノードa´は0Vから3Vに変化する。そのため、
ノードbは2Vから1.5V程度上昇し、3.5Vとなる。その結果、ノードcはVSS
(−2V)に大きく近づく。
【0055】
反対にDATAがLレベル(0V)である場合、ノードaは3Vから0Vに変化し、ノ
ードa´は0Vのまま変化しない。そのため、ノードbは2Vから1.5V程度下降し、
0.5V程度となる。よって、ノードcはVDD(5V)に大きく近づく。
【0056】
上述したとおり、本実施形態のデータラッチ回路は、電源電圧幅に対して入力信号の振
幅が小さくても、TFTの諸特性ばらつきによる影響を受けることなく、正確に動作する
ことができ、低消費電力化、高周波動作が可能となる。さらに、本実施形態のデータラッ
チ回路においては、2つのリファレンス用スイッチにそれぞれ入力される2つの基準電位
を、一方はデータ信号の最高電位(DH)に、他方は前記データ信号の最低電位(DH)
とすることによって、基準電位に用いる中間電位を特段設ける必要はなく、電源数の削減
に有効である。
【0057】
(実施の形態4)
実施形態1〜3とは異なる構成の本発明のデータラッチ回路を図8(A)に示す。
【0058】
本実施形態のデータラッチ回路は、並列に接続されたブロックz及びブロックz´と、
前記ブロックz及びブロックz´の一方の接続部に入力端子が接続された第1の補正イン
バータ8001と、第1の補正インバータ8001と直列に接続されたインバータ800
2と、第1の補正インバータ8001の入力端子と出力端子との間に設けられた第1の閾
値セット用スイッチ8003を有する。
【0059】
また、ブロックzは直列に配置された第1の取り込み用スイッチ8004、第1の容量
手段8008、第2の補正インバータ8010及び第3の容量手段8012と、第1の取
り込み用スイッチ8004と第1の容量手段8008との接続部(以下「ノードa」とい
う。)にDH(DATAのHレベルと同電位)を取り込む第1のリファレンス用スイッチ
8006と、第2の補正インバータ8010の入力端子と出力端子との間に設けられた第
2の閾値セット用スイッチ8014とを有している。ブロックz´は直列に配置された第
2の取り込み用スイッチ8005、第2の容量手段8009、第3の補正インバータ80
11及び第4の容量手段8013と、第2の取り込み用スイッチ8005と第2の容量手
段8009との接続部(以下「ノードa´」という。)にDL(DATAのLレベルと同
電位)を取り込む第2のリファレンス用スイッチ8007と、第3の補正インバータ80
11の入力端子と出力端子との間に設けられた第3の閾値セット用スイッチ8015とを
有する。
【0060】
ブロックz及びブロックz´の他方の接続部、即ち第1の取り込み用スイッチ8004
と第2の取り込み用スイッチ8005との接続部にDATAが入力される。第1の取り込
み用スイッチ8004及び第2の取り込み用スイッチ8005は、それぞれ、オン又はオ
フをLATにより制御される。第1のリファレンス用スイッチ8006、第2のリファレ
ンス用スイッチ8007、第2の閾値セット用スイッチ8014及び第3の閾値セット用
スイッチ8015は、それぞれ、オン又はオフをLAT−1により制御されている。
【0061】
また、第1の補正インバータ8001の入力端子及び出力端子と第1の閾値セット用ス
イッチ8003との接続部を、それぞれ、「ノードb」、「ノードc」という。また、第
2の補正インバータ8010の入力端子及び出力端子と第2の閾値セット用スイッチ80
14との接続部を、それぞれ、「ノードa2」、「ノードa3」という。さらに、第3の
補正インバータ8011の入力端子及び出力端子と第3の閾値セット用スイッチ8015
との接続部を、それぞれ、「ノードa2´」、「ノードa3´」という。さらに、本実施
形態のタイミングチャートは、図1(B)に示す実施形態1のタイミングチャートと同様
であるので、図1(B)のタイミングチャートを用い、動作を説明する。
【0062】
まず、リセット期間T1において、LAT−1がHレベル(VDD)となり、ノードa
がDHの電位、ノードa´がDLの電位、ノードa2及びノードa3が第2の補正インバ
ータ8010の閾値電位、ノードa2´及びノードa3´が第3の補正インバータ801
1の閾値電位となる。
【0063】
その後、続いて、データ取り込み期間T2において、LATがHレベル(VDD)とな
り、DATAが取り込まれる。DATAがHレベルの場合は、ノードa及びノードa2の
電位は変わらず、ノードa´はDLからHレベルとなり、ノードa2´はDATAの振幅
分程度上昇する。ノードa3´はVSSに大きく近づき、ノードbの電位も下降する。よ
って、ノードcはVDDに大きく近づく。
【0064】
反対にDATAがLの場合は、ノードa´及び、ノードa2´の電位は変わらず、ノー
ドaはDHからLレベルとなり、ノードa2はDATAの振幅分程度下降する。ノードa
3はVDDに大きく近づき、ノードbの電位も上昇する。よって、ノードcはVSSに大
きく近づく。
【0065】
また、DATAがHレベルの場合のノードa2や、DATAがLレベルの場合のノード
a2´が、DATA取り込みの際のスイッチングノイズ等により変動してしまい、誤動作
してしまうような場合は、図8(B)に示すように、ノードa2及びノードa2´の間に
第5の容量手段8016を設けると良い。容量手段8016によって、ノードa2及びノ
ードa2´が同じ方向に変動し、誤動作を防ぐ。
【0066】
上述したとおり、本実施形態のデータラッチ回路は、電源電圧幅に対して入力信号の振
幅が他の実施形態のものよりも小さくても、TFTの諸特性ばらつきによる影響を受ける
ことなく、正確に動作することができ、低消費電力化、高周波動作が可能となる。さらに
、本実施形態のデータラッチ回路においては、2つのリファレンス用スイッチにそれぞれ
入力される2つの基準電位を、一方はデータ信号の最高電位(DH)に、他方は前記デー
タ信号の最低電位(DH)とすることによって、基準電位に用いる中間電位を特段設ける
必要はなく、電源数の削減に有効である。
【0067】
実施形態1〜4において、ここでは例として、データ取り込み用スイッチ、リファレン
ス用スイッチ、閾値セット用スイッチがN型TFTの場合を説明したが、電源電圧値、信
号電圧値、信号振幅によっては全てをP型TFTまたはN型TFT及びP型TFTを有す
るアナログスイッチに置換してもよいし、いくつかを置換してもよい。
【0068】
また、リセット用のパルスLAT−1は1段前のシフトレジスタからのサンプリングパ
ルスとしたが、複数段前のシフトレジスタからのサンプリングパルスでもよいし、リセッ
ト用にパルスを入力してもよい。また、全段一度にリセットしてもよい。電圧設定もまた
、これに限らない。
【実施例1】
【0069】
ここでは、本発明のデータラッチ回路がアクティブマトリクス型表示装置に使用される
場合の構成と駆動について説明する。
【0070】
図4に外部回路のブロック図とパネルの概略図を示す。ここでは例として、アクティブ
マトリクス型有機EL表示装置とする。
【0071】
図4に示すように、アクティブマトリクス型表示装置は外部回路4004及びパネル4
010を有する。外部回路4004はA/D変換部4001、電源部4002及び信号生
成部4003を有する。A/D変換部4001はアナログ信号で入力された映像データ信
号をデジタル信号に変換し、ソース信号線駆動回路4006へ供給する。電源部4002
はバッテリーやコンセントより供給された電源から、それぞれ所望の電圧値の電源を生成
し、ソース信号線駆動回路4006、ゲート信号線駆動回路4007、EL素子4011
、信号生成部4003等に供給する。信号生成部4003には、電源、映像信号及び同期
信号等が入力され、各種信号の変換を行う他、ソース信号線駆動回路4006及びゲート
信号線駆動回路4007を駆動するためのクロック信号等を生成する。
【0072】
外部回路4004からの信号及び電源はFPCを通し、パネル4010内のFPC接続
部4005から内部回路、EL素子4011等に入力される。
【0073】
また、パネル4010はガラス基板4008上に、FPC接続部4005、内部回路が
配置され、また、EL素子4011を有する。内部回路はソース信号線駆動回路4006
、ゲート信号線駆動回路4007及び画素部4009を有する。
【0074】
基板中央には画素部4009が配置され、その周辺には、ソース信号線駆動回路400
6及びゲート信号線駆動回路4007が配置されている。EL素子4011及び、前記E
L素子の対向電極は画素部4009全体面に形成されている。
【0075】
より詳しく、図5にソース信号線駆動回路4006のブロック図を示す。
【0076】
ソース信号線駆動回路4006はD−フリップフロップ(Delayed Flip−
Flop;D−FF)5001を複数段用いてなるシフトレジスタ5002、データラッ
チ回路5003、ラッチ回路5004、レベルシフタ5005及びバッファ5006等を
有する。前記データラッチ回路5003部に本発明のデータラッチ回路を用いることがで
き、実施形態に記載したいずれかのデータラッチ回路を採用することもできる。ここでは
、データラッチ回路5003に採用した場合について説明するが、前記データラッチ回路
をラッチ回路5004に採用してもよい。
【0077】
入力される信号はクロック信号線(S−CK)、反転クロック信号線(S−CKB)、
スタートパルス(S−SP)、デジタル映像信号(DATA)及びラッチパルス(Lat
ch Pulse)であり、また、基準電位にはデジタル映像信号の振幅の中間電位を入
力するものとする。
【0078】
まず、クロック信号、クロック反転信号及びスタートパルスのタイミングに従って、シ
フトレジスタ5002より、順次サンプリングパルスが出力される。サンプリングパルス
はデータラッチ回路5004へ入力される。データラッチ回路5004は1段前のD−F
F5001から入力されたサンプリングパルスによってリセットされ、続いて、自段のD
−FF5007からサンプリングパルスが入力されたタイミングで、デジタル映像信号を
取り込み、保持する。この動作が一列目から順に行われる。
【0079】
最終段のデータラッチ回路5003においてデジタル映像信号の保持が完了すると、水
平帰線期間中にラッチパルスが入力され、データラッチ回路5003において保持されて
いるデジタル映像信号は一斉にラッチ回路5004へと転送される。その後、レベルシフ
タ5005においてレベルシフトされ、バッファ5006において整形された後、ソース
信号線S1からSnへ一斉に出力される。その際、ゲート信号線駆動回路4007によっ
て選択された行の画素へ、Hレベル、Lレベルが入力され、EL素子4011の発光、非
発光を制御する。
【0080】
本実施例にて示したアクティブマトリクス型表示装置はパネル4010と外部回路40
04が独立されているが、これらを同一基板上に一体形成して作製してもよい。また、表
示装置は例として、有機ELを使用したものとしたが、有機EL以外の発光素子を利用し
た発光装置でもよいし、液晶表示装置でもよい。また、ソース信号線駆動回路4006内
にレベルシフタ5005及びバッファ5006が無くてもよい。
【実施例2】
【0081】
実施例1で説明したとおり、本発明のデータラッチ回路は、様々な表示装置に用いるこ
とができ、その表示装置は様々な電子機器の表示部に用いることができる。特に低消費電
力が要求されるモバイル機器には本発明の表示装置を用いることが望ましい。
【0082】
具体的に前記電子機器として、携帯情報機器(携帯電話、モバイルコンピュータ、携帯
型ゲーム機または電子書籍等)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレ
イ、表示ディスプレイ、ナビゲーションシステム等が挙げられる。これら電子機器の具体
例を図9(A)〜図9(D)に示す。
【0083】
図9(A)は、表示ディスプレイであり、筐体9001、音声出力部9002、表示部
9003等を含む。本発明のデータラッチ回路を用いた表示装置は表示部9003に用い
ることができる。表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用など全ての情報
表示装置が含まれる。
【0084】
図9(B)はモバイルコンピュータであり、本体9101、スタイラス9102、表示
部9103、操作ボタン9104、外部インターフェイス9105等を含む。本発明のデ
ータラッチ回路を用いた表示装置は表示部9103に用いることができる。
【0085】
図9(C)はゲーム機であり、本体9201、表示部9202、操作ボタン9203等
を含む。本発明のデータラッチ回路を用いた表示装置は表示部9202に用いることがで
きる。
【0086】
図9(D)は携帯電話であり、本体9301、音声出力部9302、音声入力部930
3、表示部9304、操作スイッチ9305、アンテナ9306等を含む。本発明のデー
タラッチ回路を用いた表示装置は表示部9304に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上のように、本発明のデータラッチ回路は、デジタルデータを取り込む全ての回路に
適用可能であり、特に表示装置の駆動回路に適している。また、本発明のデータラッチ回
路を駆動回路の一部に用いた表示装置の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器
に用いることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素回路と、
前記画素回路の動作を制御する駆動回路とを有し、
前記駆動回路は、
第1の電極及び第2の電極を有する容量手段と、
前記第1の電極に入力端子が電気的に接続されたインバータと、
前記インバータの入力端子に一方の端子が電気的に接続され、且つ前記インバータの出力端子に他方の端子が電気的に接続された第1のスイッチと、
前記第2の電極に一方の端子が電気的に接続された第2のスイッチと、
前記第2の電極に一方の端子が電気的に接続された第3のスイッチとを有し、
取り込み期間において、前記第2のスイッチをオンすることにより前記第2の電極にデータ信号を入力し、
前記取り込み期間前のリセット期間において、前記第1のスイッチをオンし、且つ前記第3のスイッチをオンすることにより前記第2の電極に前記データ信号の反転信号を入力することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項2】
画素回路と、
前記画素回路の動作を制御する駆動回路とを有し、
前記駆動回路は、
第1の電極及び第2の電極を有する容量手段と、
前記第1の電極に入力端子が電気的に接続された第1のインバータと、
前記第1のインバータの入力端子に一方の端子が電気的に接続され、且つ前記第1のインバータの出力端子に他方の端子が電気的に接続された第1のスイッチと、
前記第2の電極に一方の端子が電気的に接続された第2のスイッチと、
前記第2の電極に一方の端子が電気的に接続された第3のスイッチと、
前記第1のインバータの出力端子に入力端子が電気的に接続された第2のインバータと、
前記第2のインバータの入力端子に出力端子が電気的に接続され、且つ前記第2のインバータの出力端子に入力端子が電気的に接続されたクロックドインバータとを有し、
取り込み期間において、前記第2のスイッチをオンすることにより前記第2の電極にデータ信号を入力し、
前記取り込み期間前のリセット期間において、前記第1のスイッチをオンし、且つ前記第3のスイッチをオンすることにより前記第2の電極に前記データ信号の反転信号を入力することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項3】
画素回路と、
前記画素回路の動作を制御する駆動回路とを有し、
前記駆動回路は、
第1の電極及び第2の電極を有する容量手段と、
前記第1の電極に入力端子が電気的に接続された第1のインバータと、
前記第1のインバータの入力端子に一方の端子が電気的に接続され、且つ前記第1のインバータの出力端子に他方の端子が電気的に接続された第1のスイッチと、
前記第2の電極に一方の端子が電気的に接続された第2のスイッチと、
前記第2の電極に一方の端子が電気的に接続された第3のスイッチと、
前記第1のインバータの出力端子に入力端子が電気的に接続された第2のインバータと、
前記第1のインバータの入力端子に出力端子が電気的に接続され、且つ前記第1のインバータの出力端子に入力端子が電気的に接続されたクロックドインバータとを有し、
取り込み期間において、前記第2のスイッチをオンすることにより前記第2の電極にデータ信号を入力し、
前記取り込み期間前のリセット期間において、前記第1のスイッチをオンし、且つ前記第3のスイッチをオンすることにより前記第2の電極に前記データ信号の反転信号を入力することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項4】
前記駆動回路の動作を制御する外部回路を有し、
前記駆動回路の駆動電圧は、前記外部回路の駆動電圧よりも高く、
前記データ信号は、前記外部回路が出力する信号であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項5】
前記駆動回路は、薄膜トランジスタを用いて構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項6】
前記第1のスイッチ乃至前記第3のスイッチは、薄膜トランジスタであり、
前記第1のスイッチとなる薄膜トランジスタのゲートと、前記第3のスイッチとなる薄膜トランジスタのゲートとが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス型表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−239411(P2011−239411A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125587(P2011−125587)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【分割の表示】特願2004−531658(P2004−531658)の分割
【原出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】